JP2007090051A - 育毛または美顔のための装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電場や光線を用いた育毛装置や美顔装置において、さらに高い美容効果と充分な安全性を備えた装置を提供する。
【解決手段】人体の頭部または顔面の皮膚にパルス状静電場を印加するための複数の電極3,4,5,6,7と、かつ人体の頭部または顔面の皮膚に中心波長が630nmから700nmの波長範囲の光を照射するための複数のLED9とを備えてなることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、育毛または美顔のための装置に関し、とくに静電場およびLED光を照射するものに関する。
従来より、育毛や皮膚の美容上の目的で静電場やレーザ光を人体に照射する装置が開発されている。特許文献1には、育毛の目的で人体の頭皮にパルス電界を照射する「毛髪再成長方法およびその装置」が記載されている。特許文献2には、育毛の目的で頭皮にレーザ光を照射する「レーザトリートメント装置」が記載されている。
特表平9−506007号公報 特開2003−144561号公報
しかしながら、これらの従来技術には、さらに高い美容効果(組織の再生効果)と人体への施術上の負担の軽減が求められており、多くの改良研究がなされているのが実情である。
本発明は、静電場や光線を用いた育毛装置や美顔装置において、さらに高い美容効果と人体への施術上の負担を軽減した装置を提供することを目的とする。
本発明の育毛または美顔のための装置は、人体の頭部または顔面の皮膚にパルス状静電場を印加するための複数の電極と、中心波長が630nmから700nmの波長範囲の光を照射するための複数のLEDとを備えてなることを特徴としている。
また、本発明の育毛または美顔ための装置は、人体の頭部または顔面の皮膚に静電場とLED光線とを照射することができ、支柱に旋回自在に軸支されたマスク状またはキャップ状の照射器からなり、
該マスク状またはキャップ状の照射器にパルス状静電場を印加するための複数の電極と、
中心波長が630nmから700nmの波長範囲の光を照射するための複数のLEDと
が設けられてなるようにすることもできる。
また、本発明の育毛または美顔ための装置は、人体の頭部または顔面の皮膚に静電場とLED光とを照射することができるマスク状の照射器からなり、
該マスク状の照射器が、自在ジョイントによって頭部と顔面との間で照射位置を移動自在に支持され、
該マスク状の照射器にパルス状静電場を印加するための複数の電極と、
中心波長が630nmから700nmの波長範囲の光を照射するための複数のLEDと
が設けられてなるようすることもできる。
本発明によれば、静電場や光線を用いた育毛装置や美顔装置において、さらに高い美容効果と人体への施術上の負担を軽減した装置を提供することができる。
本発明の基礎となる実験研究において、育毛や美顔に対して静電場と光線の併用、とくにLED光の併用が極めて有効であることが認められた。この分野では光源としてレーザを使用する例が多いが、レーザの発光はコヒーレントな光ビームであるため、大出力の光ビームが直接人間の目に入った場合には危険性があり、またコヒーレント光であるために多数のレーザ素子を並列に駆動して大出力を得るためには特殊な位相整合技術を必要とする。また、育毛装置のように広い範囲を照射するためには光ビームを拡散するための光学系を別途必要とする。
LEDはレーザに比べて発光ビームに適当な広がりをもつため、適当な照射範囲を確保することが容易である。また、LEDの発光はコヒーレントな光ビームではなく、インコヒーレントな拡散光であるため、発光が直接人間の目に入った場合でも危険性がなく、多数のLED素子を並列に駆動して大出力を得るためにも、位相整合の必要がない。また、LEDでは発光波長に幅があるため波長の選択の自由度が大きく、育毛や美顔に最適な波長の選択が容易である点でも有利である。
本発明においては、静電場とLED光を併用することにより毛髪や皮膚の組織の再生効果が著しく高められることが認められた。また、静電場とLED光をそれぞれ単独に用いる場合に比べて、静電場の強度とLED光の強度を弱くしても、併用による組織再生効果の改善が得られることが確認された。静電場とLED光の強度を弱められることは、それだけ利用者への施術上の負担を軽減できることになる。
LEDの波長については、630nm〜800nmの範囲が有効であることが認められたが、この範囲の波長の光は皮膚への浸透度が高く、毛髪を含む皮膚の再生の活性化の効果が大きいことによるものである。さらに有効な波長範囲について検討したところ、800nmの波長では人体への浸透深さが25mmから35mmにまで達することがわかった。このように浸透深さが深いと、光のエネルギーが不必要な深さにまで分散されて吸収されるため、光エネルギーの利用効率が低下するおそれがある。毛髪を含む皮膚の有効な深さである8mm〜10mmの範囲内で光のエネルギーを集中的に吸収させるためには中心波長が630nm〜700nmの範囲の波長が必要であることがわかり、今回の実験では、中心波長が660nmのLEDを使用した。
実施の形態1.
本実施の形態は、本発明者らにより、有効性が確認された静電場とLED光の組み合わせを用いた育毛装置の一例である。図1(a)は、人体の頭部に静電場を照射するための電極とLED光を照射するためのLEDモジュールを搭載したキャップ状の照射器1を示している。このキャップ状の照射器1は、図2に示されるような、サロンやクリニックで使用されるヘアドライヤのフードのような外側容器20の内側に納められ、人体の頭部に被せられて照射が行なわれる。
照射用キャップ2は絶縁性のプラスチックで作られ、電極3〜7がその外面に貼り付けられている。電極3〜7は同心円状の金属板からなり、この例では5枚の電極からなっているが、枚数については設計により増減してもよい。符号8は、光線照射用の複数のLEDモジュールを示しており、キャップ1の内面にLEDを内側に向けて固定されている。図1(b)は、LEDモジュール8を単体として示しており、この例では、1つのモジュールに8個のLEDが取り付けられている。LEDモジュールの配置は、キャップ2の内面の頭頂部に4個、前頭部に2個が配置されている。
電極3〜7には、数ボルト〜100ボルト程度の、商業電源電圧を直流電圧に整流したパルス電圧が印加され、この電極電圧による電界が人体の頭部に作用する。電極3〜7は、人体の頭部に対してキャップ2の絶縁性プラスチックを隔てて電圧を印加するので、電極の電圧が直接人体の頭部に作用することはなく、静電容量を介した電界が作用する。
図3は、電極3〜7に印加する電圧を供給する電圧出力回路の例を示している。出力端子21は図1(a)の電極3,5へ接続され、出力端子22は電極7へ接続され、出力端子23は、電極4,6へ接続される。
図4は、電極3〜7に印加される電圧波形の例を示している。図4の(a)は出力回路の出力極性が正の場合の電圧波形を示し、(b)は負の場合を示し、(c)は両極性の場合を示す。周期T1は0.08秒(12.5Hz)または0.02秒(50Hz)の2種類に切り替えが可能である。デューティーは50%で正負対称としているが、電圧極性の効果に多様性を持たせるために、10%または90%のように非対称としてもよい。出力端子22の出力電圧は端子21と23の中間の出力電位となり、3つの端子のなかでは最も接地電位に近く、この電位が最も外側の電極7に接続されている。これにより、照射器1の外部に照射される不必要な電界の強度を小さくしている。
つぎに、本実施の形態の育毛装置を用いて行った育毛効果の確認実験の結果を示す。確認実験は、無作為に選んだ、年齢20代から50代の41人を対象に30週間にわたって行った。対象者をA,B,Cの3グループにわけ、グループAは、パルス静電場だけの効果を確認するためにパルス静電場のみを照射してLED光の照射は行わず、グループBは、パルス静電場とLED光の両方を照射し、グループCは静電場もLED光も照射しなかった。照射の施術は1週間に2回の頻度で行い、1回の照射時間は5〜10分であった。
毛髪の再生効果の確認は、直径3cmの孔をあけた透明なプラスチック製のテンプレートを毎回頭部の同じ位置に置き、穴の範囲内に入る終末毛(成長サイクルを終了した太い毛)の数を3倍の拡大鏡を用いて測定することにより行った。その結果を表1に示す。表1に示すように、照射を行わないグループCでは毛の本数の増加率は2.8%、静電場照射のみのグループBでは38.3%、静電場およびLED光を照射したグループAでは65.3%であり、静電場照射とLED光の照射を併用したグループBの効果が極めて高いことがわかる。
Figure 2007090051
実施の形態2.
本実施の形態は、本発明者らにより、育毛装置としての有効性が確認された静電場とLED光の照射の組み合わせを、美顔装置に応用したものである。静電場とLED光の照射の組み合わせは、皮膚組織の再生促進効果を有するため美顔装置としても有効であることが本発明者らにより確認され、美顔装置への応用を試みたものである。ただし、実施の形態1の育毛装置と照射機能部分の構成は同様なものであるため、育毛用と美顔用の兼用装置としても使用できるように考慮されている。
図5は、本実施の形態の育毛・美顔兼用装置を育毛装置として使用した場合の外観を示す図であり、図6は本実施の形態の育毛・美顔兼用装置を美顔装置として使用した場合の外観を示す図である。参照符号10は実施の形態1に用いたものと同様な静電場およびLED光線の照射機能を備え、頭部と顔面との間で照射位置を移動自在に支持されたマスク状の照射器を示し、参照符号11は照射器10を頭部と顔面との間で照射位置を移動自在に支持する自在ジョイントを示し、参照符号12は、アイマスクを示す。アイマスク12は、LEDを美顔用の目的で顔面の照射に用いる場合、使用者の目をまぶしさから保護するためのものである。図6の(a)は、照射器10を美顔装置として使用する場合の利用者との位置関係の側面図を示し、図6の(b)は正面図を示している。図7は照射器10の形状を示す図であり、図7の(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は側断面図を示す。図8は、支持機構13を含めた本実施の形態の育毛・美顔兼用装置の全体図である。本実施例は図8に示すように小型に構成されているため、一般家庭でも使用できるものである。
図9は、本実施の形態にかかわる育毛・美顔兼用装置の変形例であり、育毛用として使用した状態を示す説明図であり、図10は図9の育毛・美顔兼用装置を美顔用に使用した状態を示す説明図である。
図9、10において、参照符号13は支柱機構、13aは中空の支柱、13bは支柱13に入れ子式に挿入された支持パイプ、13cはパイプ13bを所望の高さに固定するための高さ調整ネジ、Bはマスク状の照射器10を旋回自在に軸支するための軸である。このように図9、10に示された育毛・美顔兼用装置の場合、照射器10が支持パイプ13bに設けられた軸Bの回りを旋回自在に軸支されている。
つぎに、本実施の形態の美顔装置を用いて行った美顔効果の確認実験の結果を示す。実験は2回にわたって行われ、1回目の実験は男性3人、女性5人、2回目の実験は男性3人、女性7人について行われた。2回の実験はそれぞれ3ヶ月ずつ行われ、照射の頻度は一回目は週に2回、2回目は2日に1回行った。1回の照射時間は15分である。美顔効果の確認は、照射の施術者および職業フェイスエステシャンの2人を判定者とする目視検査によって行った。
実験の結果を表2に示す。表中、○印は大きく改善されたケースであり、判定者が2人とも改善を認めたもの、△印は少し改善されたケースであり、2人のうち1人が改善を認めたもの、×印は改善が認められなかったケースであり、2人とも改善をみとめなかったものを示す。表2に示すように、大きく改善されたケースは全体の64%、少し改善されたケースは25%、改善されなかったケースは11%となっており、殆どのケースで改善がみられた。
Figure 2007090051
図11および12は、本実施例の美顔装置を小型化し、一般家庭での利用をさらに容易にしたものを示す。図11の(a)および(b)は育毛用に使用した状態を示し、図11の(c)は美顔用に使用した状態を示し、図12は支持機構を含めた育毛・美顔兼用装置の全体図を示している。図11〜12において、参照符号14は、図7に示す照射器10を小型化した照射器を示している。
本発明の一実施の形態にかかわる、人体の頭部に静電場を照射するための電極とLED光を照射するためのLEDモジュールを搭載したキャップ状の照射器を示す説明図である。 図1の照射器の使用状態を示す説明図である。 電極に印加する電圧を供給する電圧出力回路の例を示す説明図である。 電極に印加される電圧波形の例を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態にかかわる育毛・美顔兼用装置を育毛装置として使用した場合の外観を示す図である。 図5の育毛・美顔兼用装置を美顔装置として使用した場合の外観を示す図である。 図5の育毛・美顔兼用装置の照射器を示す図である。 支持機構を含めた図5の育毛・美顔兼用装置の全体図である。 図5の育毛・美顔兼用装置の変形例であり、育毛用として使用した状態を示す説明図である。 図9の育毛・美顔兼用装置を美顔用に使用した状態を示す説明図である。 本発明のさらに他の実施の形態にかかわる育毛・美顔兼用装置の照射器を示す図である。 支持機構を含めた図11の育毛・美顔兼用装置の全体図である。
符号の説明
1 照射器
2 キャップ
3、4、5、6、7 電極
8 LEDモジュール
9 LED
10 照射器
11 自在ジョイント
12 アイマスク
13 支持機構
13a 支柱
13b 支持パイプ
13c 高さ調整ネジ
14 照射器
15 自在ジョイント
16 支持機構
20 外側容器
B 軸

Claims (3)

  1. 人体の頭部または顔面の皮膚にパルス状静電場を印加するための複数の電極と、かつ人体の頭部または顔面の皮膚に中心波長が630nmから700nmの波長範囲の光を照射するための複数のLEDとを備えてなる育毛または美顔のための装置。
  2. 人体の頭部または顔面の皮膚に静電場とLED光線とを照射することができ、支柱に旋回自在に軸支されたマスク状またはキャップ状の照射器からなり、
    該マスク状またはキャップ状の照射器にパルス状静電場を印加するための複数の電極と、
    中心波長が630nmから700nmの波長範囲の光を照射するための複数のLEDと
    が設けられてなる
    ことを特徴とする育毛または美顔のための装置。
  3. 人体の頭部または顔面の皮膚に静電場とLED光線とを照射することができるマスク状の照射器からなり、
    該マスク状の照射器が、自在ジョイントによって頭部と顔面との間で照射位置を移動自在に支持され、
    該マスク状の照射器にパルス状静電場を印加するための複数の電極と、
    中心波長が630nmから700nmの波長範囲の光を照射するための複数のLEDと
    が設けられてなる
    ことを特徴とする育毛または美顔のための装置。
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