JP2018036247A - 識別装置及び識別方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体識別の自由度を向上させることができ、生体識別を短時間で効果的に行うことができる識別装置を提供する。【解決手段】生体50を識別する識別装置10であって、生体50を含む所定範囲A1に送信信号を送信する送信アンテナ素子21と、所定範囲A1の周囲を囲むN個の受信部30A〜30Hであって、生体50によって反射された反射信号を含む受信信号を、当該受信部が有する受信アンテナ素子を用いて、それぞれが所定期間受信するN個の受信部30A〜30Hと、対象生体において送信信号が反射された反射信号を含む受信信号をN個の受信部30A〜30Hが予め受信したN個の受信信号である教師信号42を記憶しているメモリ41と、教師信号と受信したN個の受信信号とから複数の相関係数を算出し、複数の相関係数のうち所定の相関係数が所定の数値範囲に含まれる場合に、生体50と対象生体とが同一であると判定する回路40と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、生体に無線信号を照射し、その反射信号を受信して生体の識別を行う識別装置及び識別方法に関する。
例えば特許文献1には、自動車の運転者に対して電磁波を照射し、その反射波を用いて心拍及び心音信号を抽出することで、個人を識別する装置が開示されている。
また、特許文献2には、自動車の運転者に対し複数送受信機を用い、被験者の心拍数を測定する方法が開示されている。
また、特許文献3には、被験者に対し複数アンテナによる360度放射パターン測定装置が開示されている。
特開2015−042293号公報 特開2009−055997号公報 特開2007−325621号公報
しかしながら、電磁波を利用した生体識別は自動車の運転者のようにハンドルや座席に囲まれた運転席空間という近距離だけでなく、数メートル離れた距離からの識別など、様々な場面で用いられることが想定され、生体識別の自由度を向上させることが求められている。
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る識別装置は、生体を識別する識別装置であって、前記生体を含む所定範囲に送信信号を送信する少なくとも1個の送信アンテナ素子と、前記所定範囲の周囲を囲んで配置されるN個の受信部であって、前記生体によって前記送信信号が反射された反射信号を含む受信信号を、当該受信部が有する受信アンテナ素子を用いて、それぞれが所定期間受信するN個の受信部と、対象生体に対して前記送信アンテナ素子から送信された送信信号が前記対象生体によって反射された反射信号を含む受信信号を前記N個の受信部が予め受信することにより得られたN個の受信信号である教師信号を記憶しているメモリと、前記教師信号と前記N個の受信部が受信することにより得られたN個の前記受信信号とから複数の相関係数を算出し、前記複数の相関係数のうち所定の相関係数が所定の数値範囲に含まれる場合に、前記生体と前記対象生体とが同一であると判定する、回路と、を備える。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示に係る識別装置によれば、生体識別の自由度を向上させることができ、生体識別を短時間で効果的に行うことができる。
図1は、実施の形態1における識別装置の一例を示す構成図である。 図2は、実施の形態1における回路およびメモリの機能的な構成を示すブロック図である。 図3は、実施の形態1における教師信号の一例を示す図である。 図4は、実施の形態1における識別装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図5は、実施の形態1における判定処理の一例を示すフローチャートである。 図6は、相関係数ρの累積確率分布の概念図を示すグラフである。 図7は、実施の形態1における識別装置による認識試験に用いた環境を示す図である。 図8は、識別試験により得られた相関係数ρの累積確率分布を示す図である。 図8で決定した条件(X=70〔%〕)を元に行った識別試験の識別結果を示す図である。 図10は、実施の形態1の変形例1における識別装置の一例を示す構成図である。 図11は、実施の形態2における識別装置の一例を示す構成図である。 図12は、実施の形態2における回路およびメモリの機能的な構成を示すブロック図である。 図13は、実施の形態2における識別装置の動作の一例を示すフローチャートである。
(本発明の基礎となった知見)
電磁波を利用した生体の識別に関する従来技術について、発明者らは詳細な検討を行った。その結果、特許文献1および2の方法では、自動車の運転席に座っている人物に電磁波を照射して、その人物からの反射波を測定し、測定した結果に対して演算処理を行う。この演算処理により心拍または心音の測定を行い、測定した心拍または心音の時間相関を取得することで、生体識別を実現している。しかしながら、生体の識別が必要となる状況は、人が運転席に座っている以外にも多数あり、例えば、立つ、座る、寝る、歩くなど、各種状況における生体の識別については十分に考慮されていない。
発明者らは、以上の課題に対して研究を重ねた結果、生体を識別する識別装置の適用先を増やすには、アンテナと生体の識別の対象生体との間の制約を緩和するために、アンテナと対象生体との距離または位置関係の自由度を向上させることが必要であると考えた。具体的には、対象生体の向きの自由度を上げるため、つまり、対象生体がどのような向きであっても識別できるようにするため、対象生体を基準として、アンテナを対象生体の周辺の複数の位置に対象生体への向きに設置することを見出した。また、アンテナと対象生体との距離の自由度を上げるため、対象生体を測位し、その結果を用いて距離補正を行うことで、対象生体とアンテナとの間の距離の条件を緩和可能であることを見出した。また、更に、対象生体とアンテナとの間の距離が離れることで、アンテナが受信する対象生体からの反射波が弱くなるため、測定時間を数十秒などに十分に長くすることを見出した。また、取得するデータ数を増やし、時間相関を複数パターン取得し、かつ、得られた複数パターンの時間相関の結果を降順に並べ、当該結果が所定の領域に含まれるときに生体識別することにより偶然の一致やノイズ成分を除去することが可能であることを見出した。発明者らは、これらを見出すことにより、本発明に至った。
すなわち、本発明の一態様に係る識別装置は、生体を識別する識別装置であって、前記生体を含む所定範囲に送信信号を送信する少なくとも1個の送信アンテナ素子と、前記所定範囲の周囲を囲んで配置されるN個の受信部であって、前記生体によって前記送信信号が反射された反射信号を含む受信信号を、当該受信部が有する受信アンテナ素子を用いて、それぞれが所定期間受信するN個の受信部と、対象生体に対して前記送信アンテナ素子から送信された送信信号が前記対象生体によって反射された反射信号を含む受信信号を前記N個の受信部が予め受信することにより得られたN個の受信信号である教師信号を記憶しているメモリと、前記教師信号と前記N個の受信部が受信することにより得られたN個の前記受信信号とから複数の相関係数を算出し、前記複数の相関係数のうち所定の相関係数が所定の数値範囲に含まれる場合に、前記生体と前記対象生体とが同一であると判定する、回路と、を備える。
これによれば、所定範囲の周囲を囲んで配置されるN個の受信部によって受診された受信信号を用いて生体識別を行う。このため、生体の向きに関わらず、少ない測定回数で生体識別を行うことができる。よって、生体識別の自由度を向上させることができ、生体識別を短時間で効果的に行うことができる。
また、前記回路は、さらに、前記複数の相関係数に対する累積分布関数を算出し、前記複数の相関係数のうち、前記累積分布関数において累積確率が第1値をとる相関係数が、第2値以上、または、第3値以下に含まれる場合に、前記生体と前記対象生体とが同一であると判定してもよい。
このため、生体識別をより精度よく行うことができる。
また、前記回路は、スライディング相関演算により、前記教師信号と前記N個の受信信号のそれぞれとの間の複数の相関係数を、前記複数の相関係数として算出してもよい。
このため、生体識別を効果的に行うことができる。
また、前記回路は、さらに、前記N個の受信信号を用いて前記所定範囲における前記生体の位置を算出し、前記生体の位置を用いて前記複数の相関係数を算出してもよい。
このため、生体の位置に応じた生体識別を効果的に行うことができる。
また、前記送信アンテナ素子は、複数の送信アンテナ素子を含み、前記複数の送信アンテナ素子は、互いに異なる場所に配置されてもよい。
このため、複数の送信部の数を乗じた数の受信信号を得ることができる。よって、相関係数の数を増加させることができ、短時間に精度よく生体識別を行うことができる。
また、前記送信アンテナ素子は、N個の送信アンテナ素子を含み、前記N個の受信アンテナ素子は、それぞれ、前記N個の送信アンテナ素子であり、前記回路は、更に、前記N個の受信信号を用いて、前記所定範囲における前記生体の位置を推定し、前記生体の位置を用いて前記複数の相関係数を算出してもよい。
このため、N個の送信アンテナ素子とN個の受信アンテナ素子とを兼用でき、識別装置の構成を簡易にすることができる。
また、前記教師信号は、前記所定期間のK倍(Kは2以上)の期間、前記N個の受信部が予め前記受信信号を受信することにより得られた前記N個の受信信号であってもよい。
このため、生体識別をより精度よく行うことができる。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における識別装置の構成の一例を示す構成図である。
図1に示すように、識別装置10は、送信部20、N個の受信部(本実施の形態では受信部30A〜30H)、回路40およびメモリ41を備える。識別装置10は、ヒト等の生体50を含む所定範囲A1に対して送信部20より送信信号を送信し、受信部30A〜30Hにて生体50で反射された反射信号を含む受信信号を受信する。識別装置10は、受信部30A〜30Hにより受信された受信信号を、回路40により処理することで、生体50を識別する。
送信部20は、少なくとも1個の送信アンテナ素子21を有する。送信アンテナ素子21は、所定範囲A1に送信信号を送信する。送信部20は、所定範囲A1の周囲の位置、つまり、所定範囲A1の外側の位置に配置されていてもよい。送信アンテナ素子21は、具体的には、ヒトなどの生体50に対して、マイクロ波を送信信号として発射する。送信アンテナ素子21は、無変調の送信信号を送信してもよいし、変調処理が行われた送信信号を送信してもよい。変調処理が行われる場合、送信部20は、変調処理を行うための回路を含んでいてもよい。送信アンテナ素子21は、所定範囲A1の周囲の位置に配置される。なお、所定範囲A1とは、識別装置10が生体50を識別するための予め定められた範囲の空間である。
受信部30A〜30Hのそれぞれは、1個の受信アンテナ素子31A〜31Hを有する。受信アンテナ素子31A〜31Hは、生体50によって送信部20からの送信信号が反射された信号である反射信号を含む受信信号を所定期間受信する。受信部30A〜30Hは、所定範囲A1の周囲を囲んだ状態で、例えば、それぞれが等間隔に円形に配置されている。受信部30A〜30Hは、N個(本実施の形態では8個)により構成される。
受信部30A〜30Hのそれぞれは、受信信号を周波数変換し、低周波信号に変換してもよい。また、受信部30A〜30Hのそれぞれは、受信信号に復調処理を行ってもよい。受信部30A〜30Hのそれぞれは、周波数変換および/または復調処理することにより得られた信号を回路40に出力する。受信部30A〜30Hのそれぞれは、受信信号を処理するための回路を含んでいてもよい。
回路40は、識別装置10を動作させる各種処理を実行する。回路40は、例えば、制御プログラムを実行するプロセッサと、当該制御プログラムを実行するときに使用するワークエリアとして用いられる揮発性の記憶領域(主記憶装置)とにより構成される。揮発性の記憶領域は、例えば、RAM(Randdom Access Memory)である。
回路40は、受信部30A〜30Hのそれぞれから取得した信号を揮発性の記憶領域に所定期間、一時的に記憶する。回路40は、当該信号の位相および振幅を揮発性の記憶領域所定期間、に一時的に記憶してもよい。なお、回路40は、不揮発性の記憶領域を有していてもよく、当該信号を不揮発性の記憶領域に所定期間、一時的に記憶してもよい。
なお、回路40は、識別装置10を動作させる各種処理を行うための専用回路により構成されていてもよい。つまり、回路40は、ソフトウェア処理を行う回路であってもよいし、ハードウェア処理を行う回路であってもよい。
メモリ41は、不揮発性の記憶領域(補助記憶装置)であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などである。メモリ41は、例えば、識別装置10を動作させる各種処理に利用される情報を記憶している。
次に、回路40の機能的な構成について図2を用いて説明する。
図2は実施の形態1における回路およびメモリの機能的な構成を示すブロック図である。
回路40は、相関係数算出部410と、判定部420とを有する。
相関係数算出部410は、メモリ41に記憶されている教師信号42と、受信部30A〜30Hが受信することより得られたN個の受信信号とを比較することで、複数の相関係数を算出する。なお、ここで、比較する対象となるN個の受信信号は、所定期間、回路40の記憶領域に記憶されている信号である。
ここで、メモリ41に記憶されている教師信号42について説明する。
図3は、教師信号の一例を示す図である。
教師信号42は、所定範囲A1にいる既知のヒトなどの対象生体に対して、送信アンテナ素子21から送信された送信信号が当該対象生体の表面によって反射された反射信号を含む受信信号を受信部30A〜30Hが予め受信することにより得られたN個の受信信号の時間応答波形である。つまり、図3に示すように、教師信号42は、生体50を識別するための所定期間のK倍(Kは2以上)の期間(図3の測定期間)、受信部30A〜30Hが予め反射信号を含む受信信号を受信することにより得られたN個の受信信号である。測定期間は、例えば、120〔s〕である。なお、図3で示す教師信号は、1個の受信部が受信した受信信号の一例である。
なお、教師信号42は、複数の既知の対象生体のそれぞれについて予め取得されていてもよい。この場合、複数の既知の対象生体にそれぞれ対応する複数の教師信号42のそれぞれは、対応する対象生体を識別する識別情報と対応付けられた状態でメモリ41に記憶されている。
相関係数算出部410は、具体的には、スライディング相関演算により、教師信号42とN個の受信信号のそれぞれとの間の複数の相関係数を算出する。ここで取り扱うスライディング相関演算とは、
Figure 2018036247
で表される相関係数を求める演算である。
Figure 2018036247
ここで、S(t)はl番目の教師複素信号ベクトル、S(t)は観測した複素信号ベクトル、Cは巡回置換行列である。k(0≦k≦M−1)は、巡回置換行列の指数であり、生体の向きに対応する。すなわち、Cが1回乗算されると、観測信号ベクトルSの要素は1列分巡回シフトされるため受信アンテナ全体が円の中心を基準として360/M度回転したことと等価になる。Cは受信アンテナを360k/M度回転させることとなるが、これは生体が任意の方向を向いたときでも認識可能とするためである。また、τは観測した受信信号と教師信号との時間差を考慮するためのものである。これは生体に起因する波形応答が周期的であることを利用するためのものであり、τを変化させることで任意のタイミングに観測した受信信号をスライドさせながら観測した教師信号と比較することができる。相関係数算出部410は、以上に述べたτおよびkを変化させて相関係数の最大値、
Figure 2018036247
を算出する。ここで、τmaxはスライディング相関演算を行う最大の時間差であり、生体活動の周期またはその数倍程度以上に設定すればよい。例えば呼吸の周期を3秒とすると、τmaxは当該周期の3倍以上の10秒程度に設定すればよい。既知の生体について事前に何度も教師信号を測定しており、メモリ41が当該既知の生体についての複数の教師信号を記憶している場合、(式5)の演算を複数の教師信号に対して実施することによって、一度の観測で多数の相関係数ρを得てもよい。なお、ここで教師複素信号ベクトルS(t)と複素信号ベクトルS(t)とは送信アンテナ素子21と各受信アンテナ素子31A〜31Hとの間の伝搬チャネル(伝達関数)であってもよい。
判定部420は、相関係数算出部410により算出された複数の相関係数が所定の数値範囲に含まれるか否かを判定する。判定部420は、複数の相関係数のうちの所定の相関係数が所定の数値範囲に含まれる場合に、生体50と対象生体とが同一であると判定する。
具体的には、判定部420は、複数の相関係数に対する累積分布関数を算出する。判定部420は、複数の相関係数のうち、算出した累積分布関数において累積確率が第1値を取る相関係数が、第2値以上の数値範囲に含まれるか否かを判定する。そして、判定部420は、判定した結果、算出した累積分布関数において累積確率が第1値を取る相関係数が、第2値以上の数値範囲に含まれると判定した場合、生体50と対象生体とが同一であると判定する。
なお、判定部420は、算出した累積分布関数において累積確率が第1値を取る相関係数が、第2値以上の数値範囲に含まれる場合、生体50と対象生体とが同一であると判定したが、判定の基準は第2値以上の数値範囲に限定されない。判定部420は、当該相関係数が第2値以上第3値以下の数値範囲に含まれる場合に、生体50と対象生体とが同一であると判定してもよい。また、判定部420は、当該相関係数が第3値以下の数値範囲に含まれる場合に、生体50と対象生体とが同一であると判定してもよい。
なお、複数の既知の対象生体のそれぞれについて予め取得された複数の教師信号42がメモリ41に記憶されている場合には、回路40では、複数の対象生体のそれぞれに対応する教師信号42のそれぞれについて、処理を行う。これにより、回路40は、生体50を、当該生体50と同一であると判定された教師信号42に対応する対象生体であると識別する。
図4は、実施の形態1における識別装置の動作の一例を示すフローチャートである。
識別装置10では、生体50を所定範囲A1内に配置した状態で、送信アンテナ素子21が所定範囲A1に送信信号を送信する(S11)。
受信部30A〜30Hは、それぞれが有する受信アンテナ素子31A〜31Hを用いて、生体50によって送信信号が反射された反射信号を含む受信信号を所定期間受信する(S12)。
回路40は、教師信号42をメモリ41から読み出し、読み出した教師信号とN個の受信信号とから複数の相関係数を算出する(S13)。具体的には、回路40は、得られた受信信号を処理することで得られた複素信号ベクトルS(t)について、(式1)〜(式5)の手順によって、相関係数を求める。ここで、教師複素信号ベクトルS(t)を一定時間Tの間観測する作業を事前にL回行うことで得られたL個の教師信号群[S(t),...,S(t)]がメモリ41に記憶されているものとする。この場合、L個の教師信号群と、N個の受信信号とを比較して相関係数を求めるため、得られる相関係数の数はL×N個である。
次に、回路40は、算出した複数の相関係数のうち所定の相関係数が所定の数値範囲に含まれる場合に、生体50と対象生体とが同一であると判定する(S14)。
次に、ステップS14の判定処理を具体的に説明する。
図5は、実施の形態1における判定処理の一例を示すフローチャートである。
判定処理において、判定部420は、得られた複数の相関係数の累積確率分布を算出する(S21)。
判定部420は、複数の相関係数のうち、算出した累積確率分布において累積確率が第1値としてのX%値である相関係数ρ(X)を算出する(S22)。ここで、判定部420は、判定基準となるX%値を、教師信号の対象生体と同一の生体で得られる累積確率分布と、教師信号の対象生体とは異なる生体で得られる累積確率分布との差異が十分に大きくなる値に設定することで後述の識別率を向上することが可能になる。上記の差異が十分に大きくなる値が不明な場合は、判定部420は、X%値を、例えば中央値(X=50%)に設定してもよい。
次に、判定部420は、識別を行うために、事前に第2値としてのしきい値ρminを設定しておき、ρmin≦ρ(X)を満たすか否かを判定する(S23)。判定部420は、ρmin≦ρ(X)を満たす場合(S23でYes)、生体50が対象生体と同一であると判定する(S24)。一方で、判定部420は、ρmin≦ρ(X)を満たさない、つまり、ρmin>ρ(X)である場合(S23でNo)、生体50が対象生体とは異なると判定する(S25)。なお、しきい値ρminは、教師信号が対象生体と同一である場合にρmin≦ρ(X)を満たすように設定する必要があるが、低すぎる値に設定されると対象生体とは異なる生体を同一の生体であると識別する誤検出率が上昇するため、適切な値に設定する必要がある。
図6は、相関係数ρの累積確率分布の概念図を示すグラフである。具体的には、図6では、教師信号の対象生体と同一の生体である場合の累積確率分布が実線のグラフで示され、教師信号の対象生体とは異なる生体である場合の累積確率分布が破線のグラフで示されている。同一の生体間の相関係数は、高く出る傾向があるため、実線および破線で示す両分布のρ(X)には差が生じる。このような分布の差を事前の実験などにより知っておけば、判定部420は、誤認識が少なく高い認識率が得られるしきい値ρminを用いて判定処理を行うことができる。判定部420は、このように適切に設定したしきい値ρminを用いることでより識別が可能になる。
次に、実施の形態1における識別装置10による生体識別の有効性を明らかにするために行った識別試験について説明する。
図7は、実施の形態1における識別装置による識別試験に用いた環境を示す図である。
図7に示すように、識別試験では、送信部20に相当する送信機を1台、受信部30A〜30Hに相当する受信機(受信アンテナ)を8台用いた。8台の受信機は、生体を中心として0.5mの半径、かつ、45度間隔で円形に並べて配置されている。ここで、送信アンテナ素子は1素子の方形パッチアンテナであり、8台の受信機が有する8個の受信アンテナ素子はそれぞれ方形パッチアンテナである。また、床面から受信アンテナ素子が設置される位置までの高さは0.9mである。送信アンテナ素子は、1番目の受信アンテナ素子のマイクロ波の1波長真上に配置されている。
図8は、識別試験により得られた相関係数ρの累積確率分布を示す図である。
ここで教師信号は、事前に5回の測定を行った結果である。また、識別のための観測回数は1回である。識別を行う所定期間はT=10秒である。
対象生体と同一の生体である場合、比較的高い相関係数が観測されたが、対象生体とは異なる生体である場合では、対象生体と同一の生体である場合と比較して相関係数が低いことが分かる。この実験結果により、相関係数の比較の基準となる第1値は、分布の差が比較的大きいX=70〔%〕に設定した。
図9は、図8で決定した条件(X=70〔%〕)を元に行った識別試験の結果を示す図である。図9では、しきい値ρminを変化させた場合に、対象生体と同一の生体であると正しく識別できた確率(以下、「認識率」ともいう。)を実線のグラフで示し、対象生体とは異なる生体を過って識別した確率(以下、「誤認識率」ともいう。)を破線のグラフで示している。誤認識率は、対象生体とは異なる生体についての判定処理において、対象生体と同一であると判定された場合の確率である。
図9に示す破線のグラフより、しきい値ρminを上げるに従い誤認識率が低下することが分かる。また、しきい値ρminをρmin≧0.86とすることで、誤認識率を0%に、かつ、認識率を90%にできることが明らかになった。
本実施の形態に係る識別装置10によれば、所定範囲A1の周囲を囲んで配置されるN個の受信部30A〜30Hによって受信された受信信号を用いて生体識別を行う。このため、異なる複数の角度から受信信号を取得でき、少ない測定回数で生体識別を行うことができる。よって、生体識別の自由度を向上させることができ、生体識別を短時間で効果的に行うことができる。
また、本実施の形態に係る識別装置10は、マイクロ波などの無線信号を用いて、ヒト等の生体を識別する。このように、カメラで撮像した画像に対して画像解析することなくヒト等の生体を識別できるため、ヒトのプライバシーを保護した状態で、ヒトの識別を行うことができる。
(実施の形態1の変形例1)
上記実施の形態1に係る識別装置10は、1個の送信部20と、N個の受信部30A〜30Hとを備える構成としたが、これに限らない。例えば、図10に示すように、N個(本変形例では8個)の送受信部60A〜60Hを備える識別装置10Aを採用してもよい。
図10は、変形例1における識別装置の一例を示す構成図である。
送受信部60A〜60Hは、N個の受信アンテナ素子31A〜31Hを有する。N個の受信アンテナ素子31A〜31Hは、それぞれ、N個の送信アンテナ素子としても機能する。なお、回路40およびメモリ41の構成は、実施の形態1の識別装置10の構成と同様であるため説明を省略する。
この場合、送受信部60A〜60Hのそれぞれは、送信部と受信部とのいずれかを選択的に機能させる。つまり、例えば、送受信部60A〜60Hのうちの1つを送信部として機能させ、他の複数の送受信部を受信部として機能させることで、複数の受信信号を取得する。また、送信部として機能させる送受信部を順次切り替えることで、複数の送受信部60A〜60Hから送信された送信信号による複数の受信信号を取得できる。
この構成により短時間に効率よく、前記教師信号、前記受信信号を取得できることは言うまでもない。
(実施の形態1の変形例2)
変形例1の識別装置10Aでは、送信部と受信部とを兼用した送受信部を備える構成としたが、兼用していなくてもよい。つまり、識別装置は、複数の送信部と、当該複数の送信部とは異なる別体のN個の受信部とを備える構成としてもよい。複数の送信部は、所定範囲A1の周囲、つまり、所定範囲A1の外側の互いに異なる位置に配置される。
(実施の形態2)
上記実施の形態1およびその変形例1、2に係る識別装置10、10Aでは、生体50が所定範囲A1のどの位置に位置するのかが考慮されていないが、実施の形態2に係る識別装置10Bでは、生体50の所定範囲A1における位置を検出し、当該位置を用いて識別を行ってもよい。
図11は、実施の形態2における識別装置の一例を示す構成図である。
図11に示すように、識別装置10Bは、送信部20B、受信部70A、70B、回路40Bおよびメモリ41を備える。メモリ41の構成は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
送信部20Bは、n個(nは2以上の自然数)の送信アンテナ素子21Bを有する。送信部20Bは、n個の送信アンテナ素子21Bが水平面上の第1所定方向に並んで配置されることで構成されるアレーアンテナを有する。n個の送信アンテナ素子21Bのそれぞれは、所定範囲A1に対して送信信号を送信する。つまり、送信部20Bは、異なるn箇所の位置からn個の送信信号を所定範囲A1に対して送信する。
n個の送信アンテナ素子21Bのそれぞれは、変調信号または無変調の信号を逐次的に切り替えて送信してもよい。このように、n個の送信アンテナ素子21B毎に、n個の送信アンテナ素子21Bから送信される送信信号をそれぞれ異なる送信信号とすることで、受信部70Aにより受信された送信信号を送信した送信アンテナ素子21Bを特定できる。このように、送信部20Bは、変調処理を行うための回路を含んでいてもよい。
受信部70Aは、m個(mは2以上の自然数)の受信アンテナ素子71Aを有する。受信部70Aは、m個の受信アンテナ素子71Aが水平面上の第2所定方向に並んで配置されることで構成されるアレーアンテナを有する。m個の受信アンテナ素子71Aのそれぞれは、n個の送信信号のうち生体50により反射された信号である反射信号を含むn個の受信信号を受信する。受信部70Aは、マイクロ波からなる受信信号を周波数変換し、低周波数信号に変換する。受信部70Aは、低周波数信号に変換することにより得られた信号を回路40Bに出力する。つまり、受信部70Aは、受信信号を処理するための回路を含んでいてもよい。
受信部70Bは、1個の受信アンテナ素子71Bを有する。受信部70Bは、実施の形態1の受信部30A〜30Hの1つと同じ構成であるため説明を省略する。受信部70Bは、送信部20Bおよび受信部70Aが配置される位置とは、所定範囲A1を挟んで反対側の位置に配置される。つまり、受信部70Aおよび受信部70Bは、所定範囲A1の周囲を囲んで配置される。
回路40Bのハードウェア構成は、実施の形態1の回路40と同じ構成であるため説明を省略する。
次に、回路40Bの機能的な構成について図12を用いて説明する。
図12は、実施の形態2における回路およびメモリの機能的な構成を示すブロック図である。
回路40Bは、相関係数算出部410と、判定部420と、複素伝達関数算出部430と、生体成分算出部440と、位置推定処理部450と、信号補正部460とを有する。回路40Bは、実施の形態1の回路40と比較して、さらに、複素伝達関数算出部430と、生体成分算出部440と、位置推定処理部450と、信号補正部460とを有する点が異なるため、これらの構成について説明する。
複素伝達関数算出部430は、低周波信号に変換された受信信号から複素伝達関数を算出する。複素伝達関数とは、各送信アンテナ素子21Bと各受信アンテナ素子71Aとの間の伝搬損失および位相回転を表すものである。複素伝達関数は、送信アンテナ素子数がn個であり、受信アンテナ素子数がm個の場合、m×nの成分を持つ複素行列となる。以降、この複素行列を複素伝達関数行列と呼ぶ。推定した複素伝達関数行列は、生体成分算出部440に出力される。つまり、複素伝達関数算出部430は、m個の受信アンテナ素子71Aのそれぞれにおいて所定期間で受信された複数の受信信号のそれぞれから、n個の送信アンテナ素子21Bそれぞれと、m個の受信アンテナ素子71Aそれぞれとの間の伝播特性を示す各複素伝達関数を成分とする、n×mの第1行列を算出する。
生体成分算出部440は、生体50を経由した受信信号から得られた複素伝達関数行列成分と、生体50を経由していない受信信号から得られた複素伝達関数行列成分とに分離する。生体50を経由した成分とは、生体活動により時変動する成分である。よって、生体50を経由した成分は、例えば、生体50以外は静止しているものとした場合、複素伝達関数行列の成分を時間方向にフーリエ変換することで得られた成分から、直流以外の成分を取り出すことによって抽出することが可能である。また、生体50を経由した成分は、例えば、生体50が所定範囲A1に存在しないときに観測された結果との差分が所定の閾値を超えている成分を取り出すことによって抽出することも可能である。このように、生体成分算出部440は、生体50を経由した反射信号を含む受信信号から得られた複素伝達関数行列成分を抽出することで、抽出した複素伝達関数行列成分を生体成分として算出する。つまり、生体成分算出部440は、第1行列における所定周波数範囲に対応する第2行列を抽出することで、生体の呼吸、心拍および体動の少なくともいずれかを含むバイタル活動の影響を受けた成分に対応する第2行列を抽出する。所定周波数範囲は、例えば、上述した生体の呼吸、心拍および体動の少なくともいずれかを含むバイタル活動に由来する周波数である。所定周波数範囲は、例えば、0.1Hz以上3Hz以下の範囲の周波数である。これにより、心臓、肺、横隔膜、内蔵の動きによる生体50の部位のバイタル活動、または、手、足などによるバイタル活動の影響を受けた生体成分を抽出できる。なお、心臓、肺、横隔膜、内蔵の動きによる生体50の部位とは、例えば、人のみぞおちである。
ここで生体成分は、m×nの成分を持つ行列であり、所定期間に受信部70Aにおいて観測された受信信号から得られる複素伝達関数から抽出される。このため、生体成分は、周波数応答あるいは時間応答情報を持っているものとする。なお、所定期間は、生体の呼吸、心拍、および、体動の少なくとも1つの周期の略半分の期間である。
生体成分算出部440で算出された生体成分は、位置推定処理部450に出力される。位置推定処理部450は、算出された生体成分を用いて生体50の位置推定を行う。つまり、位置推定処理部450は、第2行列を用いて、識別装置10Bに対する生体50の位置を推定することで、所定範囲A1において生体50が存在する位置を推定する。位置推定には、送信部20Bからの出発角θと受信部70Aへの到来角θとの両方の角度を推定し、推定した出発角θおよび到来角θと、メモリ41に予め記憶されている送信部20Bおよび受信部70Aの位置とから三角法によって生体50の位置を推定する。
なお、送信部20Bに対して任意に設定された第1基準方向と、送信部20Bから生体50への方向である第1生体方向とのなす角を出発角θとする。同様に、受信部70Aに対して任意に設定された第2基準方向と、受信部70Aから生体50への方向である第2生体方向とのなす角を到来角θとする。なお、第1基準方向、第1生体方向、第2基準方向、および、第2生体方向は、水平面上の方向である。
信号補正部460は、位置推定処理部450により推定された生体50の位置に応じて、受信部70A、70Bにより受信された複数の受信信号のそれぞれについて、送信アンテナ素子21B、受信アンテナ素子71A、71Bと生体50の距離を考慮し補正を行う。
相関係数算出部410は、メモリ41に記憶されている教師信号42と、信号補正部460により補正されることにより得られた複数の補正信号とを比較することで、複数の相関係数を算出する。相関係数算出部410は、実施の形態1と比較して、複数の受信信号の代わりに複数の補正信号を用いている点のみが異なっており、実行する処理は、実施の形態1と同様である。
図13は、実施の形態2における識別装置の動作の一例を示すフローチャートである。
識別装置10では、生体50を所定範囲A1内に配置した状態で、送信アンテナ素子21Bが所定範囲A1にn個の送信信号を送信する(S11a)。
受信部70A、70Bは、それぞれが有する受信アンテナ素子71A、71Bを用いて、送信部20Bにより送信されたn個の送信信号が生体50により反射された複数の反射信号を含むn個の受信信号を受信する(S12a)。
回路40Bは、m個の受信アンテナ素子71Aのそれぞれにおいて所定期間で受信されたn個の受信信号のそれぞれから、n個の送信アンテナ素子21Bそれぞれと、m個の受信アンテナ素子71Aそれぞれとの間の伝播特性を示す各複素伝達関数を成分とする、n×mの第1行列を算出する(S31)。
回路40Bは、第1行列における所定周波数範囲に対応する第2行列を抽出することで、生体50の呼吸、心拍および体動の少なくともいずれかを含むバイタル活動の影響を受けた成分に対応する第2行列を抽出する(S32)。
回路40Bは、第2行列を用いて、識別装置10Bに対する生体50の存在する位置を推定する(S33)。
回路40Bは、推定された生体50の位置に応じて、受信部70A、70Bにより受信された複数の受信信号のそれぞれについて補正を行う(S34)。
回路40Bは、実施の形態1で説明したステップS13およびステップS14を行い、処理を終了する。
本実施の形態に係る識別装置10Bによれば、生体50が所定範囲A1内を移動している場合であっても、移動する生体50の位置の測位を行い、測位された座標を元に受信部と生体の距離、方向を算出し、受信信号の補正を行うため、移動中の生体50についても生体識別が可能となる。
(実施の形態2の変形例)
上記実施の形態2では、送信部20Bが送信する送信信号が生体50により反射された複数の反射信号を含むn個の受信信号を用いて、所定範囲A1内における生体50の位置を推定するとしたが、これに限らない。例えば、既存の生体レーダ、カメラなど、生体の測位ができる装置を用いることで、所定範囲A1内における生体50の位置を検出してもよい。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の識別装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、少なくとも1個の送信アンテナ素子と、受信アンテナ素子をそれぞれが有するN個の受信部と、メモリと、回路とを備える識別装置による生体を識別する識別方法であって、前記送信アンテナ素子を用いて、前記生体を含む所定範囲に送信信号を送信し、前記N個の受信部のそれぞれが有する前記受信アンテナ素子を用いて、前記生体によって前記送信信号が反射された反射信号を含む受信信号をそれぞれが所定期間受信し、対象生体に対して前記送信アンテナ素子から送信された送信信号が前記対象生体によって反射された反射信号を前記N個の受信部が予め受信することにより得られたN個の受信信号である教師信号を前記メモリから読み出し、読み出した前記教師信号と前記N個の受信部において受信されたN個の前記受信信号とから複数の相関係数を算出し、算出した前記複数の相関係数のうち所定の相関係数が所定の数値範囲に含まれる場合に、前記生体と前記対象生体とが同一であると判定する識別方法を実行させる。
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る識別装置10、10A、10Bについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
本発明は、無線信号を利用した生体を識別する識別装置に利用でき、特に、生体に応じた制御を行う家電機器、生体の侵入を検知する監視装置などに搭載される生体識別装置などに利用できる。
10、10A、10B 識別装置
20、20B 送信部
21、21B 送信アンテナ素子
30A〜30H、70A、70B 受信部
31A〜31H、71A、71B 受信アンテナ素子
40、40B 回路
41 メモリ
42 教師信号
50 生体
60A〜60H 送受信部
410 相関係数算出部
420 判定部
430 複素伝達関数算出部
440 生体成分算出部
450 位置推定処理部
460 信号補正部

Claims (8)

  1. 生体を識別する識別装置であって、
    前記生体を含む所定範囲に送信信号を送信する少なくとも1個の送信アンテナ素子と、
    前記所定範囲の周囲を囲んで配置されるN個の受信部であって、前記生体によって前記送信信号が反射された反射信号を含む受信信号を、当該受信部が有する受信アンテナ素子を用いて、それぞれが所定期間受信するN個の受信部と、
    対象生体に対して前記送信アンテナ素子から送信された送信信号が前記対象生体によって反射された反射信号を含む受信信号を前記N個の受信部が予め受信することにより得られたN個の受信信号である教師信号を記憶しているメモリと、
    前記教師信号と前記N個の受信部が受信することにより得られたN個の前記受信信号とから複数の相関係数を算出し、前記複数の相関係数のうち所定の相関係数が所定の数値範囲に含まれる場合に、前記生体と前記対象生体とが同一であると判定する、回路と、を備える、
    識別装置。
  2. 前記回路は、
    さらに、前記複数の相関係数に対する累積分布関数を算出し、
    前記複数の相関係数のうち、前記累積分布関数において累積確率が第1値をとる相関係数が、第2値以上、または、第3値以下に含まれる場合に、前記生体と前記対象生体とが同一であると判定する、
    請求項1に記載の識別装置。
  3. 前記回路は、スライディング相関演算により、前記教師信号と前記N個の受信信号のそれぞれとの間の複数の相関係数を、前記複数の相関係数として算出する、
    請求項1または2に記載の識別装置。
  4. 前記回路は、
    さらに、前記N個の受信信号を用いて前記所定範囲における前記生体の位置を算出し、
    前記生体の位置を用いて前記複数の相関係数を算出する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の識別装置。
  5. 前記送信アンテナ素子は、複数の送信アンテナ素子を含み、
    前記複数の送信アンテナ素子は、互いに異なる場所に配置される、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の識別装置。
  6. 前記送信アンテナ素子は、N個の送信アンテナ素子を含み、
    前記N個の受信アンテナ素子は、それぞれ、前記N個の送信アンテナ素子であり、
    前記回路は、更に、
    前記N個の受信信号を用いて、前記所定範囲における前記生体の位置を推定し、
    前記生体の位置を用いて前記複数の相関係数を算出する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の識別装置。
  7. 前記教師信号は、前記所定期間のK倍(Kは2以上)の期間、前記N個の受信部が予め前記受信信号を受信することにより得られた前記N個の受信信号である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の識別装置。
  8. 少なくとも1個の送信アンテナ素子と、受信アンテナ素子をそれぞれが有するN個の受信部と、メモリと、回路とを備える識別装置による生体を識別する識別方法であって、
    前記送信アンテナ素子を用いて、前記生体を含む所定範囲に送信信号を送信し、
    前記N個の受信部のそれぞれが有する前記受信アンテナ素子を用いて、前記生体によって前記送信信号が反射された反射信号を含む受信信号をそれぞれが所定期間受信し、
    対象生体に対して前記送信アンテナ素子から送信された送信信号が前記対象生体によって反射された反射信号を前記N個の受信部が予め受信することにより得られたN個の受信信号である教師信号を前記メモリから読み出し、
    読み出した前記教師信号と前記N個の受信部において受信されたN個の前記受信信号とから複数の相関係数を算出し、
    算出した前記複数の相関係数のうち所定の相関係数が所定の数値範囲に含まれる場合に、前記生体と前記対象生体とが同一であると判定する、
    識別方法。
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