JP6784189B2 - 車両の重量測定装置 - Google Patents
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Description
(1)過積載により自動車の運動性能が低下したり、構成部品が破損したりする虞があるため、事故の原因となることがある。例えば、車軸(ハブ)の破損、タイヤの破損(バースト)、制動距離が長くなりブレーキが過熱して効きにくくなる、車両が横転し易くなるなど、事故等を招く要因を多数有している。
(2)過積載により道路の損傷が激しくなるため、道路のメンテナンス費用が掛かる。
すなわち、従来、車両の荷重測定(積載重量測定)は、台秤に測定対象の車両を載せて行っていた。
しかし、台秤の設置は、施設が大がかりで広い設置スペースを必要とするため、及び設置コストが嵩むため、設置できる台秤の台数が制限され多くの車両を測定することなど物理的にも無理があった。
1つ目の機能ブロックは、測定流体(作動油)を充填した油圧室(油室)と、油室の一部を押圧変形可能に構成するダイアフラムと、油室と連通して備えられ、ダイアフラムの押圧による油室の圧力変化を検出する圧力センサからなり、車両に固定される荷重検出部である。
2つ目の機能ブロックは、スプリングの弾発力などにより、荷重に従って移動して前記ダイアフラムを押圧するピストン部である。
具体的には、油室に空気が混入することを避けるため、油室周辺の部品全てを測定流体(作動油)を満たした油槽に沈め、その油槽中で荷重測定装置の組み立てを行う。この組み立て作業の際、測定流体(作動油)を油室内に封入する形で密封されてしまうため、組み立て後には荷重測定装置内の油圧を調整することができなかった。
また、圧力センサの取り付け作業毎にOリングの変形状態が異なり、油室の圧力(油圧)にもばらつきが生じるため、個別に圧力の検定作業をする必要があった。
その場合、前記テーパネジの小径側には、油圧調整孔部と螺合したテーパネジを回転させる工具が嵌合する嵌合部を備えていることもある。
本実施形態では、本発明の車両の重量測定装置を自動車の懸架装置(サスペンション)1に用いた実施の一形態を示す。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態であって、何等これに限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
なお、図1に示す懸架装置1は、本発明の車両の重量測定装置を組み込んだ以外は周知の構成であって、特に本実施形態に限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
図1中、符号3はショックアブソーバ、符号5はコイルスプリングを示す。以下、本発明の特徴的部分である車両の重量測定装置について説明し、それ以外の懸架装置の構成についての説明は省略する。
また、取付部7の下面7bの中心領域には、インナーカラー33の円筒状突部33bを嵌合する嵌合孔部7iを凹設している。
ダイアフラム収容凹部13は、溝部9cの内径側に所定幅で環状に構成された内側の面部13aと、溝部9cの外径側に所定幅環状に構成された外側の面部13bとを備えている。
また、取付部7には、溝部9cと一箇所又は複数個所で連通する連通路9aがセンサ連結部7dに向けて内設されている。
なお、センサ連結部7dと圧力センサ21との接続は、測定流体Rが漏れないよう接続することが必要である。
本実施形態では、センサ連結部7dに検出部21aを挿入するとともに、先端検出面21bを油室9内に臨ませ、突き当てフランジ面部21cをセンサ連結部7dの開口縁部に密着させて鉛直方向に立設されている。
なお、圧力センサ21は、必ずしも取付部7の上面7aの中心に配設することはなく、センサ連結部7dを取付部7の上面7aの任意位置に設けて配設することが可能で、車体側の取り付けにおいて支障のない位置を採択して配設することが可能である。
押圧領域31は、前記溝部9cの開口領域9dを覆う程度の幅をもって構成され、この押圧領域31と取付部7の溝部9c(連通路9a及び流体溜まり9bを含む)とによって所定領域の油室9が形成される。
第一密封領域27と第二密封領域29は、ダイアフラム収容凹部13の鉛直方向深さよりも肉厚に形成されており、インナーカラー33及びアウターカラー35によって挟み込まれたときに圧縮されて密封可能な厚さとする。
また、薄肉のステンレス製などからなる金属製のダイアフラムであってもよく本発明の範囲内である。
油圧調整機構16は、油室側と大気側とを連通する油圧調整孔部17と、油圧調整孔部17に螺合するテーパネジ18とからなる。
油圧調整孔部17は、取付部7の断面視ドーム状に形成された溝部9c(油室側)から取付部7の上面7a(大気側)に連通して形成され、油圧調整孔部17の油室側端17aが最も大径で、大気側端17bが最も小径となるように、油室側端17aから大気側端17bに向けて徐々に縮径してなるテーパ形状をしている。即ち、油圧調整孔部17の内周面は大気側端17bに向かって内径方向のテーパ角を有して形成されている。
また、油圧調整孔部17の内周面には、油室側端17aから大気側端17bに向けて所定長さ(孔部の長さ方向)の雌ネジ部17cが形成されている。
テーパネジ18の外周面は大気側端18bに向かって内径方向に、前記油圧調整孔部17の内周面と同様のテーパ角を有し、テーパネジ18のネジ長さは、油圧調整孔部17の孔長よりも短い。例えば、本実施形態では、テーパネジ18のネジ長さは、油圧調整孔部17の孔長さの約1/2の長さとなっている。
このとき、テーパネジ18の大気側端18bは、油圧調整孔部17の大気側端17bよりも十分に奥まった位置で緊締されており、取付部7の上面7aに突出することは無い。
なお、油圧調整孔部17にテーパネジ18を組み付ける段階では、テーパネジ18は比較的緩い締め付けトルクで締めこまれることにより設置されている。
また、本実施形態では、一例として大気側端18b(ネジ小径側端)の端面に嵌合部19を備え、さらに、油室側端18a(ネジ大径側端)の端面にも油室側嵌合部19aを備えた場合を説明したが、これに限定解釈されるものではなく、少なくともテーパネジ18の大気側端18b(ネジ小径側端)の嵌合部19が備えられていれば良い。
具体的には、圧力センサ21を取付部(トッププレート)7のセンサ連結部7dに取り付ける作業において、まず、重量測定装置に荷重が掛かっていないか、あるいは所定の荷重が掛かった状態にて、圧力センサ21の検出部21aがセンサ連結部7dに挿入されて鉛直方向にネジ込まれる。
このとき、突き当てフランジ面部21cとセンサ連結部7dの開口縁部との間に介在するワッシャ23及びOリング25が押し潰され、Oリングの弾性変形によって、突き当てフランジ面部21cをセンサ連結部7dの開口縁部との間が密封される。
このように、組み立て後に荷重測定装置内の油圧を調整して管理することができるようになったため、個別に測定値の検定をする必要もない。
言い換えれば、仮に、油圧調整孔部17及びテーパネジ18が取付部7の上面7a(大気側)に向けて拡径するテーパ形状であった場合には、測定流体(作動油)Rが密封されず漏れる虞がある。すなわち、上記圧力の調整において、テーパネジ18を油圧調整孔部17の大気側端17bの方向に移動させた場合、螺合するテーパネジ18の雄ネジ部18cと油圧調整孔部17の雌ネジ部17cとの噛み合せが解かれる方向に回転するため、測定流体(作動油)Rが漏れる隙間が生じてしまう。このため、本実施形態では、油圧調整孔部17及びテーパネジ18が取付部7の上面7a(大気側)に向けて縮径するテーパ形状に形成されている。
本体部33aの上面33a´と、前記取付部7の下面7bにおける前記開口領域9dより内側の面部(ダイアフラム収容凹部13の内側の面部13a)と、の間で、前記ダイアフラム11の第一の密封領域27を挟み込んで密封固定している。
本体部35aの上面35a´と、前記取付部7の下面7bにおける前記開口領域9dより外側の面部(ダイアフラム収容凹部13の外側の面部13b)と、の間で、前記ダイアフラム11の第二密封領域29を挟み込んで密封固定している。
また、本実施形態では、前記取付部7に設けたボルト挿通孔7gと鉛直方向で同軸上に同径のボルト挿通孔(大径)35dを同一数設けるとともに、ストッパを締結固定するためのボルト固定孔7hと同径のボルト挿通孔(小径)35eを同一数設けている。
また、本実施形態では、上述のとおり相対移動がない領域に密封構造を設けたためシール耐久性も高い。
そして、前記インナーカラー33の外径と前記アウターカラー35の内径との間の環状の隙間37に、ピストン43の押圧面部43eを位置せしめ、懸架装置1のスプリング5の弾発力により前記ダイアフラム11を押圧可能に備えられている。
また、本実施形態のピストン43は、短尺円筒部43dの内面がインナーカラー33の本体部33aの外径に沿って鉛直方向に進退可能にガイドされている(図面による横方向からの荷重(水平方向荷重)はインナーカラー33が受けることとなる)。
また、ピストン43とインナーカラー33の外径との摺接領域は、径方向に位置決めされる必要があるため、印籠構造を採用している。
パッド45は、ダイアフラム11の押圧領域31の下面に当接可能な径の環状に形成されており、特に限定解釈されるものではないが、ダイアフラム11とピストン43との間で摺動するため、自己潤滑性に優れた硬質の合成樹脂材、例えばデルリン(登録商標)等のポリアセタール樹脂からなるものなどが好ましい。
なお、パッド45を介さずに直接ピストン43が当接する形態であっても本発明の範囲内である。
また、本実施形態では、ピストン43の押圧面部43eの上面の内径寄りには、周方向に連続して鉛直方向で上方に向けて突設された環状の突条61が一体に設けられている。この突条61は、ピストン43の押圧面部43eの上面に当接するパッド45の内径が嵌合する外径を有しており、パッド45の水平方向のずれを抑止している。
環状取付部49aには、アウターカラー35のボルト挿通孔35eと取付部7のボルト固定孔7hとに鉛直方向で同軸に配されるようにボルト挿通孔49dが形成されている。
このとき、アウターカラー35の円筒状垂設部35cは、ブッシュ47の環状壁部47eの外面とストッパ部49の内面との間に形成される環状隙間51に収容される。
また、ストッパ部49を取り付けた際に、ブッシュ47の環状壁部47eの上端面とアウターカラー35の本体部35aの下面との間、及びブッシュ47の係止片47dの上面とアウターカラー35の円筒状垂設部35cの下端面との間には、それぞれ所定の隙間53,55が形成されている。この隙間53,55の範囲内でブッシュ47が鉛直方向に移動可能である。
懸架装置1のショックアブソーバ3の軸とスプリング5の軸はオフセットしているため、スプリング入力はモーメントになる。よって、モーメント荷重を受けるためスラストアンギュラ玉軸受を適用している。また、本実施形態では、前記ピストン43(パッド)とダイアフラム11との接触面を、前記スラストアンギュラ玉軸受(軸受装置)57の接触角方向の延長戦が通過するように配置している。すなわち、スプリング5の入力とダイアフラム11の荷重作用線上に軸受の荷重作用線が乗るようにスラストアンギュラ玉軸受(軸受装置)57の接触角を選択したため剛性を高く保つことができる。
なお、本実施形態では、本発明による荷重測定装置を前輪用の懸架装置に組み込んだ場合を説明したが、これに限定解釈されるものではなく、後輪用の懸架装置に組み込むことも可能である。
3 ショックアブソーバ
3a ロッド
5 コイルスプリング
7 取付部
7d センサ連結部
9 油室
9c 溝部
11 ダイアフラム
16 油圧調整機構
17 油圧調整孔
17a 大気側端
17b 油室側端
17c 雌ネジ部
18 テーパネジ
18a 大気側端
18b 油室側端
18c 雄ネジ部端
19 嵌合部(大気側)
19a 嵌合部(油室側)
21 圧力センサ
33 インナーカラー
35 アウターカラー
43 ピストン
47 ブッシュ
57 軸受装置
Claims (2)
- 懸架装置に備えられ、
上面側を車両側に固定してなる取付部と、
前記懸架装置のスプリングの弾発力により移動可能なピストンと、
前記ピストンにより押圧されて変形可能なダイアフラムと、
前記取付部の下面側と前記ダイアフラムとの間で形成されるとともに、測定流体を充填してなる所定空間の油室と、
前記取付部に備えられ、前記ピストンの移動により変化可能な油室内の測定流体の圧力変化を検出し得る圧力センサと、油室内の圧力を調整する油圧調整機構とを含み、
前記油圧調整機構は、油室側と大気側とを連通し、油室側端から大気側端に向けて徐々に縮径してなるテーパ状に形成された、少なくとも1つの油圧調整孔部と、
前記油圧調整孔部を螺合しつつ移動可能で、油室側端が大径で大気側端に向けて徐々に縮径してなるテーパネジと、を備えることを特徴とする車両の重量測定装置。 - 前記テーパネジの少なくとも小径側には、油圧調整孔部と螺合したテーパネジを回転させる工具が嵌合する嵌合部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両の重量測定装置。
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