JP2018022842A - シートコイル - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルパターンにおける絶縁シートに対する接着性の低下を抑制しつつも、コイルパターンから生じる熱を効率良く放熱すること。【解決手段】第1のコイルパターン21は、コイル部21Aとダミーパターン部21bとを有し、ダミーパターン部21bは、絶縁シート11の厚み方向で第2のコイルパターン31における第1のコイルパターン21のコイル部21Aと重ならない部分と重なっている。このため、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31における絶縁シート11に対する押し付けが不十分になってしまうことが抑制される。また、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31から生じる熱が、ダミーパターン部21bに伝達されてダミーパターン部21bから放熱される。【選択図】図5
Description
本発明は、シートコイルに関する。
例えば特許文献1には、絶縁基板(絶縁シート)の表裏両面に金属板(コイルパターン)が接着されたコイル部品(シートコイル)が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1では、絶縁基板の表裏両面に接着された両金属板は、絶縁基板を挟んで対向する状態で互いに対称的に配置されている。
ところで、板状のコイルパターンを絶縁シートの表裏両面にそれぞれ接着する際には、絶縁シートの表裏両面に、例えば接着シートを介してコイルパターンをそれぞれ配置し、両コイルパターン及び絶縁シートを挟み込むようにして絶縁シートの厚み方向の両側からプレスすることで行われる。しかし、絶縁シートの表裏両面に接着されるコイルパターンの引き廻しの都合上、絶縁シートの表裏両面にそれぞれ接着されるコイルパターンの形状が異なると、両コイルパターンにおいて、絶縁シートの厚み方向で互いに重ならない部分が存在することになる。すると、コイルパターンを絶縁シートの表裏両面にそれぞれ接着する際に、両コイルパターン及び絶縁シートを挟み込むようにして絶縁シートの厚み方向の両側からプレスしても、両コイルパターンにおける絶縁シートの厚み方向で互いに重ならない部分においては、絶縁シートに対する押し付けが不十分になってしまう。その結果、コイルパターンにおける絶縁シートに対する接着性が低下してしまう。また、コイルパターンは電流が流れると発熱するため、コイルパターンから生じる熱を効率良く放熱したいという要望もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、コイルパターンにおける絶縁シートに対する接着性の低下を抑制しつつも、コイルパターンから生じる熱を効率良く放熱することができるシートコイルを提供することにある。
上記課題を解決するシートコイルは、絶縁シートと、前記絶縁シートの一方の面に接着される第1のコイルパターンと、前記絶縁シートの他方の面に接着される第2のコイルパターンと、前記第1のコイルパターンと前記第2のコイルパターンとを電気的に接続するスルーホールと、を有するシートコイルであって、前記第1のコイルパターンは、コイルとして機能するコイル部と、前記スルーホールを跨いで前記コイル部とは反対側に設けられるとともにコイルとして機能しないダミーパターン部と、を有し、前記ダミーパターン部は、前記絶縁シートの厚み方向で前記第2のコイルパターンにおける前記コイル部と重ならない部分と重なっている。
例えば、第1のコイルパターン及び第2のコイルパターンを絶縁シートにそれぞれ接着する際には、第1のコイルパターン、第2のコイルパターン及び絶縁シートを挟み込むようにして絶縁シートの厚み方向の両側からプレスする。このときに、第2のコイルパターンにおける絶縁シートの厚み方向で第1のコイルパターンのコイル部と重ならない部分が存在しても、その重ならない部分とダミーパターン部とが絶縁シートの厚み方向で重なっているため、第1のコイルパターン及び第2のコイルパターンにおける絶縁シートに対する押し付けが不十分になってしまうことが抑制される。また、第1のコイルパターン及び第2のコイルパターンから生じる熱が、ダミーパターン部に伝達されてダミーパターン部から放熱される。以上のことから、コイルパターンにおける絶縁シートに対する接着性の低下を抑制しつつも、コイルパターンから生じる熱を効率良く放熱することができる。
上記シートコイルにおいて、前記第1のコイルパターンは渦巻状であり、前記第1のコイルパターンの最外周に位置するコイル部には外方へ突出する凸部が設けられていてもよい。これによれば、第1のコイルパターン及び第2のコイルパターンから生じる熱が凸部に伝達されて凸部から放熱されるため、コイルパターンから生じる熱をさらに効率良く放熱することができる。
上記シートコイルにおいて、前記絶縁シートには、前記絶縁シートの最外縁を切り欠くことにより開口部が設けられ、前記絶縁シートの厚み方向で前記開口部と前記凸部の先端とが重なっていてもよい。これによれば、凸部の先端が、絶縁シートの最外縁よりも飛び出さなくなるため、シートコイルの体格の小型化を図ることができる。
上記シートコイルにおいて、前記第1のコイルパターンの電流経路の断面積と前記第2のコイルパターンの電流経路の断面積とが同じで、前記第2のコイルパターンが、前記絶縁シートの厚み方向で前記コイル部と重なっている第1領域と、前記第1のコイルパターンの電流経路の断面積が前記第2のコイルパターンの電流経路の断面積よりも小さく、前記第2のコイルパターンが、前記絶縁シートの厚み方向で前記コイル部と重ならない部分を有する第2領域と、を有し、前記第1のコイルパターンは、前記第2領域に前記ダミーパターン部を有していてもよい。
コイルパターンの電流経路の断面積が小さくなるほど電気抵抗が大きくなるため、その部分での発熱量も大きくなる。そこで、第1のコイルパターンの電流経路の断面積が第2のコイルパターンの電流経路の断面積よりも小さく、第2のコイルパターンが、絶縁シートの厚み方向で第1のコイルパターンのコイル部と重ならない部分を有する第2領域において、第1のコイルパターンは、ダミーパターン部を有している。よって、第2領域において、電流経路の断面積が小さく電気抵抗が大きい部分で生じる熱をダミーパターン部から放熱することができる。
上記シートコイルにおいて、前記第1のコイルパターンの電流経路の断面積と前記第2のコイルパターンの電流経路の断面積とが同じで、前記第2のコイルパターンが、前記絶縁シートの厚み方向で前記コイル部と重なっている第1領域と、前記第1のコイルパターンの電流経路の断面積が前記第2のコイルパターンの電流経路の断面積よりも小さく、前記第2のコイルパターンが、前記絶縁シートの厚み方向で前記コイル部と重ならない部分を有する第2領域と、を有し、前記第1のコイルパターンは、前記第2領域に前記ダミーパターン部及び前記凸部のうち少なくとも一方を有していてもよい。
コイルパターンの電流経路の断面積が小さくなるほど電気抵抗が大きくなるため、その部分での発熱量も大きくなる。そこで、第1のコイルパターンの電流経路の断面積が第2のコイルパターンの電流経路の断面積よりも小さく、第2のコイルパターンが、絶縁シートの厚み方向で第1のコイルパターンのコイル部と重ならない部分を有する第2領域において、第1のコイルパターンは、ダミーパターン部及び凸部のうち少なくとも一方を有している。よって、第2領域において、電流経路の断面積が小さく電気抵抗が大きい部分で生じる熱をダミーパターン部及び凸部のうち少なくとも一方から放熱することができる。
この発明によれば、コイルパターンにおける絶縁シートに対する接着性の低下を抑制しつつも、コイルパターンから生じる熱を効率良く放熱することができる。
以下、シートコイルを具体化した一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
図1に示すように、シートコイル10は、絶縁シート11と、絶縁シート11の一方の面である表面11aに接着される第1のコイルパターン21と、絶縁シート11の他方の面である裏面11bに接着される第2のコイルパターン31と、を有する。
図1に示すように、シートコイル10は、絶縁シート11と、絶縁シート11の一方の面である表面11aに接着される第1のコイルパターン21と、絶縁シート11の他方の面である裏面11bに接着される第2のコイルパターン31と、を有する。
図2に示すように、絶縁シート11は、平面視四角形状である。絶縁シート11は、例えば、プリプレグやガラスエポキシ樹脂等により形成されている。絶縁シート11の中央部には、貫通孔11cが形成されている。また、絶縁シート11の貫通孔11cの周囲には円孔状のスルーホール部11hが形成されている。
図3に示すように、第1のコイルパターン21は、内周端から外周端に向かって同一平面上で渦巻状に延びている。第1のコイルパターン21の最内周には、円孔状のスルーホール部21aが形成されている。第1のコイルパターン21は、絶縁シート11の貫通孔11cを中心として、1本の導体が、例えば、スルーホール部21aを有する部位を始点として外周端に向かって渦巻状に3周巻回されて、外周端部が、例えば、図示しない基板のパターンに電気的に接続される端子21eとなるような形状になっている。
また、第1のコイルパターン21は、ダミーパターン部21bを有する。ダミーパターン部21bは、第1のコイルパターン21におけるスルーホール部21aよりも内周端寄りに設けられるとともに第1のコイルパターン21の内周端部に相当する。第1のコイルパターン21は、第1のコイルパターン21の最内周の部位が、絶縁シート11の表面11aにおいて、貫通孔11cの周囲に配置されるように絶縁シート11の表面11aに接着される。
図4に示すように、第2のコイルパターン31は、内周端から外周端に向かって同一平面上で渦巻状に延びている。第2のコイルパターン31の最内周には、円孔状のスルーホール部31aが形成されている。第2のコイルパターン31は、絶縁シート11の貫通孔11cを中心として、1本の導体が、例えば、スルーホール部31aを有する部位を始点として外周端に向かって渦巻状に3周巻回された形状になっている。第2のコイルパターン31の外周端部には、円孔状の第2のスルーホール部31eが形成されている。
また、第2のコイルパターン31は、ダミーパターン部31bを有する。ダミーパターン部31bは、第2のコイルパターン31におけるスルーホール部31aよりも内周端寄りに設けられるとともに第2のコイルパターン31の内周端部に相当する。第2のコイルパターン31は、第2のコイルパターン31の最内周の部位が、絶縁シート11の裏面11bにおいて、貫通孔11cの周囲に配置されるように絶縁シート11の裏面11bに接着される。
第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31は、第1のコイルパターン21のスルーホール部21aと、第2のコイルパターン31のスルーホール部31aと、絶縁シート11のスルーホール部11hとが絶縁シート11の厚み方向で重なるように絶縁シート11に配置されている。そして、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン31とは、各スルーホール部11h、21a、31aを介して電気的に接続されている。よって、各スルーホール部11h,21a,31aは、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン31とを電気的に接続するスルーホールを構成している。
図3に示すように、図示しない基板のパターンから端子21eに流れた電流は、第1のコイルパターン21の内周端に向かって流れる。ここで、第1のコイルパターン21の内周端に向かって流れる電流は、スルーホール部21aに流れるため、ダミーパターン部21bには電流はほとんど流れない。よって、第1のコイルパターン21におけるダミーパターン部21b以外の部分は、コイルとして機能するコイル部21Aであり、スルーホールを跨いでコイル部21Aとは反対側に設けられるダミーパターン部21bはコイルとして機能しない。
図4に示すように、電流は、各スルーホール部21a,11h,31aを介して第2のコイルパターン31に流れるとともに、第2のコイルパターン31の外周端に向かって流れる。ここで、第2のコイルパターン31を流れる電流は、第2のコイルパターン31の外周端に向かって流れるため、ダミーパターン部31bには電流はほとんど流れない。よって、第2のコイルパターン31におけるダミーパターン部31b以外の部分は、コイルとして機能するコイル部31Aであり、スルーホールを跨いでコイル部31Aとは反対側に設けられるダミーパターン部31bはコイルとして機能しない。
図3に示すように、第1のコイルパターン21において、第1のコイルパターン21の平面方向で、ダミーパターン部21bよりも絶縁シート11の貫通孔11cとは反対側の部分は、第1のコイルパターン21の他の部分よりも幅が狭い幅狭部21cになっている。また、ダミーパターン部21bも、幅狭部21cと同様に、第1のコイルパターン21の他の部分よりも幅が狭くなっている。第1のコイルパターン21において、ダミーパターン部21b及び幅狭部21c以外の部分の幅は一定である。
図4に示すように、第2のコイルパターン31において、第2のコイルパターン31の平面方向で、ダミーパターン部31bよりも絶縁シート11の貫通孔11cとは反対側の部分は、第2のコイルパターン31の他の部分よりも幅が狭い幅狭部31cになっている。また、ダミーパターン部31bも、幅狭部31cと同様に、第2のコイルパターン31の他の部分よりも幅が狭くなっている。第2のコイルパターン31において、ダミーパターン部31b及び幅狭部31c以外の部分の幅は一定である。
第2のコイルパターン31におけるダミーパターン部31b及び幅狭部31c以外の部分の幅と、第1のコイルパターン21におけるダミーパターン部21b及び幅狭部21c以外の部分の幅とは、同じ幅になっている。また、第1のコイルパターン21の厚みは一定である。第2のコイルパターン31の厚みも一定である。そして、第1のコイルパターン21の厚みと第2のコイルパターン31の厚みとは同じ厚みになっている。
図5に示すように、シートコイル10は、第1のコイルパターン21の幅と第2のコイルパターン31の幅とが同じで、第2のコイルパターン31が、絶縁シート11の厚み方向で第1のコイルパターン21のコイル部21Aと重なっている第1領域Z1を有する。第1のコイルパターン21の厚みと第2のコイルパターン31の厚みとは同じ厚みであるため、第1領域Z1では、第1のコイルパターン21の電流経路の断面積と第2のコイルパターン31の電流経路の断面積とが同じである。
第1のコイルパターン21のダミーパターン部21bは、第2のコイルパターン31の最内周におけるスルーホール部31aよりもダミーパターン部31bとは反対側のコイル部31Aの部位と絶縁シート11の厚み方向で重なっている。つまり、第1のコイルパターン21のダミーパターン部21bは、絶縁シート11の厚み方向で第2のコイルパターン31における第1のコイルパターン21のコイル部21Aとは重ならない部分と重なっている。
シートコイル10は、第1のコイルパターン21のダミーパターン部21b及び各幅狭部21cと、第2のコイルパターン31の幅狭部31c以外のコイル部31Aの一部と絶縁シート11の厚み方向で重なっている第2領域Z2を有する。第1のコイルパターン21の厚みと第2のコイルパターン31の厚みとは同じ厚みである。このため、第2領域Z2では、第1のコイルパターン21の電流経路の断面積が第2のコイルパターン31の電流経路の断面積よりも小さく、第2のコイルパターン31が、絶縁シート11の厚み方向で第1のコイルパターン21のコイル部21Aと重ならない部分を有する。そして、第1のコイルパターン21は、第2領域Z2にダミーパターン部21bを有している。
また、第2のコイルパターン31のダミーパターン部31bは、第1のコイルパターン21の最内周におけるスルーホール部21aよりもダミーパターン部21bとは反対側のコイル部21Aの部位と絶縁シート11の厚み方向で重なっている。つまり、第2のコイルパターン31のダミーパターン部31bは、絶縁シート11の厚み方向で第1のコイルパターン21における第2のコイルパターン31のコイル部31Aとは重ならない部分と重なっている。
シートコイル10は、第2のコイルパターン31のダミーパターン部31b及び各幅狭部31cと、第1のコイルパターン21の幅狭部21c以外のコイル部21Aの一部と絶縁シート11の厚み方向で重なっている第3領域Z3を有する。第1のコイルパターン21の厚みと第2のコイルパターン31の厚みとは同じ厚みである。このため、第3領域Z3では、第2のコイルパターン31の電流経路の断面積が第1のコイルパターン21の電流経路の断面積よりも小さく、第1のコイルパターン21が、絶縁シート11の厚み方向で第2のコイルパターン31のコイル部31Aと重ならない部分を有する。そして、第2のコイルパターン31は、第3領域Z3にダミーパターン部31bを有している。
図3に示すように、第1のコイルパターン21の最外周に位置するコイル部21Aの部位において、平面方向で対となる部分の一方には、外方へ突出する2本の凸部211fが設けられている。2本の凸部211fは互いに平行に延びている。また、第1のコイルパターン21の最外周に位置するコイル部21Aの部位において、平面方向で対となる部分の他方には、外方へ突出する2本の凸部212fが設けられている。2本の凸部212fは互いに平行に延びている。平面方向であって、且つ凸部211fの突出方向に対して直交する方向の、2本の凸部211f同士の間隔は、平面方向であって、且つ凸部212fの突出方向に対して直交する方向の、2本の凸部212f同士の間隔よりも大きくなっている。
また、絶縁シート11の表面11aにおける第1のコイルパターン21の周囲には、複数の浮島パターン22a,22b,22c,22d,22e,22fが接着されている。二つの浮島パターン22a,22bは、平面方向であって、且つ凸部211fの突出方向に対して直交する方向で、2本の凸部211fを挟む位置に配置されている。また、浮島パターン22cは、平面方向であって、且つ凸部211fの突出方向に対して直交する方向で、浮島パターン22aを挟んで凸部211fとは反対側に配置されている。各浮島パターン22a,22b,22cには、外方へ突出する凸部221a,221b,221cが設けられている。各凸部221a,221b,221cは、2本の凸部211fと平行に延びている。
二つの浮島パターン22d,22eは、平面方向であって、且つ凸部212fの突出方向に対して直交する方向で、2本の凸部212fを挟む位置に配置されている。また、浮島パターン22fは、平面方向であって、且つ凸部212fの突出方向に対して直交する方向で、浮島パターン22dを挟んで凸部212fとは反対側に配置されている。各浮島パターン22d,22e,22fには、外方へ突出する凸部221d,221e,221fが設けられている。各凸部221d,221e,221fは、2本の凸部212fと平行に延びている。各浮島パターン22a,22b,22c,22d,22d,22fには、貫通孔222a,222b,222c,222d,222e,222fがそれぞれ形成されている。
図4に示すように、第2のコイルパターン31の最外周に位置するコイル部31Aの部位において、平面方向で対となる部分の一方には、外方へ突出する2本の凸部311fが設けられている。2本の凸部311fは互いに平行に延びている。2本の凸部311fは、第2のコイルパターン31の最外周に位置するコイル部31Aの部位の幅狭部31cに設けられている。また、第2のコイルパターン31の最外周に位置するコイル部31Aの部位において、平面方向で対となる部分の他方には、外方へ突出する2本の凸部312fが設けられている。2本の凸部312fは互いに平行に延びている。
平面方向であって、且つ凸部311fの突出方向に対して直交する方向の、2本の凸部311f同士の間隔は、平面方向であって、且つ凸部312fの突出方向に対して直交する方向の、2本の凸部312f同士の間隔よりも小さくなっている。また、平面方向であって、且つ凸部311fの突出方向に対して直交する方向の、2本の凸部311fの同士の間隔は、平面方向であって、且つ凸部211fの突出方向に対して直交する方向の、2本の凸部211f同士の間隔よりも小さくなっている。さらに、平面方向であって、且つ凸部312fの突出方向に対して直交する方向の、2本の凸部312f同士の間隔は、平面方向であって、且つ凸部212fの突出方向に対して直交する方向の、2本の凸部212f同士の間隔よりも大きくなっている。2本の凸部311fは、平面視すると、2本の凸部211fの間に配置されている。2本の凸部212fは、平面視すると、2本の凸部312fの間に配置されている。
また、絶縁シート11の裏面11bにおける第2のコイルパターン31の周囲には、複数の浮島パターン32b,32c,32d,32e,32fが接着されている。二つの浮島パターン32b,32cは、平面方向であって、且つ凸部311fの突出方向に対して直交する方向で、2本の凸部311fを挟む位置に配置されている。各浮島パターン32b,32cには、外方へ突出する凸部321b,321cが設けられている。各凸部321b,321cは、2本の凸部311fと平行に延びている。
二つの浮島パターン32d,32eは、平面方向であって、且つ凸部312fの突出方向に対して直交する方向で、2本の凸部312fを挟む位置に配置されている。また、浮島パターン32fは、平面方向であって、且つ凸部312fの突出方向に対して直交する方向で、浮島パターン32dを挟んで凸部312fとは反対側に配置されている。各浮島パターン32d,32e,32fには、外方へ突出する凸部321d,321e,321fが設けられている。各凸部321d,321e,321fは、2本の凸部312fと平行に延びている。各浮島パターン32b,32c,32d,32d,32fには、貫通孔322b,322c,322d,322e,322fがそれぞれ形成されている。
図3及び図4に示すように、浮島パターン22aは、貫通孔222aが第2のコイルパターン31の第2のスルーホール部31eと絶縁シート11を介して絶縁シート11の厚み方向で重なるように絶縁シート11に配置されている。そして、第2のコイルパターン31の外周端部と浮島パターン22aとは、第2のスルーホール部31e、絶縁シート11に形成された第2のスルーホール部11e(図2参照)及び貫通孔222aを介して電気的に接続されている。第2のコイルパターン31を流れた電流は、第2のスルーホール部31e、第2のスルーホール部11e及び貫通孔222aを介して浮島パターン22aに流れ、例えば、図示しない負荷に向かって流れるようになっている。
両浮島パターン22b,32bは、両貫通孔222b,322bが絶縁シート11を介して絶縁シート11の厚み方向で重なるように絶縁シート11に配置されている。そして、両浮島パターン22b,32bは、両貫通孔222b,322b及び絶縁シート11に形成された孔111(図2参照)を介して電気的に接続されている。両浮島パターン22b,32bは、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31とは回路的に繋がっていない独立したパターンである。平面視すると、浮島パターン32bの凸部321dは、浮島パターン22bの凸部221bよりも凸部311f寄りに配置されている。
両浮島パターン22c,32cは、両貫通孔222c,322cが絶縁シート11を介して絶縁シート11の厚み方向で重なるように絶縁シート11に配置されている。そして、両浮島パターン22c,32cは、両貫通孔222c,322c及び絶縁シート11に形成された孔112(図2参照)を介して電気的に接続されている。両浮島パターン22c,32cは、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31とは回路的に繋がっていない独立したパターンである。平面視すると、浮島パターン32cの凸部321cは、浮島パターン22cの凸部221cよりも凸部311f寄りに配置されている。
両浮島パターン22d,32dは、両貫通孔222d,322dが絶縁シート11を介して絶縁シート11の厚み方向で重なるように絶縁シート11に配置されている。そして、両浮島パターン22d,32dは、両貫通孔222d,322d及び絶縁シート11に形成された孔113(図2参照)を介して電気的に接続されている。両浮島パターン22d,32dは、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31とは回路的に繋がっていない独立したパターンである。平面視すると、浮島パターン22dの凸部221dは、浮島パターン32dの凸部321dよりも凸部212f寄りに配置されている。
両浮島パターン22e,32eは、両貫通孔222e,322eが絶縁シート11を介して絶縁シート11の厚み方向で重なるように絶縁シート11に配置されている。そして、両浮島パターン22e,32eは、両貫通孔222e,322e及び絶縁シート11に形成された孔114(図2参照)を介して電気的に接続されている。両浮島パターン22e,32eは、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31とは回路的に繋がっていない独立したパターンである。平面視すると、浮島パターン32eの凸部321eは、浮島パターン22eの凸部221eよりも凸部312f寄りに配置されている。
両浮島パターン22f,32fは、両貫通孔222f,322fが絶縁シート11を介して絶縁シート11の厚み方向で重なるように絶縁シート11に配置されている。そして、両浮島パターン22f,32fは、両貫通孔222f,322f及び絶縁シート11に形成された孔115(図2参照)を介して電気的に接続されている。両浮島パターン22f,32fは、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31とは回路的に繋がっていない独立したパターンである。平面視すると、浮島パターン32fの凸部321fは、浮島パターン22fの凸部221fよりも凸部312f寄りに配置されている。
絶縁シート11の最外縁11fにおいて、絶縁シート11の厚み方向で、2本の凸部211fの一方の先端、及び2本の凸部311fの一方の先端と重なる部位には、最外縁11fを切り欠くことにより開口部41が設けられている。2本の凸部211fの一方の先端、及び2本の凸部311fの一方の先端は、平面視すると、開口部41の内側に配置されている。絶縁シート11の最外縁11fにおいて、絶縁シート11の厚み方向で、2本の凸部211fの他方の先端、及び2本の凸部311fの他方の先端と重なる部位には、最外縁11fを切り欠くことにより開口部42が設けられている。2本の凸部211fの他方の先端、及び2本の凸部311fの他方の先端は、平面視すると、開口部42の内側に配置されている。
絶縁シート11の最外縁11fにおいて、絶縁シート11の厚み方向で凸部221aの先端と重なる部位には、最外縁11fを切り欠くことにより開口部43が設けられている。凸部221aの先端は、平面視すると、開口部43の内側に配置されている。絶縁シート11の最外縁11fにおいて、絶縁シート11の厚み方向で、両凸部221b,321bの先端と重なる部位には、最外縁11fを切り欠くことにより開口部44が設けられている。両凸部221b,321bの先端は、平面視すると、開口部44の内側に配置されている。絶縁シート11の最外縁11fにおいて、絶縁シート11の厚み方向で、両凸部221c,321cの先端と重なる部位には、最外縁11fを切り欠くことにより開口部45が設けられている。両凸部221c,321cの先端は、平面視すると、開口部45の内側に配置されている。
絶縁シート11の最外縁11fにおいて、絶縁シート11の厚み方向で、2本の凸部212fの一方の先端、及び2本の凸部312fの一方の先端と重なる部位には、最外縁11fを切り欠くことにより開口部46が設けられている。2本の凸部212fの一方の先端、及び2本の凸部312fの一方の先端は、平面視すると、開口部46の内側に配置されている。絶縁シート11の最外縁11fにおいて、絶縁シート11の厚み方向で、2本の凸部212fの他方の先端、及び2本の凸部312fの他方の先端と重なる部位には、最外縁11fを切り欠くことにより開口部47が設けられている。2本の凸部212fの他方の先端、及び2本の凸部312fの他方の先端は、平面視すると、開口部47の内側に配置されている。
絶縁シート11の最外縁11fにおいて、絶縁シート11の厚み方向で、両凸部221d,321dの先端と重なる部位には、最外縁11fを切り欠くことにより開口部48が設けられている。両凸部221d,321dの先端は、平面視すると、開口部48の内側に配置されている。絶縁シート11の最外縁11fにおいて、絶縁シート11の厚み方向で、両凸部221e,321eの先端と重なる部位には、最外縁11fを切り欠くことにより開口部49が設けられている。両凸部221e,321eの先端は、平面視すると、開口部49の内側に配置されている。絶縁シート11の最外縁11fにおいて、絶縁シート11の厚み方向で、両凸部221f,321fの先端と重なる部位には、最外縁11fを切り欠くことにより開口部50が設けられている。両凸部221f,321fの先端は、平面視すると、開口部50の内側に配置されている。
図6及び図7に示すように、シートコイル10が製造される過程においては、絶縁シート11の表面11aに、第1のコイルパターン21を有する第1基材51が接着されるとともに、絶縁シート11の裏面11bに、第2のコイルパターン31を有する第2基材61が接着される。第1基材51及び第2基材61は、平板状の銅板を所定の形状に打ち抜かれてパターニングされている。第1基材51の厚みは一定である。第2基材61の厚みも一定である。そして、第1基材51の厚みと第2基材61の厚みとは同じ厚みになっている。
図6に示すように、第1基材51は、第1のコイルパターン21と3つの浮島パターン22a、22b,22cとを連結する連結部52を有している。連結部52は、第1のコイルパターン21の最外周に位置するコイル部21Aの部位において、平面方向で対となる部分の一方から突出する2本の支持部52aを有する。また、連結部52は、各浮島パターン22a,22b,22cからそれぞれ突出する突出部521b,522b,523bを有する。各支持部52a及び各突出部521b,522b,523bは平行に延びている。さらに、連結部52は、各支持部52aと各突出部521b,522b,523bとを接続する接続部52cを有する。
また、第1基材51は、第1のコイルパターン21と3つの浮島パターン22d,22e,22fとを連結する連結部53を有している。連結部53は、第1のコイルパターン21の最外周に位置するコイル部21Aの部位において、平面方向で対となる部分の他方から突出する2本の支持部53aを有する。また、連結部53は、各浮島パターン22d,22e,22fからそれぞれ突出する突出部531b,532b,533bを有する。各支持部53a及び各突出部531b,532b,533bは平行に延びている。さらに、連結部53は、各支持部53aと各突出部531b,532b,533bとを接続する接続部53cを有する。
図7に示すように、第2基材61は、第2のコイルパターン31と2つの浮島パターン32b、32cとを連結する連結部62を有している。連結部62は、第2のコイルパターン31の最外周に位置するコイル部31Aの部位において、平面方向で対となる部分の一方から突出する2本の支持部62aを有する。また、連結部62は、各浮島パターン32b,32cからそれぞれ突出する突出部621b,622bを有する。各支持部62a及び各突出部621b,622bは平行に延びている。さらに、連結部62は、各支持部62aと各突出部621b,622bとを接続する接続部62cを有する。
また、第2基材61は、第2のコイルパターン31と3つの浮島パターン32d、32e,32fとを連結する連結部63を有している。連結部63は、第2のコイルパターン31の最外周に位置するコイル部31Aの部位において、平面方向で対となる部分の他方から突出する2本の支持部63aを有する。また、連結部63は、各浮島パターン32d,32e,32fからそれぞれ突出する突出部631b,632b,633bを有する。各支持部63a及び各突出部631b,632b,633bは平行に延びている。さらに、連結部63は、各支持部63aと各突出部631b,632b,633bとを接続する接続部63cを有する。
2本の支持部52aの一方及び2本の支持部62aの一方は、絶縁シート11の厚み方向で開口部41と重なる位置を通過している。2本の支持部52aの他方及び2本の支持部62aの他方は、絶縁シート11の厚み方向で開口部42と重なる位置を通過している。突出部521bは、絶縁シート11の厚み方向で開口部43と重なる位置を通過している。両突出部522b,621bは、絶縁シート11の厚み方向で開口部44と重なる位置を通過している。両突出部523b,622bは、絶縁シート11の厚み方向で開口部45と重なる位置を通過している。
2本の支持部53aの一方及び2本の支持部63aの一方は、絶縁シート11の厚み方向で開口部46と重なる位置を通過している。2本の支持部53aの他方及び2本の支持部63aの他方は、絶縁シート11の厚み方向で開口部47と重なる位置を通過している。両突出部531b,631bは、絶縁シート11の厚み方向で開口部48と重なる位置を通過している。両突出部532b,632bは、絶縁シート11の厚み方向で開口部49と重なる位置を通過している。両突出部533b,633bは、絶縁シート11の厚み方向で開口部50と重なる位置を通過している。
第1基材51及び第2基材61は、第1基材51を絶縁シート11の表面11aに配置するとともに第2基材61を絶縁シート11の裏面11bに配置した状態で、第1基材51、絶縁シート11及び第2基材61を挟み込むようにして絶縁シート11の厚み方向の両側からプレスすることで、絶縁シート11に接着される。
2本の支持部52a,53a,62a,63aが、平面視したときに、各開口部41,42,46,47の内側に位置する部位で切断される。これにより、第1のコイルパターン21に凸部211f,212fが2本ずつ形成されるとともに、第2のコイルパターン31に凸部311f,312fが2本ずつ形成される。そして、2本の凸部211f,212f,311f,312fの先端が、各開口部41,42,46,47の内側に配置される。
また、各突出部521b,522b,523b,531b,532b,533b,621b,622b,631b,632b,633bが、平面視したときに、各開口部43,44,45,48,49,50の内側に位置する部位で切断される。これにより、各浮島パターン22a,22b,22c,22d,22e,22f,32b,32c,32d,32e,32fに凸部221a,221b,221c,221d,221e,221f,321b,321c,321d,321e,321fが形成される。各凸部221a,221b,221c,221d,221e,221f,321b,321c,321d,321e,321fの先端は、各開口部43,44,45,48,49,50の内側に配置される。
そして、第1のコイルパターン21及び3つの浮島パターン22a,22b,22cから切断された連結部52の部位と、第1のコイルパターン21及び3つの浮島パターン22d,22e,22fから切断された連結部53の部位とが除去される。これにより、絶縁シート11の表面に11aに、第1のコイルパターン21及び浮島パターン22a,22b,22c,22d,22e,22fが設けられる。
また、第2のコイルパターン31及び2つの浮島パターン32b,32cから切断された連結部62の部位と、第2のコイルパターン31及び3つの浮島パターン32d,32e,32fから切断された連結部63の部位とが除去される。これにより、絶縁シート11の裏面11bに、第2のコイルパターン31及び浮島パターン32b,32c,32d,32e,32fが設けられる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31を絶縁シート11にそれぞれ接着する際には、第1のコイルパターン21、第2のコイルパターン31及び絶縁シート11を挟み込むようにして絶縁シート11の厚み方向の両側からプレスする。このときに、第1のコイルパターン21における絶縁シート11の厚み方向で第1のコイルパターン21のコイル部21Aと重ならない部分が存在しても、その重ならない部分とダミーパターン部21bとが絶縁シート11の厚み方向で重なっている。このため、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31における絶縁シート11に対する押し付けが不十分になってしまうことが抑制される。
第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31を絶縁シート11にそれぞれ接着する際には、第1のコイルパターン21、第2のコイルパターン31及び絶縁シート11を挟み込むようにして絶縁シート11の厚み方向の両側からプレスする。このときに、第1のコイルパターン21における絶縁シート11の厚み方向で第1のコイルパターン21のコイル部21Aと重ならない部分が存在しても、その重ならない部分とダミーパターン部21bとが絶縁シート11の厚み方向で重なっている。このため、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31における絶縁シート11に対する押し付けが不十分になってしまうことが抑制される。
また、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31から生じる熱が、ダミーパターン部21bに伝達されてダミーパターン部21bから放熱される。ここで、各幅狭部21cの電流経路の断面積は、第1のコイルパターン21のその他の部位の電流経路の断面積よりも小さい。第1のコイルパターン21の電流経路の断面積が小さくなるほど電気抵抗が大きくなるため、その部分での発熱量も大きくなる。
そこで、第1のコイルパターン21の電流経路の断面積が第2のコイルパターン31の電流経路の断面積よりも小さく、第2のコイルパターン31が、絶縁シート11の厚み方向で第1のコイルパターン21のコイル部21Aと重ならない部分を有する第2領域Z2において、第1のコイルパターン21は、ダミーパターン部21bを有している。よって、第2領域Z2において、電流経路の断面積が小さく電気抵抗が大きい各幅狭部21cで生じる熱がダミーパターン部21bから放熱される。
また、第2のコイルパターン31の電流経路の断面積が第1のコイルパターン21の電流経路の断面積よりも小さく、第1のコイルパターン21が、絶縁シート11の厚み方向で第2のコイルパターン31のコイル部31Aと重ならない部分を有する第3領域Z3において、第2のコイルパターン31は、ダミーパターン部31bを有している。よって、第3領域Z3において、電流経路の断面積が小さく電気抵抗が大きい各幅狭部31cで生じる熱がダミーパターン部31bから放熱される。
さらに、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31から生じる熱が、各凸部211f,212f,311f,312fに伝達されて各凸部211f,212f,311f,312fから放熱されるため、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31から生じる熱がさらに効率良く放熱される。特に、2本の凸部311fは、第2のコイルパターン31の最外周に位置するコイル部31Aの部位の幅狭部31cに設けられているため、幅狭部31cで生じる熱が2本の凸部311fに伝達されて2本の凸部311fから放熱される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)第1のコイルパターン21は、コイル部21Aとダミーパターン部21bとを有し、ダミーパターン部21bは、絶縁シート11の厚み方向で第2のコイルパターン31における第1のコイルパターン21のコイル部21Aと重ならない部分と重なっている。例えば、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31を絶縁シート11にそれぞれ接着する際には、第1のコイルパターン21、第2のコイルパターン31及び絶縁シート11を挟み込むようにして絶縁シート11の厚み方向の両側からプレスする。このときに、第2のコイルパターン31における絶縁シート11の厚み方向で第1のコイルパターン21のコイル部21Aと重ならない部分が存在しても、その重ならない部分とダミーパターン部21bとが絶縁シート11の厚み方向で重なっている。このため、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31における絶縁シート11に対する押し付けが不十分になってしまうことが抑制される。また、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31から生じる熱が、ダミーパターン部21bに伝達されてダミーパターン部21bから放熱される。以上のことから、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31における絶縁シート11に対する接着性の低下を抑制しつつも、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31から生じる熱を効率良く放熱することができる。
(1)第1のコイルパターン21は、コイル部21Aとダミーパターン部21bとを有し、ダミーパターン部21bは、絶縁シート11の厚み方向で第2のコイルパターン31における第1のコイルパターン21のコイル部21Aと重ならない部分と重なっている。例えば、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31を絶縁シート11にそれぞれ接着する際には、第1のコイルパターン21、第2のコイルパターン31及び絶縁シート11を挟み込むようにして絶縁シート11の厚み方向の両側からプレスする。このときに、第2のコイルパターン31における絶縁シート11の厚み方向で第1のコイルパターン21のコイル部21Aと重ならない部分が存在しても、その重ならない部分とダミーパターン部21bとが絶縁シート11の厚み方向で重なっている。このため、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31における絶縁シート11に対する押し付けが不十分になってしまうことが抑制される。また、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31から生じる熱が、ダミーパターン部21bに伝達されてダミーパターン部21bから放熱される。以上のことから、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31における絶縁シート11に対する接着性の低下を抑制しつつも、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31から生じる熱を効率良く放熱することができる。
(2)第1のコイルパターン21の最外周に位置するコイル部21Aには外方へ突出する凸部211f,212fが設けられている。これによれば、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31から生じる熱が凸部211f,212fに伝達されて凸部211f,212fから放熱されるため、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31から生じる熱をさらに効率良く放熱することができる。
(3)絶縁シート11の厚み方向で開口部41,42,46,47と凸部211f,212fの先端とが重なっている。これによれば、凸部211f,212fの先端が、絶縁シート11の最外縁11fよりも飛び出さなくなるため、シートコイル10の体格の小型化を図ることができる。
(4)第1のコイルパターン21の電流経路の断面積が第2のコイルパターン31の電流経路の断面積よりも小さく、第2のコイルパターン31が、絶縁シート11の厚み方向で第1のコイルパターン21のコイル部21Aと重ならない部分を有する第2領域Z2において、第1のコイルパターン21は、ダミーパターン部21bを有している。よって、第2領域Z2において、電流経路の断面積が小さく電気抵抗が大きい部分で生じる熱をダミーパターン部21bから放熱することができる。
(5)2本の凸部311fは、第2のコイルパターン31の最外周に位置するコイル部31Aの部位の幅狭部31cに設けられている。このため、幅狭部31cで生じる熱が2本の凸部311fに伝達されて2本の凸部311fから放熱され易くなる。
(6)第2のコイルパターン31の電流経路の断面積が第1のコイルパターン21の電流経路の断面積よりも小さく、第1のコイルパターン21が、絶縁シート11の厚み方向で第2のコイルパターン31のコイル部31Aと重ならない部分を有する第3領域Z3において、第2のコイルパターン31は、ダミーパターン部31bを有している。よって、第3領域Z3において、電流経路の断面積が小さく電気抵抗が大きい部分で生じる熱をダミーパターン部31bから放熱することができる。
(7)第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31に各幅狭部21c,31cを設けた。よって、例えば、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31に各幅狭部21c,31cが無く、内周端から外周端にかけて幅が一定である第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31に比べると、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31の平面的な体格を小型化することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、例えば、第2のコイルパターン31の内周端部にスルーホール部31aが設けられており、第2のコイルパターン31が、内周端から外周端にかけて電気が流れるコイル部31Aとして機能し、第2のコイルパターン31にダミーパターン部31bが無いシートコイル10の構成であってもよい。要は、少なくとも、第1のコイルパターン21に、ダミーパターン部21bが有るシートコイル10の構成であればよい。
○ 実施形態において、例えば、第2のコイルパターン31の内周端部にスルーホール部31aが設けられており、第2のコイルパターン31が、内周端から外周端にかけて電気が流れるコイル部31Aとして機能し、第2のコイルパターン31にダミーパターン部31bが無いシートコイル10の構成であってもよい。要は、少なくとも、第1のコイルパターン21に、ダミーパターン部21bが有るシートコイル10の構成であればよい。
○ 実施形態において、絶縁シート11に、開口部41,42,43,44,45,46,47,48,49,50が設けられていなくてもよい。そして、凸部211f,212f,221a,221b,221c,221d,221e,221f,311f,312f,321b,321c,321d,321e,321fが、絶縁シート11の最外縁11fよりも飛び出していてもよい。
○ 実施形態において、第1のコイルパターン21の最外周に位置するコイル部21Aの部位の幅狭部21cに、凸部が設けられていてもよい。すなわち、第1のコイルパターン21は、第2領域Z2にダミーパターン部21b及び凸部を有していてもよい。これによれば、幅狭部21cで生じる熱が凸部に伝達されて凸部から放熱され易くなる。すなわち、第2領域Z2において、電流経路の断面積が小さく電気抵抗が大きい部分で生じる熱をダミーパターン部21b及び凸部のうち少なくとも一方から放熱することができる。
○ 実施形態において、凸部211f,212f,221a,221b,221c,221d,221e,221f,311f,312f,321b,321c,321d,321e,321fが無いシートコイル10の構成であってもよい。
○ 実施形態において、第1のコイルパターン21は、絶縁シート11の貫通孔11cを中心として、1本の導体が、例えば、スルーホール部21aを有する部位を始点として外周端に向かって渦巻状に2周以上巻回された形状であってもよい。同様に、第2のコイルパターン31は、絶縁シート11の貫通孔11cを中心として、1本の導体が、例えば、スルーホール部31aを有する部位を始点として外周端に向かって渦巻状に2周以上巻回された形状であってもよい。
○ 実施形態において、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31は、渦巻状でなくてもよい。
○ 実施形態において、第1基材51及び第2基材61は、例えば、アルミ板であってもよい。
○ 実施形態において、第1基材51及び第2基材61は、例えば、アルミ板であってもよい。
○ 実施形態において、各幅狭部21c,31cの厚みが、第1のコイルパターン21及び第2のコイルパターン31におけるその他の部位の厚みよりも小さくてもよい。
○ 実施形態において、第1のコイルパターン21に幅狭部21cが無くてもよく、内周端から外周端にかけて幅が一定であってもよい。そして、第1のコイルパターン21の厚みが、部分的に小さくなっていてもよい。この場合、第1のコイルパターン21の厚みが部分的に小さくなっている部分は、第1のコイルパターン21の電流経路において、断面積が小さく電気抵抗が大きくなる部分となる。
○ 実施形態において、第1のコイルパターン21に幅狭部21cが無くてもよく、内周端から外周端にかけて幅が一定であってもよい。そして、第1のコイルパターン21の厚みが、部分的に小さくなっていてもよい。この場合、第1のコイルパターン21の厚みが部分的に小さくなっている部分は、第1のコイルパターン21の電流経路において、断面積が小さく電気抵抗が大きくなる部分となる。
○ 実施形態において、第2のコイルパターン31に幅狭部31cが無くてもよく、内周端から外周端にかけて幅が一定であってもよい。そして、第2のコイルパターン31の厚みが、部分的に小さくなっていてもよい。この場合、第2のコイルパターン31の厚みが部分的に小さくなっている部分は、第2のコイルパターン31の電流経路において、断面積が小さく電気抵抗が大きくなる部分となる。
Z1…第1領域、Z2…第2領域、10…シートコイル、11…絶縁シート、11f…最外縁、11h,21a,31a…スルーホールを構成するスルーホール部、21…第1のコイルパターン、21A…コイル部、21b…ダミーパターン部、31…第2のコイルパターン、41,42…開口部、211f,212f…凸部。
Claims (5)
- 絶縁シートと、
前記絶縁シートの一方の面に接着される第1のコイルパターンと、
前記絶縁シートの他方の面に接着される第2のコイルパターンと、
前記第1のコイルパターンと前記第2のコイルパターンとを電気的に接続するスルーホールと、を有するシートコイルであって、
前記第1のコイルパターンは、コイルとして機能するコイル部と、前記スルーホールを跨いで前記コイル部とは反対側に設けられるとともにコイルとして機能しないダミーパターン部と、を有し、
前記ダミーパターン部は、前記絶縁シートの厚み方向で前記第2のコイルパターンにおける前記コイル部と重ならない部分と重なっていることを特徴とするシートコイル。 - 前記第1のコイルパターンは渦巻状であり、
前記第1のコイルパターンの最外周に位置するコイル部には外方へ突出する凸部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシートコイル。 - 前記絶縁シートには、前記絶縁シートの最外縁を切り欠くことにより開口部が設けられ、
前記絶縁シートの厚み方向で前記開口部と前記凸部の先端とが重なっていることを特徴とする請求項2に記載のシートコイル。 - 前記第1のコイルパターンの電流経路の断面積と前記第2のコイルパターンの電流経路の断面積とが同じで、前記第2のコイルパターンが、前記絶縁シートの厚み方向で前記コイル部と重なっている第1領域と、
前記第1のコイルパターンの電流経路の断面積が前記第2のコイルパターンの電流経路の断面積よりも小さく、前記第2のコイルパターンが、前記絶縁シートの厚み方向で前記コイル部と重ならない部分を有する第2領域と、を有し、
前記第1のコイルパターンは、前記第2領域に前記ダミーパターン部を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のシートコイル。 - 前記第1のコイルパターンの電流経路の断面積と前記第2のコイルパターンの電流経路の断面積とが同じで、前記第2のコイルパターンが、前記絶縁シートの厚み方向で前記コイル部と重なっている第1領域と、
前記第1のコイルパターンの電流経路の断面積が前記第2のコイルパターンの電流経路の断面積よりも小さく、前記第2のコイルパターンが、前記絶縁シートの厚み方向で前記コイル部と重ならない部分を有する第2領域と、を有し、
前記第1のコイルパターンは、前記第2領域に前記ダミーパターン部及び前記凸部のうち少なくとも一方を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のシートコイル。
Priority Applications (1)
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JP2016154801A JP2018022842A (ja) | 2016-08-05 | 2016-08-05 | シートコイル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016154801A JP2018022842A (ja) | 2016-08-05 | 2016-08-05 | シートコイル |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020088237A (ja) * | 2018-11-28 | 2020-06-04 | ▲い▼傑 汪 | 変圧器回路板の作製方法とその変圧器 |
WO2024018727A1 (ja) * | 2022-07-19 | 2024-01-25 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | コイル装置 |
-
2016
- 2016-08-05 JP JP2016154801A patent/JP2018022842A/ja active Pending
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JP2020088237A (ja) * | 2018-11-28 | 2020-06-04 | ▲い▼傑 汪 | 変圧器回路板の作製方法とその変圧器 |
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