JP2018033505A - 撮像装置 - Google Patents

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淳 戸田
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Abstract

【課題】より小型化された筐体で生体認証に用いる複数の身体的特徴を取得することが可能する。【解決手段】少なくとも2つの異なる波長帯に属する光を照射する光源と、前記2つの異なる波長帯に属する光から個別に信号を取得する撮像素子と、を備え、前記2つの異なる波長帯は、皮膚紋理認証に用いられる400〜580nmの第1の波長帯と、静脈認証に用いられる650nm以上の主に近赤外線を含む第2の波長帯とを含む、撮像装置が提供される。【選択図】図1

Description

本開示は、撮像装置に関する。
近年、個人認証に人間の身体的特徴を利用する生体認証技術が普及している。例えば、非特許文献1には、散乱光を用いた指紋認証技術が開示されている。また、近年では、単一の装置で複数の身体的特徴を取得し、当該複数の身体的特徴に基づいて生体認証を行う装置がある。例えば、特許文献1には、指紋データと静脈データを取得し、当該静脈データに基づいて指紋データの位置ずれを補正し、補正後の指紋データを用いて生体認証を行う個人識別装置が開示されている。
特開2008−198083号公報
Ichiro Fujieda and Hiroshi Haga,"Fingerprint input based on scattered‐light detection",APPLIED OPTICS,Vol.36,No.35,1997
しかし、非特許文献1に開示されている技術は、物体表面に存在する凹凸形状を効果的に取得するための技術である。このため、シリコンなどの素材を用いて指先および指紋が偽造された場合、非特許文献1に開示されている技術では、当該偽造を看過する可能性がある。
また、特許文献1に開示されている個人識別装置では、光源から照射される光の透過率パターンを用いて上記の指紋データおよび静脈データを取得している。このため、特許文献1に開示されている個人識別装置では、光源と撮像手段とを指を挟んでそれぞれ反対側に配置することが求められ、装置を小型化することが困難である。
そこで、本開示では、より小型化された筐体で生体認証に用いる複数の身体的特徴を取得することが可能な、新規かつ改良された撮像装置を提案する。
本開示によれば、少なくとも2つの異なる波長帯に属する光を照射する光源と、前記2つの異なる波長帯に属する光から個別に信号を取得する撮像素子と、を備え、前記2つの異なる波長帯は、皮膚紋理認証に用いられる400〜580nmの第1の波長帯と、静脈認証に用いられる650nm以上の主に近赤外線を含む第2の波長帯とを含む、撮像装置が提供される。
以上説明したように本開示によれば、より小型化された筐体で生体認証に用いる複数の身体的特徴を取得することが可能となる。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の第1の実施形態に係る撮像装置を用いた生体認証の概要について説明するための図である。 同実施形態に係る静脈パターンの撮像について説明するための図である。 同実施形態に係る発光部の構成図である。 同実施形態に係る撮像素子の構成図である。 本開示の第2の実施形態に係る発光部の構成図である。 本開示の第3の実施形態に係る撮像素子の構成図である。 本開示の第4の実施形態に係る撮像素子の構成図である。 本開示の第5の実施形態に係る撮像素子の構成図である。 同実施形態に係るBk−OCCFの透過率Tと波長との関係を示す図である。 同実施形態に係る誘電多層膜の透過率Tと波長との関係を示す図である。 本開示の第6の実施形態に係る接写型の撮像装置を説明するための図である。 同実施形態に係る遮光膜を備える遮光基板について説明するための図である。 本開示の第7の実施形態に係るピンホールを備える撮像装置について説明するための図である。 同実施形態に係る単一の結像レンズを備える撮像装置について説明するための図である。 同実施形態に係る複数の結像レンズを備える撮像装置について説明するための図である。 同実施形態に係る第1の光電変換部と第2の光電変換部とにそれぞれ光を集光する2種類の結像レンズについて説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.はじめに
1.1.本開示に係る撮像装置の概要
2.第1の実施形態
2.1.第1の実施形態に係る撮像装置10の構成
2.2.第1の実施形態に係る光源110
2.3.第1の実施形態に係る撮像素子120
3.第2の実施形態
3.1.第2の実施形態に係る光源110
4.第3の実施形態
4.1.第3の実施形態に係る撮像素子120
5.第4の実施形態
5.1.第4の実施形態に係る撮像素子120
6.第5の実施形態
6.1.第5の実施形態に係る撮像素子120
7.第6の実施形態
7.1.第6の実施形態に係る接写型の撮像装置10
8.第7の実施形態
8.1.第7の実施形態に係る結像レンズ型の撮像装置10
9.まとめ
<1.はじめに>
(1.1.本開示に係る撮像装置の概要)
まず、本開示に係る第1の実施形態の概要について説明する。上述したように、近年では、人間の身体的特徴を用いた生体認証により個人を識別する技術が普及している。特に、撮像した指の指紋を記憶される個人データと比較することで個人識別を行う指紋認証は、多くの装置に採用され、広く製品化されている。
しかし、上記のような指紋認証は、撮像した指表面の凹凸パターンを識別に利用することから、上記の凹凸パターンがシリコンなどの素材により偽装された場合、当該偽造を看過する可能性がある。このため、一般的な指紋認証により個人を識別する装置では、十分なセキュリティ性を確保しているとは言い難い。
本開示に係る撮像装置は、上記の点に着目して発想されたものであり、皮膚表面における皮膚紋理パターンと皮膚内部における静脈パターンとを同時または時間差で撮像することを可能とする。
このため、本開示に係る撮像装置は、上記の皮膚紋理パターンおよび静脈パターンの撮像に、2つの異なる波長帯に属する光を用いることを特徴の一つとする。より具体的には、本開示に係る撮像装置は、皮膚紋理認証に用いられる400〜580nmの第1の波長帯に属する光と、静脈認証に用いられる650nm以上の主に近赤外線を含む第2の波長帯に属する光と、を照射する機能を有する。また、本開示に係る撮像装置は、被認証オブジェクトにより反射された上記の2つの異なる波長帯に属する光から個別に信号を取得する機能を有する。
本開示に係る撮像装置が有する上記の機能によれば、皮膚紋理認証と静脈認証との双方を用いた生体認証を行うことが可能となり、指紋の偽造を看過する可能性を排除し、よりセキュアな生体認証を実現することができる。また、被認証オブジェクトからの反射光に基づく撮像を行うことで、撮像装置の筐体をより小型化することが可能となる。以下における実施形態の説明では、本開示に係る撮像装置が有する構造上の特徴、および当該特徴が奏する効果について、具体的に説明する。
<2.第1の実施形態>
(2.1.第1の実施形態に係る撮像装置10の構成)
次に、本開示の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る撮像装置10を用いた生体認証の概要について説明するための図である。図1には、被認証オブジェクトAOと、本実施形態に係る撮像装置10が示されている。なお、図1においては、被認証オブジェクトAOが人間の指である場合の例が示されている。すなわち、図1に示す一例は、本実施形態に係る撮像装置10が指表面の指紋パターンと指先の静脈パターンとを撮像する場合を示している。
一方、本実施形態に係る被認証オブジェクトAOは、図1に示す例に限定されない。本実施形態に係る被認証オブジェクトは、例えば、掌であってもよい。被認証オブジェクトが掌である場合、本実施形態に係る撮像装置10は、掌表面の掌紋パターンと掌の静脈パターンとを撮像することが可能である。このように、本実施形態に係る皮膚紋理パターンは、指紋や掌紋など、皮膚表面における種々の紋様を含んでよい。
図1を参照すると、本実施形態に係る撮像装置10は、光源110と撮像素子120とを備える。また、本実施形態に係る光源110は、発光部111を備える。ここで、発光部111は、上記の第1の波長帯に属する光と第2の波長帯に属する光とを照射する機能を有する。図1では、発光部111が第1の波長帯に属する光r1と、第2の波長帯に属する光r2と、を照射する様子が示されている。
ここで、第1の波長帯に属する光r1は、皮膚紋理認証に用いられる400〜580nmの光であってよい。例えば、非特許文献1に記載されるように、一般的に、皮膚表面の散乱係数やメラニン色素のモル吸光係数は、光の波長に依存することが知られている。具体的には、上記の散乱係数やモル吸光係数は、波長が長くなるほど特性が小さくなる傾向がある。このため、長波長の光ほど散乱や吸収の影響が小さくなり、皮膚内部まで光が進入することとなる。すなわち、長波長の光を皮膚紋理の撮像に用いる場合、皮膚内部まで進入した光が皮膚内部の組織により反射されるため、撮影時のバックグラウンド光となってしまい、解像度劣化の要因となり得る。このため、皮膚紋理の撮像には、短波長の光が有効である。
以上のことから、本実施形態では、400〜580nmの主に青〜緑の可視光を撮像に用いることで、より解像度の高い皮膚紋理パターンを得ることが可能である。なお、解像度の観点からは、紫外線を用いることも可能であるが、紫外線を用いる場合、皮膚へのダメージが懸念される。このため、本実施形態では、主に青〜緑の可視光を採用することで、皮膚への影響を低減することが可能である。
また、第2の波長帯に属する光r2は、静脈認証に用いられる650nm以上の主に近赤外線を含む光であってよい。一般に、静脈は、皮膚表面から〜2mmの深さに存在する血管である。このため、短波長の光では、上述した拡散や吸収の影響により皮膚内部まで進入することが困難である。そこで、本実施形態では、650nm以上の主に近赤外線を含む光を用いることで、静脈パターンの撮像を可能とする。
図2は、本実施形態に係る静脈パターンの撮像について説明するための図である。図2には、被認証オブジェクトAOの内部構造を示す概念図と本実施形態に係る光源110とが示されている。図2に示すように、光源110から照射される第2の波長帯に属する光
r2は、被認証オブジェクトAOの内部に進入し、静脈Vにより反射される。
再び、図1に戻って説明を続ける。以上説明したように、本実施形態に係る発光部111は、皮膚紋理パターンの撮像に有効な第1の波長帯に属する光r1と、静脈パターンの撮像に有効な第2の波長帯に属する光r2と、を照射することができる。また、図1に示すように、第1の波長帯に属する光r1は被認証オブジェクトAOの皮膚表面で反射され、第2の波長帯に属する光r2は被認証オブジェクトAOの皮膚内部で反射される。
なお、図1に示す一例では、発光部111から照射される第1の波長帯に属する光r1、および第2の波長帯に属する光r2が直線の矢印で示されており、被認証オブジェクトAOにより反射されるそれぞれの光線が点線の矢印で示されている。以下同様に、本開示の図面における直線の矢印は、発光部111から照射される第1の波長帯に属する光r1、または第2の波長帯に属する光r2を示し、点線の矢印は被認証オブジェクトAOからの反射光を示すものとして説明する。
続いて、本実施形態に係る撮像素子120の概要について説明する。本実施形態に係る撮像素子120は、2つの異なる波長帯に属する光から個別に信号を取得する機能を有する。すなわち、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の波長帯に属する光r1と、第2の波長帯に属する光r2とから、別々に信号を取得することが可能である。このように、本実施系形態に係る発光部111が2つの異なる波長帯に属する光を照射し、また、撮像素子120が、上記の2つの異なる波長帯に属する光から個別に信号を取得することで、皮膚紋理パターンと静脈パターンとを同時に撮像することが可能となる。
また、本実施形態に係る撮像素子は、発光部111から照射され、被認証オブジェクトAOにより反射される光から信号を取得することを特徴の一つとする。すなわち、本実施形態に係る光源110と撮像素子120とは、被認証オブジェクトAOに対し同一側に配置されてよい。
上述したように、特許文献1に開示されている個人識別装置では、光源から照射される光の透過率パターンを用いて認証を行うため、光源と撮像手段とを被認証オブジェクトを挟んでそれぞれ反対側に配置することが求められる。一方、本実施形態に係る撮像素子120は被認証オブジェクトAOからの反射光に基づく撮像を行うため、光源110と撮像素子120とを被認証オブジェクトAOに対し同一側に配置することができ、撮像装置10の筐体をより小型化することが可能である。このため、本実施形態に係る撮像装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット、PC(Personal Computer)などの情報処理端末に適用することも可能である。
以上、本実施形態に係る撮像装置10の構成例について説明した。上記の説明では、撮像装置10が光源110および撮像素子120を備える場合を例に説明したが、本実施形態に係る撮像装置10の構成は係る例に限定されない。本実施形態に係る撮像素子は、図1に示す以外の構成をさらに備えてもよい。本実施形態に係る撮像素子は、例えば、個人ごとの皮膚紋理パターンおよび静脈パターンを記憶する記憶部や、撮像画像と記憶データとを比較することで個人認証を行う認証部などをさらに備えてもよい。本実施形態に係る撮像装置10の構成は、仕様や運用などにより柔軟に変更され得る。
(2.2.第1の実施形態に係る光源110)
次に、本開示の第1の実施形態に係る光源110について詳細に説明する。上述したように、本実施形態に係る光源110は、皮膚紋理パターンの撮像に有効な第1の波長帯に属する光r1と、静脈パターンの撮像に有効な第2の波長帯に属する光r2と、を照射する機能を有する。以下、上記の機能を実現するための光源110の構成について詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る発光部111の構成図である。本実施形態に係る光源110は、図3に示すような発光部111を少なくとも1つ以上備えてよい。
図3を参照すると、本実施形態に係る発光部111は、基板112、発光素子113、電極114、および透明材料115を備える。また、透明材料115の内部には、複数の発光体116が封入される。
ここで、基板112は、発光素子113、電極114、および透明材料115を配置するための土台としての機能を有する。
また、発光素子113は、400〜580nmの第1の波長帯に属する光r1を照射するLED(Light Emitting Diode)またはEL(Electro−Luminescence)などにより実現され得る。本実施形態に係る発光素子113には、例えば、GaInN系、ZnMgCdSe系、またはZnInO系などの材料が用いられてもよい。
また、電極114は、発光素子113を発光させるための電力を供給する機能を有する。電極114は、アノードやカソードなどにより構成されてよい。
また、透明材料115は、発光体116を封入するための構成である。本実施形態に係る透明材料115には、例えば、透明樹脂やガラスなどの素材が用いられてよい。
また、発光体116は、発光素子113から発せられる光により励起され、650nm以上の主に近赤外線を含む第2の波長帯に属する光r2を発光する特性を有する。本実施形態に係る発光体116は、上記の特性を有する近赤外線蛍光体、燐光材料、または量子ドットなどにより実現され得る。本実施形態に係る発光体116には、例えば、希土類イオンYb3+、Tm3+、Nd3+などを発光中心に備えるZnSなどの蛍光体が用いられてもよい。また、本実施形態に係る発光体116には、例えば、GaAs、InGaAsなどの量子ドットを用いることも可能である。
以上、本実施形態に係る発光部111の構成について説明した。上述したように、本実施形態に係る発光部111は、400〜580nmの第1の波長帯に属する光r1を照射する発光素子113を備える。また、本実施形態に係る発光部111は、発光素子113から発せられる光により励起され、650nm以上の主に近赤外線を含む第2の波長帯に属する光r2を発光する発光体116を備えることを特徴の一つとする。
すなわち、本実施形態に係る光源110は、上記のような発光部111を少なくとも1つ以上備えることで、第1の波長帯に属する光と第2の波長帯に属する光とを同時に照射することが可能である。このため、本実施形態による光源110によれば、撮像素子120が皮膚紋理パターンと静脈パターンとを同時に撮像すること可能となり、よりセキュアな生体認証を実現することができる。
(2.3.第1の実施形態に係る撮像素子120)
次に、本開示の第1の実施形態に係る撮像素子120について詳細に説明する。上述したように、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の波長帯に属する光と第2の波長帯に属する光から、個別に信号を取得する機能を有する。以下、上記の機能を実現するための撮像素子120の構成について詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る撮像素子120の構成図である。
図4を参照すると、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の光電変換部121、第2の光電変換部122、カラーフィルタ123、誘電多層膜124、およびVG(Vertical Gate)125を備える。
ここで、第1の光電変換部121は、第1の波長帯に属する光r1を電気信号に変換する機能を有する。本実施形態に係る第1の光電変換部121は、例えば、400〜580nmの青〜緑色光に感度を持つPD(Photo Diode)により実現され得る。すなわち、本実施形態に係る第1の光電変換部121は、被認証オブジェクトにより反射された第1の波長帯に属する光r1を電気信号に変換することで、皮膚紋理パターンの撮像を可能とする。
また、第2の光電変換部122は、第2の波長帯に属する光r2を電気信号に変換する機能を有する。本実施形態に係る第2の光電変換部122は、例えば、650nm以上の主に近赤外光に感度を持つPD(Photo Diode)により実現され得る。すなわち、本実施形態に係る第2の光電変換部122は、被認証オブジェクトにより反射された第2の波長帯に属する光r2を電気信号に変換することで、静脈パターンの撮像を可能とする。
また、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の光電変換部121の上部にカラーフィルタ123を備えてもよい。本実施形態に係るカラーフィルタ123には、例えば、B−OCCF(On Chip Color Filter)、B〜G−OCCF、またはG−OCCFなどが用いられてよい。本実施形態に係るカラーフィルタ123によれば、400〜580nmの青〜緑色光と、650nm以上の主に近赤外光とのみを透過させることが可能となり、より解像度が高い画像を取得することが可能となる。
また、本実施形態に係る撮像素子120は、誘電多層膜124を備えてもよい。ここで、本実施形態に係る誘電多層膜124は、400〜580nmの青〜緑色光を反射し、650nm以上の主に近赤外光を透過させる特性を有する。また、本実施形態に係る誘電多層膜124は、図4に示すように、第1の光電変換部121と第2の光電変換部122との間に配置される。本実施形態に係る誘電多層膜124が上記のように配置されることで、第1の光電変換部121を透過した第1の波長帯に属する光r1を反射することが可能となり、第1の光電変換部121の感度をより高めることができる。
また、本実施形態に係る撮像素子120は、図4に示すようにVG125を備える。これにより、本実施形態に係る第1の光電変換部121は、VG125で信号を読み出すことができる。また、図4には示していないが、本実施形態に係る撮像素子120は、第2の光電変換部122に対応するVG125をさらに備えてよい。この際、本実施形態に係る第2の光電変換部122は、FD(Floating Diffusion)を介して信号を読み出すことができる。
以上、本実施形態に係る撮像素子120の構成について詳細に説明した。図4に示したように、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の光電変換部121および第2の光電変換部122を備えることを特徴の一つとする。
また、本実施形態に係る第1の光電変換部121および第2の光電変換部122は、図4に示すように、バルク内において、撮像面に対し垂直方向に積載されるよう配置される。また、この際、第2の光電変換部122は、第1の光電変換部よりも下部に配置される。本実施形態に係る撮像素子120によれば、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを撮像面に対し垂直方向に分光することができ、皮膚紋理パターンと静脈パターンとを同時に撮像することが可能となる。
<3.第2の実施形態>
(3.1.第2の実施形態に係る光源110)
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。上記における第1の実施形態の説明では、光源110の備える発光部111が、第1の波長帯に属する光を発光する発光素子113と、当該発光素子から発せられる光により励起され第2の波長帯に属する光を発光する発光体116とを備える場合について述べた。一方、本開示の第2の実施形態に係る光源110は、第1の波長帯に属する光を発光する発光部111aと、第2の波長帯に属する光を発光する発光部111bとを備えてよい。
以下、本実施形態に係る光源110の構成について詳細に説明する。なお、以下における本実施形態の説明では、第1の実施形態との差異について中心に述べ、第1の実施形態と共通する構成および機能については、詳細な説明を省略する。
図5は、本実施形態に係る光源110が備える2つの発光部111aおよび111bの構成を示す図である。ここで、本実施形態に係る発光部111aは、400〜580nmの第1の波長帯に属する光r1を照射する機能を有する。また、本実施形態に係る発光部111aは、650nm以上の主に近赤外線を含む第2の波長帯に属する光r2を照射する機能を有する。
図5を参照すると、本実施形態に係る発光部111aは、基板112a、発光素子113a、電極114a、および透明材料115aを備える。ここで、上記の各構成は、図3を用いて説明した第1の実施形態に係る発光部111が備える各構成と実質的に同一であってよいため、説明を省略する。
また、本実施形態に係る発光部111bは、基板112b、発光素子113b、電極114b、および透明材料115bを備える。同様に、基板112b、電極114b、および透明材料115bは、図3を用いて説明した第1の実施形態に係る発光部111が備える各構成と実質的に同一であってよいため、説明を省略する。
ここで、本実施形態に係る発光素子113bは、650nm以上の第2の波長帯に属する光r2を照射するLEDまたはELなどにより実現され得る。本実施形態に係る発光素子113bには、例えば、GaAs系、またはInGaAs系などの材料が用いられてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る光源110は、第1の波長帯に属する光r1を照射する発光部111aと第2の波長帯に属する光r2を照射する発光部111bとを備えることを特徴の一つとする。このため、本実施形態の光源110によれば、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを同時、または時間差で照射することができる。
特に、本実施形態に係る光源110が第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを時間差で照射する場合、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の実施形態で説明したような分光機能を有していなくてもよい。このため、本実施形態に係る撮像素子120は、カラーフィルタや誘電多層膜を備えない構成を採用し、光の明暗差のみを記録する白黒画像を撮像してもよい。すなわち、本実施形態に係る撮像素子120には、単純な白黒CIS(CMOS Image Sensor)を採用することも可能である。この場合、撮像装置10の製造コストを大幅に低減することができる。
また、光源110が第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを時間差で照射することで、実効的な画素数が増加し撮像画像の解像度が向上される効果も期待される。
<4.第3の実施形態>
(4.1.第3の実施形態に係る撮像素子120)
次に、本開示の第3の実施形態について説明する。上記における第1の実施形態の説明では、撮像素子120が、バルク内において、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを、撮像面に対し垂直方向に分光する場合について述べた。一方、本開示の第3の実施形態に係る撮像素子120は、複数の基板から構成されることを特徴の一つとする。この際、第1の光電変換部121と第2の光電変換部122とは、それぞれ異なる基板上に配置されてよい。
以下、本実施形態に係る撮像素子120の構成について詳細に説明する。なお、以下における本実施形態の説明では、第1の実施形態との差異について中心に述べ、第1の実施形態と共通する構成および機能については、詳細な説明を省略する。
図6は、本実施系形態に係る撮像素子120の構成を示す図である。図6を参照すると、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の光電変換部121、第2の光電変換部122、カラーフィルタ123、および誘電多層膜124を備える。
ここで、本実施形態に係る第1の光電変換部121と第2の光電変換部122とは、それぞれ異なる基板上に配置されてよい。図6に示すように、本実施形態に係る第1の光電変換部121は基板b1上に配置され、第2の光電変換部122は基板b2上に配置される。このように、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の光電変換部121が配置される基板b1と、第2の光電変換部122が配置される基板b2とを貼り合わせることで形成されてよい。
また、この際、図6に示すように、基板b1と基板b2との間には、誘電多層膜124が配置されてよい。上記の位置に誘電多層膜124が配置されることで、第1の光電変換部121を透過した第1の波長帯に属する光r1を反射することができ、第1の光電変換部121の感度を向上させることが可能となる。また、第1の実施形態と同様に、本実施形態に係る誘電多層膜124は、第2の波長帯に属する光r2を透過させる特性を有する。また、図6には示していないが、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の実施形態と同様に、VG125を備えてよい。
以上、本実施形態に係る撮像素子120の構成について説明した。図6を用いて説明したように、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の光電変換部121を配置した基板b1と第2の光電変換部122を配置した基板b2とを撮像面に対し垂直方向に貼り合わせることで形成される。すなわち、本実施形態に係る第1の光電変換部121および第2の光電変換部122は、撮像面に対し垂直方向に積載される、といえる。
本実施形態に係る撮像素子120によれば、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを垂直方向に分光し、皮膚紋理パターンおよび静脈パターンを同時または時間差で撮像することが可能となる。
なお、本実施形態に係る撮像素子120は、第2の実施形態に係る光源110と組み合わせて実現することも可能である。
<5.第4の実施形態>
(5.1.第4の実施形態に係る撮像素子120)
次に、本開示の第4の実施形態について説明する。上記における第1および第3の実施形態の説明では、撮像素子120が、第1の光電変換部121が400〜580nmの青〜緑色光に感度を持つPDにより実現される場合について述べた。一方、本開示の第4の実施形態に係る第1の光電変換部121は、有機光電変換膜により実現されることを特徴の一つとする。
以下、本実施形態に係る撮像素子120の構成について詳細に説明する。なお、以下における本実施形態の説明では、第1および第3の実施形態との差異について中心に述べ、第1および第3の実施形態と共通する構成および機能については、詳細な説明を省略する。
図7は、本実施系形態に係る撮像素子120の構成を示す図である。図7を参照すると、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の光電変換部121、第2の光電変換部122、カラーフィルタ123、透明電極層126、およびプラグ127を備える。
上述したとおり、本実施形態に係る第1の光電変換部121は、400〜580nmの青〜緑色光に感度を持つ有機光電変換膜により実現される。この際、本実施形態に係る第1の光電変換部121には、例えば、400〜580nmの青〜緑色光に感度を持つフラーレンなどの材料が用いられてもよい。
また、本実施形態に係る撮像素子120は、図7に示すように、第1の光電変換部121隣接して配置される透明電極層126とプラグ127とを備える。上記の構成によれば、第1の光電変換部121からの信号を、透明電極層126およびプラグ127を介して読み出すことが可能となる。なお、本実施系地に係る透明電極層126には、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)など素材が用いられてよい。
また、図7には示していないが、本実施形態に係る第1の光電変換部121と第2の光電変換部122との間には、第1および第3の実施形態と同様に、誘電多層膜124が配置されてもよい。また、図7には示していないが、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の実施形態と同様に、VG125を備えてよい。
以上、本実施形態に係る撮像素子120の構成について説明した。図7を用いて説明したように、本実施形態に係る第1の光電変換部121は、有機光電変換膜により実現される。また、本実施形態に係る第1の光電変換部121と第2の光電変換部122は、撮像面に対し垂直方向に積載されるように配置される。
本実施形態に係る撮像素子120によれば、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを垂直方向に分光し、皮膚紋理パターンおよび静脈パターンを同時または時間差で撮像することが可能となる。
なお、本実施形態に係る撮像素子120は、第2の実施形態に係る光源110と組み合わせて実現することも可能である。
<6.第5の実施形態>
(6.1.第5の実施形態に係る撮像素子120)
次に、本開示の第5の実施形態について説明する。上記における第1、第3、および第4の実施形態の説明では、撮像素子120が、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを撮像面に対し垂直方向に分光する場合について述べた。一方、本開示の第5の実施形態に係る撮像素子は、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを撮像面に対し水平方向に分光することを特徴の一つとする。
以下、本実施形態に係る撮像素子120の構成について詳細に説明する。なお、以下における本実施形態の説明では、第1、第3、および第4の実施形態との差異について中心に述べ、第1、第3、および第4の実施形態と共通する構成および機能については、詳細な説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る撮像素子120の構成を示す図である。図8を参照すると、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の光電変換部121と、第2の光電変換部122と、カラーフィルタ123aおよび123bと、誘電多層膜124と、遮光壁128とを備える。
上述したように、本実施形態に係る撮像素子120は、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを撮像面に対し水平方向に分光する。このため、本実施形態に係る第1の光電変換部121と第2の光電変換部122とは、図8に示すように、撮像面に対し水平方向に配置されてよい。
また、本実施形態に係る撮像素子120は、第1、第3、および第4の実施形態とは異なり、2つのカラーフィルタ123aおよび123bを備える。この際、本実施形態に係るカラーフィルタ123aは、第1の光電変換部121の上部に、カラーフィルタ123bは、第2の光電変換部122の上部にそれぞれ配置される。
また、カラーフィルタ123aは、第1、第3、および第4の実施形態と同様に、B−OCCF、B〜G−OCCF、またはG−OCCFにより実現されてよい。一方、本実施形態に係るカラーフィルタ123bは、Bk(Black)−OCCFにより実現され得る。
ここで、本実施形態に係るBk−OCCFは、400〜580nmの青〜緑色光を含む可視光を遮断し、650nm以上の主に近赤外光を透過させる特性を有するOCCFであってよい。図9は、本実施形態に係るBk−OCCFの透過率Tと波長との関係を示す図である。図9を参照すると、本実施形態に係るBk−OCCFは、650nm未満の波長の光をほぼ遮断することがわかる。一方、波長が800nm以上である場合、本実施形態に係るBk−OCCFの透過率Tは0.5を超えており、波長が850nm以上である場合には、透過率Tは概ね0.9以上となることがわかる。
本実施形態に係る撮像素子120では、上記のようなBk−OCCFを用いたカラーフィルタ123bを第2の光電変換部122の上部に配置することで、第2の波長帯に属する光r2を選択的に透過させることが可能となる。
また、本実施形態に係る誘電多層膜124は、カラーフィルタ123aと第1の光電変換部121との間に配置される。この際、本実施形態に係る誘電多層膜124は、第1の波長帯に属する光r1を透過させ、第2の波長帯に属する光r2を反射する透過分光特性を有してよい。本実施形態に係る誘電多層膜124が上記の特性を有することで、カラーフィルタ123aを透過した第2の波長帯に属する光r2を、第1の光電変換部121に達する前に反射させることができる。
本実施形態に係る誘電多層膜124は、例えば、下記の表1に示す構成により実現され得る。
Figure 2018033505
また、図10は、上記の表1の構成を有する誘電多層膜124の透過率Tと波長との関係を示す図である。図10を参照すると、本実施形態に係る誘電多層膜124において、400〜580nmの第1の波長帯に属する光r1の透過率Tは概ね0.8を超えていることがわかる。一方、波長が650nmを超えると透過率Tは急激に減少し、波長が750nm以上の場合には、透過率Tはほぼ0となることがわかる。
このように、本実施形態に係る誘電多層膜124によれば、第2の波長帯に属する光r2を効果的に排除することが可能となる。
また、本実施形態に係る撮像素子120は、図8に示すように、遮光壁128を備えてもよい。本実施系形態に係る遮光壁128が第1の光電変換部121と第2の光電変換部122とを隔てるように配置されることで、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とが混合することを防ぐことができ、撮像画像の解像度を高く保つことが可能となる。
以上、本実施形態に係る撮像素子120の構成について説明した。図8を用いて説明したように、本実施形態に係る第1の光電変換部121と第2の光電変換部122とは、撮像面に対して水平方向に配置されることを特徴の一つとする。
本実施形態に係る撮像素子120によれば、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを水平方向に分光し、皮膚紋理パターンおよび静脈パターンを同時または時間差で撮像することが可能となる。
<7.第6の実施形態>
(7.1.第6の実施形態に係る接写型の撮像装置10)
次に、本開示の第6の実施形態について説明する。本開示の第6の実施形態に係る撮像装置10は、第1〜第5の実施形態において説明した光源110および撮像素子120を備える、接写型の撮像装置であってよい。図11は、本実施形態に係る接写型の撮像装置10を説明するための図である。
図11を参照すると、本実施形態に係る接写型の撮像装置10は、第1〜第5の実施形態で説明した光源110(図示しない)、撮像素子120に加え、透明基板130をさらに備える。
本実施形態に係る透明基板130は、撮像素子120と被認証オブジェクトAOとの間に配置されることを特徴の一つとする。また、本実施形態に係る透明基板130には、例えば、ガラスや透明樹脂などが用いられてもよい。本実施形態に係る接写型の撮像装置10では、図11に示すように、透明基板130の上面に被認証オブジェクトAOを直接置くことで、皮膚紋理パターンおよび静脈パターンを同時または時間差で撮像することが可能である。なお、図11以降においては、光源110が示されていないが、実際には、光源110は、被認証オブジェクトAOに対し、撮像素子120と同一側に配置される。すなわち、光源110は、撮像素子120の水平方向から被認証オブジェクトAOに対し、第1の波長帯に属する光r1および第2の波長帯に属する光r2を照射する。
なお、図11では、撮像素子120の構造が簡易的に示されている。図11に示す一例においては、撮像素子120の内部に複数のPD(Photo Diode)が示されているが、当該複数のPDは、第1、第3〜5の実施形態において説明した第1の光電変換部121または第2の光電変換部122にそれぞれ該当してよい。すなわち、本実施形態に係る撮像素子120の詳細な構成は、第1、第3〜5の実施形態において説明したいずれかの撮像素子120の構成に準拠する。
また、本実施形態に係る接写型の撮像装置10が、第2の実施形態において説明したような2つの発光部111aおよび111bを備える場合においては、本実施形態に係る撮像素子は、カラーフィルタを備えない白黒CISであってもよい。
また、本実施形態に係る接写型の撮像装置10では、透明基板130が遮光膜131を備えてもよい。図12は、本実施形態に係る透明基板130が遮光膜131を備える場合の撮像装置10を説明するための図である。
図12に示すように、本実施形態に係る透明基板130は、複数の遮光膜131を備えており、遮光膜131は、撮像素子120の撮像面に対し垂直方向に配置される。本実施形態に係る透明基板130が図12に示すような遮光膜131を備えることで、周囲から進入する迷光を遮断し、撮像画像の解像度を高く保つ効果が期待される。
<8.第7の実施形態>
(8.1.第7の実施形態に係る結像レンズ型の撮像装置10)
次に、本開示の第7の実施形態について説明する。本開示の第7の実施形態に係る撮像装置10は、第1〜第5の実施形態において説明した光源110および撮像素子120を備える、結像レンズ型の撮像装置であってよい。すなわち、本実施形態に係る結像レンジ型の撮像装置10は、第6の実施形態において説明した接写型の撮像装置10とは異なり、第1の波長帯に属する光r1および第2の波長帯に属する光r2を撮像素子120に集光するための集光手段を備えてよい。本実施形態に係る集光手段は、例えば、ピンホールや結像レンズであってよい。
なお、以下における本実施形態の説明では、第6の実施形態との差異について中心に述べ、第6の実施形態と共通する構成および効果については、詳細な説明を省略する。
図13は、本実施形態に係るピンホールを備える撮像装置10について説明するための図である。図13を参照すると、本実施形態に係るピンホールを備える撮像装置10は、光源110(図示しない)、撮像素子120、および透明基板130を備える。
ここで、本実施形態に係る透明基板130は、図12に示した場合と同様に遮光膜131を備えてよい。一方、本実施形態に係る遮光膜131は、撮像面に対し水平方向にも配置され、当該水平方向に配置される遮光膜131は、少なくとも1つ以上のピンホール132を有することを特徴の一つとする。
また、図13に示すように、本実施形態に係る撮像装置10では、複数のPDに対応するピンホール132が、少なくとも1つ以上形成されてもよい。本実施形態に係るピンホール132が上記のように形成されることで、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを、撮像素子120に効果的に集光することが可能となる。
次に、本実施形態に係る単一の結像レンズを備える撮像装置10について説明する。図14を参照すると、本実施形態に係る単一の結像レンズを備える撮像装置10は、光源110(図示しない)、撮像素子120、透明基板130、および単一の結像レンズ140を備える。
ここで、本実施形態に係る結像レンズ140は、図14に示すように、撮像素子120と透明基板130との間に配置される。このように、撮像装置10が単一の結像レンズ140を備えることで、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを同一の光学条件で撮像素子120に集光することが可能となり、撮像画像の解像度をさらに向上させる効果が期待される。
一方、本実施形態に係る撮像装置10は、複数の結像レンズ140を備えてもよい。図15は、本実施形態に係る複数の結像レンズ140を備える撮像装置10について説明するための図である。
図15を参照すると、本実施形態に係る複数の結像レンズ140を備える撮像装置10は、光源110(図示しない)、撮像素子120、透明基板130、および複数の結像レンズ140を備える。
ここで、複数の結像レンズ140は、図14に示した例と同様に、撮像素子120と透明基板130との間に配置される。また、図15に示すように、本実施形態に係る撮像装置10では、複数のPDに対応する結像レンズ140が、少なくとも1つ以上配置されてもよい。さらに、この際、結像レンズ140の間には、遮光膜131が配置されてもよい。上記のような構成によれば、周囲からの迷光を遮断し、PDの感度や撮像画像の解像度を向上させるとともに、それぞれの結像レンズ140の厚さを抑えることができ、撮像装置10をより低背化することが可能となる。
また、撮像装置10が第5の実施形態において説明した水平方向に分光を行う撮像素子を備える場合、本実施形態に係る撮像装置10は、第1の光電変換部121と第2の光電変換部122とにそれぞれ光を集光する2種類の結像レンズ140aおよび140bを備えてもよい。
図16は、第1の光電変換部121と第2の光電変換部122とにそれぞれ光を集光する2種類の結像レンズ140aおよび140bについて説明するための図である。図16を参照すると、撮像装置10は、第1の光電変換部121に第1の波長帯に属する光r1を集光する第1の結像レンズ140aと、第2の光電変換部122に第2の波長帯に属する光r2を集光する第2の結像レンズ140bと、を備えている。
ここで、第1の結像レンズ140aと第2の結像レンズ140bとは、互いに異なる光学的特徴を有してよい。上記の光学的特徴は、例えば、厚みを含むレンズの形状や素材などにより変化し得る。本実施形態に係る第1の結像レンズ140aと第2の結像レンズ140bとが異なる光学的特徴を有することで、第1の光電変換部121と皮膚紋理との距離、および第2の光電変換部122と静脈との距離の差を吸収し、より鮮明な画像を撮像することが可能となる。
<9.まとめ>
以上説明したように、本開示に係る撮像装置10は、異なる2つの波長帯に属する光を照射する光源110を備える。光源110は、皮膚紋理認証に用いられる400〜580nmの第1の波長帯に属する光r1と、静脈認証に用いられる650nm以上の主に近赤外線を含む第2の波長帯に属する光r2とを照射する機能を有する。また、本開示に係る撮像装置10は、第1の波長帯に属する光r1と第2の波長帯に属する光r2とを分光し、それぞれの光から個別に信号を取得する撮像素子120を備える。係る構成によれば、より小型化された筐体で生体認証に用いる複数の身体的特徴を取得することが可能となる
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
少なくとも2つの異なる波長帯に属する光を照射する光源と、
前記2つの異なる波長帯に属する光から個別に信号を取得する撮像素子と、
を備え、
前記2つの異なる波長帯は、皮膚紋理認証に用いられる400〜580nmの第1の波長帯と、静脈認証に用いられる650nm以上の主に近赤外線を含む第2の波長帯とを含む、
撮像装置。
(2)
前記撮像素子は、前記光源から照射され、被認証オブジェクトにより反射される光から信号を取得する、
前記(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記光源と前記撮像素子とは、被認証オブジェクトに対し同一側に配置される、
前記(1)または(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記光源は、前記第1の波長帯に属する光と前記第2の波長帯に属する光を同時に照射する、
前記(1)〜(3)のいずれかに記載の撮像装置。
(5)
前記光源は、前記第1の波長帯に属する光を発光する発光素子と、
前記発光素子から発せられる光により励起され前記第2の波長帯に属する光を発光する発光体と、
を有する、
前記(1)〜(4)のいずれかに記載の撮像装置。
(6)
前記光源は、前記第1の波長帯に属する光と前記第2の波長帯に属する光とを時間差で照射する、
前記(1)〜(3)のいずれかに記載の撮像装置。
(7)
前記撮像素子は、カラーフィルタもしくは誘電多層膜のいずれか、または双方を備えない、
前記(6)に記載の撮像装置。
(8)
前記撮像素子は、第1の光電変換部と第2の光電変換部とを備え、
前記第1の光電変換部は、前記第1の波長帯に属する光を電気信号に変換し、
前記第2の光電変換部は、前記第2の波長帯に属する光を電気信号に変換する、
前記(1)〜(5)のいずれかに記載の撮像装置。
(9)
前記第1の光電変換部および前記第2の光電変換部は、撮像面に対し垂直方向に積載される、
前記(8)に記載の撮像装置。
(10)
前記第1の光電変換部および前記第2の光電変換部は、撮像面に対し水平方向に配置される、
前記(8)に記載の撮像装置。
(11)
前記第1の光電変換部に光を集光する第1の結像レンズと、
前記第2の光電変換部に光を集光する第2の結像レンズと、
をさらに備え、
前記第1の結像レンズと前記第2の結像レンズは、互いに異なる光学的特徴を有する、
前記(10)に記載の撮像装置。
(12)
前記撮像素子と被認証オブジェクトとの間に配置される透明基板、
をさらに備える、
前記(1)〜(11)のいずれかに記載の撮像装置。
(13)
前記透明基板は、少なくとも1つ以上の遮光膜を備え、
前記遮光膜は、前記撮像素子の撮像面に対し垂直方向に配置される、
前記(12)に記載の撮像装置。
(14)
前記遮光膜は、前記撮像面に対し水平方向に配置され、
前記水平方向に配置される遮光膜は、少なくとも1つ以上のピンホールを有する、
前記(13)に記載の撮像装置。
(15)
前記撮像素子に結像する少なくとも1つ以上の結像レンズ、
をさらに備え、
前記結像レンズは、前記撮像素子と前記透明基板の間に配置される、
前記(12)または(13)に記載の撮像装置。
10 撮像装置
110 光源
111 発光部
113 発光素子
116 発光体
120 撮像素子
121 第1の光電変換部
122 第2の光電変換部
123 カラーフィルタ
124 誘電多層膜
130 透明基板
131 遮光膜
132 ピンホール
140 結像レンズ
140a 第1の結像レンズ
140b 第2の結像レンズ

Claims (15)

  1. 少なくとも2つの異なる波長帯に属する光を照射する光源と、
    前記2つの異なる波長帯に属する光から個別に信号を取得する撮像素子と、
    を備え、
    前記2つの異なる波長帯は、皮膚紋理認証に用いられる400〜580nmの第1の波長帯と、静脈認証に用いられる650nm以上の主に近赤外線を含む第2の波長帯とを含む、
    撮像装置。
  2. 前記撮像素子は、前記光源から照射され、被認証オブジェクトにより反射される光から信号を取得する、
    請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記光源と前記撮像素子とは、被認証オブジェクトに対し同一側に配置される、
    請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記光源は、前記第1の波長帯に属する光と前記第2の波長帯に属する光を同時に照射する、
    請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記光源は、前記第1の波長帯に属する光を発光する発光素子と、
    前記発光素子から発せられる光により励起され前記第2の波長帯に属する光を発光する発光体と、
    を有する、
    請求項1に記載の撮像装置。
  6. 前記光源は、前記第1の波長帯に属する光と前記第2の波長帯に属する光とを時間差で照射する、
    請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記撮像素子は、カラーフィルタもしくは誘電多層膜のいずれか、または双方を備えない、
    請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記撮像素子は、第1の光電変換部と第2の光電変換部とを備え、
    前記第1の光電変換部は、前記第1の波長帯に属する光を電気信号に変換し、
    前記第2の光電変換部は、前記第2の波長帯に属する光を電気信号に変換する、
    請求項1に記載の撮像装置。
  9. 前記第1の光電変換部および前記第2の光電変換部は、撮像面に対し垂直方向に積載される、
    請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記第1の光電変換部および前記第2の光電変換部は、撮像面に対し水平方向に配置される、
    請求項8に記載の撮像装置。
  11. 前記第1の光電変換部に光を集光する第1の結像レンズと、
    前記第2の光電変換部に光を集光する第2の結像レンズと、
    をさらに備え、
    前記第1の結像レンズと前記第2の結像レンズは、互いに異なる光学的特徴を有する、
    請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記撮像素子と被認証オブジェクトとの間に配置される透明基板、
    をさらに備える、
    請求項1に記載の撮像装置。
  13. 前記透明基板は、少なくとも1つ以上の遮光膜を備え、
    前記遮光膜は、前記撮像素子の撮像面に対し垂直方向に配置される、
    請求項12に記載の撮像装置。
  14. 前記遮光膜は、前記撮像面に対し水平方向に配置され、
    前記水平方向に配置される遮光膜は、少なくとも1つ以上のピンホールを有する、
    請求項13に記載の撮像装置。
  15. 前記撮像素子に結像する少なくとも1つ以上の結像レンズ、
    をさらに備え、
    前記結像レンズは、前記撮像素子と前記透明基板の間に配置される、
    請求項12に記載の撮像装置。
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