JP2018032319A - 時間軸伸縮装置、バッチプロセス監視装置、時間軸伸縮システム及びプログラム - Google Patents

時間軸伸縮装置、バッチプロセス監視装置、時間軸伸縮システム及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】時間軸における波形データの伸縮によって、データが欠落するのを少なくすることを目的とする。
【解決手段】バッチ処理のプロセスにおける時間に対する物理量を示す波形データを伸縮する時間軸伸縮装置が、前記波形データのうち、基準となる長さの波形を示す基準データ及び前記波形データのうち、前記基準データの長さに伸縮させる波形を示すテストデータを入力し、前記基準データにおける第1プロセスの第1進行度と、前記テストデータにおける第2プロセスの第2進行度をそれぞれ算出し、前記第1進行度及び前記第2進行度に基づいて、前記基準データと、前記テストデータとを対応付けさせるワーピングパスを生成し、前記ワーピングパスに基づいて、前記テストデータを伸縮することで上記課題を解決する。
【選択図】図14

Description

本発明は、時間軸伸縮装置、バッチプロセス監視装置、時間軸伸縮システム及びプログラムに関する。
従来、製品を製造するプラント等において、製造工程等のプロセスをセンサ等で監視する方法が知られている。そして、センサによってセンシングしたデータを用いて、プロセス上の異常を検知する方法が知られている。
例えば、プロセスにおいて異常を検出するため、まず、モデル化が行われる。具体的には、モデル化では、異常が起きていない状態、すなわち、正常状態におけるデータを用いて、正常モデルが生成される。そして、実際に異常を検知する評価フェーズでは、あらかじめ生成される正常モデルと、センシングによって取得されるデータとを比較して、プロセスが正常であるか異常あるか等が評価及び診断される。具体的には、例えば、以下のようなモデル化フェーズ及び評価フェーズが行われる。
図1は、異常検知におけるモデル化フェーズ及び評価フェーズのそれぞれの例を示す図である。図示する例では、横軸を温度とし、縦軸を圧力とする。まず、モデル化フェーズでは、図1(A)に示すように、正常状態におけるデータの集合から、モデルMDLが生成される。次に、評価フェーズでは、図1(B)に示すように、モデル化フェーズで生成されたモデルMDLに基づいて、各データの正常又は異常がそれぞれ判定される。具体的には、図示する第1データD1のように、モデルMDLに属する値のデータであると、第1データは、「正常」と判定される。一方で、図示する第2データD2のように、モデルMDL外の値となるデータであると、第2データは、「異常」と判定される。
また、バッチプロセスにおいて異常を検知する方法が知られている。例えば、まず、この方法では、各バッチのそれぞれの時系列データを異なる変数として扱い、各バッチがサンプリングされる。次に、変数×サンプルを計算して2次元データとし、主成分分析が行われる。そして、一般的な主成分分析でも行われるように、平均が「ゼロ」、かつ、分散が「1」となるように正規化が行われる。これは、バッチ内の各サンプリング時刻において、バッチ間の平均値と、標準偏差とをそれぞれ算出し、各サンプリング時刻において、各平均値を減算した上で、標準偏差で除算すると計算できる。これは、「バッチ方向の正規化(Batch−wise normalization)」等と呼ばれる。また、バッチ内の各サンプリング点におけるバッチ間の平均及び標準偏差は、並べるとバッチの長さと同じ時系列データとなる。そのため、バッチ間の平均及び標準偏差は、「平均プロファイル」及び「標準偏差プロファイル」と呼ばれる。このようにして、バッチプロセスにおいて異常を検知する方法が知られている(例えば、非特許文献1等)。
また、バッチプロセス等において異常を検知するため、DTW(Dynamic Time Warping)法が知られている。具体的には、DTW法は、2つの長さが異なる波形データがある場合において、一方の波形データが示す形状が、他方の波形データが示す形状と一致するように、波形データを時間方向に伸縮する方法である。このように、時間の長さが異なるバッチプロセスの波形データであっても、波形データを伸縮することによって、2つの波形データを比較又は処理しやすいようにする方法が知られている(例えば、非特許文献2等)。
"Multivariate SPersonal Computer Charts for Monitoring Batch Processes",Paul Nomikos and John F. MacGregor,Technometorics, February 1995, Vol. 37, No.1 "Synchronization of Batch Trajectories Using dynamic Time Warping",Athanassios Kassidas, John F. MacGregor, and Paul A. Taylor,Process Systems Engineering (AIChE Journal) April (1998) Vol. 44,No.4 864―875
しかしながら、従来の方法では、時間軸において波形データを伸縮すると、波形データが有するプロセスの異常を示すデータが、伸縮によって、欠落してしまう場合がある。そのため、伸縮された波形データによってプラント等の監視が行われると、プロセスの異常を見落としてしまう場合がある。
本発明の1つの側面は、このような問題に鑑みてなされたものであり、時間軸における波形データの伸縮によって、データが欠落するのを少なくすることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一実施形態における、バッチ処理のプロセスにおける時間に対する物理量を示す波形データを伸縮する時間軸伸縮装置は、
前記波形データのうち、基準となる長さの波形を示す基準データ及び前記波形データのうち、前記基準データの長さに伸縮させる波形を示すテストデータを入力する入力部と、
前記基準データにおける第1プロセスの第1進行度と、前記テストデータにおける第2プロセスの第2進行度をそれぞれ算出する進行度算出部と、
前記第1進行度及び前記第2進行度に基づいて、前記基準データと、前記テストデータとを対応付けさせるワーピングパスを生成するワーピングパス生成部と、
前記ワーピングパスに基づいて、前記テストデータを伸縮させる伸縮部と
を含む。
本発明によれば、時間軸における波形データの伸縮によって、データが欠落するのを少なくすることができる。
異常検知におけるモデル化フェーズ及び評価フェーズのそれぞれの例を示す図である。 連続系プロセスとバッチ系プロセスのそれぞれの例を示す図である。 バッチ系プロセスの監視方法の一例を示す図である。 DTW方法及びワーピングパスの一例を示す図である。 ワーピングパスに基づく波形データの伸縮例を示す図である。 本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置による全体処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置による進行度の算出例を示す図である。 本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置による第1進行度及び第2進行度に基づくワーピングパスの生成例を示す図である。 本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置による全体処理の処理結果例を示す図である。 本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置が生成するワーピングパスの一例を示す図である。 比較例に用いるワーピングパスの一例を示す図である。 比較例の処理結果例を示す図である。 本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態における時間軸伸縮装置による処理結果の一例を示す図である。 本発明の第3実施形態における進捗度の一例を示す図である。 本発明の第3実施形態における時間軸伸縮装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
本発明の実施形態を以下の順序で説明する。

1.異常検知の全体構成例
2.時間軸伸縮装置のハードウェア構成例
3.時間軸伸縮装置による全体処理例
4.比較例
5.時間軸伸縮装置の機能構成例

(第1実施形態)
≪ 1. 異常検知の全体構成例 ≫
以下、プラントにおいて周期的にセンシングされるデータに基づいて、異常検知が行われる例で説明する。まず、プラントで行われるプロセスの種類は、例えば、以下のように分類できる。
図2は、連続系プロセスとバッチ系プロセスのそれぞれの例を示す図である。例えば、石油化学用のプロセスでは、図2(A)に示すように、温度、圧力及び流量等の物理量がプラント内に設置されたセンサによってセンシングされる。そして、図示するように、時間ごとに、センサによって取得される各物理量が連続的に示される。このような連続系プロセスでは、装置の故障が起きる等といった異常がない状態、いわゆる定常状態であると、各物理量は、平均値付近で、ほぼ一定の値である場合が多い。したがって、連続系プロセスでは、時間によらず、物理量が平均値付近の値であるか否か等によって、プロセスが異常であるか正常であるかを判定できる場合が多い。また、連続系プロセスは、例えば、石油化学のエチレンプラント等のように、同種類の製品を連続して製造するプロセス等である。
一方で、バッチ系プロセスは、例えば、鉄鋼、鋳造、食品、医薬、半導体又は一般化学用のプロセスであって、バッチ処理が行われる単位でプロセスが開始から終了まで繰り返されるプロセスである。すなわち、バッチ系プロセスでは、各ロットに対してバッチ処理が行われる。また、バッチ系プロセスは、例えば、図2(B)に示すような物理量となるプロセスである。図示するように、バッチ系プロセスでは、正常な状態下のプロセスであっても、物理量は、平均値付近にあるとは限らず、一定の値でない場合が多い。すなわち、バッチ系プロセスでは、物理量は、行われるプロセスの内容及びあらかじめ設定される設定値等に基づいて時間によって変化する。
より具体的には、図示する例では、まず、バッチ処理の開始時点では、温度は、常温付近である。次に、プロセスが開始され、加熱等のプロセスが始まると、温度は、上昇していく。そして、所定の温度となると、一定時間、温度を保つように、温度が維持される。続いて、温度が高温状態で一定時間維持された後、所定の時間経過すると、冷却等のプロセスが開始される。このように、冷却等のプロセスが始まると、温度は、下降していく。そして、所定の温度まで冷却されると、バッチ処理が処理終了となる。
例えば、1ロットの製品を製造するのに、1バッチ単位のプロセスが行われるとすると、図示するように、バッチ系プロセスは、製造する製品のロット数等に応じて繰り返し行われる。すなわち、いわゆるロット生産方式等では、原料又は中間製品等の一定量を入力単位とするロットごとにプロセスが行われる。このようなバッチ系プロセスでは、物理量は、連続系プロセスとは異なり、一定でない場合が多い。すなわち、バッチ系プロセスでは、物理量は、プロセスによって、値が大きくなったり小さくなったりする。
また、連続系プロセスは、大規模な設備で行われることが多いのに対して、バッチ系プロセスは、中小規模な設備等でも行われることが多いプロセスである。さらに、バッチ系プロセスと類似したプロセスが行われる場合がある。例えば、往復動式のポンプ又は圧縮機等は、往復運動を行う設備であるため、バッチ系プロセスと同様に、繰り返し往復運動を行う設備の例である。
他にも、冷蔵及び冷凍設備等は、一定時間ごとに、除霜を行う場合がある。このような場合には、あらかじめ設定される除霜期間ごとに、冷蔵及び冷凍設備等は、繰り返し除霜等を行う設備の例である。
このようなバッチ系プロセスでは、センサによってデータがセンシングされ、データが計測データベースに蓄積される。そして、プラントでは、蓄積されたデータを用いて、各プロセスに異常がないかが監視される。
したがって、バッチ系プロセスに係る時系列データは、一定の周期で繰り返す値のデータとなる場合が多い。特に、バッチ系プロセスを行って製品を製造する場合には、バッチ系プロセスの処理が進むに伴って、物理量は、一定のパターンとなるように設定される場合が多い。このようにして、基本的に同じパターンを繰り返して製品が製造される場合が多い。なお、このように、バッチ系プロセスに用いられる物理量のパターンを「プロファイル」という。
以上のようなバッチ系プロセスを監視するため、例えば、マルチウェイ法等が用いられる。なお、マルチウェイ法は、"P.Nomikos,J.F.MacGregor:"Monitoring Batch Processes Using Multiway Principal Component Analysis",AIChE Journal,Vol.40, No.8 pp.1361―1375(1994)"又は"P.Nomikos,J.F.MacGregor:"Multi−way partial least squares in monitoring batch processes",Chemometics and Intelligent Laboratory Systems, No.30, pp.97―108 (1995)"等に記載されている方法である。具体的には、例えば、以下のようにして、バッチ系プロセスは、監視される。
図3は、バッチ系プロセスの監視方法の一例を示す図である。以下の例では、まず、プラント等でプロセスが行われ、センサによって、図3(A)に示すような温度及び圧力に係る波形データが生成されるとする。具体的には、この例では、第1波形データDW1は、バッチごと、時間に対する温度を示すデータである。また、第2波形データDW2は、バッチごと、時間に対する圧力を示すデータである。
そして、各波形データのそれぞれの長さがほぼ同じである場合には、図3(B)に示すように、各バッチのそれぞれの波形データは、重ねることができる。このようにすると、図3(C)に示すように、各バッチにおける各物理量の平均値及び標準偏差が、算出できる。
次に、バッチの各サンプリング点において、バッチ間の平均を減算(平均波形の除去)し、標準偏差で除し、各サンプリング点での平均値「0」、標準偏差「1」に正規化する処理が行われる。このようにすると、連続系プロセスと同様に、各物理量が平均値から外れたか否かに基づいて、異常が検知できる。
また、バッチ系プロセスのデータは、バッチ数を「I」、変数を「J」、時間を「K」とした3次元データで示すことができる。そして、バッチ方向の正規化は、下記(1)式のように示せる。
Figure 2018032319
なお、上記(1)式では、「μ」は、平均値を示す。また、「σ」は、標準偏差を示す。また、上記(1)式では、「x」は、バッチ系プロセスにおける物理量を示す。
このように、バッチ系プロセスを監視するには、正規化を行うために、各波形データの長さや形状を揃える必要がある。そこで、例えば、各波形データの長さや形状を揃えるため、DTW法を用いる方法がある。
具体的には、まず、長さや形状の異なる2つ以上の波形データがセンサによって生成される。そして、DTW法は、複数の波形データのうち、ある1つの波形データに、その他の波形データの長さや形状を揃える方法である。また、各波形データのそれぞれの長さや形状が揃うと、各波形データは、それぞれの波形において位相がそろうことになる。このようにして、DTW法を用いると、各波形データを同期させることができる。
以下、波形データの長さや形状を揃えるのに、基準となる波形データを「基準データ」という。一方で、基準データにできるだけ一致するように、長さや形状が伸縮される波形データを「テストデータ」という。また、基準データが示す波形を「基準波形」という。一方で、テストデータが示す波形を「テスト波形」という。
DTW法は、基準データと、テストデータとを対応付けさせる関数(以下「ワーピングパス」という。)が与えられると、テストデータを基準データと同じ長さや形状に揃えることができる方法である。具体的には、DTW法は、以下のような方法である。
図4は、DTW方法及びワーピングパスの一例を示す図である。以下、図4(A)のような基準波形WRを示す基準データと、図4(B)のようなテスト波形WTを示すテストデータとを例にして説明する。なお、図4(A)及び図4(B)は、横軸を時間とし、縦軸を各時間に対する物理量とする。
図示する例では、基準波形WRは、処理の開始から終了までが「第1時間T1」であるバッチ処理を示す。一方で、テスト波形WTは、処理の開始から終了までが「第2時間T2」であるバッチ処理を示す。また、この例では、図示するように、第1時間T1は、第2時間T2より短いとする。
次に、図4(C)に示すように、縦軸に基準波形WRを配置し、一方で、横軸にテスト波形WTを配置して2次元座標とする。また、縦軸の各座標を「j」とし、横軸の各座標を「i」とする。そして、2次元座標における各格子点(i,j)で、テスト波形WTの値T(i)と、基準波形WRの値R(j)との差を計算し、計算される差の絶対値を「d」とする。すなわち、格子点(i,j)では、絶対値dは、下記(2)式のように示せる。
Figure 2018032319
このように、格子点(i,j)ごとに、絶対値dを計算すると、図4(C)に示すような「距離行列」が生成できる。次に、バッチ処理の開始時点に相当する図4(C)における左下の座標(以下「スタート座標ST」という。)から、バッチ処理の終了時点に相当する図4(C)における右上の座標(以下「エンド座標ED」という。)まで、各格子点(i,j)おけるそれぞれの絶対値dを加算し、累積値「Dij」が、下記(3)式のように計算する。なお、下記(3)式を「Step Condition」と呼び、計算された値を示す行列を「累積距離行列」という。
Figure 2018032319
上記(3)式を図示すると、図4(D)のように示せる。図4(D)及び上記(3)式に示すように、累積値「Dij」は、格子点(i,j)に隣接する格子点(i−1,j)、(i,j−1)及び(i−1,j−1)の累積値に基づいて計算される値である。
このように、累積値「Dij」が計算され、スタート座標STからエンド座標EDまでの経路のうち、累積値「Dij」が最小となる経路がワーピングパスである。すなわち、図4(E)に示すように、ワーピングパスは、累積値「Dij」が最小となる経路である。
このように、ワーピングパスが与えられると、例えば、以下のように、ワーピングパスに基づいて、テスト波形を伸縮することができる。
図5は、ワーピングパスに基づく波形データの伸縮例を示す図である。例えば、図5(A)に示すテストデータが入力される例で説明する。図示する例は、入力されるテストデータが示すテスト波形WTが、図5(B)に示すワーピングパスWPPに基づいて伸縮される例である。そして、ワーピングパスWPPは、図示するように、図5(C)に示すような基準データが示す基準波形WRと、テスト波形WTとを対応付けさせる関数である。
図示するように、ワーピングパスWPPを用いると、テスト波形WT上の各点T(i)は、ワーピングパスWPPによって、基準波形WR上の各点R(j)に対応付けることができる。
図示する例では、図示するように、テスト波形WTにおける第1テスト区間AR11の各点T(i)が、基準波形WRにおける第1基準区間AR21の各点R(j)に対応付けされる。同様に、テスト波形WTにおける第2テスト区間AR12の各点T(i)が、基準波形WRにおける第2基準区間AR22の各点R(j)に対応付けされる。さらに、テスト波形WTにおける第3テスト区間AR13の各点T(i)が、基準波形WRにおける第2基準区間AR23の各点R(j)に対応付けされる。このようにすると、テスト波形WTは、伸縮されて、図5(D)に示すように、基準波形WRとほぼ同じような長さとなる伸縮後データWTAとなる。
以上のように、ワーピングパスWPPが求まると、図5に示すように、波形データは、長さが異なる波形であっても、ワーピングパスWPPに基づいて伸縮することで、基準データの波形に揃えることができる。
なお、時間軸における伸縮は、上記のように、汎用性が高く、様々な処理に適用できるダイナミックタイムワーピング法(DTW法)が用いられるのが望ましい。
以下、ワーピングパスを生成して、波形データを伸縮する時間軸伸縮装置の例について説明する。
≪ 2. 時間軸伸縮装置のハードウェア構成例 ≫
時間軸伸縮装置は、例えば、以下のような情報処理装置等である。
図6は、本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示するように、時間軸伸縮装置10は、CPU(Central Processing Unit)HW1と、通信装置HW2と、記憶装置HW3と、表示装置HW4と、入力装置HW5とを有する。すなわち、時間軸伸縮装置10は、PC(Personal Computer)、サーバ又はワークステーション等のコンピュータであり、あらかじめインストールされるプログラムに基づいてCPUHW1が演算及び制御を行うことで、本実施形態に係る処理及び制御を実現することができる装置である。
CPUHW1は、処理を実現するための演算及びデータの加工を行う演算装置並びにハードウェアを制御する制御装置である。
通信装置HW2は、ネットワークNWを介して外部装置とデータを送受信する装置である。
記憶装置HW3は、メモリ等の主記憶装置である。また、記憶装置HW3は、ハードディスク等の補助記憶装置を有してもよい。
表示装置HW4は、ディスプレイ等の出力装置の例である。例えば、表示装置HW4は、処理結果等をユーザに対して出力する。
入力装置HW5は、例えば、キーボード、マウス又はこれらの組み合わせ等である。すなわち、入力装置HW5は、ユーザからの操作を入力するための装置である。
なお、ハードウェア構成は、図示する構成に限られない。例えば、時間軸伸縮装置10は、演算装置、制御装置又は記憶装置を内部又は外部に更に有するハードウェア構成でもよい。
また、本実施形態を実現する装置は、ネットワーク等で接続される1つ以上の情報処理装置を有する時間軸伸縮システム等でもよい。さらに、時間軸伸縮システムは、冗長、分散又は並列に処理の一部又は全部を行う構成等でもよい。
≪ 3. 時間軸伸縮装置による全体処理例 ≫
図7は、本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置による全体処理の一例を示すフローチャートである。例えば、時間軸伸縮装置は、以下のような処理を行うと、ワーピングパスを生成して、テストデータを伸縮することができる。
≪ 基準データ及びテストデータの入力例 (ステップS01)≫
ステップS01では、時間軸伸縮装置は、基準データ及びテストデータを入力する。例えば、図5(A)及び図5(C)に示すような基準データ及びテストデータが入力されるとする。
≪ 基準データが示す第1プロセスの第1進行度の算出例 (ステップS02)≫
ステップS02では、時間軸伸縮装置は、基準データが示す第1プロセスの第1進行度を算出する。例えば、第1進行度は、以下のように算出される。
図8は、本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置による進行度の算出例を示す図である。例えば、図8(A)に示すような波形データが、基準データとして時間軸伸縮装置にステップS01で入力されるとする。そして、第1プロセスは、図示するような基準波形WRで示せるバッチ処理であるとする。
また、以下の説明では、第1プロセスは、関数f(τ)で示すバッチ処理であるとする。この例では、第1進行度は、関数f(τ)が示す時間ごとの各値を積算すると求まる値である。すなわち、第1進行度を「F(t)」とすると、第1進行度は、下記(4)式を計算すると求まる値である。
Figure 2018032319
また、「F(t)」は、図示すると、図8(B)のように示せる。上記(4)式に示すように、第1進行度は、関数f(τ)を積分すると計算できる積算値である。なお、上記(4)式は、離散的には、時間ごとの各値を加算する計算となる。
このようにして、関数f(τ)に基づいて、第1進行度が計算される。例えば、第1進行度を示す「F(t)」は、図8(C)のような関数となる。
≪ テストデータが示す第2プロセスの第2進行度の算出例 (ステップS03)≫
図7に戻り、ステップS03では、時間軸伸縮装置は、テストデータが示す第2プロセスの第2進行度を算出する。例えば、第2進行度は、第1進行度と同様に、図8に示すような方法によって計算される。なお、以下の説明では、第1進行度及び第2進行度を総じて単に「進行度」という場合がある。
≪ 第1進行度及び第2進行度に基づくワーピングパスの生成例 (ステップS04)≫
ステップS04では、時間軸伸縮装置は、第1進行度及び第2進行度に基づいて、ワーピングパスを生成する。例えば、時間軸伸縮装置は、以下のようにワーピングパスを生成する。
図9は、本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置による第1進行度及び第2進行度に基づくワーピングパスの生成例を示す図である。例えば、ステップS02によって、基準データに基づいて、図9(A)に示すような第1進行度「F1(t)」が算出されるとする。一方で、ステップS03によって、テストデータに基づいて、図9(B)に示すような第2進行度「F2(t)」が算出されるとする。
ワーピングパスは、図4に示す方法と同様の方法によって生成される。図4と比較すると、図9(C)は、ワーピングパスの生成に、各波形データの値が用いられるのではなく、進行度が用いられる点が異なる。図示するように、ワーピングパスWPPは、第1進行度「F1(t)」と、第2進行度「F2(t)」との累積値「Dij」(図4参照)が最小となる経路を計算すると生成できる。
≪ ワーピングパスに基づくテストデータの伸縮例 (ステップS05)≫
図7に戻り、ステップS05では、時間軸伸縮装置は、ワーピングパスに基づいて、テストデータを伸縮する。例えば、時間軸伸縮装置は、ステップS04で生成されたワーピングパスに基づいて、図5に示すように、テストデータの長さを基準データの長さに揃えるように伸縮する。
以上のように、進行度に基づいて生成されるワーピングパスを用いると、時間軸伸縮装置は、例えば、以下のようにテストデータを伸縮することができる。
図10は、本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置による全体処理の処理結果例を示す図である。図では、伸縮前の波形データ、すなわち、時間軸伸縮装置に入力された状態の波形データを「伸縮前波形データ」と示す。なお、図は、シミュレーションによる実験結果を示す。
一方で、図では、波形データのうち、1つの波形データを基準データとし、図7に示す全体処理によって、ワーピングパスを生成し、ワーピングパスに基づいて、基準データ以外の波形データであるテストデータを伸縮する。このような全体処理の処理結果を図では、「伸縮後波形データ」と示す。
具体的には、波形データによってセンシングされる対象となるプロセスは、図示するように、プロセスの開始(時間が「0」の時点である。)から、時間が約「10」となるまでの間は、物理量を上昇させる「立ち上げ」のプロセスが行われる。
次に、「立ち上げ」の後、物理量を一定に維持する「定常」のプロセスが行われる。図では、「定常」のプロセスは、時間が約「10」となる時点から開始される。そして、「定常」のプロセスが終了する時間は、プロセスによって異なり、図10(A)に示す場合では、時間が「30」乃至「40」の間のいずれかの時間で、「定常」のプロセスは、終了する。
続いて、「定常」の後、物理量を降下させる「立ち下がり」のプロセスが行われる。「立ち下がり」のプロセスは、「定常」のプロセスが終了した時点から開始されるため、「立ち下がり」のプロセスが開始される時点は、図10(A)に示すように、それぞれ異なる。
つまり、「伸縮前波形データ」は、バッチ処理の後半部分、すなわち、「立ち下がり」のプロセスが開始される時点が各波形データで異なるため、同期が取れていない状態である。したがって、「伸縮前波形データ」は、各波形データの長さが異なる場合である。具体的には、図10(A)に示す場合では、波形データの長さは、「40」乃至「50」の間で異なる状態である。以下、プロセスに異常がない場合と、プロセスに異常がある場合のそれぞれの例を説明する。
まず、プロセスに異常がない状態、すなわち、正常にプロセスが行われている状態の処理結果例を図10(A)及び図10(B)に示す(図では、「異常なし」と示す)。図10(A)に示すように、各波形データの長さが異なる場合であっても、図7に示すように全体処理を行うと、時間軸伸縮装置は、図10(B)に示すように、テストデータの長さを基準データの長さとほぼ一致するような長さとすることができる。したがって、図10(B)に示すように、時間軸伸縮装置は、各波形データの長さを揃えることができる。
次に、プロセスに異常がある状態、すなわち、プロセスに異常が起きている状態の処理結果例を図10(C)及び図10(D)に示す(図では、「異常あり」と示す)。具体的には、伸縮前の波形データ上に、図10(C)に示すような異常データANMがある例で説明する。この例では、図10(A)に示すように、波形データは、時間が「20」乃至「30」あたりでは、物理量をほぼ「1」に近い状態で維持するのが正常な状態である。
これに対して、図10(C)に示すように、プロセスに関する装置の故障等といった何らかの理由によって、物理量がほぼ「1」に近い状態で維持される期間に、一時的に物理量が降下する異常が発生したとする。このような異常が起きると、図10(C)に示すように、異常は、波形データ上において、異常データANMのように現れる。
図10(C)に示すように、異常データANMを有する波形データに対して、時間軸伸縮装置は、図7に示す全体処理を行うと、図10(A)及び図10(B)の場合と同様に、各波形データの長さを揃えることができる。具体的には、時間軸伸縮装置は、図7に示す全体処理を行うと、以下のようなワーピングパスを生成することができる。
図11は、本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置が生成するワーピングパスの一例を示す図である。図示するようなワーピングパスを用いると、図10(D)に示すように、波形データを伸縮する処理が行われても、波形データ上に、異常データANMを保存することができる。すなわち、時間軸伸縮装置は、時間軸における波形データの伸縮によって、異常データANM等のデータが欠落するのを少なくすることができる。
なお、異常データANMは、図示するようなデータに限られない。例えば、異常データANMは、「立ち上げ」又は「立ち下がり」のプロセスに発生してもよい。他にも、異常データANMは、物理量が一時的に下がる異常でなくともよく、例えば、物理量が一時的に上がる異常等でもよい。
≪ 4. 比較例 ≫
図7に示す処理とは異なり、進行度を用いないで生成されたワーピングパスを用いる場合を以下に比較例として説明する。例えば、比較例は、以下のようなワーピングパスを用いるとする。
図12は、比較例に用いるワーピングパスの一例を示す図である。図示するワーピングパスは、図11に示すワーピングパスと比較すると、横軸に対して平行となる平行部分PRが多いワーピングパスである。このようなワーピングパスを用いると、平行部分PRでは、図示するように、同一の基準データ上の点に対応付けされる場合がある。そのため、図示するようなワーピングパスを用いて、波形データを伸縮させると、以下のような処理結果となる場合がある。
図13は、比較例の処理結果例を示す図である。図は、図10に示す波形データと同様の伸縮前の波形データに対して、図12に示すワーピングパスを用いて、時間軸において波形データを伸縮する処理の結果を示す。
図13(A)及び図13(B)に示すように、正常な状態であれば、図10(A)及び図10(B)と同様に、各波形データは、長さを揃えることができる。一方で、図10(C)と同様に、波形データが異常データANMを有する場合では、図12に示すワーピングパスを用いると、図13(D)に示すように、「伸縮後波形データ」では、異常データANMが欠落する場合がある。
図10(D)と、図13(D)とを比較すると、図13(D)では、「伸縮前波形データ」には、存在していた異常データANMが伸縮において無視されてしまい、異常データANMが「伸縮後波形データ」に保存されていない。このように、異常データANMが欠落してしまうと、「伸縮後波形データ」は、図13(B)と同様に、「異常なし」を示す波形データとなってしまう。したがって、図12に示すようなワーピングパスを用いると、図13(D)に示すような異常を検出することが難しい「伸縮後波形データ」が生成されてしまう場合がある。
≪ 5. 時間軸伸縮装置の機能構成例 ≫
図14は、本発明の一実施形態における時間軸伸縮装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図示するように、例えば、時間軸伸縮装置10は、入力部FN1と、進行度算出部FN2と、ワーピングパス生成部FN3と、伸縮部FN4とを含む機能構成である。
入力部FN1は、伸縮の基準となる長さの波形を示す基準データDRを入力する。また、入力部FN1は、伸縮の対象となる波形を示すテストデータDTを入力する。なお、入力部FN1は、例えば、入力装置HW5(図6参照)又は通信装置HW2等によって実現される。
進行度算出部FN2は、基準データDRが示す第1プロセスの第1進行度「F1(t)」と、テストデータDTが示す第2プロセスの第2進行度「F2(t)」とをそれぞれ算出する。なお、進行度算出部FN2は、例えば、CPUHW1(図6参照)等によって実現される。
ワーピングパス生成部FN3は、進行度算出部FN2が算出する第1進行度「F1(t)」と、第2進行度「F2(t)」とに基づいて、基準データDRと、テストデータDTとを対応付けさせるワーピングパスWPPを生成する。なお、ワーピングパス生成部FN3は、例えば、CPUHW1(図6参照)等によって実現される。
伸縮部FN4は、ワーピングパス生成部FN3が生成するワーピングパスWPPに基づいて、テストデータDTを伸縮させる。なお、伸縮部FN4は、例えば、CPUHW1(図6参照)等によって実現される。
まず、時間軸伸縮装置10は、入力部FN1によって、プロセスをセンサでセンシングした結果を示す波形データDWを入力する。そして、波形データDWのうち、長さを揃える基準となる波形を示す波形データDWが基準データDRとなる。一方で、基準データDR以外の波形データDWがテストデータDTとなる。
次に、時間軸伸縮装置10は、進行度算出部FN2によって、例えば、図8に示すように、進行度が算出される。そして、第1進行度「F1(t)」と、第2進行度「F2(t)」とが算出できると、時間軸伸縮装置10は、ワーピングパス生成部FN3によって、図9に示すように、ワーピングパスWPPを生成することができる。このように、ワーピングパスWPPが生成されると、時間軸伸縮装置10は、ワーピングパスWPPに基づいて、例えば、図5に示すように、テストデータDTを基準データDRに揃えるように伸縮することができる。
以上のように、進行度に基づいて生成されるワーピングパスWPPが用いられると、図10に示すように、時間軸伸縮装置は、時間軸において波形データを伸縮しても、異常データANMが欠落するのを少なくすることができる。
プロセスがバッチ処理を含む場合であって、かつ、時間軸において波形データを伸縮する場合には、波形データを単純に均等に伸縮するのでは、波形の位相を揃えることができず、波形を同期化できない場合がある。そこで、上記のようにワーピングパスを用いて波形データを伸縮するDTW法が用いられる。そして、本実施形態であると、波形データが示すプロセスがバッチ処理を含む場合であって、時間軸において波形データを伸縮する場合であっても、伸縮後波形データに、異常データANM等のデータが欠落するのを少なくすることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態と同様のハードウェア構成及び全体処理によって実現する。第1実施形態と比較すると、第2実施形態は、進行度を算出する方法が第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明を省略する。
進行度は、以下のように算出されてもよい。まず、波形データが示す各データを「y(i,j,k)」とする。なお、「i」は、バッチ番号を示し、「1≦i≦I」である。また、「j」は、変数番号を示し、「1≦j≦J」である。さらに、「k」は、サンプリング番号を示し、「1≦k≦K」である。次に、下記(5)式のように示せる最小値を「ymin(j)」とする。
Figure 2018032319
すなわち、上記(5)式で示す最小値「ymin(j)」は、全バッチ中、かつ、全サンプリング点において、最も小さい値である。次に、時間軸伸縮装置は、上記(5)式に示す最小値を用いて、波形データが示すデータを下記(6)式のように計算する。
Figure 2018032319
進行度を示す関数は、例えば、図9(A)及び図9(B)に示すように、時間に伴って増加していくのが望ましい。一方で、プロセスにおける物理量は、バッチ処理又は物理量の種類等によって、負の数となる場合がある。そこで、時間軸伸縮装置は、上記のように、波形データにおける最小値を用いて、最小値が「0」以上となるように、波形データの値を変更する。これらの処理は、例えば、以下のように示せる。
図15は、本発明の第2実施形態における時間軸伸縮装置による処理結果の一例を示す図である。例えば、図15(A)に示すような波形データ「y(i,j,k)」があるとする。図示するように、波形データ「y(i,j,k)」において、少なくとも最小値「ymin(j)」は、「0」より小さい値であり、負の数である。
そのため、「y(i,j,k)」に基づいて、進行度が算出されると、最小値「ymin(j)」付近では、進行度が負の数の積算で算出されるため、進行度「F(t)」は、時間に伴って減少する値となる場合がある。そこで、時間軸伸縮装置は、上記(6)式のように計算する。このように計算すると、波形データは、図15(B)に示すようなデータとなる。
図15(B)に示すように、上記(6)式を計算すると、最小値は、「0」となる。また、最小値以外の値は、最小値より大きい値であり、図示するように、最小値以外の値にも、最小値分の値が加算されるため、波形データのすべての値は、正の数となる。したがって、このように、波形データの値をすべて正の数にしてから、進行度が計算されると、進行度「F(t)」は、いわゆる単調増加の関数となる。
以上のように処理が行われると、波形データが示す値は、正の数に調整されるため、基準データ及びテストデータの各値は、正の数である。このような正の数になった基準データ及びテストデータが用いられると、時間軸伸縮装置は、図9(A)等に示すように、時間に伴って増加する進行度の関数を用いてワーピングパスを生成することができる。
なお、波形データの各値を正の数に調整する方法は、上記(6)式等に示す計算に限られない。例えば、時間軸伸縮装置は、各値の二乗をそれぞれ計算して、波形データの各値を正の数にしてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態と同様のハードウェア構成及び全体処理によって実現する。第1実施形態及び第2実施形態と比較すると、第3実施形態は、進行度を算出する方法が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。以下、第1実施形態及び第2実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明を省略する。
進行度は、プロセスが進捗している度合い(以下「進捗度」という。)を示す値等でもよい。例えば、進捗度は、以下のような値である。
図16は、本発明の第3実施形態における進捗度の一例を示す図である。図示する例では、横軸を時間とし、縦軸を物理量とする。
また、図示するプロセスは、時間「0」が開始時点であり、時間「T」が終了時点となるプロセスである。そして、図示するように、プロセスは、物理量が、開始時点から終了時点まで時間に対して比例して増加するプロセスである。
このようなプロセスにおいて、進捗度は、開始時点を「0%」とし、一方で、終了時点を「100%」とする。具体的には、例えば、「0min」が開始時点であり、「60min」が終了時点となるプロセスであるとすると、時間が「0min」の時点が「進捗度z1=0%」となる。そして、このプロセスでは、時間が「60min」の時点が「進捗度z1=100%」となる。さらに、このプロセスでは、時間が「30min」の時点が「進捗度z1=50%」となる。このように、進行度は、プロセスが開始されてからの経過時間等を利用したプロセスの進捗度等が用いられてもよい。
なお、物理量が時間に比例して増加する関係である場合には、時間が「T」となる時点の物理量を「100%」として、進捗度は、物理量の変化量を利用する値でもよい。
例えば、温度を「0℃」から「100℃」にするプロセスであるとする。すなわち、プロセスの開始時点では、物理量が「0℃」であり、プロセスの終了時点では、物理量が「100℃」である。このような場合には、進捗度は、「0℃」から何度変化したかの変化量である。
なお、時間軸伸縮装置は、物理量を示す外部信号等を入力してもよい。すなわち、時間軸伸縮装置は、外部信号が示す値に基づいて進捗度を計算してもよい。
図17は、本発明の第3実施形態における時間軸伸縮装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。以下、図14と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図示するように、例えば、時間軸伸縮装置10は、入力部FN1と、ワーピングパス生成部FN3と、伸縮部FN4とを含む機能構成である。図14と比較すると、第1進捗度及び第2進捗度に基づいてワーピングパスが生成される点が異なる。
(その他の実施形態)
上記の実施形態の説明では、異常検知のために、ワーピングパスを使う例を説明したが、実施形態は、これに限られない。例えば、時間軸伸縮装置は、形状を揃える下処理をした後に、バッチプロセスの予測等を行ってもよい。
本発明の一実施形態に係る各処理の全部又は一部は、低水準言語、高水準言語又はこれらを組み合わせて記述されるコンピュータに、時間軸伸縮方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、情報処理装置等のコンピュータに各処理の全部又は一部を実行させるためのコンピュータプログラムである。
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して頒布することができる。なお、記録媒体は、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM若しくはブルーレイディスク等の光ディスク、SD(登録商標)カード、補助記憶装置又はMO等である。さらにまた、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
また、本発明の一実施形態に係る各処理は、図示した順序に限られない。例えば、各処理の一部又は全部は、異なる順序、並行、分散又は省略されて処理されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
10 時間軸伸縮装置
FN1 入力部
FN2 進行度算出部
FN3 ワーピングパス生成部
FN4 伸縮部
DR 基準データ
DT テストデータ
DW 波形データ
WPP ワーピングパス
ANM 異常データ

Claims (9)

  1. バッチ処理のプロセスにおける時間に対する物理量を示す波形データを伸縮する時間軸伸縮装置であって、
    前記波形データのうち、基準となる長さの波形を示す基準データ及び前記波形データのうち、前記基準データの長さに伸縮させる波形を示すテストデータを入力する入力部と、
    前記基準データにおける第1プロセスの第1進行度と、前記テストデータにおける第2プロセスの第2進行度をそれぞれ算出する進行度算出部と、
    前記第1進行度及び前記第2進行度に基づいて、前記基準データと、前記テストデータとを対応付けさせるワーピングパスを生成するワーピングパス生成部と、
    前記ワーピングパスに基づいて、前記テストデータを伸縮させる伸縮部と
    を含む時間軸伸縮装置。
  2. 前記第1進行度及び前記第2進行度は、各時間におけるそれぞれの前記物理量を積算した値である請求項1に記載の時間軸伸縮装置。
  3. 前記波形データが示すそれぞれの前記物理量を正の数となるように調整し、
    前記進行度算出部は、前記物理量が正の数となった前記基準データ及び前記テストデータを用いて、前記第1進行度及び前記第2進行度をそれぞれ算出する請求項1又は2に記載の時間軸伸縮装置。
  4. 前記第1進行度及び前記第2進行度は、前記第1プロセス及び前記第2プロセスの進捗度である請求項1に記載の時間軸伸縮装置。
  5. 前記物理量が、プロセスの開始時点から終了時点までの時間に対して比例して増加する場合には、
    前記進捗度は、前記第1プロセス及び前記第2プロセスのそれぞれの前記開始時点からの経過時間又は前記物理量の前記開始時点からの変化量である請求項4に記載の時間軸伸縮装置。
  6. 前記伸縮部は、ダイナミックタイムワーピング法によって前記テストデータを伸縮させる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の時間軸伸縮装置。
  7. バッチ処理のプロセスにおける時間に対する物理量を示す波形データを伸縮して、前記プロセスを監視するバッチプロセス監視装置であって、
    前記波形データのうち、基準となる長さの波形を示す基準データ及び前記波形データのうち、前記基準データの長さに伸縮させる波形を示すテストデータを入力する入力部と、
    前記基準データにおける第1プロセスの第1進行度と、前記テストデータにおける第2プロセスの第2進行度をそれぞれ算出する進行度算出部と、
    前記第1進行度及び前記第2進行度に基づいて、前記基準データと、前記テストデータとを対応付けさせるワーピングパスを生成するワーピングパス生成部と、
    前記ワーピングパスに基づいて、前記テストデータを伸縮させる伸縮部と
    を含むバッチプロセス監視装置。
  8. 1つ以上の情報処理装置を有し、バッチ処理のプロセスにおける時間に対する物理量を示す波形データを伸縮する時間軸伸縮システムであって、
    前記波形データのうち、基準となる長さの波形を示す基準データ及び前記波形データのうち、前記基準データの長さに伸縮させる波形を示すテストデータを入力する入力部と、
    前記基準データにおける第1プロセスの第1進行度と、前記テストデータにおける第2プロセスの第2進行度をそれぞれ算出する進行度算出部と、
    前記第1進行度及び前記第2進行度に基づいて、前記基準データと、前記テストデータとを対応付けさせるワーピングパスを生成するワーピングパス生成部と、
    前記ワーピングパスに基づいて、前記テストデータを伸縮させる伸縮部と
    を含む時間軸伸縮システム。
  9. バッチ処理のプロセスにおける時間に対する物理量を示す波形データを伸縮するコンピュータに時間軸伸縮方法を実行させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータが、前記波形データのうち、基準となる長さの波形を示す基準データ及び前記波形データのうち、前記基準データの長さに伸縮させる波形を示すテストデータを入力する入力手順と、
    前記コンピュータが、前記基準データにおける第1プロセスの第1進行度と、前記テストデータにおける第2プロセスの第2進行度をそれぞれ算出する進行度算出手順と、
    前記コンピュータが、前記第1進行度及び前記第2進行度に基づいて、前記基準データと、前記テストデータとを対応付けさせるワーピングパスを生成するワーピングパス生成手順と、
    前記コンピュータが、前記ワーピングパスに基づいて、前記テストデータを伸縮させる伸縮手順と
    を実行させるためのプログラム。
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