JP2018034178A - 構造用Al−Zr添加鋼とその製造方法 - Google Patents

構造用Al−Zr添加鋼とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018034178A
JP2018034178A JP2016168912A JP2016168912A JP2018034178A JP 2018034178 A JP2018034178 A JP 2018034178A JP 2016168912 A JP2016168912 A JP 2016168912A JP 2016168912 A JP2016168912 A JP 2016168912A JP 2018034178 A JP2018034178 A JP 2018034178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
less
mass
molten steel
zro
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016168912A
Other languages
English (en)
Inventor
一 長谷川
Hajime Hasegawa
一 長谷川
諸星 隆
Takashi Morohoshi
隆 諸星
隆太郎 寺角
Ryutaro Terakado
隆太郎 寺角
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2016168912A priority Critical patent/JP2018034178A/ja
Publication of JP2018034178A publication Critical patent/JP2018034178A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

【課題】溶鋼中にZrO2を確実に生成させ、鋼中にZrO2を確実に分散させる。【解決手段】成分組成が、質量%で、Al:0.015〜0.500%、Zr:0.010〜0.100%、及び、O:0.0020%以下を含み、Alの質量%:[Al]と、Zrの質量%:[Zr]が下記式を満たすことを特徴とする構造用Al−Zr添加鋼。 [Zr]/[Al]≧0.06【選択図】図1

Description

本発明は、鋼中にZrO2が分散する構造用Al−Zr添加鋼とその製造方法に関する。
鋼中の酸化物系介在物は、鋼の製造過程において不可避的に生成し、鋼中に分散して存在する、鋼(母相)とは異なる相の物質(介在物)である。大半の酸化物系介在物は、溶鋼段階で生成し、高温でも、炭化物や窒化物よりも安定であることから、鋼の材質改善に応用できる介在物として注目されている。
例えば、特許文献1には、凝固初晶がγ−Feである溶鋼に、γ−Feとの格子歪が7%以下である介在物(MgS、ZrO2、Ti23、CeO2、Ce23の1種以上)を含有させた、微細な凝固組織を備え、内部欠陥が少ない鋳片が開示されている。
また、特許文献2には、凝固初晶がγ−Feである溶鋼に、Zr含有物を複数に分けて添加し、溶鋼中に微細なZrO2を分散させた、微細な凝固組織を備え、内部欠陥が少ない鋳片が開示されている。
別のZrO2の活用方法として、特許文献3には、鋼中にZrを添加してZrO2を生成させ、周囲に、粒内フェライトの生成核として機能する、数μmの均一かつ微細なMnSを析出させることが開示されている。
ZrO2を形成するZrは、脱酸力が非常に強く、脱酸元素として極めて有用であり、また、Zrと鋼中酸素の反応で生成するZrO2は、比重が溶鋼と大差ないため、浮上分離し難く、鋼中に残り易いという特徴を有している。したがって、鋼中にZrを添加してZrO2を生成させ活用することは、鋼の材質改善手法として非常に有効な手法の一つである。
一方、Zr添加に用いる金属ZrやZr合金は高価であるため、溶鋼に、これらを大量に添加すると、製造コストが上昇する。このため、脱酸剤として、安価な金属Al、Ti、Siなどと併用することが好ましい。なかでも、金属Alは、非常に安価で、かつ、脱酸力が強いことから、脱酸剤として、一般的に利用されており、溶鋼の脱酸においては、Alを併用することが好ましい。
しかし、脱酸剤としてAlとZrを併用する場合、AlとZrの脱酸力は同程度であることから、ZrO2が生成せず,Al23のみが生成してしまう場合がある.例えば、特許文献1〜3の手法においては、材質改善のため、ZrO2の結晶構造の特性を活用しているが、場合によっては、その特性活用効果が全く発現しないという問題が生じる。
特開2001−347349号公報 特開2002−321043号公報 特公平04−064766号公報
本発明は、従来技術の現状に鑑み、溶鋼中にZrO2を確実に生成させ、鋼中にZrO2を確実に分散させることを課題とし、該課題を解決する構造用Al−Zr添加鋼とその製造方法を提示することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、溶鋼中の介在物組成に着目し、溶鋼中にZrO2を確実に生成させる手法について種々検討した。その結果、溶鋼の成分組成において、Al量(質量%)とZr量(質量%)の比を、所要の範囲に制御すれば、溶鋼中にZrO2を確実に生成させることができることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は次のとおりである。
(1)成分組成が、質量%で、Al:0.015〜0.500%、Zr:0.010〜0.100%、及び、O:0.0020%以下を含み、Alの質量%:[Al]と、Zrの質量%:[Zr]が下記式を満たすことを特徴とする構造用Al−Zr添加鋼。
[Zr]/[Al]≧0.06
(2)前記成分組成が、さらに、質量%で、C:0.45〜0.75%未満、Si:0.01〜3.00%、Mn:0.10〜2.00%、P:0.050%以下、S:0.001〜0.100%、N:0.001〜0.020%を含み、残部:Fe及び不可避不純物からなることを特徴とする前記(1)に記載の構造用Al−Zr添加鋼。
(3)前記成分組成が、さらに、質量%で、Cu:0.10〜2.00%、Ni:0.10〜2.00%、Cr:0.01〜0.80%、及び、Mo:0.001〜1.00%の1種又は2種以上を含むことを特徴とする前記(2)に記載の構造用Al−Zr添加鋼。
(4)前記成分組成が、さらに、質量%で、B:0.0001〜0.0150%を含むことを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の構造用Al−Zr添加鋼。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のAl−Zr添加鋼を製造する製造方法において、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の成分組成の溶鋼を鋳造することを特徴とする構造用Al−Zr添加鋼の製造方法。
(6)前記鋳造が連続鋳造であることを特徴とする前記(5)に記載の構造用Al−Zr添加鋼の製造方法。
本発明によれば、鋼中にZrO2が確実に分散した構造用Al−Zr添加鋼を提供することができる。また、本発明によれば、溶鋼の成分組成の調整の際、安価な脱酸剤のAlを併用するので、製造コストを削減できる。
Al(質量%)及びZr(質量%)と、介在物組成(ZrO2の有無)の関係を示す図である。
本発明の構造用Al−Zr添加鋼(以下「本発明鋼」ということがある。)は、成分組成が、質量%で、Al:0.015〜0.500%、Zr:0.010〜0.100%、及び、O:0.0020%以下を含み、Alの質量%:[Al]と、Zrの質量%:[Zr]が下記式を満たすことを特徴とする。
[Zr]/[Al]≧0.06
本発明の構造用Al−Zr添加鋼の製造方法(以下「本発明製造方法」ということがある。)は、本発明鋼を製造する製造方法において、本発明鋼の成分組成の溶鋼を鋳造することを特徴とする。
以下、本発明鋼と本発明製造方法について説明する。
まず、本発明者らの着想から、課題解決に至るまでの経過について説明する。
構造用Al−Zr添加鋼の製造において、溶鋼中に、ZrO2を確実に生成させる方法を見いだすべく、本発明者らは、溶鋼中介在物の挙動に着目して種々検討した。溶鋼成分組成、特に、Al量(質量%)とZr量(質量%)を変えて、溶鋼中介在物の態様を調査した。
その結果、Alを0.015質量%以上、Zrを0.010質量%以上含有するAl−Zr添加鋼の鋼中介在物は、ほぼ、Al23とZrO2で構成されており、他の酸化物はほとんど存在しないことが判明した。
このことは、AlとZrは、いずれも強力な脱酸元素であるため、鋼中に存在した他の低級酸化物(SiO2やMnOなど)や、スラグ等から微量混入した混入物(CaOやMgO)は、いずれも、大部分が還元されていることを意味している。
このことから、本発明者らは、鋼中介在物の態様に対する、溶鋼成分組成の影響が重要と考え、溶鋼成分組成と溶鋼中介在物組成の関係について検討した。その結果、溶鋼成分組成のなかでも、Al、Zr、及び、Oの量(質量%)の影響が大きいことが判明した。
Oが0.0020質量%を超えると、Al23介在物が多量に生成して、加工時、割れ等が発生する恐れがあるので、Oは、0.0020質量%以下に抑制する必要がある。AlとZrについては、Alが高ければ、介在物中のAl23の割合が高くなり、Zrが高ければ、介在物中のZrO2の割合が高くなる。
ここで、図1に、Al(質量%)及びZr(質量%)と、介在物組成(ZrO2の有無)の関係を示す。図1から、[Zr](Zrの質量%)と[Al](Alの質量%)が、下記式を満たすとき、溶鋼中介在物に、ZrO2が確実に存在することが解る。
[Zr]/[Al]≧0.06
本発明鋼は、上記知見に基づいてなされたものであり、前述したように、成分組成が、質量%で、Al:0.015〜0.500%、Zr:0.010〜0.100%、及び、O:0.0020%以下を含み、Alの質量%:[Al]と、Zrの質量%:[Zr]が下記式を満たすことを特徴とする。
[Zr]/[Al]≧0.06
本発明鋼においては、成分組成を、ZrO2の生成に直接影響するAl、Zr、及び、Oの3成分の質量%で規定した。この点は、本発明鋼の骨子であるので,本発明鋼の製造手順に従って説明する。
転炉や電気炉などで一次精錬した溶鋼の成分組成を調整し、脱酸のため、溶鋼にAlとZrを添加する。AlとZrの添加は、Al添加の後、Zrを添加することが好ましい。先に、安価なAlを添加して脱酸してAl23を生成することで、次に添加するZrのロスを最小限に抑制することが可能となり、製造コストを削減することができる。
Alは、なるべく早い段階で、溶鋼に添加することが好ましく、転炉や電気炉からの出鋼時に添加してもよい。Al添加の後、溶鋼を、RH式脱ガス精錬装置、取鍋加熱式精錬装置、簡易式溶鋼処理設備等により撹拌し、Al23介在物を浮上させ分離する。
Al23介在物の浮上分離後、溶鋼にZrを添加して、ZrO2を生成させる。溶鋼へ添加するZrの形態は特に限定されない。例えば、純Zr、Zr−Si合金、Fe−Zr合金などを添加すればよい。Zr添加後、溶鋼を撹拌し、脱酸反応(ZrO2の生成)を進行させることが好ましい。
このように溶製したAl−Zr添加溶鋼を、常法に従って鋳造、例えば、連続鋳造して鋳片とする。鋳造時には、極力、酸素源が混入しないように注意する必要がある。酸素源が混入すると、介在物組成が変化するので、これを防止するためである。鋳片は、常法に従って熱間圧延して、Al−Zr添加鋼を製造する。
上記溶製方法によって得られる本発明鋼の成分組成は、基本的には、Al:0.015〜0.500質量%、Zr:0.010〜0.100質量%、及び、O:0.0020質量%以下に限定される。
以下、本発明鋼の成分組成の限定理由について説明する。なお、以下、成分組成に係る%は質量%を意味する。
Al:0.015〜0.500%
Alは、鋼中のOと反応してAl23を生成し、Oの低減とコストの削減に寄与する重要な元素である。Alが0.015%未満であると、O低減効果とコスト削減効果が十分に得られないので、Alは0.015%以上とする。好ましくは0.050%以上である。
一方、Alが0.500%を超えると、Al23介在物が大量に生成して、Zr添加でZrO2が生成し難くなるとともに、機械特性が低下し、加工時、割れ等が発生する恐れがあるので、Alは0.500%以下とする。好ましくは0.400以下である。
Zr:0.010〜0.100%
Zrも、鋼中のOと反応してZrO2を生成する重要な元素である。Zrが0.010%未満であると、脱酸反応が十分に進行せず、ZrO2が生成しないので、Zrは0.010%以上とする。好ましくは0.050%以上である。
一方、Zrが0.100%を超えると、ZrO2が大量に生成し、機械特性が低下するので、Zrは0.100%以下とする。好ましくは0.075%以下である。
O:0.0020%以下
Oも、鋼中のAlやZrと反応して、Al23−ZrO2複合酸化物を生成する、重要な元素である。Oが0.0020%を超えると、Al23介在物が大量に生成して,機械特性が低下し、加工時、割れ等が発生する恐れがあるので、Oは0.0020%以下とする。好ましくは0.0015%以下である。
下限は、0%を含み、特に限定しないが、Oを0.0001%程度未満に低減すると、製造コストが大幅に上昇するので、実用鋼上、0.0001%が実質的な下限である。
本発明鋼の成分組成は、基本的には、Al、Zr、及び、Oの3成分の量(質量%)で規定され、他成分の量は、特に限定されないが、ZrO2の凝固組織微細化効果を最大限に狙うのであれば、C:0.45〜0.75%未満、Si:0.01〜3.00%、Mn:0.10〜2.00%、P:0.050%以下、S:0.001〜0.100%、N:0.001〜0.020%を含み、必要に応じ、(a)Cu:0.10〜2.00%、Ni:0.10〜2.00%、Cr:0.01〜0.80%、及び、Mo:0.001〜1.00%の1種又は2種以上、及び/又は、(b)B:0.0001〜0.0150%を含み、残部:Fe及び不可避不純物からなる成分組成が好ましい。
C:0.45〜0.75%未満
Cは、強度や溶接部の焼入れ性を確保するのに必要な元素であり、また、鋼の凝固モードに大きく影響する元素である。ZrO2は、凝固初晶がγ−Feの凝固組織の微細化に有効である(特許文献1、参照)が、該微細化効果を十分に確保する点から、Cは0.45%以上とする。好ましくは0.50%以上である。
一方、Cが0.75%以上であると、靭性が低下し、圧延材が置割れすることがあるので、Cは0.75%未満とする。好ましくは0.65%以下である。
Si:0.01〜3.00%
Siは,固溶強化により、強度の向上に寄与する元素である。Siが0.01%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Siは0.01%以上とする。好ましくは0.05%以上である。一方、Siが3.00%を超えると、溶接性や靱性が低下するので、Siは3.00%以下とする。好ましくは2.50%以下である。
Mn:0.10〜2.00%
Mnは,Siと同様に、強度の向上に寄与する元素である。Mnが0.10%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Mnは0.10%以上とする。好ましくは0.40%以上である。一方、Mnが2.00%を超えると、ベイナイト又は島状マルテンサイトが生成して、加工性が低下するので、Mnは2.00%以下とする、好ましく1.80%以下である。
P:0.050%以下
Pは、偏析し易い元素で、特に、結晶粒界に偏析して靱性を阻害する元素である。Pが0.050%を超えると、靱性の低下が著しいので、Pは0.050%以下とする。好ましくは0.030%以下である。下限は0%を含むが、Pを0.0001%程度に低減すると、製造コストが大幅に上昇するので、実用鋼上、0.0001%が実質的な下限である。
S:0.001〜0.100%
Sは,被削性の向上に寄与する元素である。Sが0.001%未満であると、最低限の被削性を確保できないので、Sは0.001%以上とする。好ましくは0.005%以上である。一方、Sが0.100%を超えると、靭性や疲労強度が低下するので、Sは0.100%以下とする.好ましく0.070%以下である。
N:0.001〜0.020%
Nは、AlNを形成し、結晶粒の粗大化の抑制に寄与する元素である。Nが0.001%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Nは0.001%以上とする。好ましくは0.002%以上である。一方、Nが0.020%を超えると、圧延時、熱間脆性が発現するので、Nは0.020%以下とする。好ましくは0.012%以下である。
本発明鋼の成分組成は、上記元素の他、必要に応じ、(a)Cu:0.10〜2.00%、Ni:0.10〜2.00%、Cr:0.01〜0.80%、及び、Mo:0.001〜1.00%の1種又は2種以上、及び/又は、(b)B:0.0001〜0.0150%を含んでもよい。
Cu:0.10〜2.00%
Cuは、強度の向上に寄与する元素である。Cuが0.10%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Cuは0.10%以上が好ましい。一方、Cuが2.00%を超えると、強度が上昇しすぎて、靱性が低下するので、Cuは2.00%以下が好ましい。
Ni:0.10〜2.00%
Niも、Cuと同様に、強度の向上に寄与する元素である。Niが0.10%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Niは0.10%以上が好ましい。一方、Cuが2.00%を超えると、強度が上昇しすぎて、靱性が低下するので、Niは2.00%以下が好ましい。
Cr:0.01〜0.80%
Crは、焼入れ性を高め、強度の向上に寄与する元素である。Crが0.01%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Crは0.01%以上が好ましい。一方、Crが0.80%を超えると、焼入れ性が向上しすぎて、ベイナイト又は島状マルテンサイトが生成し、加工性が低下するので、Crは0.80%以下が好ましい。
Mo:0.001〜1.00%
Moは、Crと同様に、焼入れ性を高め、強度の向上に寄与する元素である。Moが0.001%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Moは0.001%以上が好ましい。一方、Moが1.00%を超えると、焼入れ性が向上しすぎて、ベイナイト又は島状マルテンサイトが生成し、加工性が低下するので、Moは1.00%以下が好ましい。
B:0.0001〜0.0150%
Bは、焼入れ性を高め、また、結晶粒界を強化して、強度の向上に寄与する元素である。Bが0.0001%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Bは0.0001%以上が好ましい。一方、Bが0.0150%を超えると、靱性が低下するので、Bは0.0150%以下が好ましい。
本発明鋼の成分組成の残部は、Fe及び不可避不純物である。不可避不純物は、鋼原料から及び/又は製鋼過程で不可避的に混入し、本発明鋼の組織及び特性を阻害しない範囲で許容される不純物である。
本発明鋼の上記成分組成は、本発明鋼を機械構造用鋼などに適用する場合に好適な成分組成の一例である。
次に、本発明製造方法について説明する。
本発明製造方法は、前述したように、本発明鋼の成分組成の溶鋼を鋳造することを特徴とする。溶鋼は、常法に従って、本発明鋼の成分組成に調整した溶鋼である。常法に従って、溶鋼を鋳造し、熱間圧延に供する鋳片を製造する。鋳造は、特定の鋳造に限定されないが、生産性の点で、連続鋳造が好ましい。
次に,本発明の実施例について説明するが,実施例での条件は,本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり,本発明は,この一条件例に限定されるものではない。本発明は,本発明の要旨を逸脱せず,本発明の目的を達成する限りにおいて,種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
容量300トンの転炉で一次精錬した溶鋼を取鍋に出鋼する際、金属Alを添加してAl脱酸を実施した。その後、RH式脱ガス精錬装置を用いて脱ガス処理、成分調整を実施するとともに、溶鋼を撹拌して介在物を除去した。その後、Fe−Zr合金を用いて、溶鋼にZrを添加した。Zr添加後、さらに、溶鋼を、均一混合時間以上撹拌して、介在物を除去した。
このように溶製したAl−Zr添加溶鋼を、断面サイズ560mm×350mmのブルーム4ストランドの連鋳機で連続鋳造した。連続鋳造時のタンディッシュ内の溶鋼の過熱度(溶鋼温度から、溶鋼成分組成の鋼の液相線温度を減じた値)は10〜60℃に制御し、溶鋼のスループット(単位時間当たりの鋳造溶鋼量)は3〜5t/分に制御した。
表1に、発明例及び比較例における、成分組成、[Zr]/[Al]、ZrO2含有介在物個数比を示す。ZrO2含有介在物個数比は、全介在物の個数に対する、ZrO2相が検出された介在物の個数の割合である。上記個数比が0より大きければ、ZrO2が生成していることを示している。
Figure 2018034178
発明例1〜15では、いずれも、[Zr]/[Al]が0.06以上であり、ZrO2が生成していることが解る。一方、比較例16〜26では、[Zr]/[Al]が0.06未満であり、ZrO2が生成していないことが解る。
前述したように、本発明によれば、鋼中にZrO2が確実に分散した構造用Al−Zr添加鋼を提供することができる。また、本発明によれば、溶鋼の成分組成の調整の際、安価な脱酸剤のAlを併用するので、製造コストを削減できる。よって、本発明は鉄鋼産業において利用可能性が高いものである。

Claims (6)

  1. 成分組成が、質量%で、Al:0.015〜0.500%、Zr:0.010〜0.100%、及び、O:0.0020%以下を含み、Alの質量%:[Al]と、Zrの質量%:[Zr]が下記式を満たすことを特徴とする構造用Al−Zr添加鋼。
    [Zr]/[Al]≧0.06
  2. 前記成分組成が、さらに、質量%で、C:0.45〜0.75%未満、Si:0.01〜3.00%、Mn:0.10〜2.00%、P:0.050%以下、S:0.001〜0.100%、N:0.001〜0.020%を含み、残部:Fe及び不可避不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の構造用Al−Zr添加鋼。
  3. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Cu:0.10〜2.00%、Ni:0.10〜2.00%、Cr:0.01〜0.80%、及び、Mo:0.001〜1.00%の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項2に記載の構造用Al−Zr添加鋼。
  4. 前記成分組成が、さらに、質量%で、B:0.0001〜0.0150%を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の構造用Al−Zr添加鋼。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のAl−Zr添加鋼を製造する製造方法において、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成分組成の溶鋼を鋳造することを特徴とする構造用Al−Zr添加鋼の製造方法。
  6. 前記鋳造が連続鋳造であることを特徴とする請求項5に記載の構造用Al−Zr添加鋼の製造方法。
JP2016168912A 2016-08-31 2016-08-31 構造用Al−Zr添加鋼とその製造方法 Pending JP2018034178A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016168912A JP2018034178A (ja) 2016-08-31 2016-08-31 構造用Al−Zr添加鋼とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016168912A JP2018034178A (ja) 2016-08-31 2016-08-31 構造用Al−Zr添加鋼とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018034178A true JP2018034178A (ja) 2018-03-08

Family

ID=61564961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016168912A Pending JP2018034178A (ja) 2016-08-31 2016-08-31 構造用Al−Zr添加鋼とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018034178A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115362274A (zh) * 2020-08-31 2022-11-18 日本制铁株式会社 钢板及其制造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5431015A (en) * 1977-08-11 1979-03-07 Kobe Steel Ltd Manufacture of free cutting zirconium steel
JPH1072639A (ja) * 1996-06-27 1998-03-17 Kawasaki Steel Corp 被削性、冷間鍛造性および焼入れ性に優れた機械構造用鋼材
JP2004263203A (ja) * 2003-01-27 2004-09-24 Nippon Steel Corp 高強度、高靭性高炭素鋼線材
JP2004263204A (ja) * 2003-01-27 2004-09-24 Nippon Steel Corp 高強度、高靭性高炭素鋼線材とその製造方法
JP2012046815A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Kobe Steel Ltd Zr含有鋼の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5431015A (en) * 1977-08-11 1979-03-07 Kobe Steel Ltd Manufacture of free cutting zirconium steel
JPH1072639A (ja) * 1996-06-27 1998-03-17 Kawasaki Steel Corp 被削性、冷間鍛造性および焼入れ性に優れた機械構造用鋼材
JP2004263203A (ja) * 2003-01-27 2004-09-24 Nippon Steel Corp 高強度、高靭性高炭素鋼線材
JP2004263204A (ja) * 2003-01-27 2004-09-24 Nippon Steel Corp 高強度、高靭性高炭素鋼線材とその製造方法
JP2012046815A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Kobe Steel Ltd Zr含有鋼の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115362274A (zh) * 2020-08-31 2022-11-18 日本制铁株式会社 钢板及其制造方法
CN115362274B (zh) * 2020-08-31 2023-12-22 日本制铁株式会社 钢板及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5794397B2 (ja) 疲労特性に優れる肌焼鋼
JP5794396B2 (ja) 疲労特性に優れる高周波焼入れ用鋼
JP5231042B2 (ja) 溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材およびその製造方法
JP6245417B1 (ja) 鋼材
TWI761096B (zh) 金屬箔用不鏽鋼、不鏽鋼箔及此等之製造方法
JP2010180459A (ja) 2相ステンレス鋼およびその製造方法
JP4900127B2 (ja) 高周波焼入れ用鋼材及びその製造方法
JP2019178363A (ja) 製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼
JP5137082B2 (ja) 機械構造用鋼材およびその製造方法
JPH08158006A (ja) 溶接熱影響部の靭性が優れた高強度鋼
TWI752837B (zh) 不鏽鋼、不鏽鋼材及不鏽鋼的製造方法
TW201942363A (zh) 抗起皺性優異的肥粒鐵系不鏽鋼
JP2010236030A (ja) 溶鋼の精錬方法
JP5299169B2 (ja) 耐食性厚板用低合金鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造鋳片
JP2005105322A (ja) 大入熱溶接継手靭性に優れた厚鋼板とその製造方法
JP6926247B2 (ja) フラックス入りワイヤ用冷延鋼板及びその製造方法
JP2018034178A (ja) 構造用Al−Zr添加鋼とその製造方法
JP6187270B2 (ja) 溶接熱影響部靱性に優れた鋼材
JP2003073776A (ja) 高疲労強度ばね用鋼線とその製法
JP2018127680A (ja) 清浄鋼の溶製方法
JP2018114528A (ja) 鋼の連続鋳造鋳片およびその製造方法
JP5818541B2 (ja) オーステナイト系s含有快削ステンレス鋼
JP6627536B2 (ja) 溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材、及び、溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材の製造方法
JPH07278736A (ja) 溶接熱影響部靱性の優れた鋼材
JP2020084281A (ja) 鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200310

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200501

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200915