まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、該遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠とも言う)とから構成されている。遊技盤2には、後述する案内レール500によって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1及び図4に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面200Aに障害釘(図示略)や案内レール500等が設けられた盤面板200と、該盤面板200の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材250と、から主に構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、盤面板200に形成された第1孔部201を通して視認できるようになっており、該第1孔部201には、枠状のセンター飾り枠51が設けられている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2個所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示すソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口16が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9、プッシュセンサ35Bといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。また、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
次に、遊技盤2について、図3及び図4に基づいて説明する。図3は、遊技盤を示す正面図である。図4は、遊技盤の構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。
図3及び図4に示すように、遊技盤2は、盤面板200と、該盤面板200の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材250と、から主に構成されている。盤面板200の厚さは約10mm程度であり、全体が透明に形成されている。また、盤面板200は、その前面側に該盤面板200と略平行に配置されるガラス窓50aとの間に遊技領域10を形成する。
尚、本実施例では盤面板200全体が透明に形成されているが、当該盤面板200の前面側からその背面側に配設される装飾体(図示略)等を透視可能な透光性部材にて形成されていれば、半透明であってもよいし、着色されていてもよい。また、全体が透光性を有していなくても、少なくとも遊技領域10の一部に透光部が形成されていてもよい。
スペーサ部材250は、非透光性部材により正面視略四角枠状に形成され、盤面板200の背面周縁部が配置される取付部250Aを有し、該取付部250Aの前面部には、盤面板200の位置を決定するための位置決め用ボスが複数突設されているとともに、取付ネジが螺入されるネジ孔を有する取付用ボスが複数突設されている。尚、スペーサ部材250における取付部250Aの板厚は約10mm程度とされているため、スペーサ部材250と盤面板200とで板厚が約20mmの遊技盤2が形成されるようになっている。
盤面板200には、背面側に配設される演出表示装置5の表示画面を前面側に臨ませるとともに、センター飾り枠51が取付けられる第1孔部201と、特別可変入賞球装置7、普通可変入賞球装置6B及び誘導通路を有する第1誘導部材ユニット300が取付けられる第2孔部202と、普通入賞球装置6Aが取付けられる第3孔部203と、アウト口16を形成する第4孔部204と、通過ゲート41が取付けられる第5孔部205と、一般入賞口形成部材12A〜12Cが取付けられる第6孔部206A〜206Cと、が前後方向に貫通して形成されている(図8参照)。
また、盤面板200の前面である遊技盤面200Aにおける第1誘導部材ユニット300の右斜め上方位置には遊技球を誘導する第2誘導部材ユニット301が取付けられ、一般入賞口形成部材12Aの左方位置には、遊技球を誘導する第3誘導部材ユニット302が取付けられている。
また、遊技盤面200Aには、遊技領域10の周囲に設けられる案内レール500が取付けられている。この案内レール500は、遊技領域10の外縁を形成する外レールと、外レールの内側に取付けられる内レール501(レール部材)と、を備えている。詳しくは、外レールは、遊技領域10の左下から右上にかけて湾曲しながら延びる第1外レール502と、第1外レール502における右端(前記発射口と反対側の端部)から下方側に所定長さ延び、そこからアウト口16に向けて所定長さ延びる第2外レール503と、からなる。第1外レール502は、該第1外レール502の外側に配設されるレール飾り枠400の背面に嵌め込まれた状態で該レール飾り枠400を遊技盤面200Aに対してネジN1で固定することにより取付けられる。尚、図4では、説明の便宜上、実際よりもネジN1の数を減らして図示している。
また、第2外レール503は、遊技盤面200Aに対してネジN2により取付けられる。この第2外レール503の下部には、前述した第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普通図柄表示器20、普図保留表示器25Cが設けられている。また、第2外レール503の右側には、製造年月日等が表記された第三者機関発行の図示しないラベル(証紙)が貼付されるラベル貼付部520が形成されている。ラベルが貼られていない遊技機は、ホールに配置することができないため、ラベル貼付部520を有する第2外レール503は、盤面板200から容易に取外すことができないように固定されている。
内レール501は、第2外レール503の左端から右側に湾曲しながら所定長さ上方に円弧状に延びている。この内レール501は、第2外レール503の左端(第2外レール503の下部の左端)に設けられた係止溝503aに係止可能な係止爪501aを備えており、係止溝503aと係止爪501aとの係止により第2外レール503に対して連結される。つまり、内レール501は、盤面板200に強固に固定される第2外レール503とユニット化されるため、盤面板200に安定して取付けることができる。また、内レール501は、後述する固定部504T,504Uにて遊技盤面200Aに対してネジN3により取付けられる。
尚、第1外レール502(レール飾り枠400)、第2外レール503、内レール501がネジN1、ネジN2、ネジN3により盤面板200に固定される形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、溶接や圧入によって固定されてもよい。
内レール501と第1外レール502との間には、発射球通路401が形成され、打球発射装置から打ちこまれた遊技球Pが発射球通路401に案内されて遊技領域10内に流入する。具体的には、遊技盤2の右下方に設けられる図示しない打球発射装置から打ち出された遊技球Pは、第1外レール502に沿って発射球通路401を上方に向けて移動して遊技領域10の左上部へ誘導される。そして、遊技者が打球操作ハンドルを第1操作した場合、遊技領域10に進入した遊技球Pはセンター飾り枠51の左側の第1経路K1を流下し、遊技者が打球操作ハンドルを第1操作よりも発射強度が強くなる第2操作した場合、遊技領域10に進入した遊技球Pはセンター飾り枠51の右側の第2経路K2を流下するようになっている。
尚、内レール501の自由端(上端)には、球戻り防止装置700が設けられている。この球戻り防止装置700は、内レール501の自由端に対し揺動可能に軸支される板状の開閉部701を有し、開閉部701が、図示しない錘部により発射球通路401を閉塞するように付勢されている。また、開閉部701が発射球通路401を閉塞した状態にあっては、前記錘部が内レール501に係止しており、それ以上左回りに回動しないようになっている(図3参照)。これによれば、打球発射装置から打ちこまれた遊技球Pは、前記錘部による付勢に抗して開閉部701を跳ね上げて遊技領域10内に流入するとともに、遊技領域10から発射球通路401内に戻ろうとする遊技球Pは、開閉部701によって発射球通路401内への戻りが防止される。
次に、内レール501の構造について、図5〜図13に基づいて説明する。図5は、(A)は内レールの構造を示す正面図、(B)は同じく背面図である。図6は、内レールの背面側の一部を示す斜視図である。図7は、(A)は図5(B)のA−A断面図、(B)は同じくB−B断面図である。図8は、盤面板の構造を示す正面図である。図9は、(A)は図5(B)の囲み部Aの拡大図、(B)は同じく囲み部Bの拡大図である。図10は、(A)は図8のC−C断面図、(B)は同じくD−D断面図である。図11は、盤面板に内レールを取付けた状態における縦断面図である。図12は、(A)は遊技球が第1経路を流下する態様を示す概略図、(B)は(A)の要部拡大図、(C)は(A)のE−E断面図である。図13は、(A)はファール球が内レールに衝突した状態を示す概略図、(B)は(A)のF−F断面図である。
図5〜図7に示すように、内レール501は、非透光性の合成樹脂等を金型に充填して形成されており(所謂、射出成形)、遊技盤面200Aに沿って設けられるフランジ部512と、フランジ部512の一方の側端縁から立設される立壁部513とを有している。尚、この内レール501は、可撓性を有していれば、鉄板等の金属製であっても構わない。
内レール501を遊技盤面200Aに取付けた状態にあっては、立壁部513が遊技盤面200Aから前方側(遊技者側)に立設した状態となっている(図10参照)。この内レール501は、樹脂製であり、且つ円弧状を成していることから、撓曲変形可能となっている。すなわち、非固定部505Aは可撓性を有している。
図5に示すように、内レール501の長手方向(上下方向)の両端近傍には、ネジN3を挿通させるネジ孔506T,506Uが形成されており、ネジ孔506T,506Uの近傍は、遊技盤面200Aに固定される固定部504T,504Uとなっている。また、内レール501における固定部504T,504U以外の部位、つまり遊技盤面200Aに固定されない部位は、非固定部505A〜505Cとなっている。そのため、内レール501を遊技盤面200Aに取付けた状態にあっては、非固定部505A〜505C、特に、固定部504T,504U間の非固定部505Aが撓曲変形しやすくなっている。すなわち、非固定部505Aは可撓性を有している。
詳しくは、内レール501の長手方向の両端近傍には、固定部504T,504Uが形成されるため、内レール501の長手方向の両端は、立壁部513の立ち上り方向(前後方向)と直交する方向(左右方向)の肉厚が厚く形成されており、剛性が高くなっている。言い換えれば、内レール501の中間部にあたる非固定部505A(第1部位)の肉厚は、その他の部位(第2部位)の肉厚よりも薄く形成されており、内レール501における立壁部513の立ち上り方向と直交する方向に撓曲変形しやすい。対して、内レール501における非固定部505B,505C、固定部504T,504U(第2部位)の肉厚は、非固定部505Aの肉厚よりも厚く形成されており、非固定部505Aに比べ撓曲変形しにくい。尚、非固定部505B,505Cの肉厚は、非固定部505Aに比べ撓曲変形しにくいが、非固定部505Aよりも小さな幅で若干撓曲変形可能となっている。
さらに、固定部504Uと、該固定部504U近傍の非固定部505Aの一部及び非固定部505B(第2部位)は、その一部が肉抜きされたリブ形状となっており、例えば遊技球Pが衝突した際には、リブが変形して衝撃を吸収することができるとともに、内レール501が軽量化される。
また、内レール501には、フランジ部512の背面508側(遊技盤面200A側)に断面視十字形状の突部507A〜507F(当接部)が所定間隔置きに複数(本実施例では6個)設けられている。詳しくは、図6、図7(B)、図9(A)、及び図10(B)に示すように、突部507A〜507Fは、内レール501の背面508よりも前面側に凹んだ段部から背面側に突出するように設けられている。つまり、突部507A〜507Fの周囲には、内レール501の背面508よりも前面側に凹んだ溝部509が形成されている。
この突部507A〜507Fは、遊技盤面200Aに設けられた後述する凹部207A〜207F(被当接部)に挿入されるようになっており、この突部507A〜507Fが凹部207A〜207Fに挿入されることにより、内レール501が遊技盤面200Aに位置決めされる(図8参照)。すなわち、突部507A〜507F及び凹部207A〜207Fは、内レール501を盤面板200へ取付ける際の位置決め用の部位である。また、後述するように突部507A〜507Fは、凹部207A〜207Fよりも小さく形成されており、突部507A〜507Fが凹部207A〜207F内で移動可能となっている。
また、内レール501の背面508の所定箇所には、背面508から背面側に突出する凸部510が複数(本実施例では24個)設けられている。尚、これら凸部510の遊技盤面200Aからの突出長さは約0.1mm〜2mm程度とされている。
また、図6及び図9(B)に示すように、内レール501の背面508における凸部510が近接して配置される箇所には、近接する凸部510間に小穴511が複数形成されている。図9及び図10(B)に示すように、盤面板200に内レール501を取付けた状態にあっては、凸部510が遊技盤面200Aに当接し、内レール501の背面508は、遊技盤面200Aから離間している。尚、凸部510にあっては、説明の便宜上、実際の厚みよりも厚く図示している。
尚、射出成形の一例として、半割の金型片と、一方の金型片に所定箇所に形成される複数の貫通孔を介して一方の金型片の外面側から内面側に向けて進退可能なイジェクトピンと、を用い、半割の金型片の間に樹脂を充填し、樹脂が硬化した後、一方の金型片に樹脂を保持したまま他方の金型片を取外し、その後イジェクトピンにより樹脂を押出して一方の金型片から取外す方法がある。この方法を用いた場合、半割の金型の間に樹脂を充填した際に、貫通孔とイジェクトピンとの間に形成された隙間に入り込んだ部分、もしくはバリにより形成された部分は、内レールの背面から突出する。この突出部分を凸部として利用してもよい。
図8〜図11に示すように、盤面板200の左側には、突部507A〜507Fと対応する位置に凹部207A〜207Fが形成されており、内レール501の固定部504T,504Uを遊技盤面200Aに対して固定した際には、突部507A〜507Fが凹部207A〜207F内に挿入されるようになっている。突部507A〜507Fが凹部207A〜207F内に挿入された際には、突部507A〜507Fが凹部207A〜207F内で移動可能となっている。
詳しくは、図11に示すように、突部507A〜507Fの直径L1は、約4.6mmとなっている(L1=4.6mm)。対して、内レール501の上方側(固定部504T近傍)の突部507A,507Bが挿入される凹部207A,207B、及び内レール501の下方側(固定部504U近傍)の突部507Fが挿入される凹部207Fの直径L2は、約5.3mmとなっている(L2=5.3mm)。さらに、内レール501の中間部(非固定部505A)に設けられた突部507C〜507Eが挿入される凹部207C〜207Eの直径L3は、約5.7mmとなっている(L3=5.7mm)。すなわち、突部507A〜507Fが凹部207A〜207F内に挿入された際には、突部507A〜507Fの側周面と凹部207A〜207Fの内周面との間に空隙Sが形成されるため、突部507A〜507Fが凹部207A〜207F内で移動可能となっているとともに、突部507A〜507Fが凹部207A〜207Fの内周面に当接することにより移動が規制される。
さらに、突部507A,507B,507Fは、固定部504T,504Uの近傍に設けられているため、内レール501の撓曲変形時における移動量が突部507C〜507Eに比べ小さい。よって、凹部207A,207B,207Fの直径L2は、突部507C〜507Eが挿入される凹部207C〜207Eの直径L3に比べて小さく形成されている(L2<L3)。
また、盤面板200に内レール501を取付けた状態にあっては、突部507A,507B,507Fは、凹部207A,207B,207Fの略中央に配置されている。つまり、空隙Sは、突部507A,507B,507Fの周囲に形成され、突部507A,507B,507Fは、凹部207A,207B,207Fの内周面のどこにも接していない。また、突部507C〜507Eは、凹部207C〜207Eの右側に寄せて配置されており、凹部207C〜207Eの左側に比較的大きな空隙Sが形成されている(図10(A)及び図12(B)参照)。これは、後述するように、遊技球Pが発射球通路401側から内レール501に衝突するよりも、第1経路K1側から衝突する頻度が高いことから、突部507C〜507Eの左側への移動量を優先的に確保するためである。
より詳しくは、図12(C)及び図13(B)に示すように、突部507C,507Dは、凹部207C,207Dの右側の内周面に当接している。つまり、突部507C,507Dの側周面の一部が凹部207C,207Dの右側の内周面に当接し、それ以外に空隙Sが形成される。また、前述した第3誘導部材ユニット302の近くに配置される突部507Eは、凹部207Eの右側の内周面から離間寸法L4分離間している。つまり、空隙Sは、突部507Eの周囲に設けられ、凹部207Eの内周面のどこにも接していないが、突部507Eよりも左側に大きく形成されている。また、第3誘導部材ユニット302と内レール501とは、離間寸法L4よりも短い離間寸法L5分離間している(L4>L5)。これは、突部507Eの近傍に対して、後述するファール球P1が発射球通路401側から内レール501に衝突した際の突部507Eの右側への移動量を優先的に確保するためである。尚、図12(C)及び図13(B)では、説明の便宜上、離間寸法L4及び離間寸法L5を実際よりも大きく図示している。
図12(A)に示すように、第1経路K1を流下する遊技球Pは、内レール501に衝突することがある。また、打球発射装置から打ち出された遊技球Pは、基本的に第1外レール502に沿って遊技領域10内に流入するため、発射球通路401側から内レール501に衝突するよりも、第1経路K1側から衝突する頻度が高くなっている。尚、ここでは、内レール501における突部507Cの近傍に遊技球Pが衝突した例のみ説明し、それ以外の箇所(突部507A,507B,507D〜507Fの近傍)に遊技球Pが衝突した態様についての説明を省略する。
前述のように、突部507C〜507Eは、凹部207C〜207Eの右側に寄せて配置されており、凹部207C〜207Eの左側に比較的大きな空隙Sが形成されているため、遊技領域10を流下する遊技球Pが内レール501に衝突した際には、内レール501が第1経路K1側から発射球通路401側(右から左)に押されて非固定部505Aが撓曲変形する。図12(B)に示すように、突部507Cは、凹部207Cの右側の内周面に寄せて挿入されているので、突部507Cが凹部207Cの左側の内周面に向けて空隙S分左側に移動するとともに、突部507Cが凹部207Cの左側の内周面に当接することで左側への移動が規制される。
このように、突部507Cが凹部207Cとの空隙Sにより移動可能となっているため、遊技球Pが第1経路K1から内レール501に衝突したときに、非固定部505Aが撓むことができ、衝撃が吸収されることで内レール501の破損を抑制できるとともに、突部507Cが移動しても凹部207Cに当接することにより非固定部505Aが大きく位置ずれすることが防止されるため、遊技球Pを安定して案内することができる。
また、突部507Cが凹部207C内に挿入されているため、突部507Cの移動範囲が凹部207C内に収まる。従って、非固定部505Aが大きく位置ずれすることが確実に防止される。
尚、ここでは、内レール501における突部507Cの近傍に第1経路K1を流下する遊技球Pが衝突した例についてのみ説明したが、内レール501のいずれの位置にあっても突部507A〜507Fが移動して突部507Cと同様の効果を得ることができる。
また、図13(A)に示すように、遊技者の打球操作ハンドルが弱かった場合には、遊技球Pが遊技領域10に進入せずに、発射球通路401内を逆流することがある(所謂、ファール球P1)。また、ファール球P1が発生した際には、ファール球P1が打球発射装置に戻る前に次の遊技球P2が発射される場合があり、この場合、逆流するファール球P1と発射された遊技球P2が衝突し、はじかれたファール球P1(または発射された遊技球P)が内レール501に衝突する。これにより、内レール501が発射球通路401側から第1経路K1側(左から右)に向けて押されるようになる。尚、ファール球P1は、打球発射装置の発射タイミングにより内レール501における突部507Eの付近で遊技球P2と衝突することが多いことから、ここでは、内レール501における突部507Eの近傍にファール球P1が衝突した態様について説明する。
図12(C)及び図13(B)のように、第3誘導部材ユニット302(第1構造物)の近くに配置される突部507Eは、凹部207Eの右側の内周面から離間寸法L4分離間しているため、突部507Eは、右方向に移動する。また、第3誘導部材ユニット302と内レール501との離間幅は、離間寸法L4よりも短い離間寸法L5となっているため、突部507Eは、凹部207Eの右側の内周面に当接する前に内レール501の立壁部513(当接部)が第3誘導部材ユニット302の外面に当接する。つまり、ファール球P1が非固定部505Aに衝突することで立壁部513が第3誘導部材ユニット302に当接する。これにより、非固定部505Aの大きな位置ずれが防止される。
このように、非固定部505Aが第1経路K1側に撓曲変形した際には、突部507Eよりも強度の高い非固定部505Aの立壁部513が、遊技盤面200Aに取付けられた構造物である第3誘導部材ユニット302に当接するため、非固定部505Aの撓曲変形を安定して規制できる。また、非固定部505Aが第1経路K1側に撓曲変形しないときには、立壁部513が第3誘導部材ユニット302に当接しないので、摩耗による劣化を抑制できる。また、第3誘導部材ユニット302の周辺を流下する遊技球Pが衝突した場合、一旦発射球通路401側に湾曲し、その後弾性変形により復帰した立壁部513が遊技領域10側へ大きく湾曲することが防止される。
また、第3誘導部材ユニット302と内レール501とは、離間しているので、例えば、経年による劣化や新しい遊技盤へのモデルチェンジ等にあたって、盤面板200から内レール501を取外さなくても第3誘導部材ユニット302を容易に交換・変更することができる。
また、前述したように、突部507A,507Bは、凹部207A,207Bの略中央に配置されているので、ファール球P1が内レール501の上部(突部507A,507B近傍)に衝突した際には、非固定部505Bが第1経路K1側に撓曲変形することが可能となっている。
尚、本実施例では、ファール球P1は、一般的に内レール501における突部507Eの付近で遊技球P2と衝突することが多いことから、内レール501における突部507Eの近傍にファール球P1が衝突した形態を例示したが、突部507C,507Dも凹部207C,207Dの右側の内周面から離して配置してもよい。
また、前述のように、本実施例の盤面板200は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材により構成されているため、その特性上、摩擦等により粉塵が生じやすくなっている。図9に示すように、盤面板200に内レール501を取付けた状態にあっては、凸部510が遊技盤面200Aに当接し、内レール501の背面508は、遊技盤面200Aから離間している。
このように、盤面板200に内レール501を取付けた状態にあっては、遊技盤面200Aと内レール501の背面508とが面当接せず、凸部510のみが遊技盤面200Aに部分的に当接しているので、遊技盤面200Aと内レール501との摩擦により盤面板200から生じる粉塵を極力減らすことができるため、遊技盤面200Aの表面が粉塵により汚れることを抑制できる。
また、凸部510と遊技盤面200Aとの当接により生じた粉塵の一部は、凸部510近傍に配設される小穴511内に入り込むため、周囲に飛散しにくくなる。さらに、突部507A〜507Fと凹部207A〜207Fとの当接により生じた粉塵の一部は、突部507A〜507Fの周囲に設けられる溝部509内に入り込むため、周囲に飛散しにくくなる。従って、遊技盤2のメンテナンス作業が容易である。また、前述のように、内レール501は、透光性を有していないため、フランジ部512の背面508に付着する粉塵や小穴511及び溝部509内に入り込んだ粉塵が内レール501を透して前方側から露見しないため、見栄えが向上する。尚、内レール501は、粉塵が前方側から目立ちにくければよいので、例えば、半透光性を有する樹脂や有色の樹脂等から構成されていてもよい。また、透光性部材の表面に、非透光性の樹脂を塗装してもよい。
尚、本実施例では、凸部510における遊技盤面200Aとの当接面(先端面)が平坦に形成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、凸部の当接面に凹状部等を設け、凸部と遊技盤面200Aとの当接により生じた粉塵の一部が該凹状部内に入り込むようにしてもよく、このようにすることで、粉塵の飛散をより抑制できる。
以上説明したように、遊技領域10に遊技球Pを発射することにより遊技を行うパチンコ遊技機1であって、盤面板200と、遊技領域10を囲むように盤面板200に取付けられ、遊技球Pを案内する内レール501と、を備え、内レール501は、盤面板200に固定される固定部504T,504Uと、盤面板200に固定されない部位であって可撓性を有する非固定部505A〜505Cと、を備えてなり、非固定部505A〜505Cは、突部507A〜507Fを有し、盤面板200側には、突部507A〜507Fが当接可能な凹部207A〜207Fが設けられ、内レール501を盤面板200に取付けた状態において、突部507A〜507Fの側端面と凹部207A〜207Fの内周面との間に空隙Sが形成される。
このようにすることで、遊技球Pが内レール501に衝突したときに、突部507A〜507Fが凹部207A〜207F内で移動でき、非固定部505A〜505Cが撓むことにより衝撃が吸収されることで内レール501の破損を抑制できるとともに、突部507A〜507Fの側端面が凹部207A〜207Fの内周面に当接することにより、内レール501を固定部504T,504Uのみで固定した形態に比べ、非固定部505A〜505Cが大きく位置ずれすることが防止されるため、遊技球Pを安定して案内することができる。
また、内レール501は、右側方に遊技領域10、左側方に発射球通路401を形成するレール部材、つまり、一側方からしか遊技球Pが接触しない第1外レール502や第2外レール503とは異なり、両側方から遊技球Pが接触して破損しやすいレール部材であるため、上記のように非固定部505A〜505Cが撓むことにより衝撃が吸収されることで内レール501の破損をより好適に抑制できる。
また、熱等により内レール501の合成樹脂材が劣化して突部507A〜507Fの根元近傍が変形した際においても、突部507A〜507Fの側端面と凹部207A〜207Fの内周面との間に空隙Sが形成されていることで、突部507A〜507Fに負荷が掛からず突部507A〜507Fの破損を防止できる。
また、突部507A〜507Fは、凹部207A〜207Fにより盤面板200の内側に配置されるため、突部507A〜507Fを係止させるための被当接部を盤面板200の外側(遊技盤面200A上)に特段形成する必要がない。つまり、被当接部が遊技球Pの流下に影響を与えることがない。さらに、突部507A〜507Fの側端面と凹部207A〜207Fの内周面との摺接により発生する粉塵が極力遊技盤面200Aに露見しないようにできる。
また、本実施例では、内レール501において最も撓曲変形しやすい非固定部505Aに設けられた突部507C〜507Eが挿入される凹部207C〜207Eは、固定部504T,504U近傍に設けられた突部507A,507B,507Eが挿入される凹部207A,207B,207Eに比べ大径に形成されているとともに、突部507A,507B,507Eは、凹部207A,207B,207Eの右側に寄せて配置されているため、非固定部505Aの発射球通路401側への移動量を大きくとることができる。これにより、内レール501の破損を確実に抑制できる。
また、内レール501を盤面板200に取付けた状態において、突部507A〜507Fの側端面と凹部207A〜207Fの内周面との間に空隙Sが形成されるため、凹部207A〜207Fに対して突部507A〜507Fを挿入し易い。
また、突部507A〜507Fが凹部207A〜207Fに挿入される構造であるため、突部507A〜507Fの側端面が凹部207A〜207Fの内周面に当接することにより、非固定部505Aが大きく位置ずれすることが防止される。つまり、突部507A〜507Fが凹部207A〜207F内に挿入されているため、突部507A〜507Fの移動範囲が凹部207A〜207F内に収まり、非固定部505Aが大きく位置ずれすることが確実に防止される。
また、本実施例では、突部507A〜507Fよりも強度の高い内レール501の立壁部513が第3誘導部材ユニット302に当接可能であるため、遊技領域10内に設けられる構造物である第3誘導部材ユニット302を利用して非固定部505Aの撓曲変形を安定して規制できる。
尚、本実施例では、突部507Eが第3誘導部材ユニット302の近傍に設けられている形態について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3誘導部材ユニット302を利用して非固定部505Aの撓曲変形を規制できるため、第3誘導部材ユニット302の近傍に突部を設けなくてもよい。これによれば、突部を減らす、または無くすことができるので、内レール501の構造を極めて簡素化できる。
また、本実施例では、立壁部513と第3誘導部材ユニット302との間に空隙(離間寸法L5)が形成されるとともに、ファール球P1が非固定部505Aに衝突することで立壁部513が第3誘導部材ユニット302に当接するため、立壁部513が常に第3誘導部材ユニット302に当接しないので、摩耗による劣化を抑制できる。
また、第3誘導部材ユニット302は、内レール501を取外さなくても盤面板200から取外すことができるため、容易に交換することができる。
また、内レール501は、非固定部505Aと該非固定部505Aよりも強度が高い非固定部505B,505C、固定部504T,504Uとを少なくとも有するため、固定部504T,504Uや非固定部505A〜505Cに応じた強度を持たせることができる。従って、非固定部505Aに対して、固定部504T,504Uに近い非固定部505B,505Cよりも可撓性を大きく持たせて、耐衝撃性を向上させることができる。
また、内レール501における突部507A〜507Fの周囲には、溝部509がそれぞれ形成されているため、突部507A〜507Fの側端面と凹部207A〜207Fの内周面との接触によって生じる粉や屑等が溝部509内に入り込み、これにより周囲に飛散しにくくなる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例では、レール部材として内レール501を例示し、内レール501の非固定部505A〜505Cに突部507A〜507Fが形成された形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1外レール502や第2外レール503の非固定部にも当接部を設けてもよい。
また、前記実施例では、非固定部505A〜505Cと突部507A〜507Fとが射出成形により一体的に形成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非固定部505A〜505Cと突部507A〜507Fとが着脱可能に別体になっていてもよい。
また、前記実施例では、突部507C〜507Eは、凹部207C〜207Eの右側に寄せて配置されている形態について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、突部507C〜507Eを凹部207C〜207Eの中央に配置してもよい。つまり、凹部207A〜207Fに対する突部507A〜507Fの位置等は、遊技球が衝突する方向や強さ等に合わせて自由に設定してよい。尚、突部507A〜507Fの大きさ(直径)や内レール501に対する位置、または突部507A〜507Fの側端面と凹部207A〜207Fの内周面との間に形成される空隙の大きさ等も自由に設定してよい。
また、前記実施例では、突部507A〜507Fの側端面と凹部207A〜207Fの内周面との間に中空の空隙Sが形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、空隙Sに緩衝材などを充填して突部507A〜507Fにかかる負荷を減らすとともに、突部507A〜507Fの側端面と凹部207A〜207Fの内周面との摺接による粉塵を減らしてもよい。
また、前記実施例では、内レール501の非固定部505A〜505Cに突部507A〜507Fが形成され、盤面板200に凹部207A〜207Fが形成された形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非固定部505A〜505Cに凹部を設け、盤面板200に突部を設けてもよい。また、凹部は、有底のスリットや貫通孔等であっても構わない。
また、前記実施例では、突部507A〜507Fは、強度を持たせるために平面視略十字形状を成していたが本発明はこれに限定されるものではなく、円柱状や断面矩形の柱状、球形状等であっても構わない。
また、前記実施例では、突部507A〜507Fを当接部とし、凹部207A〜207Fを被当接部とする形態と、内レール501の立壁部513を当接部とし、第3誘導部材ユニット302を被当接部とする形態と、を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれか一方のみの形態を備えていればよい。また、構造物として、第3誘導部材ユニット302を例示したが、構造物は内レール501の近傍に設けられる釘や一般入賞口を構成する部材等であってもよい。
また、前記実施例では、内レール501の係止爪501aの正面側から、ラベル貼付部520を有する第2外レール503の係止溝503aを係止させることで、レール部材である内レール501を取外さなくても第2外レール503を盤面板200から取外すことができる形態について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラベル貼付部520を有する第2外レール503の係止溝503aの正面側から内レール501の係止爪501aを係止させることで、レール部材である内レール501を取外さなければ第2外レール503を盤面板200から取外すことができないようにしてもよい。つまり、第3誘導部材ユニット302などの第1構造物については、内レール501を取外さなくても盤面板200から容易に取外して交換することができるようにする一方で、不正の対象となるラベルが貼付されるラベル貼付部520を有する第2外レール503など取外しを困難化したい第2構造物については、レール部材を利用して盤面板200から取外すことを困難化することで、不正なラベルが貼付された第2外レールに交換されてしまうことを抑制できる。
尚、前記実施例では、盤面板200がアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材により形成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、盤面板はベニヤ等の木材により形成されてもよい。盤面板がベニヤ製の場合であっても、凸部510が遊技盤面に当接するので、遊技盤面と内レール501との摩擦により盤面板から木屑等が発生することを抑制できる。
また、前記実施例では、内レール501の長手方向両端近傍に固定部504T,504Uが設けられ、固定部504T,504U間に非固定部505Aが設けられ、固定部504T,504Uよりも外側に非固定部505B,505Cが設けられた形態について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、固定部以外の部位が非固定部となっており、且つ非固定部の可撓性が固定部よりも高ければ、固定部及び非固定部の場所や数は自由に設定してもよい。尚、固定部も可撓性を有していてもよい。
また、前記実施例では、構造物に当接する当接部として内レール501の立壁部513を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、フランジ部等の内レールにおける他の部位でもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。