JP2018030365A - 成形品取出機 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクティブ制御を用いて、大型の電動アクチュエータを用いることなく、従来よりも短い時間でアタッチメントの変位振動を抑制することができる成形品取出機を提供する。【解決手段】アクティブ制御装置31は、サーボモータによる位置決め制御と一緒にアクティブ制御を行う。アクティブ制御当初はサーボモータによる位置決め制御により制振が行われ、後から電動アクチュエータ25によるアクティブ制御による積極的に制振が行われる。アクティブ制御単独で制振を行う場合もより、小形・軽量の電動アクチュエータを用いることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、取出ヘッドの変位振動を短い時間で低減することができる成形品取出機に関するものである。
特開2010−111012号公報(特許文献1)には、駆動源により駆動される取出ヘッド(成形品取出し部)を備えて成形機から成形品の取り出しを行う成形品取出装置において、取出ヘッドの振動成分を入力したテーブルと、このテーブルを用いたフィードフォワード制御によりサーボモータ(駆動源)を駆動して取出ヘッドの変位振動を抑制するように取出ヘッドの移動速度を制御する制御手段とを設けて、取出ヘッドの振動を抑制している。
また特開2004−223798号公報(特許文献2)には、成形品を保持するチャックを所定位置間にて移動制御して樹脂成形機から成形品を取り出す成形品取出機に、チャック及び該チャックを移動させる可動体の少なくともいずれかには移動停止時における可動体の残留振動を打ち消す振動を発生させる動吸振装置を設ける成形品取出機の振動抑制装置が開示されている。そして使用している動吸振装置は、容器内に流体を流動可能に封入して振動させると共に流体の粘性による減衰率で振動を収斂させるものである。
特開2010−111012号公報 特開2004−223798号公報
サーボモータによって駆動される引き抜きフレームに設けられた移動ベースに取り付けられた昇降フレームの先端に、取出ヘッド(アタッチメント)が装着されている成形品取出機等では、サーボモータによる位置決め制御機能が完了した後でもアタッチメントに変位振動が生じる問題がある。そのため特許文献1に記載の従来の技術では、変位振動の抑制に時間がかかる問題があった。
また特許文献2に記載の従来の技術では、取出し条件の変更に応じて適切な共振振動を発生する流体の粘性を利用した動吸振装置を個別に用意しなければならず、汎用性にかける問題があった。そこで動吸振装置として電動アクチュエータを用いることも考えられるが、変位振動のすべてを電動アクチュエータで吸振すると、重量の重い大型の電動アクチュエータを必要とすることになり、このような大型の電動アクチュエータを取出ヘッド等に装着することは現実的ではなかった。
本発明の目的は、アクティブ制御を用いて、従来よりも短い時間で取出ヘッドの変位振動を抑制することができる成形品取出機を提供することにある。
本発明の他の目的は、サーボモータの位置決めサーボ装置による各種の制振機能等と共働して、アクティブ制御を行うことにより、従来よりも短い時間でアタッチメントの変位振動を抑制することができる成形品取出機を提供することにある。
本発明が改良の対象とする成形品取出機では、サーボモータを用いる位置決めサーボ装置によって制御される進入フレームにアタッチメントを備えた成形品取出機である。なおサーボモータはサーボ制御が可能なものであれば、ACサーボモータでも、DCサーボモータでもその種類は問わない。またアタッチメントは、取出ヘッド、カッター等のように成形品の取出に使用するものである。本発明においてアタッチメントの変位振動を検出する変位振動検出部と、変位振動検出部が検出した変位振動と逆位相の振動を電動アクチュエータからアタッチメントに加えてアタッチメントの変位振動を抑制するアクティブ制御を行うアクティブ制御装置を備えている。そしてアクティブ制御装置は、位置決めサーボ装置の少なくとも位置決め制御と一緒にアクティブ制御を行う。本発明によれば、位置決めサーボ装置の少なくとも位置決め制御とアクティブ制御とが併用されるため、従来よりも短い時間で取出ヘッドの変位振動を抑制することができる。またサーボ装置の位置決め制御機能とアクティブ制御とが併用されると、アクティブ制御単独で制振を行う場合もより、小形・軽量の電動アクチュエータを用いることができる。
サーボモータによって駆動されるベルト伝達機構またロープ伝達機構を用いた場合等には、サーボモータによる位置決め制御だけを行ったとしても、アタッチメントの変位振動を短い時間で制振することができない場合が多い。そこでアクティブ制御装置を用いることを考えることになるが、特許文献2に示されるような液体の粘性を利用するような動吸振装置を用いたアクティブ制御では、アクティブ制御を開始するタイミングの制御が難しい上、成形品の重量や重心が変わっただけで、適確な制振制御を行うことができなくなる。そこで本発明では、成形品取出時において、変位振動検出部が検出した変位振動と逆位相の振動を電動アクチュエータからアタッチメントに加えて取出ヘッドの変位振動を抑制するアクティブ制御を行うこととした。
またサーボモータによる位置決め制御機能の制振制御とアクティブ制御を併用する場合には、電動アクチュエータの出力が小さい場合には、特に電動アクチュエータの出力の大きさを制御する必要はない。しかしながら電動アクチュエータの出力が大きくなると、電動アクチュエータの重さや設置位置等を考慮しないと、アクティブ制御がサーボモータによる位置決め制御機能を阻害したり、一時的に変位振動を大きくする結果となって、制振時間を短くすることができなくなる場合がある。このような事態が想定される場合には、アクティブ制御装置は、アタッチメントの変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になるまでは、電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力で制限されたアクティブ制御を行うことが好ましい。このようにするとサーボモータによる位置決め制御機能と一緒にアクティブ制御を開始しているため、サーボモータによる位置決め制御による制振制御からアクティブ制御による制振にスムーズに移行することができる。その結果、軽量で小型の電動アクチュエータを用いて、従来よりも短い時間で取出ヘッドの変位振動をスムーズに抑制することができる。なお前記低い出力は、サーボモータによる位置決め制御に影響を与えないように定めるのが好ましい。この場合、アクティブ制御装置は、低い出力から徐々にまたは段階的に電動アクチュエータの出力を増大させるのが好ましい。このようにすると、アクティブ制御の立ち上がりが制振制御に悪影響を与えるのを防止できる。
アタッチメントの変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になるまで、電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力で制限されたアクティブ制御を行うと、電動アクチュエータの能力に応じた時点から電動アクチュエータによる制振が積極的に行われるので、電動アクチュエータとして軽量で小型のものを用いることができる。したがって電動アクチュエータを用いたアクティブ制御を成形品取出機に適用することが実際上可能になる。また電動アクチュエータが軽量で小型であれば、アタッチメント自体または他の部位に電動アクチュエータを装着することが可能になる。
本発明は、一軸方向の変位振動を抑制する場合だけでなく、複数軸方向の変位振動を抑制する場合にも、適用できるものである。複数軸方向の変位振動を抑制する場合には、それぞれの軸方向に対して電動アクチュエータを設けて、それぞれの軸方向の変位振動をアクティブ制御により抑制すればよい。
なおアクティブ制御は、位置決めサーボ装置が位置決め制御だけを行っている場合だけでなく、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒に制振制御を行っているとき、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒にジャーク制御を行っているとき、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒に制振制御及びジャーク制御を行っているときにも適用が可能である。
具体的には、アクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したことを、変位振動検出部の出力を閾値と比較して定めることができる。予め定めた大きさを定める閾値は、事前の試験で定めることになる。
アクティブ制御を、サーボモータのサーボ装置における制振制御またはジャーク制御と併用して実施する場合、アクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、サーボモータによる位置決め制御における所定の動作時期から予め定めたタイマ時限が経過したことにより決定してもよい。この場合のタイマ時限の設定も、事前の試験で定めることができる。またタイマ時限の設定は、成形品取出機の管理者が現場で適宜に行うことも可能である。
所定の動作時期が、サーボモータによる位置決め制御の開始時期、完了指令が出力されたとき、または完了指令が出力される前後のいずれかであるのが好ましい。なお実際のタイマ時限の設定のためには、タイマ時限を調整するタイマ時限調整部を備えているのが好ましい。
アクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号が出されたときして動作するようにしてもよい。成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号の発生時期は、サーボモータによる位置決め制御の開始時期よりも後で、完了指令が出力されるときよりも前に出される。そこでアクティブ制御装置の動作開始タイミングとして成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号を利用することができる。このように成形機側から成形品取出機側に送信されてくるエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号を動作開始タイミングとして利用すると、タイミング決定のために特別な信号処理や、タイマ等を準備する必要がなくなるので、アクティブ制御装置の構成が簡単になる。
アクティブ制御装置は、取出ヘッドが成形品を成形機の金型から取出した後で取出ヘッドの位置決めが必要なときは、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、成形品取出機の周辺機器から出力される信号に基づいて定めることができる。このようにすると取出動作以外の方向転換動作、開放動作等のときにも、有効にアクティブ制御を活用することができる。
変位振動検出部として、サーボモータのモータ電流信号若しくはモータのトルク信号またはモータ電流信号若しくはモータのトルク信号に比例する信号を変位振動を検出する変位振動検出信号として出力するものを用いる場合には、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したことを、この変位振動検出信号に基づいて決定してもよい。このように変位振動検出信号を用いると、特別なセンサを設置することなく、アクティブ制御の開始タイミングを定めることができる。
アクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、変位振動検出部が検出した前記変位振動をA/D変換したときに得られるデジタル信号の数またはデジタル信号の信号幅の変化に基づいて決定してもよい。デジタル信号の有効数またはデジタル信号の信号幅の割合については、予備実験により適宜に定めればよい。
本発明の実施の形態の成形品取出機の全体構成を示す図である。 電動アクチュエータの装着状態の一例を説明するための部分概略斜視図である。 アクティブ振動装置の構成の一例を示すブロック図である。 (A)及び(B)は、本実施の形態で使用可能な電動アクチュエータの一例の斜視図及び断面図である。 図3の位相補正部、付加振動検出部及び駆動信号生成部の基本構成と動作を説明するために用いる図である。 (A)は引き抜き動作時の取出機構の振動状態をレーザ変位計により測定した振動波形とサーボモータのトルク指令波形とを対比できるように表示した波形図であり、(B)は振動波形とサーボモータのトルク指令波形との対比結果を示す図である。 アクティブ制御を行わずに、サーボモータによる位置決め制御に加えて、サーボモータの位置決めサーボ装置が有する制振制御を用いた場合と制振制御を用いなかった場合における、成形品の引抜動作開始位置から制振動作が完了するまでの複数種類の波形及び一部拡大波形を示す図である。 アクティブ制御とサーボモータの位置決め制御及び制振制御を併用する場合と、アクティブ制御を行うが、サーボモータの制振制御を併用しない場合の制御結果を示す複数種類の波形及び一部拡大波形を示す図である。 アクティブ制御を行わずにサーボモータの位置決め制御だけを行った場合と、サーボモータによる位置決め制御と、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になっているときを決定するタイマ時限を用いてアクティブ制御を併用した場合の制御結果を示す複数種類の波形図及び一部拡大波形図である。 サーボモータ帰還速度の最初の振幅発生直後のt=0.4秒まで、駆動信号生成部のゲインを10%とし、0.4秒以降はゲインを100%とした場合の動作を説明するための波形図である。 サーボ装置の位置決め制御機能と制振機能及び/またはジャーク制御を併用した場合における取出ヘッドの変位振動と、さらにアクティブ制御を併用した場合の振動抑制効果を示すための概念波形図である。 サーボモータによる位置決め制御機能を行わずにアクティブ制御により制振を行う場合において、アクティブ制御の出力条件を変えた3種類のパターンについて試験を行った結果を示す波形図である。 取出機構が成形品開放位置で停止動作をする際の動作状態を説明するための図である。
以下図面を参照して、本発明の成形品取出機の実施の形態の一例を詳細に説明する。
<成形品取出機の構成>
図1は本実施の形態の成形品取出機1の全体構成を示す図である。図2は電動アクチュエータの装着状態の一例を説明するための部分概略斜視図である。成形品取出機1は、トラバース型の成形品取出機であり、図示されていない成形機の固定プラテンに基部が支持される。図1に示す成形品取出機1は、横行フレーム3と、制御ボックス5と、第1の走行体6と、引き抜きフレーム7と、ランナ用昇降ユニット8と、成形品吸着用昇降ユニット9とを備えている。横行フレーム3は、図示しない成形機の長手方向に水平に直交したX方向に延設される片持ビーム構造を有している。第1の走行体6は、横行フレーム3に支持されており、サーボ機構に含まれるACサーボモータ11を駆動源として横行フレーム3に沿ってX方向に進退する。引き抜きフレーム7は、第1の走行体6に設けられており、成形機の長手方向と平行なY方向に延びている。引き抜きフレーム7には、成形品吸着用昇降ユニット9がサーボ機構に含まれるサーボモータ13(本実施の形態ではACサーボモータ)を駆動源としてY方向に移動可能に支持されている。本実施の形態では、サーボモータ13によりベルト15が回転駆動されて、成形品吸着用昇降ユニット9に含まれて引き抜きフレーム7に支持されたベースとしての第2の走行体17がY方向に移動する。本実施の形態では、ベルト15を用いたベルト伝達機構により第2の走行体17を移動させているが、ベルト伝達機構に代えてロープを力の伝達手段とするロープ伝達機構を用いてもよい。
成形品吸着用昇降ユニット9は、駆動源18によって上下方向(Z方向)に昇降する進入フレームとしての昇降フレーム19と、昇降フレーム19のフレーム線を中心として回動する反転ユニット21と、反転ユニット21に設けられたアタッチメントとしての取出ヘッド23とを備えている。本実施の形態では、反転ユニット21と取出ヘッド23とにより取出機構24が構成されている。反転ユニット21が設けられてない場合には、取出ヘッド23だけで取出機構24が構成される。また本実施の形態では、取出機構24の取出ヘッド23に励磁コイルと、励磁コイルによって駆動される永久磁石を備えた可動子とからなる電動アクチュエータ25が取り付けられている。また電動アクチュエータ25の可動子には第1の加速度センサ27が取り付けられている。なお理論的に電動アクチュエータ25の装着位置は取出ヘッド23に限定されるわけではなく、反転ユニット21、昇降フレーム19及び第2の走行体17に電動アクチュエータ25を装着してもよいのは勿論である。
<アクティブ制御装置の構成>
本実施の形態の成形品取出機1は、図1には示していない制御部に図3に示すアクティブ制御装置31を具備する。アクティブ制御装置31は、変位振動検出部33と、位相補正部34と、取出ヘッド23の水平方向または上下方向への振動を抑制するために取出ヘッド23に装着される電動アクチュエータ25と、付加振動検出部35と、駆動信号生成部37を備えている。
電動アクチュエータ25は、能力の範囲において、取出ヘッド23に任意のパワーで且つ任意の周波数の振動を加えることができるものであれば、その構造はどのようなものでもよい。本実施の形態では、シンフォニアテクノロジー株式会社がRM040−021の製品番号で製造した電磁アクチュエータを用いている。本実施の形態では、取出機構24が、昇降フレーム19に装着された反転ユニット21と反転ユニット21に装着された取出ヘッドとから構成されるため、前述の通り、電動アクチュエータ25を取出ヘッド23に装着している。これは反転ユニット21が、所定の剛性を有するため、効果的に振動を抑制できるからである。なお電動アクチュエータ25は、水平方向の振動を抑制するためには、電動アクチュエータが発生する振動方向が水平方向になるように取付ける。そして上下方向の振動を抑制するためには、電動アクチュエータが発生する振動方向が上下方向になるようにアクチュエータを取付ければよい。本発明は、複数の電動アクチュエータを用いて複数軸方向の振動を抑制する場合にも当然にして適用できる。
図4(A)及び(B)には、本実施の形態で使用可能な電動アクチュエータ25´の一例の斜視図及び断面図が示されている。この電動アクチュエータ25´は、筒状の固定子25´Aの中央部に可動子25´Bが配置され、可動子25´Bが3本の板バネ25´Cによって固定子25´Aに支持された構造を有している。可動子23´Cの稼働範囲は、ストッパ45´Dによって規制されている。この電動アクチュエータ25´は、いわゆる円筒型リニアモータと同じ原理で動作するものである。固定子25´Aが取出ヘッドに固定され、可動子25´Bの振動が固定子25´Aに伝わることにより、アクティブ制御が実施される。前述の加速度センサ27は、可動子25´Bに取り付けられる。
変位振動検出部33は、取出ヘッド23に装着した第2の加速度センサ38の出力に基づいて取出ヘッド23の水平方向への変位振動に比例する変位振動周波数成分の情報を含む変位振動検出信号S1を出力する。変位振動には、昇降フレーム19及び取出ヘッド23の動作により生じる一次振動、二次振動等に基づく複数の振動周波数成分が含まれている。サーボモータ13と昇降フレームとの間に設けられるベルト式またはロープ式の搬送機構の構造によって変位振動に含まれる振動周波数成分が変わることになる。成形品取出機の取出機構24は、成形機の二つの型の間に進入する必要がある。このような理由から、取出機構24に電動アクチュエータ25を取り付けて取出ヘッド23の振動を電動アクチュエータ25により抑制するためには、軽量且つ小型の電動アクチュエータを用いることが望ましい。
なお変位振動検出部33としては、加速度センサ以外の他の振動検出センサまたはレーザ変位計等の振動検出装置を用いることができるのは勿論である。
<アクティブ制御装置の詳細>
本実施の形態では、軽量且つ小型の電動アクチュエータを用いる場合においても、その制振能力を最大限活用できるようにするために、サーボモータによる位置決め制御、制振制御及びジャーク制御と、アクティブ制御を併用する。本実施の形態では、サーボモータによる位置決め制御機能とアクティブ制御とを併用している。図5は、図3の位相補正部34、付加振動検出部35及び駆動信号生成部37の基本構成と動作を説明するために用いる図である。なお図5においては、理解を容易にするために、サーボモータによる位置決め制御機能は実施せずに、アクティブ制御だけを実施している。サーボモータによる位置決め制御とアクティブ制御の併用については、後に説明する。
位相補正部34は、第2の加速度センサ38の出力を入力とする変位振動検出部33が出力する変位振動検出信号S1の位相ずれを予め求めた位相ずれ情報に基づいて補正して補正変位振動検出信号S1´を生成する。変位振動検出信号S1と実際の変位振動との間には、変位振動検出部33の構成等の様々な要因による位相ずれが生じる。成形品取出機の場合、一度セッティングを行うと取出機構24及び取り出す成形品の形状及び重量は変わらない。したがって取出動作を開始する前の事前測定により、この位相ずれは予め求めることができる。そこで本実施の形態では、予め求めた位相ずれ情報により、変位振動検出信号S1の位相ずれを補正して補正変位振動検出信号S1´を生成し、位相ずれに基づく発振の発生を防止する。
第1の加速度センサ27の出力を入力とする付加振動検出部35は、電動アクチュエータ25自身が発生する水平方向への付加振動を検出して付加振動の付加振動周波数成分の情報を含む付加振動検出信号S2´を出力する。補正変位振動検出信号S1´のみを用いて電動アクチュエータ25を動作させて制振動作を行った場合には、電動アクチュエータ25自身の水平方向の付加振動周波数成分は変位振動周波数成分に含まれている。しかしこの付加振動周波数成分も考慮しなければ、電動アクチュエータ25を用いた制振を迅速に且つ発振することなく実現することはできない。そこで本実施の形態では、付加振動検出部35として、電動アクチュエータ25の可動子に装着されて可動子の加速度を検出する加速度センサ27を用いている。現在、第1及び第2の加速度センサ27及び38としては、例えば、半導体型加速度センサを用いることができる。半導体加速度センサには、可動子に装着可能な寸法のものが販売されている。本実施の形態では、Kionix, Inc.がKXR94-2050の製品名で販売している加速度センサを用いている。
駆動信号生成部37は、補正変位振動検出信号S1´に含まれる変位振動周波数成分と付加振動検出信号に含まれる付加振動周波数成分とに基づいて、取出機構24の取出ヘッド23の水平方向の振動を抑制するように電動アクチュエータ25をアクティブ制御するのに必要な駆動信号を生成する。変位振動周波数成分の情報を含む変位振動検出信号S1のみに基づいて生成したアクチュエータを駆動する駆動信号だけでは、振動の抑制ができなくなる場合がある。その原因は、アクチュエータ自身の振動が原因となって発生する付加振動(付加振動周波数成分)が変位振動周波数成分に含まれているためである。そこで、変位振動周波数成分の情報を含む検出信号S1を位相補正した補正変位振動検出信号S1´から、取出ヘッド23の水平方向の振動を抑制するための振動を発生する電動アクチュエータ25の振動子の付加振動による付加振動周波数成分の情報を含む加速度センサ27の加速度信号S2を積分して得た速度に比例する付加振動検出信号S2´を除いて生成した駆動信号Saを用いる。これにより、付加振動の減衰を大きくして発振を防ぐことができ、電動アクチュエータ25を利用したアクティブ制御をより有効なものとする。その結果、従来よりも短い時間で取出ヘッド23の振動を確実に抑制することができる。
図5は、サーボモータによる位置決め制御による制振制御は実施せずに、アクティブ制御だけを実施して電動アクチュエータ25による制振を行う場合の駆動信号Saを生成する過程を波形で示した図である。図5に示すように、駆動信号生成部37は、第1ゲイン調整部37Aと、第2ゲイン調整部37Bと演算部37Cとから構成されている。第1ゲイン調整部37Aは位相補正部34から出力された補正変位振動検出信号S1´のゲインを調整する。第2ゲイン調整部37Bは、付加振動検出部35から出力される付加振動検出信号S2´のゲインを調整する。第1ゲイン調整部37A及び第2ゲイン調整部37Bは、補正変位振動検出信号S1´と付加振動検出信号S2´の次元及び振幅の相違を調整して演算を可能にしている。そして演算部37Cは、変位振動周波数成分に含まれるアクチュエータの付加振動によって発生する付加振動周波数成分による影響を低減または除去する演算をして、ゲイン調整した補正変位振動検出信号S1´からゲイン調整した付加振動検出信号S2´を除去する演算を実行する。加速度センサ27の出力の極性がマイナスの場合には、演算部37Cで加算演算を行うことになる。なお演算部37Cは、サーボモータによる位置決め制御機能とアクティブ制御とを併用する場合において、アクティブ制御を最大限活用することを開始するタイミングを決定するタイミング決定機能を有している。図5の例では、この機能は使用されていない。
アクティブ制御装置31は、成形品取出機が稼働状態にあるときには、常時動作状態にあるのが好ましい。このようにすると常に取出ヘッド23の振動を抑制するので、成形品を変形させることなく取り出すことができ、しかも取出ヘッド23で取り出した後まだ完全に硬化していない成形品が変形するのを防止できる。またアクティブ制御装置31は、少なくとも取出ヘッド23が成形機の型内で停止動作をする際に動作状態にあれば、取出ヘッド23による成形品の取出動作を早期に且つ確実に行える。
さらにアクティブ制御装置31は、取出ヘッド23が成形品開放位置で停止動作をする際や移動方向を変更するときに停止動作をする際に、動作状態にあってもよい。このようにすると、まだ完全に硬化していない成形品の変形を防止できる。
<サーボモータの位置決め制御とアクティブ制御との併用>
本実施の形態では、サーボモータの位置決め制御とアクティブ制御とを併用する。サーボモータの位置決め制御とアクティブ制御の併用は、電動アクチュエータの出力があまり大きくなければ、サーボモータの位置決め制御の開始と同時にまたはその前からアクティブ制御を行ってもよい。しかし電動アクチュエータの出力が大きくなると、制振の初期段階からサーボモータの位置決め制御とアクティブ制御の同時併用をすることが、問題となる場合がある。そこで本実施の形態では、アクティブ制御装置31は、サーボモータ13による位置決め制御によって取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になったときから、アクティブ制御を積極的に行う。サーボモータの位置決め制御は、市販のサーボアンプ39に一般的に搭載されている制御機能であり、停止指令が出力されるとサーボモータの駆動フレームの振動を抑制しながら位置決めする制御である。なお市販のサーボアンプ39には、特定の周波数の振動を制振する制振制御の機能と、加速度変化率を所定の範囲内に抑えるジャーク制御の機能が一般的に実装されている。そしてサーボアンプ39は、位置決めが完了すると、完了指令を出力するように構成されている。
しかしサーボモータ13によって駆動されるベルト伝達機構を用いた場合、サーボモータによる位置決め制御だけでは、取出ヘッド23の変位振動を短い時間で制振することができない場合がある。そこでアクティブ制御装置31によるアクティブ制御をサーボモータによる位置決め制御と併用する。本実施の形態では、成形品取出時において、変位振動検出部33が検出した変位振動と逆位相の振動を電動アクチュエータ25から取出ヘッド23に加えて取出ヘッド23の変位振動を抑制する。本実施の形態では、アクティブ制御装置31が、サーボモータによる位置決め制御機能により取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になったときから、積極的にアクティブ制御を行う。サーボモータによる位置決め制御機能により取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になったときから、積極的にアクティブ制御を行うと、当初はサーボモータによる位置決め制御により制振が行われ、後から電動アクチュエータ25によるアクティブ制御による制振が行われる。その結果、電動アクチュエータとして軽量で小型のものを用いることができる。なおアクティブ制御は、成形品取出時だけでなく、サーボモータによる位置決め制御を行うときであれば、どのようなときにも実施することができるのは勿論である。
具体的に、サーボモータによる位置決め制御とアクティブ制御とを併用する場合、アクティブ制御装置31は、サーボモータによる位置決め制御機能により取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になったときから、積極的にアクティブ制御を開始する。サーボモータによる位置決め制御機能により取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になる前までは、電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力で制限されたアクティブ制御を行う。
変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したこと(アクティブ制御の開始タイミング)は、変位振動検出部33の出力に基づいて定める。具体的には、演算部37C内に図5の第1ゲイン調整部37Aの出力をプラスとマイナスの「予め定めた大きさ」に対応する閾値と比較して開始タイミング信号を発生する比較手段を設ける。この比較手段は、第1ゲイン調整部37Aの出力がプラスとマイナスの「予め定めた大きさ」に対応する閾値内に収まったことを判定すると、開始タイミング信号を発生する。そして演算部37Cは、開始タイミング信号が発生するとアクチュエータ駆動信号Saを出力する。なおこの閾値は、事前の試験で定めることになる。
またアクティブ制御装置31は、演算部37Cにタイマ時限を計数するタイマ手段を設け、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、サーボモータによる位置決め制御における所定の動作時期から予め定めたタイマ時限が経過したことにより決定してもよい。所定の動作時期は、サーボモータによる位置決め制御の開始時期、停止指令が出力されたとき、または停止指令が出力される前後のいずれかの任意の時期とすることができる。この場合のタイマ時限の設定も、事前の試験で定めることになる。実際のタイマ時限の設定のためには、タイマ時限を調整するタイマ時限調整部を備えているのが好ましい。タイマ時限調整部を備えていれば、タイマ時限の設定を、成形品取出機の管理者が現場で適宜に行うことが可能になる。
また変位振動検出部として、サーボモータのモータ電流信号若しくはモータのトルク信号またはモータ電流信号若しくはモータのトルク信号に比例する信号を、変位振動を検出する変位振動検出信号として出力するものを用いてもよい。
またアクティブ制御装置31は、演算部37C内に、変位振動の振幅が予め定めた大きさ以上あるときの変位振動検出部33の出力(本実施の形態では位相補正部34の出力)をカットするフィルタ回路を設けても良い。このフィルタ回路から出力が出ているときには、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になっているものとして、演算部37Cは演算を実行する。フィルタ回路のカット周波数は、試験によって定めることになる。この場合も特別なセンサを設置する必要がないという利点が得られる。なおカット周波数を調整するカット周波数調整部をさらに設ければ、汎用性を高めることができる。
またアクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、変位振動検出部が検出した前記変位振動をA/D変換したときに得られるデジタル信号の数またはデジタル信号の信号幅の変化に基づいて決定してもよい。デジタル信号の有効数またはデジタル信号の信号幅の割合については、予備実験により適宜に定めればよい。なおA/D変換及びデジタル信号の計数並びに信号幅の計数を行う手段は、演算部37C内にプログラムによって実現すればよい。
また変位振動検出部33として、サーボモータのモータ電流信号若しくはモータのトルク信号またはモータ電流信号若しくはモータのトルク信号に比例する信号を、変位振動を検出する変位振動検出信号として出力するものを用いてもよい。このように変位振動検出信号を用いると、特別なセンサを設置することなく、アクティブ制御の開始タイミングを定めることができる。具体的には、変位振動検出部33が、図1に示した昇降フレーム19を水平方向に移動させるサーボ機構中のサーボモータ13のモータ電流信号若しくはモータのトルク信号またはモータ電流信号若しくはモータのトルク信号に比例する信号をサーボアンプ39から変位振動検出信号S1として検出することになる。この信号S1から変位振動周波数成分の情報を得れば、取出機構24や成形機の型の周囲に、取出ヘッド23の水平方向の振動の検出のために特別なセンサを設ける必要がなくなる。昇降フレーム19の上下方向の振動を抑制するためには、昇降フレーム19を上下方向に移動させるモータのモータ駆動用のサーボアンプ39の出力からモータ電流信号またはトルク信号を取得して電動アクチュエータ25を駆動すればよい。なおこの場合には、電動アクチュエータ25の取付位置を、電動アクチュエータ25が発生する振動が上下方向に向くように、電動アクチュエータ25の取付位置を変えればよい。
図6(A)は、引き抜き動作時の取出機構24の振動状態をレーザ変位計(株式会社キーエンスがIL−S100の製品名で販売しているレーザ変位計)により測定した振動波形Aとサーボモータ13のトルク指令波形Bとを対比できるように表示した波形図である。ちなみにトルク指令波形Bは、富士電機株式会社がRYT201D5-LS2-Z25の商品名で販売しているサーボアンプのトルク指令出力端子から取り出しものである。波形Aと波形Bとを比較すると、位相のずれはあるものの、ピーク値で見ると、両波形A及びBは比例関係にあることが判る。このことは図6(B)に示す通りである。トルク指令波形の絶対値とレーザ変位計の出力の絶対値のプロット結果からも確認できた。この関係はモータのモータ電流信号についても同様に現れていることが確認されている。両波形の第1ピーク及び第2ピークに着目してみると、両波形には0.03〜0.04秒の立ち上がりのずれ(進み)があることが判る。
<サーボモータの位置決め制御とアクティブ制御との併用結果>
以下本実施の形態で用いるアクティブ制御装置におけるフィードバック制御の効果を確認した結果について図7乃至図10に基づいて説明する。まず図7は、比較例であり、アクティブ制御を行わずに、サーボモータによる位置決め制御に加えて、サーボモータの位置決めサーボ装置が有する制振制御を用いた場合(ON)と制振制御を用いなかった場合(OFF)における、成形品の引抜動作開始位置から制振動作が完了するまでの複数種類の波形及び一部拡大波形を示す図である。図7において、「サーボモータ帰還速度」の波形は、サーボモータによる位置決め制御をフィードバック制御で行う場合に使用するフィードバック速度信号である。そして「サーボモータ指令トルク」の波形は、フィードバック制御に使用するトルク指令である。また「ヘッドの変位量」の波形は、レーザ変位計の出力から検出した取出ヘッド23の変位量である。さらに「昇降フレームの加速度」の波形は、昇降フレーム19に確認用に設けた水平方向の加速度を検出する第3の加速度センサ(図示せず)の出力波形である。そして図7において「区間A」は、引抜動作開始位置から引抜完了までの時間である。また「X1」は、サーボモータの位置決めサーボ装置による制振制御を行っていない場合(OFF)の波形であり、「X2」は、サーボモータの位置決めサーボ装置により制振制御を行っている場合(ON)の波形である。拡大図に付随して記載のように、サーボモータの位置決めサーボ装置により制振制御を行うと、目標位置到達時の振動の振幅が低減される。しかしながら、引抜動作完了後においても、サーボモータの位置決めサーボ装置による制振制御では、残留振動を確実に低減することができていない。
図8は、サーボモータによる位置決め制御機能とアクティブ制御とを併用する場合(Y2)と、アクティブ制御だけを行う場合(Y1)の制御結果を示す複数種類の波形及び一部拡大波形を示す図である。図8において、「区間B」がアクティブ制御を積極的に行っている区間である。この例では、「区間A」の終了時、即ち引抜完了時からアクティブ制御を積極的に行った。「区間A」においては、アクティブ制御の効果を明確にするためにアクティブ制御を行っていない。図8からは、取出ヘッド23の変位振動の振幅が大きいうちは、アクティブ制御だけでは(Y1の波形)変位振動の低減に時間がかかることと、サーボモータによる位置決め制御とアクティブ制御とを併用する場合(Y2)には、迅速に変位振動を低減することができ、且つ目標位置到達後の残留振動も低減できることが判る。
図9は、サーボモータによる位置決め制御機能だけを行った場合(Z1の波形)と、サーボモータによる位置決め制御機能とタイマ時限を用いて積極的にアクティブ制御を併用した場合(Z2の波形)の制御結果を示す複数種類の波形図及び一部拡大波形図である。この例では、電動アクチュエータの最大出力まで利用してアクティブ制御を積極的に利用するタイミングを決めるタイマ時限は、引抜動作開始時から0.5秒でアクティブ制御を開始するように定められている。図9において「Active ON」の区間が、アクティブ制御が行われている区間である。図9からは、タイマ時限の計数の完了をアクティブ制御開始信号として使用しても、タイマ時限の設定が適切であれば、サーボモータによる位置決め制御機能とアクティブ制御の併用効果を確実に得られることが判る。
<他の実施の形態>
上記実施の形態では、サーボモータの位置決め制御または位置決め制御及び制振制御により取出ヘッドの変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になったときから、アクティブ制御を行っている。しかし市販のサーボモータ用のサーボ装置は、位置決め制御機能、所定の周波数の振動を制振する制振機能の他に、加速度変化率を所定の範囲内に抑えるジャーク制御機能を有している。本発明は、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒に制振制御を行うように構成されているとき、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒にジャーク制御を行うように構成されているとき、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒に制振制御及びジャーク制御を行うように構成されている場合にも当然にして適用が可能である。
図10の概念波形において、Aの波形はサーボ装置で位置決め制御だけを行った場合における、取出ヘッドの変位振動を模しており、Bの波形は、サーボ装置で位置決め制御と制振制御とを併用した場合における取出ヘッドの変位振動を模しており、Cの波形はサーボ装置で位置決め制御と制振制御とジャーク制御を併用した場合における取出ヘッドの変位振動を模している。図10において、THはアクティブ制御の積極的な開始時期を決定するために設定した閾値である。この例では、閾値THと波形A〜Cの振幅の比較により、振幅が閾値TH以下に減衰した後に、アクティブ制御を積極的に開始するものとする。A´の波形はサーボ装置で位置決め制御を行った場合において、アクティブ制御を時刻T3から積極的に併用した場合における、取出ヘッドの変位振動を模しており、B´の波形は、サーボ装置で位置決め制御と制振制御とを行った上で、さらにアクティブ制御を時刻T2から積極的に併用した場合における取出ヘッドの変位振動を模しており、C´の波形はサーボ装置で位置決め制御と制振制御とジャーク制御を併用した上で、さらにアクティブ制御を時刻T1 から積極的に併用した場合における取出ヘッドの変位振動を模している。これらの波形からは、サーボ装置が有する各種の制御機能とアクティブ制御の併用が有効であることが判る。特に波形A、B及びCと波形A´、B´及びC´を対比すると判るように、サーボ装置の位置決め制御と、制振制御と、ジャーク制御とアクティブ制御を併用すると、早期に変位振動を抑制できるので、小形の電動アクチュエータでもアクティブ制御を有効に活用できることが判る。なおサーボモータによる位置決め制御、制振制御及び/またはジャーク制御により取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になる前までは、電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力で制限されたアクティブ制御を行えばよい。
上記実施の形態では、サーボモータによる位置決め制御機能と一緒にアクティブ制御を開始する。但し、その場合には、サーボモータによる位置決め制御機能とアクティブ制御により取出ヘッドの変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰するまでまたは減衰したとみなせる状態になるまでは、電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力でアクティブ制御を行う。図11は、サーボモータ帰還速度の最初の振幅発生直後のt=0.4秒まで、駆動信号生成部37のアクティブ制御出力(アクチュエータ駆動信号)のゲインを10%とし、0.4秒以降はゲインを100%とすることにより、このことを実現した場合の動作を説明するための波形図である。図11の例では、波形W1は、サーボモータの位置決め制御開始時点からアクティブ制御をOFFとした場合のヘッド変位量を示す波形であり、W2はサーボモータの位置決め制御開始時点からアクティブ制御をONとした場合のヘッド変位量を示す波形図である。この例では、アクティブ制御をOFFとする場合(波形W1の場合)には、最初から最後までサーボモータによる位置決め制御機能だけが行われている。アクティブ制御OFFの場合と、アクティブ制御をONとした場合(波形W2)とを比べると、制御開始当初からサーボモータ帰還速度の最初の振幅発生直後のt=0.4秒までアクティブ制御とサーボモータによる位置決め制御機能とを併用すると、制振時間を大幅に短縮できることが判る。なおサーボモータ帰還速度の最初の振幅発生直後のt=0.4秒までのゲインを大きくし過ぎると、サーボモータの位置決め制御に悪影響を与えることがある。
この例では、サーボモータによる位置決め制御機能と一緒にアクティブ制御を開始しているため、サーボモータによる位置決め制御による制振制御からアクティブ制御による制振にスムーズに移行することができる。その結果、軽量で小型の電動アクチュエータを用いて、従来よりも短い時間で取出ヘッドの変位振動をスムーズに抑制することができる。なお「低い出力」は、サーボモータによる位置決め制御に影響を与えないように定めるのが好ましい。この場合、アクティブ制御装置は、低い出力から徐々にまたは段階的に電動アクチュエータの出力を増大させるのが好ましい。このようにすると、アクティブ制御の立ち上がりが制振制御に悪影響を与えるのを防止できる。
図12は、サーボモータにおいて制振制御を行わずにアクティブ制御により制振を行う場合において、アクティブ制御の出力条件を変えた3種類のパターンについて試験を行った結果を示している。Pattern Aは、アクティブ制御開始初期から最大出力(定常出力)100%でアクティブ制御を行うパターンであり、Pattern Bは、アクティブ制御の出力を1%→20%→55%→100%へと段階的に変えてアクティブ制御を行うパターンであり、Pattern Cは、アクティブ制御の出力を0%→100%へと徐々に連続的にアクティブ制御を行うパターンである。そして波形V1は、アクティブ制御を行わないときの波形であり、波形V2はPattern Aでアクティブ制御を行った場合の波形であり、波形V3はPattern Bでアクティブ制御を行った場合の波形であり、波形V4はPattern Cでアクティブ制御を行った場合の波形である。この結果からは、最初からPattern Aで100%の出力でアクティブ制御を行うと初期振動振幅を増大させており、振動減衰に悪影響を与えている。これに対してPattern Bのように段階的に出力を上げたり、Pattern Cのように徐々に連続して出力を上げた場合にはPattern Aの場合より振動減衰が速いことが判る。
またアクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号が出されたときして動作するようにしてもよい。成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号の発生時期は、サーボモータによる位置決め制御の開始時期よりも後で、完了指令が出力されるときよりも前に出される。そこでアクティブ制御装置の動作開始タイミングとして成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号を利用することができる。このように成形機側から成形品取出機側に送信されてくるエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号を動作開始タイミングとして利用すると、タイミング決定のために特別な信号処理や、タイマ等を準備する必要がなくなるので、アクティブ制御装置の構成が簡単になる。
さらにアクティブ制御装置31は、図13に示すように取出機構24が成形品開放位置RPで停止動作をする際に動作状態にあってもよい。このようにすると、まだ完全に硬化していない成形品の変形を防止できる。そして成形品開放位置RPに、取出機構24が左右方向及び上下方向と直交する横行方向に変位振動しているときの横行変位振動を検出する変位センサ26を備えてもよい。そしてこの場合、アクティブ制御装置31は、変位センサ26の出力に基づいて横行変位振動を抑制する電動アクチュエータ(図示せず)を取出機構24にさらに実装してアクティブ制御を行うように構成する。このようにすると、成形品開放の際に成形品に加わる振動の大部分を抑制できる。
本発明によれば、位置決めサーボ装置の少なくとも位置決め制御と一緒にアクティブ制御が併用されるため、従来よりも短い時間で取出ヘッドの変位振動を抑制することができる。またサーボ装置の位置決め制御機能とアクティブ制御とが併用されると、アクティブ制御単独で制振を行う場合もより、小形・軽量の電動アクチュエータを用いることができる。
1 成形品取出機
3 横行フレーム
5 走行体
8 ランナ用昇降ユニット
9 成形品吸着用昇降ユニット
11 ACサーボモータ
13 サーボモータ
15 ベルト
17 走行体
18 駆動源
19 昇降フレーム
21 反転ユニット
23 取出ヘッド
24 取出機構
25 電動アクチュエータ
26 変位センサ
27 加速度センサ
31 アクティブ制御装置
33 変位振動検出部
34 位相補正部
35 付加振動検出部
37 駆動信号生成部
37A 第1ゲイン調整部
37B 第2ゲイン調整部
37C 演算部
38 加速度センサ
39 サーボアンプ
本発明は、取出ヘッドの変位振動を短い時間で低減することができる成形品取出機に関するものである。
特開2010−111012号公報(特許文献1)には、駆動源により駆動される取出ヘッド(成形品取出し部)を備えて成形機から成形品の取り出しを行う成形品取出装置において、取出ヘッドの振動成分を入力したテーブルと、このテーブルを用いたフィードフォワード制御によりサーボモータ(駆動源)を駆動して取出ヘッドの変位振動を抑制するように取出ヘッドの移動速度を制御する制御手段とを設けて、取出ヘッドの振動を抑制している。
また特開2004−223798号公報(特許文献2)には、成形品を保持するチャックを所定位置間にて移動制御して樹脂成形機から成形品を取り出す成形品取出機に、チャック及び該チャックを移動させる可動体の少なくともいずれかには移動停止時における可動体の残留振動を打ち消す振動を発生させる動吸振装置を設ける成形品取出機の振動抑制装置が開示されている。そして使用している動吸振装置は、容器内に流体を流動可能に封入して振動させると共に流体の粘性による減衰率で振動を収斂させるものである。
特開2010−111012号公報 特開2004−223798号公報
サーボモータによって駆動される引き抜きフレームに設けられた移動ベースに取り付けられた昇降フレームの先端に、取出ヘッド(アタッチメント)が装着されている成形品取出機等では、サーボモータによる位置決め制御機能が完了した後でもアタッチメントに変位振動が生じる問題がある。そのため特許文献1に記載の従来の技術では、変位振動の抑制に時間がかかる問題があった。
また特許文献2に記載の従来の技術では、取出し条件の変更に応じて適切な共振振動を発生する流体の粘性を利用した動吸振装置を個別に用意しなければならず、汎用性にかける問題があった。そこで動吸振装置として電動アクチュエータを用いることも考えられるが、変位振動のすべてを電動アクチュエータで吸振すると、重量の重い大型の電動アクチュエータを必要とすることになり、このような大型の電動アクチュエータを取出ヘッド等に装着することは現実的ではなかった。
本発明の目的は、アクティブ制御を用いて、従来よりも短い時間でアタッチメントの変位振動を抑制することができる成形品取出機を提供することにある。
本発明の他の目的は、サーボモータの位置決めサーボ装置による各種の制振機能等と共働して、アクティブ制御を行うことにより、従来よりも短い時間でアタッチメントの変位振動を抑制することができる成形品取出機を提供することにある。
本発明が改良の対象とする成形品取出機では、サーボモータを用いる位置決めサーボ装置によって制御される進入フレームにアタッチメントを備えた成形品取出機である。なおサーボモータはサーボ制御が可能なものであれば、ACサーボモータでも、DCサーボモータでもその種類は問わない。またアタッチメントは、取出ヘッド、カッター等のように成形品の取出に使用するものである。本発明においてアタッチメントの変位振動を検出する変位振動検出部と、変位振動検出部が検出した変位振動と逆位相の振動を電動アクチュエータからアタッチメントに加えてアタッチメントの変位振動を抑制するアクティブ制御を行うアクティブ制御装置を備えている。そしてアクティブ制御装置は、位置決めサーボ装置の少なくとも位置決め制御と一緒にアクティブ制御を行う。本発明によれば、位置決めサーボ装置の少なくとも位置決め制御とアクティブ制御とが併用されるため、従来よりも短い時間でアタッチメントの変位振動を抑制することができる。またサーボ装置の位置決め制御機能とアクティブ制御とが併用されると、アクティブ制御単独で制振を行う場合もより、小形・軽量の電動アクチュエータを用いることができる。
サーボモータによって駆動されるベルト伝達機構またロープ伝達機構を用いた場合等には、サーボモータによる位置決め制御だけを行ったとしても、アタッチメントの変位振動を短い時間で制振することができない場合が多い。そこでアクティブ制御装置を用いることを考えることになるが、特許文献2に示されるような液体の粘性を利用するような動吸振装置を用いたアクティブ制御では、アクティブ制御を開始するタイミングの制御が難しい上、成形品の重量や重心が変わっただけで、適確な制振制御を行うことができなくなる。そこで本発明では、成形品取出時において、変位振動検出部が検出した変位振動と逆位相の振動を電動アクチュエータからアタッチメントに加えてアタッチメントの変位振動を抑制するアクティブ制御を行うこととした。
またサーボモータによる位置決め制御機能の制振制御とアクティブ制御を併用する場合には、電動アクチュエータの出力が小さい場合には、特に電動アクチュエータの出力の大きさを制御する必要はない。しかしながら電動アクチュエータの出力が大きくなると、電動アクチュエータの重さや設置位置等を考慮しないと、アクティブ制御がサーボモータによる位置決め制御機能を阻害したり、一時的に変位振動を大きくする結果となって、制振時間を短くすることができなくなる場合がある。このような事態が想定される場合には、アクティブ制御装置は、アタッチメントの変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になるまでは、電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力で制限されたアクティブ制御を行うことが好ましい。このようにするとサーボモータによる位置決め制御機能と一緒にアクティブ制御を開始しているため、サーボモータによる位置決め制御による制振制御からアクティブ制御による制振にスムーズに移行することができる。その結果、軽量で小型の電動アクチュエータを用いて、従来よりも短い時間でアタッチメントの変位振動をスムーズに抑制することができる。なお前記低い出力は、サーボモータによる位置決め制御に影響を与えないように定めるのが好ましい。この場合、アクティブ制御装置は、低い出力から徐々にまたは段階的に電動アクチュエータの出力を増大させるのが好ましい。このようにすると、アクティブ制御の立ち上がりが制振制御に悪影響を与えるのを防止できる。
アタッチメントの変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になるまで、電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力で制限されたアクティブ制御を行うと、電動アクチュエータの能力に応じた時点から電動アクチュエータによる制振が積極的に行われるので、電動アクチュエータとして軽量で小型のものを用いることができる。したがって電動アクチュエータを用いたアクティブ制御を成形品取出機に適用することが実際上可能になる。また電動アクチュエータが軽量で小型であれば、アタッチメント自体または他の部位に電動アクチュエータを装着することが可能になる。
本発明は、一軸方向の変位振動を抑制する場合だけでなく、複数軸方向の変位振動を抑制する場合にも、適用できるものである。複数軸方向の変位振動を抑制する場合には、それぞれの軸方向に対して電動アクチュエータを設けて、それぞれの軸方向の変位振動をアクティブ制御により抑制すればよい。
なおアクティブ制御は、位置決めサーボ装置が位置決め制御だけを行っている場合だけでなく、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒に制振制御を行っているとき、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒にジャーク制御を行っているとき、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒に制振制御及びジャーク制御を行っているときにも適用が可能である。
具体的には、アクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したことを、変位振動検出部の出力を閾値と比較して定めることができる。予め定めた大きさを定める閾値は、事前の試験で定めることになる。
アクティブ制御を、サーボモータのサーボ装置における制振制御またはジャーク制御と併用して実施する場合、アクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、サーボモータによる位置決め制御における所定の動作時期から予め定めたタイマ時限が経過したことにより決定してもよい。この場合のタイマ時限の設定も、事前の試験で定めることができる。またタイマ時限の設定は、成形品取出機の管理者が現場で適宜に行うことも可能である。
所定の動作時期が、サーボモータによる位置決め制御の開始時期、完了指令が出力されたとき、または完了指令が出力される前後のいずれかであるのが好ましい。なお実際のタイマ時限の設定のためには、タイマ時限を調整するタイマ時限調整部を備えているのが好ましい。
アクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号が出されたときして動作するようにしてもよい。成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号の発生時期は、サーボモータによる位置決め制御の開始時期よりも後で、完了指令が出力されるときよりも前に出される。そこでアクティブ制御装置の動作開始タイミングとして成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号を利用することができる。このように成形機側から成形品取出機側に送信されてくるエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号を動作開始タイミングとして利用すると、タイミング決定のために特別な信号処理や、タイマ等を準備する必要がなくなるので、アクティブ制御装置の構成が簡単になる。
アクティブ制御装置は、取出ヘッドが成形品を成形機の金型から取出した後で取出ヘッドの位置決めが必要なときは、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、成形品取出機の周辺機器から出力される信号に基づいて定めることができる。このようにすると取出動作以外の方向転換動作、開放動作等のときにも、有効にアクティブ制御を活用することができる。
変位振動検出部として、サーボモータのモータ電流信号若しくはモータのトルク信号またはモータ電流信号若しくはモータのトルク信号に比例する信号を変位振動を検出する変位振動検出信号として出力するものを用いる場合には、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したことを、この変位振動検出信号に基づいて決定してもよい。このように変位振動検出信号を用いると、特別なセンサを設置することなく、アクティブ制御の開始タイミングを定めることができる。
アクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、変位振動検出部が検出した前記変位振動をA/D変換したときに得られるデジタル信号の数またはデジタル信号の信号幅の変化に基づいて決定してもよい。デジタル信号の有効数またはデジタル信号の信号幅の割合については、予備実験により適宜に定めればよい。
本発明の実施の形態の成形品取出機の全体構成を示す図である。 電動アクチュエータの装着状態の一例を説明するための部分概略斜視図である。 アクティブ振動装置の構成の一例を示すブロック図である。 (A)及び(B)は、本実施の形態で使用可能な電動アクチュエータの一例の斜視図及び断面図である。 図3の位相補正部、付加振動検出部及び駆動信号生成部の基本構成と動作を説明するために用いる図である。 (A)は引き抜き動作時の取出機構の振動状態をレーザ変位計により測定した振動波形とサーボモータのトルク指令波形とを対比できるように表示した波形図であり、(B)は振動波形とサーボモータのトルク指令波形との対比結果を示す図である。 アクティブ制御を行わずに、サーボモータによる位置決め制御に加えて、サーボモータの位置決めサーボ装置が有する制振制御を用いた場合と制振制御を用いなかった場合における、成形品の引抜動作開始位置から制振動作が完了するまでの複数種類の波形及び一部拡大波形を示す図である。 アクティブ制御とサーボモータの位置決め制御及び制振制御を併用する場合と、アクティブ制御を行うが、サーボモータの制振制御を併用しない場合の制御結果を示す複数種類の波形及び一部拡大波形を示す図である。 アクティブ制御を行わずにサーボモータの位置決め制御だけを行った場合と、サーボモータによる位置決め制御と、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になっているときを決定するタイマ時限を用いてアクティブ制御を併用した場合の制御結果を示す複数種類の波形図及び一部拡大波形図である。 サーボ装置の位置決め制御機能と制振機能及び/またはジャーク制御を併用した場合における取出ヘッドの変位振動と、さらにアクティブ制御を併用した場合の振動抑制効果を示すための概念波形図である。 サーボモータ帰還速度の最初の振幅発生直後のt=0.4秒まで、駆動信号生成部のゲインを10%とし、0.4秒以降はゲインを100%とした場合の動作を説明するための波形図である。 サーボモータによる位置決め制御機能を行わずにアクティブ制御により制振を行う場合において、アクティブ制御の出力条件を変えた3種類のパターンについて試験を行った結果を示す波形図である。 取出機構が成形品開放位置で停止動作をする際の動作状態を説明するための図である。
以下図面を参照して、本発明の成形品取出機の実施の形態の一例を詳細に説明する。
<成形品取出機の構成>
図1は本実施の形態の成形品取出機1の全体構成を示す図である。図2は電動アクチュエータの装着状態の一例を説明するための部分概略斜視図である。成形品取出機1は、トラバース型の成形品取出機であり、図示されていない成形機の固定プラテンに基部が支持される。図1に示す成形品取出機1は、横行フレーム3と、制御ボックス5と、第1の走行体6と、引き抜きフレーム7と、ランナ用昇降ユニット8と、成形品吸着用昇降ユニット9とを備えている。横行フレーム3は、図示しない成形機の長手方向に水平に直交したX方向に延設される片持ビーム構造を有している。第1の走行体6は、横行フレーム3に支持されており、サーボ機構に含まれるACサーボモータ11を駆動源として横行フレーム3に沿ってX方向に進退する。引き抜きフレーム7は、第1の走行体6に設けられており、成形機の長手方向と平行なY方向に延びている。引き抜きフレーム7には、成形品吸着用昇降ユニット9がサーボ機構に含まれるサーボモータ13(本実施の形態ではACサーボモータ)を駆動源としてY方向に移動可能に支持されている。本実施の形態では、サーボモータ13によりベルト15が回転駆動されて、成形品吸着用昇降ユニット9に含まれて引き抜きフレーム7に支持されたベースとしての第2の走行体17がY方向に移動する。本実施の形態では、ベルト15を用いたベルト伝達機構により第2の走行体17を移動させているが、ベルト伝達機構に代えてロープを力の伝達手段とするロープ伝達機構を用いてもよい。
成形品吸着用昇降ユニット9は、駆動源18によって上下方向(Z方向)に昇降する進入フレームとしての昇降フレーム19と、昇降フレーム19のフレーム線を中心として回動する反転ユニット21と、反転ユニット21に設けられたアタッチメントとしての取出ヘッド23とを備えている。本実施の形態では、反転ユニット21と取出ヘッド23とにより取出機構24が構成されている。反転ユニット21が設けられてない場合には、取出ヘッド23だけで取出機構24が構成される。また本実施の形態では、取出機構24の取出ヘッド23に励磁コイルと、励磁コイルによって駆動される永久磁石を備えた可動子とからなる電動アクチュエータ25が取り付けられている。また電動アクチュエータ25の可動子には第1の加速度センサ27が取り付けられている。なお理論的に電動アクチュエータ25の装着位置は取出ヘッド23に限定されるわけではなく、反転ユニット21、昇降フレーム19及び第2の走行体17に電動アクチュエータ25を装着してもよいのは勿論である。
<アクティブ制御装置の構成>
本実施の形態の成形品取出機1は、図1には示していない制御部に図3に示すアクティブ制御装置31を具備する。アクティブ制御装置31は、変位振動検出部33と、位相補正部34と、取出ヘッド23の水平方向または上下方向への振動を抑制するために取出ヘッド23に装着される電動アクチュエータ25と、付加振動検出部35と、駆動信号生成部37を備えている。
電動アクチュエータ25は、能力の範囲において、取出ヘッド23に任意のパワーで且つ任意の周波数の振動を加えることができるものであれば、その構造はどのようなものでもよい。本実施の形態では、シンフォニアテクノロジー株式会社がRM040−021の製品番号で製造した電磁アクチュエータを用いている。本実施の形態では、取出機構24が、昇降フレーム19に装着された反転ユニット21と反転ユニット21に装着された取出ヘッドとから構成されるため、前述の通り、電動アクチュエータ25を取出ヘッド23に装着している。これは反転ユニット21が、所定の剛性を有するため、効果的に振動を抑制できるからである。なお電動アクチュエータ25は、水平方向の振動を抑制するためには、電動アクチュエータが発生する振動方向が水平方向になるように取付ける。そして上下方向の振動を抑制するためには、電動アクチュエータが発生する振動方向が上下方向になるようにアクチュエータを取付ければよい。本発明は、複数の電動アクチュエータを用いて複数軸方向の振動を抑制する場合にも当然にして適用できる。
図4(A)及び(B)には、本実施の形態で使用可能な電動アクチュエータ25´の一例の斜視図及び断面図が示されている。この電動アクチュエータ25´は、筒状の固定子25´Aの中央部に可動子25´Bが配置され、可動子25´Bが3本の板バネ25´Cによって固定子25´Aに支持された構造を有している。可動子23´Cの稼働範囲は、ストッパ45´Dによって規制されている。この電動アクチュエータ25´は、いわゆる円筒型リニアモータと同じ原理で動作するものである。固定子25´Aが取出ヘッドに固定され、可動子25´Bの振動が固定子25´Aに伝わることにより、アクティブ制御が実施される。前述の加速度センサ27は、可動子25´Bに取り付けられる。
変位振動検出部33は、取出ヘッド23に装着した第2の加速度センサ38の出力に基づいて取出ヘッド23の水平方向への変位振動に比例する変位振動周波数成分の情報を含む変位振動検出信号S1を出力する。変位振動には、昇降フレーム19及び取出ヘッド23の動作により生じる一次振動、二次振動等に基づく複数の振動周波数成分が含まれている。サーボモータ13と昇降フレームとの間に設けられるベルト式またはロープ式の搬送機構の構造によって変位振動に含まれる振動周波数成分が変わることになる。成形品取出機の取出機構24は、成形機の二つの型の間に進入する必要がある。このような理由から、取出機構24に電動アクチュエータ25を取り付けて取出ヘッド23の振動を電動アクチュエータ25により抑制するためには、軽量且つ小型の電動アクチュエータを用いることが望ましい。
なお変位振動検出部33としては、加速度センサ以外の他の振動検出センサまたはレーザ変位計等の振動検出装置を用いることができるのは勿論である。
<アクティブ制御装置の詳細>
本実施の形態では、軽量且つ小型の電動アクチュエータを用いる場合においても、その制振能力を最大限活用できるようにするために、サーボモータによる位置決め制御、制振制御及びジャーク制御と、アクティブ制御を併用する。本実施の形態では、サーボモータによる位置決め制御機能とアクティブ制御とを併用している。図5は、図3の位相補正部34、付加振動検出部35及び駆動信号生成部37の基本構成と動作を説明するために用いる図である。なお図5においては、理解を容易にするために、サーボモータによる位置決め制御機能は実施せずに、アクティブ制御だけを実施している。サーボモータによる位置決め制御とアクティブ制御の併用については、後に説明する。
位相補正部34は、第2の加速度センサ38の出力を入力とする変位振動検出部33が出力する変位振動検出信号S1の位相ずれを予め求めた位相ずれ情報に基づいて補正して補正変位振動検出信号S1´を生成する。変位振動検出信号S1と実際の変位振動との間には、変位振動検出部33の構成等の様々な要因による位相ずれが生じる。成形品取出機の場合、一度セッティングを行うと取出機構24及び取り出す成形品の形状及び重量は変わらない。したがって取出動作を開始する前の事前測定により、この位相ずれは予め求めることができる。そこで本実施の形態では、予め求めた位相ずれ情報により、変位振動検出信号S1の位相ずれを補正して補正変位振動検出信号S1´を生成し、位相ずれに基づく発振の発生を防止する。
第1の加速度センサ27の出力を入力とする付加振動検出部35は、電動アクチュエータ25自身が発生する水平方向への付加振動を検出して付加振動の付加振動周波数成分の情報を含む付加振動検出信号S2´を出力する。補正変位振動検出信号S1´のみを用いて電動アクチュエータ25を動作させて制振動作を行った場合には、電動アクチュエータ25自身の水平方向の付加振動周波数成分は変位振動周波数成分に含まれている。しかしこの付加振動周波数成分も考慮しなければ、電動アクチュエータ25を用いた制振を迅速に且つ発振することなく実現することはできない。そこで本実施の形態では、付加振動検出部35として、電動アクチュエータ25の可動子に装着されて可動子の加速度を検出する加速度センサ27を用いている。現在、第1及び第2の加速度センサ27及び38としては、例えば、半導体型加速度センサを用いることができる。半導体加速度センサには、可動子に装着可能な寸法のものが販売されている。本実施の形態では、Kionix, Inc.がKXR94-2050の製品名で販売している加速度センサを用いている。
駆動信号生成部37は、補正変位振動検出信号S1´に含まれる変位振動周波数成分と付加振動検出信号に含まれる付加振動周波数成分とに基づいて、取出機構24の取出ヘッド23の水平方向の振動を抑制するように電動アクチュエータ25をアクティブ制御するのに必要な駆動信号を生成する。変位振動周波数成分の情報を含む変位振動検出信号S1のみに基づいて生成したアクチュエータを駆動する駆動信号だけでは、振動の抑制ができなくなる場合がある。その原因は、アクチュエータ自身の振動が原因となって発生する付加振動(付加振動周波数成分)が変位振動周波数成分に含まれているためである。そこで、変位振動周波数成分の情報を含む検出信号S1を位相補正した補正変位振動検出信号S1´から、取出ヘッド23の水平方向の振動を抑制するための振動を発生する電動アクチュエータ25の振動子の付加振動による付加振動周波数成分の情報を含む加速度センサ27の加速度信号S2を積分して得た速度に比例する付加振動検出信号S2´を除いて生成した駆動信号Saを用いる。これにより、付加振動の減衰を大きくして発振を防ぐことができ、電動アクチュエータ25を利用したアクティブ制御をより有効なものとする。その結果、従来よりも短い時間で取出ヘッド23の振動を確実に抑制することができる。
図5は、サーボモータによる位置決め制御による制振制御は実施せずに、アクティブ制御だけを実施して電動アクチュエータ25による制振を行う場合の駆動信号Saを生成する過程を波形で示した図である。図5に示すように、駆動信号生成部37は、第1ゲイン調整部37Aと、第2ゲイン調整部37Bと演算部37Cとから構成されている。第1ゲイン調整部37Aは位相補正部34から出力された補正変位振動検出信号S1´のゲインを調整する。第2ゲイン調整部37Bは、付加振動検出部35から出力される付加振動検出信号S2´のゲインを調整する。第1ゲイン調整部37A及び第2ゲイン調整部37Bは、補正変位振動検出信号S1´と付加振動検出信号S2´の次元及び振幅の相違を調整して演算を可能にしている。そして演算部37Cは、変位振動周波数成分に含まれるアクチュエータの付加振動によって発生する付加振動周波数成分による影響を低減または除去する演算をして、ゲイン調整した補正変位振動検出信号S1´からゲイン調整した付加振動検出信号S2´を除去する演算を実行する。加速度センサ27の出力の極性がマイナスの場合には、演算部37Cで加算演算を行うことになる。なお演算部37Cは、サーボモータによる位置決め制御機能とアクティブ制御とを併用する場合において、アクティブ制御を最大限活用することを開始するタイミングを決定するタイミング決定機能を有している。図5の例では、この機能は使用されていない。
アクティブ制御装置31は、成形品取出機が稼働状態にあるときには、常時動作状態にあるのが好ましい。このようにすると常に取出ヘッド23の振動を抑制するので、成形品を変形させることなく取り出すことができ、しかも取出ヘッド23で取り出した後まだ完全に硬化していない成形品が変形するのを防止できる。またアクティブ制御装置31は、少なくとも取出ヘッド23が成形機の型内で停止動作をする際に動作状態にあれば、取出ヘッド23による成形品の取出動作を早期に且つ確実に行える。
さらにアクティブ制御装置31は、取出ヘッド23が成形品開放位置で停止動作をする際や移動方向を変更するときに停止動作をする際に、動作状態にあってもよい。このようにすると、まだ完全に硬化していない成形品の変形を防止できる。
<サーボモータの位置決め制御とアクティブ制御との併用>
本実施の形態では、サーボモータの位置決め制御とアクティブ制御とを併用する。サーボモータの位置決め制御とアクティブ制御の併用は、電動アクチュエータの出力があまり大きくなければ、サーボモータの位置決め制御の開始と同時にまたはその前からアクティブ制御を行ってもよい。しかし電動アクチュエータの出力が大きくなると、制振の初期段階からサーボモータの位置決め制御とアクティブ制御の同時併用をすることが、問題となる場合がある。そこで本実施の形態では、アクティブ制御装置31は、サーボモータ13による位置決め制御によって取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になったときから、アクティブ制御を積極的に行う。サーボモータの位置決め制御は、市販のサーボアンプ39に一般的に搭載されている制御機能であり、停止指令が出力されるとサーボモータの駆動フレームの振動を抑制しながら位置決めする制御である。なお市販のサーボアンプ39には、特定の周波数の振動を制振する制振制御の機能と、加速度変化率を所定の範囲内に抑えるジャーク制御の機能が一般的に実装されている。そしてサーボアンプ39は、位置決めが完了すると、完了指令を出力するように構成されている。
しかしサーボモータ13によって駆動されるベルト伝達機構を用いた場合、サーボモータによる位置決め制御だけでは、取出ヘッド23の変位振動を短い時間で制振することができない場合がある。そこでアクティブ制御装置31によるアクティブ制御をサーボモータによる位置決め制御と併用する。本実施の形態では、成形品取出時において、変位振動検出部33が検出した変位振動と逆位相の振動を電動アクチュエータ25から取出ヘッド23に加えて取出ヘッド23の変位振動を抑制する。本実施の形態では、アクティブ制御装置31が、サーボモータによる位置決め制御機能により取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になったときから、積極的にアクティブ制御を行う。サーボモータによる位置決め制御機能により取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になったときから、積極的にアクティブ制御を行うと、当初はサーボモータによる位置決め制御により制振が行われ、後から電動アクチュエータ25によるアクティブ制御による制振が行われる。その結果、電動アクチュエータとして軽量で小型のものを用いることができる。なおアクティブ制御は、成形品取出時だけでなく、サーボモータによる位置決め制御を行うときであれば、どのようなときにも実施することができるのは勿論である。
具体的に、サーボモータによる位置決め制御とアクティブ制御とを併用する場合、アクティブ制御装置31は、サーボモータによる位置決め制御機能により取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になったときから、積極的にアクティブ制御を開始する。サーボモータによる位置決め制御機能により取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になる前までは、電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力で制限されたアクティブ制御を行う。
変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したこと(アクティブ制御の開始タイミング)は、変位振動検出部33の出力に基づいて定める。具体的には、演算部37C内に図5の第1ゲイン調整部37Aの出力をプラスとマイナスの「予め定めた大きさ」に対応する閾値と比較して開始タイミング信号を発生する比較手段を設ける。この比較手段は、第1ゲイン調整部37Aの出力がプラスとマイナスの「予め定めた大きさ」に対応する閾値内に収まったことを判定すると、開始タイミング信号を発生する。そして演算部37Cは、開始タイミング信号が発生するとアクチュエータ駆動信号Saを出力する。なおこの閾値は、事前の試験で定めることになる。
またアクティブ制御装置31は、演算部37Cにタイマ時限を計数するタイマ手段を設け、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、サーボモータによる位置決め制御における所定の動作時期から予め定めたタイマ時限が経過したことにより決定してもよい。所定の動作時期は、サーボモータによる位置決め制御の開始時期、停止指令が出力されたとき、または停止指令が出力される前後のいずれかの任意の時期とすることができる。この場合のタイマ時限の設定も、事前の試験で定めることになる。実際のタイマ時限の設定のためには、タイマ時限を調整するタイマ時限調整部を備えているのが好ましい。タイマ時限調整部を備えていれば、タイマ時限の設定を、成形品取出機の管理者が現場で適宜に行うことが可能になる。
また変位振動検出部として、サーボモータのモータ電流信号若しくはモータのトルク信号またはモータ電流信号若しくはモータのトルク信号に比例する信号を、変位振動を検出する変位振動検出信号として出力するものを用いてもよい。
またアクティブ制御装置31は、演算部37C内に、変位振動の振幅が予め定めた大きさ以上あるときの変位振動検出部33の出力(本実施の形態では位相補正部34の出力)をカットするフィルタ回路を設けても良い。このフィルタ回路から出力が出ているときには、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になっているものとして、演算部37Cは演算を実行する。フィルタ回路のカット周波数は、試験によって定めることになる。この場合も特別なセンサを設置する必要がないという利点が得られる。なおカット周波数を調整するカット周波数調整部をさらに設ければ、汎用性を高めることができる。
またアクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、変位振動検出部が検出した前記変位振動をA/D変換したときに得られるデジタル信号の数またはデジタル信号の信号幅の変化に基づいて決定してもよい。デジタル信号の有効数またはデジタル信号の信号幅の割合については、予備実験により適宜に定めればよい。なおA/D変換及びデジタル信号の計数並びに信号幅の計数を行う手段は、演算部37C内にプログラムによって実現すればよい。
また変位振動検出部33として、サーボモータのモータ電流信号若しくはモータのトルク信号またはモータ電流信号若しくはモータのトルク信号に比例する信号を、変位振動を検出する変位振動検出信号として出力するものを用いてもよい。このように変位振動検出信号を用いると、特別なセンサを設置することなく、アクティブ制御の開始タイミングを定めることができる。具体的には、変位振動検出部33が、図1に示した昇降フレーム19を水平方向に移動させるサーボ機構中のサーボモータ13のモータ電流信号若しくはモータのトルク信号またはモータ電流信号若しくはモータのトルク信号に比例する信号をサーボアンプ39から変位振動検出信号S1として検出することになる。この信号S1から変位振動周波数成分の情報を得れば、取出機構24や成形機の型の周囲に、取出ヘッド23の水平方向の振動の検出のために特別なセンサを設ける必要がなくなる。昇降フレーム19の上下方向の振動を抑制するためには、昇降フレーム19を上下方向に移動させるモータのモータ駆動用のサーボアンプ39の出力からモータ電流信号またはトルク信号を取得して電動アクチュエータ25を駆動すればよい。なおこの場合には、電動アクチュエータ25の取付位置を、電動アクチュエータ25が発生する振動が上下方向に向くように、電動アクチュエータ25の取付位置を変えればよい。
図6(A)は、引き抜き動作時の取出機構24の振動状態をレーザ変位計(株式会社キーエンスがIL−S100の製品名で販売しているレーザ変位計)により測定した振動波形Aとサーボモータ13のトルク指令波形Bとを対比できるように表示した波形図である。ちなみにトルク指令波形Bは、富士電機株式会社がRYT201D5-LS2-Z25の商品名で販売しているサーボアンプのトルク指令出力端子から取り出しものである。波形Aと波形Bとを比較すると、位相のずれはあるものの、ピーク値で見ると、両波形A及びBは比例関係にあることが判る。このことは図6(B)に示す通りである。トルク指令波形の絶対値とレーザ変位計の出力の絶対値のプロット結果からも確認できた。この関係はモータのモータ電流信号についても同様に現れていることが確認されている。両波形の第1ピーク及び第2ピークに着目してみると、両波形には0.03〜0.04秒の立ち上がりのずれ(進み)があることが判る。
<サーボモータの位置決め制御とアクティブ制御との併用結果>
以下本実施の形態で用いるアクティブ制御装置におけるフィードバック制御の効果を確認した結果について図7乃至図10に基づいて説明する。まず図7は、比較例であり、アクティブ制御を行わずに、サーボモータによる位置決め制御に加えて、サーボモータの位置決めサーボ装置が有する制振制御を用いた場合(ON)と制振制御を用いなかった場合(OFF)における、成形品の引抜動作開始位置から制振動作が完了するまでの複数種類の波形及び一部拡大波形を示す図である。図7において、「サーボモータ帰還速度」の波形は、サーボモータによる位置決め制御をフィードバック制御で行う場合に使用するフィードバック速度信号である。そして「サーボモータ指令トルク」の波形は、フィードバック制御に使用するトルク指令である。また「ヘッドの変位量」の波形は、レーザ変位計の出力から検出した取出ヘッド23の変位量である。さらに「昇降フレームの加速度」の波形は、昇降フレーム19に確認用に設けた水平方向の加速度を検出する第3の加速度センサ(図示せず)の出力波形である。そして図7において「区間A」は、引抜動作開始位置から引抜完了までの時間である。また「X1」は、サーボモータの位置決めサーボ装置による制振制御を行っていない場合(OFF)の波形であり、「X2」は、サーボモータの位置決めサーボ装置により制振制御を行っている場合(ON)の波形である。拡大図に付随して記載のように、サーボモータの位置決めサーボ装置により制振制御を行うと、目標位置到達時の振動の振幅が低減される。しかしながら、引抜動作完了後においても、サーボモータの位置決めサーボ装置による制振制御では、残留振動を確実に低減することができていない。
図8は、サーボモータによる位置決め制御機能とアクティブ制御とを併用する場合(Y2)と、アクティブ制御だけを行う場合(Y1)の制御結果を示す複数種類の波形及び一部拡大波形を示す図である。図8において、「区間B」がアクティブ制御を積極的に行っている区間である。この例では、「区間A」の終了時、即ち引抜完了時からアクティブ制御を積極的に行った。「区間A」においては、アクティブ制御の効果を明確にするためにアクティブ制御を行っていない。図8からは、取出ヘッド23の変位振動の振幅が大きいうちは、アクティブ制御だけでは(Y1の波形)変位振動の低減に時間がかかることと、サーボモータによる位置決め制御とアクティブ制御とを併用する場合(Y2)には、迅速に変位振動を低減することができ、且つ目標位置到達後の残留振動も低減できることが判る。
図9は、サーボモータによる位置決め制御機能だけを行った場合(Z1の波形)と、サーボモータによる位置決め制御機能とタイマ時限を用いて積極的にアクティブ制御を併用した場合(Z2の波形)の制御結果を示す複数種類の波形図及び一部拡大波形図である。この例では、電動アクチュエータの最大出力まで利用してアクティブ制御を積極的に利用するタイミングを決めるタイマ時限は、引抜動作開始時から0.5秒でアクティブ制御を開始するように定められている。図9において「Active ON」の区間が、アクティブ制御が行われている区間である。図9からは、タイマ時限の計数の完了をアクティブ制御開始信号として使用しても、タイマ時限の設定が適切であれば、サーボモータによる位置決め制御機能とアクティブ制御の併用効果を確実に得られることが判る。
<他の実施の形態>
上記実施の形態では、サーボモータの位置決め制御とアクティブ制御を一緒に行っている。しかし市販のサーボモータ用のサーボ装置は、位置決め制御機能、所定の周波数の振動を制振する制振機能の他に、加速度変化率を所定の範囲内に抑えるジャーク制御機能を有している。本発明は、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒に制振制御を行うように構成されているとき、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒にジャーク制御を行うように構成されているとき、位置決めサーボ装置が位置決め制御と一緒に制振制御及びジャーク制御を行うように構成されている場合にも当然にして適用が可能である。
図10の概念波形において、Aの波形はサーボ装置で位置決め制御だけを行った場合における、取出ヘッドの変位振動を模しており、Bの波形は、サーボ装置で位置決め制御と制振制御とを併用した場合における取出ヘッドの変位振動を模しており、Cの波形はサーボ装置で位置決め制御と制振制御とジャーク制御を併用した場合における取出ヘッドの変位振動を模している。図10において、THはアクティブ制御の積極的な開始時期を決定するために設定した閾値である。この例では、閾値THと波形A〜Cの振幅の比較により、振幅が閾値TH以下に減衰した後に、アクティブ制御を積極的に開始するものとする。A´の波形はサーボ装置で位置決め制御を行った場合において、アクティブ制御を時刻T3から積極的に併用した場合における、取出ヘッドの変位振動を模しており、B´の波形は、サーボ装置で位置決め制御と制振制御とを行った上で、さらにアクティブ制御を時刻T2から積極的に併用した場合における取出ヘッドの変位振動を模しており、C´の波形はサーボ装置で位置決め制御と制振制御とジャーク制御を併用した上で、さらにアクティブ制御を時刻T1 から積極的に併用した場合における取出ヘッドの変位振動を模している。これらの波形からは、サーボ装置が有する各種の制御機能とアクティブ制御の併用が有効であることが判る。特に波形A、B及びCと波形A´、B´及びC´を対比すると判るように、サーボ装置の位置決め制御と、制振制御と、ジャーク制御とアクティブ制御を併用すると、早期に変位振動を抑制できるので、小形の電動アクチュエータでもアクティブ制御を有効に活用できることが判る。なおサーボモータによる位置決め制御、制振制御及び/またはジャーク制御により取出ヘッド23の変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰した後または減衰したとみなせる状態になる前までは、電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力で制限されたアクティブ制御を行えばよい。
上記実施の形態では、サーボモータによる位置決め制御機能と一緒にアクティブ制御を開始する。但し、その場合には、サーボモータによる位置決め制御機能とアクティブ制御により取出ヘッドの変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰するまでまたは減衰したとみなせる状態になるまでは、電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力でアクティブ制御を行う。図11は、サーボモータ帰還速度の最初の振幅発生直後のt=0.4秒まで、駆動信号生成部37のアクティブ制御出力(アクチュエータ駆動信号)のゲインを10%とし、0.4秒以降はゲインを100%とすることにより、このことを実現した場合の動作を説明するための波形図である。
図11の例では、波形W1は、サーボモータの位置決め制御開始時点からアクティブ制御をOFFとした場合のヘッド変位量を示す波形であり、W2はサーボモータの位置決め制御開始時点からアクティブ制御をONとした場合のヘッド変位量を示す波形図である。この例では、アクティブ制御をOFFとする場合(波形W1の場合)には、最初から最後までサーボモータによる位置決め制御機能だけが行われている。アクティブ制御OFFの場合と、アクティブ制御をONとした場合(波形W2)とを比べると、制御開始当初からサーボモータ帰還速度の最初の振幅発生直後のt=0.4秒までアクティブ制御とサーボモータによる位置決め制御機能とを併用すると、制振時間を大幅に短縮できることが判る。なおサーボモータ帰還速度の最初の振幅発生直後のt=0.4秒までのゲインを大きくし過ぎると、サーボモータの位置決め制御に悪影響を与えることがある。
この例では、サーボモータによる位置決め制御機能と一緒にアクティブ制御を開始しているため、サーボモータによる位置決め制御による制振制御からアクティブ制御による制振にスムーズに移行することができる。その結果、軽量で小型の電動アクチュエータを用いて、従来よりも短い時間で取出ヘッドの変位振動をスムーズに抑制することができる。なお「低い出力」は、サーボモータによる位置決め制御に影響を与えないように定めるのが好ましい。この場合、アクティブ制御装置は、低い出力から徐々にまたは段階的に電動アクチュエータの出力を増大させるのが好ましい。このようにすると、アクティブ制御の立ち上がりが制振制御に悪影響を与えるのを防止できる。
図12は、サーボモータにおいて制振制御を行わずにアクティブ制御により制振を行う場合において、アクティブ制御の出力条件を変えた3種類のパターンについて試験を行った結果を示している。Pattern Aは、アクティブ制御開始初期から最大出力(定常出力)100%でアクティブ制御を行うパターンであり、Pattern Bは、アクティブ制御の出力を1%→20%→55%→100%へと段階的に変えてアクティブ制御を行うパターンであり、Pattern Cは、アクティブ制御の出力を0%→100%へと徐々に連続的にアクティブ制御を行うパターンである。そして波形V1は、アクティブ制御を行わないときの波形であり、波形V2はPattern Aでアクティブ制御を行った場合の波形であり、波形V3はPattern Bでアクティブ制御を行った場合の波形であり、波形V4はPattern Cでアクティブ制御を行った場合の波形である。この結果からは、最初からPattern Aで100%の出力でアクティブ制御を行うと初期振動振幅を増大させており、振動減衰に悪影響を与えている。これに対してPattern Bのように段階的に出力を上げたり、Pattern Cのように徐々に連続して出力を上げた場合にはPattern Aの場合より振動減衰が速いことが判る。
またアクティブ制御装置は、変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号が出されたときして動作するようにしてもよい。成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号の発生時期は、サーボモータによる位置決め制御の開始時期よりも後で、完了指令が出力されるときよりも前に出される。そこでアクティブ制御装置の動作開始タイミングとして成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号を利用することができる。このように成形機側から成形品取出機側に送信されてくるエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号を動作開始タイミングとして利用すると、タイミング決定のために特別な信号処理や、タイマ等を準備する必要がなくなるので、アクティブ制御装置の構成が簡単になる。
さらにアクティブ制御装置31は、図13に示すように取出機構24が成形品開放位置RPで停止動作をする際に動作状態にあってもよい。このようにすると、まだ完全に硬化していない成形品の変形を防止できる。そして成形品開放位置RPに、取出機構24が左右方向及び上下方向と直交する横行方向に変位振動しているときの横行変位振動を検出する変位センサ26を備えてもよい。そしてこの場合、アクティブ制御装置31は、変位センサ26の出力に基づいて横行変位振動を抑制する電動アクチュエータ(図示せず)を取出機構24にさらに実装してアクティブ制御を行うように構成する。このようにすると、成形品開放の際に成形品に加わる振動の大部分を抑制できる。
本発明によれば、位置決めサーボ装置の少なくとも位置決め制御と一緒にアクティブ制御が併用されるため、従来よりも短い時間でアタッチメントの変位振動を抑制することができる。またサーボ装置の位置決め制御機能とアクティブ制御とが併用されると、アクティブ制御単独で制振を行う場合もより、小形・軽量の電動アクチュエータを用いることができる。
1 成形品取出機
3 横行フレーム
5 走行体
8 ランナ用昇降ユニット
9 成形品吸着用昇降ユニット
11 ACサーボモータ
13 サーボモータ
15 ベルト
17 走行体
18 駆動源
19 昇降フレーム
21 反転ユニット
23 取出ヘッド
24 取出機構
25 電動アクチュエータ
26 変位センサ
27 加速度センサ
31 アクティブ制御装置
33 変位振動検出部
34 位相補正部
35 付加振動検出部
37 駆動信号生成部
37A 第1ゲイン調整部
37B 第2ゲイン調整部
37C 演算部
38 加速度センサ
39 サーボアンプ

Claims (16)

  1. サーボモータを用いる位置決めサーボ装置によって制御される進入フレームにアタッチメントを備えた成形品取出機であって、
    前記アタッチメントの変位振動を検出する変位振動検出部と、
    前記変位振動検出部が検出した前記変位振動と逆位相の振動を電動アクチュエータから前記アタッチメントに加えて前記アタッチメントの前記変位振動を抑制するアクティブ制御を行うアクティブ制御装置を備えた成形品取出機であって、
    前記アクティブ制御装置は、前記位置決めサーボ装置の少なくとも位置決め制御と一緒に前記アクティブ制御を行うことを特徴とする成形品取出機。
  2. 前記位置決めサーボ装置は前記位置決め制御と一緒に制振制御を行うように構成されている請求項1に記載の成形品取出機。
  3. 前記位置決めサーボ装置は前記位置決め制御と一緒にジャーク制御を行うように構成されている請求項1に記載の成形品取出機。
  4. 前記位置決めサーボ装置は前記位置決め制御と一緒に制振制御及びジャーク制御を行うように構成されている請求項1に記載の成形品取出機。
  5. 前記進入フレームは、引き抜きフレームに設けられた昇降フレームであり、
    前記アタッチメントは前記昇降フレームの先端に設けられた取出ヘッドであり、
    前記アクティブ制御は前記引き抜きフレームを駆動して引き抜き動作を行うときに実行される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の成形品取出機。
  6. 前記アクティブ制御装置は、前記変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰するまでまたは減衰したとみなせる状態になるまでは、前記電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力で制限されたアクティブ制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の成形品取出機。
  7. 前記アクティブ制御装置は、前記変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したことを、前記変位振動検出部の出力を閾値と比較して定めることを特徴とする請求項1に記載の成形品取出機。
  8. 前記アクティブ制御装置は、前記変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、前記サーボモータによる位置決め制御における所定の動作時期から予め定めたタイマ時限が経過したことにより決定することを特徴とする請求項1に記載の成形品取出機。
  9. 前記所定の動作時期が、前記サーボモータによる位置決め制御の開始時期、完了指令が出力されたとき、または前記完了指令が出力される前後のいずれかであり、
    前記タイマ時限を調整するタイマ時限調整部を備えている請求項8に記載の成形品取出機。
  10. 前記アクティブ制御装置は、前記変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、成形機からのエジェクタ後退限信号、エジェクタ前進限信号、金型開閉中信号、金型開限信号または金型閉限信号が出されたときとすることを特徴とする請求項1に記載の成形品取出機。
  11. 前記アクティブ制御装置は、前記取出ヘッドが成形品を成形機の金型から取出した後で前記取出ヘッドの位置決めが必要なときは、前記変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、成形品取出機の周辺機器から出力される信号に基づいて定める請求項5に記載の成形品取出機。
  12. 前記変位振動検出部として、前記サーボモータのモータ電流信号若しくは前記モータのトルク信号または前記モータ電流信号若しくは前記モータのトルク信号に比例する信号を前記変位振動を検出する変位振動検出信号として出力するものを用い、
    前記アクティブ制御装置は、前記変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したことを前記変位振動検出信号に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載の成形品取出機。
  13. 前記アクティブ制御装置は、前記変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰したとみなせる状態になったときを、前記変位振動検出部が検出した前記変位振動をA/D変換したときに得られるデジタル信号の数または前記デジタル信号の信号幅の変化に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載の成形品取出機。
  14. サーボモータによって駆動されるベルト伝達機構またロープ伝達機構を介して移動自在に引き抜きフレームに設けられた移動ベースに取り付けられた昇降フレームの先端に、取出ヘッドが装着され、
    前記取出ヘッドの変位振動を検出する変位振動検出部と、
    前記変位振動検出部が検出した前記変位振動と逆位相の振動を電動アクチュエータから前記取出ヘッドに加えて前記取出ヘッドの前記変位振動を抑制するアクティブ制御を行うアクティブ制御装置を備えた成形品取出機であって、
    前記アクティブ制御装置は、前記サーボモータによる位置決め制御と一緒に前記アクティブ制御を開始するが、前記サーボモータによる位置決め制御機能と前記アクティブ制御により前記取出ヘッドの前記変位振動の振幅が予め定めた大きさまで減衰するまでまたは減衰したとみなせる状態になるまでは、前記電動アクチュエータの最大出力よりも低い出力で前記アクティブ制御を行うことを特徴とする成形品取出機。
  15. 前記低い出力は、前記サーボモータによる位置決め制御に影響を与えないように定められている請求項14に記載の成形品取出機。
  16. 前記アクティブ制御装置は、前記低い出力から徐々にまたは段階的に前記電動アクチュエータの出力を増大させる請求項14または15に記載の成形品取出機。
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