JP7362834B2 - 地域包括ケア事業システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、高齢者の全ライフステージ4事業(データヘルス、総合、介護給付、医介連携)について、地域マネジメントによる施策を実施する際の、費用対効果推計を可能とした地域包括ケア事業システムに関する。
各地域の実情を反映した地域マネジメントは、以下の4つのコンセプトで実現を図っている。
1.高齢者の全ライフステージ4事業(データヘルス、総合、介護給付、医介連携)をカバーする。
2.自治体各部署保有の高齢者履歴情報を名寄せ一元管理する総合DB(データベース)を構築する。
3.高齢者のビッグデータから各業務の解決策を導く分析・抽出等機能を創出する。
4.各事業の取組効果をデジタルに検証し、財政的インセンティブ制度にも対応する。
これらのコンセプトと、P(計画策定)、D(施策実行)、C(実績評価)、及びA(課題分析)からなるPDCA業務の実現を通じて、サービス基盤の整備、サービスの質の向上による健康寿命の延伸、さらに医療・介護給付費の抑制、ひいては持続的社会保障システムの実現を図っている。
なお、データヘルス事業とは、疾病予防・重症化防止 (糖尿病/うつ等)のための事業である。総合事業とは、新規認定率低減・自立支援のための事業である。介護給付事業とは、自立支援・重度化防止のための事業である。さらに、医療・介護連携事業とは、在宅医療期間延伸・急性増悪等抑止のための事業である。
地域マネジメントによる施策を実施する際は、実施前の費用対効果推計と実施後の同検証をする必要がある。なお、効果とは、心身状態改善・維持に基づく医療・介護給付費抑制効果を指す。また、費用とは、施策費用である人件費、施設整備・運営費、計算機システム投資費用などである。
例えば、高齢者の心身状態の改善・維持期間延伸を、サービス種類別に推計し、その成果としての給付費を推計する必要があるが、その方法がわからない(仕組みがない)のが現状である。また、施策の実施後、公正かつ定量的に効果を把握する必要があるが、そのための仕組みがないのも現状である。
特許開2017-215787号公報
このように従来技術では施策実施による効果の推計ができず、したがって費用対効果を検証することができなかった。
本発明は、各種施策による心身状態の改善・維持に基づく給付費抑制効果の定量的推計を可能として費用対効果の検証を行うことができる地域包括ケア事業システムを提供することにある。
本発明の実施の形態に係る地域包括ケア事業システムは、介護保険のサービス種類別の利用者への給付件数及び給付費が公開されている第1の公開データから、サービス種類別、要介護度別の前記利用者の月別利用者数のデータを取得し、利用者数マスタを構成する利用者数取得処理部と、前記利用者数マスタが有する利用者数と、第2の公開データにより公開されている要介護度別の心身状態変化割合とから算出されるサービス種類別、要介護度別の心身状態変化人数を、予め定められた要介護度の軽度及び重度別に集約した心身状態変化人数マスタを構成する心身変化情報取得処理部と、前記第1の公開データから、サービス種類別、要介護度別の1人あたりの給付月額をそれぞれ取得し給付費マスタを構成する給費取得処理部と、この給付費マスタに保持された給付月額データを用いて算出されたサービス種類別、要介護度別の心身状態変化時の1人当たりの給付費差額から求められる、心身状態改善時の1人当たり給付費差額と、心身状態悪化時の1人当たり給付費差額とが、サービス種類別、かつ要介護度の軽度及び重度別にそれぞれ保持されている給付費差額テーブルと、前記サービス種類別、要介護度の軽度及び重度別の心身状態の改善率及び悪化までの維持期間の現在値と、これらサービス種類別、要介護度の軽度及び重度別の心身状態の改善率及び悪化までの維持期間の目標値との差の値がそれぞれ保持されている目標値との差分マスタと、前記心身状態変化人数マスタが有する心身状態の変化人数と、前記差分マスタに保持されている改善率の前記目標値との差分から前記サービス種類別、要介護度の軽度重度別に給付費抑制対象者人数をそれぞれ算出し、前記給付費差額テーブルに保持されているサービス種類別、かつ要介護度の軽度及び重度別の前記心身状態改善時の1人当たりの給付費差額と、前記サービス種類別、要介護度の軽度重度別の給付費抑制対象者人数とから、心身状態の改善による給付費抑制額を算出する第1の給付費抑制額算出部と、前記心身状態変化人数マスタが有する心身状態の前記悪化人数と、前記差分マスタに保持されている悪化までの維持期間の前記目標値との差と、前記給付費差額テーブルに保持されているサービス種類別、かつ要介護度の軽度及び重度別の心身状態悪化時の1人当たりの給付費差額とから、悪化までの維持期間差による給付費抑制額を算出する第2の給付費抑制額算出部とを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、心身状態の改善・維持の推計に基づく給付費抑制効果の定量的推計が可能になり、各種施策による給付費抑制効果の定量的推計と施策実施後の効果検証も可能となる。
本発明の実施形態に係る地域包括ケア事業システムの概念図である。 実施形態に係る地域包括ケア事業システムの全体的なシステム構成を示すブロック図である。 実施形態における基本情報マスタを構成するためのシステム構成を説明する図である 介護保険利用者の心身状態の段階変化を説明する図である。 (a)は介護保険利用者の心身状態の段階変化を定量的に説明し、(b)は段階別に次の段階に遷移する方向や比率、繊維までの平均維持期間を保持した心身状態変化情報マスタを表す図である。 実施形態における心身状態変化情報マスタを構成するにあたっての目標値を設定する手法の一例を説明する図である。 実施形態における1人あたり平均給付費取得処理内容を説明する図である。 実施形態における1人あたり平均給付費情報マスタを表す図である。 実施形態における当初利用者の平均開始年齢取得処理内容を説明する図である。図である。 実施形態における当初利用者のデータを保持する更新年齢別・平均開始年齢マスタを表す図である。 実施形態における新規増加利用者の平均開始年齢取得処理内容を説明する図である。 実施形態における新規増加利用者のデータを保持する更新年齢別・平均開始年齢マスタを表す図である。 実施形態における当初利用者の利用者数取得処理内容を説明する図である。 実施形態における当初利用者の利用者数データを保持する利用者数マスタを表す図である。 実施形態における新規増加利用者の利用者数取得処理内容を説明する図である。 実施形態における新規増加利用者の利用者数データを保持する利用者数マスタを表す図である。 実施形態における公開情報分析による推計用マスタ基本情報取得処理の概要を説明する図である。 実施形態における実データと公開情報、補正係数のデータ区分を示す図である。 実施形態における公開情報(厚労省報告集計、介護保険事業状況報告)から対象自治体の推計マスタ基本情報中間データを取得する処理を示す図である。 実施形態における心身状態変化(悪化/改善)情報取得処理の具体例を図20により説明する図である。 実施形態におけるモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間値データとなる悪化率及び改善率を示す図である。 実施形態における公開情報を用いて1人あたり平均給付費取得処理を説明する図である。 実施形態におけるモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間値データとなる1人あたり平均単位数を示す図である。 実施形態における公開情報を用いた平均開始年齢取得処理を説明する図である。 実施形態におけるモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間値データとなる男女別・要介護度別・平均開始年齢を示す図である。 実施形態における公開情報を用いた利用者数取得処理を説明する図である。 実施形態におけるモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間値データとなるサービス種類別・男女別・申請区分別・利用者数データを示す図である。 実施形態における公開情報から取得したモデル自治体の推計マスタ基本情報中間データと公開情報分析自治体の推計マスタ基本情報中間データとの比率を補正係数とする処理の説明図である。 実施形態における公開情報分析自治体の悪化率/改善率を表す推計用マスタ基本情報中間データを示す図である。 実施形態における推計用マスタ基本情報を構成する要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報補正係数を示す図である。 実施形態における公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データの要介護度別・1人あたり月平均単位数を示す図である。 実施形態におけるモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データの値と、公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データの値とから得られる要介護度別・1人あたり月平均単位数補正係数を示す図である。 実施形態における公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データの男女別・要介護度別・平均開始年齢を示す図である。 実施形態における推計用マスタ基本情報の男女別・要介護度別・平均開始年齢補正係数を示す図である。 実施形態における公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データである男女別・要介護度別・利用者数を示す図である。 実施形態における推計用マスタ基本情報を構成する男女別・要介護度別・利用者数の補正係数を示す図である。 実施形態におけるモデル自治体の実データから取得した推計用マスタ基本情報に、推計用マスタ基本情報補正係数を掛けて、公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報(推測値)を取得する処理の説明図である。 (a)は実施形態におけるモデル自治体の心身状態変化情報(要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報:実側データ)、(b)は推計用マスタ基本情報補正係数の要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報補正係数を示す図である。 実施形態における公開情報分析自治体の要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報(推測値)を示す図である。 (a)は実施形態におけるモデル自治体の1人あたり平均給付費(実側データ)を示し、(b)は推計用マスタ基本情報補正係数の1人あたり月平均単位数補正係数を示す図である。 実施形態における公開情報分析自治体の1人あたり平均給付費 (推測値)を示すデータを示す図である。 (a)は実施形態におけるモデル自治体の男女別・要介護度別・平均開始年齢(実側データ)を示し、(b)は推計用マスタ基本情報補正係数の男女別・要介護度別・平均開始年齢補正係数を示す図である。 実施形態における公開情報分析自治体の男女別・要介護度別・平均開始年齢(推測値)を示す図である。 (a)は実施形態におけるモデル自治体の男女別・要介護度別・利用者数(実側データ)を示し、(b)は推計用マスタ基本情報補正係数の男女別・要介護度別・利用者数補正係数を示す図である。 実施形態における公開情報分析自治体の推進用マスタ基本情報の男女別・要介護度別・利用者数(推測値)を示す図である。 実施形態における利用者数推移推計処理の概要を説明する図である。 実施形態における利用者数推移推計処理に用いる心身状態変化情報マスタ示す図である。 実施形態における利用者数推移推計処理の具体例を示す図である。 実施形態における給付費(累計)推移推計処理の流れを説明する図である。 実施形態における健康寿命推移推計処理を説明する図である。 実施形態における要介護度別・新施策効果ケース別・給付費の累計結果を、(a)にて3年後、(b)にて6年後、(c))にて9年後についてそれぞれ表として表す図である。 実施形態における要介護度別・新施策効果ケース別・年齢を、新施策効果ケース1、2,3別に比較した結果を表す図である。 費用対効果の推計・検証機能をより簡素化した実施の形態を説明する図で、(a)は改善率と悪化までの平均維持期間との両方について、自治体平均と比較した事業所グループを示し、(b)は利用者の要介護度の悪化までの維持期間が延伸した場合の給付費抑制効果を示している。 簡素化した実施の形態における要介護度別・サービス種類別の利用者数を求める処理の説明図である。 簡素化した実施の形態における要介護度別・サービス種類別に受給者(介護保険の利用者)への給付費を求めるために、サービス種類別・要介護度軽重別・心身状態変化時の1人あたりの給付費差をもとめる処理の説明図である。 簡素化した実施の形態における、施策実施から所定期間後に改善されるベき目標値(サービス種類別・要介護軽重度別・改善率、及び悪化までの維持期間)を設定する処理の説明図である。 簡素化した実施の形態における要介護度の改善率が向上したことによる給付費抑制額算出処理を説明する図である。 簡素化した実施の形態における悪化までの維持期間の延伸による給付費抑制額の算出処理を説明する図である。 簡素化した実施の形態における施策実施から所定期間後の、要介護度の改善率改善による給付費抑制額と、悪化までの維持期間延伸による給付費抑制額とを合算した給付費抑制額テーブルを説明する図である。 簡素化した実施の形態における自治体の施策実施による給付費抑制を伴うシミュレーションを説明する図である。 介護簡易版と介護詳細版との各機能を比較して示す図である。 介護給付事業での費用対効果推計・検証機能を総合事業に横展開する場合の相互関係を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。先ず、図1の概念図により、この実施形態に係る地域包括ケア事業システムの全体的な流れを説明する。図1では、この実施の形態における主たる機能のうち、ステップ1~ステップ4までの流れを説明している。この実施の形態では、これらの他にステップ5,6の機能もあるが、これらについては後述する。
ステップ1の推計用マスタ基本情報取得処理では、推計用マスタを構成すべく、介護保険の認定データや給付実績などから基本情報を取得する。取得する基本情報は、心身状態変化情報、要介護認定者である利用者1人あたりの平均給付費情報、申請区分別平均開始年齢情報、申請区分別利用者数情報である。ここで、心身状態変化情報は、利用者の心身状態の段階(要介護度等)が、悪化したか/改善したか、を表す情報である。
ステップ2の利用者数推移推計では、上述した利用者数を推移推計する。この利用者数推移推計処理は、推計開始時点から、1年後、2年後、3年後、・・・というように、経過に伴って推移推計を行うものである。推計開始から1年後までを現状フェーズとし、1年後から2年後までを新施策フェーズ1、2年後から3年後までを新施策フェーズ2、・・・とする。
利用者数は、申請区分が更新変更と新規とに区分する。当初更新変更数は、推計開始時点に更新変更申請の認定データの認定期間がかかる利用者の人数である。当初新規数とは、推計開始時点に新規申請の認定データの認定期間がかかる利用者の人数である。これら当初更新変更推計と当初新規推計は、推計開始時点において既に給付実績がある当初利用者を示す。
これに対し、1年後新規推計~3年後新規推計は、推計開始後に新規申請にて増加する新規増加利用者である。新規増加利用者数はその前の一年間に新規申請される利用者数の合計である。
ステップ2の利用者推移推計処理は、これら利用者数が、新施策を実施する所定期間経過により、どのように推移するかを推計するものである。なお、図中における右下がり枠は利用者数の減少を示す。この利用者推移推計処理は、前述した推計用基本情報のうち、心身状態変化情報及び申請区分別利用者数情報を用いて行う。この利用者推移推計処理の詳細は後述する。
ステップ3の給付費(累計)推移推計処理では、上述した利用者数推移推計結果により給付費(累計)がどのように推移するかを推計する。図中における右下がりの階段状の枠は、給付費の減少を示す。この給付費(累計)推移推計処理は、前述した推計用基本情報のうち、1人あたりの平均給付費取得情報を用いて行う。この給付費(累計)推移推計処理の詳細は後述する。
ステップ4の健康寿命推移推計処理では、利用者の健康寿命の推移推計処理を、前述した推計用基本情報のうち、申請区分別平均開始年齢情報を用いて行う。ここで、「健康寿命」とは、要介護度や認知症自立度等の65心身状態項目(認定データ)毎に、介護の手間がかからない最も重い段階が最後に終了する年齢とする。なお、図中の右上がりの階段状の枠は健康寿命の延伸を示す。この健康寿命推移推計処理の詳細は後述する。
図2はこの実施の形態での処理システムの全体概要を示すシステムブロック図である。この処理システムは、コンピュータシステムにより実現されるものであり、前述のステップ1に対応する推計用マスタ基本情報取得処理部11と、ステップ2に対応する利用者数推移推計処理部12と、ステップ3に対応する給付費(累計)推移推計処理部13と、ステップ4に対応する健康寿命推移推計処理部14とを機能として有する。
このうち、ステップ2に対応する利用者数推移推計処理部12と、ステップ3に対応する給付費(累計)推移推計処理部13と、ステップ4に対応する健康寿命推移推計処理部14は、互いに異なる新施策毎に実行され、それぞれ新施策効果ケース1,2,3を生成する。
このほかに、上述した処理結果を受けて、図1では示さなかったが、ステップ5に対応する給付費(累計)推計結果の新施策効果ケース間比較処理部15と、ステップ6に対応する健康寿命の新施策効果ケース間比較処理部16とが設けられ、各新施策効果ケース間の比較を行う。
推計用マスタ基本情報取得処理部11は、心身状態変化(悪化/改善)情報取得処理部111、1人あたり平均給付費取得処理部112、申請区分別・平均開始年齢取得処理部113、及び申請区分別・利用者数取得処理部114を有する。これら各処理部111,112,113、114は、図3で示すように、自治体(介護保険者)が有する認定データ101及び給付実績102から、推計用マスタ基本情報(実データ)20を取得する。
すなわち、心身状態変化(悪化/改善)情報取得処理部111が取得する推計用マスタ基本情報(心身状態変化情報マスタ)201は、例えば、要介護度(要支援1~要介護5)別の悪化率、終了率、改善率、悪化までの平均維持期間、終了までの平均維持期間、改善までの平均維持期間、等である。また、1人あたり平均給付費取得処理部112が取得する推計用マスタ基本情報(1人あたり平均給付費マスタ)202は、要介護度(要支援1~要介護5)別の平均給付費であり、申請区分別・平均開始年齢取得処理部113が取得する推計用マスタ基本情報(申請区分別・平均開始年齢マスタ)203は、要介護度(要支援1~要介護5)別の、新規申請者、及び更新変更申請者の年齢であり、申請区分別・利用者数取得処理部114が取得する推計用マスタ基本情報(申請区分別・利用者数マスタ)204は、要介護度(要支援1~要介護5)別の新規申請者、及び更新変更申請者の人数である。
ここで、心身状態変化(悪化/改善)情報取得処理部111の機能についてみる。図4には利用者Xの心身状態の段階(要介護度)の変化が示されている。図4では、心身状態変化情報取得期間が2012年4月から2015年4月までであり、利用者Xは2012年5月に新規申請し、要介護3に認定された。その後、要介護度の更新期間である6ヶ月の間、要介護3を維持し、6ヶ月後の同年11月に更新申請し、1段階改善した要介護2に認定された。その後、要介護度の更新期間である6ヶ月に達しない2013年2月に変更申請し、要介護度が2段階悪化して要介護4と認定された。この要介護度4を12か月維持した後、更新申請し、要介護度が1段階悪化して要介護5と認定された。その後、更新期間終了時点で申請がないので終了となった。なお、終了とは利用者の死亡や、他の自治体への転居等により申請がない場合を指す。
このように、心身状態変化情報取得期間内に認定有効期間(終了)が含まれるすべての認定データから、利用者別・要介護度別に、次の段階への、悪化/終了/改善の維持期間と変化方向及び変化段階量を求める。図4は心身状態変化情報取得期間を推計開始年月より前の3年間とした場合の例である。心身状態変化情報取得期間は任意の期間(例えば、前回の事業年度の期間等)である。
サービス種類別の利用者別・要介護度別・心身状態変化情報を取得する場合は、心身状態変化情報取得期間内に、そのサービス種類の給付実績がある利用者の、認定データと給付実績だけを対象とする。なお、給付実績の生年月日から維持期間終了年月時点の年齢を取得し、維持期間終了年齢とする。
変化方向が「終了」となる場合、すなわち、次の認定データが無い場合、本認定データの認定有効期間(終了)を維持期間終了年月とする。また、次の認定データの申請区分が死亡の場合、次の認定データの認定申請日の前月を維持期間終了年月とする。さらに、次の認定データの要介護度が非該当の場合、次の認定データの認定申請日の前月を維持期間終了年月とする。
図4の心身状態の変化状況をまとめると図5(a)で示すようになる。図5(a)では、利用者Xは、申請区分「新規」での要介護度は「要介護3」であり、6ヶ月維持した後、1段階「改善」(-)した。「更新」申請された要介護度「要介護2」は3ヶ月継続した後、2段階「悪化」(+)した。「変更」申請された要介護度「要介護4」は12ヶ月継続した後、1段階「悪化」(+)した。「更新」申請された要介護度「要介護5」は更新期間6ヶ月経過しても次の申請がないため終了となる。他の利用者Y・・・についても同様に各項目の情報が取得されるが、説明は省略する
このように各利用者の心身状態の変化情報が得られるので、これらに基づき図5(b)で示すように、「要介護度」(心身状態の段階)、「次の要介護度」(次の段階)、次の要介護度への「変化方向」、次の要介護度への「遷移比率」、次の段階までの「平均維持期間」の各項目のデータを構成する。
例えば、要介護4の利用者が要介護5に悪化する比率(遷移比率)は70%であり、その平均維持期間は16ヶ月である。他の要介護度に遷移する場合についても、各項目に示すとおりであり、説明は省略する。
この図5(b)で示す要介護度別に次の要介護度に遷移する場合の情報で構成したものが、後述する利用者推移推計処理に用いられる心身状態変化情報マスタ201となる。
すなわち、心身状態変化情報マスタ201とは、予め設定した推計開始年月以前の所定の期間(心身状態変化情報取得期間)における利用者の心身状態の段階の変化を記録したデータから求められた、利用者全てについての、段階別の、次に変化する段階、この次の段階への変化方向、次の段階への遷移比率、及び次の段階への変化までの平均維持期間を心身状態変化情報として保持するものである。
このような心身状態変化情報マスタ201を構成するにあたっては、推計期間に実施する新施策により改善される目標値を設定する必要がある。
この目標値の設定手法の一例を図6により説明する。介護保険では、利用者に対し、その心身状態に応じて各種のサービスを提供している。このサービス種類としては、訪問、通所等の居宅系サービス(「居宅」と略す)、特別養護老人ホーム(「特養」と略す)、介護老人保健施設(「老健」と略す)、療養病床(「療養」と略す)、グループホーム(「GH」と略す)、特定施設(「特施」と略す)、小規模多機能(「小多」と略す)の7種類がある。
利用者は、その心身状態に応じて上述の各サービス種類のいずれかを受けるが、心身状態変化情報取得期間の途中で他のサービス種類に遷移することがある。例えば、「居宅」サービスを受けていた利用者が「老健」のサービスへ遷移することがある。このように、利用者の他サービス種類への遷移を考慮すると、サービス種類別の心身状態変化情報で、ステップ2以降の処理を行うことは好ましくなく、全サービス種類(前述の7種類のサービス種類すべてを含む)を包含した「全サービス種類の心身状態変化情報」を用いてステップ2以降の処理を行う必要がある。
但し、「全サービス種類の心身状態変化情報」を用いてステップ2、3の処理を行い、給付費低減効果が得られると推計された場合、どのサービス種類に対する新施策が貢献したのかを分析できない。
そこで、心身状態変化情報取得処理部111は、先ず、図6で示すように、全サービス種類の認定データ101A、給付実績102A、及びこれらのデータを相互に利用できるように突合する突合テーブル103Aを用いて、全サービス種類・利用者別・維持期間開始終了年月別・要介護度別・心身状態変化情報105Aを取得する。この全サービス種類の情報は、システム管理番号(利用者番号)、維持期間開始終了年月、維持期間(悪化/終了/改善まで)、変化方向(悪化/終了/改善)、及び要介護度である。なお、1つの維持期間開始終了年月に、1つの要介護度が決まる。
これらの情報105Aから、さらに、全サービス種類の要介護度、変化方向(悪化/終了/改善)、変化率(悪化/終了/改善)、及び平均維持期間(悪化/終了/改善まで)の情報106Aが得られる。
また、サービス種類別に、サービス種類を利用したことがある利用者のデータ(認定データ101B、給付実績102B、及び突合テーブル103B)から、サービス種類別・利用者別・維持期間開始終了年月別・要介護度別・心身状態変化情報105Bを取得する。このサービス種類別の情報は、システム管理番号(利用者番号)、維持期間開始終了年月、維持期間(悪化/終了/改善まで)、変化方向((悪化/終了/改善)、及び要介護度である。この場合も、1つの維持期間開始終了年月に、1つの要介護度が決まる。
この情報105Bから、サービス種類別の要介護度、変化方向(悪化/終了/改善)、変化率(悪化/終了/改善)、及び平均維持期間(悪化/終了/改善まで)の情報106Bが得られる。
これらの情報106A,106Bを用いて、以下に示す式(1)~(4)で示す演算を行う。
先ず、式(1)で示すように、「サービス種類別心身状態変化情報積み上げ値」を求める。これは、複数のサービス種類別に得られるサービス種類別心身状態変化情報に対して、寄与率として、全給付費に対する対応するサービス種類別給付費の比率をかけてそれぞれ重み付し、これらを全サービス種類(7種類)分、合算したものである。
なお、心身状態変化情報とは、段階、例えば要介護度別の悪化/終了/改善への各変化方向、悪化/終了/改善への変化率、及び悪化/終了/改善までの平均継続期間を含む。また、式(1)(2)(3)(4)はすべて要介護度別である。
「サービス種類別の心身状態変化情報積上げ値」 = (居宅給付費 / 全給付費 × 居宅心身状態変化情報) + (特養給付費 / 全給付費 × 特養心身状態変化情報) + (老健給付費 / 全給付費 × 老健心身状態変化情報) + (療養給付費 / 全給付費 × 療養心身状態変化情報) + (GH給付費 / 全給付費 × GH心身状態変化情報) + (特施給付費 / 全給付費 × 特施心身状態変化情報) + (小多給付費 / 全給付費 × 小多心身状態変化情報) ・・・(1)
次に、「心身状態変化情報比率」を式(2)で示すように求める。これは前述した「全サービス種類の心身状態変化情報」と、「サービス種類別心身状態変化情報積み上げ値」との比率である
「心身状態変化情報比率」 = 「全サービス種類の心身状態変化情報」/「サービス種類別の心身状態変化情報積上げ値」 ・・・(2)
次に、式(3)で示すように、「目標のサービス種類別心身状態変化情報積み上げ値」を求める。これは、複数のサービス種類のうち、新施策を実施しようとする特定のサービス種類(例えば、「特養」とする)の心身状態変化情報の値に、推計開始年月以降の所定期間の新施策により心身状態変化情報を向上させる目標値(例えば、+10%とする)を加算し、前述の重み付けを行った特定のサービス種類(「特養」)の心身状態変化情報と、他の残りの6種類のサービス種類の心身状態変化情報(前述の重み付けを行ったもの)とを合算したものである。
「目標のサービス種類別の心身状態変化情報積上げ値」 = (居宅給付費 / 全給付費 × 居宅心身状態変化情報) + (特養給付費 / 全給付費 × (特養心身状態変化情報 + 10%)) + (老健給付費 / 全給付費 × 老健心身状態変化情報) + (療養給付費 / 全給付費 × 療養心身状態変化情報) + (GH給付費 / 全給付費 × GH心身状態変化情報) + (特施給付費 / 全給付費 × 特施心身状態変化情報) + (小多給付費 / 全給付費 × 小多心身状態変化情報) ・・・(3)
なお、悪化率と改善率は相反するものであるため、両方同時に目標値設定する(悪化率 + 終了率 + 改善率 = 100%)。
そして、式(4)で示すように、「目標の全サービス種類の心身状態変化情報」を算出する。これは「目標のサービス種類別心身状態変化情報の積み上げ値」に前述の「心身状態変化情報比率」をかけたものである。
「目標の全サービス種類心身状態変化情報」= 「目標のサービス種類別の心身状態変化情報積上げ値」 × 「心身状態変化情報比率」 ・・・(4)
心身状態変化情報取得処理部111は、このようにして求めた「目標の全サービス種類の心身状態変化情報」の値を用いて図5(b)で示した心身状態変化情報マスタ201に保持される心身状態変化情報を構成する。
上述の説明は新施策により心身状態変化情報が改善される特定のサービス種類(以下、注目サービス種類と呼ぶ)として「特養」を例示し、その目標値を+10%とした。同様に、他の注目サービス種類を特定して目標値を定めた他の新施策に対応する心身状態変化情報マスタ201の各項目値を構成することで、図2で示したように、それぞれの新施策効果ケースが得られる。
次に、1人あたり平均給付費取得処理部112の処理内容を図7及び図8を用いて説明する。
この1人あたり平均給付費取得処理部112は、推計開始年月の介護保険の認定データ101及び給付実績102から、段階(要介護度)別の1人当たりの平均給付費情報を求め、これを平均給付費情報マスタ202に保持させる。
図7は、1人あたり平均給付費取得年月を2015年3月として、要介護3の一人あたり平均給付費を算出する方法の例を示す。なお、1人あたり平均給付費取得年月はデータが実在する任意の年月を指定する。本例では前述した推計開始年月(2015年4月)の一月前とした。
この場合、先ず、図7(a)で示す認定データ (要介護度の状況)101Aから、要介護3の利用者を抽出する。すなわち、認定データ101Aから、すべての要介護3の利用者を抽出する。次に、図7(b)で示す給付実績102Aから、抽出した利用者の1人あたり平均給付費取得年月の総単位数を抽出して平均給付費を求める。平均給付費は以下の式(5)で求める。
要介護3の1人あたり平均給付費 = (利用者Bの総単位数 + 利用者Eの総単位数 + 利用者Fの総単位数) ÷ 3 × 地域区分別人件費割合別単価 = (11000 + 16000 + 5000) ÷ 3 × 地域区分別人件費割合別単価 = 106670円 ・・・(5)
上式(5)は、地域区分別人件費割合別単価を、地域区分による上乗せ割合0%(10円)で計算した例である。また、給付実績データの「決定後サービス単位数」を使用する。
なお、1人あたり平均給付費取得年月を一月だけとした場合は、年度内の給付費の偏りが以降の推移推計に影響するため、いくつかの月で1人あたり平均給付費取得を行い、その平均値を用いてもよい。
他の段階(要介護度)についても、同様の手法により1人あたり平均給付費を求め、これらの値は図8で示す平均給付費情報マスタ202に保持される。
次に、申請区分別・平均開始年齢取得処理部113の処理内容を説明する。ここで、平均開始年齢には当初利用者の場合と新規増加利用者の場合とがあるが、先ず、図9、図10を用いて当初利用者の場合を説明する。
申請区分別・平均開始年齢取得処理部113は、図9(a)で示す認定データ(申請区分と要介護度の状況)101Bから取得した平均開始年齢取得年月時点の利用者年齢を元に、申請区分別・要介護度別の平均開始年齢を算出する。本処理は推移推計の元になる要介護度別当初利用者の平均開始年齢を取得する処理である。新規申請で増加していく新規利用者の平均開始年齢取得処理は後述する。
以下に平均開始年齢取得年月を2015年3月として、更新変更申請者の要介護3の平均開始年齢を求める方法の例を示す。なお平均開始年齢取得年月はデータが実在する任意の年月を指定する。本例では前述した推計開始年(2015年4月)の一月前とした。なお、月別の利用者の偏りによる影響を除外するため、複数月の結果を平均してもよい。
申請区分別・平均開始年齢取得処理部113は、先ず、認定データ101Bから、平均開始年齢取得年月の更新変更申請の要介護3の利用者をすべて抽出する。図9の例では利用者Eと利用者Fが対象者となる。次に、図9(b)で示す給付実績102Bから利用者Eと利用者Fの平均開始年齢取得年月の年齢を求める。ただし要介護認定者でもサービス未利用者の場合は給付実績が無いため対象外とする。利用者Eと利用者Fの平均年齢を算出する。これが要介護3の平均開始年齢となる。
ここで、平均開始年齢取得年月の年齢を給付実績の利用者生年月日から求める場合、平均開始年齢取得年月は「日」単位ではなく「年月」単位であるので、利用者の「生年月」までを用いて年齢を下式(6)により算出する。
(平均開始年齢取得年 × 12 + 平均開始年齢取得月 - 生年 × 12 - 生月 ) / 12 ・・・(6)
式(6)から、利用者Eの生年月日が1935年2月11日の場合、
(2015 × 12 + 3 - 1935 × 12 - 2 )/12 = 80.0833・・・
= 80歳となる。
利用者Fの生年月日が1940年10月14日の場合、
(2015 × 12 + 3 - 1940 × 12 - 10 )/12 = 74.416・・・
= 74歳となる。
平均年齢は(80+74)/2 = 78歳となる。すなわち、当初利用者の更新変更申請分の要介護3の平均開始年齢は78歳である。他の段階(要介護度)についても同様に平均開始年齢を算出し、図10で示す申請区分別・平均開始年齢マスタ203に更新年齢別・平均開始年齢として保持させる。
なお、更新年齢別・平均開始年齢マスタ203の上段に記載された新規申請(歳)とは、当所利用者の新規申請分であり、前述のように、当初(推移開始時点)の最新認定データが新規申請である利用者すべてを対象とした平均年齢であり、更新変更申請と同様の手法により求められる。
次に、申請区分別・平均開始年齢取得処理部13の、新規増加利用者の場合について図11及び図12を用いて説明する。この新規増加利用者の場合は、図11(a)で示すように、平均開始年齢取得期間内の利用者年齢を元に、申請区分(新規)別・要介護度別の平均開始年齢を算出する。本処理は推移推計の元になる要介護度別新規増加利用者の平均開始年齢を取得する処理であり、2年度以降の推計に用いられる。
以下に平均開始年齢取得期間を、推計開始時点の一月前である2015年3月以前の1年として、新規申請者の要介護3の平均開始年齢を求める手法の例を示す。なお、平均開始年齢取得期間はデータが実在する任意の年月と期間を指定する。本例では前述のように推計開始年月(2015年4月)の一月前までの1年間とした。
申請区分別・平均開始年齢取得処理部13は、先ず、図11(a)で示すように、認定データ101Cから、利用者数取得期間に新規申請が要介護3に認定された利用者をすべて抽出する。例では、利用者Iと利用者Kが対象者となる。
次に、図11(b)で示すように、給付実績102Cから、利用者Iと利用者Kの平均開始年齢取得期間の当該年月の年齢を求める。ここで当該年月とは上述した新規申請の認定開始年月である。ただし要介護認定者でもサービス未利用者の場合は給付実績が無いため対象外とする。そして、これら利用者Iと利用者Kの平均年齢を算出する。
平均開始年齢取得期間内の当該年月時点の年齢を給付実績の利用者の生年月日から求める場合は下式(7)による。なお、当該年月は「日」単位ではなく「年月」単位であるので、利用者の「生年月」までを用いて年齢を算出する。
(当該年 × 12 + 当該月 - 生年 × 12 - 生月 )/ 12 ・・・(7)
上式(7)から、利用者Iの生年月日を1938年2月17日とすると、図11(b)で示すように、当該年月が2014年5月の場合、
(2014 × 12 +5 - 1938 × 12 - 2 )/ 12 = 76.25
=76歳となる。
利用者Kの生年月日を1940年9月28日とすると、当該年月が図11(b)で示すように2014年6月の場合、
(2014 × 12 + 6 - 1943 × 12 - 9)/ 12 = 70.75
= 70歳となる。
平均年齢は (76 + 70) / 2 = 73歳となる。すなわち、新規増加利用者の要介護3の平均開始年齢は73歳である。他の段階(要介護度)についても同様に平均開始年齢を算出し、図12で示す申請区分別・平均開始年齢マスタ203に、新規増加利用者の平均年齢として保持させる。そして、前述のように、2年度以降の推計に用いられる。
次に、申請区分別・利用者数取得処理部114の処理内容を説明する。ここで、利用者数取得処理についても当初利用者の場合と新規増加利用者の場合とがあるが、先ず、図13、図14を用いて当初利用者の場合を説明する。
申請区分別・利用者数取得処理部114は、当初利用者の場合、図13(a)(b)で示す認定データ (申請区分と要介護度の状況)101D、及び給付実績(データ有無のみ、内容は不問)102Dから、利用者数取得年月時点の申請区分別・要介護度別の利用者数を取得する。本処理は推移推計の元になる要介護度別当初利用者の利用者数を取得する処理である。新規申請で増加していく新規利用者の利用者数取得処理は後述する。
利用者数取得年月はデータが実在する任意の年月を指定する。以下に利用者数取得年月を2015年3月として、更新変更申請者の要介護3の利用者数を求める手法の例を示す。本例では前述した推計開始年月(2015年4月)の一月前とした。なお、月別の利用者の偏りによる影響を除外するため、複数月の結果を平均してもよい。
申請区分別・利用者数取得処理部114は、認定データ101D、及び給付実績102Dから、利用者数取得年月の更新変更申請の要介護3の利用者をすべて抽出する。例では、利用者Eと利用者Fが対象者となる。対象者の人数を利用者数とする。例では、利用者Eと利用者Fの他にも対象者がいるものとして図14で示すように6479名とした。ただし要介護認定者でもサービス未利用者の場合は給付実績が無いため対象外とする。
このように抽出した人数が当初利用者の更新変更申請の要介護3の利用者である。他の段階(要介護度)についても同様に利用者数を算出し、図14で示す申請区分別・利用者数マスタ204に当初利用数として保持させる。
なお、申請区分別利用者数マスタ204の上段に記載された新規申請(人)とは、当初新規数であり、前述のように、当初(推移開始時点)の最新認定データが新規申請である利用者すべてを対象とした平均人数であり、更新変更申請と同様の手法により求められる。
次に、申請区分別・利用者数取得処理部114の新規増加利用者の場合についての処理を図15及び図16を用いて説明する。この処理では、図15(a)で示す認定データ(申請区分と要介護度の状況)及び図15(b)で示す給付実績(データ有無のみ、内容は不問)から、利用者数取得期間内の申請区分(新規)別・要介護度別の利用者数を取得する。本処理は推移推計の元になる要介護度別新規増加利用者の利用者数を取得する処理であり、2年度以降の推計に用いられる。
以下に、利用者数取得期間を2015年3月以前の1年として、新規申請者の要介護3の利用者数を求める方法の例を示す。なお、利用者数取得期間はデータが実在する任意の年月を指定する。本例では前述した推計開始年月(2015年4月)の一月前までの1年間とした。
申請区分別・利用者数取得処理部114は、利用者数取得期間内に、要介護3の新規申請の認定データがある利用者をすべて抽出する。図15(a)(b)の例では、利用者Iと利用者Kが対象者となる。この対象者の人数を利用者数とする。例では利用者Iと利用者Kの他にも対象者がいるものとして図16で示すように、1904名とした。ただし要介護認定者でもサービス未利用者の場合は給付実績が無いため対象外とする。
このように抽出した人数が新規申請の要介護3の利用者である。他の段階(要介護度)についても同様に利用者数を算出し、図16で示す申請区分別利用者数マスタ204に新規増加利用者数として保持させる。そして、前述のように、2年度以降の推計に用いられる。
上述の説明では、図3で示すように自治体の実データを分析(実データ分析と呼ぶ)して、後述の「ステップ2 利用者数推移推計」以降において使用する推計用マスタ基本情報20を取得していたが、このような実データ分析ができない自治体〈介護保険者〉もある。実データ分析ができない自治体については、実データ分析を行った自治体をモデル自治体とし、厚生労働省などから発行される公開情報を用いて分析を行い、実データ分析ができない自治体(公開情報分析自治体とする)の推計用マスタ基本情報20を作成する。
以下に、公開情報分析による推計用マスタ基本情報取得処理の概要を図17で説明する。まず、基本情報取得部30により、公開情報(厚労省報告集計、介護保険事業状況報告)から、モデル自治体の公開情報41と、公開情報分析自治体の公開情報42とを取得し、それぞれの推計マスタ基本情報(中間データ)43,44を構築する。そして補正係数算出処理部31により、これら推計マスタ基本情報(中間データ)43,44の差分を求め、この差分を補正係数32とする。推計マスタ基本情報推測処理部33は、モデル自治体の実データ処理により得られた推計用マスタ基本情報20に補正係数32を掛け合わせて、公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報(推測値)34を算出する。
ここで、公開情報は一部のデータ区分(データ項目)が無いため、公開情報から求める補正係数も同様に一部のデータ区分がない。上述のようにモデル自治体の実データに補正係数を掛けて公開情報分析自治体の実データを推測する際、両者のデータ区分に違いがある。しかし、データ区分が無いということは全てのデータ区分を含むということであるため、(データ区分がある実データ) × (全データ区分を含む補正係数) = (データ区分がある公開情報分析自治体の実データ) を推測できることとなる。実データと公開情報、補正係数のデータ区分を図18で示す。
図18で示す、モデル自治体の公開情報と、公開情報分析自治体の公開情報から補正係数を算出する手法の概要(詳細は後述)は、以下のように列記される。
(1)心身状態変化(悪化/改善)情報の補正係数:報告集計3-7または介護給付費実態調査から、要介護度別だけの悪化率と改善率を取得し補正係数を求める。
(2)1人あたり平均給付費の補正係数:介護保険事業状況報告08hからサービス種類別・要介護度別・単位数と、05-1h、05-2h、06-1h、06-2h、07-1hから取得した受給者数で補正係数を求める。
(3)申請区分別・平均開始年齢の補正係数:報告集計3-1から要介護度別・開始年齢を取得し補正係数を求める。
(4)申請区分別・利用者数の補正係数:介護保険事業状況報告08hから取得したサービス種類別・要介護度別・利用者数に、報告集計3-1の男女比率と報告集計3-3の申請区分比率を掛けたものから補正係数を求める。
図19は、上述した公開情報(厚労省報告集計、介護保険事業状況報告)から対象自治体の推計マスタ基本情報中間データ(図17の43、44)を取得する処理を図示する。ここで取得する推計用マスタ基本情報は、後述の「補正係数算出処理」の入力情報となる。なお、対象自治体とは「モデル自治体」または「公開情報分析自治体」である。
図19において、心身状態変化(悪化/改善)情報取得処理部301では、対象自治体の厚労省報告集計3-7から悪化/改善率を取得する。平均維持期間は厚労省報告集計3-7からは取得できないため、モデル自治体の実データから取得した平均維持期間を用いる。
1人あたり平均給付費取得処理部302では、対象自治体の介護保険事業状況報告(年報)08hから1人あたり平均給付費を取得する。
申請区分別・平均開始年齢取得処理部303では、対象自治体の厚労省報告集計3-1から求めた平均年齢を、申請区分別・平均開始年齢とする。
申請区分別・利用者数取得処理部304では、対象自治体の介護保険事業状況報告05‐2h、06‐2h、07‐1hから取得したサービス種類別・要介護度別・利用者数に、厚労省報告集計3-1の男女比率と、厚労省報告集計3-3の申請区分比率を掛けて、サービス種類別・男女別・申請区分別・利用者数を取得する。
上述した心身状態変化(悪化/改善)情報取得処理部301による処理の具体例を図20により説明する。厚労省報告集計3-7の要介護度別の前回二次判定と今回二次判定から、要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)を取得する。なお平均維持期間は公開情報には無いため、モデル自治体の情報をそのまま使用する。
以下に要介護3の改善率を求める例を示す。要介護3の改善率は、(前回要介護3で今回要介護3より改善している件数)/(前回要介護3の件数)であるので、
(前回要介護3で今回要支援1の件数 +前回要介護3で今回要支援2の件数 +前回要介護3で今回要介護1の件数 +前回要介護3で今回要介護2の件数) / (前回要介護3の件数 ) となり、図20の例では、
(0 + 0 + 274 + 549) / 3169 = 0.26 で改善率は26%となる。
次に、要介護3の悪化率を求める例を示す。要介護3の悪化率は、(前回要介護3で今回要介護3より悪化している件数)/ (前回要介護3の件数)であるので、
(前回要介護3で今回要介護4の件数 +前回要介護3で今回要介護5の件数)/ (前回要介護3の件数 ) となり、図20の例では、
(756 + 280) / 3169 = 0.33 で悪化率は33%となる。
他の要介護度についても図21で示すように悪化率及び改善率をそれぞれ求める。なお図20の数値はモデル自治体の数値であり、図21の悪化率及び改善率はモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間値データ43となる。公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間値データ44も同様にして構成する。
次に、1人あたり平均給付費取得処理部302の処理を図22により説明する。この処理は、介護保険事業状況報告08hからサービス種類別・要介護度別・単位数を取得し、同報告05-2h、06-2h、07-1hからサービス種類別受給者数を取得して、サービス種類別・要介護度別・1人あたりの月平均給付費とする。
例えば、通所介護の場合、1人あたり平均給付費は、図22(a)で示す介護保険事業状況報告08hの「08-1h(単位数1)」シート(抜粋)から、サービス種類別・要介護度別・年度累計の単位数を取得し、同図(b)で示す介護保険事業状況報告05-2hの「05-2-1t」シート(抜粋)から、サービス種類別・要介護度別・年度累計の延人月を取得して、(サービス種類別・要介護度別・年度累計の単位数) / (サービス種類別・要介護度別・年度累計の延人月)を計算し、1人あたり月平均単位数を算出する。次に1人あたり月平均給付費を以下の式(8)で求める。
要介護度別・1人あたり月平均給付費 = (要介護度別・1人あたり月平均単位数) × 地域区分別人件費割合別単価 ・・・(8)
図22(b)における要介護3を例にすると、サービス種類別・要介護度別・年度累計の単位数は220000、サービス種類別・要介護度別・年度累計の延人月は21000のため、要介護度別・1人あたり月平均単位数は10.48となり、式(8)から、要介護3の1人あたり月平均給付費は、10.48 × 1000 × 10 = 104800円となる。
なお、式(8)は、地域区分別人件費割合別単価を、地域区分による上乗せ割合0%(10円)で計算した例である。また、サービス種類によらない1人あたり平均給付費を取得する場合は、単位数は08h 「08-1h(単位数1)」シートの総数、利用者数は05-1h、06-1h、07-1hの総数より受給者数を取得して算出する。
他の要介護度についても同様の手法により図23で示すように、1人あたり平均単位数を求める。なお、図22の数値はモデル自治体の数値であり、図23の1人あたり平均単位数はモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43となる。公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44も同様にして構成する。
次に、申請区分別・平均開始年齢取得処理部303の処理を図24により説明する。この処理では、図24で示す厚労省報告集計3-1(抜粋)から男女別・要介護度別・平均開始年齢を取得する。以下に男性の要介護3の平均開始年齢取得方法を示す。報告集計3-1では65歳から100歳未満を5歳範囲の年齢区分としているので、それぞれの年齢区分の代表値を決める。代表値は範囲の中央値とし、65歳未満は62.5、100歳以上は102.5とする。それぞれの代表値と件数で加重平均を取り、平均年齢を算出する。図24の例では、男性の要介護3の平均算出値は、80.03858であり、その平均開始年齢は80歳となる。
このようにして男女別・要介護度別・平均開始年齢をそれぞれ図25で示すように求める。なお、図24の数値はモデル自治体の数値であり、図25の男女別・要介護度別・平均開始年齢は、モデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43となる。公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44も同様にして構成する。
次に、申請区分別・利用者数取得処理部304の処理を、図26を用いて説明する。この処理では、介護保険事業状況報告05-2h、06-2h、07-1hから取得したサービス種類別・要介護度別・利用者数に、厚労省報告集計3-1の男女比率と、厚労省報告集計3-3の申請区分比率を掛けて、サービス種類別・男女別・申請区分別・利用者数を取得する。以下に取得方法の例を示す。
なお、利用者数の取得方法は前述の1人あたり平均給付費取得処理で説明したとおりである。すなわち、図22(b)で示す介護保険事業状況報告05-2hの「05-2-1t」シート(抜粋)から、サービス種類別・要介護度別・年度累計の延人月を取得する。男女比率は図26(a)で示す報告集計3-1(抜粋)の要介護度別・男女別・認定件数から取得する。申請区分比率は図26(b)で示す報告集計3-3(抜粋)の要介護度別・申請区分別・認定件数から取得する。これらを基にサービス種類別・男女別・申請区分別・利用者数を以下の式(9)で求める。
サービス種類別・男女別・申請区分別・利用者数 = (利用者数) × (男女比率) × (申請区分比率) ・・・(9)
図26の要介護3の場合、利用者数 = 21000、男性比率 = 2009 / 5142 = 39%、女性比率 = 3133 / 5142 = 61%、新規申請区分比率 = 1176 / (5239-97) = 23%、更新変更申請区分比率 = (3078+888) / (5239-97) = 77%であるので、男性の新規申請の利用者数は、式(9)から
21000 × 39% × 23% = 1884(人)
となる。
他のサービス種類別・男女別・申請区分別・利用者数も同様の手法により図27で示すようにそれぞれ求める。なお、図26の数値はモデル自治体の数値であり、図27のサービス種類別・男女別・申請区分別・利用者数はモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43となる。公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44も同様にして構成する。
次に、公開情報(厚労省報告集計、介護保険事業状況報告)から取得した、モデル自治体の推計マスタ基本情報中間データ43と公開情報分析自治体の推計マスタ基本情報中間データ44の比率を補正係数とする補正係数算出処理部31の処理を図28により説明する。
心身状態変化(悪化/改善)情報補正係数算出処理部311は、公開情報に基づくモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43、及び公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44からそれぞれ取得した心身状態変化情報の比率を求め、この比率を推計用マスタ基本情報補正係数32における心身状態変化情報補正係数とする。
1人あたり平均給付費補正係数算出処理部312は、公開情報に基づくモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43、及び公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44からそれぞれ取得した1人あたり平均給付費の比率を求め、この比率を推計用マスタ基本情報補正係数32における1人あたり平均給付費の補正係数とする。
申請区分別・平均開始年齢補正係数算出処理313は、公開情報に基づくモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43、及び公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44からそれぞれ取得した申請区分別・平均年齢相互の比率を求め、この比率を推計用マスタ基本情報補正係数32における申請区分別・平均年齢の補正係数とする。
申請区分別・利用者数補正係数算出処理部314は、公開情報に基づくモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43、及び公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44からそれぞれ取得した申請区分別・利用者数相互の比率を求め、この比率を推計用マスタ基本情報補正係数32における申請区分別・利用者数の補正係数とする。
次に、上述した心身状態変化(悪化/改善)情報補正係数算出処理部311の具体的な処理を説明する。この処理は、図21で示したモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43の心身状態変化情報(要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報)と、図29で示す公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44の心身状態変化情報(要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報)との比率を求め、これを補正係数とする。
補正係数は以下の式(10)(11)で求める。
悪化率補正係数 = (公開情報分析自治体の要介護度別・悪化率) / (モデル自治体の要介護度別・悪化率) ・・・(10)
改善率補正係数 = (公開情報分析自治体の要介護度別・改善率) / (モデル自治体の要介護度別・改善率) ・・・(11)
図21で示したモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43の値と、図29で示した公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44の値とから、図30で示す要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報補正係数が得られ、推計用マスタ基本情報補正係数32を構成する。
次に、1人あたり平均給付費補正係数算出処理部312の具体的な処理を説明する。この処理は、図23で示したモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43の要介護度別・1人あたり月平均単位数と、図31で示す公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44の要介護度別・1人あたり月平均単位数との比率を求め、これを補正係数とする。
補正係数は以下の式(12)で求める。
1人あたり月平均単位数補正係数
= (公開情報分析自治体の1人あたり月平均単位数) / (モデル自治体の1人あたり月平均単位数) ・・・(12)
図23で示したモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43の値と、図31で示した公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44の値とから、図32で示す要介護度別・1人あたり月平均単位数補正係数が得られ、推計用マスタ基本情報補正係数32を構成する。
次に、申請区分別・平均開始年齢補正係数算出処理部313の具体的な処理を説明する。この処理は、図25で示したモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43の男女別・要介護度別・平均開始年齢と、図33で示す公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44の男女別・要介護度別・平均開始年齢との比率を求め、これを補正係数とする。
補正係数は以下の式(13)で求める。
平均開始年齢補正係数 = (公開情報分析自治体の平均開始年齢)/ (モデル自治体の平均開始年齢) ・・・(13)
図25で示したモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43の値と、図33で示した公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44の値とから、図34で示す男女別・要介護度別・平均開始年齢補正係数が得られ、推計用マスタ基本情報32の補正係数を構成する。
次に、申請区分別×利用者数補正係数算出処理部314の具体的な処理を説明する。この処理は、図27で示したモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43の男女別・要介護度別・平均開始年齢と、図35で示す公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44の男女別・要介護度別・利用者数との比率を求め、これを補正係数とする。
補正係数は以下の式(14)で求める。
利用者数補正係数 = (公開情報分析自治体の利用者数) / (モデル自治体の利用者数) ・・・(14)
図27で示したモデル自治体の推計用マスタ基本情報中間データ43の値と、図35で示した公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報中間データ44の値とから、図36で示す男女別・要介護度別・利用者補正係数が得られ、推計用マスタ基本情報補正係数32を構成する。
次に、図17で示した推計用マスタ基本情報推測処理部33の処理を図37により説明する。この処理は、モデル自治体の実データから取得した推計用マスタ基本情報(図3で説明した推計用マスタ基本情報20と同じもの)に、図28で説明した補正係数算出処理で算出した推計用マスタ基本情報補正係数32を掛けて、公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報(推測値)34を取得するものである。
心身状態変化(悪化/改善)情報実データ推測処理部331は、推計用マスタ基本情報(モデル自治体)20の心身状態変化情報に、推計用マスタ基本情報補正係数32における心身状態変化情報の補正係数を掛けて、公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報34を構成する心身状態変化情報を取得する。
1人あたり平均給付費実データ推測処理部332は、推計用マスタ基本情報(モデル自治体)20の1人あたり平均給付費に、推計用マスタ基本情報補正係数32における1人あたり平均給付費の補正係数を掛けて、公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報34を構成する1人あたり平均給付費を取得する。
申請区分別・平均開始年齢実データ推測処理部333は、推計用マスタ基本情報(モデル自治体)20の1人あたり平均給付費に、推計用マスタ基本情報補正係数32における申請区分別・平均開始年齢の補正係数を掛けて、公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報34を構成する申請区分別・平均開始年齢を取得する。
申請区分別・利用者数実データ推測処理部334は、推計用マスタ基本情報(モデル自治体)20の申請区分別・利用者数に、推計用マスタ基本情報補正係数32における申請区分別・利用者数の補正係数の補正係数を掛けて、公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報34を構成する申請区分別・利用者数を取得する。
次に、上述した各処理部331,332,333,334の具体的な処理例を説明する。心身状態変化(悪化/改善)情報実データ推測処理部331は、図3で説明した推計用マスタ基本情報(実データ)20の心身状態変化情報201と同じ、図38(a)で示すモデル自治体の心身状態変化情報(要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報:実側データ)201Aに、同図(b)で示す推計用マスタ基本情報補正係数32の要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報補正係数を掛けて、図39で示す公開情報分析自治体の心身状態変化情報推測値34の要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報(推測値)を取得する。
この実データ推測値は以下の式(15)(16)で求める。
悪化率の推測値 = (モデル自治体の実データの要介護度別・悪化率) × (要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報補正係数の悪化率補正係数) ・・・(15)
改善率の推測値 = (モデル自治体の実データの要介護度別・改善率) × (要介護度別・心身状態変化(悪化/改善)情報補正係数の改善率補正率) ・・・(16)
図38(a)(b)で示した値から、式(15)(16)により図39で示す値の心身状態変化情報推測値が取得できる。
1人あたり平均給付費推測処理部332は、図3で説明した推計用マスタ基本情報(実データ)20の1人あたり平均給付費202と同じ、図40(a)で示すモデル自治体の1人あたり平均給付費(実側データ)202Aに、同図(b)で示す推計用マスタ基本情報補正係数32の1人あたり月平均単位数補正係数を掛けて、図41で示す公開情報分析自治体の推進用マスタ基本情報34の1人あたり平均給付費 (推測値)を取得する。
この実データ推測値は以下の式(17)で求める。
1人あたり平均給付費推測値 = (モデル自治体の実データの1人あたり平均給付費) × (1人あたり月平均単位数補正係数) ・・・(17)
図40(a)(b)で示した値から、式(17)により図41で示す値の平均給付費推測値が取得できる。
申請区分別・平均開始年齢推測処理部333は、図3で説明した推計用マスタ基本情報(実データ)20の申請区分別・平均開始年齢203と同じ、図42(a)で示すモデル自治体の男女別・要介護度別・平均開始年齢(実側データ)203Aに、同図(b)で示す推計用マスタ基本情報補正係数32の男女別・要介護度別・平均開始年齢補正係数を掛けて、図43で示す公開情報分析自治体の推進用マスタ基本情報34の男女別・要介護度別・平均開始年齢(推測値)を取得する。
この実データ推測値は以下の式(18)で求める。
平均開始年齢 = (モデル自治体の実データの平均開始年齢) × (平均開始年齢補正係数) ・・・(18)
図42(a)(b)で示した値から、式(18)により図43で示す値の男女別・要介護度別・平均開始年齢推測値が取得できる。
申請区分別・利用者数推測処理部334は、図3で説明した推計用マスタ基本情報(実データ)20の申請区分別・利用者数204と同じ、図44(a)で示すモデル自治体の男女別・要介護度別・利用者数(実側データ)204Aに、同図(b)で示す推計用マスタ基本情報補正係数32の男女別・要介護度別・利用者数補正係数を掛けて、図45で示す公開情報分析自治体の推進用マスタ基本情報34の男女別・要介護度別・利用者数(推測値)を取得する。
この実データ推測値は以下の式(19)で求める。
利用者数 = (モデル自治体の実データの利用者数 ) × (利用者数補正係数)
・・・(19)
図44(a)(b)で示した値から、式(19)により図45で示す値の男女別・要介護度別・利用者数推測値が取得できる。
前述した推計用マスタ基本情報取得処理 (公開情報分析)」ではモデル自治体の実データ分析が必要となる。しかし、規模や形態の近いモデル自治体がない場合は、推移推計が困難になる。そのため推計用マスタ基本情報の精度は落ちるが、モデル自治体の実データ分析がなくても推移推計を可能とする手法を以下に説明する。
この場合は、図17で説明した基本情報取得部30により、公開情報(厚労省報告集計、介護保険事業状況報告)から、公開情報分析自治体の公開情報42を取得し、推計マスタ基本情報(中間データ)44を構築する。そして、この公開情報分析自治体の推計用マスタ基本情報(中間データ)44をそのまま推移推計に使用する。
このようにすれば、規模や形態の近いモデル自治体がない場合でも、公開情報分析自治体の推移推計が可能となる。
次に、前述したステップ2の利用者数推移推計処理を説明する。まず、図46により処理の概要を説明する。
この処理では、推計開始時点の利用者数の状況を元に、推計用マスタ基本情報20の心身状態変化情報201(公開情報分析自治体の心身状態変化情報201Aを含むが、以下201と統一して説明する)の要介護度別の変化率と平均維持期間と、申請区分別・利用者数204(同様に公開情報分析自治体の申請区分別・利用者数204Aを含むが、以下204と統一して説明する)を用いて利用者数推移推計を行う。
ここで、利用者には、前述したように更新変更申請利用者と新規申請利用者とがある。更新変更申請の当初利用者数は、推計開始時点に更新変更申請の認定期間がかかる利用者の人数とする。また、新規申請利用者のうち1年目(推計開始時)の新規申請利用者は、過去1年の範囲ではなく、推計開始時点の最新認定データが新規申請である利用者すべてを対象とする。これに対し、2年目以降の新規申請の当初利用者は、推計開始前1年間に新規申請された利用者の人数を推計に用いる。なお、人口の増減を考慮する場合は、利用者数を増減して推計する。
更新変更申請利用者のうち、例えば、要介護4の利用者数を700人とすると、この要介護4の利用者が次の段階(終了、要介護5、要介護3、要介護2、…)に変化(悪化又は改善)する人数を、心身状態変化情報201を用いて推計する。以後、変化した次の段階(終了以外)、要介護5、要介護3、要介護2、…についても、それぞれの次の段階への変化人数を順次繰り返し求め、利用者数推移推計を行う。この推計に用いた心身状態変化情報マスタ201を図47に示す。
新規申請利用者についても、上述した更新変更申請利用者と同様の方法で推移推計を行う。
上述した利用者数推移推計処理の具体例を図48により説明する。図48において、心身状態変化情報マスタ201は、図3、図5(b)、図47で示したものと同じものであり、適用期間別に要介護度別の次の要介護度、及び次の要介護度別の「遷移比率」と「平均維持期間」を保持するマスタである。これは前述の推計用マスタ基本情報取得処理部11で事前に作成される。
申請区分別・利用者数マスタ204は、図3、図14、図45で示したものと同じものであり、利用者数取得年月時点における利用者数を、要介護度別に保持するマスタである。これも前述の推計用マスタ基本情報取得処理部11で事前に作成される。
図2で示した利用者数推移推計処理部12の最初の推計処理(図48の12A)が、利用者数推移推計の起点である。以下に推計処理を説明する。
最初に、すべての要介護度の、更新・変更利用者および新規利用者それぞれの利用者数推移推計処理(以下「各推計処理」)を同時に開始する。すなわち、各推計処理の属性情報として「推計開始年月」、「要介護度」、「当初利用者数」、「申請区分」、「性別」を設定する。なお、推計開始人数は要介護度および性別を元に、申請区分別・利用者数マスタから要介護度別性別別に取得する。図48の例では要介護4の女性の人数700名としている。
各推計処理は、心身状態変化情報マスタ201から、各推計処理の推計開始年月が心身状態変化情報マスタの適用期間内の「遷移比率」と「平均維持期間」を要介護度別次の要介護度別に取得する。図48では、最初の推計処理12Aにおいて要介護4の女性の「平均維持期間」、「次の要介護度」及び「遷移比率」が取得されている。これらは心身状態変化情報マスタ201の、推計開始年月が適用期間内に含まれるフェーズの、要介護度と次の要介護度が一致する行から取得する。
また、最初の推計処理12Aにおける「要介護度」は、この推計処理内における要介護度を示す。「平均維持期間」は次の要介護度までの維持期間であり要介護度別に示されている。「次の要介護度」は要介護度を平均維持期間だけ維持した後に遷移する先の要介護度を示す。「遷移比率」は次の要介護度に遷移する人数比率を示す。
次に、各推計処理は、(当初利用者数 × 次の要介護度別の遷移比率)を計算し「次の要介護度別利用者数」を求め、これを平均維持期間の月数分だけ、推計開始年月からの相対経過月数の月別利用者数に展開する。
最初の推計処理12Aの図示上から2行目(次の要介護度が要介護5)を例にすると、「要介護4の利用者700人中70%(490人)が、要介護4を16ヶ月維持した後に要介護5に遷移する」ことを示している。この最初の推計処理12Aの「推計開始年月からの相対経過月数」の各月欄には、上述の(当初利用者数 × 遷移比率)で求めた利用者数を、推計開始年月からの平均維持期間の月数分だけ設定する。上から4行目(次の要介護度が要介護3)を例にすると、利用者700人中10%(70人)が、要介護4を16ヶ月維持することを示す。
上述した、次の要介護度までの維持期間における現要介護度の利用者の合計値を月別に求める。最初の推計処理12Aでは現要介護4の利用者の次の要介護度への維持期間、すなわち、次の要介護度別推計開始年月からの相対経過月数別に、利用者数を合算し月別利用者数の合計値を求める。この合計値は推計開始年月の当初は700人でしばらく推移するが、相対経過月数が16ヶ月経過すると644人となり、以降、17ヶ月では84人、18ヶ月では39人、・・・と順次減少する。
このようにして求めた月別利用者数合計値は、要介護度別利用者数推移テーブル12Tの年月別要介護度別利用者数に登録する。この時、登録先は「推計開始年月+推計開始年月からの相対経過月数」で求めた年月の、各推計処理の要介護度と同一の要介護度に登録する。また、利用者人数は先に登録済みの利用者人数に加算して登録する。
各推計処理は、次の要介護度別に「次の各推計処理」を実行する。図48では、次の推計処理12Bの属性情報として「推計開始年月」には「前推計開始年月+次の要介護度別平均維持期間」を設定し、「当初利用者数」には前の推計結果人数である単月の次の要介護度別利用者数を設定し、「要介護度」には次の要介護度を設定する。「申請区分」は「更新・変更」を設定し、「性別」は前の各推計処理と同じ性別を設定する。
図48において、次の要介護度を要介護3とした場合、次の推計処理12Bの「推計開始年月」は、「前推計開始年月(2015年4月)+次の要介護度別平均維持期間(16ヶ月)」で、2016年8月となる。「当初利用者数」は前の推計結果人数である単月の次の要介護度別利用者数である70人とする。「要介護度」には次の要介護度である要介護3を設定する。「申請区分」及び「性別」は、前の各推計処理と同じ「更新・変更」、「性別」は「女性」を設定する。
また、前の各推計処理と同じく、次の要介護度別推計開始年月からの相対経過月数別の利用者数を求め、これを合算して月別利用者数の合計値を求め、さらに、要介護度別利用者数推移テーブル12Tの年月別要介護度別利用者数に登録する。
なお、相対経過月数別の利用者数は、次の要介護度が終了または、月別利用者数が1未満となった行は、次の推計処理を実行しない。また、月別利用者数の合計値は、月別利用者数に1未満の端数が出た場合は少数のまま月別利用者数合計を出し、要介護度別利用者数推移テーブル登録時に少数点以下を四捨五入して整数値とする。
他の要介護度についても同様に次の推計処理を実行し、以降も同様に次々と推計処理を実行する。全ての各推計処理が終了したら、利用者数推移推計処理は終了となる。
前述した要介護度別利用者数推移テーブル12Tは、要介護度別・年月別に利用者数の推移を保持するテーブルで、各推計処理の月別利用者数合計を、年月別に加算する。なお、
登録先の年月は、推計開始年月+推計開始年月からの相対経過月数-1で求める。図48における破線矢印の例では、相対経過月数が3であり、(2015年4月) + 3 - 1 で、要介護度別利用者推移テーブルTでの登録先年月は2015年6月となる。
この要介護度別利用者数推移テーブル12Tの値から要介護度別利用者数の推移が明らかとなる。
次に、図2で説明したステップ3の給付費(累計)推移推計処理を、図49により説明する。1人当たり平均給付費202は、図3、図8、図41で示したものと同じものである。図2で示した給付費(累計)推移推計処理部13は、この1人当たり平均給付費202と、図48で説明したステップ2の利用者数推移推計処理で得られたれた要介護度別利用者数推移テーブル12Tの要介護度別・月別・利用者数とを用いて給付費(累計)の推移推計を行う。
すなわち、要介護度別利用者数推移テーブル12Tの要介護度別・月別・利用者数
に、ステップ1で求めた1人当たり平均給付費202の要介護度別・1人あたり平均給付費(月額)を掛けて、要介護度別・月別・給付費(月額)および、その合計と累計を算出し、それらを給付費推移テーブル49に登録する。なお、図49で示した各表202,12T、49はいずれもサービス種類別・性別別である。
この給費推移テーブル49の値から給付費(累計)の推移が明らかとなる。
次に、図2で説明したステップ4の健康寿命推移推計処理を、図50により説明する。この処理では、要介護度や認知症自立度等の65心身状態項目(認定データ)毎に、介護の手間がかからない最も重い段階が最後に終了する年齢を「健康寿命」とする。
図2に示す健康寿命推移推計処理部14は、前述の図9で説明したステップ1の申請区分別・平均開始年齢取得処理で得られた申請区分別・平均開始年齢203を用い、先ず、その年齢を申請区分別・平均開始月齢203Mに変換する。次に、前述の図48で説明したステップ2の最初の推計処理12Aを利用して健康寿命を求める手法を説明する。
図48の最初の推計処理12Aでは、要介護4の利用者が、次の段階に遷移する人数を次の段階別に求め、それらの各平均継続期間から、次の段階に遷移するまでの経過月毎に遷移する人数を登録していた。この最初の集計処理12Aでは次の段階に何時遷移するかが、次の段階別にわかる。
この最初の推計処理12Aの内容をそのまま図50における推計処理50Aに当てはめると、最初の推計処理12Aにおける当初の要介護度は要介護4であったので推計処理50Aでも当初要介護度を要介護4とすると、その平均開始年齢(月齢)は申請区分別・平均開始月齢203Mから924(ヶ月)となる。この平均開始月齢をそれぞれ次の段階までの経過月毎に登録する(図中上段は人数である)。なお、月齢なので、1月経過するごとに+1加算される。
次の要介護3の行を見ると平均継続期間が16ヶ月なので、月齢924は+1加算されながら16カ月維持される。そして、16カ月経過後に次の段階の要介護3の推計処理50Bに遷移する。したがって、要介護4が最後に終了する月齢は16ヶ月経過した939となる。
上述の説明は、図48の最初の推計処理12Aの数値をそのまま利用したので、当所の要介護度は要介護4であったが、介護の手間がかからない最も重い段階とは、要介護度についてみると、一般に、要介護2と言われている。そこで推計処理50Aにおける当初の要介護度を要介護2として上述と同様の処理を行えば、要介護度が次の段階である要介護3に遷移するタイミングをとらえることができ、これが介護の手間がかからない段階(要介護2)が終了する年月となるので、その月齢を健康寿命として推計することができる。
次に、図2で説明したステップ5の給付費(累計)推計結果の新施策効果ケース間比較処理を、図51により説明する。図2の給付費(累計)推計部15は、前述した図2のステップ3による新施策効果ケース別に実施した推計結果の比較分析を行うものである。例えば、新施策ケース1が、前述のように、特定のサービス種類(例えば、「特養」とする)の心身状態変化情報の目標値を+10%とする施策の場合、新施策ケース2が同目標値を15%とした場合、新施策ケース3が他のサービス種類(例えば、「老健」とする)の心身状態変化情報の目標値を+10%とする施策の場合、のそれぞれについて、ステップ3の給付費(累計)推移推計処理を行い、その結果により、それらの効果を相互に比較分析するものである。
図51では、要介護度別・新施策効果ケース別・給付費の累計結果を、同図(a)にて3年後、同図(b)にて6年後、同図(c)にて9年後についてそれぞれ表としてあらわしている。
上述の比較分析の結果、給付費抑制に有効なサービス種類別もしくは小地域別の施策の選定と実施計画を決めることができる。
次に、図2で説明したステップ6の健康寿命の新施策効果ケース間比較処理を、図52により説明する。図2の新施策効果ケース間比較処理部16は、前述した図2のステップ4による新施策効果ケース別に実施した推計結果の比較分析を行うものである。
図52は、要介護度別・新施策効果ケース別・年齢を、新施策効果ケース1、2,3別に比較した結果を表している。この比較結果から、健康寿命延伸に有効なサービス種類もしくは小地域別の施策が判明するので、その選定と実施計画等を決めることができる。
次に、費用対効果の推計・検証機能をより簡素化した実施の形態を説明する。これまで説明してきた実施形態を所謂介護詳細版とすると、以下説明する実施の形態は、介護簡易版となる。この介護簡易版では、現状把握1として、要介護度別・サービス種類別に利用者(介護保険の利用者)数及び給付費を、公開情報である厚生労働省の介護保険事業状況報告から取得する。また、現状把握2として、要介護度別・サービス種類別・事業所グループ別に、要介護度の改善率・悪化までの平均維持期間を集計する。
次に、要介護度別・サービス種類別・事業所グループ別・改善計画をたてる。なお、事業所グループとは、改善率と悪化までの平均維持期間を自治体平均と比較して4つのグループに分類したものをいう。すなわち、要介護度別・サービス種類別の要介護度の目標改善率・維持期間を、事業所グループ別に計画する。例えば、図53(a)で示すように、要介護度(重度)の利用者に対して、改善率と悪化までの平均維持期間の両方が自治体平均以下の事業所グループに、効果的な施策を実施して3年後には、図示中央の自治体平均まで改善させる改善計画をたてる。
さらに、改善計画実施後の 給付費抑制効果を算出する。すなわち、要介護度の改善率が向上したことによる給付費抑制額、及び図53(b)で示す維持期間の延伸による給付費抑制額を算出する。図53(b)は、利用者の要介護度が、実線で示す維持期間後に要介護3から要介護4に悪化していたものが、新施策(何らかの改善策)を施すことにより、破線で示すように悪化までの維持期間が延伸した場合、斜線の面積分利用者への給費が抑制されることを表している。
最後に、費用対効果検証として、施策実施から所定期間(例えば、3年)後、要介護度別・サービス種類別・事業者別に要介護度の改善率・維持期間を集計し、要介護度の改善率及び維持期間の延伸による給付費抑制額を算出する。
以下実施例を説明する。前述した現状把握1では、その一つの段階として、前述のように要介護度別・サービス種類別の利用者数を求める。このために、図54で示すように、先ず、介護保険のサービス種類別の利用者への給付件数及び給付費が公開されている第1の公開データ(介護保険事業状況報告)51から、利用者数取得処理部52により、サービス種類別・要介護利用者数(月別)のデータを取得し、利用者数マスタ53を構成する。
利用者数マスタ53には、要介護度別の、サービス種類別利用者数が登録されている。例えば、要介護1では、サービス種類が居宅系では8.0(千人)、特養では1.0(千人)、老健では0.3(千人)、・・・というように登録されている。
次に、要介護度別の心身状態変化割合が公開されている第2の公開データ(介護給付費実態調査)54から要介護度別の心身状態変化割合を, 心身変化情報取得処理部55により取得する。なお、第2の公開データ54において、軽度化とは、要介護段階が1段階以上低くなったことであり、重度化とは要介護段階が1段階以上高くなったことである。図の例では要介護度が1段階下がって要介護1になった割合が5%であり、要介護度が1段階上がって要介護1になった割合が25%であり、要介護度が要介護1のままの割合が70%であることを示している。
この心身状態変化割合を、前述の利用者数マスタ53が有する利用者数に掛けてサービス種類別、要介護度別の心身状態変化人数算出し、心身状態変化人数マスタ56を構成する。図の例では、居宅系の要介護1の人数が利用者数マスタ53で示すように8.0(千人)であり、軽度化の割合が第2の公開情報54から5%であるため、改善人数は0.4(千人)となる。以下同様に、維持、悪化人数も算出して心身状態変化人数マスタ56に登録する。
心身変化情報取得処理部55は、さらに、予め定められた要介護度の軽度及び重度別に心身状態変化人数を集約し、この集約した心身状態変化人数で、心身状態変化人数マスタ56を構成する。ここで、軽度とは要介護1、2の範囲を言い、重度とは要介護3,4,5の範囲を言う。図の例では軽度の人数として、それぞれ要介護1,2の人数を合算して集約し、重度についても対応する要介護3,4,5の人数を合算して集約し、心身状態変化人数マスタ56に登録する。
このようにして、サービス種類別・要介護度軽重別・心身状態変化人数が得られる。
現状把握1のもう一つの段階として、要介護度別・サービス種類別に受給者(介護保険の利用者)への給付費を求める。このために、サービス種類別・要介護度軽重別・心身状態変化時の1人あたりの給付費差をもとめる。
すなわち、図55で示すように、給費取得処理部58により、第1の公開データ51から、サービス種類別、要介護度別の1人あたりの給付月額をそれぞれ取得し、給付費マスタ59を構成する。
給付費マスタ59には、要介護度別にサービス種類(居宅系、特養、老健、・・・)別の、1人あたりの給付月額が登録されている。図では、サービス種類:居宅系についてみると、1人あたりの給付月額は要支援2で45(千円)、要介護1で85(千円)、要介護2で120(千円)、・・・と登録されている。
給付費差額抽出処理部60は、給付費マスタ59に保持された給付月額データを用いて、サービス種類別、要介護度別の心身状態変化時の1人当たりの給付費差額を求め、給付費差額テーブル61に登録する。図の例では、要介護1についてみると、前述した心身状態変化人数として心身状態変化人数マスタ56から取得した改善人数0.4(千人)、悪化人数2.0(千人)と、改善時の1人当たりの給付費差額(要介護1が要支援2に改善することによる減額分の月額)-40(千円)及びその年額-480(千円)と、悪化時の1人当たりの給付費差額(要介護1が要介護2へ悪化することによる増額分の月額)35(千円)がそれぞれ登録されている。
他の要介護度についても同様に、心身状態変化人数及び心身状態変化時の1人当たりの給付費差額がそれぞれ登録されている。
給付費差額抽出処理部60は、さらに、心身状態改善時の1人当たり給付費差額と、心身状態悪化時の1人当たり給付費差額とを、軽度(要介護1,2)及び重度(要介護3,4,5)別にそれぞれ集約し給付費差額テーブル61に登録している。この集約値は軽度についてみると要介護1,2の加重平均値である。すなわち、軽度の給付費差額(年額)は、[{0.4×(-480)}+{0.6×(-420)}]/1.0=-444(千円)となる。重度(月額)についても同様に算出し、給付費差額テーブル61に登録する。
現状把握2では、要介護度別・サービス種類別・事業所グループ別に、要介護度の改善率・維持期間を集計する。
サービス種類別・ 事業所グループ別・改善計画をたてる段階では、要介護度別・サービス種類別の要介護度の目標改善率・維持期間を、事業所グループ別に計画する。前述したように、図52では、改善率、悪化までの平均維持期間の両方の現在値が、自治体平均以下の事業所グループについて、効果的な施策を実施して3年後には、図示中央の自治体平均まで改善させる改善計画をたてる。
そのために、図56で示すように、先ず現在値63を把握する。実データがない自治体では、環境や形態が類似したモデル自治体の、実データに基づく現在値(サービス種類別・要介護軽重度別・改善率、及び悪化までの維持期間)を用いる。次に、目標値設定部64により、施策実施から所定期間(例えば、3年)後に改善されるベき目標値(サービス種類別・要介護軽重度別・改善率、及び悪化までの維持期間)を設定する。
差抽出手段65は、これら現在値と目標値との改善率差と、悪化までの維持期間差とをそれぞれ求め、差分マスタ66を構成する。図では、居宅系の軽度の改善率差は4%であり、悪化までの維持期間差は2か月である
次に、改善計画実施後の給付費抑制効果を算出する。すなわち、要介護度の改善率が向上したことによる給付費抑制額、及び維持期間の延伸による給付費抑制額を算出する。
先ず、要介護度の改善率が向上したことによる給付費抑制額算出処理を説明する。図57の第1の給付費抑制額算出部68は、前述の心身状態変化人数マスタ56に保持されている心身状態の変化人数と、差分マスタ66に保持されている改善率の目標値との差(改善率差)を取得し、これらから、サービス種類別、要介護度の軽度重度別に給付費抑制対象者人数をそれぞれ算出し、第1の給付費抑制額テーブル69の該当する項目に登録する。
図の例では、居宅系の軽度についてみると心身状態変化人数は14.0(千人)であり、目標値との改善率差は4%なので、給付費抑制対象者人数は560人となる。
第1の給付費抑制額算出部68は、さらに、給付費差額テーブル61に保持されているサービス種類別・要介護度の軽度及び重度別の心身状態改善時の1人当たりの給付費差額と、上述したサービス種類別、要介護度の軽度重度別の給付費抑制対象者人数とから、心身状態の改善による給付費抑制額を算出し、第1の給付費抑制額テーブル69の該当する項目に登録する。
図の例では、居宅系の軽度の給付費抑制対象者人数は上述のように560人であり、1人当たりの給付費差額は-444(千円)であるため改善率差による給付費抑制額は-248.6(百万円)となる。
次に、悪化までの維持期間の延伸による給付費抑制額の算出処理を説明する。図58の第2の給付費抑制額算出部71は、前述の心身状態変化人数マスタ56が有する悪化人数と、差分マスタ66に保持されている悪化までの維持期間の目標値との差(悪化までのでの維持期間差)とを取得し、第2の給付費抑制額テーブル72の該当する項目に登録する。
図の例では、居宅系の軽度の悪化人数は3.2(千人)であり、悪化までの維持期間差は2ヶ月である。
第2の給付費抑制額算出部71は、さらに、悪化時の給付1人当たりの給付費差額(月額)に、この悪化までの維持期間差(延伸値)をかけることにより悪化までの維持期間差による給付費抑制額を算出し、第2の給付費抑制額テーブル72の該当する項目に登録する。
図の例では、悪化人数が3.2(千人)、悪化時の給付1人当たりの給付費差額(月額)は41(千円)であり、悪化までの維持期間差は2ヶ月であるので、悪化までの維持期間差による給付費抑制額は-262.4(百万円)となる。
最後の、費用対効果検証段階では、図59で示すように、上述のようにして求めた施策実施から所定期間(例えば、3年)後における、要介護度の改善率改善による給付費抑制額(テーブル値)69と、悪化までの維持期間延伸による給付費抑制額(テーブル値)72とを費用対効果検証部74で合算し、サービス種類別・要介護度軽重別・施策実施の目標値による給付費抑制額の総計額の総計を算出し、給付費抑制額テーブル75を構成する。
この給付費抑制額テーブル75に登録された数値を用いて、図60で示すように当該自治体の施策実施による給付費抑制を伴うシミュレーションを行うことができる。
これまでは、介護簡易版の、費用対効果推計・検証機能について説明したが、これを前述した介護詳細版と対比したものが図61である。介護詳細版はあらゆる観点で介護簡易版より精度が高い。しかし、推計検証ツール実現の難易度は簡易版より高くなる。以下、図61に従って比較項目ごとに簡単に説明する。
図61において、比較項目「申請区分別利用者数の考慮」についてみると、介護簡易版では、申請区分別については考慮「なし」である。これに対し、介護詳細版では、考慮「あり」であり、新規と更新・変更で区別している。
比較項目「注目要介護度」についてみると、介護簡易版では、「要介護度を軽度・重度に集約して推計」している。これに対し、介護詳細版では、「要介護度全段階忠実に推計」しており、介護詳細版の方が、精度が高いことがわかる。
比較項目「要介護度変化段階」についてみると、介護簡易版では、「悪化と改善が一段階のみと想定」している。これに対し、介護詳細版では、「悪化と改善の段階数は全てを想定」しており、介護詳細版の方が、精度が高いことがわかる。
比較項目「改善率と悪化までの平均維持期間の精度」についてみると、介護簡易版では、「モデル自治体での数値しかない当該自治体の数値は特定不可」となる。これに対し、介護詳細版では、「実データを使っての高精度値」を得ることができる。
比較項目「改善率と悪化までの平均維持期間の変化考慮フェーズ」についてみると、介護簡易版では、「推計開始時点と終了時点の2点間のみ(例えば、3年間)で現在と目標を設定」している。これに対し、介護詳細版では、「要介護度の維持期間後の全段階(終了の場合も含む)遷移を繰り返し計算」しており、介護詳細版の方が、精度が高いことがわかる。
比較項目「時系列分解精度」についてみると、介護簡易版では、「2点間の線形補間のみ」である。これに対し、介護詳細版では、「月別推計が算出可能」であり、介護詳細版の方が、精度が高いことがわかる。
比較項目「健康寿命の算出可否」についてみると、介護簡易版では、算出「不可」である。これに対し、介護詳細版では、「算出ロジック類似」であり、この類似した算出ロジックにより算出「可」である。
比較項目「推計検証ツール実現の難易度」についてみると、介護簡易版では、「エクセルで実現可能」であり、比較的に難易度は低い。これに対し、介護詳細版では、「プログラム開発必須(エクセル困難)」であり、介護詳細版の方が、比較的に難易度は高い。
これら介護簡易版と介護詳細版との比較結果から、自治体(介護保険者)の実情に合わせていずれかを選択することができる。
以上の、費用対効果推計・検証機能は、いずれも、介護給付事業のサービス利用者を対象に推計・検証を行った。このような推計・検証機能は総合事業に対しても同様に適用することがきる。総合事業の場合は、いかに自立期間を延伸するか、いかに要支援者を事業対象者や自立者に戻るようにするか等がアプローチ対象となる。
ここで介護給付事業の場合は推計・検証元データとして要介護認定データ、介護給付データを用い、サービス種類別に推計・検証を行う。これに対し総合事業では推計検証データとして、要介護認定データ、介護給付データを用いることは同じであるが、さらに、総合事業データ(基本チェックリスト、通いの場利用実績等)を用いて推計・検証を行う。
そして、 総合事業の場合でも、以下の対応関係を踏まえて、全く同様のロジックにて、費用対効果の推計・検証が可能になる。例えば、図62で示すように、介護事業対象者の要介護度(要介護1~5)と同様に、総合事業対象者の心身状態を5段階(自立~要支援2)に分けて対応付ければよい。なお、図62において、虚弱1と虚弱2とはいわゆるフレイルの対象者で、その軽重は、基本チェックリストのリスクポイント等で定義すればよい。
このように定義すれば、例えば、総合事業対象者の心身状態が「自立」の場合は、介護事業対象者の要介護度が「要介護1」の場合と同様のロジックにて、費用対効果の推計・検証が可能になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…推計用マスタ基本情報取得処理部
111…心身状態変化(悪化/改善)情報取得処理部
112…1人あたり平均給付費取得処理部
113…申請区分別×平均開始年齢取得処理部
114…申請区分別×利用者数取得処理部
20…推計用マスタ基本情報
201…心身状態変化情報マスタ
202…1人あたり平均給付費マスタ
203…申請区分別・平均開始年齢マスタ
204…申請区分別・利用者数マスタ
30…公開情報から推計用マスタ基本情報取得部
31…補正係数算出処理部
311…心身状態変化(悪化/改善)情報補正係数算出処理部
312…1人あたり平均給付費補正係数算出処理部
313…申請区分別/平均開始年齢補正係数算出処理部
314…申請区分別/利用者数補正係数算出処理部
32…推計用マスタ基本情報補正係数
33…推計用マスタ基本情報推測処理部
331…心身状態変化(悪化/改善)情報実データ推測処理部
332…1人あたり平均給付費実データ推測処理部
333…申請区分別/平均開始年齢実データ推測処理部
334…申請区分別/利用者数実データ推測処理部
34…推計用マスタ基本情報(公開情報分析自治体:推測値)
41…公開情報(モデル自治体)
42…公開情報(公開情報分析自治体)
43…推計用マスタ基本情報(モデル自治体:中間データ)
44…推計用マスタ基本情報(公開情報分析自治体:中間データ)
51…第1の公開データ
52…利用者数取得処理部
53…利用者数マスタ
54…第2の公開データ
55…心身変化情報取得処理部
56…心身状態変化人数マスタ
58…給費取得処理部
59…給付費マスタ
60…給付費差額抽出処理部
61…給付費差額テーブル
63…現在値
64…目標値設定部
65…差抽出手段
66…差分マスタ
68…第1の給付費抑制額算出部
69…第1の給付費抑制額テーブル
71…第2の給付費抑制額算出部
72…第2の給付費抑制額テーブル
74…費用対効果検証部
75…給付費抑制額テーブル

Claims (1)

  1. 介護保険のサービス種類別の利用者への給付件数及び給付費が公開されている第1の公開データから、サービス種類別、要介護度別の前記利用者の月別利用者数のデータを取得し、利用者数マスタを構成する利用者数取得処理部と、
    前記利用者数マスタが有する利用者数と、第2の公開データにより公開されている要介護度別の心身状態変化割合とから算出されるサービス種類別、要介護度別の心身状態変化人数を、予め定められた要介護度の軽度及び重度別に集約した心身状態変化人数マスタを構成する心身変化情報取得処理部と、
    前記第1の公開データから、サービス種類別、要介護度別の1人あたりの給付月額をそれぞれ取得し給付費マスタを構成する給費取得処理部と、
    この給付費マスタに保持された給付月額データを用いて算出されたサービス種類別、要介護度別の心身状態変化時の1人当たりの給付費差額から求められる、心身状態改善時の1人当たり給付費差額と、心身状態悪化時の1人当たり給付費差額とが、サービス種類別、かつ要介護度の軽度及び重度別にそれぞれ保持されている給付費差額テーブルと、
    前記サービス種類別、要介護度の軽度及び重度別の心身状態の改善率及び悪化までの維持期間の現在値と、これらサービス種類別、要介護度の軽度及び重度別の心身状態の改善率及び悪化までの維持期間の目標値との差の値がそれぞれ保持されている目標値との差分マスタと、
    前記心身状態変化人数マスタが有する心身状態の変化人数と、前記差分マスタに保持されている改善率の前記目標値との差分から前記サービス種類別、要介護度の軽度重度別に給付費抑制対象者人数をそれぞれ算出し、前記給付費差額テーブルに保持されているサービス種類別、かつ要介護度の軽度及び重度別の前記心身状態改善時の1人当たりの給付費差額と、前記サービス種類別、要介護度の軽度重度別の給付費抑制対象者人数とから、心身状態の改善による給付費抑制額を算出する第1の給付費抑制額算出部と、
    前記心身状態変化人数マスタが有する心身状態の悪化人数と、前記差分マスタに保持されている悪化までの維持期間の前記目標値との差と、前記給付費差額テーブルに保持されているサービス種類別、かつ要介護度の軽度及び重度別の心身状態悪化時の1人当たりの給付費差額とから、悪化までの維持期間差による給付費抑制額を算出する第2の給付費抑制額算出部と、
    を備えたことを特徴とする地域包括ケア事業システム。
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