JP2018025503A - 液面レベル計測装置及び液面レベル計測の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストやハードウェア物量を抑制し、アナログ回路ベースの構成に異常が発生した場合、速やかに確実に検知することができる液面レベル計測技術を提供する。
【解決手段】液面レベル計測装置の判定部30が、第1熱電対の群の出力信号VA kの各々をアナログ量のまま入力する入力部33と、第1熱電対の検出点15が気相又は液相のいずれに位置するか識別した第1識別信号SA k[k=0〜n]を出力する気液識別部37と、第2熱電対の群に由来する第2識別信号SB kを入力し高さ位置が対応する第1識別信号SA kと照合し両者が一致するか否かを示す照合信号WA kを出力する照合部52とから構成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】液面レベル計測装置の判定部30が、第1熱電対の群の出力信号VA kの各々をアナログ量のまま入力する入力部33と、第1熱電対の検出点15が気相又は液相のいずれに位置するか識別した第1識別信号SA k[k=0〜n]を出力する気液識別部37と、第2熱電対の群に由来する第2識別信号SB kを入力し高さ位置が対応する第1識別信号SA kと照合し両者が一致するか否かを示す照合信号WA kを出力する照合部52とから構成されている。
【選択図】 図2
Description
本発明の実施形態は、原子炉設備に収容された液体の液面レベルを計測する技術に関する。
使用済み燃料貯蔵プールでは、水による放射線の遮へい効果を確保するため、所定の基準レベル、例えば使用済み燃料集合体の長さの2倍強程度よりも、液面レベルが低下しないように監視運用している。
従来における使用済み燃料貯蔵プールの液面レベルは、プール上端部にフロート式レベルスイッチを設置して計測していた。また、このフロート式レベルスイッチとは別個に設置された温度計により、プール水の温度計測をしていた。
従来における使用済み燃料貯蔵プールの液面レベルは、プール上端部にフロート式レベルスイッチを設置して計測していた。また、このフロート式レベルスイッチとは別個に設置された温度計により、プール水の温度計測をしていた。
使用済み燃料貯蔵プールは、その上部に燃料交換用のクレーンが配置され、プール上面全体を移動するために、液面レベル計の設置スペースが非常に限られている。また、プール水の漏えい防止の観点から、プール壁面部に貫通孔を設けることができず、液面レベル計として一般的な差圧方式を採用することができない。さらに燃料貯蔵プール内に異物が落下すると取り出しが困難であるため、プール内への異物混入防止対策も考慮しなければならない。
このような事情の下、熱電対における二つのうち一方の接合点の近傍にヒータを配置して液面レベルを検知するセンサが提案されている。この技術によれば、水相と気相の熱拡散率が相違するために、二つの接合点の温度差(起電力差)に基づいて、センサ部が水相又は気相のいずれに位置しているかを判断する。
使用済み燃料貯蔵プールにおいては、冷却機能が長期間停止して給水ができなくなると、使用済み燃料の放熱で水温が上昇して沸騰し、蒸発により液面レベルが低下する。このように液面レベルが低下すると、放射線の遮へい効果が減少して放射線環境が悪化する。そこで、液面レベルが所定の基準レベルより下がった場合は、この液面レベルを正確に把握して放射線環境の安全性を評価することが求められている。
一方で各種センサの出力信号をデジタル処理することは、システムがソフト制御されることになるために、原子力設備における不測の事態に対する脆弱性が懸念される。このため、容器に保持した液体が沸騰して液面レベルが低下するような事態になっても、アナログ処理のみで液面レベルを確実に検知する技術が提案されている。
ところで、原子力プラントの計装制御系は、万一異常が発生した場合に原子炉の安全を担う安全系とその他の常用系とに大別される。そして安全系は、信頼性と安全性に関する厳しい規制が適用されている。
具体的に安全系は、常用系から物理的かつ電気的に分離され常用系の異常が影響しないように、かつ多重化して構成され単一の故障による全体機能の喪失が防止されるように、設計されることが要求されている。
具体的に安全系は、常用系から物理的かつ電気的に分離され常用系の異常が影響しないように、かつ多重化して構成され単一の故障による全体機能の喪失が防止されるように、設計されることが要求されている。
使用済み燃料貯蔵プールに設置される液面レベル計測装置は、安全系に区分される場合や、常用系に区分されても安全系に相当する品質管理が要求される場合がある。
いずれも場合も、デジタル処理の脆弱性を避ける観点から、アナログ回路ベースの技術を採用するのが合理的である。そして、このアナログ回路ベースの多重化は、同期処理に難があるため非同期型が一般的である。
いずれも場合も、デジタル処理の脆弱性を避ける観点から、アナログ回路ベースの技術を採用するのが合理的である。そして、このアナログ回路ベースの多重化は、同期処理に難があるため非同期型が一般的である。
しかし現行において、複数のセンサとアナログ回路ベースとで構成された液面レベル計測装置は、コストやハードウェア物量の制約から、出力結果の確度に関する診断機能が十分に備わっていない課題があった。
特に安全系に求められる品質として、ヒータ及びその制御回路等の故障もしくは異常は、厳重に監視されることが求められる。そして、緊急時において使用済み燃料貯蔵プールの液面レベル計測で発生した異常は、速やかに検出され運転員に通知される必要がある。
特に安全系に求められる品質として、ヒータ及びその制御回路等の故障もしくは異常は、厳重に監視されることが求められる。そして、緊急時において使用済み燃料貯蔵プールの液面レベル計測で発生した異常は、速やかに検出され運転員に通知される必要がある。
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、コストやハードウェア物量を抑制し、アナログ回路ベースの構成に異常が発生した場合、速やかに確実に検知することができる液面レベル計測技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る液面レベル計測装置において、ヒータと対をなして異なる高さ位置に配置される複数の第1熱電対の群の出力信号の各々をアナログ量のまま入力する入力部と、前記ヒータの発熱に伴って変化する前記出力信号に基づいて、前記第1熱電対の検出点が気相又は液相のいずれに位置するか識別した第1識別信号を出力する気液識別部と、前記第1熱電対の群と対応する高さ位置に配置された複数の第2熱電対の群に由来する第2識別信号を入力し、前記高さ位置が対応する前記第1識別信号と照合し、両者が一致するか否かを示す照合信号を出力する照合部と、を備えている。
本発明の実施形態により、コストやハードウェア物量を抑制し、アナログ回路ベースの構成に異常が発生した場合、速やかに確実に検知することができる液面レベル計測技術が提供される。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1(A)は、各実施形態に係る液面レベル計測装置20(20A,20B)が適用された使用済み燃料プール1を示している。図示される装置20A及び装置20Bは、互いに同じ構成を有し、使用済み燃料プール1に収容されるプール水の液面レベル計測の多重化(二重化)を実現している。
使用済み燃料プール1には、複数の使用済み燃料集合体3を収納するラック2が配置されている。さらに、使用済み燃料プール1には、使用済み燃料集合体3の崩壊熱により昇温するプール水4を冷却する循環冷却器(図示略)が配置されている。
図1(A)は、各実施形態に係る液面レベル計測装置20(20A,20B)が適用された使用済み燃料プール1を示している。図示される装置20A及び装置20Bは、互いに同じ構成を有し、使用済み燃料プール1に収容されるプール水の液面レベル計測の多重化(二重化)を実現している。
使用済み燃料プール1には、複数の使用済み燃料集合体3を収納するラック2が配置されている。さらに、使用済み燃料プール1には、使用済み燃料集合体3の崩壊熱により昇温するプール水4を冷却する循環冷却器(図示略)が配置されている。
そして例えば、使用済み燃料集合体3の長さa=約4.5m、ラック2の高さb=約5mの場合、深さd=約12m程度の使用済み燃料プール1が必要となり、基準レベルc=約11mとなるようにプール水4の液面レベルが維持されている。これにより、使用済み燃料集合体3から放出される高レベルの放射線は、プール水4に遮られ使用済み燃料プール1から外部漏洩することが抑制される。
使用済み燃料プール1には、複数のプローブ10k[k=0〜n]が、その先端部分を高さ方向に間隔を空けて配置されている。
使用済み燃料プール1には、複数のプローブ10k[k=0〜n]が、その先端部分を高さ方向に間隔を空けて配置されている。
図1(B)に示すようにプローブ10kは、熱電対13及びその検出点15の近傍に配置されるヒータ14を封入した封入管11で構成されている。熱電対13は、銅−コンスタンタン熱電対の素線を、先端が閉じられているシース管12に収容したものである。そして、この熱電対13の素線とシース管12の間には、絶縁材として酸化マグネシウムが充填されている。
検出点15において、銅の素線とコンスタンタンの素線とが溶接されている。そして、これら熱電対13の素線の反対端は熱電対端子台21(21A,21B)に導かれ、この反対端で検出される熱起電力に基づいて、判定部30(30A,30B)で検出点15の周辺温度が計測される。
検出点15において、銅の素線とコンスタンタンの素線とが溶接されている。そして、これら熱電対13の素線の反対端は熱電対端子台21(21A,21B)に導かれ、この反対端で検出される熱起電力に基づいて、判定部30(30A,30B)で検出点15の周辺温度が計測される。
使用済み燃料プール1の深い位置におけるプール水4の液面レベルを検出するためには、熱電対13の素線を長い状態で施設する必要がある。しかしこの場合、熱電対13の素線に大きな負荷がかかるために、素線そのものに優れた機械的特性が求められる。さらに熱電対13の素線が長くなる程に、検出される熱起電力のノイズも大きくなるために、S/N比を稼ぐために熱起電力の大きな熱電対を採用する必要がある。
銅−コンスタンタン熱電対13の素線は、一般的に使用されているクロメルアルメル熱電対と比較して、大きな熱起電力が得られ、低温測定に適する点において優れるが、機械的特性において劣る。そこで、熱電対13としてシース式の銅−コンスタンタン熱電対を採用して、機械的強度を確保することとした。
このシース式の銅−コンスタンタンの熱電対13は、引張加工前の銅−コンスタンタン熱電対の素線を、引張加工前のシース管12に挿入した状態で、両者を同時に引張加工することにより製造される。シース管12に収納されているため、銅−コンスタンタン熱電対13の素線に過剰な負荷が付与されることのない、長尺の熱電対13を作成することができる。
封入管11は、内部に熱電対13及びヒータ14を収容し、さらに熱伝導度の高い酸化マグネシウムで充填され、外側はプール水4(液相)や大気(気相)に接する。熱電対13は、この封入管11及び酸化マグネシウムを介してプール水4(液相)や大気(気相)の温度を計測し、ヒータ14からの熱エネルギーは、この酸化マグネシウム及び封入管11を通過してプール水4(液相)や大気(気相)に放出される。
このように構成されるプローブ10kの熱電対13からmVオーダーの電圧信号Vk[k=0〜n]が出力される。ヒータ14に電流を流して発生させたジュール熱は、プローブ10k[k=0〜n]の検出点15の周囲が気相であるか液相であるかによって熱拡散率が異なるために、それぞれの熱電対13が出力する電圧信号Vkに違いを生じさせる。
熱電対端子台21(21A,21B)は、プローブ10k[k=0〜n]に設けられる各々の熱電対の素線の終端が接続され、この終端から出力される微弱な電圧信号Vkを判定部30(30A,30B)の各々に出力する。
ヒータ端子台22(22A,22B)は、選定されたプローブ10k[k=0〜n]に配置されるヒータ14の終端が接続され、ヒータ14にジュール熱を発生させるための電力供給を判定部30から受ける。
ヒータ端子台22(22A,22B)は、選定されたプローブ10k[k=0〜n]に配置されるヒータ14の終端が接続され、ヒータ14にジュール熱を発生させるための電力供給を判定部30から受ける。
(第1実施形態)
図2に基づいて第1実施形態に係る液面レベル計測装置を構成する判定部30(30A,30B)を説明する。なお、対をなして構成される判定部30A及び判定部30Bは、互いに共通の構成を有し連携している。
ここで説明の便宜上、液面レベル計測装置20A側に由来するものの名称の頭に「第1」を付記し、液面レベル計測装置20B側に由来するものの名称の頭に「第2」を付記することにする。
また、第1実施形態に係る液面レベル計測装置20(20A,20B)は、判定部30の内部構成も含め、電気回路は全てアナログ系回路で構成されている。
図2に基づいて第1実施形態に係る液面レベル計測装置を構成する判定部30(30A,30B)を説明する。なお、対をなして構成される判定部30A及び判定部30Bは、互いに共通の構成を有し連携している。
ここで説明の便宜上、液面レベル計測装置20A側に由来するものの名称の頭に「第1」を付記し、液面レベル計測装置20B側に由来するものの名称の頭に「第2」を付記することにする。
また、第1実施形態に係る液面レベル計測装置20(20A,20B)は、判定部30の内部構成も含め、電気回路は全てアナログ系回路で構成されている。
判定部30Aは、ヒータ14と対をなして異なる高さ位置に配置される複数の第1熱電対13の群の出力信号VA k[k=0〜n]の各々をアナログ量のまま入力する入力部33と、ヒータ14の発熱に伴って変化する出力信号VA k[k=0〜n]に基づいて第1熱電対の検出点15が気相又は液相のいずれに位置するか識別した第1識別信号SA k[k=0〜n]を出力する気液識別部37と、これら第1熱電対13の群と対応する高さ位置に配置された複数の第2熱電対13の群に由来する第2識別信号SB k[k=0〜n]を入力し高さ位置が対応する第1識別信号SA k[k=0〜n]と照合し両者が一致するか否かを示す照合信号WA k[k=0〜n]を出力する照合部52とから構成されている。
なお判定部30Bについては、判定部30Aと同一の構成を有し、「第1」及び「第2」並びに「A」及び「B」を入れ替えることで、判定部30Aに対する説明が援用される。
なお判定部30Bについては、判定部30Aと同一の構成を有し、「第1」及び「第2」並びに「A」及び「B」を入れ替えることで、判定部30Aに対する説明が援用される。
熱供給制御部32は、操作端末(図示略)から液面レベル計測の開始命令であるトリガ信号Tを受信すると、選定されたプローブ10のヒータ14に対し所定期間だけ熱エネルギーを供給する。さらに熱供給制御部32は、気液識別部37に対して、熱エネルギーがヒータ14に供給されたタイミング情報を通知する。
トリガ信号Tは、運転員が任意のタイミングで発信させることができる場合の他に、タイマー機能を用いて所定の時間間隔で自動的に発信させることができる。
トリガ信号Tは、運転員が任意のタイミングで発信させることができる場合の他に、タイマー機能を用いて所定の時間間隔で自動的に発信させることができる。
入力部33は、図1に示すプローブ10k[k=0〜n]の各々から、熱電対端子台21を介して、熱電対13の群の出力信号VA k[k=0〜n]をアナログ量のまま入力する。
信号処理部34は、これら出力信号VA k[k=0〜n]を増幅したり温度に対応する電圧信号に変換したりするものである。
信号処理部34は、これら出力信号VA k[k=0〜n]を増幅したり温度に対応する電圧信号に変換したりするものである。
気液識別部37Aは、ヒータ14の発熱に伴って変化する出力信号VA k[k=0〜n]に基づいて第1熱電対の検出点15が気相又は液相のいずれに位置するか識別した第1識別信号SA k[k=0〜n]を出力する。
具体的には、熱供給制御部32からのヒータ発熱のタイミング情報の受信時を基準として、熱電対の出力信号増加量ΔVを検出し、この出力信号増加量ΔVを予め設定した閾値と対比する。
具体的には、熱供給制御部32からのヒータ発熱のタイミング情報の受信時を基準として、熱電対の出力信号増加量ΔVを検出し、この出力信号増加量ΔVを予め設定した閾値と対比する。
プローブ10の先端が気相に露出している場合、ヒータ14から供給された熱エネルギーは、熱拡散率が小さい気相に拡散しないために、熱電対の検出点15の周辺温度を大きく上昇させる。この場合、検出された熱電対の出力信号増加量ΔVの値は、大きく上昇して閾値を超えて、「気相」を表す第1識別信号SA kが出力される。
そして、プローブ10の先端が液相に浸漬している場合、ヒータ14から供給された熱エネルギーは、熱拡散率が大きい液相に拡散するために、熱電対の検出点15の周辺温度はあまり上昇しない。この場合、検出された熱電対の出力信号増加量ΔVの値は、ほとんど上昇せず閾値を超えることはなく、「液相」を表す第1識別信号SA kが出力される。
なお、第1識別信号SA kの情報は、次の計測開始命令であるトリガ信号Tが発信されるまで、気液識別部37の内部で保持される。
なお、第1識別信号SA kの情報は、次の計測開始命令であるトリガ信号Tが発信されるまで、気液識別部37の内部で保持される。
そして全てのプローブ10k[k=0〜n]に対応する第1識別信号Sk[k=0〜n]の「気相」「液相」に関する結果は表示部38に表示され、「気相」及び「液相」の境界位置に基づいて、液面レベルがプラント運転員に通知・確認される。
ここで表示部38は、伝送される信号毎に独立に設けられたアナログメータの集合体である。第1識別信号SA k[k=0〜n]の状態を表示するアナログメータは、入力した第1識別信号SA kの電力で駆動する。
ここで表示部38は、伝送される信号毎に独立に設けられたアナログメータの集合体である。第1識別信号SA k[k=0〜n]の状態を表示するアナログメータは、入力した第1識別信号SA kの電力で駆動する。
分離回路部50Aは、図3に示すように、気液識別部37Aから照合部52Aに識別信号SA k[k=0〜n]を伝送する電気回路の各々をON/OFFする複数の接点56から構成される。
このような分離回路部50は、電磁作用により機械的に接点を開閉させるメカニカルリレーの他に、MOS FETリレーやソリッドステートリレー等のように半導体素子を電子的に操作させるもの等が挙げられる。
このような分離回路部50は、電磁作用により機械的に接点を開閉させるメカニカルリレーの他に、MOS FETリレーやソリッドステートリレー等のように半導体素子を電子的に操作させるもの等が挙げられる。
分離回路部50は、液面レベル計測を実施する際、ON設定となる。そして分離回路部50がOFF設定となる場合、多重化(二重化)に構成される液面レベル計測装置20A,20Bは、互いに電気的に分離される。
なお分離回路部50の設定が、ON/OFFのいずれの状態にあるかについては、表示部38(図2)に独立に設けられたアナログメータにより識別することができる。
なお分離回路部50の設定が、ON/OFFのいずれの状態にあるかについては、表示部38(図2)に独立に設けられたアナログメータにより識別することができる。
このように、分離回路部50が設けられることにより、多重化構成した液面レベル計測装置20A,20Bを電気的に切り分けることができる。これにより、特に気液識別部37Aにおいて、相手方の液面レベル計測装置20Bからもたらされる電気的外乱の影響を排除して、出力される第1識別信号SA k[k=0〜n]の信頼性を向上させることができる。
さらに、分離回路部50が設けられることにより、照合部52及びこれに接続する表示部38のメータを常用系として扱うことが可能になる。そうした場合、照合部52及びこれに接続する表示部38のメータを、判定部30の構成から外して、デジタル処理を適用してプロセッサや画像表紙装置などを用いた多彩なHMIを導入することも可能となる。
なお、上述したように多重化構成した液面レベル計測装置20A,20Bを電気的に切り離す必要性がない場合、液面レベル計測装置の判定部30に、分離回路部50を設けない構成も取り得る。
照合部52Aは、図3に示すように、プローブ10k[k=0〜n]の数に対応するn個の照合子53k[k=0〜n]を有している。各々の照合子53k[k=0〜n]は、プローブ10k[k=0〜n]の高さ位置が対応する第1識別信号SA k[k=0〜n]及び第2識別信号SB k[k=0〜n]を入力し、両者を照合し一致するか否かを示す照合信号WA k[k=0〜n]を出力する。
つまり、一方の液面レベル計測装置20Aの照合部52Aは、多重化(二重化)を構成する相手方の液面レベル計測装置20Bから第2識別信号SB k[k=0〜n]を入力し、プローブ10k[k=0〜n]の高さ位置が対応する者同士で、第1識別信号SA k[k=0〜n]と照合する。
なお照合部52Aは、第1識別信号SA k[k=0〜n]を入力した後、分離回路部50Aが閉設定から開設定に切り替わると、この第1識別信号SA k[k=0〜n]の情報を保持する機能を有する。同様に照合部52Aは、多重化の相手方の照合部52Bから入力した第2識別信号SB k[k=0〜n]の情報も、分離回路部50Bが閉設定から開設定に切り替わった後で、保持する機能を有する。
つまり、判定部30A,30Bは、アナログ回路で構成されているために、それぞれから出力される第1識別信号SA k[k=0〜n]及び第2識別信号SB k[k=0〜n]は、各々の照合部52A,52Bに入力するタイミングが一致しない非同期である。
つまり、判定部30A,30Bは、アナログ回路で構成されているために、それぞれから出力される第1識別信号SA k[k=0〜n]及び第2識別信号SB k[k=0〜n]は、各々の照合部52A,52Bに入力するタイミングが一致しない非同期である。
そこで、第1識別信号SA k及び第2識別信号SB kのうち少なくとも先に入力したものを照合部52で保持し、後からの入力を待って照合信号WA k[k=0〜n]を出力する。
なお、この第1識別信号SA k及び第2識別信号SB kを保持する機能は、分離回路部50の設定切替等により、両方の信号の入力がそろうまでにいずれか一方の供給が遮断されてしまう場合に有効である。よって、第1識別信号SA k及び第2識別信号SB kが照合部52にそろって入力する時間が十分に存在する場合は、特に信号の保持機能を設ける必要はない。
なお、この第1識別信号SA k及び第2識別信号SB kを保持する機能は、分離回路部50の設定切替等により、両方の信号の入力がそろうまでにいずれか一方の供給が遮断されてしまう場合に有効である。よって、第1識別信号SA k及び第2識別信号SB kが照合部52にそろって入力する時間が十分に存在する場合は、特に信号の保持機能を設ける必要はない。
照合信号WA k[k=0〜n]の各々は、表示部38に個別に設けられたアナログメータに送られ、照合結果を認識することができる。そして、全ての照合信号WA k[k=0〜n]のうち、いずれか一つでも照合結果が一致しないものがあれば、異常発生を知らせる警報出力部39を起動し、プラント運転員に通知する。
なお、実施形態において液面レベル計測装置20A及び液面レベル計測装置20Bは、相互に照合信号WA k,WB k[k=0〜n]を出力する場合を例示している。両者が出力する照合信号WA k,WB k[k=0〜n]は、当然一致しているので、多重化(二重化)を構成する相手方の液面レベル計測装置20Bの構成から照合部52Bを省略する場合もある。
液面レベル計測装置20A,20Bは、ともに同じ液面レベルを計測しているので、照合信号WA k[k=0〜n]のうち、いずれか一つでも照合結果が一致しないものがあれば、少なくとも一方に何等かの異常が発生したと判断できる。
運転員は、表示部38から認識される不一致情報から、液面レベル計測装置20A,20Bの異常発生個所を特定することができる。ただし液面レベルの状態が、過渡的である場合またはレベル判定閾値近くにある場合などは、一時的に照合結果が一致しない場合も生じうる。そのような、異常ではない不一致検出を回避するために、照合部52は、照合信号WA k,WB k[k=0〜n]を出力する待機時間や判定猶予機能等を備える場合がある。
運転員は、表示部38から認識される不一致情報から、液面レベル計測装置20A,20Bの異常発生個所を特定することができる。ただし液面レベルの状態が、過渡的である場合またはレベル判定閾値近くにある場合などは、一時的に照合結果が一致しない場合も生じうる。そのような、異常ではない不一致検出を回避するために、照合部52は、照合信号WA k,WB k[k=0〜n]を出力する待機時間や判定猶予機能等を備える場合がある。
(第2実施形態)
次に図4を参照して本発明における第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る液面レベル計測装置の判定部30(30A,30B)は、第1実施形態の構成に送受信部54を追加した構成を有している。なお、図4において図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
次に図4を参照して本発明における第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る液面レベル計測装置の判定部30(30A,30B)は、第1実施形態の構成に送受信部54を追加した構成を有している。なお、図4において図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
液面レベル計測装置20A側の送受信部54Aは、照合部52Aから第1識別信号SA k[k=0〜n]を取得し第1伝送信号KA k[k=0〜n]に変換したのちに外部送信するとともに、第2伝送信号KB k[k=0〜n]を受信し第2識別信号SB k[k=0〜n]に変換したのちに照合部52Aに入力させるものである。
つまり、送受信部54Aは、液面レベル計測装置20Aの構成要素として、例外的にデジタル処理を実行するものである。第1伝送信号KA k[k=0〜n]及び第2伝送信号KB k[k=0〜n]は、有線又は無線で送受信部54A,54Bの間を伝送する。
なお送受信部54Bについては、「第1」及び「第2」並びに記号「A」及び記号「B」を入れ替えることで、送受信部54Aに対する説明が援用される。
なお送受信部54Bについては、「第1」及び「第2」並びに記号「A」及び記号「B」を入れ替えることで、送受信部54Aに対する説明が援用される。
第2実施形態によれば、照合部52A,52B同士をケーブルで接続する必要がなくなり、ケーブル敷設コストを最小限に抑えることができ、システムの配置やレイアウトに自由度を付加することができる。
さらに、第1実施形態において第1識別信号SA k[k=0〜n]に関する情報を、伝送信号KA kとして送受信部54Aから表示部38又は警報出力部39に直接入力させることができる。これにより、監視方法の多様性が広がる。
さらに、第1実施形態において第1識別信号SA k[k=0〜n]に関する情報を、伝送信号KA kとして送受信部54Aから表示部38又は警報出力部39に直接入力させることができる。これにより、監視方法の多様性が広がる。
以上の説明において、同一構成を有する二つの液面レベル計測装置20A,20Bによる二重化を説明したが、三つ以上で構成される多重化も実現することができる。さらに、実施形態で説明した多重化方式に、さらに熱電対−ヒータ方式とは異なる方式(例えば、超音波方式、フロート方式)で得られた水位レベル計測結果をさらに照合することにより、液面レベル計測装置20の異常の有無を検証する場合もある。
さらに、第1識別信号SA k[k=0〜n]と第2識別信号SB k[k=0〜n]との照合結果が一致しても、高さ方向に沿う「気相」及び「液相」の識別結果の順番が明らかに異常であれば、異常を示す照合信号WA k[k=0〜n]が出力される。
また、実施形態に係る液面レベル計測装置20は、使用済み燃料プール1に適用する例を示したが、原子炉設備のその他の液体保持容器(例えば、原子炉圧力容器、サプレッションチャンバ等)の液面レベルの計測に採用することもできる。
また、実施形態に係る液面レベル計測装置20は、使用済み燃料プール1に適用する例を示したが、原子炉設備のその他の液体保持容器(例えば、原子炉圧力容器、サプレッションチャンバ等)の液面レベルの計測に採用することもできる。
図5のフローチャートに基づいて、実施形態に係る液面レベル計測の評価方法について説明する(適宜、図1参照)。
多重化を目的とする同一の構成を有する複数(実施形態では二つ)の液面レベル計測装置20A,20Bを使用済み燃料プール1に設置する。
使用済み燃料プール1の高さ方向に先端位置を変化させて配置されている複数のプローブ10k[k=0〜n]のうちいずれか一つを選定する(S11,S12)。そして、選定されたプローブ10kの熱電対13の出力Vkをアナログ量のまま入力しつつ、液面レベル計測の開始命令であるトリガ信号Tの受信を契機にヒータ14へ熱供給を開始する(S13,S14)。
多重化を目的とする同一の構成を有する複数(実施形態では二つ)の液面レベル計測装置20A,20Bを使用済み燃料プール1に設置する。
使用済み燃料プール1の高さ方向に先端位置を変化させて配置されている複数のプローブ10k[k=0〜n]のうちいずれか一つを選定する(S11,S12)。そして、選定されたプローブ10kの熱電対13の出力Vkをアナログ量のまま入力しつつ、液面レベル計測の開始命令であるトリガ信号Tの受信を契機にヒータ14へ熱供給を開始する(S13,S14)。
そして、この熱供給を所定期間だけ継続し(S15)、この期間における熱電対13の出力Vkの変化量ΔVkを導いて閾値αと対比する(S16)。そして、α<ΔVkの関係を充足すれば、プローブ10kの先端は気相と判定し(S16;Yes、S17)、未充足であれば液相と判定する(S16;No、S18)。
液面レベル計測装置20Aでは「気相」又は「液相」を識別した第1識別信号SA kが内部出力される(S19)。そして、多重化の相手方の液面レベル計測装置20Bで内部出力された第2識別信号SB kが、液面レベル計測装置20Aに入力される(S20)。
さらに、第1識別信号SA kと第2識別信号SB kとを照合し、両者の一致/不一致を判定する(S21)。そして、(S12)から(S23)までのフローを全てのプローブ10k[k=0〜n]に対して実施する(S23)。
さらに、第1識別信号SA kと第2識別信号SB kとを照合し、両者の一致/不一致を判定する(S21)。そして、(S12)から(S23)までのフローを全てのプローブ10k[k=0〜n]に対して実施する(S23)。
そして、全ての照合結果のうち一つでも不一致があれば(S21;No)、液面レベル計測装置20A,20Bのうちいずれか一方に、不具合が発生していることの警告が発せられる(S22 END)。そして、全てが一致した場合は、「気相」及び「液相」の境界が液面レベルであると認識される(S24 END)。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の液面レベル計測装置によれば、異なる高さに配列させた第1熱電対の群及びこれと多重化させた第2熱電対の群を配列させ、それぞれの気液識別結果を照合させることにより、異常が発生した場合、速やかに確実に検知することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…燃料プール、2…ラック、3…燃料集合体、4…プール水、10,10k[k=0〜n]…プローブ、11…封入管、12…シース管、13…熱電対、14…ヒータ、15…検出点、20(20A,20B)…液面レベル計測装置、21(21A,21B)…熱電対端子台、22(22A,22B)…ヒータ端子台、30(30A,30B)…判定部、32…熱供給制御部、33…入力部、34…信号処理部、37…気液識別部、38…表示部、39…警報出力部、50B…分離回路部、50(50A,50B)…分離回路部、52(52A,52B)…照合部、53k…照合子、54(54A,54B)…送受信部、55…接点切替器、56…接点。
Claims (4)
- ヒータと対をなして異なる高さ位置に配置される複数の第1熱電対の群の出力信号の各々をアナログ量のまま入力する入力部と、
前記ヒータの発熱に伴って変化する前記出力信号に基づいて、前記第1熱電対の検出点が気相又は液相のいずれに位置するか識別した第1識別信号を出力する気液識別部と、
前記第1熱電対の群と対応する高さ位置に配置された複数の第2熱電対の群に由来する第2識別信号を入力し、前記高さ位置が対応する前記第1識別信号と照合し、両者が一致するか否かを示す照合信号を出力する照合部と、を備えることを特徴とする液面レベル計測装置。 - 請求項1に記載の液面レベル計測装置において、
前記第1識別信号が伝送する電気回路上に設けられ、接点の切替動作により前記気液識別部及び前記照合部を電気的に分離/結合する分離回路部をさらに備える液面レベル計測装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の液面レベル計測装置において、
前記照合部から前記第1識別信号を取得し第1伝送信号に変換したのちに外部送信するとともに、第2伝送信号を受信し前記第2識別信号に変換したのちに前記照合部に入力させる送受信部をさらに備える液面レベル計測装置。 - ヒータと対をなして異なる高さ位置に配置される複数の第1熱電対の群の出力信号の各々をアナログ量のまま入力するステップと、
前記ヒータの発熱に伴って変化する前記出力信号に基づいて、前記第1熱電対の検出点が気相又は液相のいずれに位置するか識別した第1識別信号を出力するステップと、
前記第1熱電対の群と対応する高さ位置に配置された複数の第2熱電対の群に由来する第2識別信号を入力し、前記高さ位置が対応する前記第1識別信号と照合し、両者が一致するか否かを示す照合信号を出力するステップと、を備えることを特徴とする液面レベル計測の評価方法。
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JP2016158521A JP2018025503A (ja) | 2016-08-12 | 2016-08-12 | 液面レベル計測装置及び液面レベル計測の評価方法 |
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- 2016-08-12 JP JP2016158521A patent/JP2018025503A/ja active Pending
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