JP2018022722A - パターン構造体の製造方法およびインプリント用モールドの製造方法 - Google Patents

パターン構造体の製造方法およびインプリント用モールドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 転写基板に高精度の凹凸構造を多面付けで安定して作製することができるパターン構造体の製造方法と、このパターン構造体の製造方法を用いたインプリント用モールドの製造方法を提供する。【解決手段】 ハードマスク材料層を備える転写基板のハードマスク材料層に、複数のインプリント領域で構成されるパターン形成領域を画定し、複数のインプリント領域から選択したインプリント領域にハードマスクを形成した後、他のインプリント領域にハードマスクを形成することを繰り返し、次いで、形成したハードマスクを介して転写基板をエッチングしてパターン形成領域に凹凸構造を形成するようにした。【選択図】 図5

Description

本発明は、インプリントにより転写基板にパターン構造体を形成するパターン構造体の製造方法と、このパターン構造体の製造方法を用いたインプリント用モールドの製造方法に関する。
近年、フォトリソグラフィ技術に代わる微細なパターン形成技術として、インプリント方法を用いたパターン形成技術が注目されている。インプリント方法は、微細な凹凸構造を備えた型部材(モールド)を用い、凹凸構造を被成形樹脂層に転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術である。例えば、被成形樹脂組成物として光硬化性樹脂組成物を用いたインプリント方法では、転写基板の表面に光硬化性樹脂組成物の液滴を供給し、所望の凹凸構造を有するモールドと転写基板とを所定の距離まで近接させて凹凸構造内に光硬化性樹脂組成物を充填し、この状態でモールド側から光を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させ、その後、モールドを樹脂層から引き離すことにより、モールドが備える凹凸が反転した凹凸構造(凹凸パターン)を有するパターン構造体を形成する。
このようなインプリント方法では、モールドを樹脂層から引き離す際に静電気が発生してモールドが帯電し、このモールドに雰囲気中の異物等が静電吸着により付着し易くなるという問題があった。モールドに異物等が付着した状態でインプリントを行うと、パターン構造体の欠陥が生じ、さらに、モールドの破損等を生じるおそれがあった。これに対応するために、例えば、モールドの電位が所定値以上となった場合に、モールドの除電を行うこと(例えば、特許文献1)等が提案されている。尚、上記の異物とは、インクジェット方式で供給された液滴がミストとして漂い乾燥した固形物、インクジェットヘッド等のインプリント装置を構成する部材から生じる微粒子、インプリント装置内に存在する塵等、インプリントに関与することを目的としていない物質である。
また、インプリント方法として、同じモールドを使用し、転写基板に凹凸構造を多面付けで有するパターン構造体を製造することが行われている。このようなインプリント方法では、例えば、ステップ&リピートで同じモールドを用いたインプリントを複数回行って、転写基板のハードマスク材料層上にレジストパターンを多面付けで形成し、その後、レジストパターンを介してハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを形成し、このハードマスクを介して転写基板のエッチングが行われる。このような転写基板への多面付けでの凹凸構造の形成では、複数回のインプリント間で転写基板の温度が変化し、また、この転写基板の温度変化の影響を受けてモールドの温度が変化する場合があり、これにより凹凸構造に膨張あるいは収縮等による寸法精度の低下が生じるという問題があった。これを防止するために、ステップ&リピートにおいて、2つの連続してインプリントされるパターンが互いに隣接しないようにすることが提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2009−286085号公報 特開2009−65135号公報
しかしながら、上記のようなモールドの帯電は、同じモールドを使用し、ステップ&リピートでインプリントを複数回行って、転写基板に凹凸構造を多面付けで形成する場合に、より顕著なものとなる。したがって、転写基板に凹凸構造を多面付けで有するパターン構造体の製造では、パターン構造体の欠陥や、モールドの破損等を生じるおそれがより高いものとなる。
また、転写基板に凹凸構造を多面付けで形成する従来のステップ&リピートのインプリント工程では、インプリントに必要な種々の動作が各インプリント工程毎に繰り返されるので、既に形成された凹凸構造において異物付着等の欠陥が発生するおそれが高くなるという問題があった。
上記のような課題は、マスターモールドを用いたインプリントにより、凹凸構造領域を多面付けで備えるレプリカモールドを作製する場合においても、同様に生じる課題であり、高価なマスターモールドの損傷を防止する上で、上記の課題の解決が望まれている。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、転写基板に高精度の凹凸構造を多面付けで安定して作製することができるパターン構造体の製造方法と、このパターン構造体の製造方法を用いたインプリント用モールドの製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のパターン構造体の製造方法は、ハードマスク材料層を備える転写基板の前記ハードマスク材料層に、複数のインプリント領域で構成されるパターン形成領域を画定し、複数の前記インプリント領域からインプリント対象のインプリント領域を選択する選択工程、インプリント対象の前記インプリント領域に、凹凸構造を有するモールドを用いてレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程、インプリント対象の前記インプリント領域を除く前記インプリント領域にエッチング保護用レジスト層を形成するエッチング保護用レジスト層形成工程、前記レジストパターンおよび前記エッチング保護用レジスト層を介して前記ハードマスク材料層をエッチングして、インプリント対象の前記インプリント領域のみにハードマスクを形成するエッチング工程、残存する前記レジストパターンおよび前記エッチング保護用レジスト層を除去する除去工程、を実行し、その後、既にハードマスクを形成したインプリント領域を除く複数の前記インプリント領域からインプリント対象のインプリント領域を選択し、前記レジストパターン形成工程、前記エッチング保護用レジスト層形成工程、前記エッチング工程、および、前記除去工程を実行することを繰り返すことにより、前記パターン形成領域の全てのインプリント領域にハードマスクを形成し、前記ハードマスクを介して前記転写基板をエッチングして前記パターン形成領域に凹凸構造を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、インプリント対象として1箇所のインプリント領域を選択するような構成とした。
本発明の他の態様として、インプリント対象として2箇所以上のインプリント領域を選択し、前記レジストパターン形成工程では、選択した2箇所以上のインプリント領域に凹凸構造を有するモールドを用いて順次レジストパターンを形成し、前記エッチング工程では、選択した2箇所以上の前記インプリント領域に同時にハードマスクを形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記エッチング保護用レジスト層形成工程では、モールドを用いたインプリントにより前記エッチング保護用レジスト層を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ハードマスクを介した前記転写基板のエッチングでは、前記パターン形成領域を構成する複数のインプリント領域を同時にエッチングして前記パターン形成領域に凹凸構造を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記転写基板は、周囲から突出した凸構造部を有するメサ構造であり、前記パターン形成領域は前記凸構造部の表面に位置するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記レジストパターン形成工程では、前記転写基板の前記凸構造部の外側周囲の所定部位にバランスレジスト層を形成し、前記エッチング工程では、前記レジストパターン、前記エッチング保護用レジスト層、および、前記バランスレジスト層を介して前記ハードマスク材料層をエッチングするような構成とした。
本発明の他の態様として、前記エッチング保護用レジスト層形成工程では、前記転写基板の前記凸構造部の周囲の所定部位にバランスレジスト層を形成し、前記エッチング工程では、前記レジストパターン、前記エッチング保護用レジスト層、および、前記バランスレジスト層を介して前記ハードマスク材料層をエッチングするような構成とした。
本発明のインプリント用モールドの製造方法は、凹凸構造が位置する複数の凹凸構造単位領域を多面付けで有する凹凸構造領域を基材の一平面に備えるインプリント用モールドの製造方法であって、ハードマスク材料層を備えるモールド製造用の基材の前記ハードマスク材料層上に、複数の前記凹凸構造単位領域を多面付けで有する前記凹凸構造領域に対応するように、複数のインプリント領域で構成されるパターン形成領域を画定し、上述のいずれかのパターン構造体の製造方法によって、モールド製造用の基材の一平面に凹凸構造を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記モールド製造用の基材は、周囲から突出した凸構造部を有するメサ構造であり、前記凸構造部の表面に前記凹凸構造を形成するような構成とした。
本発明では、異物によるモールドの損傷を防止して、転写基板に高精度の凹凸構造を多面付けで有するパターン構造体を安定して作製することができる。また、異物によるマスターモールドの損傷を防止して、凹凸構造が位置する凹凸構造領域を多面付けで有するインプリント用モールドを高い精度で製造することができる。
図1は、本発明のパターン構造体の製造方法において使用する転写基板の一例を示す平面図である。 図2は、図1に示される転写基板のI−I線における断面図である。 図3は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、図1に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分平面図で示している。 図4は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、図1に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分平面図で示している。 図5は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、図1に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分平面図で示している。 図6は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、図1に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分平面図で示している。 図7は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、図1に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分平面図で示している。 図8は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、図1に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分平面図で示している。 図9は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、図2に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分断面図で示しており、図9(A)は図3(A)のII−II線における断面、図9(C)は図3(B)のIII−III線における断面を示している。 図10は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、図2に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分断面図で示しており、図10(B)は図4(A)のIV−IV線における断面、図10(C)は図5(A)のV−V線における断面を示している。 図11は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、図2に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分断面図で示しており、図11(A)は図5(B)のVI−VI線における断面、図11(B)は図6(A)のVII−VII線における断面、図11(C)は図7(A)のVIII−VIII線における断面、図11(D)は図8のIX−IX線における断面を示している。 図12は、凹凸構造を有するモールドを使用したエッチング保護用レジスト層の形成を説明する図である。 図13は、本発明のパターン構造体の製造方法の他の実施形態を説明するための工程図であり、図1に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分平面図で示している。 図14は、本発明のパターン構造体の製造方法の他の実施形態を説明するための工程図であり、図1に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分平面図で示している。 図15は、本発明のパターン構造体の製造方法の他の実施形態を説明するための工程図であり、図1に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分平面図で示している。 図16は、本発明のパターン構造体の製造方法の他の実施形態を説明するための工程図であり、図1に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分平面図で示している。 図17は、本発明のパターン構造体の製造方法の他の実施形態を説明するための工程図であり、図2に示される転写基板の凸構造部とその周辺を示す部分断面図で示しており、図17(A)は図15(B)のX−X線における断面、図17(B)は図16(B)のXI−XI線における断面を示している。 図18は、本発明のパターン構造体の製造方法に使用するモールドの例を説明するための平面図である。 図19は、本発明のパターン構造体の製造方法に使用する転写基板の例を説明するための平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
[パターン構造体の製造方法]
図1は、本発明のパターン構造体の製造方法において使用する転写基板の一例を示す平面図であり、図2は、図1に示される転写基板のI−I線における断面図である。図1および図2において、転写基板11は、基部12と、この基部12の一方の面12aに周囲から突出している凸構造部14を有する、いわゆるメサ構造を備えている。また、基部12の他方の面12bには、凸構造部14の平面視形状よりも広い面積の窪み部15を有している。図1では、窪み部15の周縁を一点鎖線で示している。
このような転写基板11は、基部12の面12aおよび凸構造部14の表面14aをハードマスク材料層17により被覆されている。
転写基板11としては、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。これらの材料は、光透過性を有しており、凹凸構造を形成後の転写基板11に光透過性が要求される場合には好適である。尚、転写基板11が光透過性を具備することが要求されない場合には、製造したパターン構造体の使用目的等に応じて、従来公知の材料から適宜選択して使用することができる。
ハードマスク材料層17は、例えば、クロム、タンタル、アルミニウム、モリブデン、チタン、ジルコニウム、タングステン等の金属、これらの金属の合金、酸化クロム、酸化チタン等の金属酸化物、窒化クロム、窒化チタン等の金属窒化物、ガリウム砒素等の金属間化合物等の1種、あるいは、2種以上の組み合わせからなるものであってよい。ハードマスク材料層17の形成は、転写基板11とのエッチング選択性を考慮して上記のような材料から選択した金属、金属化合物を用いて、スパッタリング法等の真空成膜法により行うことができる。
この転写基板11は、凸構造部14の表面14aに位置するハードマスク材料層17に、複数のインプリント領域13A,13B,13C,13Dで構成されるパターン形成領域13が画定されている。図示例では、各インプリント領域13A,13B,13C,13Dは正方形状であり、これらで構成されるパターン形成領域13も正方形状であるが、形状はこれに限定されるものではない。また、図示例では、パターン形成領域13を構成するインプリント領域の数が4箇所であるが、インプリント領域の数はこれに限定されるものではない。
次に、本発明のパターン構造体の製造方法について説明する。
(第1の実施形態)
図3〜図8は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、上記の転写基板11を使用した例である。この図3〜図8は、転写基板11の凸構造部14とその周辺を示す部分平面図である。また、図9〜図11は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、図3〜図8に示される転写基板11の部分平面図の所定箇所における断面図である。
本発明のパターン構造体の製造方法に使用する転写基板11は、上記のように、凸構造部14の表面14aに位置するハードマスク材料層17に、複数のインプリント領域13A,13B,13C,13Dで構成されるパターン形成領域13が画定されている。そして、選択工程にて、インプリント領域13A,13B,13C,13Dから、インプリント対象としてインプリント領域13Aを選択し、このインプリント領域13Aにレジスト材料21の液滴をインクジェット法等により滴下して供給する(図3(A)、図9(A))。使用するレジスト材料21は、光硬化性、熱硬化性、あるいは、熱可塑性のレジスト材料から適宜選択することができる。尚、図9(A)は図3(A)のII−II線における断面図である。
次に、レジストパターン形成工程にて、凹凸構造33を有するモールド31と転写基板11とを近接させて、インプリント領域13Aとモールド31との間にレジスト材料21の液滴を展開してレジスト材料層22を形成する(図9(B))。図示例では、モールド31は、基部32と、この基部32の一方の面32aに周囲から突出している凸構造部34を有し、この凸構造部34の表面34aに凹凸構造33を有している。また、基部32の他方の面32bには、凸構造部34の平面視形状よりも広い面積の窪み部35を有している。次に、このレジスト材料層22を硬化させた後にモールド31を引き離すことにより、ハードマスク材料層17のインプリント領域13Aにレジストパターン24を形成する(図3(B)、図9(C))。尚、図3(B)では、便宜的にレジストパターン24を細直線で示している。また、図9(C)は図3(B)のIII−III線における断面図である。
次いで、エッチング保護用レジスト層形成工程にて、インプリント対象のインプリント領域13Aを除くインプリント領域13B,13C,13Dにエッチング保護用レジスト層を形成する。図示例では、まず、インプリント領域13Bにレジスト材料を供給し、平坦面43を有するモールド41を近接させ、レジスト材料層52を形成する(図10(A))。モールド41は、基部42と、この基部42の一方の面42aに周囲から突出している凸構造部44を有し、この凸構造部44の表面44aに平坦面43を有している。次に、このレジスト材料層52を硬化させた後にモールド41を引き離すことにより、ハードマスク材料層17のインプリント領域13Bにエッチング保護用レジスト層54を形成する(図4(A)、図10(B))。尚、図4(A)では、便宜的にエッチング保護用レジスト層54に斜線を付して示している。また、図10(B)は図4(A)のIV−IV線における断面図である。その後、ハードマスク材料層17のインプリント領域13C,13Dに、同様にして、エッチング保護用レジスト層54を形成する(図4(B))。このようなモールドを用いたインプリントによるエッチング保護用レジスト層54の形成は、フォトリソグラフィ法によるエッチング保護用レジスト層54の形成に比べて、インクジェットによる少量のレジスト材料供給で所望の厚みを有するエッチング保護用レジスト層54の形成が可能である。
尚、エッチング保護用レジスト層54を、ハードマスク材料層17のインプリント領域13B,13C,13Dに形成する順序には特に制限はない。エッチング保護用レジスト層54の形成において、モールド31を使用せずに、モールド41を使用することにより、モールド31の帯電による異物付着やレジスト詰り等の欠陥が存在する状態でのインプリントを回避することができる。また、モールド41が平坦面43を有しており、モールド31の凹凸構造33に比べて表面積が小さく、複数回のインプリントを行っても、帯電による異物付着および発塵を生じるおそれが低いものとなる。
このようなエッチング保護用レジスト層54は、後述するエッチング工程において、レジストパターン24、エッチング保護用レジスト層54を介してハードマスク材料層17をエッチングしている間、インプリント領域13B,13C,13Dに位置するハードマスク材料層17を保護可能な厚みを有するように形成する。尚、図4(B)においても、便宜的にエッチング保護用レジスト層54に斜線を付して示している。
上記のハードマスク材料層17のインプリント領域13B,13C,13Dへのエッチング保護用レジスト層54の形成は、ハードマスク材料層17のインプリント領域13Aへのレジストパターン24の形成よりも先に行ってもよい。このように、エッチング保護用レジスト層54の形成を先に行うことにより、その後のインプリント領域13Aにおけるモールド31を用いたレジストパターンの形成において、エッチング保護用レジスト層54が壁となり、レジスト材料21の浸み出しが抑制される。これにより、形成されたレジストパターン24の残膜(モールド31と転写基板11との間隙において形成される薄膜部)の厚みが均一なものとなる。
次に、エッチング工程にて、レジストパターン24およびエッチング保護用レジスト層54をエッチングマスクとして、ハードマスク材料層17をドライエッチングし、除去工程にて、残存するレジストパターン24およびエッチング保護用レジスト層54を除去する(図5(A)、図10(C))。これにより、インプリント対象のインプリント領域13Aのみにハードマスク18が形成され、他のインプリント領域13B,13C,13Dにはハードマスク材料層17が残存した状態となる。尚、図5(A)では、便宜的にハードマスク18を太直線で示している。また、図10(C)は図5(A)のV−V線における断面図である。
その後、既にハードマスク18を形成したインプリント領域13Aを除く複数のインプリント領域13B,13C,13Dから、インプリント対象としてインプリント領域13Bを選択する。そして、上記のレジストパターン形成工程と同様にして、ハードマスク材料層17のインプリント領域13Bにレジストパターン24を形成する(図5(B)、図11(A))。尚、図5(B)では、便宜的にレジストパターン24を細直線で示している。また、図11(A)は図5(B)のVI−VI線における断面図である。
次いで、上記のエッチング保護用レジスト層形成工程と同様にして、既にハードマスク18を形成したインプリント領域13Aにエッチング保護用レジスト層54を形成する(図6(A)、図11(B))。尚、図6(A)では、便宜的にエッチング保護用レジスト層54に斜線を付し、このエッチング保護用レジスト層54で被覆されたハードマスク18を便宜的に太鎖線で示している。また、図11(B)は図6(A)のVII−VII線における断面図である。その後、ハードマスク材料層17のインプリント領域13C,13Dに、同様にして、エッチング保護用レジスト層54を形成する(図6(B))。但し、エッチング保護用レジスト層54を、ハードマスク材料層17のインプリント領域13A,13C,13Dに形成する順序には特に制限はない。また、上記のハードマスク材料層17のインプリント領域13A,13C,13Dへのエッチング保護用レジスト層54の形成は、ハードマスク材料層17のインプリント領域13Bへのレジストパターン24の形成よりも先に行ってもよく、この場合、上記と同様に、その後、インプリント領域13Bに形成されるレジストパターン24の残膜の厚みが均一なものとなる。尚、図6(B)においても、便宜的にエッチング保護用レジスト層54に斜線を付して示している。
次に、上記のエッチング工程、除去工程と同様にして、インプリント対象のインプリント領域13Bのみにハードマスク18を形成し、インプリント領域13Aには既に形成したハードマスク18をそのまま存在させ、他のインプリント領域13C,13Dにはハードマスク材料層17を残存させる(図7(A)、図11(C))。尚、図7(A)では、便宜的にハードマスク18を太直線で示している。また、図11(C)は図7(A)のVIII−VIII線における断面図である。
同様に、既にハードマスク18を形成したインプリント領域13A,13Bを除く複数のインプリント領域13C,13Dから、インプリント対象としてインプリント領域13Cを選択し、上記のレジストパターン形成工程、エッチング保護用レジスト層形成工程、エッチング工程、および、除去工程を実行することを繰り返す。さらに、残ったインプリント領域13Dに、上記のレジストパターン形成工程、エッチング保護用レジスト層形成工程、エッチング工程、および、除去工程を実行することを繰り返す。これにより、パターン形成領域13の全てのインプリント領域13A,13B,13C,13Dにハードマスク18を形成する(図7(B))。図7(B)では、便宜的にハードマスク18を太直線で示している。尚、インプリント対象としてのインプリント領域の選択順は、上記の順序(13A⇒13B⇒13C⇒13D)に限定されるものではない。
次に、ハードマスク18を介して転写基板11をエッチングし、残存するハードマスク18を除去して、パターン形成領域13に凹凸構造16を形成する(図8、図11(D))。尚、図8では、便宜的に、斜線を付した太直線で凹凸構造16を示している。図11(D)は図8のIX−IX線における断面図である。これにより、転写基板11に凹凸構造16を多面付けで有するパターン構造体1が得られる。
このように、ハードマスク18を介して転写基板11をエッチングして、パターン形成領域13の4箇所のインプリント領域13A,13B,13C,13Dに同時に凹凸構造16を形成することにより、4箇所のインプリント領域における凹凸構造の凹部深さが均一なものとなる。
(第2の実施形態)
本発明のパターン構造体の製造方法は、ハードマスク18を介して転写基板11をエッチングして、4箇所のインプリント領域13A,13B,13C,13Dに同時に凹凸構造16を形成するのではなく、1箇所のインプリント領域にハードマスク18を形成した後、さらに、当該インプリント領域において、形成したハードマスク18を介して転写基板11をエッチングして凹凸構造16を形成する段階まで実施してもよい。このように、4箇所のインプリント領域13A,13B,13C,13Dからインプリント対象のインプリント領域を選択する毎に、転写基板11に凹凸構造16を形成する実施形態は、インプリント領域毎に凹凸構造16のパターンが異なり、それぞれのエッチング条件を設定する必要がある場合に有効である。
(第3の実施形態)
本発明のパターン構造体の製造方法は、モールド31を用いたレジストパターン24の形成において、モールド31の帯電量が高くならず、静電吸着による異物付着の可能性が低い場合には、モールド31を使用してエッチング保護用レジスト層を形成してもよい。図12は、モールド31を使用するエッチング保護用レジスト層の形成を説明する図である。この場合、インプリント領域13Bにレジスト材料を供給し、モールド31を近接させ、レジスト材料層52を形成する(図12(A))。次に、このレジスト材料層52を硬化させた後にモールド31を引き離すことにより、ハードマスク材料層17のインプリント領域13Bにエッチング保護用レジスト層54′を形成する(図12(B))。その後、ハードマスク材料層17のインプリント領域13C,13Dに、同様にして、エッチング保護用レジスト層54′を形成する。形成したエッチング保護用レジスト層54′は、モールド31が備える凹凸構造33を反転させた凹凸構造を表面に有している。そして、エッチング保護用レジスト層54′は、エッチング工程において、レジストパターン24、エッチング保護用レジスト層54′を介してハードマスク材料層17をエッチングしている間、インプリント領域13B,13C,13Dに位置するハードマスク材料層17を保護可能な厚膜のレジスト層とする。
このように、エッチング保護用レジスト層の形成にモールド31を使用する場合、インプリント対象としてインプリント領域13Aにレジストパターン24を形成する工程と、インプリント領域13B,13C,13Dにエッチング保護用レジスト層54′を形成する工程において、モールドを交換する必要がないという利点がある。また、ハードマスク材料層17のインプリント領域13Aへのレジストパターン24の形成を行った後、ハードマスク材料層17のインプリント領域13B,13C,13Dへのエッチング保護用レジスト層54′の形成を行うことにより、仮に、レジストパターン24の形成でモールド31に帯電による異物付着やレジスト詰り等が生じたとしても、厚膜のレジスト層となるようにエッチング保護用レジスト層54′を形成するので、モールド31に存在する欠陥が影響しないという利点がある。また、逆に、モールド31を使用してインプリント領域13B,13C,13Dへのエッチング保護用レジスト層54′の形成を行った後、モールド31を使用してインプリント対象であるインプリント領域13Aへのレジストパターン24の形成を行う場合、エッチング保護用レジスト層54′を形成するインプリント工程を、モールド31へ離型剤を付着させるプライミングのインプリントを兼ねさせることができる利点がある。
(第4の実施形態)
本発明のパターン構造体の製造方法は、2箇所以上のインプリント領域に同時にハードマスクを形成してもよい。すなわち、インプリント対象として2箇所以上のインプリント領域を選択し、レジストパターン形成工程では、選択した2箇所以上のインプリント領域にレジストパターンを形成し、エッチング工程では、選択した2箇所以上のインプリント領域に同時にハードマスクを形成することができる。図13、図14は、このような実施形態を説明するための工程図であり、上記の転写基板11を使用した例である。この図13、図14は、図3〜図8と同様に、転写基板11の凸構造部14とその周辺を示す部分平面図である。
選択工程において、2箇所以上のインプリント領域をインプリント対象として選択する際に、インプリント対象として選択した1箇所のインプリント領域に対して最も隣接するインプリント領域は選択対象から外すものとする。これは、選択した1箇所のインプリント領域におけるモールドを用いたレジストパターンの形成において、レジスト材料の浸み出しが生じた場合、最も隣接するインプリント領域におけるレジストパターンの形成への影響を最も大きいので、これを防止するためである。そして、このように、インプリント対象として選択した1箇所のインプリント領域に対して最も隣接するインプリント領域を選択対象から外すことにより、上述のように、インプリント対象ではないインプリント領域にエッチング保護用レジスト層を先に形成し、その後、2箇所以上のインプリント領域にモールドを用いてレジストパターンを形成する際に、エッチング保護用レジスト層が、レジスト材料の浸み出しを抑制する壁として効果的に作用する。したがって、図示例では、4箇所のインプリント領域13A,13B,13C,13Dから、2箇所のインプリント領域をインプリント対象として選択する場合、まず、インプリント領域13Aを選択すると、インプリント領域13B,13Cは選択対象から外れ、インプリント領域13Dが2箇所目のインプリント対象として選択される。
次に、上記のレジストパターン形成工程と同様にして、インプリント対象として選択したインプリント領域13A,13Dに、順次レジストパターン24を形成する(図13(A))。尚、図13(A)では、便宜的にレジストパターン24を細直線で示している。ハードマスク材料層17の2箇所のインプリント領域13A,13Dへのレジストパターン24の形成順は特に制限はない。
次いで、上記のエッチング保護用レジスト層形成工程と同様にして、ハードマスク材料層17のインプリント領域13B,13Cに、エッチング保護用レジスト層54を形成する(図13(B))。エッチング保護用レジスト層54をインプリント領域13B,13Cに形成する順序には特に制限はない。また、上記のハードマスク材料層17のインプリント領域13B,13Cへのエッチング保護用レジスト層54の形成は、ハードマスク材料層17のインプリント領域13A,13Dへのレジストパターン24の形成よりも先に行ってもよく、この場合、上記のように、インプリント領域13A,13Dにおけるレジスト材料の浸み出しが抑制され、インプリント領域13A,13Dに形成されたレジストパターン24の残膜の厚みが均一なものとなる。尚、図13(B)では、便宜的にエッチング保護用レジスト層54に斜線を付して示している。
次に、上記のエッチング工程、除去工程と同様にして、インプリント対象のインプリント領域13A,13Dのみにハードマスク18を形成し、他のインプリント領域13B,13Cにはハードマスク材料層17を残存させる(図14(A))。尚、図14(A)では、便宜的にハードマスク18を太直線で示している。
その後、既にハードマスク18を形成したインプリント領域13A,13Dを除く複数のインプリント領域から、インプリント対象としてインプリント領域を選択する。図示例では、インプリント領域13B,13Cが残されているので、インプリント領域13B,13Cをインプリント対象とする。そして、上記のレジストパターン形成工程と同様にして、インプリント対象のインプリント領域13B,13Cにレジストパターン24を形成する。また、既にハードマスク18を形成したインプリント領域13A,13Dにエッチング保護用レジスト層54を形成する(図14(B))。尚、図14(B)では、便宜的にレジストパターン24を細直線で示し、エッチング保護用レジスト層54に斜線を付し、このエッチング保護用レジスト層54で被覆されたハードマスク18を太鎖線で示している。その後、上記のエッチング工程、および、除去工程を実行することを繰り返す。これにより、パターン形成領域13の全てのインプリント領域13A,13B,13C,13Dにハードマスク18を形成する。(図7(B)参照)。尚、インプリント対象としてのインプリント領域の選択順は、上記の順序(13A,13D⇒13B,13C)に限定されず、逆の選択順であってもよい。また、パターン形成領域13を構成するインプリント領域の数が多い場合、同時にハードマスクを形成するインプリント領域の数は3箇所以上であってもよい。
次に、ハードマスク18を介して転写基板11をエッチングして、パターン形成領域13に凹凸構造を形成して、パターン構造体1が得られる(図8参照)。
上記のような2箇所以上のインプリント領域に同時にハードマスクを形成する実施形態においても、モールド31を用いたインプリントにおける帯電量が高くならず、静電吸着による異物付着の可能性が低い場合には、平坦面43を有するモールド41に代えて、モールド31を使用してエッチング保護用レジスト層を形成してもよい。
この実施形態においても、2箇所以上のインプリント領域に同時にハードマスク18を形成した後、さらに、当該インプリント領域において、形成したハードマスク18を介して転写基板11をエッチングして凹凸構造16を形成する段階まで実施してもよい。
(第5の実施形態)
本発明のパターン構造体の製造方法は、凸構造部14を備えたメサ構造の転写基板11の凸構造部14の外側周囲の所定部位に被覆レジスト層を形成するものであってもよい。図15〜図17は、このような実施形態を説明するための工程図であり、上記の転写基板11を使用した例である。図15、図16は、図3〜図8と同様に、転写基板11の凸構造部14とその周辺を示す部分平面図であり、また、図17は、図15、図16に示される転写基板11の部分平面図の所定箇所における断面図である。
この実施形態では、選択工程にて、インプリント領域13A,13B,13C,13Dから、インプリント対象として例えばインプリント領域13Aを選択する。
次に、第1の実施形態におけるレジストパターン形成工程と同様に、まず、インプリント対象として選択したインプリント領域13Aにレジスト材料21の液滴をインクジェット法等により滴下して供給する。そして、本実施形態では、転写基板11の凸構造部14の外側周囲の基部12において、環状にレジスト材料を供給して、被覆レジスト層26を形成する(図15(A))。インプリント領域13Aに供給するレジスト材料21と、被覆レジスト層26を形成するためのレジスト材料は同じであってもよく、また、異なるものであってもよい。その後、第1の実施形態と同様に、モールド31を使用してインプリント領域13Aにレジストパターン24を形成する。また、転写基板11の凸構造部14の外側周囲に形成した環状の被覆レジスト層26を硬化させて、バランスレジスト層27とする(図15(B)、図17(A))。尚、図17(A)は図15(B)のX−X線における断面図である。
次に、第1の実施形態におけるエッチング保護用レジスト層形成工程と同様に、インプリント対象のインプリント領域13Aを除くインプリント領域13B,13C,13Dにエッチング保護用レジスト層54を形成する(図16(A))。
次いで、第1の実施形態におけるエッチング工程、および、除去工程と同様にして、インプリント領域13Aにハードマスク18を形成し、他のインプリント領域13B,13C,13Dにハードマスク材料層17を残存させるとともに、上記の環状のバランスレジスト層27に対応したバランスハードマスク層19を、転写基板11の凸構造部14の外側周囲の基部12に形成する(図16(B)、図17(B))。尚、図17(B)は図16(B)のXI−XI線における断面図である。図16(B)では、便宜的にハードマスク18を太直線で示している。
このハードマスク18の形成では、レジストパターン形成工程において形成したレジストパターン24、バランスレジスト層27、および、エッチング保護用レジスト層形成工程で形成されたエッチング保護用レジスト層54をエッチングマスクとして、ハードマスク材料層17をドライエッチングする。このエッチング工程では、凸構造部14の外側周囲に形成した環状のバランスレジスト層27の存在により、凸構造部14に位置するハードマスク材料層17のエッチングにおけるマイクロローディング効果(レジストパターンの開口面積や開口率が小さくなるほどエッチング速度が低下する)の影響が均一化され、インプリント領域13Aにおけるエッチングが均一に安定して行われる。
その後、既にハードマスク18を形成したインプリント領域13Aを除く複数のインプリント領域13B,13C,13Dに、第1の実施形態と同様に、順次ハードマスク18の形成を繰り返す。これにより、パターン形成領域13の全てのインプリント領域13A,13B,13C,13Dにハードマスク18を形成する(図17(C))。但し、インプリント領域13B,13C,13Dにおけるレジストパターン形成工程では、インプリント対象として選択したインプリント領域へレジスト材料21を供給するとともに、インプリント領域13Aへのハードマスク18の形成と同時に形成されている上記のバランスハードマスク層19を被覆するように、凸構造部14の外側周囲に環状にレジスト材料を供給して、被覆レジスト層26を形成する。そして、レジストパターン24を形成するとともに、環状の被覆レジスト層26を硬化させて、バランスレジスト層27とする。このようにバランスハードマスク層19を被覆したバランスレジスト層27の存在により、インプリント領域13B,13C,13Dへのハードマスク18の形成におけるエッチング工程でも、エッチングが均一に安定して行われる。また、インプリント領域13B,13C,13Dにハードマスク18を形成するエッチング工程において、バランスハードマスク層19はバランスレジスト層27によりエッチングから保護されるので、パターン形成領域13の全てのインプリント領域13A,13B,13C,13Dにハードマスク18が形成された段階で、凸構造部14の外側周囲の基部12に環状のバランスハードマスク層19が位置するものとなる。
次に、ハードマスク18を介して転写基板11をエッチングし、残存するハードマスク18を除去して、パターン形成領域13に凹凸構造16を形成する(図17(D))。この転写基板11のエッチングでは、凸構造部14の外側周囲に位置する環状のバランスハードマスク層19の存在により、凸構造部14のエッチングにおけるマイクロローディング効果の影響が均一化され、パターン形成領域13におけるエッチングが均一に安定して行われる。これにより、転写基板11に多面付けで凹凸構造16を有するパターン構造体1′が得られる。
このように、ハードマスク18を介して転写基板11をエッチングして、パターン形成領域13の4箇所のインプリント領域13A,13B,13C,13Dに同時に凹凸構造16を形成することにより、4箇所のインプリント領域における凹凸構造の凹部深さが均一なものとなる。尚、転写基板11に多面付けで凹凸構造16を有する上記のパターン構造体1′は、凸構造部14の外側周囲に、バランスハードマスク層19の存在によりエッチングから保護されて形成された環状の凸部を備えるが、凹凸構造16は凸構造部14の表面14aに位置しているので、後述するインプリント用モールドの製造方法において形成したモールドであっても、環状の凸部がインプリントに支障を来すことはない。
また、ハードマスク18を介した転写基板11のエッチング後、残存するハードマスク18を除去する際に、凸構造部14の外側周囲に存在するバランスハードマスク層19をそのまま残存させて、例えば、遮光膜等の所望の機能を発現する部材としてもよい。バランスハードマスク層19を遮光膜とする場合、上述のように、転写基板11の凸構造部14の外側周囲の基部12に環状の被覆レジスト層26を形成(図15(A)参照)する際に、凸構造部14の近傍、あるいは、凸構造部14の側壁に接触するように被覆レジスト層26を形成し、これにより、凸構造部14の際までバランスハードマスク層19を存在させることが好ましい。
上記の例では、転写基板11の凸構造部14の外側周囲への環状の被覆レジスト層26の形成は、インプリント対象のインプリント領域13Aへのレジストパターン24の形成時に行っているが、インプリント対象のインプリント領域13Aを除くインプリント領域13B,13C,13Dへのエッチング保護用レジスト層54の形成時に行ってもよい。
また、上記の例では、転写基板11の凸構造部14の外側周囲に形成される被覆レジスト層26は、連続した環状であるが、被覆レジスト層26は不連続箇所を有するものであってもよい。凸構造部14の外側周囲において、少なくとも、ハードマスク材料層17をエッチングしてハードマスク18を形成するインプリント領域が位置する凸構造部14の周辺に、被覆レジスト層26を設けておくことで、ハードマスク材料層17をドライエッチングする際の、周囲のインプリント領域に存在するエッチング保護用レジスト層54の存在量に依存するエッチング速度のバラツキを低減することができる。特に、エッチング対象のハードマスク材料層17の中で、周囲のインプリント領域に存在するエッチング保護用レジスト層54の近傍の部位、および、凸構造部14の周縁部近傍の部位におけるエッチング速度と、ハードマスク材料層17の他の部位におけるエッチング速度とのバラツキを低減することができる。
上述のような本発明のパターン構造体の製造方法では、各インプリント領域において、レジストパターンの形成で留めず、ハードマスクの形成まで行うので、形成されたハードマスクは、レジストパターンに比べて異物付着等による欠陥発生を生じ難く、転写基板に高精度の凹凸構造を多面付けで有するパターン構造体を安定して作製することができる。
上述のパターン構造体の製造方法は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態において使用するモールド31を、図18に示すように、凸構造部34の周囲の四隅にアライメントマーク61を備えたものとし、また、転写基板11を、図19に示すように、凸構造部34の周囲に、各インプリント領域13A,13B,13C,13Dに対応したアライメントマーク65を備えたものとしてもよい。そして、レジストパターン形成工程において、インプリント対象のインプリント領域、例えば、図19に示されるインプリント領域13Aに対するモールド31を用いたインプリントでは、転写基板11が有するアライメントマーク65の中の○で囲んだ3箇所のアライメントマーク65と、モールド31の4箇所のアライメントマーク61とを用いて位置合わせを行ってもよい。尚、上述の第5の実施形態のように、転写基板11の凸構造部14の外側周囲の基部12に被覆レジスト層26を形成する場合には、上記のアライメントマーク65が設けられている位置よりも外側に被覆レジスト層26を形成する。
[インプリント用モールドの製造方法]
本発明のインプリント用モールドの製造方法は、凹凸構造が位置する複数の凹凸構造単位領域を多面付けで有する凹凸構造領域を基材の一平面に備えるインプリント用モールドの製造方法である。
本発明のインプリント用モールドの製造方法では、上述の転写基板11のように、ハードマスク材料層17を備える基材をモールド製造用の基材として使用する。尚、モールド製造用の基材は、上述の転写基板11のように、周囲から突出した凸構造部14を具備するメサ構造であってよく、また、凸構造部14を具備していないものであってもよい。さらに、モールド製造用の基材は、上述の転写基板11のように、裏面側に窪み部15を具備するものであってよく、また、窪み部15を具備していないものであってもよい。
このようなモールド製造用の基材のハードマスク材料層17上に、複数の凹凸構造単位領域を多面付けで有する凹凸構造領域に対応させて、複数のインプリント領域で構成されるパターン形成領域を画定する(図1参照)。そして、上述の本発明のパターン構造体の製造方法によって、モールド製造用の基材の一平面に凹凸構造を形成する(図3〜図8、図9〜図11参照)。これにより、インプリント用モールドを作製することができる(図11(D)、図17(D)参照)。
インプリント法に使用するレプリカモールド等、微細な凹凸構造を多面付けで有するパターン構造体の形成を必要とする種々の加工に利用可能である。
1,1′…パターン構造体
11…転写基板
12…基材
13…パターン形成領域
13A,13B,13C,13D…インプリント領域
14…凸構造部
14a…凸構造部の表面
15…窪み部
16…凹凸構造
17…ハードマスク材料層17
18…ハードマスク
19…バランスハードマスク層
21…レジスト材料
22…レジスト材料層
24…レジストパターン
26…被覆レジスト層
27…バランスレジスト層
31…モールド
33…凹凸構造
34…凸構造部
41…モールド
44…凸構造部
54…エッチング保護用レジスト層

Claims (10)

  1. ハードマスク材料層を備える転写基板の前記ハードマスク材料層に、複数のインプリント領域で構成されるパターン形成領域を画定し、
    複数の前記インプリント領域からインプリント対象のインプリント領域を選択する選択工程、インプリント対象の前記インプリント領域に、凹凸構造を有するモールドを用いてレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程、インプリント対象の前記インプリント領域を除く前記インプリント領域にエッチング保護用レジスト層を形成するエッチング保護用レジスト層形成工程、前記レジストパターンおよび前記エッチング保護用レジスト層を介して前記ハードマスク材料層をエッチングして、インプリント対象の前記インプリント領域のみにハードマスクを形成するエッチング工程、残存する前記レジストパターンおよび前記エッチング保護用レジスト層を除去する除去工程、を実行し、
    その後、既にハードマスクを形成したインプリント領域を除く複数の前記インプリント領域からインプリント対象のインプリント領域を選択し、前記レジストパターン形成工程、前記エッチング保護用レジスト層形成工程、前記エッチング工程、および、前記除去工程を実行することを繰り返すことにより、前記パターン形成領域の全てのインプリント領域にハードマスクを形成し、
    前記ハードマスクを介して前記転写基板をエッチングして前記パターン形成領域に凹凸構造を形成することを特徴とするパターン構造体の製造方法。
  2. インプリント対象として1箇所のインプリント領域を選択することを特徴とする請求項1に記載のパターン構造体の製造方法。
  3. インプリント対象として2箇所以上のインプリント領域を選択し、前記レジストパターン形成工程では、選択した2箇所以上のインプリント領域に凹凸構造を有するモールドを用いて順次レジストパターンを形成し、前記エッチング工程では、選択した2箇所以上の前記インプリント領域に同時にハードマスクを形成することを特徴とする請求項1に記載のパターン構造体の製造方法。
  4. 前記エッチング保護用レジスト層形成工程では、モールドを用いたインプリントにより前記エッチング保護用レジスト層を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のパターン構造体の製造方法。
  5. 前記ハードマスクを介した前記転写基板のエッチングでは、前記パターン形成領域を構成する複数のインプリント領域を同時にエッチングして前記パターン形成領域に凹凸構造を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のパターン構造体の製造方法。
  6. 前記転写基板は、周囲から突出した凸構造部を有するメサ構造であり、前記パターン形成領域は前記凸構造部の表面に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のパターン構造体の製造方法。
  7. 前記レジストパターン形成工程では、前記転写基板の前記凸構造部の外側周囲の所定部位にバランスレジスト層を形成し、前記エッチング工程では、前記レジストパターン、前記エッチング保護用レジスト層、および、前記バランスレジスト層を介して前記ハードマスク材料層をエッチングすることを特徴とする請求項6に記載のパターン構造体の製造方法。
  8. 前記エッチング保護用レジスト層形成工程では、前記転写基板の前記凸構造部の周囲の所定部位にバランスレジスト層を形成し、前記エッチング工程では、前記レジストパターン、前記エッチング保護用レジスト層、および、前記バランスレジスト層を介して前記ハードマスク材料層をエッチングすることを特徴とする請求項6に記載のパターン構造体の製造方法。
  9. 凹凸構造が位置する複数の凹凸構造単位領域を多面付けで有する凹凸構造領域を基材の一平面に備えるインプリント用モールドの製造方法において、
    ハードマスク材料層を備えるモールド製造用の基材の前記ハードマスク材料層上に、複数の前記凹凸構造単位領域を多面付けで有する前記凹凸構造領域に対応するように、複数のインプリント領域で構成されるパターン形成領域を画定し、請求項1乃至請求8のいずれかに記載のパターン構造体の製造方法によって、モールド製造用の基材の一平面に凹凸構造を形成することを特徴とするインプリント用モールドの製造方法。
  10. 前記モールド製造用の基材は、周囲から突出した凸構造部を有するメサ構造であり、前記凸構造部の表面に前記凹凸構造を形成することを特徴とする請求項9に記載のインプリント用モールドの製造方法。
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