JP2018020024A - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 被検体の偏光解消領域における誤った読影を低減することにより診断精度を向上させる。
【解決手段】 偏光OCT等により偏光解消性を有する人間の眼に代表される被検体の画像の処理を行う画像処理装置に対し、被検体の偏光解消領域を検出する検出手段と、被検体の血管情報に基づいて偏光解消領域の信頼性を算出する算出手段と、被検体の断層像と共に、信頼性を偏光解消領域に対応させて表示手段に表示させる表示制御手段と、を配する。
【選択図】 図12

Description

開示の技術は、画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
近年、低コヒーレンス光による干渉を利用した光断層画像撮像(Optical Coherence Tomography:OCT)装置(以下、OCT装置と記載)が実用化されている。OCT装置は、被検査物の断層像を高分解能で且つ非侵襲に取得することができる。そのため、該OCT装置は、特に眼科領域において、被検眼の眼底の断層像を得るうえで、必要不可欠な装置になりつつある。また、眼科領域以外でも、皮膚の断層観察や、内視鏡やカテーテルとして行う消化器や循環器の壁面断層像の撮像等が試みられている。
眼科用OCT装置においては、眼底組織の形状をイメージングする通常のOCT画像(輝度画像とも言う)に加えて、眼底組織の光学特性や動き等をイメージングする機能OCT画像の取得が試みられている。特に、機能OCT装置の一つとして開発されて、神経線維層や網膜層の描出が可能な偏光OCT装置は、緑内障や加齢黄斑変性等を対象として研究が進められている。また、偏光OCT装置を用いて網膜層に生じた変異を検出し、疾患の進行や治療効果を判断するための研究も進められている。
偏光OCT装置は、眼底組織の光学特性の一つである偏光パラメータ(リターデーション、オリエンテーション、DOPU(Degree of polarization uniformity))を用いて偏光OCT画像を構成し、眼底組織の区別やセグメンテーションを行うことができる。一般的に、偏光OCT装置は波長板(例えば、λ/4板やλ/2板)を用いることで、OCT装置の測定光と参照光の偏光状態を任意に変化させられるように光学系が構成されている。光源から出射される光の偏光を制御し、試料を観察する測定光に所望の偏光状態に変調した光を用い、干渉光を2つの直交する直線偏光として分割して検出して、偏光OCT画像を生成する。
ここで、閾値処理により決定されるDOPUパラメータによって再構成されるDOPU画像から、偏光解消性を持つ領域の一つである網膜の網膜色素上皮(RPE:Retinal pigment epithelium)層などを検出する方法が非特許文献1に開示されている。偏光解消は、被検体において偏光が解消される度合いを表す指標である。偏光解消は、例えば、組織内の微小構造(例えばメラニン)で生じる測定光の反射により、偏光の方向や位相がランダムに変化する事に起因すると考えられている。
非特許文献1によれば、偏光OCTによって偏光解消性を持つ領域(以下偏光解消領域と記載)の病変部を特定し、病変部を画面表示することができる。また、非特許文献2では、偏光解消領域と加齢黄斑変性(以下、AMDと記載)の前駆病変であるドルーゼンとの間に関係があるとの報告がされている。AMDの前駆病変のドルーゼンの石灰化が偏光解消する特性を示し、さらにその病変の進行によって偏光解消特性も変化する。今後、臨床現場において、これら偏光解消領域とドルーゼンのような病変部の関係を明らかにしていくことが重要となってくる。
ここで、眼底においては、偏光解消領域の上層部には血管も存在している。測定光の偏光状態は、該血管中の血流によって影響を受ける。すなわち、血流の時間的な変化により測定光が変調され、見かけ上測定光が照射される偏光解消領域内の多重散乱特性が時間に応じて異なってしまう。このように多重散乱特性が異なると、測定光の偏光状態がよりランダム化されることとなり、偏光解消性を表すDOPUの値が過小評価されてしまう。結果として射出光のさまざま多重散乱特性による偏光状態から算出(平均)されるDOPU値はより偏光解消された低い値に見積もられる可能性がある。なお、DOPU値とは偏光の均一性を表す数値であり、偏光が保たれている個所においては1に近い数値となり、偏光が解消された保たれない箇所においては1よりも小さい数値となる。
以上に述べたように、網膜層中に存在する血管の影響により、それより深部に存在する検査対象となる偏光解消領域(例えば上述したRPE層)の偏光解消特性が正しく計算されない場合が生じる恐れがある。このとき、単純にDOPU値より生成した画像を見ただけでは、特に患眼では例えば偏光解消領域の異常なのか、血管によるアーティファクトなのかの区別を行うことは困難となる。その結果偏光解消領域の状態を誤って読影し、診断精度が低下してしまうおそれがある。
開示の技術は上記の課題に鑑みてなされたものであり、偏光解消領域における誤った読影を低減することにより診断精度を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像処理装置は、
被検体の偏光解消領域を検出する検出手段と、
前記被検体の血管情報に基づいて前記偏光解消領域の信頼度を算出する算出手段と、
前記被検体の断層像と共に、前記信頼度を前記偏光解消領域に対応させて表示手段に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする。
開示の技術によれば、偏光解消領域における誤った読影を低減することにより診断精度を向上させることができる。
本発明の実施形態における偏光OCT装置の全体構成を示す概略図である。 被検眼眼底におけるOCT測定光の走査様式を説明する図である。 本発明の実施形態において信号処理部で生成された輝度断層像の一例を示す図である。 本発明の実施形態におけるテンポラルDOPU画像を生成する処理フローを示す図である。 本発明の実施形態において信号処理部で生成されたDOPU画像の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像生成から表示に至る処理フローを説明する図である。 本発明の第1の実施形態において用いた血管情報に関して、着目領域と血管の占有率との関係を説明する図である。 DOPUにおける血管の影響を定性的に説明する図である。 本発明の第1の実施形態において用いた血管情報に関して、着目領域と血管の占有率との関係の別の一例を説明する図である。 本実施形態における偏光解消領域を計算した結果の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態において用いた、偏光解消領域の信頼度を説明する図である。 本発明の第1の実施形態における表示画面の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における表示画面の別の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態において用いた血管情報の求め方を説明する図である。 本発明の第2の実施形態において用いた、偏光解消領域の信頼度を説明する図である。 本発明の第3の実施形態における病変部の検出方法の例を説明する図である。 本発明の第3の実施形態における病変部の検出方法の別の例を示す図である。 本発明の第3の実施形態における画像生成から表示に至る処理フローを説明する図である。 本発明の第3の実施形態における表示画面の例を示す図である。 本発明の第3の実施形態において表示される断層像の例を示す図である。 DOPUおよびテンポラルDOPUにおける処理ウィンドウの違いを説明する図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明を実施するための例示的な実施形態に係る画像処理装置および画像処理方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態で説明する寸法、形状、構成要素の相対的な位置、等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間では同じ参照符号を用いる。また、以下の実施形態は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
また、以下に述べる実施形態では、テンポラルDOPUと称されるパラメータを用いて、上述したDOUP画像(テンポラルDOPU画像)を生成することとしている。ここで、テンポラルDOPUについて説明する。該テンポラルDOPUは、従来のDOPUよりも空間分解能を向上させて上述した偏光解消特性を計測することを目的とする。手法としては、例えば被検眼眼底において、略同一位置で異なる時間に断層像を取得してこれら断層像から偏光解消特性を計算している。
この手法では、従来の1フレームのDOUP画像が1フレームの撮像データ(断層像)から算出されることに対して、複数フレームの撮像データを用いて1フレームのDOUP画像が算出される。従来のDOPUの値の計算では、まず、図21(a)に示すように、1フレームの撮像データ2101において測定光の主走査方向(X)と深さ方向(Z)という2次元の評価窓(ウィンドウ2102)を設定する。その後、ウィンドウ2102内の画素毎に、DOPUの値の計算に必要となるストークスベクトルを取得する。次に、取得した複数のストークスベクトルに統計処理を施すことによって、該ウィンドウ2102の代表値となるDOPUの値を算出する。なお、図21(a)においては、説明の簡略化のために、1フレームの撮像データ2101がウィンドウ2102で分割されているように示している。しかし、ウィンドウ2102の範囲はこの例に限定されず、撮像データ2101の一画素毎に所定の範囲のウィンドウの設定をすることができる。
これに対して、テンポラルDOPUの値の計算では、まず、測定光を眼底の略同一領域(同一走査線上)に経時的に繰り返し照射して、異なる時刻に撮像した略同一領域の複数フレームの撮像データを取得する。連続撮像をする間に、被検眼は意図しない微小な動き(固視微動)をするため、異なる時刻の撮像を行うことによって、データの撮像範囲を断層像と直交する成分2103(副走査方向、Y方向)にも拡張することができる。このような連続撮像を行うことによって、主走査方向(X)と深さ方向(Z)に副走査方向(Y)という3次元のウィンドウ2102を設定することが可能となる(図21(b))。ウィンドウサイズを3次元的なボリュームとして捉えると、Y方向を大きくすることによって、XZ平面におけるウィンドウサイズを小さなものにしても、テンポラルDOPUの計算に必要な数のストークスベクトルを取得できると考えられている。結果として、テンポラルDOPU画像は、従来のDOPU画像に比べて、高い空間分解能を実現することができる。
このテンポラルDOPUを適用した場合に、従来のDOPU画像に比べてより高い分解能の画像が得られる。その反面、上述した上層に網膜血管のある領域でDOPU値が影響を受けて、偏光解消領域の検出の精度が低下するということに関しても、テンポラルDOPU画像が受ける影響はより大きくなる。従って、以下に述べるように本発明を実施することにより、テンポラルDOPU画像においても偏光解消領域における誤った読影を抑えて診断精度を向上させることができる
〔第1の実施形態〕
[装置の全体構成]
<偏光OCT装置の構成>
以下に、本発明の一実施形態に係る偏光OCT装置100の構成について、その全体構成を示す概略図である図1を参照して説明する。以下に述べる実施形態では、網膜血管の偏光解消領域に与える影響を、後述するOCT装置の表示部に表示する。
(OCT部の構成)
まず偏光OCT装置100に配置されるOCT部の構成について説明する。OCT部では、光源系、測定光学系、参照光学系、および検出光学系を有する。光源系は、光源101からビームスプリッタ110に至る光軸上に配置される光学部材からなる。測定光学系は、ビームスプリッタ110から被検眼118に至る光軸上に配置される光学部材からなる。参照光学系は、ビームスプリッタ110からビームスプリッタ128に至る光軸上に配置される光学部材からなる。また、検出光学系は、ビームスプリッタ128以降に配置される光学部材からなる。以下、各系について詳述する。
光源系では、光源101から順に、シングルモードファイバ(以下SMファイバと記載)102、偏光制御器103、コネクタ104、SMファイバ105、ポラライザ106、偏波保持(Polarization Maintaining:PM)ファイバ(以下PMファイバと記載)107、コネクタ108、およびPMファイバ109が配置される。偏光OCT装置100に用いられる光源101は、波長掃引型(Swept Source:以下SS)光源であり、例えば、掃引中心波長1050nm、掃引幅100nmで波長を掃引しながら光を出射する。光源101から出射された光源射出光は、SMファイバ102、偏光制御器103、コネクタ104、SMファイバ105、ポラライザ106、PMファイバ107、コネクタ108、PMファイバ109を介して、ビームスプリッタ110に導かれる。当該光源射出光は、該ビームスプリッタ110において、測定光(OCT測定光とも言う)と参照光(OCT測定光に対応する参照光とも言う)に分割される。ビームスプリッタ110の分割比は、90(参照光):10(測定光)である。
偏光制御器103は、光源101から射出する光源射出光の偏光を所望の偏光状態へ変化させる。これに対し、ポラライザ106は、特定の直線偏光成分のみを通過させる特性を持つ光学素子である。通常光源101から射出される光源射出光は偏光度が高く、特定の偏光方向を持つ光が支配的であるが、ランダム偏光成分と呼ばれる特定の偏光方向を持たない光が含まれている。このランダム偏光成分は偏光OCT画像の画質を悪化させることが知られており、本実施形態ではポラライザ106によってこのランダム偏光成分をカットする。なお、ポラライザ106を通過できるのは特定の直線偏光状態の光のみであるため、所望の光量のOCT測定光が被検眼118に入射するように、偏光制御器103によってポラライザ106に至る光の偏光状態を予め調整している。
光源射出光から分割されたOCT測定光は、PMファイバ111を介して測定光学系に空間光として出射され、コリメータ112によって平行光とされる。測定光学系では、PMファイバ111より順に、コリメータ112、1/4波長板113、ガルバノスキャナ114、ダイクロイックミラー148、スキャンレンズ115、およびフォーカスレンズ116が光路L101上に配置される。コリメータ112により平行光となったOCT測定光は、1/4波長板113を透過したのち、被検眼118の眼底ErにおいてOCT測定光を走査するガルバノスキャナ114に至る。ガルバノスキャナ114を経たOCT測定光は、光路L101上に配置されたダイクロイックミラー148、スキャンレンズ115、およびフォーカスレンズ116を介して被検眼118に入射する。
なお、本実施形態では、OCT測定光を眼底Erで走査する走査手段とし、ガルバノスキャナ114は単一のミラーとして記載している。しかし、実際は被検眼118の眼底Erを測定光でラスタースキャンするように、2枚のガルバノスキャナによって該走査手段を構成している。しかし、走査手段は当該構成に限定されず、光を2次元方向に走査可能な単一のミラーで構成しても良い。また、2枚のガルバノスキャナを近接して配置してもよいし、両ガルバノスキャナとも被検眼118の前眼部に対して光学的に共役な位置に配置してもよい。
また、フォーカスレンズ116はステージ117上に固定されており、該ステージ117を不図示の駆動系により光軸方向に動かすことで、OCT測定光の眼底Erに対するフォーカス調整をすることができる。ガルバノスキャナ114とステージ117は駆動制御部145によって制御され、被検眼118の眼底Erにおける所望の範囲でOCT測定光を走査することができる。また1/4波長板113は、1/4波長板の光学軸と、その光学軸に対して直交する軸との間の位相を1/4波長分だけ遅延させる特性を持つ光学素子である。本実施形態ではPMファイバ111より射出するOCT測定光の直線偏光の方向に対して、該OCT測定光の光軸を回転軸として、1/4波長板113の光学軸を45°だけ回転させて配置している。これにより、該1/4波長板113を経たOCT測定光を円偏光とし、該円偏光のOCT測定光を被検眼118に入射させている。
円偏光とされたOCT測定光は、ステージ117上に乗ったフォーカスレンズ116を介して被検眼118に入射し、該フォーカスレンズ116により眼底Erにフォーカスされる。眼底Erに照射されたOCT測定光は網膜の各層で反射・散乱し、戻り光として入射時とは逆に光路L101をたどりビームスプリッタ110に戻る。ビームスプリッタ110に入射したOCT測定光の戻り光はPMファイバ126を経由し、ビームスプリッタ128に入射する。
一方、ビームスプリッタ110で光源射出光から分割された参照光は、PMファイバ119を介して参照光学系に空間光として出射され、コリメータ120によって平行光とされる。該参照光学系は、コリメータ120より順に、1/2波長板121、分散補償ガラス122、NDフィルタ123、およびコリメータレンズ124がその光路上に配置される。コリメータ120より射出された参照光は、これら光学部材を介し、PMファイバ127に入射する。コリメータレンズ124とPMファイバ127の一端(参照光の入射端)はコヒーレンスゲートステージ125の上に固定されている。該コヒーレンスゲートステージ125は、被検者の眼軸長の相違等に対応して不図示の駆動系によって光軸方向に駆動するように、駆動制御部145により制御される。
1/2波長板121は、1/2波長板の光学軸と、その光学軸に対して直交する軸との間の位相を1/2波長分だけ遅延させる特性を持つ光学素子である。本実施形態ではPMファイバ119より射出する参照光の直線偏光がPMファイバ127において長軸が45°傾いた偏光状態となるように参照光の偏光状態を調整する。なお本実施形態では、コヒーレンスゲートステージ125によりコリメータレンズ124の光軸上の位置を変えることにより参照光の光路長を変更して、戻り光と参照光とが合波されて干渉を生じる条件となるようにこれら光の光路長差の調整を行っている。しかし、OCT測定光の光路と参照光の光路との光路長差を変更できれば光路長の変更は参照光学系側で行われることに限定されず、測定光学系において行われてもよい。
PMファイバ127を通過した参照光はビームスプリッタ128に入射する。次に、ビームスプリッタ128以降に配置される検出光学系について説明する。ビームスプリッタ128ではOCT測定光の戻り光と参照光が合波されて干渉光とされ、さらに該干渉光は二つに分割される。分割された干渉光(以下分割光と記載)は、互いに反転した位相を有する光(以下、正の成分および負の成分と表現する)となっている。正の成分の分割光はPMファイバ129、コネクタ131、およびPMファイバ133を経由して偏光ビームスプリッタ135に入射する。一方、負の成分の分割光はPMファイバ130、コネクタ132、およびPMファイバ134を経由して偏光ビームスプリッタ136に入射する。
偏光ビームスプリッタ135および136では、直交する二つの偏光軸に合わせて干渉光が分割され、垂直(Vertical)偏光成分(以下、V偏光成分)と水平(Horizontal)偏光成分(以下、H偏光成分)の二つの干渉光にそれぞれ分割される。すなわち、偏光ビームスプリッタ135に入射した正の分割光は、偏光ビームスプリッタ135においてさらに正のV偏光成分と正のH偏光成分の二つの干渉光に分割される。分割された正のV偏光成分の干渉光はPMファイバ137を経由してディテクタ141に入射し、正のH偏光成分の干渉光はPMファイバ138を経由してディテクタ142に入射する。一方、偏光ビームスプリッタ136に入射した負の分割光は偏光ビームスプリッタ136において負のV偏光成分と負のH偏光成分の二つの干渉光に分割される。負のV偏光成分の干渉光はPMファイバ139を経由してディテクタ141に入射し、負のH偏光成分の干渉光はPMファイバ140を経由してディテクタ142に入射する。
ディテクタ141および142は何れも差動検出器となっており、位相が180°反転した二つの干渉光が検出されると、該干渉光に基づいて得られた干渉信号から直流成分を除去し、干渉成分のみを出力する。ディテクタ141で得られた干渉信号のV偏光成分とディテクタ142で得られた干渉信号のH偏光成分はそれぞれ光の強度に応じた電気信号として出力され、断層像生成部の一例である信号処理部144に入力される。
(SLO部の構成)
次に、偏光OCT装置100に配置されるSLO部について説明する。SLO部は、ダイクロイックミラー158、ダイクロイックミラー156、レンズ151、フォーカスレンズ155、共振スキャナ153、ガルバノスキャナ154、レンズ157、ミラー162、およびミラー163を有する。これら光学部材は、SLO光源150よりダイクロイックミラー148までの光路L102上に、この記載順序で配置される。SLO光源150は眼底撮像用の光源であって、780nm付近に中心値を持つ光を射出する。APD(Avalanche Photodiode)152は、780nm付近の光に感度を持つ眼底撮像用のセンサであり、ダイクロイックミラー156の反射方向に配置される。SLO光源150はダイクロイックミラー158の反射方向に配置され、該ダイクロイックミラー158の透過方向には固視灯149が配置される。SLO光源150から射出された光は、ダイクロイックミラー158により反射されて光路L102に至る。固視灯149は可視光を発生して被検者の固視を促すものであり、該固視灯149から射出された固視光はダイクロイックミラー158およびダイクロイックミラー156を透過して被検眼118に導かれる。
固視灯149、およびSLO光源150から射出された光束は、何れも共振スキャナ153およびガルバノスキャナ154の付近で一度結像し、被検眼118の眼底Er付近で再度結像される。両スキャナは駆動制御部145によって制御され、被検眼118の眼底Er上の所望の範囲でSLO測定光を走査する。ここで、共振スキャナ153はSLO測定光をX方向に主走査し、ガルバノスキャナ154はSLO測定光をY方向に副走査する。なお、これらスキャナは、光を2次元方向に走査可能な単一のミラーで構成してもよい。また、これらを近接して配置される2枚のガルバノスキャナとし、両スキャナとも被検眼118の前眼部に対して光学的に共役な位置に配置してもよい。
SLOフォーカスレンズ155はステージ164上に固定されており、該ステージ164を不図示の駆動系により光軸方向に動かすことで、SLO測定光の眼底Erに対するフォーカス調整をすることができる。ステージ164は駆動制御部145によって制御され、上述した両スキャナの制御と合わせて、被検眼118の眼底Erの所望の範囲でフォーカスされたSLO測定光を走査することができる。また、本実施形態では、OCT部と同様に、2度目の結像位置が被検眼118の眼底面と一致するよう、フォーカスレンズ116の光軸上の位置も駆動制御部145により駆動制御される。
フォーカスレンズ116の光軸上に位置するダイクロイックミラー148によって、被検眼からの光路は、前述したOCT部の光路L101と、固視灯を含むSLO部の光路L102とに波長帯域ごとに分岐される。上述したSLO光源150から射出されたSLO測定光、および固視灯149から射出された光束は、光路L102を経て眼底Erへ入射される。該SLO測定光の眼底からの反射光は、該光路L102を逆にたどり、ダイクロイックミラー156により反射されて該光路L102から分岐され、APD152に至る。APD152により反射光が検知され、検知された反射光に基づいて、後述する信号処理部144において眼底ErのSLO画像が生成される。
<制御部の構成>
次に、制御部143の構成等について説明する。本実施形態に係る制御部143は、偏光OCT装置100と通信可能に接続され、偏光OCT装置100の上述した各構成の制御を行っている。なお、制御部143は、偏光OCT装置100と一体に設けられても良いし、別々に設けられても良い。ここで、制御部143は、信号処理部144、駆動制御部145、および表示部146によって構成される。駆動制御部145は、上述したとおりに各フォーカスレンズの駆動やスキャナの駆動等、偏光OCT装置100の各部の動作を制御する。
信号処理部144は、ディテクタ141およびディテクタ142から出力される信号に基づき、画像の生成、生成された画像の解析、解析結果の可視化情報の生成を行う。すなわち、信号処理部144は表示制御手段の機能を有し、該信号処理部144で生成される画像や解析結果を表示部146の表示画面に表示させることができる。なお、ここで述べた表示制御手段としての機能を有する構成は、画像処理等を行う信号処理部144とは別々に設けられても良い。表示部146は、本実施形態では、例えば液晶等のディスプレイとして構成される。
なお、信号処理部144で生成された画像等の可視化された情報は、表示部146に有線で送信されても良いし、無線で送信されても良い。また、本実施形態において表示部146等は制御部143に含まれることとしているが、本発明はこれに限らない。例えば、制御部143とは別に表示部146設けても良く、例えばユーザが持ち運び可能な装置の一例であるタブレットよりこれを構成してもよい。この場合、表示部にタッチパネル機能を搭載させ、タッチパネル上で画像の表示位置の移動、拡大縮小、表示される画像の変更等を操作可能に構成することが好ましい。
[撮像動作]
次に、上述した構成を用いて駆動制御部145により制御される、OCT部およびSLO部での被検眼118の眼底像の撮像動作について説明する。
<OCTスキャン>
まず、駆動制御部145により制御される偏光OCT装置100が干渉信号を取得する処理について説明する。具体的には、駆動制御部145は、ガルバノスキャナ114を用いて、OCT測定光を被検眼118の眼底Er上で走査する。信号処理部144では、眼底Er上のある位置からの干渉信号に対してFFT(高速フーリエ変換)等の処理を行い、得られた線状の輝度分布をモニタに示すために濃度情報等に変換し、眼底Erのある位置での断層像を生成する。この濃度変換等されて得られた眼底における任意の位置の深さ方向における一次元画像をAスキャン画像と呼ぶ。また、この複数のAスキャン画像をX方向に並べて得られる眼底Erに垂直な面における2次元の断層像をBスキャン画像と呼ぶ。例えば眼底Er上で、特定の方向に並ぶようにAスキャン画像の取得を連続して行う場合、その特定の方向へのOCT測定光の走査をBスキャンと称する。Aスキャン画像の取得位置が並ぶ方向を、OCT測定光の走査位置と称する。図2は、OCT測定光に直交する2次元平面において、Bスキャン画像を得る際の眼底Er上でのOCT測定光の走査位置(走査線又はBスキャンライン)を示している。
(同一箇所のM−Bスキャン)
駆動制御部145は、例えば図2(a)に示す走査位置L201に沿ってBスキャンを実行するように、ガルバノスキャナ114を用いてOCT測定光を走査位置L201上で走査する。OCT測定光を走査位置L201上で、経時的に繰り返し走査する走査を、M(Multi)−Bスキャンと呼ぶ。M−Bスキャンによって、複数のBスキャンより取得された干渉信号等のBスキャンデータは、信号処理部144に保存される。本実施形態において、M−Bスキャンでは、Bスキャンを約80回繰り返す。
(異なる箇所のM−Bスキャン)
M−Bスキャンの走査位置は同一箇所ではなく、例えば図2(b)の走査位置L202として示すように、意図的に副走査方向Yにおけるシフト量dYで示される範囲に分布させても良い。ここでシフト量dYは走査位置を副走査方向に移動させながら複数回のBスキャンを行う場合の移動全体の量に対応し、本実施形態においてシフト量dYは約20μmに設定する。ここで、副走査方向のシフト量dYは、OCT測定光の眼底Erにおけるスポットサイズを基準として設定する。OCT測定画像で発生するスペックルサイズは、OCT測定光のスポットサイズ以下と考えられている。そのため、加算平均処理によるスペックル低減のために意図的に副走査方向のシフト量dYを与える際には、スポットサイズ以上に設定することが有効と考えられる。
このような様式のM−Bスキャンは、上述したテンポラルDOUPのデータ取得に対して好適である。すなわち副走査方向Yにおいて微小なシフト量dYを与えて撮像データを得ることにより、Y方向の3次元ウィンドウを設定することが可能となる。また、通常被検眼は固視微動と称される不随意運動を行っている。このため、図2(a)に示した同一走査位置L201でのOCT測定光の走査を意図した場合であっても、この固視微動の影響で、副走査方向に微少量走査位置をシフトさせて複数のBスキャンデータを得ることもできる。本実施形態では図2(a)に示した走査位置L201でOCT測定光を走査することとし、固視微動の結果として、その走査位置が約20μmの範囲でずれる条件にて複数のBスキャンデータを得ている。すなわち、眼底Er上での同一の走査位置(走査線上)を測定光が繰り返して走査されるように、副走査方向に走査位置をシフトさせずに測定光を走査することにより取得された複数の断層情報を取得する。
(M−Bスキャンによるボリュームスキャン)
さらに、被検眼118の眼底Erにおけるボリュームデータを取得する際には、上述したM−Bスキャンを眼底Er上の副走査方向に異なる位置において繰り返し、ボリュームデータを取得する(図2(c)のL203)。Bスキャンを行う走査線に対して垂直なY方向に所定量ずつシフトさせて都度M−Bスキャンを行うことにより、眼底ErにおけるOCT測定光の走査領域における3次元データ(ボリュームデータ)が得られる。
<SLOスキャンとトラッキング>
駆動制御部145は、共振スキャナ153およびガルバノスキャナ154を用いて、SLO測定光を被検眼118の眼底Er上に2次元走査する。なお、本実施形態では詳細な説明はしないが、眼底Erの動きを検出して、ガルバノスキャナ114のミラーを眼底Erの動きに追従させて走査させるトラッキング機能が付与されていてもよい。その場合、トラッキング方法については、一般的な技術を用いて行うことが可能であり、リアルタイムで行うこともポストプロセッシングで行うことも可能である。本実施形態では、SLO画像を用いたトラッキング方法が好適に用いられる。
具体的には、SLO部を用いて光軸に対して垂直な面内での眼底Erの2次元画像を経時的に取得し、画像中の血管分岐などの特徴箇所を抽出する。取得する2次元画像中の特徴箇所がどのように動いたかを眼底Erの移動量として算出し、算出した移動量をガルバノスキャナ114にフィードバックすることでトラッキングを行うことができる。
[画像処理]
次に、信号処理部144において実行される画像処理について説明する。信号処理部144は、ディテクタ141およびディテクタ142から出力された干渉信号に対して一般的な再構成処理を行うことで、各偏光成分に基づいた2つの断層像であるH偏光成分に対応する断層像とV偏光成分に対応する断層像を生成する。
これら断層像の生成に際しては、まず信号処理部144は、干渉信号から固定パターンノイズ除去の処理を行う。固定パターンノイズ除去の処理は、検出した複数のAスキャン信号を平均することで固定パターンノイズを抽出し、これを入力した干渉信号から減算することで行われる。次に、信号処理部144は、有限区間でフーリエ変換した場合にトレードオフの関係となる、深さ分解能とダイナミックレンジを最適化するために、窓関数処理を行う。本実施形態ではコサインテーパーによる窓関数処理を行う。その後、FFT処理を行う事によって断層信号を生成する。以上の処理を2つの偏光成分の干渉信号に対して行うことにより、2つの断層像が生成される。なお、窓関数処理の方法はコサインテーパーに限定されず、目的に合わせて任意に選択してよい。他の窓関数処理、例えばガウシアン窓関数、ハニング窓関数など、一般的に知られる窓関数処理が適用可能である。
<輝度画像(断層輝度画像)の生成>
信号処理部144は、前述した2つの断層信号から輝度画像を生成する。生成される輝度画像は従来のOCTにおいて生成される断層像と区別するために、以降では断層輝度画像と称する。断層輝度画像の画素値rは、ディテクタ141およびディテクタ142から得られるH偏光成分の干渉光の振幅AおよびV偏光成分の干渉光の振幅Aから式1によって計算される。
Figure 2018020024
生成された輝度断層像は、後述する被検眼網膜におけるセグメンテーション、或いはDOPU画像との重畳表示等のために用いられる。図3に視神経乳頭部とその近傍より得られた輝度断層像の例を示す。また、例えば図2(c)に示したように、ガルバノスキャナ114によって測定光をラスタースキャンしてもよい。これにより、被検眼118の眼底Erの一走査位置での断層像を構成し、さらに眼底上で副走査方向に異なる走査位置から複数の断層像を取得することで、輝度断層像のボリュームデータを生成しておくことができる。
次に本実施形態における偏光解消領域の検出に必要なテンポラルDOPU画像の生成に関する詳細な説明を行う。図4は、テンポラルDOPU画像を生成する際のデータ処理についての画像処理フローを示しており、以降の説明は当該フローチャートを参照して行う。
<テンポラルDOPU画像(偏光断層像)の生成>
(参照フレームの選択)
図4に示す処理フローのステップS401において、検者は取得した複数のBスキャン画像から、参照フレームを手動で選択する。選択されたフレームは、参照フレームとして信号処理部144に記憶される。参照フレームとしては、Bスキャン画像内での歪が小さく、適切な撮像範囲(XZ方向)が撮像されたものを選択する。なお、参照フレームの選択は、本実施形態に記載の手動選択に限らず、信号処理部144によって自動選択として行われてもよい。この場合、たとえば信号処理部144が歪検出のアルゴリズムを用いて、歪の最も小さいフレームを選択ればよい。或いは、パターンマッチングのアルゴリズムを用いて、注目部位が断層像のなかで所望の位置に存在するフレームを選択することとしてもよい。この場合、より具体的には、信号処理部144がBスキャン画像から視神経乳頭を抽出して、この抽出された視神経乳頭が断層像の中心付近に位置するフレームを選択することとなる。参照フレームの選択方法としては、さらに、信号処理部144がBスキャン画像からRPE層を抽出して、該RPE層が断層像の深さ方向に関して中心付近に位置するフレームを選択することとしてもよい。
(使用するフレームの選択)
次にステップS402において、信号処理部144は、取得した複数のBスキャン画像から、テンポラルDOPU計算に用いるN枚のフレームを選択する(参照フレームを含む)。具体的には、信号処理部144が各Bスキャン画像と参照フレームのBスキャン画像との相互相関を計算して、参照フレームと相関の高い(N−1)枚のフレームを選択する。信号処理部144は、選択された(N−1)枚のフレームおよび参照フレームのBスキャンデータを記憶し、残りの参照フレームとの相関の低いフレームのデータを除外する。
なお、相互相関の低いフレームのBスキャンデータをテンポラルDOPU計算に用いると、結果として得られるDOPU画像の空間分解能の低下を招く可能性がある。そのため、予め相互相関の下限閾値を設定し、下限閾値以上の相互相関を示すフレーム数が、テンポラルDOPU計算に必要な枚数に満たない場合、再度、M−Bスキャンを行う追加処理を行っても良い。
(Bスキャン画像間での位置合わせ)また、取得した各Bスキャン画像間でのXZ方向の位置ズレが大きい場合、相互相関の計算を行う前に、参照フレームに対する他の各フレームに対して、XZ平面内における位置合わせ処理を行っても良い。位置合わせ処理では、まず、信号処理部144が各Bスキャン画像を±X、±Z方向に1ピクセルずつシフトさせていき、各シフト位置における各Bスキャン画像と参照フレームのBスキャン画像との相互相関を計算する。次に、信号処理部144は相互相関が最も高くなったシフト位置(dX,dY)を記憶する。最後に、各Bスキャン画像を、相互相関が最も高くなったシフト位置(dX,dY)までシフトさせることによって、各Bスキャン画像のフレーム各々と参照フレームとの位置合わせを行うことができる。
(テンポラルDOPUの算出)
次に、ステップS403において、信号処理部144は、N枚のフレームのBスキャンデータを用いて、テンポラルDOPU画像を生成する。まず信号処理部144は、取得した各々の偏光成分の振幅A、Aとそれらの干渉光の間の位相差ΔΦから、N枚のフレームの断層像に含まれる画素毎にストークスベクトルSを計算する(式(2))。
Figure 2018020024
ただし、同式においてΔΦは、FFT処理によって生成される2つのBスキャンデータの位相ΦとΦを用いて、ΔΦ=Φ−Φとして計算される。
次に、N枚のフレームのBスキャン画像に対して、適切なサイズのウィンドウを設定する。各Bスキャン画像において、設定されたウィンドウに含まれる画素毎のストークスパラメータ(ストークスベクトルS)の各要素の値(Q、U、V)を強度Iで正規化した後、これら各々の値を1ウィンドウ内で加算平均する。さらに1Bスキャン画像の各ウィンドウ内において正規化・加算平均された値を、選択されたN枚のフレームにおいて各々対応するN個のウィンドウについて平均して(Q、U、V)を得る。言い換えると、Q、U、VはN×W×W個の画素におけるストークスベクトルSの正規化された要素Q/I、U/I、V/Iを平均した値である。ただし、Wは設定されたウィンドウの主走査方向のピクセル数、Wは設定たれたウィンドウの断層像の深さ方向のピクセル数である。
なお、適切なサイズのウィンドウとしてはXZ平面では最小分解能となるNx=1ピクセル、Nz=1ピクセルでもよいし、XZ平面内に処理幅を有するNx=2ピクセル、Nz=3ピクセルとしてもよい。しかし従来のDOPUのウィンドウがNx=8ピクセル、Nz=10ピクセル程度であるのでそれよりも小さい範囲であることが望ましい。
最後に、当該ウィンドウ内の偏光の均一性DOPU(Degree Of Polarization Uniformity)を計算する(式(3))。
Figure 2018020024
この処理をBスキャン画像内の全てのウィンドウに対して行い、得られた値を濃淡、色等により表示することで、図5に示す視神経乳頭部のテンポラルDOPU画像が生成される。
なお、DOPU画像生成に関しては、Bスキャン画像内に設定された全てのウィンドウに対して行うと、処理時間が無視できない場合がある。従って断層輝度画像を生成した際の各画素の画素値に所定の閾値を与えて、該閾値を超えない画素データに対してはDOPUの計算を行わないことで処理時間を短縮してもよい。このような処理を行うことにより、DOPUのランダムノイズに対するロバスト性を高めることができる。
DOPU(従来のDOPUおよびテンポラルDOPUを含む)値は偏光の均一性を表す数値であり、偏光が保たれている個所においては1に近い数値となり、偏光が解消された保たれない箇所においては1よりも小さい数値となる。上述したように、網膜内の構造においては、RPE層が測定光の偏光状態を解消する性質がある。このため、DOPU画像(従来のDOPU画像およびテンポラルDOPU画像を含む)においてRPE層に対応する部分は、他の領域に対してその値が小さくなる。
図5は、本実施形態における信号処理部144で生成されたDOPU画像の一例を示している。図5において、斜線の領域510がRPE層を示しており、クロスハッチングの領域520は偏光が保たれている網膜層領域を示している。このように、DOPU画像は、RPE層等の偏光を解消する層を画像化しているので、病気などによりRPE層が変形している場合においても、輝度の変化よりも確実にRPE層を画像化することができる。なお、DOPU画像も上述した輝度断層像等と同様に、測定光の各走査位置で得られたBスキャン画像各々に対応して得られる。従って、一走査位置より各々得られるこれらDOPU画像を副走査方向に並べ、DOPU画像のボリュームデータを生成することも可能である。
(第1の実施形態に係る処理フロー)
次に、本発明の第1の実施形態に係る画像生成から表示に至る処理フローについて、図6を用いて以下に説明する。本実施形態では、網膜層に存在する血管領域を求め、当該血管領域の存在に基づいてDOPU画像中の予め定められた範囲における信頼度を求め、該信頼度をDOPU画像に重畳表示している。
実際の処理フローでは、まずステップS100において、制御部143は駆動制御部145を動作させ、計測対象となる領域、たとえば図2(a)に示す走査位置L201において測定光を走査してテンポラルDOPU計測を行う。信号処理部144は、得られた干渉信号に基づいて、テンポラルDOPU画像(以下偏光断層像と記載)を生成、取得する。なお、原理的には、テンポラルDOPU計測を行う上で走査位置は図2(b)に示す走査位置L202とすることが好ましい。しかし、本実施形態では、被検眼の固視微動を利用して走査位置L201、つまり略同一箇所を時間的に繰り返し計測することで、実質的に副走査方向Yに取得位置をずらした複数のBスキャン画像を取得することとしている。
次に、ステップS110において、信号処理部144は、ステップS100で生成したテンポラルDOPU画像に基づいて偏光解消領域を検出する。具体的には、偏光断層像における各画素について、所定の閾値以下のものを抽出した結果を偏光解消領域として検出する。テンポラルDOPU画像は、0から1の間の画素値をとる画像データである。本実施形態では、偏光解消領域として描出する際のDOPU値の閾値を0.75とし、それよりも偏光解消性が高い領域、つまり反射、散乱による戻り光のDOPU値が低くなる領域(テンポラルDOPU値<0.75の領域)を抽出している。結果として、RPE層や硬性白斑といった偏光解消性の高い領域が描出される。なお、テンポラルDOPU値の閾値を0.75としたがこれに限定されるものではない。当該閾値は、検者が測定対象、測定の目的等に応じて任意に設定可能である。
次のステップS120において、信号処理部144は血管情報に基づいて偏光解消領域の信頼度を算出する。ステップS120の信頼度の算出方法、および血管情報の取得方法については後で詳述する。信頼度が算出されると、信号処理部144は、ステップS130において算出された偏光解消領域の信頼度を、偏光断層像と共に表示部146に表示させる。ステップS130の表示部146の表示形態についても後で詳述する。
次にステップS120における偏光解消領域の信頼度の算出方法について説明する。なお、信頼度の算出を行う前に後述する方法により血管情報は予め取得されており、この血管情報が信頼度算出の際に用いられる。図7(a)は、偏光断層像における網膜血管を含む層からRPE層までを示した図である。本実施形態において、偏光解消領域の信頼度はその上層に位置する血管情報に基づいて決定される。第1の実施形態では、血管情報の一つの例として着目領域における血管の占有率を用いた場合について説明する。
図7(a)において、例えばDOPU値を計算する範囲として、RPE層中に所定の着目領域Ri(Δxi×Δzi)を規定する。また、その際に該着目領域Riの上層に位置する血管A1の主走査方向の長さ(血管外径)をL1とする。また、該着目領域の主走査方向の長さΔxiの長さL1に対する比率を「当該着目領域における血管の占有率」と定義する。
ここで、本実施形態における着目領域Riについて図7(b)を用いてさらに説明する。着目領域Riは、対象とする偏光解消領域およびその上層に位置する血管に基づいて決定される。本実施形態では、着目領域Riの主走査方向(X方向)の長さΔxiは、検査対象とする網膜において予め抽出され、推定されている血管の主走査長さの最大値(例えば血管径200μm)に基づいて設定されている。なお、この値は、臨床的な統計から得られている患者の年齢、性別、人種等に応じたデータに基づいて決めることとしてもよい。
また、着目領域Riの深度方向の長さΔziは、対象となる偏光解消領域の厚さ(本実施形態ではRPE層の厚み相当)として、輝度断層像を用いたセグメンテーションの結果等に基づいて計算された深度方向の値(例えば30μm)が設定されている。なお、Δziの値として、RPE層の厚み相当として設定することが好ましいが、求められたRPE層の値をそのまま用いなくともよい。具体的には、偏光解消領域(RPE層)のセグメンテーション結果の上層ラインLuおよび下層ラインLdに対し、着目領域Riの上辺および下辺がこれらラインを超えない範囲で上述したΔxiとΔziを設定してもよい。或いは、これらラインLuおよびLdを参照して、着目領域Riの配置を決定してもよい。
なお、本実施形態では、予め求めた血管情報に基づいて、着目領域Riの大きさを決定することとし、決定された着目領域の大きさに基づいて以降の信頼度を求める等の処理を行っている。しかし、対象とする偏光解消領域の深度方向の厚さが薄い場合や血管径が細い場合には、着目領域の大きさを適宜変えてもよい。なお、着目領域RiのX方向の分解能については、画素ごとに計算してもよいし、Δxiごとに離散的に計算してもよい。また、以上に述べた着目領域Riの決定は、例えばOCT断層像、上述した輝度断層像、後述する血管情報等に基づいて信号処理部144が自動的に決定することとしている。しかし、例えば表示部146に表示されている画像やデータ等に基づいて、険者が手動で決定することとしてもよく、血管径のみを手動で入力して後は自動で設定する等、部分的に手動にて操作することとしてもよい。
次に、図8を用いてDOPUの計算結果が血管領域の下で周辺よりも低い値をとる傾向があることに関して、定性的な説明を行う。なお、DOPU値が低い値となる原因は、個々で詳述するように、血管の血流の影響によって測定光の光路が変調されるためと考えられる。図8は、図7(a)と同様の様式にてRPE層と血管A1とを含む断層像を模式的に示している。
図8に示すように、たとえば血管などで光路が変調されていない場合の測定光をW0とすると、上層に血管A1がある場合、測定光は血流や血管壁の影響を受けてW1のように変調される。原因の一例として、血流によって測定光の屈折状態が変化して、当該変化に伴って測定光が変調されることがあげられる。この場合測定光W0のときの偏光解消領域における多重散乱領域(図中B)単体での多重散乱特性と、測定光W1のときの合算された組織(領域Bと血管A1)における多重散乱特性とが異なってしまう。その結果、最終的に射出光の偏光状態が変化すると考えられる。また、当該理由の場合、血管が太くなるほど変調される度合いが大きくなると考えられる。このように、測定光の通過領域に血管が存在すると、時間的に変化する該血管内の血流の影響により、テンポラルDOPU計測時において時間的に測定光が変調される。このために、偏光状態を平均すると、見かけ上当該着目領域より得られるDOPU値は低くなると考えられる。
なお、上述したように、着目領域Riの主走査方向長さΔxiは、計測する領域に存在する血管の最大径に基づいて決定される。そのため、領域によっては着目領域Riの上層に複数の血管が存在している場合も想定される。本実施形態では、図9に示すように、着目領域Riの上層にこのような複数の血管(血管A1およびA2)が存在する場合は、その総和の比率を血管の占有率とする。すなわち、血管A1の走査方向の長さ(血管径)L1と血管A2の走査方向の長さ(血管径)L2の和のΔxiに対する割合を当該着目領域での血管の占有率とする。
図10は、本実施形態のテンポラルDOPU計測によって図2(a)のL201で示される走査位置で測定光を複数回走査することを意図して得られた断層面における偏光解消度(DOPU値)を計算した結果の一例を示した図である。すなわち、図10は、眼底Erにおける走査位置L201とその近傍より得た干渉信号から生成したテンポラルDOPU画像を示している。同図10では、対象とする偏光解消性の高い領域が図中の領域Fとして示されている。
ここで、着目領域Riには、XZ平面に各々設けた複数のウィンドウを含むため、これら各ウィンドウより得たDOPU値が含まれていると考えられる。従って、着目領域Ri内のウィンドウにて取得されているDOPU値の平均値を計算する。次に、対象とする偏光解消領域の着目領域における上述した血管の占有率を横軸とし、当該着目領域において求めた平均DOPUの値を縦軸とすると、図11のような関係が得られる。図11に示すように、血管の占有率が大きくなるほど、平均のDOPU値は小さくなる傾向が得られる。本実施形態では、図11に示す関係を用いて、着目領域の血管の占有率を血管情報のパラメータとして、それに基づいてDOPU値の信頼度を算出する。
具体的には、血管の占有率が0のときのDOPU値(D0)を基準として、周辺のDOPU値(D1)を基準値とし、該基準値と得られたDOPU値との比率を0%〜100%として設定する。当該比率を信頼度とする。なお、血管の占有率がゼロとは、着目領域Riは血管などのアーティファクトが存在しない場所であり、そのときのDOPU値は周辺のDOPU値(D1)に一致する。従って、血管の占有率が1の時、周辺のDOPU値に対する得られているDOPU値の信頼度は最大(100%)となる。すなわち、着目領域Riで血管に占める割合を変化させていく場合に偏光解消領域から得られる対応するDOPU値(偏光解消度)を、前記占有率がゼロの場合のDOPU値を基準として比率化することにより、信頼度を算出する。なお、図11に曲線で示される関係は実際に算出されたデータとは正確には一致していないが、このデータのばらつきは個体差の範囲内にあると考えられる。すなわち、このようなばらつきを想定し、予め複数の被検眼で図11に示す関係を得るためのデータを取得しておき、血管占有率と信頼度との関係を統計的に求めておくことが望ましい。また、その結果は、血管情報のパラメータに対するDOPUの信頼度として信号処理部144にテーブルとして記憶しておくことが望ましい。図11の関係を用いて、血管の占有率Siに応じたDOPU値の信頼度Tiを適宜算出する。この算出結果は、後述する様式により、制御部143が表示部146の表示画面に表示させる。
(血管領域の検出方法)
なお、上述した処理フローでは、ステップS120における偏光解消領域の信頼度を血管情報に基づいて算出している。この、血管情報の取得方法については、いくつかの方法が考えられる。ここでは、本実施形態に適用可能な血管情報の取得方法に関して詳述する。
まず、当該テンポラルDOPU計測のために取得された複数のBスキャン画像を平均して得た断層像を用いて血管を抽出する方法がある。なお、一枚のBスキャン画像でもノイズ成分が抑えられていれば適用することもできる。OCT画像において、断層像の取得領域に血管が存在した場合、光の吸収物質である血管よりも深度方向の深い位置では信号が減衰するため、偽像(シャドー)が発生することがある。この現象を考慮することにより、血管領域の検出ができる。
具体的には、まず、Aスキャンの深度方向に見て、輝度値が低い画素から高い画素へのコントラストを強調するSobelフィルタによる処理を平均化した断層像に対して行う。当該処理を施した変換後の画像を、Sobel画像とする。得られたSobel画像における例えば輝度プロファイルを深度方向に見て、閾値以上の極大点を数える。通常は網膜中の各層間で輝度等の極大が生じることから、複数の極大点が見つけられる。この極大点が1つ以下の場合は、血管の存在によって該血管よりも深い位置の各層が隠されたシャドーが生じていると考えられ、そのAスキャン位置には血管が存在すると判定できる。この処理をBスキャン画像(全Aスキャン)でおこない血管構造を抽出する。
別の血管領域検出方法としては、テンポラルDOPU計測で得られた複数のBスキャン画像を利用して、OCTアンギオグラフィー(OCTA)の技術を用いる方法が考えられる。検出したい血管領域は、略同一位置を測定光で複数回走査することで得られた複数の断層像間におけるデータの変化に基づいて算出される。例えば、位置合わせされた、時間間隔を空けて取得された複数の断層像の信号強度(輝度)の分散を算出する。より具体的には、異なる時間にて取得され、位置合わせされた複数の断層像の対応する各位置における信号強度の分散を算出する。
所定時刻の血管に相当する像の信号強度と、所定時刻とは異なる時刻の当該血管に相当する像の信号強度とは、血流により変化する。このため、血管に相当する部分の分散値は、血流等の流れがない部分の分散値に比べて大きな値となる。従って、この分散値に基づいて画像を生成することで、血管に相当する領域を表現することが可能である。なお、このような画像を生成するための特徴量は分散値に限定されるものではなく、標準偏差、差分、非相関値および相関値の何れであってもよい。OCTAは、上述した断層像における血管領域と周辺領域とのコントラストが低く、シャドーを用いた血管領域の検出方法では精度が悪いときに効果がある。
さらに、血管の抽出方法の別の例として、EnFace画像を用いた方法も考えられる。EnFace画像とは、複数のBスキャン画像より得られた3次元のボリュームデータについて、これらの深度方向の所定範囲のデータを深度方向(Z方向)に積算した投影画像をいう。このような投影画像上において、血管はシャドーの影響により周辺より輝度値の低い線状構造として現れる。そこで、線状構造を強調するフィルタを用いてEnFace画像中の血管構造を抽出する。得られた血管構造を元のBスキャン画像に展開することにより、Bスキャン画像中での血管を抽出することができる。
以上、本実施形態において適用可能な3種類の血管領域(血管情報)の検出方法について説明した。これら方法は、テンポラルDOPU計測のために取得されるBスキャン画像を用いるため、他の構成の付加や計測そのものに要する時間の延長を伴わないことから本実施形態において好適に用いられる。しかし、血管情報を取得する方法はこれらに限定されず、他の方法を適用することも可能である。以上に述べたように、本実施形態において、血管情報は、偏光断層像の着目領域の所定の方向の長さ(主走査方向)に対して、偏光断層像の深さ方向において着目領域Riの上層に位置する血管が所定の方向において占める割合に基づく情報となる。また、着目領域Riの所定方向の長さΔxiは、被検眼118における偏光断層像の取得領域に含まれて、所定方向において最も大きな占有範囲を有する血管に基づいて決定される。
(断層像と指標の表示方法)
次に、ステップS130において、表示部146により表示されるテンポラルDOPU画像に信頼性を重畳した表示形態について説明する。図12は、表示部146による表示例であって、眼底Erの断層輝度画像にテンポラルDOPU計測により生成した偏光解消領域を重ね、さらに信頼度を重畳した例を模式的に示した図である。
図12(a)は、偏光解消領域の信頼度の表示のX方向の分解能が、着目領域RiのX方向の長さΔxiと一致している例であり、Δxiごとに信頼度を計算してその結果を数値として表示する例を示している。偏光解消領域に対してはΔxiごとに境界線が引かれ、当該境界線の間において求められた信頼度が数値として表示されている。
しかし、信頼度等の重畳表示の形態としては、図12(a)に示す様式に限らない。例えば、図12(b)に示すように特定の信頼度の範囲(たとえば25%以下の低い領域)を、周囲の偏光解消領域とは色分けし、該範囲の信頼度がわかるように表示してもよい。また、図12(c)に示すように、信頼度の数値に応じてラベル分けを行い、境界線によって分割されている偏光解消領域の各領域とこれらラベルとの対応が一見してわかる表示形態としてもよい。すなわち、表示部146は、信頼度を示す指標の値に応じて偏光解消領域に付記する数値又はラベル、および該指標の値に応じた色又は濃淡の偏光解消領域への重畳、の少なくとも何れかを実行する。なお、指標の値の表示様式はここで述べた様式が好適であり、ラベルはその態様として例えば文字列、記号、ハッチング等を含む。しかし、偏光解消領域においた境界線にて区別される各領域の信頼度が容易に把握できる表示形態が、信号処理部144によって表示部146で表示されればこれら様式に限定はされない。
図12では、表示部146が本発明の信頼度を離散的に表示する例について説明した。しかし、本実施形態における信頼度の算出および表示形態は図12に示す例に限られない。例えば、偏光解消領域の信頼度は、X方向の画素ごと(1ピクセルごと)に計算することもできる。なお、このようにX方向の分解能が最小(1ピクセル)の場合には、図12に示す例のように、数値やラベルを画面表示すると画面表示が煩雑になり、かえって険者も信頼度の把握が難しくなる。そこで、この様な場合、図13(a)に示すように、数値に応じて色、或いは濃淡を変化させて表示する等し、偏光解消領域(セグメンテーション結果)にこの色分け或いは濃淡を重畳表示することとしてもよい。
また、表示部146は、偏光解消領域のすべての信頼度を色分け表示するのでなく、特定の信頼度だけを抜き出して表示してもよい。たとえば、図13(b)に示す領域E1或いはE2に示すような、特に信頼度の低い領域(0%〜25%まで)を抜き出して表示をしてもよい。なお、図13(a)或いは13(b)の表示において、信頼度の算出に用いた着目領域RiのX方向の長さΔxiも、図13(a)に示すように信頼度の表示と併せて表示されることが好ましい。このようなデータも併せて表示することにより、険者はテンポラルDOPU画像に対してより多くの読影のための情報を得ることができる。
なお、上述した実施形態では、被検眼118の略同一箇所を時間的に変化させて取得した複数の断層情報を用いる高空間分解能なテンポラルDOPUの適用例について説明した。具体的には、同一位置でのBスキャンを意図していながら、固視微動等により走査位置が時間的に変化する状態で取得した断層情報、すなわち被検体における同一の走査位置を意図して時間的に変化させて複数の断層情報を取得する場合について説明した。しかし、本実施形態これに限らず従来のDOPUに対しても適用が可能である。すなわち、通常のボリュームスキャンで取得されるBスキャン断層像(XZ断層像)1枚の中で設定した空間的な処理ウインドウ(Nx×Nz)から計算されたDOPU値に対しても、同様の信頼度を計算してDOPU画像に重ねて表示してもよい。
このような従来のDOPU計測では、例えば、各Bスキャン画像において概ね計測光の主走査方向にNx=70μm、深度方向にNz=18μm程度の大きさのウィンドウを設定する。次に、各ウィンドウ内において式2で画素毎に計算されたストークスベクトルの各要素を平均し、当該ウィンドウ内のDOPU値を式3により計算する。次に、主走査方向Nx=70μmを着目領域Riにおける主走査方向長さΔxiとして、その着目領域における血管の占有率をそれぞれ求める。その後、上述した実施形態と同様の方法により偏光解消領域の信頼度を算出し、DOPU画像を重ねた輝度断層像に該信頼度をさらに重畳して表示部146に表示させることとなる。
以上述べたように、本実施形態に係る画像処理装置は、取得手段、検出手段、算出手段、および表示制御手段を有する。取得手段は、被検眼118の偏光断層像を取得する構成であり、本実施形態では偏光OCT装置100および信号処理部144を含む。しかし、被検眼118から偏光断層像を取得する場合のみでなく、例えば不図示の記憶手段に記憶された過去のデータに基づいて偏光断層像を取得する構成であってもよい。検出手段は信号処理部144の一モジュールにより構成され、テンポラルDOPU画像等の偏光断層像から偏光解消領域(RPE層等)を検出する。算出手段は信号処理部144の一モジュールおよび該信号処理部144に付随する記憶手段より構成され、例えば図11に示した関係を示すテーブル等を用い、被検眼118の血管情報に基づいて偏光解消領域の信頼度を示す図12に示した指標を算出する。撮像装置である偏光OCT装置100は、測定光を照射した被検眼118からの戻り光と測定光に対応する参照光とを合波して得た合波光を分割して得た互いに異なる偏光の光を検出する偏光検出手段としてディテクタ141およびディテクタ142を有する。該偏光OCT装置100は、信号処理部144或いはこれを含む制御部143と通信可能に接続される。偏光断層情報は、これら偏光検出手段により検出された互いに異なる偏光の光に基づいて取得される。
また、上述した実施形態では、偏光OCT装置等から取得した断層像に基づいて偏光解消領域の検出を行うこととしている。しかし、画像としてデータを取得するのみならず、断層情報として画像として生成する前のデータを用いて上述した種々の処理を実行することとしてもよい。なお、本明細書において断層像とは、Bスキャンによって取得した2次元の断層像をいう。また、偏光断層情報とは、各画素の画素値として偏光パラメータを用いた偏光断層像を形成する偏光パラメータの情報のことをいい、該偏光断層像は偏光断層情報に含まれる。また、輝度断層情報とは、各画素の画素値として輝度を用いた輝度断層像を形成する輝度の情報のことをいい、該輝度断層像は輝度断層情報に含まれる。
また、信号処理部144は、本実施形態における表示制御手段として、上述したように信頼度を示す指標を偏光解消領域と対応させ、この対応関係を付記した状態で被検眼118の断層像を表示手段である表示部146に表示させる。その際、険者が診断精度の高い読影を行うために、断層像には画像化された偏光解消領域が含まれるように重畳されていることが好ましく、さらに上述した実施形態のごとく信頼度を示す指標も該断層像に重畳表示されることが好ましい。しかし、該指標と偏光解消領域との対応関係は、断層像と共に険者が把握可能であれば、上述した表示様式によらず、表示部146に表示される他の表示様式であってもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、血管情報に基づく信頼度の算出方法に関して、断層像を用いる第2の実施形態について説明する。本実施形態では、特定層の輝度と当該特定層における血管領域に対応する部分の輝度とのコントラストに基づいて、信頼度を求める。より詳細には、本実施形態では、網膜血管の下にある断層像には上述したシャドーとよばれる血管に起因する輝度の低い領域が存在することから、その輝度の低い領域の輝度情報を利用する。
図14(a)には、あらかじめ、網膜の断層像に対してRPE層等の偏光解消領域として抽出する特定層を検出しておき、当該特定層における輝度値を深度方向に積算した結果の一例を示す。図14(a)には、大小二つの血管A1および血管A2に対応する領域を各々A1およびA2として図示している。なお、同図において、血管A1は着目領域R1に含まれ、血管A2は着目領域R2に含まれる。また、主走査方向における着目領域Riの長さは、第1の実施形態と同様の方法により定められたΔxiとする。図14(b)は、図14(a)に示す特定層の領域についての主走査方向における輝度の分布と、着目領域Riにおける平均輝度を示している。図14(b)において、血管A1が含まれる着目領域R1の平均輝度Iave(R1)よりも、血管A2が含まれる着目領域R2の平均輝度Iave(R2)のほうが低くなっている。同図14(b)によれば、血管A1と血管A2とでは輝度の最小値は同程度であるが、血管の主走査方向の幅が異なるために、DOPU値に与える影響が異なると考えられる。
なお、第2の実施形態では、特定層の代表輝度(平均輝度)をI0として、ぞれぞれの着目領域における平均輝度をIaveとおいて、式4に示すようなコントラスト値を定義する。
Figure 2018020024
ここで、着目領域におけるコントラスト値とDOPU値の関係は、図15に示すような関係がある。すなわち、コントラスト値が大きいほど、求められたDOPU値と周辺のDOPU値との差異が大きくなり、求められたDOUP値の信頼度が低下していることがわかる。
本実施形態では、血管の影響により着目領域のコントラストが0のときのDOPU値(D0)を基準として周辺のDOPU値(D1)を基準値とし、該基準値と得られたDOPU値をとの比率を0%〜100%と設定する。本実施形態では当該比率を信頼度とする。コントラストがゼロに近いとは、血管などのアーティファクトが存在せず、着目領域の平均輝度Iaveが特定層の代表輝度I0に近いことを意味する。なお、第1の実施形態で用いた図11に示したデータと同様、図15に示したコントラストと信頼度との関係には、個体の差に起因するばらつきが含まれていると考えられる。従って、このようなばらつきを想定し、予め複数の被検眼で図15に示す関係を得るためのデータを取得しておき、コントラスト値と信頼度との関係を統計的に求めておくことが望ましい。本実施形態では、図15に示す関係を用いて、着目領域のコントラストCiを血管情報のパラメータとして、それに基づいてDOPU値の信頼度を算出する。
第2の実施形態と上述した第1の実施形態との違いは、着目領域における幾何学的な血管の占有率に対して、同じ占有率でも血管と血管でない領域とのコントラストを用いることにある。例えば上述したOCTAにより血管情報を取得する場合、実際には血管の外径ではなく血流の存在から推定する血管の内径が把握される。すなわち、幾何学的に血管の占有状態を把握しようとする場合、血管の外径をどの程度正確に把握できているかということに留意する必要が生じる。これに対し、このようなコントラストは、実際に戻り光に反映される情報をそのまま輝度情報として把握して得ているだけであって、元となるデータはDOPU値の場合と同じである。すなわち、該コントラストのほうが、幾何学的な血管の占有率よりもより当該血管の影響を直接的に反映しやすいと考えられる。
従って、本実施形態では、断層像における強度のコントラストの影響を考慮することによって、偏光解消特性の信頼性がより正確に把握できるという効果が期待できる。また、本実施形態の場合、図15の関係を求めておけば、特定層の輝度値が得られれば信頼度を求められる。よって、血管のセグメンテーションをする必要がなく、特定層の検出によって信頼度を計算することができるという効果も得られる。なお、本実施形態では図15に例示したコントラスト値とDOPU値の関係から信頼度を計算したが、本実施形態で信頼度の算出に用いる際に当該関係を作成せずに、コントラスト値をそのまま信頼度として用いてもよい。すなわち、本実施形態における血管情報は、被検眼118の断層像のコントラストに基づく情報となる。より詳細には、該血管情報は、断層像に複数設けられる着目領域の各々におけるコントラストの平均値に基づいて決定される情報となる。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態について説明する。該第3の実施形態では、被検眼の病変部を特定し、特定された病変部に対して信頼度を重ねて表示部146に表示させる。なお、偏光解消領域の例であるRPE層に関しての病変としては、加齢黄斑変性(AMD)が例示される。ここで、該AMDの前駆病変であるドルーゼンは、その大きさが500μm〜1mm程度といわれている。上述した実施形態において、着目領域Riの主走査方向長さΔxiの分解能は、200μmであって、AMD等の病変部の大きさよりも小さい。本実施形態では、このことを利用して、病変部であるドルーゼンと推定できる部分を特定してこれを表示部146に表示し、その際に信頼度も併せて表示する。
ここで、被検眼のドルーゼン病変部の特定方法について以下に述べる。図16はドルーゼン病変部の特定方法を説明する図であり、図16(a)はドルーゼン病変部の断面構造を模式的に示した図である。該ドルーゼン病変部は、周辺よりも偏光解消領域の形状が網膜表面に向かって凸となるドーム型をしている場合がある。その場合、ドーム型のテンプレートとのテンプレートマッチングを行うことで、図13(b)に示すようなマッチング度が算出できる。この算出されたマッチング度と所定の閾値とを比較し、該所定の閾値を超える部分である領域K1および領域K2をドルーゼン病変部であると特定する。
また、ドルーゼン病変部は、RPE層と同様の偏光解消特性を有する場合が多い。この偏光解消特性によっては、偏光解消領域の深度方向の情報を利用して該ドルーゼン病変部を特定してすることもできる。より詳細には、ドルーゼン病変部の石灰化が進行すると、偏光解消領域(例:PRE層)の検出結果が図17(a)のように深度方向(Z方向)に厚さを持つ。このことを利用して、たとえば、図17(b)のように偏光解消領域(RPE層)の下層のライン(Ld)と上層のライン(Lu)との差分を計算してドルーゼン病変部を求めてもよい。すなわち、偏光解消領域の厚さが所定の閾値を超える部分である領域K3および領域K4を、ドルーゼン病変部が存在する部位であると特定する。
次に、第3の実施形態の処理フローについて図18を用いて説明する。また、図19は、第3の実施形態において表示部146に表示される表示形態の一例を示している。なお、本実施形態における処理フローは、図6に示した第1の実施形態の処理フローに対して、偏光断層像を取得するステップS100の操作が、ステップS301〜S303に示すように段階的に実行される点で異なる。
実際の処理では、まずステップS301において、制御部143は偏光OCT装置100により通常のボリュームスキャンを行う。通常のボリュームスキャンとは、図2(c)に示す複数の走査位置にてBスキャンを行う方式において、M−Bスキャンではなく各走査位置でのBスキャンを一回とする走査様式をいう。すなわち、眼底Er上の副走査方向の異なる位置からボリュームデータを取得するようにBスキャンを実行することを、ここではボリュームスキャンと称する。
ステップS301ではさらに、該ボリュームスキャンにより得られた複数のBスキャン画像の3次元のボリュームデータよりEnFace画像を生成する。上述したように、EnFace画像とは、特定の深度範囲のボリュームデータをそれぞれ深度方向に積算したものを副走査方向に並べて得られる正面画像をいう。図19(a)は、生成された正面画像の一例を示す。
次に、信号処理部144は、取得したBスキャン画像のデータより、従来のDOPU値の計算で用いる空間的な処理ウィンドウを用いてDOPU値を計算し、偏光解消領域(RPE層)の検出を行う。偏光解消領域の検出には、図17で説明した手法を用いる。すなわち、一枚のBスキャン画像から偏光解消領域の厚さ情報を取得し、個々のBスキャン画像から得た厚さ情報を副走査方向に並べて偏光解消領域の厚さマップを生成する。次に生成された厚さマップから、所定の閾値を超える厚さを有する部分をドルーゼン病変部として抽出する。表示部146は、図19(a)に示すように通常のボリュームスキャンにおける正面画像と、抽出されたドルーゼン病変部を重ねて表示している。
次のステップS302において、信号処理部144はテンポラルDOPU画像を用いて詳細に(高分解能に)計測したい領域を設定する。具体的には、図19(a)の正面画像に示すように、抽出されたドルーゼン病変部の内の大きな病変部を複数横切るラインA−A’を詳細に計測する領域とする。当該設定は、表示画面を参照して手動で行うことが可能であるが、例えばライン内に含まれるドルーゼン病変部を横切る部分の長さが最大になる等の条件を設け、自動で設定することとしてもよい。次のステップS303において、信号処理部144は詳細な計測領域A−A’において、テンポラルDOPU計測を行い、偏光断層像を取得する。
その後S310の偏光解消領域の検出からS330の画面表示まで、第1の実施形態のS110〜S130と同様の処理を行えばよい。本実施形態によれば、計測領域を決定する際に用いるEnFace画像の生成およびドルーゼン病変部の抽出を、通常のボリュームスキャンで得た干渉信号に基づいて行っている。このため、ドルーゼン病変部の抽出の操作に時間を要したとしても、ステップS301の操作自体に要する時間をM−Bスキャンを行った場合に対して短縮する効果が得られる。
図19(b)は、ラインA−A’におけるBスキャンより得られた通常の断層像に対し、テンポラルDOPU画像から検出した偏光解消領域を重ねて表示した図である。図19(b)において、表示部146は、ドルーゼン病変部の領域での信頼度を計算して領域ごとにラベル表示をしている。具体的には、ラインA−A’において、高分解能なテンポラルDOPUを実施し、図17のようにドルーゼン病変部を検出した領域K3および領域K4の範囲内で着目領域Riを設定する。そして、該着目領域から得た信頼度の平均値を当該病変部位における信頼度として表示する。
なお、本実施形態は、図19(b)に示す表示形態に限定されない。具体的には、抽出された病変候補の領域ごとに数値表示するのではなく、図20(a)に示すように信頼度に応じて各病変候補に対して各々ラベル表示をしてもよい。また、図20(b)に示すように、信頼度に応じて、各病変候補を各々異なる色に色分けする或いは濃淡を変える等して表示部146bに表示させてもよい。また、偏光解消領域の眼底Er上での取得部はラインA−A’にて表示することとしているが、該取得部を矢印や例えば枠で囲まれた領域で示す等、表示様式は当該様式以外であってもよい。
上述したように、本実施形態は、第1および第2の実施形態に対して被検眼118の病変部を特定、抽出し、検出する病変部検出手段を有すること、および表示部146に対して病変部をマップ表示等した正面画像を表示することにおいて異なる。該検出手段は、信号処理部144における一モジュールにより構成される。また、上述したように、第1および第2の実施形態で述べた表示制御手段は、画像化された検出された病変部を含む断層像において、該病変部に信頼性を示す指標を重畳させて表示部146に表示させる。また、該表示制御手段は、断層像と共にEnFace画像等の眼底Erの正面画像を表示部146に表示させると共に、該表示部146に、該正面画像に画像化された偏光解消領域を含む断層像の取得位置を示すライン等を表示させる。
〔その他の実施形態〕
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形、変更を行って実施することができる。例えば、本実施形態は、被検体が眼、特に眼底の場合について述べているが、眼以外の皮膚や臓器等の被検体に本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は眼科装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は眼科装置に例示される撮像装置として把握され、被検眼は被検体の一態様として把握されることが望ましい。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記録媒体(記憶媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、撮像装置、webアプリケーション等)から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、開示の技術の目的は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給することによっても実現できる。ここで、実施形態の機能は、例えば、上述した各部の処理を各工程に対応させたフローチャートにより示される処理に当たる。またプログラムコードはコンピュータプログラムとして、記録媒体は記憶媒体としても把握できる。なお、当該記憶媒体は、コンピュータにて読み取り可能な記憶媒体であることが好ましい。そして、この場合、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することにより上述した実施形態の機能が実現される。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。また、本発明は、実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
被検眼:118
ディテクタ:141、142
制御部:143
画像生成部:144
駆動制御部:145
表示部:146
偏光OCT装置100

Claims (18)

  1. 被検体の偏光解消領域を検出する検出手段と、
    前記被検体の血管情報に基づいて前記偏光解消領域の信頼度を算出する算出手段と、
    前記被検体の断層像と共に、前記信頼度を前記偏光解消領域に対応させて表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記断層像は、画像化された前記検出された偏光解消領域を含み、
    前記表示制御手段は、前記信頼度を前記断層像に重畳させて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 測定光を照射した前記被検体からの戻り光と前記測定光に対応する参照光とを合波して得た合波光を分割して得た互いに異なる偏光の光を検出する偏光検出手段を有する撮像装置と通信可能に接続され、
    前記検出手段は、前記検出された互いに異なる偏光の光に基づいて取得された偏光断層情報から前記偏光解消領域を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記検出手段は、前記被検体における同一の走査位置を前記測定光が繰り返して走査されることにより取得された複数の断層情報に基づく前記偏光断層情報から前記偏光解消領域を検出することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記血管情報は、前記偏光解消領域に定められる着目領域の所定の方向の長さに対して、前記偏光解消領域の深さ方向において前記着目領域の上層に位置する血管が前記所定の方向において占める割合に基づく情報であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記着目領域の前記所定の方向の長さは、前記被検体における前記偏光解消領域の取得領域に含まれて、前記所定の方向において最も大きな占有範囲を有する血管に基づいて決定されることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記算出手段は、前記着目領域から得られる偏光解消度に基づいて前記信頼度を算出することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理装置。
  8. 前記算出手段は、前記血管が前記所定の方向において前記着目領域に占める割合を変化させていく場合に前記偏光解消領域から得られる対応する前記偏光解消度を、前記占める割合がゼロの場合の前記偏光解消度を基準として比率化することにより、前記信頼度を算出することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記血管情報は、前記被検体の前記断層像のコントラストに基づく情報であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置。
  10. 前記血管情報は、前記断層像に複数設けられる着目領域の各々におけるコントラストの平均値に基づく情報であることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記算出手段は、前記偏光解消領域における前記着目領域に対応する前記断層像の領域の前記コントラストの平均値と、前記断層像における特定の領域のコントラストとに基づいて前記信頼度を算出することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記被検体の病変部を検出する病変部検出手段をさらに備え、
    前記表示制御手段は、画像化された前記検出された病変部を含む断層像において、前記病変部に前記信頼度を重畳させて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の画像処理装置。
  13. 前記表示制御手段は、前記断層像と共に前記被検体の正面画像を前記表示手段に表示させると共に、前記正面画像に前記偏光解消領域を含む断層像の取得位置を示す表示を行わせることを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記表示制御手段は、前記算出された信頼度に対応する数値、ならびに前記数値に対応する文字列、記号、ハッチング、および前記数値に応じて変化させた色又は濃淡、の少なくとも何れかを前記偏光解消領域に重畳させて、前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の画像処理装置。
  15. 前記断層像は、前記偏光解消領域に基づいて生成される偏光断層像であることを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載の画像処理装置。
  16. 前記断層像は断層輝度画像であって、
    前記表示制御手段は、前記偏光解消領域を前記断層輝度画像に重畳して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至15の何れか一項に記載の画像処理装置。
  17. 被検体の偏光解消領域を検出する工程と、
    前記被検体の血管情報に基づいて前記偏光解消領域の信頼度を算出する工程と、
    前記被検体の断層像と共に、前記信頼度を前記偏光解消領域に対応させて表示手段に表示させる工程と、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  18. 請求項17に記載の画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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