以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1は、パチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。第1始動入賞口と、第2始動入賞口とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞口」と称する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。
なお、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)や大入賞口(後述)などの入賞口を通過(進入)した遊技球が、それぞれの入賞口に対応して設けられたスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23(後述))によって検出されることを「入賞」と称する。「入賞」のうち、始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)への入賞を「始動入賞」と称し、特に、第1始動入賞口への入賞を「第1始動入賞」と称し、第2始動入賞口への入賞を「第2始動入賞」と称する。
第1始動入賞の発生(第1始動口スイッチ22Aによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおいて実行される第1特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件(第1実行条件とも称する)が成立する。
また、第2始動入賞の発生(第2始動口スイッチ22Bによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおいて実行される第2特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件(第2実行条件とも称する)が成立する。なお、第1始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数とは、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
第1特図保留記憶数とは、第1始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第1始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第1始動入賞の発生によって、第1特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件は成立した場合であっても、第1始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第1特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第1始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第1特図保留記憶数は、第1開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第1始動入賞による第1始動条件は成立したが、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない当該第1始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立する迄、保留データ(第1特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第1特図保留情報は第1開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第1特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
第2特図保留記憶数とは、第2始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第2始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第2始動入賞の発生によって、第2特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件は成立した場合であっても、第2始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第2特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第2始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第2特図保留記憶数は、第2開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第2始動入賞による第2始動条件は成立したが、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない当該第2始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立する迄、保留データ(第2特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第2特図保留情報は、第2開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第2特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
なお、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した保留記憶数を「合計保留記憶数」と称する。第1特図保留記憶数と、第2特図保留記憶数と、合計保留記憶数とを特に区別しない場合には、通常、単に「特図保留記憶数」または「保留記憶数」と称するが、単に「特図保留記憶数」または「保留記憶数」と称した場合に、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、合計保留記憶数の何れか1つ又は2つを指すこともあるものとする。また、第1始動条件と、第2始動条件とを特に区別しない場合には、単に「始動条件」又は「実行条件」とも称する。また、第1開始条件と、第2開始条件とを特に区別しない場合には、単に「開始条件」とも称する。また、第1特図保留情報と、第2特図保留情報とを、特に区別しない場合には、単に「特図保留情報」とも称する。
遊技盤2における遊技領域の下側部分(普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方)には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態と、遊技球が通過(進入)できる開放状態とに変化する大入賞口を形成する。具体的には、特別可変入賞球装置7は、例えば図2に示す大入賞口扉用のソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、大入賞口扉の開閉によって大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。
一例として、特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉を閉じて大入賞口を閉鎖状態とし、ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態とする。開放状態となった大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。つまり、大入賞口を開放状態とすることによって、大入賞口への入賞が発生する。
大入賞口への入賞の発生(カウントスイッチ23による遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば12個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口への入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば12個)は、第1始動入賞の発生に基づいては払い出される賞球の個数(例えば3個)、第2始動入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば3個)よりも多い。つまり、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)が、遊技者にとって有利か否かに大きく影響する。すなわち、大入賞口が開放状態であるときには大入賞口が閉鎖状態であるときに比べて多くの賞球が期待できるので、大入賞口が開放状態であるときには大入賞口が閉鎖状態であるときに比べて遊技者にとって非常に有利である。
なお、遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態に加えて、または代えて、遊技球が通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
遊技盤2における遊技領域の右側部分には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。第1特別図柄表示装置4Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第1特図」とも称し、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第2特図」とも称する。
また、識別情報の可変表示を伴って実行するゲーム(若しくは、識別情報の可変表示自体)を「可変表示ゲーム」と称する。特に、第1特別図柄表示装置4Aが実行する可変表示ゲーム(第1特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を「第1特図ゲーム」とも称し、第2特別図柄表示装置4Bが実行する可変表示ゲーム(第2特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を「第2特図ゲーム」とも称する。また、第1特図ゲームと、第2特図ゲームとを区別しない場合には、単に「特図ゲーム」とも称する。
第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4Bも同様)は、特図ゲームとして、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。それぞれの特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す各数字には「0」〜「9」の各図柄番号が付され、「−」を示す記号には「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(例えば、アルファベットのLやEのような点灯パターン)を予め設定しておき、特別図柄として表示してもよい。
遊技盤2における遊技領域の右側部分(第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上部)には、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第1特図保留情報)に基づく第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。例えば、第1保留表示器25Aは、点灯させるLEDの数によって、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。
第2保留表示器25Bは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第2特図保留情報)に基づく第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。例えば、第2保留表示器25Bは、点灯させるLEDの数によって、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。
遊技盤2における遊技領域の左側部分には、通過ゲート41と、普通図柄表示器20と、普図保留表示器25Cとが設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、例えば図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、普通図柄表示器20において実行される普図ゲーム(後述)を実行するための普図始動条件が成立する。
普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。なお、普通図柄を可変表示させる可変表示ゲームを「普図ゲーム」(又は「普通図ゲーム」)とも称する。なお、普図始動条件は成立したが普図開始条件(後述)が成立していない普図ゲームに関する情報は、保留データ(普図保留情報)として記憶(保留)される。
普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、例えば点灯させるLEDの数によって、保留データ(普図保留情報)に基づく普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数とは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたときには直ちに実行されずに実行が一旦保留されている普図ゲームの数である。ゲートスイッチ21による遊技球の検出によって、普図ゲームを実行するための普図始動条件は成立した場合であっても、普図ゲームの開始を許容する普図開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した普図ゲームが実行中である場合)には、当該普図ゲームの実行は保留される(当該普図ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、普図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった普図ゲームのゲーム数である。普図保留記憶数は、普図開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄表示エリアが配置されている。飾り図柄表示エリアでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。装飾識別情報(飾り図柄)の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aが実行する第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)、又は、第2特別図柄表示装置4Bが実行する第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)に対応して、表示領域(飾り図柄表示エリア)において、複数種類の飾り図柄の可変表示を実行する。
一例として、図1に示すように、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄が配置されている。第1特図ゲーム又は第2特図ゲームのうち何れかの特図ゲームの開始に対応して、すなわち、第1特図又は第2特図のうち何れかの特図の変動の開始に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのそれぞれにおいて、飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームの終了に対応して、すなわち、特図の停止表示に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのそれぞれにおいて、可変表示結果となる飾り図柄(「確定飾り図柄」、「最終停止図柄」とも称する)が停止表示される。つまり、画像表示装置5の表示領域(飾り図柄表示エリア5L、5C、5R)では、第1特図ゲーム(又は第2特図ゲーム)と連動(対応)して、飾り図柄の変動が開始され、確定飾り図柄(「最終停止図柄」とも称する)が停止表示される。
飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。それぞれの飾り図柄には、それぞれの飾り図柄に対応する図柄番号が付されている。一例として、「1」〜「8」を示す各英数字には「1」〜「8」の各図柄番号が付されていればよい。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
なお、特別図柄の可変表示結果(「特図表示結果」とも称する)である確定特別図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、飾り図柄の可変表示結果である確定飾り図柄(最終停止図柄)を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、普通図柄の可変表示結果(「普図表示結果」とも称する)である確定普通図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示を、「完全停止表示」、「最終停止表示」、又は、「導出表示」(又は、単に「導出」)とも称する。なお、飾り図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングは、特別図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングと必ずしも一致していなくてもよく、特別図柄の変動時間(特図変動時間)内に、飾り図柄の変動時間が収まっていればよい。
すなわち、飾り図柄の変動開始タイミングが特別図柄の変動開始タイミングよりも遅くてもよいし、特別図柄の変動終了タイミング(確定特別図柄の停止表示タイミング)が飾り図柄の変動終了タイミング(確定飾り図柄の停止表示タイミング)よりも遅くてもよい。例えば、確定飾り図柄の停止表示後に所定演出の実行を開始し、当該所定演出の実行の終了時に確定特別図柄を停止表示させてもよい。
また、完全停止表示(最終停止表示、導出表示)とは異なる停止表示を行ってもよい。例えば、飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中に飾り図柄を仮停止表示させてもよい。なお、仮停止表示には、変動速度が「0」となった飾り図柄が、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせつつ停留して表示させるものや、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間、微少な揺れや伸縮なども生じさせずに停止表示させるものなどが含まれる。
また、画像表示装置5の表示領域には、第1始動入賞記憶表示エリア5HL、及び、第2始動入賞記憶表示エリア5HRが配置されている。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第1保留表示器25Aと同様、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第1特図ゲームの数を特定可能に表示する。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第2保留表示器25Bと同様、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第2特図ゲームの数を特定可能に表示する。
なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、例えば右詰めで、第1保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が増加したときは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示がなければ、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第1特図保留情報に対応する保留表示として新たな第1保留表示を追加し、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示があれば、当該他の第1保留表示の左側(複数の他の第1保留表示があれば最も左側の第1保留表示の更に左側)に上記新たな第1保留表示を追加するようにしてもよい。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第1特図保留情報に対応する保留表示に相当する第1始動入賞記憶表示エリア5HLの最も右側に表示されている第1保留表示(一番古くから表示されている第1保留表示)を消去し、他の第1保留表示のそれぞれを、消去した第1保留表示側(右側)に移動(シフト)する。
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRでは、例えば左詰めで、第2保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が増加したときは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示がなければ、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの左側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第2特図保留情報に対応する保留表示として新たな第2保留表示を追加し、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示があれば、当該他の第2保留表示の右側(複数の他の第2保留表示があれば最も右側の第2保留表示の更に右側)に上記新たな第2保留表示を追加するようにしてもよい。
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第2特図保留情報に対応する保留表示に相当する第2始動入賞記憶表示エリア5HRの最も左側に表示されている第2保留表示(一番古くから表示されている第2保留表示)を消去し、他の第2保留表示のそれぞれを、消去した第2保留表示側(左側)に移動(シフト)する。なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとを特に区別しない場合には、単に、「始動入賞記憶表示エリア5H」とも称する。
また、画像表示装置5の表示領域には、保留表示のエリアとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRの他に、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRから消去された(移動された)保留表示(すなわち、第1開始条件の成立によって消化される第1特図保留情報や、第2開始条件の成立によって消化される第2特図保留情報に基づき実行される飾り図柄の可変表示に対応する保留表示に応じたアクティブ表示(消化時表示、今回表示などとも称する)を含む情報を表した特別画像を表示するアクティブ表示エリアAHA(消化時表示領域、消化時表示エリア、今回保留表示領域、今回保留表示エリア、アクティブ保留表示領域、アクティブ保留表示エリア、アクティブ表示領域、今回表示領域、今回表示エリア、消化時表示部などとも称する。)が、例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間が配置されている。
パチンコ遊技機1では、図1に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間にアクティブ表示エリアAHAを配置しているが、アクティブ表示エリアAHAは、画像表示装置5の表示領域の何れかの位置に配置されていればよい。また、パチンコ遊技機1では、アクティブ表示のほかには、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠、アクティブ表示またはアクティブ表示の周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像などのアクティブ表示に応じた情報などが特別画像によって表示される。
遊技盤2における遊技領域には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口の何れかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
遊技機用枠3の遊技領域の周辺部には、音声出力部材が設けられている。図1に示した一例では、遊技機用枠3の左右上部位置に、スピーカ8UL、スピーカ8URを設置し、上皿の左右斜下部(下皿の左右斜上部)に、スピーカ8LL、スピーカ8LRを設置している。以下、スピーカ8UL、8UR、8LL、8LRのそれぞれを特に区別しない場合には、単に、「スピーカ8」と称する。スピーカ8は、音声(音及び声)を出力(再生)する。例えば、スピーカ8は、遊技機1の遊技の進行状況に応じて演出音(効果音とも称する)を出力し、遊技機1の状況に応じて警告音を出力する。
演出音には、音楽、検出音、応答音、報知音などが含まれる。演出音における音楽とは、例えば、遊技の進行状況に応じて出力されるBGM、歌などである。演出音における検出音とは、例えば、スイッチやセンサによる検出結果(例えば、第1始動入賞口等への入賞の検出など)に応じて出力される音、声(セリフ、メッセージ)などである。演出音における応答音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される音、声などである。なお、プッシュボタン31Bへの操作行為は、プッシュセンサによって検出されるものでもあるため、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される応答音は検出音でもある。演出音における報知音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為を要求するために報知する音、声や、リーチ状態(後述)の移行時にリーチ状態に移行する旨を報知する音、声や、大当り遊技状態への移行前に大当り遊技状態に移行する旨を予告又は示唆する音、声などである。
警告音の一例は、遊技球が下皿に過剰に保持(貯留)されているときに出力される警告音、ガラス扉(非図示)が開放しているときに出力される警告音などである。
遊技機用枠3の遊技領域の内部には、可動役物173及び可動役物175が設けられている。可動役物173及び可動役物175は演出動作として遊技機用枠3の領域内においてそれぞれ所定の動作を行うものとする。図1は可動役物173及び可動役物175が原点位置にある場合を示している。可動役物173は、演出動作として、原点位置から図示右斜め上に上昇して、画像表示装置5の表示画面中央部を動作端として停止して画像表示装置5の表示画面の一部を隠し、再び原点位置に戻る動作を行う。可動役物173は、図30等を用いて後述するように、画像表示装置5の表示画面中央部まで移動した後に複数に分裂する演出動作を行う。また、可動役物175は、演出動作として、原点位置から下降して、画像表示装置5の表示画面中央部を動作端として停止して画像表示装置5の表示画面の一部を隠し、再び原点位置に戻る動作を行う。また、可動役物173及び可動役物175は、演出動作として、原点位置から動作端である表示画面中央部まで移動せずに途中で停止して、再び原点位置に戻る動作を行ってもよい。可動役物173及び可動役物175は、演出動作として、激しく移動動作を繰り返す強動作と、強動作に比べて動作が緩やかな弱動作とが選択的に実行されるものであってもよい。また、可動役物173が動作するときには、後述する発光部材9CCを点灯する演出動作を行ってもよい。
遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として発光する発光部材(発光体)が設けられている。図1に示した一例では、可動役物175に発光部材9CC、画像表示装置5の左右位置に発光部材9CL、発光部材9CRを設置し、遊技機用枠3の上部位置に発光部材9U、遊技機用枠3の左右位置に発光部材9SL、発光部材9SRを設置している。以下、発光部材9CC、9CL、9CR、9U、9SL、9SRのそれぞれを特に区別しない場合には、総称してランプ9と称する。ランプ9は、例えば、1以上のLEDから構成されたものであってもよいし、フラッシュランプから構成されるものであってもよい。発光部材9Uは、回転部を有する回転灯(例えばパトランプ)であってもよい。また、上記以外にも、例えば、遊技領域における各構造物(例えば、特別可変入賞球装置7等)の周囲などに、種々の発光部材を設置してもよい。
上述した画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9などは演出を実行する演出装置であるが、遊技機1は、例えば、振動部を有する装置、送風部を有する装置など他の演出装置を備えていてもよい。
なお、各構成の配置位置(設置位置)は、一例であって、他の位置に配置されていてもよい。例えば、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20が、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。また例えば、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cが、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後(普通図柄の変動を開始させた後)、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
パチンコ遊技機1では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始され、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄や小当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」としてもよい。
パチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける大当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、パチンコ遊技機1は、特定遊技状態である大当り遊技状態に制御される。パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を、所定の回数(所定のラウンド数)、実行する。ラウンドは、大入賞口の開放サイクルである。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態である小当り遊技状態に制御される。
パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後の各ラウンド(各回のラウンド)において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉を開閉させて、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。例えば、パチンコ遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させ、その後、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させる。つまり、パチンコ遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて大入賞口を閉鎖状態に維持し、1回のラウンドを終了させる。
パチンコ遊技機1は、1回のラウンドにつき1回、大入賞口を開放状態に変化させる(1回のラウンド中に、大入賞口を開放状態→閉鎖状態と変化させる)。なお、パチンコ遊技機1は、1回のラウンドにつき複数回、大入賞口を開放状態に変化させてもよい。例えば、パチンコ遊技機1は、1回のラウンドにつき2回、大入賞口を開放状態に変化させてもよい(1回のラウンド中に、大入賞口を開放状態→閉鎖状態→開放状態→閉鎖状態と変化させてもよい)。
なお、上述のような、大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化してラウンドが開始する態様(ラウンドの開始時に大入賞口扉を直ちに開く態様)ではなく、大入賞口を閉鎖状態に維持したままラウンドが開始する態様(ラウンドの開始時には大入賞口扉を開かない態様)であってもよい。つまり、パチンコ遊技機1は、ラウンドの開始時には大入賞口扉を開くことなく大入賞口を閉鎖状態に維持し、その後、大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて1回のラウンドを終了させてもよい。
大当り遊技状態においてラウンドが実行される所定の回数(所定のラウンド数)は、固定(一定)の回数(例えば、常に10回)でなくてもよい。例えば、大当り遊技状態においてラウンドが実行される所定の回数(所定のラウンド数)は、複数種類の回数(例えば、2回、8回、16回など)のなかから選択(抽選)されたいずれかの回数であってもよい。
つまり、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、ラウンドの実行回数が上限回数(上述所定の回数が固定の回数である場合には当該固定の回数、上述の所定の回数が複数種類から選択される場合には選択された回数)に達するまで、ラウンドを繰り返し実行する。なお、パチンコ遊技機1は、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行を終了してもよい。
ラウンドにおいて大入賞口は、大入賞口扉を開いた後に所定の時間(開放期間)が経過するか、大入賞口への所定個数(例えば9個)の入賞が発生するか、のいずれかとなるまでの期間、開放状態に維持される。ラウンドにおいて大入賞口が開放状態に維持される所定の時間(開放期間)は、固定(一定)の時間(例えば、常に29秒間)でなくてもよい。例えば、ラウンドにおいて大入賞口が開放状態に維持される所定の時間(開放期間)は、複数種類の時間(例えば、0.1秒間、29秒間)のなかから選択(抽選)されたいずれかの時間であってもよい。
ラウンドにおいて大入賞口は、所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態(ラウンドにおける閉鎖状態)に維持される。例えば、大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化してラウンドが開始する態様の場合には、大入賞口は、大入賞口扉を閉じた後に所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態に維持される。また例えば、大入賞口を閉鎖状態に維持したままラウンドが開始する態様の場合には、大入賞口は、ラウンドの開始した後に所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態に維持される。ラウンドにおいて大入賞口が閉鎖状態に維持される所定の時間(閉鎖期間)は、固定(一定)の時間(例えば、常に3秒間)でなくてもよい。例えば、ラウンドにおいて大入賞口が閉鎖状態に維持される所定の時間(閉鎖期間)は、複数種類の時間(例えば、1秒間、3秒間)のなかから選択(抽選)されたいずれかの時間であってもよい。
以上から、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、例えば、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行したり、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを16回実行したり、大入賞口を開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)→開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)と変化させる各ラウンドを2回実行したりすることができる。また、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行した後に大入賞口を開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行したりすることもできる。
なお、大当り遊技状態におけるラウンドのうち、大入賞口を開放状態とする所定の時間(開放期間)が比較的長いラウンド(例えば、開放状態が29秒間であるラウンド)は「通常開放ラウンド」とも称され、大入賞口を開放状態とする所定の時間(開放期間)が比較的短いラウンド(例えば、開放状態が0.1秒間であるラウンド)は「短期開放ラウンド」とも称される。
また、大当り図柄である特別図柄のうち、通常開放ラウンドに対応する大当り図柄(後に通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に制御される大当り図柄)は、「通常開放ラウンド大当り図柄」と称する場合がある。大当り図柄である特別図柄のうち、短期開放ラウンドに対応する大当り図柄(後に短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に制御される大当り図柄)は、「短期開放ラウンド大当り図柄」と称する場合がある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、通常開放ラウンドが所定の回数(所定のラウンド数)、実行される。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、短期開放ラウンドが所定の回数(所定のラウンド数)、実行される。なお、短期開放大当り状態に比べ通常開放大当り状態の方が通常開放ラウンドの実行回数が多くなるなどしていれば、通常開放大当り状態において通常開放ラウンドの他に短期開放ラウンドを実行し、短期開放大当り状態において短期開放ラウンドの他に通常開放ラウンドを実行してもよい。
以上のように、パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後に制御される大当り遊技状態として、それぞれの大当り遊技状態において遊技者が得る価値、すなわち、遊技者から見た有利度(例えば、賞球数(出玉数))をそれぞれ異ならせた多様な大当り遊技状態を用意(実現)することができる。
短期開放ラウンドを用いない場合の一例として、ラウンド(通常開放ラウンド)を8回実行する大当り遊技状態と、ラウンド(通常開放ラウンド)を8回実行する大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、ラウンド(通常開放ラウンド)を16回実行する大当り遊技状態とを用意することができる。なお、上記例において、それぞれのラウンド(通常開放ラウンド)において大入賞口を開放状態に変化させる回数や、それぞれの開放状態の時間(開放時間)に差異が無ければ、ラウンド(通常開放ラウンド)を16回実行する大当り遊技状態では、ラウンド(通常開放ラウンド)を8回実行する大当り遊技状態の2倍の出玉を期待できる。
短期開放ラウンドを用いる場合の一例として、通常開放ラウンドを8回実行した後に短期開放ラウンドを8回実行する大当り遊技状態(実質8ラウンドの大当り遊技状態)と、実質8ラウンドの大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態とを用意することができる。なお、上記例において、それぞれの通常開放ラウンドにおいて大入賞口を開放状態に変化させる回数や、それぞれの開放状態の時間(開放時間)に差異が無く、且つ、短期開放ラウンドで得られる出玉数が無視できる程度に少なければ、通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態では、実質8ラウンドの大当り遊技状態の2倍の出玉を期待できる。
また、大入賞口扉を開いた後に所定の時間(開放期間)が経過していなくても大入賞口への所定個数の入賞が発生した場合には大入賞口は開放状態から閉鎖状態に変化するが、当該所定個数に差を設けることにより、遊技者が得る価値を異ならせてもよい。例えば、上記所定個数を5個とした通常開放ラウンド(開放時間は29秒間)を8回実行する大当り遊技状態と、上記所定個数を5個とした通常開放ラウンド(開放時間は29秒間)を8回実行する大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、上記所定個数を10個とした通常開放ラウンド(開放時間は29秒間)を8回実行する大当り遊技状態とを用意してもよい。
また、大入賞口への入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数に差を設けることにより、遊技者が得る価値を異ならせてもよい。例えば、賞球数を6個とした通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態と、賞球数を6個とした通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、賞球数を12個とした通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態とを用意してもよい。
また、当該大当り遊技状態自体によって遊技者が得る価値(当該大当り遊技状態の期間において遊技者が得る価値)に加えて、当該大当り遊技状態の後に制御されるパチンコ遊技機1の状態の種類(例えば、通常状態、時短状態、確変状態の別)や、当該大当り遊技状態の後に制御されるパチンコ遊技機1の状態(例えば、時短状態、確変状態)が維持される期間(例えば、時短回数、ST回数)の長さなどを異ならせることにより、当該大当り遊技状態以降において遊技者が得る価値を異ならせてもよい。
なお、この実施形態では、パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後に制御される大当り遊技状態として、8R確変大当り(後述)となった後に制御される通常開放ラウンドを8回実行する大当り遊技状態と、16R確変大当り(後述)となった後に制御される通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態とを用意している。
画像表示装置5の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームとのうち、何れかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間に、飾り図柄の可変表示状態が特定の可変表示の組み合わせの一部を構成する所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。なお、以下の説明において、リーチ状態となることを「リーチが成立(リーチ成立)する」とも称する。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出(又はリーチ演出表示)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8による音声出力動作、ランプ9などの発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)、又は可動役物173及び可動役物175等の動作(静止、微動、移動等)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せなどが最終停止表示される可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。これにより、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、すなわち、いずれのリーチ演出を出現させるかに応じて、大当り期待度を異ならせることができる。一例として、この実施形態では、ノーマルリーチのリーチ態様と、ノーマルリーチに比べて大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ態様とを予め設定(用意)している。
なお、大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる)。
また、飾り図柄の可変表示中には、可変表示演出の一態様として、飾り図柄などの可変表示動作によって実現される滑り演出や擬似連演出などが実行可能である。滑り演出では、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rの何れか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、滑り演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
擬似連演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件の何れか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄(例えば予め定められた擬似連チャンス目などが飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部または全部に表示される)を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、再び、全部の飾り図柄の可変表示を開始させる演出表示である再可変表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。
擬似連演出における再可変表示の回数(再可変表示回数)は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、全部の飾り図柄が最初に仮停止するまでの可変表示(初回可変表示)の回数(1回)と、全部の飾り図柄が最後に仮停止した後の再可変表示(最終可変表示)の回数(1回)と、初回可変表示と最終可変表示の間の再可変表示の回数X(Xは0又は1以上)と、を合算した回数(X+2)よりも1回少ない回数(X+1)として把握される。また、再可変表示回数は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて全部の飾り図柄が仮停止表示される回数(仮停止回数)と同数となる。なお、初回可変表示〜1回目の仮停止表示を1回目の擬似連とも称し、2回目の可変表示(1回目の再可変表示)〜2回目の仮停止表示を2回目の擬似連とも称し、3回目の可変表示(2回目の再可変表示)〜3回目の仮停止表示を3回目の擬似連とも称し、4回目の可変表示(3回目の再可変表示)〜4回目の仮停止表示を4回目の擬似連とも称する。また、擬似連演出における擬似連の回数を擬似連変動回数(又は、擬似連回数)とも称する。つまり、擬似連変動回数と再可変表示回数と仮停止回数は同数となる。なお、1回目、2回目、3回目、・・・と擬似連の回数が増えることを「擬似連が継続する」とも称する。
「擬似連」の可変表示演出において、再可変表示(再変動)が1回〜4回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜5回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、この実施形態では、再可変表示(再変動)を1回又は2回行う例を示しているが(図5参照)、再可変表示(再変動)が3回以上行ってもよい。
なお、擬似連演出は、当該変動においてリーチが成立する前(リーチ状態となる前に)に、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部または全部に擬似連チャンス目が仮停止表示されるように、全ての飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄を一旦仮停止させてもよいし、リーチが成立した後に、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部に擬似連チャンス目が仮停止表示されるように、全ての飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄を一旦仮停止してもよい。つまり、擬似連演出における仮停止表示の演出態様には、少なくとも、リーチ状態となる前に仮停止表示させる演出態様と、リーチと状態となった後にチャンス図柄を仮停止表示させる演出態様とがあってもよい。なお、チャンス図柄はリーチ状態とならないときにも停止表示され得る。
滑り演出(擬似連演出も同様)は、何れかのリーチ演出、若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを、遊技者に予告又は示唆するものであってもよい。以下、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを、遊技者に予告又は示唆するための演出を予告演出と総称する場合がある。予告演出には、滑り演出や擬似連演出の他にも、滑り演出や擬似連演出とは異なる可変表示動作を利用するものがあってもよいし、例えば、背景画像の表示、メッセージウィンドウの表示、保留表示、音声出力、発光(点灯、点滅、消灯)などのように可変表示演出とは異なる演出動作を利用するものがあってもよい。
なお、滑り演出や擬似連演出とは異なる可変表示演出(可変表示動作)を予告演出として実行してもよい。例えば、変動開始タイミング(例えば、左図柄、中図柄、右図柄が同時に変動を開始する場合には当該同時に変動を開始するタイミング、また、左図柄、中図柄、右図柄が同時に変動を開始しない場合には最初に変動を開始する図柄が変動を開始するタイミング等)を通常時とは異ならせる演出や、左図柄、中図柄、右図柄の変動開始順序を通常時とは異ならせる演出を予告演出として実行してもよい。また、可変表示動作以外の表示動作を予告演出として実行してもよい。例えば、背景画像を通常時とは異ならせる演出や、保留表示を通常時とは異ならせる演出を予告演出として実行してもよい。また、予告演出は、表示動作以外の動作によるものであってもよい。例えば、予告演出は、スピーカ8による音声出力、ランプ9の発光、可動役物173の動作などによるものであってもよい。
また、予告演出は、当該予告演出が予告又は示唆する内容が実現されるか否かを遊技者が判別(実際に確認)できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることを遊技者に予告又は示唆する予告演出は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある遊技球の入賞による可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予告又は示唆する予告演出は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
予告演出のうちには、先読予告演出(「事前判定予告演出」ともいう)となるものが含まれていればよい。先読予告演出は、当該予告対象となる可変表示を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報などに基づいて判定し(先読みし)、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。以下の説明において、先読予告演出の対象とする保留情報をターゲットの保留情報と称し、ターゲットの保留情報に対応する第1保留表示をターゲットの第1保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する第2保留表示をターゲットの第2保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する可変表示をターゲットの可変表示とも称する。また、先読予告演出は、ターゲットの保留情報の消化中に実行する場合(ターゲットの可変表示中を含むターゲットの保留情報の消化処理中に実行する場合)と、ターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合と、ターゲットの保留情報の消化中、及びターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合とがある。
ある遊技球の入賞による先読予告演出となる演出動作は、当該遊技球の入賞後(始動条件の成立後)、当該先読予告演出が予告する内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある遊技球の入賞による、リーチ状態となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある遊技球の入賞による、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
なお、先読予告演出(事前判定予告演出)として、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示や第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける第2保留表示の表示態様による保留演出が用意されていてもよい。保留演出には、第1始動入賞の発生時に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する第1保留表示や第2始動入賞の発生時に第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加する第2保留表示を予告態様で表示する演出(追加時保留演出)や、既に表示されている第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化(ある予告態様から他の予告態様への変化も含む。以下、同様)する演出(保留変化演出)や、第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化するときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(保留作用演出)や、第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化しないときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(保留作用ガセ演出)などが含まれていてもよい。なお、保留作用演出が実行されたときには、作用対象である第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様は変化するが、保留作用ガセ演出が実行されたときには、第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様は変化しない。
また、予告演出として、アクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ表示の表示態様によるアクティブ表示演出が用意されていてもよい。アクティブ表示演出には、アクティブ表示エリアAHAに追加するアクティブ表示を予告態様で表示する演出(追加時アクティブ表示演出)や、既に表示されているアクティブ表示が予告態様に変化(ある予告態様から他の予告態様への変化も含む。以下、同様)する演出(アクティブ表示変化演出)や、アクティブ表示が予告態様に変化するときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等をアクティブ表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(アクティブ表示作用演出)や、アクティブ表示が予告態様に変化しないときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等をアクティブ表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(アクティブ表示作用ガセ演出)などが含まれていてもよい。アクティブ表示変化演出とは、特別画像を予告態様に変化させる演出である。つまり、アクティブ表示や、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠や、アクティブ表示に応じた情報(例えば、アクティブ表示またはアクティブ表示周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像など)などを予告態様に変化させる演出である。なお、アクティブ表示変化演出と少なくとも一部が共通する演出態様であるアクティブ表示変化ガセ演出を実行する場合があってもよい。なお、ステップアップ予告演出などの主予告演出として、アクティブ表示変化演出やアクティブ表示変化ガセ演出を実行してもよい。アクティブ表示作用演出が実行されたときには、作用対象であるアクティブ表示の表示態様は変化するが、アクティブ表示作用ガセ演出が実行されたときには、アクティブ表示の表示態様は変化しない。
アクティブ表示演出におけるアクティブ表示の表示態様は、当該変動以前(例えば、始動入賞時等)に判定してもよいし、当該変動時に判定してもよい。また、保留演出とアクティブ表示演出を合せて「保留等演出」と称する場合もある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後などに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
この実施形態では、特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄(「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄)のうち、「3」の数字を示す特別図柄または「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「8R確変大当り」となる。また、「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「16R確変大当り」となる。8R確変大当りとなったときに制御されるラウンドは通常開放ラウンドである。つまり、この実施形態では、「3」や「5」の数字を示す特別図柄は、通常開放ラウンド大当り図柄である。また、16R確変大当りとなったときに制御されるラウンドは通常開放ラウンドである。つまり、この実施形態では、「7」の数字を示す特別図柄は、通常開放ラウンド大当り図柄である。
なお、この実施形態では、上述のように「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には8R確変大当りとなるが、「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合に短期開放ラウンドが実行される「2R確変大当り(「突確」とも称する)」となるようにしてもよい。この場合の「5」の数字を示す特別図柄は、短期開放ラウンド大当り図柄となる。「大当り」における、「8R確変大当り」、「16R確変大当り」、「2R確変大当り」の別は、「大当り種別」と称する。
16R確変大当りとなる場合には、具体的には「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、16R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。16R確変大当りに対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン(例えば、横に一直線)上に、図柄番号が奇数であって同一の飾り図柄が3個並んだもの(すなわち、「1」、「1」、「1」と並んだもの、「3」、「3」、「3」と並んだもの、「5」、「5」、「5」と並んだもの、「7」、「7」、「7」と並んだもの)である。
8R確変大当りとなる場合には、具体的には「3」の数字を示す特別図柄または「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。8R確変大当りに対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン上に、図柄番号が偶数であって同一の飾り図柄が3個並んだもの(すなわち、「2」、「2」、「2」と並んだもの、「4」、「4」、「4」と並んだもの、「6」、「6」、「6」と並んだもの、「8」、「8」、「8」と並んだもの)である。
なお、この実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設けたときに2R確変大当りとなる場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、または、リーチ状態になることなく、2R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されるようにすればよい。2R確変大当りに対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン上に、図柄番号が奇数であって異なる飾り図柄(少なくとも3個のうち1個が異なる飾り図柄)が3個並んだもの(例えば、「1」「3」「5」と並んだもの、「3」「5」「7」と並んだもの、「5」「5」「7」と並んだもの)や、チャンス図柄などを含む飾り図柄の組合せ(例えば、「1」「突確」「2」の組合せ。「突確」はチャンス図柄の一例)である。
なお、特図ゲームにおいて「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、16R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される場合と、表面上、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される場合とがあってもよい。
16R確変大当りとなったことに基づいて、通常開放ラウンドが16回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御(時間短縮制御)とともに確変制御(確率変動制御)が行われる。また、8R確変大当りとなったことに基づいて、通常開放ラウンドが8回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われる。
確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定のST回数(確変回数とも称する)の特図ゲームが実行されるときと、可変表示結果が「大当り」となるときとのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。従って、確変制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した場合には、確変制御は終了する。なお、所定のST回数は、例えば70回である。また、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常の遊技状態である。パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。
また、時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定の時短回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることとのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。従って、時短制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定の時短回数の特図ゲームを消化した場合には、時短制御は終了する。なお、所定の時短回数は、例えば70回である。
以上のように、この実施形態では、8R確変大当りまたは16R確変大当りとなったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、所定のST回数(例えば70回)の確変制御が行われるとともに、所定の時短回数(例えば70回)の時短制御が行われる。
なお、この実施形態では、大当り(8R確変大当り、16R確変大当り)となった後の時短回数とST回数(確変回数)とが同一(共に70回)であるが、大当り(8R確変大当り、16R確変大当り)となった後の時短回数とST回数(確変回数)とを異ならせてもよい。また、この実施形態では、8R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)と16R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)とが同一(共に70回)であるが、8R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)と16R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)とを異ならせてもよい。また、この実施形態では、8R確変大当りとなった後の時短回数と16R確変大当りとなった後の時短回数とが同一(共に70回)であるが、8R確変大当りとなった後の時短回数と16R確変大当りとなった後の時短回数とを異ならせてもよい。なお、以下の説明において、大当り遊技状態や、確変制御が行われる状態や、時短制御が行われる状態などを、「有利状態」と称することがある。
なお、この実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設けた場合には、2R確変大当りとなったことに基づいて、短期開放ラウンドが2回(ラウンド)実行される短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、16R確変大当りまたは8R確変大当りとなったときと同様、時短制御とともに確変制御が行われるようにしてもよい。
なお、この実施形態では、確変制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した場合には、確変制御は終了するが、ST回数(確変回数)を設けずに可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御が終了しないようにしてもよい。このような態様とするときには、「大当り」の一態様として、終了後に確変制御が行われない通常大当りを設けるとよい。例えば、8R通常大当りを設けた場合には、8R通常大当りとなったことに基づいて、通常開放ラウンドが8回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、確変制御を行わない(時短制御は行っても行われなくてもよい)。
また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。このような態様とするときには、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化する迄は確変転落抽選を行わずに、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した後の各ゲームにおいて確変転落抽選を行うようにしてもよい。時短制御についても同様である。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御の何れか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。従って、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御とがともに行われる遊技状態は、「時短状態」あるいは「高ベース状態」ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、「確変状態」あるいは「高確状態」ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、「高確高ベース状態」とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、「高確低ベース状態」とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、「時短付確変状態」ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、「時短なし確変状態」ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、「低確高ベース状態」とも称される。確変制御や時短制御、及び、高開放制御がいずれも行われない通常状態は、「低確低ベース状態」とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくとも何れかが行われるときには、特図ゲーム(第2特図ゲーム)が頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)における可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、「特別遊技状態」とも称される。
飾り図柄について、再抽選演出が実行されることがある。例えば、再抽選演出として、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、16R確変大当りに対応する大当り組合せとなる飾り図柄と、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる飾り図柄のうち何れかを、確定飾り図柄として最終停止表示させるようにしてもよい。
また、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、8回目のラウンドが終了するまでの期間(若しくは、8回目のラウンドの終了後、次の可変表示ゲームが開始されるまで期間)にて、当該大当りが16R確変大当りであることを報知するラウンド数昇格演出が実行されてもよい。なお、この実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設けたときに、2R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された場合も同様である。
また、この実施形態では通常大当りを設けないが、通常大当りを設けたときに通常大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、最終のラウンドが終了するまでの期間(若しくは、最終のラウンドの終了後、次の可変表示ゲームが開始されるまで期間)にて、当該大当りが確変大当りであることを報知する確変昇格演出が実行されてもよい。
なお、ラウンド中に実行される昇格演出(ラウンド数昇格演出、確変昇格演出)を大当り中昇格演出(大当り中ラウンド数昇格演出、大当り中確変昇格演出)と称し、最終のラウンドが終了してから実行される昇格演出(ラウンド数昇格演出、確変昇格演出)を「エンディング昇格演出」(エンディングラウンド数昇格演出、エンディング確変昇格演出)と称することもある。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8及びランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8からの音声出力動作の全部又は一部、ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12は、可動役物制御装置17の制御内容を決定する機能を備えている。可動役物制御装置17は、演出制御基板12が決定した制御内容に従い、可動役物173及び可動役物175の駆動制御を行う。可動役物制御装置17は、可動役物173及び可動役物175の原点位置を検知する原点センサ171A〜171Dからの原点検出信号を受信する。また、可動役物制御装置17は、可動役物173及び可動役物175を駆動するアクチュエータ172A〜172Dを駆動する駆動信号を出力する。
可動役物173は図33及び図34を用いて後述するとおり、回動機構173A、開閉機構173B、及びスライド機構173Cの3つの可動機構を有している。アクチュエータ172Aは、回動機構173Aを回動させて、可動役物173を原点位置から画像表示装置5の表示画面中央部まで移動させる。原点センサ171Aは、回動機構173Aを検出し、可動役物173が回動方向における原点位置にあることを検出する。また、アクチュエータ172Bは、開閉機構173Bを開閉させて、可動役物173の分裂片173B1〜分裂片173B3を閉状態から開状態まで移動させる。原点センサ171Bは、開閉機構173Bを検出し、可動役物173が開閉方向における原点位置にあることを検出する。また、アクチュエータ172Cは、スライド機構173Cを横移動させて、可動役物173を画像表示装置5の表示画面中央部から左右に移動させる。原点センサ171Cは、スライド機構173Cを検出し、可動役物173が横移動方向における原点位置にあることを検出する。すなわち、可動役物173は、複数のアクチュエータ172A〜172Cによって複数の動作を行うものとする。
ところで、可動役物173は、回動機構173A、開閉機構173B、及びスライド機構173Cの3つの可動機構を有しており、演出制御用CPU120はそれぞれの可動機構を個別の可動役物として独立して制御することができる。この実施形態において「可動役物」とは、可動役物173のように複数の可動機構が組み合わされたものをいうとともに、それぞれの可動機構のことをいうものとする。例えば、回動機構173Aと開閉機構173Bは、それぞれ別の可動役物として説明する。
可動役物175は図35を用いて後述するとおり、アクチュエータ172Dによって原点位置から画像表示装置5の表示画面中央部まで縦方向に移動する。原点センサ171Dは、可動役物175が原点位置にあることを検出する。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。なお、遊技機1は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23に加え、同様に主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉(非図示)の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)を備えていてもよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3(A)は、この実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「16R確変大当り」であるか「8R確変大当り」であるかの決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8F00Hは、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、確定飾り図柄(最終停止図柄)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンド9200Hは、停電復旧処理の実行を指定する停電復旧指定コマンドである。停電復旧指定コマンドは、遊技機1が停電状態から電力の供給が再開された後に、停電復旧処理を実行させるためのコマンドである。停電復旧指定コマンドを受信した演出制御用CPU120は、停電復旧処理を実行する。演出制御用CPU120は、停電復旧処理として、例えば、演出装置の初期動作を行う。演出装置の初期動作としては、例えば、画像表示装置5に停電から復帰したことを遊技者に報知する停電復旧画面を表示するようにしてもよい。また、演出装置の初期動作として、可動役物173及び可動役物175を原点位置に戻す原点復帰動作や可動役物173及び可動役物175の動作を確認する初期動作を行うようにしてもよい。また、演出装置の初期動作として、ランプ9のテスト点灯、スピーカ8からのモニタ音の出力等を行うようにしてもよい。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて第1始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて第2始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLなどにて第1特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
例えば、保留記憶情報として送信されるコマンドは、第1始動入賞口に始動入賞したか、第2始動入賞口に始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド又は第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド又は第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。また、合計保留記憶数の増加(又は減少)を通知するための合計保留記憶数加算指定コマンド(合計保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動カテゴリ(「変動パターン種別」とも称する)の判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。変動カテゴリとは、飾り図柄の変動パターンを種類別に分類(集約)したときの名称である。換言すれば、変動カテゴリとは、共通のグループにカテゴライズされる1以上の飾り図柄の変動パターンを含む、各グループのグループ名である。
コマンドE0XXHは、初期化を指定する初期化指定コマンドである。初期化指定コマンドを受信した演出制御用CPU120は、初期化指定コマンドのEXTデータXX(16進数)に応じた初期化処理を実行する。例えば、EXTデータにおいて、画像表示装置5や可動役物173又は可動役物175の演出装置の初期動作を指定することができる。なお、この実施形態では、初期化指定コマンドは、図11にて後述するCPU103のメイン処理において、電源投入時に1回実行されるステップS71の初期化処理においてサブ基板送信される。しかし、初期化指定コマンドは他のタイミングにおいて送信されるようにしてもよい。
この実施形態では、入賞時乱数値判定処理(図16(A))において、始動入賞の発生時に、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定し、「大当り」に決定された場合には、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて大当りの種別を判定し、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3に基づいて変動カテゴリ(変動パターン種別)を判定する。そして、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて変動カテゴリを認識できる。
なお、変動パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンドなどの演出制御コマンドは、演出制御用CPU120が、1以上の演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物173、及び可動役物175など)を制御する際に用いられる。以下、画像表示装置5における画像表示動作の制御に用いられる演出制御コマンドを表示制御コマンド、スピーカ8からの音声出力を制御するために用いられる演出制御コマンドを音声制御コマンド、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を制御するために用いられる演出制御コマンドをランプ制御コマンドとも称する。なお、演出制御コマンドのうちには、表示制御コマンド、かつ、音声制御コマンド、かつ、ランプ制御コマンドであるものが存在してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
続いて、飾り図柄の変動パターンについて説明する。以下、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを「ハズレ変動パターン」と称する。ハズレ変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した「非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」「非リーチ(ハズレ)変動パターン」とも称する)」や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した「リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」とも称する)」が含まれる。
また、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを「当たり変動パターン」と称する。当たり変動パターンには、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した「大当り変動パターン」や、可変表示結果が「小当り」である場合に対応した「小当り変動パターン」が含まれてもよい。大当り変動パターンとして、大当り種別のそれぞれに対応した複数の変動パターンを用意しておいてもよい。
非リーチ変動パターンには、合計保留記憶数が多い場合や、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に実行される時短制御に対応し、変動時間が異なる複数の変動パターンを用意しておくとよい。これにより、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、何れかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて変動時間を短縮する制御が可能になる。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンなどのようにリーチ演出を含む変動パターンには、それぞれのリーチ演出のリーチ態様に応じた変動パターンが用意されている。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「ノーマルリーチ変動パターン」と称し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「スーパーリーチ変動パターン」と称する。
図5は、この実施形態における変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。図5において、変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動カテゴリ「PA2」は、非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA2」には、変動パターン「PA2−1」〜「PA2−3」が属している。変動カテゴリ「PA3」は、ノーマルリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA3」には、変動パターン「PA3−1」と「PA3−2」とが属している。変動カテゴリ「PA4」は、スーパーリーチα(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA4」には、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−4」が属している。変動カテゴリ「PA5」は、スーパーリーチβ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA5」には、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」が属している。変動カテゴリ「PB3」は、ノーマルリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB3」には、変動パターン「PB3−1」と「PB3−2」とが属している。変動カテゴリ「PB4」は、スーパーリーチα(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB4」には、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−4」が属している。変動カテゴリ「PB5」は、スーパーリーチβ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB5」には、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−4」が属している。
変動カテゴリ「PA2」に属する変動パターン「PA2−1」は、特図変動時間が通常の長さである非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA2−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−2」の特図変動時間は、滑り演出が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。滑り演出が実行される他の変動パターンについても同様である。また、変動パターン「PA2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−3」の特図変動時間は、擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。変動カテゴリ「PA1」に属する変動パターン「PA1−1」は、変動パターン「PA2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA3」に属する変動パターン「PA3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PA4」に属する変動パターン「PA4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA4−2」の特図変動時間は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA4−1」の特図変動時間よりも長くなっている。ガセとして擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。 変動パターン「PA4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA5」に属する変動パターン「PA5−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB3」に属する変動パターン「PB3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB4」に属する変動パターン「PB4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB5」に属する変動パターン「PB5−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。
なお、この実施形態では2R確変大当り(突確)を設けないが、2R確変大当り(突確)を設ける場合には、2R確変大当り(突確)用の変動カテゴリ「PC1」、「PC2」、「PC3」を設けてもよい。変動カテゴリ「PC1」には、変動パターン「PC1−1」〜「PC1−3」が属している。変動パターン「PC1−1」は、特図変動時間が通常の長さである非リーチ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC1−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC1−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(突確)変動パターンである。
変動カテゴリ「PC2」には、変動パターン「PC2−1」〜「PC2−4」が属している。変動パターン「PC2−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。
変動カテゴリ「PC3」には、変動パターン「PC3−1」〜「PC3−4」が属している。変動パターン「PC3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)や、各種のテーブルを構成するデータなどが記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される表示結果決定テーブルの構成例を示している。図6に示す表示結果決定テーブル130Aは、例えば、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。また、表示結果決定テーブル130Aは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。具体的には、表示結果決定テーブル130Aでは、低確低ベース状態であるか、高確高ベース状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果決定テーブル130Aでは、遊技状態が高確状態であるときに、遊技状態が低確状態であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。具体的には、低確状態では所定個数(具体的には190個)の決定値(「8000」〜「8189」の範囲の値)が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。一方、高確状態では所定個数よりも多い個数(具体的には819個)の決定値「8000」〜「8818」が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。このような設定により、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブルを用い、第1特図用の第1特図表示結果決定テーブルでは、「小当り」の特図表示結果に所定範囲の決定値が割り当てられるようにし、第2特図用の第2特図表示結果決定テーブルでは、第1特図表示結果決定テーブルよりも少ない所定範囲の決定値が「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。これにより、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態における「小当り」の頻発を回避することができる。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)を実行するか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)を実行するかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、それぞれの大当り種別(16R確変大当り、8R確変大当り)に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、第1特図ゲームである場合、すなわち、変動させる特図(変動特図とも称する)が第1特図である場合には、所定個数(具体的には50個)の決定値(「0」〜「49」の範囲の値)が16R確変大当りに割り当てられている。一方、第2特図ゲームである場合、すなわち、変動特図が第2特図である場合には、所定個数よりも多い個数(具体的には80個)の決定値(「0」〜「79」の範囲の値)が16R確変大当りに割り当てられている。このような設定により、第2特図ゲームでは、第1特図よりも16R確変大当りとなりやすいので、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態(高確高ベース状態。具体的には大当り終了後の70回転目迄)において、16R確変大当りとなる期待感を高めることができる。
なお、この実施形態では2R確変大当り(突確)を設けないが、2R確変大当り(突確)を設ける場合には、第2特図ゲームである場合には、第1特図ゲームである場合よりも少ない個数の決定値を2R確変大当り(突確)に割り当ててもよい。このような設定により、第2特図ゲームでは、第1特図よりも2R確変大当り(突確)となり難いので、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な2R確変大当り(突確)の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止することができる。
また、ROM101には、変動カテゴリを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類やそれぞれの決定割合などが互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。変動カテゴリ決定テーブルには、変動カテゴリのそれぞれに、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。つまり、ROM101には、複数種類の変動カテゴリのうち少なくとも1つの変動カテゴリに割り当てられている上記決定値(例えば、決定値の範囲や個数など)が互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。なお、複数の変動カテゴリ決定テーブルに代えて、全部の変動カテゴリ決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動カテゴリ決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
また、ROM101には、変動パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動パターン決定テーブルにおいて決定され得る変動パターンの種類やそれぞれの決定割合などが互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。変動パターン決定テーブルには、変動パターンのそれぞれに、変動パターン決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が割り当てられている。つまり、ROM101には、複数種類の変動パターンのうち少なくとも1つの変動パターンに割り当てられている上記決定値(例えば、決定値の範囲や個数など)が互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。なお、複数の変動パターン決定テーブルに代えて、それぞれの変動パターン決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動パターン決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグなど)である。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155と、を備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム)の保留データ(第1特図保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第1特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム)の保留データ(第2特図保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第2特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの保留データ(第1始動条件の成立に基づく第1特図保留情報)と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの保留データ(第2始動入賞の成立に基づく第2特図保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームに関する保留データ(普図保留情報)を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データ(普図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。具体的な一例として、遊技制御フラグ設定部152には、確変フラグや時短フラグなどのそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータなどが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、第1特図保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値、第2特図保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値、合計保留記憶数を計数するための合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値などが記憶される。また、遊技制御カウンタ設定部154には、ST回数(確変回数)および時短回数の一方または両方を計数するための変動数カウンタの格納値である変動数カウント値、なども記憶される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12には、可動役物制御装置17が接続されている。可動役物制御装置17は、演出制御用CPU120からの指示に従い、可動役物173及び可動役物175の動作を制御する。可動役物制御装置17には、上述の通り、可動役物173及び可動役物175の原点位置を検知する原点センサ171A〜171Dが接続されている。また、可動役物制御装置17には、可動役物173及び可動役物175を駆動するアクチュエータ172A〜172Dが接続されている。原点センサには、マイクロスイッチ等の接触型のセンサやフォトセンサや静電容量式センサ等の非接触型センサを用いることができる。
原点センサ171A〜171Dは、可動役物173又は可動役物175が原点位置にあることを検出して検出信号を出力するセンサである。原点センサ171A〜171Dは、可動役物を検出したときに検出信号を、オフ状態からオン状態、又はオン状態からオフ状態にする。この実施形態では、原点センサ171A〜171Dは、デジタル(ON/OFF)信号を検出する場合を説明するが、原点センサ171A〜171Dは、例えばアナログ値を出力するものであってもよい。アナログ値を出力するものとして、例えばレーザセンサやモータに取り付けられたレゾルバやロータリーエンコーダを用いてもよい。
可動役物制御装置17は、原点センサ171A〜171Dから入力される検出信号に基づき、アクチュエータ172A〜172Dへの出力を制御することができる。可動役物制御装置17は、原点センサ171A〜171Dが可動役物173又は可動役物175を検出する位置からそれぞれのアクチュエータの動作端まで可動役物173又は可動役物175を移動するように制御することができる。例えば、可動役物制御装置17は、原点センサ171Aの検出信号がオン状態であるときにはアクチュエータ172Aを動作させて、可動役物173が図示しない機械式ストッパ等により係止される動作端まで移動させることができる。また、可動役物制御装置17は、原点センサ171Aの検出信号がオフ状態であるときにはアクチュエータ172Aを動作させて、原点センサ171Aの検出信号がオン状態になる原点位置まで移動させることができる。
アクチュエータ172A〜172Dは、例えばモータ、電磁ソレノイド等である。アクチュエータ172A〜172Dがモータである場合、可動役物制御装置17は、モータドライバの機能を有していてもよい。また、アクチュエータ172A〜172Dが電磁ソレノイドである場合、可動役物制御装置17は、電磁ソレノイドを動作させる電圧を供給する機能を有していてもよい。
なお、この実施形態では、可動役物173又は可動役物175の位置を検出するために、原点センサ171A〜171Dを配置する場合を例示したが、例えば、可動役物173又は可動役物175が動作端にあることを検出するセンサを配置するようにしてもよい。また、アクチュエータ172は、172A〜172Dの4台である場合を例示するが、アクチュエータの数はこれに限定されない。可動役物173又は可動役物175の動作の詳細は、図33〜図44を用いて後述する。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。
具体的には、ROM121には、保留演出を実行するための各種のテーブルが記憶されている。例えば、ROM121には、第1保留表示の追加時保留演出を実行するためのテーブルとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示される第1保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される第1保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、当該第1保留表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類やそれぞれの決定割合などが互いに異なる複数の第1保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。それぞれの第1保留表示態様決定テーブルには、第1保留表示の表示態様のそれぞれに、追加時の第1保留表示の表示態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。なお、複数の第1保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の第1保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留表示態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。同様に、ROM121には、第1保留表示の追加時保留演出を実行するためのテーブルとして、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに表示される第2保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される第2保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。
また、ROM121には、第1保留表示の保留変化演出の実行に関するテーブルとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに既に表示されている第1保留表示の表示態様を他の表示態様に変化させるか否かを決定するために参照される第1保留変化有無決定テーブルや、他の表示態様に変化させると決定した場合に更に複数種類のうちのいずれの表示態様に変化させるかを決定するために参照される第1保留変化態様決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、他の表示態様への変化あり、他の表示態様への変化なしの決定割合が互いに異なる複数の第1保留変化有無決定テーブルや、当該第1保留変化態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類やそれぞれの決定割合などが互いに異なる複数の第1保留変化態様決定テーブルが記憶されていてもよい。それぞれの第1保留変化有無決定テーブルには、変化あり、変化なしのそれぞれに、変化有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。それぞれの第1保留変化態様決定テーブルには、第1保留表示の表示態様のそれぞれに、変化後の第1保留表示の表示態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。なお、複数の第1保留変化有無決定テーブルに代えて、全部の第1保留変化有無決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留変化有無決定テーブルをROM121に記憶してもよい。また、複数の第1保留変化態様決定テーブルに代えて、全部の第1保留変化態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留変化態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。同様に、ROM121には、第2保留表示の保留変化演出の実行に関するテーブルとして、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに既に表示されている第2保留表示の表示態様を他の表示態様に変化させるか否かを決定するために参照される第2保留変化有無決定テーブルや、他の表示態様に変化させると決定した場合に更に複数種類のうちのいずれの表示態様に変化させるかを決定するために参照される第2保留変化態様決定テーブルが記憶されていてもよい。
なお、ROM121には、第1保留表示の保留変化演出の実行タイミング(何個後の変動において実行するかなどのタイミング)を決定するために参照される第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、当該第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルにおいて決定され得る実行タイミングの種類やそれぞれの決定割合などが互いに異なる複数の第1保留変化演出実行タイミング決定テーブが記憶されていてもよい。それぞれの第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルには、実行タイミングのそれぞれに、第1保留変化演出の実行タイミング決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていればよい。また、複数の第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルに代えて、全部の第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルをROM121に記憶してもよい。同様に、ROM121には、第2保留表示の保留変化演出の実行タイミング(何個後の変動において実行するかなどのタイミング)を決定するために参照される第2保留変化演出実行タイミング決定テーブルが記憶されていてもよい。
なお、第1保留表示態様決定テーブル、第1保留変化有無決定テーブル、第1保留変化態様決定テーブル、第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルのうちの2以上のテーブルの情報を含む、テーブルをROM121に記憶してもよい。
また、ROM121には、第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様を他の表示態様に変化させると決定した場合にキャラクタ等を第1保留表示(または第2保留表示)に直接的に又は間接的に作用させる保留作用演出に関するテーブルとして、保留作用演出を実行するか否かを決定するために参照される作用演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、実行あり、実行なしの決定割合が互いに異なる複数の作用演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。それぞれの作用演出実行有無決定テーブルには、実行あり、実行なしのそれぞれに、実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。また、保留作用演出の演出態様が複数あるときには、保留作用演出を実行すると決定した場合に更に複数の演出態様のうちのいずれの演出態様とするかを決定するために参照される保留作用演出演出態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。具体的には、当該保留作用演出演出態様決定テーブルにおいて決定され得る保留作用演出の演出態様の種類やそれぞれの決定割合などが互いに異なる複数の保留作用演出演出態様決定テーブルが記憶されていてもよい。それぞれの保留作用演出演出態様決定テーブルには、演出態様のそれぞれに、保留作用演出の演出態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
また、ROM121には、第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様を他の表示態様に変化させないと決定した場合にキャラクタ等を第1保留表示(または第2保留表示)に直接的に又は間接的に作用させる保留作用ガセ演出に関するテーブルとして、保留作用ガセ演出を実行するか否かを決定するために参照される作用ガセ演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、実行あり、実行なしの決定割合が互いに異なる複数の作用ガセ演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。それぞれの作用ガセ演出実行有無決定テーブルには、実行あり、実行なしのそれぞれに、実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。また、保留作用ガセ演出の演出態様が複数あるときには、保留作用ガセ演出を実行すると決定した場合に更に複数の演出態様のうちのいずれの演出態様とするかを決定するために参照される保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。具体的には、当該保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルにおいて決定され得る保留作用ガセ演出の演出態様の種類やそれぞれの決定割合などが互いに異なる複数の保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルが記憶されていてもよい。それぞれの保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルには、演出態様のそれぞれに、保留作用ガセ演出の演出態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
なお、アクティブ表示を含む特別画像を変化させるアクティブ表示変化演出を実行する場合には、ROM121には、アクティブ表示変化演出に関するテーブルとして、アクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定するために参照されるアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、実行あり、実行なしの決定割合が互いに異なる複数のアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。それぞれのアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルには、実行あり、実行なしのそれぞれに、実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。また、アクティブ表示変化演出の演出態様が複数あるときには、アクティブ表示変化演出を実行すると決定した場合に更に複数の演出態様のうちのいずれの演出態様とするかを決定するために参照されるアクティブ表示変化演出演出態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。具体的には、当該アクティブ表示変化演出演出態様決定テーブルにおいて決定され得るアクティブ表示変化演出の演出態様の種類やそれぞれの決定割合などが互いに異なる複数のアクティブ表示変化演出演出態様決定テーブルが記憶されていてもよい。それぞれのアクティブ表示変化演出演出態様決定テーブルには、演出態様のそれぞれに、アクティブ表示変化演出の演出態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物173、及び可動役物175など)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータなどが記憶されている。演出制御パターンがセットされることによって、飾り図柄などの種々の可変表示動作や予告演出(先読予告演出を含む)などが実現される。
各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。例えば、演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作(例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける保留表示の表示態様に対する保留演出や、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける保留表示の表示態様に対する保留演出など)といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、可動役物制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用CPU120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えばランプ9(発光体)の発光動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。
可動役物制御データは、可動役物173及び可動役物175の演出動作を指定するデータである。演出制御用CPU120は、可動役物制御データに基づき、可動役物制御装置17を介して、可動役物173及び可動役物175が所定の動作パターンで演出動作するように制御する。可動役物制御データには、可動役物173及び可動役物175の動作パターンが少なくとも1つ含まれている。しかし、可動役物制御データには、可動役物173及び可動役物175の動作パターンが複数含まれていてもよい。例えば、可動役物制御データに、可動役物173又は可動役物175が強動作する動作パターンと弱動作する動作パターンを含ませてもよい。強動作とは、例えば、可動役物173又は可動役物175が可動範囲で大きく又は長時間動作する動作パターンである。一方、弱動作とは、可動役物173又は可動役物175が、可動範囲で強動作に比べて小さく又は短時間動作する動作パターンである。可動役物制御データに可動役物173及び可動役物175の動作パターンが複数含まれている場合、演出制御用CPU120は、演出条件によって動作パターンを選択して実行してもよい。例えば、演出制御用CPU120は、スーパーリーチ演出時、擬似連演出時、大当り演出時等において強動作の動作パターンを選択するとともに、ノーマルリーチ時において弱動作の動作パターンを選択してもよい。可動役物173及び可動役物175が複数の動作パターンで動作することにより、興趣の向上を図ることができる。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
また、演出制御パターンは、演出装置の初期動作を制御するための制御データを含むものであってもよい。演出装置の初期動作は、上述の通り、例えば、画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物173、又は可動役物175等の演出装置の動作を確認するために実行される動作である。演出制御用CPU120は、演出装置の初期動作の動作パターンを含む演出制御パターンを実行することにより、演出装置を所定の動作パターンにおいて初期動作させることができる。初期動作の複数の動作パターンは、初期動作を実行するための複数の演出制御パターンを用意しておき、複数の演出制御パターンの中から所定の演出制御パターンを選択することによって実現することができる。初期動作において選択される演出制御パターンは、例えば、初期化指定コマンドE0XXHのEXTデータXXに基づき指定されるものであってもよい。また、初期動作において選択される演出制御パターンは、初期化指定コマンド又は停電復旧指定コマンドを受信した演出制御用CPU120が所定の条件に基づいて選択するようにしてもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様でランプ9を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される、操作が有効な期間である操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。さらに、演出制御用CPU120は、可動役物制御データにより指定される態様で可動役物173及び可動役物175を動作させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物173、及び可動役物175など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。具体的な一例として、演出制御フラグ設定部191には、確変フラグや時短フラグなどのそれぞれについて、確変フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータなどが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。また、演出制御カウンタ設定部193には、時短回数および確変回数の一方または両方を計数するための演出数カウンタの格納値である演出数カウント値を示すデータなども記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施形態では、図10(B)に示すような第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞時に受信した順番でコマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。第1始動入賞時には、第1始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(B)では、バッファ番号「1」〜「3」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(B)に示す第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
例えば、図10(B)に示す格納状態において第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされ、バッファ番号「3」に対応した領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」にシフトされる。
また、この実施形態では、図10(C)に示すような第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bには、これらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、第2始動入賞時に受信した順番でコマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bの空き領域における先頭から格納していく。第2始動入賞時には、第2始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図10(C)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、第2始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(C)では、バッファ番号「1」〜「2」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(C)に示す第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドは、第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
例えば、図10(C)に示す格納状態において第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされる。
また、この実施形態では、図10(D)に示すような第1先読予告バッファ194Cを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1先読予告バッファ194Cには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。すなわち、第1先読予告バッファ194Cには、演出制御用CPU120などによって決定されたそれぞれの保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
また、この実施形態では、図10(E)に示すような第2先読予告バッファ194Dを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第2先読予告バッファ194Dには、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。すなわち、第2先読予告バッファ194Dには、演出制御用CPU120などによって決定されたそれぞれの保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(C)の第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、第2先読予告バッファ194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(C)の第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第2先読予告バッファ194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
次に、この実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
まず、図11を用いて、遊技機1に対して電力供給が開始されたときの遊技制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
図11において、遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS001以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU103は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS001)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS002)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS003)。そして、RAM102をアクセス可能状態に設定する(ステップS005)。なお、割込モード2は、CPU103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU103は、I/O105の入力ポートを介して入力されるクリアスイッチの出力信号(クリア信号)がオン状態であるか否かを判断する(ステップS006)。クリアスイッチは、例えば、電源基板に搭載されている。CPU103は、クリアスイッチがオン状態であると判断した場合(ステップS007;YES)、通常の初期化処理(ステップS010〜ステップS014)を実行する。
一方、CPU103は、クリアスイッチがオン状態でないと判断した場合には(ステップS007;NO)、電力供給停止時処理が行われたか否かを判断する(ステップS008)。電力供給停止時処理とは、遊技機1への電力供給が停止したときに、遊技機1の遊技状態、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態等を復旧させるために、遊技機1の状態等のデータを一時的にバックアップするデータ保護処理である。データのバックアップは、例えばバックアップ電源から電力が供給されるRAM102の記憶領域(バックアップRAM領域)に保護するデータを記憶することにより行われる。データのバックアップは、遊技機1への電力供給が停止したことを検出したときにバックアップRAM領域にデータを退避させることにより行ってもよい。電力供給停止時処理が行われたか否かは、例えばバックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かによって判断できる。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えばデータをバックアップするときに立てるバックアップフラグの有無によって判断できる。また、バックアップRAM領域にパリティデータの付加がされているか否かによって判断できる。
電力供給停止時処理が行われていないと判断したときには(ステップS008;NO)、CPU103は、ステップS010から始まる初期化処理を実行する。
一方、電力供給停止時処理が行われたと判断した場合(ステップS008;YES)、CPU103は、バックアップRAM領域に記憶されているバックアップデータに対してパリティチェックを行い、チェック結果がOKであるか否かを判断する(ステップS009)。ステップS009の処理では、電力供給停止時におけるRAM102に記憶されているデータから算出したチェックサムと、電力供給停止時処理でバックアップしたデータから算出されて保存されているチェックサムとを比較して、両者の一致によりチェック結果を判断する。電力供給停止時処理が正しく行われた場合には、バックアップRAM領域に保存されているチェックサムは、電力供給開始後にバックアップRAM領域に保存されているデータから算出されたチェックサムと一致する。一方、電力供給停止時処理が正しく行われていない場合には、両チェックサムは一致しない。パリティチェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、遊技機1の遊技状態等を電力供給停止時の状態に戻すことができない。パリティチェック結果がOKでない場合(ステップS009;NO)、CPU103は、電力供給停止処理による復旧でない、電源投入時に実行される通常の初期化処理を実行する(ステップS010〜ステップS014)。
一方、パリティチェック結果がOKの場合(ステップS009;YES)、CPU103は、遊技機1の遊技状態等を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S44の処理)を行う。
ステップS41において、CPU103は、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によってバックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化しない部分は、記憶されていたデータがそのまま残る。初期化しない部分とは、例えば、電力供給停止時の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
ステップS42の処理を実行後、CPU103は、ROM101に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS43)、バックアップ時コマンド送信テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定し、バックアップ時コマンド送信テーブルに記憶されたコマンドを送信可能にする。
ステップS43の処理の実行後、CPU103は、電力供給復旧時の初期化指定コマンドとしての停電復旧指定コマンド(9200H)を送信する(ステップS44)。CPU103は、バックアップRAM領域にバックアップされているデータを停電復旧指定コマンドと共にコマンド送信するようにしてもよい。停電復旧指定コマンドと共に送信するコマンドとしては、例えば、図3で説明した可変表示結果コマンド(8CXXH)、図柄確定コマンド(8F00)、遊技状態指定コマンド(95XX)、当り開始指定コマンド(A0XX)、大入賞口開放中通知(A1XX)、大入賞口開放後通知(A2XX)、時短回数指定コマンド(B3XX)、確変回数指定コマンド(B4XX)等である。停電復旧指定コマンドと共にこれらのコマンドを送信することにより、電力供給停止時の遊技機の状態を復旧することが可能となる。停電復旧指定コマンドを受信した演出制御用CPU120は、所定の停電復旧処理を実行する。停電復旧処理には、演出装置の初期動作等を含ませてもよい。
ステップS44の処理を実行後、CPU103は、ステップS015の処理を実行する。
一方、クリアスイッチがオン状態であると判断した場合(ステップS007;YES)、ステップS008の処理において、電力供給停止時処理が行われていないと判断したとき(ステップS008;NO)、又はステップS009の処理でパリティチェックのチェック結果がOKではないと判断したとき(ステップS009;NO)、CPU103は、ステップS010から始まる初期化処理を実行する。
初期化処理では、CPU103は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS010)。RAMクリア処理によって、RAM102に記憶されたデータは初期化される。初期化されるデータとしては、例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータである。データの初期化は、データの値を0にするが、例えば予め定められた初期値をデータとして設定するようにしてもよい。また、初期化はRAM102の全記憶領域に対して行われる。しかし、RAM102の所定の記憶領域のみを初期化するようにしてもよい。初期化しない領域としては、例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータが記憶された領域としてもよい。
ステップS010の処理を実行した後、CPU103は、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域の初期値に設定する(ステップS012)。
ステップS011およびS012の処理によって、例えば、遊技制御フラグ設定部152に設定される、遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグに対して初期値が設定される。また、遊技制御タイマ設定部153に設定される、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマに対して初期値が設定される。また、遊技制御カウンタ設定部154に対して設定される、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタに対して初期値が設定される。さらに、遊技制御バッファ設定部155に設定される、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファに対して初期値が設定される。
ステップS012の処理を実行後、CPU103は、初期化時コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして(ステップS013)、初期化時コマンド送信テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定し、初期化時コマンド送信テーブルに記憶されたコマンドを送信可能にする。
ステップS013の処理を実行後、CPU103は、演出制御基板12等のサブ基板(主基板11以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ100が初期化処理を実行したことをサブ基板に通知し、サブ基板が初期化処理を実行することを指定するコマンド)をサブ基板に送信する(ステップS014)。CPU103は、初期化指定コマンドのEXTデータに初期化処理を実行する対象を指定するようにしてもよい。例えば、CPU103は、EXTデータにおいて、演出装置の初期動作を選択する演出制御パターンを特定してもよい。また、CPU103は、EXTデータにおいて、直接画像表示装置5や可動役物173等の演出装置の初期動作を指定するようにしてもよい。演出制御用CPU120は、初期化指定コマンドを受信すると、初期化指定コマンドに基づき、演出装置の初期動作を実行する。
ステップS014の処理を実行後、又はステップS44の処理を実行後、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS015)。CPU103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路104に所定の乱数値の範囲においてランダムな値を更新させるための設定を行う。
さらに、ステップS015において、CPU103は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用タイマのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるものとする。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100にはCTC(カウンタ/タイマ回路)が内蔵されている。遊技制御用タイマは遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCを用いることができる。
初期化処理の実行(ステップS010〜S016)が完了すると、CPU103は、メイン処理において、初期値用乱数更新処理(ステップS018)及び表示用乱数更新処理(ステップS019)を繰り返し実行する。初期値用乱数更新処理及び表示用乱数更新処理を実行するときには割込禁止処理を実行し(ステップS017)、遊技用制御用タイマによる割込み処理を禁止する状態に設定する。また、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可の処理を実行し(ステップS020)、割込み禁止状態を解除する。
この実施形態において、ステップS019で更新処理が実行される表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数である。表示用乱数更新処理では、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する。
また、ステップS018で更新処理が実行される初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。初期値用乱数更新処理では、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する。
以上で、図11を用いたメイン処理の説明を終了する。
次に、図12を用いて、遊技制御用タイマ割込み処理を説明する。図12は、遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
CPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図12のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にすることができる。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
以上で、図12を用いた遊技制御用タイマ割込み処理の説明を終了する。
図13は、図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理のステップS15にて実行される特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図14は、図13に示す特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。図15は、図14に示す始動入賞判定処理(ステップS101)のステップS208、ステップS211にて実行される始動入賞時処理の一例を示すフローチャートである。図16(A)は、図15に示す始動入賞時処理(ステップS208、ステップS211)のステップS220にて実行される入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示す始動入賞判定処理(ステップS101)において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば(ステップS201;YES)、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS207)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフ状態であるときや(ステップS201;NO)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときや(ステップS202;YES)、ステップS209の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを判定する(ステップS203)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば(ステップS203;YES)、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS204)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS204;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS210)。
ステップS207の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図15)を実行し(ステップS208)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS209)、ステップS203の処理に進む。ステップS210の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図15)を実行し(ステップS211)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
CPU103は、図14に示した始動入賞時処理(ステップS208、S211)として、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。ステップS215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS216)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS216の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部151における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
ステップS218の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS219の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
CPU103は、図16に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)として、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグの状態を確認することなどにより、確変フラグがオン状態であるときには確変状態であることを特定する。すなわち、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグがオン状態であるかオフ状態であるかによって、例えば、確変フラグがオン状態である場合には、遊技状態が高確状態であると特定し、確変フラグがオフ状態である場合には、低確状態であると特定する。つまり、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグの状態によって、現在の遊技状態がいずれの状態であるかを特定する。
ステップS401の処理に続いて、表示結果決定テーブル130Aを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応するテーブルデータをセットする(ステップS402)。なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、始動口バッファ値が「1」である場合には、第1特図表示結果決定テーブルを使用し、始動口バッファ値が「2」である場合には、第2特図表示結果決定テーブルを使用すればよい。その後、図15に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理によりセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)することができる。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定した場合には(ステップS403;YES)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」又は「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定した場合(ステップS403;NO)や、ステップS410の処理の何れかを実行した後には、変動カテゴリを判定する(ステップS412)。すなわち、変動カテゴリを図5に示す複数種類の何れかに決定する。ステップS412の処理では、CPU103は、ROM101に記憶されている複数の変動カテゴリ決定テーブル(当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類やそれぞれの決定割合などが互いに異なる複数種類の変動カテゴリ決定テーブル)のなかから使用テーブルとしてセットする何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。
具体的には、CPU103は、特図表示結果(例えば、ステップS403の判定結果など)や、保留記憶数(例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値など)に基づいて使用テーブルとしてセットする何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。続いて、CPU103は、使用テーブルとしてセットされた変動カテゴリ決定テーブルと、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データとに基づいて、複数種類の変動カテゴリのなかから何れかの変動カテゴリを決定する。
図17は、変動カテゴリ決定テーブルの選択例を示す図である。図18は、変動カテゴリ決定テーブルの構成例を示す図である。この変動カテゴリ決定テーブルの構成例は、変動カテゴリを複数種類のいずれかに決定するために参照される4種類の変動カテゴリテーブルである。図18(A)は、上述の4種類のうちのある変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL1」と表記)である。図18(B)は、他の変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL2」と表記)である。図18(C)は、更に他の変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL3」と表記)である。図18(D)は、更に他の変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL4」と表記)である。なお、説明の簡略化のため、図18(A)のような決定割合を設定した変動カテゴリ決定テーブルを、単に図18(A)の変動カテゴリ決定テーブルと称する場合がある。図18(B)〜図18(D)、及び、変動パターン決定テーブルなどの他の決定テーブルについても同様である。図17は、図18(A)〜図18(D)の4種類(設定「C−TBL1」〜設定「C−TBL4」)のなかから何れかの設定を選択する選択例、すなわち、上述の4種類の変動カテゴリ決定テーブルのなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する選択例である。
図18(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」(図18(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、図18(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」、図18(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」も同様)は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数種類の変動カテゴリに割り当てられている。
図18(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、0個が変動カテゴリ「PA1」に割り当てられ、70個(「0」〜「69」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割り当てられ、27個(「70」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割り当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割り当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割り当てられている。つまり、図18(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が0%(0÷100)、変動カテゴリ「PA2」が70%(70÷100)、変動カテゴリ「PA3」が27%(27÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図18(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、4個(「0」〜「3」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA1」に割り当てられ、85個(「4」〜「88」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割り当てられ、8個(「89」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割り当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割り当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割り当てられている。つまり、図18(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が4%(4÷100)、変動カテゴリ「PA2」が85%(85÷100)、変動カテゴリ「PA3」が8%(8÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図18(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、64個(「0」〜「63」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA1」に割り当てられ、25個(「64」〜「88」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割り当てられ、8個(「89」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割り当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割り当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割り当てられている。つまり、図18(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が64%(64÷100)、変動カテゴリ「PA2」が25%(25÷100)、変動カテゴリ「PA3」が8%(8÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図18(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、20個(「0」〜「19」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB3」に割り当てられ、40個(「20」〜「59」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB4」に割り当てられ、40個(「60」〜「99」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB5」に割り当てられている。つまり、図18(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」の設定例では、変動カテゴリ「PB3」が20%(20÷100)、変動カテゴリ「PB4」が40%(40÷100)、変動カテゴリ「PB5」が40%(40÷100)の割合で決定される。
図18(A)〜図18(C)の設定例では、特図表示結果が「ハズレ」である場合、保留記憶数が多いときには、保留記憶数が少ないときに比べて、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリ(変動カテゴリ「PA1」)の決定割合を高くしている。具体的には、特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「4」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「64%」>特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「3」又「2」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「4%」>特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「1」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「0%」としている。
また、図18(A)〜図18(C)の設定例では、特図表示結果が「ハズレ」である場合、保留記憶数が多くても少くても、スーパーリーチ(ハズレ)の変動カテゴリ(変動カテゴリ「PA4」又は変動カテゴリ「PA5」)の決定割合を一定にしている。具体的には、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA5」の決定割合「1%」とし、変動カテゴリ「PA4」の決定割合「2%」としている。
また、図18(A)〜図18(C)の設定例では、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、同一(共通)の変動カテゴリに対応する(同一の変動カテゴリが決定される)、乱数値MR3の決定値が存在するようにしている。つまり、乱数値MR3の決定値が、ある値であれば、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、同一の変動カテゴリが決定されるようにしている。例えば、乱数値MR3の決定値が「99」であるときには、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA5」が決定されるようにしている。また、乱数値MR3の決定値が「97」〜「98」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA4」が決定されるようにしている。
また、乱数値MR3の決定値が「89」〜「96」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA3」が決定されるようにしている。また、乱数値MR3の決定値が「64」〜「69」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA2」が決定されるようにしている。これにより、乱数値MR3の決定値がある値(上述の各範囲の値)であれば、リーチとなることや、スーパーリーチとなることや、スーパーリーチαやスーパーリーチβとなることを、あらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、それらを報知すること等もでき、遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、図18(A)〜図18(C)の設定例では、乱数値MR3の決定値が「0」〜「69」の範囲の値であるときには、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA1」又は「PA2」が決定されるようにしている。これにより、少なくともリーチとならないかを、あらかじめ容易に判定することもできる。
その後、ステップS412の処理による判定結果(決定結果)に応じて、図16(B)に示す変動カテゴリコマンドの何れかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図13のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)などが行われる。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。特別図柄通常処理については後述する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動パターンを図5に示す複数種類の何れかに決定する処理や、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを送信するための送信設定処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。変動パターンの設定については後述する。なお、ステップS111の変動パターン設定処理では、以下のように変動パターンを決定してもよい。すなわち、始動入賞時処理のステップS218において記憶した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて、入賞時乱数値判定処理のステップS412と同様、変動カテゴリを判定する。続いて、判定結果である変動カテゴリに基づいて、ROM101に記憶されている複数の変動パターン決定テーブルのなかから使用テーブルとしてセットする何れかの変動パターン決定テーブルを選択する。続いて、CPU103は、使用テーブルとしてセットされた変動パターン決定テーブルと、新たに抽出した変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データとに基づいて、複数種類の変動パターンのなかから何れかの変動パターンを決定してもよい。なお、始動入賞時処理において、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3などに加え、変動パターン決定用の乱数値MR5を抽出し、記憶しておくことにより、ステップS111の変動パターン設定処理において、始動入賞時処理において記憶した変動パターン決定用の乱数値MR5を用いて、変動パターンを決定してもよい。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)であるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)であるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特図ゲームや第2特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。また、遊技状態が低確低ベース状態(通常モード)以外である場合、すなわち、確変状態(高確状態)および時短状態(高ベース状態)の一方または両方である場合における特別図柄停止処理には、遊技制御カウンタ設定部154による変動数カウンタのカウンタ値を加算する処理やリセットする処理、確変状態(高確状態)での特図ゲームの実行回数や時短状態(高ベース状態)での特図ゲームの実行回数が所定回数となったか否かを判定する処理、確変状態(高確状態)および時短状態(高ベース状態)の一方または両方に制御する確変制御や時短制御を終了して低確状態または低ベース状態の一方または両方に設定する処理などの変動時遊技状態遷移処理も含まれている。
そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオン状態となっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオン状態である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。また、大当りフラグがオフ状態である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「16R確変大当り」、「8R確変大当り」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「16R確変大当り」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「8R確変大当り」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「8回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8、ランプ9、可動役物173、及び可動役物175などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための設定を行うための後述する大当り後遊技状態遷移処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図19は、図13に示す特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。すなわち、CPU103は、第2特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。すなわち、CPU103は、第1特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
このように、ステップS235の処理を、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定したときに実行するようにしているため、第1特図ゲームと第2特図ゲームとが保留されている場合に、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行されることになる。なお、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される態様に限定されず、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が進入(通過)して始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)が発生した順に、特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)が実行されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図ゲームと第2特図ゲームのいずれを実行するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;NO)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図16(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS402の処理と同様に、表示結果決定テーブルのデータをセットする(ステップS239)。なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、ステップS402の処理では、始動口バッファ値(「1」又は「2」)を参照したが、ステップS239の処理では、変動特図指定バッファ値(「1」又は「2」)を参照すればよい。
続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定した場合には(ステップS241;YES)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類の何れかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「16R確変大当り」、「8R確変大当り」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「16R確変大当り」であれば大当り種別バッファ値を「1」とし、「8R確変大当り」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定した場合(ステップS241;NO)やステップS245の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
ステップS110の特別図柄通常処理に続くステップS111の変動パターン設定処理では、CPU103は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3や変動パターン決定用の乱数値MR5を用いて、変動パターンを決定する。
なお、変動パターン設定処理(ステップS111)では、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)と同様に変動カテゴリを決定するが、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)の実行時と当該変動パターン設定処理(ステップS111)の実行時とで保留記憶数が大きく異なっていたとしても、図18に示した変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」〜「C−TBL3」の具体例では、入賞時に抽出された乱数値MR3が例えば「99」であれば、保留記憶数に関係なく、入賞時乱数値判定処理でも変動パターン設定処理でも、変動カテゴリ「PA5」が決定される。また、入賞時に抽出された乱数値MR3が例えば「97」〜「98」の範囲であれば、保留記憶数に関係なく、入賞時乱数値判定処理でも変動パターン設定処理でも、変動カテゴリ「PA4」が決定される。
図20は、変動パターンの決定割合の設定例を示す図である。なお、ROM101には、変動カテゴリに応じた8種類の変動パターン決定テーブルが記憶されているものとする。図20(A)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA1(短縮・非リーチハズレ)」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。図20(B)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA2(非リーチ(ハズレ))」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。図20(C)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA3(ノーマルリーチ(ハズレ))」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。以下、図20(D)〜図20(H)についても同様である。
図21は、図13に示す特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS291)。大当りフラグがオン状態であれば(ステップS291;YES)、CPU103は、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理においては、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS292の処理に続いて、CPU103は、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理においては、当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、CPU103は、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて大当りフラグがオフ状態である場合には(ステップS291;NO)、CPU103は、変動時遊技状態遷移処理を行う(ステップS296)。続いて、CPU103は、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS297)、特別図柄停止処理を終了する。
図22は、図21に示す特別図柄停止処理(ステップS113)のステップS296にて実行される変動時遊技状態遷移処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す変動時遊技状態遷移処理において、CPU103は、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるか否かを判定する(ステップS451)。CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグおよび時短フラグの両方がオフ状態である場合、現在の遊技状態が低確低ベース状態であると判定する。ステップS451において、現在の遊技状態が低確低ベース状態であると判定した場合(ステップS451;YES)、CPU103は、そのまま変動時遊技状態遷移処理を終了する。一方、ステップS451において、低確低ベース状態でないと判定した場合(ステップS451;YES)、変動数カウンタの値を1加算する(ステップS452)。変動数カウンタとは、低確低ベース状態に制御された後の特図ゲームの実行回数であって、ST回数(確変回数)や時短回数と比較される回数である。ST回数(確変回数)とは、確変制御を実行する特図ゲームの実行回数である。時短回数とは、時短制御を実行する特図ゲームの実行回数である。ST回数(確変回数)や時短回数は、当り終了処理(図13、図23)において設定される。
ステップS452の処理に続いて、CPU103は、ST回数(確変回数)を読み出し(ステップS453)、時短回数を読み出す(ステップS454)。ステップS454の処理に続いて、CPU103は、現在の遊技状態が高確状態(確変状態)であるか否かを判定する(ステップS455)。CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグがオン状態である場合、現在の遊技状態が高確状態であると判定する。ステップS455において、現在の遊技状態が高確状態であると判定した場合(ステップS455;YES)、CPU103は、変動数カウンタの値が、ステップS453で読み出したST回数(確変回数)によって示される値(例えば、70回)より大きい値であるか否かを判定する(ステップS456)。変動数カウンタの値がST回数(確変回数)によって示される値より大きい値であると判定した場合(ステップS456;YES)、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグをクリアしてオフ状態にするなどして、遊技状態を低確状態に設定し(ステップS457)、確変制御を終了する。
ステップS457の処理を実行した後や、現在の遊技状態が高確状態でないと判定した場合(ステップS455;NO)や、変動数カウンタの値がST回数(確変回数)によって示される値より大きい値でないと判定した場合(ステップS456;NO)には、CPU103は、現在の遊技状態が高ベース状態(時短状態)であるか否かを判定する(ステップS458)。CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオン状態である場合、現在の遊技状態が高ベース状態(時短状態)であると判定する。ステップS458において、現在の遊技状態が高ベース状態(時短状態)であると判定した場合(ステップS458;YES)、CPU103は、変動数カウンタの値が、ステップS454で読み出した時短回数によって示される値(例えば、70回)より大きい値であるか否かを判定する(ステップS459)。変動数カウンタの値が時短回数によって示される値より大きい値であると判定した場合(ステップS459;YES)、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグをクリアしてオフ状態にするなどして、遊技状態を低ベース状態に設定し(ステップS460)、時短制御を終了する。
ステップS460の処理をした後や、現在の遊技状態が高ベース状態(時短状態)でないと判定した場合(ステップS458;NO)や、変動数カウンタの値が時短回数によって示され値より大きい値でないと判定した場合(ステップS459;NO)には、CPU103は、遊技状態が低確低ベース状態になったか否かを判定する(ステップS461)。CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグおよび時短フラグの両方がオフ状態である場合、遊技状態が低確低ベース状態になったと判定する。
ステップS461において、低確低ベース状態になったと判定した場合(ステップS461;YES)、CPU103は、ST回数(確変回数)の設定値を“0”にクリアし(ステップS462)、時短回数の設定値を“0”にクリアし(ステップS463)、変動数カウンタの値を“0”にクリアし(ステップS464)、変動時遊技状態遷移処理を終了する。一方、ステップS461において、低確低ベース状態になっていないと判定した場合(ステップS461;NO)、ステップS462、S463、S464を実行することなく変動時遊技状態遷移処理を終了する。
図23は、図13に示す特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図13に示す大当り開放後処理(ステップS116)においては、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理においては、CPU103は、例えば、遊技制御プロセスタイマ値を1減算すること等により更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。
ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;NO)、CPU103は、そのまま大当り終了処理を終了する。一方、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS311;YES)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS312)。続いて、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグをオン状態にするなどして、高確状態(確変状態)に設定する(ステップS314)。続いて、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグをオン状態にするなどして、高ベース状態に設定する(ステップS315)。つまり、ステップS314、ステップS315の処理によって、大当り遊技状態の終了時には、遊技状態が高確高ベース状態に設定される。
ステップS315の処理に続いて、CPU103は、ST回数(確変回数)の設定値を70回に設定し(ステップS316)、時短回数を70回に設定する(ステップS317)。続いて、CPU103は、変動数カウンタの値を“0”にクリアし(ステップS318)、大当り終了処理を終了する。
なお、この実施形態では、ST回数(確変回数)の設定値と時短回数を70回の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、ST回数(確変回数)の設定値と時短回数を70回の設定値とを異なる値としてもよい。また、この実施形態では、8R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値と、16R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、8R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値と、16R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値とを異なる値としてもよい。また、この実施形態では、8R確変大当りの場合の時短回数の設定値と、16R確変大当りの場合の時短回数の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、8R確変大当りの場合の時短回数の設定値と、16R確変大当りの場合の時短回数の設定値とを異なる値としてもよい。なお、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値が「1」である場合には16R確変大当りであると判断し、大当り種別バッファ値が「2」である場合には8R確変大当りであると判断してもよい。
以上のように、主基板11では、ステップS101の始動入賞判定処理において、演出制御基板12に対して、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS219)、ステップS403などにおいて判定された特図表示結果に応じた図柄指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS410)、ステップS412において決定された変動カテゴリに応じた変動カテゴリコマンドを送信するための送信設定(ステップS413)が行われ、保留記憶数通知コマンドを送信するための送信設定が行われる(ステップS221)。これらの処理が実行されてから、図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)を実行することにより、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。
また、主基板11では、ステップS110の特別図柄通常処理において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、ステップS111の変動パターン設定処理において、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3や変動パターン決定用の乱数値MR5などを用いて飾り図柄の変動パターンが決定される。
更に、ステップS111の変動パターン設定処理では、上述の如く決定された確定特別図柄を指定する可変表示結果通知コマンドや上述の如く決定された飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる。これらの処理が実行されてから、図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)のコマンド制御処理を実行することにより、可変表示を開始するときには、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドなどが、1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
つまり、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングで、特別図柄通常処理(ステップS110)にて特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われ、変動パターン設定処理(ステップS111)にて飾り図柄の具体的な可変表示態様(変動パターン)の決定などが行われ、それぞれの演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。また、これに先立って、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)により、「大当り」として大当り遊技状態に制御されるか否かの判定や、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動カテゴリ)の判定などが行われ、それぞれの演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。
また、大当り(8R確変大当り、16R確変大当り)となった場合には、ステップS117の大当り終了処理において、ST回数(確変回数)及び時短回数が共に70回である、遊技状態が高確高ベース状態に設定される。また、遊技状態が高確高ベース状態であるときの各変動において変動数カウンタがカウントアップされ(ステップS452)、変動数カウンタがST回数(確変回数)を超えたときに遊技状態が低確状態に設定され(ステップS457)、変動数カウンタが時短回数を超えたときに遊技状態が低ベースに設定される(ステップS460)。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図24のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図24に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行する(ステップS71)。初期化所において、演出制御用CPU120は、図11で説明した主基板11からの初期化指定コマンドの受信を確認して、初期化指定コマンドに基づき、演出装置の初期化を行う。演出装置の初期動作としては、例えば、画像表示装置5において、遊技機の制御が初期化されたことを報知するための初期画面表示、すなわち初期化報知を行う。
ステップS71の処理を実行後、演出制御用CPU120は、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフ状態であれば(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取り込む。
このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオン状態である場合には(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8からの音声出力動作、ランプ9における発光動作、可動役物173、及び可動役物175の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図25は、図24に示す演出制御メイン処理のステップS74にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図25に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;NO)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;YES)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;YES)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;NO)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;YES)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;NO)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;NO)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;NO)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;NO)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;YES)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;YES)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するステップS503の処理において、第1保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
また、ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;YES)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;YES)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するステップS503の処理において、第2保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
なお、第1変動開始コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
また、第2変動開始コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではないと判定した場合には(ステップS510;NO)、演出制御用CPU120は、受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS513)。変動パターン指定コマンドであると判定した場合には(ステップS513;YES)、演出制御用CPU120は、RAMに形成されている変動パターン指定コマンド格納領域に当該変動パターン指定コマンドを格納する(ステップS514)。ステップS514の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS501に戻り処理を実行する。
ステップS513にて受信コマンドが変動パターン指定コマンドでないと判定した場合には(ステップS513;NO)、演出制御用CPU120は、受信コマンドが初期化指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS515)。初期化指定コマンドであると判定した場合には(ステップS515;YES)、演出制御用CPU120は、RAMに形成されている初期化指定コマンド格納領域に初期化指定コマンドを格納する(ステップS516)。ステップS516の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS501に戻り処理を実行する。
ステップS515にて受信コマンドが初期化指定コマンドでないと判定した場合には(ステップS515;NO)、演出制御用CPU120は、他のそれぞれの受信コマンドに応じた設定等を行う(ステップS517)。例えば、受信コマンドが遊技状態指定コマンドであった場合、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを解析して、現在の遊技状態を特定してもよい。また、受信コマンドが当り終了指定コマンドである場合、演出制御用CPU120は、当り終了指定コマンドを解析して、時短であるか否か等を特定してもよい。また、受信コマンドが停電復旧指定コマンドであった場合、演出制御用CPU120は、停電復旧指定コマンドをRAMに形成される停電復旧指定コマンド格納領域に格納してもよい。ステップS517の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS501に戻り処理を実行する。
始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド)のように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドや第1始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞指定コマンドは、保留記憶情報ともいう。また、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。
なお、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
また、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
以上で、図25を用いた、コマンド解析処理の説明を終了する。
図26は、図24に示す演出制御メイン処理のステップS75にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(ステップS150)。入賞時演出決定処理では、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ(第1始動入賞時受信コマンドバッファ194A又は第2始動入賞時受信コマンドバッファ194B)における記憶内容をチェックする処理や、受信コマンドとして、始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する処理や、始動入賞記憶表示エリア5Hに追加表示させる際の保留表示の表示態様(追加時表示態様とも称する)を決定する処理などが実行される。
ステップS150の入賞時演出決定処理を実行後、演出制御用CPU120は、可動役物初期動作処理を実行する(ステップS151)。ステップS151の可動役物初期動作処理の詳細は、図27を用いて後述する。
ステップS151の可動役物初期動作処理を実行した後には、例えば、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜177の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理や、デモ演出(客待ちデモンストレーション表示)を実行する処理を表示する処理などを含んでいる。飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示やその他の各種演出動作を行うために特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄を決定する処理や、第1保留表示又は第2保留表示をシフトさせてアクティブ表示エリアAHAに第1保留表示または第2保留表示に対応するアクティブ表示に応じた情報を表す特別画像を表示する処理や、各種の演出(例えば、主予告演出)を決定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて、各種の制御データを読み出し、各種の演出制御(例えば、飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示制御)を行う。具体的には、演出制御用CPU120は、読み出した制御データ(プロセスデータ)に基づき、映像信号(演出画像)を画像表示装置5に出力して画面上に表示させる制御、演出音信号を音声制御基板13に出力してスピーカ8から演出音を出力させる制御、電飾信号をランプ制御基板14に出力してランプ9を点灯/消灯/点滅させる制御、可動役物173及び可動役物175の駆動制御といった各種の演出制御を実行する。
こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を完全停止表示させる。演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理は、ST回数(確変回数)や時短回数をカウントする処理や、演出数カウンタの値を更新する処理や、演出数カウンタの値に応じて遊技状態を変更する処理などを含んできる。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、停止図柄が大当り図柄であるときは、ファンファーレ演出を設定するとともに、演出プロセスフラグの値を“4”に更新し、停止図柄が大当り図柄でないときは、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り開始処理は、特別可変入賞球装置7が開放状態となる前に実行され、ファンファーレ演出を実行する処理や、特別可変入賞球装置7が開放状態となったときに実行する演出(例えば、通常曲に対応する演出や、特別曲に対応する演出など)を設定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このラウンド中処理は、特別可変入賞球装置7が開放状態であるときに実行され、特別可変入賞球装置7が開放状態となったときの演出(例えば、通常曲に対応する演出や、特別曲に対応する演出など)を実行する処理や、特別可変入賞球装置7が閉鎖状態となったときに実行する演出(例えば、通常曲に対応する演出や、特別曲に対応する演出など)を設定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このラウンド後処理は、特別可変入賞球装置7が開放状態であるときに実行される。主基板11からの大入賞口開放中通知コマンドを受信したときは、特別可変入賞球装置7が開放状態となったときに実行する演出(例えば、通常曲に対応する演出や、特別曲に対応する演出など)を設定するとともに、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。また、主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したときは、エンディング演出を設定するとともに、演出プロセスフラグの値を“7”に更新する。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。この大当り終了後処理は、特別可変入賞球装置7が閉鎖状態となる前に実行され、エンディング演出を実行する処理や、遊技状態を設定する処理や、ST回数(確変回数)や時短回数を設定する処理などを含んできる。その後、演出プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、図27を用いて、図26の演出制御プロセス処理(ステップS75)におけるステップS151の可動役物初期動作処理を説明する。図27は、可動役物初期動作処理の一例を示すフローチャートである。
図27の可動役物初期動作処理において、演出制御用CPU120は、RAM122に形成された初期化指定コマンド格納領域又は停電復旧コマンド格納領域に、初期化指定コマンド又は停電復旧指定コマンドが格納されているか否かを判断する(ステップS1511)。初期化指定コマンド又は停電復旧指定コマンドは、図25で説明したステップS516又はステップS517において初期化指定コマンド格納領域又は停電復旧コマンド格納領域に格納される、初期化指定コマンド又は停電復旧指定コマンドが格納されていないと判断した場合(ステップS1511;NO)、演出制御用CPU120は、ステップS151の可動役物初期化処理を終了する。
一方、初期化指定コマンド又は停電復旧指定コマンドが格納されていると判断した場合(ステップS1511;YES)、演出制御用CPU120は、原点センサ171Aがオン状態であるか否かを判断する(ステップS1512)。原点センサ171Aは、可動役物173が回動方向において原点位置にあることを検出するセンサである。
原点センサ171Aがオン状態であると判断した場合(ステップS1512;YES)、演出制御用CPU120は、原点センサ171Bがオン状態であるか否かを判断する(ステップS1513)。原点センサ171Bは、可動役物173が開閉方向において原点位置にあることを検出するセンサである。
原点センサ171Bがオン状態であると判断した場合(ステップS1513;YES)、演出制御用CPU120は、初期動作Aを実行するための処理を行う(ステップS1514)。すなわち、初期動作Aは、原点センサ171A及び原点センサ171Bが共にオン状態であるときに実行される初期動作である。初期動作Aは、例えば、演出制御パターンによって設定されて、演出制御用CPU120は、初期動作Aが設定された演出制御パターンを選択することによって初期動作Aを実行するための処理を行ってもよい。なお、後述する、初期動作B〜初期動作Dについても初期動作Aと同様に、演出制御用CPU120によって選択される演出制御パターンに設定されていてもよい。
一方、原点センサ171Bがオン状態ではないと判断した場合(ステップS1513;NO)、演出制御用CPU120は、初期動作Bを実行するための処理を行う(ステップS1515)。すなわち、初期動作Bは、原点センサ171Aがオン状態であり、かつ原点センサ171Bがオフ状態であるときに実行される初期動作である。
ステップS1512の処理において、原点センサ171Aがオン状態ではないと判断した場合(ステップS1512;NO)、演出制御用CPU120は、原点センサ171Bがオン状態であるか否かを判断する(ステップS1516)。
原点センサ171Bがオン状態であると判断した場合(ステップS1516;YES)、演出制御用CPU120は、初期動作Cを実行するための処理を行う(ステップS1517)。すなわち、初期動作Cは、原点センサ171Aがオフ状態であり、かつ原点センサ171Bがオン状態であるときに実行される初期動作である。
一方、原点センサ171Bがオン状態ではないと判断した場合(ステップS1513;NO)、演出制御用CPU120は、初期動作Dを実行するための処理を行う(ステップS1518)。すなわち、初期動作Dは、原点センサ171A及び原点センサ171Bが共にオフ状態であるときに実行される初期動作である。
ステップS1514、ステップS1515、ステップS1517、又はステップS1518の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS151の可動役物初期動作処理を終了する。
この実施形態において説明する可動役物173等の初期(イニシャル)動作には、ロングイニシャル動作とショートイニシャル動作があるものとする。ロングイニシャル動作とは、可動役物173等を通常の演出動作と同様に動作させる初期動作をいう。ロングイニシャル動作を実行することにより、通常の演出動作において可動役物173等に不具合が発生するか否かのチェックを行うことができる。一方、ショートイニシャル動作とは、可動役物173等を通常の演出動作の一部を省略して動作させる初期動作をいう。ショートイニシャル動作を実行することにより、ロングイニシャル動作を実行する場合に比べて短時間で可動役物173等の動作のチェックをすることが可能となる。この実施形態では、上記初期動作A〜初期動作Dは、ショートイニシャル動作において初期動作を行うものとして説明する。しかし、初期動作A〜初期動作Dは、ロングイニシャル動作を行うようにしてもよい。また、初期動作A〜初期動作Dは、ショートイニシャル動作とロングイニシャル動作を組み合わせた初期動作を行うものであってもよい。なお、初期動作A〜初期動作Dの詳細は、図36〜図44を用いて後述する。
以上で、図27を用いた、可動役物初期動作処理の説明を終了する。
次に、図28を用いて、図26に示す演出制御プロセス処理(ステップS75)のステップS170にて実行される可変表示開始待ち処理を説明する。図28は、可変表示開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)の受信があるか否かを判定する(ステップS1000)。
ステップS1000において第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)の受信がないと判定した場合(ステップS1000;NO)、演出制御用CPU120は、デモ演出中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1002)。デモ演出中フラグは、客待ちデモンストレーション表示が行われているか否かを示すフラグである。デモ演出中フラグがオン状態(例えば、値「1」)であるときは客待ちデモンストレーション表示が行われていることを示し、デモ演出中フラグがオフ状態(例えば、値「0」)であるときは客待ちデモンストレーション表示が行われていないことを示す。デモ演出中フラグの値は、例えば、演出制御フラグ設定部191に記憶されていればよい。
ステップS1002においてデモ演出中フラグがオン状態でないと判定した場合(ステップS1002;NO)、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS1004)。ステップS1004において客待ちデモ指定コマンドの受信がないと判定した場合(ステップS1004;NO)、可変表示開始待ち処理を終了する。一方、ステップS1004において客待ちデモ指定コマンドの受信があると判定した場合(ステップS1004;YES)、デモ演出中フラグをオン状態にセットし(ステップS1006)、デモ演出(客待ちデモンストレーション表示)に応じたプロセスデータ(演出制御パターン)を選択し(ステップS1008)、演出制御プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1010)。これにより、客待ちデモ指定コマンドの受信にもとづいて、デモ演出(客待ちデモンストレーション表示)が開始される。
その後、可変表示開始待ち処理を終了する。
なお、この実施形態では、デモ演出を開始する条件としてステップS170の可変表示開始待ち処理において、客待ちデモ指定コマンドの受信があるか否かを判定する場合を説明したが、デモ演出を開始する条件はこれに限定されない。例えば、可変表示停止から所定の時間が経過したときにデモ演出を開始してもよい。また、センサ等により遊技者が遊技状態ではないことを検出してデモ演出を開始してもよい。
ステップS1002においてデモ演出中フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS1002;YES)、つまり、デモ演出が既に行われている場合、演出制御用CPU120は、所定の操作(例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bなどによる所定の操作)があるか否かを判定する(ステップS1012)。ステップS1012において所定の操作がないと判定した場合(ステップS1012;NO)、演出制御用CPU120は、デモ中初期動作実行処理を実行する(ステップS1014)。ステップS1014のデモ中初期動作実行処理の詳細は、図29を用いて後述する。ステップS1014のデモ中初期動作実行処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS170の可変表示開始待ち処理を終了する。すなわち、デモ演出中においてスティックコントローラ31A等を用いた所定の操作が行われない場合は、デモ演出が継続されることになる。
一方、ステップS1012において所定の操作があると判定した場合(ステップS1012;YES)、演出制御用CPU120は、メニュー処理を実行する(ステップS1013)。ステップS1013におけるメニュー処理は、画像表示装置5にメニューを表示して、遊技者にメニュー内容に従った操作を可能とするものである。
ステップS1013の処理の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS170の可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS1000において第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)の受信があると判定した場合(ステップS1000;YES)、演出制御用CPU120は、デモ演出中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1022)。ステップS1022においてデモ演出中フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS1022;YES)、つまり、デモ演出が既に行われている場合、デモ演出中フラグをオフ状態にリセットする(ステップS1024)。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新する(ステップS1026)。
ステップS1026の処理を実行後、演出制御用CPU120は、初期動作実行済みフラグをオフ状態とする(ステップS1027)。初期動作実行済みフラグは、ステップS1014の処理において初期動作が実行された場合にオン状態にされるフラグであり、ステップS170の可変表示開始待ち処理を終了するときにオフ状態にすることで、次にデモ演出を実行するときに再度可動役物173等の初期動作を実行可能とする。ステップS1027の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS170の可変表示開始待ち処理を終了する。
一方、ステップS1022においてデモ演出中フラグがオン状態でないと判定した場合(ステップS1022;NO)、ステップS1024の処理を省略(飛ばして)して、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS1026)、可変表示開始待ち処理を終了する。
以上で、図28を用いた、ステップS170の可変表示開始待ち処理の説明を終了する。
次に、図29を用いて、図28の可変表示開始待ち処理(ステップS170)におけるステップS1014のデモ中初期動作実行処理の詳細を説明する。図29は、デモ中初期動作実行処理の一例を示すフローチャートである。図27を用いて説明したステップS151の可動役物初期動作処理は、主基板11から初期化指定コマンド又は停電復旧指定コマンドを受信したときに実行されるのに対して、図29で説明するステップS1014のデモ中初期動作実行処理は、遊技機1がデモ中に実行される。すなわち、この実施形態では、初期動作を電源が投入された時のタイミングで行うとともに、それ以外のタイミングで行う場合を例示している。したがって、電源が投入された時以外において、可動役物173等の不具合をチェックできるとともに、可動役物173等が原点位置にない場合であっても原点位置に戻すことが可能となる。
図29に示すステップS1014のデモ中初期動作実行処理おいて、演出制御用CPU120は、初期動作実行済みフラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS10141)。デモ演出中において初期動作は1回のみ実施される。初期動作実行済みフラグは、遊技機1がデモ演出を開始するときにステップS1014のデモ中初期動作実行処理において初期動作が行われたことを示すフラグである。したがって、初期動作実行済みフラグがオン状態であると判断した場合(ステップS10141;YES)、演出制御用CPU120は、ステップS1014のデモ中初期動作実行処理を終了する。なお、初期動作実行済みフラグは、上述の通り、図28の可変表示開始待ち処理(ステップS170)における、ステップS1027の処理においてオフ状態とされる。
一方、初期動作実行済みフラグがオン状態ではないと判断した場合(ステップS10141;NO)、演出制御用CPU120は、初期動作実行済みフラグをオン状態にする(ステップS10143)。初期動作実行済みフラグは、例えば、図10(A)で説明した演出制御用データ保持エリア190に記録するようにしてもよい。ステップS10142の処理を実行後、演出制御用CPU120は、原点センサAオン状態であるか否かを判断する(ステップS10143)。原点センサ171Aがオン状態であると判断した場合(ステップS10143;YES)、演出制御用CPU120は、原点センサ171Bがオン状態であるか否かを判断する(ステップS10144)。
原点センサ171Bがオン状態であると判断した場合(ステップS10144;YES)、演出制御用CPU120は、初期動作Aを実行するための処理を行う(ステップS10145)。一方、原点センサ171Bがオン状態ではないと判断した場合(ステップS1513;NO)、演出制御用CPU120は、初期動作Bを実行するための処理を行う(ステップS1515)。
ステップS10143の処理において、原点センサ171Aがオン状態ではないと判断した場合(ステップS10143;NO)、演出制御用CPU120は、原点センサ171Bがオン状態であるか否かを判断する(ステップS10147)。原点センサ171Bがオン状態であると判断した場合(ステップS10147;YES)、演出制御用CPU120は、初期動作Cを実行するための処理を行う(ステップS10148)。一方、原点センサ171Bがオン状態ではないと判断した場合(ステップS10147;NO)、演出制御用CPU120は、初期動作Dを実行するための処理を行う(ステップS10149)。すなわち、初期動作Aは、原点センサ171A及び原点センサ171Bが共にオン状態であるときに実行される初期動作である。また、初期動作Bは、原点センサ171Aがオン状態であり、かつ原点センサ171Bがオフ状態であるときに実行される初期動作である。また、初期動作Cは、原点センサ171Aがオフ状態であり、かつ原点センサ171Bがオン状態であるときに実行される初期動作である。さらに、初期動作Dは、原点センサ171A及び原点センサ171Bが共にオフ状態であるときに実行される初期動作である。
ステップS10145、ステップS10146、ステップS10148、又はステップS10149の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS1014のデモ中初期動作実行処理を終了する。
なお、この実施形態では、図29における初期動作A〜初期動作Dは、図27における初期動作A〜初期動作Dと同じ動作である場合を例示する。しかし、図29において実行される初期動作を、図27における初期動作A〜初期動作Dと異なる動作としてもよい。
以上で、図29を用いた、デモ中初期動作実行処理の説明を終了する。
次に、図30を用いて、通常の演出における可動役物173を用いた第1の演出動作を説明する。図30は、可動役物173を用いた第1の演出動作の一例を示す図である。図30(A)〜図30(E)は、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Bを用いて可動役物173を動作させる演出動作を時系列で説明したものである。
図30(A)において、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rには、可変表示中の飾り図柄が表示されている。画像表示装置5の図30(A)の図示左下には、可動役物173が原点位置で停止しているものとする。なお、可動役物173は、図1で説明した通り、原点位置においてその一部を遊技者が視認できるものとする。可動役物173は、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3を有し、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が合体することにより(閉状態において)所定の図形を形成しているものとする。なお、画像表示装置5の図30(A)の図示上方には、可動役物175が原点位置にあるものとする。
次に、図30(B)において、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L及び5Rには、飾り図柄「7」が表示されて、リーチ状態となっていることを示している。可動役物173は、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が閉状態のまま画像表示装置5の表示画面中央部まで、アクチュエータ172Aによって回動され、可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cの飾り図柄を隠す。
次に、図30(C)において、可動役物173は、画像表示装置5の表示画面中央部において分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3がアクチュエータ172Bによって開状態とされる。分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3を開状態にするには、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3の周囲に開状態になったときに必要な所定の空間が必要である。可動役物173が図30(A)に示す原点位置にあるときには、所定の空間が無いため分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3を開状態とすることができない。すなわち、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3は、可動役物173が図30(B)に示す位置にあるときでないと開状態とすることができない。分裂片173B2、及び分裂片173B3が開状態とされることによって、可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cが遊技者に視認可能となる。図30(C)は、可変表示中の図柄表示エリア5Cに所定の演出図柄が表示されている場合を例示している。
次に、図30(D)において、可動役物173は、画像表示装置5の表示画面中央部において分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3がアクチュエータ172Bによって閉状態とされる。分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が閉状態とされることにより、可変表示中の図柄表示エリア5Cが再び隠されて遊技者が視認できなくなる。
次に、図30(E)において、可動役物173は、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が閉状態のまま、アクチュエータ172Aによって回動されて原点位置に戻される。可動役物173が原点位置まで戻されることにより、画像表示装置5に最終停止図柄が表示される。なお、図30(E)は最終停止図柄が大当りである場合を例示しているが、最終停止図柄は大当りであってもハズレであってもよい。
以上で、図30を用いた、通常の演出における可動役物173を用いた第1の演出動作の説明を終了する。
次に、図31を用いて、通常の演出における可動役物173を用いた第2及び第3の演出動作を説明する。図31は、可動役物173を用いた第2及び第3の演出動作の一例を示す図である。図31(A)〜図31(E)は、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cを用いて可動役物173を動作させる演出動作を時系列で説明したものである。図31において、図31(C1)は、可動役物173を用いた第2の演出動作を示すものであり、図31(C2)は、可動役物173を用いた第3の演出動作を示すものである。なお、図31を用いて説明する可動役物173を用いた第2及び第3の演出動作は、図31(A)、図31(B)、及び図31(D)において、図30を用いて説明した第1の演出動作の図30(A)、図30(B)、及び図30(D)とそれぞれ同じ演出態様となるため、以下の説明では一部を省略して説明する。
図31(A)において、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rには、可変表示中の飾り図柄が表示されている。画像表示装置5の図31(A)の図示左下には、可動役物173が原点位置で停止している。可動役物173の分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3は閉状態である。
次に、図31(B)において、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L及び5Rには、リーチ状態の飾り図柄が表示されている。可動役物173は、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が閉状態のまま画像表示装置5の表示画面中央部まで、アクチュエータ172Aによって回動されて、可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cの飾り図柄を隠す。
次に、図31(C1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって画像表示装置5の表示画面中央部から図示左側に横方向に移動する。横方向に移動した可動役物173は、飾り図柄表示エリア5Lを隠すとともに飾り図柄表示エリア5Cを表示して遊技者から視認可能にする。すなわち、可動役物173を用いた第2の演出動作においては、可動役物173の左方向に横移動を伴う演出動作が行われるものとする。
一方、図31(C2)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって画像表示装置5の表示画面中央部から図示右側に横方向に移動する。横方向に移動した可動役物173は、飾り図柄表示エリア5Rを隠すとともに飾り図柄表示エリア5Cを表示して遊技者から視認可能にする。すなわち、可動役物173を用いた第3の演出動作においては、可動役物173の右方向に横移動を伴う演出動作が行われるものとする。
なお、可動役物173を用いた第2の演出動作と第3の演出動作は、いずれかの演出動作が選択されて実行されるものであり、第2の演出動作と第3の演出動作を同時に実行されるものではないものとする。また、図31(C1)及び図31(C2)においては、可動役物173の横移動に伴って可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cが単純に表示される場合を例示したが、可動役物173の横移動に伴なって画像表示装置5の表示画面に特定の演出画像が表示されるようにしてもよい。
次に、図31(D)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって、図31(C1)又は図31(C2)で示した位置から画像表示装置5の表示画面中央部に戻される。可動役物173が画像表示装置5の表示画面中央部に戻されることにより可変表示中の図柄表示エリア5Cが再び隠される。
次に、図31(E)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって回動されて原点位置に戻される。可動役物173が原点位置まで戻されることにより、画像表示装置5に最終停止図柄が表示される。
以上で、図31を用いた、通常の演出における可動役物173を用いた第2の演出動作及び第3の演出動作の説明を終了する。
次に、図32を用いて、通常の演出における可動役物175を用いた第4の演出動作を説明する。図32は、可動役物175を用いた第4の演出動作の一例を示す図である。図32(A)〜図32(C)は、アクチュエータ172Cを用いて可動役物175を動作させる演出動作を時系列で説明したものである。
図32(A)において、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rには、可変表示中の飾り図柄が表示されている。画像表示装置5の図32(A)の図示左下には、可動役物173が原点位置で停止している。画像表示装置5の図32(A)の図示上方には、可動役物175が原点位置にあるものとする。
次に、図32(B)において、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L及び5Rには、飾り図柄「7」が表示されて、リーチ状態となっていることを示している。可動役物175は、アクチュエータ172Cによって、原点位置から画像表示装置5の表示画面中央部まで下降される。下降した可動役物175は、可変表示中の飾り図柄表示エリア5Cの飾り図柄を隠す。
次に、図32(C)において、可動役物175は、アクチュエータ172Cによって上昇されて原点位置に戻される。可動役物175が原点位置まで戻されることにより、画像表示装置5に最終停止図柄が表示される。
以上で、図32を用いた、通常の演出における可動役物175を用いた第4の演出動作の説明を終了する。
次に、図33を用いて、可動役物173を動作させるアクチュエータA及びアクチュエータCの詳細を説明する。図33は、可動役物を動作させるアクチュエータA及びアクチュエータCの構成の一例を示す図である。
図33において、可動役物173は、回動機構173A、及びスライド機構173Cの可動機構を有している。
まずは、回動機構173Aによる可動役物173の回動動作について説明する。回動機構173Aは、アクチュエータ172Aによって回動される。図33図示(a)の位置は、アクチュエータ172Aによって回動される回動機構173Aの原点位置である。回動機構173Aの原点位置(a)は、原点センサ171Aによって検出される。原点センサ171Aは、例えば回動機構173Aの一部を検出することにより、回動する回動機構173Aが原点位置に戻ったことを検出することができる。
原点位置(a)にある可動役物173は、アクチュエータ172Aによって回動される回動機構173Aによって、破線で図示する図33図示(b)の位置まで図示時計回りに移動される。図33図示(b)の位置まで回動された回動機構173Aは、例えば図示しない機械的な係止部材等によってそれ以上回動しないように係止される。
図33図示(a)の原点位置は、図30(A)に示す可動役物173の位置である。すなわち、図33図示(a)の原点位置は、図30(A)に示す画像表示装置5の左下の位置である。また、図33図示(b)の位置は、図30(B)に示す可動役物173の位置である。すなわち、図33図示(b)の位置は、図30(B)に示す画像表示装置5の表示画面中央部の位置である。
アクチュエータ172Aは、図33図示(a)の原点位置から図示(b)の位置の間において回動機構173Aを回動させる。演出制御用CPU120は、例えば、回動機構173Aを、図33図示(a)の原点位置から図示(b)の位置の間で単純往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Aを制御することができる。また、演出制御用CPU120は、回動機構173Aを、図33図示(a)の原点位置から図示(b)の位置の間で複数回往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Aを制御させてもよい。演出制御用CPU120は、回動機構173Aを回動させる回数や速度を変更することにより、複数の演出動作を行うようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU120は、回動機構173Aを早く複数回回動させる強動作と、回動機構173Aをゆっくり1回回動させる弱動作を選択的に実行するようにしてもよい。
ここで、アクチュエータ172Aと原点センサ171Aを用いた回動機構173Aを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。回動機構173Aの原点位置は、回動機構173Aが図33図示反時計方向に回動して原点センサ171Aが最初にオン状態になった位置である。例えば、原点復帰前に原点センサ171Aがオン状態であるときには、演出制御用CPU120は、原点センサ171Aがオフ状態になるまでアクチュエータ172Aを図33図示時計方向に回動させ、次にアクチュエータ172Aを反時計方向に回動させ原点センサ171Aがオン状態になったときにアクチュエータ172Aを停止させることにより回動機構173Aを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Aがオフ状態であるときには、演出制御用CPU120は、アクチュエータ172Aを反時計方向に回動させ原点センサ171Aがオン状態になったときにアクチュエータ172Aを停止させることにより回動機構173Aを原点位置に復帰させる。なお、この実施形態では、回動機構173Aが原点復帰前に原点位置よりさらに反時計回りに回動している場合であっても機械的に回動が係止されて原点センサ171Aはオン状態を維持するものとする。
次に、スライド機構173Cによる可動役物173のスライド動作について説明する。スライド機構173Cは、アクチュエータ172Cによって横方向にスライドされる。図33図示(b)の位置は、アクチュエータ172Cによってスライドされるスライド機構173Cの原点位置である。すなわち、アクチュエータ172Cは、アクチュエータ172Aが時計方向に回動して(b)の位置にあるときに横方向にスライドができるものとする。スライド機構173Cの原点位置(b)は、原点センサ171Cによって検出される。原点センサ171Cは、例えばスライド機構173Cに設けられた検出板を検出することによってスライド機構173Cの横方向における位置を検出するようにしてもよい。
図33図示(a)の位置にある可動役物173は、アクチュエータ172Cによってスライドされるスライド機構173Cによって、破線で示す、図33図示(c1)の位置、又は(c2)の位置まで図示横方向に移動される。図33図示(c1)又は(c2)の位置までスライドされたスライド機構173Cは、例えば図示しない機械的な係止部材等によってそれ以上スライドしないように係止される。
図33図示(c1)の位置は、図31(C1)に示す画像表示装置5左側の位置である。また、図33図示(c2)の位置は、図31(C2)に示す画像表示装置5右側の位置である。
アクチュエータ172Cは、図33図示(b)の位置から図示(c1)又は(c2)の位置の間においてスライド機構173Cをスライドさせる。演出制御用CPU120は、例えば、スライド機構173Cを、図33図示(b)の位置から図示(c1)又は(c2)の位置の間で単純往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Cを制御することができる。また、演出制御用CPU120は、スライド機構173Cを、図33図示(b)の位置から図示(c1)又は(c2)の位置の間で複数回往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Cを制御させてもよい。演出制御用CPU120は、スライド機構173Cをスライドさせる回数や速度を変更することにより、複数の演出動作を行うようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU120は、スライド機構173Cを早く複数回スライドさせる強動作と、スライド機構173Cをゆっくり1回スライドさせる弱動作を選択的に実行するようにしてもよい。
ここで、アクチュエータ172Cと原点センサ171Cを用いたスライド機構173Cを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。スライド機構173Cの原点位置は、スライド機構173Cが図33図示右方向にスライドして原点センサ171Cが最初にオン状態になった位置であるとする。例えば、原点復帰前に原点センサ171Cがオン状態であるときには、演出制御用CPU120は、原点センサ171Cがオフ状態になるまでアクチュエータ172Cを図33図示左方向にスライドさせ、次にアクチュエータ172Cを右方向にスライドさせ原点センサ171Cがオン状態になったときにアクチュエータ172Cを停止させることによりスライド機構173Cを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Cがオフ状態であるときには、演出制御用CPU120は、アクチュエータ172Cを右方向にスライドさせて原点センサ171Cがオン状態になったときにアクチュエータ172Cを停止させることによりスライド機構173Cを原点位置に復帰させる。但し、原点復帰前にスライド機構173Cが原点センサ171Cより右側にある場合、アクチュエータ172Cを右方向にスライドさせても原点センサ171Cはオン状態にならないため、アクチュエータ172Cを右方向にスライド開始してから所定時間内に原点センサ171Cがオン状態にならない場合には、アクチュエータ172Cを左方向にスライドさせて原点センサ171Cがオン状態になるのを確認し、その後上記の原点復帰前に原点センサ171Cがオン状態であるときの動作によってスライド機構173Cを原点位置に復帰させてもよい。
なお、回動機構173Aは、画像表示装置5の裏側に配置されて、画像表示装置5の裏側から可動役物173を磁石等によって保持して移動させるものであってもよい。回動機構173Aを画像表示装置5の裏側に配置することにより、回動機構173Aによって画像表示装置5の表示画面が邪魔されることを防ぐことができる。なお、図34で説明する開閉機構173B、及び図35で説明する昇降機構173Dについても回動機構173Aと同様に画像表示装置5の裏側に配置して可動役物173又は可動役物175を磁石等によって保持して移動させるようにしてもよい。
以上で、図33を用いた、可動役物173を動作させるアクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cの詳細の説明を終了する。
次に、図34を用いて、可動役物173を動作させるアクチュエータ172Bの詳細を説明する。図34は、可動役物173を動作させるアクチュエータ172Bの構成の一例を示す図である。
図34において、可動役物173は、開閉機構173Bの可動機構を有している。開閉機構173Bは、アクチュエータ172Bによって開閉される。図34(A)は、開閉機構173Bが閉状態であることを示し、図34(B)は、開閉機構173Bが開状態であることを示している。開閉機構173Bは、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3の3つの分裂片を有する。
図34(A)上図において、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3は閉状態において結合して所定の形状を形成している。図34(A)下図において、アクチュエータ172Bは、回転する円形歯車(ピニオン)を有し、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3にそれぞれ接続されている歯切りがされた平板(ラック)である、ラック173B11、ラック173B12、及びラック173B13と噛合している。図34(A)の位置は、アクチュエータ172Bによって開閉される開閉機構173Bの原点位置である。開閉機構173Bの原点位置は、原点センサ171Bによって検出される。原点センサ171Bは、ラック173B11の一部を検出することにより、開閉する開閉機構173Bが閉状態の原点位置であることを検出することができる。
図34(A)下図において、アクチュエータ172Bが駆動されて、ピニオンが図示反時計方向に回転すると、ピニオンと噛合しているラック173B11、ラック173B12、及びラック173B13は、図示矢印の方向に直線的に移動する。ラック173B11、ラック173B12、及びラック173B13は、図示矢印の方向に直線的に移動することにより、開閉機構173Bは、図34(B)に示す開状態となる。
図34(B)下図は、ラック173B11、ラック173B12、及びラック173B13が、図34(A)図示矢印の方向に移動したときの状態を示している。このとき、ラック173B11、ラック173B12、及びラック173B13にそれぞれ接続されている分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3は、図34(B)上図に示すようにお互いが離れた開状態となる。分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3が開状態となることにより、図30(C)に示すように画像表示装置5の表示画面中央部が視認可能になるものとする。なお、開閉機構173Bが開状態のきは、原点センサ171Bはオフ状態となる。
ここで、アクチュエータ172Bと原点センサ171Bを用いた開閉機構173Bを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。開閉機構173Bの原点位置は、開閉機構173Bのラック173B11が図34(B)下図図示上方向に回動して原点センサ171Bが最初にオン状態になった位置である。例えば、原点復帰前に原点センサ171Bがオン状態であるときには、演出制御用CPU120は、原点センサ171Bがオフ状態になるまでアクチュエータ172Bを駆動してピニオンを図34(A)下図図示時計方向に回動させ、次にアクチュエータ172Bを駆動してピニオンを反時計方向に回動させて原点センサ171Bがオン状態になったときにアクチュエータ172Bを停止させることにより開閉機構173Bを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Bがオフ状態であるときには、演出制御用CPU120は、アクチュエータ172Bを駆動してピニオンを時計方向に回動させて原点センサ171Bがオン状態になったときにアクチュエータ172Bを停止させることにより開閉機構173Bを原点位置に復帰させる。なお、この実施形態では、開閉機構173Bが原点復帰前に原点位置よりさらに閉じた状態である場合であっても、分裂片173B1、分裂片173B2、及び分裂片173B3がそれぞれ接触して係止されて原点センサ171Bはオン状態を維持するものとする。
以上で、図34を用いた、可動役物173を動作させるアクチュエータ172Bの詳細の説明を終了する。
次に、図35を用いて、可動役物175を動作させるアクチュエータ172Dの詳細を説明する。図35は、可動役物175を動作させるアクチュエータ172Dの構成の一例を示す図である。
図35において、可動役物175は、昇降機構173Dの可動機構を有している。昇降機構173Dは、アクチュエータ172Dによって昇降される。図35図示(a)の位置にある可動役物175は、アクチュエータ172Dによって昇降される昇降機構173Dによって、破線で示す、図35図示(b)の位置まで図示縦方向に移動される。図35図示(b)の位置まで下降された昇降機構173Dは、例えば図示しない機械的な係止部材等によってそれ以上下降しないように係止される。図35図示(b)の位置は、図32(B)に示す画像表示装置5の表示画面中央の位置である。
アクチュエータ172Dは、図35図示(a)の位置から図示(b)の位置の間において昇降機構173Dを昇降させる。演出制御用CPU120は、例えば、昇降機構173Dを、図35図示(a)の位置から図示(b)の位置の間で単純往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Dを制御することができる。また、演出制御用CPU120は、昇降機構173Dを、図35図示(a)の位置から図示(b)の位置の間で複数回往復させる演出動作を行うようにアクチュエータ172Dを制御させてもよい。演出制御用CPU120は、昇降機構173Dを昇降させる回数や速度を変更することにより、複数の演出動作を行うようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU120は、昇降機構173Dを早く複数回昇降させる強動作と、昇降機構173Dをゆっくり1回昇降させる弱動作を選択的に実行するようにしてもよい。
ここで、アクチュエータ172Dと原点センサ171Dを用いた昇降機構173Dを原点位置に復帰させる原点復帰方法を説明する。昇降機構173Dの原点位置は、昇降機構173Dが図35図示上方向に上昇して原点センサ171Dが最初にオン状態になった位置であるとする。例えば、原点復帰前に原点センサ171Dがオン状態であるときには、演出制御用CPU120は、原点センサ171Dがオフ状態になるまでアクチュエータ172Dを図35図示下方向に下降させて、次にアクチュエータ172Dを上方向に上昇させて原点センサ171Dがオン状態になったときにアクチュエータ172Dを停止させることにより昇降機構173Dを原点位置に復帰させる。また、原点復帰前に原点センサ171Dがオフ状態であるときには、演出制御用CPU120は、アクチュエータ172Dを上方向に上昇させて原点センサ171Dがオン状態になったときにアクチュエータ172Dを停止させることにより昇降機構173Dを原点位置に復帰させる。なお、この実施形態では、昇降機構173Dが原点復帰前に原点位置よりさらに上昇している場合であっても機械的に上昇が係止されて原点センサ171Dはオン状態を維持するものとする。
以上で、図35を用いた、可動役物175を動作させるアクチュエータ172Dの詳細の説明を終了する。
次に、図36〜図39を用いて、アクチュエータ172A、アクチュエータ172B、アクチュエータ172C、及びアクチュエータ172Dを用いた可動役物173及び可動役物175の初期動作の1つであるロングイニシャル動作を説明する。ロングイニシャル動作とは、上述の通り、可動役物173等を通常の演出動作と同様に動作させる初期動作をいう。ロングイニシャル動作を実行することにより、通常の演出動作において可動役物173等に不具合が発生するか否かのチェックを行うことができる。初期動作は、上述した各アクチュエータの原点復帰の動作に引き続き実行される。この実施形態では、初期動作としてロングイニシャル動作を実行する場合は、アクチュエータの原点復帰動作にかかわらず、初期動作は常に一定の動作を行うものとする。
なお、図36〜図44は、可動役物173又は可動役物175の動作を矢印で表して図を簡略化している。図36〜図44において図示する矢印は、それぞれのアクチュエータの動作範囲を示している。実線の矢印は、それぞれのアクチュエータが初期動作において原点から動作端まで移動する場合を例示している。また、それぞれの図で図示する(1)から始まる括弧書きの数字は、初期動作の順番を示している。
まず、図36を用いて、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Bを用いた可動役物173のロングイニシャル動作を説明する。図36は、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Bを用いた可動役物173のロングイニシャル動作の一例を示す図である。図36において説明するアクチュエータ172A及びアクチュエータ172Bを用いた可動役物173のロングイニシャル動作は、図30を用いて説明した第1の演出動作と同様の動作をする。
図36図示(1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、原点位置から回動端である画像表示装置5の表示画面中央部まで回動される。
図36図示(2)において、可動役物173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、閉状態から開状態にされる。開閉機構173Bを開状態にするためには、前述の通り、可動役物173を回動機構173Aによって回動端である画像表示装置5の表示画面中央部まで回動させる必要がある。従って、開閉機構173Bの開閉動作は、初期動作においても回動端において実行される。
図36図示(3)において、可動役物173は、開閉機構173Bによって、開状態から閉状態にされる。
図36図示(4)において、可動役物173は、回動機構173Aによって、回動端から原点位置まで回動されて、ロングイニシャル動作を終了する。
なお、この実施形態では、図36〜図39で説明するロングイニシャル動作として、上記のように各アクチュエータを単純に往復させる場合を例示する。しかし、ロングイニシャル動作においても通常の演出動作と同様に、例えば、可動役物173又は可動役物175を複数回動作させるようにしてもよい。また、可動役物173又は可動役物175の動作に合せて、スピーカ8から所定の効果音を出力したり、ランプ9を点灯させたりしてもよい。
以上で、図36を用いた、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Bを用いた可動役物173のロングイニシャル動作の説明を終了する。
次に、図37を用いて、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cを用いた可動役物173のロングイニシャル動作を説明する。図37は、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cを用いた可動役物173のロングイニシャル動作の一例を示す図である。図37において説明するアクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cを用いた可動役物173のロングイニシャル動作は、図31を用いて説明した第2の演出動作と同様の動作をする。
図37図示(1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、原点位置から回動端である画像表示装置5の表示画面中央部まで回動される。
図37図示(2)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって動作するスライド機構173Cによって、原点位置から図示左方向のスライド端までスライドされる。
図37図示(3)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって動作するスライド機構173Cによって、図示左方向のスライド端から原点位置までスライドされる。
図37図示(4)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、回動端から原点位置まで回動されて、ロングイニシャル動作を終了する。
以上で、図37を用いた、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cを用いた可動役物173のロングイニシャル動作の説明を終了する。
次に、図38を用いて、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cを用いた可動役物173のロングイニシャル動作を説明する。図38は、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cを用いた可動役物173のロングイニシャル動作の他の一例を示す図である。図38において説明するアクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cを用いた可動役物173のロングイニシャル動作は、図31を用いて説明した第3の演出動作と同様の動作をする。
図38図示(1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、原点位置から回動端である画像表示装置5の表示画面中央部まで回動される。
図38図示(2)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって動作するスライド機構173Cによって、原点位置から図示右方向のスライド端までスライドされる。
図38図示(3)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって動作するスライド機構173Cによって、図示右方向のスライド端から原点位置までスライドされる。
図38図示(4)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、回動端から原点位置まで回動されて、ロングイニシャル動作を終了する。
なお、この実施形態では、ロングイニシャル動作は、通常の演出動作と同様の動作によって可動役物に不具合が発生するか否かのチェックすることを目的とするため、図37で説明した初期動作と図38で説明した初期動作はそれぞれ別個に行われるものとする。
以上で、図38を用いた、アクチュエータ172A及びアクチュエータ172Cを用いた可動役物173のロングイニシャル動作の説明を終了する。
次に、図39を用いて、アクチュエータ172Dを用いた可動役物175のロングイニシャル動作を説明する。図39は、アクチュエータ172Dを用いた可動役物175のロングイニシャル動作の他の一例を示す図である。図39において説明するアクチュエータ172Dを用いた可動役物175のロングイニシャル動作は、図32を用いて説明した第4の演出動作と同様の動作をする。
図39図示(1)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、原点位置から下降端である画像表示装置5の表示画面中央部まで下降される。
図39図示(2)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、下降端から原点位置まで上昇されて、ロングイニシャル動作を終了する。
以上で、図39を用いた、アクチュエータ172Dを用いた可動役物175のロングイニシャル動作の説明を終了する。
なお、図36〜図39で説明した初期動作は、それぞれ逐次実行するようにしてもよい。そのときに実行される初期動作の順番は任意である。例えば、図36で図示した初期動作を実行後、図37で図示した初期動作、図37で図示した初期動作、及び図39で図示した初期動作の順番に実行するようにしてもよい。
次に、図40〜図43を用いて、図27及び図29で説明した、初期動作A〜初期動作Dの詳細を説明する。初期動作A〜初期動作Dは、アクチュエータ172A、アクチュエータ172B、アクチュエータ172C、及びアクチュエータ172Dを用いた可動役物173及び可動役物175のショートイニシャル動作である。ショートイニシャル動作とは、上述の通り、可動役物173等を通常の演出動作の一部を省略して動作させる初期動作をいう。ショートイニシャル動作を実行することにより、ロングイニシャル動作を実行する場合に比べて短時間で可動役物173等の動作のチェックをすることが可能となる。この実施形態では、初期動作としてショートイニシャル動作を実行する場合は、アクチュエータの原点復帰動作の態様に応じて、初期動作A〜初期動作Dの態様で初期動作を行うものとする。
なお、図40〜図44において、各可動機構が原点位置から動作端まで移動する場合の矢印を実線で表している。また、各可動機構が、各可動機構を検出する原点センサがオン状態からオフ状態になるまで移動する場合の矢印、及び原点センサがオフ状態になってからオン状態になるまで移動する場合の矢印を破線で表している。なお、各可動機構が、各可動機構を検出する原点センサがオン状態からオフ状態になるまで移動した後に再び原点センサがオン状態になるまで移動する動作をショートイニシャル動作と呼ぶものとする。ショートイニシャル動作を行うことにより、可動機構の移動距離が短くなり、動作確認の時間を短縮することが可能となる。さらに、各可動機構が原点復帰の動作によって移動する場合の原点復帰動作を矢印を点線で表している。
また、図40〜図43で説明する可動役物173及び可動役物175の初期動作A〜初期動作Dに合せて、スピーカ8から所定の効果音を出力したり、ランプ9を点灯させたりしてもよい。
まず、図40を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Aの動作を説明する。図40は、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Aの動作の一例を示す図である。初期動作Aは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173A及び開閉機構173Bが原点復帰動作を行わない態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171Aがオン状態であり、かつ開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオン状態である場合には、回動機構173A及び開閉機構173Bは原点復帰動作を行う必要がない。しかし、回動機構173A及び開閉機構173Bは、原点センサ171A及び原点センサ171Bがオン状態であったとしても正確に原点位置にない場合がある。そこで、初期動作Aでは、原点センサ171A及び原点センサ171Bがオン状態である場合であっても所定の初期動作を行うことにより、回動機構173A及び開閉機構173Bを正確な原点位置に移動させることができる。
なお、図40〜図43において、昇降機構173Dの原点を検出する原点センサ171Dは、初期動作を実行する前にオン状態であり、可動役物175はショートイニシャル動作にて初期動作を行うものとする。
図40図示(1)及び(2)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図40図示(3)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示実線で示すように、原点位置から回動端である画像表示装置5の表示画面中央部まで回動される。開閉機構173Bを開閉するには、回動機構173Aを回動端に移動させる必要があるため、回動機構173Aはショートイニシャル動作を行わず、回動端まで回動する。
図40図示(4)及び(5)において、可動役物173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図40図示(6)において、可動役物173は、回動機構173Aによって、回動端から原点位置まで回動されて、初期動作Aを終了する。
以上で、図40を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Aの動作の説明を終了する。
次に、図41を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Bの動作を説明する。図41は、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Bの動作の一例を示す図である。初期動作Bは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173Aが原点復帰動作を行わずかつ開閉機構173Bが原点復帰動作を行う態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171Aがオン状態である場合には、回動機構173Aは原点復帰動作を行う必要がない。一方、開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオフ状態である場合には、開閉機構173Bは原点復帰動作を行う必要がある。回動機構173Aは、原点センサ171Aがオン状態であったとしても正確に原点位置にない場合がある。そこで、初期動作Bでは、原点センサ171Aがオン状態である場合であっても所定の初期動作を行うことにより、回動機構173Aを正確な原点位置に移動させることができる。また、原点復帰動作を行う開閉機構173Bは原点復帰動作によって正確な原点位置に移動できるので、初期動作の実行を省略することが可能となるとともに、開閉機構173Bの動作をチェックすることができる。
図41図示(1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。
図41図示(2)及び(3)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図41図示(4)及び(5)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。初期動作Bにおいては、開閉機構173Bは開動作を行わないため、回動機構173Aを回動端まで移動させる必要がない。したがって、ショートイニシャル動作によって回動機構173Aの動作チェックの時間を短縮することができる。
以上で、図41を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Bの動作の説明を終了する。
次に、図42を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Cの動作を説明する。図42は、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Cの動作の一例を示す図である。初期動作Cは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173Aが原点復帰動作を行いかつ開閉機構173Bが原点復帰動作を行わない態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171Aがオフ状態である場合には、回動機構173Aは原点復帰動作を行う必要がある。一方、開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオン状態である場合には、開閉機構173Bは原点復帰動作を行う必要がない。開閉機構173Bは、原点センサ171Bがオン状態であったとしても正確に原点位置にない場合がある。そこで、初期動作Cでは、原点センサ171Bがオン状態である場合であっても所定の初期動作を行うことにより、開閉機構173Bを正確な原点位置に移動させることができる。また、原点復帰動作を行う回動機構173Aは原点復帰動作によって正確な原点位置に移動できるが、開閉機構173Bを開閉動作さえるために、原点位置から回動端まで回動する初期動作を行う。
図42図示(1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。
図42図示(2)及び(3)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図42図示(4)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示実線で示すように、原点位置から回動端である画像表示装置5の表示画面中央部まで回動される。開閉機構173Bを開閉するには、回動機構173Aを回動端に移動させる必要があるため、回動機構173Aは原点復帰をした場合であっても、回動端まで回動する。
図42図示(5)及び(6)において、可動役物173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図42図示(7)において、可動役物173は、回動機構173Aによって、回動端から原点位置まで回動されて、初期動作Cを終了する。
以上で、図42を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Cの動作の説明を終了する。
次に、図43を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Dの動作を説明する。図43は、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Dの動作の一例を示す図である。初期動作Dは、原点復帰動作の動作態様が、回動機構173A及び開閉機構173Bが原点復帰動作を行う態様である場合に実行される初期動作である。初期動作を実行する前に、回動機構173Aの原点を検出する原点センサ171A、及び開閉機構173Bの原点を検出する原点センサ171Bがオフ状態である場合には、回動機構173Aは原点復帰動作を行う必要がある。そこで、初期動作Dでは、回動機構173A及び開閉機構173Bを原点復帰動作させて、回動機構173A及び開閉機構173Bの初期動作を省略する。
図43図示(1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。
図43図示(2)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示点線で示すように、原点復帰動作を行う。
図43図示(3)及び(4)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
以上で、図43を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、及びアクチュエータDを用いた可動役物の初期動作Dの動作の説明を終了する。
次に、図44を用いて、アクチュエータA、アクチュエータB、アクチュエータC、及びアクチュエータを用いた可動役物の初期動作の結合を説明する。図44は、アクチュエータA、アクチュエータB、アクチュエータC、及びアクチュエータを用いた可動役物の初期動作の結合の一例を示す図である。初期動作の結合は、可動役物の複数の初期動作を結合して、複数の動作の確認に要する時間を抑制することにより、好適な初期動作を実行するものである。
この実施形態では、図37及び図38で説明したロングイニシャル動作におけるスライド機構173Cのスライド動作を結合して、スライド機構173Cに係る初期動作の時間を抑制する場合を例示する。
図44図示(1)において、可動役物173は、アクチュエータ172Aによって動作する回動機構173Aによって、図示実線で示すように、原点位置から回動端である画像表示装置5の表示画面中央部まで回動される。
図44図示(2)及び(3)において、可動役物173は、アクチュエータ172Bによって動作する開閉機構173Bによって、破線で示すように、ショートイニシャル動作を行う。
図44図示(4)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって動作するスライド機構173Cによって、原点位置から図示右方向のスライド端までスライドされる。
図44図示(5)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって動作するスライド機構173Cによって、図示右方向のスライド端から図示左方向のスライド端までスライドされる。
図44図示(6)において、可動役物173は、アクチュエータ172Cによって動作するスライド機構173Cによって、図示左方向のスライド端から原点位置からまでスライドされる。
図44図示(4)〜(5)のスライド動作は、図37図示(2)及び(3)のスライド動作と、図38図示(2)及び(3)のスライド動作を結合したものである。スライド動作を結合することにより、右方向のスライド動作と左方向のスライド動作を別個の初期動作において行う場合に比べて初期動作に必要な時間を抑制することが可能となる。
図44図示(7)において、可動役物173は、回動機構173Aによって、回動端から原点位置まで回動される。
図44図示(8)及び(9)において、可動役物175は、アクチュエータ172Dによって動作する昇降機構173Dによって、図示破線で示すように、ショートイニシャル動作を行って、初期動作を終了する。
以上で、図44を用いた、アクチュエータA、アクチュエータB、アクチュエータC、及びアクチュエータを用いた可動役物の初期動作の結合の説明を終了する。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
(1)例えば、遊技を行うことが可能な遊技機(例えば、図1に示す遊技機1等)であって、動作を行う可動役物(例えば、図33等に示す、演出制御用CPU120によって動作が制御される、可動役物173の回動機構173A、開閉機構173B又はスライド機構173C、並びに可動役物175の昇降機構173D等)を原点位置に復帰させる復帰動作(例えば、図40〜図43において示す、演出制御用CPU120によって動作が制御される原点位置に復帰する動作等)を行い、前記復帰動作の態様(例えば、図40又は図41において回動機構173Aが原点復帰動作をしない態様と、図42又は図43において回動機構173Aが原点復帰動作をする態様。また、図40又は図42において開閉機構173Bが原点復帰動作をしない態様と、図41又は図43において開閉機構173Bが原点復帰動作をする態様等)に応じた態様で(例えば、図40〜図43において、回動機構173A又は開閉機構173Bが原点復帰動作を行ったときには初期動作をしない態様等で、又は、回動機構173A又は開閉機構173Bが原点復帰動作を行わなかったときには初期動作を行う態様等で)前記可動役物の初期動作(例えば、図40〜図43に示すショートイニシャル動作)を行う(例えば、図43に示す、初期動作をしない態様を含む)ことにより、好適な初期動作を実行できる遊技機を例示したが、これに限定されない。
例えば、この実施形態では、可動役物を原点位置に復帰させる原点復帰動作を行う場合に初期動作を行わない場合(下記パターンA)と、原点復帰動作を行わない場合にショートイニシャルを行う場合(下記パターンF)を例示したが、初期動作における、可動役物の原点復帰動作の態様と初期動作の態様の組み合わせのパターンは、以下の様なパターンA〜Hであってもよい。
パターンA 原点復帰動作+初期動作無し
パターンB 原点復帰動作+ショートイニシャル動作
パターンC 原点復帰動作+ショートイニシャル動作+ロングイニシャル動作
パターンD 原点復帰動作+ロングイニシャル動作
パターンE 原点復帰動作無し+初期動作無し
パターンF 原点復帰動作無し+ショートイニシャル動作
パターンG 原点復帰動作無し+ショートイニシャル動作+ロングイニシャル動作
パターンH 原点復帰動作無し+ロングイニシャル動作
なお、上記パターンA及びパターンEに示すように、初期動作の動作態様には初期動作を行わないものを含んでもよいものとする。また、上記パターンにおいては、原点復帰動作、ショートイニシャル動作、及びロングイニシャル動作を分けてその組み合わせパターンを説明したが、例えば、原点復帰動作の中にショートイニシャル動作が含まれているものであってもよい。すなわち、ロングイニシャル動作の動作態様がショートイニシャルを含む原点復帰動作の動作態様に応じて実行されるものであってもよい。
また、上記パターンA〜Hは、電源投入時の初期動作とデモ中の初期動作において、それぞれのパターンを用いてもよい。例えば、電源投入時の初期動作とデモ中の初期動作において、それぞれ異なったパターンを用いるようにしてもよい。また、電源投入時の初期動作とデモ中の初期動作において、同じパターンを用いるようにしてもよい。また、電源投入時の初期動作とデモ中の初期動作において用いるパターンは、それぞれ、予め定められた一のパターンであってもよいし、所定の条件によって複数のパターンから一のパターンが選択されるものであってもよい。
また、この実施形態では、ショートイニシャル動作は一つの動作を行う場合を例示したが、ショートイニシャル動作は複数の動作態様の中から動作態様を選択して行うものであってもよい。例えば、原点復帰動作の態様に応じて、複数の動作態様の中から所定の動作態様を選択して行うようにしてもよい。ショートイニシャルの所定の動作態様には、例えば、可動役物の移動距離、移動速度、移動回数、動作時間、スピーカ8から出力される効果音、ランプ9の点灯パターン等の演出態様が異なるものであってもよい。
同様に、この実施形態では、ロングイニシャル動作は一つの動作を行う場合を例示したが、ロングイニシャル動作は複数の動作態様の中から動作態様を選択して行うものであってもよい。例えば、原点復帰動作の態様、又はショートイニシャル動作の態様に応じて、複数の動作態様の中から所定の動作態様を選択して行うようにしてもよい。
さらに、ショートイニシャル動作とロングイニシャル動作を組み合わせて実行する初期動作のパターンにおいて、ショートイニシャル動作とロングイニシャル動作は複数の動作態様の組み合わせの中から動作態様の組み合わせを選択して行うものであってもよい。
また、この実施形態において、初期動作は、電源投入時とデモ中に行われる場合を例示したが、初期動作は他のタイミングで行われるものであってもよい。例えば、初期動作は、遊技機が所定の条件を満たしたタイミングであってもよい。所定の条件を満たすタイミングとは、例えば、デモ中に限定されないタイミングであって、変動停止後所定の時間が経過したときであってもよい。変動停止後所定の時間とは、例えば、変動停止後1時間であってもよい。また、変動停止後所定の時間は変動停止直後であってもよい。また、所定の条件を満たすタイミングは、変動開始後であってもよい。所定の条件を満たすタイミングは、例えば、変動開始直後のタイミングであってもよい。また、変動開始後、スーパーリーチ演出等が行われる直前であってもよい。
また、初期動作は、遊技者やホール店員が所定の操作を行う任意のタイミングで実行されるものであってもよい。
(2)また、上記(1)の遊技機において、前記可動役物が前記復帰動作前に原点位置にあった場合(例えば、図33に示す原点センサ171A、又は図34に示す原点センサ171Bがオン状態であった場合等)に前記可動役物の初期動作を行うもの(例えば、図40に示す、回動機構173Aが(3)及び(6)の動作において、及び開閉機構173Bが(4)及び(5)の動作において初期動作を行う等)であってもよく、このような遊技機によれば、始めから原点位置にある可動役物であっても初期動作において動作確認をすることができる場合を例示したが、これに限定されない。
(3)また、上記(1)又は(2)の遊技機において、前記復帰動作を行った可動役物は初期動作を行わないもの(例えば、図43に示す、(2)の動作を行った回動機構173A、及び(1)の動作を行った開閉機構173Bが初期動作を行わない等)であってもよく、このような遊技機によれば、動作確認に要する時間を抑制することにより、好適な初期動作を実行できる場合を例示したが、これに限定されない。
(4)また、上記(1)から(3)のいずれか一の遊技機において、前記復帰動作を行った可動役物(例えば、図42において、(1)の復帰動作を行った回動機構173A等)の初期動作(例えば、図42において、回動機構173Aの(4)及び(7)の動作等)を他の可動役物の初期動作(例えば、図42に示す、開閉機構173Bの(5)及び(6)の動作等)に応じて行うものであってもよく、このような遊技機によれば、状況に応じた好適な初期動作を実行できる場合を例示したが、これに限定されない。
(5)また、上記(1)から(4)のいずれか一の遊技機において、前記初期動作を行った後に演出動作に対応した可動役物の確認動作(例えば、図36〜図39に示す、可動役物173の回動機構173A、開閉機構173B又はスライド機構173C、並びに可動役物175の昇降機構173Dのロングイニシャル動作等)を行うものであってもよく、このような遊技機によれば、ロングイニシャル動作による演出動作の確認をする前にショートイニシャル動作による可動役物の動作を確認することで、演出動作の確認を好適に行うことができる場合を例示したが、これに限定されない。
(6)また、上記(1)から(4)のいずれか一の遊技機において、前記復帰動作は、電源投入時(例えば、図27に示す、演出制御用CPU120によって実行されるステップS151の可動役物初期動作処理が実行されるとき)以外のタイミング(例えば、図29に示す、演出制御用CPU120によって実行される、ステップS1014のデモ中初期動作実行処理が実行されるタイミング等)で行うものであってもよく、このような遊技機によれば、可動役物の不具合を確認する機会が増えて、演出動作の不具合を抑制することができる場合を例示したが、これに限定されない。
(7)また、上記(1)から(5)のいずれか一の遊技機において、前記初期動作は、複数の動作を混合したもの(例えば、演出制御用CPU120によって制御されるスライド機構173Cの、図37に示す(2)及(3)の左方向スライド動作と図44に示す右方向スライド動作を混合した、図44に示す(4)〜(6)の左右方向スライド動作等)であってもよく、このような遊技機によれば、可動役物の複数の動作の確認に要する時間を抑制することにより、好適な初期動作を実行できる場合を例示したが、これに限定されない。
また、この実施形態を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
また、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合にはいわゆる第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合」とは、例えば、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係であり、割合が異なる場合には、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なる場合(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるような場合)も含む。
また、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
また、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与すると共に、付与された遊技得点、又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記の各形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各形態では、確変大当りに決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各形態で示した構成を適用することもできる。
また、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
また、上記形態では、各々が識別可能な複数種類の特別図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、変動する特別図柄と、可変表示結果として導出表示される確定特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄の中に、可変表示結果として導出表示される確定特別図柄が含まれていなくてもよい。
また、上記形態では、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、変動する飾り図柄と、可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の飾り図柄の中に、可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄が含まれていなくてもよい。
また、上記形態では、遊技機としてパチンコ機を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲーム(遊技)を実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
例えば、本発明に係る遊技機は、上述のようなスロット機であって、動作を行う可動役物(例えば、スロット機が備える可動役物。通常時(例えば非演出時等)には当該スロット機が備える液晶画面の近傍に収納され、特定時(例えば演出時等)には液晶画面の前面に移動する可動役物等)を原点位置(例えば、上述の通常時には液晶画面の近傍に収納され、特定時には液晶画面の前面に移動する可動役物では、当該収納位置等)に復帰させる復帰動作を行い、前記復帰動作の態様に応じた態様で前記可動役物の初期動作を行う、スロット機であってもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技領域(例えば、遊技領域9010等)に遊技媒体(例えば、遊技球P等)を発射することにより遊技を行う遊技機(例えば、遊技機1等、パチンコ遊技機901等)であって、 遊技盤(例えば、遊技盤902、盤面板90200等)と、動作を行う可動役物(例えば、図33等に示す、演出制御用CPU120によって動作が制御される、可動役物173の回動機構173A、開閉機構173B又はスライド機構173C、並びに可動役物175の昇降機構173D等)と、 前記遊技領域を囲むように前記遊技盤に取付けられ、遊技媒体を案内するレール部材(例えば、内レール90501/第1外レール90502/第2外レール90503等)と、遊技媒体が衝突する被衝突体(例えば、弾性部材90600等)と、前記遊技盤に取付けられ、前記被衝突体を前記遊技盤の所定位置に保持する第1保持体(例えば、弾性部材90600が取付けられた状態で遊技盤902に取付けられるレール飾り枠90410等)と、前記遊技盤に取付けられた前記第1保持体を保持する第2保持体(例えば、レール飾り枠90410を押える盤押え金具90162aのレール押え片90174、第2外レール90503、ガラス扉枠9050等)と、を備え、前記可動役物を原点位置に復帰させる復帰動作(例えば、図40〜図43において示す、演出制御用CPU120によって動作が制御される原点位置に復帰する動作等)を行うことが可能であり、前記復帰動作の態様(例えば、図40又は図41において回動機構173Aが原点復帰動作をしない態様と、図42又は図43において回動機構173Aが原点復帰動作をする態様。また、図40又は図42において開閉機構173Bが原点復帰動作をしない態様と、図41又は図43において開閉機構173Bが原点復帰動作をする態様等)に応じた態様で(例えば、図40〜図43において、回動機構173A又は開閉機構173Bが原点復帰動作を行ったときには初期動作をしない態様等で、又は、回動機構173A又は開閉機構173Bが原点復帰動作を行わなかったときには初期動作を行う態様等で)前記可動役物の初期動作(例えば、図40〜図43に示すショートイニシャル動作)を行うことが可能であり(例えば、図43に示す、初期動作をしない態様を含む)、前記レール部材は、前記遊技盤に固定される固定部(例えば、固定部90504T,90504U)と、前記遊技盤に固定されない部位であって可撓性を有する非固定部(例えば、非固定部90505A〜90505C)と、を備えてなり、前記非固定部は、当接部(例えば、突部90507A〜90507F/立壁部513)を有し、前記遊技盤側には、前記当接部が当接可能な被当接部(例えば、凹部90207A〜90207F)が設けられ、前記レール部材を前記遊技盤に取付けた状態において、前記当接部と前記被当接部との間に空隙が形成される(例えば、突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207F内に挿入された際には、突部90507A〜90507Fの周囲に空隙Sが形成される。/立壁部90513と第3誘導部材ユニット90302との間に空隙(離間寸法L5)が形成される(図58、図59、図60参照)ことを特徴としている。
上記遊技機によれば、好適な初期動作を実行できる。また、遊技媒体がレール部材に衝突したときに、非固定部が撓むことにより衝撃が吸収されることでレール部材の破損を抑制できるとともに、当接部が被当接部に当接することにより非固定部が大きく位置ずれすることが防止されるため、遊技媒体を安定して案内することができる。また、被衝突体を保持する第1保持体が遊技盤に取付けられた状態で第2保持体により保持されることで、第1保持体の安定性が向上するため、被衝突体の位置ずれにより遊技性が損なわれることを抑制できる。加えて、可動役物の初期動作や復帰動作が実行されることにより遊技機に振動が生じたとしても、レール部材の非固定部が撓むことにより衝撃が吸収されることでレール部材の破損を抑制できるとともに、当接部が被当接部に当接することにより非固定部が大きく位置ずれすることが防止されるため、遊技媒体を安定して案内することができるので、遊技中に遊技性の低下を生じることを効果的に抑制できる。
さらに、遊技盤に対してレール部材を破損することがないように取付けることができる遊技機の一例として、遊技領域(例えば、遊技領域9010)に遊技媒体(例えば、遊技球P)を発射することにより遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、遊技盤(例えば、遊技盤902、盤面板90200)と、前記遊技領域を囲むように前記遊技盤に取付けられ、遊技媒体を案内するレール部材(例えば、内レール90501/第1外レール90502/第2外レール90503等)と、遊技媒体が衝突する被衝突体(例えば、弾性部材90600)と、前記遊技盤に取付けられ、前記被衝突体を前記遊技盤の所定位置に保持する第1保持体(例えば、弾性部材90600が取付けられた状態で遊技盤902に取付けられるレール飾り枠90410)と、前記遊技盤に取付けられた前記第1保持体を保持する第2保持体(例えば、レール飾り枠90410を押える盤押え金具90162aのレール押え片90174、第2外レール90503、ガラス扉枠9050)と、を備え、前記レール部材は、 前記遊技盤に固定される固定部(例えば、固定部90504T,90504U)と、
前記遊技盤に固定されない部位であって可撓性を有する非固定部(例えば、非固定部90505A〜90505C)と、を備えてなり、前記非固定部は、当接部(例えば、突部90507A〜90507F/立壁部513)を有し、前記遊技盤側には、前記当接部が当接可能な被当接部(例えば、凹部90207A〜90207F)が設けられ、前記レール部材を前記遊技盤に取付けた状態において、前記当接部と前記被当接部との間に空隙が形成される(例えば、突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207F内に挿入された際には、突部90507A〜90507Fの周囲に空隙Sが形成される。/立壁部90513と第3誘導部材ユニット90302との間に空隙(離間寸法L5)が形成される。図59、図60、図61参照)ことを特徴とする遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例に相当する遊技機の一例を説明する。
まず、他の形態例としての遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図45は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図46は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、以下において、図45の手前側をパチンコ遊技機901の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機901を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。なお、パチンコ遊技機901の前面とは、該パチンコ遊技機901にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図45は、この形態例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、「遊技機」と略記する場合がある)901は、大別して、遊技盤面90200Aを前面側に有する遊技盤902(「ゲージ盤」ともいう)と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレール902bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域9010が形成されている。この遊技領域9010には、遊技媒体としての遊技球Pが打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠903には、ガラス窓9050aを有するガラス扉枠9050が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠9050により遊技領域9010を開閉できるようになっており、ガラス扉枠9050を閉鎖したときにガラス窓9050aを通して遊技領域9010を透視できるようになっている。また、ガラス扉枠9050は、遊技機用枠903の前面全域を被覆可能な大きさに形成されており、ガラス窓9050aの下方には打球操作ハンドル9051が設けられている。なお、以下の説明においては、遊技球Pを「遊技球」と称することがある。
遊技盤902は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面90200Aに障害釘(図示略)やガイドレール902b等が設けられた盤面板90200と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材90250と、から主に構成されている。なお、この遊技盤902は、透光性を有する合成樹脂材にて構成されていたが、これに限られるものではなく、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成されていてもよい。
遊技盤902の所定位置(図45に示す例では、遊技領域9010の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器904Aと、第2特別図柄表示器904Bとが設けられている。第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(「変動表示」または「可変表示」ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器904Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器904Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902における遊技領域9010の中央付近には、演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置905は、遊技盤902よりも背面側に配設され、該遊技盤902に形成された開口902cを通して視認できるようになっている。なお、遊技盤902における開口902cには枠状のセンター飾り枠9052が設けられている。
演出表示装置905の表示領域の下部の左右2個所には、第1保留記憶表示エリア905D、第2保留記憶表示エリア905Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア905D、第2保留記憶表示エリア905Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器904A及び第2特別図柄表示器904Bの右側方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aが設けられ、演出表示装置905の右側下方には、普通可変入賞球装置906Bが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図46に示す普通電動役物用となるソレノイド9081によって、遊技領域9010に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域9010から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図45に示すように、普通入賞球装置906Aの右方位置には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図46に示すソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図46に示すカウントスイッチ9023によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置907において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、演出表示装置905の左側下方及び右側方位置には、入賞口形成部材により形成された一般入賞口401A,401B,401Cが設けられている。この一般入賞口401A,401B,401Cを通過(進入)した遊技球は、図示しない誘導通路により遊技盤902の背面側に設けられた入賞スイッチ9030(図46参照)に誘導され、入賞スイッチ9030により該遊技球が通過(進入)したことが検出される。そして、入賞スイッチ9030により遊技球の通過(進入)が検出されたことに基づき、賞球として所定個数(例えば10個)の遊技球の払い出しのみが行われる。
第2保留表示器9025Bの右側方位置には、普通図柄表示器9020が設けられている。普通図柄表示器9020の右側方位置には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技領域9010の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する図示しない上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球やファール球などをパチンコ遊技機901の外部へと排出する排出口(図示略)が設けられている。
次に、パチンコ遊技機901の回路構成について説明する。パチンコ遊技機901には、例えば図46に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、LED制御基板9014、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、スイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などが搭載されている。
図46に示すように、主基板9011には、通過ゲート9041を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ9023、入賞スイッチ9030からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器904A、第2特別図柄表示器904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90101(Read Only Memory 90101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM90102(Random Access Memory 90102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU90103(Central Processing Unit 90103)と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O90105(Input/ Outputport 90105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図46に示すように、演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置905、スピーカ908L,908R及び演出用LED909といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、演出表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
演出表示装置905の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。
次に、パチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。また、演出制御用CPU90120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
次に、図47〜図49に基づいて、パチンコ遊技機901の構造について説明する。図47は、遊技機用枠を開放した状態を示す斜視図である。図48は、遊技盤が取付けられた遊技機用枠を示す正面図である。図49は、(A)は上方の盤押え金具を示す斜視図、(B)は下方の盤押え金具を示す斜視図である。
図47に示すように、外枠9060は、上板9061、下板9062、左側板9063及び右側板9064により縦長四角枠状に形成されている。上板9061及び下板9062は木材により板状に形成されており、遊技場等に設置される図示しない遊技島に釘等を介して設置固定できるようになっている。左側板9063及び右側板9064は、アルミニウム材の押出成型により板状に形成されている。
外枠9060の開口下部には幕板90214が設けられ、開口下部が閉塞されている。外枠9060の左上角部及び左下角部には、遊技機用枠903の左上角部及び左下角部に設けられた上下方向を向く回動軸(図示略)を回動可能に支持する軸受部(図示略)が設けられており、遊技機用枠903は、外枠9060の左側辺付近を中心として該外枠9060の開口を閉鎖する閉鎖位置と開口を開放する開放位置との間で回動可能に支持されている。
図48に示すように、遊技機用枠903には、遊技盤902の背面側に設けられる遊技用部品ユニット(図示略)が挿入可能な大きさを有する開口部90160が形成されている。また、開口部90160の左側上下位置には、係止凹部90161a,90161bが設けられているとともに、右側上下位置には、盤押え金具90162a,90162bが設けられており、遊技盤902の左端部を係止凹部90161a,90161bに差し込んだ状態で、右端部を盤押え金具90162a,90162bで係止することにより取付けられるようになっている。
図49(A)に示すように、盤押え金具90162aは、遊技機用枠903に固定されるベース部90170と、ベース部90170に対し右側に設けられた上下方向を向く回動軸90171を中心として回動可能に設けられた回動部90172と、回動部90172に対しスライド移動可能に設けられた係止部90173と、回動部90172の回動軸90171側から下方に垂下されるレール押え片90174と、から主に構成される。
回動部90172は、回動軸90171に環装されたコイルバネ(図示略)により常時開放方向に向けて付勢されており、下部には、遊技盤902の前面上辺右側を前側から押える盤押え片90172aが左右方向に向けて延設されている。係止部90173は、ベース部90170に形成された被係止部(図示略)に係止可能な係止爪(図示略)と、係止解除操作を行うための操作片90173bと、を有し、圧縮バネ(図示略)により常時係止方向に向けて付勢されている。
このように構成された盤押え金具90162aは、図49(A)において2点鎖線で示す係止解除状態において、回動部90172をコイルバネ(図示略)の付勢力に抗して係止位置(図49(A)において実線で示す位置)へ移動させることで、係止爪(図示略)が被係止部(図示略)に係止される係止状態となる。また、図49(A)において実線で示す係止状態において、圧縮バネ(図示略)の付勢力に抗して操作片90173bを操作して係止部90173を回動軸90171側へ移動させると、図49(A)に示すように係止爪(図示略)による被係止部(図示略)への係止が解除され、回動部90172がコイルバネ(図示略)の付勢力により開放位置へ回動する。
図49(B)に示すように、盤押え金具90162bは、遊技機用枠903に固定されるベース部90180と、ベース部90180に対し右側に設けられた上下方向を向く回動軸90181を中心として回動可能に設けられた回動部90182と、回動部90182に対しスライド移動可能に設けられた係止部90183と、から主に構成される。
回動部90182は、回動軸90181に環装されたコイルバネ(図示略)により常時開放方向に向けて付勢されており、下部には、遊技盤902の前面下辺右側を前側から押える盤押え片90182aが左右方向に向けて延設されている。係止部90183は、ベース部90180に形成された被係止部(図示略)に係止可能な係止爪(図示略)と、係止解除操作を行うための操作片90183bと、を有し、圧縮バネ(図示略)により常時係止方向に向けて付勢されている。
このように構成された盤押え金具90162bは、図49(B)において2点鎖線で示す係止解除状態において、回動部90182をコイルバネ(図示略)の付勢力に抗して係止位置(図49(B)において実線で示す位置)へ移動させることで、係止爪(図示略)が被係止部(図示略)に係止される係止状態となる。また、図49(B)において実線で示す係止状態において、圧縮バネ(図示略)の付勢力に抗して操作片90183bを操作して係止部90183を回動軸90181側へ移動させると、図49(B)に示すように係止爪(図示略)による被係止部(図示略)への係止が解除され、回動部90182がコイルバネ(図示略)の付勢力により開放位置へ回動する。
ここで、遊技盤902の遊技機用枠903への取付方法について、図48、図49に基づいて説明する。遊技盤902を遊技機用枠903へ取付ける場合、まず、上下の盤押え金具90162a,90162bの回動部90172,90182及び係止部90173,90183を開放位置へ移動しておく。次いで、遊技盤902の背面を開口部90160に向けた状態で、遊技機用枠903の前方から遊技盤902の左側辺部を係止凹部90161a,90161bに差し込み、該係止凹部90161a,90161bを中心として遊技盤902の右側辺部を後方に向けて押し込む。そして、遊技盤902の背面周縁部が遊技機用枠903の開口部90160の周縁部に当接することで遊技盤902が遊技機用枠903に位置決めされ、遊技盤902の背面が開口部90160を介して背面側に臨む。
また、遊技機用枠903の前方から遊技盤902の左側辺部を係止凹部90161a,90161bに差し込み、該係止凹部90161a,90161bを中心として遊技盤902の右側辺部を後方に向けて押し込んで遊技盤902を開口部90160に配置した状態で、上下の盤押え金具90162a,90162bの回動部90172,90182及び係止部90173,90183を開放位置から係止位置へ移動することで、遊技盤902の前面における上下辺部の右側が盤押え片90172a,182aにより前方から押えられる。そして、係止爪(図示略)が被係止部(図示略)に係止されることで、遊技盤902が係止凹部90161a,90161bと上下の盤押え金具90162a,90162bとにより遊技機用枠903に取付けられた状態で保持される。また、盤押え片90172a,90182aは遊技盤902の上下辺に沿って延設される平坦面を有しており、該平坦面にて遊技盤902の前面上下辺部を押えるため、遊技盤902を安定して遊技機用枠903に保持することができる。
また、レール押え片90174は、後述するレール飾り枠90410の前面上右部に対向する平坦面を有しており、該平坦面にてレール飾り枠90410の前面上右部を押えるため、レール飾り枠90410を安定して保持することができる(図48、図50参照)。
次に、遊技盤902について、図50及び図51に基づいて説明する。図50は、遊技盤を示す正面図である。図51は、遊技盤等の構成を示す分解斜視図である。
図50及び図51に示すように、遊技盤902は、盤面板90200と、該盤面板90200の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材90250と、から主に構成されている。盤面板90200の厚さは約10mm程度であり、全体が透明に形成されている。また、盤面板90200は、その前面側に該盤面板90200と略平行に配置されるガラス窓9050aとの間に遊技領域9010を形成する。
なお、この盤面板90200全体が透明に形成されているが、当該盤面板90200の前面側からその背面側に配設される装飾体(図示略)等を透視可能な透光性部材にて形成されていれば、半透明であってもよいし、着色されていてもよい。また、全体が透光性を有していなくても、少なくとも遊技領域9010の一部に透光部が形成されていてもよい。
スペーサ部材90250は、非透光性部材により正面視略四角枠状に形成され、盤面板90200の背面周縁部が配置される取付部90250Aを有し、該取付部90250Aの前面部には、盤面板90200の位置を決定するための位置決め用ボスが複数突設されているとともに、取付ネジが螺入されるネジ孔を有する取付用ボスが複数突設されている。なお、スペーサ部材90250における取付部90250Aの板厚は約10mm程度とされているため、スペーサ部材90250と盤面板90200とで板厚が約20mmの遊技盤902が形成されるようになっている。
盤面板90200には、背面側に配設される演出表示装置905の表示画面を前面側に臨ませるとともに、センター飾り枠9052が取付けられる第1孔部90201と、特別可変入賞球装置907、普通可変入賞球装置906B及び誘導通路を有する第1誘導部材ユニット90300が取付けられる第2孔部90202と、普通入賞球装置906Aが取付けられる第3孔部90203と、アウト口9016を形成する第4孔部90204と、通過ゲート9041が取付けられる第5孔部90205と、一般入賞口形成部材が取付けられる第6孔部90206A〜90206Cと、が前後方向に貫通して形成されている(図51参照)。
また、盤面板90200の前面である遊技盤面90200Aにおける第1誘導部材ユニット90300の右斜め上方位置には遊技球を誘導する第2誘導部材ユニット90301が取付けられ、一般入賞口形成部材の左方位置には、遊技球を誘導する第3誘導部材ユニット90302が取付けられている。
また、遊技盤面90200Aには、遊技領域9010の周囲に設けられる案内レール90500が取付けられている。この案内レール90500は、遊技領域9010の外縁を形成する外レールと、外レールの内側に取付けられる内レール90501(レール部材)と、を備えている。詳しくは、外レールは、遊技領域9010の左下から右上にかけて湾曲しながら延びる第1外レール90502と、第1外レール90502における右端(前記発射口と反対側の端部)から下方側に所定長さ延び、そこからアウト口9016に向けて所定長さ延びる第2外レール90503と、からなる。第1外レール90502は、帯板状の金属材からなり、該第1外レール90502の外側に配設されるレール飾り枠90410の円弧状の内側面に嵌め込まれた状態で遊技盤面90200Aに対してレール飾り枠90410が複数のネジN1で固定されることにより取付けられる。なお、図48、図50では、説明の便宜上、実際よりもネジN1の数を減らして図示している。
また、第2外レール90503は、合成樹脂材からなり、遊技盤面90200Aに対して複数のネジN2により取付けられる。この第2外レール90503の下部には、前述した第1特別図柄表示器904A、第2特別図柄表示器904B、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普通図柄表示器9020、普図保留表示器9025Cが設けられている。また、第2外レール90503の右側には、製造年月日等が表記された第三者機関発行の図示しないラベル(証紙)が貼付されるラベル貼付部90520が形成されている。ラベルが貼られていない遊技機はホールに配置することができないため、ラベル貼付部90520を有する第2外レール90503は、盤面板90200から容易に取外すことができないように固定されている。
内レール90501は、合成樹脂材からなり、第2外レール90503の左端から右側に湾曲しながら所定長さ上方に円弧状に延びている。この内レール90501は、第2外レール90503の左端(第2外レール90503の下部の左端)に設けられた係止溝90503aに係止可能な係止爪90501aを備えており、係止溝90503aと係止爪90501aとの係止により第2外レール90503に対して連結される。つまり、内レール90501は、盤面板90200に強固に固定される第2外レール90503とユニット化されるため、盤面板90200に安定して取付けることができる。また、内レール90501は、後述する固定部90504T,90504Uにて遊技盤面90200Aに対して複数のネジN3により取付けられる。
なお、第1外レール90502(レール飾り枠90410)、第2外レール90503、内レール90501がネジN1、ネジN2、ネジN3により盤面板90200に固定される形態について説明したが、これに限定されるものではなく、溶接や圧入によって盤面板90200に取付け(固定)されてもよい。
内レール90501と第1外レール90502との間には、発射球通路90402が形成され、打球発射装置から打ちこまれた遊技球Pが発射球通路90402に案内されて遊技領域9010内に流入する。具体的には、遊技盤902の右下方に設けられる図示しない打球発射装置から打ち出された遊技球Pは、第1外レール90502に沿って発射球通路90402を上方に向けて移動して遊技領域9010の左上部へ誘導される。そして、遊技者が打球操作ハンドル9051を第1操作した場合、遊技領域9010に進入した遊技球Pはセンター飾り枠9052の左側の第1経路K1を流下し、遊技者が打球操作ハンドル9051を第1操作よりも発射強度が強くなる第2操作した場合、遊技領域9010に進入した遊技球Pはセンター飾り枠9052の右側の第2経路K2を流下するようになっている。
なお、内レール90501の自由端(上端)には、球戻り防止装置90700が設けられている。この球戻り防止装置90700は、内レール90501の自由端に対し揺動可能に軸支される板状の開閉部90701を有し、開閉部90701が、図示しない錘部により発射球通路90402を閉塞するように付勢されている。また、開閉部90701が発射球通路90402を閉塞した状態にあっては、前記錘部が内レール90501に係止しており、それ以上左回りに回動しないようになっている(図50参照)。これによれば、打球発射装置から打ちこまれた遊技球Pは、前記錘部による付勢に抗して開閉部90701を跳ね上げて遊技領域9010内に流入するとともに、遊技領域9010から発射球通路90402内に戻ろうとする遊技球Pは、開閉部90701によって発射球通路90402内への戻りが防止される。
レール飾り枠90410は、遊技領域9010の左下から左上を介して右上に亘る弧状に形成された樹脂製部材である。このレール飾り枠90410の円弧状の内側面には第1外レール90502が装着される。また、レール飾り枠90410の内側面において第1外レール90502の先端部(図50の右上部)が取付けられる箇所には、ゴムなどの弾性体で形成された弾性部材90600が被衝突体として取付けられており、所定以上の勢いで打球発射装置(図示略)から発射され第1外レール90502の内側面に沿って移動してきた遊技球が弾性部材90600に当たって勢いを減衰しつつ遊技領域9010の中央部側へ跳ね返される。
次に、内レール90501の構造について、図52〜図60に基づいて説明する。図52は、(A)は内レールの構造を示す正面図、(B)は同じく背面図である。図53は、内レールの背面側の一部を示す斜視図である。図54は、(A)は図52(B)のA−A断面図、(B)は同じくB−B断面図である。図55は、盤面板の構造を示す正面図である。図56は、(A)は図52(B)の囲み部Aの拡大図、(B)は同じく囲み部Bの拡大図である。図57は、(A)は図55のC−C断面図、(B)は同じくD−D断面図である。図58は、盤面板に内レールを取付けた状態における縦断面図である。図59は、(A)は遊技球が第1経路を流下する態様を示す概略図、(B)は(A)の要部拡大図、(C)は(A)のE−E断面図である。図60は、(A)はファール球が内レールに衝突した状態を示す概略図、(B)は(A)のF−F断面図である。
図52〜図54に示すように、内レール90501は、非透光性の合成樹脂等を金型に充填して形成されており(いわゆる、射出成形)、遊技盤面90200Aに沿って設けられるフランジ部90512と、フランジ部90512の一方の側端縁から立設される立壁部90513とを有している。なお、この内レール90501は、可撓性を有していれば、鉄板等の金属製であっても構わない。
内レール90501を遊技盤面90200Aに取付けた状態にあっては、立壁部90513が遊技盤面90200Aから前方側(遊技者側)に立設した状態となっている(図57参照)。この内レール90501は、樹脂製であり、且つ円弧状を成していることから、撓曲変形可能となっている。すなわち、非固定部90505Aは可撓性を有している。
図52に示すように、内レール90501の長手方向(上下方向)の両端近傍には、ネジN3を挿通させるネジ孔90506T,90506Uが形成されており、ネジ孔90506T,90506Uの近傍は、遊技盤面90200Aに固定される固定部90504T,90504Uとなっている。また、内レール90501における固定部90504T,90504U以外の部位、つまり遊技盤面90200Aに固定されない部位は、非固定部90505A〜90505Cとなっている。そのため、内レール90501を遊技盤面90200Aに取付けた状態にあっては、非固定部90505A〜90505C、特に、固定部90504T,90504U間の非固定部90505Aが撓曲変形しやすくなっている。すなわち、非固定部90505Aは可撓性を有している。
詳しくは、内レール90501の長手方向の両端近傍には、固定部90504T,90504Uが形成されるため、内レール90501の長手方向の両端は、立壁部90513の立ち上り方向(前後方向)と直交する方向(左右方向)の肉厚が厚く形成されており、剛性が高くなっている。言い換えれば、内レール90501の中間部にあたる非固定部90505A(第1部位)の肉厚は、その他の部位(第2部位)の肉厚よりも薄く形成されており、内レール90501における立壁部90513の立ち上り方向と直交する方向に撓曲変形しやすい。対して、内レール90501における非固定部90505B,90505C、固定部90504T,90504U(第2部位)の肉厚は、非固定部90505Aの肉厚よりも厚く形成されており、非固定部90505Aに比べ撓曲変形しにくい。なお、非固定部90505B,90505Cの肉厚は、非固定部90505Aに比べ撓曲変形しにくいが、非固定部90505Aよりも小さな幅で若干撓曲変形可能となっている。
さらに、固定部90504Uと、該固定部90504U近傍の非固定部90505Aの一部及び非固定部90505B(第2部位)は、その一部が肉抜きされたリブ形状となっており、例えば遊技球Pが衝突した際には、リブが変形して衝撃を吸収することができるとともに、内レール90501が軽量化される。
また、内レール90501には、フランジ部90512の背面90508側(遊技盤面90200A側)に断面視十字形状の突部90507A〜90507F(当接部)が所定間隔置きに複数(この形態例では6個)設けられている。詳しくは、図53、図54(B)、図56(A)、及び図57(B)に示すように、突部90507A〜90507Fは、内レール90501の背面90508よりも前面側に凹んだ段部から背面側に突出するように設けられている。つまり、突部90507A〜90507Fの周囲には、内レール90501の背面90508よりも前面側に凹んだ溝部90509が形成されている。
この突部90507A〜90507Fは、遊技盤面90200Aに設けられた後述する凹部90207A〜90207F(被当接部)に挿入されるようになっており、この突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207Fに挿入されることにより、内レール90501が遊技盤面90200Aに位置決めされる(図52参照)。すなわち、突部90507A〜90507F及び凹部90207A〜90207Fは、内レール90501を盤面板90200へ取付ける際の位置決め用の部位である。また、後述するように突部90507A〜90507Fは、凹部90207A〜90207Fよりも小さく形成されており、突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207F内で移動可能となっている。
また、内レール90501の背面90508の所定箇所には、背面90508から背面側に突出する凸部90510が複数(この形態例では24個)設けられている。なお、これら凸部90510の遊技盤面90200Aからの突出長さは約0.1mm〜2mm程度とされている。
また、図53及び図56(B)に示すように、内レール90501の背面90508における凸部90510が近接して配置される箇所には、近接する凸部90510間に小穴90511が複数形成されている。図56及び図57(B)に示すように、盤面板90200に内レール90501を取付けた状態にあっては、凸部90510が遊技盤面90200Aに当接し、内レール90501の背面90508は、遊技盤面90200Aから離間している。なお、凸部90510にあっては、説明の便宜上、実際の厚みよりも厚く図示している。
なお、射出成形の一例として、半割の金型片と、一方の金型片の所定箇所に形成される複数の貫通孔を介して一方の金型片の外面側から内面側に向けて進退可能なイジェクトピンと、を用い、半割の金型片の間に樹脂を充填し、樹脂が硬化した後、一方の金型片に樹脂を保持したまま他方の金型片を取外し、その後イジェクトピンにより樹脂を押出して一方の金型片から取外す方法がある。この方法を用いた場合、半割の金型の間に樹脂を充填した際に、貫通孔とイジェクトピンとの間に形成された隙間に入り込んだ部分、もしくはバリにより形成された部分は、内レールの背面から突出する。この突出部分を凸部として利用してもよい。
図55〜図58に示すように、盤面板90200の左側には、突部90507A〜90507Fと対応する位置に凹部90207A〜90207Fが形成されており、内レール90501の固定部90504T,90504Uを遊技盤面90200Aに対して固定した際には、突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207F内に挿入されるようになっている。突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207F内に挿入された際には、突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207F内で移動可能となっている。
詳しくは、図58に示すように、突部90507A〜90507Fの直径L1は、約4.6mmとなっている(L1=4.6mm)。対して、内レール90501の上方側(固定部90504T近傍)の突部90507A,90507Bが挿入される凹部90207A,90207B、及び内レール90501の下方側(固定部90504U近傍)の突部90507Fが挿入される凹部90207Fの直径L2は、約5.3mmとなっている(L2=5.3mm)。さらに、内レール90501の中間部(非固定部90505A)に設けられた突部90507C〜90507Eが挿入される凹部90207C〜90207Eの直径L3は、約5.7mmとなっている(L3=5.7mm)。すなわち、突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207F内に挿入された際には、突部90507A〜90507Fの側周面と凹部90207A〜90207Fの内周面との間に空隙Sが形成されるため、突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207F内で移動可能となっているとともに、突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207Fの内周面に当接することにより移動が規制される。
さらに、突部90507A,90507B,90507Fは、固定部90504T,90504Uの近傍に設けられているため、内レール90501の撓曲変形時における移動量が突部90507C〜90507Eに比べ小さい。よって、凹部90207A,90207B,90207Fの直径L2は、突部90507C〜90507Eが挿入される凹部90207C〜90207Eの直径L3に比べて小さく形成されている(L2<L3)。
また、盤面板90200に内レール90501を取付けた状態にあっては、突部90507A,90507B,90507Fは、凹部90207A,90207B,90207Fの略中央に配置されている。つまり、空隙Sは、突部90507A,90507B,90507Fの周囲に形成され、突部90507A,90507B,90507Fは、凹部90207A,90207B,90207Fの内周面のどこにも接していない。また、突部90507C〜90507Eは、凹部90207C〜90207Eの右側に寄せて配置されており、凹部90207C〜90207Eの左側に比較的大きな空隙Sが形成されている(図57(A)及び図59(B)参照)。これは、後述するように、遊技球Pが発射球通路90401側から内レール90501に衝突するよりも、第1経路K1側から衝突する頻度が高いことから、突部90507C〜90507Eの左側への移動量を優先的に確保するためである。
より詳しくは、図59(C)及び図60(B)に示すように、突部90507C,507Dは、凹部90207C,90207Dの右側の内周面に当接している。つまり、突部90507C,90507Dの側周面の一部が凹部90207C,90207Dの右側の内周面に当接し、それ以外に空隙Sが形成される。また、前述した第3誘導部材ユニット90302の近くに配置される突部90507Eは、凹部90207Eの右側の内周面から離間寸法L4分離間している。つまり、空隙Sは、突部90507Eの周囲に設けられ、凹部90207Eの内周面のどこにも接していないが、突部90507Eよりも左側に大きく形成されている。また、第3誘導部材ユニット90302と内レール90501とは、離間寸法L4よりも短い離間寸法L5分離間している(L4>L5)。これは、突部90507Eの近傍に対して、後述するファール球P1が発射球通路90401側から内レール90501に衝突した際の突部90507Eの右側への移動量を優先的に確保するためである。なお、図59(C)及び図60(B)では、説明の便宜上、離間寸法L4及び離間寸法L5を実際よりも大きく図示している。
図59(A)に示すように、第1経路K1を流下する遊技球Pは、内レール90501に衝突することがある。また、打球発射装置から打ち出された遊技球Pは、基本的に第1外レール90502に沿って遊技領域9010内に流入するため、発射球通路90401側から内レール90501に衝突するよりも、第1経路K1側から衝突する頻度が高くなっている。なお、ここでは、内レール90501における突部90507Cの近傍に遊技球Pが衝突した例のみ説明し、それ以外の箇所(突部90507A,90507B,90507D〜90507Fの近傍)に遊技球Pが衝突した態様についての説明を省略する。
前述のように、突部90507C〜90507Eは、凹部90207C〜90207Eの右側に寄せて配置されており、凹部90207C〜90207Eの左側に比較的大きな空隙Sが形成されているため、遊技領域9010を流下する遊技球Pが内レール90501に衝突した際には、内レール90501が第1経路K1側から発射球通路90401側(右から左)に押されて非固定部90505Aが撓曲変形する。図59(B)に示すように、突部90507Cは、凹部90207Cの右側の内周面に寄せて挿入されているので、突部90507Cが凹部90207Cの左側の内周面に向けて空隙S分左側に移動するとともに、突部90507Cが凹部90207Cの左側の内周面に当接することで左側への移動が規制される。
このように、突部90507Cが凹部90207Cとの空隙Sにより移動可能となっているため、遊技球Pが第1経路K1から内レール90501に衝突したときに、非固定部90505Aが撓むことができ、衝撃が吸収されることで内レール90501の破損を抑制できるとともに、突部90507Cが移動しても凹部90207Cに当接することにより非固定部90505Aが大きく位置ずれすることが防止されるため、遊技球Pを安定して案内することができる。
また、突部90507Cが凹部90207C内に挿入されているため、突部90507Cの移動範囲が凹部90207C内に収まる。従って、非固定部90505Aが大きく位置ずれすることが確実に防止される。
なお、ここでは、内レール90501における突部90507Cの近傍に第1経路K1を流下する遊技球Pが衝突した例についてのみ説明したが、内レール90501のいずれの位置にあっても突部90507A〜90507Fが移動して突部90507Cと同様の効果を得ることができる。
また、図60(A)に示すように、遊技者の打球操作ハンドルが弱かった場合には、遊技球Pが遊技領域9010に進入せずに、発射球通路90401内を逆流することがある(いわゆる、ファール球P1)。また、ファール球P1が発生した際には、ファール球P1が打球発射装置に戻る前に次の遊技球P2が発射される場合があり、この場合、逆流するファール球P1と発射された遊技球P2が衝突し、はじかれたファール球P1(または発射された遊技球P)が内レール90501に衝突する。これにより、内レール90501が発射球通路90401側から第1経路K1側(左から右)に向けて押されるようになる。なお、ファール球P1は、打球発射装置の発射タイミングにより内レール90501における突部90507Eの付近で遊技球P2と衝突することが多いことから、ここでは、内レール90501における突部90507Eの近傍にファール球P1が衝突した態様について説明する。
図56(C)及び図57(B)のように、第3誘導部材ユニット90302(第1構造物)の近くに配置される突部90507Eは、凹部90207Eの右側の内周面から離間寸法L4分離間しているため、突部90507Eは、右方向に移動する。また、第3誘導部材ユニット90302と内レール90501との離間幅は、離間寸法L4よりも短い離間寸法L5となっているため、突部90507Eは、凹部90207Eの右側の内周面に当接する前に内レール90501の立壁部90513(当接部)が第3誘導部材ユニット90302の外面に当接する。つまり、ファール球P1が非固定部90505Aに衝突することで立壁部90513が第3誘導部材ユニット90302に当接する。これにより、非固定部90505Aの大きな位置ずれが防止される。
このように、非固定部90505Aが第1経路K1側に撓曲変形した際には、突部90507Eよりも強度の高い非固定部90505Aの立壁部90513が、遊技盤面90200Aに取付けられた構造物である第3誘導部材ユニット90302に当接するため、非固定部90505Aの撓曲変形を安定して規制できる。また、非固定部90505Aが第1経路K1側に撓曲変形しないときには、立壁部90513が第3誘導部材ユニット90302に当接しないので、摩耗による劣化を抑制できる。また、第3誘導部材ユニット90302の周辺を流下する遊技球Pが衝突した場合、一旦発射球通路90401側に湾曲し、その後弾性変形により復帰した立壁部90513が遊技領域9010側へ大きく湾曲することが防止される。
また、第3誘導部材ユニット90302と内レール90501とは、離間しているので、例えば、経年による劣化や新しい遊技盤へのモデルチェンジ等にあたって、盤面板90200から内レール90501を取外さなくても第3誘導部材ユニット90302を容易に交換・変更することができる。
また、前述したように、突部90507A,90507Bは、凹部90207A,90207Bの略中央に配置されているので、ファール球P1が内レール90501の上部(突部90507A,90507B近傍)に衝突した際には、非固定部90505Bが第1経路K1側に撓曲変形することが可能となっている。
なお、ファール球P1は、一般的に内レール90501における突部90507Eの付近で遊技球P2と衝突することが多いことから、内レール90501における突部90507Eの近傍にファール球P1が衝突した形態を例示したが、突部90507C,90507Dも凹部90207C,90207Dの右側の内周面から離して配置してもよい。
また、前述のように、この盤面板90200は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材により構成されているため、その特性上、摩擦等により粉塵が生じやすくなっている。図53に示すように、盤面板90200に内レール90501を取付けた状態にあっては、凸部90510が遊技盤面90200Aに当接し、内レール90501の背面90508は、遊技盤面90200Aから離間している。
このように、盤面板90200に内レール90501を取付けた状態にあっては、遊技盤面90200Aと内レール90501の背面90508とが面当接せず、凸部90510のみが遊技盤面90200Aに部分的に当接しているので、遊技盤面90200Aと内レール90501との摩擦により盤面板90200から生じる粉塵を極力減らすことができるため、遊技盤面90200Aの表面が粉塵により汚れることを抑制できる。
また、凸部90510と遊技盤面90200Aとの当接により生じた粉塵の一部は、凸部90510近傍に配設される小穴90511内に入り込むため、周囲に飛散しにくくなる。さらに、突部90507A〜90507Fと凹部90207A〜90207Fとの当接により生じた粉塵の一部は、突部90507A〜90507Fの周囲に設けられる溝部90509内に入り込むため、周囲に飛散しにくくなる。従って、遊技盤902のメンテナンス作業が容易である。また、前述のように、内レール90501は、透光性を有していないため、フランジ部90512の背面90508に付着する粉塵や小穴90511及び溝部90509内に入り込んだ粉塵が内レール90501を透して前方側から露見しないため、見栄えが向上する。なお、内レール90501は、粉塵が前方側から目立ちにくければよいので、例えば、半透光性を有する樹脂や有色の樹脂等から構成されていてもよい。また、透光性部材の表面に、非透光性の樹脂を塗装してもよい。
なお、この形態例では、凸部90510における遊技盤面90200Aとの当接面(先端面)が平坦に形成される形態を例示したが、これに限定されるものではなく、凸部の当接面に凹状部等を設け、凸部と遊技盤面90200Aとの当接により生じた粉塵の一部が該凹状部内に入り込むようにしてもよく、このようにすることで、粉塵の飛散をより抑制できる。
以上説明したように、パチンコ遊技機901にあっては、遊技領域9010に遊技球Pを発射することにより遊技を行うパチンコ遊技機901であって、盤面板90200と、遊技領域9010を囲むように盤面板90200に取付けられ、遊技球Pを案内する内レール90501と、を備え、内レール90501は、盤面板90200に固定される固定部90504T,90504Uと、盤面板90200に固定されない部位であって可撓性を有する非固定部90505A〜90505Cと、を備えてなり、非固定部90505A〜90505Cは、突部90507A〜90507Fを有し、盤面板90200側には、突部90507A〜90507Fが当接可能な凹部90207A〜90207Fが設けられ、内レール90501を盤面板90200に取付けた状態において、突部90507A〜90507Fの側端面と凹部90207A〜90207Fの内周面との間に空隙Sが形成される。
このようにすることで、遊技球Pが内レール90501に衝突したときに、突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207F内で移動でき、非固定部90505A〜90505Cが撓むことにより衝撃が吸収されることで内レール90501の破損を抑制できるとともに、突部90507A〜90507Fの側端面が凹部90207A〜90207Fの内周面に当接することにより、内レール90501を固定部90504T,90504Uのみで固定した形態に比べ、非固定部90505A〜90505Cが大きく位置ずれすることが防止されるため、遊技球Pを安定して案内することができる。
また、内レール90501は、右側方に遊技領域9010、左側方に発射球通路90401を形成するレール部材、つまり、一側方からしか遊技球Pが接触しない第1外レール90502や第2外レール90503とは異なり、両側方から遊技球Pが接触して破損しやすいレール部材であるため、上記のように非固定部90505A〜90505Cが撓むことにより衝撃が吸収されることで内レール90501の破損をより好適に抑制できる。
また、熱等により内レール90501の合成樹脂材が劣化して突部90507A〜90507Fの根元近傍が変形した際においても、突部90507A〜90507Fの側端面と凹部90207A〜90207Fの内周面との間に空隙Sが形成されていることで、突部90507A〜90507Fに負荷が掛からず突部90507A〜90507Fの破損を防止できる。
また、突部90507A〜90507Fは、凹部90207A〜90207Fにより盤面板90200の内側に配置されるため、突部90507A〜90507Fを係止させるための被当接部を盤面板90200の外側(遊技盤面90200A上)に特段形成する必要がない。つまり、被当接部が遊技球Pの流下に影響を与えることがない。さらに、突部90507A〜90507Fの側端面と凹部90207A〜90207Fの内周面との摺接により発生する粉塵が極力遊技盤面90200Aに露見しないようにできる。
また、内レール90501において最も撓曲変形しやすい非固定部90505Aに設けられた突部90507C〜90507Eが挿入される凹部90207C〜90207Eは、固定部90504T,90504U近傍に設けられた突部90507A,90507B,90507Eが挿入される凹部90207A,90207B,90207Eに比べ大径に形成されているとともに、突部90507A,90507B,90507Eは、凹部90207A,90207B,90207Eの右側に寄せて配置されているため、非固定部90505Aの発射球通路90401側への移動量を大きくとることができる。これにより、内レール90501の破損を確実に抑制できる。
また、内レール90501を盤面板90200に取付けた状態において、突部90507A〜90507Fの側端面と凹部90207A〜90207Fの内周面との間に空隙Sが形成されるため、凹部90207A〜90207Fに対して突部90507A〜90507Fを挿入し易い。
また、突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207Fに挿入される構造であるため、突部90507A〜90507Fの側端面が凹部90207A〜90207Fの内周面に当接することにより、非固定部90505Aが大きく位置ずれすることが防止される。つまり、突部90507A〜90507Fが凹部90207A〜90207F内に挿入されているため、突部90507A〜90507Fの移動範囲が凹部90207A〜90207F内に収まり、非固定部90505Aが大きく位置ずれすることが確実に防止される。
また、この形態例では、突部90507A〜90507Fよりも強度の高い内レール90501の立壁部90513が第3誘導部材ユニット90302に当接可能であるため、遊技領域9010内に設けられる構造物である第3誘導部材ユニット90302を利用して非固定部90505Aの撓曲変形を安定して規制できる。
なお、この形態例では、突部90507Eが第3誘導部材ユニット90302の近傍に設けられている形態について例示したが、これに限定されるものではなく、第3誘導部材ユニット90302を利用して非固定部90505Aの撓曲変形を規制できるため、第3誘導部材ユニット90302の近傍に突部を設けなくてもよい。これによれば、突部を減らす、または無くすことができるので、内レール90501の構造を極めて簡素化できる。
また、この形態例では、立壁部90513と第3誘導部材ユニット90302との間に空隙(離間寸法L5)が形成されるとともに、ファール球P1が非固定部90505Aに衝突することで立壁部90513が第3誘導部材ユニット90302に当接するため、立壁部90513が常に第3誘導部材ユニット90302に当接しないので、摩耗による劣化を抑制できる。
また、第3誘導部材ユニット90302は、内レール90501を取外さなくても盤面板90200から取外すことができるため、容易に交換することができる。
また、内レール90501は、非固定部90505Aと該非固定部90505Aよりも強度が高い非固定部90505B,90505C、固定部90504T,90504Uとを少なくとも有するため、固定部90504T,90504Uや非固定部90505A〜90505Cに応じた強度を持たせることができる。従って、非固定部90505Aに対して、固定部90504T,90504Uに近い非固定部90505B,90505Cよりも可撓性を大きく持たせて、耐衝撃性を向上させることができる。
また、内レール90501における突部90507A〜90507Fの周囲には、溝部90509がそれぞれ形成されているため、突部90507A〜90507Fの側端面と凹部90207A〜90207Fの内周面との接触によって生じる粉や屑等が溝部90509内に入り込み、これにより周囲に飛散しにくくなる。
次に、弾性部材90600の周辺の構造について図61〜図65を参照して説明する。図61は、レール飾り枠の右側部の構造を示す斜視図である。図62は、(A)はレール飾り枠の右側部の背面図、(B)は(A)のG−G断面図、(C)は(A)のH−H断面図である。図63は、(A)は弾性部材の構成を示す6面図、(B)は(A)のI−I断面図である。図64は、(A)は第1外レールの右端部の構成を示す斜視図、(B)は第1外レールの右端部の他の構成を示す斜視図である。図65は、(A)はパチンコ遊技機の正面図、(B)は(A)に示すパチンコ遊技機の平面断面図である。
レール飾り枠90410には、弾性部材90600を保持する保持部が形成されている。保持部は、弾性部材90600に穿設された貫通孔90602に圧入される突出部90422(図62(B)参照)が内側面に形成された板状の第1保持部90421と、弾性部材90600において遊技球が衝突する被衝突面90601とは反対側の面である裏側面90604に対向する第2保持部90423とを少なくとも備えている。
第1保持部90421は、弾性部材90600の貫通孔90602に該第1保持部90421の突出部90422が圧入されることで弾性部材90600を支持するとともに、弾性部材90600に遊技球が衝突した場合でも弾性部材90600の位置がずれないようにしている。また、第1保持部90421の突出部90422から引き抜くことで弾性部材90600を取外すことができるので、メンテナンス性が向上する。
第1保持部90421の突出部90422には、突出方向の根本部と先端部との間に段差部90424が形成されており、弾性部材90600の貫通孔90602に形成された段差部90603に係合することにより、遊技球が衝突しても弾性部材90600の位置がずれるのを防止する。
また、突出部90422においては、段差部90424を境界として先端部の径よりも根本部の径が太くなっている。このため、該突出部90422の耐久性を高めて丈夫にすることができ、該突出部90422の折損を防止できる。
また、第1保持部90421は、内側面(後面)に突出部90422が形成された板状部90425を有し、この板状部90425の外側面(前面)には、突出部90422に対応する部分から突出部90422の内部に向かって凹設された凹部90426が形成されている。この凹部90426を設けて突出部90422の内部を肉抜き成形することで、該突出部90422の耐久性を向上できる。また、第1保持部90421の前面には、シール部材が貼付されることで、第1保持部90421の前面に形成された凹部90426の前面開口が閉塞されるようになっている。
第2保持部90423は、弾性部材90600の裏側面90604に設けられた段差部90605に係合する被係合部90427を有している。このため、遊技球が衝突するなどして弾性部材90600に衝撃が与えられても、該弾性部材90600の位置がずれたり、該弾性部材90600が貫通孔90602に圧入された突出部90422を中心として回転したりするのを防止できる。
また、弾性部材90600が保持部(第1保持部90421及び第2保持部90423)に取付けられ、該保持部を有するレール飾り枠90410が遊技盤902に取付けられた状態においては、図62(B)に示すように、弾性部材90600と遊技盤902との間に間隙9026が形成される。この間隙9026を有することで、弾性部材90600に遊技球が衝突した衝撃が遊技盤902に伝播するのを防止している。
弾性部材90600は、図63に示すように、略直方体状に形成されており、貫通孔90602の形状である円筒形状の中心と被衝突面90601との距離L1は、貫通孔90602の形状である円筒形状の中心と裏側面90604との距離L2よりも長くなっている。これにより、被衝突面90601に遊技球が衝突した衝撃を距離L1の範囲にある弾性部材90600の弾性体で十分に吸収することができる。
また、弾性部材90600は、保持部(第1保持部90421及び第2保持部90423)により保持された状態において、少なくとも被衝突面90601が第1保持部90421の端部から突出している(図50参照)。このため、打球発射装置(図示略)から発射された遊技球が所定以上の勢いで第1外レール90502に沿って飛んでくると、弾性部材90600の被衝突面90601に必ず衝突するようになり、第1保持部90421には衝突しないので、第1保持部90421の損傷を防止できる。
また、被衝突面90601は、図62(A)に示すように、保持部(第1保持部90421及び第2保持部90423)により保持された状態において、被衝突面90601が第1外レール90502の所定点における接線に対し垂直な法線T1に対し遊技領域9010の中央部側へ向けて開放するように所定角度θ1傾くとともに、遊技盤面90200Aに対し垂直な垂線T2に対し遊技盤面90200A側へ向けて所定角度θ2傾く傾斜面として形成されている。
よって、第1外レール90502に沿って移動してきた遊技球Pが保持部(第1保持部90421及び第2保持部90423)により保持された被衝突面90601に衝突したとき、該遊技球Pを第1外レール90502から離れる方向へ向けて遊技盤面90200A側へ跳ね返す。よって、弾性部材90600の下方に広がる遊技領域9010において第1外レール90502から離れた位置に設けられた通過ゲート9041や一般入賞口90401Cへ誘導することができるとともに、跳ね返った遊技球Pが第1外レール90502に沿って移動してきた後続の遊技球Pと衝突して後続球の流下に影響を及ぼすことを回避できる。また、跳ね返った遊技球Pがガラス窓9050aへ衝突してガラス窓9050aを傷付けることを回避できる。
このように弾性部材90600は、保持部(第1保持部90421及び第2保持部90423)により保持された状態における被衝突面90601の傾きや反発力等に応じて遊技球Pの跳ね返り角度や速度に影響が及ぶものであるため、保持された状態で傾きが変わることがあると跳ね返された遊技球Pの流下経路にも影響を及ぼす部材である。
また、弾性部材90600における貫通孔90602の開口周縁は、面取りされている。これにより、弾性部材90600の向き(表裏)を間違えることがなくなるととともに、該貫通孔90602に対してレール飾り枠90410の第1保持部90421の突出部90422が挿入容易となる。
また、弾性部材90600においては、前述したように、貫通孔90602の形状である円筒形状の中心と被衝突面90601との距離L1が、貫通孔90602の形状である円筒形状の中心と裏側面90604との距離L2よりも長くなっている。このため、レール飾り枠90410に対して弾性部材90600を取付けるときの向きを間違えることがなくなる。
また、弾性部材90600において、貫通孔90602は、略直方体状の6つの面のうちの1の面とこれに対向する1の面とを貫いた孔として穿設されており、この貫通孔90602に挿入される第1保持部90421の突出部90422は、その端部が少なくとも貫通孔90602の中間地点かあるいはこれよりも奥側に達している。これにより、遊技球が衝突したときの衝撃の吸収性を高めることができる。なお、弾性部材90600に穿設される孔は、貫通孔に限るものではなく、貫通していない穴であってもよい。
第1外レール90502の右側の先端部には、図64に示すように、発生した静電気を逃がすためのアース90711が形成されている。また、第1外レール90502におけるアース90711の近傍には、円弧状の第1外レール90502の外側に向かって湾曲した曲状部90712が形成されている。この曲状部90712を有することにより、第1外レール90502のアース90711をレール飾り枠90410の裏面側に嵌め込む作業が容易となる。例えば、レール飾り枠90410の左下部に第1外レール90502の左下部を嵌合し、レール飾り枠90410の内側面に第1外レール90502を沿わせていき、アース90711をレール飾り枠90410の右上部における背面側に嵌め込むときに、曲状部90712を曲げるなどして、そのアース90711の向きを微調整しながらレール飾り枠90410の右上部における背面側の所定位置に嵌め込むことができる(図62(A)参照)。
また、図62(C)に示すように、第1外レール90502と弾性部材90600とは、レール飾り枠90410に取付けられた状態において互いに所定の隙間を隔てて配置されている。よって、例えば、第1外レール90502に沿って遊技球Pが移動することにより生じる振動が弾性部材90600に伝達されて遊技球Pの跳ね返り角度や速度等に影響を及ぶことがないようにしている。また、弾性部材90600に遊技球Pが衝突することにより生じる振動が第1外レール90502に伝達されて第1外レール90502に沿って移動する遊技球Pの流下経路に影響を及ぼすことが回避される。
また、弾性部材90600は、レール飾り枠90410に取付けられた状態において第1外レール90502の端部に形成された曲状部90712の近傍位置に近接した状態で設けられている。つまり、図62(A)に示すように、第1外レール90502は、弾性部材90600に沿って配置されているが、曲状部90712が設けられていることにより一部が弾性部材90600から離れて配置されるため、弾性部材90600における第1外レール90502側の面を第2保持部90423の一部により第1外レール90502側から覆うように保持することができるため、弾性部材90600を安定して支持できる。
なお、図61に示すように、アース90711は、第1外レール90502の背面側に取付けられた状態において、その一部が第1外レール90502に形成された孔部90507を介して前面側に突出するようになっており、該突出した部分は、ガラス扉枠9050を閉鎖したときに該ガラス扉枠9050の背面に設けられたアース部材(図示略)に接触するようになっている。
また、図64(B)に示すように、第1外レール90502の曲状部90712には、湾曲する方向に沿ってスリット90713を穿設することができる。このスリット90713を穿設することにより、レール飾り枠90410の右上部における背面側にアース90711を嵌め込むときに、アース90711の向きを微調整することが容易となる。
レール飾り枠90410の右側部端部と第2外レール90503の上端部とを接合する部分においては、図65(A)に示すように、レール飾り枠90410の右側部端部において前面側から背面側に向かって凹設された被係合部90420に対し、第2外レール90503の上端部において前面側から背面側に向かって突設された係合部530が嵌合するようになっている。これにより、レール飾り枠90410は、第2外レール90503により前方から後方へ押えられた状態となるので、該レール飾り枠90410の安定性が向上する。
このように構成された遊技盤902にあっては、遊技球が衝突する弾性部材90600がレール飾り枠90410の保持部(第1保持部90421及び第2保持部90423)に保持される。そして、このレール飾り枠90410が複数のネジN1を用いて盤面板90200に螺着固定されることで、弾性部材90600が盤面板90200における所定位置に配置される。すなわち、弾性部材90600は、レール飾り枠90410を介して盤面板90200の所定位置に設けられる。
そして、盤面板90200にレール飾り枠90410に取付けた後、第2外レール90503が盤面板90200に複数のネジN2により取付けられることで、第2外レール90503の係合部530がレール飾り枠90410の被係合部90420に係合し、レール飾り枠90410の右下端部が第2外レール90503により前面側から押えられることで、レール飾り枠90410が盤面板90200に保持される。
さらに、レール飾り枠90410、第2外レール90503、内レール90501が盤面板90200に取付けられた遊技盤902を遊技機用枠903に組付け、レール飾り枠90410の右上端部が盤押え金具90162aのレール押え片90174により前面側から押えられることで、レール飾り枠90410が盤面板90200に保持される。
このように、弾性部材90600を保持するレール飾り枠90410を盤面板90200に取付けることで、弾性部材90600が遊技領域9010の所定位置に保持されるとともに、遊技盤902を遊技機用枠903に組付け、レール飾り枠90410の複数箇所が第2外レール90503及びレール押え片90174により前面側から押えられることで、このレール飾り枠90410の安定性が向上するため、該レール飾り枠90410により保持されている弾性部材90600の保持位置からの位置ずれが抑制される。
なお、位置ずれとは、弾性部材90600の保持位置から前側への位置ずれ、つまり、盤面板90200の遊技盤面90200Aから離れる方向への位置ずれや、突出部90422を中心として回動する方向への位置ずれや、遊技盤面90200Aに沿う方向への位置ずれ等も含む。
また、第2外レール90503及び盤押え金具90162aのレール押え片90174は、ガラス扉枠9050を開放した状態でレール飾り枠90410を盤面板90200に保持する第2保持体として機能する。なお、特に図示しないが、ガラス扉枠9050のガラス窓9050aは、閉鎖位置にあるときにレール飾り枠90410の第1保持部90421の前面に近接または当接するので、閉鎖位置にあるときには第2保持体として機能するが、開放位置にあるときには第2保持体としては機能しない。
また、パチンコ遊技機901においては、図50に示すように、遊技領域9010におけるセンター飾り枠9052の右側の第2経路K2に通過ゲート9041や一般入賞口90401C及び図示しない複数の障害釘が設けられており、レール飾り枠90410の第1保持部90421で保持された弾性部材90600に衝突した遊技球がその衝突により軌道を変えながら第2経路K2を流下すると、通過ゲート9041を通過し、あるいは一般入賞口90401Cへ進入することがある。前述したように、遊技球が通過ゲート9041を通過すると普通図柄の変動表示が開始され、普通可変入賞球装置906Bが開放状態となり第2始動入賞口へ遊技球が入賞すれば、第2特別図柄の変動表示が開始されて大当り遊技状態に制御される可能性がある。また、遊技球が一般入賞口90401Cへ入賞すれば所定数の賞球が得られる。
すなわち、弾性部材90600に衝突した遊技球が第2経路K2を流下することで、遊技者にとって有利な価値(例えば、大当り遊技状態や賞球)が付与される可能性がある。ここで、遊技球が第2経路K2を流下する経路は、弾性部材90600に衝突したときの跳ね返り量や角度によって変化することがある。このため、その弾性部材90600が、遊技球が遊技者にとって有利な方向へ跳ね返るように形成された不正な弾性部材に交換されたり、弾性部材90600の向きを不正に変更されるなどして跳ね返り量等が変えられると、通過ゲート9041を通過したりあるいは一般入賞口90401Cへ進入したりする遊技球の数が増加して、遊技者にとって有利な価値が付与される可能性が高くなるおそれがある。
そこで、弾性部材90600を保持する第1保持体であるレール飾り枠90410の複数個所がネジN1で螺着固定されていることで、弾性部材90600を盤面板90200から取外すには複数のネジN1を取外す必要が生じる。また、そのレール飾り枠90410を保持する第2保持体である盤押え金具90162aのレール押え片90174や第2外レール90503の係合部530を備えることで、レール飾り枠90410を盤面板90200から取外すには、盤押え金具90162aによる係止状態を解除したり、第2外レール90503を盤面板90200から取外したりする必要が生じる。よって、このようにレール飾り枠90410の取外しを困難にして、弾性部材90600の交換を困難なものとすることで、弾性部材90600に対する不正行為を抑制することができる。
また、図65(A)、(B)に示すように、パチンコ遊技機901を正面視したときに、第1外レール90502の左側端部LTは、開放されたガラス扉枠9050の内側面を含む仮想延長面GTよりも左側に位置している。これにより、遊技機用枠903に遊技盤902が組付けられた状態において、第1外レール90502が取付けられたレール飾り枠90410を取外そうとする場合には、ガラス扉枠9050を大きく開放しなければならず、また、大きく開放したとしても第1外レール90502を前側に取外そうとしたときに該第1外レールの左部がガラス扉枠9050に当接するおそれがあることから、レール飾り枠90410の取外しが困難になる。これにより、弾性部材90600の交換を困難なものとすることができるので、該弾性部材90600に対する不正行為をより好適に抑制することができる。
さらに、レール飾り枠90410は、複数のネジN1を用いて遊技盤902に螺着固定されるが、ネジN1が挿通されるネジ孔がレール飾り枠90410の全体に亘って複数箇所に穿設されている。例えば、図65に示すように、レール飾り枠90410は、遊技領域9010の左下側から左上側さらには右上側にまで位置しているが、これら左下側、左上側、右上側のそれぞれと、遊技領域9010の上側や左側にもネジ孔が穿設されており、複数のネジN1を用いて遊技盤902に螺着固定されている。このため、レール飾り枠90410を取外し弾性部材90600を交換して遊技球の跳ね返り量や角度を変更する不正行為を行う場合、それら複数のネジN1をすべて取外す手間がかかるようになり、不正行為を行う意欲が減衰することから該不正行為の発生を抑制できる。
このようなパチンコ遊技機901においては、遊技領域に打ち出された遊技媒体が衝突するゴム材等からなる被衝突体を備えるもの等がある。このような被衝突体は、遊技媒体が衝突したときに衝撃を吸収して跳ね返すようになっている。
この種の遊技機において、例えば、被衝突体を変位可能な状態で保持する保持体を備え、該保持体をネジにより遊技盤に取付けることで被衝突体を遊技盤の所定位置に保持したもの等があった。しかし、このような遊技機にあっては、保持体がネジにより遊技盤に取付けられていることで、被衝突体に遊技媒体が衝突する衝撃が保持体に伝播して該保持体を遊技盤に取付けるネジが緩むなどして保持体の位置ずれが生じると、被衝突体に衝突した遊技媒体の跳ね返り角度等が不安定になり、遊技媒体の入賞率等の遊技性に影響が及ぶおそれがあるといった問題があった。
そこで、被衝突体の位置ずれにより遊技性が損なわれることを抑制できるようにするために、パチンコ遊技機901にあっては、遊技媒体が衝突する被衝突体である弾性部材90600と、遊技盤902に取付けられ、弾性部材90600を遊技盤902の所定位置に保持するレール飾り枠90410であるレール飾り枠90410と、遊技盤902に取付けられたレール飾り枠90410を保持する第2保持体である盤押え金具90162aのレール押え片90174、第2外レール90503、ネジN1、ガラス扉枠9050と、を備えている。このようにすることで、弾性部材90600を保持するレール飾り枠90410が遊技盤に取付けられた状態で各第2保持体により保持されることで、レール飾り枠90410の安定性が向上するため、弾性部材90600の位置ずれにより遊技性が損なわれることを抑制できる。
また、この形態例では、レール飾り枠90410は、各第2保持体による保持状態を解除すること、例えば、ガラス扉枠9050を開放し、盤押え金具90162aと第2外レール90503とネジN1とを取外すことをしない限り、遊技盤902から取外すことができないこととしている。このようにすることで、レール飾り枠90410が遊技盤902から容易に取外されることを抑制できる。
また、この形態例では、レール飾り枠90410は、弾性部材90600の保持位置からの位置ずれを規制する規制部であるレール飾り枠90410の第1保持部90421の板状部90425及び突出部90422を有している。このようにすることで、レール飾り枠90410に対し弾性部材90600が位置ずれして遊技性が損なわれることを抑制できるとともに、該弾性部材90600が外しにくくなっているので、該弾性部材90600を不正に交換する行為を抑制できる。
また、この形態例では、規制部は、弾性部材90600を保持した状態において該弾性部材90600が当接する当接面であって、互いに向きが異なる複数の当接面であるレール飾り枠90410の第1保持部90421における板状部90425の内側面(後面)と、第2保持部90423において弾性部材90600に当接する面から構成されている。このようにすることで、被衝突体を向きが異なる複数の当接面で押えることができるので、該被衝突体の位置ずれを好適に抑制できる。特に、図62(A)に示すように、第1外レール90502に沿って移動してきた遊技球Pが被衝突面90601に衝突する場合と、第1外レール90502から若干離れた位置を移動してきた遊技球Pが被衝突面90601に衝突する場合とで、被衝突面90601に衝突する位置が異なり、このような衝突位置のずれにより弾性部材90600が突出部90422を中心として回動することにより生じる位置ずれが防止される。
また、この形態例では、レール飾り枠90410は、弾性部材90600に形成された挿入孔である貫通孔90602に挿入される保持用ピンであるレール飾り枠90410の第1保持部90421の突出部90422を有し、突出部90422は、基部側である突出方向の根本部の外径が先端部側である先端部の外径よりも大きくなっている。このようにすることで、弾性部材90600に生じる衝撃に対する保持用ピンの耐久性を高めることができる。
また、この形態例では、レール飾り枠90410は、弾性部材90600に形成された挿入孔である貫通孔90602に挿入される保持用ピンであるレール飾り枠90410の第1保持部90421の突出部90422を有し、突出部90422の内部には中空部である凹部90426が形成されている。このようにすることで、突出部90422の強度が高まるので、耐久性が向上する。
また、この形態例では、弾性部材90600は、少なくとも遊技球が衝突する衝突部である被衝突面90601がレール飾り枠90410の外側に位置するように該レール飾り枠90410により保持されている。このようにすることで、レール飾り枠90410に遊技球が衝突して該レール飾り枠90410が破損することを抑制できる。
また、この形態例では、遊技球が内レール90501に衝突したときに、非固定部が撓むことにより衝撃が吸収されることで内レール90501の破損を抑制できるとともに、当接部が被当接部に当接することにより非固定部が大きく位置ずれすることが防止されるため、遊技球を安定して案内することができる。また、被衝突体である弾性部材90600を保持するレール飾り枠90410が遊技盤902に取付けられた状態でレール押え片90174、第2外レール90503、ガラス扉枠9050等により保持されることで、レール飾り枠90410の安定性が向上するため、弾性部材90600の位置ずれにより遊技性が損なわれることを抑制できる。
このように、遊技領域9010を形成する内レール90501、第1外レール90502、第2外レール90503といったレール部材及び該レール部材により案内された遊技球が衝突する弾性部材90600は、遊技盤902に対し位置ずれしにくいので遊技球を安定して案内することができる。
以上、形態例の一例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれらに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記形態例では、レール部材として内レール90501を例示し、内レール90501の非固定部90505A〜90505Cに当接部としての突部90507A〜90507Fが形成された形態について説明したが、これに限定されるものではなく、第1外レール90502や第2外レール90503の非固定部にも当接部を設けてもよい。
また、このように第1外レール90502にも非固定部を設けて撓曲変形可能とするとともに、該非固定部に当接部としての突部を形成した場合であっても、図62(C)に示すように、第1外レール90502と弾性部材90600とは所定の隙間を隔てて配置されていることで、遊技球Pの接触などにより第1外レール90502が撓曲変形してもその振動が弾性部材90600に伝達されることがないので、弾性部材90600における遊技球Pの跳ね返り角度や速度等に影響を及ぶことがない。また、第1外レール90502の端部は、遊技盤面90200Aに対してレール飾り枠90410を複数のネジN1で固定することにより取付けられるため、第1外レール90502を撓曲変形可能とした場合であっても遊技盤面90200Aから外れることが防止される。
また、前記形態例では、非固定部90505A〜90505Cと突部90507A〜90507Fとが射出成形により一体的に形成される形態を例示したが、これに限定されるものではなく、非固定部90505A〜90505Cと突部90507A〜90507Fとが着脱可能に別体になっていてもよい。
また、前記形態例では、突部90507C〜90507Eは、凹部90207C〜90207Eの右側に寄せて配置されている形態について例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、突部90507C〜90507Eを凹部90207C〜90207Eの中央に配置してもよい。つまり、凹部90207A〜90207Fに対する突部90507A〜90507Fの位置等は、遊技球が衝突する方向や強さ等に合わせて自由に設定してよい。なお、突部90507A〜90507Fの大きさ(直径)や内レール90501に対する位置、または突部90507A〜90507Fの側端面と凹部90207A〜90207Fの内周面との間に形成される空隙の大きさ等も自由に設定してよい。
また、前記形態例では、突部90507A〜90507Fの側端面と凹部90207A〜90207Fの内周面との間に中空の空隙Sが形成されていたが、これに限定されるものではなく、空隙Sに緩衝材などを充填して突部90507A〜90507Fにかかる負荷を減らすとともに、突部90507A〜90507Fの側端面と凹部90207A〜90207Fの内周面との摺接による粉塵を減らしてもよい。
また、前記形態例では、内レール90501の非固定部90505A〜90505Cに突部90507A〜90507Fが形成され、盤面板90200に凹部90207A〜90207Fが形成された形態について説明したが、これに限定されるものではなく、非固定部90505A〜90505Cに凹部を設け、盤面板90200に突部を設けてもよい。また、凹部は、有底のスリットや貫通孔等であっても構わない。
また、前記形態例では、突部90507A〜90507Fは、強度を持たせるために平面視略十字形状を成していたが、これに限定されるものではなく、円柱状や断面矩形の柱状、球形状等であっても構わない。
また、前記形態例では、突部90507A〜90507Fを当接部とし、凹部90207A〜90207Fを被当接部とする形態と、内レール90501の立壁部90513を当接部とし、第3誘導部材ユニット90302を被当接部とする形態と、を例示したが、これに限定されるものではなく、いずれか一方のみの形態を備えていればよい。また、構造物として、第3誘導部材ユニット90302を例示したが、構造物は内レール90501の近傍に設けられる釘や一般入賞口を構成する部材等であってもよい。
また、前記形態例では、内レール90501の係止爪90501aの正面側から、ラベル貼付部90520を有する第2外レール90503の係止溝90503aを係止させることで、レール部材である内レール90501を取外さなくても第2外レール90503を盤面板90200から取外すことができる形態について例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、ラベル貼付部90520を有する第2外レール90503の係止溝90503aの正面側から内レール90501の係止爪90501aを係止させることで、レール部材である内レール90501を取外さなければ第2外レール90503を盤面板90200から取外すことができないようにしてもよい。つまり、第3誘導部材ユニット90302などの第1構造物については、内レール90501を取外さなくても盤面板90200から容易に取外して交換することができるようにする一方で、不正の対象となるラベルが貼付されるラベル貼付部90520を有する第2外レール90503など取外しを困難化したい第2構造物については、レール部材を利用して盤面板90200から取外すことを困難化することで、不正なラベルが貼付された第2外レールに交換されてしまうことを抑制できる。
なお、前記形態例では、盤面板90200がアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材により形成される形態を例示したが、これに限定されるものではなく、盤面板はベニヤ等の木材により形成されてもよい。盤面板がベニヤ製の場合であっても、凸部90510が遊技盤面に当接するので、遊技盤面と内レール90501との摩擦により盤面板から木屑等が発生することを抑制できる。
また、前記形態例では、内レール90501の長手方向両端近傍に固定部90504T,90504Uが設けられ、固定部90504T,90504U間に非固定部90505Aが設けられ、固定部90504T,90504Uよりも外側に非固定部90505B,90505Cが設けられた形態について例示したが、これに限定されるものではなく、固定部以外の部位が非固定部となっており、且つ非固定部の可撓性が固定部よりも高ければ、固定部及び非固定部の場所や数は自由に設定してもよい。なお、固定部も可撓性を有していてもよい。
また、前記形態例では、構造物に当接する当接部として内レール90501の立壁部90513を例示したが、これに限定されるものではなく、フランジ部等の内レールにおける他の部位でもよい。
また、前記形態例では、被衝突体の一例として、ゴム材からなる弾性部材90600を適用した形態を例示したが、これに限定されるものではなく、被衝突体は弾性体に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂材にて構成されていてもよい。
また、前記形態例では、弾性部材90600を遊技盤902の所定位置に保持する第1保持体として、レール飾り枠90410を適用した形態を例示したが、これに限定されるものではなく、第2外レール90503や内レール90501等の他のレール部材であってもよい。また、レール部材だけでなく、例えば、弾性部材90600を保持するためだけに設けられた部材であってもよい。さらに、センター飾り枠9052、第1誘導部材ユニット90300、第2誘導部材ユニット90301、第3誘導部材ユニット90302など遊技球が頻繁に衝突し得る部材であればよい。なお、センター飾り枠9052とする場合、例えば、弾性部材90600を左上部(いわゆるぶっこみ位置)に設け、遊技領域9010に進入した遊技球が衝突し得るように設けることが考えられる。
また、前記形態例では、遊技盤902に取付けられたレール飾り枠90410を保持する第2保持体として、盤押え金具90162aや第2外レール90503を適用した形態を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、他のレール部材を適用してもよいし、センター飾り枠9052や第1誘導部材ユニット90300、第2誘導部材ユニット90301、第3誘導部材ユニット90302といった遊技球の誘導部材等を適用してもよい。
また、前記形態例では、遊技盤902に取付けられたレール飾り枠90410を保持する第2保持体としての盤押え金具90162aや第2外レール90503は、レール飾り枠90410を前方から遊技盤面90200A側へ向けて押えるように保持する部材であったが、これに限定されるものではなく、レール飾り枠90410の側面における複数個所を側方から支持するように保持する部材であってもよい。
また、前記形態例では、遊技盤902に取付けられたレール飾り枠90410を保持する第2保持体としての盤押え金具90162aや第2外レール90503は、レール飾り枠90410に当接して保持する部材とされていたが、これに限定されるものではなく、レール飾り枠90410に近接して配置され、所定以上の位置ずれが生じないように保持する部材であってもよい。
また、前記形態例では、レール飾り枠90410を遊技盤902に取付けるためのネジN1は、盤押え金具90162aや第2外レール90503による保持状態を解除しなくても取外すことができる形態を例示したが、これに限定されるものではなく、盤押え金具90162aや第2外レール90503による保持状態を解除しなければ取外すことができないように設けられていてもよい。
また、前記形態例では、盤押え金具90162aや第2外レール90503による保持状態を解除しなければレール飾り枠90410を遊技盤902から取外すことができない形態を例示したが、これに限定されるものではなく、盤押え金具90162aや第2外レール90503による保持状態を解除しなくても、ネジN1さえ取外せばレール飾り枠90410を遊技盤902から取外すことができるようにしてもよい。
また、前記形態例では、レール飾り枠90410を盤面板90200に螺着固定するための複数のネジN1は同一種類のものであったが、これに限定されるものではなく、異なる種類のもの、例えばプラスのネジとマイナスのネジを併用するようにしてもよい。これにより、これら複数のネジN1を取外すために複数の工具が必要となり手間がかかることから、弾性部材90600を交換しようとする不正行為を抑制できる。
また、前記形態例では、レール飾り枠90410とセンター飾り枠9052とを別の部材で成型する構成としたが、これに限定されるものではなく、図66の変形例1に示すように、飾り枠90800として一体で成型してもよい。すなわち、遊技球の移動する通路90810において遊技盤902に沿って設けられた板状の側面部90811を介して、センター飾り枠9052とレール飾り枠90410が繋がった形状としてもよい。このような形状を有する飾り枠90800を設けることにより、部品を大型化して弾性部材90600の位置がずれるのを防止するとともに、飾り枠90800においてレール飾り枠90410に相当する部分90410’とセンター飾り枠9052に相当する部分9052’との間にて遊技球が通過する通路90810の形状を安定させることができ、レール飾り枠90410に相当する部分90410’と通路90810との位置関係がずれることで遊技性が損なわれることを抑制できる。
また、飾り枠90800においては、通路90810の側面部90811からレール飾り枠90410に相当する部分90410’につながる部分において弾性部材90600に対向する面に突部90812を形成し、該突部90812を弾性部材90600に穿設された凹部90608に圧入することで該弾性部材90600を取付けるようにしてもよい。このように弾性部材90600の凹部90608に突部90812を圧入することで、該弾性部材90600の位置ずれを防止できる。
また、前記形態例では、弾性部材90600の形状を略直方体状としたが、略直方体状に限るものではなく、例えば、立方体形状など、線対称や点対称の形状に形成してもよい。例えば、図67の変形例2に示すように、立方体状に形成された弾性部材90600は、貫通孔90602が穿設されていない4つの面をそれぞれ被衝突面90601とし、1の被衝突面90601が摩耗したときに該弾性部材90600の向きを変えて他の被衝突面90601を遊技球が衝突する面とすることとしてもよい。これにより、弾性部材90600の一部に不正行為がなされたとしても、該弾性部材90600の向きを変えることで、その不正行為による効果が生じないようにすることができる。また、1つの弾性部材90600を長期間使用できる。
また、弾性部材90600において貫通孔90602に対し直交する面(例えば、上面)において、貫通孔90602に対し平行な複数の被衝突面90601のいずれかに対応する個所に所定のマーク部90610を設けることが好ましい。このようにすることで、該マーク部90610に対応する被衝突面90601を基準として使用すれば、いずれの被衝突面90601を使用したか分かりやすくなる。また、レール飾り枠90410に対するマーク部90610の配置位置を決定しておけば、レール飾り枠90410に対するマーク部90610の配置位置が変わったときに不正行為が行われた可能性があることを特定しやすくなる。
なお、マーク部90610は、着色したり凹設したりするなどして設けてもよいし、あるいは、弾性部材90600を金型成型にて製造する場合、エジェクタピンにより押出すことで型抜きする際に形成されるエジェクタピン跡等を利用して用いてもよい。
また、図68の変形例3に示すように、レール飾り枠90410の第2保持部90423には、弾性部材90600の背面90606(弾性部材90600において第1保持部90421に対向する面とは反対側の面)に係合する係合突部90428を形成してもよい。これにより、弾性部材90600の位置ずれを防止できる。
また、図68に示すように、弾性部材90600の背面90606に、該背面90606から突設されて遊技盤902に当接する当接部90607を形成してもよい。これにより、弾性部材90600の位置ずれを防止できる。
また、前記形態例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機901を例示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、いわゆる、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。なお、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記形態例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記形態例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。