JP2018026429A - 半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】単極性のキャリアの光学遷移を用いると共に発光機構に縦続的な光学遷移を利用しない半導体レーザを提供する。【解決手段】半導体レーザ11は、第1エリア13b、第2エリア13c、及び第3エリア13dを含む主面13aを有する基板13と、主面13aに交差する第1軸Ax1の方向に配列された複数の半導体層を有する量子井戸構造21を含み第1エリア上に設けられた発光領域15と、第2エリア上に設けられた第1導電型の第1半導体を有する半導体領域17と、第1軸Ax1の方向に延在する金属体35を有し、第3エリア上に設けられた電極領域19と、を備え、第1エリア及び第2エリアは第1軸Ax1に交差する第2軸の方向に配列され、第1エリア及び第3エリアは第1軸Ax1に交差する第3軸の方向に配列され、第2エリアは第3エリアから離れている。【選択図】図1

Description

本発明は、単極性のキャリアの光学遷移を用いる半導体レーザに関する。
特許文献1は、量子カスケードレーザを開示する。
特開平8―279647号公報
量子カスケードレーザは、半導体量子井戸のサブバンド間における単極性キャリアの光学遷移を利用する。単極性キャリアの光学遷移を縦続的に起こすように発光層が配列され、各発光層のエネルギー準位は、外部電圧の印加を利用して隣接した発光層間において合わされる。このような縦続的な光学遷移の利用は、光学利得を高めて赤外波長領域におけるレーザ発振を可能にしている一方で、大きな外部印加電圧を必要とする。量子カスケード半導体レーザにおける発光層の縦続接続は、その動作電圧を低くすることに対する障害になっている。
本発明の一側面は、このような背景を鑑みてなされたものであって、単極性のキャリアの光学遷移を用いると共に発光機構に縦続的な光学遷移を利用しない半導体レーザを提供することを目的とする。
本発明に係る半導体レーザは、第1エリア、第2エリア、及び第3エリアを含む主面を有する基板と、前記主面に交差する第1軸の方向に配列された複数の半導体層を有する量子井戸構造を含み前記第1エリア上に設けられた発光領域と、前記第2エリア上に設けられた第1導電型の第1半導体を有する半導体領域と、前記第1軸の方向に延在する金属体を有し、前記第3エリア上に設けられた電極領域と、を備え、前記第1エリア及び前記第2エリアは、前記第1軸に交差する第2軸の方向に配列され、前記第1エリア及び前記第3エリアは、前記第1軸に交差する第3軸の方向に配列され、前記第2エリアは前記第3エリアから離れている。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明の一側面によれば、単極性のキャリアの光学遷移を用いると共に発光機構に縦続的な光学遷移を利用しない半導体レーザが提供される。
図1は、本実施形態に係る半導体レーザを模式的に示す図面である。 図2は、本実施形態に係る半導体レーザのための量子井戸構造及びエネルギー準位を模式的に示す図面である。 図3は、本実施形態に係る半導体レーザの別構造を模式的に示す図面である。 図4は、実施例1に係る量子井戸構造におけるエネルギーレベル及び層構造を模式的に示す図面である。 図5は、本実施形態に係る半導体レーザを作製する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。 図6は、本実施形態に係る半導体レーザを作製する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。 図7は、本実施形態に係る半導体レーザを作製する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。 図8は、実施例2に係る量子井戸構造におけるエネルギーレベル及び層構造を模式的に示す図面である。
引き続き、いくつかの具体例を説明する。
一形態に係る半導体レーザは、(a)第1エリア、第2エリア、及び第3エリアを含む主面を有する基板と、(b)前記主面に交差する第1軸の方向に配列された複数の半導体層を有する量子井戸構造を含み前記第1エリア上に設けられた発光領域と、(c)前記第2エリア上に設けられた第1導電型の第1半導体を有する半導体領域と、(d)前記第1軸の方向に延在する金属体を有し、前記第3エリア上に設けられた電極領域と、を備え、前記第1エリア及び前記第2エリアは、前記第1軸に交差する第2軸の方向に配列され、前記第1エリア及び前記第3エリアは、前記第1軸に交差する第3軸の方向に配列され、前記第2エリアは前記第3エリアから離れている。
この半導体レーザによれば、半導体領域から発光領域に単極性キャリアが供給され、該キャリアは、発光領域において量子井戸構造における上位のエネルギー準位から下位のエネルギー準位への光学遷移により発光に寄与する。下位のエネルギー準位に遷移したキャリアは、電極領域に流れ込む。電極領域の金属体は、第1軸の方向に延在する。第1エリア上の発光領域及び第2エリア上の半導体領域は、第1軸に交差する第2軸の方向に配列されると共に、第1エリア上の発光領域及び第3エリア上の電極領域は、第1軸に交差する第3軸の方向に配列される。この半導体レーザは、発光に際して単極性キャリアの光学遷移を利用すると共に、半導体領域、発光領域及び電極領域の配列は、発光に際して、単極性キャリアのカスケーディング(縦続的な光学遷移)を必要としない。
一形態に係る半導体レーザでは、前記量子井戸構造は、第1井戸層、第2井戸層、第1障壁層、及び第2障壁層を含み、前記第1障壁層は前記第1井戸層を前記第2井戸層から隔てており、前記第1井戸層は前記第1障壁層を前記第2障壁層から隔てている。
この半導体レーザによれば、この量子井戸構造は、上位のエネルギー準位、及び下位のエネルギー準位を単一極性のキャリアに提供することを容易にする。また、この量子井戸構造が、緩和のためのエネルギー準位を更に提供できるときには、緩和のためのエネルギー準位は、上位のエネルギー準位から下位のエネルギー準位に遷移した単極性キャリアが上位のエネルギー準位の緩和時間より小さい時間で緩和することを促進する。
一形態に係る半導体レーザでは、前記発光領域は、前記第1軸の方向に配列された複数の単位セルを含み、前記単位セルは、前記第1井戸層、前記第2井戸層、前記第1障壁層、及び前記第2障壁層を含み、前記第1障壁層の厚さは前記第2障壁層の厚さより小さい。
この半導体レーザによれば、第1障壁層の厚さは第2障壁層の厚さより小さいので、単位セル内の第1井戸層及び第2井戸層が、当該単位セル内の第2障壁層により隔てられる他の井戸層に比べてより密に結合する。
一形態に係る半導体レーザでは、前記量子井戸構造は、前記第1軸の方向に交差する平面に沿って延在する障壁層を含み、前記障壁層の一部又は全部に、ドーパントが添加されている。
この半導体レーザによれば、ドープされた障壁層は、井戸層への注入のために有用である。
一形態に係る半導体レーザは、前記発光領域上に設けられた第1光学クラッド層を備え、前記第1光学クラッド層は、第1部分と第2部分とを有し、前記半導体領域、前記第1部分、前記第2部分、及び前記電極領域は、この順に配列され、前記第1部分の厚さは、前記第2部分の厚さよりも大きい。
この半導体レーザによれば、第1部分の厚さが、第2部分の厚さよりも大きいので、発光領域内をメサ構造に沿って伝搬するレーザ光は、電極領域よりも半導体領域に近い位置にピークを持つ光強度プロファイルを有する。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、半導体レーザ、半導体レーザを作製する方法に係る本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、本実施形態に係る半導体レーザを模式的に示す図面である。半導体レーザ11は、基板13と、発光領域15と、半導体領域17と、電極領域19とを備える。基板13は主面13aを有し、主面13aは、第1エリア13b、第2エリア13c及び第3エリア13dを含む。発光領域15は、基板13の第1エリア13b上に設けられる。発光領域15は量子井戸構造21を含み、量子井戸構造21は、井戸層及び障壁層といった複数の半導体層(21a、21b、21c、21d)を有する。これらの半導体層(21a〜21d)は、主面13aに交差する第1軸Ax1(座標系SのY軸)の方向に配列される。
半導体領域17は、第2エリア13c上に設けられた第1導電型の第1半導体23を有し、発光領域15に接続される。電極領域19は、第3エリア13d上に設けられ、金属体35を有する。金属体35は、第1軸Ax1の方向に延在すると共に、発光領域15に接続される。第1エリア13b及び第3エリア13dは、第1軸Ax1に交差する軸の方向(本実施例では、座標系SのX軸の正の方向)に配列され、第1エリア13b及び第2エリア13cは、第1軸Ax1に交差する軸の方向(本実施例では、座標系SのX軸の負の方向)に配列される。第2エリア13cは、第3エリア13dから離れており、本実施例では、図1に示された断面においては、第1エリア13bが第2エリア13cと第3エリア13dとの間に位置して、第1エリア13bが第2エリア13cを第3エリア13dから隔てている。これにより、半導体領域17及び電極領域19は、互いに分離されて、半導体領域17からのキャリアは発光領域15を介して電極領域19に流れる。
半導体領域17は、発光領域15の側面(側面15b)に接続され、第1導電型のキャリア(電子又は正孔のいずれか一方)を発光領域15に提供する。また、電極領域19は、発光領域15の側面(例えば側面15c)に接続され、第1導電型のキャリア(電子又は正孔のいずれか一方)を発光領域15から受ける。
この半導体レーザ11によれば、第1エリア13b上の発光領域15及び第2エリア13c上の半導体領域17は、第1軸Ax1に交差する第2軸の方向に配列されると共に、第1エリア13b上の発光領域15及び第3エリア13d上の電極領域19は、第1軸Ax1に交差する第3軸の方向に配列される。半導体領域17から発光領域15に単極性キャリアCAEが供給され、該キャリアは、発光領域15の量子井戸構造21における上位のエネルギー準位から下位のエネルギー準位への光学遷移により発光に寄与する。下位のエネルギー準位に遷移したキャリアCACは、電極領域19に流れ込む。半導体領域17、及び電極領域19の金属体35は、発光領域15を介して電気的に接続される。この半導体レーザ11は、発光に際して単極性キャリアの光学遷移を利用すると共に、半導体領域17、発光領域15及び電極領域19の配列は、発光に際して、単極性キャリアのカスケーディング(縦続的な光学遷移)を必要としない。
図2は、本実施形態に係る半導体レーザのための量子井戸構造及びエネルギー準位を模式的に示す図面である。縦方向の座標軸(縦軸)は、キャリアのエネルギーレベルを示し、残り2つの座標軸(横軸)は、空間座標のためのX軸及びY軸を示す。図2を参照した説明は、電子のキャリアについて行われるけれども、この説明は、半導体物理に係る知見に基づき正孔のキャリアに読み替えできる。
図1及び図2に示されるように、発光領域15は、一又は複数の単位セル15aを含み、単位セル15aの各々は、例えば、第1井戸層21a、第2井戸層21b、第1障壁層21c、及び第2障壁層21dを含むことができる。第2障壁層21dは第1井戸層21aを第2井戸層21bから隔てている。第1井戸層21aは第1障壁層21cを第2障壁層21dから隔てている。単位セル15aは、複数のエネルギー準位を提供できるような井戸の深さ(障壁層と井戸層との間のバンドエッジエネルギー差)及び井戸の幅(井戸層の厚さ)を有する井戸構造を備える。
第1井戸層21a、第2井戸層21b、第1障壁層21c、及び第2障壁層21dの配列によれば、量子井戸構造21の単位セル15aが、電子のための上位エネルギー準位E3及び下位エネルギー準位E2を提供でき、また上位エネルギー準位E3及び下位エネルギー準位E2に加えて、電子のための緩和エネルギー準位E1を生成できる。
この半導体レーザ11によれば、図2に示されるように、この量子井戸構造21は、上位エネルギー準位E3、及び下位エネルギー準位E2を単一極性のキャリアに提供することを容易にする。また、この量子井戸構造21が、緩和エネルギー準位E1を更に提供できる場合には、緩和エネルギー準位E1は、上位エネルギー準位E3から下位エネルギー準位E2に遷移した単極性キャリアが、上位エネルギー準位E3の緩和時間より小さい時間で緩和することを促進する。
キャリア(電子)は、発光領域15の積層方向に交差する方向に半導体領域17から発光領域15に注入される。注入された電流は、上位エネルギー準位E3から下位エネルギー準位E2に発光遷移する。この遷移が、レーザ発振波長に相当する。下位エネルギー準位E2に遷移した電子は、緩和エネルギー準位E1に高速に緩和し、緩和エネルギー準位E1から電極領域19に引き抜かれる。このようなエネルギー準位を実現する量子井戸構造21は、キャリアの反転分布の発生を容易にする。
単位セル15aにおける量子井戸ポテンシャル内のキャリアのエネルギーレベルについては、第1井戸層21a、第2井戸層21b、第1障壁層21c及び第2障壁層21dはY軸の方向に配列される。単位セル15aのバンド構造に関しては、Y軸の方向に関するエネルギー準位が量子化されて離散的なエネルギー準位が生成されることに対して、X軸及びZ軸の方向に関するエネルギー準位は量子化されることなく、X軸及びZ軸の面内の方向に係るキャリア伝導が二次元の自由電子のモデルに近似できる伝導機構として理解される。半導体レーザ11では、量子井戸構造のための半導体積層方向(Y軸)の面内方向(X軸及びZ軸による面)にキャリアを流して、発光に寄与する量子化準位(E3、E2)に係る電気伝導を実現する。これに対して、半導体レーザ11と異なる量子カスケード半導体レーザのデバイス構造では、キャリアは、エネルギー準位が量子化された方向、つまり量子井戸構造のための半導体の積層方向に流れる。
複数の単位セル15aは、第1軸Ax1の方向に縦続的に配列されて、発光領域15を構成する。半導体領域17は、第1軸Ax1の方向に交差する方向に、個々の単位セル15aに並列にキャリアを供給する。個々の単位セル15aは、上位のエネルギー準位(E3)へのキャリアの供給と下位のエネルギー準位(E2)への遷移とに応答して並列に発光する。下位のエネルギー準位(E2)のキャリアは、速やかに緩和してエネルギー準位(E1)に遷移する。エネルギー準位(E1)のキャリアは、電極領域19に流れ込む。
積層される単位セル15aにおいては、第2障壁層21dの厚さTB1は第1障壁層21cの厚さTB2より小さいので、単位セル15a内の第1井戸層21a及び第2井戸層21bが、第1障壁層21cにより隣の単位セル15aの井戸層から隔てられると共に、第1井戸層21a及び第2井戸層21bが、隣の単位セル15a内の井戸層に比べて、より密に互いに結合する。単位セル15a毎に、エネルギー準位が生成される。
図1に示されるように、発光領域15は、Z軸の方向に延在するメサ構造MS内に設けられることができる。メサ構造MSは、半導体領域17から電極領域19を隔置している。メサ構造MSは、発光領域15上に設けられた第1光学クラッド層27を備えることができる。第1光学クラッド層27は、第1エリア13b及び発光領域15上に位置しており、発光領域15の平均比抵抗より大きな比抵抗を有している。また、メサ構造MSは、発光領域15と基板13との間に設けられた第2光学クラッド層29を備えることができる。第2光学クラッド層29は、発光領域15の下に位置しており、発光領域15の平均比抵抗より大きな比抵抗を有している。第1光学クラッド層27及び第2光学クラッド層29は、光閉じ込めに加えて電流の狭窄を可能にするので、キャリアが、発光領域15内の半導体層の積層方向に延在する面から(例えば、横方向に)効率よく注入される。第1光学クラッド層27及び第2光学クラッド層29の半導体は、好ましくは絶縁性又は半絶縁性を有する。第1光学クラッド層27及び第2光学クラッド層29の半導体は、キャリアが電子であるときはp型導電性を有してもよい。
キャリアが電子であるとき、第1光学クラッド層27及び第2光学クラッド層29の導電性の組み合わせは、下記の通りである。
(第1光学クラッド層27、第2光学クラッド層29)。
(絶縁性、絶縁性)。
(絶縁性、半絶縁性)。
(絶縁性、p型導電性)。
(半絶縁性、絶縁性)。
(半絶縁性、半絶縁性)。
(半絶縁性、p型導電性)。
(p型導電性、絶縁性)。
(p型導電性、半絶縁性)。
(p型導電性、p型導電性)。
電極領域19は、発光領域15の半導体側面(例えば側面15c)に接触しており、電極領域19は、発光領域15の側面にオーミック接触を成すことができる。
第1光学クラッド層27及び第2光学クラッド層29の屈折率は、発光領域15の平均屈折率より小さい。半導体領域17の屈折率(又は平均屈折率)及び電極領域19の屈折率(又は平均屈折率)は、発光領域15の平均屈折率より小さい。発光領域15において生成された光は、横方向には、半導体領域17及び電極領域19によって光学的に閉じ込められ、また縦方向には、存在する場合には、第1光学クラッド層27及び第2光学クラッド層29によって光学的に閉じ込められる。また、メサ構造MS内において発光領域15は第1光学クラッド層27と第2光学クラッド層29とによって挟まれて、半導体領域17からのキャリアは、発光領域15を介して電極領域19に到達する。
再び図1を参照しながら、半導体レーザ11の具体的ないくつかの構造を説明する。
(構造A)
半導体レーザ11aでは、基板13は、絶縁性又は半絶縁性の主面13aを有している。基板13の主面13aにおける絶縁性又は半絶縁性は、電極領域19を半導体領域17から電気的に分離するために役立つ。基板13の主面13aの第1エリア上には、第2光学クラッド層29、発光領域15及び第1光学クラッド層27が順に配列されている。第2エリア13c上の半導体領域17の第1導電型半導体が、第2光学クラッド層29の側面、発光領域15の側面及び第1光学クラッド層27の側面に接続している。
第3エリア13d上における電極領域19の金属体35は、第1領域35a及び第2領域35bを含み、第1領域35aは第2領域35bに接続される。第1領域35aは、例えば、発光領域15に接続されるように第1軸Ax1の方向に延在する。第1領域35aは、第2光学クラッド層29の側面、発光領域15の側面及び第1光学クラッド層27の側面に接触を成すことができる。第2領域35bは、例えば、基板13の主面13aに沿う方向に延在する。第2領域35bは、基板13の主面13aに接触を成すことができる。
半導体レーザ11aは、半導体領域17上に設けられた第1電極31aを備え、第1電極31aは、半導体領域17の第1導電型半導体にオーミック接触を成す。第2電極31bは、金属体35を含む。矢印(C1)は半導体領域17内におけるキャリアの流れを示し、矢印(C2)は電極領域19内におけるキャリアの流れを示す。
(構造B)
半導体レーザ11bでは、基板13は、絶縁性又は半絶縁性の主面13aを有している。基板13の主面13aの第1エリア上には、第2光学クラッド層29、発光領域15及び第1光学クラッド層27が順に配列されている。第2エリア13c上の半導体領域17は、メサ構造MSの側面に接続される第1半導体層33aと、第1半導体層33a上に設けられた第2半導体層33bを備える。第1半導体層33aは、図2に示されるように、上位エネルギー準位E3に等しい又は高い(キャリア極性に応じた電位の向きに高い)伝導バンドエネルギーを有する半導体を有する。第2半導体層33bは、発光領域15の等価的な屈折率よりも小さい屈折率を有する半導体を備える。第1半導体層33aの伝導バンドエネルギーレベルは、大きな外部印加電圧を必要とせずに、半導体領域17から発光領域15の上位エネルギー準位E3へのキャリア注入を容易にする。
第3エリア13d上における電極領域19の金属体35は、第1領域35a及び第2領域35bを含み、第1領域35aは第2領域35bに接続される。第1領域35aは、例えば、発光領域15に接続されるように第1軸Ax1の方向に延在する。第1領域35aは、第2光学クラッド層29の側面、発光領域15の側面及び第1光学クラッド層27の側面に接触を成すことができる。第2領域35bは、例えば、基板13の主面13aに沿う方向に延在する。第2領域35bは、基板13の主面13aに接触を成すことができる。
半導体レーザ11bは、半導体領域17上に設けられた第1電極31aを備え、第1電極31aは、半導体領域17の第2半導体層33bにオーミック接触を成す。第2電極31bは、金属体35を含む。矢印(C3)は半導体領域17内におけるキャリアの流れを示し、矢印(C4)は電極領域19内におけるキャリアの流れを示す。
(構造C)
半導体レーザ11cでは、基板13は、導電性を有している。半導体領域17を導電性の基板13から絶縁するために、本実施例では、半導体レーザ11cは、アイソレーション領域37を備える。アイソレーション領域37は、基板13の主面13aの第1エリア13b及び第2エリア13c上に設けられる。アイソレーション領域37は、絶縁性又は半絶縁性の半導体を備えており、半導体領域17及び発光領域15を基板13から絶縁する。この構造では、アイソレーション領域37に光学クラッドの役割を付与することができ、可能な場合には、下部クラッド(第2光学クラッド層29)を省略してもよい。基板13の主面13aの第1エリア13b上には、第2光学クラッド層29、発光領域15及び第1光学クラッド層27が順に配列されている。第2エリア13c上の半導体領域17は、メサ構造MSの側面に接続される第1半導体層33aと、第1半導体層33a上に設けられた第2半導体層33bを備える。
第3エリア13d上における電極領域19の金属体35は、第1領域35a及び第2領域35bを含み、第1領域35aは第2領域35bに接続される。第1領域35aは、例えば、発光領域15に接続されるように第1軸Ax1の方向に延在する。第1領域35aは、アイソレーション領域37の側面、第2光学クラッド層29の側面、発光領域15の側面及び第1光学クラッド層27の側面に接触を成すことができる。第2領域35bは、例えば、基板13の主面13aに沿う方向に延在する。第2領域35bは、基板13の主面13aに接触を成すことができる。
半導体レーザ11cでは、第1電極31aが半導体領域17の第2半導体層33b上に設けられる一方、第3電極31cが基板13の裏面13e上に設けられる。第1電極31a及び第3電極31cは、それぞれ、半導体領域17の第2半導体層33b及び基板13の裏面13eの第1導電型半導体にオーミック接触を成す。矢印(C5)は半導体領域17内におけるキャリアの流れを示し、矢印(C6)は基板13及び電極領域19内におけるキャリアの流れを示す。構造Cには、構造Aにおける半導体領域17及び電極領域19の構造を適用することができる。
図3を参照しながら、半導体レーザ11の別の構造Dを説明する。
(構造D)
半導体レーザ11dでは、基板13は、導電性を有している。半導体領域17を導電性の基板13から絶縁するために、本実施例では、半導体レーザ11dは、アイソレーション領域37を備える。アイソレーション領域37は、基板13の主面13aの第1エリア13b及び第2エリア13c上に設けられる。アイソレーション領域37は、絶縁性又は半絶縁性の半導体を備えて、半導体領域17及び発光領域を基板13から絶縁する。この構造では、アイソレーション領域37に光学クラッドの役割を付与することができ、可能な場合には、下部クラッド(第2光学クラッド層29)を省略してもよい。
半導体レーザ11dは、発光領域15上に設けられた第1光学クラッド層28を備え、第1光学クラッド層28は、第1部分28aと第2部分28bとを有している。半導体領域17、第1部分28a、第2部分28b、及び電極領域19は、例えば、基板13の主面13aに沿う方向に、この順に配列される。半導体領域17は、第1部分28aに接触を成し、第2部分28bは電極領域19に接触を成している。第1部分28aの厚さH1は、第2部分28bの厚さH2よりも大きくなっており、第1部分28aの厚さH1は、例えば、2μm〜5μmであり、第2部分28bの厚さH2は、例えば、0.2μm〜2μmである。第1部分28aの幅W1は、例えば、1μm〜5μmであり、第2部分28bの幅W2は、例えば、1μm〜5μmである。この半導体レーザ11dでは、第1部分28aの幅W1が、第2部分28bの幅W2よりも大きく、第1部分28aが半導体領域17に接触を成しているので、発光領域15内をメサ構造MSに沿って伝搬するレーザ光は、電極領域19よりも半導体領域17に近い位置にピークを持つ光強度プロファイルP1を有する。
基板13の主面13aの第1エリア13b上には、第2光学クラッド層29、発光領域15及び第1光学クラッド層28が順に配列されている。第2エリア13c上の半導体領域17は、第1半導体層33aと、第1半導体層33a上に設けられた第2半導体層33bを備える。第1半導体層33aは、第2光学クラッド層29の一側面、発光領域15の一側面及び第1光学クラッド層28の一側面に接続している。電極領域19の金属体35は、第1領域35a及び第2領域35bを含み、第1領域35aは第2領域35bに接続される。第1領域35aは、例えば、発光領域15に接続されるように第1軸Ax1の方向に延在する。第1領域35aは、アイソレーション領域37の側面、第2光学クラッド層29の側面、発光領域15の側面及び第1光学クラッド層28の側面に接触を成すことができる。第2領域35bは、例えば、第1軸Ax1に交差する第3軸の方向に延在する。第2領域35bは、基板13の主面13aにオーミック接触を成すことができる。
半導体レーザ11dでは、第1電極31aが半導体領域17の第2半導体層33b上に設けられる一方、第3電極31cが基板13の裏面13e上に設けられる。第1電極31a及び第3電極31cは、それぞれ、半導体領域17の第1導電型半導体及び基板13の裏面13eの第1導電型半導体にオーミック接触を成す。矢印(C7)は半導体領域17内におけるキャリアの流れを示し、矢印(C8)は基板13及び電極領域19内におけるキャリアの流れを示す。構造Dには、構造Aにおける半導体領域17及び電極領域19の構造を適用することができる。
(実施例1)
図4を参照しながら、量子井戸構造の構造を説明する。引き続く説明では、電子がキャリアとして利用されるが、同様に、正孔がキャリアとして利用されることができる。上位エネルギー準位E3から下位エネルギー準位E2への遷移確率を高めるために、キャリアの引き抜きにより下位エネルギー準位E2上のキャリア密度を下げることが好適である。量子井戸構造21の一例は、複数(例えば2つ)の井戸層(21a、21b)と、これらの井戸層を隔てる一又は複数の障壁層とを備えることが良い。障壁層(21d)は、障壁層(21c)に比べて薄くして、井戸層(21a、21b)内の電子の波動関数がそれぞれ障壁層(21d)を介して井戸層(21b、21a)に浸みだして互いに結合する。この構造を「結合量子井戸」として参照する。結合量子井戸は、障壁層(21d)の中心線(厚さ方向の中心)を基準にして左右に対称な井戸構造を有する。このような構造では、下位エネルギー準位E2よりLOフォノンエネルギーと同程度に低い緩和エネルギー準位E1を形成することができ、上位エネルギー準位E3から下位エネルギー準位E2に発光遷移した電子を速やかにフォノン散乱(共鳴)によって緩和エネルギー準位E1に遷移させることができる。また、結合量子井戸は、上位エネルギー準位E3の波動関数と下位エネルギー準位E2の波動関数との重なりを大きくして、発光遷移確率を増加させ、これによりレーザ利得を増大できる。
結合量子井戸の具体例。
井戸層/障壁層:アンドープInGaAs/アンドープAllnAs。
井戸層(21a)厚:4nm。
内側の障壁層(21d)厚:2nm。
井戸層(21b)厚:4nm。
外側の障壁層(21c)厚:10nm。
発振に係るエネルギー差(上位エネルギー準位E3と下位エネルギー準位E2との差):270meV(発振波長:4.6μm)。
光学利得:96cm−1/period。
Epop(下位エネルギー準位E2と緩和エネルギー準位E1との差):35.6meV。
基板13:InP基板。
また、発光領域が、量子カスケード半導体レーザにおける注入層を必須である構造を必要としない。これ故に、量子井戸構造の設計の自由度が大きい。また、例えば外側の障壁層のAlInAsの厚さも含めた4層の設計において、障壁層には引っ張りの応力を導入しまた井戸層には圧縮の応力を導入する格子の不整合を利用すると共に、引っ張りと圧縮の応力を量子井戸構造の全体として実質的に相殺することによって、良好な結晶性を保ちながら、大きな導電帯バンドギャップ差(深い量子井戸の形成)を形成することができる。これによって、キャリアの漏洩を抑制することによる温度特性の改善、及び発振波長範囲の拡大を提供できる。
半導体レーザの作製方法の概要を説明する。InP基板を準備する。結晶成長は、例えばMBE法もしくはMOCVD法によって行われることができる。図5の(a)部に示されるように、InP基板上に、下部光学クラッド層(第2光学クラッド層)41のために鉄ドープInP層を成長する。鉄ドープInP層上に、例えば上記の4層構造を備える単位セルの積層を有する発光領域42を成長する。発光領域42上に、上部光学クラッド層(第1光学クラッド層)43のために鉄ドープInP層を成長する。これらの工程により、半導体積層40が形成される。
続いて、図5の(b)部に示されるように、半導体積層40の主面上に第1ストライプ構造S1のための第1SiNマスクM1を形成する。第1SiNマスクM1は、第2エリア13c上に開口M1Aを有する。図5の(c)部に示されるように、第1SiNマスクM1を用いて第2エリア13c上の半導体積層40をエッチングして、第1ストライプ構造S1を形成する。第1SiNマスクM1を除去することなく残す。図5の(d)部に示されるように、第1SiNマスクM1を用いて、半導体領域17のための選択成長を行う。半導体領域17の第1半導体層33aのためのSiドープAlInAs層と、この層の上に、第2半導体層33bのためのSiドープInPとを成長して、第1ストライプ構造S1を埋め込む。SiドープAlInAs層の厚さは、電子がトンネル伝導しない程度の厚さ、例えば10nmより大きいことが良い。第1ストライプ構造S1の埋め込みの後、第1SiNマスクM1を除去する。
図6の(a)部に示されるように、第2ストライプ構造S2のための第2SiNマスクM2を半導体領域17上及び半導体積層40上に形成する。第2SiNマスクM2は、第3エリア13d上に開口M2Aを有する。第2SiNマスクM2を用いて、図6の(b)部に示されるように、第3エリア13d上の半導体積層40をエッチングして、第2ストライプ構造S2を形成する。このエッチングを行った後に、第2SiNマスクM2を除去する。図6の(c)部に示されるように、第1電極31a及び金属体35を形成するための樹脂マスクM3を設ける。樹脂マスクM3は、第2エリア13c上に第1電極31aのための開口M3Aを有し、第1エリア13b上及び第3エリア13d上に金属体35のための開口M3Bを有する。図6の(d)部に示されるように、樹脂マスクM3を用いて、第1電極31a及び金属体35は、例えば、蒸着及びリフトオフにより作製される。リフトオフの後、基板生産物SP1が作製される。
このように作製された基板生産物SP1を所望の厚さに裏面研磨して、さらに劈開によりレーザバーを形成する。必要な場合には、図5の(d)部に示される工程において、半導体領域のInPとAlInAsの間にInPの材料とAlInAsの材料の間のバンドギャップの中間的なバンドギャップを有する半導体を成長して、例えばInP/AlGaInAs/AlInAsの積層を形成することができる。この追加の半導体層は、ヘテロ障壁を低減でき、より低電圧での駆動を実現する。
図7を参照しながら、図3に示されるような第1光学クラッド層28の第1部分28aに比べて厚さが小さい第2部分28bを備える半導体レーザを作製する方法を説明する。図5の(a)部から図5の(d)部までに示される工程を行って、第1ストライプ構造S1が埋め込まれた構造を形成して第1SiNマスクM1を除去した後、図7の(a)部に示されるように、SiNマスクMKを半導体領域17上及び半導体積層40上に形成する。SiNマスクMKは、第1エリア13b上と第3エリア13d上とに単一の開口MAを有する。SiNマスクMKを用いて、第2部分28bのための第1エリア13b上及び第3エリア13d上における上部光学クラッド層(第1光学クラッド層)43の厚さを小さくするようにエッチングを行う。このエッチングの後、SiNマスクMKを除去する。図7の(b)部に示されるように、第2SiNマスクM2Pを形成する。第2SiNマスクM2Pは、第3エリア13d上に開口M2Aを有する。第2SiNマスクM2Pを用いて、第3エリア13d上の半導体積層40をエッチングして、第2ストライプ構造S2Pを形成する。このエッチングを行った後に、第2SiNマスクM2Pを除去する。
図7の(c)部に示されるように、第1電極31a及び金属体35を形成するための樹脂マスクM3Pを形成する。樹脂マスクM3Pは、第2エリア13c上に第1電極31aのための開口M3Cを有し、第1エリア13b上及び第3エリア13d上に金属体35のための開口M3Dを有する。図7の(d)部に示されるように、樹脂マスクM3Pを用いて、第1電極31a及び金属体35は、例えば、蒸着及びリフトオフにより作製される。リフトオフの後、基板生産物SP2が作製される。本実施例では、基板生産物SP2を所望の厚さに裏面研磨して、さらに劈開によりレーザバーを形成する。
導電性の半導体基板を用いる半導体レーザの製造方法では、InP基板上に半絶縁InPを成長し、その後に、フォトリソグラフィ及びエッチングを用いてアイソレーション領域を形成する。この後に、メサ構造のための半導体成長を行うことにより、既に説明した手順に従って、導電性半導体基板上に半導体レーザを作製できる。
(実施例2)
図8に示されるように、量子井戸構造の障壁層の少なくとも一部に、キャリアの極性と同じ極性のドーパントを添加することができる。この添加により、両井戸層への注入効率を改善できる。例えば、10nm厚のAlInAs障壁層において、井戸層に接する薄層領域21ca、21ccをアンドープにすると共に、これらの間にドーパント添加の薄層領域21cbを設けることができる。ドーピング濃度は自由キャリア吸収による損失を低減するために1017cm−3程度又はそれ以下であることが良い。このドーパント添加の薄層領域は、発光領域の半導体積層における面内方向の導電性を高めることができ、半導体領域から面内の方向に離れた位置において井戸層にキャリアを提供できる。
本実施形態に係る半導体レーザは、注入されたキャリアが量子井戸層の面内方向と平行な方向に輸送される点で量子カスケード半導体レーザとは異なっており、量子カスケード半導体レーザに内在するヘテロ障壁を備えない。これ故に、本実施形態に係る半導体レーザは、低電圧で駆動可能である。また、量子井戸構造21を多重化することに起因して、動作電圧が上昇することなく、量子井戸構造21を多重化することによって大きなレーザ利得を得ることができる。また、本実施形態に係る半導体レーザは、量子カスケード半導体レーザにおけるトンネル輸送による損失の発生無しであって、これ故に、量子カスケード半導体レーザに比して大幅な消費電力の低減が図れる。
本実施形態の構造は、電流が流れる方向に量子カスケード半導体レーザのように多段の量子井戸間にカスケードのために設けられる注入層を備えないので、電流注入側(エミッタ)と引き抜き側(コレクタ)の2つの電極間での電圧降下は、発振波長のエネルギーに係る電圧降下と当該素子の直列抵抗による電圧降下とを加えたものになる。光学利得を高めるために、発光領域内の量子井戸構造の単位セルは多重に積層する構造を採用するけれども、この積層の数と共に増大する電圧上昇は、本実施形態の構造における動作機構上発生せず、素子の動作電圧が大幅に低減される。
量子カスケード半導体レーザは、発光のための単位セルの縦続的な積層とこの積層方向へのキャリア注入とを用いるので、量子カスケード半導体レーザにおけるキャリア注入層におけるキャリア損失が生じる。一方、本実施形態に係る素子構造はキャリア注入層を必要とせずに、キャリア注入層におけるキャリア損失が生じない。本実施形態に係る素子構造では、発光層の積層構造に係る設計自由度が大きくなって、デバイスの特性の改善、具体的には閾値電流、動作電圧及び消費電力の低減が可能となると共に、大きな段差のないプレーナデバイスとしてウエハ上面から電極を構成できることから、他のデバイスとの集積化やアレー化などといった機能の拡大も可能となる。さらに、キャリア注入層がないために、発光層のエピ層厚を低減できると共に、エピ成長後にフォトルミネッセンスなどによる非破壊の光学特性の評価が可能となるために、製造時間の短縮、コストの低減にも寄与する。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
以上説明したように、本実施形態によれば、単極性のキャリアの光学遷移を用いると共に発光機構に縦続的な光学遷移を利用しない半導体レーザが提供される。
Ax1…第1軸、11…半導体レーザ、13…基板、13a…主面、13b…第1エリア、13c…第2エリア、13d…第3エリア、15…発光領域、15a…単位セル、17…半導体領域、19…電極領域、21…量子井戸構造、21a…第1井戸層、21b…第2井戸層、21c…第1障壁層、21d…第2障壁層、27、28…第1光学クラッド層、28a…第1部分、28b…第2部分、35…金属体、E3…上位エネルギー準位、E2…下位エネルギー準位、E1…緩和エネルギー準位。

Claims (5)

  1. 半導体レーザであって、
    第1エリア、第2エリア、及び第3エリアを含む主面を有する基板と、
    前記主面に交差する第1軸の方向に配列された複数の半導体層を有する量子井戸構造を含み前記第1エリア上に設けられた発光領域と、
    前記第2エリア上に設けられた第1導電型の第1半導体を有する半導体領域と、
    前記第1軸の方向に延在する金属体を有し、前記第3エリア上に設けられた電極領域と、
    を備え、
    前記第1エリア及び前記第2エリアは、前記第1軸に交差する第2軸の方向に配列され、
    前記第1エリア及び前記第3エリアは、前記第1軸に交差する第3軸の方向に配列され、
    前記第2エリアは前記第3エリアから離れている、半導体レーザ。
  2. 前記量子井戸構造は、第1井戸層、第2井戸層、第1障壁層、及び第2障壁層を含み、
    前記第1障壁層は前記第1井戸層を前記第2井戸層から隔てており、
    前記第1井戸層は前記第1障壁層を前記第2障壁層から隔てている、請求項1に記載された半導体レーザ。
  3. 前記発光領域は、前記第1軸の方向に配列された複数の単位セルを含み、
    前記単位セルは、前記第1井戸層、前記第2井戸層、前記第1障壁層、及び前記第2障壁層を含み、
    前記第1障壁層の厚さは前記第2障壁層の厚さより小さい、請求項2に記載された半導体レーザ。
  4. 前記量子井戸構造は、前記第1軸の方向に交差する平面に沿って延在する障壁層を含み、前記障壁層の一部又は全部に、ドーパントが添加されている、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載された半導体レーザ。
  5. 前記発光領域上に設けられた第1光学クラッド層を備え、
    前記第1光学クラッド層は、第1部分と第2部分とを有し、
    前記半導体領域、前記第1部分、前記第2部分、及び前記電極領域は、この順に配列され、
    前記第1部分の厚さは、前記第2部分の厚さよりも大きい、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された半導体レーザ。
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