JP2018028477A - 電力測定装置 - Google Patents

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Yuichi Tsurumaki
雄一 鶴巻
正太 三好
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正太 三好
洋介 大山
Yosuke Oyama
洋介 大山
石橋 秀一
Shuichi Ishibashi
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Abstract

【課題】多芯電流線路の被測定電流導体に近接してまたは接して設けられた磁気センサにより測定した電流量から消費電力を測定できるように構成した電力測定装置を提供すること。【解決手段】相互に逆方向に被測定電流が流れる多芯の被測定電流導体2が挿通される筐体と、筐体の内部にまたは隣接して、多芯の被測定電流導体2の夫々の芯の配置の方向と垂直な平面に配置され、多芯の被測定電流導体の各々に流れる被測定電流によって発生する差磁束を検出する磁気センサ5と、筐体内に設けられる、被測定電流導体と磁気センサとの位置関係を特定する位置決め部材6と、磁気センサによって検出された差磁束に基づき、被測定電流の値を算出すると共に、算出された被測定電流の値から消費電力を算出する演算部と、そして演算部によって算出された消費電力に関するデータを、データを表示可能な外部装置に向けて無線信号により送信する送信部とを有する電力測定装置。【選択図】図2B

Description

本発明は、簡易で安価な構成により、磁気センサを用いて測定した、多芯(特に二芯)の電流線路(被測定電流導体)に相互に逆方向に流れる被測定電流の電流量から、高精度で消費電力を測定できる電力測定装置に関し、より詳細には、被測定電流導体に近接してまたは接して設けられた磁気センサにより電流量を測定できるように構成された電力測定装置に関する。
最近の地球環境保全、温暖化防止等の社会的要請の中で、省エネに関する興味の高まりは以前にも増して進んでいる。特に、一般家庭の個々の家電製品の電力の消費量については、直感的な把握が難しく、思いもかけない電力の浪費をしがちであるという事情に鑑み、消費電力の量を視覚により、たとえ概略であっても把握することのできるいわゆる「電力の見える化」、すなわち可視化、のニーズが増大している。この要望に応えるため、電力計(表示)付コンセント・テーブルタップ等も製品化されているが、これらは複雑でかつ高価なものであり、広く普及しているとは言えない。また、一般には、このような電流の測定のためには、電流が流れている電源線に測定端子などを取り付ける必要があり、端子部分の絶縁その他の要素を考慮する必要があることから、端子や周辺部品の構成が複雑になる、またその結果として、装置の大型化や高価格化につながり易いという問題点がある。
このような問題点を解決して、簡易な構成により、多芯の電流線路に逆方向に流れる被測定電流の電流量を測定できる装置として、たとえば特開2011−112488号公報に記載されるような装置がある。これに記載される電流センサは、被測定電流導体に流れる互いに逆向きで、同じ電流値である被測定電流によって発生する磁束に基づき、この被測定電流を磁気的に検出するように構成される。具体的には、断面コの字状の磁性体コアに、相互に対面するギャップ部と凹部とを設け、この凹部に挿入された被測定電流導体に流れる逆向きの被測定電流によって発生する差磁束をこの磁性体コアに収束させ、その大きさから電流値を測定するものである。
つまり、この公報により開示される装置は、凹部に挿入された二芯以上の電流線路に流れる、大きさが同じで、逆向きに流れる電流が発生する差磁束を収束する断面コ字状の磁性体コアと、この磁性体コアが収束した差磁束を検出し、磁束密度に応じた電圧を出力する磁気センサからなる装置である。この磁性体コアは、磁気センサの周囲を囲うように構成される鉤型磁性体コアであることが望ましいとされる。
また、このような被測定電流導体に流れる被測定電流を測定する装置として、他に特開2012-98205号公報に記載されるような装置がある。この装置は、往復電流が流れる2本の導線の周囲に複数の磁気センサを配置し、その配置は、磁気センサの磁界検出面が往復電流により誘起する磁界の方向と垂直になるよう角度調整され、磁界の強度を前複数の磁気センサにより検出して往復電流の電流値を導出するというものである。
特開2011−112488号公報 特開2012−098205号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の装置は、装置を小型化することはできるものの、被測定電流導体により発生した磁束を収束させるための磁性体コアを、被測定電流導体を囲む形で構成する必要があり、装置として重量が大きくなり、また価格についても高価なものになるという問題点があった。
また特許文献2に記載の装置は、複数のセンサによる磁束の測定を行うために、測定が正確に行われるが、それぞれのセンサの配置について角度調整が必要であり、測定のための初期の設定が複雑なものとなるという問題点があった。またそのような、複数のセンサを用いる構成であることから装置が大型化するとともに価格も高価なものになるという問題点があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡易で安価な構成により、磁気センサを用いて測定した、多芯の電流線路に相互に逆方向に流れる被測定電流の電流量から、高精度で消費電力を測定できる電力測定装置を提供することにある。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、問題点が解決された、相互に逆方向に被測定電流が流れる多芯の被測定電流導体が挿通される筐体と、筐体の内部にまたは隣接して、多芯の被測定電流導体の夫々の芯の配置の方向と垂直な平面に配置され、多芯の被測定電流導体の各々に流れる被測定電流によって発生する差磁束を検出する磁気センサと、筐体内に設けられる、被測定電流導体と磁気センサとの位置関係を特定する位置決め部材と、磁気センサによって検出された差磁束に基づき、被測定電流の値を算出すると共に、算出された被測定電流の値から消費電力を算出する演算部と、そして演算部によって算出された消費電力に関するデータを、データを表示可能な外部装置に向けて無線信号により送信する送信部と、を有する、電力測定装置を提供することにある。
更に上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、多芯の被測定電流導体の芯の数は二である電力測定装置となるように構成されている。
更に本発明に係る装置は、位置決め部材は、筐体の内部で弾性変形して、筐体内での被測定電流導体の位置を固定することにより、被測定電流導体と磁気センサとの位置関係を特定する弾性部材である電力測定装置となるように構成されている。
更に本発明に係る装置は、弾性部材はスポンジにより構成される電力測定装置となるように構成されている。
更に本発明に係る装置は、演算部は、消費電力の算出時に、差磁束に関するデータのサンプリングを行う電力測定装置となるように構成されている。
更に本発明に係る装置は、サンプリングのサンプリング周波数は略2kHzである電力測定装置となるように構成されている。
本発明にかかる装置は、相互に逆方向に被測定電流が流れる多芯の被測定電流導体が挿通される筐体と、筐体の内部にまたは隣接して、多芯の被測定電流導体の夫々の芯の配置の方向と垂直な平面に配置され、多芯の被測定電流導体の各々に流れる被測定電流によって発生する差磁束を検出する磁気センサと、筐体内に設けられる、被測定電流導体と磁気センサとの位置関係を特定する位置決め部材と、磁気センサによって検出された差磁束に基づき、被測定電流の値を算出すると共に、算出された被測定電流の値から消費電力を算出する演算部と、そして演算部によって算出された消費電力に関するデータを、データを表示可能な外部装置に向けて無線信号により送信する送信部と、を有する、電力測定装置となるように構成されている。これにより、極めて簡易な構成により、磁気センサを用いて測定した、多芯の被測定電流導体に相互に逆方向に流れる被測定電流の電流量から、高精度で消費電力を測定できる電力測定装置であって、被測定電流導体に近接してまたは接して設けられた磁気センサにより電流量を測定できるように構成されているものである。従って、本発明には極めて高度な応用価値がある。
本発明にかかる電力測定装置の概略を示す概念図である。 図1Aに示す概略の電力測定装置の構成を示す断面図である。 図1Aに示す概略の電力測定装置における、被測定電流導体と磁気センサの位置関係を固定する方法の一例を説明するための斜視図である。 図1Aに示す概略の電力測定装置における磁気センサの位置を決定するための構成を説明するための平面図である。 図2Aに示す電力測定装置の具体的な内部構成を示す断面図である。 磁束の強さを測定する原理を説明する模式図である。 本願発明にかかる電力測定装置の具体的な取り付け方の一例を示す図である。 筐体内に実装されるバッテリーが乾電池タイプの場合の外観を示す図である。 図2Eに示す概略の電力測定装置の構成を示す断面図である。 筐体内に実装されるバッテリーがボタンタイプの場合の外観を示す図である。 図2Gに示す概略の電力測定装置の構成を示す断面図である。 本発明にかかる電力測定装置を用いた場合の電力使用状況の可視化を説明する概略図である。 本発明にかかる電力測定装置における、測定されたデータの送信動作に用いられる回路の概要を説明するためのブロック図である。 本発明にかかる電力測定装置において、取得データの通信方式がBLE(Bluetooth Low Energy)である場合の、電流を測定するメインルーチンを説明するフローチャートである。 図5に示すメインルーチン中で電流測定の間隔を制御するサブルーチンを説明するためのフローチャートである。 図5に示すメインルーチン中で測定した電流の値を送信する間隔を制御するサブルーチンを説明するためのフローチャートである。 本発明にかかる電力測定装置による測定結果がスマートフォンなどに設けられた表示装置に表示されたときの一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1Aは、本発明にかかる電力測定装置1の概略を示す斜視図である。電力測定装置1は、被測定電流導体2が、プラスチックなどの材料により構成された筐体3の中を、長手方向に沿って挿通孔3Cを介して挿通するようにして構成される。筐体3の形状は、被測定電流導体2が挿通するものであれば任意のもので良く、図1Aでは、長手方向の一端で開閉可能に構成された蓋部3Aと本体部3Bにより構成される。そして被測定電流導体2は、相互に逆方向に流れる被測定電流が流れる一対の導体2A及び2Bで構成される。また、蓋部3Aと本体部3Bとの間には、相互に係合可能な一対の係合部材4A及び4Bから成る係止部4を設けて、蓋部3Aが不必要に開かないような構成とすることが可能である。
図1Bは、図1に概略を示す、本発明にかかる電力測定装置1の断面図であり、被測定電流導体2の近傍またはそれに接して、磁気センサ5が設けられるように構成される。そして正確な測定のためには、被測定電流導体2と磁気センサ5との位置関係はできるだけ固定されていることが望ましい。即ち、被測定電流導体2は、筐体3の内部でできるだけ移動しないことが望ましいが、そのために図1Cに示すように、筐体3の内部に予め設けられた留め金具4Cにより、被測定電流導体2を固定することが考えられる。
図2Aは、被測定電流導体2と磁気センサ5の位置関係を固定するために、図1Cに示すような留め金具4Cではなく、筐体3の内部にスポンジなどの弾性部材6を配置して、被測定電流導体2と磁気センサ5の位置関係を固定することを説明する平面図である。弾性部材としてはスポンジ以外にもゴム性のものを用いることが可能である。筐体3の内部では任意の形態で弾性部材6を配置できるが、できるだけ磁気センサ5の周囲に均等に配置する方が、被測定電流導体2と、磁気センサ5との位置関係が安定し、距離が一定に保たれるので、電流の測定精度が向上する。なお、図1Aに示す挿通孔3Cの形状と、被測定電流導体2の断面形状とをできるだけ等しくするように構成すれば、それにより被測定電流導体2の筐体3内での位置も高精度で固定されるので、更に正確に磁気センサ5との位置関係を定めるようにすることも可能である。
なお、測定精度の向上のためには、磁気センサ5と、被測定電流導体2のそれぞれの導体2A及び2Bの距離ができるだけ大きく異なっていることが望ましい。具体的には一対の導体2A及び2Bが配置されている方向と垂直な面内に磁気センサ5が設けられるのが望ましい。図2Bはそのような配置によって構成された、本発明にかかる電力測定装置の一例である。磁気センサ5は、基板7の上に設けられる。そして基板7上には、この磁気センサ5と共にバッテリー7A及び、測定された磁束に関するデータを外部に送信するための通信部8が配置される。通信部8は、測定データを処理するための、図示しないマイコンと同一チップ内に設けることも可能である。通信部8による通信方式としてはさまざまな態様が考えられ、一例として、低消費電力でデータの送受信ができることから、BLE(Bluetooth Low Energy)通信部とすることが考えられる。このように、磁気センサ5やBLE通信部8の形に合わせて各部品を配置することにより、省スペース化を実現することが可能となる。なお、通信部8の通信方式としてはBLEに限定されるものではなく、リアルタイムでのデータ取得が可能となるWi−Fiなどを用いることが可能である。Wi−Fiでは、ネットワークの接続先のアクセスポイントを介して、クラウドサーバにデータを送信し、端末ではそのデータに対応した表示を行う。
表1は、具体的に被測定電流導体2として用いられ得る線材の一例である。

さまざまな太さの導体を使用できるようにするために、弾性のあるスポンジ等を用いることが望ましい。より大きい太さの導体に対しては、スポンジの弾性変形により、磁気センサ5と被測定電流導体2との距離を安定的に一定に保つことが可能である。
図2Cは、図2Bのような構成における、磁気センサ5の位置の磁束の強さを測定する原理を説明するための模式図である。この図においては被測定電流導体2の一対の導体2A及び2Bの中心から、磁気センサ5の位置Pまでの距離をxとしている。また、2Aと2Bの間の距離はdである。この場合、磁束の強さはy方向の成分のみとなり、その値は

となる。Iは被測定電流導体2に流れる電流の値である。このように数式により磁束の強さを求めることも可能であるが、このような方式に限定されず、例えば電流値と磁束との関係を示すテーブルによって、磁束の強さを求めることも可能である。また図2Dは、このような本願発明にかかる電力測定装置1を実際に使用する際の、位置関係を説明するための図である。電力測定装置1は、被測定電流導体2を覆って用いられるために、さまざまな態様での使用が可能である。図2Dに示す例では、交流電源用の電源ソケット200のすぐ外側に配置される構成となっている。そして更に被測定電流導体2はテーブルタップ210に接続される。そして、テーブルタップ210から、各機器に電源が供給されることとなる。このような配置とすることで、電力測定装置1を設置するための大きなスペースを確保する必要もなく、簡単な構成で設置が可能となる。また、テーブルタップ210から接続される各機器の消費電力を個別に測定するには、各機器とテーブルタップ210の間に電力測定装置を配置するようにすれば良い。更に図2Eから図2Hは、筐体3の内部に実装されるべきバッテリーの形状に応じた、電力測定装置1の具体的な外観の一例である。筐体3内に実装される基板7上には、センサ5、バッテリー7A及び、マイコンを含む通信部8等が配置されるが、バッテリー7Aが最も体積が大きく、この形状に基づいて、筐体3、更には電力測定装置1全体の形状が決定される。図2E及び図2Fはバッテリー7Aが乾電池タイプのもので構成される場合の、電力測定装置1全体の斜視図及び断面図である。また、図2G及び図2Hは、バッテリー7Aがボタン電池タイプのもので構成される場合の、電力測定装置1全体の斜視図及び断面図である。
図3は、本発明にかかる電力測定装置1により測定した、電力に関するデータをスマホやタブレットなどで把握するためのシステムの模式図である。電力測定装置1で測定され、必要により演算処理を行われたデータは、BLE通信部8から外部に送信され、直接、PC、スマホまたはタブレットなどの端末100で把握可能となる。またクラウドサーバ10を介してデータを端末に送信することも可能である。このような通信のための方式としては、ワイヤレスで通信ができ、かつ、データの通信に必要な帯域が確保できればどのようなものでもよい。具体的には Bluetooth(登録商標)などの近距離通信の方式を用いることが考えられる
図4は、本発明にかかる電力測定装置1により測定されたデータを処理して送信できる状態にするまでの処理の流れを示すブロック図である。このブロック図で、磁気センサ5により測定された磁束の強度に対応する電圧Voは、基準電圧の値Vref.と共に差動増幅器51に入力され、増幅されて出力される。差動増幅器51の出力はLPF52に入力される。
このLPF(Low Pass Filter)52は、BLE通信部に設けられているマイコン54によりデータのサンプリング(標本化)を行う際のいわゆるエイリアシング(折り返し雑音)を抑制するためのものである。以下、このLPF52の動作について説明する。
本発明にかかる電力測定装置においては、被測定電流導体2を流れる電流の周波数として商用電源の50Hz/60Hzのみならず、それよりも高いコンバータの周波数も対応可能に構成するためにサンプリングの手法を用いている。標本化定理によれば、サンプリング周波数の1/2未満の周波数成分のみを持つ波形は標本値から波形を完全に再現できるので、サンプリング周波数を120Hz以上に設定すれば50Hz及び60Hzの信号はどちらも完全に再現でき、処理可能となる。たとえば本発明にかかる電力測定装置ではサンプリング周波数を2kHzに設定した場合には、1kHzまでの周波数成分を完全に再現可能であり、処理可能となる。なお、このサンプリング周波数は、実際に測定すべき電流の周波数や、考慮すべき高調波成分により任意に設定可能である。測定すべき電流の波形が正弦波以外の波形であって、正弦波の場合に比較して更に高い高調波を含む場合などには、2kHz以上のサンプリング周波数を用いるのが望ましい。
DC−DCコンバータなどの、スイッチング周波数がある程度高い周波数(数十kHz)においても、標本化定理からは、サンプリング周波数の1/2未満の周波数成分は完全に再現できることから、スイッチング電源やコンバータなどが発する高い周波数成分を有する電流波形に対してはサンプリング周波数を充分に高くすることで処理が可能である。一例としてサンプリング周波数が2kHzの場合は、電源周波数が50Hzならば第20次高調波、60Hzならば第16次高調波まで、を持つ波形のサンプリング処理が可能である。
しかしながら、サンプリング周波数の1/2を越える周波数成分を取り込むと、いわゆるエイリアシングが発生して雑音が生じ、測定値に誤差が含まれるため、サンプリング処理の前に高周波成分を低減する必要がある。
LPF52で高調波成分を低減された信号は増幅器53で、以降の処理に必要なレベルまで増幅されたあと、BLE通信部8内に設けられているマイコン54により処理され、BLE通信部8から、図3のシステムに示されるように、クラウドサーバ10や端末100に向かって送信され、端末で電力の消費状況を把握することができる。
図5は、このような本発明にかかる電力測定装置による、電力の測定と測定されたデータを端末100に送信する際のタイミングの概略を示すフローチャートである。S1で処理がスタートしたあと、S2ではBLE通信部8内の各フラグやメモリの状態などがリセットされ、初期化が行われる。この具体例ではシステム全体の消費電力を低減させるために、BLEを用いる。すなわち、BLEでは電力測定装置1の側から所定の間隔、例えば1分ごとにデータの送信をすべきかどうかを端末100に割り込み処理により確認するため、消費電力の点で有利である。このような、消費電力の低減を目的として一定間隔でのデータ送信をする方式以外にも、Wi-Fiなどのように、常に電力測定装置1から端末100に対してデータを送信する方式を採用してシステムを構成しても良い。
S3では、BLE通信部8が、定期的に情報を送信することが可能となるアドバタイズモードになるように設定され、測定のためのフラグがオンとされる。そして以降、S4で、この、電流の測定値を更新するかどうかのフラグを確認しながら、S5で電流値の測定、S6で、測定された被測定電流導体2を流れる電流に関するデータを、BLE通信部8から端末100に向けて送信する。S4でフラグの更新が行われなければ、電流値の測定はしないものと判断し、アドバタイズモードのまま推移し、フラグの更新があった際には電流値の測定とそのデータの送信がすぐできるようにスリープモードとして待機する。
図6は、図5のフローチャート中の、S2で示されている所定の間隔電流値を測定する際のタイミングの制御に関する処理を説明するためのルーチンのフローチャートである。
S10では、測定のための間隔を設定する。この例では1分としているが、測定の項目や低減すべき電力消費の状況などを考慮して、他の値に設定することも可能である。また送信すべきデータの加工や処理もこのステップで行うことが可能である。すなわち、被測定電流導体2を流れる電流を測定した際には、それをそのまま消費電力に換算して把握することも可能であるが、ある程度の回数、電流値を測定して、その結果を加算して累積消費電力として把握する、またはその結果に基づいて、ある期間の平均消費電力を把握する、というように構成することも可能である。そのため、過去の測定回数のリセットや新たな測定回数や測定間隔の設定などがS10で行われる。S20では、図5のS3で説明した、電力を測定するためのフラグをオンとして、オンの間、所定間隔で測定が行われる。
図7は、図6で得られたデータを端末100に送信する際の、処理に関するルーチンのフローである。BLE通信方式では、端末100のような、通信のホストとなる、即ち、コネクションを開始する側となるデバイスをセントラルまたはマスターとして定義する。また、電力測定装置1のような、これらセントラルからのコネクション開始要求を受け付け、以降、セントラルによって定められたタイミングで、セントラルとの間でデータの送受信を行うデバイスをペリフェラルまたはスレーブとして定義する。本実施例のように、セントラルはスマホやタブレットが担当し、ペリフェラルは電力測定装置のような周辺機器が担当することが一般的である。そしてセントラルが周囲のペリフェラルの送信情報を収集して目的のデバイスを検出し、そのデバイスとの接続すなわちコネクションを確立し、以降S100からの処理が実行される。このようなデバイス同士の通信として、ブロードキャストも使用可能である。ブロードキャストは、デバイス、例えば電力測定装置1、から別のデバイス、例えば端末100、に一方的にデータを送信する方法である。この場合、電力測定装置1が所定の周期でデータを送信し続け、端末100がそれをスキャンして受信することでデータのやり取りを行うものである。複数の端末へ同一データを送信することができる。本実施例では「測定した電力に関するデータを一定周期で送信し続ける電力測定装置1」とブロードキャスターとして定義し、またこのようにして送信されたデータを受信して「デ―タを利用者に通知するアプリケーショを有する端末100」をオブザーバーとして定義するような利用方法が可能である。
S100では、電力測定装置1と端末100とが相互に通信可能であることを認識し、S200では、図5のS3で説明したフラグがオンの間、データが端末100に向かって送信される。測定された値は、端末100での表示に適するように実効値に変更(S53)して、その値を、端末100を介して、または直接にクラウドサーバ10に送信する。通信方式がWi−Fiの場合は、ネットワークの接続先にアクセスポイント、すなわちAPを介して、クラウドサーバ10に送信する。端末100では、蓄積されたデータに基づく表示、例えば、電力の消費状況などに関する表示、を行うことができる。
図8は、本発明にかかる電力測定装置1による測定結果が、端末100の一例としてのスマートフォンの画面上に表示されたときの一例を示す図である。この表示画面上で、101は表示内容として、この例では電気使用量が示されていることを示している。そして、102には、表示されるデータの積算の単位が示され、この例では一日分であることを示している。103では日付などの基礎的なデータを表示しているが、日付に加えて時間なども表示できる。104と105ではそれぞれ、積算された電力の電力使用量と、それに伴う電気料金を数値で示している。104Aと105Aはそれぞれ、項目の名称を示している。106では、収集したデータに基づいて、過去何時間かの消費電力をグラフにして表示する。この部分の表示は、更に細かい時間単位のデータを表示したり、何時間おきかの平均値を表示したりすることも可能である。この106の部分は様々な態様での表示が可能である。例えば省エネの観点から、月間の全体消費電力量を決めているような場合に、この全体消費電力量に対して現時点でどのくらいの電力を消費したかを表示したり、それを超過している場合に色を変えて表示したりすることが考えられる。
このように、本発明にかかる電力測定装置では、消費電力をリアルタイムで表示できるのみならず、収集できたデータの処理の割り込みや、データのサンプリングを行って、長時間に亘る消費電力の推移や所望の期間の消費電力量などを求めることも可能となる。また一定の期間内での消費電力の平均値や、測定消費電力量に対する実際の消費電力なども表示でき、いわゆる電力の「見える化」につながり、それにより電力の浪費の抑制や省エネにつながる。
また本発明にかかる装置では、被測定電流導体と非接触での測定が可能であるため、電気用品安全法に基づくPSEマークの取得が不要であり、取得のための手間、費用、時間を省略できる。また非接触のため、簡易・安価な構成で測定が可能である。さらに弾性部材としてのスポンジなどの、入手し易い部品のみで構成しているため、大量生産が可能であり、生産コストも抑制できる。
更に測定結果そのものや、それに基づくデータを表示するための端末として既存のスマホやパソコンを利用可能であり、表示のための装置を用意する必要がなく、従って測定のための大掛かりな工事なども不要である。
本明細書に示された実施例は、本発明を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の思想と範囲とが限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲により解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
1:電力測定装置、2:被測定電流導体、3:筐体、4:係止部、4C:留め金具、5磁気センサ、6:弾性部材、7:基板、8:BLE通信部、10:クラウドサーバ、51:差動増幅器、52:LPF、53:増幅器、54:マイコン、100:端末、101−105:表示画面

Claims (6)

  1. 相互に逆方向に被測定電流が流れる多芯の被測定電流導体(2)が挿通される筐体(3)と、
    前記筐体(3)の内部にまたは隣接して、前記多芯の被測定電流導体(2)の夫々の芯の配置の方向と垂直な平面に配置され、前記多芯の被測定電流導体(2)の各々に流れる被測定電流によって発生する差磁束を検出する磁気センサ(5)と、
    前記筐体(3)内に設けられる、前記被測定電流導体(2)と前記磁気センサ(5)との位置関係を特定する位置決め部材(6)と、
    前記磁気センサ(5)によって検出された差磁束に基づき、前記被測定電流の値を算出すると共に、前記算出された被測定電流の値から消費電力を算出する演算部(54)と、そして
    前記演算部(54)によって算出された消費電力に関するデータを、前記データを表示可能な外部装置(100)に向けて無線信号により送信する送信部(8)と、
    を有する、電力測定装置。
  2. 前記多芯の被測定電流導体の芯の数は二である、請求項1に記載の電力測定装置。
  3. 前記位置決め部材は、前記筐体の内部で弾性変形して、前記筐体内での前記被測定電流導体の位置を固定することにより、前記被測定電流導体と前記磁気センサとの位置関係を特定する弾性部材である、請求項1または請求項2に記載の電力測定装置。
  4. 前記弾性部材はスポンジにより構成される、請求項3に記載の電力測定装置。
  5. 前記演算部は、消費電力の算出時に、前記差磁束に関するデータのサンプリングを行う、請求項1から請求項4のいずれか一の請求項に記載の電力測定装置。
  6. 前記サンプリングのサンプリング周波数は略2kHzである、請求項5に記載の電力測定装置。
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