JP2018017710A - 車両の重量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力センサをネジによって固定する場合であっても、油室内の圧力を一定に管理可能な重量測定装置を提供する。【解決手段】懸架装置のアームに接するボトムプレート200と、ボトムプレートの上面側で油室201を形成するダイアフラム230を押圧可能なピストン300と、ボトムプレートの下面側で油室の測定流体(作動油)Rの圧力を検出する圧力センサ400とを含み、油室内側と大気側とを連通し、油室内部の過剰な作動油を排出可能な油排出孔部240と、油排出孔部に備えられ、過剰な測定流体(作動油)を排出し、荷重の掛かっていない状態で、内部圧力を大気圧に平衡させた後、前記油排出孔部を封鎖する封鎖部242とを備えた。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の重量を測定する装置、特に自動車の懸架装置に組込み過積載を検出する車両の重量測定装置に関するものである。
自動車、特に、種々の荷物などを運搬するトラックやバンなどの商用車において、法定積載量を超えて道路を通行する不法な過積載が社会問題となっている。これは、一度にたくさんの荷物を運搬したほうが運送費を少なくできるからである。
しかし、このような過積載は次のような種々の問題を招く虞を有しており、避けなければならないものである。
(1)過積載により自動車の運動性能が低下したり、構成部品が破損したりする虞があるため、事故の原因となることがある。例えば、車軸(ハブ)の破損、タイヤの破損(バースト)、制動距離が長くなりブレーキが過熱して効きにくくなる、車両が横転し易くなるなど、事故等を招く要因を多数有している。
(2)過積載により道路の損傷が激しくなるため、道路のメンテナンス費用が掛かる。
このような過積載の防止が困難となっている原因は多々あるが、その内の一つには、積載重量が運転手あるいは同乗者などから容易に認識できないということにある。
すなわち、従来、車両の荷重測定(積載重量測定)は、台秤に測定対象の車両を載せて行っていた。
しかし、台秤の設置は、施設が大がかりで広い設置スペースを必要とするため、及び設置コストが嵩むため、設置できる台秤の台数が制限され多くの車両を測定することなど物理的にも無理があった。
そこで、昨今では、特許文献1などに開示されているように、車両自体に搭載して荷重を測定することを可能とした簡易的な荷重測定装置が多々提案されている。
例えば、特許文献1に開示の先行技術は、車両の荷重が掛かることで伸縮する被荷重部材の異なる取付箇所に2つの溶着部分が溶着されるベースアッシーと、該ベースアッシーにより支持され、車両に掛かる荷重の変化により2つの溶着部分が接近離間する方向にベースアッシーが伸縮することで出力が変化する圧縮歪検出用センサ素子と、該圧縮歪検出用センサ素子の出力を増幅するアンプが実装された回路基板とで構成し、圧縮歪を検出することにより荷重測定する簡易的な荷重測定装置である。
特開2001−330503
このような荷重測定装置は、通常、大きく分けて2つの機能ブロックから構成されている。
1つ目の機能ブロックは、測定流体(作動油)を充填した油圧室(油室)と、油室の一部を押圧変形可能に構成するダイアフラムと、油室と連通して備えられ、ダイアフラムの押圧による油室の圧力変化を検出する圧力センサからなる車両に固定される荷重検出部である。
2つ目の機能ブロックは、スプリングの弾発力などにより、荷重に従って移動して前記ダイアフラムを押圧するピストン部である。
また、この荷重検出部のダイアフラムや圧力センサは、車両後輪用の懸架装置に組み込まれる場合にはボトムプレートに取り付けられ、車両前輪用の懸架装置に組み込まれる場合には、取付部(トッププレート)に取り付けられる。
この場合、圧力センサのボトムプレート(または取付部)への取り付け構造としては、測定流体の漏れを封止でき、また圧力センサそのものを固定できるようにするため、テーパネジなどのネジを用いた密封構造が用いられる。このようなネジを用いた密封構造は製作が容易なので液体を封止する目的で広く一般的に用いられているものである。
ところが、上述のようなネジを用いた密封構造では、圧力センサを固定締結する際に、ネジの作用によって圧力センサが軸方向に進むため、圧力センサは測定流体を押し退けるようにして固定締結される。測定流体は、圧力センサ固定前の油室では大気圧と平衡の状態にあるが、圧力センサの固定により、測定流体が油室の容積に対して過剰となり、油室内の圧力を上昇させる結果となる。
一般に測定流体は圧縮性がないか、非常に小さいため、ネジ込みによる圧力センサの進み量が非常に小さくても、油室内の圧力に大きな影響を与える。
また、圧力センサを同一の締結トルクで固定締結した場合であっても、ネジの加工精度によっては、ネジ込みによる圧力センサの進み量には個体差があるため、油室内の圧力上昇の程度にも個体差が生じる。
このように、ネジ締め付けに伴う油室内の圧力の上昇を一定に管理するのは非常に困難である。
さらに、圧力センサがボトムプレート(または取付部)に圧入固定される場合であっても、前記ネジを用いた密封構造と同様の問題が生じる。また、圧入固定による圧力センサの進み量には個体差があるため、進み量の個体差が非常に小さくても油室内の圧力に大きな影響を与え、油室内の圧力上昇の程度に個体差が生じる。
このように、圧入固定に伴う油室内の圧力の上昇も一定に管理するのは非常に困難である。
本発明は従来技術の有するこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、圧力センサをネジによって固定する場合であっても、油室内の圧力を一定に管理可能な重量測定装置を提供することにある。
さらに、圧力センサを圧入固定によって固定する場合であっても、油室内の圧力を一定に管理可能な重量測定装置を提供することにある。
この目的を達成するために、第1の発明は、スプリングの弾発力により移動する移動体と、前記移動体の移動により、押圧変形可能なダイアフラムと、所定の測定流体を充填し、前記ダイアフラムの押圧により内部圧力が変化可能な油室と、前記油室内の圧力変化を検出し得る圧力センサとを含み、前記油室内部の過剰な作動油を大気側へと排出可能な油排出孔部と、前記過剰な作動油を排出した油排出孔部を封鎖してなる封鎖部と、を備えたことを特徴とする車両の重量測定装置としたことである。
第2の発明は、下面側が懸架装置のアームに当接して設置され、上面側に開口する溝部を有するボトムプレートと、前記溝部の開口領域を覆い、前記溝部とともに所定の測定流体を充填してなる所定空間の油室を形成するダイアフラムと、前記溝部の開口領域の外径よりも大径に形成され、前記ダイアフラムの外径寄りの面部を、前記溝部の開口領域より外側の面部との間で挟み込んで密閉固定する環状のカラーと、前記カラーの内径側で懸架装置の長さ方向に移動可能に備えられるとともに、前記カラーの上側でカラーと隙間を介して配され、懸架装置のスプリングの弾発力により前記ダイアフラムを押圧可能なピストンと、前記スプリングの一端を受け、前記ピストンとの間に介在するスプリングシートと、前記ボトムプレートの下面側に備えられ、前記ピストンの移動により変化可能な油室内の測定流体の圧力変化を検出し得る圧力センサとを含み、前記油室内部の過剰な作動油を大気側へと排出可能な油排出孔部と、前記過剰な作動油を排出した油排出孔部を封鎖してなる封鎖部と、を備えたことを特徴とする車両の重量測定装置としたことである。
第3の発明は、懸架装置に備えられ、上面側を車両側に固定するとともに、環状に開口する溝部を下面側に設けてなる取付部と、前記溝部の開口領域を覆い、前記溝部とともに所定空間の油室を形成する環状のダイアフラムと、前記ダイアフラムの内径寄りの面部を、前記溝部の開口領域より内側の面部との間で挟み込んで密閉固定する環状のインナーカラーと、前記溝部の開口領域の外径よりも大径に形成され、前記ダイアフラムの外径寄りの面部を、前記溝部の開口領域より外側の面部との間で挟み込んで密閉固定する環状のアウターカラーと、前記インナーカラーの外径と前記アウターカラーの内径との間で懸架装置の長さ方向に移動可能に備えられ、懸架装置のスプリングの弾発力により前記ダイアフラムを押圧可能なピストンと、前記スプリングの一端を受けるブッシュと、前記ピストンと前記ブッシュとの間に介在され、相対回転可能に構成されている軸受装置と、前記取付部に備えられ、前記ピストンの移動により変化可能な油室内の測定流体の圧力変化を検出し得る圧力センサとを含み、前記油室内部の過剰な作動油を大気側へと排出可能な油排出孔部と、前記過剰な作動油を排出した油排出孔部を封鎖してなる封鎖部と、を備えたことを特徴とする車両の重量測定装置としたことである。
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかにおいて、前記圧力センサは、前記油排出孔部と前記油室とを連通状態とする第一の位置と、前記油排出孔部と前記油室とを非連通状態とする第二の位置に変位可能に構成されており、前記封鎖部は、前記第二の位置に変位した前記圧力センサが兼ねていることを特徴とする車両の重量測定装置としたことである。
第5の発明は、前記第4の発明において、前記圧力センサには、前記第一の位置に変位したときに前記油排出孔部と前記油室とを連通せしめ、前記第二の位置に変位したときに前記油排出孔部とずれることで前記油排出孔部と前記油室とを非連通状態とする油通路を備え、前記第二の位置に変位した前記圧力センサの所定箇所が、前記油排出孔部を封鎖する封鎖部として機能することを特徴とする車両の重量測定装置としたことである。
本発明によれば、圧力センサをネジによって固定する場合であっても、油室内の圧力を一定に管理可能な重量測定装置を提供することができる。
さらに、圧力センサを圧入固定によって固定する場合であっても、油室内の圧力を一定に管理可能な重量測定装置を提供することができる。
第一実施形態における車両の重量測定装置として後輪用の重量測定装置の正面図を示す。 図1のA−A線による縦断側面図である。 図2の符号Bで示す領域の拡大図である。 図2の符号Bで示す領域の拡大図であって、油排出孔部を封鎖する封鎖部の他の実施形態を示す。 本実施形態における車両の重量測定装置をトレーリングアーム式の懸架装置に適用した場合を示す概略斜視図である。 第二実施形態における車両の重量測定装置として前輪用の重量測定装置の正面図を示す。 図6のA−A線による縦断側面図である。 図7の符号Bで示す領域の拡大図である。 第三実施形態における車両の前輪用の重量測定装置を示す平面図である。 図9のA−A線による縦断側面図である。 図9のB−B線による縦断側面図である。 第三実施形態の圧力センサが第二の位置である場合を示す説明図であって、(a)は図10の符号Bで示す領域の拡大図、(b)は(a)のD−D線による断面図である。 第三実施形態の圧力センサが第一の位置である場合を示す説明図であって、(a)は図11の符号Bで示す領域の拡大図、(b)は(a)のD−D線による断面図である。 第三実施形態における車両の重量測定装置を示す斜視図であって、(a)は油室から油排出孔部の流路が連通状態(第一の位置)であることを示し、(b)は油室から油排出孔部の流路が非連通状態(第二の位置)であることを示す。 第四実施形態の圧力センサが第一の位置である場合を示す要部断面図である。 第五実施形態の圧力センサが第一の位置である場合を示す要部断面図である。 第六実施形態における車両の後輪用の重量測定装置を示し、(a)は油室から油排出孔部の流路が連通状態(第一の位置)であることを示す斜視図であり、(b)(a)の状態の重量測定装置を別の角度から見た斜視図である。
本実施形態では、本発明の車両の重量測定装置100を自動車の懸架装置(サスペンション)1に用いた実施の一形態を示す。
以下、本発明の車両の重量測定装置の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1乃至図5は本発明の第一実施形態を示し、図6乃至図8は本発明の第二実施形態を示し、図9乃至図14は本発明の第三実施形態を示し、図15は本発明の第四実施形態を示し、図16は本発明の第五実施形態を示し、図17は本発明の第六実施形態を示す。
なお、本実施形態は、本発明の一実施形態であって、何等これに限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
「第一実施形態」
図5は、本実施形態の車両の重量測定装置100を、トレーリングアーム式の自動車の後輪用の懸架装置(サスペンション)1に適用した一例を示す。
トレーリングアーム式において、アーム(サスペンションアーム)2は、車両下側の左右にわたって掛け渡されたサスペンションメンバ3(懸架装置1の構成要素)から車体中心線(図中一点鎖線参照)と直角に軸支され、サスペンションメンバ3の後ろ側(図中矢印の側)で上下方向に揺動可能となっている。
アーム2の上面2aには、本実施形態の車両の重量測定装置100を介してコイルスプリング5が設置される。なお、コイルスプリング5は、アーム2と車体下面との間に挟み込まれている。
なお、図5に示す懸架装置1は、本実施形態の車両の重量測定装置100を組み込んだ以外は周知のトレーリングアーム式懸架装置1の構成であって、特に本実施形態に限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
以下、本発明の特徴的部分である車両の重量測定装置100について説明し、それ以外の懸架装置の構成についての説明は省略する。
車両の重量測定装置100は、下面側が懸架装置(サスペンション)1のアーム2に当接して設置されるボトムプレート200と、ボトムプレート200の上面に備えられるカラー220と、ボトムプレート200とカラー220とによって挟まれて固定されるダイアフラム230と、ダイアフラム230を鉛直方向(図2中矢印Vで示す方向)に押圧可能なピストン300(移動体)と、ピストン300とダイアフラム230との間に配されたパッド310(移動体)と、懸架装置1のコイルスプリング5の一端(下端)を受けるスプリングシート340(移動体)と、ボトムプレート200とダイアフラム230との間で形成され、所定の測定流体(作動油)Rを充填してなる油室201と、ボトムプレート200の下面203に備えられ、油室201内に充填されている測定流体Rの圧力変化を検出し得る圧力センサ400と、ピストン300の外周下端に固定され、ボトムプレート200の外周下端を覆設する薄肉円環状のストッパーリング320とで構成されている(図1乃至図6参照)。
ボトムプレート200は、円板状の下面203と、該下面203の外周端から鉛直方向で上方に向けて所定の肉厚をもって円筒状に突設された環状壁部205と、で上面開放状の短尺円筒状に形成され、下面203を懸架装置のアーム2に当接して設置される。
また、ボトムプレート200は、環状壁部205の内周端部から凹設され、後述されるカラー220を収容可能な円環状の上面部204と、上面部204の内径から所定深さをもって凹設され、後述するダイアフラム230を収容可能な円環状のダイアフラム収容凹部231と、ダイアフラム収容凹部231の内径から所定深さをもって凹設され、ダイアフラム230とともに後述する油室201を構成可能な円筒状の溝部202とが、それぞれ上面204側に設けて設けられている。
また、本実施形態では、環状壁部205における下面203との境界領域外面205aには、突出部205bを一部に残して周方向に段部207が連続して形成されている。
すなわち、環状壁部205の下面203との境界領域外面205aには、突出部205bを除いて平面視で略Cリング状に段部207が形成されている。
円筒状に開口する溝部202は、ボトムプレート200の上面204にて円筒状に凹設されているダイアフラム収容凹部231内にてボトムプレート200の上面204方向に向けて形成されている。
ダイアフラム収容凹部231は、溝部202の外径側に所定幅で環状に構成された内面部232を備えている。
また、ボトムプレート200には、後述するカラー220を固定するための連結ボルト(皿ボルト)210を通す複数個のボルト通し孔210aが周方向に所定の間隔で備えられている。
ボトムプレート200におけるアーム2側に面した下面203には、所定長さで垂下して一体に、圧力センサ400を連結可能なセンサ連結部206が形成されている。
センサ連結部206は、その下面206aから溝部202まで鉛直方向にボトムプレート200を貫通して、圧力センサ400を連結する円筒部200bと、円筒部200bの一部を外方に向けて突き出して成る非円筒部200aとで構成されている。本実施形態では、非円筒部200aは、円筒部200bの下面(センサ連結部206の下面)206aと同様の突出高さを有するとともに、円筒部200bの外周面(センサ連結部206の外周面)206bと連続して一体に、外方向に向けて突出した直方体状に形成されている。
圧力センサ400は、油室201内に充填されている測定流体Rの圧力変化を検出し得るものであって、例えば、圧力を測定し、これを電圧信号に変換して伝送されるもので、円柱状に形成されたセンサ本体部404と、該センサ本体部404の端面に一体に備えた突き当てフランジ面部403と、該突き当てフランジ面403の端面に一体に備えた検出部401と、該検出部401の先端側に備えた先端検出面402とで構成されている。
なお、本発明にて想定される圧力センサは周知構造のものが適宜本発明の範囲内において選択使用されるものであり、特に限定解釈はされず、本発明の範囲内で最適なものが適宜選択可能である。
本実施形態では、圧力センサ400は、検出部401をセンサ連結部206の円筒部200bのネジ穴200dに挿入するとともに、先端検出面402が油室201内に臨むとともに、突き当てフランジ面部403をセンサ連結部206の開口縁206cに密着するまで、鉛直方向にネジ込んで立設されている。
また、圧力センサ400は、検出部401と一体に連続してセンサ本体部404が、鉛直方向下向きに延出しており、その下端404aには、圧力センサ400が変換した電気信号を車体側の表示装置へと伝送する配線405が接続されている。
なお、センサ連結部206と圧力センサ400との接続は、測定流体Rが漏れないように接続することが必要である。
本実施形態では、突き当てフランジ面部403とセンサ連結部206の開口縁206cとの間にゴムワッシャ410を介して固定している。
なお、圧力センサ400は、必ずしもボトムプレート200の下面203の中心に配設することはなく、先端検出面402が油室201内に臨む限りにおいて、センサ連結部206をボトムプレート200の下面203の任意位置に設けて配設することが可能で、車体(アーム2)側の取り付けにおいて支障のない位置を採択して配設することが可能である。
なお、ボトムプレート200の下面203側は、懸架装置1のアーム2の上面2aと当接するため、ゴムシート250が介在し、当接面の当たりを良く馴染み易くしている。
さらに、ボトムプレート200は、懸架装置1のアーム2に対する回り止め機構を有している。
回り止め機構は、本実施形態では、センサ連結部206の非円筒部200aと、懸架装置1のアーム2の上面2aの重量測定装置100を組み付ける位置2e(組み付け位置)に形成された、アーム2の上面2aから下面にわたって貫通する穴部2bの角穴部2dとで構成されている。
懸架装置1のアーム2の穴部2bは、ボトムプレート200のセンサ連結部206の円筒部200bより僅かに大きな形状の丸穴部2cと、丸穴部2cと一体に連続し、非円筒部200aよりも僅かに大きな形状の角穴部2dとで構成されることにより鍵穴状に形成されている。
また、重量測定装置100を懸架装置1のアーム2に組み付ける場合には、ボトムプレート200のセンサ連結部206の円筒部200bをアーム2の穴部2bの丸穴部2cに挿し込むとともに、センサ連結部206の非円筒部200a(直方体状)をアーム2の穴部2bの角穴部2dに挿し込むことにより、ボトムプレート200の下面203がゴムシート250を介して、懸架装置1のアーム2の上面2aの組み付け位置2eに当接して、組み付けが完了する。
このとき、センサ連結部206の非円筒部200aがアーム2の穴部2bの角穴部2dに嵌っているため、アーム2とボトムプレート200が周方向に相対回転することが防止される。
また、圧力センサ400は、アーム2の穴部2bを挿通してアーム2の下側に臨んでいるため、圧力センサ400に接続されている配線405もまたアーム2の下側を通って車体側の表示装置へと伸延される。この場合、圧力センサ400は、非円筒部200aとアーム2の穴部2bの角穴部2dとの嵌合によって回転することがないので、配線が捩れて断線することもない。
また、懸架装置1のアーム2の穴部2bに、ボトムプレート200のセンサ連結部206の非円筒部200aと円筒部200bを挿し込むだけなので、懸架装置1のアーム2にネジなどの締結固定手段により組み付ける場合に比べて簡単に車両に組み付けることが可能になった。
なお、本実施形態では、回り止め機構の一例として、センサ連結部206の非円筒部200aと懸架装置1のアーム2の角穴部2dとによる構成を説明したが、非円筒部200aと角穴部2dの具体的形状は、これに限定解釈されるものではなく、非円筒部200aが角穴部2dに挿し込まれることで、相対回転しない形状であればよい。例えば、非円筒部200aは、センサ連結部206の円筒部200bの一部が径方向に凹設し、これに対して角穴部2dは、前記凹設された非円筒部200aに嵌り合う凸形状に形成された角凸部としても本発明の範囲内である。また、非円筒部200aは必ずしも角形状とする必要はなく他の形状であってもよい。さらに、本実施形態ではセンサ連結部206を円筒部200bと非円筒部200aとで構成されているが、センサ連結部206そのもの自体を、所定の角形状や楕円形状に形成するもの、すなわち、非円筒形状に形成してなるものであってもよく本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
またさらに、複数の非円筒部200aを有した場合であっても本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。その場合には、懸架装置1のアーム2の穴部2bの角穴部2dも非円筒部200aの数に応じて複数形成されていれば良い。
ダイアフラム230は、溝部202の開口領域202aを覆い、溝部202とともに所定空間の油室201を形成する短尺円柱状(円板状)に形成されており、ボトムプレート200の上面204にて円環状に形成されているダイアフラム収容凹部231に嵌着されている。
ダイアフラム230は、例えば、本実施形態では、外径側にボトムプレート200とカラー220に挟まれる密封領域233を形成するとともに、密封領域233の内径側で一体に変形可能に構成された押圧領域234を備えて構成されている。
押圧領域234は、溝部202の開口領域202aを覆う程度の幅をもって構成され、油室201は、この押圧領域234とボトムプレート200の溝部202とによる所定領域で形成されている。
ダイアフラム230の材質は、柔軟で耐久性(耐寒性・耐摩耗性・耐油性)がある素材であれば良く、特に限定解釈されるものではないが、例えば、ニトリルゴム・テフロン(登録商標)・クロロプレンゴム・ふっ素ゴム・エチレンプロピレンゴムなど、流体の特質に合った材料を選択する。また、薄肉のステンレス製などからなる金属製のダイアフラムであってもよく本発明の範囲内である。
油室201には、所定の測定流体Rが気泡を発生させることなく一杯に密封充填されている。測定流体Rは、ピストン300の移動によって、ダイアフラム230が溝部202に向けて押圧されることにより、油室201内に臨む圧力センサ400の先端検出面402にかかる圧力を変化可能である。
カラー220は、本実施形態では、ボトムプレート200の環状壁部205に囲まれた領域(円環状の上面204)内に収まる程度の鉛直方向の厚みをもって形成された所定の短尺円柱状に形成されるとともに、ボトムプレート200の環状壁部205の内周面に嵌合可能な外径と、ダイアフラム収容凹部231の内面部232よりも内側に位置する環状内面221による内径を有する大きさに形成されている。
カラー220の下面222の外周側には、ボトムプレート200のボルト通し孔210aと鉛直方向で同軸に配されるように、複数のボルト固定孔224がボトムプレート200のボルト通し孔210aと同一の間隔で周方向に備えられている。
カラー220は、ボトムプレート200のボルト通し孔210aとカラー220のボルト固定孔224を連通させ、ボトムプレート200の下面203側から連結ボルト(皿ボルト)210を挿通して締めこむことで、カラー220がボトムプレート200に一体に固定される。
また、本実施形態では、カラー220の下面222と、ダイアフラム収容凹部231との間で、ダイアフラム230の密封領域233を挟み込んで密封固定している。
本実施形態では、例えば、次に示すように所定のシール部材を備えて密封効果を向上させている。
まず、ダイアフラム収容凹部231の内面部232に環状の第1のシール溝251aを設けるとともに、第1のOリング250aを挿入して密封領域233の下面部233aとの間で第1のOリング250aが圧縮されて密封している。
次に、カラー220の下面222に環状の第2のシール溝251bを設けて第2のOリング250bを挿入して密封領域233の上面部233bとの間で第2のOリング250bが圧縮されて密封している。
さらに、第2のシール溝251bよりも大径で、カラー220の下面222に環状の第3のシール溝251cを設けて第3のOリング250cを挿入して、密封領域233の上面部233bとの間で、第3のOリング250cが圧縮されて密封している。
密封領域233の下面部233aとの間で第1のOリング250aが圧縮されて密封しているため、油室201からの測定流体Rの漏洩防止が十分に図り得るが、本実施形態によれば、上述のとおり、幾重もの密封構造を採用している。
すなわち、密封領域233の上面部233bとの間で第2のOリング250bが圧縮されて密封し、第2のOリング250bよりも外径側では、カラー220の下面222とボトムプレート200の上面204の間で第3のOリング250cが圧縮されて密封している。
このため、油室201にもっとも近く配される第1のOリング250aに加えて、その外側にも第2のOリング250bと第3のOリング250cが配されているため、密封信頼性が極めて高いものとなる。また、本実施形態では、上述のとおり相対移動がない領域に密封構造を設けたためシール耐久性も高い。
また、さらに、ダイアフラム230の密封領域233をダイアフラム収容凹部231よりも肉厚に形成し、肉厚の密封領域233がボトムプレート200とカラー220に挟まれるときに圧縮されて密封可能な厚さとなる密封構造を設ければ、密封信頼性をさらに高いものとすることができる。
各シール部材は、密封固着領域及び当接領域を構成する一方の部材にシール溝(251a,251b,251c)を設けるとともに、シール溝(251a,251b,251c)にOリング(250a,250b,250c)を挿入して他方の部材との間でOリング(250a,250b,250c)が圧縮されて密封しているものであればよく、シール溝とOリングをいずれに設けるかは限定されずいずれであっても本発明の範囲内である。
ピストン300(移動体)は、本実施形態では、カラー220の環状内面部221(カラー220の内径)に摺接する外径を有する円筒部301と、円筒部301の外径から水平方向に連続して一体に、カラー220の外径よりも大径に設けたフランジ部302と、フランジ部302の内径から垂直方向下向きに一体に延出した円環部303と、フランジ部302の外周部から一体に、ボトムプレート200の段部207を下向きに僅かに超えて垂下された垂下周縁部304とで構成されている。
円筒部301の下面301a側には、円筒状に開口する下溝部301cが形成され、円筒部301の上面301b側には、上側に突出する上面開放状の円筒状のスプリングシート嵌合筒部301dが形成されている。
垂下周縁部304の下面304aには、後述するストッパーリング320を固定するための連結ネジ330を締め付けて固定するネジ固定孔305が周方向に所定の間隔で備えられている。
また、垂下周縁部304の下面304aには、その周方向の一部に鉛直方向で下向きに、一体に突出した矩形状の突出部300aが形成されている。なお、突出部300aの周方向幅は、ボトムプレート200の突出部205bと同じ周方向幅に設定されている。
ピストン300の下溝部301cには、下溝部301cの開口領域を覆い、下溝部301cの鉛直方向深さよりも肉厚の円筒状に形成されたパッド310(移動体)が嵌着されている。
また、特に限定解釈されるものではないが、パッド310は、ダイアフラム230とピストン300との間で摺動するため、自己潤滑性に優れた硬質の合成樹脂材、例えばデルリン(登録商標)等のポリアセタール樹脂からなるものなどが好ましい。また、パッド310の上面に設けた溝に潤滑剤を充填してパッド310とダイアフラム230との摺動面を潤滑してもよい。なお、パッド310を介さずに直接ピストン300が当接する形態であっても本発明の範囲内である。
また、ピストン300の円筒部301の下面301aとダイアフラム230との間、および、ピストン300のフランジ部302の下面とカラー220の上面223との間には所定の隙間Pを有してセットされる。
所定の隙間Pは、重量測定装置100が想定する定格荷重を受けた場合に、ダイアフラム230の変形等に起因してピストン300が懸架装置の長さ方向(図2中符号Vで示す鉛直方向)に進退すると想定される距離よりも大きな隙間に設定される必要がある。ピストン300が進退すると想定される距離よりも小さな隙間では、車両の重量を計測中に隙間Pがなくなり、ピストン300の進退が規制されて正確な重量測定に支障があるからである。
従って、パッド310は、下溝部301cの鉛直方向深さよりも肉厚に設定されることで、下溝部301cから突出して、ダイアフラム230と当接した状態となるように嵌着されている。これにより、パッド310は、ピストン300の進退に応じてダイアフラム230を押圧する。
ストッパーリング320は、ピストン300の垂下周縁部304と同様の外径と、ボトムプレート200の段部207を覆う内径とを有した薄肉円環状に形成されるとともに、その周方向の一部に、切り欠き部322を有している。すなわち、ストッパーリング320は、平面視で略Cリング状に形成されている(図1参照)。
なお、切り欠き部322の水平方向幅は、ボトムプレート200の突出部205b(段部207が形成されない部分)と、ピストン300の垂下周縁部304の突出部300aの双方が水平方向に並設状に嵌合可能な幅に設定されている。
また、切り欠き部322の径方向幅は、ボトムプレート200の突出部205bと僅かな隙間を有し、突出部205bが進退可能な程度に設定されていれば良い。
また、ストッパーリング320には、そのピストン300の垂下周縁部304のネジ固定孔305と鉛直方向で同軸に配されるように、複数のネジ通し孔321が、ネジ固定孔305と同一の間隔で周方向に備えられている。
ストッパーリング320を取り付ける場合には、まず、ボトムプレート200の突出部205b(段部207が形成されない部分)と、ピストン300の垂下周縁部304の下面304aに形成された矩形状の突出部300aとが径方向に連続して並ぶように、ボトムプレート200とピストン300を配置し、さらに、この突出部205bと突出部300aが切り欠き部322に嵌め合わされるようにストッパーリング320をセットする。
このとき、ボトムプレート200の環状壁部205の外径205cとピストン300の垂下周縁部304の内径304bが僅かな隙間を介して対峙している(図1参照)。
そして、ストッパーリング320は、ネジ通し孔321とピストン300の垂下周縁部304のネジ固定孔305を連通させ、ストッパーリング320の下側320aから締結ネジ330を挿通して締めこむことで、ストッパーリング320がピストン300の垂下周縁部304の下面304aに締結される。
このとき、ストッパーリング320は、ピストン300の垂下周縁部304と同様の外径と、ボトムプレート200の段部207を覆う内径とを有しているので、ストッパーリング320をピストン300の垂下周縁部304に締結固定すると、ボトムプレート200の段部207の垂直方向下向きの移動(ピストン300とボトムプレート200を分解する向きの移動)がストッパーリング320によって規制される。これにより、重量測定装置100が車両に設置される前(コイルスプリングの伸長力が軸方向に負荷されていない場合)であってもボトムプレート200と一体化した部材とピストン300と一体化した部材に分解してしまう虞がなくなり、重量測定装置100の輸送などにおいても取り扱いやすくなった。
また、ピストン300とストッパーリング320は、締結ネジ330によって締結固定され、さらに、ボトムプレート200は、ストッパーリング320の切り欠き部322に突出部205bが、周方向の回転を規制されつつ、ピストン300の進退方向には進退可能に嵌め合わされているため、ピストン300とボトムプレート200が相対回転することを防止される。
これにより、ダイアフラム230とピストン300(パッド310)との摩耗を抑えることができ、さらに、コイルスプリングの相対的な回転も防ぐことができるので、重量測定装置100の荷重検出の正確性を維持することができる。
本実施形態では、前述のようにして組み立てられた重量測定装置100の油室201内の圧力が一定となるように管理されている。
具体的には、圧力センサ400をボトムプレート200に取り付ける作業において、まず、重量測定装置100に荷重が掛かっていない状態にて、圧力センサ400の検出部401がセンサ連結部206の円筒部200bのネジ穴200dに挿入されて、突き当てフランジ面部403をセンサ連結部206の開口縁206cに密着するまで、鉛直方向にネジ込まれる。
このとき、圧力センサ400の先端検出面402が油室201内に臨むまで進入するため、圧力センサ400に押しやられた測定流体(作動油)Rが油室201の容積に対して過剰となり、油排出孔部240から排出される。
測定流体(作動油)Rの排出が終了すると、荷重を掛けずに、前記油排出孔部240の開口240aを溶接して形成された封鎖部242により完全に封鎖する。これにより、油室201内(内部)の圧力は、大気圧と平衡した状態に管理される。
油排出孔部240は、油室201から垂直方向下向きに垂設されることにより、油室201とボトムプレート200の非円筒部200aの下面200cとを直線状に連通し、下面200cに開口する開口240aを形成している。
また、油排出孔部240は、測定流体(作動油)Rが通過可能な程度の細孔、すなわち、径が非常に小さな所謂断面視円形状のピンホールとして形成される。
なお、本実施形態では、油排出孔部240を断面視円形状に形成しているが、これに限定解釈されるものではなく、油排出孔部240の断面視形状は任意である。例えば、断面視四角状の孔部や開口240aに形成されていても良い。
本実施形態では、非円筒部200aの下面200cに短尺円筒状の溝部241が凹設されており、この溝部241の底面部に、ボトムプレート200を貫通した油排出孔部240の開口240aが形成されている。
封鎖部242は、開口240aを金属材料にて溶接することで形成されている。
具体的には、開口240aの周囲の金属(溝部241の底面部)が、溶接によって溶融凝固することで、開口240aとその周囲が塊となって融合して、開口240aとともに塞ぐ封鎖部242を形成する。その際に、溝部241の底面から溝部241内に向けて瘤状に突出した突出部242aが形成される(図3参照)。ただし、この突出部242aは、溝部241から外方に突出しないように設計されている。
溝部241の溝径は、油排出孔部240の開口240aが溶接されることよって形成される封鎖部242の突出部242aを収容可能に設定されていれば良い。例えば、本実施形態では、溝径は、突出部242aの径の約2倍に設定されている。
突出部242aが開口240aの周囲に設けられた溝部241に収容されることにより、突出部242aが保護され、密封性能を長期間に亘って確保することができる。
また、密封性能をさらに強固なものとするために、溝部241にキャップ243を被せても良い(図4参照)。
この場合、キャップ243は、溝部241の溝径に内嵌可能な外径を有する円筒形状で、底面側を開放して突出部242aを収容可能に形成されている。
キャップ243を突出部242aに向けて溝部241に嵌め込むことによって、突出部242aがキャップ243に被われて保護される。これにより、封鎖部242が外部と隔別されるので、封鎖部242の密封性能が長期間に亘って強固に維持される。
また、キャップ243と溝部241の嵌め合いはネジ込み式になっていても良い。
本実施形態では、上述のように、圧力センサ400の取り付けによって過剰となる測定流体(作動油)Rを排出する油排出孔部240を備え、荷重を掛けずに、前記油排出孔部240を封鎖部242により完全に封鎖したので、荷重が掛かっていない状態の油室201(内部)の圧力が大気圧と平衡するように管理される。
また、封鎖部242を保護する溝部241を備えたので、封鎖部242の密封性能が長期間に亘って確保される。さらに、溝部241に内嵌可能なキャップ243を備えたので、封鎖部242がより強固に保護され、車両の走行により雨水や泥などに晒される環境に長期間置かれたとしても、封鎖部242の密封性が損なわれないようになった。
また、溝部241の開口領域に立上り壁部を設け、この立上り壁部の外周に円筒状のキャップを螺着せしめる構成を採用することも可能であり、本発明の範囲内で適宜最適な密封手段が採用可能である。
また、本実施形態による油排出孔部240は直径が小さなピンホール状に形成されているが、過剰な測定流体(作動油)Rが滲出して油室201(内部)の圧力を大気圧(外部)と平衡させるには十分な径を有している。また、油排出孔部240の孔径が小さいため、溶接による封鎖が容易である。
また、測定流体(作動油)Rの粘性係数が充分に大きい場合には、測定流体(作動油)Rは、孔径の小さな油排出孔部240内をゆっくりと移動するため、溶接作業中(油排出孔部240の封鎖作業中)に測定流体(作動油)Rが油排出孔部240の開口230a(大気側)から外部への漏洩防止や、油排出孔部240を通して油室201内(内部)への気泡(大気)の混入防止が容易である。
なお、本実施形態では、油排出孔部240の開口240aを非円筒部200aの下面200cに設けたが、油室201が大気側と連通すれば、油排出孔部240は他の位置に設けられていても良い。
すなわち、油排出孔部240が、油室201(内側)とセンサ連結部206の円筒部200bとを連通するように設けられていても良いし、非円筒部200aの側面とを連通するように設けられていても良い。あるいは、油室201(内側)とボトムプレート200のセンサ連結部206以外の領域とを連通するように設けられていても良い。
また、油排出孔部240は直線形状に形成されることが望ましいが、必ずしも直線形状でなくても良い。例えば屈曲した形状や湾曲した形状などであっても良い。その場合であっても、測定流体(作動油)Rが通過可能な程度の細孔(径が非常に小さな所謂ピンホール)として形成されることが好ましい。
また、本実施形態では、封鎖部242を油排出孔部240の開口240aに設けたが、油排出孔部240が密封されていれば、封鎖部242は油排出孔部240のどこに設けられていても良い。例えば、油排出孔部240の細孔の中間に設けられていても良いし、油室201側に設けられていても良い。
また、本実施形態では、封鎖部242を油排出孔部240の溶接によって形成したが、これに限定解釈されるものではなく、油排出孔部240が長期間に亘って確実に封鎖されれば、他の方法が用いられても良い。
スプリングシート340(移動体)は、ピストン300の円筒部301のスプリングシート嵌合筒部301dを内装可能な円筒状の貫通孔341を備えた大径状円筒部342と、大径状円筒部342の下端から水平方向で外側に向けて連続して一体に設けたフランジ部343と、を備えて構成されている。大径状円筒部342は上下面を開口して形成されている。
フランジ部343の上面には、懸架装置1を構成するコイルスプリング5の一端(下端)5aが鉛直方向で突き当たる(図1および図5参照)。
なお、本実施形態では、車両の重量測定装置100をトレーリングアーム式の懸架装置に適用する一例を説明したが、懸架装置1のアームと車体下面との間にコイルスプリング5が単独で挟み込まれている構造の懸架装置であれば、他の方式の懸架装置でも本発明を適用可能である。例えば、セミトレーリングアーム式、あるいはトーションビーム式などの懸架装置に本発明を適用してもよい。
「第二実施形態」
図6乃至図8は本発明の第二実施形態を示し、本実施形態は、自動車の前輪用の懸架装置に適用した実施の一例を示す。
本実施形態の車両の重量測定装置100は、車両側に固定される取付部(トッププレート)500と、取付部500の下面500bに備えられるインナーカラー700とアウターカラー720と、前記取付部500とよって挟まれて固定されるダイアフラム520と、ダイアフラム520と当接し、ダイアフラム520を鉛直方向(図7中矢印Vで示す方向)に押圧可能なピストン760(移動体)と、懸架装置のコイルスプリング(図示せず)の一端(上端)を受けるブッシュ780(移動体)と、ピストン760とブッシュ780との間に介在される軸受装置900(移動体)と、取付部500とダイアフラム520との間で形成され、所定の測定流体(作動油)Rを充填してなる油室510と、取付部500の上面500aに備えられ、油室510内に充填されている測定流体Rの圧力変化を検出し得る圧力センサ600とで構成されている(図6乃至図8参照。)
取付部(トッププレート)500は、所定の肉厚を有する短尺円筒状に形成され、上面500a側を車両側に固定するとともに、環状に開口する溝部512を下面500b側に設けてなり、外周端から鉛直方向で下方に向けて薄肉の円筒状に環状壁部501を突出している。
溝部512は、取付部500の下面500bにて環状に凹設されているダイアフラム収容凹部530内にて取付部500の上面500a方向に向けて断面視ドーム状に形成されている。
ダイアフラム収容凹部530は、溝部512の内径側に所定幅で環状に構成された内側の面部531と、溝部512の外径側に所定幅環状に構成された外側の面部532とを備えている。
前記取付部500における車体側に面した上面500aには、圧力センサ600を連結可能なセンサ連結部502が形成されている。
また、取付部500には、溝部512と一箇所又は複数個所で連通する連通路510aがセンサ連結部502に向けて内設されている。
前記センサ連結部502は、圧力センサ600の先端に設けた円筒状の検出部601を受ける円筒状の挿入部504が、上面から内部に向けてネジ部として凹設され、挿入口503が鉛直方向で上方に向けて円筒状に突出するとともに開口している。また、挿入部504の底面領域には、前記連通路510aと連通する流体溜まり511が形成されている。
なお、センサ連結部502と圧力センサ600との接続は、測定流体Rが漏れないように接続することが必要である。
取付部500には、自動車の本体フレーム(例えばクロスメンバ)に締結固定するため、ボルト540を挿通する複数個のボルト挿通孔505を設けるとともに、後述するストッパ部790を固定するための連結ボルト550を締結する複数個のボルト固定孔506を備えている。
また、取付部500の下面500bの中心領域には、インナーカラー700の円筒状突部712を嵌合する嵌合孔部507を凹設している。
圧力センサ600は、油室510内に充填されている測定流体Rの圧力変化を検出し得るものであって、例えば、圧力を測定し、これを電圧信号に変換して伝送される周知構造のものが適宜本発明の範囲内において選択使用されるものであり、特に限定解釈はされず、本発明の範囲内で最適なものが適宜選択可能である。
本実施形態では、センサ連結部502に検出部601を挿入するとともに、先端検出面602を油室510内に臨ませ、突き当てフランジ面部603をセンサ連結部502の開口縁に密着させて鉛直方向に立設されている。
本実施形態では、突き当てフランジ面部603と開口縁部との間にワッシャ604を介して固定している。また、側定流体の漏洩防止を図るため、所定の密封装置、本実施形態ではOリング606を配設している。
なお、圧力センサ600は、必ずしも取付部500の上面500aの中心に配設することはなく、センサ連結部502を取付部500の上面500aの任意位置に設けて配設することが可能で、車体側の取り付けにおいて支障のない位置を採択して配設することが可能である。
ダイアフラム520は、前記溝部512の開口領域513を覆い、前記溝部512とともに所定空間の油室510を形成する環状に形成されており、取付部500の下面500bにて環状に形成されているダイアフラム収容凹部530に嵌着されている。
ダイアフラム520は、例えば、本実施形態では、内径側と外径側にそれぞれ肉厚の第一密封領域560と第二密封領域570をそれぞれ環状に形成するとともに、第一密封領域560と第二密封領域570の間で薄肉状に連結されて変形可能に構成された環状の押圧領域580を備えて構成されている。
押圧領域580は、前記溝部512の開口領域513を覆う程度の幅をもって構成され、この押圧領域580と取付部500の溝部512(連通路510a及び流体溜まり511を含む)とによって所定領域の油室510が形成される。
第一密封領域560と第二密封領域570は、ダイアフラム収容凹部530の鉛直方向深さよりも肉厚に形成されており、インナーカラー700及びアウターカラー720によって挟み込まれたときに圧縮されて密封可能な厚さとする。
ダイアフラム520の材質は、柔軟で耐久性(耐寒性・耐摩耗性・耐油性)がある素材であれば良く、特に限定解釈されるものではないが、例えば、ニトリルゴム・テフロン(登録商標)・クロロプレンゴム・ふっ素ゴム・エチレンプロピレンゴムなど、流体の特質に合った材料を選択する。
また、薄肉のステンレス製などからなる金属製のダイアフラムであってもよく本発明の範囲内である。
油室510には、所定の測定流体Rが気泡を発生させることなく一杯に密封充填されている。測定流体Rは、ピストン760の移動によってかかる圧力が変化可能である。
インナーカラー700は、本実施形態では、取付部500の環状壁部501に囲まれた領域内に収まる程度の鉛直方向の厚みをもって形成された所定の短尺円筒状に形成された本体部710と、本体部710の上面の中心に小径円筒状に立ち上げられた円筒状突部712とを有して構成されている。
円筒状突部712は、取付部500の下面500bの中心に凹設されている嵌合孔部507に嵌合可能な外径を有しているとともに、懸架装置を構成するショックアブソーバ(図示せず)のロッド(図示せず)先端と、ロッド先端に固定されるナット(図示せず)を収容可能な収容孔部713を貫通して形成している。
本体部710は、取付部500の嵌合孔部507に円筒状突部712を嵌合して配設した際に、ダイアフラム収容凹部530の内側の面部531と対向する大きさに形成されている。
本体部710の上面711と、前記取付部500の下面500bにおける前記開口領域513より内側の面部(ダイアフラム収容凹部530の内側の面部531)と、の間で、前記ダイアフラム520の第一の密封領域560を挟み込んで密封固定している。
アウターカラー720は、本実施形態では、取付部500の環状壁部501に囲まれた領域内に収まる程度の鉛直方向の厚みをもって形成された所定の短尺円筒状に形成された本体部721と、本体部721の中心に設けた挿通孔723と、挿通孔723よりも僅かに外径方向にずれた位置で、本体部721の下面から円筒状に垂設された円筒状垂設部724とを有して構成されている。
本体部721は、取付部500の環状壁部501の内周面に嵌合可能な外径を有するとともに、ダイアフラム収容凹部530の外側の面部532と対向する内径を有する大きさに形成されている。
本体部721の上面722と、前記取付部500の下面500bにおける前記開口領域513より外側の面部(ダイアフラム収容凹部530の外側の面部532)と、の間で、前記ダイアフラム520の第二密封領域570を挟み込んで密封固定している。
また、本実施形態では、前記取付部500に設けたボルト挿通孔505と鉛直方向で同軸上に同径のボルト挿通孔(大径)725を同一数設けるとともに、ストッパ部790を締結固定するためのボルト固定孔506と同径のボルト挿通孔(小径)726を同一数設けている。
円筒状垂設部724は、後述するブッシュ780とストッパ部790との間に配設可能な鉛直方向長さと外径及び内径を有して形成されている。
従って、本実施形態では、インナーカラー700の本体部710の外径とアウターカラー720の本体部721の内径との間には、略ドーム状に形成される溝部512と対向する環状の隙間730が形成され、この隙間730に、後述するピストン760が対向して配設される。
本実施形態では、ダイアフラム520の第一密封領域560の上面部560a及び第二密封領域570の上面部570aと取付部500の下面(ダイアフラム収容凹部530の内側の面部531と外側の面部532)との間の密封固定領域A1,A2と、ダイアフラム520の第一密封領域560の下面部560bとインナーカラー700の上面711との間の密封固定領域A3と、第二密封領域570の下面部29とアウターカラー720の上面722との間の密封固定領域A4は、それぞれ面シールによる密封構造を採用している。
また、これら面シールによる密封構造とともに、別途シール部材による密封構造をも併せて採用している。
本実施形態では、ダイアフラム収容凹部530の内側の面部531と外側の面部532に大小径の異なる二つの環状のシール溝740を設けるとともに、それぞれのシール溝740にOリング750を挿入して第一密封領域560の上面部560a及び第二密封領域570の上面部570aとの間で前記Oリング750が圧縮されて密封している。
本実施形態では、さらに、インナーカラー700の上面711とアウターカラー720の上面722にそれぞれ大小径の異なる二つの環状のシール溝740設けるとともに、それぞれのシール溝740にOリング750を挿入して第一密封領域560の下面部560b及び第二密封領域570の下面部570bとの間、取付部500の下面500bとの間で、前記それぞれのOリング750が圧縮されて密封している。
第一密封領域560の上面部560a及び第二密封領域570の上面部570aとの間で前記Oリング750が圧縮されて密封しているため、油室510からの測定流体Rの漏洩防止が十分に図り得るが、本実施形態によれば、上述のとおり幾重もの密封構造を採用しているため、もしも第一密封領域560と第二密封領域570の密封構造から測定流体Rの漏れが発生したとしても、その他の密封構造領域にて測定流体Rの漏洩が防げるため、油室510からの測定流体Rの漏洩防止が確実に図り得る。よって、密封信頼性が極めて高いものとなる。
また、本実施形態では、上述のとおり相対移動がない領域に密封構造を設けたためシール耐久性も高い。
前記各シール部材は、密封固着領域及び当接領域を構成する一方の部材にシール溝740を設けるとともに、前記シール溝740にOリング750を挿入して他方の部材との間で前記Oリング750が圧縮されて密封しているものであればよく、シール溝740とOリング750をいずれに設けるかは限定されずいずれであっても本発明の範囲内である。
ピストン760(移動体)は、本実施形態では、インナーカラー700の本体部710の外径よりも小径に形成された円筒部761と、同じくインナーカラー700の本体部710の外径よりも小径で、円筒部761の上端縁から水平方向に連続して一体に設けたフランジ部762と、フランジ部762の外周端から拡開状に鉛直方向で上方に向けて連続して一体に設けたテーパ円筒部763と、テーパ円筒部763の上端から連続して一体に立ち上げ形成された大径の短尺円筒部764と、短尺円筒部764から水平方向に連続して一体に設けられるフランジ状の押圧面部765とで構成されている。
前記円筒部761は、中心に上下方向で貫通するロッド挿通孔を設けており、ロッド挿通孔は、ロッド(図示せず)先端の段差部が当接可能な受け部769を設けて大径孔部767と小径孔部768が連続して形成されている。
ピストン760は、ロッド挿通孔に挿通して円筒部761の上面に突出した懸架装置を構成するショックアブソーバ(図示せず)のロッド(図示せず)先端を、ナット(図示せず)を介して取り付け固定して懸架装置の長さ方向に移動可能に備えられている。
そして、前記インナーカラー700の外径と前記アウターカラー720の内径との間の環状の隙間730に、ピストン760の押圧面部765を位置せしめ、懸架装置のスプリング(図示せず)の弾発力により前記ダイアフラム520を押圧可能に備えられている。
また、本実施形態のピストン760は、短尺円筒部764の内面がインナーカラー700の本体部710の外径に沿って鉛直方向に進退可能にガイドされている(図面による横方向からの荷重(水平方向荷重)はインナーカラー700が受けることとなる)。
また、ピストン760とインナーカラー700の外径との摺接領域は、径方向に位置決めされる必要があるため、印籠構造を採用している。
本実施形態においてピストン760は、パッド770を介してダイアフラム520に当接する構造を採用している。
パッド770は、ダイアフラム520の押圧領域580の下面に当接可能な径の環状に形成されており、特に限定解釈されるものではないが、ダイアフラム520とピストン760との間で摺動するため、自己潤滑性に優れた硬質の合成樹脂材、例えばデルリン(登録商標)等のポリアセタール樹脂からなるものなどが好ましい。
なお、パッド770を介さずに直接ピストン760が当接する形態であっても本発明の範囲内である。
また、本実施形態では、ピストン760の押圧面部765の上面の内径寄りには、周方向に連続して鉛直方向で上方に向けて突設された環状の突条771が一体に設けられている。この突条771は、ピストン760の押圧面部765の上面に当接するパッド770の内径が嵌合する外径を有しており、パッド770の水平方向のずれを抑止している。
ブッシュ780(移動体)は、ピストン760の円筒部761を内装可能な円筒状の貫通孔782を備えた大径状円筒部781と、大径状円筒部781の上端から水平方向で外側に向けて連続して一体に設けたフランジ部783と、フランジ部783の外周縁から水平方向で外側に向けて突設した環状の係止片784と、フランジ部783の上面から鉛直方向で上方に向けて突設した環状壁部785とを備えて構成されている。大径状円筒部781は上下面を開口して形成されている。フランジ部783の下面には、懸架装置を構成するコイルスプリング(図示せず)の一端(上端)が鉛直方向で突き当たる(図1参照。)。
本実施形態においてブッシュ780は、ストッパ部790を介して取付部500に一体に備えられている。
ストッパ部790は、懸架装置への取り付け作業性を向上させるために採用されているものであって、本実施形態では、アウターカラー720と同一外径で、かつ内径はアウターカラー720の下面に突設されている円筒状垂設部724よりも僅かに大径で遊嵌可能あるいは同径で嵌合可能な円環状に形成された環状取付部791と、環状取付部791の内径から鉛直方向で下方に向けて垂設された円筒部792と、円筒部792の下端から水平方向で内側に向けて突設された係止鍔部793とで構成されている。
環状取付部791には、アウターカラー720のボルト挿通孔726と取付部500のボルト固定孔506とに鉛直方向で同軸に配されるようにボルト挿通孔794が形成されている。
従って、ストッパ部790のボルト挿通孔794を、アウターカラー720のボルト挿通孔726と取付部500のボルト固定孔506を介して同軸上に連通させ、連結ボルト550を介して締結すると、係止鍔部793が、ブッシュ780の係止片784を鉛直方向で下方から受けるようにして係止してブッシュ780を取付部500と一体化させることができる。
このとき、アウターカラー720の円筒状垂設部724は、ブッシュ780の環状壁部785の外面とストッパ部790の内面との間に形成される環状隙間800に収容される。
また、ストッパ部790を取り付けた際に、ブッシュ780の環状壁部785の上端面とアウターカラー720の本体部721の下面との間、及びブッシュ780の係止片784の上面とアウターカラー720の円筒状垂設部724の下端面との間には、それぞれ所定の隙間810,820が形成されている。この隙間810,820の範囲内でブッシュ780が鉛直方向に移動可能である。
軸受装置900(移動体)は、前記ピストン760の押圧面部765の下面と、前記ブッシュ780のフランジ部783の上面との間に介在されて相対回転可能に構成されており、本実施形態では、外輪901と、内輪902と、外輪901と内輪902との間に組み込まれる複数個の転動体(玉)903と、転動体903を保持案内する保持器904とで構成されているスラストアンギュラ玉軸受が採用されている。なお、軸受装置900の内輪902は、ブッシュ780の環状壁部785の内面に嵌合して備えられている。
懸架装置のショックアブソーバ(図示せず)の軸とスプリング(図示せず)の軸はオフセットしているため、スプリング入力はモーメントになる。よって、モーメント荷重を受けるためスラストアンギュラ玉軸受を適用している。また、本実施形態では、前記ピストン760(パッド)とダイアフラム520との接触面を、前記スラストアンギュラ玉軸受(軸受装置)57の接触角方向の延長戦が通過するように配置している。すなわち、スプリング(図示せず)の入力とダイアフラム520の荷重作用線上に軸受の荷重作用線が乗るようにスラストアンギュラ玉軸受(軸受装置)900の接触角を選択したため剛性を高く保つことができる。
本実施形態においても、前記第一実施形態と同様に、組み立てられた重量測定装置100の油室510内の圧力が一定となるように管理されている。
具体的には、圧力センサ600を取付部(トッププレート)500に取り付ける作業において、まず、重量測定装置100に荷重が掛かっていない状態にて、圧力センサ600の検出部601がセンサ連結部502の挿入部504に挿入されて、突き当てフランジ面部603をセンサ連結部502の開口縁に密着するまで、鉛直方向にネジ込まれる。
このとき、圧力センサ600の先端検出面602が油室510(流体溜まり511)内に臨むまで進入するため、圧力センサ600に押しやられた測定流体(作動油)Rが油室510の容積に対して過剰となり、油排出孔部240から排出される。
測定流体(作動油)Rの排出が終了すると、荷重を掛けずに、前記油排出孔部240の開口240aを溶接して形成された封鎖部242により完全に封鎖する。これにより、油室510内(内部)の圧力は、大気圧と平衡した状態に管理される。
油排出孔部240は、油室510(内側)から垂直方向上向きに垂設されることにより、油室510と取付部(トッププレート)500の上面500a(大気側)とを直線状に連通し、上面500aに開口する開口240aを形成する。また、取付部500の上面500aには、短尺円筒状の溝部241が凹設されており、この溝部241の底面部に、取付部500を貫通した油排出孔部240の開口240aが形成され、溝部241の底面部にピンホールとして開口している。
また、油排出孔部240と封鎖部242のその他の構成や作用効果については、前述した第1実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
また、本実施形態においても密封性能をさらに強固なものとするために、前記溝部241にキャップを被せても良い。なお、キャップの構成および効果については、前述の第一実施形態におけるキャップと同様であるので、ここではその説明を省略する。
「第三実施形態」
図9乃至図14は本発明の第三実施形態を示す。
本実施形態においても重量測定装置100の油室510内の圧力が一定となるように管理されている。
本実施形態では、油排出孔部240が取付部500のセンサ連結部502に配される構成と、圧力センサ600に油室510から油排出孔部240への過剰油の流路を備えた構成と、圧力センサ600が油排出孔部240を封鎖する封鎖部を兼ねている構成と、油室510と油排出孔部240の連通状態を表示する構成とにおいて、前記第二実施形態で説明した構成と異なる。
なお、重量測定装置100のその他の基本的構成は、前記第二実施形態で説明した構成と同様であるため、図面に同一の符号を用いることでその説明を省略し、ここでは、本実施形態の上記特徴的な構成部分を中心に説明する(図9乃至図14参照)。
圧力センサ600は、油室510の測定流体(作動油)Rの圧力を検出する検出部601と、検出部601が検出した出力信号を変換して車両側の受信装置に向けて送出するセンサ本体607と、センサ本体部607と検出部601との間で、センサ本体部607および検出部601と一体に備えられる突き当てフランジ605とからなる。
検出部601は、所定長さの円柱部として形成され、取付部500のセンサ連結部502に挿し込まれて圧入固定される。
さらに、その内部には、測定流体(作動油)Rを検出部内部に導入する導入口602aと、導入口602aから導入した測定流体(作動油)Rを検出部601の外周面601aに導引する第一の油通路30と、検出部内部を貫通して形成され、前記第一の油通路30とは隔絶した第二の油通路40と、測定流体(作動油)Rの圧力を検出する感圧部10と、前記第一の油通路30から分岐して、感圧部10に測定流体(作動油)Rを導入する導入路20とを備えている。
導入口602aは、円形の開口として、先端検出面602(下底面)の中央に配される。なお、導入口602aの径については第一の油通路30の径に合わせて設定されれば良いので、ここでは特定しない。
第一の油通路30は、検出部601内を貫通する穴であって、前記導入口602aから垂直に立ち上がった垂設部31と、水平方向に延出して外周面601aに開口する第一の連結路32とからなる(図13(a)参照。)。
垂設部31は、導入口602aに連続するとともに、一体に形成された所定径の穴であって、先端検出面602の導入口602aから所定高さまで検出部601の軸中心に沿って垂直に立ち上がって形成されている。
第一の連結路32は、前記垂設部31の上端34から連続して、水平方向に直線状に延出した穴であって、外周面601aに開口した第一の連通口33を有している(図13参照。)。
なお、第一の油通路30は、垂設部31から第一の連通口33に至るまで同径に形成されている。
第二の油通路40は、外周面601aに開口する第二の導入口41と、第二の導入口41から連続して形成された第二の連結路42とからなる。
第二の導入口41は、外周面601aの前記第一の連通口33の近傍に開口している(図13(b)参照。)。
第二の連結路42は、前記第二の導入口41に連続するとともに、検出部601の内部を貫通して形成された直管状の穴であって、外周面601aに開口した第二の連通口43を有している。また、第二の連結路42は、第二の導入口41から第二の連通口43に向けて昇り傾斜に形成されている(図13(a)参照。)。
なお、第二の連結路42と前記第一の連結路32は平面視において平行となるように配されている。
また、前記第二の油通路40は、第二の導入口41から第二の連通口43に至るまで、前記第一の油通路30と同じ径に形成され、前記第一の油通路30の第一の連結路32と接触することなく、隔絶して形成されている(図13(b)参照。)。
導入路20は、前記第一の油通路30の垂設部31の上端34から連続して、上向きに分岐して形成された穴であって、検出部601内の上部に配された感圧部10に連結されている。
感圧部10は、前記導入口602aから導入され、前記第一の油通路30の垂設部31を経て、導入路20によって供給された測定流体(作動油)Rの圧力を検出する部材である。
なお、感圧部10としては、検出した圧力の出力信号をセンサ本体607に伝達しえる周知構造のものが適宜本発明の範囲内において選択使用されれば良い。
また、センサ本体607についても、感圧部10から伝達された出力信号を変換して、車両の受信装置に向けて伝送し得る周知構造のものが適宜本発明の範囲内において選択使用されれば良い。
突き当てフランジ605は、長方形の短辺が円弧状となった平面形状で、所定の厚さに形成され、所謂長丸形(小判形)の外形形状をなして、前記センサ本体部607と前記検出部601との間に一体に連続して形成されている(図9乃至図14参照。)。
本実施形態では、その長さ寸法(長い方の寸法)は、前記検出部601の径寸法の約3倍に設定され、幅寸法(短い方の寸法)は、前記検出部601の径寸法の約2倍に設定されている(図12及び図13参照。)。
また、突き当てフランジ605と検出部601は、平面視において、双方の中心軸とが同軸となるように配されている。
突き当てフランジ605は、長方形の長辺が、第一の連結路32及び第二の連結路42と直交する方向に設定されている。
センサ連結部502は、前記圧力センサ600の先端に設けた円柱状の検出部601が取り付けられる円筒状の挿入部504と、前記圧力センサ600の第二の連結路42と連通する油排出孔部240とからなる。
挿入部504は、取付部500の上面500aに鉛直方向で上方に向けて円筒状に突出し、前記突き当てフランジ605の長さ寸法(長い方の寸法)と同様の外径を有している(図9、図10、図14参照。)。
また、挿入部504は、その平面視の中心に挿入口503を備える。
挿入口503は、圧力センサ600の検出部601の径寸法よりも僅かに大径の円筒形状をなし、所定深さに凹設されている。
挿入口503の底面領域には、検出部601の先端検出面602との間に、前記連通路510a(油室510)と連通する流体溜り511が形成されている(図13(a)参照。)。
挿入口503の内周面504aには、第一の連通溝50と第二の油通路40の第二の連通溝51が形成されている(図12及び図13参照。)。
第一の連通溝50は、内周面504aの所定の領域を外径方向に凹設した溝であり、内周面504aにおいて、前記第一の油通路30の第一の連通口33と、前記第二の油通路40の第二の導入口41とを連通可能にする。
本実施形態では、第一の連通口33に対向する内周面504aの位置および、第二の導入口41に対向する内周面504aの位置の双方を含む連続した領域に、内周面504aの周方向に横長な形状として形成されている(図13(b)参照。)。
第二の連通溝51は、内周面504aの所定の領域を外径方向に凹設した溝であり、内周面504aにおいて、前記第二の油通路40の第二の連通口43と油排出孔部240とを連通可能にする。
本実施形態では、第二の連通口43に対向する内周面504aの位置および、油排出孔部240の後述する内周面504a側の開口の双方を含む連続した領域に、内周面504aの周方向に横長な形状として形成されている(図13(b)参照。)。
第一の連通溝50と第二の連通溝51は、それぞれ内周面504aにおいて、周方向で約180度ずれた位置に配置されるとともに、鉛直方向で上下方向にずれた位置に配置されている(図12及び図13参照。)。
油排出孔部240は、センサ連結部502の上面502aから挿入口503の内周面504aまで、センサ連結部502を下り傾斜で貫通する穴として形成されている。なお、油排出孔部240は、前記第一の油通路30と同じ径に形成されている。
また、油排出孔部240の上面502a側の開口240aは、挿入口503の近傍に配され、油排出孔部240の前記挿入口503の内周面504a側の開口は、前記第二の連通溝51に、第二の連通溝51の溝底側(径方向の外径側)から開口している。
圧力センサ600の検出部601は、前記センサ連結部502の挿入口503に、突き当てフランジ605の突き当てフランジ面部603がセンサ連結部502の上面502aに密着するまで挿し込まれて圧入固定される。
挿入口503が挿入部504の平面視の中心(同軸)に備えられ、挿入口503に挿し込まれる検出部601も突き当てフランジ605と平面視において同軸に配されているため、圧力センサ600をセンサ連結部502に圧入固定した場合には、突き当てフランジ605と挿入部504も平面視において同軸に配される(図9乃至図13参照。)。
また、センサ連結部502の挿入口503の開口周縁には、上方に向けて拡開するテーパ状のシール溝606a(切り欠き)が配され、そのシール溝606aには、Oリング606が嵌め合わされる(図12(a)及び図13(a)参照。)。
Oリング606は、シール溝606aと検出部601と突き当てフランジ605の突き当てフランジ面部603とによって押圧圧縮され、センサ連結部502と圧力センサ600との隙間を密封して、測定流体(作動油)Rの外部への漏洩を防止する。
また、圧力センサ600は、センサ連結部502の挿入部504の挿入口503内に圧入固定された状態で、検出部601の周方向に回転可能に嵌合し、センサ連結部502に対する圧力センサ600の位置によって、油室510と油排出孔部240の関係を連通状態と非連通状態に変化させる。
具体的には、第一の油通路30から第二の油通路40を経て油排出孔部240まで連通して、過剰となった測定流体(作動油)Rが、前記第一の油通路30と第二の油通路40を経由して油排出孔部240から排出される状態(連通状態)では、圧力センサ600(検出部601)は、第一の位置にある(図9乃至図11、図13及び図14(a)参照。)。
第一の位置では、第一の油通路30の第一の連通口33と、第二の油通路40の第二の導入口41が前記第一の連通溝50の範囲内にあって、第一の連通口33と第二の導入口41が連通し、第二の油通路40の第二の連通口43が第二の連通溝51の範囲内にあって、第二の連通口43と油排出孔部240が連通している。
この状態では、油室510の測定流体(作動油)Rは、第一の油通路30から第二の油通路40を経て油排出孔部240まで連通しており(連通状態)、圧力センサ600を取付部500に圧入する際に過剰となった測定流体(作動油)Rが、前記第一の油通路30と第二の油通路40を経由して油排出孔部240から排出される。
さらに、前記連通状態(第一の位置)において、過剰となった測定流体(作動油)Rが油排出孔部240から排出され、油室510内の圧力が大気圧と平衡になった後に、圧力センサ600(検出部601)を周方向に90度回転させたとき、圧力センサ600(検出部601)は、第二の位置にある(図12及び図14(b)参照。)。
第二の位置では、第一の油通路30の第一の連通口33と、第二の油通路40の第二の導入口41とが、双方とも前記第一の連通溝50の範囲外に位置し、第二の油通路40の第二の連通口43が第二の連通溝51の範囲外に位置しており、油室510の測定流体(作動油)Rは油排出孔部240と非連通状態となる。
このとき、第二の連通口43と油排出孔部240の流路が封鎖されるとともに、第一の連通口33と第二の導入口41の流路が封鎖される。すなわち、検出部601(圧力センサ600)が、油排出孔部240を封鎖する封鎖部として機能し、前記第二実施形態の封鎖部242と同等の機能を兼ねている。
また、測定流体(作動油)Rの油排出孔部240への流路が封鎖される(非連通状態)ため、測定流体(作動油)Rが外部に流出することがない。
また、前記センサ連結部502の挿入口503の周縁のOリング606による密封構造により二重の密封構造となっている。
突き当てフランジ605は、挿入部504と平面視において同軸に配され、突き当てフランジ605の長さ寸法(長い方の寸法)は、挿入部504の外径と同様に設定されているため、圧力センサ600を第二の位置に回転させた場合には、突き当てフランジ605の長辺部分が、取付部500の上面502aで挿入口503の近傍に配されている油排出孔部240の開口240aの上に重なるように配される(第二の位置)。
第二の位置(油排出孔部240が封鎖された状態)に圧力センサ600がある場合には、油排出孔部240の開口240aは、突き当てフランジ605の突き当てフランジ面部603によって覆われている。これにより、開口240aから油排出孔部240に異物(例えば、ゴミや空気等)が浸入することを防止している(図12及び図14(b)参照。)。
また、センサ連結部502の挿入部504の外周面には、周方向に90度の角度をあけて、第一の位置を標示するマーク60と第二の位置を標示するマーク70が印字されている(図14)。
マーク60は、挿入部504の外周面に上向き三角形の図形と「OPEN」の文字が印字されており、マーク70は、挿入部504の外周面に上向き三角形の図形と「CLOSE」の文字が印字されている。このとき、マーク60は、第一の連通溝50と第二の連通溝51が設けられていない挿入口503の内周面504aに対応する挿入部504の外周面に設けられるように配する。また、マーク70は、第一の連通溝50と第二の連通溝51が設けられている挿入口503の内周面504aに対応する挿入部504の外周面に設けられるように配する。
さらに、突き当てフランジ605の外側面の円弧部分には、下向き三角形の図形からなるマーク80が印字されている(図14)。
前記圧力センサ600(検出部601)が第一の位置の場合には、マーク80の下向き三角形の図形と、前記マーク60の上向き三角形の図形および「OPEN」の文字とが突き合わされる。
さらに、前記圧力センサ600(検出部601)が第二の位置の場合には、マーク80の下向き三角形の図形と、前記マーク70の上向き三角形の図形および「CLOSE」の文字とが突き合わされる。
なお、各マークの印字手段については、所定の位置を明確に指標可能であれば良く、従来周知の印字手段が採用されれば良い。例えば、所定の位置に直接印刷されていても良いし、シールが貼付されているものであって良く、または、刻印によって指標するものであっても良い。
このように、センサ連結部502に印字したマークと、突き当てフランジ605に印字したマークによって、油室510から油排出孔部240への流路が連通状態(第一の位置)であるか非連通状態(第二の位置)であるかが、外部から明確に視認可能になっている。さらに、文字マークによって連通状態と非連通状態とが理解しやすいため、重量測定装置100を組み立てる際の誤組みを防止することができる。
また、過剰となった測定流体(作動油)Rを油排出孔部240から排出する前記連通状態(第一の位置)から、検出部601を周方向に90度回転させて第二の位置とするだけで、油排出孔部240を密封することができるため、油排出孔部240を密封するための密封工程(例えばネジ締め工程や溶接工程等)を特別に設ける必要もなく、油排出孔部240を密封することによる生産性の低下を防ぐこともできる。
なお、本実施形態では、第一の連結路32と第二の連結路42を平面視において平行となるように配し、連通状態の第一の位置から、検出部601を周方向に90度回転することで、非連通状態の第二の位置となるように構成した一例を説明したが、これらの構成に限定解釈されるものではなく、連通状態の第一の位置から、検出部601を周方向に回転して非連通状態の第二の位置となる限りにおいて、第一の連結路32と第二の連結路42は平行でなくても良く、第二の位置とするための回転角度が90度でない構成であっても本発明の範囲内である。
また、本実施形態では第一の油通路30と第二の油通路40との二つの油通路を有する実施の一形態をもって説明したが、油通路の数はこれに限定されることなく、本発明の範囲内で一つ若しくは三つ以上有する構成であっても採用可能である。例えば、第二の油通路40が無い構成であってもよい。すなわち、圧力センサ600が第一の位置にあるときに、第一の油通路30の第一の連通口33が第二の連通溝51と直接連通する状態となり、第二の位置にあるときには、第一の連通口33が第二の連通溝51と非連通の状態となるように構成すればよい。
さらに、連結路(第一の連結路32、第二の連結路42)の穴の形状についても任意である。例えば、上下方向に長い穴形状や多角形であっても良い。また、連通溝(第一の連通溝50、第二の連通溝51)の形状についても任意に設計変更可能である。例えば、上下方向に長い形状の連通溝であっても良い。なお、上下方向に長い穴形状の連通路や上下方向に長い連通溝を採用した場合には、センサ連結部502の挿入口503に圧力センサ600の検出部601の圧入工程中でも油室510から油排出孔部240への流路が連通状態(第一の位置)となるため、過剰となった測定流体(作動油)Rの排出を効率よく実施することができる。また、その場合であっても、圧力センサ600が周方向に回転することにより、連通状態が解除される第二の位置となるため、油排出孔部240が封鎖される。
さらに、連結路(第一の連結路32、第二の連結路42)は、圧力センサ600の検出部601の外周面601aに溝として形成されていても良い。例えば、検出部601の外周面601aに、鉛直方向に連続した長尺溝状の垂直溝が形成されており、検出部601がセンサ連結部502の挿入口503に圧入されることにより、挿入口503の内周面504aとの間で前記垂直溝が管路(連結路)として機能するようにしてもよい。すなわち、例えば、圧力センサ600が圧入固定されたときに、前記垂直溝の先端側(先端検出面602)が流体溜り511に臨んで連通すると共に、前記垂直溝の一部が前記第二の連通溝51と対向するように構成すれば、油排出孔部240と連通状態となる第一の位置を構成することができ、過剰となった測定流体(作動油)Rを排出することができる。また、圧力センサ600を周方向に回転させて、前記垂直溝と第二の連通溝51とが対向しないように位置させれば、非連通状態の第二の位置となり、油排出孔部240を封鎖することができる。なお、前記垂直溝は、圧力センサ600が圧入固定されたときに、その溝上端側(前記先端側と相対向する側)は外気側に露出しないように構成されている。
「第四実施形態」
図15は、本発明の第三実施形態の変形例である。
本実施形態では、挿入部504(挿入口503)の底面領域に、流体溜り511(図12参照)を設けない構成となっている。このような構成の場合には、検出部601の先端検出面602を挿入口503の底面に接触させて圧入することとなる。
また、このような構成であっても、第一の油通路30の導入口602aと油室510(連通路510a(図10参照)の上端)が対向して配されれば、導入口602aと油室510が連通した状態となり、過剰となった測定流体(作動油)Rが、油室510から第一の油通路30の導入口602aに導入される。
さらに、本実施形態では、センサ連結部502と圧力センサ600との隙間を密封する密封構造として、前記第三実施形態で説明した、センサ連結部502の挿入口503の周縁に配されたシール溝606aにOリング606が嵌合している構成に代えて、突き当てフランジ605に配されたシール溝606aにOリング606が嵌合している構成を採用し、センサ連結部502と圧力センサ600の突き当てフランジ605との間で密封構造を形成している。
具体的には、突き当てフランジ605の突き当てフランジ面部603にシール溝606a(切り欠き)が凹設されており、そのシール溝606aにOリング606が嵌め合わされる。Oリング606は、シール溝606a(突き当てフランジ605の突き当てフランジ面部603)と、センサ連結部502の上面とによって押圧圧縮され、センサ連結部502と突き当てフランジ605(圧力センサ600)との隙間を密封して、外部への測定流体(作動油)Rの漏洩を防止する。
また、本実施形態では、シール溝606a(切り欠き)を突き当てフランジ605の下面(突き当てフランジ面部603)に凹設した一例を説明したが、これに限定されず、シール溝606a(切り欠き)をセンサ連結部502の上面に凹設する構成であっても良い。
なお、本実施形態では、センサ連結部502と突き当てフランジ605(圧力センサ600)との隙間の密封構造と挿入部504(挿入口503)の底面領域に流体溜り511を設けない構成を組み合わせた一例を説明したが、これに限定されず、センサ連結部502と突き当てフランジ605(圧力センサ600)との隙間にシール溝606aにOリング606が配される密封構造(本実施形態)と、挿入部504(挿入口503)の底面領域に流体溜り511を設ける構成(第三実施形態の構成)とを組み合わせるものであっても良く、挿入部504(挿入口503)の底面領域に流体溜り511を設けない構成(本実施形態)と、センサ連結部502の挿入口503の周縁にシール溝606aにOリング606が配された構成(第三実施形態の構成)との組み合わせであっても本発明の範囲内である。
「第五実施形態」
図16は本発明の第五実施形態を示す。
第三実施形態と第四実施形態では、上述したとおり、第二の油通路40と油排出孔部240とを連絡する第二の連通溝51を備えているが、図16に示すように、油排出孔部240の位置をずらすことによって直接第二の油通路40と油排出孔部240とを連通させる構成とすれば、第二の連通溝51を設ける必要がなくなる。
この場合において、油排出孔部240は、図のように第二の油通路40の第二の連通口43よりも大径に形成することが可能であるが、これに限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
その他の構成及び作用効果は第一実施形態乃至第四実施形態と同様であってその説明は省略する。
「第六実施形態」
図17は本発明の第六実施形態を示す。
本実施形態では、過剰となった測定流体(作動油)Rの排出と油排出孔部240を封鎖する構成として、前記第一実施形態で説明した車両の後輪用の重量測定装置100の油排出孔部240と封鎖部242とによる構成に代えて、前記第三実施形態で説明した油排出孔部240と圧力センサ600とによる構成を適用して、重量測定装置100の油室510内の圧力が一定となるように管理している。
具体的には、センサ連結部206の円筒部200bには、前記第三実施形態で説明した挿入口503を設けている。そして、挿入口503の内周面504aから円筒部200b内を貫通して、円筒部200bの下面203に開口(開口240a)する油排出孔部240を設け、第一の連通溝50および第二の連通溝51を前記第三実施形態と同様に挿入口503の内周面504aに設けている。
さらに、前記挿入口503には、前記第三実施形態で説明した圧力センサ600と同一構成の圧力センサ600が圧入固定されている。
また、円筒部200bの外周面には、前記第三実施形態と同様に、周方向に90度の角度をあけて、第一の位置を標示するマーク60と第二の位置を標示するマーク70が印字されている。
このように構成することによって、後輪用の車両の重量測定装置100であっても、圧力センサ600の検出部601内に形成された第一の油通路30および第二の油通路40と、挿入口503の第一の連通溝50および第二の連通溝51によって、油室510と油排出孔部240とを連通状態若しくは非連通状態とすることができる。
この場合であっても、圧力センサ600を第一の位置にすることで、油室510の測定流体(作動油)Rが、第一の油通路30から第二の油通路40を経て油排出孔部240まで連通状態となり、圧力センサ600を取付部500に取り付ける作業によって、油室510の容積に対して過剰となった測定流体(作動油)Rは、前記第一の油通路30と第二の油通路40を経由して油排出孔部240から排出可能となる。
さらに、圧力センサ600を周方向に90度回転して、第二の位置とすることで、油室510の測定流体(作動油)Rは油排出孔部240と非連通状態となって、油排出孔部240が封鎖される。すなわち、圧力センサ600が封鎖部を兼ねる構成となっている。
またさらに、円筒部200bの外周面に印字したマーク60・70と、突き当てフランジ605に印字したマーク80によって、油室510から油排出孔部240への流路が連通状態(第一の位置)であるか非連通状態(第二の位置)であるかが、外部から明確に視認可能となり、文字マークによって連通状態と非連通状態とが理解しやすいため、重量測定装置100を組み立てる際の誤組みを防止することができる。
なお、後輪用の車両の重量測定装置100のその他の構成については、前述した第一実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
さらに、本実施形態に前記第四実施形態で説明した流体溜り511を設けない構成を適用したり、突き当てフランジ605のシール溝606aにOリング606が嵌合して、センサ連結部502との間で密封構造を形成する構成を適用したりすることも本発明の範囲内である。
本発明は、本実施形態に示す構成からなる懸架装置に係らず、他の構成からなる懸架装置にも利用可能である。
1 懸架装置
2 アーム
5 コイルスプリング(スプリング)
100 車両の重量測定装置
200 ボトムプレート
203 ボトムプレートの下面
201 油室
202 溝部
202a 開口領域
220 カラー
300 ピストン
340 スプリングシート
400 圧力センサ
240 油排出孔部
242 封鎖部
R 測定流体(作動油)

Claims (5)

  1. スプリングの弾発力により移動する移動体と、
    前記移動体の移動により、押圧変形可能なダイアフラムと、
    所定の測定流体を充填し、前記ダイアフラムの押圧により内部圧力が変化可能な油室と、
    前記油室内の圧力変化を検出し得る圧力センサと、を含み、
    前記油室内部の過剰な作動油を大気側へと排出可能な油排出孔部と、
    前記過剰な作動油を排出した油排出孔部を封鎖してなる封鎖部と、を備えたことを特徴とする車両の重量測定装置。
  2. 下面側が懸架装置のアームに当接して設置され、上面側に開口する溝部を有するボトムプレートと、
    前記溝部の開口領域を覆い、前記溝部とともに所定の測定流体を充填してなる所定空間の油室を形成するダイアフラムと、
    前記溝部の開口領域の外径よりも大径に形成され、前記ダイアフラムの外径寄りの面部を、前記溝部の開口領域より外側の面部との間で挟み込んで密閉固定する環状のカラーと、
    前記カラーの内径側で懸架装置の長さ方向に移動可能に備えられるとともに、前記カラーの上側でカラーと隙間を介して配され、懸架装置のスプリングの弾発力により前記ダイアフラムを押圧可能なピストンと、
    前記スプリングの一端を受け、前記ピストンとの間に介在するスプリングシートと、
    前記ボトムプレートの下面側に備えられ、前記ピストンの移動により変化可能な油室内の測定流体の圧力変化を検出し得る圧力センサと、を含み、
    前記油室内部の過剰な作動油を大気側へと排出可能な油排出孔部と、
    前記過剰な作動油を排出した油排出孔部を封鎖してなる封鎖部と、を備えたことを特徴とする車両の重量測定装置。
  3. 懸架装置に備えられ、
    上面側を車両側に固定するとともに、環状に開口する溝部を下面側に設けてなる取付部と、
    前記溝部の開口領域を覆い、前記溝部とともに所定空間の油室を形成する環状のダイアフラムと、
    前記ダイアフラムの内径寄りの面部を、前記溝部の開口領域より内側の面部との間で挟み込んで密閉固定する環状のインナーカラーと、
    前記溝部の開口領域の外径よりも大径に形成され、前記ダイアフラムの外径寄りの面部を、前記溝部の開口領域より外側の面部との間で挟み込んで密閉固定する環状のアウターカラーと、
    前記インナーカラーの外径と前記アウターカラーの内径との間で懸架装置の長さ方向に移動可能に備えられ、懸架装置のスプリングの弾発力により前記ダイアフラムを押圧可能なピストンと、
    前記スプリングの一端を受けるブッシュと、
    前記ピストンと前記ブッシュとの間に介在され、相対回転可能に構成されている軸受装置と、
    前記取付部に備えられ、前記ピストンの移動により変化可能な油室内の測定流体の圧力変化を検出し得る圧力センサと、を含み、
    前記油室内部の過剰な作動油を大気側へと排出可能な油排出孔部と、
    前記過剰な作動油を排出した油排出孔部を封鎖してなる封鎖部と、を備えたことを特徴とする車両の重量測定装置。
  4. 前記圧力センサは、
    前記油排出孔部と前記油室とを連通状態とする第一の位置と、前記油排出孔部と前記油室とを非連通状態とする第二の位置に変位可能に構成されており、
    前記封鎖部は、前記第二の位置に変位した前記圧力センサが兼ねていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両の重量測定装置。
  5. 前記圧力センサには、前記第一の位置に変位したときに前記油排出孔部と前記油室とを連通せしめ、前記第二の位置に変位したときに前記油排出孔部とずれることで前記油排出孔部と前記油室とを非連通状態とする油通路を備え、
    前記第二の位置に変位した前記圧力センサの所定箇所が、前記油排出孔部を封鎖する封鎖部として機能することを特徴とする請求項4に記載の車両の重量測定装置。
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