JP2018023943A - 静電噴霧装置及び静電噴霧方法 - Google Patents

静電噴霧装置及び静電噴霧方法 Download PDF

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Abstract

【課題】噴霧の開始及び停止時に不安定な噴霧が発生することを抑制できる静電噴霧装置及び静電噴霧方法を提供すること。【解決手段】本発明の静電噴霧装置は、ノズル22を有する液体噴霧部20と、液体を帯電状態にするとともに帯電状態の液体をノズル22から離脱させる静電気力を発生させる電圧の印加を行う電圧印加手段50と、ノズル22に液体を圧送できるとともにノズル22から液体を吸引できるポンプ(シリンジポンプ30)と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は静電噴霧装置及び静電噴霧方法に関する。
特許文献1には、被塗布物に液体を放出するノズルと、前記ノズルと対向するように配置され、前記被塗布物を支持する対向電極と、前記ノズルと前記対向電極との間に電圧を印加する電源と、前記ノズルを選択的に接地するスイッチと、を備え、前記スイッチは、前記ノズルを接地していないときは、前記ノズルと前記電源とを接続し、前記ノズルを接地するときは、前記ノズルと前記電源との接続を遮断する、静電塗布装置が開示されている。
そして、特許文献1には、このような構成を有することにより、電源がオフとなっても、ノズルには電荷が残留しているため、ノズルから被塗布物への液体の滴下が終了するまでには時間を要するが、ノズルがスイッチにより接地されると、ノズルに残留した電荷が大地に行き、ノズルに残留した電荷は消滅するため、電源がオフとなった後に、ノズルからの液体の滴下をより早く終了させることができることが説明されている。
一方、特許文献2には、静電噴霧及び噴霧の停止を繰り返すと、筒の先端に大量に液が溜まり、塗布対象に液が垂れたり、噴霧挙動が安定化しにくい等の不具合があるため、ダミーに対して実際の塗布対象に液を噴霧するときよりも高い電圧を印加した状態で噴霧を行った後に、実際の塗布対象に噴霧を行うことが開示されている。
特許第5657156号公報 特許第5802787号公報
上述のように、静電噴霧では、不安定な状態の噴霧を発生させないで噴霧の開始及び停止を行えるようにすることが1つの課題であり、更に改善する余地が残されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、噴霧の開始及び停止時に不安定な噴霧が発生することを抑制できる静電噴霧装置及び静電噴霧方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の静電噴霧装置は、ノズルを有する液体噴霧部と、液体を帯電状態にするとともに帯電状態の前記液体を前記ノズルから離脱させる静電気力を発生させる電圧の印加を行う電圧印加手段と、前記ノズルに前記液体を圧送できるとともに前記ノズルから前記液体を吸引できるポンプと、を備えている。
(2)上記(1)の構成において、前記ポンプを制御する制御部を備え、前記制御部が、前記ノズルから前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させることで前記液体の噴霧を停止させる。
(3)上記(2)の構成において、前記制御部は、前記電圧印加手段を制御する機能を備えており、前記制御部は、前記ノズルから前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させた後に前記電圧印加手段による前記電圧の印加を停止させる。
(4)上記(1)の構成において、前記ポンプ及び前記電圧印加手段を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記ノズルから前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させることで前回の前記液体の噴霧を停止させるとともに、前記電圧印加手段による前記電圧の印加を開始させた後に、前記ノズルに前記液体を圧送させるように前記ポンプを駆動させて今回の前記液体の噴霧を開始させる。
(5)上記(1)の構成において、前記ポンプ及び前記電圧印加手段を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記ノズルから前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させた後に前記電圧印加手段による前記電圧の印加を開始させるとともに前記電圧の印加が開始された後に前記ノズルに前記液体を圧送させるように前記ポンプを駆動させることで前記液体の噴霧を開始させる。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つの構成において、前記ポンプが、シリンジポンプである。
(7)本発明の静電噴霧方法は、ノズルを有する液体噴霧部と液体を帯電状態にするとともに帯電状態の前記液体を前記ノズルから離脱させる静電気力を発生させる電圧の印加を行う電圧印加手段と前記ノズルに前記液体を圧送できるとともに前記ノズルから前記液体を吸引できるポンプと、を備えた静電噴霧装置を用いた静電噴霧方法であって、前記ポンプを前記ノズルから前記液体を吸引するように駆動させる。
(8)上記(7)の構成において、前記ノズルの先端部から前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させた後に前記電圧印加手段による前記電圧の印加を停止させる。
(9)本発明の静電噴霧方法は、ノズルを有する液体噴霧部と液体を帯電状態にするとともに帯電状態の前記液体を前記ノズルから離脱させる静電気力を発生させる電圧の印加を行う電圧印加手段と前記ノズルに前記液体を圧送できるとともに前記ノズルから前記液体を吸引できるポンプと、を備えた静電噴霧装置を用いた静電噴霧方法であって、前記ノズルの先端部から前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させることで前回の前記液体の噴霧を停止させるとともに、前記電圧印加手段による前記電圧の印加を開始させた後に、前記ノズルに前記液体を圧送させるように前記ポンプを駆動させて今回の前記液体の噴霧を開始させる。
(10)本発明の静電噴霧方法は、ノズルを有する液体噴霧部と液体を帯電状態にするとともに帯電状態の前記液体を前記ノズルから離脱させる静電気力を発生させる電圧の印加を行う電圧印加手段と前記ノズルに前記液体を圧送できるとともに前記ノズルの先端部から前記液体を吸引できるポンプと、を備えた静電噴霧装置を用いた静電噴霧方法であって、前記ノズルから前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させた後に前記電圧印加手段による前記電圧の印加を開始させるとともに前記電圧の印加が開始された後に前記ノズルに前記液体を圧送するように前記ポンプを駆動させることで前記液体の噴霧を開始させる。
本発明によれば、噴霧の開始及び停止時に不安定な噴霧が発生することを抑制できる静電噴霧装置及び静電噴霧方法を提供することができる。
本発明に係る実施形態の静電噴霧装置の斜視図である。 本発明に係る実施形態の静電噴霧装置の側面図である。 本発明に係る実施形態の液体噴霧部だけを示した断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
また、特に断りがない場合、「先(端)」や「前(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向側を表し、「後(端)」や「後(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向と反対側を表すものとする。
図1は本発明に係る実施形態の静電噴霧装置10の斜視図であり、図2は静電噴霧装置10の側面図である。
図1及び図2に示すように、静電噴霧装置10は、ノズル22を有する液体噴霧部20と、ノズル22に液体を圧送できるとともにノズル22から液体を吸引できるシリンジポンプ30と、液体噴霧部20と被塗物40の間に電圧を印加する電圧印加手段50(電圧電源装置)と、シリンジポンプ30及び電圧印加手段50を制御する制御部70と、を備えている。
なお、本実施形態では、電圧印加手段50からの第1電気配線41が被塗物40に直接接続されている場合を示しているが、電圧印加手段50からの第1電気配線41が被塗物40を保持するホルダ等に接続され、そのホルダ等に被塗物40が保持されることで被塗物40が電圧印加手段50に電気的に接続されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、静電噴霧装置10が電圧印加手段50から被塗物40に接続される第1電気配線41に接続されたアース手段60を有しており、被塗物40がアースされるようになっている。
なお、アース手段60は、必須の要件ではないが、被塗物40は作業者が触れる可能性があるので、安全面の観点からアース手段60を設けて被塗物40をアースするようにすることが好ましい。
(液体噴霧部)
図3は、液体噴霧部20だけを示した断面図である。
なお、図3では、液体噴霧部20から後述するように塗料等の液体が噴霧されている状態を合わせて図示したものになっている。
図3に示すように、液体噴霧部20は、液体の供給される液体供給口21aを有する液体流路21bが形成された絶縁材料からなる胴体部21と、貫通孔が胴体部21の液体流路21bに連通するように胴体部21の先端に設けられるノズル22と、胴体部21の液体流路21b内及びノズル22の貫通孔内に配置される導電材料からなる電極棒23と、を備えている。
胴体部21には、後端側から先端側に向かって電極棒23を挿入するために、液体流路21bと連通した孔部21cが設けられている。
そして、その孔部21c内には、電極棒23との間の隙間をシールして液体が漏れないようにするシール部材24が設けられている。
なお、本実施形態では、シール部材24としてOリングを用いているが、Oリングに限らず、シールが可能なものであればよい。
また、孔部21cの後端側には、電極棒23を固定するための螺合溝21eが内周面に形成された開口部が設けられており、電極棒23は、外周面に、その螺合溝21eに螺合する螺合溝23cが設けられた摘み部23aを有している。
このため、その摘み部23aの螺合溝23cを開口部の螺合溝21eに螺合させることで、電極棒23の先端部23dが所定の位置に位置するように、電極棒23が胴体部21に固定される。
なお、電極棒23の先端部23dを位置させる所定の位置は、図3に示すように、電極棒23の先端部23dが、ノズル22の内面に接触しないノズル22の先端の開口部に近い位置であればよい。
ただし、電圧印加手段50によって電圧が印加されたときに、後述するように液体を帯電状態とするとともにその帯電状態になった液体がノズル22から離脱するための静電気力を発生させることが可能な位置である必要がある。
本実施形態では、電極棒23を胴体部21に固定する際に、作業者が摘み部23aを摘まむことになるため、安全性を考慮して摘み部23aを絶縁樹脂で形成し、電極棒23の先端側の導電材料からなる棒材を、その棒材を摘み部23aに固定するための導電材料からなる固定部材23bで摘み部23aに固定するようにしている。
しかしながら、摘み部23aも導電材料とし、摘み部23a、電極棒23の先端側の棒材及び固定部材23bの部分を導電材料で一体形成したような態様としてもよい。
そして、図1及び図2に示すように、固定部材23bには、電圧印加手段50から被塗物40に接続されている第1電気配線41と異なるもう一方の電気配電である第2電気配線42が接続されている。
ここで、固定部材23bは、図3に示すように、摘み部23aを電極棒23の先端側の棒材との間で挟持するように、電極棒23の先端側の棒材に固定されている。
このため、固定部材23bは、電極棒23の先端側の棒材との間で電気的な接続がなされた状態にある。
したがって、電極棒23の先端側の導電材料からなる棒材は、第2電気配線42及び固定部材23bを介して電圧印加手段50に電気的な接続がなされた状態になっており、液体噴霧部20側の電極として機能する。
なお、本実施形態では、電極棒23を液体噴霧部20側の電極としているが、例えば、液体噴霧部20のノズル22を導電材料からなるものとして、このノズル22に電圧印加手段50からの第2電気配線42を接続するようにして、このノズル22を液体噴霧部20側の電極としてもよい。
(シリンジポンプ)
シリンジポンプ30は、図1に示すように、液体が充填されるシリンジ33と、シリンジ33を動作させる駆動部34と、を備えている。
シリンジ33は、液体が充填される外筒31と、外筒31の後端側の開口を閉じるように、外筒31の内面に沿って摺動可能に外筒31に嵌合される押子32と、を備えており、外筒31の先端部31aと液体噴霧部20の液体供給口21aの間は液体供給路90で繋がっている。
なお、駆動部34は、シリンジ33の外筒31が動かないように保持するとともに、シリンジ33の押子32を外筒31の先端部31a側及びその反対側(外筒31の後端側)に動かす動作を行う。
したがって、押子32が駆動部34によって外筒31の先端部31a側に押し込まれると、シリンジ33に充填された液体が外筒31の先端部31aから液体噴霧部20の液体供給口21aに向けて圧送され、液体噴霧部20のノズル22に供給される。
一方、押子32が駆動部34によって外筒31の先端部31aから離れる側(外筒31の後端側)に引っ張られると、今度は、液体噴霧部20のノズル22内の液体をシリンジ33側に向かって吸引することになる。
なお、本実施形態では、シリンジポンプ30として、注射器型のシリンジ33を駆動部34で駆動させる簡易型のシリンジポンプを示しているが、液体が貯蔵される液体タンクから液体を圧送したり、送り出した液体を液体タンク側に吸引したりする市販のシリンジポンプを用いてもよい。
(制御部)
制御部70は、具体的な制御については、後述するが、シリンジポンプ30及び電圧印加手段50を制御する、例えば、制御用PC等であり、図1及び図2に示すように、通信線71で電圧印加手段50に接続されるとともに通信線72でシリンジポンプ30の駆動部34に接続されている。
ただし、制御部70は制御用PC等で構成することに限定されるものではなく、シリンジポンプ30の駆動部34内に制御部70を一体に組み込んだ形態でもよく、逆に、電圧印加手段50(電圧電源装置)内に制御部70を一体に組み込んだ形態でもよい。
次に、以上のような構成を有する静電噴霧装置10の動作について説明する。
まず、液体の噴霧の開始及び停止を行うときの状態について説明を行う前に、図3を参照しながら、液体が噴霧される原理について簡単に説明を行い、その後、液体の噴霧の開始及び停止を行うときの状態についての説明を詳細に行うことにする。
胴体部21の液体供給口21aに供給された液体は、ノズル22の先端側に供給されていき、電圧印加手段50(図1及び図2参照)によって、被塗物40と電極棒23との間に印加される電圧に伴う静電気力によって、前方側に引っ張られて前方に離脱・霧化する。
具体的には、液体のノズル22の先端外周縁22aへの表面張力や粘度による付着力に対して、液体を前方に引っ張る静電気力が釣り合うことで、図3に示すように、ノズル22の先端側に供給された液体が、その先端で円錐形の形状となるテーラコーン80が形成される。
このテーラコーン80は、電場の作用によって、液体中で正/負電荷の分離が起こり、過剰電荷で帯電したノズル22の先端のメニスカスが変形して円錐状となって形成されているものである。
そして、テーラコーン80の先端から静電気力によって帯電状態にある液体が真直ぐに引っ張られ、その後、静電爆発によって液体が噴霧される。
この噴霧される液体、つまり、ノズル22から離脱して液体粒子となった液体は、離脱前の状態に比べ、空気に触れる面積が飛躍的に大きくなるため溶媒の気化が促進され、その溶媒の気化に伴って帯電している電子間の距離が近づき、静電反発(静電爆発)が発生して、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。
この分裂が起こると、さらに、分裂前に比べ空気に触れる表面積が増えることになるため、溶媒の気化が促進され、上述したのと同様に静電爆発が発生し、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。
このような静電爆発が繰り返されることで液体が霧化される。
(液体の噴霧の開始及び停止)
次に、静電噴霧装置10の液体の噴霧を開始する動作及び液体の噴霧を停止の動作について説明する。
静電噴霧装置10を初めて稼働させるときには、ノズル22に液体が存在しないが、液体の噴霧が繰り返し行われる状況では、前回の噴霧のときに供給された液体がノズル22の先端部に残っている状態となる。
このような状態のときに、電圧印加手段50で電圧を印加すると、所定の電圧に至る前の電圧の状態で発生する静電気力によって、液体の噴霧が開始されることになり、安定した静電爆発が起きず、噴霧される液体の粒子径が大きい状態になる等して塗布ムラ等が発生する。
このため、本実施形態の静電噴霧装置10では、制御部70が、ノズル22から液体を吸引するようにシリンジポンプ30の駆動部34を駆動させた後に、電圧印加手段50による電圧の印加を開始させる制御を行うようになっている。
つまり、電圧の印加開始直後の電圧が安定しない状態のときには、ノズル22の先端部に噴霧できるほどの液体が残留していない状態となるようにしてから電圧の印加を開始するようにしている。
このため、上述したような塗布ムラに至るような液体の噴霧が回避される。
そして、制御部70は、電圧の印加が開始された後にノズル22の先端部に液体を圧送するようにシリンジポンプ30の駆動部34を駆動させる制御を行う。
一方、液体の噴霧を停止するときに、例えば、液体の供給を停止させるとともに併せて電圧印加手段50による電圧の印加を停止すると、電圧が降下するのには時間がかかるため、ノズル22の先端側に残留している液体が噴霧され続けることになるが、電圧自体は所定の電圧から下がっていくため、その継続される噴霧は、安定した静電爆発を伴う噴霧にならず、塗布ムラの原因になる。
そこで、制御部70は、液体の噴霧を停止するにあたって、まず、シリンジポンプ30の駆動部34に対して液体の圧送を停止する指令を送るのではなく、液体を吸引する指令を送る制御を行う。
つまり、制御部70は、ノズル22から液体を吸引するようにシリンジポンプ30を駆動させる。
なお、この液体を吸引する指令は、以下で述べるように、液体の噴霧が停止できるように液体が吸引できればよいので一時的に液体を吸引する指令でよく、制御部70による制御は、ノズル22から一時的に液体を吸引するようにシリンジポンプ30を駆動させた後に、シリンジポンプ30を停止させる制御でよい。
そうすると、ノズル22に供給されている液体は、ノズル22の先端側から後方側に吸引されていき、静電気力の影響を受けない位置まで吸い込まれることになるので、電圧印加手段50によって電圧が印加されていても、液体の噴霧は停止する。
この場合、印加されている電圧自体は、液体の噴霧が停止するまでの間、液体を良好に噴霧するのに必要な所定の電圧の状態のままである。
このため、液体の噴霧が停止するまでの間、安定した液体の噴霧が続くことになり、上述のような塗布ムラを回避することができる。
そして、上述のように、ノズル22の先端部から液体を吸引するようにシリンジポンプ30を駆動させた後に、制御部70は、電圧印加手段50による電圧の印加を停止する。
なお、上述のように、電圧印加手段50による電圧の印加を停止してから、完全に電圧の印加がなくなるまでの間には、タイムラグが存在するので、電圧印加手段50による電圧の印加を停止するタイミングは、液体の吸引によって液体の噴霧が完全に停止してから行う必要はない。
つまり、電圧印加手段50による電圧の印加を停止するタイミングは、不安定な噴霧状態になる前に吸引によって液体の噴霧が停止するタイミングであればよい。
また、シリンジポンプ30を吸引状態から停止状態に切り替えるタイミングは、液体の噴霧が停止するのに寄与できるだけの液体の吸引を行った後であれば、電圧印加手段50による電圧の印加を停止するタイミングよりも前でもよく、後でもよい。
さらに、短い時間間隔で断続的に液体の噴霧が行われるような場合には、液体の噴霧が停止した後に、シリンジポンプ30を停止状態に切り替えることなく、吸引状態にしておいて、再び、電圧印加手段50による電圧の印加を再開し、その後、液体を圧送する動作にシリンジポンプ30の動作を切り替えて、再度、液体の噴霧が開始されるようにしてもよい。
同様に、短い時間間隔で断続的に液体の噴霧が行われるような場合には、電圧印加手段50の電圧の印加を停止させることなく、シリンジポンプ30の動作だけを切り替えるようにして、液体の噴霧の開始と停止を制御させるようにしてもよい。
つまり、液体の噴霧を開始したいときには、液体を圧送する動作にシリンジポンプ30の動作を切り替え、液体の噴霧を停止したいときには、液体を吸引する動作にシリンジポンプ30の動作を切り替えるだけで、電圧印加手段50による電圧の印加に関しては停止することなく、電圧を印加し続ける状態としておいてもよい。
ところで、短い時間間隔で断続的に液体の噴霧が行われるような場合でなくとも、液体の噴霧が繰り返し行われるときには、上述したような液体の噴霧を停止する手順、つまり、液体の吸引を行う手順が踏まれた状態から、再び、液体の噴霧が開始されることになるため、ノズル22の先端側には、噴霧できるほどの液体が残留していない。
したがって、ノズル22から液体を吸引するようにシリンジポンプ30を駆動させることで前回の液体の噴霧が停止されている場合には、液体の噴霧を開始するときの動作として、ノズル22から液体を吸引する動作を省略して、電圧印加手段50による電圧の印加を開始した後に、ノズル22に液体を圧送するようにシリンジポンプ30を駆動させて、今回の液体の噴霧を開始させるように、制御部70に制御を行わせてもよい。
ただし、ノズル22から液体を吸引するようにシリンジポンプ30を駆動させることで前回の液体の噴霧が停止されている場合であっても、念のため、ノズル22から液体を吸引するようにシリンジポンプ30を駆動させた後に、電圧印加手段50による電圧の印加を開始させるとともに電圧の印加が開始された後にノズル22に液体を圧送するようにシリンジポンプ30を駆動させる制御を制御部70に行わせるようにして、液体の噴霧を開始させてもよいことは言うまでもない。
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明の静電噴霧装置10について説明してきたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、ノズル22に液体を圧送できるとともにノズル22から液体を吸引できるポンプの例としてシリンジポンプ30を示した。
しかしながら、シリンジポンプ30以外にも圧送及び吸引ができるポンプには、いくつもの種類があり、そのようなポンプをシリンジポンプ30の代わりに用いてもよいことは言うまでもない。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 静電噴霧装置
20 液体噴霧部
21 胴体部
21a 液体供給口
21b 液体流路
21c 孔部
21d 後端開口部
21e 螺合溝
22 ノズル
22a 先端外周縁
23 電極棒
23a 摘み部
23b 固定部材
23c 螺合溝
23d 先端部
24 シール部材
30 シリンジポンプ
31 外筒
31a 先端部
32 押子
33 シリンジ
34 駆動部
40 被塗物
41 第1電気配線
42 第2電気配線
50 電圧印加手段
60 アース手段
70 制御部
71,72 通信線
80 テーラコーン
90 液体供給路

Claims (10)

  1. ノズルを有する液体噴霧部と、
    液体を帯電状態にするとともに帯電状態の前記液体を前記ノズルから離脱させる静電気力を発生させる電圧の印加を行う電圧印加手段と、
    前記ノズルに前記液体を圧送できるとともに前記ノズルから前記液体を吸引できるポンプと、を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
  2. 前記ポンプを制御する制御部を備え、
    前記制御部が、前記ノズルから前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させることで前記液体の噴霧を停止させることを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧装置。
  3. 前記制御部は、前記電圧印加手段を制御する機能を備えており、
    前記制御部は、前記ノズルから前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させた後に前記電圧印加手段による前記電圧の印加を停止させることを特徴とする請求項2に記載の静電噴霧装置。
  4. 前記ポンプ及び前記電圧印加手段を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記ノズルから前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させることで前回の前記液体の噴霧を停止させるとともに、前記電圧印加手段による前記電圧の印加を開始させた後に、前記ノズルに前記液体を圧送させるように前記ポンプを駆動させて今回の前記液体の噴霧を開始させることを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧装置。
  5. 前記ポンプ及び前記電圧印加手段を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記ノズルから前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させた後に前記電圧印加手段による前記電圧の印加を開始させるとともに前記電圧の印加が開始された後に前記ノズルに前記液体を圧送させるように前記ポンプを駆動させることで前記液体の噴霧を開始させることを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧装置。
  6. 前記ポンプが、シリンジポンプであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の静電噴霧装置。
  7. ノズルを有する液体噴霧部と液体を帯電状態にするとともに帯電状態の前記液体を前記ノズルから離脱させる静電気力を発生させる電圧の印加を行う電圧印加手段と前記ノズルに前記液体を圧送できるとともに前記ノズルから前記液体を吸引できるポンプと、を備えた静電噴霧装置を用いた静電噴霧方法であって、
    前記ポンプを前記ノズルから前記液体を吸引するように駆動させることで前記液体の噴霧を停止させることを特徴とする静電噴霧方法。
  8. 前記ノズルの先端部から前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させた後に前記電圧印加手段による前記電圧の印加を停止させることを特徴とする請求項7に記載の静電噴霧方法。
  9. ノズルを有する液体噴霧部と液体を帯電状態にするとともに帯電状態の前記液体を前記ノズルから離脱させる静電気力を発生させる電圧の印加を行う電圧印加手段と前記ノズルに前記液体を圧送できるとともに前記ノズルから前記液体を吸引できるポンプと、を備えた静電噴霧装置を用いた静電噴霧方法であって、
    前記ノズルの先端部から前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させることで前回の前記液体の噴霧を停止させるとともに、前記電圧印加手段による前記電圧の印加を開始させた後に、前記ノズルに前記液体を圧送させるように前記ポンプを駆動させて今回の前記液体の噴霧を開始させることを特徴とする静電噴霧方法。
  10. ノズルを有する液体噴霧部と液体を帯電状態にするとともに帯電状態の前記液体を前記ノズルから離脱させる静電気力を発生させる電圧の印加を行う電圧印加手段と前記ノズルに前記液体を圧送できるとともに前記ノズルの先端部から前記液体を吸引できるポンプと、を備えた静電噴霧装置を用いた静電噴霧方法であって、
    前記ノズルから前記液体を吸引するように前記ポンプを駆動させた後に前記電圧印加手段による前記電圧の印加を開始させるとともに前記電圧の印加が開始された後に前記ノズルに前記液体を圧送するように前記ポンプを駆動させることで前記液体の噴霧を開始させることを特徴とする静電噴霧方法。
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