JP2018018494A - 地域包括ケア事業システム - Google Patents

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Abstract

【課題】一元化されたデータベースにより、各種指標を適切に設定して入院イベントが発生した場合の分析を的確かつ定量的に行える地域包括ケア事業システムを提供する。【解決手段】住民の基本データ、介護保険データ、医療保険データ、及び施策等固有データが一元化されたデータベースのデータを用いて、複数の指標の値を算出する。指標算出部は、所定のチェック期間中に、病院への入院が発生した集計対象者の、入院前の心身状態の段階と退院後所定期間内の心身状態の段階との変化度をアウトカム指標として算出し、入院前後の所定期間を入院関連分析期間とし、この入院関連分析期間中に集計対象者が受けたサービスの実績をプロセス指標として算出し、利用者へのサービスを提供した実施者が入院関連分析期間中に取り組んだ施策の実績をストラクチャ指標として算出する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、介護保険事業を含めた地域包括ケア事業を実行するための地域包括ケア事業システムに関する。
一般に、市町村などの自治体では、住民の生活に密接した各種業務や事業を実現するために、住民住所などの基本データを保有している。また、自治体では、介護保険事業を実施しており、介護保険関連の多くのデータを保有している。さらに、医療保険に関する各種データも入手可能である。これら定型の業務及び事業のほかに、住民の地域包括ケアに関する固有の施策が実施されており、それに伴う施策等固有データが発生し、これらも保有している。
上述した各業務及び事業は、それぞれが独立して個別に実施されており、それらに伴う各種のデータも、各業務及び事業毎に個別に管理されていた。したがって、これらの事業を統括した地域包括ケア事業を実施することが困難であった。
また、地域包括ケア事業では、その事業領域毎に所定の施策を実行するが、これら施策を達成するために複数の指標をそれぞれ設定する必要がある。これらの指標は、地域包括ケア事業の課題抽出、効果計測による有効施策抽出、などの定量評価の精度等に関係するので適切に設定される必要がある。
例えば、心身状態を表す指標は、従来、例として、以下の3つの手法が提案されていたが、それぞれ問題点があった。
1)2時点間の心身状態の差分の指標化
2)2時点間の心身状態変化率の指標化
3)要介護度や認定調査項目のある時点の新規認定者の月別段階別遷移数集計
上記1)2時点間の心身状態の差分の指標化の問題点
・2時点間の心身状態の差分の指標化では、集計対象とすべき期間が不明確で、人それぞれ異なる時系列変化(認定有効期間等)を踏まえた指標としては不適切である。
・何処で認定更新されるかも人によりバラバラで、一律に2時点を設定するのは不正確である。
・2時点でただ心身状態が悪化した、改善した、維持した、と言っても、それで健康寿命が延伸しているかどうかはわからないし、したがって、給付費抑制程度もわからず、給付費抑制シミュレーションになじまない。
上記2)2時点間の心身状態変化率の指標化の問題点
・異なる2時点間の心身状態変化率(傾き)を指標とするものだが、比率であるがゆえに、心身状態の段階変化の値や、各段階の維持継続期間の絶対値がわからず、自治体関係者が直感的に理解しにくい。このため、健康寿命が延伸しているかどうかがわからない。したがって、給付費抑制程度もわからず、給付費抑制シミュレーションになじまない。
上記3)要介護度や認定調査項目のある時点の新規認定者の月別段階別遷移数集計の問題点(各段階にいた人数がどのくらいの期間をかけてどの段階に遷移して行くかが可視化する方法の問題点)
・どのくらいの期間で評価するかで異なる結果となる。
・個々の対象者が各段階にどのくらい滞在しているかは原理的にわからない。
これらのため、個々の対象者の健康寿命が延伸しているかどうかはわからないし、したがって、給付費抑制程度もわからず、給付費抑制シミュレーションになじまない。
さらに、従来の方法の問題点として、個々の対象者の心身状態の維持継続期間の長短(延伸短縮)と、それらに影響を与える各種サービスの内容(頻度や量等)や、同期間に実施されたサービス事業所等の取組内容(有資格スタッフの充実、各種研修参加等)などの関係が不明確であるという問題があった。そのため心身状態の維持・改善のためにどのような施策(サービスや事業所等の取組)を講じればいいかを定量的に抽出・検証することができなかった。
また、通常高齢者は、自宅や特養等のすまいに居て、ケアプランに則り、所定の介護サービスや生活支援サービスを定常的に受けているが、年齢や持病等により個人差はあるものの、数年に一度程度の頻度(通常ケアサイクルと呼ばれる)で、脳卒中や転倒による頭部骨折や大腿部骨折などが発生し、急性期病院に緊急入院をする場合がある。その際に、突然の生活環境の激変により、本来治療すべき疾病や傷病の回復が成っても、認知機能が入院中に大幅に低下してしまうケースが(特に後期高齢者において)多いとされている。
この原因として、特に以下の2つの取組の出来不出来が考えられている。
・入院時に可及的速やかにケアマネージャと急性期病院側の関係者が入院患者に対する情報共有(特に日頃の介護や生活状況について、退院時のADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)目標の立案・共有等)の徹底を綿密に行えているか否か。
・入院中に、単なる当該疾病や傷病の治療(キュア)だけに限定せず、患者本人の認知機能低下抑止を意識した介護(ケア)的な観点での対応を、医師や看護師等の関係全スタッフが同時平行して行えているか否か。
これらが不出来である場合は、本来は治療すべき疾病や傷病のみ回復し認知機能は入院前と変わらない状態で退院させるべきところ、認知機能の低下によりそれ以降の要介護状態区分が退院後に突発的に悪化する。このことにより、入院前の要介護状態区分の本来見込まれた継続期間が入院により突発的に短縮され、その分給付費が本来よりも前倒し増大につながることになる。
しかし上述の観点を踏まえ、入院患者の入退院前後における認知機能の突発的な低下を抑止するためにどのような施策(ケアマネージャや急性期病院入退院スタッフ等の取組)を講じればいいかを、定量的に抽出・検証することができなかった。
特許第5567046号公報
本発明は、一元化されたデータベースにより、各種指標を適切に設定して前述した各種の問題点、特に入院イベントが発生した場合の問題点を解決可能な地域包括ケア事業システムを提供することにある。
本発明の実施の形態に係る地域包括ケア事業システムは、住民の基本データ、介護保険データ、医療保険データ、及び自治体が実行する施策を含む施策等固有データを有するデータベースを用いて、所定の施策を達成するために予め設定された複数の指標の値を集計単位別に算出可能な地域包括ケア事業システムであって、 前記指標として、前記施策を実施する実施者の施策の実施状況を含むストラクチャ指標、前記実施者から前記施策の利用者へのサービスの提供状況を含むプロセス指標、及び前記利用者の心身状態の段階変化度を含むアウトカム指標が設定されており、所定のチェック期間中に、病院への入院が発生した前記利用者を集計対象者とし、この集計対象者の入院前の心身状態の段階と退院後所定期間内の心身状態の段階との変化度を集計対象者のアウトカム指標として算出するアウトカム指標算出部と、前記病院への入院前後の所定期間を入院関連分析期間とし、この入院関連分析期間中に前記集計対象者が前記実施者から受けたサービスの実績を表す数値を前記利用者のプロセス指標として算出するプロセス指標算出部と、前記利用者へのサービスを提供した前記実施者が前記入院関連分析期間中に取り組んだ施策の実績を表す数値をストラクチャ指標として算出するストラクチャ指標算出部とを有すことを特徴とする。
上記構成によれば、アウトカム指標・プロセス指標・ストラクチャ指標が相互に関係した連結型O・P・S指標を用いることにより、入院イベントが発生した場合であっても客観的かつ定量的なデータ分析による的確な課題抽出が可能になり、さらに施策の有効性が具体的に示される。
本発明の一実施の形態に係る地域包括ケア事業システムの概要を説明する模式図である。 本発明の一実施の形態で用いられるサーバ、クライアントシステムの構成を示す図である。 本発明の一実施の形態で用いられるO指標算出部、P指標算出部、及びS指標算出部を説明する図である。 本発明の一実施の形態による入院時の医療介護連携の違いによる入院前後の心身状態変化の違いを説明するイメージ図である。 本発明の他の実施の形態に係る地域包括ケア事業システムの概要を説明する模式図である。 本発明の他の実施の形態で用いられるサーバ、クライアントシステムの構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態は、市町村などの自治体などが運営する各種保険者や、自治体の上位機関である都道府県や国など、における介護保険事業を含む各種の業務や事業を包括的に実施運用する地域包括ケア事業システムを得ることにある。
そこで、上述した保険者が実施運用する地域包括ケア事業システムを下位レベルの地域包括ケア事業システムとし、都道府県や国などの上位レベルが実施運用する地域包括ケア事業システムを上位レベルの地域包括ケア事業システムとして、それぞれの実施形態に分けて説明する。
≪下位レベルの地域包括ケアシステムの実施形態≫
図1で示すように、各種の業務や事業に関係するデータを一元化したデータベース10を作成する。図1は、データベース10に構成されるデータ種類、及びデータベース10と地域包括ケア事業システムが提供するソリューション機能15、及び地域包括ケア事業の対象事業領域16との関係を表す模式図である。
前述のように、市町村などの自治体は、基本データ11として、図1で示す住民住所データ111、住民共通番号(仮称)112、地域特性データ113、地域別取組み事例114、などのデータを保有している。また、自治体では、介護保険事業を実施しており、介護保険データ12として、要介護認定データ121、介護レセプトデータ122、介護事業所台帳123、などのデータを保有している。さらに、医療保険に関するデータ13として、高齢者特定健診データ131、国保/後期高齢者医療レセプトデータ132、医療機関台帳133、などのデータも入手可能である。
上述した各種の業務及び事業は、長年にわたって実施されており、各種データ11,12,13は、個別ではあるが定型のフォーマットにより管理されている。
自治体では、これらのほかに、住民に対する自治体固有の地域包括ケアに関する施策が実施されており、それに伴う施策等固有データ14として、基本チェックリスト(日常生活圏域ニーズ調査結果)141、小地域・事業所・利用者向けの施策計画・実績142、などのデータを保有している。これらの施策等固有データ14は、それぞれの施策に応じた各種の形式のものであり、担当部署毎に固有のフォーマットで保管されているのが現状である。
そこで、この発明の実施の形態では、これらのデータ11,12,13,14の必要部分を一元化したデータベース10を作成する。
このデータベース10では、これらデータ11,12,13,14の関連する部分をひも付けして一元化している。このため、基本データ11、介護保険データ12、医療保険データ13及び施策等固有データ14が一元化された分析用の基盤となるデータベース10が得られる。
また、自治体固有の施策等固有データ14をデータベース化することにより、施策実施効果の定量的検証が可能となる。特に、従来困難だった小地域・事業所・利用者の状態像や投資実行してきた多種多様な施策の実施効果の定量的検証が可能になる。
地域包括ケア事業は図示のように対象事業領域16として複数の事業領域161,162,163,164,165,166を持っており、各事業領域161,162,163,164,165,166において各種の施策が実行される。このため、これら施策を達成させるための指標が各事業領域161,162,163,164,165,166別に設定されており、ソリューション機能15は、これら指標が登録された指標メニュー151を有する。
ソリューション機能15はコンピュータにより実現されるものであり、データベース10に一元化された各データ11,12,13,14を用いて、後述するように、各事業領域161,162,163,164,165,166において実行される施策の達成状況や実施状況を、施策ごとに設定された指標の値を集計して分析する。このために、集計単位152や各種の分析機能153が具備されている。
図2は、データベース10を作成すると共に、上述した地域包括ケア事業を実行するコンピュータシステムの構成を示している。
このコンピュータシステムは、クライアントコンピュータ(以下、単にクライアントと呼ぶ)31と、このクライアント31と接続されたサーバコンピュータ(以下、単にサーバと呼ぶ)32とを有し、データベース10は、このサーバ32によりデータの記憶/読出しが制御される。
クライアント31は、自治体の各事業担当部署などに設けられるコンピュータであり、データ取り込部311にて、自治体が保有する住民に関する基本データ11、介護保険データ12、医療保険データ13、及び施策等固有データ14を取り込み、サーバ32に提供する。
サーバ32は、データベース作成部321により、上述した各データ11,12,13,14を一元化されたデータとしてデータベース10の元データ保管部101に記憶させる。データベース作成部321による一元化は、各データ11,12,13に保有される個人や事業所を特定するユニークな番号、又は個人や事業所を特定するユニークな番号を暗号化したコード(例えば、ハッシュ変換による変換コード)を利用し、施策等固有データ14は事業所を特定するユニークな番号を付加して、データを作成・収集する。
上述のように、データ11、12、13は個別ではあるが定型のフォーマットである。これに対し、施策等固有データ14はそれぞれの施策に応じた各種の形式のものであり、各担当部署が施策実施の都度、データを収集するための入力用シートとデータベース10のフォーマット(データテーブル)を作成している。このため、クライアント31及びサーバ32の機能により、施策等固有データ14を収集するための入力シート及びデータベース10のフォーマット(データテーブル)を作成し、データベース10に施策等固有データ14を保存させている
また、サーバ32は、地域包括ケア事業のソリューション機能を実現するために指標算出部322と、集計部323と、分析部324とを有する。指標算出部322は、図1で示した指標メニュー151に事業領域毎に登録された指標の値を、後述する手法により算出する。集計部323は図1で示した集計単位152に登録された集計単位メニュー(小地域単位、利用者単位、事業所単位、等)から決められた対応する集計単位毎に指標の値を集計する。分析部324は、図1で示した分析機能153をそれぞれ実行する。これらの機能、すなわち、サーバ32のソリューション機能の詳細は後述する。
次に、地域包括ケア事業の事業計画で用いる指標の整備について説明する。この指標としては、地域包括ケア事業の実施者の施策実施状況を含むストラクチャ指標(以下、S指標と呼ぶ)、地域包括ケア事業の各施策の実施者から利用者へのサービス提供状況を含むプロセス指標(以下、P指標と呼ぶ)、及び利用者の心身状態の維持期間等の改善結果を表すアウトカム指標(以下、O指標と呼ぶ)を整備する。以下、これらの詳細を説明する。
S指標は、地域包括ケア事業の事業領域毎の各施策を実施する小地域別または事業所別の施策実施状況や環境リスク等に関するもので、利用者に関係する(取り巻く)事業所単位や居住する地域単位で定義される。このS指標は、図1で示した施設等固有データ14に基づいて設定される。
P指標は、利用者のサービス利用状況や同人に対する医療介護等、多主体の連携状況等に関するもので、利用者単位に提供されるサービス提供データ(医療・介護レセプトデータ等)が、利用者、事業所、地域など、それぞれの集計単位で集計されるこのP指標は、図1で示した事務システムデータ11,12,13の対応するものに基づいて設定される。
O指標は、要介護度・自立度・基本チェックリストスコアの段階変化度等、利用者単位の心身状態や費用等の施策実施効果を表すデータ(認定データ等)を、利用者、事業所、地域など、それぞれの集計単位で集計するものである。このO指標は、図1で示した事務システムデータ11,12,13の対応するものに基づいて設定される。
また日常生活圏域ニーズ調査の基本チェックリストなどのように、アンケート項目として該当か非該当かの2択の項目が複数ある場合には、意味のある項目グループごとに、例えば、ADL、IADL(Instrumental Activity of Daily Living:手段的日常生活動作)、認知機能等ごとに、該当項目をカウントして算出した値を、その項目グループのリスク段階と見立てて、心身状態段階変化度を算出する方法が考えられる。
なお、認定調査項目の中間評価項目得点や、健診項目の検体検査値のように、連続的な数値をもつ項目についても、それらの数値を所定のリスク段階に振り分けてコード変換することで、上記と同様に心身状態の段階変化度の算出をすることができる。これにより、例えば健診の検体検査項目であるHbA1Cの値をリスク段階としてとらえなおすことで、糖尿病のリスク段階別変化度の算出などが可能になる。同様に対象疾病別に注目フォローすべき検査項目の値を、それぞれのリスク段階に変換することにより、疾病別のリスク段階別変化度の算出が可能になる。
すなわち、さまざまなデータ属性を持つどのような心身状態項目に対しても、それぞれに最適なリスク段階を表す離散的なコード値に変換してリスク段階を定義することにより、心身状態段階変化度であるO指標の算出が可能になる。
本発明の実施の形態では、これらS指標、P指標、O指標を、O指標をキーとして互いに関連させて設定する、連結型連結型O・P・S指標として構成することを特徴とする。連結型O・P・S指標の具体例及び算出については後述する。
これらの指標は、前述したソリューション機能を実現する指標算出部322の指標メニューに、複数の事業領域毎にそれぞれ設定され、登録されている。
指標算出部322は、データベース10の元データ保管部101に保管されたデータを用いて、事業領域毎に指標の値を算出する。算出された指標の値は、データベース10の指標保管部102に保管される。
集計部323は、指標毎に算出された指標の値を、各指標別に、所定の集計単位毎に集計する。集計単位は、地域包括ケアを実施する小地域や事業所、或は地域包括ケア事業の利用者などであり、指標の内容に応じて決められる。
分析部324は、指標毎に、集計単位別の数値から集計単位間の格差、及び各集計単位の平均値からの乖離の大きさを捉える現状分析機能を実行する。そして、集計単位間の格差、及び平均からの乖離の大きさから、格差が大きい指標を抽出し、かつ平均からの乖離の大きい指標を多く有する集計単位を抽出し、課題を明確化する。
また、分析部324は、有効施策抽出のため、各指標の値を用いて、各指標間の相関係数をそれぞれ算出する。そして、O指標との相関係数が高いP指標との組み合わせ、O指標との相関係数が高いS指標との組み合わせ、及びP指標との相関係数が高いS指標との組み合わせを有効施策として抽出する。
また、分析部324では、費用対効果シミュレーション機能を実行する。すなわち、有効施策に掛かる投資額を整理し、各有効施策実施による介護給付費の抑制額を算出する。そして、これら投資額と抑制額との差を求め、この差を有効施策ごとに比較し、この比較結果により有効施策に優先順位をつける。このシミュレーション機能により費用対効果の高い有効施策を優先することが可能となる。
さらに、分析部324では、指標モニタリング機能と集計単位モニタリング機能とを実行する。指標モニタリング機能では、格差の大きな指標をモニタリング対象とし、モニタリング周期毎に複数の集計単位別に該当する指標の値を検出する。そして、集計単位間の格差を算出することで、時系列な格差の推移を捉える。このため有効施策の実行により、格差が大きい指標がどのように変化するかをモニタリングすることができる。
集計単位モニタリング機能では、平均から悪い方に乖離の大きい指標を多く有する集計単位をモニタリング対象とし、この集計単位に関する複数の指標の値を、モニタリング周期毎に検出して目標値及び基準値と比較することで、時系列な各指標の判定結果が時系列的に得られる。このため、有効施策の実行により、平均からの乖離が大きい指標がどのように変化するかを集計単位別にモニタリングすることができる。
これらの分析結果はデータベース10の分析結果保管部103に保管される。そして、クライアント31からの要求によりクライアント31に出力され、クライアント31での分析に供される。
図4は、利用者が入院した(入院イベントの発生)時の医療介護連携の違いによる入院前後の心身状態変化の違いを表すイメージ図である。
すなわち、図4(a)(b)は、入院時医療介護連携施策における、入院時のケアマネージャと急性期病院の緊密連携による入院期間及びその前後のケアの質向上による認知機能悪化抑止の様子を示している。図4(a)(b)の各上側のグラフの縦軸は身体機能悪化状態、横軸は短期的な期間(単位:ヶ月)を、各下側のグラフの縦軸は認知症高齢者の日常生活自立度(認知機能悪化状態)、横軸は各上側のグラフと同じ、短期的な期間(単位:ヶ月)である。
図4(a)(b)において、各上側のグラフの身体機能悪化状態の値(縦軸)の変化は、脳卒中や転倒による大腿部骨折等により身体機能が急性憎悪し、治療のために入院し、入院治療により身体機能悪化状態の値が減少し、身体機能悪化状態の値が入院前と同じになり、退院したことを表現している。
これに対し、各下側のグラフの階段は認知症高齢者の日常生活自立度の段階が上がることを表現しており、日常生活自立度(縦軸)における階段の高さは、それを要介護度に見立てることで、ある利用者の各要介護度における平均介護給付費月額(円)を示している。当該要介護度期間における斜線部の面積は、当該要介護度における平均介護給付費月額(円)×期間(月数)であり、当該利用者の当該要介護度における全介護給付費(円)を示している。
入院時にケアマネージャと急性期病院の緊密連携があり、当該患者に対する入院中における本来の治療行為に加えて、介護ケア観点からの配慮もなされている場合に、患者の心身状態は維持・改善され、認知機能は悪化することなく退院することができる。更に、退院時の医療介護連携が良い場合、退院後に日常生活自立度が悪化することなく生活することができる。その様子を図4(a)のグラフで表現している。
一方、入院時にケアマネージャと急性期病院の緊密連携がなく、当該患者に対して入院中における本来の治療行為だけに集中してしまい、介護ケア観点からの配慮がなされていない場合、入院中に患者の認知機能は悪化する。更に、退院時医療介護連携が十分に行われない場合、退院時(又は退院後速やか)に変更認定申請が頻発し、日常生活自立度の段階が上がる(悪化する)場合が多いとされている。その様子を表現したグラフが図4(b)である。このように、当該利用者(患者)における退院後の介護給付費は、図4で示す2パターンの中で、(a)の場合は小さく、(b)の場合は大きい。
図3は、上述した入院時の医療介護連携に係るO指標算出部、P指標算出部、及びS指標算出部の機能を、図2で示した指標算出部322に持たせた場合のシステム構成図である。この指標算出部322は、設定部1800、O指標算出部1801、P指標算出部1802、及びS指標算出部1803を有する。
以下、連結型O・P・S指標の設定及び算出の処理の流れを図3の機能ブロック図、及びこれに対応する以下のフロー番号ごとに説明する。
1. 指標共通(設定部1800の処理)
1.1 対象疾病の決定:認定者(要支援1・2、要介護1〜5))の緊急入院原因疾病により決定する。
1.2 集計単位の決定:介護側は入院患者が利用している居宅介護支援事業所、ケアマネージャ個人とする。また、医療側は、入院先の急性期病院とする。
1.3 集計時点の決定:集計実施間隔(3ヶ月単位、6ヶ月単位、1年単位等)に応じて適宜設定する。
1.4 入院イベントの抽出期間の決定:集計実施間隔その他より決めるが、基本は認定有効期間が最も多い1年間とする。
1.5 入院関連分析期間の決定:入院イベントの前後所定期間を決定する。入院中から退院後所定期間を設定する。
なお、分析対象データとなる基本データのセット、介護データのセットのセット、医療データのセット、及び施策等固有データのセットは、図2のクライアント31のデータ取り込部311及びサーバ32のデータベース作成部321での処理により行われる。すなわち、上述したピックアップされた各データは、クライアント31のデータ取り込部311から、サーバ32のデータベース作成部321により、データベース10の元データ保管部101に記憶される。
2.O指標の算出(O指標の算出部1801の処理)
2.1 入院対象者の抽出:予め設定した入院イベント抽出期間に入院イベントが発生した65歳以上の対象者を抽出する。
なお、入院イベントのチェックとしては、医療レセプトデータを利用する場合と、同データがなく介護レセプトデータだけが利用可能な場合で、異なる。医療レセプトデータを利用する場合は、急性期病院のDPCデータにおいて入院イベントを検出する。
医療レセプトデータがなく介護レセプトデータだけが利用可能な場合は、居宅介護支援事業所サービス加算項目で、入院時情報提供加算または退院時共同指導加算が請求されているかにより入院イベントを検出する。
2.2 入院関連分析期間内の認定更新チェック:予め設定した入院関連分析期間内で、心身状態の段階が変化しているかをチェックする。
2.3 入院前心身状態段階別退院後心身状態変化度の算出:入院前心身状態段階と退院後の心身状態段階との変化度をO指標の値として算出する。
2.4 入院前心身状態段階別見込み継続期間に対する入院による短縮期間の算出:入院前の検診で心身状態段階がどの程度継続するかの見込み継続期間が、入院により、どの程度短縮されたか短縮期間を算出する、
2.5 集計単位別の集計:集計対象のO指標の値を、同個人が属する集計単位(急性期病院、居宅介護支援事業所等)で集計し、集計値の平均値を算出し、算出した値を集計単位のO指標の値とする。
2.6 性別・年齢区分調整:上述のようにして求めた集計対象を集計した集計単位(小地域、事業所等)を比較するために性別・年齢区分に所定の補正係数をかけて調整を行う。
上記実施例では入院前心身状態段階別退院後心身状態変化度を、入院前心身状態段階別に算出し、これをO指標として定義している。しかし、心身状態項目が通常複数あり、これら複数の心身状態項目についてそれぞれ段階別のO指標を算出するため、O指標の数は膨大になることが想定される。
指標数が必要以上に多いと情報過多となり、これらの情報を基に居宅介護支援事業所(またはケアマネージャ)毎や急性期病院等毎の傾向や課題を把握することが困難となる場合が考えられる。このため、指標数が多い場合は適切な量に集約する必要がある。その際、心身状態項目の各段階における集計人数比は同段階毎に異なるため、それらの単純平均では事業所間の比較をすることができない。そこで、同一心身状態項目の各段階における集計人数比に基づく加重平均を、当該心身状態項目の全段階を集約したO指標として用いる。
以下、このO指標の求め方を説明する。
集約対象である心身状態項目の各段階別の指標値をV1、V2、V3…Vn、各段階別指標の集計人数(レコード数)をN1、N2、N3…Nnとするとき、集約後の指標値Uは以下の計算式を用いて算出する。
U=(V1×N1+V2×N2+V3×N3+…+Vn×Nn)
÷(N1+N2+N3+…+Nn)
例えば、3つの指標A、B及びCを集約する場合、指標A、B及びCの指標値がそれぞれ10、25、40、集計対象レコード数がそれぞれ3、2、1のとき、集約後の指標値は下式の通り20となる。
U=(10×3+25×2+40×1)/(3+2+1)=20
集約の度合いについては、同一心身状態項目の各段階だけでなく、例えば、認定調査項目の第1群〜第5群等、関連のある心身状態項目同士についても上記同様に集約したO指標とすることも可能である。
すなわち、O指標算出部は、心身状態の項目が複数あり、これら心身状態の複数の項目について、それぞれ各段階のO指標値を算出した場合、指標値の数が多くなる。そこで、心身状態の項目別に、集計単位に属する利用者の各段階における指標値と、各段階での指標値のレコード数を用いて全段階を集約した加重平均値を求める。そして、この加重平均値を集計単位の、ある心身状態の項目のO指標とする。
これらにより、指標数が多い場合、現場である居宅介護支援事業所(またはケアマネージャ)等や急性期病院等にとって理解可能で業務改善に向けて具体的な実践につながる指標内容や指標数への集約が可能となる。
具体的な効果として、自治体等の保険者が居宅介護支援事業所(またはケアマネージャ)毎や急性期病院、及び介護サービスの利用者及び患者へ情報提供を行う際、彼らが理解しやすい情報粒度の実現が可能である。また、自治体等、保険者が居宅介護支援事業所(またはケアマネージャ)や急性期病院等毎の強みや弱みなどを把握しやすくなり、インセンティブ成果指標等への拡張がスムーズになる。
上記集約例は、P指標及びS指標についても同様に適用可能である。また、地域包括ケア事業の全事業領域(介護重度化抑止事業(心身状態改善・維持継続事業)、新総合事業(介護予防・生活支援)、在宅医療・介護連携、急性増悪入退院時医療・介護連携、疾病予防・重度化抑止)に適用可能である。
次に、P指標の算出部1802の処理を説明する。
3.P指標値の算出(P指標算出部1802の処理)
3.1 P指標関連の医療介護連携関連等項目のセット:心身状態維持・改善に資するサービス内容の項目をP指標としてセットする。P指標の詳細は後述する。
3.2 上記項目内容の入院関連分析期間内の抽出:予め設定した入院関連分析期間内の各月のサービス内容(実績)を集計対象候補(個人)ごとに抽出する。
3.3 当該分析期間内のP指標算出:予め設定した入院関連分析期間内の各月のサービス内容(実績)を算出し、集計対象候補(個人)ごとのP指標の値とする。
3.4 集計単位集計:上述したフロー番号3.3で算出した各P指標の値を、この集計対象者が属する集計単位(病院、事業所等)で集計して、集計値の平均値を算出し、集計単位のP指標の値とする。
3.5 性別・年齢区分調整:集計単位(病院、事業所等)を比較するために、フロー番号3,4で算出した各P指標の値に、性別・年齢区分に対応する所定の補正係数をかけて調整を行う。
4.S指標値の算出(S指標の算出部1803の処理)
4,1 S指標関連の集計単位の医療介護連携等取組項目のセット:心身状態維持・改善に資する病院や事業所等の取組の項目をS指標としてセットする。S指標の詳細は後述する。
4.2 集計単位の上記取組の入院関連分析期間内の抽出:予め設定した入院関連分析期間内の各月の取組(実績)を集計対象候補(個人)ごとに抽出する。
4.3 当該分析期間内のS指標算出:予め設定した入院関連分析期間内の各月の取組(実績)を算出し、集計対象(個人)ごとのS指標の値を求める。
4.4 集計単位集計:上述したフロー番号4.3で算出した各S指標の値を、この対象者候補2が属する集計単位で集計して、集計値の平均値を算出し、算出した値を集計単位のS指標の値とする。
4.5 性別・年齢区分調整:集計単位を比較するために、フロー番号4,4で算出した各S指標の値に、性別・年齢区分に対応する所定の補正係数をかけて調整を行う。
次に、上述した入院時の医療介護連携に係る事業に関する集計条件等ついて説明する。
[集計対象領域]
緊急入院原因疾病
[対象者]
認定者(要支援1・2、要介護1〜5)(入院時に介護側と医療側に主体的なサービス担当者がいる場合)
[集計単位]
<介護側> 居宅介護支援事業所、ケアマネージャ個人
<医療側> 急性期病院
[データソース]
<介護側>
・要介護認定データ(全国共通)
・介護レセプトデータ(全国共通)
・居宅介護支援事業所やケアマネージャ個人の取組等データ(保険者固有の居宅介護支援事業所・ケアマネージャ個人共通のアンケートデータ)
・居宅介護支援事業所(ケアマネージャ個人)属性等データ(保険者固有の居宅介護支援事業所・ケアマネージャ個人共通のアンケートデータ)
・居宅介護支援事業所(ケアマネージャ個人)別利用者属性等データ(保険者固有の居宅介護支援事業所・ケアマネージャ個人共通のアンケートデータ)
<医療側>
・健診データ(全国共通)
・医療レセプトデータ(全国共通)
・急性期病院の取組等データ(保険者固有の急性期病院共通のアンケートデータ)
・急性期病院属性等データ(保険者固有の急性期病院共通のアンケートデータ)
・急性期病院別利用者属性等データ(保険者固有の急性期病院共通のアンケートデータ)
救急入院原因疾病としては、脳卒中、転倒による頭部骨折や大腿部骨折、急性心筋梗塞、呼吸器・消化器・循環器・泌尿器等別慢性疾病の急性憎悪などが想定される。
居宅介護支援事業所(ケアマネージャ個人)属性等データまたは急性期病院属性等データとは、事業所や病院の規模、法人種別等である。これらの一部は介護事業所台帳や医療機関台帳等にも含まれるデータで、事業所または病院の取組ではコントロール困難な事業所または病院の基本属性等である。
ここで、居宅介護支援事業所(ケアマネージャ個人)別利用者属性等データまたは急性病院別利用者属性等データとは、利用者の生活習慣、人生哲学、家庭環境、職場環境、近隣環境及び経済状況などの、要介護認定データには含まれない、利用者取組ではコントロール困難な利用者の基本属性等を事業所または病院ごとに集計したデータである。
それぞれの属性等データとしては、良し悪しにつながるコードを、大小関係を考慮して定義するものとする。
これらにより、提供サービスや事業所または病院取組は同じで効果が異なる事業所または病院同士の原因分析などに役立つ可能性がある。
なお、居宅介護支援事業所または急性期病院の評価を徹底するためには、1介護保険者データのみでは不十分である。その理由は、特に急性病院の所在地が当該保険者外にある場合も少なからずあり、隣接する例えば二次医療圏内の他の保険者の被保険者が入院する可能性がある。その場合には、上記複数保険者を統合した介護保険データ及び医療保険データを集約しての病院別集計分析が必要となる。ただし、その際の各種指標集計のロジックは1保険者の場合と同一である。
次に、上述した集計条件等に基づく、入院時の医療介護連携におけるO・P・S指標の具体例をそれぞれ説明する。
なお、以降の記載において、記号×は、乗算を意味するものではなく、その前後の項目の組み合わせを表すものである。
O指標;
<介護側>
[緊急入院原因疾病別×居宅介護支援事業所別(ケアマネージャ個人別)×入院前心身状態段階別×退院後平均段階変化度]
・緊急入院原因疾病別×居宅介護支援事業所別(ケアマネージャ個人別)×入院前要介護状態区分段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×居宅介護支援事業所別(ケアマネージャ個人別)×入院前認知症自立度段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×居宅介護支援事業所別(ケアマネージャ個人別)×入院前障害自立度段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×居宅介護支援事業所別(ケアマネージャ個人別)×入院前認定調査項目段階別×退院後平均段階変化度
<医療側>
[緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前心身状態段階別×退院後平均段階変化度]
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前要介護状態区分段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前認知症自立度段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前障害自立度段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前認定調査項目段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前健診検査項目リスク段階別×退院後平均段階変化度
ここで、O指標としての退院後平均段階変化度は、入院中から退院後所定期間内に認定変更申請がある場合の当該心身状態の段階コード値の入院前のそれとの差分値である。上記期間に認定変更申請がない場合には、当該段階変化はなかったものと見なす。
また、健診各種検査項目リスク段階が<医療側>のみにあるのは、それらが疾病別のリスク度を表し、それらのコントールは医療側のみ可能であるものと想定したためである。
また、性別と年齢区分で平均段階変化度のアジャストを行う。年齢区分としては、前期高齢者区分と後期高齢者区分を採用。また年齢区分の判定タイミングは、入院月における年齢から判定するものとする。入院月については、医療レセプトデータの当該レセプト発生月から決定する。
さらに、O指標の他の実施例として、当該利用者が利用している介護サービス種類別事業所の性別・年齢区分別の心身状態段階別平均継続期間もしくは保険者全体の当該期間に対して、入院前心身状態段階の開始月と入院月の差分として算出される当該平均継続期間からの短縮期間に着目する方法も考えられる。この考えに基づけば、入院による想定外の認知機能低下による要介護状態区分悪化の医療機関や居宅介護支援事業所への報酬の減額算定などへの展開も想定される。
P指標
<介護側>
[緊急入院原因疾病別×居宅介護支援事業所別(ケアマネージャ個人別)×入院前心身状態段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率]
・同疾病別×同事業所別(同個人別)×入院前要介護状態区分段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・同疾病別×同事業所別(同個人別)×入院前認知症自立度段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・同疾病別×同事業所別(同個人別)×入院前障害自立度段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・同疾病別×同事業所別(同個人別)×入院前認定調査項目段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・同疾病別×同事業所別(同個人別)×居宅介護支援事業所別(ケアマネージャ個人別)利用者属性等(当該事業所(当該ケアマネージャ個人)間差異の原因分析用指標)
<医療側>
[緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前心身状態段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率]
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前要介護状態区分段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前認知症自立度段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前障害自立度段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前認定調査項目段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前健診検査項目リスク段階別当該疾病治療処置目別×平均請求比率
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×急性期病院別利用者属性等
ここで、上記介護側の5番目のP指標、及び医療側の6番目のP指標は、利用者の生活習慣・人生哲学・家庭環境・職場環境・近隣環境・経済状況などの、要介護認定データには含まれない、事業所または病院側でコントロール困難な利用者の属性等を、事業所または病院ごとに集計したデータである。これらにより、提供サービスが同じで効果が異なる事業所または病院同士の原因分析などに役立つ可能性がある。
P指標は、O指標で抽出した入院前後を含む当該入院関連期間内において、各利用者に対して居宅介護支援事業所もしくはケアマネージャ個人と急性期病院スタッフ間連携の実施状況を、当該加算項目の平均請求比率を算出して求める。
<医療側>の健診各種検査項目リスク段階については、医療介護連携加算項目の請求比率でなく、疾病別の各種治療処置項目の平均提供量を算出して求める。
<介護側>の入院時の医療介護連携加算項目として、以下を想定する。単位数は2012年5月時点のものを記載している。ここで単位とは、当該単位数を10倍して地域別単価調整(物価水準の違いによる調整で都市部の方を高めに調整)を行ったものが、介護事業所が国保連に対して請求する金額となる。
1.入院時・情報連携加算 (訪問:200単位、訪問以外:100単位)
2.退院退所加算:300単位(入院等期間中に3回まで算定可,内1回は医療機関でのカンファレンスに参加)
退院後の生活支援の準備(面接)、アセスメント情報収集、ケアプランに反映させ,医療機関の求めによりケアプランを提出する。
3.緊急時等居宅カンファレンス加算:200単位 (病院等の求めにより月2回まで)
<医療側>の入院時の医療介護連携加算項目としては、以下を想定する。単位数は2012年5月時点のものを記載している。ここで点数とは、当該点数を10倍したものが、医療機関が国保連や社会保険支払基金等に対して請求する金額となる。
1、退院調整加算(急性期):1〜14日340点、15日〜30日150点、31日〜50点(退院時1回)
スクリーニング体制整備、入院7日以内に退院支援計画策定着手、連絡・退院調整、調整内容を文書で提供。
2.退院時共同指導料:300点
入院中の病院の医師又は看護師等と在宅担当医と共同指導(文書で提供,入院中1回)。
加算 在宅担当医と共同:300点
在宅療養スタッフ3人以上と共同:2000点(医師、看護師、歯科医師、歯科衛生士、薬剤師、訪問看護師、介護支援専門員)。
3.介護支援連携指導料:300点
介護保険サービスを受ける上での医学的留意事項,療養上の留意点を共同指導(入院中2回まで)。
医師・看護師・社会福祉士等が介護支援専門員と共同。
入院中の患者からの同意必要、患者の同意を得て介護支援専門員からケアプランの写しを得る。
4.退院前訪問指導料:555点
5.診療情報提供料:250点
S指標
<介護側>
[緊急入院原因疾病別×居宅介護支援事業所別(ケアマネージャ個人別)×入院前心身状態段階別事業所(個人)取組別×平均実施量
・同疾病別×同事業所別(同個人別)×入院前要介護状態区分段階別事業所(個人)取組別×平均実施量
・同疾病別×同事業所別(同個人別)×入院前認知症自立度段階別事業所(個人)取組別×平均実施量
・同疾病別×同事業所別(同個人別)×入院前障害自立度段階別事業所(個人)取組別×平均実施量
・同疾病別×同事業所別(同個人別)×入院前認定調査項目段階別事業所(個人)取組別×平均実施量
・同疾病別×同事業所別(同個人別)×同事業所(同個人)属性等(事業所等間差異の原因分析用指標)
<医療側>
[緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前心身状態段階別病院取組別×平均実施量]
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前要介護状態区分段階別病院取組別×平均実施量
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前認知症自立度段階別病院取組別×平均実施量
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前障害自立度段階別病院取組別×平均実施量
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前認定調査項目段階別病院取組別×平均実施量
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×入院前健診検査項目リスク段階別病院取組別×平均実施量
・緊急入院原因疾病別×急性期病院別×急性期病院属性等(病院間差異の原因分析用指標)
ここで、上記介護側の5番目のS指標、及び医療側の6番目のS指標は、事業所または急性期病院の規模や法人種別等で、一部は介護事業所台帳や医療機関台帳に喪含まれるデータで、事業所または病院側でコントロール困難な事業所または病院の属性等である。これらにより、各取組(S指標)提供サービス同じだが、効果(O指標)が異なる事業所または病院同士の原因分析などに役立つ可能性がある。
S指標は、O指標で抽出した入院前後含む当該入院関連期間内において、居宅介護支援事業所もしくはケアマネージャ個人と急性期病院スタッフの組織的取組の平均実施量を算出して求める。
<介護側>の居宅介護支援事業所もしくはケアマネージャ個人の取組例としては、以下が想定される。
・利用者にケアマネ情報常時携帯依頼徹底
・入院時期をタイムリーに把握するための利用者家族、急性期病院スタッフとの緊急時の
連絡ルール徹底
・入院時の急性期病院への利用者の生活・心身・介護情報のインプットフォーム整備等
<医療側>の急性期病院の取組例としては、以下が想定される。
・利用者(患者)緊急入院時にケアマネへのタイムリーな初期通報必須化の徹底体制整備
・入院時のケアマネからの利用者(患者)に関する生活・心身・介護情報提供の場開催必須化及び体制整備
・入院時のケアマネへの利用者の生活・心身・介護情報のインプットフォーム整備
・ケアマネからの患者の生活・心身・介護情報に基づき、単なる対象疾病の治療だけでなく、介護ケア的観点での対応の体制整備等
このように介護側・医療側のそれぞれについて連結型O・P・S指標を用いたことにより介護側・医療側のそれぞれにおいて客観的かつ定量的なデータ分析により、的確な課題抽出が可能になり、さらに施策の有効性が具体的に示されると共に、精度の高い指標による地域包括ケア事業の的確な実施が可能となる。
前述した実施形態は、自治体などが保険者となって実施運用する下位レベルでの地域包括ケア事業システムを説明した。ここで保険者とは介護保険者の場合は自治体、医療保険者の場合は、職域医療保険が組合健保や共済健保等、地域医療保険が協会けんぽや国保(自治体)や後期高齢者医療連合などである。
このような保険者レベルでの地域包括ケア事業システムの手法を、より上位の都道府県や国レベルでの地域包括ケア事業のシステムに適用することが可能である。以下、この上位レベルの地域包括事業システムの実施形態を説明する。
≪上位レベルの地域包括ケアシステムの実施形態≫
前述した下位レベルの地域包括システムでは、介護や医療の各保険者が、小地域や事業所などの集計単位毎に、事業単位別のO・P・S指標の値を捉えていた。これに対し、この実施の形態による上位レベルの地域包括システムでは、集計単位が各保険者となり、各保険者のO・P・S指標の格差や乖離の大きさなどを求め、各保険者における地域包括ケア事業の状況を都道府県や、国等のレベルで把握できるようにする。
この場合のシステム構成を図5、図6を用いて説明する。基本的なシステム構成は図1及び図2で示したものと共通する部分が多いので、共通する部分に同一符号を付して以下説明する。
この上位レベルの地域包括ケア事業システムも、図5の模式図で示すように、データベース10、対象事業領域16に対するソリューション機能15を備えている。
ただし、集計単位を各保険者とし、それらより上位の都道府県や国レベルでの地域包括事業システムであるため、データベース10に対しては、各種保険者A,B,C,・・・から、以下の各種データが提供される。
・基本データ11である、住民住所データ111、住民共通番号(仮称)112、地域特性データ113、地域別取組み事例114。
・介護保険データ12として、要介護認定データ121、介護レセプトデータ122、介護事業所台帳123。
・医療保険に関するデータ13として、高齢者特定健診データ131、国保/後期高齢者医療レセプトデータ132、医療機関台帳133。
・住民に対する自治体固有の地域包括ケアに関する施策等固有データ14として、基本チェックリスト(日常生活圏域ニーズ調査結果)141、小地域・事業所・利用者向けの施策計画・実績142。
データベース10は、これらのデータ11,12,13,14の必要部分を一元化して保管する。すなわち、このデータベース10では、これらデータ11,12,13,14の関連する部分をひも付けして一元化している。
地域包括ケア事業の各事業領域161,162,163,164,165,166が実行する施策を達成させるために、各事業領域161,162,163,164,165,166別に設定された指標が、ソリューション機能15の指標メニュー151に登録されている。
ソリューション機能15はコンピュータにより実現されるものであり、データベース10に一元化された各データ11,12,13,14を用いて、各事業領域161,162,163,164,165,166において実行される施策の達成状況や実施状況を、施策ごとに設定された指標の値を集計して分析する。このために、前述した指標メニュー151の他に、集計単位メニュー152や各種の分析機能153が具備されている。
すなわち、図5で示す上位の地域包括ケア事業システムは、各保険者A,B,C、・・・から提供される個人レベルのデータを含む各種データを、上位の都道府県や国レベルが管轄するデータベース10に一元化し、ソリューション機能15にて、前述の下位レベルでの地域包括ケア事業システムと同様の手法により、これらデータから得られる指標を、集計単位である保険者別に集計して分析するシステムである。ここで、集計単位である保険者は、前述のように、介護保険者(自治体)、職域医療保険者(組合健保、共済健保)、地域医療保険者(協会けんぽ、国保、後期高齢者医療連合)とする。
図6は、データベース10を作成すると共に、地域包括ケア事業を実行するコンピュータシステムの構成を示している。図6においても、クライアント31と、このクライアント31と接続されたサーバ32とを有し、データベース10は、サーバ32によりデータの記憶/読出しが制御されるコンピュータシステムであることが示されている。
クライアント31は、各保険者A,B,C、・・・に設けられるコンピュータであり、データ取り込部311にて、住民に関する基本データ11、介護保険データ12、医療保険データ13、及び施策等固有データ14を取り込み、サーバ32に提供する。
サーバ32は、データベース作成部321により、上述した各データ11,12,13,14を一元化されたデータとしてデータベース10の元データ保管部101に記憶させる。
また、サーバ32は、地域包括ケア事業のソリューション機能を実現するために指標算出部322と、集計部323と、分析部324とを有する。指標算出部322は、図5の指標メニュー151に事業領域毎に登録された指標の値を算出する。
集計部323は図5の集計単位メニュー152に登録された集計単位(介護保険者(自治体)、職域医療保険者(組合健保、共済健保)、地域医療保険者(協会けんぽ、国保、後期高齢者医療連合)等)毎に指標の値を集計する。分析部324は、図5で示した分析機能153をそれぞれ実行する。
この上位の地域包括ケア事業システムにおいても、下位レベルの地域包括ケアシステムと同様に、入院時の医療介護連携に係る事業に関して、介護側・医療側のそれぞれについて、O・P・S指標を求め、連結型O・P・S指標により、各保険者を評価している。そこで、上述した各事業でのO・P・S指標の具体例を説明する。
まず、入院時の医療介護連携に係る事業に関する集計条件等ついて説明する。
[集計対象領域]
緊急入院原因疾病
[対象者]
認定者(要支援1・2、要介護1〜5)(入院時に介護側と医療側に主体的なサービス担当者がいる場合)
[集計単位]
<介護側> 自治体(自治体住民であって、介護保険の被保険者である全高齢者を集計対象とするため)
<医療側> 自治体(自治体住民であって、国保医療保険の被保険者である前期高齢者と後期高齢者医療広域連合の被保険者である後期高齢者を、集計対象とするため)
[データソース]
<介護側>
・要介護認定データ(全国共通)
・介護レセプトデータ(全国共通)
・居宅介護支援事業所やケアマネージャ個人の取組等データ(保険者固有の居宅介護支援事業所・ケアマネージャ個人共通のアンケートデータ)
・居宅介護支援事業所(ケアマネージャ個人)属性等データ(保険者固有の居宅介護支援事業所・ケアマネージャ個人共通のアンケートデータ)
・居宅介護支援事業所(ケアマネージャ個人)別利用者属性等データ(保険者固有の居宅介護支援事業所・ケアマネージャ個人共通のアンケートデータ)
<医療側>
・健診データ(全国共通)
・医療レセプトデータ(全国共通)
・急性期病院の取組等データ(保険者固有の急性期病院共通のアンケートデータ)
・急性期病院属性等データ(保険者固有の急性期病院共通のアンケートデータ)
・急性期病院別利用者属性等データ(保険者固有の急性期病院共通のアンケートデータ)
救急入院原因疾病としては、脳卒中、転倒による頭部骨折や大腿部骨折、急性心筋梗塞、呼吸器・消化器・循環器・泌尿器等別慢性疾病の急性憎悪などが想定される。
居宅介護支援事業所(ケアマネージャ個人)属性等データまたは急性期病院属性等データとは、事業所や病院の規模、法人種別等である。これらの一部は介護事業所台帳や医療機関台帳等にも含まれるデータで、事業所または病院の取組ではコントロール困難な事業所または病院の基本属性等である。
ここで、居宅介護支援事業所(ケアマネージャ個人)別利用者属性等データまたは急性病院別利用者属性等データとは、利用者の生活習慣、人生哲学、家庭環境、職場環境、近隣環境及び経済状況などの、要介護認定データには含まれない、利用者取組ではコントロール困難な利用者の基本属性等を事業所または病院ごとに集計したデータである。
それぞれの属性等データとしては、良し悪しにつながるコードを、大小関係を考慮して定義するものとする。
これらにより、提供サービスや事業所または病院取組は同じで効果が異なる事業所または病院同士の原因分析などに役立つ可能性がある。
なお、居宅介護支援事業所または急性期病院の評価を徹底するためには、1介護保険者データのみでは不十分である。その理由は、特に急性病院の所在地が当該保険者外にある場合も少なからずあり、隣接する例えば二次医療圏内の他の保険者の被保険者が入院する可能性がある。その場合には、上記複数保険者を統合した介護保険データ及び医療保険データを集約しての病院別集計分析が必要となる。ただし、その際の各種指標集計のロジックは1保険者の場合と同一である。
次に、上述した集計条件等に基づく、入院時の医療介護連携におけるO・P・S指標の具体例をそれぞれ説明する。
なお、以降の記載において、記号×は、乗算を意味するものではなく、その前後の項目の組み合わせを表すものである。
O指標;
<介護側>
[緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前心身状態段階別×退院後平均段階変化度]
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前要介護状態区分段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前認知症自立度段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前障害自立度段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前認定調査項目段階別×退院後平均段階変化度
<医療側>
[緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前心身状態段階別×退院後平均段階変化度]
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前要介護状態区分段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前認知症自立度段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前障害自立度段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前認定調査項目段階別×退院後平均段階変化度
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前健診検査項目リスク段階別×退院後平均段階変化度
ここで、O指標としての退院後平均段階変化度は、入院中から退院後所定期間内に認定変更申請がある場合の当該心身状態の段階コード値の入院前のそれとの差分値である。上記期間に認定変更申請がない場合には、当該段階変化はなかったものと見なす。
また、健診各種検査項目リスク段階が<医療側>のみにあるのは、それらが疾病別のリスク度を表し、それらのコントールは医療側のみ可能であるものと想定したためである。
また、性別と年齢区分で平均段階変化度のアジャストを行う。年齢区分としては、前期高齢者区分と後期高齢者区分を採用。また年齢区分の判定タイミングは、入院月における年齢から判定するものとする。入院月については、医療レセプトデータの当該レセプト発生月から決定する。
さらに、O指標の他の実施例として、当該利用者が利用している介護サービス種類別事業所の性別・年齢区分別の心身状態段階別平均継続期間もしくは保険者全体の当該期間に対して、入院前心身状態段階の開始月と入院月の差分として算出される当該平均継続期間からの短縮期間に着目する方法も考えられる。この考えに基づけば、入院による想定外の認知機能低下による要介護状態区分悪化の自治体への報酬の減額算定などへの展開も想定される。
本明細書前半の下位レベルの地域包括ケアシステムの実施形でも説明したが、上記実施例では心身状態項目の段階別にO指標を定義しているため、O指標の数は膨大になることが想定される。
指標数が必要以上に多いと情報過多となるため、指標数が多い場合は、前述と同様の手法により適切な量に集約する。すなわち、心身状態項目の各段階における集計人数比は同段階毎に異なるため、それらの単純平均では集計単位間(自治体や保険者間等)の比較をすることができない。そこで、同一心身状態項目の各段階における集計人数比に基づく加重平均を、当該心身状態項目の全段階を集約したO指標として下式により求める。
ここで、集約対象である心身状態項目の各段階別の指標値をV1、V2、V3…Vn、各段階別指標の集計人数(レコード数)をN1、N2、N3…Nnとし、集約後の指標値をUとする。
U=(V1×N1+V2×N2+V3×N3+…+Vn×Nn)
÷(N1+N2+N3+…+Nn)
集約の度合いについては、同一心身状態項目の各段階だけでなく、認定調査項目の第1群〜第5群等、関連のある心身状態項目同士についても集約したO指標とすることも可能である。
これらにより、指標数が多い場合、現場である保険者等にとって理解可能で業務改善に向けて具体的な実践につながる指標内容や指標数への集約が可能となる。
上記集約例は、P指標及びS指標についても同様に適用可能である。また、地域包括ケア事業の全事業領域(介護重度化抑止事業(心身状態改善・維持継続事業)、新総合事業(介護予防・生活支援)、在宅医療・介護連携、急性増悪入退院時医療・介護連携、疾病予防・重度化抑止)に適用可能である。
P指標
<介護側>
[緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前心身状態段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率]
・同疾病別×自治体別介護保険者別×入院前要介護状態区分段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・同疾病別×自治体別×入院前認知症自立度段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・同疾病別×自治体別×入院前障害自立度段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・同疾病別×自治体別×入院前認定調査項目段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・同疾病別×自治体別×介自治体別利用者属性等
<医療側>
[緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前心身状態段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率]
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前要介護状態区分段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前認知症自立度段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前障害自立度段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前認定調査項目段階別医療介護連携加算項目別×平均請求比率
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前健診検査項目リスク段階別当該疾病治療処置目別×平均請求比率
・緊急入院原因疾病別×自治体別×自治体別利用者属性等
ここで、上記介護側の5番目のP指標、及び医療側の6番目のP指標は、利用者の生活習慣・人生哲学・家庭環境・職場環境・近隣環境・経済状況などの、要介護認定データには含まれない、事業所または病院側でコントロール困難な利用者の属性等を、事業所または病院ごとに集計したデータである。これらにより、提供サービスが同じで効果が異なる自治体同士の原因分析などに役立つ可能性がある。
P指標は、O指標で抽出した入院前後を含む当該入院関連期間内において、各利用者に対して居宅介護支援事業所もしくはケアマネージャ個人と急性期病院スタッフ間連携の実施状況を、当該加算項目の平均請求比率を自治体別に算出して求める。
<医療側>の健診各種検査項目リスク段階については、医療介護連携加算項目の請求比率でなく、疾病別の各種治療処置項目の平均提供量を自治体別に算出して求める。
<介護側>の入院時の医療介護連携加算項目として、以下を想定する。単位数は2012年5月時点のものを記載している。ここで単位とは、当該単位数を10倍して地域別単価調整(物価水準の違いによる調整で都市部の方を高めに調整)を行ったものが、介護事業所が国保連に対して請求する金額となる。
1.入院時・情報連携加算 (訪問:200単位、訪問以外:100単位)
2.退院退所加算:300単位(入院等期間中に3回まで算定可,内1回は医療機関でのカンファレンスに参加)
退院後の生活支援の準備(面接)、アセスメント情報収集、ケアプランに反映させ,医療機関の求めによりケアプランを提出する。
3.緊急時等居宅カンファレンス加算:200単位 (病院等の求めにより月2回まで)
<医療側>の入院時の医療介護連携加算項目としては、以下を想定する。単位数は2012年5月時点のものを記載している。ここで点数とは、当該点数を10倍したものが、医療機関が国保連や社会保険支払基金等に対して請求する金額となる。
1、退院調整加算(急性期):1〜14日340点、15日〜30日150点、31日〜50点(退院時1回)
スクリーニング体制整備、入院7日以内に退院支援計画策定着手、連絡・退院調整、調整内容を文書で提供。
2.退院時共同指導料:300点
入院中の病院の医師又は看護師等と在宅担当医と共同指導(文書で提供,入院中1回)。
加算 在宅担当医と共同:300点
在宅療養スタッフ3人以上と共同:2000点(医師、看護師、歯科医師、歯科衛生士、薬剤師、訪問看護師、介護支援専門員)。
3.介護支援連携指導料:300点
介護保険サービスを受ける上での医学的留意事項,療養上の留意点を共同指導(入院中2回まで)。
医師・看護師・社会福祉士等が介護支援専門員と共同。
入院中の患者からの同意必要、患者の同意を得て介護支援専門員からケアプランの写しを得る。
4.退院前訪問指導料:555点
5.診療情報提供料:250点
S指標
<介護側>
[緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前心身状態段階別事業所(個人)取組別×平均実施量
・同疾病別×自治体別×入院前要介護状態区分段階別介護保険者取組別×平均実施量
・同疾病別×自治体別×入院前認知症自立度段階別介護保険者取組別×平均実施量
・同疾病別×自治体別×入院前障害自立度段階別介護保険者取組別×平均実施量
・同疾病別×自治体別×入院前認定調査項目段階別介護保険者取組別×平均実施量
・同疾病別×自治体別×自治体別属性等
<医療側>
[緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前心身状態段階別病院取組別×平均実施量]
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前要介護状態区分段階別病院取組別×平均実施量
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前認知症自立度段階別病院取組別×平均実施量
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前障害自立度段階別病院取組別×平均実施量
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前認定調査項目段階別病院取組別×平均実施量
・緊急入院原因疾病別×自治体別×入院前健診検査項目リスク段階別病院取組別×平均実施量
・緊急入院原因疾病別×自治体別×自治体別属性等
ここで、上記介護側の5番目のS指標、及び医療側の6番目のS指標は、自治体における介護保険者または急性期病院の規模や法人種別等で、介護保険者または病院側でコントロール困難な自治体の属性等である。これらにより、各取組(S指標)提供サービス同じだが、効果(O指標)が異なる自治体同士の原因分析などに役立つ可能性がある。
S指標は、O指標で抽出した入院前後含む当該入院関連期間内において、介護保険者と急性期病院スタッフの組織的取組の平均実施量を自治体別に算出して求める。
<介護側>の自治体の取組例としては、以下が想定される。
・利用者にケアマネ情報常時携帯依頼徹底
・入院時期をタイムリーに把握するための利用者家族、急性期病院スタッフとの緊急時の
連絡ルール徹底
・入院時の急性期病院への利用者の生活・心身・介護情報のインプットフォーム整備等
<医療側>の急性期病院の取組例としては、以下が想定される。
・利用者(患者)緊急入院時にケアマネへのタイムリーな初期通報必須化の徹底体制整備
・入院時のケアマネからの利用者(患者)に関する生活・心身・介護情報提供の場開催必須化及び体制整備
・入院時のケアマネへの利用者の生活・心身・介護情報のインプットフォーム整備
・ケアマネからの患者の生活・心身・介護情報に基づき、単なる対象疾病の治療だけでなく、介護ケア的観点での対応の体制整備等
このように介護側・医療側のそれぞれについて連結型O・P・S指標を用いたことにより介護側・医療側のそれぞれにおいて客観的かつ定量的なデータ分析により、的確な課題抽出が可能になり、さらに施策の有効性が具体的に示されると共に、精度の高い指標による地域包括ケア事業の的確な実施が可能となる。
ここで、地域包括ケア事業を推進するに当たり各個人等に対する取り組みは、自治体や保険者レベルで実施されるが、これらの事業は、より上位の都道府県や国レベルで統括することが好ましい。そのためには、都道府県や国などの上位機関が、トップダウンにより各自治体や保険者相互の比較を行う必要がある。この相互比較(見える化)により自治体や保険者への取組誘導効果がある。
本願明細書の後半で説明した上位レベルの地域包括ケア事業システムは、まさにこのトップダウンにより、各自治体を集計単位として、連結型O・P・S指標により評価するので、各自治体の地域包括ケア事業への取組状況を、相互に定量的に正しく評価することができる。
一方、自治体や保険者自身は、上述した相互比較(見える化)により、全国における自らの位置づけがわかるが、自らの位置を向上させるにはどのように活動すべきか、上位レベルの地域包括ケア事業システムの評価だけでは、具体的な施策が見えてこない。
本願明細書の前半で説明した下位レベルの地域包括ケア事業システムは、各自治体や各保険者が、それらに属する事業者や小地域を集計単位として、連結型O・P・S指標により評価するので、これら事業者や小地域を相互に定量的に正しく評価できる。このため、それらに対する指導などを具体的、かつ効果的に実施して、全国における自らの評価を高めることができる。
これらのことから、自治体や保険者レベルでの地域包括ケアシステム、及び上位の都道府県や国レベルでの地域包括ケアシステムの両ソリューションが併行稼動(併行適用)されることがベストな状況となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…データベース
11…基本データ
12…介護保険データ
13…医療保険データ
14…施策等固有データ
16…対象事業領域
31…クライアントコンピュータ
311…データ取り込部
32…サーバコンピュータ
321…データベース作成部
322…指標算出部
1801…O指標の算出部
1802…P指標の算出部
1803…S指標の算出部

Claims (5)

  1. 住民の基本データ、介護保険データ、医療保険データ、及び自治体が実行する施策を含む施策等固有データを有するデータベースを用いて、所定の施策を達成するために予め設定された複数の指標の値を集計単位別に算出可能な地域包括ケア事業システムであって、
    前記指標として、前記施策を実施する実施者の施策の実施状況を含むストラクチャ指標、前記実施者から前記施策の利用者へのサービスの提供状況を含むプロセス指標、及び前記利用者の心身状態の段階変化度を含むアウトカム指標が設定されており、
    所定のチェック期間中に、病院への入院が発生した前記利用者を集計対象者とし、この集計対象者の入院前の心身状態の段階と退院後所定期間内の心身状態の段階との変化度を集計対象者のアウトカム指標として算出するアウトカム指標算出部と、
    前記病院への入院前後の所定期間を入院関連分析期間とし、この入院関連分析期間中に前記集計対象者が前記実施者から受けたサービスの実績を表す数値を前記利用者のプロセス指標として算出するプロセス指標算出部と、
    前記利用者へのサービスを提供した前記実施者が前記入院関連分析期間中に取り組んだ施策の実績を表す数値をストラクチャ指標として算出するストラクチャ指標算出部と、
    を有する地域包括ケア事業システム。
  2. 前記アウトカム指標算出部、プロセス指標算出部、及びストラクチャ指標算出部が算出した個人単位の各指標の値を前記利用者が属する集計単位毎にそれぞれ集計して、それらの平均値を前記集計単位のアウトカム指標、プロセス指標、及びストラクチャ指標とする請求項1に記載の地域包括ケア事業システム。
  3. 前記アウトカム指標に対し、性別・年齢区分による補正を行う補正部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地域包括ケア事業システム。
  4. 前記アウトカム指標算出部は、心身状態の項目が複数あり、これら心身状態の複数の項目について、それぞれ各段階のアウトカム指標値を算出した場合、前記心身状態の項目別に、前記集計単位に属する利用者の各段階における指標値と、この指標値の各段階でのレコード数とを用いて全段階を集約した加重平均値を求め、この加重平均値を集計単位の心身状態の項目のアウトカム指標とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の地域包括ケア事業システム。
  5. 前記集計単位は、介護サービス事業所、医療機関、介護保険者内の小地域、職域医療保険者をトップにした階層別グループ、地域医療保険者をトップにした階層別グループ、介護保険者、職域医療保険者、地域医療保険者、及び自治体のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の地域包括ケア事業システム。
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