JP2018024987A - 揚水兼還元井およびその給水方法、地下水の揚水還元システム、ロードヒーティングシステム、及び融雪システム - Google Patents
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Abstract
【課題】微粒子が揚水兼還元井に堆積するのを防ぐ。【解決手段】揚水兼還元井において、滞水層に配置された、側面に複数の孔を有する透水管と、透水管の先端に取り付けられた先端補強桝と、一端が先端補強桝内に配置された排水管と、排水管の上部に配置された給水管と、を有する。給水管の一端は先端補強桝内に配置されていることが望ましい。また、先端補強桝の少なくとも一部は滞水層下の下層にあることが望ましい。さらに、先端補強桝の少なくとも先端部は、円錐形状、角錐形状又は砲弾形状であることが望ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、揚水兼還元井およびその給水方法、地下水の揚水還元システム、ロードヒーティングシステム、及び融雪システムに関する。
従来の揚水兼還元井としては、例えば特許文献1には、温泉汲み上げ装置について記載があり、この温泉汲み上げ装置はケーシング内に揚水管路と還水管路とが設けられ、還水管路の先端は揚水管路の先端よりも低く配置され、揚水管路と還水管路とが貯水槽に接続されていることが記載されている。
揚水井や、上記の温泉汲み上げ装置のような揚水兼還元井において、浸透水と共に侵入してくる土砂が堆積して浸透水の流入が減ってくる現象が発生して、揚水井や揚水兼還元井の閉鎖を余儀なくされている例が見られる。
本発明は、浸透水と共に侵入してくる土砂が堆積して浸透水の流入が減ってくる現象を抑制する揚水兼還元井およびその給水方法、地下水の揚水還元システム、ロードヒーティングシステム、及び融雪システムを提供することを目的とする。
本発明に係る揚水兼還元井は、滞水層に配置された、側面に複数の孔を有する透水管と、前記透水管の先端に取り付けられた先端補強桝と、水を排出する一端が前記先端補強桝内に配置された排水管と、水を給水する一端が前記排水管の前記一端の上部に配置された給水管と、
を有する揚水兼還元井である。
を有する揚水兼還元井である。
本発明に係る地下水の揚水還元システムは、上記揚水兼還元井と、前記揚水兼還元井の前記給水管の他端と前記排水管の他端とが挿入された貯留・沈殿槽と、を備えた、地下水の揚水還元システムである。
本発明に係るロードヒーティングシステムは、前記本発明に係る揚水兼還元井と、前記給水管の前記一端と他端との間に接続されたポンプと、前記給水管の前記他端が挿入された貯留・沈殿槽と、該貯留・沈殿槽から水が送水される、道路に張りめぐらされた放熱管と、を備え、前記放熱管を通った水を前記排水管に戻すロードヒーティングシステムである。
また本発明に係るロードヒーティングシステムは、前記本発明に係る揚水還元システムと、前記貯留・沈殿槽に内部に不凍液を通す採熱管と、該揚水還元システムの前記貯留・沈殿槽から前記不凍液を送るポンプと、該ポンプから前記不凍液が送られ、道路に張りめぐらされた放熱管と、該放熱管を通った前記不凍液を前記貯留・沈殿槽に戻す管と、を有し、
前記採熱管で前記貯留・沈殿槽の水と前記不凍液との熱交換を行うロードヒーティングシステムである。
また本発明に係るロードヒーティングシステムは、前記本発明に係る揚水還元システムと、前記貯留・沈殿槽に内部に不凍液を通す採熱管と、該揚水還元システムの前記貯留・沈殿槽から前記不凍液を送るポンプと、該ポンプから前記不凍液が送られ、道路に張りめぐらされた放熱管と、該放熱管を通った前記不凍液を前記貯留・沈殿槽に戻す管と、を有し、
前記採熱管で前記貯留・沈殿槽の水と前記不凍液との熱交換を行うロードヒーティングシステムである。
本発明に係る融雪システムは、前記本発明に係る揚水兼還元井と、前記揚水兼還元井の給水管の他端と排水管の他端とが挿入され、雪が投入される融雪槽と、を備えた、融雪システムである。
本発明に係る給水方法は、滞水層に配置された、側面に複数の孔を有する透水管と、
前記透水管の先端に取り付けられた先端補強桝と、
水を排出する一端が前記先端補強桝内に配置された排水管と、
水を給水する一端が前記排水管の前記一端の上部に配置された給水管と、
を有する揚水兼還元井の給水方法であって、
前記排水管の前記一端から前記先端補強桝の底に向けて水を排出し、該水によって舞い上がった微粒子を地下水とともに前記給水管によって給水する給水方法である。
前記透水管の先端に取り付けられた先端補強桝と、
水を排出する一端が前記先端補強桝内に配置された排水管と、
水を給水する一端が前記排水管の前記一端の上部に配置された給水管と、
を有する揚水兼還元井の給水方法であって、
前記排水管の前記一端から前記先端補強桝の底に向けて水を排出し、該水によって舞い上がった微粒子を地下水とともに前記給水管によって給水する給水方法である。
本発明によれば、排水管から排出された水で舞い上がった土砂の微粒子を水とともに給水管で外部に給水することで、微粒子が揚水兼還元井に堆積するのを防ぐことができる。
その結果、揚水兼還元井を用いた揚水還元システム、ロードヒーティングシステム、融雪システムの耐久性を向上させることができる。
その結果、揚水兼還元井を用いた揚水還元システム、ロードヒーティングシステム、融雪システムの耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
まず本発明の実施形態の説明に先立って、本発明に至る背景技術について説明する。
図2に示すように、掘削井2を作るために、表層から滞水層へ回転掘削機21を駆動させ、任意の深さに掘削する場合、表層土の一部が滞水層内部で、掘削機羽22の回転中に滞水と混ざり合い、地上に引き上げられることなく、洗い流すように落下表層土となり揚水井2の底部に堆積して、上部には滞水層より侵入した貯留水が残される。
まず本発明の実施形態の説明に先立って、本発明に至る背景技術について説明する。
図2に示すように、掘削井2を作るために、表層から滞水層へ回転掘削機21を駆動させ、任意の深さに掘削する場合、表層土の一部が滞水層内部で、掘削機羽22の回転中に滞水と混ざり合い、地上に引き上げられることなく、洗い流すように落下表層土となり揚水井2の底部に堆積して、上部には滞水層より侵入した貯留水が残される。
次に図3に示すように、掘削井2の内部へ、コンクリート製、鉄板製、樹脂製等の掘削井枠31を、底部より浸透水が侵入できる隙間を設けるようにして挿入する場合、掘削井枠31には水圧三角分布の最大値の水圧β2が生じている。落下表層土は滞水層内部の土質と混ざり合い、固着した状態にあり、汲み上げに汚泥用吸引ポンプなどを使用するが、固着している場合には多大な労力と時間が必要になっている。
図4は、表層の堀削穴と掘削井枠31との隙間へ上部より裏込砂利12を充填して、上部には通気口付のマンホール蓋16を設置し、貯留水内へ給水管14を挿入し、地上付近に置かれた揚水ポンプ17で汲み上げると短時間に渇水して、掘削井枠31の底部より浸透水が、最大水圧β2の大きさで侵入してくる過程で落下表層土の表面を長い時間をかけて削り流す。
掘削施工時における落下表層土の厚さの大小により、貯留水は一定しないため水量の確保に問題を抱えていて、浸透水と共に侵入してくる土砂が堆積して浸透水の流入が減ってくる現象が発生して、掘削井の閉鎖を余儀なくされている例が見られる。
図4は、表層の堀削穴と掘削井枠31との隙間へ上部より裏込砂利12を充填して、上部には通気口付のマンホール蓋16を設置し、貯留水内へ給水管14を挿入し、地上付近に置かれた揚水ポンプ17で汲み上げると短時間に渇水して、掘削井枠31の底部より浸透水が、最大水圧β2の大きさで侵入してくる過程で落下表層土の表面を長い時間をかけて削り流す。
掘削施工時における落下表層土の厚さの大小により、貯留水は一定しないため水量の確保に問題を抱えていて、浸透水と共に侵入してくる土砂が堆積して浸透水の流入が減ってくる現象が発生して、掘削井の閉鎖を余儀なくされている例が見られる。
以上の背景技術における課題を解決する、本発明の揚水兼還元井の一実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
滞水層は地中の、表層と下層との間にあり、井戸は、表層から掘ってたどりついた、地下水を含む滞水層から水を引きあげる。ただし、滞水層は地中の深さ方向に複数層ある場合があり、地表から最も近い滞水層だけでなく、その他の滞水層を用いる揚水兼還元井を作ってもよい。
図1は本発明の一実施形態の揚水兼還元井を含む、地下水の揚水還元システムの構成を示す構成図である。図5は本実施形態の揚水兼還元井を作成するための説明図である。
図1では揚水兼還元井と、揚水兼還元井の給水管の他端と排水管の他端とが挿入された貯留・沈殿槽とを備えた、地下水の揚水還元システムを示している。
図5に示すように、樹脂製、多孔塩ビ管等の細網目透水管11の先端に、内部を空洞とした、コンクリート製、ステンレス製、スチール製等の先端補強桝13を被せるように緊結する。細網目透水管11は、側面に複数の孔を有する透水管となる。
先端補強桝13の先端の形状は、内部を空洞とした、円錐形状や、八角錐、七角錐、六角錐、五角錐、四角錐、三角錐等の角錐形状、又は図6に示すような砲弾形状等である。細網目透水管11の形状は円筒状であり、先端補強桝13が網目透水管11に繋がる上部の形状は円筒状となる。ただし、細網目透水管11の円筒状の部分はなくともよい。
先端補強桝13を緊結した細網目透水管11を、落下表層土の堆積する堀削井(図2に示す堀削井2に対応する)の内部へ挿入し、先端補強桝13を下層上部まで到達させる。挿入した細網目透水管11からは、落下表層土の厚さ部分を除く滞水層に水圧p0−p1、水圧p2−p3が作用して滞水層の高さ一杯まで浸透水が侵入し、細網目透水管13は滞水層上部まで貯留水で満たされる。先端補強桝13は、下層上部にあることが望ましいが、先端補強桝13の一部が滞水層にあってよい。
(第1の実施形態)
滞水層は地中の、表層と下層との間にあり、井戸は、表層から掘ってたどりついた、地下水を含む滞水層から水を引きあげる。ただし、滞水層は地中の深さ方向に複数層ある場合があり、地表から最も近い滞水層だけでなく、その他の滞水層を用いる揚水兼還元井を作ってもよい。
図1は本発明の一実施形態の揚水兼還元井を含む、地下水の揚水還元システムの構成を示す構成図である。図5は本実施形態の揚水兼還元井を作成するための説明図である。
図1では揚水兼還元井と、揚水兼還元井の給水管の他端と排水管の他端とが挿入された貯留・沈殿槽とを備えた、地下水の揚水還元システムを示している。
図5に示すように、樹脂製、多孔塩ビ管等の細網目透水管11の先端に、内部を空洞とした、コンクリート製、ステンレス製、スチール製等の先端補強桝13を被せるように緊結する。細網目透水管11は、側面に複数の孔を有する透水管となる。
先端補強桝13の先端の形状は、内部を空洞とした、円錐形状や、八角錐、七角錐、六角錐、五角錐、四角錐、三角錐等の角錐形状、又は図6に示すような砲弾形状等である。細網目透水管11の形状は円筒状であり、先端補強桝13が網目透水管11に繋がる上部の形状は円筒状となる。ただし、細網目透水管11の円筒状の部分はなくともよい。
先端補強桝13を緊結した細網目透水管11を、落下表層土の堆積する堀削井(図2に示す堀削井2に対応する)の内部へ挿入し、先端補強桝13を下層上部まで到達させる。挿入した細網目透水管11からは、落下表層土の厚さ部分を除く滞水層に水圧p0−p1、水圧p2−p3が作用して滞水層の高さ一杯まで浸透水が侵入し、細網目透水管13は滞水層上部まで貯留水で満たされる。先端補強桝13は、下層上部にあることが望ましいが、先端補強桝13の一部が滞水層にあってよい。
さらに、図1に示すように、堀削井と細網目透水管11との隙間へ上部より裏込砂利12を充填し、細網目透水管11の上部には通気口付きのマンホール蓋16を設置する。貯留水内へ給水管14と排水管15を挿入して揚水兼還元井1が形成される。ここで、排水管15の先端(一端)は先端補強桝13内に配置され、給水管14の先端(一端)も先端補強桝13内に配置される。ただし、排水管15から排出された水が、先端補強桝13の底部傾斜面に衝突することで、先端補強桝13内の細砂等の微粒子が上部に向けて舞い上がり、給水管14により微粒子が排出可能ならば、給水管14の先端(一端)は先端補強桝13外の細網目透水管11内に配置されてもよい。
給水管14から揚水ポンプ17で地下水(貯留水)を汲み上げて貯留・沈殿槽18に給水できるようにし、揚水ポンプ17により汲み上げた貯留水が貯留・沈殿槽18の排水口の高さまで上昇すると、水がオーバーフローして、排水管15を通して先端補強桝13へ流入される。貯留・沈殿槽18の上部には通気口付きのマンホール蓋19を設置する。こうして、本実施形態の揚水兼還元井1を含む、地下水の揚水、還元システムが作られる。
給水管14から揚水ポンプ17で地下水(貯留水)を汲み上げて貯留・沈殿槽18に給水できるようにし、揚水ポンプ17により汲み上げた貯留水が貯留・沈殿槽18の排水口の高さまで上昇すると、水がオーバーフローして、排水管15を通して先端補強桝13へ流入される。貯留・沈殿槽18の上部には通気口付きのマンホール蓋19を設置する。こうして、本実施形態の揚水兼還元井1を含む、地下水の揚水、還元システムが作られる。
揚水兼還元井1において、落下表層土の厚さ部分を除く、細網目透水管11の管外の滞水層より細網目透水管11の管内に水が浸透して貯留水が滞水層上部まで一杯になったときに、先端補強桝13の内部から貯留水を、地上付近に置かれた揚水ポンプ17で連続して汲み上げる。すると、細網目透水管11の外にある落下表層土は次第に表面が削られて体積が減少し始めて、最終的には流れ変形表層土は消滅していく。そのため、落下表層土の厚さ部分は失われ滞水層高さ全体から水圧p0−p3を受け浸透して、貯留水の量を安定的に確保できるようになる。
細網目透水管11を通過してくる滞水層に含まれる細砂等の微粒子は、先端補強桝13の底部へ沈殿する。排水管15の先端を先端補強桝13の底部に向けて付設すると、排水管15から排出された水は、先端補強桝13の底部傾斜面に衝突し矢印の方向へ、微粒子とともに上部に向けて舞い上がり、再び給水管14から、舞い上がった微粒子とともに貯留水が地上付近の貯留・沈殿槽18へ運ばれ沈殿蓄積する。そのため、微粒子が先端補強桝13の内部に堆積するのを防ぐことができる。
細網目透水管11を通過してくる滞水層に含まれる細砂等の微粒子は、先端補強桝13の底部へ沈殿する。排水管15の先端を先端補強桝13の底部に向けて付設すると、排水管15から排出された水は、先端補強桝13の底部傾斜面に衝突し矢印の方向へ、微粒子とともに上部に向けて舞い上がり、再び給水管14から、舞い上がった微粒子とともに貯留水が地上付近の貯留・沈殿槽18へ運ばれ沈殿蓄積する。そのため、微粒子が先端補強桝13の内部に堆積するのを防ぐことができる。
本実施形態の揚水兼還元井1が湧水量10L/min(リットル/分)ある場合、揚水ポンプ17により汲み上げた貯留水が貯留・沈殿槽18の排水口の高さまで上昇すると、水量10L/min(リットル/分)がオーバーフローして、排水管15を通して先端補強桝13へ流入される。
先端補強桝13には、揚水兼還元井の元の湧水量10L/min(リットル/分)に、貯留・沈殿槽18から流入してくる水量10L/min(リットル/分)が加わり、合計水量20L/min(リットル/分)となり、揚水ポンプ17の揚程高さ及び給水量能力の許容範囲で合計水量を増すことが可能となる。
この様に、揚水兼還元井と貯留・沈殿槽18との間を、給水管14、排水管15、揚水ポンプ17を介して循環させるようにして、流量を次第に増量していき最終的に大量の水量を獲得できる。
湧水量の少ない浅井戸でも本実施形態の揚水兼還元井を利用して湧水量以上の水量を獲得できるので、利用価値が高い。
先端補強桝13には、揚水兼還元井の元の湧水量10L/min(リットル/分)に、貯留・沈殿槽18から流入してくる水量10L/min(リットル/分)が加わり、合計水量20L/min(リットル/分)となり、揚水ポンプ17の揚程高さ及び給水量能力の許容範囲で合計水量を増すことが可能となる。
この様に、揚水兼還元井と貯留・沈殿槽18との間を、給水管14、排水管15、揚水ポンプ17を介して循環させるようにして、流量を次第に増量していき最終的に大量の水量を獲得できる。
湧水量の少ない浅井戸でも本実施形態の揚水兼還元井を利用して湧水量以上の水量を獲得できるので、利用価値が高い。
(第2の実施形態)
第1の実施形態で説明した揚水兼還元井は、ロードヒーティングシステムに用いることができる。ロードヒーティングとは、道路に積もる雪の溶解及び道路の凍結防止等のために路面温度を上げることをいう。地下水は地上に比べて水温の変動が少なく、一定の深さ(概ね、地上から10m)を超えると年間を通して水温が一定となる。第1の実施形態で説明した揚水兼還元井を用いて地下水を汲み上げて、ロードヒーティングに用いることができる。
第1の実施形態で説明した揚水兼還元井は、ロードヒーティングシステムに用いることができる。ロードヒーティングとは、道路に積もる雪の溶解及び道路の凍結防止等のために路面温度を上げることをいう。地下水は地上に比べて水温の変動が少なく、一定の深さ(概ね、地上から10m)を超えると年間を通して水温が一定となる。第1の実施形態で説明した揚水兼還元井を用いて地下水を汲み上げて、ロードヒーティングに用いることができる。
図7は本発明の第2の実施形態に係るロードヒーティングシステムの構成を示す構成図である。図1と同一構成部材については同一符号を付する。
図7に示す揚水ポンプ42は流量調整弁41を介して、揚水兼還元井の給水管14から水を引き揚げ、貯留・沈殿槽43に供給する。貯留・沈殿槽43からはポンプ44を介して水が送水され、流量調整弁45、分岐ヘッダー46を介して架橋ポリ放熱管48に水が供給されコンクリート道路の路面温度を上げる。コンクリート道路にはコンクリート補強ワイヤーメッシュ47が埋め込まれている。架橋ポリ放熱管48を通った水は管49を介して貯留・沈殿槽43に戻される。上述したように、貯留水が貯留・沈殿槽18の排水口の高さまで上昇すると、水がオーバーフローして、排水管15を通して先端補強桝13へ流入される。
図8は本発明の第2の実施形態に係るロードヒーティングシステムの変形例の構成を示す構成図である。本変形例は、図7の揚水ポンプ42とポンプ44とを兼用して図8の揚水・循環ポンプ60とし、貯留・沈殿槽43の代わりに貯留・沈殿槽61を用い、架橋ポリ放熱管48を通った水を、貯留・沈殿槽61を通さずに、直接排水管15を通して先端補強桝13へ流入させている。貯留・沈殿槽61は水に含まれる異物、ごみ等をスクリーンで取り除くストレーナ62を介して架橋ポリ放熱管48に接続される。貯留・沈殿槽61に溜まった沈殿微粒子は排出バルブ63を介して排出される。本変形例の構成によって、揚水ポンプ42とポンプ44とが兼用されてコストが低減される。架橋ポリ放熱管48を通った水は図7及び図8の構成においてともに排水管15に戻されるが、図7では貯留・沈殿槽43を介して排水管15に戻し、図8では直接排水管15に戻している。図8の構成により、配管をより簡易化することができる。
図7に示す揚水ポンプ42は流量調整弁41を介して、揚水兼還元井の給水管14から水を引き揚げ、貯留・沈殿槽43に供給する。貯留・沈殿槽43からはポンプ44を介して水が送水され、流量調整弁45、分岐ヘッダー46を介して架橋ポリ放熱管48に水が供給されコンクリート道路の路面温度を上げる。コンクリート道路にはコンクリート補強ワイヤーメッシュ47が埋め込まれている。架橋ポリ放熱管48を通った水は管49を介して貯留・沈殿槽43に戻される。上述したように、貯留水が貯留・沈殿槽18の排水口の高さまで上昇すると、水がオーバーフローして、排水管15を通して先端補強桝13へ流入される。
図8は本発明の第2の実施形態に係るロードヒーティングシステムの変形例の構成を示す構成図である。本変形例は、図7の揚水ポンプ42とポンプ44とを兼用して図8の揚水・循環ポンプ60とし、貯留・沈殿槽43の代わりに貯留・沈殿槽61を用い、架橋ポリ放熱管48を通った水を、貯留・沈殿槽61を通さずに、直接排水管15を通して先端補強桝13へ流入させている。貯留・沈殿槽61は水に含まれる異物、ごみ等をスクリーンで取り除くストレーナ62を介して架橋ポリ放熱管48に接続される。貯留・沈殿槽61に溜まった沈殿微粒子は排出バルブ63を介して排出される。本変形例の構成によって、揚水ポンプ42とポンプ44とが兼用されてコストが低減される。架橋ポリ放熱管48を通った水は図7及び図8の構成においてともに排水管15に戻されるが、図7では貯留・沈殿槽43を介して排水管15に戻し、図8では直接排水管15に戻している。図8の構成により、配管をより簡易化することができる。
(第3の実施形態)
図9は本発明の第3の実施形態に係るロードヒーティングシステムの構成を示す構成図である。図7と同一構成部材については同一符号を付する。
第2の実施形態で説明したロードヒーティングシステムは、揚水兼還元井から引き揚げた水をロードヒーティングに用いていた。
本実施形態では、ロードヒーティングに用いる液体を不凍液として、貯留・沈殿槽51内に採熱管50を介して、揚水兼還元井から引き揚げた水との熱交換を行う。
図9は本発明の第3の実施形態に係るロードヒーティングシステムの構成を示す構成図である。図7と同一構成部材については同一符号を付する。
第2の実施形態で説明したロードヒーティングシステムは、揚水兼還元井から引き揚げた水をロードヒーティングに用いていた。
本実施形態では、ロードヒーティングに用いる液体を不凍液として、貯留・沈殿槽51内に採熱管50を介して、揚水兼還元井から引き揚げた水との熱交換を行う。
揚水ポンプ42は流量調整弁41を介して、揚水兼還元井の給水管14から水を引き揚げ、貯留・沈殿槽51に供給する。貯留・沈殿槽51では、採熱管50内を流れる不凍液が採熱管50を介して揚水兼還元井1から引き揚げられた地下水によって加熱される。貯留・沈殿槽51からはポンプ44を介して不凍液が送られ、流量調整弁45、分岐ヘッダー46を介して架橋ポリ放熱管48に不凍液が供給され、コンクリート道路の路面温度を上げる。架橋ポリ放熱管48を通った不凍液は管49を介して貯留・沈殿槽51の採熱管50に戻される。
(第4の実施形態)
図10は本発明の第4の実施形態に係る融雪システムの構成を示す構成図である。図7と同一構成部材については同一符号を付する。
図10に示すように、融雪槽52は地下水が流入する下室と、雪が投入される上室とに分かれる。揚水ポンプ42は流量調整弁41を介して、揚水兼還元井の給水管14から地下水を引き揚げ、融雪槽52の下室に供給する。上述したように、地下水は地上に比べて水温の変動が少なく、一定の深さ(概ね、地上から10m)を超えると年間を通して水温が一定となる。下室に供給された地下水を揚水ポンプ54により上室内で散水管53を介して散水して、融雪槽52の上室に投入された雪を融かす。融雪槽52の下室に供給された地下水は排水管55を介して揚水兼還元井に戻される。上室において散水された水及び雪が融けた水が融雪槽52の上室の排水口の高さまで上昇すると、水がオーバーフローして、排水管15を通して先端補強桝13へ流入される。
図10は本発明の第4の実施形態に係る融雪システムの構成を示す構成図である。図7と同一構成部材については同一符号を付する。
図10に示すように、融雪槽52は地下水が流入する下室と、雪が投入される上室とに分かれる。揚水ポンプ42は流量調整弁41を介して、揚水兼還元井の給水管14から地下水を引き揚げ、融雪槽52の下室に供給する。上述したように、地下水は地上に比べて水温の変動が少なく、一定の深さ(概ね、地上から10m)を超えると年間を通して水温が一定となる。下室に供給された地下水を揚水ポンプ54により上室内で散水管53を介して散水して、融雪槽52の上室に投入された雪を融かす。融雪槽52の下室に供給された地下水は排水管55を介して揚水兼還元井に戻される。上室において散水された水及び雪が融けた水が融雪槽52の上室の排水口の高さまで上昇すると、水がオーバーフローして、排水管15を通して先端補強桝13へ流入される。
以上説明したように、本実施形態において、排水管から排出された水で舞い上がった土砂の微粒子を水とともに給水管で外部に給水することで、微粒子が揚水兼還元井に堆積するのを防ぐことができる。その結果、揚水兼還元井から安定して地下水を供給でき、揚水還元システム、ロードヒーティングシステム、融雪システムの耐久性を向上させることができる。
1 揚水兼還元井
2 堀削井
11 細網目透水管
12 裏込砂利
13 先端補強桝
14 給水管
15 排水管
16 通気口付きのマンホール蓋
21 回転掘削機
22 掘削機羽
2 堀削井
11 細網目透水管
12 裏込砂利
13 先端補強桝
14 給水管
15 排水管
16 通気口付きのマンホール蓋
21 回転掘削機
22 掘削機羽
Claims (10)
- 滞水層に配置された、側面に複数の孔を有する透水管と、
前記透水管の先端に取り付けられた先端補強桝と、
水を排出する一端が前記先端補強桝内に配置された排水管と、
水を給水する一端が前記排水管の前記一端の上部に配置された給水管と、
を有する揚水兼還元井。 - 前記給水管の前記一端は前記先端補強桝内に配置されている請求項1に記載の揚水兼還元井。
- 前記先端補強桝の少なくとも一部は滞水層下の下層にある請求項1又は2に記載の揚水兼還元井。
- 前記先端補強桝の少なくとも先端部は、円錐形状、角錐形状又は砲弾形状である請求項1から3のいずれか1項に記載の揚水兼還元井。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の揚水兼還元井と、前記揚水兼還元井の前記給水管の他端と前記排水管の他端とが挿入された貯留・沈殿槽と、を備えた、地下水の揚水還元システム。
- 前記給水管の前記一端と前記他端との間にポンプが接続されている請求項5に記載の揚水還元システム。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の揚水兼還元井と、前記給水管の前記一端と他端との間に接続されたポンプと、前記給水管の前記他端が挿入された貯留・沈殿槽と、該貯留・沈殿槽から水が送水される、道路に張りめぐらされた放熱管と、を備え、
前記放熱管を通った水を前記排水管に戻すロードヒーティングシステム。 - 請求項5又は6に記載の揚水還元システムと、前記貯留・沈殿槽に内部に不凍液を通す採熱管と、該揚水還元システムの前記貯留・沈殿槽から前記不凍液を送るポンプと、該ポンプから前記不凍液が送られ、道路に張りめぐらされた放熱管と、該放熱管を通った前記不凍液を前記貯留・沈殿槽に戻す管と、を有し、
前記採熱管で前記貯留・沈殿槽の水と前記不凍液との熱交換を行うロードヒーティングシステム。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の揚水兼還元井と、前記揚水兼還元井の給水管の他端と排水管の他端とが挿入され、雪が投入される融雪槽と、を備えた、融雪システム。
- 滞水層に配置された、側面に複数の孔を有する透水管と、
前記透水管の先端に取り付けられた先端補強桝と、
水を排出する一端が前記先端補強桝内に配置された排水管と、
水を給水する一端が前記排水管の前記一端の上部に配置された給水管と、
を有する揚水兼還元井の給水方法であって、
前記排水管の前記一端から前記先端補強桝の底に向けて水を排出し、該水によって舞い上がった微粒子を地下水とともに前記給水管によって給水する給水方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016155453A JP2018024987A (ja) | 2016-08-08 | 2016-08-08 | 揚水兼還元井およびその給水方法、地下水の揚水還元システム、ロードヒーティングシステム、及び融雪システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016155453A JP2018024987A (ja) | 2016-08-08 | 2016-08-08 | 揚水兼還元井およびその給水方法、地下水の揚水還元システム、ロードヒーティングシステム、及び融雪システム |
Publications (1)
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JP2018024987A true JP2018024987A (ja) | 2018-02-15 |
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ID=61195239
Family Applications (1)
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JP2016155453A Pending JP2018024987A (ja) | 2016-08-08 | 2016-08-08 | 揚水兼還元井およびその給水方法、地下水の揚水還元システム、ロードヒーティングシステム、及び融雪システム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2018024987A (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2016
- 2016-08-08 JP JP2016155453A patent/JP2018024987A/ja active Pending
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