JP2018024457A - 浮屋根式タンク用シール材 - Google Patents

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Hisaaki Aihara
寿明 藍原
利幸 松野
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Abstract

【課題】利点の多い合成樹脂皮膜付のゴムシートの大型のものを作製できるようにして、材料の主成分として、膨張・収縮の変形性に優れるゴムを用いながらも、耐薬品性や耐油性に優れるものとして、より耐久性に優れる浮屋根式タンク用シール材を提供する。【解決手段】弾性材製の芯材30を覆って、浮屋根22の外周部22Aとタンク21の内周面32Aとの間を閉塞する状態に設置されるシール体24を形成するための浮屋根式タンク用シール材において、ゴム層とこれに重ねられた合成樹脂層とでなる単位ゴムシート1の端部どうしを接合してなる接続部が備えられた合成樹脂皮膜ゴムシートSを、所定の芯材覆い形状に形成して構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、原油など石油関連製品の貯蔵に使用されている浮屋根式構造(フローティング式)の貯蔵タンクに係り、詳しくは、弾性材よりなる芯材を覆って、浮屋根の外周部とタンクの内周面との間を閉塞する状態に設置されるシール体を形成するための浮屋根式タンク用シール材に関するものである。
この種の浮屋根式タンクにおいては、タンク本体と浮屋根との間隙をシールするシール体が使用されている。即ち、タンク内部に貯蔵した原油などの揮発性液体の上に浮屋根を載せ、揮発性液体を備蓄するようにしており、浮屋根は、タンク内の貯蔵量の増減に応じて上下動する。そのため、タンクの内周面と浮屋根外周部の間に間隙を設け、その間隙から揮発性成分が蒸発するのを防止すべく、間隙にシール体を設けている。
このシール体には、温度変化などによる大きさの変化や、上下移動に伴う変形など、膨張・伸縮に柔軟に対応できることが求められるとともに、石油、原油などの揮発性液体に侵されない耐薬品性や耐油性も求められる。
例えば、特許文献1(図1を参照)においては、円環状のシール体(1)として、弾性材からなる芯体(2)と、その芯材(2)を覆うシール材〔エンベロープ〕(5)とからなり、浮屋根(6)の外周面(8)にボルト止めされるものが知られている。
特許文献1にて開示されるシール材(5)は、補強層(3)が埋設されたゴムシート(4)からなる。
ゴムシート(4)は、NBR系やフッ素系のゴム、或いはEPDM系やCR系のゴムが用いられている。
しかしながら、何系であってもゴムはゴムなので、膨張・伸縮に対する優れた追従性がある点では好ましいが、耐薬品性や耐油性の点では改善の余地がある。
そこで、特許文献2において開示された合わせガラス製造用加熱・加圧バッグのように、耐薬品性に優れるPTFE樹脂皮膜付のゴムシートを用いることが考えられる。フッ素樹脂などの合成樹脂層を有するゴムシートを、浮屋根式タンクのシール体などの大型の構造物として用いるには、複数或いは多数のゴムシートを接合一体化して大きなゴムシートとする必要がある。
しかしながら、合成樹脂層を持つゴムシートを液漏れのない液封状態で、かつ、強度十分に接合することは難しく、実現に至っていないのが実状である。
特開2012−148787号公報 特開2005−219947号公報
本発明の目的は、利点の多い合成樹脂皮膜が施されたゴムシートの大型のものを作製できるようにし、材料の主成分として、膨張・収縮の変形性に優れるゴムを用いながらも、耐薬品性や耐油性に優れるものとして、より耐久性に優れる浮屋根式タンク用シール材を提供する点にある。
請求項1に係る発明は、弾性材よりなる芯材30を覆って、浮屋根22の外周部22Aとタンク21の内周面32Aとの間を閉塞する状態に設置されるシール体24を形成するための浮屋根式タンク用シール材において、
ゴム層2と前記ゴム層2に重ねられた合成樹脂層3とでなる単位ゴムシート1と、前記単位ゴムシート1の端部どうしを接合してなる接続部Aとを有する合成樹脂皮膜ゴムシートSにより、所定の芯材覆い形状に形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の浮屋根式タンク用シール材において、
前記接続部Aは、
一方の前記単位ゴムシート1の端部を前記ゴム層2が内側となる方向に折り畳んだ形状とされている折り返し部1Aと、
他方の前記単位ゴムシート1の端部を、これの合成樹脂層3が前記折り返し部1Aの合成樹脂層3に沿うようにクランク状に折り曲げた形状とされているカバー部1Bと、
前記折り返し部1Aと前記カバー部1Bとがそれぞれの合成樹脂層3,3どうしが当接する状態に重ね合わされている重ね部aに外接される覆いゴムシート4と、を備えるとともに、
前記重ね部aと前記覆いゴムシート4との接着によりなる一体化部1C、及び、前記折り返し部1Aの合成樹脂層3と前記カバー部1Bの合成樹脂層3との貼着によりなる貼着部Y1が構成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の浮屋根式タンク用シール材において、前記ゴム層2がゴム引布8により形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の浮屋根式タンク用シール材において、
前記折り返し部1Aは、接着ゴム6を挟んで折り畳んだ状態に構成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の浮屋根式タンク用シール材において、
前記一方及び他方の各単位ゴムシート1,1の端部における前記合成樹脂層3,3どうしに跨る合成樹脂フィルム5が設けられ、一方の合成樹脂層3及び他方の合成樹脂層3のそれぞれと前記合成樹脂フィルム5との貼着によりなる第2貼着部Y2が構成されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項2〜5の何れか一項に記載の浮屋根式タンク用シール材において、
前記覆いゴムシート4は、覆い内側の接着ゴム層7と、覆い外側のゴム引布8とが重ねられて一体化された積層構造のものに構成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、浮屋根式タンク用シール材、複数又は多数の単位ゴムシートを接合一体化して、大きな合成樹脂皮膜ゴムシートが作製可能になったことにより実現できたものである。
フッ素樹脂などの合成樹脂皮膜が付いて接合の難しい単位ゴムシートどうしの接合一体化が可能となったので、大型のゴムシート製品に好適となる大きな合成樹脂皮膜ゴムシートの作製が可能になった。従って、大型化が可能となった合成樹脂皮膜ゴムシートを用いることで浮屋根式タンク用シール材を得ることができる。
その結果、利点の多い合成樹脂皮膜が施されたゴムシートの大型のものを作製できるようにして、材料の主成分として、膨張・収縮の変形性に優れるゴムを用いながらも、耐薬品性や耐油性に優れるものとして、より耐久性に優れる浮屋根式タンク用シール材を提供することができる。
請求項2の発明によれば、シール材が有する接続部は、一方の単位ゴムシートに形成される折り返し部と、他方の単位ゴムシートに形成されるカバー部と、覆いゴムシートとを、それら三者が重ね合わせられた状態での接着により構成されている。故に、突合せ配置される各単位ゴムシートのゴム層どうしが強固に、かつ、隙間の無い状態で接合一体化できるとともに、合成樹脂層どうしも貼着により隙間無く一体化することができる。
その結果、合成樹脂皮膜が施されての利点が多い単位ゴムシートの複数を接合して大きな合成樹脂皮膜ゴムシートを作るために、単位ゴムシートの端部どうしを密封状態で良好に接合させることが可能な接続部が構成される利点がある。
請求項3の発明によれば、ゴム層が、布にゴムを貼り合わせたシートであるゴム引布により形成されているので、より強度や耐久性に優れる合成樹脂皮膜ゴムシート(単位ゴムシート)でなる浮屋根式タンク用シール材とすることができる。
請求項4の発明によれば、折り返し部を、折り返される形状によって対向配置されるゴム層どうしの間に接着に適した接着ゴムを設けてあるから、接着ゴムを用いない場合に比べて、接着による接着強度を無理なく増せる利点がある。
請求項5の発明によれば、接続部において対向状態にある一方の合成樹脂層と他方の合成樹脂層とに跨らせた合成樹脂フィルムとの貼着によりなる第2貼着部を設けてあるので、密封度が向上するとともに、耐引っ張り力が向上する利点も期待できる。
請求項6の発明によれば、覆いゴムシートを、接着に好適な接着ゴム層とゴム引布とでなる積層構造シートとしてあるので、折り返し部及びカバー部と覆いゴムシートとが強固に接着されており、強度や耐久性にも優れるものとすることができる。
浮屋根式タンクのシール構造を示す要部の縦断面図(実施形態1) 図1のシール材をなす合成樹脂皮膜ゴムシートの接合構造を示す要部断面図 合成樹脂皮膜ゴムシートにおける接続部の構造を示す断面図 接続部の製造方法を示し、(a)は折り曲げ工程の作用図、(b)は第1熱溶着工程の作用図 接続部の製造方法を示し、(a)は第2折り曲げ工程の作用図、(b)は一体化工程の作用図 接続部の製造方法を示し、(a)は全体接着用工程の作用図、(b)は第2熱溶着工程の作用図 合成樹脂皮膜ゴムシートを示す斜視図 浮屋根式タンクの第1別構造(実施形態2)によるシール構造を示す要部の縦断面図 浮屋根式タンクの第2別構造(実施形態3)によるシール構造を示す要部の縦断面図
以下に、本発明による浮屋根式タンク用シール材及びその作り方の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、接着とは、接着剤を用いての接着、接着剤を用いて加熱及び/又は加圧する接着、或いは加硫接着を含むこととする。また、貼着とは、熱溶着、接着などの手段を含む一体化手段の総称である。
図1に、石油貯蔵タンクなどの浮屋根式タンクの上部の要部図が示されており、21は平面視で円形などの形状を呈する液体貯蔵用のタンク、22は浮屋根、23は石油などの揮発性の貯留液体、24は浮屋根22の外周部に支持されているシール体、25はウエザーシールである。
タンク21は、タンク側壁32、タンク底壁33を備える有底円筒状の容器体であって上面は開放されている。そして、タンク21には、通常は、石油などの揮発性の液体23が収容貯留されている。
浮屋根22は、円筒状の側壁26、底壁27、蓋壁28を備えるとともに、浮力を生じさせるための空室(ポンツーン)29を有している。浮屋根22は、タンク21内に収容されている揮発性の液体23の表面にて浮遊しており、揮発性の液体23の貯留量の増減に応じて上下動する構造とされている。
シール体24は、弾性材よりなる芯材30と、この芯材30を覆うシール材31とを備えてなり、浮屋根22の外周部(外周面)22Aとタンク側壁32の内周面32Aとの間を閉塞する状態に設置されている円環状(ドーナツ状)のものである。
芯材30は、例えばウレタンフォームよりなり、袋状のシール材31の内部からシール材31を適度な弾性力をもって拡張させる機能を有している。
シール材(エンベロープ)31は、図1、図2に示されるように、芯材30を覆って、浮屋根22の外周部22Aとタンク21の内側壁、即ち、タンク側壁32の内周面32Aとの間を閉塞する状態に設置されるシール体24を形成するためのものである。つまり、シール材31は、浮屋根22とタンク21との間に形成されている間隙B(図1を参照)を閉塞させて液封させるための手段である。
シール材31は、浮屋根22の外周部22Aに沿う内縦膜部31a、タンク側壁32の内周面32Aに沿う外縦膜部31b、内縦膜部31a及び外縦膜部31bそれぞれの上端部どうしを繋ぐ上横膜部31c、及び、内縦膜部31a及び外縦膜部31bそれぞれの下端部どうしを繋ぐ下横膜部31dを有し、縦断面が袋状で、かつ、平面視で円環状を呈している。上横膜部31cの内側端部と内縦膜部31aの上端部とが重ねられた状態で、ボルトなどの固定出段34により浮屋根22の側壁26上端部に支持されている。
シール材31は、ゴム層2とゴム層2にコーティングされた合成樹脂層3とでなる単位ゴムシート1の複数が、単位ゴムシート1それぞれの端部を突き合わせ状態で接合してなる接続部Aにより一体化されてなる合成樹脂皮膜ゴムシートSを、所定の芯材覆い形状に形成して構成されている。実施形態1においては、シール材31に用いられる合成樹脂皮膜ゴムシートSは、図2や図1に示されるように、単位ゴムシート1どうしを接合する接続部Aが、周方向に1箇所(複数個所でも良い)で、かつ、径方向に伸びる状態に形成されているものを用いている。
図3に示すように、合成樹脂皮膜付のゴムシートである単位ゴムシート1は、ゴム層2とゴム層2の片面にコーティングなどの手段により重ねられた合成樹脂層3とでなる2層構造のゴムシートに構成されている。詳しくは、ゴム層2はゴム引布8でなり、その材質としては、NBR、H−NBR、CR、EPDMなどが挙げられ、後述する接着ゴム6も同じである。合成樹脂層3はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やETFE〔テトラフルオロエチレンとエチレン共重合体(4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)〕などのフッ素樹脂、或いはPVdF、EVA、ポリアミドでなる厚さの薄い層である。
ゴム引布8とは、布にゴムを貼り合わせたシートで、布とゴムの特性を併せ持った公知の複合材料である。布にゴムを含浸させてなるものでもよい。織布または不織布等の繊維の片面または両面にカレンダーロールで圧延したゴムを貼り合わせて製造する複合シートや、ゴムを繊維でサンドイッチする複合シートなどがある。
合成樹脂皮膜ゴムシートSにおける接合構造は、前述の単位ゴムシート1の端部どうしを接合一体化してなる接続部Aを有して構成されている。接続部Aは、互いに接着により一体化されている折り返し部1Aとカバー部1Bと覆いゴムシート4とでなる一体化部1Cと、折り返し部1Aの合成樹脂層3とカバー部1Bの合成樹脂層3とを熱溶着(貼着の一例)により一体化してなる第1熱溶着部(貼着部の一例)Y1と、折り返し部1A及びカバー部1Bそれぞれの合成樹脂層3,3に熱溶着(貼着の一例)により一体化された合成樹脂フィルム5と(それぞれの合成樹脂層3,3と合成樹脂フィルム5とを熱溶着してなる第2熱溶着部Y2と)、を備えて構成されている。合成樹脂フィルム5の材質は、合成樹脂層3と同じものであるが、それ以外でも良い。
折り返し部1Aは、図3及び図4(a)に示されるように、一方の単位ゴムシート1の端部をゴム層2が内側となる方向に、シート状の接着ゴム6を挟み込んで180度折り曲げて折り畳んだ形状のものに構成されている。折り返し部1Aは、シート面に対して垂直姿勢となる部分である屈曲部11と、シート面に平行となる部分である返し部12とを有している。接着ゴム6は、接着に適した接着用のゴムである。
カバー部1Bは、図3及び図5(a)に示されるように、他方の単位ゴムシート1の端部を、その合成樹脂層3が、カバー部1B以外の箇所における合成樹脂層3より凹んだ(退入した)状態となるようにクランク状(Z形状、又は段付状)に折り曲げた形状のものに構成されている。カバー部1Bは、シート面に垂直姿勢となる部分である立設部13と、シート面に平行となる部分である庇部14とを有している。カバー部1Bの合成樹脂層3と折り返し部1Aの合成樹脂層3とが直接に、かつ、隙間無く重なる状態に、カバー部1B及び折り返し部1Aが形状設定されている。
覆いゴムシート4は、図3及び図5(b)に示されるように、覆い内側の接着ゴム層7と、覆い外側のゴム引布8とが重ねられて一体化された2層構造(積層構造の一例)のゴムシートであって、折り返し部1Aとカバー部1Bとが重ね合わされてなる重ね部aに隙間無く外接するように、鍋伏状の形状及び大きさに設定されて構成されている。重ね部aに外接された状態の覆いゴムシート4は、カバー部1B及び折り返し部1Aの端面を覆い、かつ、一方及び他方の各単位ゴムシート1,1の根元部9,10それぞれのゴム層2に跨って設けられている。
覆いゴムシート4は、一方の単位ゴムシート1のゴム層2に重なる一方の裾野部4a、他方の単位ゴムシート1のゴム層2に重なる他方の裾野部4b、カバー部1B及び折り返し部1Aそれぞれの先端面15,16に外接する一方の縦壁部4c、カバー部1Bの立設部13に外接する他方の縦壁部4d、及びカバー部1Bの庇部14に外接する頂壁部4eを有している。
接続部Aにおいては、図3、図6(b)に示されるように、折り返し部1Aの合成樹脂層3とカバー部1Bの合成樹脂層3とが熱溶着(貼着の一例)により一体化されてなる第2熱溶着部(第2貼着部の一例)Y2が形成されている。詳しくは、折り返し部1A及びカバー部1Bそれぞれの根元部9,10の合成樹脂層3に跨って重ねられる合成樹脂フィルム5を設け、各合成樹脂層3と合成樹脂フィルム5とを熱溶着することで第2熱溶着部Y2が構成されている。
折り返し部1Aの根元部9は、屈曲部11及び返し部12以外の部分(シート面と平行な部分)であり、カバー部1Bの根元部10は、立設部13及び庇部14以外の部分(シート面と平行な部分)である。
つまり接続部Aにおいては、一方及び他方の単位ゴムシート1の合成樹脂層3どうしが熱溶着されるとともに、各根元部9,10の合成樹脂層3,3と合成樹脂フィルム5とが熱溶着されての密封状態で接合一体化されている。そして、一方の単位ゴムシート1における一方の裾野部4aに対応する部分及び折り返し部1Aそれぞれのゴム層2、及び他方の単位ゴムシート1における他方の裾野部4bに対応する部分及びカバー部1Bそれぞれのゴム層2が、覆いゴムシート4と加硫接着により強固に一体化されている。
このように、単位ゴムシート1を複数又は多数枚接合一体化させて、図7に示されるように、略平板状で実質的に一枚ものの大きな合成樹脂皮膜ゴムシートSを得ること(作製すること)ができる。従って、この大きな合成樹脂皮膜ゴムシートSにより、シール材31はもとより、タンク内に収容される流体貯留袋などの大型のゴム製品を、優れた絶縁性、耐薬品性などを持ちながら漏れの無いものとして作製することが可能となる。
次に、単位ゴムシート1,1の端部どうしを接合一体化する接続部Aの製造方法について説明する。なお、シート面とは、単位ゴムシート1の上又は下の面のことであり、図3〜6においては、紙面の左右方向に広がる面である。
まず、単位ゴムシート1(ゴム層2は加硫済)の一対を用意し、図4(a)に示されるように、それぞれの単位ゴムシート1の端部を、ゴム層2が内側となる方向に90度折り曲げて折り曲げ部1Mを形成する折り曲げ工程を行う。そして、図4(b)に示されるように、それぞれの折り曲げ部1M,1Mどうしを重ね、互いの合成樹脂層3,3どうしを熱溶着し、一体化した一体端部1Tを形成させる第1熱溶着工程(第1貼着工程)を行う。
次に、図5(a)に示されるように、一体端部1Tを、その途中部位において何れか一方の方向に90度折り曲げ、「ユ」字状(クランク状)の重ね部aを形成する第2折り曲げ工程を行う。この第2折り曲げ工程により、折り返し部1A及びカバー部1Bが形成される。また、折り返し部1Aとその根元部9との間にシート状の接着ゴム6(未加硫)を入れ込んで設ける付加工程を行う。
第2折り曲げ工程+付加工程に代えて、第2折り曲げ工程を行うための動作の前に、折り曲げ内側となる側の根元部9に接着ゴム6を配備しておき、その状態で一体端部1Tを90度折り曲げて重ね部aを形成する、という挟み折り曲げ工程とすることも可能である。
なお、付加工程又は挟み折り曲げ工程の際に、一体端部1Tの折り曲げ内側面及び折り曲げ側の根元部9のゴム層2の表面(或いは、折り曲げ後における折り返し部1Aの内側となるゴム層の表面)、又は接着ゴム6の表裏面に接着剤を塗布しておき、接着ゴム6と接するゴム層2と接着ゴム6とを接着させる内側接着工程を伴ってもよい。
次に、図5(b)に示されるように、接着ゴム6が設けられている重ね部aに、未加硫の接着ゴム層7を有する鍋伏形状の覆いゴムシート4を被せて重ねる一体化工程を行う。覆いゴムシート4は、シート面に対して凸となる重ね部aに外接して嵌合されるように、鍋伏形状に設定されている。
覆いゴムシート4は、重ね部aに隙間無く外接する状態に、その形状及び大きさが設定されている。
なお、一体化工程の際に、接着剤の塗布により、重ね部a及び両根元部9,10それぞれのゴム層2と、覆いゴムシート4の接着ゴム層7とのそれぞれを接着させる外側接着工程を伴ってもよい。
一体化工程の次は、図6(a)に示されるように、一体化部1Cを加熱・加圧型に入れるなどして、上下に(シート面に対する上下に)加圧するとともに加熱(例:160℃で20〜30分)し、重ね部a及び両根元部9,10と覆いゴムシート4とを強固に加硫接着させるための全体接着用工程を行う。全体接着用工程により、覆いゴムシート4の接着ゴム層7と接着ゴム6とが加硫される際に、折り返し部1A、カバー部1B、及び各根元部9,10のゴム層2の表面部位も若干軟化し、接着ゴム層7や接着ゴム6と強度十分に加硫接着(プレス架橋接着)されて強固に一体化される。
最後に、図6(b)に示されるように、一体化部1Cにおける両根元部9,10それぞれの合成樹脂層3に跨る状態に、合成樹脂フィルム5を各合成樹脂層3,3に熱溶着させて第2熱溶着部Y2を作る第2熱溶着工程(第2貼着工程)を行う。第2熱溶着工程により、合成樹脂フィルム5が一体化部1Cに熱溶着され、接続部Aの製造が終了する。上述の方法により作製された接続部Aにおいて、重ね部aの折り曲げ内側の単位ゴムシート1の端部が折り返し部1Aであり、かつ、折り曲げ外側の単位ゴムシート1の端部がカバー部1Bである。
そして、所定数の接続部Aが作製されての複数の単位ゴムシート1の接合一体化により、図7に示される大きな合成樹脂皮膜ゴムシートSが作製される。
以上述べたように、本発明によるシール材31は、複数又は多数の単位ゴムシート1を接合一体化して、大きな合成樹脂皮膜ゴムシートSが作製可能になったことにより実現できたものである。
つまり、単位ゴムシート1,1どうしの接続部Aは、一方に形成される折り返し部1Aと、他方に形成されるカバー部1Bと、覆いゴムシート4とを嵌合状態で重ね合わせた状態で、加熱・加圧により加硫接着させる工夫によりなる。突合せ配置される各単位ゴムシート1,1のゴム層2,2どうしが強固にかつ隙間の無い状態で接合(接続)一体化できるとともに、合成樹脂層3,3どうしも熱溶着により隙間の無い状態で一体化することができる。
従って、フッ素樹脂などの合成樹脂皮膜が付いて接合の難しい単位ゴムシート1,1どうしの接合一体化が可能となり、浮屋根式タンク用シール材31など、大型のゴムシート製品に好適となる大きな合成樹脂皮膜ゴムシートS(図7を参照)の作製が可能になった。
その結果、利点の多い合成樹脂皮膜が施されたゴムシートの大型のものを作製できるようにして、材料の主成分として、膨張・収縮の変形性に優れるゴムを用いながらも、耐薬品性や耐油性に優れるものとして、より耐久性に優れる浮屋根式タンク用シール材31を提供することができる。
ゴム層2を公知のゴム引布8とすればより強度や耐久性に優れる合成樹脂皮膜ゴムシートS(単位ゴムシート1)が実現できる。また、覆いゴムシート4を、接着に好適な接着ゴム層7とゴム引布8とでなる2層構造シートとして、接着性に優れ、かつ、強度や耐久性にも優れるものとすることができる。
折り返し部1Aに、折り返されることで対向配置されるゴム層2,2どうしの間に接着ゴム6を介装させる構成とすれば、接着ゴム6を用いない場合に比べて、接着による一体化強度を無理なく増せる利点がある。
接続部Aにおいて対向状態にある一方の合成樹脂層3と他方の合成樹脂層3とに跨って面接触する合成樹脂フィルム5を用いて熱溶着して第2熱溶着部Y2を設けてあるので、合成樹脂フィルム5を用いない手段に比べて、密封度が向上するとともに、単位ゴムシート1,1どうしが離れる方向の力、即ち、引っ張り力にも耐える強度が向上する利点もある。
折り返し部1Aは、接着ゴム6を用いず、上下のゴム層2,2どうしを直接接着(加硫接着、接着剤による接着)させる構成でも良い。また、ゴム層2は、ゴムのみからなるもの、強化繊維を含むゴムなど、ゴム引布以外のものでも良い。
〔実施形態2〕
浮屋根式タンク用シール材31及びこれを用いたシール体24は、図8に示される構造のものでも良い。即ち、実施形態2によるシール体24は、図1に示されるものと、接続部Aが径方向にではなく、周方向に1箇所又は複数個所(図8では4箇所)設けられている合成樹脂皮膜ゴムシートSを用いてシール材31とされたものである。それ以外は、図1に示すものと同じである。
〔実施形態3〕
浮屋根式タンク用シール材31及びこれを用いたシール体24は、図9に示されるような形状のものでも良い。即ち、横倒し台形状の断面形状を有する芯材30と、芯材30を支持する基板35と、芯材30をほぼ覆うシール材31でなるシール体24である。
ウレタンフォームなどでなるリング状の芯材30は、その内周面30aが円筒状の基板35の外周面35aに貼着などにより一体化されている。
この場合のシール材31は、タンク側壁32の内周面32Aに沿う外縦膜部31b、外縦膜部31bの上端部に繋がる上横膜部31c、外縦膜部31bの下端部に繋がる下横膜部31dは有しているが、内縦膜部31aは無い。その代わり、下横膜部31dの内端に繋がり、若干上方に延びた折曲げ部31eを備えている。
上横膜部31cの内端部は階段状に折り曲げられてなる被支持部37に形成され、ボルトなどによる固定手段36により、基板35の折り曲げ上端面35Aに取り付けられている。基板35は、適宜の取付手段により浮き屋根(図示省略)に取り付けられているが、固定手段36による共締めにより浮き屋根(図示省略)に取り付けられてもよい。折曲げ部31eは、基板35の下端部に貼着手段などにより支持される構成でも良いし、浮き屋根(図示省略)との間で挟持される構成でも良い。
〔別実施例〕
実施形態3によるシール体24において、そのシール材31に用いられる合成樹脂皮膜ゴムシートSとして、単位ゴムシート1どうしを接合する接続部Aが、径方向に伸びる状態のもの(図2を参照)とされたものを用いても良い。
1 単位ゴムシート
1A 折り返し部
1B カバー部
1C 一体化部
2 ゴム層
3 合成樹脂層
4 覆いゴムシート
5 合成樹脂フィルム
6 接着ゴム
7 接着ゴム層
8 ゴム引布
21 タンク
22 浮屋根
22A 外周部
24 シール体
30 芯材
32A 内周面
A 接続部
Y1 貼着部
Y2 第2貼着部
S 合成樹脂皮膜ゴムシート
a 重ね部

Claims (6)

  1. 弾性材よりなる芯材を覆って、浮屋根の外周部とタンクの内周面との間を閉塞する状態に設置されるシール体を形成するための浮屋根式タンク用シール材であって、
    ゴム層と前記ゴム層に重ねられた合成樹脂層とでなる単位ゴムシートと、前記単位ゴムシートの端部どうしを接合してなる接続部とを有する合成樹脂皮膜ゴムシートにより、所定の芯材覆い形状に形成されている浮屋根式タンク用シール材。
  2. 前記接続部は、
    一方の前記単位ゴムシートの端部を前記ゴム層が内側となる方向に折り畳んだ形状とされている折り返し部と、
    他方の前記単位ゴムシートの端部を、これの合成樹脂層が前記折り返し部の合成樹脂層に沿うようにクランク状に折り曲げた形状とされているカバー部と、
    前記折り返し部と前記カバー部とがそれぞれの合成樹脂層どうしが当接する状態に重ね合わされている重ね部に外接される覆いゴムシートとを備えるとともに、
    前記重ね部と前記覆いゴムシートとの接着によりなる一体化部、及び、前記折り返し部の合成樹脂層と前記カバー部の合成樹脂層との貼着によりなる貼着部が構成されている請求項1に記載の浮屋根式タンク用シール材。
  3. 前記ゴム層がゴム引布により形成されている請求項2に記載の浮屋根式タンク用シール材。
  4. 前記折り返し部は、接着ゴムを挟んで折り畳んだ状態に構成されている請求項2又は3に記載の浮屋根式タンク用シール材。
  5. 前記一方及び他方の各合成樹脂皮膜ゴムシートの端部における前記合成樹脂層どうしに跨る合成樹脂フィルムが設けられ、一方の合成樹脂層及び他方の合成樹脂層のそれぞれと前記合成樹脂フィルムとの貼着によりなる第2貼着部が構成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の浮屋根式タンク用シール材。
  6. 前記覆いゴムシートは、覆い内側の接着ゴム層と、覆い外側のゴム引布とが重ねられて一体化された2層構造のものに構成されている請求項2〜5の何れか一項に記載の浮屋根式タンク用シール材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN118618752A (zh) * 2024-08-12 2024-09-10 上原石化设备(常州)有限公司 用于浮板的负压式浮舱及其工作方法

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