以下、実施形態の鉄道利用管理システム、管理装置、およびプログラムを、図面を参照して説明する。実施形態の鉄道利用管理システムは、鉄道の駅における入出場の管理を行うシステムである。
(第1の実施形態)
[全体構成]
図1は、第1の実施形態における鉄道利用管理システム1の構成の一例を示す図である。鉄道利用管理システム1は、例えば、端末装置10と、複数の自動改札機100と、複数の駅務サーバ装置200と、センターサーバ装置300とを備える。各駅には、少なくとも一つの自動改札機100および駅務サーバ装置200が設置される。
端末装置10は、利用者によって利用される携帯可能な端末装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)などである。端末装置10は、自動改札機100に翳す媒体として利用される。すなわち、鉄道利用管理システム1では、端末装置10が乗車券として利用される。端末装置10の画面上には、端末装置10を乗車券として機能させるための読取画像CDが表示される。この読取画像CDは、利用者が自動改札機100を通過する際に自動改札機100によって読み取られる。読取画像CDは、例えば、QRコード等の二次元コードや、バーコード等の一次元コード等である。これらの各種コードは、例えば、乗車券としての効力情報、または効力情報とその他情報とを含めた情報がエンコードされたものである。効力情報は、例えば、有効期間、入場駅(発駅)の識別情報、乗車可能区間、読取画像CDのそれぞれを識別するコード識別情報(コードID)等を含む情報である。また、その他情報は、例えば、端末装置10における設定言語等を含む情報である。なお、読取画像CDは、機械(自動改札機100)によって内容が認識可能であると共に、人が視認することによって内容が認識できないものであれば如何なる態様であってもよい。
自動改札機100は、例えば、駅の改札口に設けられる。自動改札機100は、端末装置10の表示画面に表示された読取画像CDから情報を読み取ることによって、利用者の通過を許可または禁止する。なお、本実施形態において自動改札機100は、読取画像CDのみを処理可能な装置として説明するがこれに限られない。例えば、自動改札機100は、更に、交通系ICカードや磁気券、コードが印刷された紙券などを並行して処理可能な装置であってもよい。
駅務サーバ装置200は、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して自動改札機100と通信を行う。また、駅務サーバ装置200は、自動改札機100から取得した情報を、LANやWAN(Wide Area Network)等を含むネットワークNWを介して、センターサーバ装置300に送信する。更に、駅務サーバ装置200は、センターサーバ装置300から受信した情報を自動改札機100等に送信する。
センターサーバ装置300は、駅務サーバ装置200およびネットワークNWを介して自動改札機100から受信した情報に基づいて、種々の処理を行う。また、センターサーバ装置300は、端末装置10とネットワークNWを介して通信を行う。センターサーバ装置300は、「管理装置」の一例である。
以下、端末装置10、自動改札機100、およびセンターサーバ装置300についてそれぞれ説明する。
[端末装置]
まず、端末装置10について説明を行う。図2は、端末装置10の構成の一例を示す図である。端末装置10は、例えば、操作部11と、表示部12と、端末側通信部13と、乗車券購入処理部14と、端末側記憶部30とを備える。操作部11は、例えば、ボタン、キーボード、マウス、マイク、タッチパネル等のユーザインターフェースである。なお、表示部12がタッチパネルである場合、操作部11の一部は表示部12と一体として形成される。操作部11は、利用者による、読取画像CDを表示部12に表示させるための入力操作を受け付ける。
表示部12は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置を含む。表示部12は、乗車券購入処理部14によって出力される情報に基づいて各種画像を表示する。以下、操作部11と表示部12が一体として形成されたものをタッチパネル部と称して説明する。タッチパネル部およびその他の操作部11の構成は、「受付部」の一例である。
端末側通信部13は、図示しない無線基地局により仲介されるセルラー網やWi−Fi網、専用回線、プロバイダ、インターネット等を介してセンターサーバ装置300と通信する。
乗車券購入処理部14は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが端末側記憶部30に記憶されたプログラム(例えば乗車券購入アプリ31)を実行することにより実現される。プログラムは、例えば、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバからダウンロードされてもよいし、SDカードなどの可搬型記憶媒体に格納されたものが端末装置10にインストールされてもよい。また、乗車券購入処理部14の機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
端末側記憶部30は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。端末側記憶部30は、プロセッサが実行する乗車券購入アプリ31等のプログラムを格納する。
図3は、乗車券購入アプリ31が起動された際に、端末装置10のタッチパネル部に乗車券購入のための入力画面が表示された様子を示す図である。この入力画面は、予めユーザ登録をしておき、例えばユーザIDやパスワードを入力してログインした後に、所定の操作をすることで表示される。例えば、乗車券購入アプリ31がタッチ操作されるなどして起動すると、乗車券購入処理部14は、乗車券購入のための入力画面を端末装置10に表示させる。入力画面には、日本語や英語といった端末装置10の設定言語を設定するための領域A1、乗車区間を指定するための領域A2、乗車券の効力が有効開始となる乗車日を指定するための領域A3、乗車券の発行要求を確定するためのボタンB1などが設けられてよい。端末装置10の設定言語は、乗車券購入アプリ31内での設定言語であってもよいし、端末装置10のOS(Operating System)の設定言語であってもよい。
また、入力画面には、乗車券購入に係る費用の決済方式を指定するための領域(不図示)などが設けられていてもよい。このような入力画面は、乗車券購入アプリ31へのログインが完了した後に表示されてよい。上述した領域に各種情報が入力されて、図中「YES」ボタンが操作されると、乗車券の発行要求が確定する。この場合、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13を用いて、入力された情報を画像要求情報(画像リクエスト)としてセンターサーバ装置300に送信する。
[自動改札機]
次に、自動改札機100の説明を行う。図4は、第1の実施形態における自動改札機100を上方から見た図である。自動改札機100は、例えば、通路を挟んで対向配置される主機110と従機130とを備えてよい。主機110は、例えば、読取部111と、上面表示部112と、正面表示部113と、扉部114および115と、改札機側制御部150とを備える。また、従機130は、読取部131と、上面表示部132と、正面表示部133と、扉部134および135とを備える。
主機110の読取部111は、図4に示すa方向に通過しようとする利用者によって翳された端末装置10により表示された読取画像CDを撮像し、画像データを改札機側制御部150に送信する。
上面表示部112は、読取部111に対して端末装置10が翳された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果、またはセンターサーバ装置300から受信した情報に基づく画像を表示する。正面表示部113は、図4に示すa方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部113の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。
一方、従機130の読取部131は、図4に示すb方向に通過しようとする利用者によって翳された端末装置10に表示された読取画像CDを撮像し、画像データを改札機側制御部150に送信する。上面表示部132は、読取部131に対して端末装置10が翳された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果、またはセンターサーバ装置300から受信した情報に基づく画像を表示する。正面表示部133は、図4に示すb方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部133の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。
改札機側制御部150は、図4に示すa方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部115および135を開放状態に維持すると共に、扉部114および134を開放状態または閉止状態に制御することで、a方向の利用者の通過を許可または禁止する。また、改札機側制御部150は、図4に示すb方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部114および134を開放状態に維持すると共に、扉部115および135を開放状態または閉止状態に制御することで、b方向の利用者の通過を許可または禁止する。
また、自動改札機100の動作モードには、図4に示すa方向の通過とb方向の通過との双方を許可する動作モードが含まれていてもよい。この場合、改札機側制御部150は、例えば、利用者が通過中でなければ正面表示部113と正面表示部133の双方に通過を許可することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。また、改札機側制御部150は、例えば、利用者がa方向およびb方向のいずれかの側から進入し、読取部111と読取部131とのいずれか一方に端末装置10が翳されると、他方の読取部を無効化すると共に、利用者が進入してきていない側の表示部(正面表示部113または正面表示部133)に、通過を禁止することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。
なお、自動改札機100は、上述したように利用者が双方向に通過可能なものに限らず、主機と補機(従機)により構成される、利用者が一方向にのみ通過可能なものであってもよい。
図5は、第1の実施形態における自動改札機100の読取部111を上方から見た図である。読取部111は、例えば、タッチ面表示部PNおよびカメラCAMを備える。タッチ面表示部PNは、例えば、LCDや有機ELディスプレイであり、上方から見てカメラCAMの周囲に配置される。カメラCAMは、利用者によって自機前に翳された物体を撮像する。例えば、表示画面に読取画像CDが表示された端末装置10が利用者によって翳されると、カメラCAMは、端末装置10の表示画面を撮像する。カメラCAMは、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを有する。なお、図5に示す読取部111の構成は、従機130の読取部131にも同様に適用してもよい。すなわち、従機130の読取部131は、タッチ面表示部PNおよびカメラCAMを含む構成であってもよい。
図6は、第1の実施形態における自動改札機100の機能構成の一例を示す図である。自動改札機100は、図4に示す構成の他、例えば、外部装置と通信を行う改札機側通信部145と、改札機側制御部150の指示に従って音声を出力するスピーカ140と、種々の情報を格納する改札機側記憶部170とを更に備える。改札機側制御部150は、通信制御部152と、画像処理部154と、通過可否判定部156と、通過制御部158とを備える。上述した読取部111、131と画像処理部154とを合わせたものは、「光学読取部」の一例である。また、通過制御部158は、「通過阻止手段制御部」の一例である。
改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、CPU等のプロセッサが改札機側記憶部170に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてよい。また、改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現され、それぞれの機能を実現するための回路構成を有してもよい。また、改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
改札機側記憶部170は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現されてよい。改札機側記憶部170は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、自機が設置された駅の識別情報や、各種表示部に表示させる画像データやテキストデータ、スピーカ140に出力させる音声データ、運賃テーブル172等を格納する。画像データ、テキストデータ、および音声データは、乗車券購入アプリ31において設定され得る端末装置10の設定言語の数に対応した数だけ用意されてよい。運賃テーブル172は、例えば、駅の区間に対して運賃が対応付けられた情報である。
通信制御部152は、改札機側通信部145を用いて、画像処理部154による処理結果、読取部111(131)に読取画像CDが翳された時刻、自機が設置された駅の識別情報などを、駅務サーバ装置200を介してセンターサーバ装置300に送信する。また、通信制御部152は、改札機側通信部145を用いて、センターサーバ装置300により駅務サーバ装置200を介して送信された情報を受信してもよい。自機が設置された駅の識別情報(駅ID)は、予め改札機側記憶部170に格納されてよい。
画像処理部154は、例えば、読取部111(131)のカメラCAMにより撮像された画像における読取画像CDの部分を解析して配列情報を取得し、配列情報をデコードして、ビット列などで表されるコンピュータが認識可能な電子情報に変換する。電子情報には、前述した効力情報が含まれる。
通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報に基づいて、利用者の通過可否を判定する。
通過制御部158は、通過可否判定部156による判定結果に基づいて、利用者の通過を許可、あるいは禁止する制御を行う。また、通過制御部158は、画像処理部154によって読取画像CDが抽出されない場合、または抽出された読取画像CDがデコードされない、あるいはデコードされた結果が無効な場合、利用者の通過を禁止する制御を行う。通過制御部158は、通過の許可または禁止の判定に応じて、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、タッチ面表示部PN、またはこれらを組み合わせたものを制御する。少なくとも扉部114、115、134、135は、「通過阻止手段」の一例である。なお、通過制御部158は、画像処理部154により取得された情報に、端末装置10(乗車券購入アプリ31)における設定言語の情報が含まれている場合、この設定言語に合わせて各種表示部に表示させる画像データ(またはテキストデータ)やスピーカ140に出力させる音声データを選択してよい。例えば、設定言語が英語の場合、通過制御部158は、改札機側記憶部170に格納された各種データから、英字表記されたテキストデータを選択すると共に、英語音声の音声データを選択する。
[センターサーバ装置]
次に、センターサーバ装置300の説明を行う。図7は、第1の実施形態におけるセンターサーバ装置300の機能構成の一例を示す図である。センターサーバ装置300は、例えば、サーバ側通信部305と、サーバ側制御部310と、サーバ側記憶部330とを備える。
サーバ側制御部310は、アプリ連携処理部312と、決済処理部314とを備える。サーバ側制御部310のこれらの構成要素のうち一部または全部は、CPU等のプロセッサがサーバ側記憶部330に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。プログラムは、例えば、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバからダウンロードされてもよいし、SDカードなどの可搬型記憶媒体に格納されたものがセンターサーバ装置300にインストールされてもよい。また、サーバ側制御部310の構成要素のうち一部または全部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
サーバ側記憶部330は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。サーバ側記憶部330は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、後述する決済用情報データベース332、効力情報データベース334、入場情報データベース336、および出場情報データベース338を格納する。
図8は、決済用情報データベース332の一例を示す図である。図示のように、決済用情報データベース332は、乗車券購入アプリ31の利用者の識別情報であるユーザIDに対し、乗車券購入に係る費用の決済方式などの情報が対応付けられた情報である。ユーザIDは、例えば、乗車券購入アプリ31のログインIDであってよい。決済用情報データベース332は、例えば、乗車券購入アプリ31が起動された端末装置10により送信された情報を参照することによって随時、レコード(一つのユーザIDに対応するデータ)が追加されてよい。なお、端末装置10の利用者が指定する決済方式や口座番号などを、駅窓口の駅務員や決済代行サービス業者のオペレータなどが専用端末に入力する場合、センターサーバ装置300は、当該専用端末により出力された情報を参照することで決済用情報データベース332を生成してもよい。
図9は、効力情報データベース334の一例を示す図である。図示のように、効力情報データベース334は、ユーザIDに対し、有効期間、入場駅の識別情報(入場駅ID)、コードIDといった効力情報が対応付けられた情報である。効力情報データベース334には、例えば、乗車券購入アプリ31が起動された端末装置10により送信された情報が随時、レコードとして追加されてよい。
図10は、入場情報データベース336の一例を示す図である。図示のように、入場情報データベース336は、コードIDに対し、入場時刻、入場駅の識別情報(入場駅ID)、入出場コードといった情報が対応付けられた情報である。入場情報データベース336には、入場処理を行った自動改札機100により送信された入場情報がレコードとして追加されてよい。
図11は、出場情報データベース338の一例を示す図である。図示のように、出場情報データベース338は、コードIDに対し、出場時刻、出場駅の識別情報(出場駅ID)、入出場コードといった情報が対応付けられた情報である。出場情報データベース338は、出場処理を行った自動改札機100により送信された出場情報がレコードとして追加されてよい。
サーバ側通信部305は、上述したネットワークNWを介して、端末装置10や自動改札機100と通信を行う。
アプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305を用いて、乗車券購入アプリ31が起動された端末装置10と通信を行い、端末装置10の画面に表示させる画像を制御する。例えば、アプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305により画像要求情報が受信されると、端末装置10の画面に読取画像CDを表示させるために画像生成情報を生成し、これを画像要求情報に対するレスポンスとして端末装置10に送信する。画像生成情報は、例えば、読取画像CDの画像データそのもの、或いは圧縮された画像データであってもよいし、読取画像CDの元となる効力情報などが文字や数値などに変換されたテキストデータまたはバイナリデータであってもよい。また、画像生成情報は、読取画像CDを表示するウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)であってもよい。端末装置10は、画像生成情報をセンターサーバ装置300から受信すると、画像生成情報に基づいて読取画像CDを表示する。なお、画像生成情報がテキストデータまたはバイナリデータである場合、端末装置10は、それらのデータに基づく効力情報を読取画像CDにエンコードし、当該読取画像CDをタッチパネル部に描画(レンダリング)する。
決済処理部314は、入場用の自動改札機100および出場用の自動改札機100の双方において通過が許可された利用者に対して、入場駅から出場駅までの利用区間の運賃(課金額の一例)を算出する。例えば、決済処理部314は、入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、出場情報に含まれる出場駅の識別情報とに基づいて、利用区間の運賃を算出してよい。そして、決済処理部314は、効力情報データベース334を参照して、入場情報または出場情報に含まれるコードIDに対応付けられた利用者(ユーザID)を特定し、当該利用者に対して運賃を請求することを決定する。例えば、決済処理部314は、決済用情報データベース332を参照して、ユーザIDごとに設定された決済方式を用いて、予め定められた口座から運賃を引き落とし決済する。なお、実際の決済処理は、クレジット会社や通信キャリア会社の決済サーバなど、外部装置に依頼して行ってもよい。また、決済処理部314による決済処理は、利用者が自動改札機100を通過する度に行われてもよいし、所定期間後に一括して行われてもよい。また、決済処理部314による決済処理は、必ずしも利用者が自動改札機100を通過するタイミングで行われる必要はなく、通過後のいずれかのタイミングで行われてよい。また、決済処理部314は、乗車券購入アプリ31において乗車券が購入された時点、すなわち端末装置10から画像要求情報を受信した時点で運賃の決済を行ってもよい。
[処理の内容]
以下、鉄道利用管理システム1の一連の処理について説明する。図12は、第1の実施形態における鉄道利用管理システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、本シーケンスでは、自動改札機100とセンターサーバ装置300との通信を仲介する駅務サーバ装置200については説明を省略している。
まず、端末装置10は、乗車券購入アプリ31が起動されると入力画面を表示する(ステップS100)。次に、端末装置10は、入力画面に入力された情報を含む画像要求情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS102)。
次に、センターサーバ装置300は、端末装置10から受信した画像要求情報から効力情報を抽出し、当該効力情報をレコードとして効力情報データベース334に記憶させると共に、効力情報を含む画像生成情報を生成する(ステップS104)。次に、センターサーバ装置300は、生成した画像生成情報を、画像要求情報に対するレスポンスとして端末装置10に送信する(ステップS106)。
次に、端末装置10は、センターサーバ装置300から受信した画像生成情報に基づいて、読取画像CDの画像を画面に表示する(ステップS108)。これによって、利用者は、読取画像CDを表示した端末装置10を自動改札機100に翳すことで駅構内に入場することができる。以下、駅構内に入場する際に用いられる読取画像CDを「入場用読取画像」と称して説明する。入場用読取画像は、「第1画像」の一例である。
自動改札機100は、入場用読取画像を表示した端末装置10が翳された場合、端末装置10から入場用読取画像を読み取り、読み取った入場用読取画像から効力情報を取得する(ステップS110)。次に、自動改札機100は、取得した効力情報と、現在の時刻情報と、自機が設置された駅の識別情報(すなわち入場駅の識別情報)と、運賃テーブル172とに基づいて、入場する利用者の通過可否を判定する(ステップS112)。以下では、通過が許可されたものとする。
次に、自動改札機100は、通過を許可すると、取得した効力情報と共に、入場用読取画像が翳された時刻(入場時刻)や自機が設置された駅の識別情報などを含む入場情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS114)。
次に、センターサーバ装置300は、自動改札機100から受信した効力情報および入場情報をそれぞれ効力情報データベース334と入場情報データベース336とに記憶させる(ステップS116)。
次に、センターサーバ装置300は、効力情報および入場情報を含む画像生成情報を生成し、当該画像生成情報を端末装置10に送信する(ステップS118)。
端末装置10は、センターサーバ装置300から効力情報および入場情報を含む画像生成情報を受信すると、当該画像生成情報に基づいて、読取画像CDの画像を生成して画面に表示する(ステップS120)。これによって、利用者は、効力情報および入場情報を基に生成された読取画像CDが表示された端末装置10を自動改札機100に翳すことで駅構外に出場することができる。以下、駅構外に出場する際に用いられる読取画像CDを「出場用読取画像」と称して説明する。出場用読取画像は、「第2画像」の一例である。
自動改札機100は、出場用読取画像が表示された端末装置10が翳された場合、端末装置10から出場用読取画像を読み取り、出場用読取画像から効力情報と入場情報とを取得する(ステップS122)。次に、自動改札機100は、例えば、取得した効力情報および入場情報と、現在の時刻情報と、自機が設置された駅の識別情報(すなわち出場駅の識別情報)と、運賃テーブル172とに基づいて、出場する利用者の通過可否を判定する(ステップS124)。以下では、通過が許可されたものとする。
次に、自動改札機100は、通過を許可すると、取得した効力情報および入場情報と共に、出場用読取画像が翳された時刻(出場時刻)や自機が設置された駅の識別情報(すなわち出場駅の識別情報)などを含む出場情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS126)。
次に、センターサーバ装置300は、自動改札機100から受信した効力情報、入場情報、および出場情報を、それぞれ効力情報データベース334、入場情報データベース336、および出場情報データベース338に記憶させる(ステップS128)。
また、センターサーバ装置300の決済処理部314は、入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、出場情報に含まれる出場駅の識別情報とに基づいて、利用区間に係る運賃を算出し、効力情報データベース334を参照して、入場情報または出場情報に含まれるコードIDに対応付けられた利用者(ユーザID)に運賃を請求することを決定する(ステップS130)。
次に、センターサーバ装置300は、出場情報と、算出した運賃に関する情報(以下、運賃情報と称する)を端末装置10に送信する(ステップS132)。これを受けて、端末装置10は、画面に乗車が完了したことを示す画像や文字などを表示すると共に、乗車に要した運賃を表示する(ステップS134)。これによって、鉄道利用管理システム1において一人のユーザが入場してから出場するまでの一連の処理が終了する。
以下、鉄道利用管理システム1における個々の装置の処理について説明する。図13は、第1の実施形態における端末装置10による処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、端末装置10の乗車券購入処理部14は、乗車券購入アプリ31が起動されるまで休止状態であり(ステップS200)、乗車券購入アプリ31が起動されると起動し、乗車券購入のための入力画面を表示して購入操作を受け付ける(ステップS202)。
次に、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13を用いて、入力された情報を含む画像要求情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS204)。次に、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13が1回目の画像生成情報を受信するまで待機し(ステップS206)、画像生成情報が受信されると、タッチパネル部に入場用読取画像を表示させる(ステップS208)。
次に、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13が2回目の画像生成情報を受信するまで待機し(ステップS210)、画像生成情報が受信されると、画像生成情報を画像にエンコードして出場用読取画像を生成し、当該出場用読取画像をタッチパネル部に表示させる(ステップS212)。なお、画像生成情報が出場用読取画像の画像データである場合、乗車券購入処理部14は、読取画像CDの生成処理を省略してよい。
次に、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13が出場情報および運賃情報を受信するまで待機し(ステップS214)、これらの情報が受信されると、タッチパネル部に乗車が完了したことを画像や文字で表示させると共に、乗車利用に要した運賃を表示する(ステップS216)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
図14は、第1の実施形態における自動改札機100による処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、画像処理部154は、読取部111(131)に読取画像CDが翳されるまで待機し(ステップS300)、読取画像CDが翳されると、読取部111(131)のカメラCAMにより撮像された画像から読取画像CDを抽出し、抽出した読取画像CDをデコードして、読取画像CDに含まれる情報を取得する(ステップS302)。
次に、通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報に入場情報が含まれているか否かを判定する(ステップS304)。通過可否判定部156は、入場情報が含まれていない場合、翳された読取画像CDが入場用読取画像であると判定する。一方、通過可否判定部156は、入場情報が含まれている場合、翳された読取画像CDが出場用読取画像であると判定する。
次に、通過可否判定部156は、通過可否の判定を行う(ステップS306)。例えば、翳された読取画像CDが入場用読取画像である場合、通過可否判定部156は、効力情報に含まれる入場駅の識別情報と、自機が設けられた駅の識別情報とが合致し、さらに、入場時刻が効力情報の示す有効期間内である場合には、利用者の入場を許可し、他の場合には入場を禁止する。
また、翳された読取画像CDが出場用読取画像である場合、通過可否判定部156は、効力情報に含まれる出場駅の識別情報と、自機が設けられた駅の識別情報とが合致し、さらに、出場時刻が効力情報の示す有効期間内である場合には、利用者の出場を許可し、他の場合には出場を禁止する。
また、通過可否判定部156は、出場時に翳された読取画像CDから入場情報を取得できない場合、すなわち駅構内側の読取部に本来翳されるべき出場用読取画像ではなく入場用読取画像が翳された場合、出場を禁止する。なお、通過可否判定部156は、効力情報に含まれる入場駅または出場駅の識別情報と自駅の識別情報とが合致しなくても入場また出場を許可してもよい。例えば、通過可否判定部156は、運賃テーブル172を参照して、入場駅から出場駅までの利用区間内における経由駅の識別情報と自駅の識別情報とが合致する場合、すなわち、利用者が購入時に指定した入場駅と異なる経由駅から乗車しようとする場合は入場を許可すると共に、購入時に指定した出場駅と異なる経由駅から降車しようとする場合は出場を許可してよい。この場合、センターサーバ装置300における決済処理部314は、入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、出場情報に含まれる出場駅の識別情報とに基づいて運賃を算出するため、購入時に入力した区間に対応した本来の運賃を請求せずに、実際に利用した区間での運賃を請求することができ、利用者の利便性を向上させることができる。
次に、通過制御部158は、通過可否判定部156により通過を禁止された場合、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、タッチ面表示部PNを制御して、利用者の通過を防ぐ(ステップS308)。一方、通過制御部158は、通過可否判定部156により通過を許可された場合、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、タッチ面表示部PNを制御して、利用者を通過させる(ステップS310)。
次に、通信制御部152は、改札機側通信部145を用いて、画像処理部154により取得された情報と、自機が設置された駅の識別情報および読取画像CDが翳された時刻を含む情報(入場情報または出場情報)とをセンターサーバ装置300に送信する(ステップS312)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
図15は、第1の実施形態におけるセンターサーバ装置300による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、アプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305が端末装置10から画像要求情報を受信したか否かを判定する(ステップS400)。端末装置10から画像要求情報を受信した場合、アプリ連携処理部312は、画像要求情報に含まれる情報から効力情報を抽出し、抽出した効力情報を用いて入場用読取画像を生成するための画像生成情報を生成し、当該画像生成情報を端末装置10に送信する(ステップS402)。
一方、端末装置10から画像要求情報を受信しない場合、アプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305が自動改札機100から情報を受信したか否かを判定する(ステップS404)。自動改札機100から情報を受信しない場合、本フローチャートの処理は終了する。
一方、自動改札機100から情報を受信した場合、アプリ連携処理部312は、当該情報に出場情報が含まれているか否かを判定する(ステップS406)。アプリ連携処理部312は、出場情報が含まれていない場合、効力情報および入場情報を用いて出場用読取画像を生成するための画像生成情報を生成し、当該画像生成情報を端末装置10に送信する(ステップS408)。
一方、決済処理部314は、出場情報が含まれている場合、入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、出場情報に含まれる識別情報とに基づいて、利用区間の運賃を算出する(ステップS410)。なお、決済処理部314は、効力情報が示す利用区間の運賃を算出してもよい。この場合、決済処理部314は、端末装置10から画像要求情報を受信した時点で効力情報を参照し、利用区間の運賃を算出してもよい。
次に、アプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305を用いて、出場情報および運賃情報を端末装置10に送信する(ステップS412)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
上述した実施形態では、同じ読取画像CDが重複して利用される場合が想定される。例えば、いずれかの読取画像CDが表示された端末装置10において、スクリーンキャプチャなどの機能によって読取画像CDがコピーされたり、読取画像CDが表示された画面がカメラなどで撮像されたりすることで、第三者によって不正に読取画像CDが利用される可能性がある。例えば、決済処理部314は、出場情報が出場情報データベース338に登録される際に、入場情報データベース336に1レコードしかないにも関わらず出場情報データベース338に複数レコードが登録されたコードIDが存在する場合、一つの入場情報と、複数の出場情報のそれぞれとの組み合わせの全てに対して運賃を算出し、請求するものとしてよい。これによって、購入者のコピーによる不正利用によって被る損害を防止することができる。
以上説明した第1の実施形態によれば、センターサーバ装置300は、端末装置10により送信された画像要求情報を受信し、画像要求情報に対するレスポンスとして入場用読取画像の画像生成情報を端末装置10に送信する。端末装置10には、画像生成情報に基づく入場用読取画像が表示される。自動改札機100は、入場用読取画像が表示された端末装置10が翳されると、入場用読取画像から効力情報を読み取り、読み取った効力情報に基づいて通過可否の判定を行い、通過を許可した場合に読み取った効力情報と共に入場情報をセンターサーバ装置300に送信する。センターサーバ装置300は、効力情報および入場情報を含む画像生成情報を、端末装置10に送信する。端末装置10は、画像生成情報に基づいて出場用読取画像を表示する。自動改札機100は、出場用読取画像が表示された端末装置10が翳されると、出場用読取画像から効力情報および入場情報を読み取り、読み取った情報に基づいて通過可否の判定を行い、通過を許可した場合に読み取った効力情報および入場情報と共に出場情報をセンターサーバ装置300に送信する。これによって、鉄道利用管理システム1は、端末装置10と自動改札機100との間で通信を行わずに、端末装置10を保有する利用者の入出場の管理を容易に行うことができる。この結果、端末装置10に自動改札機100と通信する機能(カードエミュレーション機能)を持たせる必要が無くなり、装置負担の増大を抑制することができる。すなわち、ほとんどの端末装置10が有している、インターネット等のネットワークにアクセスする機能、および表示機能を用いてシステムを実現することができる。
また、上述した第1の実施形態によれば、利用者が保有する端末装置10に読取画像CDを表示させることで端末装置10を乗車券の媒体として利用するため、紙券やICカードなどの発行に係る負担、および資源の消費量を低減することができる。一般的に、ICカードや磁気券を発行した場合、ICカードの返却や磁気券の払い戻しがなされると、駅務の負担が増加したり、ICカードや磁気券の破棄に係る費用が増加したりする問題があった。また、紙の原料となる樹木、ICチップの電子部品、プラスチックの原料となる石油などの資源を消費してしまうという問題もあった。これに対して、本実施形態では、利用者が保有する端末装置10を媒体として利用するため、種々の運用コストを低減させることができる。
また、上述した第1の実施形態によれば、センターサーバ装置300を経由して端末装置10に入出場情報が送信されるため、入出場情報を自動改札機100に配信する必要がなくなる。例えば、出場用読取画像の元となる画像生成情報内に入場情報を含めない場合、端末装置10を保有する利用者の入場管理は、センターサーバ装置300側で行う必要がある。この場合、例えば、センターサーバ装置300により管理される入場情報データベース336を各駅の自動改札機100に配信することで、自動改札機100側で入場が済んだ端末装置10と、そうでない端末装置10とを選り分け通過可否の判定を行うことが考えられる。このように、複数の自動改札機100に入場情報データベース336を配信した場合、自動改札機100およびセンターサーバ装置300の通信負荷が増大したり、自動改札機100側で大容量の記憶媒体を備えている必要が生じたりする場合がある。これに対して、本実施形態では、端末装置10が、効力情報と入場情報とを含む画像生成情報に基づいて出場用読取画像を表示するため、自動改札機100は、出場処理時に出場用読取画像から読み取った効力情報と入場情報のみで通過可否の判定を行うことができる。この結果、自動改札機100の構成を簡素なものとすることができ、自動改札機100とセンターサーバ装置300との間の通信負荷を低減することができる。
また、上述した第1の実施形態によれば、端末装置10にインストールされた乗車券購入アプリ31を用いて乗車券を購入すると端末装置10が乗車券の媒体として扱われることになるため、利用者の利便性を向上させると共に、発券機前で生じる待ち行列などの発生を抑制し、駅の混雑を解消することができる。
(第1の実施形態の変形例)
以下、第1の実施形態の変形例について説明する。上述した第1の実施形態では、自動改札機100が利用者の通過可否の判定を行うものとして説明したが、係る判定をセンターサーバ装置300が行ってもよい。すなわち、通過可否判定部156は、センターサーバ装置300が有する構成であってもよい。この場合、自動改札機100は、読取画像CDから読み取った各種情報(入場情報、出場情報として例示したもののうち一部または全部)をセンターサーバ装置300に送信する。センターサーバ装置300における通過可否判定部は、サーバ側通信部305を用いて、自動改札機100により送信された情報を受信し、自動改札機100に端末装置10を翳した利用者の通過可否を判定する。センターサーバ装置300における通過可否判定部は、サーバ側通信部305を用いて、判定結果を自動改札機100に送信する。そして、自動改札機100における通過制御部158は、センターサーバ装置300により送信された通過可否の判定結果に応じて、利用者の通過を制御する。
また、上述した第1の実施形態では、端末装置10において起動された乗車券購入アプリ31の機能によって読取画像CDを表示するものとして説明したがこれに限られない。例えば、読取画像CDは、端末装置10のウェブブラウザによって表示されたウェブページ上に表示されてもよい。この場合、センターサーバ装置300は、ウェブサーバとして機能するものであってよい。例えば、端末装置10は、読取画像CDが画像として表示されるウェブページへアクセスするために、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストをセンターサーバ装置300に送信する。そして、端末装置10は、センターサーバ装置300から返信されたHTTPレスポンスに基づいてウェブページをタッチパネル部に表示させる。HTTPレスポンスとして送信されるデータには、少なくとも読取画像CDの画像データが含まれる。この結果、端末装置10は、画像データに基づいて読取画像CDを表示することになる。なお、読取画像CDを含むウェブページは、パスワード入力などによるユーザ認証が得られたことを条件に、端末装置10に返信される。
また、上述した第1の実施形態では、駅務サーバ装置200は、単に自動改札機100とセンターサーバ装置300との通信を中継するものとして説明したがこれに限られない。例えば、駅務サーバ装置200には、センターサーバ装置300の構成要素の一部または全部が備えられていてもよい。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態における鉄道利用管理システム1Aについて説明する。第2の実施形態における鉄道利用管理システム1Aでは、電子マネーやクレジット決済を利用することを前提に、読取画像CDに効力情報の一部を含めない点で、第1の実施形態と相違する。すなわち、本実施形態における入場用読取画像の画像生成情報には、コードIDが含まれるものの、有効期間、入場駅(発駅)の識別情報、乗車可能区間などは省略されてよい。以下では、係る相違点を中心に説明し、共通する部分についての説明は省略する。
図16は、乗車券購入アプリ31が起動された際に、端末装置10のタッチパネル部に乗車券購入のための入力画面が表示された様子の他の例を示す図である。この入力画面は、予めユーザ登録をしておき、例えばユーザIDやパスワードを入力してログインした後に、所定の操作をすることで表示される。本実施形態における入力画面では、乗車区間や乗車日などを入力する領域が省略され、日本語や英語といった言語を設定する領域A1、および乗車券の発行要求を確定するためのボタンB1が設けられる。例えば、入力画面において、乗車券の発行を確定する入力(図中YES)が操作された場合、端末装置10の端末側通信部13は、センターサーバ装置300に画像要求情報を送信し、センターサーバ装置300から画像要求情報に対応したレスポンスとしてコードIDを含む画像生成情報を受信する。乗車券購入処理部14は、画像生成情報に含まれるコードIDを画像にエンコードして入場用読取画像を生成し、タッチパネル部に表示させる。なお、コードIDは、乗車券購入アプリ31のインストールなどのタイミングで予め端末側記憶部30に記憶されていてもよい。この場合、乗車券購入処理部14は、予め端末側記憶部30に記憶させておいたコードIDを読み出して、当該コードIDを画像にエンコードすることで入場用読取画像をタッチパネル部に表示させる。また、コードIDを含む画像生成情報は、既に画像にエンコードされた画像データであってもよい。このような処理によって、端末装置10の画面には、効力情報の一部情報であるコードIDのみが含まれた入場用読取画像が表示されることになる。
図17は、第2の実施形態における自動改札機100Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。自動改札機100Aの画像処理部154は、読取部111(131)に読取画像CDが翳されるまで待機し(ステップS500)、読取画像CDが翳されると、読取部111(131)のカメラCAMにより撮像された画像から読取画像CDを抽出し、抽出した読取画像CDをデコードして、読取画像CDに含まれる情報を取得する(ステップS502)。
次に、通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報にコードIDと入場情報が含まれているか否かを判定する(ステップS504)。通過可否判定部156は、コードIDのみが含まれている場合、現在行っている処理が利用者の入場を管理する処理(入場処理)であるか否かを判定する(ステップS506)。
現在行っている処理が入場処理である場合、通過可否判定部156は、利用者の通過を許可する。これを受けて、通過制御部158は、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、タッチ面表示部PNを制御して、利用者を通過させる(ステップS508)。そして、通信制御部152は、改札機側通信部145を用いて、画像処理部154により取得されたコードIDと、自機が設置された駅の識別情報および読取画像CDが翳された時刻を含む入場情報とをセンターサーバ装置300に送信する(ステップS510)。
一方、通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報にコードIDのみが含まれており、且つ現在行っている処理が入場処理でない場合、利用者の通過を禁止する。すなわち、通過可否判定部156は、出場処理中に誤って入場用読取画像が翳されたものと判定する。これを受けて、通過制御部158は、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、タッチ面表示部PNを制御して、利用者の通過を防ぐ(ステップS512)。
一方、通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報にコードIDおよび入場情報の双方が含まれている場合、現在行っている処理が利用者の出場を管理する処理(出場処理)であるか否かを判定する(ステップS514)。
現在行っている処理が出場処理である場合、通過可否判定部156は、利用者の通過を許可する。これを受けて、通過制御部158は、S508の処理を行い、利用者を通過させる。そして、通信制御部152は、S510の処理として、改札機側通信部145を用いて、画像処理部154により取得されたコードIDおよび入場情報と、自機が設置された駅の識別情報および読取画像CDが翳された時刻を含む出場情報とをセンターサーバ装置300に送信する。これによって、センターサーバ装置300における決済処理部314は、入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、出場情報に含まれる出場駅の識別情報とに基づいて運賃を算出することで、利用者が実際に利用した区間での運賃を請求する。
一方、通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報にコードIDおよび入場情報の双方が含まれており、且つ現在行っている処理が出場処理でない場合、利用者の通過を禁止する。すなわち、通過可否判定部156は、入場処理中に誤って出場用読取画像が翳されたものと判定する。これを受けて、通過制御部158は、S512の処理を行って、利用者の通過を防ぐ。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以上説明した第2の実施形態によれば、乗車券購入アプリ31の入力画面において、読取画像CDの表示に最小限必要な入力項目を入力するための領域のみが設けられ、読取画像CDに含まれる情報から利用者が実際に利用した乗車区間に係る運賃が算出されるため、利用者が事前に乗車区間ごとの運賃を把握しなくとも鉄道を利用することができる。この結果、さらに利用者の利便性を向上させることができる。
(第2の実施形態の変形例)
以下、第2の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態の変形例では、第1の実施形態の変形例と同様に、センターサーバ装置300が利用者の通過可否の判定を行ってもよい。この場合、センターサーバ装置300は、通過可否判定部を有する。センターサーバ装置300における通過可否判定部は、図17のフローチャートにおいて、画像処理(S502)の結果を自動改札機100Aから受信して、S506、S514の処理を行う。この際、センターサーバ装置300における通過可否判定部は、S506とS508との間に、利用制限に抵触するか否かを判定してもよい。利用制限とは、予めチャージされた電子マネーの範囲内であること、クレジットカードの限度額以内であることなどである。例えば、駅の窓口などにおいて事前に電子マネーのチャージ額や、クレジットカードの限度額を申請することで、決済用情報データベース332には、ユーザIDに対して、電子マネーのチャージ額やクレジットカードの限度額などが対応付けられる。
センターサーバ装置300における通過可否判定部は、S506の判定において肯定的な判定結果(YES判定)を得た場合、決済用情報データベース332を参照して、最低料金(例えば一駅分の運賃)分の金額が電子マネーとしてチャージされているか否か、或いは最低料金分の金額を課金した場合にクレジットカードの限度額を超えるか否かを判定する。センターサーバ装置300における通過可否判定部は、電子マネーのチャージ額が最低料金未満の場合、または最低料金分の金額を課金した場合にクレジットカードの限度額を超える場合には通過を禁止し、他の場合には通過を許可する。
また、センターサーバ装置300における通過可否判定部は、S514の判定において肯定的な判定結果(YES判定)を得た場合、入場駅から出場駅までの利用区間に係る運賃分の金額が電子マネーとしてチャージされているか否か、或いは運賃分の金額を課金した場合にクレジットカードの限度額を超えるか否かを判定する。センターサーバ装置300における通過可否判定部は、電子マネーのチャージ額が運賃未満の場合、または運賃分の金額を課金した場合にクレジットカードの限度額を超える場合には通過を禁止し、他の場合には通過を許可する。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態における鉄道利用管理システム1Bについて説明する。第3の実施形態における鉄道利用管理システム1Bでは、利用者の特定乗継に対応可能な点で、第1および第2の実施形態と相違する。本実施形態における特定乗継は、第1特定乗継と第2特定乗継を含む。第1特定乗継とは、例えば、鉄道事業者が異なる二つ以上の路線を乗り継ぐ場合において、一度第1の路線の乗車を終えて駅構外に出場し、第2の路線の駅に入場することをいう。第1特定乗継は、「ラッチ外乗車」ともいう。また、第2特定乗継は、他の列車から特急または急行列車に乗り継ぐことをいう。例えば、鉄道事業者によって、上記いずれかの特定乗継の条件を満たしている場合、乗継前の運賃、または乗継後の運賃が割り引かれるサービスが提供されている。そのため、本実施形態では、当サービスに適用するため、読取画像CDから取得した情報に基づいて特定乗継であるか否かを判定する。以下では、係る相違点を中心に説明し、共通する部分についての説明は省略する。
図18は、第3の実施形態における自動改札機100Bの機能構成の一例を示す図である。自動改札機100Bにおける改札機側制御部150Bは、上述した通信制御部152、画像処理部154、通過可否判定部156、および通過制御部158の他に、第1特定乗継判定部160と、第2特定乗継判定部162とを備える。
第1特定乗継判定部160は、出場用読取画像から取得された情報に基づいて、第1特定乗継か否かを判定する。例えば、第1特定乗継判定部160は、乗継前の時点で出場用読取画像が翳された際に生成される出場情報に含まれる駅(第2の出場駅の一例)の識別情報と、乗継後の時点で入場用読取画像が翳された際に生成される入場情報に含まれる駅(第3の入場駅の一例)の識別情報との双方が、第1特定乗継(ラッチ外乗継)が認められた駅の識別情報(特定乗継許可駅の識別情報)と合致する場合、当該出場から入場までの区間は第1特定乗継であると判定する。第1特定乗継判定部160により第1特定乗継であると判定された場合、センターサーバ装置300における決済処理部314は、第1特定乗継が行われた利用区間の運賃を割引(乗継割引)する。第1特定乗継が行われた利用区間とは、乗継前の時点で入場用読取画像が翳された入場駅(第1の入場駅の一例)から、乗継後の時点で出場用読取画像が翳された出場駅(第4の出場駅の一例)までの区間である。
第2特定乗継判定部162は、出場用読取画像から取得された情報に基づいて、第2特定乗継か否かを判定する。例えば、第2特定乗継判定部162は、出場用読取画像に含まれる効力情報(またはコードID)と入場用読取画像に含まれる効力情報(またはコードID)とが同じである場合、出場用読取画像が翳された際に生成される出場情報に含まれる出場時刻と、入場用読取画像が翳された際に生成される入場情報に含まれる入場時刻とを比較して、入場日が出場日と同日または出場日の翌日である場合、第2特定乗継であると判定する。第2特定乗継判定部162により第2特定乗継であると判定された場合、センターサーバ装置300における決済処理部314は、第1特定乗継と同様に、第2特定乗継が行われた利用区間の運賃を割引する。なお、第2特定乗継時の運賃の割引額は、第1特定乗継時の運賃の割引額と同じであってもよいし相違していてもよい。
以下、第3の実施形態における鉄道利用管理システム1Bの一連の処理について説明する。図19および図20は、第3の実施形態における鉄道利用管理システム1Bの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、自動改札機100Bとセンターサーバ装置300との通信を仲介する駅務サーバ装置200については説明を省略している。また、本シーケンスの処理は、利用者が第1特定乗継を行う場合に行われるものとして説明する。
まず、端末装置10は、乗車券購入アプリ31が起動されると入力画面を表示する(ステップS600)。次に、端末装置10は、入力画面上において、特定乗継が可能な乗車券の発行要求を確定する操作を受け付けると、画像要求情報および特定乗継の申請要求情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS602)。
次に、センターサーバ装置300は、効力情報データベース334において、特定乗継の申請を行った利用者のユーザIDに対して、特定乗継の申請があったことを示す情報と、特定乗継を行う利用区間とを対応付ける。そして、センターサーバ装置300は、画像要求情報に対するレスポンスとして、効力情報を含む画像生成情報を端末装置10に送信する(ステップS606)。次に、端末装置10は、効力情報を含む画像生成情報に基づいて入場用読取画像を生成し、当該入場用読取画像を画面に表示する(ステップS608)。利用者は、入場用読取画像が表示された端末装置10を自動改札機100Bに翳すことで入場する。
自動改札機100Bは、入場用読取画像を表示した端末装置10が翳された場合、端末装置10から入場用読取画像を読み取り、入場用読取画像から効力情報を取得する(ステップS610)。次に、自動改札機100Bは、効力情報に基づいて利用者の通過可否を判定する(ステップS612)。次に、自動改札機100Bは、通過を許可すると、取得した効力情報と、入場用読取画像が翳された時刻(入場時刻)、自機が設置された駅の識別情報(すなわち入場駅の識別情報)などを含む入場情報とをセンターサーバ装置300に送信する(ステップS614)。
次に、センターサーバ装置300は、自動改札機100Bから受信した入場情報を一レコードとして入場情報データベース336に記憶させ(ステップS616)、自動改札機100Bから受信した入場情報を、端末装置10に送信する(ステップS618)。
端末装置10は、センターサーバ装置300から入場情報を受信すると、効力情報と受信した入場情報とに基づいて、出場用読取画像を生成して画面に表示する(ステップS620)。これによって、利用者は、列車を乗り継ぐために、出場用読取画像が表示された端末装置10を自動改札機100Bに翳すことでラッチ外(駅構外)に出場することが可能となる。
自動改札機100Bは、出場用読取画像を表示した端末装置10が翳された場合、端末装置10から出場用読取画像を読み取り、出場用読取画像から効力情報と入場情報とを取得する(ステップS622)。次に、自動改札機100Bは、利用者の通過可否を判定する(ステップS624)。自動改札機100Bは、通過を許可した場合、取得した入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、自機が設置された駅の識別情報(すなわち出場駅の識別情報)とにより利用区間を特定し、運賃テーブル172を参照することで、当該利用区間の運賃を算出し、上面表示部112、132などに運賃を表示する(ステップS626)。
次に、自動改札機100Bは、取得した効力情報と、利用区間、運賃、出場用読取画像が翳された時刻(出場時刻)、自機が設置された駅の識別情報などを含む出場情報とをセンターサーバ装置300に送信する(ステップS628)。
次に、センターサーバ装置300は、受信した出場情報を出場情報データベース338に記憶させると共に出場情報に含まれる運賃情報に基づいて運賃の請求額を決定する(ステップS630)。そして、センターサーバ装置300は、出場情報に含まれる出場駅の識別情報を参照して、当該出場駅が利用区間内の特定乗継許可駅であるか否かを判定する。センターサーバ装置300は、出場駅が利用区間内の特定乗継許可駅でない場合、出場情報および運賃情報を端末装置10に送信する。この場合、端末装置10は、タッチパネル部に乗車が完了したことを画像や文字で表示させると共に、乗車利用に要した運賃を表示する。これによって、鉄道利用管理システム1Bの一連の処理が終了する。
一方、センターサーバ装置300は、出場駅が利用区間内の特定乗継許可駅である場合、出場情報および運賃情報と共に、乗継を許可する情報(乗継許可情報)を端末装置10に送信する(ステップS632)。端末装置10は、センターサーバ装置300から出場情報と共に送られてくる情報に乗継許可情報が含まれていることを確認した場合、効力情報と、センターサーバ装置300から受信した出場情報および乗継許可情報とに基づいて、入場用読取画像を再生成してタッチパネル部に表示する(ステップS634)。これによって、利用者は、第2の路線への乗り継ぎ先の改札口の自動改札機100Bに対して、入場用読取画像が表示された端末装置10を翳すことでラッチ内(駅構内)に再入場することが可能となる。
自動改札機100Bは、ラッチ内再入場のための入場用読取画像を表示した端末装置10が翳された場合、端末装置10から入場用読取画像を読み取り、入場用読取画像から効力情報、出場情報および乗継許可情報を取得して、通過可否の判定を行う(ステップS638)。以降の説明では、通過可否判定において通過が許可されたものとする。
次に、自動改札機100Bは、取得した出場情報に含まれる出場時刻および出場駅の識別情報と、入場用読取画像が翳された時刻および自機が設置された駅の識別情報(入場駅の識別情報)と、乗継許可情報とに基づいて、第1特定乗継の判定を行う(ステップS640)。例えば、出場時刻および入場時刻が同日であり、且つ出場駅および自駅が特定乗継許可駅である場合、第1特定乗継であると判定する。自駅が特定乗継許可駅であることを示す情報は、予め改札機側記憶部170に格納されていてよい。また、入場用読取画像から読み取った情報に乗継許可情報が含まれている場合には、出場駅は特定乗継許可駅であるものとして扱われてよい。自動改札機100Bは、第1特定乗継である場合、前回の出場に係る運賃算出処理(前述したS630)をキャンセルさせるキャンセル情報を入場情報と共にセンターサーバ装置300に送信する(ステップS644)。以降のシーケンスの説明では、入場情報と共にキャンセル情報がセンターサーバ装置300に送信されるものとして説明する。
次に、センターサーバ装置300は、自動改札機100Bから受信したキャンセル情報に基づいて、前回出場時の運賃の算出結果を破棄すると共に(ステップS646)、受信した入場情報を出場情報データベース338に記憶させる(ステップS648)。次に、センターサーバ装置300は、受信した入場情報を端末装置10に送信する(ステップS650)。これを受けて、端末装置10は、効力情報と、センターサーバ装置300から受信した入場情報とに基づいて、出場用読取画像を再生成して画面に表示する(ステップS652)。これによって、利用者は、出場用読取画像が表示された端末装置10を自動改札機100Bに翳すことでラッチ外に再出場することが可能となる。
自動改札機100Bは、出場用読取画像を表示した端末装置10が翳された場合、端末装置10から出場用読取画像を読み取り、出場用読取画像から効力情報と入場情報とを取得して、通過可否の判定を行う(ステップS654)。次に、自動改札機100Bは、取得した入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、自機が設置された駅の識別情報とにより利用区間を特定し、運賃テーブル172を参照することで、当該利用区間の割引運賃を算出する(ステップS656)。そして、自動改札機100Bは、上面表示部112、132などに運賃を表示すると共に、利用者の通過を許可する制御を行う(ステップS658)。
次に、自動改札機100Bは、出場情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS660)。
次に、センターサーバ装置300は、受信した出場情報を一レコードとして出場情報データベース338に記憶させると共に、乗継前の入場駅(S614において送信された入場情報に含まれる入場駅の識別情報が示す駅)から乗継後の出場駅(S660において送信された出場情報に含まれる出場駅の識別情報が示す駅)までの区間の運賃を算出し、当該運賃での決済処理を行う(ステップS662)。そして、センターサーバ装置300は、算出した運賃に関する運賃情報を含む出場情報を端末装置10に送信する(ステップS664)。これを受けて、端末装置10は、画面に乗車が完了したことを示す画像や文字などを表示すると共に、乗車に要した運賃(割引済みの運賃)を表示する(ステップS666)。これによって、鉄道利用管理システム1Bの一連の処理が終了する。
図21は、利用者が第1特定乗継を行う場合の鉄道利用管理システムによる処理の流れを模式的に示す図である。図中に示す処理の符号S602からS660は、上述した図19および図20のフローチャートにおける処理の符号と同一である。
図示のように、例えば、A駅からB(1)駅の路線と、B(2)駅からC駅の路線とが異なる場合、利用者xはB(1)駅にて一度改札を出て、B(2)駅にて再度入場する必要がある。この場合、センターサーバ装置300は、事前に受けた特定乗継の申請要求を基に、B(1)駅の自動改札機100Bにより送信された出場情報に含まれる出場駅の識別情報を参照して、B(1)駅が利用区間内の特定乗継許可駅であるか否かを判定する。B(1)駅が利用区間内の特定乗継許可駅であることから、センターサーバ装置300は、B(1)駅での出場情報と共に乗継許可情報を、B(1)駅を出場した利用者Xの端末装置10xに送信する(ステップS632)。これによって、端末装置10xには、本来であれば出場が完了したことが画像などで表示されるが、これらが表示されずに継続して入場用読取画像が表示されることになる。すわなち、B(1)駅の自動改札機100Bに出場用読取画像を翳した後、端末装置10xの画面には、入場用読取画像が再度表示される。
また、上述した例では、第1の実施形態と同様に効力情報を基に各種読取画像CDが表示されるものとして説明したがこれに限られず、第2の実施形態と同様にコードIDを基に各種読取画像CDが表示されてもよい。例えば、利用者Xは、B(1)駅の自動改札機100Bに対して、コードIDに基づく入場用読取画像を翳して出場した後、特定乗継を行うために、再度端末装置10xを操作して乗車券購入アプリ31を起動し、乗車券を購入(乗車券の発行要求を確定)するためのボタンB1を操作して、端末装置10xからセンターサーバ装置300に画像要求情報を送信させる。この場合、同端末装置10xから前回受信した画像要求情報の受信時刻を参照して、画像要求情報の受信間隔が閾値未満の場合、今回受信した画像要求情報が、利用者xが特定乗継のための操作に起因して送信された画像要求情報であるものと判定する。そして、センターサーバ装置300は、前回(直近)の出場時の出場情報、すなわち、B(1)駅の出場情報と乗継許可情報とを端末装置10xに送信する。これによって、端末装置10xの画面には、特定乗継が可能な入場用読取画像が表示されることになる。
図22は、第3の実施形態における自動改札機100Bによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、入場処理として行われる。また、各種読取画像CDは、効力情報を基に生成されるものとして説明する。
まず、画像処理部154は、読取部111(131)に入場用読取画像が翳されるまで待機し(ステップS700)、入場用読取画像が翳されると、読取部111(131)のカメラCAMにより撮像された画像から入場用読取画像を抽出し、抽出した入場用読取画像をデコードして、入場用読取画像に含まれる効力情報および出場情報を取得する(ステップS702)。
次に、通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報に基づいて、通過可否の判定を行う(ステップS704)。本フローチャートの処理では、通過可否の判定において通過が許可されるものとして説明する。
次に、第1特定乗継判定部160は、出場情報に含まれる駅の識別情報と、自機が設置された駅の識別情報とが第1特定乗継が認められた駅の識別情報と合致するか否かを判定することで、第1特定乗継であるか否かを判定する(ステップS706)。
第2特定乗継判定部162は、第1特定乗継判定部160により第1特定乗継でないと判定された場合、出場時の効力情報と入場時の効力情報とが同じであるか否か判定すると共に、出場情報に含まれる出場時刻と、入場情報に含まれる入場時刻とを比較して、第2特定乗継であるか否かを判定する(ステップS708)。
通信制御部152は、第2特定乗継判定部162により第2特定乗継でないと判定された場合、入場用読取画像から取得された効力情報と、利用区間、乗継割引が適用されない通常運賃、自機が設置された駅の識別情報、および入場用読取画像が翳された時刻を含む出場情報とを、改札機側通信部145を用いてセンターサーバ装置300に送信する(ステップS710)。
一方、通信制御部152は、第1特定乗継判定部160により第1特定乗継であると判定された場合、または第2特定乗継判定部162により第2特定乗継であると判定された場合、利用区間、乗継割引が適用された割引運賃、入場用読取画像から取得された効力情報と、自機が設置された駅の識別情報、および入場用読取画像が翳された時刻を含む出場情報と、キャンセル情報とを、改札機側通信部145を用いてセンターサーバ装置300に送信する(ステップS712)。これを受けて、センターサーバ装置300における決済処理部314は、効力情報を参照して、当該効力情報のコードIDに対応した前回出場時の運賃の算出結果を破棄(消去)し、出場情報に含まれる利用区間および運賃の情報を参照して新たに運賃を算出する。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
図23は、コードIDに対して運賃の算出結果が対応付けられた情報の一例を示す図である。上述した図21と同様に、B(1)駅およびB(2)駅は特定乗継許可駅であるものとする。この場合、まず、センターサーバ装置300における決済処理部314は、利用者がB(1)駅の自動改札機100Bを出場した時点(B(1)駅の自動改札機100Bから出場情報などを受信した時点)で、A駅からB(1)駅までの区間の運賃を算出し、当該運賃を利用者に請求することを決定する。次に、利用者がB(2)駅に入場した時点で、B(2)駅の自動改札機100Bによっていずれかの特定乗継であると判定されると、センターサーバ装置300における決済処理部314は、A駅からB(1)駅までの区間における運賃算出結果を破棄する。そして、センターサーバ装置300における決済処理部314は、サーバ側通信部305によって出場駅の自動改札機100Bから出場情報を含む各種情報を受信するまで待機し、出場情報を含む各種情報が受信されると、前回の入場駅から今回の出場駅までの区間の運賃を算出する。図示の例では、センターサーバ装置300における決済処理部314は、A駅からC駅までの区間の運賃を算出する。なお、上述した例では読取画像CDに効力情報が含まれる場合について説明したがこれに限られず、電子マネーやクレジット決済を利用するためのコードIDが読取画像CDに含まれている場合も同様に、決済処理部314は、自動改札機100Bによる特定乗継の判定結果に応じて運賃の再計算を行ってよい。
以上説明した第3の実施形態によれば、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を奏する他、第1特定乗継または第2特定乗継の判定処理を行うことによって、鉄道会社の利用制度に柔軟に対応することができる。この結果、利用者の利便性を向上させることができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態における鉄道利用管理システム1Cについて説明する。第4の実施形態における鉄道利用管理システム1Cでは、利用者によって入場用読取画像または出場用読取画像が表示された端末装置10が自動改札機100に翳され、通過が許可されると、センターサーバ装置300が、読取画像CDを非表示にさせる通知(以下、非表示通知情報と称する)を端末装置10に送信する点で、第1から第3の実施形態と相違する。以下では、係る相違点を中心に説明し、共通する部分についての説明は省略する。
第4の実施形態におけるセンターサーバ装置のアプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305によって自動改札機100から入場情報または出場情報が受信された時点で、サーバ側通信部305を用いて、端末装置10に非表示通知情報を送信する。これを受けて、端末装置10の乗車券購入処理部14は、タッチパネル部に表示させた読取画像CDを非表示にさせる。これによって、入場用読取画像または出場用読取画像が表示された端末装置10そのものを利用者が第三者に受け渡すことで行われる不正利用を防止することができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、センターサーバ装置300は、端末装置10により送信された画像要求情報を受信し、画像要求情報に対するレスポンスとして入場用読取画像の画像生成情報を端末装置10に送信する。端末装置10には、画像生成情報に基づく入場用読取画像が表示される。自動改札機100は、入場用読取画像が表示された端末装置10が翳されると、入場用読取画像から効力情報を読み取り、読み取った効力情報に基づいて通過可否の判定を行い、通過を許可した場合に読み取った効力情報と共に入場情報をセンターサーバ装置300に送信する。センターサーバ装置300は、効力情報および入場情報を含む画像生成情報を、端末装置10に送信する。端末装置10は、画像生成情報に基づいて出場用読取画像を表示する。自動改札機100は、出場用読取画像が表示された端末装置10が翳されると、出場用読取画像から効力情報および入場情報を読み取り、読み取った情報に基づいて通過可否の判定を行い、通過を許可した場合に読み取った効力情報および入場情報と共に出場情報をセンターサーバ装置300に送信する。これによって、鉄道利用管理システム1は、端末装置10と自動改札機100との間で通信を行わずに、端末装置10を保有する利用者の入出場の管理を容易に行うことができる。この結果、端末装置10に自動改札機100と通信する機能(カードエミュレーション機能)を持たせる必要が無くなり、装置負担の増大を抑制することができる。すなわち、ほとんどの端末装置10が有している、インターネット等のネットワークにアクセスする機能、および表示機能を用いてシステムを実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。