JP2018022022A - 感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置、並びに発光表示装置 - Google Patents

感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置、並びに発光表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐溶剤性に優れた着色層を形成可能な感光性着色樹脂組成物、前記感光性着色樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルタ、並びに当該カラーフィルタを有する液晶表示装置及び発光表示装置を提供する。【解決手段】(A)色材と、(B)分散剤と、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能モノマーと、(E)光開始剤と、(F)溶剤とを含有し、(A)色材が、フタロシアニン顔料及びジケトピロロピロール顔料から選ばれる少なくとも一種を含み、(D)多官能モノマーが、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを、(D)多官能モノマー全量中に20質量%以上含有する感光性着色樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本開示の実施形態は、感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置、並びに発光表示装置に関する。
ディスプレイ等に代表される薄型画像表示装置、いわゆるフラットパネルディスプレイが、ブラウン管型ディスプレイよりも薄く奥行き方向に場所をとらないことを特徴として数多く上市された。その市場価格は生産技術の進化と共に年々価格が手ごろになり、さらに需要が拡大され、生産量も年々増加している。特にカラー液晶テレビはほぼTVのメインストリームに到達した。また、自発光により視認性が高い有機ELディスプレイのような有機発光表示装置等の発光表示装置も、次世代画像表示装置として注目されている。これらの画像表示装置の性能においては、コントラストや色再現性の向上といったさらなる高画質化や消費電力の低減が強く望まれている。
これらの液晶表示装置や発光表示装置には、カラーフィルタが用いられる。例えばカラー液晶ディスプレイの場合は、バックライトを光源とし、電気的に液晶を駆動させることで光量を制御し、その光がカラーフィルタを通過することで色表現を行っている。よって液晶テレビの色表現にはカラーフィルタは無くてはならず、またディスプレイの性能を左右する大きな役目を担っている。また、有機発光表示装置では、白色発光の有機発光素子にカラーフィルタを用いた場合は液晶表示装置と同様にカラー画像を形成する。
ここで、カラーフィルタは、一般的に、透明基板と、透明基板上に位置し、赤、緑、青の三原色の着色パターンからなる着色層と、各着色パターンを区画するように透明基板上に位置する遮光部とを有している。
通常、液晶表示装置はカラーフィルタとTFT(Thin−Film−Transistor)アレイ基板等を有する対向基板とを個別に作製し、液晶層を挟んで貼り合わせることで製造される。この際カラーフィルタの着色層上には、液晶を配向させるためのポリイミド等の配向膜が形成される。このため、着色層には、配向膜を形成する際に溶剤として用いられるN−メチルピロリドン(NMP)等の極性の強い溶剤に対する耐性が求められる。
特許文献1には、エポキシ基を部分的にアルキル化した特定のイソシアヌレート化合物を含有するカラーフィルタ用着色組成物の塗膜がNMPに膨潤し難いことが示されている。また、特許文献2には、多官能エポキシ化合物と、ヘキサアリールビイミダゾール系重合開始剤と、オキシム系開始剤及びトリアジン系開始剤から選択される1種以上とを含有することで、NMPによる塗膜の膨潤が抑制できることが示されている。しかし、これらの組成物は、エポキシ基を含む化合物を含有するため、アルカリ可溶性樹脂と共存させるとアルカリ現像性が悪化する場合があった。
一方、特許文献3には、現像時の解像度や地汚れを改善することを目的として、リン酸(メタ)アクリレート化合物を含有した着色樹脂組成物が開示されている。また、特許文献4には、酸性基を有する多官能モノマーを含有することで現像性や解像度に優れた緑色感光性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献5には、エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルを含有することで、現像性に優れ、N−置換マレイミド等の窒素含有単量体単位を有するアルカリ可溶性樹脂の黄変抑制効果もあることが示されている。また、特許文献6には、エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルを含有することで、高精細で、密着性も良く、更に現像残渣のない感光性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、特許文献3〜6の技術は、現像密着性や現像残渣防止等の現像性を付与するために、酸性基を有するリン酸(メタ)アクリレート化合物が用いられている。
特開2013−101287号公報 特開2010−24434号公報 特開平9−227635号公報 特開2009−244321号公報 特開2013−148602号公報 特開2010−237449号公報
本開示の実施形態は上記問題点に鑑みてなされたものであり、耐溶剤性に優れた着色層を形成可能な感光性着色樹脂組成物、前記感光性着色樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルタ、並びに当該カラーフィルタを有する液晶表示装置及び発光表示装置を提供することを目的とする。
本開示の1実施形態は、(A)色材と、(B)分散剤と、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能モノマーと、(E)光開始剤と、(F)溶剤とを含有し、
前記(A)色材が、フタロシアニン顔料及びジケトピロロピロール顔料から選ばれる少なくとも一種を含み、
前記(D)多官能モノマーが、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを、前記(D)多官能モノマー全量中に20質量%以上含有する感光性着色樹脂組成物を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記感光性着色樹脂組成物中に含まれるリン原子含有(メタ)アクリレートの酸価が35mgKOH/g以下である、感光性着色樹脂組成物を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記フタロシアニン顔料が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である、感光性着色樹脂組成物を提供する。
本開示の1実施形態においては、前記(A)色材が、さらに黄色色材を含有する、感光性着色樹脂組成物を提供する。
本開示の1実施形態は、透明基板と、当該透明基板上の着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、前述した感光性着色樹脂組成物の硬化物である着色層を有する、カラーフィルタを提供する。
本開示の1実施形態は、透明基板と、当該透明基板上の着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタの製造方法であって、
当該着色層の少なくとも1つを、前述した感光性着色樹脂組成物を硬化させて形成する工程を有する、カラーフィルタの製造方法を提供する。
本開示の1実施形態は、前述したカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に位置する液晶層とを有する、液晶表示装置を提供する。
本開示の1実施形態は、前述したカラーフィルタと、発光体を有する、発光表示装置を提供する。
本開示の実施形態は、耐溶剤性に優れた着色層を形成可能な感光性着色樹脂組成物、前記感光性着色樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルタ、並びに当該カラーフィルタを有する液晶表示装置及び発光表示装置を提供することができる。
本開示のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本開示の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。 本開示の発光表示装置の一例を示す概略断面図である。
以下、本開示に係る感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び発光表示装置について順に説明する。
なお、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタクリロイルの各々を表す。
また、本明細書において光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことをいう。
1.感光性着色樹脂組成物
本開示の感光性着色樹脂組成物は、(A)色材と、(B)分散剤と、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能モノマーと、(E)光開始剤と、(F)溶剤とを含有し、
前記(A)色材が、フタロシアニン顔料及びジケトピロロピロール顔料から選ばれる少なくとも一種を含み、
前記(D)多官能モノマーが、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを、前記(D)多官能モノマー全量中に20質量%以上含有する。
従来、着色層上に配向膜を形成するために、N−メチルピロリドン(NMP)等の極性の強い溶剤を含有する組成物を塗布すると、着色層が基板から剥離したり、着色層が膨潤したり、着色層の色度が変化したり、着色層が溶解してしまう等の問題が発生する場合があり、耐溶剤性を向上することが求められていた。
それに対し、本開示の感光性着色樹脂組成物は、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを、前記(D)多官能モノマー全量中に20質量%以上含有するように用いることにより、耐溶剤性を向上することができ、特にN−メチルピロリドン(NMP)に対する耐性(耐NMP性)を向上することができる。
本開示の感光性着色樹脂組成物が耐NMP性を向上することができる理由は、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートが、リン原子を含むことから硬化膜中においてより高密度に架橋反応される結果、溶剤の浸透が抑制されるため、さらに、酸性基を有しないことから、NMP等の極性の強い溶剤に対する親和性が低いためと推定される。
また、酸性基を有するリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを、本開示の効果を発揮する程度の量で酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートに置き換えて使用すると、現像時にパターンが残らなくなったり、分散性が悪化して、コントラスト及び輝度が却って悪化したり、NMP等の溶剤に溶けやすくなり、却って耐溶剤性が悪化する問題が生じる。それに対して、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートであれば、このような問題は生じない。
カラーフィルタの着色層の形成においては、色材として耐熱性や耐光性に優れた顔料を用いた顔料分散法が広く用いられている。
一方で、画像表示装置においては、4Kディスプレイや8Kディスプレイ等に対応したパネル画素の高精細化、及び高演色化が求められ、それに伴いカラーフィルタの高輝度化がより一層求められている。高輝度な顔料としては、緑色はハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、赤色はジケトピロロピロール顔料がカラーフィルタ用途で使用されている。しかし、高輝度な顔料は、高透過率な反面、着色力が弱く、着色層の薄膜化が課題であった。それに対し、本開示の感光性着色樹脂組成物は、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを、前記(D)多官能モノマー全量中に20質量%以上含有するように用いることにより、着色層を薄膜化しても十分な着色を得ることが可能なことが見出された。これは、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートは、リン原子を含むことから比重が大きく、硬化膜中の多官能(メタ)アクリレートがより高密度に架橋反応されることに起因すると考えられる。そのため、本開示の感光性着色樹脂組成物は、(A)色材として、フタロシアニン顔料及びジケトピロロピロール顔料から選ばれる少なくとも一種を用いることにより、高輝度な着色層をより薄膜で形成可能である。
本開示の感光性着色樹脂組成物は、(A)色材と、(B)分散剤と、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能モノマーと、(E)光開始剤と、(F)溶剤とを含有するものであり、必要に応じて他の成分を含有してもよいものである。以下、各成分について順に説明する。
[(A)色材]
本開示の感光性着色樹脂組成物に用いられる(A)色材は、フタロシアニン顔料及びジケトピロロピロール顔料から選ばれる少なくとも一種を含むものであり、更に他の色材を含んでいても良いものである。
なお、以下においてカラーインデックス名を記載する場合、カラーインデックス名のうち番号のみが異なるものを列挙するときは、当該番号のみを列挙する場合がある。
<フタロシアニン顔料>
前記フタロシアニン顔料としては、フタロシアニン骨格を含有する顔料であれば特に限定はされないが、例えば、国際公開第02/067022号に記載のフタロシアニン顔料が挙げられる。また、例えば、下記一般式(I)で表される化合物を含むフタロシアニン顔料が挙げられる。
(一般式(I)中、Mは金属原子であり、Xはそれぞれ独立に、水素原子又はハロゲン原子である。複数のXは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
前記一般式(I)におけるMは金属原子であり、前記金属原子としては、例えば、銅、亜鉛、アルミニウム等が挙げられる。前記一般式(I)におけるMは、中でも、色相及び耐溶剤性の観点からは、銅又は亜鉛であることが好ましく、高輝度化の観点からは、亜鉛であることが好ましい。
前記一般式(I)におけるXはそれぞれ独立に、水素原子又はハロゲン原子である。前記ハロゲン原子としては、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、フッ素原子が挙げられる。ベンゼン環に結合するハロゲン原子数を一定とした場合には、ハロゲン原子としてはヨウ素原子>臭素原子>塩素原子>フッ素原子の順に、左側ほど黄味が強くなる。塩素原子や水素原子が用いられるとより青味が強くなる。前記ハロゲン原子としては、臭素原子、塩素原子が好ましく用いられる。
高輝度化の観点からは、前記一般式(I)における全てのXのうち10個以上のXがハロゲン原子であるハロゲン化フタロシアニン顔料が好ましい。
ハロゲン化フタロシアニン顔料1分子中に16個存在するXにおける塩素原子の含有数は、色味に合わせて適宜選択されれば良く特に限定されない。Xにおける塩素原子の含有数は、高着色となる傾向の点から、1個以上であることが好ましい。また、Xにおける塩素原子の含有数は、高輝度となる傾向の点から、14個以下であることが好ましく、10個以下であることがより好ましく、6個以下であることがさらに好ましく、4個以下であることが特に好ましい。
ハロゲン化フタロシアニン顔料1分子中に16個存在するXにおける臭素原子の含有数は、色味に合わせて適宜選択されれば良く特に限定されない。Xにおける臭素原子の含有数は、高輝度となる傾向の点から、5個以上であることが好ましく、8個以上であることがより好ましく、10個以上であることがさらに好ましい。また、Xにおける臭素原子の含有数は、高着色となる傾向の点から、15個以下であることが好ましく、14個以下であることがより好ましい。
ハロゲン化フタロシアニン顔料1分子中に16個存在するXにおける水素原子の含有数は、色味に合わせて適宜選択されれば良く特に限定されない。Xにおける水素原子の含有数としては、0以上0.5以上である場合が挙げられる。また、Xにおける水素原子の含有数としては、1以上であっても良く、7以下であることが好ましい。
1実施形態としてハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の場合、輝度を向上する点から、好ましくは、0個以上6個以下のXが塩素原子で、8個以上16個以下のXが臭素原子で、且つ塩素原子と臭素原子との和が10個以上16個以下である場合が挙げられる。更に好ましくは、0個以上3個以下のXが塩素原子で、13個以上16個以下のXが臭素原子で、且つ塩素原子と臭素原子との和が13個以上16個以下である。
上記のようなフタロシアニン顔料は、特開昭50−130816号公報、国際公開第02/067022号等に開示されている公知の製造方法で製造できる。例えば、芳香環の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたフタル酸やフタロジニトリルを適宜出発原料として使用して、顔料を合成する方法が挙げられる。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒を用いてもよい。
他の方法としては、塩化アルミニウムのようなハロゲン化アルミニウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウムのようなアルカリ金属ハロゲン化物等の1種又は2種以上の混合物からなる110〜170℃程度の溶融物中で、金属フタロシアニンをハロゲン化剤にてハロゲン化する方法が挙げられる。この方法においては、溶融塩中の塩化物と臭化物の比率を調節したり、ハロゲン化剤や反応時間を変化させたりすることによって、ハロゲン含有量の異なる種々のハロゲン化フタロシアニンの比率を任意にコントロールすることができる。
また、金属フタロシアニンを、クロロスルホン酸等の硫黄酸化物系の溶媒に溶解し、塩素ガス、必要に応じて臭素ガスを仕込みハロゲン化する、クロロスルホン酸方法が挙げられる。
得られたフタロシアニン粗顔料は、必要に応じて、アトライター、ボールミル、振動ミル、振動ボールミル等の粉砕機内で乾式摩砕し、ついで、ソルベントソルトミリング法やソルベントボイリング法等で顔料化する。これらは例えば特開2004−70342等に開示されている公知の方法で行うことができる。
前記一般式(I)におけるMが銅である化合物を含む銅フタロシアニン顔料としては、具体的には例えば、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6等及びC.I.ピグメントグリーン7、36等が挙げられる。
前記一般式(I)におけるMが亜鉛である化合物を含む亜鉛フタロシアニン顔料としては、具体的には例えば、C.I.ピグメントグリーン58、59等が挙げられる。
輝度を向上する点から好ましいハロゲン化フタロシアニン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン58等が挙げられる。
<ジケトピロロピロール顔料>
前記ジケトピロロピロール顔料としては、ジケトピロロピロール骨格を含有する顔料であれば特に限定はされないが、例えば、下記一般式(II)で表されるジケトピロロピロール顔料が好ましい。
(一般式(II)中、A及びA’はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、水素原子、フェニル基、又はメチル基である。)
前記一般式(II)中のA及びA’におけるハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
前記ジケトピロロピロール顔料の具体例としては、例えば、C.I.ピグメントレッド254、255、264、270、272等の赤色顔料、C.I.ピグメントオレンジ71、73、81等のオレンジ色顔料等が挙げられる。前記ジケトピロロピロール顔料としては、耐溶剤性及び着色層の高輝度化の観点から、中でもC.I.ピグメントレッド254(前記一般式(II)においてA及びA’が各々塩素原子)、C.I.ピグメントレッド264(前記一般式(II)においてA及びA’が各々フェニル基)、及び前記一般式(II)においてA及びA’が各々臭素原子である顔料がより好ましい。
<他の色材>
前記(A)色材は、本開示の感光性着色樹脂組成物の効果を損なわない範囲で、色調の制御を目的として、更に、フタロシアニン顔料及びジケトピロロピロール顔料とは異なる他の色材を含有してもよい。他の色材としては、公知の顔料及び染料等が挙げられ、本開示の効果が損なわれない範囲であれば特に限定されないが、黄色色材を好適に用いることができる。
前記黄色色材としては、黄色顔料、黄色顔料誘導体、黄色染料等の公知の黄色色材を用いることができ、特に限定はされず、中でも、黄色顔料及び黄色顔料誘導体から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
前記黄色顔料としては、特に限定はされないが、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
前記(A)色材がフタロシアニン顔料を含む場合は、前記黄色顔料としては、フタロシアニン顔料と組み合わせた場合にカラーフィルタとして優れた分光性能を得られる点から、C.I.ピグメントイエロー109、110、138、139、150、185等が好ましく用いられ、中でも、フタロシアニン顔料との親和性が高く、かつ、高輝度及び高コントラストを実現しやすい点から、C.I.ピグメントイエロー138、139、150が好ましい。
前記(A)色材がジケトピロロピロール顔料を含む場合は、前記黄色顔料としては、ジケトピロロピロール顔料と組み合わせた場合にカラーフィルタとして優れた分光性能を得られる点から、C.I.ピグメントイエロー109、110、138、139、150、185等が好ましく用いられ、中でも、ジケトピロロピロール顔料との親和性が高く、かつ、高輝度及び高コントラストを実現しやすい点から、C.I.ピグメントイエロー139、150が好ましい。
前記黄色顔料誘導体としては、例えば、前記黄色顔料のスルホン化誘導体、フタルイミド誘導体、ナフタルイミド誘導体、及びスルホンアミド誘導体、スルホン酸誘導体の金属塩、スルホン酸誘導体のアミン塩等が挙げられ、中でも、前記黄色顔料のスルホン化誘導体が好ましい。
黄色顔料のスルホン化誘導体は、少なくとも1つのスルホン酸基(−SOH)、又はスルホンアミド基が、黄色顔料に結合した構造を有するものであり、更に、スルホン酸基の一部、もしくは全部がアミンやアンモニウムヒドロキシド、クロリド、ブロミド等や、金属等によって塩形成され、スルホン酸塩となっていても良い。
スルホン酸基のアミド化合物であるスルホンアミド基としては、下記一般式(1)〜(3)で表されるスルホンアミド基が好ましい。
一般式(1): −SONH−(CHm’−NRii
一般式(2): −SONH−(CHm’−COOH
一般式(3): −SONH−(CHm’−SO
前記一般式(1)において、R及びRiiはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上20以下の置換されていても良い飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基若しくは芳香族炭化水素基、又は、隣接する窒素原子と共に更に窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含んでいても良い複素環を形成したものを表す。
前記一般式(1)〜(3)において、m’はそれぞれ独立に、1以上6以下の整数である。
前記一般式(1)の−SONH−(CHm’−NRiiで表される置換基として導入されるアミン成分(−(CHm’−NRii)の代表的なものとしては、ピペリジノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノプロピル、ジブチルアミノプロピル、ピペリジノエチル、ピペコリノエチル、モルホリノエチル、ピペリジノプロピル、ピペコリノプロピル、ジエチルアミノヘキシル、ジエチルアミノエトキシプロピル、ジエチルアミノブチル、ジメチルアミノアミル、N−N−メチル−ラウリル−アミノプロピル、2−エチルヘキシルアミノエチル、ステアリルアミノエチル、オレイルアミノエチル等が挙げられる。
更に、−SONH−基に、p−ジメチルアミノエチルスルファモイルフェニル、p−ジエチルアミノエチルスルファモイルフェニル、p−ジメチルアミノプロピルスルファモイルフェニル、p−ジエチルアミノエチルカルバモイルフェニル等が結合したようなスルホンアミド基であっても良い。
塩形成していないスルホン酸基が存在している場合の方が、後述する顔料分散剤の塩形成部位との相互作用で分散剤の顔料吸着力を向上させることができるためコントラスト向上の点からは好ましい。
また、黄色顔料のスルホン化誘導体には、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホン酸塩以外に、更にフタルイミドメチル基等の他の官能基が置換されていても良い。
中でも、前記一般式(1)で表されるスルホンアミド基の場合、及び炭素数が3以上の長鎖アルキル基を含むアミノ基と塩形成したスルホン酸塩の場合には、溶剤再溶解性が良好になる点から好ましい。ここで溶剤再溶解性とは、一度乾燥した感光性樹脂組成物の固形分が再度溶媒に溶解する性質をいう。溶剤再溶解性が良好であると、カラーフィルタ製造時に付着した感光性樹脂組成物の乾燥物の除去、清掃が容易になり、製造上大きなメリットになる。
スルホン酸基(−SOH)、又はスルホンアミド基の黄色顔料1分子中の置換数は、1以上3以下であることが好ましく、中でも1以上2以下であることが、更に、1であることが立体障害や分散剤との親和性の点から好ましい。
前記(A)色材がフタロシアニン顔料を含む場合は、前記黄色顔料誘導体としては、フタロシアニン顔料との親和性が高い点から、C.I.ピグメントイエロー109、110、138、139、185等の黄色顔料のスルホン酸誘導体が好ましく用いられ、中でも、C.I.ピグメントイエロー138、139のスルホン酸誘導体が好ましく、特に、輝度が高く、C.I.ピグメントグリーン58、59等の臭素化亜鉛フタロシアニン顔料との親和性が高く、かつ、色相を大きく変えることなく、高輝度及び高コントラストを実現しやすい点から、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体が好ましい。
前記(A)色材がジケトピロロピロール顔料を含む場合は、前記黄色顔料誘導体としては、ジケトピロロピロール顔料との親和性が高い点から、C.I.ピグメントイエロー109、110、138、139、185等の黄色顔料のスルホン酸誘導体が好ましく用いられ、中でも、C.I.ピグメントイエロー138、139のスルホン酸誘導体が好ましく、特に、輝度が高く、C.I.ピグメントレッド254等のジケトピロロピロール顔料との親和性が高く、かつ、色相を大きく変えることなく、高輝度及び高コントラストを実現しやすい点から、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体が好ましい。
ジケトピロロピロール顔料と組み合わせて好ましく用いられるC.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー138に、少なくともスルホン酸基、スルホンアミド基、スルホン酸塩が結合したような以下の構造が挙げられる。
(化学式(I)において、Zは、スルホン酸基、−SONH−(CHm’−NRii、−SONH−(CHm’−COOH、−SONH−(CHm’−SOH、及びスルホン酸塩よりなる群から選択される1種であり、R及びRiiはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上20以下の置換されていても良い飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基若しくは芳香族炭化水素基、又は、隣接する窒素原子と共に更に窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含んでいても良い複素環を形成したものを表し、m’はそれぞれ独立に、1以上6以下の整数である。n’は置換基数を示し、1以上4以下の整数を表す。)
好適に用いられる置換基としては、スルホン酸基、−SONHCCOOH、−SO−N(CH(C18372+、−SONHCN(C等が挙げられる。
前記化学式(I)において、置換基数n’は、1以上2以下であることが好ましく、中でも1であることが、顔料分散剤の塩形成部位との親和性が高い点から好ましい。
黄色顔料のスルホン化誘導体は、例えば、黄色顔料を、濃硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸又はこれらの混合液などに投入してスルホン化反応を行うことにより製造することができる。スルホン化反応後、反応液を大量の水で希釈するか、あるいはアミン塩を製造する際にはアミン水溶液で中和することが好ましく、得られた懸濁液を濾過した後に水系の洗浄液で洗浄し、乾燥する。用いられるアミン水溶液のアミンを適宜選択することにより、スルホン酸のアミン塩を適宜設計通りに導入できる。また、スルホン酸アミドを製造する際には、上述の方法で得られた黄色顔料のスルホン化物に塩化チオニルを作用させ、スルホン酸クロリドとした後にアミンと混合することでスルホン化アミドを適宜設計どおりに導入できる。
上記の方法でスルホン化を行う場合、反応液濃度、反応温度、反応時間などを調整することにより1分子当たりのスルホン酸基やスルホンアミド基の導入量を制御することができる。
前記(A)色材に含まれる他の色材は、1種単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
前記(A)色材に含まれる他の色材の含有量は、耐溶剤性の観点及び高輝度な着色層を得る点から、(A)色材全量中に、50質量%未満であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
また、前記(A)色材が前記他の色材を含む場合の前記他の色材の含有量は、特に限定はされないが、フタロシアニン顔料及びジケトピロロピロール顔料の合計100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることが好ましい。
前記(A)色材の平均分散粒径としては、カラーフィルタの着色層とした場合に所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されないが、分散性に優れ、コントラスト及び輝度を向上し、耐熱性及び耐光性に優れる点から、10nm以上200nm以下であることが好ましく、20nm以上100nm以下であることがより好ましい。前記(A)色材の平均分散粒径が上記範囲であることにより、本開示の感光性着色樹脂組成物を用いて製造された液晶表示装置、発光表示装置のコントラストを向上し、高品質なものとすることができる。
なお、前記(A)色材の平均分散粒径は、少なくとも溶媒を含有する分散媒体中に分散している色材粒子の分散粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。レーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、感光性着色樹脂組成物に用いられている溶媒で、感光性着色樹脂組成物、又は感光性着色樹脂組成物を調製する前に予備調製される色材分散液をレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、1000倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、マイクロトラックベル製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの平均分散粒径は、体積平均粒径である。
本開示の感光性着色樹脂組成物の固形分全量に対する前記(A)色材の合計含有量は、感光性着色樹脂組成物を所定の膜厚(通常は1.0μm以上5.0μm以下)に塗布した際の着色層が充分な色濃度を有する点から、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上である。また、分散性及び分散安定性に優れると共に、充分な硬度や、基板との密着性を有する着色層を得ることができる点から、本開示の感光性着色樹脂組成物の固形分全量に対する前記(A)色材の合計含有量は、好ましくは65質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。尚、本明細書において固形分とは、溶剤以外のもの全てであり、液状の多官能モノマー等も含まれる。
[(B)分散剤]
本開示の感光性着色樹脂組成物において、(A)色材は、(B)分散剤により、溶剤中に分散させて用いられる。(B)分散剤としては、従来、分散剤として用いられているものの中から適宜選択して用いることができる。分散剤の具体例としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、均一に、微細に分散し得る点から、高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。これらの(B)分散剤は1種で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類;ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類;水酸基含有ポリアクリル酸エステル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体やそれらの変性物;ポリウレタン類;不飽和ポリアミド類;ポリシロキサン類;長鎖ポリアミノアミドリン酸塩類;ポリエチレンイミン誘導体(ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られるアミドやそれらの塩基);ポリアリルアミン誘導体(ポリアリルアミンと、遊離のカルボキシル基を有するポリエステル、ポリアミド又はエステルとアミドの共縮合物(ポリエステルアミド)の3種の化合物の中から選ばれる1種以上の化合物とを反応させて得られる反応生成物)等が挙げられる。
このような分散剤の市販品としては、例えば、Disperbyk−2000、2001、BYK−LPN6919、21116、21324(以上、ビックケミー・ジャパン製)、アジスパーPB821、881(味の素ファインテクノ製)等を挙げることができる。中でも、耐熱性、電気信頼性、分散性の点から、BYK−LPN6919、21116が好ましい。
高分子分散剤としては、中でも、上記(A)色材を好適に分散でき、分散安定性が良好である点から、少なくとも下記一般式(III)で表される構成単位を有した重合体、及び、1分子内に1個以上のウレタン結合(−NH−COO−)を有する化合物からなるウレタン系分散剤よりなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
以下、上記好ましい分散剤について詳細に説明する。
<少なくとも下記一般式(III)で表される構成単位を有した重合体>
本開示の感光性着色樹脂組成物においては(B)分散剤として、少なくとも下記一般式(III)で表される構成単位を有した重合体を好適に用いることができる。
(一般式(III)中、R11は、水素原子又はメチル基、Aは、直接結合又は2価の連結基、Qは、下記一般式(III−a)で表される基、又は、置換基を有していても良い、塩形成可能な含窒素複素環基を表す。)
(一般式(III−a)中、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表し、R12及びR13は互いに同一であっても異なっていても良い。)
一般式(III)において、Aは、直接結合又は2価の連結基である。直接結合とは、Qが連結基を介することなく一般式(III)における炭素原子に直接結合していることを意味する。
Aにおける2価の連結基としては、例えば、炭素原子数1以上10以下のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−基、−COO−基、炭素原子数1以上10以下のエーテル基(−R’−OR”−:R’及びR”は、各々独立にアルキレン基)及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。
中でも、分散性の点から、一般式(III)におけるAは、直接結合、−CONH−基、又は、−COO−基を含む2価の連結基であることが好ましい。
また、これらの分散剤の上記一般式(III)で表される構成単位を任意の割合で下記塩形成剤によって塩形成することによって特に好適に用いることができる。
一般式(III)で表される構成単位を有した重合体としては、中でも、WO2011/108495号公報、特開2013−054200号公報、特開2010−237608号公報、特開2011−75661号公報に記載の構造を有するブロック共重合体、及びグラフト共重合体が、色材の分散性及び分散安定性及び樹脂組成物の耐熱性を向上し、高輝度且つ高コントラストな着色層を形成できる点から好ましい。
また、一般式(III)で表される構成単位を有した重合体の市販品としては、BYK−LPN6919等が挙げられる。
(塩形成剤)
本開示の感光性着色樹脂組成物において、好ましい分散剤は、上記一般式(III)で表される構成単位が有する窒素部位の少なくとも一部が塩を形成(以下、塩変性と称することがある。)した重合体である。
塩形成剤としては、WO2011/108495号公報、特開2013−054200号公報に記載の酸性有機リン化合物、有機スルホン酸化合物、4級化剤などを好適に使用できる。特に、塩形成剤が酸性有機リン化合物である場合には、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程を経ても、より高輝度な着色層を形成できる。
<ウレタン系分散剤>
分散剤として好適に用いられるウレタン系分散剤は、1分子内に1個以上のウレタン結合(−NH−COO−)を有する化合物からなる分散剤である。
ウレタン系分散剤を用いることにより、少量で良好な分散が可能となる。分散剤を少量とすることにより、相対的に硬化成分等の配合量を増やすことができ、その結果、耐熱性に優れた着色層を形成することができる。
本開示においてウレタン系分散剤としては、中でも、(1)1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート類と、(2)片末端又は両末端に水酸基を有するポリエステル類、及び片末端又は両末端に水酸基を有するポリ(メタ)アクリレート類から選択される1種以上との反応生成物であることが好ましく、更に、(1)1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート類と、(2)片末端又は両末端に水酸基を有するポリエステル類、及び片末端又は両末端に水酸基を有するポリ(メタ)アクリレート類から選択される1種以上と、(3)同一分子内に活性水素と、塩基性基又は酸性基とを有する化合物との反応生成物であることがより好ましい。
ウレタン系分散剤の市販品としては、Disperbyk−161、162、163、164、167、168、170、171、174、182、183、184、185、BYK−9077(以上、ビックケミー・ジャパン製)、アジスパーPB711(味の素ファインテクノ製)、EFKA−46、47、48(EFKA CHEMICALS製)等を挙げることができる。中でも、耐熱性、電気信頼性、分散性の点から、Disperbyk−161、162、166、170、174が好ましい。
本開示の感光性着色樹脂組成物において、(B)分散剤の含有量としては、(A)色材を均一に分散することができるものであれば特に限定されるものではないが、(A)色材の分散性及び分散安定性に優れ、保存安定性に優れている点から、着色樹脂組成物の固形分全量に対して3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、(B)分散剤の含有量は、現像性が良好なものとなる点から、着色樹脂組成物の固形分全量に対して50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更により好ましい。
[(C)アルカリ可溶性樹脂]
本開示におけるアルカリ可溶性樹脂は酸性基を有するものであり、バインダー樹脂として作用し、かつパターン形成する際に用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に可溶性である限り、適宜選択して使用することができる。
本開示における好ましいアルカリ可溶性樹脂は、酸性基としてカルボキシル基を有する樹脂であることが好ましく、具体的には、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、側鎖にカルボキシル基を有するとともに、さらに側鎖にエチレン性不飽和基等の光重合性官能基を有するものである。光重合性官能基を含有することにより形成される硬化膜の膜強度が向上するからである。また、これらアクリル系共重合体、及びエポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、2種以上混合して使用してもよい。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとエチレン性不飽和モノマーを共重合して得られる。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更に芳香族炭素環を有する構成単位を含有していてもよい。芳香族炭素環は感光性着色樹脂組成物に塗膜性を付与する成分として機能する。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更にエステル基を有する構成単位を含有していてもよい。エステル基を有する構成単位は、感光性着色樹脂組成物のアルカリ可溶性を抑制する成分として機能するだけでなく、溶剤に対する溶解性、さらには溶剤再溶解性を向上させる成分としても機能する。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体の具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号公報に記載のものを挙げることができ、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有しないモノマーと、(メタ)アクリル酸及びその無水物から選ばれる1種以上とからなるコポリマーを例示できる。また、上記のコポリマーに、例えばグリシジル基、水酸基等の反応性官能基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させるなどして、エチレン性不飽和結合を導入したポリマー等も例示できるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で、コポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加等することにより、エチレン性不飽和結合を導入したポリマー等は、露光時に、後述する多官能性モノマーと重合することが可能となり、着色層がより安定なものとなる点で、特に好適である。
カルボキシル基含有共重合体におけるカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの共重合割合は、得られる塗膜のアルカリ現像液に対する溶解性が良好であり、パターン形成が容易になる点から、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、カルボキシル基含有共重合体におけるカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの共重合割合は、アルカリ現像液による現像時に、形成されたパターンの基板からの脱落やパターン表面の膜荒れを抑制する点から、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
カルボキシル基含有共重合体の好ましい質量平均分子量は、硬化後のバインダー機能の低下を抑制する点から、好ましくは1,000以上であり、さらに好ましくは3,000以上であり、アルカリ現像液による現像時にパターン形成を容易にする点から、好ましくは500,000以下であり、さらに好ましくは200,000以下である。なお、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求める。
カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、特に限定されるものではないが、エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物を酸無水物と反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート化合物が適している。
エポキシ化合物、不飽和基含有モノカルボン酸、及び酸無水物は、公知のものの中から適宜選択して用いることができる。具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号公報に記載のもの等が挙げられる。エポキシ化合物、不飽和基含有モノカルボン酸、及び酸無水物は、それぞれ1種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
感光性着色樹脂組成物において用いられるアルカリ可溶性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その含有量としては、充分なアルカリ現像性を得る点から、感光性着色樹脂組成物に含まれる色材100質量部に対して、好ましくは10質量部以上であり、より好ましくは25質量部以上であり、色材を充分に含有できるようにし、充分な着色濃度を得られるようにする点から、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、感光性着色樹脂組成物に含まれる色材100質量部に対して、好ましくは500質量部以下であり、より好ましくは300質量部以下である。
[(D)多官能モノマー]
感光性着色樹脂組成物において用いられる多官能モノマーは、後述する光開始剤によって重合可能なものであればよく、通常、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する化合物が用いられ、特に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
本開示の感光性着色樹脂組成物に用いられる多官能モノマーは、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを、前記(D)多官能モノマー全量中に20質量%以上含有する。
<酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレート>
酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートとしては、リン原子を含有し、且つ、酸性基を有さず、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する化合物であればよい。
ここでの酸性基とは、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ポリリン酸に含まれるP−OH基、カルボキシ基、スルホン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。
酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートは、通常、オキシ塩化リン等のハロゲン化リン化合物に、(メタ)アクリロイル基と水酸基を含有する化合物を反応させることにより、または、リン酸、ホスホン酸、有機リン酸、有機ホスホン酸、ポリリン酸及び有機ポリリン酸から選ばれる少なくとも一種の酸性基と、酸と反応する官能基と(メタ)アクリロイル基とを含有する化合物の当該酸と反応する官能基とを、前記酸性基が残らないように前記酸性基の全てと反応させることによって、得ることができる。
前記ハロゲン化リン化合物としては、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、ジクロロリン酸メチル、ジクロロリン酸エチル、ジクロロリン酸フェニル、ジホスホリルクロリド、メチルホスホン酸ジクロリド、エチルホスホン酸ジクロリド、フェニルホスホン酸ジクロリド、p−メトキシフェニルホスホン酸ジクロリド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記(メタ)アクリロイル基と水酸基を含有する化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル等のアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート等のフェノール性水酸基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記有機リン酸としては、リン酸(O=P(OH))が有する3個の水素の一部が有機基で置き換わった構造を有する物を用いる。このような有機リン酸としては、例えばメチルリン酸、エチルリン酸、プロピルリン酸、ブチルリン酸、ペンチルリン酸、ヘキシルリン酸、オクチルリン酸、ラウリルリン酸等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
前記有機ホスホン酸は、一般式が、R−P(=O)(OH)(ここでRは、Pと結合する原子が炭素原子である有機基である。)と表される一連の化合物群をいう。前記有機ホスホン酸としては、例えばメチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ペンチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、ビニルホスホン酸、フェニルホスホン酸等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
なお、有機基は少なくとも1つの炭素原子を含む官能基の総称を表す。
前記ポリリン酸としては、例えば、ピロリン酸、トリポリリン酸等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
前記有機ポリリン酸としては、ポリリン酸が有する酸性基(P−OH基)の水素原子の一部が有機基で置き換わった構造を有する化合物を用いる。このような有機ポリリン酸の具体例としては、例えば、2−エチルヘキシルピロホスフェート、ジブチルピロホスフェート、ジヘキシルピロホスフェート、ジオクチルピロホスフェート、ジイソオクチルピロホスフェート等のアルキルピロホスフェート;2−エチルヘキシルトリポリホスフェート、等のアルキルトリポリホスフェート;等のアルキルポリホスフェートが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
酸と反応する官能基と(メタ)アクリロイル基とを含有する化合物において、酸と反応する官能基としては、水酸基、エポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
酸と反応する官能基と(メタ)アクリロイル基とを含有する化合物としては、例えば、前述のようなアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等の3,4−エポキシシクロヘキシルアルキル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本開示の感光性着色樹脂組成物に用いられる酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートとしては、ハロゲン化リン化合物とアルコール性水酸基及び(メタ)アクリロイル基を含有する化合物との反応生成物であって、酸性基を有しない化合物;ホスホン酸又は前記有機ホスホン酸と、エポキシ基及びオキセタニル基の少なくとも1種及び(メタ)アクリロイル基を含有する化合物との反応物であって、酸性基を有しない化合物が好ましく用いられる。
本開示の感光性着色樹脂組成物に用いられる酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記一般式(IV)で表される化合物、下記一般式(V)で表される化合物、下記一般式(VI)で表される化合物、下記一般式(VII)で表される化合物、下記一般式(VIII)で表される化合物、及び下記一般式(IX)で表される化合物の少なくとも1種が挙げられる。が挙げられる。中でも、下記一般式(IV)で表される化合物、及び下記一般式(V)で表される化合物の少なくとも1種が、硬化塗膜の耐溶剤性が高い点から好ましい。
(一般式(IV)、一般式(V)、一般式(VI)及び一般式(VII)中、Rは、炭化水素基、又は、炭化水素基をエーテル結合及びエステル結合の少なくとも1つで結合した基であり、複数あるRはそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。Rは、水素原子又はメチル基であり、複数あるRはそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。Rは、炭化水素基、又は、炭化水素基をエーテル結合及びエステル結合の少なくとも1つで結合した基であって(メタ)アクリロイル基を有しない基であり、複数あるRはそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。上記炭化水素基はそれぞれ置換基を有していても良い。aは0又は1であり、b及びcはそれぞれ独立に、0、1又は2であり、b+cは0、1又は2である。)
(一般式(VIII)及び一般式(IX)中、Rは、炭化水素基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。Rは、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基である。
、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、又は、炭化水素基をエーテル結合及びエステル結合の少なくとも1つで結合した基であって、R及びRは、互いに結合して環構造を形成してもよい。上記環状構造を形成した場合、置換基Rを有していてもよく、Rは、水素原子、炭化水素基、又は、炭化水素基をエーテル結合及びエステル結合の少なくとも1つで結合した基である。但し、R、R、R、及びRの少なくとも1つ、並びに、R及びRの少なくとも1つは、(メタ)アクリロイル基を有する。
上記炭化水素基はそれぞれ置換基を有していても良い。
sは1以上18以下の整数、tは1以上5以下の整数、uは1以上18以下の整数を示す。)
一般式(IV)、一般式(V)、一般式(VI)及び一般式(VII)中のRにおける炭化水素基としては、2価の炭化水素基であって、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、及びこれらの組み合わせの基が挙げられる。アルキレン基やアルケニレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、直鎖状又は分岐状と環状の組合せであっても良い。
例えば、メチレン基、エチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、各種プロピレン基、プロペニレン基、各種ブチレン基、シクロヘキシレン基、ボルニレン基、イソボルニレン基、ジシクロペンタニレン基、アダマンチレン基、及び、メチレンシクロヘキシレンメチレン基等の直鎖状又は分岐状アルキレン基と環状アルキレン基との組合せの基などを挙げることができる。
アリーレン基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ、更に後述する芳香環に対する置換基を有していてもよい。アリーレン基の炭素数は、6以上24以下が好ましく、更に6以上12以下が好ましい。
また、一般式(IV)、一般式(V)、一般式(VI)及び一般式(VII)中のRにおける、炭化水素基をエーテル結合及びエステル結合の少なくとも1つで結合した基とは、−R’−O−R”−、−R’−(C=O)−O−R”−、又は−R’−O−(C=O)−R”−(ここで、R’及びR”は、それぞれ独立に、2価の炭化水素基、又は、2価の炭化水素基をエーテル結合及びエステル結合の少なくとも1つで結合した基)で表される基である。例えば、ポリオキシアルキレン基を含む場合のように、1つの基の中に、エーテル結合及びエステル結合を2つ以上有していてもよい。R’及びR”における2価の炭化水素基としては、前記と同様であって良い。
なお、Rにおける炭化水素基の炭素数は、置換基の炭素数を除いて、それぞれ1以上15以下であることが好ましく、更に2以上12以下であることが好ましく、より更に2以上8以下であることが好ましい。
また、前記一般式(IV)、一般式(V)、一般式(VI)及び一般式(VII)中のRは、水素原子であることが、光ラジカル重合における感度が高く、硬化塗膜の耐NMP性やアルカリ現像時のパターン密着性が向上する点から好ましい。
同様に、一般式(VIII)及び一般式(IX)に含まれる(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基であることが、硬化塗膜の耐NMP性やアルカリ現像時のパターン密着性が向上する点から好ましい。
前記一般式(IV)、一般式(V)、一般式(VI)及び一般式(VII)中のR、並びに、一般式(VIII)及び一般式(IX)中のR、R、R、R、R、R、R、R及びRにおける炭化水素基としては、例えば、炭素数1以上18以下のアルキル基、炭素数2以上18以下のアルケニル基、アラルキル基、及びアリール基などが挙げられる。
上記炭素数1以上18以下のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、低級アルキル基置換アダマンチル基などを挙げることができる。
上記炭素数2以上18以下のアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このようなアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基などを挙げることができる。アルケニル基の二重結合の位置には限定はないが、得られたポリマーの反応性の点からは、アルケニル基の末端に二重結合があることが好ましい。
アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。アリール基の炭素数は、6以上24以下が好ましく、更に6以上12以下が好ましい。
また、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。アラルキル基の炭素数は、7以上20以下が好ましく、更に7以上14以下が好ましい。
アリール基やアラルキル基等の芳香環に対する置換基としては、炭素数1以上4以下の直鎖状、分岐状のアルキル基の他、アルケニル基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
なお、上記好ましい炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
前記一般式(IV)、一般式(V)、一般式(VI)及び一般式(VII)中のR、並びに、一般式(VIII)及び一般式(IX)中のR、R、R、R、R及びRにおける、炭化水素基をエーテル結合及びエステル結合の少なくとも1つで結合した基とは、−R’−O−R”’、−R’−(C=O)−O−R”’、又は−R’−O−(C=O)−R”’(ここで、R’及びR”’は、それぞれ独立に、炭化水素基、又は、炭化水素基をエーテル結合及びエステル結合の少なくとも1つで結合した基)で表される基である。例えばポリアルキレンオキシ基のように、1つの基の中に、エーテル結合及びエステル結合の少なくとも1つを合計2つ以上有していてもよい。炭化水素基が1価の場合としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基が挙げられ、炭化水素基が2価の場合としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、及びこれらの組み合わせの基が挙げられる。
一般式(VIII)において、R及びRが、互いに結合して環構造を形成する場合、環構造を形成する炭素原子数は、5以上8以下であることが好ましく、6であること、即ち6員環であることがより好ましい。
置換基Rにおける、炭化水素基、又は、炭化水素基をエーテル結合及びエステル結合の少なくとも1つで結合した基は、前記R、R、R、R、R及びRにおけるものと同様のものとすることができる。
前記一般式(IV)、一般式(V)、一般式(VI)、一般式(VII)、一般式(VIII)、及び一般式(IX)において、上記炭化水素基が有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上4以下のアルコキシ基等が挙げられる。
一般式(IV)で表される化合物としては、より具体的には、トリス(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)ホスフェート、トリス(3−(メタ)アクリロイロキシプロピル)ホスフェート等が挙げられ、これらは市販品を用いても良い。
本開示の感光性着色樹脂組成物に用いられる(D)多官能モノマーは、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを、前記(D)多官能モノマー全量中に100質量%含有していても良いが、前記(D)多官能モノマー全量中に20質量%以上含有する範囲ならば、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートとは異なる、他の多官能モノマーを含有していても良い。
中でも、前記(D)多官能モノマーが、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを、前記(D)多官能モノマー全量中に25質量%以上含有することが好ましく、更に45質量%以上含有することが、硬化塗膜の耐溶剤性が高い点から好ましい。
酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン原子を含有しない他の多官能モノマーとしては、リン原子を含有しない多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
このようなリン原子を含有しない多官能(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものの中から適宜選択して用いればよい。具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号公報に記載のもの等が挙げられる。リン原子を含有しない他の多官能モノマーとしては、本開示の感光性着色樹脂組成物の効果が損なわれない点から、酸性基を有しない多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
これらのリン原子を含有しない多官能(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本開示の着色樹脂組成物に優れた光硬化性(高感度)が要求される場合には、多官能モノマーが、重合可能な二重結合を3つ(三官能)以上有するものであるものが好ましく、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物が好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのコハク酸変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのコハク酸変性物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましい。
感光性着色樹脂組成物において用いられる上記多官能モノマーの含有量は、特に制限はないが、光硬化を十分に進行させ、露光部分の溶出を抑制する点から、上記アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは20質量部以上である。また、上記多官能モノマーの含有量は、アルカリ現像性を向上する点から、上記アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは500質量部以下であり、より好ましくは300質量部以下である。
本開示の感光性着色樹脂組成物において、上記多官能モノマーの合計含有量は、感光性着色樹脂組成物の全固形分中に、5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
なお、本開示の感光性着色樹脂組成物中に含まれるリン原子含有(メタ)アクリレートの酸価は35mgKOH/g以下であることが好ましく、20mgKOH/g以下であることがより好ましく、更に13mgKOH/g以下であることが好ましい。ここでのリン原子含有(メタ)アクリレートには、(メタ)アクリロイル基が2つ以上の多官能(メタ)アクリレートだけでなく、(メタ)アクリロイル基が1つの(メタ)アクリレートも包含され、酸性基を有するリン原子含有(メタ)アクリレートも包含される。
なお、前記酸価は、リン原子含有モノマーの固形分1g中に含まれる酸性成分を中和するために要する水酸化カリウムの質量(mg)を表し、JIS K 0070に記載の方法により測定される値である。
本開示では感光性着色樹脂組成物中に含まれるリン原子含有(メタ)アクリレートの酸価が高すぎると、一般的に用いられる塩基性光開始剤と塩を形成して、感光性着色樹脂組成物に凝集異物を発生させたり、色材分散液中の塩基性顔料分散剤と塩を形成して、色材の分散性を悪化させてコントラストが低減する恐れがある。また、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを多官能モノマー全量中に20質量%以上含有することから、リン原子含有(メタ)アクリレートの全体の酸価が高すぎると、アルカリ現像液に対する溶解性が高くなりすぎて現像時にパターンが残り難くなったり、架橋密度が低下することで耐溶剤性が著しく悪化する恐れがある。
市販品であっても、合成時に酸性基が若干残留したり、保存時に酸性基が若干発生する場合が想定されるが、リン原子含有(メタ)アクリレートの酸価が35mgKOH/g以下であると、上記のような酸価が高すぎる場合の問題が抑制され、本開示の感光性着色樹脂組成物に用いることができる。
[(E)光開始剤]
感光性着色樹脂組成物において用いられる光開始剤としては、特に制限はなく、従来知られている各種光開始剤の中から、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号公報に記載のもの等が挙げられる。
感光性着色樹脂組成物において用いられる光開始剤の含有量は、十分に重合反応を生じさせ、着色層の硬度を十分なものとする点から、上記多官能モノマー100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上であり、より好ましくは5質量部以上である。また、着色樹脂組成物の固形分中における色材等の含有量を十分なものとし、十分な着色濃度を得る点から、光開始剤の含有量は、上記多官能モノマー100質量部に対して、好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは60質量部以下である。
[(F)溶剤]
本開示においては(F)溶剤は、感光性着色樹脂組成物中の各成分とは反応せず、これらを溶解乃至分散可能な溶剤の中から、適宜選択して用いることができる。具体的には、アルコール系;エーテルアルコール系;エステル系;ケトン系;エーテルアルコールアセテート系;エーテル系;非プロトン性アミド系;ラクトン系;不飽和炭化水素系;飽和炭化水素系などの有機溶剤が挙げられ、中でも、分散時の溶解性や塗布適性の点からエステル系溶剤を用いることが好ましい。
好ましいエステル系溶剤としては、例えば、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
中でも、人体への危険性が低いこと、室温付近での揮発性が低いが加熱乾燥性が良い点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いることが好ましい。この場合には、従来のPGMEAを用いた感光性着色樹脂組成物との切り替えの際にも特別な洗浄工程を必要としないというメリットがある。
これらの溶剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[任意添加成分]
本開示の感光性着色樹脂組成物には、上述した本開示の感光性着色樹脂組成物の効果が損なわれない範囲で、必要に応じて各種添加剤を含むものであってもよい。
(酸化防止剤)
感光性着色樹脂組成物は、更に酸化防止剤を含有することが、耐熱性及び耐光性の点から好ましい。酸化防止剤は従来公知のものの中から適宜選択すればよい。酸化防止剤の具体例としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ヒドラジン系酸化防止剤等が挙げられ、耐熱性の点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いることが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤とは、少なくとも1つのフェノール構造を含有し、当該フェノール構造の水酸基の2位と6位の少なくとも1つに炭素原子数4以上の置換基が置換されている構造を有する酸化防止剤を意味する。また、特開2015−132791号公報に記載されているようなヒンダードフェノールが潜在化された潜在性酸化防止剤であっても良い。
酸化防止剤を用いる場合、その配合量は、本開示の感光性着色樹脂組成物の効果が損なわれない範囲であれば特に限定されない。酸化防止剤の配合量としては、耐熱性に優れる点から、着色樹脂組成物中の固形分全量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、感光性着色樹脂組成物を高感度にすることができる点から、着色樹脂組成物中の固形分全量に対して、5.0質量%以下であることが好ましく、4.0質量%以下であることがより好ましい。
(他の添加剤)
添加剤としては、上記酸化防止剤の他、例えば、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等などが挙げられる。
界面活性剤及び可塑剤の具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号パンフレットに記載のものが挙げられる。
<感光性着色樹脂組成物における各成分の配合割合>
本開示の感光性着色樹脂組成物において、着色樹脂組成物の固形分全量に対し、バインダー成分となる(C)アルカリ可溶性樹脂、(D)多官能モノマー、及び(E)光開始剤の合計量は、充分な硬度や、基板との密着性を有する着色層を得ることができる点から、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、また、現像性に優れたり、熱収縮による微小なシワの発生も抑制される点から、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である。
(F)溶剤の含有量は、着色層を精度良く形成することができる範囲で適宜設定すればよい。該溶剤を含む上記着色樹脂組成物の全量に対して、塗布性に優れたものとする点から、通常、55質量%以上95質量%以下の範囲内であることが好ましく、中でも、65質量%以上88質量%以下の範囲内であることがより好ましい。
<感光性着色樹脂組成物の製造方法>
本開示の感光性着色樹脂組成物の製造方法は、(A)色材と、(B)分散剤と、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能モノマーと、(E)光開始剤と、(F)溶剤と、所望により用いられる各種添加成分とを含有し、色材が分散剤より溶剤中に均一に分散させ得る方法であればよく、特に制限されず、公知の混合手段を用いて混合することにより、調製することができる。
当該感光性着色樹脂組成物の調製方法としては、例えば、(1)色材と、分散剤と、溶剤とを含有した色材分散液に、アルカリ可溶性樹脂と、多官能モノマーと、光開始剤とを含有するバインダー成分と、所望により用いられる各種添加成分を混合する方法;(2)2種以上の色材を、各々別に分散剤とともに溶剤に分散させるか又はその他の色材は分散剤を用いずに溶剤に溶解させることによって調製した色材分散液及び場合により色材溶液と、アルカリ可溶性樹脂と、多官能モノマーと、光開始剤とを含有するバインダー成分と、所望により用いられる各種添加成分とを混合する方法;(3)溶剤中に、色材と、分散剤と、バインダー成分と、所望により用いられる各種添加成分とを同時に投入し、混合する方法;(4)溶剤中に、分散剤と、バインダー成分と、所望により用いられる各種添加成分とを添加し、混合したのち、色材を加えて混合する方法;などを挙げることができる。
これらの方法の中で、上記(1)又は(2)の予め色材分散液を調製する方法が、色材の凝集を効果的に防ぎ、均一に分散させ得る点から好ましい。
上記色材分散液の製造方法は、(A)色材と、(B)分散剤と、(F)溶剤と、所望により用いられる各種添加成分とを含有し、(A)色材が分散剤により溶剤中に均一に分散させ得る方法であればよく、公知の混合手段を用いて混合することにより、調製することができる。
分散液の調製方法としては、(B)分散剤を(F)溶剤に混合、撹拌し、分散剤溶液を調製した後、当該分散剤溶液に、(A)色材と必要に応じてその他の成分を混合し、公知の攪拌機または分散機を用いて分散させることによって分散液を調製することができる。また、2種以上の色材を用いる場合に、各色材について色材分散液を別々に調製し、これらを混合することにより、本開示の色材分散液としてもよい。
分散処理を行うための分散機としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03mm以上2.00mm以下が好ましく、より好ましくは0.05mm以上1.0mm以下である。
具体的には、ビーズ径が比較的大きめな2mmジルコニアビーズで予備分散を行い、更にビーズ径が比較的小さめな0.1mmジルコニアビーズで本分散することが挙げられる。また、分散後、0.5μm以上5.0μm以下のメンブランフィルターで濾過することが好ましい。
2.カラーフィルタ
本開示に係るカラーフィルタは、透明基板と、当該透明基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、前記本開示に係る感光性着色樹脂組成物の硬化物である着色層を有する。
また、本開示のカラーフィルタの製造方法は、透明基板と、当該透明基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタの製造方法であって、
当該着色層の少なくとも1つを、前記本開示に係る感光性着色樹脂組成物を硬化させて形成する工程を有する。
このような本開示に係るカラーフィルタについて、図を参照しながら説明する。図1は、本開示のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1によれば、本開示のカラーフィルタ10は、透明基板1と、遮光部2と、着色層3とを有している。
(着色層)
本開示のカラーフィルタに用いられる着色層は、少なくとも1つが、前記本開示に係る感光性着色樹脂組成物の硬化物である。
着色層は、通常、後述する透明基板上の遮光部の開口部に形成され、通常3色以上の着色パターンから構成される。
また、当該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
当該着色層の厚みは、塗布方法、感光性着色樹脂組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1μm以上5μm以下の範囲であることが好ましい。
当該着色層は、下記の方法により形成することができる。
まず、感光性着色樹脂組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、スリットコート法、ダイコート法などの塗布手段を用いて後述する透明基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、アルカリ可溶性樹脂及び多官能モノマー等を光重合反応させて、感光性の塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、使用する着色樹脂組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
次に、現像液を用いて現像処理し、未露光部分を溶解、除去することにより、所望のパターンで塗膜が形成される。現像液としては、通常、水や水溶性溶剤にアルカリを溶解させた溶液が用いられる。このアルカリ溶液には、界面活性剤などを適量添加してもよい。また、現像方法は一般的な方法を採用することができる。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、着色樹脂組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
(遮光部)
本開示のカラーフィルタにおける遮光部は、後述する透明基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
当該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。この遮光部としては、例えば、黒色顔料をバインダー樹脂中に分散又は溶解させたものや、クロム、酸化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。この金属薄膜は、CrO膜(xは任意の数)及びCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrO膜(xは任意の数)、CrN膜(yは任意の数)及びCr膜が3層積層されたものであってもよい。
当該遮光部が黒色色材をバインダー樹脂中に分散又は溶解させたものである場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であればよく、特に限定されず、例えば、遮光部用着色樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
遮光部の膜厚としては、金属薄膜の場合は0.2μm以上0.4μm以下程度で設定され、黒色色材をバインダー樹脂中に分散又は溶解させたものである場合は0.5μm以上2μm以下程度で設定される。
(透明基板)
本開示のカラーフィルタにおける透明基板としては、可視光に対して透明な基材であればよく、特に限定されず、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板を使用することができる。具体的には、石英ガラス、無アルカリガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板、フレキシブルガラス等の可撓性やフレキシブル性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
当該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本開示のカラーフィルタの用途に応じて、例えば50μm以上1mm以下程度のものを使用することができる。
なお、本開示のカラーフィルタは、上記透明基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには液晶材料を配向させるための配向膜や、柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。本開示のカラーフィルタは、前記例示された構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタに用いられている公知の構成を適宜選択して用いることができる。
3.液晶表示装置
本開示の液晶表示装置は、前述した本開示に係るカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に位置する液晶層とを有する。
このような本開示の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本開示の液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本開示の液晶表示装置40は、カラーフィルタ10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルタ10と上記対向基板20との間に位置する液晶層15とを有している。図2においては、カラーフィルタ10の着色層3側に配向膜13aと対向基板20側に配向膜13bが位置し、当該2つの配向膜13a及び13bの間に液晶層15が位置している例について示している。さらに、図2においては、液晶表示装置40が、カラーフィルタ10の外側に位置する偏光板25a、及び、対向基板20の外側に位置する偏光板25bと、液晶表示装置40の対向基板20側に位置する偏光板25bよりも外側に位置するバックライト30とを有する例を示している。
なお、本開示の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
本開示の液晶表示装置の駆動方式としては、特に限定はなく一般的に液晶表示装置に用いられている駆動方式を採用することができる。このような駆動方式としては、例えば、TN方式、IPS方式、OCB方式、及びMVA方式等を挙げることができる。本開示においてはこれらのいずれの方式であっても好適に用いることができる。
また、対向基板としては、本開示の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本開示の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
液晶層の形成方法としては、一般に液晶セルの作製方法として用いられる方法を使用することができ、例えば、真空注入方式や液晶滴下方式等が挙げられる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルタ及び対向基板を用いて液晶セルを作製し、液晶を加温することにより等方性液体とし、キャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を等方性液体の状態で注入し、接着剤で封止することにより液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルタの周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルタを液晶が等方相になる温度まで加熱し、ディスペンサー等を用いて液晶を等方性液体の状態で滴下し、カラーフィルタ及び対向基板を減圧下で重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また、本開示の液晶表示装置に用いられるバックライトとしては、液晶表示装置の用途に応じて適宜選択して用いることができる。バックライトとしては、例えば、冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)の他、白色LED、白色有機ELを光源とするバックライトユニットを具備することができる。
白色LEDとしては、例えば、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色LEDと緑色蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDとYAG系蛍光体の混色により白色光を得る白色LED、紫外線LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体と青色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED等を挙げることができる。前記蛍光体としては、量子ドットを用いても良い。
4.発光表示装置
本開示に係る発光表示装置は、前述した本開示に係るカラーフィルタと、発光体とを有する。本開示に係る発光表示装置としては、例えば前記発光体として有機発光体を有する有機発光表示装置が挙げられる。発光体は有機発光体に限定されず、無機発光体も適宜使用できる。
このような本開示の発光表示装置について、図を参照しながら説明する。図3は、本開示の発光表示装置の一例を示す概略図である。図3に例示するように本開示の発光表示装置100は、カラーフィルタ10と、発光体80とを有している。カラーフィルタ10と、発光体80との間に、有機保護層50や無機酸化膜60を有していても良い。
発光体80の積層方法としては、例えば、カラーフィルタ上面へ透明陽極71、正孔注入層72、正孔輸送層73、発光層74、電子注入層75、および陰極76を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した発光体80を無機酸化膜60上に貼り合わせる方法などが挙げられる。発光体80における、透明陽極71、正孔注入層72、正孔輸送層73、発光層74、電子注入層75、および陰極76、その他の構成は、公知のものを適宜用いることができる。このようにして作製された発光表示装置100は、例えば、パッシブ駆動方式の有機ELディスプレイにもアクティブ駆動方式の有機ELディスプレイにも適用可能である。
なお、本開示の発光表示装置は、この図3に示される構成の発光表示装置に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた発光表示装置として公知の構成とすることができる。
以下、本開示について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本開示を制限するものではない。
31P−NMR測定は、以下の条件により行った。
装置名:BRUKER製 AVANCE 3 HD
分解能:400MHz
核種:31
溶媒:DMSO−d6
濃度:0.2g/1ml
温度:室温(25℃)
化学シフト基準:リン酸を0ppmと規定
窓関数:exponential
(合成例1:リン原子含有多官能モノマーAの合成)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、クロロホルム70質量部、アクリル酸ヒドロキシエチル20.89質量部、トリエチルアミン12.14質量部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、氷浴を用いて液温を約5℃まで冷却した後、ジホスホリルクロリド7.55質量部をクロロホルム10質量部で希釈した溶液を、液温が30℃を超えないように調整しながら15分かけて連続的に滴下した。滴下終了後、氷浴を外して室温にて3時間撹拌した。その後、純水を30質量部添加し、さらに30分間撹拌した後、取り出した反応溶液を飽和食塩水にて3回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過した後、溶媒を留去することで、下記化学式(1)で表わされるリン原子含有多官能モノマーAを14.09g(収率82%)得た。得られた化合物の酸価は31mgKOH/gであり、31P−NMR測定により確認したところ、ピロリン酸テトラエステルが主成分で、微量のピロリン酸トリエステルが検出された。ピロリン酸テトラエステルのピーク積分比は75%以上であった。
(合成例2:PY138スルホン酸誘導体の合成)
11質量%発煙硫酸374.76質量部を10℃に冷却しながら攪拌し、Pigment Yellow 138 74.96質量部を加えた。次いで、90℃で6時間攪拌した。
反応液を氷水1600質量部に加え、15分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを800mlの水で3回洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、黄色生成物81.55質量部を得た。
この黄色生成物のTOF−MSによる質量分析結果は、C.I.ピグメントイエロー138にスルホン酸基が1個置換したPY138スルホン酸誘導体の分子量(Mw=774)に一致していた。
(合成例3:バインダー樹脂Aの合成)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(略称PGMEA)120質量部を仕込み、窒素雰囲気下で90℃に昇温した後、メタクリル酸メチル32質量部、メタクリル酸シクロヘキシル22質量部、メタクリル酸24質量部、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(略称AIBN)2.0質量部および連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン4.5質量部を含む混合物を1.5時間かけて連続的に滴下した。
その後、合成温度を保持して反応を続け、滴下終了から2時間後に重合禁止剤として、p−メトキシフェノール0.05質量部を添加した。
次に、空気を吹き込みながら、メタクリル酸グリシジル22質量部を添加して、110℃に昇温した後、トリエチルアミン0.2質量部を添加して110℃で15時間付加反応させ、バインダー樹脂A(固形分45質量%)を得た。
得られたバインダー樹脂Aは、質量平均分子量(Mw)8850、数平均分子量(Mn)4200、分子量分布(Mw/Mn)は2.11、酸価78mgKOH/gであった。
(合成例4:塩型ブロックポリマー分散剤A溶液の調製)
反応器に、PGMEA59.87質量部、3級アミノ基を含むブロック共重合体(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー社製)(アミン価120mgKOH/g、固形分60質量%)37.83質量部(有効固形分22.70質量部)をそれぞれ溶解させ、PPAを2.30質量部(ブロック共重合体の3級アミノ基に対して0.3モル当量)を加え、40℃で30分攪拌することで塩型ブロックポリマー分散剤A溶液(固形分25質量%)を調製した。
(製造例1:色材分散液Aの製造)
色材としてPigment Red 254 12.35質量部と合成例2で得られたPY138スルホン酸誘導体0.65質量部、合成例4の分散剤A溶液18.20質量部(固形分4.55質量部)、合成例3のバインダー樹脂A 13.00質量部(固形分5.85質量部)、PGMEA55.80質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで4時間分散し、色材分散液Aを得た。
(製造例2:色材分散液Bの製造)
製造例2において、色材をPigment Green 58 9.75質量部とPigment Yellow 150 3.25質量部とした以外は、製造例1と同様にして、色材分散液Bを得た。
(実施例1)
(1)バインダー組成物Aの調製
PGMEA44.36質量部、合成例3のバインダー樹脂A(固形分45質量%)28.44質量部、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレート(商品名:ビスコート#3PA、大阪有機化学工業製、酸価5mgKOH/g、31P−NMR測定により確認したところ、リン酸トリエステルが主成分で、微量のリン酸ジエステルが検出され、リン酸トリエステルのピーク積分比は95%以上であった。)4.80質量部、5〜6官能アクリレートモノマー(商品名:アロニックスM402、東亞合成製)14.40質量部、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、BASF製)6.00質量部、2,4ジエチルチオキサントン(商品名:カヤキュアーDETX−S、日本化薬製)2.00質量部を混合することでバインダー組成物A(固形分40質量%)を調製した。
(2)感光性着色樹脂組成物の調製
製造例1で得られた色材分散液A 43.96質量部、上記(1)で得られたバインダー組成物A 24.05質量部、PGMEA31.44質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.05質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.5質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、実施例1の感光性着色樹脂組成物を得た。
(実施例2〜8、比較例1〜6)
実施例1において、バインダー組成物における多官能モノマーの配合量(合計19.2質量部)を、表1及び表2のような配合割合に変更し、更に表2のように色材分散液を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2〜8、及び比較例1〜6の感光性着色樹脂組成物を得た。
なお、比較例3、6で用いられたライトエステルP−2M(商品名:ライトエステルP−2M、共栄社化学製、酸価280mgKOH/g)は、主成分が下記化学式(2)で表される構造であり、酸性基(P−OH)を有している。31P−NMR測定により確認したところ、リン酸ジエステルとリン酸モノエステルが主成分で、オルトリン酸と微量のリン酸トリエステルも検出されたが、リン酸トリエステルのピーク積分比は5%以下であった。
[評価]
<光学特性評価>
実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた感光性着色樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板(日本電気硝子製、「OA−10G」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。超高圧水銀灯を用いて40mJ/cmの紫外線を照射することによって硬化膜(赤色着色層)を得た。硬化後の色度はx=0.650になるようにした。上記の硬化膜が形成された基板を230℃のクリーンオーブンで60分間ポストベーク処理し、得られた着色膜の色度(x、y)、輝度(Y)を、オリンパス製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用いて測定し、コントラストを壺坂電気製「コントラスト計CT−1」を用いて測定した。
ポストベーク後の着色膜の色度(x、y)、輝度(Y)及びコントラストを表1に示す。
上記光学特性評価において、実施例5〜8及び比較例4〜6で得られた感光性着色樹脂組成物を用い、硬化後の色度がy=0.610になるようにし、硬化膜として緑色着色層を得たこと以外は、上記と同様にして光学特性評価を行った。ポストベーク後の着色膜の色度(x、y)、輝度(Y)及びコントラストを表2に示す。
<耐NMP性評価>
カッターによって1mm間隔にクロスカットした上記光学性能評価により得られた着色樹脂組成物の着色層を有する基板を、100℃のホットプレート上に設置し、クロスカット面上にNMPをのせて10分間静置し、硬化塗膜の剥離の有無を目視にて確認した。
<評価基準>
A:クロスカット面の剥離なし。
B:クロスカット面が一部剥離した。
C:クロスカット面が全面剥離した。
D:クロスカット面が溶解した。
(結果のまとめ)
本開示の感光性着色樹脂組成物を用いた実施例1〜8は、色材が、フタロシアニン顔料及びジケトピロロピロール顔料から選ばれる少なくとも一種を含み、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを、前記(D)多官能モノマー全量中に20質量%以上含有するものであったことから、耐溶剤性に優れた着色層を形成可能であることが明らかにされた。また、実施例1〜4では、高輝度な赤色顔料であるPR254を含む色材を用い、実施例5〜8では、高輝度な緑色顔料であるPG58を含む色材を用い、これらの高輝度な顔料と、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートとを組み合わせて用いたことから、高輝度な着色層をより薄膜で形成可能であることが明らかにされた。また、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートの、前記(D)多官能モノマー全量中の置き換え比率が高いほど、同じ色度を得るのに膜厚が薄くなる傾向があることが明らかにされた。
一方、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを用いなかった比較例1及び4は、耐NMP性評価において、硬化塗膜の全面剥離が確認された。また、実施例と同じ色度を得るのに、着色層の膜厚が厚くなった。
また、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを前記(D)多官能モノマー全量中に10質量%しか用いなかった比較例2、5は、耐NMP性評価において、硬化塗膜の一部剥離が確認された。また、実施例と同じ色度を得るのに、着色層の膜厚が厚くなった。
酸性基を有するリン原子含有多官能(メタ)アクリレートをそれぞれ用いた比較例3、6では、耐NMP性評価において、硬化塗膜が溶解した。また、多官能モノマーが塩基性の光開始剤や分散剤と反応してしまい、バインダー組成物が濁ってしまった。また、色材分散液とバインダー組成物とを混合した際に、分散性が悪化してしまい、コントラストが低下し、輝度値も低かった。
1 透明基板
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルタ
13a、13b 配向膜
15 液晶層
20 対向基板
25a、25b 偏光板
30 バックライト
40 液晶表示装置
50 有機保護層
60 無機酸化膜
71 透明陽極
72 正孔注入層
73 正孔輸送層
74 発光層
75 電子注入層
76 陰極
80 発光体
100発光表示装置

Claims (8)

  1. (A)色材と、(B)分散剤と、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能モノマーと、(E)光開始剤と、(F)溶剤とを含有し、
    前記(A)色材が、フタロシアニン顔料及びジケトピロロピロール顔料から選ばれる少なくとも一種を含み、
    前記(D)多官能モノマーが、酸性基を有しないリン原子含有多官能(メタ)アクリレートを、前記(D)多官能モノマー全量中に20質量%以上含有する感光性着色樹脂組成物。
  2. 前記感光性着色樹脂組成物中に含まれるリン原子含有(メタ)アクリレートの酸価が35mgKOH/g以下である、請求項1に記載の感光性着色樹脂組成物。
  3. 前記フタロシアニン顔料が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である、請求項1又は2に記載の感光性着色樹脂組成物。
  4. 前記(A)色材が、さらに黄色色材を含有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性着色樹脂組成物。
  5. 透明基板と、当該透明基板上の着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性着色樹脂組成物の硬化物である着色層を有する、カラーフィルタ。
  6. 透明基板と、当該透明基板上の着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタの製造方法であって、
    当該着色層の少なくとも1つを、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性着色樹脂組成物を硬化させて形成する工程を有する、カラーフィルタの製造方法。
  7. 前記請求項5に記載のカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に位置する液晶層とを有する、液晶表示装置。
  8. 前記請求項5に記載のカラーフィルタと、発光体を有する、発光表示装置。
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