JP2018035128A - 医用抗真菌剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、医用抗真菌剤に関する。より詳細に、本発明は、少ない使用量でも高い効果を示す医用抗真菌剤に関する。
特許文献1および2は、本発明に関連する化合物を開示し、この化合物が農園芸用殺菌剤の有効成分として有用であると述べている。
本発明の目的は、少ない使用量でも高い効果を示す医用抗真菌剤を提供することである。
上記の目的を達成すべく検討した結果、以下の態様を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕式(I)および式(II)で表される化合物並びにそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一つを有効成分として含有する、医用抗真菌剤。
(式(I)中、
R1は、シアノ基、ニトロ基、CRaRbRcで表される基、SRdで表される基、S(=O)Rdで表される基、またはSO2Rdで表される基を示す。Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立してC1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基または水酸基を示す。Rdは、C1〜6アルキル基を示す。
X1は、ハロゲノ基またはC1〜6アルキル基を示す。nは、0〜5のいずれかの整数を示す。nが2以上の場合、X1同士は、同一でも相異なっていてもよい。
X2は、ハロゲノ基を示す。mは、0〜4のいずれかの整数を示す。mが2以上の場合、X2同士は、同一でも相異してもよい。
A1およびA2は、それぞれ独立して窒素原子または炭素原子を示す。)
(式(II)中、
X3は、ハロゲノ基またはC1〜6アルキル基を示す。kは、0〜6のいずれかの整数を示す。kが2以上の場合、X3同士は、同一でも相異してもよい。
X4は、ハロゲノ基を示す。hは、0〜4のいずれかの整数を示す。hが2以上の場合、X4同士は、同一でも相異してもよい。
R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立して水素原子、C1〜6アルキル基または水酸基を示す。)
〔1〕式(I)および式(II)で表される化合物並びにそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一つを有効成分として含有する、医用抗真菌剤。
(式(I)中、
R1は、シアノ基、ニトロ基、CRaRbRcで表される基、SRdで表される基、S(=O)Rdで表される基、またはSO2Rdで表される基を示す。Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立してC1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基または水酸基を示す。Rdは、C1〜6アルキル基を示す。
X1は、ハロゲノ基またはC1〜6アルキル基を示す。nは、0〜5のいずれかの整数を示す。nが2以上の場合、X1同士は、同一でも相異なっていてもよい。
X2は、ハロゲノ基を示す。mは、0〜4のいずれかの整数を示す。mが2以上の場合、X2同士は、同一でも相異してもよい。
A1およびA2は、それぞれ独立して窒素原子または炭素原子を示す。)
(式(II)中、
X3は、ハロゲノ基またはC1〜6アルキル基を示す。kは、0〜6のいずれかの整数を示す。kが2以上の場合、X3同士は、同一でも相異してもよい。
X4は、ハロゲノ基を示す。hは、0〜4のいずれかの整数を示す。hが2以上の場合、X4同士は、同一でも相異してもよい。
R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立して水素原子、C1〜6アルキル基または水酸基を示す。)
アムホテリシンB(amphotericin B)、ナイスタチン(Nystatin)などのポリエン系抗生物質はカンジダ(Candida)属などの真菌感染症の治療薬として知られている。しかし、これらは腎毒性がある。
本発明の医用抗真菌剤は、Aspergillus属菌、Trichophyton属菌などの真菌に対して少ない使用量でも高い抗菌活性を示すので、低い腎毒性が期待できる。
本発明の医用抗真菌剤は、白癬菌による白癬(水虫、たむし、およびしらくも)、カンジダによるカンジダ症、クリプトコックスによるクリプトコックス症、アスペルギルスによるアスペルギルス症などの真菌感染症の治療薬または予防薬として使用が期待できる。
本発明の医用抗真菌剤は、Aspergillus属菌、Trichophyton属菌などの真菌に対して少ない使用量でも高い抗菌活性を示すので、低い腎毒性が期待できる。
本発明の医用抗真菌剤は、白癬菌による白癬(水虫、たむし、およびしらくも)、カンジダによるカンジダ症、クリプトコックスによるクリプトコックス症、アスペルギルスによるアスペルギルス症などの真菌感染症の治療薬または予防薬として使用が期待できる。
以下に、本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の医用抗真菌剤は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と表記することがある。)、式(II)で表される化合物(以下、化合物(II)と表記することがある。)、化合物(I)の塩、および化合物(II)の塩からなる群から選ばれる少なくとも一つを有効成分として含有するものである。
式(1)中のX1は、ハロゲノ基またはC1〜6アルキル基を示す。
C1〜6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等を挙げることができる。C1〜6アルキル基は、一部または全部の水素原子が、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の基で置換されていてもよい。該置換基としては、ハロゲノ基、水酸基などを挙げることができる。
ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基を挙げることができる。
nは、X1の数であり且つ0〜5のいずれかの整数を示す。nが2以上の場合、X1同士は、同一でも相異なっていてもよい。
C1〜6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等を挙げることができる。C1〜6アルキル基は、一部または全部の水素原子が、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の基で置換されていてもよい。該置換基としては、ハロゲノ基、水酸基などを挙げることができる。
ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基を挙げることができる。
nは、X1の数であり且つ0〜5のいずれかの整数を示す。nが2以上の場合、X1同士は、同一でも相異なっていてもよい。
式(I)中のX2は、ハロゲノ基を示す。ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基を挙げることができる。
mは、X2の数であり且つ0〜4のいずれかの整数を示す。mが2以上の場合、X2同士は、同一でも相異してもよい。
mは、X2の数であり且つ0〜4のいずれかの整数を示す。mが2以上の場合、X2同士は、同一でも相異してもよい。
式(I)中のR1は、シアノ基、ニトロ基、CRaRbRcで表される基、SRdで表される基、S(=O)Rdで表される基、またはSO2Rdで表される基を示す。
Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立してC1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基または水酸基を示す。Ra、RbおよびRcにおけるC1〜6アルキル基としては、X1におけるC1〜6アルキル基として例示したものと同じものを挙げることができる。C1〜6アルキル基は、一部または全部の水素原子が、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の基で置換されていてもよい。該置換基としては、ハロゲノ基、水酸基などを挙げることができる。
C1〜6アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を挙げることができる。
C1〜6アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を挙げることができる。
Rdは、C1〜6アルキル基を示す。RdにおけるC1〜6アルキル基としては、X1におけるC1〜6アルキル基として例示したものと同じものを挙げることができる。C1〜6アルキル基は、一部または全部の水素原子が、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の基で置換されていてもよい。該置換基としては、ハロゲノ基、水酸基などを挙げることができる。
式(I)中のA1は、炭素原子または窒素原子を示す。A1における炭素原子は置換基X2を有してもよい。A1が炭素原子であるときは、CHまたはCX2であることを意味する。
式(I)中のA2は、炭素原子または窒素原子を示す。A2における炭素原子は置換基X1を有してもよい。A2が炭素原子であるときは、CHまたはCX1であることを意味する。
式(II)中のX3は、ハロゲノ基またはC1〜6アルキル基を示す。
X3におけるハロゲノ基またはC1〜6アルキル基としてはX1におけるハロゲノ基またはC1〜6アルキル基として例示したものと同じものを挙げることができる。C1〜6アルキル基は、一部または全部の水素原子が、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の基で置換されていてもよい。該置換基としては、ハロゲノ基、水酸基などを挙げることができる。
kは、X3の数であり且つ0〜6のいずれかの整数である。kが2以上の場合、X3同士は、同一でも相異なっていてもよい。
X3におけるハロゲノ基またはC1〜6アルキル基としてはX1におけるハロゲノ基またはC1〜6アルキル基として例示したものと同じものを挙げることができる。C1〜6アルキル基は、一部または全部の水素原子が、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の基で置換されていてもよい。該置換基としては、ハロゲノ基、水酸基などを挙げることができる。
kは、X3の数であり且つ0〜6のいずれかの整数である。kが2以上の場合、X3同士は、同一でも相異なっていてもよい。
式(II)中のX4は、ハロゲノ基を示す。ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基を挙げることができる。
hは、X4の数であり且つ0〜4のいずれかの整数を示す。hが2以上の場合、X4同士は、同一でも相異してもよい。
hは、X4の数であり且つ0〜4のいずれかの整数を示す。hが2以上の場合、X4同士は、同一でも相異してもよい。
式(II)中のR2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立して水素原子、C1〜6アルキル基または水酸基を示す。R2、R3、R4およびR5におけるC1〜6アルキル基としてはX1におけるC1〜6アルキル基として例示したものと同じものを挙げることができる。C1〜6アルキル基は、一部または全部の水素原子が、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の基で置換されていてもよい。該置換基としては、ハロゲノ基、水酸基などを挙げることができる。
化合物(I)または化合物(II)の具体例としては、式(Ia)、(Ib)および(IIa)で表される化合物を挙げることができる。
なお、表1は式(Ia)中の置換基の組み合わせを示す。表2は式(Ib)中の置換基の組み合わせを示す。表3は式(IIa)中の置換基の組み合わせを示す。
なお、表1は式(Ia)中の置換基の組み合わせを示す。表2は式(Ib)中の置換基の組み合わせを示す。表3は式(IIa)中の置換基の組み合わせを示す。
化合物(I)の塩および化合物(II)の塩は、薬学的に許容される塩であれば特に限定されず、具体的には、真菌感染症の化学療法及び予防において使用される塩を意味し、さらに具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ステアリン酸、コハク酸、エチルコハク酸、マロン酸、ラクトビオン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸(トシル酸)、ラウリル硫酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アジピン酸、システイン、N−アセチルシステイン、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、ヨウ化水素酸、ニコチン酸、シュウ酸、ピクリン酸、チオシアン酸、ウンデカン酸、アクリル酸ポリマー及びカルボキシビニルポリマー等の酸との塩を挙げることができる。
化合物(I)およびその塩並びに化合物(II)およびその塩は、公知の製法によって得ることができる。例えば、特許文献1、特許文献2などに開示されている製法によって得ることができる。
本発明の医用抗真菌剤の有効成分として使用される化合物(I)およびその塩並びに化合物(II)およびその塩は、光学異性体が存在する場合、実質的に純粋な光学異性体であることが好ましい。
本発明の医用抗真菌剤に含有する有効成分の量は、医用抗真菌剤の質量に対して、好ましくは85質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
本発明の医用抗真菌剤は、薬学的に許容される添加剤を含むことができる。添加剤は、公知の医用薬剤において、使用されているものであれば特に制限されない。これらは、当然ながら、無菌であり、発熱性がない。また、添加剤は、医用抗真菌剤の剤型や投与方法などに応じて、適宜、選択することができる。
本発明の医用抗真菌剤が採り得る剤型は、特に限定されず、例えば、錠剤、顆粒剤、トローチ(飴)などの固体剤;シロップ、乳濁剤、懸濁剤、溶液などの液体剤;エアロゾル、蒸気などの気体剤;ナノ粒子製剤などを挙げることができる。
本発明の医用抗真菌剤の投与は、公知の方法で行うことができる。投与方法としては、例えば、皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内(intrasternally)等への注入(注射); 肛門、膣などへの挿入、皮膚表面への塗布や散布などの経皮投与; 口から服用などの経口投与; 吸気などによる経鼻投与などを挙げることができる。
本発明の医用抗真菌剤の投与は、公知の方法で行うことができる。投与方法としては、例えば、皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内(intrasternally)等への注入(注射); 肛門、膣などへの挿入、皮膚表面への塗布や散布などの経皮投与; 口から服用などの経口投与; 吸気などによる経鼻投与などを挙げることができる。
経口投与用の固体剤の場合、本発明の医用抗真菌剤に使用できる添加剤としては、シクロデキストリンまたは修飾シクロデキストリン等の溶解補助剤;ラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、コーンスターチ、またはジャガイモデンプン等の希釈剤;シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、もしくはステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール等の滑沢剤;デンプン、アラビアゴム(arabic gums)、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルピロリドン等の結合剤;デンプン、アルギン酸、アルギン酸塩、またはグリコール酸デンプンナトリウム等の脱凝集剤(disaggregating agents);発泡性混合物(effervescing mixtures);色素;甘味剤;レシチン、ポリソルベート、ラウリル硫酸(laurylsulphates)等の湿潤剤、;または一般に医薬製剤に用いられる非毒性で薬理学的に不活性な物質等を挙げることができる。これら添加剤は、混合、造粒、打錠、糖衣、またはフィルムコーティング等の公知の方法により本発明の医用抗真菌剤に含有させることができる。
経口投与用の液体剤の場合、本発明の医用抗真菌剤に使用できる添加剤としては、シクロデキストリンまたは修飾シクロデキストリン等の溶解補助剤、サッカロースを、グリセリン、マンニトール、ソルビトール、天然ガム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコール等を挙げることができる。
筋肉内注射用の液体剤の場合、本発明の医用抗真菌剤に使用できる添加剤としては、滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、プロピレングリコール等のグリコール類;シクロデキストリン、修飾シクロデキストリン等の溶解補助剤等を挙げることができる。さらに必要に応じて適切な量のリドカイン塩酸塩を含ませることもできる。
静脈注射用の液体剤の場合、本発明の医用抗真菌剤に使用できる添加剤としては、滅菌水等の担体;シクロデキストリン、修飾シクロデキストリン等の溶解補助剤等を挙げることができる。これらは滅菌した等張生理食塩水溶液の形態で含ませることもできる。
本発明の医用抗真菌剤の適用が可能な真菌(カビ)としては、例えば、absidia corymbiferaなどのAbsidia属; Acremonium属; Alternaria alternataなどのAlternaria属; Aspergillus flavus、Aspergillus fumigatus、Aspergillus nidulans、Aspergillus niger、Aspergillus parasiticus、Aspergillus terreusなどのAspergillus属; Bipolaris属; Blastomyces dermatitidis などのBlastomyces属; Blumeria graminis などのBlumeria属; Candida albicans、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida tropicalis などのCandida属; Cladosporium cladosporoides、Cladosporium herbarium などのCladosporium属; Coccidioides immitis、Coccidioides posadasii などのCoccidioides属; Colletotrichium trifolii などのColletotrichium属; Cryptococcus neoformans などのCryptococcus属; Curvularia lunata などのCurvularia属; Encephalitozoon cuniculiなどのEncephalitozoon属; Epicoccum nigrum などのEpicoccum属; Epidermophyton floccosum などのEpidermophyton属; Exophiala属; Exserohilum rostratum などのExserohilum属; Fusarium graminarium、Fusarium solani、Fusarium sporotrichoides などのFusarium属; Histoplasma capsulatumなどのHistoplasma属; Leptosphaeria nodorumなどのLeptosphaeria属; Microsporum canis などのMicrosporum属; Mycosphaerella graminicolaなどのMycosphaerella属; Neurospora属; Paecilomyces lilanicus、Paecilomyces varioti などのPaecilomyces属; Penicillium chrysogenumなどのPenicillium属; Phytophthora capsici、Phytophthora infestansなどのPhytophthora属; Plasmopara viticola などのPlasmopara属; Pneumocystis jiroveciなどのPneumocystis属; Pyricularia oryzaeなどのPyricularia属; Pythium ultimumなどのPythium属; Puccinia coronata、Puccinia graminis などのPuccinia属; Rhizoctonia solaniなどのRhizoctonia属; Rhizomucor属; Scedosporium apiospermum、Scedosporium prolificansなどのScedosporium属; Scopulariopsis brevicaulisなどのScopulariopsis属; Trichophyton mentagrophytes、Trichophyton interdigitale、Trichophyton rubrum、Trichophyton tonsuransなどのTrichophyton属; Trichosporon asahii、Trichosporon beigeliiなどのTrichosporon属およびUstilago属などを挙げることができる。これらの中、本発明の医用抗真菌剤は、Aspergillus属、Trichophyton属またはCandida属に対して好適であり、Aspergillus fumigatusまたはTrichophyton tonsuransに対して特に好適である。
本発明の医用抗真菌剤は、全身性真菌感染症、表在性真菌感染症などのいずれにも適用できる。真菌感染症の具体例としては、肺アスペルギルス症、全身性アスペルギルス症(骨髄受容者またはAIDS患者などの免疫抑制患者において発症しやすい)などのアスペルギルス(Aspergillus)症、全身性カンジダ症などのカンジダ(Candida)症、クリプトコッカス(Cryptococcus)髄膜炎、鼻脳型ムコール症(rhinocerebral mucomycosis)、ブラストミセス症、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症(coccidiomycosis)、パラコクシジオイデス症(paracoccidiomycosis)、ロボ真菌症、スポロトリクム症、クロモブラストミコーシス、フェオフィホ真菌症、接合菌症、クリプトコッカス症、播種性スポロトリクム症、白癬(ring worm)、体部白癬(たむし)、股部白癬(いんきん)、足白癬(水虫)、爪白癬(爪水虫)、皮膚、口、または膣のカンジダ症、慢性粘膜皮膚カンジダ症等が挙げられる。
また、 本発明の医用抗真菌剤は、真菌によって引き起こされるアレルギー疾患、例えば、アレルギー性気管支肺喘息(allergic bronchopulmonary asthma)(ABPA);喘息、鼻副鼻腔炎、または副鼻腔炎等にも適用可能である。
また、 本発明の医用抗真菌剤は、真菌によって引き起こされるアレルギー疾患、例えば、アレルギー性気管支肺喘息(allergic bronchopulmonary asthma)(ABPA);喘息、鼻副鼻腔炎、または副鼻腔炎等にも適用可能である。
本発明の医用抗真菌剤の用量は、投与方法、感染した真菌の種類、患者の年齢、体重、症状等に応じて適宜選択することができる。例えば、成人に対しては、経口または非経口(注射、点滴等)的投与の場合、1日に1または数回、0.1〜100mg/kg-体重にて投与することができる。
また、本発明の医用抗真菌剤は、他の薬剤と組み合わせで使用することができる。
また、本発明の医用抗真菌剤は、他の薬剤と組み合わせで使用することができる。
(アスペルギルス抗菌活性評価試験)
Aspergillus fumigatus ATCC 26430の分生胞子を、分生胞子終濃度が5000個胞子/mlになるように、糸状菌培養用培地に添加し、分散させて懸濁液を得た。
該懸濁液198μLに、有効成分0.1質量%およびジメチルスルホキシド99.9質量%を含む医用抗真菌剤2μLを添加して、有効成分濃度10ppmの液体剤を得た。
液体剤を96穴マイクロプレートに分注し、暗所、26℃で3日間培養した。その後、マイクロプレートリーダーで波長405nmにおける濁度(処理区濁度)を測定した。
対照例として、医用抗真菌剤を添加しなかった以外は上記と同じ方法で濁度(無処理区濁度)を測定した。
アスペルギルス生育阻害率を下式で算出した。
アスペルギルス生育阻害率(%)=100−処理区濁度/無処理区濁度×100
Aspergillus fumigatus ATCC 26430の分生胞子を、分生胞子終濃度が5000個胞子/mlになるように、糸状菌培養用培地に添加し、分散させて懸濁液を得た。
該懸濁液198μLに、有効成分0.1質量%およびジメチルスルホキシド99.9質量%を含む医用抗真菌剤2μLを添加して、有効成分濃度10ppmの液体剤を得た。
液体剤を96穴マイクロプレートに分注し、暗所、26℃で3日間培養した。その後、マイクロプレートリーダーで波長405nmにおける濁度(処理区濁度)を測定した。
対照例として、医用抗真菌剤を添加しなかった以外は上記と同じ方法で濁度(無処理区濁度)を測定した。
アスペルギルス生育阻害率を下式で算出した。
アスペルギルス生育阻害率(%)=100−処理区濁度/無処理区濁度×100
化合物番号a-104、a-130、b-52、a-61およびc-22の化合物を有効成分として含む医用抗真菌剤についてアスペルギルス抗菌活性評価試験を行った。化合物番号a-104、a-130、b-52、a-61、およびc-22の化合物を有効成分として含む医用抗真菌剤のアスペルギルス生育阻害率は、それぞれ、98%、26%、99%、100%および100%であった。
(トリコフィトン抗菌活性評価試験)
Trichophyton tonsuransの分生胞子を、分生胞子終濃度が1000個胞子/mlになるように、糸状菌培養用培地に添加し、分散させて懸濁液を得た。
該懸濁液198μLに、有効成分0.1質量%およびジメチルスルホキシド99.9質量%を含む医用抗真菌剤2μLを添加して、有効成分濃度10ppmの液体剤を得た。
液体剤を96穴マイクロプレートに分注し、暗所、26℃で3日間培養した。その後、マイクロプレートリーダーで波長405nmにおける濁度(処理区濁度)を測定した。
対照例として、医用抗真菌剤を添加しなかった以外は上記と同じ方法で濁度(無処理区濁度)を測定した。
トリコフィトン生育阻害率を下式で算出した。
トリコフィトン生育阻害率(%)=100−処理区濁度/無処理区濁度×100
Trichophyton tonsuransの分生胞子を、分生胞子終濃度が1000個胞子/mlになるように、糸状菌培養用培地に添加し、分散させて懸濁液を得た。
該懸濁液198μLに、有効成分0.1質量%およびジメチルスルホキシド99.9質量%を含む医用抗真菌剤2μLを添加して、有効成分濃度10ppmの液体剤を得た。
液体剤を96穴マイクロプレートに分注し、暗所、26℃で3日間培養した。その後、マイクロプレートリーダーで波長405nmにおける濁度(処理区濁度)を測定した。
対照例として、医用抗真菌剤を添加しなかった以外は上記と同じ方法で濁度(無処理区濁度)を測定した。
トリコフィトン生育阻害率を下式で算出した。
トリコフィトン生育阻害率(%)=100−処理区濁度/無処理区濁度×100
化合物番号a-104、a-130、b-52、a-61およびc-22の化合物を有効成分として含む医用抗真菌剤についてトリコフィトン抗菌活性評価試験を行った。化合物番号a-104、a-130、b-52、a-61、およびc-22の化合物を有効成分として含む医用抗真菌剤のトリコフィトン生育阻害率は、それぞれ、99%、99%、98%、96%および99%であった。
以上の結果から、本発明の医用抗真菌剤は、Aspergillus属菌、Trichophyton属菌などの真菌に対して少ない使用量でも高い抗菌活性を示すことが分かる。
Claims (1)
- 式(I)および式(II)で表される化合物並びにそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一つを有効成分として含有する、医用抗真菌剤。
(式(I)中、
R1は、シアノ基、ニトロ基、CRaRbRcで表される基、SRdで表される基、S(=O)Rdで表される基、またはSO2Rdで表される基を示す。Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立してC1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基または水酸基を示す。Rdは、C1〜6アルキル基を示す。
X1は、ハロゲノ基またはC1〜6アルキル基を示す。nは、0〜5のいずれかの整数を示す。nが2以上の場合、X1同士は、同一でも相異してもよい。
X2は、ハロゲノ基を示す。mは、0〜4のいずれかの整数を示す。mが2以上の場合、X2同士は、同一でも相異してもよい。
A1およびA2は、それぞれ独立して窒素原子または炭素原子を示す。)
(式(II)中、
X3は、ハロゲノ基またはC1〜6アルキル基を示す。kは、0〜6のいずれかの整数を示す。kが2以上の場合、X3同士は、同一でも相異してもよい。
X4は、ハロゲノ基を示す。hは、0〜4のいずれかの整数を示す。hが2以上の場合、X4同士は、同一でも相異してもよい。
R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立して水素原子、C1〜6アルキル基または水酸基を示す。)
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