JP2018029740A - 美顔器 - Google Patents
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Abstract
Description
また、被験者やその目的によって、単色光のピーク波長を可変とし得るピーク波長可変手段を更に備えたものとされている。
すなわち、美顔目的は被験者のニーズによって様々であり、また1人の被験者においても複数の美顔目的に合わせた施術を行うことがある。そのような場合、上記特許文献2に開示された美顔育毛器では施術者の知識や経験から適切な単色光を選択し照射する必要があったが、美顔目的の種類が多いことから煩雑であり、また選択ミスが発生する恐れもあるという問題があった。
なお、本明細書では、半値幅が10nm以下の光を狭帯域光、半値幅が6nm以下の光を超狭帯域光と呼ぶことにし、通常のLED(発光ダイオード)の単色光(半値幅が15〜40nm)と区別する。また、半値幅とは、光源の中心波長(ピーク波長)の半分の強さの光の波長の幅をいう。
シミやシワは顔面全体に発生するわけではなく、局所的に発生するので、集束手段を備えることにより、照射スポットを調整することが可能となる。
これらの美顔目的は、本発明者のこれまでの研究により、被験者のニーズのあるものとして分類されたものである。
近年の研究により、美顔目的に応じて、最も美顔効果が得られる単色光の最適波長が存在することが明らかとなっている。現時点では、美顔目的に応じた厳密な最適波長は見出されていないが、将来、治験を重ねて見出す予定である。
そこで、現状では、実際に被験者を用いて臨床実験を行った結果を基に、赤青緑の3色の単色光の内、各美顔目的の最適波長に最も近いと考えられる単色光を設定したものとなっている。
例えば、40歳未満の被験者であれば、シワの削減の必要性は低く、逆に40歳以上の被験者であれば、シワの削減の必要性は高いというように、年齢に応じて美顔目的を絞り込むことで、美顔目的の選択をより容易にすることができる。
照射時間の設定が可能とされることにより、施術の安全性及び利便性が向上する。
かかる構成とされることにより、美顔目的に応じた、最適な波長とその波長毎の照射エネルギーに調整し、美顔効果を高めることができる。
拡散手段としては、光量の減衰を最小限に抑える観点から拡散レンズが好適に用いることができる。また、単色レーザーダイオード光源の場合は、指向性が強い光を大面積に拡散させるといった観点から、シリンドリカルレンズ、拡散板若しくは拡散レンズの中から少なくとも1つ用いたものが好適である。
図11は美顔器に用いるLEDの構造図である。また、図12は美顔器に用いるLEDの断面図(図11のA−A´の断面)である。
図11はLEDを正面から見た様子を描いており、1個のLED4が基板上に配置されている。LED4は、LEDチップ2とLED基板3で構成されている。
美顔目的を入力する(S01)。設定テーブルからピーク波長を読込む(S02)。読込んだピーク波長の単色光に切替る(S03)。
かかる方法により、単色LED光源が決定された後、光源切替え手段30によって該当する単色LED光源に切替えが行われる。
本体8には、ディスプレイ8a、電源ボタン9a、照射量調整ボタン9b及びタイマーボタン9cが設けられ、使用する際には、まず電源ボタン9aを押下して美顔器1を起動する。美顔器1が起動すると、ディスプレイ8a上に美顔目的の一覧が表示される。ディスプレイ8aはタッチパネル方式となっており、使用者は一覧から美顔目的を選択し、タッチパネルを操作して、美顔目的に適したLED光源に切替える。図14に示すように、被験者12の頬にはシミ13が存在し、シミの削減が美容目的となっている。そのため、ここでは、タッチパネルを操作して、シミの削減を選択し、シミの削減に適したLED光源に切替える。
照射ユニット10には、照射ボタン10aが設けられており、LED光11の照射は照射ボタン10aの押下によって行う。照射ボタン10aは、基本的には、一度押下すると照射が開始し、もう一度押下すると照射が終了する構造であるが、タイマー機能を使用する場合には、一度押下して照射が開始した後、一定時間経過すると自動的に照射が終了する。また、タッチパネル上の操作で、照射開始から一定時間経過後に自動的に別のLEDに切替えるモードとすることも可能である。
図14に示すように、照射ユニット10を把持し、照射ユニット10の先端を被験者12のシミ13に向け、照射ボタン10aを押下して、LED光11を照射する。被験者12のシミ13に一定時間LED光11が照射されることにより、美顔効果が得られる。
LED照射メニューは、基本的には美顔目的を選択することで自動的に設定されるが、美顔目的に応じて、手動で調整することも可能である。
例えば、1つの美顔目的だけを選択した場合には、その美顔目的に最適な波長を有するLEDが1つ或は2つ選択される。LEDが1つだけ選択された場合には、該LEDの照射時間を選択する。照射時間は、5〜60分の範囲で、5分刻みで、選択することが可能である。また、数値を入力することで、1〜60分の範囲で、1分単位での照射時間の設定も可能である。これに対して、LEDが2つ選択された場合には、それぞれのLEDの照射時間を選択する。照射時間の選択は、LEDが1つ選択された場合と同様である。それぞれのLEDの照射時間の選択が完了し、照射を開始すると、最初に選択されたLEDから照射が開始し、設定時間経過後、もう1つのLEDの照射が開始する。
また、複数の美顔目的を選択した場合には、その美顔目的に最適な波長を有するLEDが重複して選択されることがあり、かかる場合には、照射を長く設定してもよい。
これらは、超狭帯域光を30分間照射した結果である。光源からの距離は10cm程度にした。
なお、前処理として化粧を必ず落とした。化粧水の使用は許容した。日焼け止めクリームは完全に除去した。
しかしながら、全ての波長をピークにもつLED光源を美顔器に設置することは、現実的には困難である。そこで、本実施例の美顔器では、実施例1における美顔器とは異なり、赤青緑の3色について、それぞれ3つの異なるピーク波長を有するLED光源を装備して、より各美顔目的の最適波長に近いLED光源を選択させるようにし、美顔効果を高めることを実現する。
下記表2〜11を基に、美顔目的毎の最適波長を推測して、上記9種類のLED光源から最も美顔効果が高いと思われるLED光源を選定する。
なお、本実施例における美顔目的毎の最適波長の推測は、あくまでも仮定の値であり、正確な最適波長は、今後の研究により明らかとなる。
そこで、美白効果についての最適波長は、420〜440nmであると推測する。
そこで、毛穴の引き締め効果についての最適波長は、440〜465nmであると推測する。
そこで、保湿効果についての最適波長は、500〜525nmであると推測する。
そこで、肌の引き締め効果についての最適波長は、580〜620nmであると推測する。
そこで、シワの削減効果についての最適波長は、750〜800nmであると推測する。
そこで、しみの削減効果についての最適波長は、470〜500nmであると推測する。
そこで、くすみの削減効果についての最適波長は、505〜528nmであると推測する。
そこで、くまの削減効果についての最適波長は、590〜630nmであると推測する。
そこで、活性化ニキビの抑制効果についての最適波長は、435〜460nmであると推測する。
美顔器において、美顔目的を入力すると、目的波長テーブルから最適波長を読込んで、読込んだ最適波長に最も近い超狭帯域光に切替えが行われる。
なお、これらの超狭帯域光を照射するLEDは、1W(ワット)相当以上のものが好適に用いることができる。
図15に示すように、半値幅を10nmに調整した場合に著効となった人数は19人、半値幅を6nmに調整した場合に著効となった人数は27人、半値幅を2.5nmに調整した場合に著効となった人数は48人(過半数)、半値幅を1nmに調整した場合に著効となった人数は79人となった(8割程度)。この結果から、赤色の超狭帯域光が最適波長である場合においては、半値幅を1nmに調整した場合が最も効果が高く、半値幅が狭ければ狭いほど効果が高いことが示された。
図16に示すように、半値幅を10nmに調整した場合に著効となった人数は58人、半値幅を6nmに調整した場合に著効となった人数は76人、半値幅を2.5nmに調整した場合に著効となった人数は91人となった。この結果から、青色の超狭帯域光が最適波長である場合においては、半値幅を2.5nmに調整した場合が最も効果が高く、半値幅が狭ければ狭いほど効果が高いことが示された。
図17に示すように、半値幅を10nmに調整した場合に著効となった人数は63人、半値幅を6nmに調整した場合に著効となった人数は78人、半値幅を2.5nmに調整した場合に著効となった人数は89人となった。この結果から、緑色の超狭帯域光が最適波長である場合においては、半値幅を2.5nmに調整した場合が最も効果が高く、半値幅が狭ければ狭いほど効果が高いことが示された。
2 LEDチップ
3 LED基板
4 LED
5 ハウジング
6a,6b 電極
7 基板
8 本体
8a ディスプレイ
9a 電源ボタン
9b 照射量調整ボタン
9c タイマーボタン
10 照射ユニット
10a 照射ボタン
11 LED光
12 被験者
13 シミ
14 ケーブル
20 単色LED光源決定手段
21 目的入力手段
22 目的波長テーブル
23 光源波長テーブル
24 設定テーブル
30 光源切替え手段
Claims (17)
- InGaN,ZnCdSe,ZnTeSe,GaP,AlGaInP,AlGaAs, 希土類添加GaAs,希土類添加GaN から選択される化合物半導体のバンドギャップの大きさに依存する波長で、半値幅6nm以下の単色光を出射する単色LED光源を備え、所望の美顔目的に適した光を出射することを特徴とする美顔器。
- 前記単色LED光源は、InGaN,ZnCdSe,希土類添加GaN の少なくとも1つの化合物半導体を用いた410〜490nmの範囲にピーク波長を有する青色光であり、美白、毛穴の引き締め、シミの削減、活性化ニキビの抑制の何れかの美顔目的に用いられることを特徴とする請求項1に記載の美顔器。
- 前記単色LED光源は、ZnTeSe,GaP,InGaN,希土類添加GaN の少なくとも1つの化合物半導体を用いた510〜560nmの範囲にピーク波長を有する緑色光であり、保湿、くすみの削減の何れかの美顔目的に用いられることを特徴とする請求項1に記載の美顔器。
- 前記単色LED光源は、AlGaInP,AlGaAs,希土類添加GaAs,希土類添加GaN の少なくとも1つの化合物半導体を用いた610〜660nmの範囲にピーク波長を有する赤色光であり、肌の引き締め、シワの削減、くまの削減の何れかの美顔目的に用いられることを特徴とする請求項1に記載の美顔器。
- 前記単色LED光源は、GaNとInNを混合した結晶で、混合比によりバンドギャップの大きさを調整したInGaNを用いた光源であり、450〜475nmにピーク波長を有する青色光であることを特徴とする請求項2に記載の美顔器。
- 前記単色LED光源は、GaNとInNを混合した結晶で、混合比によりバンドギャップの大きさを調整したInGaNを用いた光源であり、略518nm又は略550nmにピーク波長を有する緑色光であることを特徴とする請求項3に記載の美顔器。
- 前記単色LED光源は、AlGaAs の化合物半導体を用いた光源であり、略630nm又は略660nmにピーク波長を有する赤色光であることを特徴とする請求項4に記載の美顔器。
- 前記単色LED光源の半値幅は、2.5nm以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の美顔器。
- 前記単色LED光源の半値幅は、1.0nm以下であることを特徴とする請求項4又は7に記載の美顔器。
- 前記単色LED光源から出射された単色光を拡散させ照射面積を増大させ得る拡散手段、又は、前記拡散手段と照射面積を調整する集束手段、を更に備え、美顔目的に応じて照射面積を調整し得ることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の美顔器。
- 請求項1〜10の何れかの美顔器において、
美顔目的に適した波長帯域を記憶した目的波長テーブルと、
前記単色LED光源の各出射光のピーク波長を記憶した光源波長テーブルと、
被験者の美顔目的を入力させる目的入力手段と、
目的入力手段により入力された美顔目的に適した波長帯域を、目的波長テーブルを参照して決定し、決定された波長帯域をカバーする前記単色LED光源を、光源波長テーブルを参照して決定する単色LED光源決定手段と、
単色LED光源決定手段に基づいて決定された前記単色LED光源に切替える光源切替え手段と、を備えることを特徴とする美顔器。 - 上記の目的入力手段において、美顔目的は、美白、毛穴の引き締め、保湿、肌の引き締め、シワの削減、シミの削減、くすみの削減、くまの削減、活性化ニキビの抑制の群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の美顔器。
- 上記の目的波長テーブルは、美白は青色、毛穴の引き締めは青色、保湿は緑色、肌の引き締めは赤色、シワの削減は赤色、シミの削減は青色、くすみの削減は緑色、くまの削減は赤色、活性化ニキビの抑制は青色、に設定されることを特徴とする請求項11又は12に記載の美顔器。
- 被験者の年齢を入力させる年齢入力手段を更に備え、
入力された年齢に応じて、美顔目的を絞り込むことを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の美顔器。 - 照射時間を入力させる照射時間入力手段を更に備え、
入力された照射時間経過後に前記単色LED光源による照射を終えることを特徴とする請求項11〜14の何れかに記載の美顔器。 - 上記の目的波長テーブルには、美顔目的に適した波長帯域と、照射エネルギーが記憶され、上記の目的入力手段から入力された美顔目的に応じて照射エネルギーを調整することを特徴とする請求項11〜15の何れかに記載の美顔器。
- 前記拡散手段は、シリンドリカルレンズ、拡散板、拡散シート、拡散レンズの群から少なくとも1つ用いたものであり、
前記集束手段は、凸レンズ又はプリズムシートを用いたものであることを特徴とする請求項10に記載の美顔器。
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