JP6819436B2 - 車両の重量測定装置 - Google Patents
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Description
(1)過積載により自動車の運動性能が低下したり、構成部品が破損したりする虞があるため、事故の原因となることがある。例えば、車軸(ハブ)の破損、タイヤの破損(バースト)、制動距離が長くなりブレーキが過熱して効きにくくなる、車両が横転し易くなるなど、事故等を招く要因を多数有している。
(2)過積載により道路の損傷が激しくなるため、道路のメンテナンス費用が掛かる。
すなわち、従来、車両の荷重測定(積載重量測定)は、台秤に測定対象の車両を載せて行っていた。
しかし、台秤の設置は、施設が大がかりで広い設置スペースを必要とするため、及び設置コストが嵩むため、設置できる台秤の台数が制限され多くの車両を測定することなど物理的にも無理があった。
また,ダイアフラムは、パッドの摺接領域によって繰り返し変形させられるうちに、ダイアフラムの押圧領域の下面には、フレッチング摩耗(微小振動磨耗)が生じ、この摩耗がダイアフラムの破損の要因となるだけでなく、ダイアフラムの変形精度が悪化することによって計測精度が低下する要因ともなる。先の出願において、上記各問題点を解決するため特有の技術的手段を講じているが、本願発明者等は、さらに優れた作用効果を発揮すべく鋭意研究を重ねた。
前記移動体の移動により、押圧変形可能なダイアフラムと、
所定の測定流体を充填し、前記ダイアフラムの押圧により内部圧力が変化可能な油室と、
前記油室内の圧力変化を検出し得る圧力センサと、
前記油室と対向して前記移動体とダイアフラムとの間に備えられるパッドと、を含み、
前記移動体と前記パッドとには、いずれか一方に保持構造が設けられ、いずれか他方に前記保持構造によって保持される被保持構造が設けられており、
前記移動体には、前記パッドと対向する領域に潤滑剤を貯留可能な潤滑剤貯留領域が形成され、
前記パッドには、前記潤滑剤貯留領域から前記パッドと前記ダイアフラムとが当接する領域に潤滑剤を供給可能な潤滑剤供給部が形成されていることを特徴とする車両の重量測定装置としたことである。
前記パッドには、前記環状凹溝に当接して保持される凸部が前記被保持構造として形成され、
前記潤滑剤貯留領域は、前記環状凹溝の溝底面に形成されていることを特徴とする車両の重量測定装置としたことである。
前記潤滑剤貯留領域は、前記V形の凹溝の溝底中央に形成した環状溝で、
前記凸部は、前記凹溝に嵌合可能な断面視V形に形成されていることを特徴とする車両の重量測定装置としたことである。
前記潤滑剤貯留領域と連通し、前記パッドの凸部周面から前記パッドと前記ダイアフラムとが当接する領域にわたって切り欠かれている一個乃至複数個の切欠溝であることを特徴とする車両の重量測定装置としたことである。
本実施形態では、本発明の車両の重量測定装置100を自動車の懸架装置(サスペンション)に用いた実施の一形態を示す。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態であって、何等これに限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
第二の凹部255は、インナーカラー240の一部(円筒部242)を収容可能な鉛直方向深さと水平方向幅をもって構成されている(図2参照。)。
第三の凹部256は、円環状のダイアフラム220を収容可能な鉛直方向深さと水平方向幅をもって構成されてダイアフラム収容凹部として機能する凹部である。
第四の凹部(環状凹部)257は、ダイアフラム220とともに油室290を構成する凹部である。第四の凹部257は、外径が第三の凹部256の外径よりも小径で、内径が第三の凹部256の内径よりも大径である環状に形成されている(図2参照。)。
なお、本発明にて想定される圧力センサは周知構造のものが適宜本発明の範囲内において選択使用されるものであり、特に限定解釈はされず、本発明の範囲内で最適なものが適宜選択可能である。
また、圧力センサ300は、変換した電気信号を車体側の表示装置へと伝送する図示しない配線が接続されている。
また、圧力センサ300は、必ずしもセンサーボディー250の外径面252に配設することはなく、先端検出面303が油室290内に臨む限りにおいて、センサ連結部258をセンサーボディー250の上面や下面の任意位置に設けて配設することが可能で、設置時において支障のない位置を採択して配設することが可能である。
本実施形態では、第三の凹部256の鉛直方向深さと同じ厚みを有するとともに、同じ水平方向幅をもって構成されている。
油室290には、所定の測定流体Rが気泡を発生させることなく一杯に密封充填されている。測定流体Rは、特に限定解釈されず油室内に密封充填される周知一般の流体が本発明の範囲内で設計変更可能である。
また、皿ボルト400を螺合する複数個の雌ネジ孔260aが周方向に所定の間隔で複数個備えられている。
また、皿ボルト500を螺合する複数個の雌ネジ孔240aが周方向に所定の間隔で複数個備えられている。
また、本実施形態では、密封領域A2にて、第1のOリング270が圧縮され、かつ密封領域A3にて、第3のOリング272が圧縮されて潤滑剤貯留領域(グリース溜まり)近傍の密封領域A2,A3を密封しているため、潤滑剤貯留領域(グリース溜まり)からの潤滑剤Gの漏洩防止が十分に図り得る。
また、さらに、ダイアフラム220を、第3の凹部(ダイアフラム収容凹部)256よりも肉厚に形成し、センサーボディー250とカラー(アウターカラー260,インナーカラー240)に挟まれるときに圧縮されて密封可能な厚さとなる密封構造を設ければ、密封信頼性をさらに高いものとすることができる。
ピストンフランジ部232側で図示しないコイルスプリングによって押圧され、ピストン全体が鉛直方向に移動可能に構成される。
内側テーパー面281と外側テーパー面282との傾斜角度は特に限定されず任意に設計変更可能である。
本実施形態において貯留される潤滑剤Gは、当該潤滑剤貯留領域283内にのみ貯留されているのではなく、パッド210の潤滑剤供給部内にも貯留されているが、貯留される量は限定されない。
本実施形態では、第四の凹部257、すなわち油室290の環状の開口領域291に対向する環状に形成され、ダイアフラム220と密着して当接するように平坦に形成された上面(ダイアフラム220との当接領域)211が、油室290の環状の開口領域291内に収まる程度の内径・外径をもって形成されるとともに、上面211から一体に被保持構造(凸部)212が環状に設けられており、この被保持構造(凸部)212がピストン230の保持構造(環状凹溝)280に当接して収容保持されている。
本実施形態では、平坦面216の径方向幅を直径とする円筒状に形成されている。
よってパッド210の保持が十分に図れ、ずれ(移動)によるパッド210の偏磨耗も防止し得る。
すなわち、保持構造(環状凹溝)280側の内側テーパー面281とパッド210の被保持構造(凸部)212側の内側テーパー面214との間、及び保持構造(環状凹溝)280側の外側テーパー面282とパッド210の被保持構造(凸部)212側の外側テーパー面215との間をも潤滑してパッド210とピストン230の摩耗防止を図っている。
本図示例の潤滑剤供給部217は、潤滑剤貯留領域283と連通し、同心円状に複数設けられている貫通孔部である。
本実施形態によれば、このように第一の貫通孔部群と第二の貫通孔部群によって多数の貫通孔部217が設けられるため、潤滑剤Gの供給量が多くなり、パッド210とピストン230との当接面の摩耗が防止し得る。
また、複数設けられる貫通孔部群のそれぞれの潤滑剤供給部(貫通孔部)217の数量は同一であっても異なっていてもよい。さらに、それぞれの貫通孔部群を構成している潤滑剤供給部(貫通孔部)217の位相は必ずしも同じである必要はなく、また等間隔に配置する必要もない。
本図示例の潤滑剤供給部217は、パッド210の被保持構造(凸部)212の周面、すなわち内側テーパー面214と外側テーパー面215に潤滑剤貯留領域283と連通した切欠溝が形成されており、切欠溝(潤滑剤供給部)217は、パッド210の上面211にわたって切り欠かれている。
所定の隙間Pは、重量測定装置100が想定する定格荷重を受けた場合に、ダイアフラム220の変形等に起因してピストン230が懸架装置の長さ方向(図中符号Vで示す鉛直方向)に進退すると想定される距離よりも大きな隙間に設定される必要がある。ピストン230が進退すると想定される距離よりも小さな隙間では、車両の重量を計測中に隙間Pがなくなり、ピストン230の進退が規制されて正確な重量測定に支障があるからである。
210 パッド
211 上面
212 被保持構造(凸部)
217 潤滑剤供給部
220 ダイアフラム
230 ピストン(移動体)
240 インナーカラー
260 アウターカラー
280 保持構造
283 潤滑剤貯留領域(グリース溜まり)
290 油室
300 圧力センサ
R 測定流体(作動油)
G 潤滑剤(グリース)
Claims (7)
- スプリングの弾発力により移動する移動体と、
前記移動体の移動により、押圧変形可能なダイアフラムと、
所定の測定流体を充填し、前記ダイアフラムの押圧により内部圧力が変化可能な油室と、
前記油室内の圧力変化を検出し得る圧力センサと、
前記油室と対向して前記移動体とダイアフラムとの間に備えられるパッドと、を含み、
前記移動体と前記パッドとには、いずれか一方に保持構造が設けられ、いずれか他方に前記保持構造によって保持される被保持構造が設けられており、
前記移動体には、前記パッドと対向する領域に潤滑剤を貯留可能な潤滑剤貯留領域が形成され、
前記パッドには、前記潤滑剤貯留領域から前記パッドと前記ダイアフラムとが当接する領域に潤滑剤を供給可能な潤滑剤供給部が形成されていることを特徴とする車両の重量測定装置。 - 前記移動体には、前記パッドと当接して保持可能な環状凹溝が前記保持構造として形成され、
前記パッドには、前記環状凹溝に当接して保持される凸部が前記被保持構造として形成され、
前記潤滑剤貯留領域は、前記環状凹溝の溝底面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の重量測定装置。 - 前記環状凹溝は断面視V形の凹溝で、
前記潤滑剤貯留領域は、前記V形の凹溝の溝底中央に形成した環状溝で、
前記凸部は、前記凹溝に嵌合可能な断面視V形に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両の重量測定装置。 - 前記潤滑剤供給部は、前記潤滑剤貯留領域と連通し、円周上に等間隔で形成される複数個の貫通孔部であることを特徴視する請求項1乃至3のいずれかに記載の車両の重量測定装置。
- 前記複数個の貫通孔部は、同心円状に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の車両の重量測定装置。
- 前記潤滑剤供給部は、前記潤滑剤貯留領域と連通し、前記パッドの凸部周面から前記パッドと前記ダイアフラムとが当接する領域にわたって切り欠かれている一個乃至複数個の切欠溝であることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の車両の重量測定装置。
- 前記潤滑剤供給部は、前記潤滑剤貯留領域と連通し、円周上に等間隔で形成される複数個の貫通孔部と、
前記潤滑剤貯留領域と連通し、前記パッドの凸部周面から前記パッドと前記ダイアフラムとが当接する領域にわたって切り欠かれている一個乃至複数個の切欠溝であることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の車両の重量測定装置。
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JP2017083603A Active JP6819436B2 (ja) | 2017-04-20 | 2017-04-20 | 車両の重量測定装置 |
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