JP2018027524A - 同位体分離装置及び同位体分離方法 - Google Patents

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直樹 田嶋
Naoki Tajima
直樹 田嶋
紘子 澤田
Hiroko Sawada
紘子 澤田
俊介 須佐
Shunsuke Susa
俊介 須佐
中村 秀樹
Hideki Nakamura
秀樹 中村
関 秀司
Hideji Seki
秀司 関
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Abstract

【課題】同位体水をより簡便に分離することのできる同位体分離装置及び同位体分離方法を提供する。【解決手段】16O以外の酸素同位体及び1H以外の水素同位体のうち少なくともいずれか一方を有する水分子で構成された同位体水と、16O及び1Hで構成された水分子で構成された軽水とを含有する液体を収容する収容容器10と、収容容器10内の液体の温度を調節する水温調節機構11と、温度の調節された液体から液滴W1を生成させるミスト生成機構と、液滴W1を所定の粒子径以下の第1の液滴W1aと当該粒子径より大きい第2の液滴W1bに分級する分級機構13と、第1の液滴W1aと第2の液滴W1bをそれぞれ別に回収する回収機構とを備える【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、同位体分離装置及び同位体分離方法に関する。
16Oの水素又は酸素の同位体には放射性を有するものがある。例えば、自然界に存在する水素の同位体であって、3個の中性子を有する三重水素(トリチウム:T)は、半減期が約12.3年の放射性物質であることが知られている。
水分子を構成する水素原子がトリチウムに置き換えられたものはトリチウム水と呼ばれる。存在形態としては、HTO、DTO、及びTOがあるが、主にHTOの形態として存在する。また、水分子を構成する酸素原子が同位体の17Oや18Oに置き換えられた水分子も存在する。
トリチウム水を含有する水からトリチウム水を分離、濃縮、回収及び処理することは、これまでも試みられてきており、原子力産業において、核反応の制御、核燃料サイクルの信頼性の向上を実現するために重要な技術である。また、トリチウム水の分離等の技術は、例えば、生物、化学、医療等の分野において、放射性同位体によるラベル技術においても重要である
一般に、重水やトリチウム水を分離する方法として、精密蒸留法、同位体交換法、電気分解法等が挙げられる(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。これらの方法では、設備が大型化することや消費電力が多くなることがあり、重水やトリチウム水等の同位体水をより簡便に分離する方法が求められている。
特開2015−80748号公報
Jones, " Vapor pressures of Tritium Oxide and Deuterium Oxide" The Journal of Chemical Physics. Vol.48 No.1, p207-214, 1968
本発明は、同位体水をより簡便で効率よく分離することのできる同位体分離装置及び同位体分離方法を提供することを目的とする。
本発明の同位体分離装置の一態様は16O以外の酸素同位体及びH以外の水素同位体のうち少なくともいずれか一方を有する水分子で構成された同位体水と、16O及びHで構成された水分子で構成された軽水とを含有する液体を収容する収容容器と、前記収容容器内の液体の温度を調節する水温調節機構と、温度の調節された前記液体から液滴を生成させるミスト生成機構と、前記液滴を所定の粒子径以下の第1の液滴と当該粒子径より大きい第2の液滴に分級する分級機構と、前記第1の液滴と前記第2の液滴をそれぞれ別に回収する回収機構とを備える。
本発明の同位体分離方法の一態様は、16O以外の酸素同位体及びH以外の水素同位体のうち少なくともいずれか一方を有する水分子で構成された同位体水と、16O及びHで構成された水分子で構成された軽水とを含有する液体を、収容容器に収容し、前記収容容器内の液体を所定の温度に冷却する冷却ステップと、冷却された前記液体の液滴を生成させるミスト生成ステップと、前記液滴を所定の粒子径以下の第1の液滴と当該粒子径より大きい第2の液滴に分級するミスト分級ステップと、前記第1の液滴と前記第2の液滴をそれぞれ別に回収するミスト回収ステップとを備える。
本発明によれば、同位体水をより簡便に効率よく分離することのできる同位体分離装置及び同位体分離方法を提供することができる。
実施形態の同位体分離装置を表わす概略図である。 実施形態の同位体分離方法を概略的に表わすフロー図である。 第1の変形例の同位体分離装置を表わす概略図である。 第2の変形例の同位体分離装置を表わす概略図である。 実施形態の同位体分離方法による5℃におけるTO、DOの分離係数と、100℃の蒸留における分離係数を比較したグラフである。
以下、本発明の実施形態の同位体分離装置について説明する。本実施形態に係る同位体分離装置は、16O以外の酸素同位体及びH以外の水素同位体のうち少なくともいずれか一方を有する水分子で構成された同位体水と、16O及びHで構成された水分子で構成された軽水とを含有する液体(以下「水」という。)中の同位体水と軽水を分離する装置である。
水には、同位体を含まない水分子( 16O、以下「軽水」という。)と、16O以外の酸素同位体及びH以外の水素同位体のうち少なくともいずれか一方を有する水分子( 16Oよりも質量が大きい水分子)で構成された同位体水が含まれる。ここで、同位体水のうち、H以外の水素同位体を含む水分子を「重水」と称し、重水のうち、トリチウムを含む水分子(HTO、DTO及びTO)を、「トリチウム水」と称する。水にはナトリウムイオン(Na)や塩化物イオン(Cl)等の水素及び酸素とは異なる原子に由来するイオン成分が含まれることがある。
本実施形態では、液体状態の水をミスト化し、水から微小な液滴を生成させる。ここで、液滴は水蒸気とは異なる形態である。水蒸気は水分子が数個程度集まって形成されるものである。一方、液滴は水分子が少なくとも100以上集まって形成され、水蒸気とは大きさが異なる。また、液滴は例えば、超音波や圧力を加えた状態で、水を噴霧することにより形成することができる。一方、水蒸気は主として水を加熱して蒸発させて形成される。
同位体水と軽水を含有する水からなる液滴の気液界面では、軽水も同位体水も蒸発する。このとき、軽水の方が蒸発しやすいため、液滴中に同位体水が濃縮される傾向になる。そのため、生成された液滴を粒子径で分級すると同位体水と軽水の濃度差が異なる液滴が得られる。すなわち同位体水の濃縮や分離操作に適用することができる。
また、例えば、TOと軽水を含有する水の液と蒸気が互いに接触している場合、水蒸留におけるTOの平衡分離係数αは、下記式(1)に示すように、蒸気相のTOの分圧pT2Oに対する蒸気相の軽水(HO)の分圧pH2Oの比の平方根で近似される。
α≒(pH2O/pT2O1/2 (1)
同様に、DOと軽水を含有する水の液と蒸気が互いに接触している場合、水蒸留におけるDOの平衡分離係数αは、下記式(2)に示すように、蒸気相のDOの分圧pD2Oに対する蒸気相の軽水(HO)の分圧pH2Oの比の平方根で近似される。
α≒(pH2O/pD2O1/2 (2)
ここで、pT2O、pD2Oを近似的に求める方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。α及びαは、これらで算出されたpT2O、pD2Oの値から上記式(1)又は上記式(2)を用いて算出することができる。
このため、液滴W1を生成する際の水Wの温度を低くすることで、TO、DOの分離係数を大きくすることができる。また、HTO、DTOについても同様の傾向である。
図1は、本実施形態に係る同位体分離装置1を表わす概略図である。本実施形態に係る同位体分離装置1は、上記原理に基づいて、水Wを低温に保持して、液滴W1(第1の液滴W1a及び第2の液滴W1b)を生成させ、生成した液滴W1を、所定の粒子径以下の第1の液滴W1aと、当該粒子径より大きい第2の液滴W1bとに分離する。これにより、同位体分離装置1は、水Wを、同位体水をより多い割合で含む水と軽水をより多い割合で含む水とに分離する。
同位体分離装置1は、分離対象の水Wを収容する収容容器10と、収容容器10の水Wの温度を調節する水温調節機構11と、水温調節機構11によって温度の調節された水Wから液滴W1を生成させるミスト生成機構と、生成した液滴W1を所定の粒子径以下の第1の液滴W1aと当該粒子径よりも大きい第2の液滴W1bに分級する分級機構13と、分級機構13で分級された第1の液滴W1aと第2の液滴W1bとをそれぞれ別に回収する回収機構を備えている。
収容容器10は、例えば円筒形の気密な容器である。同位体分離装置1は、収容容器10内に気体Gを供給する気体供給装置12を有している。ミスト生成機構は、収容容器10内の、水Wの液中に気体Gを噴射してバブリングする気体供給管121と、収容容器10内の水Wの液面に気体Gを噴射する気体供給管122を有している。また、ミスト生成機構は、収容容器10内の底部に配置され、収容容器内10の水Wに超音波を印加して、液滴W1を生成させる超音波ミスト生成装置123を有している。超音波ミスト生成装置123における超音波の周波数は、例えば1.0〜3.0MHz、好ましくは2.4MHzである。気体供給管121、気体供給管122、超音波ミスト生成装置123はすべてが備えられなくてもよく、いずれか1つが備えられていればよい。
収容容器10と、分級機構13は移送配管14によって接続されている。移送配管14は、収容容器10内部から分級機構13に液滴W1を移送する。
分級機構13は、液滴W1を所定の粒子径以下の第1の液滴W1aと、当該粒子径より大きい第2の液滴W1bに分級する。分級機構13は、例えば、サイクロン又はミストセパレータ、あるいはこれらと同様の機能を有する装置である。
回収機構は、第1の液滴W1aを回収する凝集容器15、第2の液滴W1bを回収する回収容器16、分級機構13と凝集容器15を接続する第1の配管22a及び分級機構13と回収容器16を接続する第2の配管22bを備えている。また、凝集容器15には、凝集容器15を冷却する凝集容器冷却機構21が備えられている。
同位体分離装置1は、凝集容器15、回収容器16を経た気体Gを、気体供給装置12を介して、再度、収容容器10に供給するための循環配管17(気体循環手段)を備えている。循環配管17には、気体Gを気体供給装置12に送る掃気ポンプ等のポンプ23が設けられている。循環配管17の一方の端部は分岐して、それぞれ、凝集容器15、回収容器16に接続され、他方の端部は気体供給装置12に接続されている。
循環配管17には、気体冷却機構18が設けられている。気体冷却機構18は、例えば、循環配管17内の気体を冷却する気体冷却装置18aと、循環配管17内の気体の温度を測定する気体温度モニター18bと、気体温度モニター18bの測定値に基いて、気体冷却装置18aを制御する気体冷却用制御装置18cとを備えている。
同位体分離装置1は、さらに、収容容器10内の液相部の温度を測定する液相温度モニター19Aと、収容容器10内の気相部の温度を測定する気相温度モニター19Bと、移送配管14内の雰囲気の温度を測定するミスト雰囲気温度モニター19Cを備えている。気相温度モニター19Bには、収容容器10内の気相部の湿度や露点を測定するモニターが設けられていてもよい。また、ミスト雰囲気温度モニター19Cには、移送配管14内の雰囲気の湿度や露点を測定するモニターが設けられていてもよい。
同位体分離装置1は、同位体分離装置1内の各構成の動作を統括的に制御する制御部20を備えている。さらに、同位体分離装置1は、収容容器10内の水Wの温度を所定の温度に保つために、分級機構13を保温する保温機構25を有している。保温機構25は、分級機構13以外にも、同位体分離装置1内の各装置や容器、配管を保温する構成であってもよい。
次に、本実施形態の同位体分離装置1を用いた同位体分離方法について説明する。図2は、本実施形態の同位体分離方法を概略的に表わすフロー図である。本実施形態の同位体分離方法は、収容容器10内に収容された水Wを冷却する冷却ステップS1と、冷却された水Wから液滴W1を生成させるミスト生成ステップS2と、生成した液滴W1を分級するミスト分級ステップS3と、分級された液滴W1を回収するミスト回収ステップS4とを備えている。
本実施形態の同位体分離方法において、収容容器10内に水Wが収容された状態で、水温調節機構11によって、水Wを、例えば室温以下、好ましくは5〜10℃程度に冷却する。ミスト生成機構によって、水Wをミスト化させて、水Wの温度とほぼ等しい温度の液滴W1が連続的に生成させる。
この際、気体Gの流れによって、液滴W1を、収容容器10外に移送する。気体Gは、例えば、空気である。また、空気以外にも、例えば、窒素(N)、酸素(O)、二酸化炭素(CO)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)のうち少なくとも1種類以上を含む気体であってもよい。気体Gは、上記N、O、CO、He、Ne、Ar等を含む場合、その含有割合は例えば、5体積%以上である。
また、気体Gの温度は、収容容器10内の水Wの温度を上昇させにくくするために、35℃以下であることが好ましく、収容容器10内の水Wとほぼ同じかこれ以下の温度であることがより好ましい。本実施形態の同位体分離方法において、気体Gの温度は、気体冷却機構18によって調節することができる。
このとき、水Wの温度を所定の温度に維持するために、液相温度モニター19A、気相温度モニター19B、ミスト雰囲気温度モニター19Cが、各箇所の液相又は気相の温度を測定する。そして、これら液相温度モニター19A、気相温度モニター19B、ミスト雰囲気温度モニター19Cの測定値に基づいて、制御部20が水温調節機構11を制御する。これにより、水Wの温度が上記低温に維持されるとともに、移送配管14及び分級機構13における気体Gの温度を、水Wの温度と同じか、水Wの温度以下に維持することができる。
収容容器10内で生成した液滴W1は、気体Gの流れによって、収容容器10の、移送配管14の接続口に到達し、収容容器10内に供給された気体Gとともに、移送配管14を介して分級機構13に送られる。
分級機構13は、移送配管14から移送されてきた液滴W1を含む流体中の、液滴W1を、所定の粒子径以下の第1の液滴W1aと、当該粒子径よりも大きい第2の液滴W1bに分離する。分級機構13は、同位体水を効率的に水から分離回収するために、収容容器10で生成された液滴W1のうち、好ましくは粒子径が50μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは2〜3μm以下の第1の液滴W1aと、当該液滴W1よりも大きい第2の液滴W1bを分離する。ここで、液滴W1の粒子径は、液滴W1の直径であり、例えば、分級機構13としてサイクロンを用いる場合には、分級の際の処理条件や装置の大きさ(内容積等)によって算出することができる。
分級機構13によって分級された液滴W1のうち、所定の粒子径以下の第1の液滴W1aは第1の配管22aを介して凝集容器15に回収される。当該粒子径よりも大きい第2の液滴W1bは、第2の配管22bを介して回収容器16に回収される。これらのうち、第1の液滴W1aは、第2の液滴W1bよりも軽水の含有割合が多く、第2の液滴W1bは第1の液滴W1aよりも同位体水の含有割合が多い。このように、液滴W1を粒子径により分離することで、軽水と同位体水を分離することができる。
凝集容器15の液滴W1が接触する内面は、凝集容器冷却機構21によって、凝集容器15の内部の雰囲気中の露点よりも低温に調節されることが好ましい。これにより、凝集容器15内の第1の液滴W1aを迅速に凝集させることができる。また、第1の配管22aの液滴W1が接触する内面についても同様に、冷却器等によって、その内部の雰囲気中の露点よりも低温に調節されることが好ましい。凝集容器15及び第1の配管22aの内面を低温に調節する場合、凝集容器15及び第1の配管22aの内面の全領域を、低温に調節してもよいし、一部の領域を低温に調節してもよい。
低温に調節された凝集容器15及び第1の配管22aの上記内面の温度は、例えば、収容容器10内の水Wの温度に比べて10℃低い温度、好ましくは−1℃程度である。なお、第1の配管22aの内面を低温に調節すれば、凝集容器15を設けずに、第1の配管22a内で第1の液滴W1aを凝集させることもできる。
分級機構13を通過し、凝集容器15又は回収容器16を経た気体Gは、ポンプ23によって、循環配管17(気体循環手段)を介して、再度、収容容器10内に供給される。気体Gは、循環配管17から上記同様に気体供給装置12を介して収容容器10内に供給される。液滴W1の温度を収容容器10内の水Wとほぼ等温に保つために、この過程で、分級機構13及び凝集容器15に送られる気体Gが、気体温度調節機構18によって冷却されてもよい。気体循環手段を備えることで、気体Gを再度収容容器10内に移送し、再利用することができるため、同位体水の回収を閉鎖系内で行うことができる。
また、保温機構25を用いて、収容容器10、分級機構13及び凝集機構15の少なくとも一部を所定の温度に保持することで、水W及び液滴W1を低温で保つことができるため、同位体水を効率よく回収することができる。
また、回収容器16内の同位体水成分を多く含む水Wを繰り返し同位体分離装置1内で処理することで、同位体水成分をより高度に濃縮することができる。また、複数の同位体分離装置1を直列に接続して、多段処理することで、同位体水成分をより高度に濃縮することができる。
上記した本実施形態の同位体分離装置及び同位体分離方法によれば、水を低温でミスト化することで、液滴中の同位体水の分離度が向上するため、水に含まれる同位体水を簡易かつ効率的に濃縮し、回収することができる。
(変形例1)
次に、本実施形態の同位体分離装置の第1の変形例について、図3を参照して説明する。図3は、第1の変形例の同位体分離装置2を概略的に示す図である。同位体分離装置2は、ミスト発生機構が水Wを噴霧して液滴W1を生成し、移送配管14に送る噴霧器32からなる点で同位体分離装置1と異なっている以外は、同位体分離装置1と同様の構成である。図3において、同位体分離装置1と共通する構成の一部は記載を省略している。また、同位体分離装置1と対応する構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
噴霧器32は、収容容器10内の水Wを噴霧して液滴W1を生成するノズル32cと、ノズル32cに収容容器10内の水Wを供給する水供給管32dと、ノズル32cに気体Gを供給する気体供給管32bを備えている。また、噴霧器32は、気体供給装置32aを備えている。気体供給装置32aは圧縮した気体Gを気体供給管32bからノズル32cに送る。ノズル32cから圧縮された気体Gに伴って噴射された水Wが液滴W1を生成する。
ノズル32cは、例えば、二流体ノズルであり、これ以外にも、一流体ノズルが用いられてもよい。二流体ノズルによれば、より微細な液滴W1が生成される傾向があるため、同位体水を効率よく分離することができる。
本変形例では、噴霧器32において、コンプレッサなどによる圧送空気を用いて液滴W1を生成させる。このコンプレッサの動力は、例えば分級機構13としてサイクロンを用いる場合、その分離駆動力にも使用することができる。そのため、本変形例の同位体分離装置2によれば、水Wに含まれる同位体水を、より効率的に、簡易に濃縮し、回収することができる。
(変形例2)
次に、本実施形態の同位体分離装置の第2の変形例について、図4を参照して説明する。図4は、第2の変形例の同位体分離装置3を概略的に示す図である。同位体分離装置3は、移送配管14、分級機構13及び第1の配管22aの内面を冷却する冷却機構24を備える点で、上記実施形態の同位体分離装置1と異なっている以外は、同位体分離装置1と同様の構成である。図4において、同位体分離装置1と共通する構成の一部は記載を省略している。また、同位体分離装置1と対応する構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
本変形例では、制御部20が冷却機構24を制御して、移送配管14、分級機構13及び第1の配管22aの、液滴W1が接触する内面を冷却する。移送配管14、分級機構13及び第1の配管22aの上記内面は、すべてが冷却されてもよく、一部が冷却されてもよい。
例えば、移送配管14から分級機構13を経て第1の配管22aに至る上記内面を、第1の配管22aの内面の温度が、第1の配管22aの内部の雰囲気中の露点よりも低温になるように段階的に冷却する。これにより、第1の配管22a内で効率よく液滴W1を凝集させることができるため、第1の配管22aに凝集容器15と同様の機能を持たせることができる。そのため、図1の凝集容器15を省略することもができ、装置構成をより簡略化することができる。このように。本変形例の同位体分離装置3によれば、水Wに含まれる同位体水を、より効率的に、簡易に濃縮し、回収することができる。
図5に、TOと軽水を分離する場合、DOと軽水を分離する場合のそれぞれについて、蒸発時の分離係数に対する本発明の方法による分離係数を比較したグラフを示す。図5では、上記本発明の方法により5℃で分離した場合の分離係数を、100℃で蒸留した場合の分離係数を1として示している。図5に示すグラフにおいて、各温度におけるTO、DOの分離係数は、各温度における公知の蒸気圧の値から上記式(1)、(2)を用いて算出した。なお、分級後の希薄側(凝集容器内)の液中のトリチウム水濃度に対する分級後の濃縮側(回収容器内)の液中のトリチウム水濃度は、分離係数が大きいほど、大きくなる。
図5に示されるように、本実施形態の5℃における分離係数は、蒸留法での100℃における分離係数に対して、TOで1.09倍、DOで1.07倍に向上することがわかった。
このように、本実施形態の同位体分離装置及び同位体分離方法装置によれば、水を低温でミスト化することで、液滴中の同位体水の分離度が向上するため、水に含まれる同位体水を簡易かつ効率的に濃縮し、回収することができる。
なお、上述した分離試験の結果は、TOと軽水、DOと軽水を分離する一例であるが、実施形態の同位体分離方法及び同位体分離装置は、これらの同位体を分離する場合に限定されない。例えば、同位体水成分として、HDO、HTO、TOなどの他の水素同位体を含む水の分離、酸素同位体を含む水の分離に適用した場合にも同様の効果が得られる。さらに、水素や酸素以外の同位体を分離する場合にも同様の効果を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,2,3…同位体分離装置、10…収容容器、11…水温調節機構、12…気体供給装置、121,122…気体供給管、123…超音波ミスト発生装置、13…分級機構、14…移送配管、15…凝集容器、16…回収容器、17…循環配管、18…気体冷却機構、19A…液相温度モニター、19B…気相温度モニター、19C…ミスト雰囲気温度モニター、20…制御部、21…凝集容器冷却機構、22a…第1の配管、22b…第2の配管、23…ポンプ、24…冷却機構、25…保温機構、32…噴霧器、32a…気体供給装置、32b…気体供給管、32c…ノズル、32d…水供給管、W…水、W1…液滴。

Claims (12)

  1. 16O以外の酸素同位体及びH以外の水素同位体のうち少なくともいずれか一方を有する水分子で構成された同位体水と、16O及びHで構成された水分子で構成された軽水とを含有する液体を収容する収容容器と、
    前記収容容器内の液体の温度を調節する水温調節機構と、
    温度の調節された前記液体から液滴を生成させるミスト生成機構と、
    前記液滴を所定の粒子径以下の第1の液滴と当該粒子径より大きい第2の液滴に分級する分級機構と、
    前記第1の液滴と前記第2の液滴をそれぞれ別に回収する回収機構と
    を備える同位体分離装置。
  2. 前記分級機構で分離された前記第1の液滴を凝集させる凝集機構を備える請求項1に記載の同位体分離装置。
  3. 前記収容容器内に気体を供給する気体供給装置を備える請求項1又は2に記載の同位体分離装置。
  4. 前記気体は、空気、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素及びネオンから選ばれる少なくとも1種以上を含む請求項3に記載の同位体分離装置。
  5. 前記気体の温度は、35℃以下である請求項3又は4に記載の同位体分離装置。
  6. 前記分級機構における前記気体の温度は、前記収容容器内の前記液体の温度と同じか又は、これより低い温度である請求項3乃至5のいずれか1項に記載の同位体分離装置。
  7. 前記分級機構又は前記凝集機構に送られる前記気体を冷却する気体温度調節機構を有する請求項3乃至6のいずれか1項記載の同位体分離装置。
  8. さらに、前記収容容器、前記分級機構及び前記凝集機構の少なくとも一部を、保温する保温機構、又は所定の温度に調節する温度調節機構を備える請求項2乃至7のいずれか1項記載の同位体分離装置。
  9. 前記凝集機構において、前記第1の液滴と接触する内面の少なくとも一部の温度が、前記凝集機構の内部の雰囲気中の露点よりも低温に制御される請求項2乃至8のいずれか1項記載の同位体分離装置。
  10. 前記分級機構から前記第1の液滴を外部に送る配管を有し、当該配管の前記第1の液滴と接触する内面の少なくとも一部の温度が、当該配管の内部の雰囲気中の露点よりも低温に制御される請求項1乃至9のいずれか1項記載の同位体分離装置。
  11. 前記ミスト発生機構は、ノズルから前記気体と前記液体を噴射して液滴を生成する噴霧器からなる請求項3乃至10のいずれか1項記載の同位体分離装置。
  12. 16O以外の酸素同位体及びH以外の水素同位体のうち少なくともいずれか一方を有する水分子で構成された同位体水と、16O及びHで構成された水分子で構成された軽水とを含有する液体を、収容容器に収容し、前記収容容器内の液体を所定の温度に冷却する冷却ステップと、
    冷却された前記液体の液滴を生成させるミスト生成ステップと、
    前記液滴を所定の粒子径以下の第1の液滴と当該粒子径より大きい第2の液滴に分級するミスト分級ステップと、
    前記第1の液滴と前記第2の液滴をそれぞれ別に回収するミスト回収ステップと
    を備える同位体分離方法。
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