JP2018019275A - 無線通信方法、移動端末及びプログラム - Google Patents

無線通信方法、移動端末及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2018019275A
JP2018019275A JP2016148653A JP2016148653A JP2018019275A JP 2018019275 A JP2018019275 A JP 2018019275A JP 2016148653 A JP2016148653 A JP 2016148653A JP 2016148653 A JP2016148653 A JP 2016148653A JP 2018019275 A JP2018019275 A JP 2018019275A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mobile terminal
mobile
terminal
radio
radio channel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016148653A
Other languages
English (en)
Inventor
一暢 小西
Kazunobu Konishi
一暢 小西
衛一 村本
Eiichi Muramoto
衛一 村本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Corp of America
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Corp of America
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Corp of America filed Critical Panasonic Intellectual Property Corp of America
Priority to JP2016148653A priority Critical patent/JP2018019275A/ja
Publication of JP2018019275A publication Critical patent/JP2018019275A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

【課題】同一の無線チャネルを使用する移動端末の数が増えても、安定して無線通信できる無線通信方法を提供する。【解決手段】第1無線通信範囲160内で第1移動端末200aは複数の移動端末の各々から、当該移動端末の位置情報を、第1無線チャネルを用いて受信し、複数の移動端末の数が上限値を超える場合に、第1移動端末200a及び複数の移動端末の各々について、当該移動端末を含む、第1無線通信範囲160より小さい第2無線通信範囲260に含まれる移動端末の数に応じて第1移動端末200aが中継端末になるか否かを判定し、中継端末になると判定された場合、第1移動端末200aは、第1無線チャネル及び第2無線通信範囲260内で通信するための第2無線チャネルを用いて、第1移動端末200aの第2無線通信範囲260に含まれる第2移動端末、及び、複数の移動端末のうちの第2移動端末を除く第3移動端末の間の無線通信を中継する。【選択図】図6

Description

本開示は、移動端末(無線通信装置)を搭載した複数の移動体間で無線通信する、無線通信方法、移動端末及びプログラムに関する。
移動ロボット又は自動車のように無線通信装置を搭載して移動する移動体が、お互いの情報を無線通信により交換することで、移動経路を調整して効率的に移動できたり、複数のロボットが協調して荷物を搬送したりするような用途が現実的になりつつある。移動体間で無線により情報交換する場合、無線チャネルを共有している。そのため、移動体の移動によって同一無線チャネルを使用する移動体数が増加すると交換する情報量が増えるので帯域が不足し、移動体間の情報交換ができなくなる。
従来、地理的に近い基地局をグルーピングし、グルーピングした基地局に対し別々の無線チャネルを割当てることで帯域を拡張する無線チャネル割り当て方式が提案されている(特許文献1参照)。中央制御サーバが固定基地局から無線伝送関連情報を収集し、地理的に近い固定基地局をグルーピングして複数の無線チャネルをグループに割り当てる。固定基地局は、割り当てられた無線チャネルから無線の干渉を考慮して使用する無線チャネルを決定する。
また、自動車同士の通信(車車間通信)向けに空いている無線チャネル情報を交換し、データ通信に使用する無線チャネルを決定する方式が提案されている(特許文献2参照)。制御用の無線チャネルを用いて使用済み無線チャネル情報を交換し、空き無線チャネルをデータ通信用に使用する。
特許第5429761号公報 特開2012−119768号公報
しかしながら、上記特許文献1では固定基地局が前提であり、無線通信装置自体の移動は想定されていない。また、上記特許文献2では同じ無線チャネルを使用する移動体数の変化が考慮されていない。
そこで、本開示は同じ無線チャネルを使用する移動体の数が増えても、安定した無線通信を実現する無線通信方法等を提供する。
本開示の一態様に係る無線通信方法は、第1無線通信範囲内で複数の移動端末と無線通信する第1移動端末の無線通信方法であって、前記複数の移動端末の各々から、当該移動端末の位置情報を、第1無線チャネルを用いて受信し、前記複数の移動端末の数が上限閾値を超える場合に、前記第1移動端末及び前記複数の移動端末の各々について、当該移動端末を含む前記第1無線通信範囲よりも小さい第2無線通信範囲に含まれる移動端末である収容移動端末の数を算出し、算出された複数の前記収容移動端末の数に応じて前記第1移動端末が中継端末になるか否かの判定を行い、前記第1移動端末が中継端末になると判定された場合、(i)前記第1移動端末の前記第2無線通信範囲内で無線通信するための第2無線チャネルのチャネル情報を、前記第1無線チャネルを用いて前記複数の移動端末に送信し、(ii)前記第1移動端末の前記第2無線通信範囲に含まれ当該第1移動端末を除く第2移動端末の各々から、当該第2移動端末の位置情報を前記第2無線チャネルを用いて受信し、前記第1移動端末及び前記第2移動端末に関する情報を前記第1無線チャネルを用いて前記複数の移動端末のうちの前記第2移動端末を除く第3移動端末に送信し、(iii)前記第3移動端末の各々から当該第3移動端末の位置情報を前記第1無線チャネルを用いて受信し、前記第1移動端末及び前記第3移動端末に関する情報を前記第2無線チャネルを用いて前記第2移動端末に送信する。
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の無線通信方法等によれば、同じ無線チャネルを使用する移動体の数が増えても、安定した無線通信を実現することができる。
図1は、実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示す図である。 図2は、実施の形態1に係る情報交換管理テーブルの例を示す図である。 図3は、実施の形態1に係る情報交換メッセージの例を示す図である。 図4は、実施の形態1に係る情報交換メッセージが送信される動作を示すフローチャートである。 図5は、実施の形態1に係る移動端末群及び無線通信範囲の例を示す図である。 図6は、実施の形態1に係る無線チャネルを追加した場合の移動端末群及び無線通信範囲の例を示す図である。 図7は、実施の形態1に係る自端末が中継端末になるか否かを判定する動作を示すフローチャートである。 図8は、実施の形態1に係る無線チャネルをさらに追加した場合の移動端末群及び無線通信範囲の例を示す図である。 図9は、実施の形態1に係る不要な無線チャネルの使用を停止した場合における他の無線チャネル及び無線通信範囲の例を示す図である。 図10は、実施の形態1に係る移動端末が情報交換メッセージを受信した時の動作を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態1に係る中継開始メッセーを受信した時の動作を示すフローチャートである。 図12は、実施の形態2に係る無線通信システムの構成を示した図である。 図13は、実施の形態2に係る移動端末が情報交換メッセージを受信した時の動作を示すフローチャートである。
(本開示の基礎となった知見)
以下、本開示の基礎となった知見について説明する。
上述のように、無線通信装置(移動端末)を搭載した移動体は情報交換するため無線チャネルを使用する。同じ無線チャネルを多数の移動体が使用すると、無線チャネルの帯域が不足し、移動体は情報交換できなくなる。一般的に無線チャネルに多数の移動体(移動端末)が接続する場合は、複数の無線チャネルを使い無線帯域を拡張する方法がある。ただし、使用する無線チャネルの周波数が近い場合、無線チャネル同士が干渉してしまい実効帯域(無線チャネル同士が干渉せずに使用できる帯域)が低下するという課題がある。
上記特許文献1では、固定基地局をグループ化し複数の無線チャネルを干渉しないように割り当てる方法が開示されている。しかし、無線通信装置自体の移動又は無線通信装置自体の移動による無線チャネルを使用する移動体(端末数)の変化に適応する対策は開示されていない。つまり、特許文献1の方法では、グループ化した後に当該無線チャネルに接続する移動体(端末数)が増加した場合に情報交換できなくなる。
また、上記特許文献2では、制御用の無線チャネルで既に使用されている周波数情報を収集し、使用されていない周波数(空き周波数)をデータ送受信用の無線チャネルとして使用する方法が開示されている。しかし、本方式でも無線チャネルを使用する移動体の数は考慮されていない。つまり、特許文献2の方法では、データ送受信用の無線チャネルを決定した後に、当該無線チャネルに接続する移動体数が増減することには対応できない。
本開示は、以上のような課題を解決するためになされたもので、無線通信装置を搭載した移動体自体が移動体の数に応じて、情報交換用の無線チャネルを新たに使用して通信を中継する中継端末を選択することで、安定した情報交換を実現する。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
(実施の形態1)
[1.構成]
以下、図1〜図11を用いて、実施の形態1について説明する。
まず、図1を用いて、本実施の形態に係る無線通信システム及び移動体の構成について説明する。
[1−1.無線通信システムの構成]
図1は、本実施の形態に係る無線通信システム10の構成を示す図である。図1は、無線通信システム10が3台の移動体100、200、300を含んでおり、3台の移動体で一つの移動体群を形成している例を示している。移動体100は移動端末(無線通信装置)100a、移動体200は移動端末200a、移動体300は移動端末300aを備えている。なお、無線通信システム10を構成する移動体の数は特に限定されない。また、移動体200、300の構成は移動体100と同一であるため、省略している。なお、移動体とは、例えば、自動車、ロボット又はドローンなどである。
各移動体は、情報交換のために同一の無線チャネルを使用して、電波を発している。同一の無線チャネルで通信可能な範囲である無線通信範囲(使用している無線チャネルの電波が各移動体に届く範囲)の内側に存在する移動体は、他の移動体それぞれが発する電波を受信可能である。例えば、移動体100、200、300はすべて無線通信範囲の内側に存在している。そのため、移動体100、200、300は、固定基地局を介することなく、無線ネットワーク150を介して相互に情報を送受信できる。なお、移動体群は基本的にブロードキャストにより情報を送受信し情報交換する。以降において送信するとは、ブロードキャストすることを意味する。また、送信する情報とは、例えば、移動体自体の位置情報及び使用している無線チャネルの情報を含む情報である。
例えば、移動体100が無線により送信した情報は、移動体200、300に届く。以降において、移動体100、200、300は同一の無線チャネルを使用しており、移動体それぞれは同一の無線チャネルの無線通信範囲内に存在している場合について、説明する。
以下、無線通信システム10に含まれる移動体100の構成について説明する。
[1−2.移動体の構成]
移動体100は、情報交換用無線IF(Interface)110、中継用無線IF111、ネットワークスタック120、位置情報取得部121、無線情報収集部122、データ保存部123、情報交換部124、中継端末決定部125、及び、無線制御部126を有する移動端末100aを備える。同様に、移動体200は移動端末200a、移動体300は移動端末300aを備える。また、移動体100は、無線ネットワーク150を介して他の移動体(図1では、移動体200、及び移動体300)と情報交換を行う。
情報交換用無線IF110及び中継用無線IF111は、無線通信を行うためのインターフェースである。情報交換用無線IF110は、交換部に相当し、例えば、無線LAN(Local Area Network)アダプタによって実現される。中継用無線IF111は、中継部に相当し、例えば、無線LANアダプタによって実現される。
情報交換用無線IF110及び中継用無線IF111は、無線ネットワーク150を介して、例えば、WiFi(登録商標)の通信規格に基づいて無線通信を行う。例えば、WiFiの周波数5GHz帯の一種であるW56を使用する場合、情報交換用無線IF110及び中継用無線IF111が使用する無線チャネルは、使用可能な100chから136chまでの4ch刻みの値の中から選択される。なお、無線チャネルの値は、使用する無線種別ごとに適切な値が選択される。また、使用する無線チャネルの選択は、後述する中継端末決定部125が行う。
情報交換用無線IF110は、所定の無線チャネルを用いて情報を送受信する。中継用無線IF111は、すべての無線チャネルを走査することで、移動体100自体が受信する無線チャネルごとの受信電力を観測する。例えば、WiFiの周波数5GHz帯の一種であるW56を使用している場合、100chから136chまでの4ch刻みの値それぞれの無線チャネルごとに受信電力を観測する。これにより、移動体100の近くで使用されていない又は受信電力が小さい無線チャネルを知ることができる。また、中継用無線IF111は、移動体100(移動体100が搭載している移動端末100a)が中継端末となった場合に情報交換用無線IF110とは異なる無線チャネルを用いて、情報を送受信する。なお、中継端末とは、異なる無線チャネルを使用している2つの移動体群の間で情報を中継する(送受信する)役割を持つ移動体のことである。
なお、無線通信に使用する通信規格の種別はWiFiに限らない。無線チャネル及び無線チャネルを送信する際の送信電力を制御できれば、他の無線通信規格を用いてもよい。なお、送信電力は送信する電波の到達範囲(その電波で通信ができる範囲)に関係する。例えば、送信電力を高くすると、より遠くまで電波を到達させることができる。
ネットワークスタック120は、移動体間での情報交換を行うための通信プロトコルの処理を行う。例えば、ネットワークスタック120は、IP(Internet Protocol)やUDP(User Dataram Protocol)といった標準的な通信規約に則って処理を行う。
位置情報取得部121は、移動体100の空間上の位置を取得する取得部である。位置の特定には、例えば、GPS(Global Positioning System)が用いられる。なお、位置の特定にはレーザーレンジファインダを用いて周辺をセンシングして事前に計測した地図情報とマッピングして自己位置(移動体自体の位置)を推定してもよい。また、移動体の外部の環境側に電波を発するランドマークの基地局を複数配置し、複数の基地局との間の電波の到達時間を計測して自己位置を推定してもよい。位置情報取得部121は、特定した自己位置情報をデータ保存部123に保存する。なお、自己位置情報は移動体群で共通して解釈できればよく、GPSから得られる緯度及び経度といった絶対座標の情報でもよいし、地図上のある点からの相対的な位置の情報でもよい。
無線情報収集部122は、情報交換用無線IF110及び中継用無線IF111から無線に関する情報を取得する取得部である。無線情報収集部122は、取得した情報をデータ保存部123に保存する。無線に関する情報とは、情報交換用無線IF110が使用している無線チャネル及び送信電力、並びに、中継用無線IF111が観測した無線チャネル及び受信電力のリスト(受信電力リスト)に関する情報である。また、自端末(移動体100の移動端末100a)が中継端末である場合、中継用無線IF111が使用している無線チャネル及び送信電力も、無線に関する情報に含まれる。無線情報収集部122が情報を取得する間隔は、特に限定されない。
データ保存部123は、移動体100自体(自端末)に関する情報及び受信した他の移動体の情報を保存する記憶部である。移動体自体に関する情報とは、位置情報取得部121及び無線情報収集部122が取得した情報などである。また、データ保存部123は予め移動体群の中で移動体を識別するための移動体IDを記憶している。移動体IDは、例えば、情報交換用無線IF110のMAC(Media Access Control)アドレスを用いてもよい。なお、移動体IDは移動体を一意に識別できればよく、事前にすべての移動体で異なるIDを設定してそれを用いてもよい。
図2は、データ保存部123が保存している情報交換管理テーブル500の例を示す図である。情報交換管理テーブル500は、例えば、自己位置情報、情報交換用無線IF及び中継用無線IFに関する項目からなる。
自己位置情報は、移動体自体(例えば、移動体100)の緯度及び経度の情報であり、例えば、緯度34.0、経度125.0などの値である。
情報交換用無線IFには、情報交換用無線IF110に関する無線情報が保存される。具体的には、情報交換用無線IFには、情報交換用無線IF110が使用している無線チャネル及び送信電力が紐づけて保存される。例えば、無線チャネル100ch、送信電力20dBmの場合、情報交換用無線IFの無線チャネルに100、送信電力に20が保存される。また、同じ無線チャネルで通信している移動体群の中に中継端末(マスタ移動体)が存在する場合、マスタ移動体の移動体IDであるマスタ移動体IDが保存される。例えば、マスタ移動体の移動体IDが10である場合、マスタ移動体IDに10が保存される。なお、マスタ移動体が存在しない場合には、例えば、マスタ移動体IDに「−」が保存される。
中継用無線IFには、中継用無線IF111に関する無線情報が保存される。自端末が中継端末である場合に使用している無線チャネル並びに送信電力、及び観測した無線チャネル(観測無線チャネル)並びに観測した受信電力(観測受信電力)が紐づけて保存される。無線チャネル及び送信電力は、中継端末でなければ使用しないため、中継端末ではない場合には例えば「−」が保存される。また、観測無線チャネル及び観測受信電力は紐づけた形で保存される。例えば、中継用無線IF111が無線チャネル100ch、受信電力−60dBm及び無線チャネル116ch、受信電力−80dBmの2つの無線チャネルを観測した場合について説明する。その場合、情報交換管理テーブル500には観測無線チャネルとして100及び116が保存され、またそれぞれの無線チャネルに紐づける形で観測受信電力として−60及び−80が保存される。また、自端末の移動体IDなども情報交換管理テーブル500に保存されていてもよい。
情報交換部124は、データ保存部123が保存している自端末(移動体100)の情報を他の移動体(図1では移動体200及び300)に送信するための情報交換メッセージを作成する処理部である。
図3は、情報交換部124が作成する情報交換メッセージ600の例を示す図である。なお、図3は移動体IDが「10」の移動体(マスタ移動体)の情報交換部124が作成する情報交換メッセージ600の例を示す。情報交換メッセージ600には、例えば、移動体ID、位置情報、マスタ移動体ID、情報交換用無線チャネル、中継端末フラグ、中継用無線チャネル、及び、中継用送信電力を含む情報が記載される。
ここで、図4を用いて情報交換メッセージ600が送信される動作を説明する。図4は、情報交換メッセージ600が送信される動作を示すフローチャートである。情報交換部124は、例えば、データ保存部123に保存されている情報交換管理テーブル500を参照することで、以下のデータを取得する。
まず、情報交換部124は情報交換メッセージ600に記載する位置情報を特定する(S1)。移動体100は定期的に位置情報取得部121により位置情報を取得し、取得した位置情報をデータ保存部123に保存している。位置情報とは、例えば、GPSから取得した緯度及び経度の情報である。情報交換部124は、データ保存部123から位置情報を読み出し、情報交換メッセージ600に記載する。例えば、情報交換部124は、合わせて自端末の移動体ID(例えば10)、及び、マスタ移動体IDを読み出し、情報交換メッセージ600に記載してもよい。なお、マスタ移動体IDは、情報交換用に属している無線チャネルの中継用移動体(中継端末)のIDが記載されるが、中継用の移動体が存在していない場合は、それを示す特別なID(例えば、0)が記載される。中継端末が存在していない場合とは、例えば、初期状態(1つの無線チャネルで通信している状態)、又は、異なる無線チャネルで通信を行っている2つの移動体群のうち、どちらか一方の移動体群のみに中継端末が存在する場合である。
そして、情報交換部124は、無線情報を収集する(S2)。情報交換部124は、無線情報収集部122が取得しデータ保存部123に保存されている無線情報を読み出し、情報交換メッセージ600に記載する。
情報交換用無線チャネルには、情報交換用無線IF110が使用する無線チャネルが記載される。情報交換部124は、データ保存部123に保存されている無線チャネルを読み出し、情報交換メッセージ600に記載する。無線チャネル100chを使用している場合、情報交換部124は、情報交換メッセージ600に100を記載する。
中継端末フラグには、0又は1の情報が記載される。具体的に、中継端末フラグには、自端末が中継端末である場合は1、中継端末ではない場合は0が記載される。例えば、情報交換部124は、データ保存部123から読み出した中継用無線IF111の情報に関し、無線チャネル及び送信電力が存在している場合は中継端末フラグに1を、存在していない場合(例えば、「−」)は中継端末フラグに0を記載する。
無線チャネル及び送信電力は、自端末が中継端末である場合に記載される。これも、情報交換部124は、データ保存部123から読み出した中継用無線IF111の無線チャネル及び送信電力を情報交換メッセージ600に記載する。例えば、読み出した中継用無線IF111の中継用無線チャネルは108ch、中継用送信電力は18dBmであった場合、情報交換部124は、中継用無線チャネルに108、中継用送信電力に18を記載する。なお、自端末が中継端末でない場合は、中継用無線チャネル及び中継用送信電力は設定する必要がないため、設定値がないことを示す値(例えば、0)が記載される。なお、情報交換メッセージ600は、これに限定されない。例えば、情報交換用無線チャネルの送信電力を記載してもよい。また、中継端末フラグは省略されてもよい。
情報交換部124は、作成した情報交換メッセージ600をネットワークスタック120に出力する。ネットワークスタック120は情報交換用無線IF110を経由して情報交換メッセージ600を無線ネットワーク150に送信する(S3)。また、情報交換部124は一定時間待機してから同様の処理を繰り返す。なお、一定時間待機する時間は100msのような固定値でもよいし、移動体の移動速度が速ければ短くして遅ければ長くするように移動速度に合わせて適応的に決定してもよい。
情報交換部124は、情報交換メッセージ600を無線ネットワーク150を介して他の移動体に送信する。また、情報交換部124は、無線ネットワーク150を介して他の移動体の各々が送信した情報交換メッセージ600を受信する。なお、送信する情報交換メッセージ600と受信する情報交換メッセージ600とは、同じ形式の情報である。つまり、図3に記載した形式の情報である。
中継端末決定部125は、同じ無線チャネルを使用している移動体の数から、自端末が中継端末となるか否かを判定する判定部である。
中継端末決定部125は、データ保存部123から自己位置情報、他の移動体の位置情報、自端末が使用する無線チャネルのマスタ移動体ID、マスタ移動体IDが使用している無線チャネル及び送信電力を取得し、自端末と同じ無線チャネルを使用する移動体の数を計算する。そして、計算した移動体の数が上限の閾値を超えた場合に、中継端末決定部125は、自端末が中継端末になるか否かを判定する。具体的な判定方法については後述する。なお、上限の閾値とは、無線通信範囲内において帯域が不足せず安定して無線通信を行うための移動体の数である。
中継端末になると判定した場合、中継端末決定部125は、新たに使用する無線チャネルを選択するためにデータ保存部123から受信電力リストを取得する。取得した受信電力リストの中から干渉の少ない無線チャネルを選択するため、使用されていない無線チャネル、又は受信電力が閾値より小さい無線チャネルを選択する。また、新たに使用する無線チャネルで通信する範囲を、その範囲内に含まれる移動体の数に基づいて決定することで、新しく使用する無線チャネルの送信電力を決定する。そして、他の移動体に対して情報交換用無線IF110から選択した無線チャネル(新しく使用する無線チャネル)及び送信電力を含む中継開始メッセージを送信する。なお、新しく使用する無線チャネルの送信電力は予め設定されていてもよい。その場合、中継開始メッセージには、送信電力は含まれなくてもよい。なお、以降の説明では中継開始メッセージには、送信電力が含まれる例について説明する。
その後、中継端末の中継端末決定部125は、無線制御部126に選択した無線チャネル及び送信電力の情報を出力する。
また、中継端末決定部125は、自端末が中継端末であり、自端末と同じ無線チャネルを使用する移動体の数が下限の閾値未満となった場合、現在使用している中継用の無線チャネルは不要な無線チャネルだと判定し、中継用の無線チャネルの使用を停止する。なお、下限の閾値とは、無線通信範囲内において無線チャネルが干渉することを抑制するための移動体の数である。
そして、中継端末決定部125は、無線制御部126に中継用の無線チャネルの停止を指示する。また、移動体の移動又は中継端末の変更などで現在使用している無線チャネルが受信できなくなると、当該移動体は通信ができなくなる。そのため、中継端末決定部125は受信電力リストから次に使用する無線チャネルを決定し、無線制御部126に情報交換用無線IF110が使用する無線チャネルの変更を指示する。
無線制御部126は、情報交換用無線IF110及び中継用無線IF111を制御する制御部である。具体的には、中継端末決定部125からの指示に基づき、無線制御部126は、情報交換用無線IF110及び中継用無線IF111の無線チャネル及び送信電力を変更する。
[2.無線通信システムの動作]
続いて、図5〜図11を用いて、上述の移動体を備える無線通信システムにおいて、移動体の数に応じて中継端末及び使用する無線チャネルを決定する動作について説明する。また、以降において、移動体が備える移動端末(無線通信装置)を用いて説明する。その際、移動体の位置と当該移動体が備える移動端末の位置とは、同一であるとする。
[2−1.無線通信システムの動作の概要]
まずは、図5〜図9を用いて、上述の移動端末を備える無線通信システムにおいて、移動端末の数に応じて中継端末及び使用する無線チャネルを決定する動作の概要を説明する。
図5は、本実施の形態に係る移動端末群と無線通信範囲の例を示す図である。図5の四角形は、すべて移動端末を示している。多数の移動端末(図5では、18台)はそれぞれ、情報交換のために同一の無線チャネルである第1無線チャネル(例えば、100ch)を使用している。そして、移動端末はそれぞれ電波を発している。
図5の第1無線通信範囲160は、第1無線チャネルを用いて無線通信が出来る範囲を示している。つまり、第1無線通信範囲160の内側に存在する移動端末は、自端末以外のすべて移動端末が発する電波を受信可能である。
例えば、移動端末100a、200a、300aはすべて第1無線通信範囲160内に含まれている。そのため、移動端末100aが情報を第1無線チャネルを用いて送信すると、移動端末200a、300aはその情報を受信できる。なお、ここで情報とは、例えば、上述で説明した情報交換メッセージ600である。
例えば、移動端末100aは、自端末を除く他の17台の移動端末それぞれから情報交換メッセージ600を、情報交換用無線IF110を介して受信する。また、移動端末100aは自端末の情報交換メッセージ600を、情報交換用無線IF110を介して自端末以外の17台の移動端末へ送信する。第1無線通信範囲160内の移動端末はそれぞれ自端末以外の移動端末の情報交換メッセージ600を受信することで、自端末以外の移動端末それぞれの位置情報を入手する。また、上述に示すように、第1無線通信範囲160内では、移動端末はそれぞれ情報交換用無線IF110を用いて通信を行っている。
なお、図5では、マスタ移動体は存在していない場合を示している。
図5において移動端末はそれぞれ、当該移動端末が搭載された移動体の移動に伴って移動する。移動体の移動によって第1無線通信範囲160の外に出る移動端末もあれば、第1無線通信範囲160内に入ってくる移動端末もある。つまり、第1無線通信範囲160内に含まれる移動端末の数は、変動する。移動端末の数が増えると無線の帯域が不足し無線通信ができなくなる。そこで、まずは図6を用いて移動端末が増えた場合における動作について説明する。
図6は、無線チャネルを追加した場合の移動端末群と無線通信範囲の例を示す図である。図6は、図5において移動端末の数が増え(移動端末101a、102a、103aが増え)上限の閾値を超えた場合に、移動端末200aを中継端末(第1中継端末)とした第2無線通信範囲260を設けた例を示す図である。図6では、第1無線通信範囲160内に21台の移動端末が存在している。
第1無線通信範囲160に含まれる移動端末の数が増加した場合、情報交換する情報量が増加し無線帯域が圧迫され、移動端末は安定した通信ができなくなる。そのため、同一の無線チャネル(第1無線チャネル)を使用する移動端末の数が上限の閾値を超えた場合、第1無線チャネルを使用する移動端末のうちの一部の移動端末は、第1無線チャネルとは異なる無線チャネル(以降、第2無線チャネル)を使用して無線通信する。
移動端末の数が増えたため、第2無線チャネルを使用する動作の概要について説明する。例えば、無線にWiFiの5GHz帯の第1無線チャネル(例えば、100ch)を使用している場合について説明する。第1無線チャネルを用いて無線通信している第1無線通信範囲160内の移動端末が上限の閾値(例えば、上限の閾値が20台)を越えて存在する場合、帯域が不足するため、第1無線通信範囲160内の移動端末は、第1無線チャネル以外で受信している無線チャネルの電波と干渉しない無線チャネルである第2無線チャネル(例えば、108ch)を新たに使用する。具体的には、第1中継端末となる移動端末を決定し、第1中継端末となる移動端末を含む第2無線通信範囲260において、第1無線チャネルではなく第2無線チャネルを用いて無線通信を行う。なお、第2無線通信範囲260は第1無線通信範囲160よりも小さい領域であれば、特に限定されない。例えば、第2無線通信範囲260は、その一部が第1無線通信範囲160の外に位置していてもよい。
第1無線通信範囲160のうち第2無線通信範囲260を除く第3無線通信範囲360内に位置する移動端末(第1無線チャネルを使用)と第2無線通信範囲260内に位置する移動端末(第2無線チャネルを使用)とは、通信に使用している無線チャネルが異なるので、相互に無線通信ができない。そのため、異なる無線チャネルを用いている移動端末群が相互に無線通信を行えるよう、情報を中継する中継端末を第2無線通信範囲260内に設ける。中継端末は、第1無線チャネルと第2無線チャネルの両方を用いて情報を送受信できる移動端末である。具体的には、中継端末は、情報交換用無線IF110に加えて、中継用無線IF111を用いて、情報を送受信する。
ここで、図7を用いて、第2無線チャネルの送信電力(第2送信電力)及び中継端末を判定する動作について説明する。図7は、自端末が中継端末になるか否かを判定する動作を示す動作を示すフローチャートである。また、図6において、第1無線通信範囲160に含まれる移動端末の数が上限の閾値を超えた場合、移動端末のそれぞれが以下の動作を行う。
中継端末決定部125は、新たな中継端末(第1中継端末)が第2無線チャネルで送信する際の送信電力である第2送信電力を決定する(S11)。第2無線チャネルの通信範囲である第2無線通信範囲260は第1無線通信範囲160よりも小さい範囲とするため、中継端末決定部125は、例えば、第1無線チャネルの送信電力である第1送信電力20dBmよりも小さい値を第2送信電力に決定する。なお、第1送信電力は情報交換管理テーブル500を参照することにより取得できる。
第1無線チャネルの送信電力は20dBmであるため、中継端末決定部125は、第2無線チャネルの第2送信電力を20dBm未満の値に決定する。例えば、第1送信電力から10%減らした電力を第2送信電力とすると、中継端末決定部125は第2送信電力を20×0.9=18dBmに決定する。なお、第2送信電力の決定方法は、これに限定されない。例えば、第1送信電力から20%減らした電力を第2送信電力としてもよい。また、第2送信電力は予め設定されていてもよい。第2送信電力は、第1送信電力より小さければよい。
次に、中継端末決定部125は決定した第2送信電力から無線の到達距離を計算する(S12)。具体的には、電波の自由空間損失を計算し、一般的に安定した通信を実現する電波強度とされる−70dBmまで到達する距離である電波到達距離d1を算出する。
そして、中継端末決定部125は自端末を含む移動端末の中から1台の移動端末を仮中継端末として選択する。そして、選択した仮中継端末とその他の移動端末それぞれとの距離を計算する(S13)。例えば、選択した仮中継端末の位置座標を(X1、Y1)とし、他の移動端末の位置座標を(X2、Y2)とすると、移動端末間(仮中継端末と他の移動端末との間)の距離d2は、
Figure 2018019275
で求まる。計算した移動端末間の距離d2が電波到達距離d1よりも短い(d1>d2)場合、この移動端末は仮中継端末を含む第2無線チャネルの通信範囲内に入るため第2無線チャネルを用いて通信可能と判定する。本処理を自端末を含むすべての移動端末に対して行い電波到達距離d1と比較することで、中継端末決定部125は、第2無線チャネルを用いて無線通信可能な移動端末の数(収容移動端末数)を計算する(S14)。計算した収容移動端末数e1とその時の仮中継端末の移動体IDとを関連づけてデータ保存部123に保存される。
中継端末決定部125は、マスタ移動体(中継端末)を除くすべての移動端末に対して同一の処理を行う。これにより、移動端末のそれぞれが中継端末となった場合に、電波到達距離d1内に含まれる移動端末の数を算出できる。つまり、新しく設定される第2無線チャネルで無線通信を行う移動端末の数を算出することができる。
移動端末それぞれに対し収容移動端末数を計算していく中で、データ保存部123に保存されている収容移動端末数e1より多い収容移動端末数e2を有する仮中継端末があった場合、収容移動端末数をe2に更新し、その時の仮中継端末の移動体IDと関連付けて保存しておく(S15)。そして、すべての移動端末に対して収容移動端末数を計算したかを判定する(S16)。
すべての移動端末について計算していなければ(S16でNo)、移動端末間の距離計算(S13)に戻り、すべての移動端末について計算を行う。すべての移動端末について計算が完了すれば(S16でYes)、ステップS17へ進む。この時点で、データ保存部123には収容移動端末数が最も多くなる場合の収容移動端末数(最大収容移動端末数)及び最大収容移動端末数を実現する移動体IDが保存されている。最大収容移動端末数を実現する移動端末が自端末である場合に、自端末を中継端末として判定する(S17)。これにより、第1無線チャネルを使用する移動端末の数を最大限減らすことができるので、使用する無線チャネル数も最低限にできる。
図6では、移動端末200aが中継端末(第1中継端末)となった例について示している。なお、以降、移動端末200aを第1中継端末200aと記載する。また、第1中継端末200aは第1移動端末に相当する。
図6において、第2無線通信範囲260内に位置しており第2無線チャネルを用いて通信し、第1中継端末200aを除く移動端末である第2移動端末は三角形で示されている。図6より、第2移動端末の数は、8台である。例えば、移動端末201aは、使用する無線チャネルを第1無線チャネルから第2無線チャネルに変更した移動端末である。また、第1中継端末200aは、第1無線チャネル及び第2無線チャネルの両方を送受信できるので、四角形と三角形とを重ねた図形で示されている。第2無線通信範囲260内では、第1中継端末200aを含む9台の移動端末は、第2無線チャネルを用いて通信している。また、第1無線通信範囲160のうちの第2無線通信範囲260を除く第3無線通信範囲360の移動端末及び第1中継端末200aの13台は、第1無線チャネルを用いて通信している。つまり、同一の無線チャネルを用いる移動端末の数は、第2無線チャネルを使用することで減っている。これにより、第1無線チャネル及び第2無線チャネルを用いる移動端末それぞれで、安定した無線通信ができる。よって、同一の無線チャネルを用いて通信する移動端末の数が増えても、本実施の形態の移動体システムは安定して無線通信を行うことができる。
第2移動端末と第3無線通信範囲360に含まれる移動端末(以降、第3移動端末)との情報交換は第1中継端末200aが情報を相互に中継することで実現される。第1中継端末200aは、第2無線チャネルを用いて第2移動端末それぞれと通信する。具体的には、情報交換メッセージ600を相互に交換する。そして、第2移動端末及び自端末に関する情報を、第1無線チャネルを用いて第3移動端末それぞれに送信する。
また、第1中継端末200aは、第1無線チャネルを用いて第3移動端末それぞれと通信する。具体的には、情報交換メッセージ600を相互に交換する。そして、第3移動端末及び自端末に関する情報を、第2無線チャネルを用いて第2移動端末それぞれに送信する。これにより、第1無線通信範囲160に位置する全ての移動端末(図6では、21台の移動端末)において、情報共有を行うことができる。
なお、中継端末は、情報を第2無線チャネルを用いて送信する際、情報交換のデータ量を削減するために第1無線チャネル内で交換した情報を集約してから送信してもよい。例えば、第1中継端末200aは、第2移動端末及び自端末に関する情報を第3移動端末へ送信する場合、第2移動端末それぞれの位置ではなく、第2移動端末の数又は第2移動端末の数の変化といった統計データに変換した情報を送信してもよい。また、第1中継端末200aは、第3移動端末及び自端末に関する情報を第2移動端末へ送信する場合、第3移動端末のそれぞれの位置ではなく第3移動端末の数又は第3移動端末の数の変化といった統計データに変換した情報を送信してもよい。つまり、中継端末が行う中継とは、無線チャネル(例えば、第1無線チャネル)を用いて中継端末が受信した情報を、受信した情報のまま第1無線チャネルとは異なる無線チャネル(例えば、第2無線チャネル)を用いて送信すること、又は、受信した情報を集約してから送信することである。中継端末がデータを集約して送信する場合、送信するデータ量を減らすことができるので、さらに無線帯域が不足することを抑制できる。なお、自端末に関する情報は、情報交換メッセージ600の形式で送信される。また、第1中継端末200aが送信する第2移動端末及び自端末に関する情報は、それぞれ別々のタイミングで第3移動端末に送信されてもよいし、同時に送信されてもよい。また、第1中継端末200aが送信する第3移動端末及び自端末に関する情報についても、同様である。なお、第3移動端末の中には、中継端末は存在していない。
続いて、図8を用いて、無線チャネルをさらに追加する場合について説明する。図8は、無線チャネルをさらに追加した場合の移動端末群及び無線通信範囲の例を示す図である。
第2無線通信範囲260に含まれる第2移動端末の数がさらに上限の閾値を越えた場合、第2移動端末は、第1無線チャネル及び第2無線チャネルとは異なる新たな無線チャネル(第3無線チャネル)を追加する処理を行う。なお、第3無線チャネルを使用するか否かを判定する基準である移動端末の上限の閾値は、第2無線チャネルを使用するか否かを判定する上限の閾値と同じ値でもよいし、異なる値でもよい。
無線チャネルの決定及び中継端末の判定に関しては、図7で説明した処理と同じ処理を第2無線通信範囲260内に位置する第2移動端末で行うので、説明を省略する。図8は、第2中継端末として移動端末300a(以降、第2中継端末300a)、第3無線チャネルとして無線チャネル116chが決定された例について示している。また、第3無線チャネルを用いて通信する無線通信範囲は第4無線通信範囲460とする。なお、例えば、第4無線通信範囲460は、第2無線通信範囲260より小さい領域であれば、特に限定されない。
図8では、第4無線通信範囲460内に位置しており第3無線チャネルを用いて通信する移動端末のうち第2中継端末300aを除く移動端末である第4移動端末は菱形で示されている。図8より、第4移動端末の数は、3台である。例えば、移動端末301aは、使用する無線チャネルを第2無線チャネルから第3無線チャネルに変更した移動端末である。また、第2中継端末300aは、第2無線チャネル及び第3無線チャネルの両方を送受信できるので、三角形と菱形とを重ねた図形で示されている。第4無線通信範囲460内では、第2中継端末300aを含む4台の移動端末が第3無線チャネルを用いて通信している。また、第1中継端末200aを含む第2無線通信範囲260内の移動端末及び第2中継端末300aの6台が第2無線チャネルを用いて通信している。つまり、同一の無線チャネルを用いる移動端末の数は、さらに第3無線チャネルを使用することで減っている。これにより、第2無線チャネル及び第3無線チャネルを用いる移動端末それぞれで、安定した無線通信ができる。
第4移動端末と第2移動端末とが情報交換する方法は、第2移動端末と第3移動端末とが情報交換する方法と同じであり、説明を省略する。また、第4移動端末と第3移動端末とは使用している無線チャネルが異なるため、相互に通信ができない。ここでは、第4移動端末と第3移動端末とが情報交換する方法について説明する。
第2中継端末300aは、移動端末301aを含む第4移動端末それぞれと無線通信する。具体的には、情報交換メッセージ600を相互に交換する。そして、第2中継端末300aは、第4移動端末及び自端末に関する情報を第2無線チャネルを用いて第2移動端末及び第1中継端末200aに送信する。なお、第2中継端末300aは、第4移動端末に関する情報を統計データに変換してから送信してもよい。その際、自端末に関する情報は、情報交換メッセージ600の形式で送信される。
次に、第1中継端末200aは、第2移動端末及び自端末に関する情報、並びに、第2中継端末300aから受信した情報を第1無線チャネルを用いて第3移動端末に送信する。このように階層的に情報を伝搬していくことで無線帯域が不足することなく、第1無線通信範囲160内に含まれる移動端末は、自端末以外の移動端末それぞれに関する情報を交換することができる。なお、第3移動端末に関する情報も階層的に情報を伝搬していくことで、第4移動端末は第3移動端末に関する情報を受信できる。よって、同一の無線チャネルを用いて通信する移動端末の数がさらに増えても、さらに新しい中継端末及び無線チャネルを設けることで、本実施の形態の移動体システムは安定して無線通信を行うことができる。なお、第1中継端末200aは、上記情報を統計データに変換してから第3移動端末に送信してもよい。例えば、第1中継端末200aは、第2中継端末300aから受信した情報のみを統計データに変換してもよいし、第2移動端末に関する情報及び第2中継端末300aから受信した情報を合わせて統計データに変換してもよい。また、第1中継端末200aは、第2中継端末300aから情報を受信した時点で、第3移動端末へその情報を送信してもよいし、第2移動端末及び自端末に関する情報と第2中継端末300aから受信した情報とを合わせて第3移動端末に送信してもよい。
続いて、図8において、移動端末を搭載する移動体が移動することによって無線通信範囲に含まれる移動端末の数が低下した場合に、不要になった無線チャネルを削減する(使用を停止する)方法について説明する。
図9は、不要な無線チャネルの使用を停止した場合における移動端末群及び無線通信範囲の例を示す図である。具体的には、図9は図8における第4無線通信範囲460内の移動端末のうち移動端末301aを含む2台の移動端末が第4無線通信範囲460から第1無線通信範囲160に移動した場合において、不要な無線チャネルが削減された後の無線通信範囲の例を示す図である。
第2中継端末300aは、第4無線通信範囲460に含まれる移動端末の数が下限の閾値未満(例えば、下限の閾値は3台)となったため、第3無線チャネルの使用を停止する。そして、第2中継端末300aは、例えば、自端末が受信可能な無線チャネルのうちで第3無線チャネルの次に大きい無線通信範囲を有する第2無線チャネルを使用する。なお、使用する無線チャネルは、例えば、情報交換管理テーブル500を参照することにより取得される。また、移動端末301aは、例えば、最も無線通信範囲の大きい第1無線チャネルに使用する無線チャネルを変更する。すべての移動端末が上述の処理を実施することにより不要な無線チャネルの使用を停止させ、当該無線通信システムは無線チャネル同士の干渉を避けることができる。
[2−2.中継端末を決定する動作の詳細]
続いて、図10及び図11を用いて、上述の移動端末を備える無線通信システムにおいて、中継端末及び無線チャネルを決定する動作の詳細を説明する。
図10は、本実施の形態に係る移動端末が情報交換メッセージ600を受信した時の動作を示すフローチャートである。つまり、図10は、複数の移動端末が同一の無線チャネル(第1無線チャネル)を用いて無線通信範囲(第1無線通信範囲)内において無線通信している場合において、移動端末の数が変化したときの動作を示すフローチャートである。
まず、中継端末決定部125は、第1無線通信範囲内の他の移動端末から情報交換メッセージ600を受信するまで待機している(S20)。待機しているとは、中継端末決定部125が処理を行っていない状態を意味する。情報交換用無線IF110が情報交換メッセージ600を受信すると、ネットワークスタック120を介して受信した情報交換メッセージ600は中継端末決定部125に入力される。中継端末決定部125は、情報交換メッセージ600が入力されると待機状態を解除して情報交換メッセージ600を受信する(S21)。中継端末決定部125は、情報交換メッセージ600を第1無線通信範囲内の複数の移動端末それぞれから受信する。中継端末決定部125は、受信した情報交換メッセージ600に記載されているマスタ移動体ID、移動体ID及び位置情報から、空間上のどの位置に移動端末が存在するかを把握するための地図情報を生成する(S22)。地図情報は、マスタ移動体IDごとに生成し、移動体IDと位置情報とを紐付けた形でデータ保存部123に保存される。また、マスタ移動体も地図上に配置される。なお、マスタ移動体が存在しない場合でも、中継端末決定部125は、マスタ移動体が存在しない移動端末における地図情報を生成してデータ保存部123に保存する。
受信した情報交換メッセージ600に記載された移動体IDが過去に保存した地図情報にあれば、中継端末決定部125は、保存されている地図上の当該移動端末の情報を削除し、受信した情報交換メッセージ600の情報に更新する。地図情報は、例えば、世界地図上における移動端末の位置を保存してもよいし、緯度及び経度情報を別の座標系に変換して保存してもよい。
次に、中継端末決定部125は、第1無線通信範囲内の移動端末の数を算出する。具体的には、中継端末決定部125は、ステップS22で生成した地図情報に保存された各移動端末の情報のうち、マスタ移動体IDが同じ移動端末の数を算出する(S23)。例えば、第1無線通信範囲内に位置する移動端末の数を算出する。マスタ移動体が存在しない場合には、マスタ移動体IDがない移動端末の数を算出する。同一のマスタ移動体IDを持つ又はマスタ移動体を持たない移動端末の数が多くなれば無線の帯域が不足する。また、移動端末の数が少なければ不要な無線チャネルを使用していることになり、無線の干渉が発生しやすくなる。
そこで、移動端末の数の上限及び下限の閾値を設定し、中継端末決定部125は、移動端末の数が上下限以内であるか否かを判定する(S24)。自端末と同一の無線チャネルを使用している移動端末の数が上限の閾値以下及び下限の閾値以上の範囲内に入っている場合(S24でYes)中継端末決定部125は処理を終わり、ステップS20に戻る。移動端末の数が上限の閾値を超える又は下限の閾値未満である場合(S24でNo)、中継端末決定部125は、移動端末の数が上限の閾値を超えているか否かを判定する(S25)。移動端末の数が上限の閾値を超える場合(S25でYes)、使用している無線の帯域が不足しているので、中継端末決定部125は、新たな中継端末及び無線チャネルを使用する処理(S26〜S33)を行う。なお、移動端末の上限の閾値は、無線通信範囲内において帯域が不足せず安定して無線通信を行うための値である。また、移動端末の下限の閾値は、無線通信範囲内において無線チャネルが干渉することを抑制するための値である。移動端末の数の上限及び下限の閾値は事前に無線チャネルの帯域と使用するビットレートから算出しておいてもよい。または、中継端末で受信する情報交換メッセージ600が損失する確率を計測して損失が高まるときの移動端末の数を上限の閾値としてもよいし、無線ドライバで計測している無線品質の情報から決定してもよい。
ステップS25でYesと判定された場合、中継端末決定部125は、自端末が中継端末になるか否かを判定する処理を行う(ステップS26)。例えば、同一のマスタ移動体IDを保有する移動端末の中で、自端末を含む第1無線通信範囲よりも小さい第2無線通信範囲内に含まれる移動端末の数(収容移動端末数)を算出する。そして、中継端末決定部125は、自端末以外の移動端末それぞれについても同様に当該移動端末を含む第2無線通信範囲内における収容移動端末数を算出する。具体的には、図7で説明した処理を行う。なお、第2無線通信範囲は当該移動端末を中心に設けられる方がよい。これにより、当該移動端末が中継端末となった場合、第2無線チャネルを送信する送信電力を抑えることができる。
中継端末決定部125は、例えば、第1無線通信範囲に含まれる移動端末それぞれついて算出された複数の収容移動端末数の中で、自端末における収容移動端末数が最も多い場合(最大収容移動端末数である場合)、自端末が中継端末になると判定する。なお、自端末が中継端末になると判定する基準は、これに限定されない。例えば、収容移動端末数が第1無線通信範囲に含まれる移動端末の数の約半分となる場合に、中継端末決定部125は自端末が中継端末になると判定してもよい。または、予め収容移動端末数の下限の閾値を設定しておき、収容移動端末数が下限の閾値以上となる場合に、自端末が中継端末になると判定してもよい。
なお、ステップS20〜ステップS26までは、第1無線通信範囲内における移動端末それぞれについて実施される。つまり、第1無線通信範囲内の特定の移動端末のみが集中して処理を行うわけではなく、移動端末それぞれが処理を行う。これにより、特定の移動端末に負荷が集中することを抑制できる。また、ステップS26の処理の結果(例えば、自端末が中継端末になると判定)は、ステップS26の時点では他の移動端末に送信されていない。つまり、ステップS26の時点では、自端末が中継端末になると判定する移動端末が複数存在する場合がある。例えば、最大収容移動端末数が同数である移動端末が複数存在する場合である。
次に、中継端末決定部125は、自端末が中継端末になると判定した場合、新たに使用する無線チャネル(第2無線チャネル)の選択を行う(S27)。つまり、自端末を含む第2無線通信範囲内において使用する無線チャネルの選択を行う。なお、自端末が中継端末になると判定した移動端末が複数存在する場合、それぞれの移動端末においてステップS27が実施される。また、自端末が中継端末になると判定しなかった移動端末において、ステップS27以降の処理は行われない。
中継端末決定部125は、ステップS27において情報交換管理テーブル500に記載されている観測無線チャネル及び観測受信電力から第2無線チャネルに使用する無線チャネルを選択する。具体的には、中継端末決定部125は、通信規格として選択可能な無線チャネルの中から、情報交換管理テーブル500の観測無線チャネルに記載されていない無線チャネル、又は記載されていても観測受信電力が所定の値より低い無線チャネルを第2無線チャネルとして選択する。例えば、WiFiのW56規格では、100〜136chのうち4刻みの値の無線チャネルを使用できる。なお、情報交換管理テーブル500に記載されていない、つまり中継端末になると判定した移動端末が受信していない無線チャネルを優先的に第2無線チャネルに選択してもよい。より好ましくは、当該移動端末を含む第2無線通信範囲内の移動端末それぞれが受信していない無線チャネルを第2無線チャネルに選択してもよい。また、所定の値とは、移動端末が安定して電波を受信するための値である。所定の値とは、経験的又は実験的に予め定められてもよい。
図2における情報交換管理テーブル500の場合、100ch、116chが記載されているので、残りの104、108、112、120、124、128、132、136chの無線チャネルが使用されていない。中継端末決定部125は、この中から、例えば、ランダムで使用する無線チャネルを選択してもよい。なお、中継端末決定部125は、選択する無線チャネルが観測無線チャネルと干渉することを避けるために、観測無線チャネルの無線チャネルから最も離れた無線チャネルを第2無線チャネルとして選択してもよい。例えば、中継端末決定部125は、100ch及び116chから最も離れている無線チャネル136chを選択してもよい。また、使用していない無線チャネルがない場合、中継端末決定部125は無線の干渉の影響が低くなるように、観測受信電力が所定の値より低い無線チャネルを選択してもよい。受信電力は一般的には−70dBmを下回ると不安定になりやすくなるため、閾値として−70dBm以下の観測受信電力の無線チャネルが存在すれば、その無線チャネルを優先して第2無線チャネルに選択する。また、上述した所定の値とは、例えば、−70dBmである。図2における情報交換管理テーブル500の場合、観測無線チャネル100chは観測受信電力が−60dBmのため選択されず、観測無線チャネル116chは観測受信電力が−80dBmであるため第2無線チャネルとして使用可能である。使用できる無線チャネルがあり(S28でYes)、使用する無線チャネルが決まった場合は、ステップS29に進む。また、使用可能な無線チャネルがなかった場合(S28でNo)は、中継端末決定部125は処理を終了し、情報交換メッセージ受信待ち(S20)に戻る。
中継端末決定部125は、第2無線チャネルに使用可能な無線チャネルが存在した場合は中継準備メッセージを第1無線チャネルを用いて情報交換用無線IF110を介して他の移動端末に送信する(S29)。つまり、中継端末になると判定した移動端末は、第2無線通信範囲のみではなく、第1無線通信範囲の移動端末それぞれに中継準備メッセージを送信する。中継準備メッセージとは、例えば、マスタ移動体IDとして自端末の移動体IDや新たな無線チャネルなどが記載された情報交換メッセージ600である。
上述に示すように、ステップS26で自端末が中継端末になると判定した移動端末は、複数存在する場合がある。その場合、それぞれの移動端末でステップS27〜ステップS29が実施される。つまり、中継準備メッセージが複数の移動端末から送信される場合がある。そのため、中継準備メッセージを送信した移動端末は、他の移動端末から中継準備メッセージが送信されないか(中継準備メッセージが衝突しないか)を確認するために一定時間待機する(S30)。待機する時間は、例えば、100msのような固定値でもよいし、ネットワークの距離を示す往復遅延時間を基準に決めてもよい。待機中に他の移動端末から中継準備メッセージを受信した場合(S31でYes)は、どの移動端末を中継端末にするか判定しなければならない。そこで、中継準備メッセージを送信した移動端末は、ランダム時間待機してから再度中継準備メッセージを送信する処理(S29)を行う。ランダム時間待つことで、中継準備メッセージが同時に複数の移動端末から送信される確率を下げ、1つの移動端末のみが中継端末になれるようにする。
中継準備メッセージが複数の移動端末から送信されない、つまり中継準備メッセージが衝突しない場合(S31でNo)、中継端末決定部125は自端末が中継端末になると決定する。中継端末に決定した移動端末は、自端末が中継端末に決定したことを他の移動端末に通知するため、第1無線チャネルを用いて情報交換用無線IF110を介して中継開始メッセージを送信する(S32)。中継開始メッセージには、例えば、マスタ移動体IDとして自端末の移動体IDを設定し、使用する無線チャネル(第2無線チャネル)及び第2無線チャネルを送信する送信電力(第2送信電力)が記載される。そして、中継端末決定部125は新たに使用する無線チャネル(第2無線チャネル)及び送信電力(第2送信電力)の情報を無線制御部126に出力する。
なお、自端末が中継端末に決定した際、自端末を含む第2無線通信範囲内に含まれ自端末を除く移動端末は、第2移動端末に相当する。例えば、自端末が最大収容移動端末の数である場合に中継端末になると判定している時、第2移動端末の数は最大収容移動端末の数となる。
また、中継端末になると決定された場合、ステップS11で決定した第2送信電力に関し、電力の再設定を行ってもよい。例えば、上述で算出した最大収容移動端末数が変わらない範囲でできるだけ小さい送信電力になるように第2送信電力を調整してもよい。そうすることで、第2無線通信範囲を小さくできるので、他の無線チャネルとの干渉を最小限に抑えながら、第1無線チャネルを使用する移動端末数を最大限減らすことができる。
無線制御部126は、中継端末決定部125からの指示(入力)に基づき、中継用無線IF111の無線チャネル及び送信電力を変更する(S33)。具体的には、無線制御部126は、中継用無線IF111が使用する無線チャネルを第2無線チャネルとし、送信する送信電力を第2送信電力とする。
また、図11を用いて自端末が中継端末になると判定しなかった移動端末(以降、非中継端末)、つまり中継端末が送信した中継開始メッセージを受信する移動端末の動作について説明する。図11は、中継開始メッセージを受信した時の動作を示すフローチャートである。非中継端末の中継端末決定部125は、中継開始メッセージ受信待ちの状態で待機している(S40)。中継端末が決定すると、中継端末は第1無線チャネルを用いて情報交換用無線IF110を介して中継開始メッセージが送信する。送信された中継開始メッセージを非中継端末の情報交換用無線IF110が受信すると、ネットワークスタック120を介して中継端末決定部125に通知され、中継端末決定部125は中継開始メッセージを受信する(S41)。中継端末決定部125は、受信した中継開始メッセージから、マスタ移動体ID、位置情報、第2無線チャネル情報、及び、第2送信電力を抽出する。中継端末決定部125は、自端末の位置情報と受信したマスタ移動体(中継端末)の位置情報とから、自端末と中継端末との距離である端末間距離d3を計算する。
次に、中継端末決定部125は、第2送信電力から第2無線チャネルが送信可能な無線通信距離d4を計算し、端末間距離d3と無線通信距離d4とを比較する。端末間距離d3が無線通信距離d4よりも短ければ(S42でYes)、中継端末決定部125は自端末が第2無線チャネルで通信する移動端末(第2無線通信範囲に含まれる移動端末)であるので、新たな無線チャネルである第2無線チャネルを情報交換用無線IF110に使用すると判定する。
そして、中継端末決定部125は、情報交換用無線IF110の無線チャネルを変更するため、無線制御部126に中継開始メッセージに記載されている第2無線チャネル及び第2送信電力の情報を出力する。無線制御部126は入力された通り、情報交換用無線IF110の無線チャネル及び送信電力を変更する(S43)。具体的には、無線制御部126は、情報交換用無線IF110が使用する無線チャネルを第1無線チャネルから第2無線チャネルに変更し、情報交換用無線IF110が送信する送信電力を第1送信電力から第2送信電力に変更する。これにより、第2無線通信範囲内において、第2移動端末及び中継端末は第2無線チャネルを用いて情報交換メッセージ600を送受信することができる。具体的には、中継端末は、第2移動端末の情報交換用無線IF110と中継端末の中継用無線IF111との間で無線通信を行う。
一方、無線通信距離d4の方が端末間距離d3より短ければ(S42でNo)、自端末は第3無線通信範囲に含まれる移動端末(以降、第3移動端末)であるので、無線制御部126は情報交換用無線IF110の無線チャネルの変更を行わない。つまり、第3移動端末の情報交換用無線IF110が使用する無線チャネルは、中継開始メッセージを受信しても第1無線チャネルのままである。これにより、第1無線チャネルを用いて第3移動端末同士で情報交換メッセージ600を送受信でき、かつ第3移動端末及び中継端末は情報を送受信できる。具体的には、第3移動端末の情報交換用IF110から送信された情報交換メッセージ600は、中継端末の情報交換用無線IF110で受信される。また、中継端末の情報交換用無線IF110から送信された情報は、第3移動端末の情報交換用IF110で受信される。
ここで、中継端末が行う動作について説明する。中継端末は、第2移動端末の各々から、当該第2移動端末の位置情報を第2無線チャネルを用いて受信し、自端末及び第2移動端末に関する情報を第1無線チャネルを用いて第3移動端末に送信する。また、中継端末は、第3移動端末の各々から当該第3移動端末の位置情報を第1無線チャネルを用いて受信し、第1移動端末及び第3移動端末に関する情報を第2無線チャネルを用いて第2移動端末に送信する。
次に、第2無線通信範囲内の移動端末の数が下限の閾値未満であった場合(S25でNo)の処理について説明する。まず、自端末が中継端末かどうかで処理が分岐される(S34)。
自端末が中継端末であれば(S34でYes)、中継端末決定部125は、中継用として使用している(中継用無線IF111が使用している)第2無線チャネルの使用を停止する(S35)。具体的には、中継端末決定部125は、無線制御部126に第2無線チャネルの使用の停止を要求する。無線制御部126は、中継用無線IF111を制御し、使用していた第2無線チャネルを停止させる。そして、情報交換用無線IF110が使用していた無線チャネル(第1無線チャネル)を用いて通信を行う。なお、中継端末は第2無線チャネルを停止した後、情報交換用無線IF110で使用する無線チャネルを第1無線チャネルとは異なる無線チャネルを用いてもよい。具体的には、情報交換管理テーブル500の観測受信電力を確認し、観測受信電力が最も高い無線チャネルを用いて通信を行ってもよい。これにより、自端末が中継端末であった場合、第2無線チャネルの使用を停止しても、当該移動端末は通信が可能である。なお、中継端末決定部125は第2無線チャネルの使用を停止する前に、第2無線チャネルの使用を停止することを伝える中継終了メッセージを第2無線チャネルを用いて送信してもよい。
また、自端末が中継端末でない場合(S34でNo)、情報交換用の無線チャネルを変更する必要がある。そこで、中継端末決定部125は、情報交換管理テーブル500に記載された観測受信電力の中で観測受電電力が一番大きい無線チャネルを情報交換用の無線チャネルに使用するように選択する(S36)。なお、情報交換用に変更する無線チャネルは、中継端末が情報交換用に使用している無線チャネル(例えば、第1無線チャネル)を用いてもよいし、情報交換が最も確実にできるように無線通信範囲が一番広い無線チャネル(例えば、送信電力が最も高い無線チャネル)を選択してもよい。中継端末決定部125は選択した無線チャネルの情報を無線制御部126に出力する。無線制御部126は、中継端末決定部125からの指示に基づき、情報交換用無線IF110の設定を変更する(S37)。これにより、自端末が中継端末ではない場合において、第2無線チャネルの使用が停止されても、当該移動端末は無線通信が可能である。
以上の動作により、移動端末数の増減に適応して使用する無線チャネルを増減することができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態1で示した無線通信システム10の移動体(移動端末)において、他の移動体(移動端末)の位置情報を予測し、予測した位置情報に基づいて中継端末及び無線チャネル等を決定する実施の形態2について説明する。
図12は、本実施の形態に係る無線通信システム1000の構成を示した図である。無線通信システム1000は、移動体1100、1200及び1300を備える。移動体1100は移動端末1100a、移動体1200は移動端末1200a、移動体1300は移動端末1300aを備える。
移動端末1100aは、情報交換用無線IF110、中継用無線IF111、ネットワークスタック120、位置情報取得部121、データ保存部123、無線情報収集部122、無線制御部126、情報交換部1124、中継端末決定部1125、及び位置予測部1127を備える。つまり、移動端末1100aは、実施の形態1の移動端末に加えて移動端末の位置情報を予測する位置予測部1127を備えている。また、情報交換部1124及び中継端末決定部1125は処理が異なるため、実施の形態1から符号を変更している。なお、本実施の形態に係る各構成要素及び各動作のうち、実施の形態1と同じ構成要素及び動作については、同じ符号を付与し、説明は省略する。
位置予測部1127は、他の移動端末の移動ベクトルを基に将来移動する位置を他の移動端末それぞれに対して予測する。また、自端末に関する将来の位置も予測する。中継端末決定部1125は、予測した位置情報に基づき無線通信範囲に含まれる移動端末の数を計算し、例えば、自端末における収容移動端末数が最も多い移動端末である場合、自端末を中継端末と判定する。なお、将来とは、例えば、移動端末が中継端末を決定するために要する時間、現在の時刻より進んだ時刻のことである。これにより、中継端末決定部125は、自端末が中継端末になるか否かの処理を行っている間における移動端末の移動を考慮した上で、自端末が中継端末になるか否かの判定を行える。中継端末を決定するために要する時間とは、例えば、1secである。本値は、経験的に決めてもよいし、移動体の移動速度から決定してもよい。
具体的な動作は、図13を用いて説明する。
図13は本実施の形態に係る移動端末が情報交換メッセージ600を受信した時の動作を示すフローチャートである。
移動予測処理(S1001)及び中継端末決定処理(S1002)以外の処理は実施の形態1(図10)と同様の処理のため、説明は省略する。
情報交換部1124は、移動方向及び移動速度を表す移動ベクトル情報を情報交換メッセージ600に記載し、他の移動端末と交換する。例えば、データ保存部123は位置情報取得部121が取得した位置情報を時系列的に保存する。つまり、データ保存部123は、位置情報とその位置情報を取得した時刻とを関係づけて保存する。情報交換部1124は、例えば、データ保存部123から読み出した位置情報と時刻とから自端末の移動方向及び移動速度を算出する。そして、情報交換部1124は、移動ベクトル情報を含む情報交換メッセージ600を他の移動端末へ送信する。
また、他の移動端末から送信された情報交換メッセージ600は、情報交換部1124で受信される。情報交換部1124は受信した情報交換メッセージ600に記載されている他の移動端末の移動ベクトル情報をデータ保存部123に保存する(S1000)。
位置予測部1127は、データ保存部123から他の移動端末の移動ベクトル情報を読み出し、他の移動端末それぞれに対して当該移動端末の将来の位置情報(位置予測情報)を予測する。具体的には、移動端末それぞれに対して予測する所定時間後の位置情報を、移動ベクトル情報に時間を乗算することで求める。すべての移動端末について位置予測情報を算出したのち、電波到達範囲を計算し電波到達範囲内に含まれる将来の移動端末数を求める(S1001)。電波到達範囲の求め方は、図7(S12)と同様に自由空間損失を想定して計算する。位置予測情報を用いることで、無線チャネルを新たに割り当てた後に、移動端末が離れていくことで移動端末数が減り、新たに割り当てた無線チャネルを開放する(停止する)といった頻度を低減して安定した無線通信を実現できる。
次に、位置予測情報を用いて算出された移動端末数(収容移動端末数)に基づいて、中継端末になるか否かを判定する(S1002)。なお、位置予測情報は、移動ベクトル情報だけでなく、移動端末の移動方向を制約する地図情報に基づいて予測されてもよいし、ナビゲーションシステムのように目標地点までの経路を事前に計算した経路情報用いることで予測されてもよい。中継端末決定部125は、自端末における将来の移動端末数(将来の収容移動端末数)が最も多ければ、自端末が中継端末になると判定する。なお、位置予測情報を用いて中継端末を判定する方法は、これに限定されない。例えば、現在の位置情報に基づいて算出した最大収容移動端末数、及び、位置予測情報に基づいて算出した最大収容移動端末数の両方が最も多くなる場合に、自端末を中継端末と判定してもよい。また、それぞれの最大収容移動端末数となる移動端末が異なる場合には、それぞれの移動端末の中間に位置する移動端末が、自端末を中継端末になると判定してもよい。また、無線チャネルの割り当て及び開放が頻発しないようにできるだけ移動ベクトルが小さい移動端末を多く含む移動端末が、自端末を中継端末になると判定してもよい。
以上の処理により、移動端末の移動ベクトルを基に将来の移動端末の位置を予測し中継端末を選択することで、より安定した無線通信を実現できる。
[3.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る無線通信方法は、第1無線通信範囲160内で複数の移動端末と無線通信する第1移動端末200aの無線通信方法であって、複数の移動端末の各々から、当該移動端末の位置情報を、第1無線チャネルを用いて受信し、複数の移動端末の数が上限閾値を超える場合に、第1移動端末200a及び複数の移動端末の各々について、当該移動端末を含む第1無線通信範囲160よりも小さい第2無線通信範囲260に含まれる移動端末である収容移動端末の数を算出し、算出された複数の収容移動端末の数に応じて第1移動端末200aが中継端末になるか否かの判定を行い、第1移動端末200aが中継端末になると判定された場合、(i)第1移動端末200aの第2無線通信範囲260内で無線通信するための第2無線チャネルのチャネル情報を、第1無線チャネルを用いて複数の移動端末に送信し、(ii)第1移動端末200aの第2無線通信範囲260に含まれ当該第1移動端末200aを除く第2移動端末の各々から、当該第2移動端末の位置情報を第2無線チャネルを用いて受信し、第1移動端末200a及び2移動端末に関する情報を第1無線チャネルを用いて複数の移動端末のうちの第2移動端末を除く第3移動端末に送信し、(iii)第3移動端末の各々から当該第3移動端末の位置情報を第1無線チャネルを用いて受信し、第1移動端末200a及び第3移動端末に関する情報を第2無線チャネルを用いて第2移動端末に送信する。
これにより、第1無線チャネルを用いて通信する第1無線通信範囲160内に含まれる移動端末の数が増えると、中継端末及び第2無線通信範囲260が設けられる。第2無線通信範囲260に含まれる第2移動端末、及び、中継端末は、第2無線チャネルを用いて相互に通信する。また、第1無線通信範囲160から第2無線通信範囲260を除く第3無線通信範囲360に含まれる第3移動端末、及び、中継端末は、第1無線チャネルを用いて相互に通信を行う。つまり、同じ無線チャネルを使用する移動端末の数が減る。これにより、本実施の形態に係る無線通信方法によれば、無線帯域が不足することを抑制できる。また、中継端末が第2移動端末及び第3移動端末の情報を相互に中継することにより、第2移動端末は第3移動端末に関する情報を取得でき、第3移動端末は第2移動端末に関する情報を取得できる。これにより、第1無線通信範囲160内で異なる2つの無線チャネルを用いて通信を行っているが、中継端末を介することで異なる無線チャネル同士でも情報を交換できる。よって、本実施の形態に係る無線通信方法によれば、同じ無線チャネルを使用する移動端末の数が増えても、安定した無線通信を実現することができる。
また、第1移動端末200aが中継端末と判定された後に、第2移動端末の数が下限閾値未満に変化した場合、第1移動端末200aは第2無線チャネルの使用を停止する。
これにより、無線通信範囲内に含まれる移動端末の数が減った場合に、不要となる無線チャネルにおける通信を停止することができる。よって、不要な無線チャネルを使用することにより他の無線チャネルと干渉することを低減させることができるので、安定した無線通信を実現することができる。
また、第1移動端末200aが受信していない無線チャネルを第2無線チャネルに優先的に使用する。
これにより、新たに設けられる無線チャネル(第2無線チャネル)には、中継端末になると判定した移動端末が受信していない無線チャネルが優先的に選択される。つまり、他の無線チャネルと干渉が生じにくい無線チャネルが新たな無線チャネルとして使用される。よって、本実施の形態に係る無線通信方法によれば、他の無線チャネルとの干渉を抑制することができるので、安定した無線通信を実現できる。
また、第1移動端末200a及び複数の移動端末の各々について算出された複数の収容移動端末の数の中で、第1移動端末200aについて算出された収容移動端末の数が最も多い場合に、第1移動端末200aは中継端末になると判定する。
これにより、第1無線チャネルを使用する移動端末の数を最大限削減することができる。よって、第1無線チャネルの帯域が不足することを抑制できる。また、第2無線チャネルを使用する移動端末の数を多くできるので、使用する無線チャネルの数が増えることを抑制できる。
また、第2移動端末に関する情報とは、第2移動端末の位置情報に基づく第2移動端末の数又は第2移動端末の数の変化を示す統計データであり、第3移動端末に関する情報とは、第3移動端末の位置情報に基づく第3移動端末の数又は第3移動端末の数の変化を示す統計データである。
これにより、中継端末(第1中継端末200a)が中継する情報量を減らすことができる。よって、無線帯域が不足することをより抑制できるので、本実施の形態に係る無線通信方法によれば安定した無線通信を実現することができる。
また、さらに、第1移動端末200aは、当該第1移動端末200a及び複数の移動端末の各々の移動ベクトル情報を収集し、移動ベクトル情報に基づいて将来の第1移動端末200a及び複数の移動端末の位置を予測し、予測した位置に基づいて中継端末になるか否かの判定を行う。
これにより、移動端末それぞれに対して予測した位置情報を用いて中継端末を決定することができる。つまり、将来における移動端末の位置を加味して中継端末を決定することができる。よって、移動端末の数が増えることで新たに無線チャネルを割り当てたり、又は移動端末の数が減ることで無線チャネルを停止したりといった無線チャネルに対する処理頻度を低減することができるので、本実施の形態に係る無線通信方法によれば安定した無線通信を実現できる。
また、本実施の形態に係る移動端末は、第1無線通信範囲160内で複数の移動端末と無線通信する第1移動端末200aである移動端末であって、複数の移動端末の各々から当該移動端末の位置情報を第1無線チャネルを用いて受信する交換部110と、交換部110とは異なる無線チャネルを用いる中継部111と、複数の移動端末の数が上限閾値を超える場合に、第1移動端末200a及び複数の移動端末の各々について、当該移動端末を含む第1無線通信範囲160よりも小さい第2無線通信範囲260に含まれる移動端末である収容移動端末の数を算出し、算出された複数の収容移動端末の数に応じて第1移動端末200aが中継端末になるか否かの判定を行う中継端末決定部125とを備え、第1移動端末200aが中継端末になると判定された場合、(i)交換部110は、第1移動端末200aの第2無線通信範囲260内で無線通信するための第2無線チャネルのチャネル情報を、第1無線チャネルを用いて複数の移動端末に送信し、(ii)交換部110は、複数の移動端末のうちの、第1移動端末200aの第2無線通信範囲260に含まれ当該第1移動端末200a以外の移動端末である第2移動端末を除く第3移動端末の各々から当該第3移動端末の位置情報を、第1無線チャネルを用いて受信し、第1移動端末200a末及び第2移動端末に関する情報を、第1無線チャネルを用いて第3移動端末に送信し、(iii)中継部111は、第2移動端末の各々から当該第2移動端末の位置情報を、第2無線チャネルを用いて受信し、第1移動端末200a及び第3移動端末に関する情報を、第2無線チャネルを用いて第2移動端末に送信する。
これにより、第1無線チャネルを用いて通信する第1無線通信範囲160内に含まれる移動端末の数が増えると、中継端末及び第2無線通信範囲260が設けられる。第2無線通信範囲260に含まれる第2移動端末及び中継端末は、第2無線チャネルを用いて相互に通信する。また、第1無線通信範囲160から第2無線通信範囲260を除く第3無線通信範囲360に含まれる第3移動端末は第1無線チャネルを用いて相互に通信を行う。つまり、同じ無線チャネルを使用する移動端末の数が減る。これにより、無線帯域が不足することを抑制できるので、安定した無線通信が実現できる。また、中継端末が第2移動端末及び第3移動端末の情報を相互に中継することにより、第2移動端末は第3移動端末に関する情報を取得でき、第3移動端末は第2移動端末に関する情報を取得できる。これにより、第1無線通信範囲160内で異なる2つの無線チャネルを用いて通信を行っているが、中継端末を介することで異なる無線チャネル同士でも情報を交換できる。よって、本実施の形態に係る移動端末によれば、同じ無線チャネルを使用する移動体の数が増えても、安定した無線通信を実現することができる。
また、第1移動端末200aが中継端末と判定された後に、第2移動端末の数が下限閾値未満に変化した場合、中継端末決定部125は、第2無線チャネルの使用を停止させる。
これにより、無線通信範囲内に含まれる移動端末の数が減った場合に、不要となる無線チャネルにおける通信を停止することができる。よって、不要な無線チャネルを使用することにより他の無線チャネルと干渉することを低減させることができるので、安定した無線通信を実現することができる。
(他の実施の形態等)
以上、一つ又は複数の態様に係る無線通信方法などについて、実施の形態1及び2に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の無線通信システムなどを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、第1無線通信範囲160内で複数の移動端末と無線通信する第1移動端末200aの無線通信方法であって、複数の移動端末の各々から、当該移動端末の位置情報を、第1無線チャネルを用いて受信し、複数の移動端末の数が上限閾値を超える場合に、第1移動端末200a及び複数の移動端末の各々について、当該移動端末を含む第1無線通信範囲160よりも小さい第2無線通信範囲260に含まれる移動端末である収容移動端末の数を算出し、算出された複数の収容移動端末の数に応じて第1移動端末200aが中継端末になるか否かの判定を行い、第1移動端末200aが中継端末になると判定された場合、(i)第1移動端末200aの第2無線通信範囲260内で無線通信するための第2無線チャネルのチャネル情報を、第1無線チャネルを用いて複数の移動端末に送信し、(ii)第1移動端末200aの第2無線通信範囲260に含まれ当該第1移動端末200aを除く第2移動端末の各々から、当該第2移動端末の位置情報を第2無線チャネルを用いて受信し、第1移動端末200a及び2移動端末に関する情報を第1無線チャネルを用いて複数の移動端末のうちの第2移動端末を除く第3移動端末に送信し、(iii)第3移動端末の各々から当該第3移動端末の位置情報を第1無線チャネルを用いて受信し、第1移動端末200a及び第3移動端末に関する情報を第2無線チャネルを用いて第2移動端末に送信することを実行させる。
これにより、上述した無線通信方法と同じ効果が奏される。
また、上記実施の形態において、各構成要素は、回路でもよい。複数の構成要素が、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路を構成してもよい。また、回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
例えば、第2無線チャネルを用いて無線通信する第2無線通信範囲260内に含まれる移動端末の数が所定の閾値未満となった場合、第2無線チャネルの使用を停止する処理について説明したが、これに限定されない。例えば、第2無線通信範囲260内に含まれる移動端末の数が所定の閾値未満となった場合、第2無線通信範囲260より大きく、かつ第1無線通信範囲160より小さい無線通信範囲を新たに設定し、当該無線通信範囲内に含まれる移動端末の数により中継端末になるか否かを判定してもよい。
これにより、無線通信範囲内に含まれる移動端末の数がより多くなるように新しい無線通信範囲を設定できる。よって、第2無線チャネルの停止により第1無線通信範囲160に含まれる移動端末の数が増えることを抑制できる。
また、中継端末が中継用無線IF111で情報を中継する場合、統計データなどに集約する例について説明したが、送信される情報はこれに限定されない。例えば、無線通信範囲は異なるが移動端末間の距離が所定値以下である場合、その移動端末における情報は集約せずに送信してもよい。
これにより、無線通信範囲の境において距離が近い移動端末同士はお互いの位置情報がわかるので、無線通信範囲の境での移動端末同士の物理的な衝突などを抑制することができる。
また、上記では移動端末それぞれについて、当該移動端末が中継端末になるか否かを判定している例について説明したが、中継端末の判定方法はこれに限定されない。例えば、図6のように既に中継端末(第1中継端末200a)が存在しており、さらに当該中継端末が含まれる無線通信範囲(第2無線通信範囲260)内に新たに中継端末(第2移動端末)を設ける場合、第1中継端末200aが第2中継端末となる移動端末を決定する処理を行ってもよい。
これにより、中継端末が一意に決まるので、中継準備メッセージの送信を省くことができる。
また、図9を用いて第4無線通信範囲460内の移動端末の数が下限の閾値未満となった場合に、第3無線チャネルの使用を停止する例について説明したが、第3無線チャネルを停止する条件はこれに限定されない。例えば、第2無線通信範囲260内の移動端末の数が下限の閾値未満となった場合に、第2無線チャネルの使用を停止するのではなく第3無線チャネルの使用を停止してもよい。
これにより、より無線通信範囲の狭い無線チャネルの使用を停止することができる。つまり、第1無線通信範囲160内に狭い無線通信範囲が複数形成されることを抑制できる。よって、他の無線チャネルと干渉することを低減させることができるので、安定した無線通信を実現することができる。
本開示は、移動体間で無線を経由して情報交換するようなシステムにおいて、例えば、通信機能を搭載した自動車、ロボット及びドローンとして有効である。
10、1000 無線通信システム
100、200、300、1100、1200、1300 移動体
100a、101a、102a、103a、201a、301a、1100a、1200a、1300a 移動端末
110 情報交換用無線IF
111 中継用無線IF
120 ネットワークスタック
121 位置情報取得部
122 無線情報収集部
123 データ保存部
124、1124 情報交換部
125、1125 中継端末決定部
126 無線制御部
150 無線ネットワーク
160 第1無線通信範囲
200a 移動端末(第1中継端末)
300a 移動端末(第2中継端末)
260 第2無線通信範囲
360 第3無線通信範囲
460 第4無線通信範囲
500 情報交換管理テーブル
600 情報交換メッセージ
1127 位置予測部

Claims (9)

  1. 第1無線通信範囲内で複数の移動端末と無線通信する第1移動端末の無線通信方法であって、
    前記複数の移動端末の各々から、当該移動端末の位置情報を、第1無線チャネルを用いて受信し、
    前記複数の移動端末の数が上限閾値を超える場合に、前記第1移動端末及び前記複数の移動端末の各々について、当該移動端末を含む前記第1無線通信範囲よりも小さい第2無線通信範囲に含まれる移動端末である収容移動端末の数を算出し、算出された複数の前記収容移動端末の数に応じて前記第1移動端末が中継端末になるか否かの判定を行い、
    前記第1移動端末が中継端末になると判定された場合、
    (i)前記第1移動端末の前記第2無線通信範囲内で無線通信するための第2無線チャネルのチャネル情報を、前記第1無線チャネルを用いて前記複数の移動端末に送信し、
    (ii)前記第1移動端末の前記第2無線通信範囲に含まれ当該第1移動端末を除く第2移動端末の各々から、当該第2移動端末の位置情報を前記第2無線チャネルを用いて受信し、前記第1移動端末及び前記第2移動端末に関する情報を前記第1無線チャネルを用いて前記複数の移動端末のうちの前記第2移動端末を除く第3移動端末に送信し、
    (iii)前記第3移動端末の各々から当該第3移動端末の位置情報を前記第1無線チャネルを用いて受信し、前記第1移動端末及び前記第3移動端末に関する情報を前記第2無線チャネルを用いて前記第2移動端末に送信する
    無線通信方法。
  2. 前記第1移動端末が中継端末と判定された後に、前記第2移動端末の数が下限閾値未満に変化した場合、前記第1移動端末は前記第2無線チャネルの使用を停止する
    請求項1に記載の無線通信方法。
  3. 前記第1移動端末が受信していない無線チャネルを前記第2無線チャネルに優先的に使用する
    請求項1又は2に記載の無線通信方法。
  4. 前記第1移動端末及び前記複数の移動端末の各々について算出された複数の前記収容移動端末の数の中で、前記第1移動端末について算出された収容移動端末の数が最も多い場合に、前記第1移動端末は前記中継端末になると判定する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信方法。
  5. 前記第2移動端末に関する前記情報とは、前記第2移動端末の位置情報に基づく前記第2移動端末の数又は前記第2移動端末の数の変化を示す統計データであり、
    前記第3移動端末に関する前記情報とは、前記第3移動端末の位置情報に基づく前記第3移動端末の数又は前記第3移動端末の数の変化を示す統計データである
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線通信方法。
  6. さらに、前記第1移動端末は、当該第1移動端末及び前記複数の移動端末の各々の移動ベクトル情報を収集し、
    前記移動ベクトル情報に基づいて将来の前記第1移動端末及び前記複数の移動端末の位置を予測し、
    予測した前記位置に基づいて前記判定を行う
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線通信方法。
  7. 第1無線通信範囲内で複数の移動端末と無線通信する第1移動端末である移動端末であって、
    前記複数の移動端末の各々から当該移動端末の位置情報を第1無線チャネルを用いて受信する交換部と、
    前記交換部とは異なる無線チャネルを用いる中継部と、
    前記複数の移動端末の数が上限閾値を超える場合に、前記第1移動端末及び前記複数の移動端末の各々について、当該移動端末を含む前記第1無線通信範囲よりも小さい第2無線通信範囲に含まれる移動端末である収容移動端末の数を算出し、算出された複数の前記収容移動端末の数に応じて前記第1移動端末が中継端末になるか否かの判定を行う中継端末決定部とを備え、
    前記第1移動端末が中継端末になると判定された場合、
    (i)前記交換部は、前記第1移動端末の前記第2無線通信範囲内で無線通信するための第2無線チャネルのチャネル情報を、前記第1無線チャネルを用いて前記複数の移動端末に送信し、
    (ii)前記交換部は、前記複数の移動端末のうちの、前記第1移動端末の前記第2無線通信範囲に含まれ当該第1移動端末以外の移動端末である第2移動端末を除く第3移動端末の各々から当該第3移動端末の位置情報を、前記第1無線チャネルを用いて受信し、前記第1移動端末及び前記第2移動端末に関する情報を、前記第1無線チャネルを用いて前記第3移動端末に送信し、
    (iii)前記中継部は、前記第2移動端末の各々から当該第2移動端末の位置情報を、前記第2無線チャネルを用いて受信し、前記第1移動端末及び前記第3移動端末に関する情報を、前記第2無線チャネルを用いて前記第2移動端末に送信する
    移動端末。
  8. 前記第1移動端末が中継端末と判定された後に、前記第2移動端末の数が下限閾値未満に変化した場合、前記中継端末決定部は、前記第2無線チャネルの使用を停止させる
    請求項7に記載の移動端末。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2016148653A 2016-07-28 2016-07-28 無線通信方法、移動端末及びプログラム Pending JP2018019275A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016148653A JP2018019275A (ja) 2016-07-28 2016-07-28 無線通信方法、移動端末及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016148653A JP2018019275A (ja) 2016-07-28 2016-07-28 無線通信方法、移動端末及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018019275A true JP2018019275A (ja) 2018-02-01

Family

ID=61076474

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016148653A Pending JP2018019275A (ja) 2016-07-28 2016-07-28 無線通信方法、移動端末及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018019275A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110139219A (zh) * 2018-03-28 2019-08-16 杨铭域 智慧5g网络系统
KR20200133564A (ko) * 2019-05-20 2020-11-30 엘아이지넥스원 주식회사 디지털 무전기의 최적 중계단말 선택방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110139219A (zh) * 2018-03-28 2019-08-16 杨铭域 智慧5g网络系统
KR20200133564A (ko) * 2019-05-20 2020-11-30 엘아이지넥스원 주식회사 디지털 무전기의 최적 중계단말 선택방법
KR102211566B1 (ko) * 2019-05-20 2021-02-03 엘아이지넥스원 주식회사 디지털 무전기의 최적 중계단말 선택방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9713014B2 (en) Communication control apparatus, communication control method, program, and terminal apparatus
JP6457378B2 (ja) 無線通信システム、集中制御局及び可動無線局制御方法
JPWO2019187423A1 (ja) 端末装置、方法及び記録媒体
JP6139441B2 (ja) 無線通信方法、車載無線通信装置、およびプログラム
JP6634694B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
US10314039B2 (en) Interference and traffic pattern database
KR20170071592A (ko) 액세스 포인트 보조 로밍
WO2011074686A1 (ja) 無線通信装置、無線通信システム、ネットワーク選択方法、および記録媒体
JP2007258811A (ja) 移動無線通信システム及びその通信制御方法、移動端末、並びにプログラム
EP3635977A1 (en) Method for management of movable edge computing servers
CN113574963A (zh) 控制装置、控制方法以及程序
US20190014522A1 (en) Terminal device, base station device, communication control method, and program
JP2018019275A (ja) 無線通信方法、移動端末及びプログラム
RU2763398C2 (ru) Устройство связи и система связи
US11564192B2 (en) Base station, communication system, communication method, and program
WO2015057767A1 (en) Selecting an access point for determining the position of a mobile device based on access point related traffic load information
CN105532038A (zh) 信息处理设备和信息处理方法
JP5665578B2 (ja) 基地局、無線端末及び無線通信システム
JP6784706B2 (ja) 無線通信装置、無線通信方法およびコンピュータプログラム
US9717041B2 (en) Method for discovering radio access technology by mobile communication terminal and wireless access system therefor
Hwang et al. Scenario making for assessment of secondary spectrum access
JP7174836B2 (ja) 制御装置、制御方法、及びプログラム
CN109076429A (zh) 通信方法、转发设备和终端设备
EP3477978B1 (en) Wireless communication device and wireless communication method
JP6419350B2 (ja) 通信ネットワーク用の端末機器、当該端末機器を備えている車両、当該端末機器の動作方法、および、当該動作方法を実施するためのコンピュータプログラム