JP2018028286A - 燃料噴射制御装置、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒の温度の時間変化率を考慮した態様にて適切なOT増量補正を実現する。【解決手段】S100では、ECUは、内燃機関の排気系に設けられた触媒の温度を取得する。S104では、ECUは、触媒の温度の時間変化率を算出する。S106では、ECUは、OT増量補正の実施の要否を判断するための基準の温度である基準温度を、触媒の温度の時間変化率に応じて可変的に決定する。S116では、ECUは、触媒の温度が基準温度を超えたことを条件に、OT増量補正を実施する。【選択図】 図2

Description

本開示は、OT増量補正を行う燃料噴射制御装置及びプログラムに関する。
例えば車両等に搭載される内燃機関の排気系には、排気ガスに含まれる有害物を浄化するための触媒が設けられる。この種の内燃機関において、触媒の過熱による性能低下や焼損を防ぐ手段として、燃料の噴射量を増加させ、その燃料の気化熱により排気の温度を低下させることが知られている。このような手段をOT増量補正という。OTとは、Over Temperature (Protection)の略語である。
従来、OT増量補正では、排気ガスの温度に基づいて増量すべき燃料噴射量が決定されていた。このようにして決定される燃料噴射量の増量分をベース補正量という。これにより、排気ガスの温度上昇を抑制し、触媒の過熱を防ぐことができる。しかしながら、触媒の温度は排気ガスの温度に対して遅れて上昇するため、排気ガスの温度が高くなっても触媒の温度が過熱状態に達するまでには時間がかかる。本来、排気ガスの温度が高くても触媒の温度が低い状態であればOT増量補正は不要である。しかし、ベース補正量に従ってOT増量補正を行う場合、触媒の温度が上昇する過渡状態において不要なOT増量補正を実施してしまうことがある。このような不要なOT増量補正が行われると、燃費やエミッションの悪化を招く。
一方、特許文献1には、上記ベース補正量に対して触媒の現在温度に応じて燃料噴射量の増量を低減する減量補正を行う技術が記載されている。具体的には、触媒の現在温度が所定値以上の条件下において、触媒の現在温度に応じた減量補正量を算出し、ベース補正量から減量補正量を差し引いた分を実際の燃料噴射量の増量分とする。このようにすることで、OT増量補正による燃料噴射量が過剰となることを抑制することができるとされている。
特開2011−220214号公報
従来技術では、排気ガスや触媒の現在温度に基づいてOT増量補正における燃料噴射量の増量を算出している。しかしながら、温度が同じであっても、そのときの排気ガスの流量等に応じて触媒の温度の時間変化率が異なる。従来技術においては、触媒の温度の時間変化率は考慮されていない。そのため、触媒の温度が急速に上昇していても緩やかに上昇していても、OT増量補正における燃料噴射量には反映されない。
触媒の温度が緩やかに上昇している条件下では触媒の温度が過熱状態に達するまで時間的に余裕があるため、本来、OT増量補正における燃料噴射量の増量は、触媒の温度が急速に上昇している条件下よりも少なくて済むはずである。しかしながら、従来技術では、触媒の温度が緩やかに上昇している条件下であっても、急速に上昇している条件下と同様のOT増量補正が行われるため、本来補正が不要な領域においても燃料噴射量が増量されて、燃費及びエミッションの悪化を招いてしまう。
本開示は、上述の問題を解決するためになされたものである。本開示は、触媒の温度の時間変化率を考慮した態様にて適切なOT増量補正を実現するための技術を提供する。
本開示の一態様に係る燃料噴射制御装置は、温度取得部(2,S100,S200)と、温度変化率算出部(2,S104,S204)と、基準温度決定部(2,S106,S206)と、制御部(2,S116,S226)とを備える。なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
温度取得部は、内燃機関の排気系に設けられた触媒の温度を取得するように構成されている。温度変化率算出部は、温度取得部により取得された温度の時間変化率を算出するように構成されている。基準温度決定部は、増量補正の実施の要否を判断するための基準の温度である基準温度を、温度変化率算出部により算出された温度の時間変化率に応じて可変的に決定するように構成されている。制御部は、触媒の温度が基準温度決定部により決定された基準温度を超えたことを条件に、増量補正を実施するように構成されている。
本開示に係る燃料噴射制御装置によれば、OT増量補正の実施の要否を判断するための基準温度を触媒の温度の時間変化率に応じて可変的に決定することで、OT増量補正を実施するタイミングを制御できる。それにより、触媒の温度が急速に上昇している場合は速やかにOT増量補正を作用させる一方、触媒の温度が緩やかに上昇している場合は無駄なOT増量補正を抑制するといった具合に、触媒の温度の時間変化率に応じて適切なOT増量補正を実現できる。
また、本開示の別形態は、コンピュータが実行するプログラムとしてなされていてもよい。このプログラムは、温度取得手順(S100,S200)と、温度変化率算出手順(S104,S204)と、基準温度決定手順(S106,S206)と、制御手順(S116,S226)とをコンピュータに実行させるように構成されている。
温度取得手順では、コンピュータは、内燃機関の排気系に設けられた触媒の温度を取得する。温度変化率算出手順では、コンピュータは、温度取得手順において取得された温度の時間変化率を算出する。基準温度決定手順では、コンピュータは、増量補正の実施の要否を判断するための基準の温度である基準温度を、温度変化率算出手順において算出された温度の時間変化率に応じて可変的に決定する。制御手順では、コンピュータは、触媒の温度が基準温度決定手順において決定された基準温度を超えたことを条件に、増量補正を実施する。
このように、本開示の一態様がプログラムとしてなされていれば、コンピュータに各手順を実行させることで、そのコンピュータを上述した燃料噴射制御装置として機能させることができる。
エンジン制御システムの概略構成を表すブロック図。 第1実施形態のOT増量補正処理の手順を表すフローチャート。 第2実施形態のOT増量補正処理の手順を表すフローチャート。 従来技術における問題を説明する図。 本開示における効果を説明する図。 本開示における効果を説明する図。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本開示は下記の実施形態に限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[エンジン制御システムの構成の説明]
実施形態のエンジン制御システム1の構成について、図1を参照しながら説明する。図1に例示されるとおり、エンジン制御システム1は、本開示の燃料噴射制御装置の一例に相当するECU2と、ECU2の制御対象となるエンジン3とを備える。
エンジン3は、気筒30内に収納されたピストン31の往復運動がコンロッド33を介してクランクシャフト4に回転運動として伝達される内燃機関である。エンジン3には、クランク角度センサ5、燃料噴射弁6、点火装置7、吸気センサ8、排気センサ9、触媒10、吸気管11、排気管12、EGR管13、及びEGRバルブ14が設けられる。
クランク角度センサ5は、例えば、気筒30に設けられ、クランクシャフト4の回転に応じた回転角信号を出力するセンサである。燃料噴射弁6は、ECU2からの制御に応じて、気筒30の上部に設けられた燃焼室32内に燃料を噴射する装置である。点火装置7は、燃焼室32内においてピストン31に圧縮された空気と燃料との混合気に点火する装置である。
吸気管11は、燃焼室32内に外気を吸入するための管路である。吸気管11には、吸気センサ8が設けられている。吸気センサ8は、吸気管11内を流通する空気の温度、流量、圧力を検出し、検出された値に応じた信号を出力するセンサである。排気管12は、燃焼室32から排気ガスを排出するための管路である。排気管12には、排気センサ9及びと触媒10が設けられている。排気センサ9は、排気管12内を流通する排気ガスの温度、流量、圧力を検出し、検出された値に応じた信号を出力するセンサである。触媒10は、燃焼室32から排出された排気ガスに含まれる有害成分を浄化する装置である。
吸気管11と排気管12とは、EGR管13によって排気ガスが流通可能に接続されている。EGRとは、Exhaust Gas Recirculationの略語である。EGR管13は、排気管12から排気ガスを吸気管11に還流させるための管路である。EGR管13には、排気ガスの流路を開閉可能なEGRバルブ14が設けられている。EGRバルブ14は、ECU2による制御に応じて任意の度合で開閉可能に構成されている。
EGRバルブ14が開弁する度合が調節されることによって、EGR管13を通って排気管12から吸気管11に還流する排気ガスの量(以下、EGR量ともいう)が制御される。EGR管13を通って吸気管11に排気ガスが還流され燃焼室32に再吸気されることで、燃焼温度が低下する。これにより、排気ガス中の窒素酸化物を低減したり燃費を向上させることができる。
ECU2は、図示しないCPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、入出力インタフェース等を中心に構成された情報処理装置である。ECU2は、例えば、コンピュータシステムとしての機能が集約されたマイクロコントローラ等により具現化される。ECU2の機能は、CPUがROMや半導体メモリ等の非遷移的実体的記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、ECU2を構成するマイクロコントローラの数は1つでも複数でもよい。また、ECU2の機能を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素を論理回路やアナログ回路等を組合せたハードウェアを用いて実現してもよい。
ECU2は、クランク角度センサ5、吸気センサ8、排気センサ9等から出力される信号を取得し、これらの信号に基づいてエンジン3の運転状態を検出する機能を有する。そして、ECU2は、検出された運転状態に応じて、燃料噴射弁6による燃料の噴射や、点火装置7による点火、EGRバルブ14の開閉によるEGR量の調整等、各種エンジン制御を実行する機能を有する。
また、ECU2は、触媒10が過熱することによる性能低下や焼損を防ぐ手段として、燃料噴射弁6による燃料の噴射量を増加させて排気の温度を低下させるOT増量補正を制御する機能を有する。
[第1実施形態のOT増量補正処理の説明]
ECU2が実行するOT増量補正処理の第1実施形態について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。このOT増量補正処理は、ECU2が実行する燃料噴射制御に関するプロセスとは別に行われる。また、このOT増量補正処理は、燃料噴射制御の制御周期よりも長い周期(例えば、100msec)で繰り返し行われる。これは、触媒の温度変化の速さが燃料噴射制御の制御周期に対して非常に小さく、たとえOT増量補正処理の制御周期を燃料噴射制御と同様に短くしても、触媒の温度変化を有効に検出できないためである。そこで、ECU2の処理負荷を低減することも考慮し、触媒の温度変化の速さに見合った制御周期とすることが望ましい。
S100では、ECU2は、触媒10の収束温度T0、及び触媒10の現在温度Tを算出する。収束温度とは、ある運転状態でエンジン3が運転された場合に、触媒10が収束する温度であり、例えば排気ガスの現在の温度で近似される。収束温度T0は、例えば、吸気センサ8により検出された空気の流量や圧力から算出される吸入空気量や、クランク角度センサ5により検出された回転角に基づくエンジン3の回転速度から所定の演算により推測することができる。あるいは、排気センサ9により検出された排気ガスの温度に基づいて収束温度T0を推測してもよい。
触媒10の温度は、排気ガスによる加熱と触媒の反応熱によって変化するが、概ね排気ガスの温度に対して一次遅れの温度変化を呈し、排気ガスの流量に応じて温度変化の速度が決まることが知られている。よって、現在温度Tは、収束温度T0に基づく所定の演算により推定する。
S102では、ECU2は、S100において算出された収束温度T0に基づいて、基本補正量Cbaseを算出する。基本補正量Cbaseは、OT増量補正における燃料噴射量の増量分(すなわち、補正量)の基本値である。基本補正量Cbaseは、下記式(1)により算出される。
Cbase=map(T0)・・・(1)
上記式(1)において、map(T0)は、収束温度の集合と、各収束温度において適用すべき基本補正量とが対応付けて記録された所与のマップから、S100において算出された収束温度T0に対応する基本補正量を抽出した値である。基本補正量のマップは、現在の収束温度に対し、OT増量補正によって収束温度を触媒10が焼損するおそれがある温度である焼損温度未満に下げるために必要な補正量として設定されているものとする。
S104では、ECU2は、S100において算出された現在温度Tに基づいて、温度変化率ΔTを算出する。温度変化率ΔTは、触媒10の温度の時間変化率を表す値である。温度変化率ΔTは、下記式(2)により算出される。
ΔT=(T(n)-T(n-1))/Int・・・(2)
上記式(2)において、T(n)は、周期的に実行されるOT増量補正処理において、今回の処理周期におけるS100で算出された現在温度Tの値である。T(n-1)は、1つ前の処理周期におけるS100で算出された現在温度Tの値である。Intは、処理周期の時間間隔を表す値である。なお、本実施形態では、1つ前の処理周期における触媒の温度からの変化量に基づいて温度変化率ΔTを算出することを想定している。これに限らず、1つ前の処理周期以外の所定時間前における触媒の温度からの変化量と時間差に基づいて温度変化率ΔTを算出してもよい。
S106では、ECU2は、S104において算出された温度変化率ΔTに基づいて、補正開始温度T1を算出する。補正開始温度T1は、OT増量補正を開始するための閾値となる温度であり、温度変化率ΔTに応じて可変的に設定される。補正開始温度T1は、下記式(3)により算出される。
T1=T10+map(ΔT)・・・(3)
上記式(3)において、T10は、補正開始温度の基本値であり、補正開始温度の最低値として設定された値である。map(ΔT)は、温度変化率の集合と、各温度変化率において適用すべき補正開始温度の補正値とが対応付けて記録された所与のマップから、S104において算出された温度変化率ΔTに対応する補正値を抽出した値である。補正開始温度に関する補正値のマップは、温度変化率が大きいほど小さい値(例えば、最小値は0)になり、温度変化率が小さいほど大きい値になるように設定されている。
S108では、ECU2は、現在温度Tと補正開始温度T1とを比較し、現在温度Tが補正開始温度T1よりも大きいか否かを判定する。現在温度Tが補正開始温度T1よりも大きい場合(すなわち、S108:YES)、ECU2はS110に進む。
S110では、ECU2は、現在温度Tと補正開始温度T1との温度差に基づいて、減量補正量Ccmpを算出する。減量補正量Ccmpは、OT増量補正の補正量を基本補正量Cbaseから低減する量を表す値である。減量補正量Ccmpは、下記式(4)により算出される。
Ccmp=map(T1-T)・・・(4)
上記式(4)において、map(T1-T)は、現在温度と補正開始温度との差分の集合と、各差分に対して適用すべき減量補正量とが対応付けて記録された所与のマップから、現在温度Tと補正開始温度T1との差分に対応する減量補正量を抽出した値である。減量補正量に関するマップは、補正開始温度と現在温度との差分の絶対値が大きいほど低い値となり、補正開始温度と現在温度との差分の絶対値が小さいほど高い値となるように設定されている。このようにすることで、触媒10の温度が低い段階においてOT増量補正の補正量が低減され、触媒10の温度が上昇するにつれて基本補正量まで補正量が増やされる。すなわち、最終的に減量補正は0となるように設定されている。
一方、S108において、現在温度Tが補正開始温度T1以下であると判定された場合(すなわち、S108:NO)、ECU2はS112に進む。S112では、ECU2は、OT増量補正をキャンセルする。具体的には、ECU2は、減量補正量Ccmpを基本補正量Cbaseと同じ値に設定する。このようにすると、次のS114において補正量が0に修正され、OT増量補正が実質的に行われなくなる。
S114では、ECU2は、S110又はS112において設定された減量補正量Ccmpに基づいて、正味補正量Cfixを算出する。正味補正量Cfixは、OT増量補正が実行される際に適用される実際の補正量を表す値である。正味補正量Cfixは、下記式(5)により算出される。
Cfix=Cbase-Ccmp・・・(5)
上記式(5)において、減量補正量Ccmpが基本補正量Cbaseと同じ値に設定されている場合、正味補正量Cfixが0となり、OT増量補正がキャンセルされる。
S116では、ECU2は、S114で算出された正味補正量Cfixに従ってOT増量補正を実行する。具体的には、ECU2は、運転状態に応じて設定される最適な燃料の噴射量に対して正味補正量Cfixに相当する分の燃料を増量して、燃料噴射弁6から燃料を噴射する。
[第2実施形態の増量補正制御の説明]
ECU2が実行するOT増量補正処理の第2実施形態について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。第2実施形態のOT増量補正処理では、EGRの増量による排気温度の低下を加味してOT増量補正の正味補正量を算出する点で第1実施形態と相違する。
EGRには排気温度を低下させる作用があり、OT増量補正と同様の効果が見込まれる。したがって、EGRの増量による排気温度の低下分をOT増量補正における減量補正量に加味することで、正味補正量を減らすことができる。ただし、EGRは、エンジン3の運転状況によっては常に導入可能ではないことや、OT増量補正と比較して排気温度の低下までの応答性が悪いことから、状況に応じて補助的に利用するものとする。以下、第1実施形態と相違する処理部分について主に説明し、第1実施形態と共通の処理部分については説明を一部省略する。
S200,S202,S204,S206,208の各手順は、第1実施形態のS100,S102,S104,S106,S208の各手順と同様である。S208において現在温度Tが補正開始温度T1よりも大きいと判定された場合(すなわち、S208:YES)、ECU2はS210に進む。
S210では、ECU2は、S204において算出された温度変化率ΔTが所定の閾値以下であるか否かを判定する。この閾値とは、OT増量補正の補助としてEGRの増量を行うことが可能な条件を規定する値である。本実施形態では、触媒10の温度変化率が比較的小さい、すなわち触媒10が過熱するまでに時間的余裕がある条件下に限って、EGRの増量をOT増量補正の補助として利用することを想定している。
温度変化率ΔTが所定の閾値以下である場合(すなわち、S210:YES)、ECU2はS212に進む。S212では、ECU2は、OT増量補正の補助としてEGRの更なる増量が可能であるか否かを判定する。具体的には、ECU2は、エンジン3の現在の運転状態において適用可能なEGR量の許容範囲内で増量可能な余地があるか否かを判定する。EGRの増量が可能である場合(すなわち、S212:YES)、ECU2はS214に進む。
S214では、ECU2は、EGRバルブ14によるEGR量の調整を実行するプロセスに対して、EGRの増量を要求する。S216では、ECU2は、S214において要求されたEGRの増量による排気ガスの温度の低下量Tegrを算出する。温度の低下量Tegrについては、例えば、EGRの増量値と排気ガスの温度の低下量との関係を記録した所与のマップに基づいて算出する。
S218では、ECU2は、EGRの増量を加味した減量補正量Ccmpを算出する。EGRの増量を加味した減量補正量Ccmpは、下記式(6)により算出される。
Ccmp=map((T1+Tegr)-T)・・・(6)
上記式(6)において用いられるマップは、上記式(4)において用いられるマップと同様のものである。上記式(6)では、EGRの増量による温度の低下量Tegrの分だけ補正開始温度T1を高くみなすことで、EGRの増量を行わない場合と比較して減量補正量Ccmpが大きくなるようになっている。
一方、S210又はS212において否定判定がなされた場合、ECU2はS220に進む。S220では、ECU2は、EGRの増量を伴わない減量補正量Ccmpを算出する。EGRの増量を伴わない減量補正量Ccmpは、上述の第1実施形態と同様に上記式(4)により算出される。一方、S208において否定判定がなされた場合、ECU2はS222に進む。S222では、ECU2は、OT増量補正をキャンセルする。具体的には、ECU2は、減量補正量Ccmpを基本補正量Cbaseと同じ値に設定する。
S224では、ECU2は、S218、S220又はS222において設定された減量補正量Ccmpに基づいて、正味補正量Cfixを算出する。上述の第1実施形態と同様に上記式(5)により算出される。S226では、ECU2は、S224で算出された正味補正量Cfixに従ってOT増量補正を実行する。具体的には、ECU2は、運転状態に応じて設定される最適な燃料の噴射量に対して正味補正量Cfixに相当する分の燃料を増量して、燃料噴射弁6から燃料を噴射する。
[効果]
実施形態のエンジン制御システム1の効果について、図4〜6のグラフを参照しながら説明する。図4〜6のグラフは、横軸が時間、縦軸が温度及びOT増量補正に関する補正量を示しており、排気系の収束温度T0、触媒温度T、基本補正量Cbase、及び正味補正量Cfixの時間推移を表している。
図4の事例では、従来技術のように補正開始温度T1が固定的に設定されていることを前提としている。図4の事例において、時刻t1から収束温度T0が急激に上昇している。この急上昇は正常な運転状態から逸脱した何らかの異常に起因するものとする。そして、収束温度T0の急上昇に伴い、遅れて触媒温度Tも急激に上昇する。そして、時刻t2において現在温度Tが補正開始温度T1に到達した段階でOT増量補正が開始される。それに伴い、収束温度T0が下がり、触媒温度Tの上昇が抑制される。
しかしながら、図4に例示されるとおり、触媒温度Tが急激に上昇する状況において、触媒温度Tが補正開始温度T1に到達した段階でOT増量補正を開始しても、温度上昇の抑制が間に合わず触媒焼損温度T2を超えてしまう可能性がある。特に、燃費の向上を重視する観点から補正開始温度T1が比較的高めに設定されている場合、このような事態に陥る可能性が高くなる。
図4の事例に対して、図5の事例では、実施形態のエンジン制御システム1により補正開始温度T1が可変的に設定されることを前提としている。図5の事例において、収束温度T0及びの触媒温度Tの急上昇が始まる時刻t1以前は、補正開始温度T1が高く設定されている。そして、時刻t1から収束温度T0及びの触媒温度Tが急激に上昇することに伴い、補正開始温度T1が引き下げられる。補正開始温度T1が引き下げられることにより、図4の事例における時刻t2よりも早い時刻t2´の段階でOT増量補正が開始される。それにより、触媒温度Tが触媒焼損温度T2を超えてしまうことを未然に防ぐことができる。
一方、図6の事例では、図5の事例と同様に実施形態のエンジン制御システム1により補正開始温度T1が可変的に設定可能であることを前提としている。ただし、図6の事例では、収束温度T0及びの触媒温度Tが図4,5の事例よりも緩やかに上昇する状況を想定している。図6の事例において、収束温度T0及びの触媒温度Tが緩やかに上昇することにより、補正開始温度T1が補正開始温度基本値T10よりも高い状態のまま維持される。
これにより、補正開始温度T1を低く設定した場合よりもOT増量補正が開始されるタイミングが遅くなる。仮に、図6の事例において補正開始温度T1が補正開始温度基本値T10に設定されているとした場合、時刻t3´の段階でOT増量補正が開始されることになる。しかし実際には、補正開始温度T1が補正開始温度基本値T10よりも高く設定されていることで、時刻t3´よりも遅い時刻t3の段階でOT増量補正が開始される。したがって、OT増量補正が開始されるタイミングが遅れる分、OT増量補正にかかる燃料の消費を低減できる。
[特許請求の範囲に記載の構成との対応]
実施形態の各構成と、特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。
ECU2が実行するS100及びS200が、温度取得部としての処理に相当する。ECU2が実行するS106及びS206が、基準温度決定部としての処理に相当する。ECU2が実行するS116及びS226が、制御部としての処理に相当する。ECU2が実行するS210が、EGR増量決定部としての処理に相当する。
[変形例]
上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が、本開示の実施形態である。
上述したECU2を構成要件とするシステム、ECU2としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、燃料噴射制御方法等の種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…エンジン制御システム、2…ECU、3…エンジン、4…クランクシャフト、5…クランク角度センサ、6…燃料噴射弁、7…点火装置、8…吸気センサ、9…排気センサ、10…触媒、11…吸気管、12…排気管、13…EGR管、14…EGRバルブ。

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気系に設けられた触媒(10)の温度を取得するように構成された温度取得部(2,S100,S200)と、
    前記温度取得部により取得された温度の時間変化率を算出するように構成された温度変化率算出部(2,S104,S204)と、
    前記触媒の過熱を予防するために前記内燃機関において噴射すべき燃料を増量する補正である増量補正の実施の要否を判断するための基準の温度である基準温度を、前記温度変化率算出部により算出された温度の時間変化率に応じて可変的に決定するように構成された基準温度決定部(2,S106,S206)と、
    前記触媒の温度が前記基準温度決定部により決定された基準温度を超えたことを条件に、前記増量補正を実施するように構成された制御部(2,S116,S226)と、
    を備える燃料噴射制御装置。
  2. 前記基準温度決定部は、前記温度の時間変化率が大きい程、前記基準温度を低く決定し、前記温度の時間変化率が小さい程、前記基準温度を高く決定するように構成されている、請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記排気系には、燃焼後の排気ガスの一部を前記内燃機関の吸気流路に再循環させる排気再循環装置が設けられており、
    前記温度変化率算出部により算出された温度の時間変化率に応じて、前記排気再循環装置による排気ガスの再循環を増量するか否かを決定するように構成されたEGR増量決定部(2,S210)を更に備え、
    前記制御部は、前記EGR増量決定部によって排気ガスの再循環を増量すると決定されたことを条件に、前記排気再循環装置に対して排気ガスの再循環を増量する要求を行うと共に、前記排気ガスの再循環の増量に応じて前記増量補正を減量する制御を行うように構成されている、請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記EGR増量決定部は、前記温度の時間変化率が所定の基準値以下であることを条件に、前記排気再循環装置による排気ガスの再循環を増量する処理を決定するように構成された、請求項3に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 内燃機関の排気系に設けられた触媒の温度を取得する温度取得手順(S100,S200)と、
    前記温度取得手順において取得された温度の時間変化率を算出する温度変化率算出手順(S104,S204)と、
    前記触媒の過熱を予防するために前記内燃機関において噴射すべき燃料を増量する補正である増量補正の実施の要否を判断するための基準の温度である基準温度を、前記温度変化率算出手順において算出された温度の時間変化率に応じて可変的に決定する基準温度決定手順(S106,S206)と、
    前記触媒の温度が前記基準温度決定手順において決定された基準温度を超えたことを条件に、前記増量補正を実施する制御手順(S116,S226)と、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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