JP2018030785A - 銅含有組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大気中での酸化により1価の銅化合物が2価の銅化合物に徐々に変化してしまうことがなく、長期的に抗ウィルス作用を発揮することが可能な銅含有組成物を提供する。
【解決手段】1価の銅化合物含有基体と、1価の銅化合物含有基体の表面上に形成された、ポリシロキサンを含む被覆層とを含有し、ポリシロキサンの主鎖には、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有する。
【選択図】なし
【解決手段】1価の銅化合物含有基体と、1価の銅化合物含有基体の表面上に形成された、ポリシロキサンを含む被覆層とを含有し、ポリシロキサンの主鎖には、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、抗ウィルス性を有する銅含有組成物およびその製造方法に関する。
1価の銅化合物は、2価の銅化合物よりも強い抗ウィルス作用を持つことが知られている。1価の銅化合物としては、CuCl、Cu(CH3COO)、CuI、CuBr、Cu2S、CuCN、CuSCN等があるが、安価で且つ毒性が低いことにより工業的に最も有用な抗ウィルス材料としては、亜酸化銅(Cu2O)が知られている。
しかしながら、1価の銅酸化物である亜酸化銅を有効成分とする抗ウィルス材料は、大気中での酸化により、容易に亜酸化銅が2価の銅酸化物である酸化銅に変化して、抗ウィルス作用がすぐ低下するという問題を有している。
特許文献1には、光触媒作用を用いて2価の銅酸化物を1価の銅酸化物に、持続的に還元することによって、大気中で抗ウィルス作用を維持する技術が開示されている。
また、特許文献2には、シリカ被覆層を有する亜酸化銅粒子からなり、そのシリカ被覆層の含有量が、亜酸化銅粒子100質量部に対して5〜20質量部である抗菌抗ウィルス性組成物とその製造方法が開示されている。シリカ被覆層の厚さは、1〜20nmの範囲内であることが好ましく、3〜15nmであることがより好ましく、5〜10nmであることがさらに好ましいことが記載されている。
シリカ被覆層の形成方法としては、シリカ源としてテトラエトキシシラン等のケイ素含有化合物を用い、エタノール等の溶媒中でそのシリカ源を亜酸化銅粒子表面に付着させ、さらにアンモニア水等の添加により亜酸化銅粒子表面に付着したシリカ源を加水分解してシリカ被覆層を生成することが記載されている。
夜間や十分な光照射の得られない遮蔽環境では、光触媒作用により2価の銅酸化物を1価の銅酸化物に還元することができないので、特許文献1に開示されている技術は、効果を得るための環境に制限があり、日常的な使用場面において抗ウィルス性が容易に失われてしまうという問題がある。
また、特許文献2に開示されているような、シリカ源を溶液中で加水分解した膜は多量に残存するシラノール基の水素結合HO−Si−OH:HO−Si−OHにより構造を維持している多孔質膜であって、シロキサン結合−(Si−O−Si)n−による骨格を有する緻密なポオリシロキサンの膜ではないので、微弱ながら酸素透過性を有している。このため、特許文献2に開示の抗菌抗ウィルス性組成物は、大気中での酸化により亜酸化銅が2価の銅酸化物である酸化銅に徐々に変化してしまい、長期的に抗ウィルス作用を発揮することができないという問題がある。
この問題を解決するためには、このような多孔質膜を加熱して脱水縮合させれば水素結合を解消して緻密且つ強固なシリカ構造を形成可能であるが、同時に縮合反応の生成物である水によって酸化されて亜酸化銅が酸化銅になってしまうので抗ウィルス作用は著しく失われてしまう。
本発明の目的とするところは、上記問題点に鑑み、大気中での酸化により1価の銅化合物が2価の銅化合物に経時劣化してしまうことがなく、長期的に抗ウィルス作用を発揮することが可能な抗ウィルス性を有する銅含有組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
すわなち、本発明の一態様に係る銅含有組成物は、1価の銅化合物含有基体と、前記1価の銅化合物含有基体の表面上に形成された、ポリシロキサンを含む被覆層とを含有し、前記ポリシロキサンの主鎖には、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る銅含有組成物では、前記1価の銅化合物含有基体の表面の組成が、Cu2O、CuCl、Cu(CH3COO)、CuI、CuBr、Cu2S、CuCN、およびCuSCNからなる群から少なくとも1種選択されることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る銅含有組成物では、前記1価の銅化合物含有基体の形態が粒子状または繊維状であることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る銅含有組成物では、前記ポリシロキサンがジメチルポリシロキサンであることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る銅含有組成物では、前記被覆層の厚さが1nm〜100nmであることが好ましい。
本発明の他の態様に係る銅含有組成物の製造方法は、大気圧下でプラズマガス中に、有機ケイ素化合物を、キャリアガスとともに混合噴霧することで、該有機ケイ素化合物をラジカル化するラジカル化工程と、前記ラジカル化した前記有機ケイ素化合物をプラズマ重合させることにより、1価の銅化合物含有基体の表面上にポリシロキサンを含む被覆層を形成する被覆層形成工程とを有し、前記被覆層形成工程では、前記ポリシロキサンの主鎖は、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−に制御されることを特徴とする。
また、本発明の他の態様に係る銅含有組成物の製造方法では、前記有機ケイ素化合物が、ヘキサメチルジシロキサンであることが好ましい。
本発明によれば、大気中での酸化により1価の銅化合物が2価の銅化合物に徐々に変化してしまうことがなく、長期的に抗ウィルス作用を発揮することが可能な銅含有組成物を得ることできる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
[1.銅含有組成物]
本実施形態に係る銅含有組成物は、1価の銅化合物含有基体と、その表面上に形成される被覆層とを含有する。以下、各構成要素についてそれぞれ説明する。
本実施形態に係る銅含有組成物は、1価の銅化合物含有基体と、その表面上に形成される被覆層とを含有する。以下、各構成要素についてそれぞれ説明する。
(1価の銅化合物含有基体)
1価の銅化合物含有基体の表面の組成は、1価の銅化合物であれば特に限定されないが、例えばCu2O、CuCl、Cu(CH3COO)、CuI、CuBr、Cu2S、CuCN、およびCuSCNからなる群から少なくとも1種選択されるであることが好ましい。特に、Cu2Oは、上述した化合物の中でも、安価で且つ毒性が低いためより好ましい。また、この1価の銅化合物含有基体は、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの有機材料の粒子若しくは繊維の表面や、セラミックス、ガラスなどの無機材料の粒子若しくは繊維の表面に亜酸化銅(Cu2O)層を形成した複合基体であってもよい。
1価の銅化合物含有基体の表面の組成は、1価の銅化合物であれば特に限定されないが、例えばCu2O、CuCl、Cu(CH3COO)、CuI、CuBr、Cu2S、CuCN、およびCuSCNからなる群から少なくとも1種選択されるであることが好ましい。特に、Cu2Oは、上述した化合物の中でも、安価で且つ毒性が低いためより好ましい。また、この1価の銅化合物含有基体は、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの有機材料の粒子若しくは繊維の表面や、セラミックス、ガラスなどの無機材料の粒子若しくは繊維の表面に亜酸化銅(Cu2O)層を形成した複合基体であってもよい。
1価の銅化合物含有基体は、特に形態が限定されないが、粒子状または繊維状であることが好ましい。例えば、1価の銅化合物含有基体が粒子状である場合には、この平均粒径は、特に限定されないが、1nm以上20nm以下であることが好ましい。これは、抗ウィルス性において、1価の銅化合物の粒径が小さいほど、効果は大きいことが知られており、抗ウィルス性が大きくなるため、使用量を少なく抑えることができる。このように、抗ウィルス性材料としての1価の銅化合物は、微粒子であるほど好適であると考えられる。なお、本実施形態において、平均粒径とは、積算値50%の粒度を意味し、例えば、SALD−7000(株式会社島津製作所)などの粒度分布測定装置により測定することができる。
(被覆層)
a)構成成分
本実施形態に係る銅含有組成物を構成する被覆層は、ポリシロキサンにより構成されている。このポリシロキサンの主鎖には、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有する。本実施形態では、1価の銅化合物含有基体の表面には、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有するポリシロキサンを含む緻密な被覆層が形成されているので、表面の亜酸化銅の酸化を防止することができる。重合度nが7未満である場合には、被覆層が酸素を透過するおそれがあるので、1価の銅化合物含有基体の表面が酸化されてしまうおそれがある。また、ポリシロキサンの主鎖には、重合度nの上限値として1000以下のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有することが好ましい。重合度nが1000を超える場合、重合度nが7以上としたことにより得られる被覆層の有する性能と同等であるが、被覆層が厚くなりすぎ抗ウィルス性に影響を与えるおそれがある。
a)構成成分
本実施形態に係る銅含有組成物を構成する被覆層は、ポリシロキサンにより構成されている。このポリシロキサンの主鎖には、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有する。本実施形態では、1価の銅化合物含有基体の表面には、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有するポリシロキサンを含む緻密な被覆層が形成されているので、表面の亜酸化銅の酸化を防止することができる。重合度nが7未満である場合には、被覆層が酸素を透過するおそれがあるので、1価の銅化合物含有基体の表面が酸化されてしまうおそれがある。また、ポリシロキサンの主鎖には、重合度nの上限値として1000以下のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有することが好ましい。重合度nが1000を超える場合、重合度nが7以上としたことにより得られる被覆層の有する性能と同等であるが、被覆層が厚くなりすぎ抗ウィルス性に影響を与えるおそれがある。
また、ポリシロキサンの種類は特に制限されないが、1価の銅化合物含有基体表面の酸化の進行を抑制する観点から、その主鎖に、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有し、かつ、単位Siあたりに、アルキル基が1個〜3個結合しているアルキルポリシロキサンが好ましく、特に、単位Siあたりに、メチル基が2個〜3個結合しているジメチルポリシロキサンがより好ましい。このようなポリシロキサンで構成されている被覆層は、高い緻密性を備えており、これによって下地材料の酸化を防止することができる。
b)厚さ
本実施形態に係る銅含有組成物を構成する被覆層の厚さは、1nm〜100nm、好ましくは3nm〜80nm、より好ましくは5nm〜50nmとする。この被覆層は1nm〜100nmの厚さで非常に薄いために、抗ウィルス作用を阻害することがない。
本実施形態に係る銅含有組成物を構成する被覆層の厚さは、1nm〜100nm、好ましくは3nm〜80nm、より好ましくは5nm〜50nmとする。この被覆層は1nm〜100nmの厚さで非常に薄いために、抗ウィルス作用を阻害することがない。
被覆層の厚さが1nm未満では、1価の銅化合物含有基体の表面について酸化の進行を十分に抑制することができず、その組成が亜酸化銅(Cu2O)から酸化銅(CuO)に変化して、抗ウィルス性が低下するため好ましくない。一方、被覆層の厚さが100nmを超えると、銅化合物含有基体表面の酸化の進行を抑制することはできるものの、被覆層が抗ウィルス作用を遮蔽することにより抗ウィルス性が低下するおそれがあるため好ましくない。
[2.銅含有組成物の製造方法]
次に、上述した銅含有組成物の製造方法について説明する。図1は、本実施形態に係る銅含有組成物の製造方法の概略を示すフロー図である。本実施形態に係る銅含有組成物の製造方法は、図1に示すように、有機ケイ素化合物をラジカル化する工程(以下、「ラジカル化工程S1」ともいう。)と、銅化合物含有基体の表面に被覆層を形成する工程(以下、「被覆層形成工程S2」ともいう。)とを有する。以下、各工程S1,S2についてそれぞれ説明する。
次に、上述した銅含有組成物の製造方法について説明する。図1は、本実施形態に係る銅含有組成物の製造方法の概略を示すフロー図である。本実施形態に係る銅含有組成物の製造方法は、図1に示すように、有機ケイ素化合物をラジカル化する工程(以下、「ラジカル化工程S1」ともいう。)と、銅化合物含有基体の表面に被覆層を形成する工程(以下、「被覆層形成工程S2」ともいう。)とを有する。以下、各工程S1,S2についてそれぞれ説明する。
(ラジカル化工程S1)
ラジカル化工程S1は、大気圧下でプラズマガス中に、有機ケイ素化合物を、キャリアガスとともに混合噴霧することで、有機ケイ素化合物をラジカル化する。具体的には、被覆層の主成分となるポリシロキサンの材料となる有機ケイ素化合物を、キャリアガスを介して導入し、大気圧下でプラズマ化された反応ガスと、有機ケイ素化合物とを混合し、有機ケイ素化合物をラジカル化することにより、ラジカル化有機ケイ素化合物を形成することができる。
ラジカル化工程S1は、大気圧下でプラズマガス中に、有機ケイ素化合物を、キャリアガスとともに混合噴霧することで、有機ケイ素化合物をラジカル化する。具体的には、被覆層の主成分となるポリシロキサンの材料となる有機ケイ素化合物を、キャリアガスを介して導入し、大気圧下でプラズマ化された反応ガスと、有機ケイ素化合物とを混合し、有機ケイ素化合物をラジカル化することにより、ラジカル化有機ケイ素化合物を形成することができる。
a)大気圧プラズマ
プラズマ重合処理は従来から広く知られた技術であるが、本実施形態で利用する大気圧プラズマ重合処理は、常態では進行しない化学反応を、大気圧プラズマによる反応粒子の活性化により進行させるものである。大気圧プラズマとしては、コロナ放電、誘電体バリア放電、RF放電、マイクロ波放電、アーク放電などを挙げることができるが、本実施形態では、特に制限されることなく、いずれも適用可能である。このため、プラズマ化するために使用する装置としては、大気圧下で反応ガスをプラズマ化することができるものであれば、特に制限されることなく、公知のプラズマ発生装置を使用することができる。なお、本発明において、大気圧とは、大気圧(1013.25hPa)およびその近傍の気圧を含み、通常の大気圧の変化の範囲内の気圧も含まれる。
プラズマ重合処理は従来から広く知られた技術であるが、本実施形態で利用する大気圧プラズマ重合処理は、常態では進行しない化学反応を、大気圧プラズマによる反応粒子の活性化により進行させるものである。大気圧プラズマとしては、コロナ放電、誘電体バリア放電、RF放電、マイクロ波放電、アーク放電などを挙げることができるが、本実施形態では、特に制限されることなく、いずれも適用可能である。このため、プラズマ化するために使用する装置としては、大気圧下で反応ガスをプラズマ化することができるものであれば、特に制限されることなく、公知のプラズマ発生装置を使用することができる。なお、本発明において、大気圧とは、大気圧(1013.25hPa)およびその近傍の気圧を含み、通常の大気圧の変化の範囲内の気圧も含まれる。
ただし、本実施形態では、予めプラズマ化された反応ガス中に、有機ケイ素化合物を、キャリアガスを介して混合噴霧することが必要となる。このような構成を採ることにより、有機ケイ素化合物を瞬時にラジカル化させることができるため、有機ケイ素化合物の基本骨格を維持したまま、被覆層を主として構成するポリシロキサンを1価の銅化合物含有基体の表面全体にわたって、緻密かつ均一に形成することが可能となる。
これに対して、従来技術の大気圧プラズマCVD法を利用した被覆層の形成方法では、反応ガスと、キャリアガスと、被覆材料とを装置内に供給した後、反応ガスのプラズマ化と被覆材料の活性化(ラジカル化)が同時に行われるため、被覆材料の活性化が不均一なものとなる。この結果、被覆層は緻密なものとならず、また、銅化合物含有基体の表面全体に被覆層を均一に形成することも困難となる。
b)反応ガスおよびキャリアガス
反応ガスとしては、プラズマ化が容易なものであれば特に制限されることはなく、たとえば、Ar(アルゴン)、He(ヘリウム)、N2(窒素)、O2(酸素)、空気などを使用することができる。これらの反応ガスは、単独で使用してもよく、2種類以上を、所定の割合で混合して使用してもよい。なお、生産コストの観点から、N2、O2、またはその混合ガス、特に空気を使用することが好ましい。キャリアガスとしては、噴霧した有機ケイ素化合物を搬送することができるものであれば特に制限されることはない。たとえば、Ar、He、N2などを使用することができる。これらのキャリアガスは、単独で使用してもよく、2種類以上を所定の割合で混合して使用してもよい。なお、生産コストの観点から、N2を使用することが好ましい。
反応ガスとしては、プラズマ化が容易なものであれば特に制限されることはなく、たとえば、Ar(アルゴン)、He(ヘリウム)、N2(窒素)、O2(酸素)、空気などを使用することができる。これらの反応ガスは、単独で使用してもよく、2種類以上を、所定の割合で混合して使用してもよい。なお、生産コストの観点から、N2、O2、またはその混合ガス、特に空気を使用することが好ましい。キャリアガスとしては、噴霧した有機ケイ素化合物を搬送することができるものであれば特に制限されることはない。たとえば、Ar、He、N2などを使用することができる。これらのキャリアガスは、単独で使用してもよく、2種類以上を所定の割合で混合して使用してもよい。なお、生産コストの観点から、N2を使用することが好ましい。
窒素プラズマを生成するためには、プラズマガスおよびキャリアガスにおける窒素の含有量は、30容量%〜100容量%の範囲にあることが好ましい。窒素の含有量を30容量%以上とすることで、酸素による、被覆材料である有機ケイ素化合物の酸化が防止され、その基本骨格を維持したままラジカル化させることが可能となる。
ただし、窒素の含有量を30容量%以上とした場合であっても処理条件によっては、酸素または空気がプラズマ化される過程において高温となり、被覆材料である有機ケイ素化合物が酸化分解し、得られる被覆層が酸化ケイ素(SiOx)膜となってしまう場合がある。このような場合、前記プラズマガスおよびキャリアガスにおける窒素の含有量を増加して、好ましくは40容量%〜100容量%、より好ましくは100容量%とすることで、前記有機ケイ素化合物の酸化分解を抑制することができる。
例えば、螺旋状のガス流によって画定され、ラジカル化工程で得られたラジカル化有機ケイ素化合物が均一に分散した反応領域を形成することができる。これは、ラジカル化有機ケイ素化合物が均一に分散した螺旋状のガス流内では、銅化合物含有基体とラジカル化有機ケイ素化合物との反応が、同時かつ同程度の反応速度で進行するため、得られる被覆層をきわめて均一に形成することができるからである。
被覆層を薄く形成する場合には、酸素や空気(特に乾燥空気)を用いて螺旋状のガス流を形成することが好ましい。これは、酸素や空気を用いることで被覆層中の酸素導入量を増加させることでき、この結果、被覆層の緻密性や平滑性を向上させることが可能となるからである。
螺旋状のガス流の速度(進行方向に対する速度および周方向に対する速度)は、目的とする被覆層の厚さや1価の銅化合物含有基体の性状(有機ケイ素化合物との反応性)に応じて、適宜選択することが必要となる。このため、予備試験を実施した上で、螺旋状のガス流の速度を設定することが好ましい。
c)有機ケイ素化合物
本実施形態では、被覆層を形成するための被覆材料として、常温で液体である有機ケイ素化合物を使用することができる。このような有機ケイ素化合物としては、アルキル基、アルコキシ基、フルオロアルキル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基の群から選択される少なくとも1種の有機置換基を有するものを使用することが好ましい。
本実施形態では、被覆層を形成するための被覆材料として、常温で液体である有機ケイ素化合物を使用することができる。このような有機ケイ素化合物としては、アルキル基、アルコキシ基、フルオロアルキル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基の群から選択される少なくとも1種の有機置換基を有するものを使用することが好ましい。
具体的には、アルキル基を有するものとしては、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、オクタメチルトリシロキサン(OMTSO)、デカメチルテトラシロキサン(DMTSO)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTSO)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(HMCTSO)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTSO)、デカメチルシクロペンタシロキサン(DMCPSO)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTSO)などを使用することができる。
また、アルコキシル基やフルオロアルキル基などの有機置換基を有するものとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン(PTMEOS)、アリルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMOS)、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、4−トリメトキシシリルプロピルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(TFPTMOS)、ペンタフルオロブチルトリプロポキシシラン、パーフルオロヘキシルエチルメトキシシラン、パーフルオロペンチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロヘキシルエチルエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロペンチルエチルメチルジエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルメチルジエトキシシラン、パーフルオロペンチルエチルメチルジプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランやβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネート基同士が結合したトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランやビニルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを使用することができる。
これらの中でも、アルキル基を有するもの、特に、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)は、沸点が99.5℃で、無色かつ無臭の液体であり、空気中において高い安定性を示し、その取扱いが容易であるため、好適に使用することができる。
(被覆層形成工程S2)
被覆層形成工程S2は、ラジカル化した有機ケイ素化合物をプラズマ重合させながら、銅化合物含有基体の表面に被覆層を形成する。なお、ラジカル化した有機ケイ素化合物をプラズマ重合させながら、1価の銅化合物含有基体の表面に被覆層をそれぞれ形成してもよい。
被覆層形成工程S2は、ラジカル化した有機ケイ素化合物をプラズマ重合させながら、銅化合物含有基体の表面に被覆層を形成する。なお、ラジカル化した有機ケイ素化合物をプラズマ重合させながら、1価の銅化合物含有基体の表面に被覆層をそれぞれ形成してもよい。
ラジカル化有機ケイ素化合物が形成された雰囲気中に1価の銅化合物含有基体を搬送し、ラジカル化有機ケイ素化合物を銅化合物含有基体の表面の金属と反応させることにより、銅化合物含有基体表面に、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有するポリシロキサンを主成分として含み、好ましくは、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有するポリシロキサンからなり、1nm〜100nmの範囲にある厚さを有する被覆層を形成することができる。本実施形態に係る銅含有組成物の製造方法を構成する1価の銅化合物含有基体としては、前記に例示の種々のものを用いることができる。
ラジカル化工程S1において上述した有機ケイ素化合物を使用して、本実施形態の銅含有組成物に備わる被覆層を形成した場合には、該被覆層をジメチルポリシロキサン(構造式:(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]n−Si(CH3)3)によって構成することができる。
窒素プラズマガス中に、被覆材料を混合噴霧する方法は、特に限定されることなく、公知の手段が用いられる。たとえば、高温で蒸発させ霧化した被覆材料と、キャリアガスからなる窒素との混合ガスを、大気圧中でプラズマ化された窒素プラズマガス中に導入すればよい。
このようにして窒素プラズマガス中に導入された被覆材料は、窒素プラズマガスと接触すると瞬時にラジカルを生成する反応が進行し、その基本骨格を維持しつつ生成したラジカルが、プラズマ重合しながら、1価の銅化合物含有基体の表面に存在する金属と反応し、瞬時にポリシロキサンからなる被覆層が形成される。
被覆層形成工程S2では、上述のように、重合度nが7以上に制御しているが、この重合度nは、使用するプラズマ処理装置の条件設定により適宜調整される。例えば、プラズマ処理装置として、プラズマトリート社製の大気圧プラズマ重合処理装置(プラズマポリマーラボシステム PAD−1型)を使用する場合には、ノズル距離を好ましくは5mm〜30mm、より好ましくは7mm〜25mmとし、ノズル移動速度を好ましくは10m/min〜40m/min、より好ましくは7m/min〜35m/minとする。ここで、ノズル距離とは、被覆材料である、有機ケイ素化合物を噴出する供給ノズルの先端から、被覆層が形成される1価の銅化合物含有基体の表面までの距離をいう。また、ノズル移動速度とは、該供給ノズルが、1価の銅化合物含有基体に対して移動する速度をいう。
[3.まとめ]
本実施形態に係る銅含有組成物は、1価の銅化合物含有基体と、その1価の銅化合物含有基体の表面上に形成された、ポリシロキサンを含む被覆層とを含有する。そして、ポリシロキサンの主鎖には、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有することを特徴とする。
本実施形態に係る銅含有組成物は、1価の銅化合物含有基体と、その1価の銅化合物含有基体の表面上に形成された、ポリシロキサンを含む被覆層とを含有する。そして、ポリシロキサンの主鎖には、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有することを特徴とする。
また、本実施形態に係る銅含有組成物の製造方法は、大気圧下でプラズマガス中に、有機ケイ素化合物を、キャリアガスとともに混合噴霧することで、有機ケイ素化合物をラジカル化するラジカル化工程S1と、ラジカル化した有機ケイ素化合物をプラズマ重合させることにより、1価の銅化合物含有基体の表面上にポリシロキサンを含む被覆層を形成する被覆層形成工程S2とを有する。そして、被覆層形成工程S2では、ポリシロキサンの主鎖は、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−に制御されることを特徴とする。
このように作製された銅含有組成物は、ポリシロキサンを含む被覆層が、所望とする重合度に設計されることにより、1価の銅化合物含有基体の表面上に緻密な分子膜が形成される。これにより、抗ウィルス性を有する1価の銅化合物が、大気との接触により酸化されることがない。したがって、本実施形態に係る銅含有組成物は、長期的に抗ウィルス作用を発揮することが可能なものである。
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、これらに制限されるものではない。
(実施例1)
市販の平均粒径が10μmである亜酸化銅(Cu2O)粉末の表面に大気圧重合処理装置(プラズマトリート株式会社製、プラズマポリマーラボシステム PAD−1型)を用いて、有機ケイ素化合物を含む被覆層を形成した。
市販の平均粒径が10μmである亜酸化銅(Cu2O)粉末の表面に大気圧重合処理装置(プラズマトリート株式会社製、プラズマポリマーラボシステム PAD−1型)を用いて、有機ケイ素化合物を含む被覆層を形成した。
はじめに、大気圧下でプラズマ化された反応ガス(N2)に、キャリガス(N2)を介して導入したヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)(東京化成株式会社製)を混合し、をラジカル化することにより、ラジカル化ヘキサメチルジシロキサンを得た(ラジカル化工程)。
<プラズマ化条件>
・プラズマ発生装置の発信周波数:21kHz
・ジェネレータの出力電圧 :280V
・圧力 :大気圧(1013.25hPa)
・プラズマ発生装置の発信周波数:21kHz
・ジェネレータの出力電圧 :280V
・圧力 :大気圧(1013.25hPa)
一方、N2を螺旋状のガス流として、装置内に導入し、この螺旋状のガス流に対して、大気圧重合処理装置のノズルからラジカル化ヘキサメチルジシロキサンを噴霧し、螺旋状のガス流とラジカル化ヘキサメチルジシロキサンの混合領域を形成した。
この状態で、亜酸化銅粉末を混合領域の上方から供給して落下させて混合領域の略中心部を通過させることにより、この亜酸化銅粉末の表面に被覆層を厚さ10nmに形成して銅含有組成物を得た。
被覆層を備えた亜酸化銅粉末から被覆層成分を抽出し、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で、東ソー株式会社HLC−8320GPCを用いて以下のようにして平均分子量を測定した。分離カラム(TSKgel SuperMultiporeHZ−M(4本))を用い、カラム温度を140℃とし、移動相にはトルエン(和光純薬社製)を用い、展開速度を0.35mL/分とし、試料濃度を5.5g/Lとし、試料注入量を20μLとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンしては、東ソー社製(PStQuick MP−M)のものを用いた。汎用校正の手順に従い、ポリスチレン分子量換算として、被覆層成分の平均分子量を算出した。
平均重合度nを見積もったところ、nの中心値が7.3であり、全量(被覆層成分)の約50%は、nが7以上であった。
次いで、得られた銅含有組成物を大気中で、1週間保管したが、変色せずに亜酸化銅の外観に変化はなかった。
(実施例2)
市販の亜酸化銅粉末に代えて、平均粒径が10μmである市販の銅粉末を大気中200℃で30分間熱処理し表面に亜酸化銅層を形成した粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして銅含有組成物を作製した。その後の処理は、実施例1と同様に行った。
市販の亜酸化銅粉末に代えて、平均粒径が10μmである市販の銅粉末を大気中200℃で30分間熱処理し表面に亜酸化銅層を形成した粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして銅含有組成物を作製した。その後の処理は、実施例1と同様に行った。
被覆層を備えた亜酸化銅粉末から被覆層成分を抽出し、GPC法で平均分子量を測定した。実施例1と同様に、重合度nを見積もったところ、nの中心値が7.2であり、全量(被覆層成分)の約50%は、nが7以上であった。
得られた銅含有組成物を大気中で、1週間保管したが、変色せずに亜酸化銅の外観に変化はなかった。
(比較例1)
実施例1で用いた亜酸化銅粉末を大気中で、1週間保管したところ、赤褐色から黒色に変色しており、1価の銅化合物である亜酸化銅が、2価の銅化合物である酸化銅に時間の経過とともに変化したことが確認できた。
実施例1で用いた亜酸化銅粉末を大気中で、1週間保管したところ、赤褐色から黒色に変色しており、1価の銅化合物である亜酸化銅が、2価の銅化合物である酸化銅に時間の経過とともに変化したことが確認できた。
(実施例に基づく考察)
実施例1および2では、亜酸化銅の表面上に、所定の重合度を有するポリシロキサンを含む被覆層を形成したことにより、大気中でも亜酸化銅から酸化銅へと徐々に変化しなかった。一方、比較例1では、亜酸化銅の表面にポリシロキサンを含む被覆層を形成しなかったことにより、大気中で亜酸化銅から酸化銅へと変化した。このため、本実施形態に係る銅含有組成物は、1価の銅化合物含有基体の表面上にポリシロキサンを含む被覆層を形成し、このポリシロキサンの主鎖に対し、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−であることが有用であることが確認できた。以上より、本実施形態に係る銅含有組成物は、長期的に抗ウィルス作用を発揮することが可能なものといえると考えられる。
実施例1および2では、亜酸化銅の表面上に、所定の重合度を有するポリシロキサンを含む被覆層を形成したことにより、大気中でも亜酸化銅から酸化銅へと徐々に変化しなかった。一方、比較例1では、亜酸化銅の表面にポリシロキサンを含む被覆層を形成しなかったことにより、大気中で亜酸化銅から酸化銅へと変化した。このため、本実施形態に係る銅含有組成物は、1価の銅化合物含有基体の表面上にポリシロキサンを含む被覆層を形成し、このポリシロキサンの主鎖に対し、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−であることが有用であることが確認できた。以上より、本実施形態に係る銅含有組成物は、長期的に抗ウィルス作用を発揮することが可能なものといえると考えられる。
Claims (7)
- 1価の銅化合物含有基体と、
前記1価の銅化合物含有基体の表面上に形成された、ポリシロキサンを含む被覆層とを含有し、
前記ポリシロキサンの主鎖には、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−を有する銅含有組成物。 - 前記1価の銅化合物含有基体の表面の組成が、Cu2O、CuCl、Cu(CH3COO)、CuI、CuBr、Cu2S、CuCN、およびCuSCNからなる群から少なくとも1種選択される請求項1記載の銅含有組成物。
- 前記1価の銅化合物含有基体の形態が、粒子状または繊維状である請求項1または請求項2のいずれか1項記載の銅含有組成物。
- 前記ポリシロキサンが、ジメチルポリシロキサンである請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の銅含有組成物。
- 前記被覆層の厚さが、1nm〜100nmである請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の銅含有組成物。
- 大気圧下でプラズマガス中に、有機ケイ素化合物を、キャリアガスとともに混合噴霧することで、該有機ケイ素化合物をラジカル化するラジカル化工程と、
前記ラジカル化した前記有機ケイ素化合物をプラズマ重合させることにより、1価の銅化合物含有基体の表面上にポリシロキサンを含む被覆層を形成する被覆層形成工程とを有し、
前記被覆層形成工程では、前記ポリシロキサンの主鎖は、重合度nが7以上のシロキサン結合−(Si−O−Si)n−に制御される銅含有組成物の製造方法。 - 前記有機ケイ素化合物が、ヘキサメチルジシロキサンである請求項6記載の銅含有組成物の製造方法。
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