JP2018032010A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無偏光の光を照射することで化合物を配向させ、十分な厚さを有し、かつ、輝点の発生が抑制された光学フィルムを製造することができる方法を提供することを課題とする。【解決手段】重合性モノマーを含有する第一の重合性組成物を、支持体の表面上に塗布して、第一の重合性組成物層を形成する、重合性組成物層形成工程と、第一の重合性組成物層と、フォトマスクが備えるスリット状の開口部と、の相対的な位置を移動させながら、開口部を介して、第一の重合性組成物層に光を照射し、予備硬化膜を得る、予備硬化工程と、予備硬化膜に対して、更に光を照射し、第一の硬化膜を得る、本硬化工程と、第一の硬化膜の表面上に、更に、重合性モノマーを含有する第二の重合性組成物を塗布して、第二の重合性組成物層を形成し、第二の重合性組成物層を硬化させて、第二の硬化膜を得る、硬化膜積層工程と、を含有する、光学フィルムの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルムの製造方法に関する。
光学補償フィルムは、液晶表示装置等において画像着色解消、及び/又は、視野角拡大のために用いられている。従来から光学補償フィルムとしては延伸複屈折フィルムが使用されていたが、近年、延伸複屈折フィルムに代えて、透明支持体上に液晶化合物からなる光学異方性層を備えた光学補償フィルムが提案されている。液晶化合物からなる光学異方性層を備えた光学補償フィルムの製造では、液晶を均一に配向させることが必要である。
液晶を配向させる方法としては、支持体表面を物理的に処理する方法が知られている。
上記処理方法としては、例えば、支持体の表面上に設けられた配向膜(ポリイミド等の高分子樹脂膜等が用いられることがある。)を一方向に布等を用いて擦る、ラビング処理が挙げられる。
一方で、光照射による配向処理も知られている。光照射による配向処理としては、例えば、支持体表面に光の作用で異性化反応を起こす化合物を含む組成物層を設け、これを配向膜とし、その配向膜に偏光を照射することにより、上記化合物を配向させるものである。上記のような技術として、例えば、特許文献1には、「支持体上に光学異方性層を有する光学補償板の製造方法において、支持体上に配向膜を塗布する工程、支持体上に形成された配向膜に半導体レーザーから出射された直線偏光レーザービームを照射する配向処理工程、少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子を含む液晶組成物を配向膜上に塗布する工程、そして重合性基を有する液晶分子を重合させて配向を固定化する工程をこの順序で実施することを特徴とする光学補償板の製造方法。」が記載されている。
また、非偏光を用いて膜中の分子を配向させる方法も知られている(非特許文献1)。
特開2006−171102号公報
Appl. Phys. Express, 9, 072601 (2016).
一方で、ラビング処理によれば、配向膜上に静電気、及び/又は、塵が発生しやすいという問題があった。配向膜上に静電気、及び/又は、塵が発生すると、配向膜上に形成される光学異方性層に輝点と呼ばれる不良が発生しやすく、結果として光学補償フィルムの歩留まりが低下しやすい問題があった。
一方、特許文献1に記載されるような、偏光を用いた配向処理においては、ラビング処理で発生しやすかった、静電気、及び/又は、塵が発生しにくい。しかしながら、この方法では、支持体上に形成された配向膜に偏光を照射する必要があるため、製造装置の光学系が複雑となり易い問題がある。
また、非特許文献1の方法では、膜中の表面部分の分子を配向させることはできるものの、一般的な光学フィルム(例えば、位相差膜)に十分な厚さの膜の分子を配向させるには不十分だった。言い換えれば、非特許文献1の方法によれば、光学フィルムを製造することはできなかった。
そこで、本発明は、無偏光の光を照射することで化合物を配向させ、十分な厚さを有し、かつ、輝点の発生が抑制された光学フィルムを製造することができる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 重合性モノマーを含有する第一の重合性組成物を、支持体の表面上に塗布して、第一の重合性組成物層を形成する、重合性組成物層形成工程と、第一の重合性組成物層と、フォトマスクが備えるスリット状の開口部と、の相対的な位置を移動させながら、開口部を介して、第一の重合性組成物層に光を照射し、予備硬化膜を得る、予備硬化工程と、
予備硬化膜に対して、更に光を照射し、第一の硬化膜を得る、本硬化工程と、
第一の硬化膜の表面上に、更に、重合性モノマーを含有する第二の重合性組成物を塗布して、第二の重合性組成物層を形成し、第二の重合性組成物層を硬化させて、第二の硬化膜を得る、硬化膜積層工程と、を含有する、光学フィルムの製造方法。
[2] 第一の重合性組成物層の膜厚が1.0μm以下である、[1]に記載の光学フィルムの製造方法。
[3] 支持体が、長尺であり、開口部が、支持体の幅手方向を跨ぐように配置されている、[1]又は[2]に記載の光学フィルムの製造方法。
[4] 移動の方向と、開口部の延在方向とのなす角が、10〜80度である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
[5] 重合性モノマーの分子のアスペクト比が、3.5以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
[6] 重合性モノマーが、重合性液晶化合物である、[1]〜[5]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
[7] 第一の重合性組成物が、更に、空気界面配向剤を含有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
本発明によれば、無偏光の光を照射することで化合物を配向させ、十分な厚さを有し、かつ、輝点の発生が抑制された光学フィルムを製造することができる方法を提供することができる。
光学フィルムの製造方法に用いられる製造装置の一例の概略図である。 重合性組成物層とフォトマスクとの配置の関係を示す上面図である。 スリット状の開口部の配置の変形例を示す上面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、単に「光を照射する」というときの「光」とは、無偏光の光、すなわち、偏光特性を有しない光を意図する。
また、本明細書において、重合性モノマーとは、重合性基を含有する化合物を意図する。
[光学フィルムの製造方法]
本発明の実施態様に係る光学フィルムの製造方法は以下の工程を含有する。
(1)重合性組成物層形成工程
(2)予備硬化工程
(3)本硬化工程
(4)硬化膜積層工程
〔重合性組成物層形成工程〕
重合性組成物層形成工程は、支持体の表面上に、重合性モノマーを含有する第一の重合性組成物を塗布して、第一の重合性組成物層を形成する工程である。
<第一の重合性組成物>
第一の重合性組成物は、重合性モノマーを含有していれば特に制限されず、重合性モノマー以外の成分を含有していてもよい。
(重合性モノマー)
重合性組成物が含有する重合性モノマーとしては、特に制限されず、公知の重合性モノマーが挙げられる。
重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、及び、アニオン重合性基等が挙げられる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、スチリル基、及び、アリル基等が挙げられる。カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基、オキシラニル基、及び、オキセタニル基等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
なお、本明細書において(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基を意図する。
重合性モノマー中における重合性基の数は特に制限されないが、得られる硬化膜がより優れた機械特性を有し、かつ、硬化膜の特性の経時変化がより少ない点で、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。重合性モノマー中における重合性基の数の上限値としては特に制限されないが、一般に6以下が好ましい。
重合性モノマーとしては、液晶性を有する化合物が好ましい。本明細書において、重合性モノマーであって、液晶性を有する化合物を、重合性液晶化合物という。
重合性液晶化合物としては、特に制限されず、公知の重合性液晶化合物を用いることができる。一般的に、重合性液晶化合物はその形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(ディスコティック液晶化合物、円盤状液晶化合物)とに分類できる。更に、棒状タイプ及び円盤状タイプには、それぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。重合性液晶化合物としては、いずれの化合物を用いることもできる。また、2種以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。
重合性モノマーの分子のアスペクト比としては、特に制限されないが、後述する流動配向がより起こり易い点で3.0以上が好ましく、3.5以上がより好ましい。
また、アスペクト比の上限値としては特に制限されないが、一般に、10以下が好ましい。
重合性モノマーの分子のアスペクト比が3.5以上であると、光学フィルムにおける輝点の発生がより抑制される。
なお、本明細書において、分子のアスペクト比(分子長軸/分子短軸)とは、Winmostar MOPAC AM1(MOP6W70)(千田、“分子計算支援システムWinmostarの開発”、出光技報、49、1、106−111(2006))を用いて計算により求めることができるアスペクト比を意図する。
なお、第一の重合性組成物が、2種以上の重合性モノマーを含有する場合、各重合性モノマーの分子のアスペクト比と、重合性モノマーの混合物中における各重合性モノマー質量分率との積をそれぞれ求め、それらを足し合わせた値を「重合性モノマーの分子のアスペクト比」として、この値が上記範囲内であることが好ましい。
例えば、重合性モノマーA、及び、重合性モノマーBを併用する場合には、以下の方法により計算した、重合性モノマーA及びBの混合物のアスペクト比(本段落において「ASPA,B」と表す。)が上記範囲内であることが好ましい。
なお、ASPA,Bは、以下の式によって計算することができる。
式:ASPA,B=ASP×X+ASP×X
上記式中、ASP、及び、ASPは、重合性モノマーA、及び、重合性モノマーBの分子のアスペクト比を表し、X、及び、Xは重合性モノマー混合物中における、重合性モノマーA、及び、重合性モノマーBの質量分率(上記の場合、X=1−Xである。)を表す。
第一の重合性組成物中における重合性モノマーの含有量としては特に制限されないが、第一の重合性組成物の全固形分に対して、70〜99質量%が好ましく、90〜99質量%がより好ましい。重合性組成物中における重合性モノマーの含有量が70〜99質量%の範囲内であると、得られる光学フィルムはより流動配向させ易い(流動配向については後述する)。
重合性モノマーは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。重合性モノマーを2種以上併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(その他の成分)
第一の重合性組成物は、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては特に制限されないが、溶剤、重合開始剤、配向制御剤、及び、界面活性剤等が挙げられる。
・溶剤
第一の重合性組成物は、溶剤を含有することが好ましい。第一の重合性組成物が溶剤を含有すると、第一の重合性組成物の塗布性が向上する。溶剤としては特に制限されず、公知の溶剤を用いることができる。
溶剤としては、例えば、水及び/又は有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、及びイソペンタノール等のアルコール系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、及びプロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、及びエチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びエチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、及びジ−n−ブチルエーテル等のエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸エチル、及びプロピオン酸ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。溶剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なかでも、第一の重合性組成物がより優れた塗布性を有する点で、溶剤は有機溶剤を含有することが好ましく、ケトン系溶剤を含有することがより好ましい。
第一の重合性組成物の固形分量としては、特に制限されないが、第一の重合性組成物がより優れた塗布性を有する点で、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。上記固形分量になるよう、第一の重合性組成物は溶剤を含有することが好ましい。
溶剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の溶剤を併用する場合には、固形分量が上記範囲内であることが好ましい。
・重合開始剤
第一の重合性組成物は重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤を含有する第一の重合性組成物により得られる光学フィルムは、より優れた機械的強度を有する。
重合開始剤としては特に制限されず、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、及び、光重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン、及び、α−アミノアルキルフェノン等のアルキルフェノン系光重合開始剤;モノアシルフォスフィンオキサイド、及び、ビスアシルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤;オキシムエステル系光重合剤;等が挙げられる。
なかでも、光の照射により、より流動配向させ易い点(流動配向については後述する)で、光重合開始剤が好ましい。
第一の重合性組成物中における重合開始剤の含有量としては特に制限されないが、第一の重合性組成物の全固形分に対して0.5〜7質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
重合開始剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合開始剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
・配向制御剤
第一の重合性組成物は、安定的又は迅速な分子配向、特に、液晶相(例えば、コレステリック液晶相)の形成に寄与する配向制御剤を含有することが好ましい。
配向制御剤の例には、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、WO2011/162291号に記載の一般式(X1)〜(X3)で表される化合物、及び特開2013−47204号公報の0020〜0031段落に記載の化合物が含まれる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。これらの化合物は、層の空気界面において、分子のチルト角を低減、又は、実質的に水平配向させることができる(このような配向制御剤を、本明細書では、以下「空気界面配向剤」ともいう。)。
なお、本明細書で「水平配向」とは、分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、膜面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が生じ難いため、可視光領域での透明性が高くなる。
配向制御剤として利用可能な含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーの例は、特開2007−272185号公報の0018〜0043段落等にも記載がある。
配向制御剤の含有量は特に限定されないが、重合性モノマー100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
配向制御剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の配向制御剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
第一の重合性組成物は、上記の各成分を混合することにより調製することができる。上記の各成分の混合の順番は特に限定されないが、重合性モノマーを溶剤中で混合して混合物を得て、上記混合物とその他の成分とを混合する態様であってもよい。その際、重合性モノマーを混合するために用いられる溶剤と、混合物とその他の成分とを混合するために用いられる溶剤とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
<支持体>
支持体としては特に制限されず、公知の支持体を用いることができる。
支持体としては、自己支持性があり、重合性組成物層、後述する予備硬化膜、及び、硬化膜を支持するものであれば、材料、及び、光学的特性についてなんら制限されない。
支持体としては、例えば、ガラス板、石英板、及び、ポリマーフィルム等が挙げられ、ポリマーフィルムが好ましい。ポリマーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及び、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリメチルメタクリレートフィルム;ポリエチレン、及び、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリイミドフィルム;セルロースアシレートフィルム;等が挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレートフィルム、又は、セルロースアシレートフィルム等がより好ましい。
支持体の膜厚としては特に制限されないが、搬送性が良好な点で、10〜100μmが好ましく、15〜60μmがより好ましい。
なお、本明細書において、膜厚とは接触膜厚法により測定した3点の膜厚の算術平均により求めた平均膜厚を意図する。
(紫外線吸収剤)
支持体は、紫外線吸収剤を含有してもよい。
紫外線吸収剤としては、特に制限されず、公知の紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、及び、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤等が挙げられる。
支持体中における紫外線吸収剤の含有量としては特に制限されないが、支持体100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内にあると、支持体がより優れた紫外線の吸収性を有し、かつ紫外線吸収剤が支持体表面に析出しにくい。
支持体上に第一の重合性組成物を塗布して、第一の重合性組成物層を形成する方法としては特に制限されず、公知の塗布方法等を用いることができる。
第一の重合性組成物を塗布する方法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、及び、ダイコーティング法等が挙げられる。
第一の重合性組成物層の膜厚としては特に制限されないが、1.0μm以下が好ましい。第一の重合性組成物層の膜厚が、1.0μm以下であると、重合性モノマーがより流動し易く、より優れた配向状態が得られるため、結果として、得られる光学フィルムに輝点がより生じにくい。下限は特に制限されないが、0.1μm以上の場合が多い。
なお、上記膜厚とは、断面のSEM(Scanning Electron Microscope)測定法によって測定した乾燥膜厚を意図する。
また、重合性組成物を塗布した後、溶剤を除去するために加熱処理を行ってもよい。その場合の加熱処理の条件としては特に制限されず、例えば、加熱温度としては、30〜100℃が好ましく、40〜90℃がより好ましく、加熱時間としては、10〜300秒が好ましく、10〜180秒がより好ましい。
〔予備硬化工程〕
予備硬化工程は、第一の重合性組成物層と、フォトマスクが備えるスリット状の開口部との相対的な位置を移動させながら、開口部を介して、第一の重合性組成物層に光を照射し、予備硬化膜を得る工程である。
図1は上記光学フィルムの製造方法に用いられる製造装置の一例の概略図を示す。
送出機101によりロール(フィルムロール)状の支持体102が長手方向に送り出され、駆動ローラー103により搬送される。次に、コーター104により、支持体102上に重合性モノマーを含有する第一の重合性組成物が塗布され、第一の重合性組成物層106が形成される(以上は、すでに説明した重合性組成物層形成工程に該当する。)。
第一の重合性組成物層106は乾燥装置105により乾燥され、搬送される。次に、第一の重合性組成物層106上にフォトマスク107を配置し、光源108から、フォトマスクのスリット状の開口部109を介して、光が照射される。
図2は、第一の重合性組成物層106とフォトマスク107との配置の関係を示す上面図である。スリット状の開口部109は、その延在方向と、支持体の搬送方向とのなす角が90度となるよう、配置されている。しかし、上記光学フィルムの製造方法の態様としては、上記に限られず、スリット状の開口部109の延在方向と、支持体102の搬送方向とが交差していれば、上記光学フィルムの製造方法の態様に含有される。なお、本明細書で、延在方向とは、スリット状の開口部の長手方向を意図する。
また、図1及び図2においては、支持体102が搬送されることで、開口部109との相対的な位置が移動している。しかし、上記光学フィルムの製造方法の態様としては、これに制限されず、支持体102が固定され開口部109のみが移動する態様、支持体102と開口部109とが同じ方向にそれぞれ異なる速度で移動する態様、又は、支持体102と開口部109とが異なる方向に移動する態様、等も含有される。
本明細書において、相対的な位置を移動する、とは、支持体を搬送する、開口部を移動する、及び、これらの組み合わせにより、支持体102と開口部109との位置関係が変化することを意図する。
第一の重合性組成物層106にスリット状の開口部109を介して光が照射されると、第一の重合性組成物層106の光が照射された部分(露光部)では、重合性モノマーの重合が開始する。すると、第一の重合性組成物層106中の、露光部と、未露光部とでは、組成に差が生ずる。具体的には、露光部においては、重合が開始することで、重合性モノマーが消費され、未露光部と比較して、重合性モノマーの含有量が低下する。
露光部と、未露光部とで、重合性モノマーの含有量に差が生ずると、第一の重合性組成物層106中で、重合性モノマーの拡散が誘起される。具体的には、未露光部の重合性モノマーが、露光部へと流動する。特に、開口部109よりも上流側に位置する第一の重合性組成物層106中の未露光部の重合性モノマーが、スリット状の露光部側へと流動する。その結果、図2に示すように、スリット状の開口部109の延在方向に直交する方向(図2中のA1で表した矢印の方向)に沿って、分子配向が生じやすい。
なお、本明細書において上記重合性モノマーの流動により生ずる分子配向を「流動配向」ともいう。
上記実施態様に係る予備硬化工程では、支持体102は、送出機101により長手方向に送り出され、駆動ローラー103により搬送されるため、支持体102上に形成された第一の重合性組成物層106と開口部109との相対的な位置が移動する。相対的な位置を移動しながら光が照射されるため、第一の重合性組成物層106中では、重合性モノマーの分子流動が定常化し、上記分子流動から生じるせん断力により、均一な分子の配向状態を有する予備硬化膜が得られるものと推測される。
なお、本発明は、上記の推測機序により効果が得られる態様に制限されない。以上で説明した推測機序以外の機序により効果が得られる態様も、本発明の範囲に含まれる。
図2において、スリット状の開口部109は長尺の支持体102(第一の重合性組成物層106)の幅手方向を跨ぐように配置されている。
なお、本明細書において「跨ぐように配置されている」状態とはスリット状の開口部の長手方向と、長尺の支持体の搬送方向が交差し、かつ、スリット状の開口部の長手方向が、長尺の支持体の幅手方向を完全に横断する状態を意図する(図2及び図3参照)。スリット状の開口部109が、上記のように配置されていることで、支持体102の幅手方向上の第一の重合性組成物層106を同時に感光させることができ、第一の重合性組成物層106中で効率よく分子流動を誘起することができる。
なお、図2及び図3において、スリット状の開口部109は長尺の支持体102の幅手方向を跨ぐように配置されているが、上記光学フィルムの製造方法の態様としてはこれに限定されない。
図3は、上記光学フィルムの製造方法におけるスリット状の開口部109の配置の変形例を示す上面図である。
図3において、スリット状の開口部109は、その延在方向と、支持体の搬送方向(支持体と、開口部との相対的な移動の方向に該当する)とが交差するよう、配置されている。このとき、上記のなす角としては、ロールツーロールでの自在な軸設定が可能な点で、10〜80度が好ましい。
なお、ロールツーロールでの自在な軸設定が可能とは、ロールツーロールにて、第一の硬化膜中における流動配向の方向(配向軸)を自在に設定できることを意図する。
なお、図3の態様においても、矢印で示すように、スリット状の開口部109の延在方向に直交する方向(図3中のA2で表した矢印の方向)に沿って、分子配向が生じやすい。
予備硬化工程において第一の重合性組成物層106に光を照射する方法としては特に制限されない。光を照射するために用いられる光源108としては特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、及び、カーボンアーク灯等が挙げられる。
露光条件としては特に制限されないが、重合性モノマーが、より流動配向し易い点で、照射量としては、0.1〜100mJ/cmが好ましく、0.1〜10mJ/cmがより好ましい。
なお、光を照射する際には、酸素による重合阻害を防止するため照射部を窒素置換することが好ましい。なお、本段落において、「照射部を窒素置換する」とは、光が照射される第一の重合性組成物層の周辺の雰囲気中に存在する酸素の含有量が100ppm以下であることを意図する。
なお、本明細書において「予備硬化」とは、第一の重合性組成物層106に、上記の範囲内の条件により光を照射することを意図し、後述する「本硬化」とは、予備硬化膜に更に光を照射し、第一の硬化膜を得る(第一の重合性組成物層を完全に硬化させる)ことを意図する。
フォトマスク107としては特に制限されず、公知のフォトマスクを用いることができる。図2及び図3において、フォトマスク107は、スリット状の開口部109を1つ備えているが、上記光学フィルムの製造方法の態様としてはこれに限定されず、フォトマスク107は複数の開口部を備えていてもよい。
開口部109の幅は特に制限されないが、重合性モノマーがより流動配向しやすい点で、10〜1000μmが好ましく、100〜500μmがより好ましい。
支持体102と、開口部109との相対的な移動の速度としては特に制限されないが、重合性モノマーがより流動配向しやすい点で、0.1〜1000cm/minが好ましく、0.1〜100cm/minがより好ましい。
〔本硬化工程〕
本硬化工程は、上記の予備硬化工程により得られた予備硬化膜110に対して更に光を照射し、硬化膜112を得る工程である。上記硬化工程により、予備硬化膜110における分子配向が固定され、得られる光学フィルムの耐久性がより向上する。
図1において、第一の重合性組成物層106は、光源108から、フォトマスク107の開口部109を介して光が照射され、これにより予備硬化膜110となる。本硬化工程においては、上記予備硬化膜110に対し、光源111から光を照射し(本硬化)、予備硬化膜110を硬化させ、硬化膜112を得る。得られた硬化膜112は、ローラー113及び巻取機114によりロール状に巻き取られる。
本硬化工程における、上記光源、及び、光の照射方法については、予備硬化工程において、説明したのと同様である。
なお、露光条件としては特に制限されないが、第一の重合性組成物層を硬化させ易い点で、照射量としては、10〜1000mJ/cmが好ましく、300〜1000mJ/cmがより好ましい。
なお、光を照射する際には、酸素による重合阻害を防止するため照射部を窒素置換する事が好ましい。なお、本段落において、「照射部を窒素置換する」とは、光が照射される予備硬化膜の周辺の雰囲気中に存在する酸素の含有量が100ppm以下であることを意図する。
なお、上記本硬化工程においては、光照射後の硬化膜を更に加熱処理してもよく、その場合の加熱温度としては25〜100℃が好ましく、加熱時間としては0.1〜10分間が好ましい。
なお、重合性モノマーとして、重合性液晶化合物を用いた場合、硬化膜中においては、液晶相の光学的性質が硬化膜中において保持されていれば十分であり、最終的に硬化膜は液晶性を示す必要はない。例えば、重合性液晶化合物が、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
〔硬化膜積層工程〕
硬化膜積層工程は、第一の硬化膜の表面上に、更に、重合性モノマーを含有する第二の重合性組成物を塗布して、第二の重合性組成物層を形成し、第二の重合性組成物層を硬化させて、第二の硬化膜を得る工程である。
本発明の実施形態に係る光学フィルムの製造方法においては、第一の硬化膜が配向膜としての機能を有するためそれによって、第二の硬化膜を分子配向させることができる。
第二の硬化膜中の分子の配向形態は特に制限されず、一軸、二軸、軸方位が連続的、又は、段階的に厚み方向に変化するハイブリッド配向、軸方位が面内に回転して配向するコレステリック配向にも適用できる。
<第二の重合性組成物>
第二の重合性組成物は、重合性モノマーを含有すれば特に制限されず、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、溶剤、重合開始剤、配向制御剤、及び、キラル剤等が挙げられる。
(重合性モノマー)
上記重合性モノマーの態様としては、第一の重合性組成物が含有する重合性モノマーとして説明したとおりである。なお、上記重合性モノマーは、第一の重合性組成物が含有する重合性モノマーと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記重合性モノマーは、重合性液晶化合物であってもよい。重合性液晶化合物の態様としてはすでに説明したとおりである。
なお、第二の重合性組成物中における重合性モノマーの含有量としては特に制限されないが、第二の重合性組成物の全固形分に対して、70〜99質量%が好ましく、90〜99質量%がより好ましい。重合性モノマーは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。重合性モノマーを2種以上併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(溶剤)
第二の重合性組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては特に制限されず、その態様としてはすでに説明したとおりである。
なお、第二の重合性組成物の固形分量としては10〜60質量%が好ましく、固形分量が上記範囲内となるよう、溶剤により希釈されることが好ましい。
(重合開始剤)
第二の重合性組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤の態様としては既に説明したとおりである。重合性組成物中における重合開始剤の含有量としては特に制限されないが、第二の重合性組成物の全固形分に対して0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
重合開始剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合開始剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(配向制御剤)
第二の重合性組成物は、配向制御剤を含有することが好ましい。配向制御剤の態様としては既に説明したとおりである。第二の重合性組成物中における配向制御剤の含有量としては特に制限されないが、第二の重合性組成物の全固形分に対して0.01〜1質量%が好ましく、0.01〜0.1質量%がより好ましい。
配向制御剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の配向制御剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(キラル剤)
第二の重合性組成物はキラル剤(光学活性化合物)を含有してもよい。
キラル剤を含有すると、コレステリック液晶相の螺旋構造を誘起し、コレステリック液晶相が得られやすい。
キラル剤としては特に制限されず、公知のキラル剤を用いることができる。
公知のキラル剤としては、例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(Twisted Nematic)、STN(Super-twisted nematic display)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載された化合物、イソソルビド、及び、イソマンニド誘導体等を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物又は面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物、及び、面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン、及び、これらの誘導体等が挙げられる。
キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤が重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性モノマーとの重合反応により、重合性モノマーから誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性モノマーが有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。
第二の重合性組成物中におけるキラル剤の含有量としては、特に制限されないが、重合性モノマーの含有100質量部に対して、1〜15質量部が好ましい。
キラル剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のキラル剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
上記第二の重合性組成物を塗布する方法としては特に制限されず、公知の塗布方法を用いることができる。なお、塗布する方法については、すでに説明したとおりである。
第二の重合性組成物層の膜厚としては特に制限されないが、乾燥膜厚として0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましく、0.5μmを超え、5μm以下が更に好ましい。
第二の重合性組成物層を硬化させて第二の硬化膜を得る方法としては特に制限されず、公知の硬化方法を用いることができる。
硬化方法としては、例えば、加熱処理及び/又は露光処理が挙げられる。
露光処理としては、既に説明した光源等を用いることができ、特に制限されないが、例えば、紫外線ランプにより0.1〜1000mJ/cmの照射量で光を照射して重合性組成物層を硬化する態様が挙げられる。
加熱処理の温度としては特に制限されないが、例えば、30〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましい。また、加熱時間としては0.1〜5分間が好ましい。
なお、上記光学フィルムの製造方法においては、第二の重合性組成物層を硬化させる前に、熟成工程を更に含有していてもよい。
熟成工程とは、例えば、重合性モノマーが重合性液晶化合物である場合、第二の重合性組成物層を液晶相の状態にするための工程である。
例えば、第二の重合性組成物が、溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、未硬化層を乾燥し、溶媒を除去することで、液晶相の状態にすることができる場合がある。
また、液晶相への転移温度とするために、第二の重合性組成物層を加熱してもよい。例えば、第二の重合性組成物層を、等方性相の温度まで一旦加熱し、その後、未硬化層を液晶相転移温度まで冷却することで、安定的に液晶相の状態にすることができる。重合性組成物の液晶相転移温度は、重合性組成物の組成により調整することができ、特に限定されないが、製造適性等の面から10〜250℃の範囲内であることが好ましく、10〜150℃の範囲内であることがより好ましい。
第二の重合性組成物層を加熱する温度(以下、「熟成温度」ともいう。)は、特に限定されないが、製造適性等の面から60〜100℃が好ましく、70〜100℃がより好ましい。
また、第二の重合性組成物層を加熱する時間は特に限定されないが、製造適性等の観点から、5分間以下が好ましく、2分間以下がより好ましい。
〔光学フィルムの用途〕
上記光学フィルムの用途としては、例えば、位相差フィルム、及び、円偏光反射フィルム等が挙げられる。以下では用途について説明する。
<位相差フィルム>
分子配向が固定されたフィルムは、位相差膜を備える位相差フィルムとして用いることもできる。位相差フィルムとして用いる場合、硬化膜(位相差膜)の厚さは、重合性モノマーの種類、及び/又は、所望の位相差値によっても異なるが、一般的に、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.5μmを超えることが更に好ましい。また、10μm以下が好ましい。
また、位相差膜の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)、Rthは、用途に応じて適宜選択される。
<円偏光反射フィルム>
円偏光反射フィルムは、可視光領域で選択反射を示すコレステリック液晶層を少なくとも1層含むことが好ましい。なお、本明細書において、コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を固定した層を意味する。
円偏光反射フィルムは2層以上のコレステリック液晶層を含んでいてもよく、配向層などの他の層を含んでいてもよい。円偏光反射フィルムはコレステリック液晶層のみからなることが好ましい。また、円偏光反射フィルムが複数のコレステリック液晶層を含むときは、それらは隣接するコレステリック液晶層と直接接していることが好ましい。円偏光反射フィルムは、3層、4層など、3層以上のコレステリック液晶層を含んでいることが好ましい。
円偏光反射フィルムの膜厚は、2.0〜300μmが好ましく、8.0〜200μmがより好ましい。
コレステリック液晶相は、特定の波長域において右円偏光及び左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射させるとともに他方のセンスの円偏光を透過する円偏光選択反射を示すことが知られている。本明細書において、円偏光選択反射を単に選択反射ということもある。
なお、本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、又は、左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また、外場若しくは外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[重合性組成物の調製]
表1に記載の各成分を混合し、重合性組成物A〜Dを得た。なお、以下の実施例の説明における、各成分の略号は以下のとおりである。
・CB6AC(以下の式で表される化合物;重合性モノマーに該当する。重合性液晶化合物に該当する。)
・CBOA(以下の式で表される化合物;重合性モノマーに該当する;重合性液晶化合物に該当する)
・ZRD60(富士フイルム製;セルロースアシレートフィルム;膜厚60μm;幅手方向の長さ1400mmの長尺フィルム;長さは2000m)
・RM−257(以下の式で表される化合物;Merck社製;融点64℃;I−N点(液晶相から等方相への転移温度)126℃;重合性モノマーに該当する;重合性液晶化合物に該当する。)
・空気界面配向剤(1)(空気界面配向剤に該当する。)
・HDDMA(以下の式で表される化合物;重合性モノマーに該当する;多官能モノマーに該当する。)
・Irgacure651(以下の式で表される化合物;BASF社製;アルキルフェノン系光重合開始剤に該当する。)
・Irgacure819(以下の式で表される化合物;BASF社製;アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤に該当する。)
上記表1中、アスペクト比以外の各数値は、質量部を表す。なお、各重合性組成物は、固形分が20質量%となるようにMEK(methyl ethyl ketone)で希釈した。
また、表中、アスペクト比とは、重合性モノマーのアスペクト比を表しており、Winmostar V6.005 MOPAC AM1(MOP7W70)を用いて計算により求めたアスペクト比を表す。
[実施例1]
上記で調製した重合性組成物Aを用いて、以下の方法により、光学フィルムを作製した。なお、以下の方法と同様にして、実施例2〜7の光学フィルムを作製した。各実施例において使用した重合性組成物の種類、予備硬化膜、硬化膜の作製条件は、表2にまとめて示した。
〔予備硬化膜の作製〕
上記で調製した各重合性組成物を、ZRD60フィルム(支持体)の表面に、乾燥膜厚が表2に記載したとおりとなるように塗布した。なお、このとき、支持体の搬送速度は表2に記載したとおりであった。
得られた重合性組成物層(第一の重合性組成物に該当する。)を60℃、3分間の条件で加熱して、乾燥させた。乾燥後、幅200μmのスリット状の開口部を備えたフォトマスクを介して、高圧水銀灯の光を照射し、予備硬化膜を得た。なお、このとき、支持体の搬送方向(支持体と、開口部との相対的な位置の移動の方向)と、開口部の延在方向とのなす角、相対的な位置の移動の速度、及び、照射量は表2に記載したとおりであった。
なお、光を照射する際には、照射部を窒素置換し、重合性組成物層の周辺の雰囲気中に存在する酸素の含有量が100ppm以下とした。
〔硬化膜の作製〕
予備硬化膜に対して、フォトマスクを介さず、高圧水銀灯の光を照射し、硬化膜を得た。このとき、照射量は、300mJ/cmであった。
なお、光を照射する際には、照射部を窒素置換し、重合性組成物層の周辺の雰囲気中に存在する酸素の含有量が100ppm以下とした。
なお、得られた硬化膜の膜厚は、硬化性組成物層の乾燥膜厚と同様であった。
〔光学フィルムの作製〕
上記により得られた硬化膜上に、重合性組成物Dを用いて、乾燥膜厚が1μmとなるよう、重合性組成物層を形成し、上記重合性組成物層に光を照射して(露光して)、硬化膜を得た。このとき、照射量は300mJ/cmであった。
なお、硬化膜の膜厚は、1μmであった。
得られた光学フィルムは以下の方法により評価した。
[評価:輝点の発生]
作製した光学フィルムの幅手方向に均等となるよう、5ヵ所からサンプリングし、偏光顕微鏡で50倍に拡大しクロスニコル状態で観察した。まず、光学フィルムを回転させ、視野内が一番明るくなる状態に光学フィルムの方向を決定し、その状態で面内の均一性を目視確認した。結果は以下の基準に従って評価した。なお実用上B以上が好ましい。なお、結果は表2に示した。
A:光学フィルムを回転させると、視野は暗い状態になり、点状に明るい部分(輝点)がほとんど見えなかった。
B:光学フィルムを回転させると、視野は暗い状態になり、輝点が一部見えた。
C:光学フィルムを回転させると、視野は暗い状態になるが、輝点が見えた。
D:面内に輝点が多く存在し、フィルムを回転しても暗い状態にならなかった。
[評価:配向状態]
上記の方法で作製した光学フィルム中の硬化膜の配向方向(遅相軸)は、鋭敏色板を用いる方法により確認した。結果は、支持体の搬送方向とのなす角(度)として表2に表示した。
なお、比較として、以下の3種の比較実験を行った。
比較例1:第二の重合性組成物層を設けず、第一の重合性組成物層の乾燥厚みを1.1μmとしたこと以外は実施例4と同様の条件でフィルムを作製したが、十分な分子の配向性が得られず、光学フィルムとして用いることはできなかった。
比較例2:第二の重合性組成物層を設けず、第一の重合性組成物層の乾燥厚みを2.2μmとしたこと以外は実施例8と同様の条件でフィルムを作製したが、十分な分子の配向性が得られず、光学フィルムとして用いることはできなかった。
比較例3:第一の重合性組成物層を設けず、第二の重合性組成物の乾燥厚みを2.2μmとしたこと以外は実施例8と同様の条件でフィルムを作製したが、十分な分子の配向性が得られず、光学フィルムとして用いることはできなかった。
なお、表2中、左矢印は、左隣の欄と同一内容であることを示している。
表2に示した結果から、本発明の実施形態に係る光学フィルムの製造方法によれば、無偏光の光を照射することで化合物を配向させ、十分な厚さを有し、かつ、輝点の発生が抑制された光学フィルムを製造できることがわかった。
また、第一の重合組成物中の重合性モノマーのアスペクト比が3.5以上である実施例2の重合性組成物を用いて形成された光学フィルムは、実施例1の光学フィルムと比較して、輝点の発生がより抑制されていた。
支持体が長尺であり、支持体の搬送方向と、スリット状の開口部の延在方向とのなす角が10〜80度である、実施例3〜7の製造方法は、実施例2の製造方法と比較して、ロールツーロールにて、第一の硬化膜中における流動配向の方向(配向軸)をより自在に設定できた。
第一の重合性組成物が、空気界面配向剤を含有する重合性組成物Bを用いた実施例2の光学フィルムの製造方法により製造された光学フィルムは、実施例8の製造方法により製造された光学フィルムと比較してより輝点の発生が抑制されていた。
101 送出機
102 支持体
103 駆動ローラー
104 コーター
105 乾燥装置
106 第一の重合性組成物層
107 フォトマスク
108 光源
109 開口部
110 予備硬化膜
111 光源
112 硬化膜
113 ローラー
114 巻取機

Claims (7)

  1. 重合性モノマーを含有する第一の重合性組成物を、支持体の表面上に塗布して、第一の重合性組成物層を形成する、重合性組成物層形成工程と、
    前記第一の重合性組成物層と、フォトマスクが備えるスリット状の開口部と、の相対的な位置を移動させながら、前記開口部を介して、前記第一の重合性組成物層に光を照射し、予備硬化膜を得る、予備硬化工程と、
    前記予備硬化膜に対して、更に光を照射し、第一の硬化膜を得る、本硬化工程と、
    前記第一の硬化膜の表面上に、更に、重合性モノマーを含有する第二の重合性組成物を塗布して、第二の重合性組成物層を形成し、前記第二の重合性組成物層を硬化させて、第二の硬化膜を得る、硬化膜積層工程と、を含有する、光学フィルムの製造方法。
  2. 前記第一の重合性組成物層の膜厚が1.0μm以下である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記支持体が、長尺であり、
    前記開口部が、前記支持体の幅手方向を跨ぐように配置されている、請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 前記移動の方向と、前記開口部の延在方向とのなす角が、10〜80度である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 前記重合性モノマーの分子のアスペクト比が、3.5以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 前記重合性モノマーが、重合性液晶化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 前記第一の重合性組成物が、更に、空気界面配向剤を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
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