JP2018019602A - 牛、豚、馬、鹿、鯨、鶏等の食用動物の肉質改善方法 - Google Patents

牛、豚、馬、鹿、鯨、鶏等の食用動物の肉質改善方法 Download PDF

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浅井 史敏
Fumitoshi Asai
史敏 浅井
杉田 和俊
Kazutoshi Sugita
和俊 杉田
純雄 後藤
Sumio Goto
純雄 後藤
敬彦 高木
Norihiko Takagi
敬彦 高木
明志 白井
Mitsuyuki Shirai
明志 白井
憲己 岡田
Noriki Okada
憲己 岡田
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Abstract

【課題】食用動物の肉質の改善と、うま味の改善、又はインドールの改善が図れる、牛、豚、馬、鹿、鯨、鶏等の食用動物の肉質改善方法を提供する。【解決手段】食用動物に、食用珪素を含む水溶性溶液を、飲料水として摂取する処方により、食用動物の体内の有害物質の排泄を図り、肉質中の遊離アミノ酸の含有量の増量と、食用動物の尿糞のインドール含有量の低下と、を図る。水溶性溶液を添加した飲料水の提供は、全ての食用動物が、違和感なく摂取でき、かつ肉質改善(肉質の向上)、排尿糞中のインドール濃度抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、食用動物への食用珪素を含む水溶性溶液の投与(給与)で、肉質の改善と、うま味の改善、又はインドールの改善が図れる牛、豚、馬、鹿、鯨、鶏等の食用動物の肉質改善方法に関する。
従来、食用動物の肉質の向上、例えば、遊離アミノ酸の含有量の増量を意図する発明として、特開2009−225752号公報(文献1.)に記載された「食肉中の遊離グルタミン酸の増加方法」が挙げられる。開示されている内容は、家畜又は家禽に、バリンの含有量が1.2質量%以上であってイソロイシンの含有量が0.8質量%以下である飼料を、屠殺前10日以内から屠殺時まで継続的に給与する。そして、飼料中バリン量と食肉中の筋肉遊離グルタミン酸濃度との関係を示す実験等を図表で説明している。例えば、飼料は、屠殺前3日以内から給与するのがより好ましい。また、筋肉のグルタミン酸の合成、分解にはαケトグルタル酸を基質とするグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(Glutamate dehydrogenase、 GDH)が関与する。このGDH活性は、バリン含量が増加するに従って増加した(例えば、図3に示している)。食肉の食味について:官能試験の結果では、旨味(うま味)とコクが強く、しかも酸味が弱くなり、総合評価が有意に優れると記載されている。また、同様な発明として、特開2001−078679号公報(文献2.)に記載された「肉鶏用飼料、及びその給与方法」が挙げられる。開示されている内容は、生きた肉鶏のムネ肉等の食味を向上させる発明であって、タンパク質分解酵素であるSHプロテアーゼ資材を配合した肉鶏用飼料を肉鶏に給与すると、酵素の作用で遊離アミノ酸が増え、従来のムネ肉等より旨味の多い肉が得られる。方法と処理は、飼料中において、パイナップル粕を摂取させるが、その量は、1〜10%とし、かつ飼料は生後25日令以降屠殺までの肉鶏に給与する。これによって、従来の生後25日前の幼鶏ではムネ肉等の発達が不十分であったが、このように成熟した時期にパイナップル粕等を配合する成長が早く、しかもコスト面でも有利性がある。処理としては、皮を除いた肉部分について遊離アミノ酸を対照区のムネ肉、試験区のムネ肉で分析比較すると、明らかに試験区の遊離アミノ酸値すべてが対照区の値を約2〜3倍上回っており、多くの遊離アミノ酸が生きた肉鶏の体内で生じ、食味の向上したムネ肉を生産できると開示されている。
以上の文献は、何れも、飼料投与による体内の肉質改善(食味改善)に関する開示であり、飲水の摂取に関するものでは無い。
一方、排尿、又は排糞中の悪臭成分となるインドール濃度を通常時に維持し、尿糞のインドール濃度の抑制に関する発明としては、特開2006−246824号公報(文献3.)に記載された「養鶏飼料」が挙げられる。開示されている内容は、稲藁,牧草等の従来の養鶏飼料に、少なくとも、さとうきびの茎の粉砕片を加えることで、さとうきびの粉砕片に含まれる繊維質が,鶏糞のべたつきを抑え,乾燥した悪臭のない排泄物を作れる。また、鶏肉の脂肪分がきわめて少なくなり,鶏肉は赤身を帯びて,100%鶏肉のハムやソーセージを製造することができ、しかも優れた品質を確保できると開示されている。
特開2009−225752号公報 特開2001−078679号公報 特開2006−246824号公報
文献1.・2.に開示されている、食用動物の肉質の向上(肉質改善)は、飼料への添加物を付与して、目的達成を意図する。従って、全ての食用動物が、違和感なく摂取するとは期待できないと考えられる。
これに鑑み、本発明では、全ての食用動物が、違和感なく摂取できる食用珪素を含む水溶性溶液(水溶性珪素)を飲水に添加して、所期の目的達成を意図する。
また、文献3.に開示されている、排尿、又は排糞中の悪臭成分となるインドール濃度の抑制は、飼料への添加物を付与して、目的達成を意図する。従って、全ての食用動物が、違和感なく摂取するとは期待できないと考えられる。
これに鑑み、本発明では、全ての食用動物が、違和感なく摂取できる食用珪素を含む水溶性溶液(水溶性珪素)を飲水に添加して、確実に摂取できる手段により、所期の目的達成を意図する。
即ち、本発明では、全ての食用動物、好ましくは、鶏とかヒトを含む哺乳類全般であって、これらの対象食用動物が、違和感なく摂取できる食用珪素を含む水溶性溶液(水溶性珪素)を飲水に添加して、ブロイラーの肉質改善と、排尿、又は排糞中の悪臭成分となるインドール濃度を通常時に維持し、尿糞のインドール濃度の抑制という、所期の目的達成を意図する。
そして、本発明の肉質改善方法によれば、食用動物の肉質中の遊離アミノ酸の含有量の増量と、併せて食用動物の尿糞のインドール含有量の低下が図られ、更に従来から知られている水溶性ケイ素特有の効果である体内の有害物質の排泄を促す作用が発揮され、食用動物の有効な肉質改善が実現可能となった。具体的には下記の「発明の効果」に繋がる。
請求項1の発明は、食用動物に、食用珪素を含む水溶性溶液を含有する飲水(飲料水として)の投与による肉質改善方法であって、
食用動物に、飲水の投与を行い、投与を継続的に行うことで、
食用動物の体内中にある有害物質の排泄と、
食用動物の肉質内に、甘みおよびうま味を与える遊離アミノ酸の含有量の増加と、
食用動物の尿糞のインドール含有量の低下と、を図る構成とした肉質改善方法であり、食用動物が、食用珪素を含む水溶性溶液(健康維持飲料、即ち、umo「登録商標」を含有した飲料)を飲水として摂取する処方により、食用動物の体内の有害物質の排泄を図りつつ、食用動物の肉質中の甘みおよびうま味を呈する遊離アミノ酸の含有量の増加と、併せて食用動物の尿糞のインドール含有量の低下が図れる特徴がある。即ち、食用珪素を含む水溶性溶液を添加した飲水の提供は、全ての食用動物が、違和感なく摂取できることと、この種の食用動物の肉質の向上(肉質改善)が図れる特徴があり、しかも排尿、又は排糞中の悪臭成分となるインドール濃度を通常時に維持し、尿糞のインドール濃度の抑制できる特徴と、を有する。
請求項2の発明は、体内中の肉質内に、甘みおよびうま味を与える遊離アミノ酸の含有量の増加が図れるブロイラーの提供と、
尿糞のインドール含有量の低下と、
食用動物の排尿、又は排糞中の悪臭の抑制と、を図る構成とした肉質改善方法であり、請求項1と同じ特徴が期待できる。
請求項3の発明における、食用珪素を含む水溶性溶液は、水晶石を、水中に陥没し、超音波波動の利用により生成するか、又は炭化籾殻から高温蒸気を利用して生成するかの何れかの方法で、抽出、かつ清澄した後に、常温下で、保管する構成とした肉質改善方法を提供できる。
請求項4発明は、食用珪素を含む水溶性溶液が、その水溶液中に、珪素を、6000ppm〜10000ppmで、望ましくは、8000ppm〜9500ppm含有する構成した肉質改善方法であり、請求項1・2に記載の特徴を達成できる、最適な食用珪素を含む水溶性溶液を提供できる。この「食用珪素を含む水溶性溶液」として、水溶液中に、珪素が、6000ppm〜10000ppm含有していることが好ましい。更に8000ppm〜9500ppm含有していることがより好ましい。例えば、この数値(8000ppm〜9500ppm含有)より高含量となると、食用動物に違和感を与えることとなり好ましくない。一方、この数値より希薄すぎると、十分な量の珪素成分が体内に取り込まれない虞があって、本来の結果が期待できないとの知見を得たのが根拠である。
請求項5の発明は、食用動物が、ブロイラー(肉鶏)であり、ブロイラーに食用珪素を含む水溶性溶液投与の際に、肥育配合用飼料を併せて投与する構成とした肉質改善方法であり、請求項1・2に記載の特徴を達成できる実益がある。
そして、この種の食肉動物とは、人以外の家禽類や家畜類が挙げられる。本発明においては家畜類を意味し、特に家禽類(ブロイラー)に好都合に適用可能である。
後述する実施例の説明では、省略するが、食用珪素を含む水溶性溶液は、飼料と共に摂取してもよいし、別個に摂取しても良い。また、投与期間は、例えば、ブロイラーの生育過程に応じて適宜投与しても良い。例えば、肉用種であれば、育成前記、後期を通じて適宜投与しても良い。そして、この肉用鶏として、一般にコーニッシュ種、プリマスロック種等が挙げられる。
本発明の一例に使用する水溶性珪素を抽出するフローチャート図
本願発明で採用する食用珪素を含む水溶性溶液(水溶性珪素)の栄養成分は、下記の図表1による。即ち、財団法人日本食品分析センターによる。
分析試験成績書 200年11月27日 第306110126−002号















[表1]
この水溶性珪素(umo「登録商標」)は、水晶石の活用と植物系珪素による特殊な抽出法によって抽出された食用珪素である。食用珪素は優れた静菌性・浸透性・洗浄力・排出的に働き、大きな還元力を持つことから、サプリメントとして汎用されているが、全ての食用動物が、違和感なく摂取できることと、この種の食用動物の肉質の向上(肉質改善)が図れるか否かとか、併せて、排尿、又は排糞中の悪臭成分となるインドール濃度を通常時に維持し、尿糞のインドール濃度の抑制できる否かに関しては、不明な点が多い。本出願人の共同研究では、水溶性珪素(umo)は、食用珪素であって、この食用珪素を含む水溶性溶液を、養鶏が摂取すると、ブロイラーの肉質改善と、排尿、又は排糞中の悪臭成分となるインドール濃度を通常時に維持し、尿糞のインドール濃度の抑制を図れることが判明した。
本発明の食用珪素の好ましい、一例を示した図1において、原水(水素水か、又は水素水の原液)を蓄えるタンク1と、このタンク1に配管3を介して繋ぐボイラー2に向かって、原水を送り、この原水を、ボイラー2で、加熱・沸騰処理を行い、高熱の蒸気Aに変換する。そして、ボイラー2に備え付きの蒸気送出し機構2a(ポンプ機構)と配管4を介して抽出槽5の全体に送る。この抽出槽5には、高熱蒸気が導入される垂下管5aと、複数本の多数の細孔を備えた蒸気噴射管5b(高熱蒸気供給管で、回転式、又は固定式の何れも可能である)と、が配備されている。また、抽出槽5には、垂下管5a等を除いた空間が、炭化籾殻Bを収容するスペース500となる。抽出槽5には、フィルター5cと、槽外に到る配管5dとを備えている。以上の構造となる食用珪素の製造装置において、抽出槽5に充填された炭化籾殻Bに、蒸気噴射管5bからの高熱蒸気を噴射して、この炭化籾殻B内に含まれる珪素を抽出する。この抽出された珪素は、高温水とともにフィルター5cで濾過された後に、タンク6に貯留される。このようにして、食用珪素を含む水溶性珪素ができる。
以下、本発明の詳細な説明をする。
1. 被験物質
食用珪素(水溶性珪素)は、水溶性珪素濃縮溶液(umo登録商標、株式会社APAコーポレーションの販売する水溶性珪素であり、珪素濃度=8mg/mL)を使用した。
2. 試験方法
2−1.供試動物
本研究の動物実験は一般財団法人生物科学安全研究所(神奈川県相模原市)において実施した。実験プロトコールは、生物科学安全研究所、及び麻布大学の動物実験委員会の承認を得て実施した。
実験には外観観察により異常がみられなかった30羽のブロイラー(チャンキー)初生雛雄(某社、福島県郡山市)を供試した。供試雛は、導入時の体重を基に層別無作為化により1グループ10羽ずつの対照群、水溶性珪素の低用量群(1%V/V)、及び高用量群(5%V/V)とした(表2)。また、初生(群分け)時を、0日齢とした。
2−2.飼育方法
1) 飼育環境
平飼い鶏舎内に、木製のメッシュ型仕切り版を用いて3区画を設置し、1区画(0.72〜2.25平方メートル)に10羽を収容して群飼した。また、電熱式ブルーダー、及び家畜用保温電球を用いて給温した。敷料として、実験動物用敷料「ベータチップ」(日本チャールス・リバー株式会社製)を用い、糞等により汚染した部分は、適宜除去して新しい敷料を追加した。照明は、終日点灯とした。
2) 飼料
初生から3週齢(22日齢)まではブロイラー肥育前期用配合飼料(チキンNo.1、日本配合飼料株式会社製)、3週齢から7週齢(50日齢)まではブロイラー肥育後期用配合飼料(チキンNo.3、日本配合飼料株式会社製)を、トレー、及び筒型給餌器を用いて不断給与した。
3)飲水
無添加の水道水又は水溶性珪素濃縮溶液の1%(V/V)、及び5%(V/V)を添加した水道水を、貯留式飲水器を用いて自由に摂取させた。投与方法は、給水瓶中の水道水に添加して飲水投与した。
3.試験群の設定
水溶性珪素を添加した水を給与する低用量群、及び高用量群と無添加水を給与する対照群の計3群を設定し、各群10羽を供試した。
4.水溶性珪素の投与方法
水溶性珪素を、低用量群には1%(V/V)、高用量群には5%(V/V)の濃度でそれぞれ水道水に添加し、1日齢から7週齢(50日齢)まで連続飲水添加投与した。対照群には、水溶性珪素無添加の水道水を給与した。なお、いずれの群とも飲水は、1日1回概ね定時(13:45〜16:30)に交換し、給水量、及び残水量を測定して1日の飲水量を算出した。低用量、及び高用量群については、飲水量から水溶性珪素投与量を算出した。
5.一般観察
初生から7週齢(50日齢)までの7週間、以下の項目について観察又は測定した。
1) 飲水量、及び水溶性珪素投与量
初生から7週齢までの飲水量を、試験群ごとに毎日測定し、1羽当たりの飲水量を算出した。また、飲水量から水溶性珪素投与量を算出した。
2) 一般状態
動物の一般状態(元気、食欲、及び羽毛の状態等)、及び糞便性状について1日1回、飲水の交換時に観察した。
3) 体重
初生(群分け)、3週齢(22日齢)、及び7週齢(50日齢)時に、個体ごとに体重を測定した。また、個体ごとに各測定時点間の増体重を算出し、試験群ごとに平均増体重を算出した。
4) 飼料摂取量
初生〜3週齢、及び3〜7週齢の各期間の給餌量、及び残餌量を、試験群ごとに測定し、各期間の飼料摂取量を算出した。また、試験群、及び期間ごとに、下式により飼料要求率を算出した。
飼料要求率=期間中の1羽当たりの飼料摂取量(g/羽)/期間中の平均増体重(g)
5) 尿糞中の悪臭成分分析
水溶性珪素投与開始前(1日齢)は供試動物全体から、7週齢(49又は50日齢)時に1羽ずつケージに収容して個体ごとに糞便を採取した。糞便は、排泄後概ね1時間以内に採取し、混合後2分割してガラス容器に入れて密閉した。ガラス容器には、試験番号、動物番号、採取時点、採取日、及び採取した糞便の重量を記録し、悪臭成分分析まで-70℃以下で凍結保存した。
尿糞中のインドールを固相マイクロ抽出(SPME; Solid Phase Micro Extraction)-GC/MSを用いて測定した。約20mgの糞試料を2mlバイアルに秤取後、テフロン(登録商標)セプタム付のキャップで密栓し、分析直前まで再度冷凍保存(−20℃)した。ポリジメチルシロキサン100μm膜厚のSPMEファイバーを用いて、バイアル内のガスを40℃で30分間吸着させ、これをGC/MS(Agilent GC6890/MSD5973)を用いて測定した。
6) 肉質成分分析
7週齢(50日齢)時に、生存している全羽を放血殺して皮を取り除き解体し、ササミ肉は全量、ムネ肉、及びモモ肉はササミ肉とほぼ同様を、個体ごとに採取した。部位ごとにフードプロセッサーを用いてミンチ状態にし、ポリエチレン製の気密袋に入れて空気を抜いて密封し、肉質成分分析まで−70℃以下で凍結保存した。
試料のメタノール抽出物を濃縮後、水とエーテルで二層分配して脱脂した。得られた水溶液をアミノ酸分析システム(日立、ニンヒドリン・プレカラム法)によるHPLCに付し、各種遊離アミノ酸、及びアミノ酸関連化合物の定量分析を行った。
6.統計学的解析方法
結果は平均値±標準誤差で示した。統計学的解析を要するデータについては、一元配置分散分析を行い、群間に差がみられたものについてはTukeyの多重比較検定を行った。p値<0.05の場合に統計学的有意差があるとした。
試験成績
1.飲水量、及び水溶性珪素投与量(表2)
1羽当たりの飲水量は、いずれの群とも水溶性珪素投与開始(1日齢)から毎日増加し、全期間(7週間)では対照群、及び低用量群が約15,400mlと同程度で、これらの2群より高用量群は約800ml多かった。
飲水量から算出した全期間の1羽当たりの水溶性珪素投与量は、低用量群:1234.2mg、高用量群:6490.3mgで、投与量比は、低用量群:高用量群=1:5.26であった。

2.一般状態
観察期間中、いずれの群とも元気、食欲、羽毛の状態等の一般状態、及び糞便性状に異常はみられなかった。

3.体重、及び増体重(表3)
いずれの時点の体重にも、群間で有意差はみられなかった。また、いずれの期間の増体量にも、群間で有意差はみられなかった。

4.飼料摂取量、及び飼料要求率(表4)
観察期間中の飼料摂取量は、対照群>高用量群>低用量群であった(表4)。飼料要求率は、低用量群<対照群<高用量群で、対照群、及び高用量群の差は僅かであった。

5.尿糞中の悪臭成分分析
d8(d8−Toluene)を内標準物質として添加し、測定対象物質について5ng〜250ngで検量線を作成した(図表1)。図表1に示すように、5ngから250ngの間で直線性が確認された。また、この検量線より、本試験では定量下限値を5ngとした。

7週齢の糞尿中Indole濃度(インドール濃度)を図表2に示す。個体差が大きいものの、各群において高濃度のIndoleが検出された。各群の平均Indole濃度は対照群で0.58μg/g、低用量群で0.51μg/g、高用量群で0.10μg/gとなり、平均濃度では対照群と低用量群ではほぼ同程度、高濃度群で低い結果となった。また、一部でSkatoleが検出され、対照群で<0.05〜0.13μg/g、高用量群で<0.05〜0.07μg/gで検出された。糞尿中Indole濃度を投与群ごとにまとめた結果を図表2に示す。対照群に比べ、水溶性珪素投与群では用量依存的な尿糞中Indole含量の低下が見られた。

6.肉質成分分析
7週齢ブロイラーのモモ肉では甘み、及びうま味に関する遊離アミノ酸の変化はみられなかったものの、ムネ肉、及びササミ肉で甘みまたは旨味に関する遊離アミノ酸量の増加がみられたので、表5、及び表6にそれぞれ示す。ムネ肉ではセリン (表5、図表3)、及びアラニン (表5、図表4)で対照群と比較して低用量群で有意な増加が認められ、高用量群では増加する傾向が見られた。ササミ肉ではアスパラギン酸 (表6、図表5)、スレオニン(表6、図表6)、グリシン (表6、図表7)、及びアラニン (表6、図表8)において対照群に比べて高用量群で有意な増加が認められ、アスパラギン酸、及びスレオニンでは濃度依存的な挙動が見られた。
結論
水溶性珪素(umo登録商標:株式会社APAコーポレーション、珪素濃度=8mg/mL)をブロイラーの飲水に1%V/V(低用量)又は5%V/V(高用量)の濃度で添加し、各濃度10羽に1日齢から49日間連続飲水添加投与したところ、投与期間中いずれの用量群の個体にも一般状態に異常は認められず、増体、飼料摂取量、及び飼料要求率にも無添加対照と比較して大きな変動は認められなかった。
今回の試験において、尿糞中のインドール濃度を水溶性珪素が用量依存的に有意に低下させることが示された。糞中インドール濃度低下作用の機序(仕組み)については、水溶性珪素は軽度の抗菌作用があることから、インドール産生菌に対する抗菌作用を介した可能性が考えられる。
セリン、アラニン、スレオニン、及びグリシンは主に甘味を有するアミノ酸であり、アスパラギン酸はうま味に関連する成分として知られている。これらのことから、水溶性珪素摂取ブロイラーのムネ肉では甘みが増加し、ササミ肉では甘み、及びうま味が増加することが示唆された。また、対照群に比してムネ肉では低用量群が、ササミ肉では高用量群が有意に変動したことから、部位ごとに影響を受ける濃度が異なることが示唆された。
前述した各実施例、摂取量・投与量の数値、図表、又は図等は、本発明の好ましい一例の説明である。各実施例と、摂取量・投与量の数値等に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造とか、同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
分析試験成績書 200年11月27日 第306110126−002号



























[表1]
この水溶性珪素(umo「登録商標」)は、水晶石の活用と植物系珪素による特殊な抽出法によって抽出された食用珪素である。食用珪素は優れた静菌性・浸透性・洗浄力・排出的に働き、大きな還元力を持つことから、サプリメントとして汎用されているが、全ての食用動物が、違和感なく摂取できることと、この種の食用動物の肉質の向上(肉質改善)が図れるか否かとか、併せて、排尿、又は排糞中の悪臭成分となるインドール濃度を通常時に維持し、尿糞のインドール濃度の抑制できる否かに関しては、不明な点が多い。本出願人の共同研究では、水溶性珪素(umo)は、食用珪素であって、この食用珪素を含む水溶性溶液を、養鶏が摂取すると、ブロイラーの肉質改善と、排尿、又は排糞中の悪臭成分となるインドール濃度を通常時に維持し、尿糞のインドール濃度の抑制を図れることが判明した。

Claims (5)

  1. 食用動物に、食用珪素を含む水溶性溶液を含有する飲料水の投与による肉質改善方法であって、
    前記食用動物に、前記飲料水の投与を行い、この投与を継続的に行うことで、
    この食用動物の体内中にある有害物質の排泄と、
    この食用動物の肉質内に、甘みおよびうま味を与える遊離アミノ酸の含有量の増加と、
    前記食用動物の尿糞のインドール含有量の低下と、を図る構成とした肉質改善方法。
  2. 前記体内中の肉質内に、甘みおよびうま味を与える遊離アミノ酸の含有量の増加が図れるブロイラーの提供と、
    前記尿糞のインドール含有量の低下と、
    前記食用動物の排尿、又は排糞中の悪臭の抑制と、を図る構成とした請求項1に記載の肉質改善方法。
  3. 前記食用珪素を含む水溶性溶液は、水晶石の高温燃焼と炭化籾殻フィルターの利用により生成する方法で、抽出、かつ清澄した後に、常温下で、保管する構成とした請求項1又は請求項2に記載の肉質改善方法。
  4. 前記食用珪素を含む水溶性溶液が、その水溶液中に、珪素を、6000ppm〜10000ppmで、望ましくは、8000ppm〜9500ppm含有する構成した請求項1、又は請求項2に記載の肉質改善方法。
  5. 前記食用動物が、ブロイラー(肉鶏)であり、このブロイラーに食用珪素を含む水溶性溶液投与の際に、肥育配合用飼料を併せて投与する構成とした請求項1、又は請求項2に記載の肉質改善方法。
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