以下、撮像デバイスを用いることなく、通常価格とは異なる変更価格で販売される商品を通常価格で販売される商品と同様の操作で処理できる商品販売データ処理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、一実施形態に係る商品販売データ処理装置を含む店舗システム1の概略構成図である。店舗システム1は、各商品Cにそれぞれ無線タグTを付して販売する店舗に構築される。無線タグTは、アンテナとメモリとを備え、所定のリーダライタと無線通信を行うことで、メモリへのデータの書込み及びメモリからのデータの読出しを非接触で行う周知のものである。この種の無線タグTは、RF(Radio Frequency)タグ、ICタグ、電子タグ等とも称される。
ここで、店舗システム1について説明する前に、無線タグTに記憶されるタグデータについて説明する。
図2は、タグデータTDの主要なデータ構造を示す模式図である。図2に示すようにタグデータTDは、タグID、商品コード、製造元コード等を含む。タグIDは、無線タグTを識別するために無線タグT毎に予め設定されたコードである。商品コードは、商品Cを識別するために商品C毎に予め設定されたコードである。製造元コードは、無線タグTの製造元を識別するために製造元毎に予め設定されたコードである。ここに商品コードは、商品を識別する第1コードとして機能する。タグIDは、無線タグTを識別する第2コードとして機能する。
図1に説明を戻す。
店舗システム1は、複数の読取装置11と、基地局12と、複数のPOS端末13と、各POS端末13にそれぞれ接続された複数のリーダライタ14と、ストアサーバ15とを備える。また店舗システム1は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク16を含む。そして店舗システム1は、ネットワーク16に、基地局12、各POS端末13及びストアサーバ15をそれぞれ接続してなる。
読取装置11は、商品Cに付された無線タグTからデータを読み取るための携帯型機器である。読取装置11は、無線ユニット114(図5参照)を備えており、基地局12を介してストアサーバ15と無線通信を行うことができる。読取装置11は、店員によって携帯される。
店員は、例えば売場に陳列されている商品Cの検品作業を行う際に読取装置11を使用する。検品作業は、商品Cが食品の場合、消費期限又は賞味期限が近づいた商品C、いわゆるお勤め品をピックアップし、値引シールを貼る作業を含む。検品作業を行う店員は、お勤め品をピックアップする毎に値引シールを貼る。また店員は、読取装置11を用いて、そのお勤め品に付されている無線タグTからデータを読み取る。
基地局12は、図示しないアンテナを備える。アンテナは、売場の例えば天井、壁、商品棚等に取り付けられている。基地局12は、アンテナの交信範囲内に存在する読取装置11の無線ユニット114と無線による通信回線を確立する。そして基地局12は、通信回線が確立された無線ユニット114から無線送信されたデータを受信すると、その受信データを、ネットワーク16を介してストアサーバ15に転送する。また基地局12は、ネットワーク16を介してストアサーバ15から読取装置11宛のデータを受信すると、そのデータを通信回線が確立された無線ユニット114へと無線送信する。なお、図1では基地局12を1基のみ示しているが、基地局12の台数は1基に限定されない。店舗のレイアウト等を考慮し、用途に適した交信範囲を確保できるように2基以上の基地局12を店舗内に配置してもよい。
POS端末13は、客が購入する商品の登録処理を行う機能と、その商品の会計処理を行う機能と、を有する。登録処理とは、商品の販売点数、販売金額等の商品販売データをメモリに登録する処理である。この登録処理により、客が購入する商品の代金が算出される。会計処理は、この代金に対する支払いデータの入力を受け付け、商取引を決済する処理である。
店舗には、客が会計を行うための複数のチェックアウトレーンがある。チェックアウトレーンは、横長のチェックアウトカウンタを略平行に一定の間隔をあけて配置することで形成される。チェックアウトレーンは、チェックアウトカウンタの一方の長手方向の側を客の通路とし、他方の長手方向の側を店員の作業スペースとする。POS端末13は、店員の作業スペースに設置される。
リーダライタ14は、平面アンテナ14Aを接続する。リーダライタ14は、平面アンテナ14Aの交信範囲内に存在する無線タグTからデータを読み取る機能と、同無線タグTにデータを書き込む機能と、を有する。リーダライタ14は、平面アンテナ14Aの交信範囲内に複数の無線タグTが存在する場合、各無線タグTからデータを読み取ることができる。同様に、リーダライタ14は、平面アンテナ14Aの交信範囲内に複数の無線タグTが存在する場合、各無線タグTにデータを書き込むことができる。ここにリーダライタ14は、読取手段を構成する。
上記チェックアウトカウンタには、客が会計を行う商品Cを置くためのスペースがある。平面アンテナ14Aは、このスペースが無線タグTとの交信範囲となるように、チェックアウトカウンタに設けられる。そしてリーダライタ14は、上記スペースに複数の商品Cが置かれた場合でも各商品Cに付された無線タグTからデータを読み取れるように、平面アンテナ14Aから放射される電波の強度を制御する。
ストアサーバ15は、各POS端末13に対するサーバ用コンピュータとして機能する。例えばストアサーバ15は、ネットワーク16を介して、各POS端末13で登録処理された各商品の販売データを収集する。そしてストアサーバ15は、各商品の販売データを集計して、店舗全体の売上又は在庫に係るデータを管理する。またストアサーバ15は、第1ファイル17と第2ファイル18とを備える。
図3は、第1ファイル17に保存されるデータレコードを示す模式図である。図3に示すように、第1ファイル17には、商品コード、商品名、第1価格、価格変更点数等を含むデータレコードが複数保存される。第1価格は、対応する商品コードで識別される商品の通常価格である。価格変更点数は、対応する商品コードで識別される商品の群のなかに、お勤め品として価格が変更された商品が何点あるのかを示す値である。第1ファイル17には、店舗で販売される全ての商品Cに関して、その商品Cの商品コード、商品名、第1価格、価格変更点数等を含むデータレコードが保存される。
図4は、第2ファイル18に保存されるデータレコードを示す模式図である。図4に示すように、第2ファイル18には、タグデータ、商品コード、商品名、第2価格、削除フラグ等を含むデータレコードが複数保存される。第2価格は、対応するタグデータを記憶した無線タグTが付されている商品Cの値引後の価格である。削除フラグは、当該タグデータを含むデータレコードが削除対象か否かを識別する1ビットの情報である。本実施形態では、データレコードが削除対象のとき削除フラグが“1”となり、削除対象外のとき削除フラグが“0”となる。第2ファイル18には、消費期限又は賞味期限が近づいたためにお勤め品としてピックアップされた商品Cに関して、単品毎に、その商品Cに付された無線タグTのタグデータ、商品コード、商品名、第2価格、削除フラグ等を含むデータレコードが保存される。
かかる構成の店舗システム1においては、POS端末13と、このPOS端末13に接続されるリーダライタ14と、POS端末13をネットワーク16で接続してなるストアサーバ15とにより、商品販売データ処理装置が構成される。
図5は、読取装置11の要部構成を示すブロック図である。読取装置11は、携帯可能な本体110に、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、無線ユニット114、タッチパネル115、リーダライタ116及びシステム伝送路117を搭載してなる。システム伝送路117は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路117は、CPU111と、ROM112、RAM113、無線ユニット114、タッチパネル115及びリーダライタ116とを、データ通信自在に接続する。
CPU111は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU111は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、読取装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM112は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM112は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM112は、CPU111が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
RAM113は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM113は、CPU111が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM113は、CPU111によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
無線ユニット114は、基地局12との間で無線による通信回線を確立する。そして無線ユニット114は、通信回線が確立された基地局12と無線通信を利用してデータの送受信を行う。
タッチパネル115は、読取装置11の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。
リーダライタ116は、アンテナ116Aを含む。アンテナ116Aは、本体110に設けられている。リーダライタ116は、アンテナ116Aの交信範囲内に存在する無線タグTからデータを読み取る機能と、同無線タグTにデータを書き込む機能と、を有する。リーダライタ116は、アンテナ116Aに近接した1つの無線タグTからデータを読み取れるように、アンテナ116Aから放射される電波の強度を制御する。
図6は、ストアサーバ15の要部構成を示すブロック図である。ストアサーバ15は、CPU151、ROM152、RAM153、補助記憶デバイス154及び通信インターフェース155及びシステム伝送路156を備える。システム伝送路156は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路156は、CPU151と、ROM152、RAM153、補助記憶デバイス154及び通信インターフェース155とを、データ通信自在に接続する。
CPU151は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU151は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、ストアサーバ15としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM152は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM152は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM152は、CPU151が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
RAM153は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM153は、CPU151が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM153は、CPU151によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
補助記憶デバイス154は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス154は、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)などである。補助記憶デバイス154は、CPU151が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU151での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス154は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。補助記憶デバイス154は、第1ファイル17と第2ファイル18とをそれぞれ記憶する。
ここに、第1ファイル17を保存する補助記憶デバイス154は、第1の記憶部として機能する。また、第2ファイル18を保存する補助記憶デバイス154は、第2の記憶部として機能する。
通信インターフェース155は、ネットワーク16を介して接続される基地局12又はPOS端末13との間で、所定の通信プロトコルに従いデータ信号の送受信を行う。
図7は、POS端末13の要部構成を示すブロック図である。POS端末13は、CPU131、ROM132、RAM133、補助記憶デバイス134、時計部135、通信インターフェース136、キーボード137、タッチパネル138、プリンタ139、カードリーダライタ1310、自動釣銭機1311、リーダライタインターフェース1312及びシステム伝送路1313を備える。システム伝送路1313は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路1313は、CPU131と、ROM132、RAM133、補助記憶デバイス134、時計部135、通信インターフェース136、キーボード137、タッチパネル138、プリンタ139、カードリーダライタ1310、自動釣銭機1311及びリーダライタインターフェース1312とを、データ通信自在に接続する。
CPU131は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU131は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、POS端末13としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM132は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM132は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM132は、CPU131が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
RAM133は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM133は、CPU131が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM133は、CPU131によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
補助記憶デバイス134は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス134は、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどである。補助記憶デバイス134は、CPU131が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU131での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス134は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
時計部135は、POS端末13の時刻情報源として機能する。CPU131は、時計部135によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
通信インターフェース136は、ネットワーク16を介して接続されるストアサーバ15との間で、所定の通信プロトコルに従いデータ信号の送受信を行う。
キーボード137は、POS端末13の入力デバイスとして機能する。キーボード137は、数値データを置数するためのテンキーの他、クリアキー、現計キー、クレジットキー、電子マネーキー等の種々のファンクションキーを含む。現計キーは、現金による商取引の決済を宣言するキーである。クレジットキーは、クレジットカードによる商取引の決済を宣言するキーである。電子マネーキーは、電子マネーによる商取引の決済を宣言するキーである。これらの現計キー、クレジットキー及び電子マネーキーは、締めキーと称される。
タッチパネル138は、POS端末13の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。
プリンタ139は、レシート用紙への印字を行う。印字されたレシート用紙は商取引毎に切断され、買上レシートまたはクレジット伝票等として発行される。
カードリーダライタ1310は、クレジットカード、電子マネーカード等のカード媒体に記録されたデータの読み取り及びカード媒体へのデータの書込みを行う。
自動釣銭機1311は、貨幣(紙幣又は硬貨)を金種別に収容する金庫を備える。また自動釣銭機1311は、代金として支払われる貨幣が投入される投入口と釣銭としての貨幣が払い出される払出口とを備える。自動釣銭機1311は、投入口から投入された貨幣の金種を識別し、金種別に貨幣を金庫に収容する。また自動釣銭機1311は、金種毎に貨幣の投入枚数を計数して、入金額を算出する。そして自動釣銭機1311は、請求金額と入金額とから釣銭額を算出し、釣銭額相当の貨幣を金庫から抽出して払出口から払い出す。
リーダライタインターフェース1312は、前記リーダライタ14とCPU1311との間でのデータ信号の送受信を司る。
かかる構成の店舗システム1は、検品作業によってピックアップされたお勤め品のデータを第2ファイル18に記憶する機能を有している。また店舗システム1は、客が購入する商品Cをチェックアウトカウンタのアンテナ14Aの交信範囲内に置くことで、その商品がお勤め品であるか否かに拘わらず各商品Cの販売データをまとめて登録処理する機能を有している。前者の機能を第1の機能と称し、後者の機能を第2の機能と称する。以下、第1及び第2の機能の詳細について、図8乃至図11の流れ図を用いて説明する。
図8は、読取装置11のCPU111が制御プログラムに従い実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図9は、POS端末13のCPU131が制御プログラムに従い実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図10および図11は、ストアサーバ15のCPU151が制御プログラムに従い実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。なお、図8乃至図11に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能であれば様々な処理を適宜に利用できるものである。
はじめに、第1の機能について説明する。
検品作業を行う店員は、読取装置11を携帯して店舗内を回り、売場にされている商品(食品)の消費期限又は賞味期限をチェックする。そして、消費期限又は賞味期限が近づいた商品C、いわゆるお勤め品を見つけたならば、その商品Cに値引シールを貼る。また店員は、読取装置11を起動する。
読取装置11が起動すると、CPU111は、図8の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ずCPU111は、Act1としてリーダライタ116を起動する。またCPU111は、Act2としてタッチパネル115に読取画面を表示させる。読取画面には、例えば、お勤め品に付された無線タグTにアンテナ116Aを近づけてタグデータTDの読み取りを行うことを案内する情報が表示される。また読取画面には、店員が検品作業の終了を指示する終了ボタンも表示される。
店員は、お勤め品としてピックアップした商品Cに付された無線タグTにアンテナ116Aを近づける。そうすると、この無線タグTのメモリに記憶されているタグデータTDが、リーダライタ116によって読み取られる。
Act2にて読取画面を表示させたCPU111は、Act3としてタグデータTDが読み取られたか否かを確認する。タグデータTDが読み取られていない場合(Act3にてNO)、CPU111は、Act4として終了ボタンが入力されたか否かを確認する。終了ボタンが入力されていない場合(Act4にてNO)、CPU111は、Act3に戻り、再びタグデータTDが読み取られたか否かを確認する。ここにCPU111は、Act3及びAct4の処理により、タグデータTDが読み取られるか終了ボタンが入力されるのを待ち受ける。
タグデータTDが読み取られた場合(Act3にてYES)、CPU111は、Act5としてそのタグデータTDをRAM113に記憶させる。次いでCPU111は、Act6としてそのタグデータTDを含む検索要求コマンドを生成する。そしてCPU111は、この検索要求コマンドをストアサーバ15宛に送信するように無線ユニット114を制御する。
この制御を受けて、無線ユニット114は、基地局12との通信回線を確立する。そして通信回線が確立されたならば、無線ユニット114は、ストアサーバ15宛の検索要求コマンドを無線送信する。このとき無線ユニット114は、送信元を特定するデータ、例えば読取装置11に対して予め設定された機器IDを検索要求コマンドに付加する。
読取装置11から無線送信された検索要求コマンドは、基地局12で受信され、ネットワーク16を介してストアサーバ15に転送される。
ストアサーバ15のCPU151は、図10に示すように、Act41として検索要求コマンドを受信したか否かを確認する。検索要求コマンドを受信していない場合(Act41にてNO)、CPU151は、Act42として後述する追加要求コマンドを受信したか否かを確認する。そして追加要求コマンドも受信していない場合(Act42にてNO)、CPU151は、Act41の処理に戻り、再び検索要求コマンドを受信したか否かを確認する。ここにCPU151は、Act41及びAct42の処理により、検索要求コマンドを受信するか追加要求コマンドを受信するのを待ち受ける。
通信インターフェース155を介して検索要求コマンドを受信した場合(Act41にてYES)、CPU151は、Act43としてその検索要求コマンドに付加される機器IDから、要求元、つまりはコマンド送信元が読取装置11なのかPOS端末13なのかを判定する。ここで、コマンド送信元が読取装置11である場合、CPU151は、Act44として検索要求コマンドに含まれるタグデータTDを解析して商品コードを検出する。そしてCPU151は、Act45としてその商品コードで第1ファイル17を検索する。そしてCPU151は、同一の商品コードを含むデータレコードを検出すると、Act46としてそのデータレコードに含まれる商品コード、商品名及び第1価格を第1商品データとして取得する。そしてCPU151は、Act47として検索要求コマンドに応答して第1商品データをコマンド送信元の読取装置11宛に送信するように通信インターフェース155を制御する。
この制御を受けて、通信インターフェース155は、ネットワーク16を介して基地局12に第1商品データを含む応答信号を送信する。このとき通信インターフェース155は、検索要求コマンドに付加された機器IDを応答信号に付加する。かくして応答信号は、基地局12から検索要求コマンド送信元の読取装置11宛に無線送信される。
図8のAct6にて検索要求コマンドの送信を制御したCPU111は、Act7として応答信号を待機している。そして、無線ユニット114を介して応答信号を受信したことを検知すると(Act7にてYES)、CPU111は、Act8としてその応答信号に含まれる第1商品データをRAM113に記憶させる。またCPU111は、Act9としてタッチパネル115に価格変更画面2(図12を参照)を表示させる。
図12は、価格変更画面2の一例を示す平面図である。図12に示すように、価格変更画面2には、商品名の表示欄21と、通常価格の表示欄22と、変更価格の入力欄23と、テンキーボタン24と、確定ボタン25とが表示される。そして表示欄21には、RAM113に記憶された第1商品データの商品名が表示される。また表示欄22には、同第1商品データの第1価格が表示される。
店員は、お勤め品としてピックアップした商品Cの商品名と通常価格とが価格変更画面2に表示されていることを確認する。そして確認できたならば、店員は、商品Cをお勤め品としたときの値引後の価格が変更価格の入力欄23に表示されるようにテンキーボタン24をタッチ操作する。そして変更価格をタッチ操作し終えたならば、店員は、確定ボタン25にタッチする。
Act9にてタッチパネル115に価格変更画面2を表示させたCPU111は、Act10として確定ボタン25が入力されるのを待機する。そして、タッチパネル115からの信号により確定ボタン25が入力されたことを検知したならば(Act10にてYES)、CPU111は、Act11として価格変更画面2の入力欄23に変更価格が入力されているか否かを確認する。
ここで、入力欄23に変更価格が入力されていない場合(Act11にてNO)、すなわち店員が入力欄23に変更価格を入力せずに確定ボタン25にタッチした場合には、CPU111は、Act2の処理に戻る。すなわちCPU111は、タッチパネル115の画面を価格変更画面2から読取画面に戻す。なお、Act11において、変更価格が通常価格と等しい場合もエラーとして、Act2の処理に戻るようにしてもよい。
入力欄23に変更価格が入力されている場合には(Act11にてYES)、CPU111は、Act12として第2商品データを生成する。第2商品データは、RAM113に記憶されたタグデータTDと、同じくRAM113に記憶された第1商品データの商品コード及び商品名と、入力欄23に入力された変更価格とを含むデータである。CPU111は、Act13としてこの第2商品データを含む追加要求コマンドを生成する。そしてCPU111は、この追加要求コマンドをストアサーバ15宛に送信するように無線ユニット114を制御する。
この制御を受けて、無線ユニット114は再び、基地局12との通信回線を確立する。そして通信回線が確立されたならば、無線ユニット114は、ストアサーバ15宛の追加要求コマンドを無線送信する。
追加要求コマンドは、基地局12で受信され、ネットワーク16を介してストアサーバ15に転送される。
図10に示すように、Act41及びAct42の待ち受け状態において、通信インターフェース155を介して追加要求コマンドを受信すると(Act42にてYES)、ストアサーバ15のCPU151は、Act48としてこの追加要求コマンドから第2商品データを検出する。そしてCPU151は、この第2商品データを第2ファイル18に追加する。またCPU151は、Act49として第2ファイル18に追加された第2商品データに、削除対象外を表す削除フラグ、すなわち“0”を付加する。
次いでCPU151は、Act50として第2商品データから商品コードを検出する。そしてCPU151は、Act51として第1ファイル17を検索し、検出された商品コードを含むデータレコードの価格変更点数を“1”だけ増加させる。
このように、店員がお勤め品としてピックアップした商品Cに付された無線タグTのタグデータTDを読取装置11で読み取らせると、その商品Cの商品名及び第1価格(通常価格)が表示された価格変更画面2がタッチパネル115に表示される。ここで店員が価格変更画面2の入力欄23に値引後の変更価格である第2価格を置数し、確定ボタン25にタッチすると、無線タグTのタグデータTDと、商品コード、商品名、第2価格及び削除対象外を表す削除フラグとを含むデータレコードが、ストアサーバ15の第2ファイル18に記憶される。また、第1ファイル17の当該お勤め品である商品の商品コードに関連付けられた価格変更点数が“1”だけ増加する。
図8のAct13にて追加要求コマンドを送信したCPU111は、Act2の処理に戻る。すなわちCPU111は、タッチパネル115の画面を価格変更画面2から読取画面に戻す。そしてCPU111は、再びタグデータが読み取られるか終了ボタンが入力されるのを待ち受ける。
したがって、店員が次のお勤め品をピックアップした際にも同様に読取装置11を操作することで、そのお勤め品の値引後の価格を第2価格としたデータレコードが第2ファイル18に記憶される。また、お勤め品である商品の商品コードに関連付けられた価格変更点数が“1”だけ増加する。
検品作業を終えた店員は、読取画面の終了ボタンにタッチする。CPU111は、Act3及びAct4の待ち受け状態において、タッチパネル115からの信号により終了ボタンが入力されたことを検知すると(Act4にてYES)、Act14としてリーダライタ116を停止させる。またCPU111は、Act15としてタッチパネル115から読取画面を消去する。以上で、CPU111は、図8に示す手順の情報処理を終了する。
次に、第2の機能について説明する。
買上商品の会計を行う客は、買上商品をまとめてチェックアウトカウンタの所定のスペースに置く。このスペースは、平面アンテナ14Aの交信範囲内である。
スペースに買上商品が置かれると、会計担当の店員は、POS端末13に対して登録開始を宣言する。例えばキーボード137に登録開始を宣言するためのキーが配置されているので、店員はこのキーを入力する。あるいは、上記スペースに買上商品が置かれたことを検知してオン信号を出力するセンサを設け、このセンサのオン信号を登録開始の宣言コマンドとしてPOS端末13に出力して、店員の操作を省略してもよい。
登録開始が宣言されると、CPU131は、図9の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ずCPU131は、Act21としてリーダライタインターフェース1312に接続されたリーダライタ14を起動させる。またCPU131は、Act22としてタッチパネル138に登録画面を表示させる。登録画面は、販売登録された商品の商品名、価格等のリストを表示するための画面である。
リーダライタ14が起動すると、平面アンテナ14Aの交信範囲内にある無線タグTのタグデータTDが順次読み取られる。このとき、一度読み取られたタグデータTDは、二度と読み取られることはない。CPU131は、Act23としてリーダライタ14によりタグデータTDが読み取られたか否かを確認する。タグデータTDが読み取られていない場合(Act23にてNO)、CPU131は、Act24として締めキーが入力されたか否かを確認する。締めキーが入力されていない場合(Act24にてNO)、CPU131は、Act23の処理に戻る。したがってCPU131は、Act23及びAct24において、タグデータが読み取られるか締めキーが入力されるのを待ち受ける。
Act23及びAct24の待ち受け状態において、リーダライタ14によって読み取られたタグデータTDを、リーダライタインターフェース1312を介して取り込むと(Act23にてYES)、CPU131は、Act25としてそのタグデータを含む検索要求コマンドを生成する。そしてCPU131は、この検索要求コマンドをストアサーバ15宛に送信するように通信インターフェース136を制御する。
この制御を受けて、通信インターフェース136は、ネットワーク16を介してストアサーバ15宛に検索要求コマンドを送信する。このとき通信インターフェース136は、送信元を特定するデータ、例えばPOS端末13に対して予め設定された機器IDを検索要求コマンドに付加する。
図10に示すように、Act41及びAct42の待ち受け状態において、検索要求コマンドを受信すると(Act41にてYES)、ストアサーバ15のCPU151は、Act43としてその検索要求コマンドに付加される機器IDから、要求元、つまりはコマンド送信元が読取装置11なのかPOS端末13なのかを判定する。
ここで、コマンド送信元がPOS端末13である場合(Act43にてYES)、CPU151は、図11に示すように、Act61としてその検索要求コマンドに含まれるタグデータTDで第2ファイル18を検索する。そしてCPU151は、Act62として当該タグデータTDを含むデータレコードが第2ファイル18に記憶されているか否かを確認する。
ここで、当該タグデータTDを含むデータレコードが第2ファイル18に記憶されていない場合(Act62にてNO)、CPU151は、Act63として検索要求コマンドに含まれるタグデータTDを解析して商品コードを検出する。そしてCPU151は、Act64としてその商品コードで第1ファイル17を検索して、同一の商品コードを含むデータレコードを検出する。次いでCPU151は、Act65としてそのデータレコードから商品コード、商品名及び第1価格を第1商品データとして取得する。そしてCPU151は、Act66として検索要求コマンドに応答して第1商品データをコマンド送信元のPOS端末13宛に送信するように通信インターフェース155を制御する。
この制御を受けて、通信インターフェース155は、ネットワーク16を介してPOS端末13宛に第1商品データを含む応答信号を送信する。
一方、当該タグデータTDを含むデータレコードが第2ファイル18に記憶されている場合には(Act62にてYES)、CPU151は、Act67としてそのデータレコードに含まれる商品コード、商品名及び第2価格を第2商品データとして取得する。このときCPU151は、Act68としてそのデータレコードの削除フラグを、非削除状態を表す“0”から削除状態を表す“1”に変更する。
ここに、Act68の処理を実行するCPU151を主体とするコンピュータは、削除手段を構成する。
またCPU151は、Act69として当該タグデータTDを解析して商品コードを検出する。そしてCPU151は、Act70としてその商品コードで第1ファイル17を検索して、同一の商品コードを含むデータレコードを検出する。次いでCPU151は、Act71としてそのデータレコードから第1価格を取得する。またCPU151は、Act72としてそのデータレコードの価格変更点数を“1”だけ減少させる。しかる後、CPU151は、Act73として第2商品データと第1価格とをコマンド送信元のPOS端末13宛に送信するように通信インターフェース155を制御する。
この制御を受けて、通信インターフェース155は、ネットワーク16を介してPOS端末13宛に第2商品データと第1価格とを含む応答信号を送信する。
ここに、Act25の処理を実行するCPU131を主体とするコンピュータは、問合せ手段を構成する。Act66及びAct73の処理を実行するCPU151を主体とするコンピュータは、応答手段を構成する。
図9のAct25にて検索要求コマンドの送信を制御したCPU131は、Act26として応答信号を待機している。そして、通信インターフェース136を介して応答信号を受信したことを検知すると(Act26にてYES)、CPU131は、Act27としてその応答信号に含まれる商品データをRAM133に記憶させる。具体的には、リーダライタ14で読み取られたタグデータTDが第2ファイル18に記憶されていない商品、つまりお勤め品でない商品については、ストアサーバ15において、図11のAct63乃至Act66の処理が実行される。したがってCPU131は、商品コード、商品名及び第1価格を含む第1商品データをRAM133に記憶させる。これに対し、リーダライタ14で読み取られたタグデータが第2ファイル18に記憶されている商品、つまりお勤め品については、ストアサーバ15において、図11のAct67乃至Act73の処理が実行される。したがってCPU131は、商品コード、商品名及び第2価格を含む第2商品データをRAM133に記憶させる。
ここに、Act61乃至Act73の処理を実行するCPU151を主体とするコンピュータは、Act25乃至Act27の処理を実行するCPU131を主体とするコンピュータと協働して、呼出手段を構成する。
商品データを記憶させたならば、CPU131は、Act28として価格変更の有無を判定する。すなわちCPU131は、その応答信号に含まれる商品データが第1商品データだけなのか第2商品データに第1価格を付加したものかを判定する。前者の場合、価格変更無しなので(Act28にてNO)、CPU131は、Act29の処理を実行することなくAct30の処理に進む。後者の場合、価格変更有りなので(Act28にてYES)、CPU131は、Act29として第2商品データに含まれる第2価格と、第2商品データに付加された第1価格との差額を値引額として算出する。こうして値引額を算出した後、CPU131は、Act30の処理に進む。
Act30では、CPU131は、販売データを登録する。すなわちCPU131は、RAM133に記憶された価格(第1価格または第2価格)に基づいて商品販売データを生成し、RAM133の登録エリアに記憶させる。このとき、Act29にて値引額が算出されている場合には、その値引額も登録エリアに記憶させる。
したがって、お勤め品でない商品については第1価格が記憶されているので、この第1価格に基づいて商品販売データが登録処理される。これに対し、お勤め品については第2価格が記憶されているので、この第2価格に基づいて商品販売データが登録処理される。
Act30にて販売データを登録すると、CPU131は、Act31として登録画面を更新する。すなわちCPU131は、Act30の処理で登録処理した商品販売データの商品名、価格、値引額等を登録画面に表示させる。
ここに、Act30及びAct31の処理を実行するCPU131を主体とするコンピュータは、処理手段を構成する。
登録画面を更新した後、CPU131は、Act23及びAct24の待ち受け状態に戻る。したがって、リーダライタ14によってタグデータTDが読み取られる毎に、CPU131は、Act25乃至Act31の処理を繰り返し実行する。かくして登録画面には、客が購入する商品の商品名、価格等が表示される。また、商品がお勤め品の場合には、値引額も表示される。
店員は、チェックアウトカウンタに置かれた商品と登録画面の情報とを見比べて、客が購入する商品の登録を終えたか否かを判断する。そして登録終了を認識したならば、店員は、キーボード137の締めキーを入力する。
Act23及びAct24の待ち受け状態において、キーボード137からの信号により締めキーが入力されたことを検知すると(Act24にてYES)、CPU131は、Act32としてリーダライタ14を停止させる。またCPU131は、Act33として締めキーの種類に応じた会計処理を実行する。会計処理には、現金支払いによる会計処理、クレジットカード支払いによる会計処理等がある。これらの会計処理は周知なので、ここでの説明は省略する。
会計処理が終了すると、CPU131は、Act34としてプリンタ139を制御してレシートを発行させる。そしてレシートが発行されると、CPU131は、Act21の処理に戻る。すなわち、リーダライタ14が再起動する。
なお、上記説明では締めキーの入力に応じてリーダライタ14を停止させたが、必ずしもリーダライタ14を停止させる必要はない。リーダライタ14を停止させない場合には、レシート発行後にCPU131がAct22の処理に戻るように、制御プログラムを構成すればよい。
このように本実施形態の商品販売データ処理装置によれば、客が購入する商品の中にお勤め品が含まれている場合でも、お勤め品が含まれていない場合と同様の操作で各商品の販売データを処理し、会計を終わらせることができる。したがって店員は、商品に値引シールが貼られているか否かを確認する必要が無いので、効率的に登録業務を行うことができる。また、値引シールに表記された値引額を手入力する必要もないので、お勤め品を誤って通常価格で販売してしまうミスも起こり得ない。その上、商品販売データ処理装置には、撮像デバイスで撮影された画像を処理する必要がない。このため、商品に付された値引シールを撮像デバイスで撮影して値引処理する従来の商品販売データ処理装置と比較して処理負荷を軽減でき、高速に処理できる。
また、お勤め品については、通常価格からの値引額が自動的に算出されて、その商品の販売データとともに登録画面に表示される。したがって店員あるいは客は、値引額を確認することでお勤め品の販売データが正しく登録処理されたと認識することができる。
また、お勤め品の販売データが登録処理されると、そのお勤め品に係る第2ファイル18のデータレコードが削除対象となる。したがって、定期的に削除対象のデータレコードを削除するように第2ファイル18をメンテナンスすることで、既に販売されて不要となったデータレコードがいつまでも第2ファイル18に残る不具合を容易に解消することができる。
また、第1ファイル17に保存されるデータレコード毎に価格変更点数が記憶される。この価格変更点数は、そのデータレコードの商品コードで識別される商品にお勤め品が発生すると加算され、お勤め品が販売されると減算される。したがって、例えば閉店後に店員が価格変更点数を確認することにより、お勤め品が何点売れ残っているのかを容易に知ることができる。
なお、撮像デバイスを用いることなく、通常価格とは異なる変更価格で販売される商品を通常価格で販売される商品と同様の操作で処理できる商品販売データ処理装置は、前記実施形態のものに限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、POS端末13からの検索要求コマンドを受信したストアサーバ15のCPU151は、図11の流れ図に示す手順の情報処理を行う。他の実施形態(以下、第2の実施形態と称する)では、この情報処理を、図13の流れ図に示す手順とする。
すなわちCPU151は、先ず、Act81として検索要求コマンドに含まれるタグデータTDを解析して商品コードを検出する。次いでCPU151は、Act82としてその商品コードで第1ファイル17を検索する。その結果、同一の商品コードを含むデータレコードを検出すると、CPU151は、Act83としてそのデータレコードから価格変更点数を検出する。そしてCPU151は、Act84として価格変更点数が“0”なのか“1”以上なのかを確認する。
価格変更点数が“0”の場合、当該データレコードの商品コードで識別される商品の群の中にはお勤め品はない。その場合(Act84にてNO)、CPU151は、Act85としてそのデータレコードに含まれる商品コード、商品名及び第1価格を第1商品データとして取得する。そしてCPU151は、Act86として検索要求コマンドに応答して第1商品データをコマンド送信元の読取装置11宛に送信するように通信インターフェース155を制御する。
一方、価格変更点数が“1”以上の場合には、当該データレコードの商品コードで識別される商品の群の中にお勤め品がある。その場合(Act84にてYES)、CPU151は、Act87としてそのデータレコードから第1価格を取得する。またCPU151は、Act88としてそのデータレコードの価格変更点数を“1”だけ減少させる。
次いでCPU151は、Act89として検索要求コマンドに含まれるタグデータTDで第2ファイル18を検索する。そしてCPU151は、Act90として当該タグデータTDを含むデータレコードが第2ファイル18に記憶されているか否かを確認する。ここで、当該タグデータTDを含むデータレコードが第2ファイル18に記憶されていない場合、当該タグデータTDを記憶した無線タグTが付された商品はお勤め品ではない。この場合(Act90にてNO)、CPU151は、前述したAct85及びAct86の処理を実行する。
これに対し、当該タグデータTDを含むデータレコードが第2ファイル18に記憶されている場合には、当該タグデータTDを記憶した無線タグTが付された商品はお勤め品である。この場合(Act90にてYES)、CPU151は、Act91としてそのデータレコードに含まれる商品コード、商品名及び第2価格を第2商品データとして取得する。このときCPU151は、Act92としてそのデータレコードの削除フラグを、非削除状態を表す“0”から削除状態を表す“1”に変更する。その後、CPU151は、Act93として第2商品データと第1価格とをコマンド送信元のPOS端末13宛に送信するように通信インターフェース155を制御する。
以上のようにCPU151が実行する情報処理の手順を変更した第2の実施形態においても、前記実施形態と同様な作用効果を奏し得る。その上、Act84の処理にて価格変更点数が“0”であることが確認された場合には、CPU151は、第2ファイル18を検索しない。したがって、お勤め品を設定する頻度が少ない店舗であれば、常に第2ファイル18を検索する前記実施形態と比べてストアサーバ15の処理負荷を軽減できる効果を奏する。
前記実施形態では、無線タグTのタグデータTDを読み取る手段として、平面アンテナ14Aを用いたリーダライタ14を採用している。したがって、複数の商品に付された無線タグTのタグデータTDをまとめて読み取ることができる。しかし、必ずしもリーダライタ14を採用しなくてもよい。例えばPOS端末13に読取装置11を接続し、店員が読取装置11を操作して1品ずつタグデータを読み取るようにしてもよい。
前記実施形態では、POS端末13とストアサーバ15とにより商品販売データ処理装置を構成している。他の実施形態としては、第1ファイル17及び第2ファイル18をPOS端末13の記憶装置が記憶することにより、POS端末単体で商品販売データ処理装置を構成することも可能である。
前記実施形態では、客が購入する商品の登録業務と会計業務とをいずれも店員が行う対面式の商品販売データ処理装置を示している。この点については、登録業務と会計業務とを客自身が行うセルフ方式、あるいは登録業務を店員が行い会計業務を客が行うセミセルフ方式の商品販売データ処理装置であってもよい。
前記実施形態では、変更価格である第2価格が設定される商品を、消費期限又は賞味期限が近づいたお勤め品としている。変更価格が設定される商品はお勤め品に限定されるものではない。例えば日用品や衣料品等において、包装が破れている商品または一部に汚れがある商品を通常価格から値引きして販売することがある。逆に、何らかの理由でプレミアが付いた商品を通常価格よりも高くして販売することもある。このような場合も、単に第2ファイルに保存されるデータレコードの第2価格を変更後の価格に設定すればよいので、前記実施形態の商品販売データ処理装置を適用することができる。
なお、前記実施形態の商品販売データ処理装置を構成するPOS端末13及びストアサーバ15の譲渡は一般に、プログラムがROM133,153に記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、POS端末13及びストアサーバ15が備える書き込み可能な記憶デバイスに、POS端末13及びストアサーバ15とは個別に譲渡されたプログラムがユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。プログラムの譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。