JP2018017029A - 緊張材の中間定着構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】緊張力が導入された状態の緊張材の中間部分で周囲にある構造物に該緊張材を定着する中間定着構造を良好な施工性で形成する。
【解決手段】分離可能で対となる半割ブロック3,4を互いに結合して定着ブロックが形成され、双方の半割ブロック間に形成された中空孔6に緊張材9が挿通されている。そして、中空孔内に挿通された緊張材と中空孔の内周面との間に充填されて硬化した充填材10によって定着ブロック2と緊張材とが結合されている。この定着ブロックは緊張材の緊張力を伝達するように構造物に定着されている。緊張材の中空孔内に挿入された部分の外周面には、金属溶射によって付着した金属で複数の凸部が形成されており、これらの凸部が硬化した充填材に埋め込まれている。
【選択図】図1
【解決手段】分離可能で対となる半割ブロック3,4を互いに結合して定着ブロックが形成され、双方の半割ブロック間に形成された中空孔6に緊張材9が挿通されている。そして、中空孔内に挿通された緊張材と中空孔の内周面との間に充填されて硬化した充填材10によって定着ブロック2と緊張材とが結合されている。この定着ブロックは緊張材の緊張力を伝達するように構造物に定着されている。緊張材の中空孔内に挿入された部分の外周面には、金属溶射によって付着した金属で複数の凸部が形成されており、これらの凸部が硬化した充填材に埋め込まれている。
【選択図】図1
Description
本発明は、すでに緊張力が導入され、両端部が構造物に定着されている緊張材の中間部分に中間定着具を取り付け、該緊張材に緊張力が導入された状態を維持したまま周囲にある構造物に定着する緊張材の中間定着構造に関するものである。
コンクリート構造物には埋設された緊張材の緊張力によってプレストレスが導入されているものがある。このようなコンクリート構造物は、補修、補強又は改修等のために一部の撤去が必要となる場合がある。例えば、橋桁の幅方向の一部を撤去し、残った部分で交通を維持しながら一部を新しい橋桁に架け代えることがある。また、橋桁の軸線方向の一部、例えば桁端部が劣化して補修が必要となったときに桁端部を一旦除去し、新たにコンクリートを打設して補修することがある。この他、建築物の一部を解体することもある。このようなときに、コンクリート構造物の撤去する部分と残す部分とにわたって連続する緊張材が配置され、プレストレスが導入されていると、緊張材の中間部分を露出させ、中間定着具を取り付けて残す部分のコンクリートに定着することが行われる。そして、コンクリート構造物の残す部分には緊張力が導入された状態の緊張材を維持し、撤去する部分の緊張材を切断するとともにコンクリート構造物を撤去することが行われている。
このように緊張力が導入された状態の緊張材を中間部分で定着する中間定着具として、例えば特許文献1又は特許文献2に開示されるものがある。
特許文献1に記載の中間定着具は、緊張材が露出された部分に2つの半筒状部材を互いに結合して装着し、これらの間に膨張性グラウトを充填・硬化させて緊張材に固着させるものとなっている。そして、2つの半筒状部材からなる定着具をコンクリート構造物の残す部分と一体となった支圧層に当接させて緊張材を定着する。
特許文献2に記載の中間定着具は、2つの半割り鋼スリーブを併せてなる鋼管スリーブを露出したPC鋼材に装着し、これらの半割り鋼スリーブの周囲に複数の板状C型部材を嵌め合わせて2つの半割り鋼スリーブを互いに固定する。そして、鋼管スリーブ内に膨張材を流し込んで膨張圧により鋼管スリーブとPC鋼材とを一体化するものとなっている。
特許文献1に記載の中間定着具は、緊張材が露出された部分に2つの半筒状部材を互いに結合して装着し、これらの間に膨張性グラウトを充填・硬化させて緊張材に固着させるものとなっている。そして、2つの半筒状部材からなる定着具をコンクリート構造物の残す部分と一体となった支圧層に当接させて緊張材を定着する。
特許文献2に記載の中間定着具は、2つの半割り鋼スリーブを併せてなる鋼管スリーブを露出したPC鋼材に装着し、これらの半割り鋼スリーブの周囲に複数の板状C型部材を嵌め合わせて2つの半割り鋼スリーブを互いに固定する。そして、鋼管スリーブ内に膨張材を流し込んで膨張圧により鋼管スリーブとPC鋼材とを一体化するものとなっている。
しかしながら上記先行技術では、次のような解決が望まれる課題がある。
上記先行技術は、筒状となった部材と緊張材との間に充填材が充填され、この充填材が硬化する時の膨張圧を利用して筒状となった部材と緊張材を一体化するものである。このため、充填材が硬化したときに適正な膨張圧が生じていなければならず、充填材の硬化時における厳重な温度管理が必要となって施工性が良好ではない。
また、充填材を介して緊張材を保持する筒状の部材は、充填材の膨張圧に耐え得るとともに緊張材の緊張力を構造物等に伝達することができる強固なものが必要となり、鋼部材とすると重量が大きくなる。このため緊張力が導入されている緊張材の周囲に設置するときの作業性が悪くなっている。
上記先行技術は、筒状となった部材と緊張材との間に充填材が充填され、この充填材が硬化する時の膨張圧を利用して筒状となった部材と緊張材を一体化するものである。このため、充填材が硬化したときに適正な膨張圧が生じていなければならず、充填材の硬化時における厳重な温度管理が必要となって施工性が良好ではない。
また、充填材を介して緊張材を保持する筒状の部材は、充填材の膨張圧に耐え得るとともに緊張材の緊張力を構造物等に伝達することができる強固なものが必要となり、鋼部材とすると重量が大きくなる。このため緊張力が導入されている緊張材の周囲に設置するときの作業性が悪くなっている。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、緊張材に中間定着具を装着するときの施工性が良好な中間定着構造を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 互いに分離可能で対となる半割ブロックを結合して定着ブロックが形成され、 対となる前記半割ブロック間に形成された中空孔に緊張材が挿通されており、 前記緊張材と前記中空孔の内周面との間に充填されて硬化した充填材によって前記定着ブロックと前記緊張材とが結合され、 前記定着ブロックが前記緊張材の緊張力を伝達するように構造物に定着されており、 前記緊張材の前記中空孔内に挿入された部分の外周面に、金属溶射によって付着した金属で複数の凸部が形成されている緊張材の中間定着構造を提供する。
この緊張材の中間定着構造では、緊張材の表面に溶融した金属の飛沫が付着して凸部を形成しており、この緊張材と密接するように充填材が充填されているので、緊張材を定着ブロックから引き抜こうとする引張力が作用したときに、凸部が充填材とかみ合って緊張材が保持される。これにより、緊張材と充填材との間に大きな圧縮力が作用していなくても、緊張材を硬化した充填材から引き抜こうとする力に対して大きな耐力を有するものとなり、緊張材は充填材を介して定着ブロックに強固に保持される。つまり、硬化した充填材と緊張材との間に予め圧縮力を作用させておく必要がなく、定着ブロックの中空孔と緊張材との間に充填する充填材の管理が容易となる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の緊張材の中間定着構造において、 前記中空孔の内周面には複数の凸部又は凹部が形成されているものとする。
この緊張材の中間定着構造では、定着ブロックに形成された中空孔の内周面に凸部又は凹部が形成されているので、硬化した充填材と上記凸部又は凹部とがかみ合わされ、これらの間で緊張材の軸線方向にずれが生じるのに強く抵抗する。したがって、緊張材を定着ブロックから引き抜こうとする力に対して大きな耐力を有するものとなる。また、定着ブロックは二つの半割ブロックが結合されたものであり、結合する前には中空孔の内周面が半割ブロックの接合面に開放された状態となっている。したがって、凸部又は凹部を形成する加工を容易に行うことができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の緊張材の中間定着構造において、 前記中空孔は断面の狭窄部を有するものとする。
この緊張材の中間定着構造では、緊張材を定着ブロックから引き抜こうとする力が作用したときに、中空孔の内周面と緊張材との間に充填されて硬化した充填材が中空孔の断面狭窄部で保持され、大きな抵抗力を有するものとなる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の緊張材の中間定着構造において、 対となる前記半割ブロックは、前記緊張材の軸線方向に配列された複数列のボルトによって互いに結合されており、 前記半割ブロックの少なくとも一方は、前記緊張材の軸線方向に配列された複数の小ブロックに分割され、 前記緊張材の両側に配置された少なくとも一対の前記ボルトによってそれぞれの前記小ブロックが対向する他方の半割ブロックと結合されているものとする。
この緊張材の中間定着構造では、半割ブロックが複数の小ブロックに分割されていることにより、重量が小さい小ブロックごとに緊張材の周囲に配置して定着ブロックを所定の位置に装着することができる。したがって、定着ブロックを緊張材の周囲に配置する作業の効率が向上する。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の緊張材の中間定着構造において、 前記半割ブロックの一方が複数に分割され、これらの小ブロックのうちの少なくとも二つが、他方の半割ブロックの複数に分割された小ブロックの一つ、又は分割されていない単一の半割ブロックと結合されているものとする。
この緊張材の中間定着構造では、対となる半割ブロックを互いに結合するためのボルトによって、分割された小ブロックを一体に結合することができる。
以上説明したように本発明の緊張材の中間定着構造では、定着ブロックと緊張材とを一体に結合する充填材の硬化時の管理が容易となり作業性が向上する。また、定着ブロックを構成する半割ブロックをさらに複数の小ブロックに分割することにより、定着ブロックを構成する個々の部材の重量を軽減し、緊張力が導入されている緊張材の周囲に設置する作業の効率が向上する。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る緊張材の中間定着構造を示す側面図、正面図及び平面図であり、図2は、図1中に示すA−A線及びB−B線における断面図である。
この緊張材の中間定着構造は、緊張力が導入されている緊張材9の中間部分に中間定着具1が装着され、この中間定着具1が構造物を形成するコンクリートに埋め込まれるものである。
中間定着具1は二つの半割ブロック3,4を結合して成る定着ブロック2を備えるものである。これら二つの半割ブロック3,4が緊張材を両側から挟み込むように対向し、結合されている。そして、半割ブロック3,4間に形成される中空孔6内に緊張材9が挿通された状態となっている。一方、緊張材9の中空孔6内にある部分には金属溶射によって金属の飛沫が付着し、凸部(図示しない)が形成されている。この緊張材9と定着ブロック2に形成された中空孔6の内周面と間に充填材10が充填され、緊張材9の表面に形成された凸部を埋め込んだ状態で硬化している。
図1は、本発明に係る緊張材の中間定着構造を示す側面図、正面図及び平面図であり、図2は、図1中に示すA−A線及びB−B線における断面図である。
この緊張材の中間定着構造は、緊張力が導入されている緊張材9の中間部分に中間定着具1が装着され、この中間定着具1が構造物を形成するコンクリートに埋め込まれるものである。
中間定着具1は二つの半割ブロック3,4を結合して成る定着ブロック2を備えるものである。これら二つの半割ブロック3,4が緊張材を両側から挟み込むように対向し、結合されている。そして、半割ブロック3,4間に形成される中空孔6内に緊張材9が挿通された状態となっている。一方、緊張材9の中空孔6内にある部分には金属溶射によって金属の飛沫が付着し、凸部(図示しない)が形成されている。この緊張材9と定着ブロック2に形成された中空孔6の内周面と間に充填材10が充填され、緊張材9の表面に形成された凸部を埋め込んだ状態で硬化している。
二つの半割ブロック3,4はいずれも鋼からなるものであり、外形がほぼ直方体となっている。そして、これらを重ね合わせて結合するときの対向面にそれぞれ断面がほぼ半円状となる溝が形成されており、これら二つの半割ブロック3,4を結合したときに、これらの半割ブロック3,4間に断面形状がほぼ円形で定着ブロック2を貫通する中空孔6が形成されるものとなっている。
中空孔6の内周面には、多数の凹部(図示しない)が形成されている。この凹部は、例えば、中空孔となる溝が形成された半割ブロック3,4に、切削ドリル等を用いて複数の穴を穿設することによって形成することができる。
また、上記中空孔6の内周面には上記凹部を設けるとともに、緊張材が引っ張られる方向Dの下流側端部に、断面の狭窄部13が形成されている。この狭窄部13は、中空孔6の内径が縮小されたものである。
二つの半割ブロック3,4にはそれぞれ複数のボルト孔7,8が設けられており、これらは二つの半割ブロック3,4の間に形成された中空孔6の両側に配列されている。そして、第1の半割ブロック3に設けられたボルト孔7は、結合手段であるボルト5を挿通して該ボルト4の頭部を孔内で係止することができるように内径が変化するものとなっている。また、第2の半割ブロック4には、上記ボルト5をねじ込むことができるボルト孔8、つまり内周面に雌ネジが切削されたボルト孔8が形成されている。したがって、第1の半割ブロック3側からボルト孔7に挿入したボルト5の先端部を第2の半割ブロック4に形成されたボルト孔8にねじ込み、締め付けることによって第1の半割ブロック3と第2の半割ブロック4とを一体に結合することができるものとなっている。
上記中空孔6は、二つの半割ブロック3,4を緊張力が導入された状態の緊張材9の両側から対向させ、緊張材9が溝内にある状態で結合することにより、緊張材9が挿通された状態とすることができるものである。
一方、緊張材9は中空孔6内となる部分に凸部が形成されている。この凸部は金属溶射によって形成されたものである。金属溶射は、ガスの燃焼又は電気エネルギーを用いて金属材料を溶融し、溶滴を気体とともに溶射の対象となる部材に吹き付けるものである。線状又は粉末状の金属をガスの燃焼によって溶融し、圧縮気体で溶滴を飛翔させるもの、アーク放電によって金属を溶融し、圧縮気体によって溶滴を吹き付けるもの、アークによって加熱したガスをノズルから噴射し、その中に金属の粉末を供給することによって溶融し、対象物に吹き付けるもの等を採用することができる。
また、溶射する材料は鋼、ステンレススチール、亜鉛又はこれらを含む合金等を用いることができる。
金属溶射によって緊張材9の表面に凸部を形成するには、例えば次にように溶射を行うことができる。なお、本発明では、緊張材9は鋼線、鋼より線又は鋼棒を用いる。
図3(a)に示すように、緊張材9に接近した位置にマスク14を支持し、マスク14を介して溶射装置16により溶射を行う。マスク14によって溶滴の飛翔が遮断される部分では緊張材の表面に溶滴が付着せず、マスク14に設けられたスリット14a又は小孔を通過した溶滴が緊張材9の表面に付着する。したがって、溶滴が付着した部分が付着していない部分より盛り上がって凸部15となる。溶射による金属層が例えば溶射対象となる部材上で3mm程度となるまで積層することができるものであると、上記凸部15はほぼ3mmの高さで形成することができるものである。
また、図3(b)に示すように溶射装置16を移動して、所定の位置に集中して溶射することにより、凸部17を形成することもできる。このような凸部17も、ほぼ同様の高さで形成することができる。
図3(a)に示すように、緊張材9に接近した位置にマスク14を支持し、マスク14を介して溶射装置16により溶射を行う。マスク14によって溶滴の飛翔が遮断される部分では緊張材の表面に溶滴が付着せず、マスク14に設けられたスリット14a又は小孔を通過した溶滴が緊張材9の表面に付着する。したがって、溶滴が付着した部分が付着していない部分より盛り上がって凸部15となる。溶射による金属層が例えば溶射対象となる部材上で3mm程度となるまで積層することができるものであると、上記凸部15はほぼ3mmの高さで形成することができるものである。
また、図3(b)に示すように溶射装置16を移動して、所定の位置に集中して溶射することにより、凸部17を形成することもできる。このような凸部17も、ほぼ同様の高さで形成することができる。
上記のように凸部15,17が形成された緊張材9が定着ブロック2に形成された中空孔6に挿通された状態で、上記中空孔6の内周面と緊張材9との間に充填材10が充填されている。充填材10は充填後に硬化し、中空孔6内で緊張材9の凸部が形成された部分を埋め込んで該緊張材と定着ブロックとを結合するものとなっている。充填材は、例えば無収縮モルタルを用いることができる。また、コンクリート部材内に埋め込まれて緊張材が挿通されたシース内に充填されるグラウト材や膨張性のグラウト材等を用いることもできるが、大きな膨張圧を期待するものではなく、厳重な温度管理等を行う必要はない。
上記凸部を埋め込むように充填する充填材10は、第1の半割ブロック3に設けられた注入口11から注入することができる。注入口11は緊張材9が引っ張られる方向Dの下流側に設けられている。この注入口11から直接に、又はホースを接続して自然流下又は加圧によって注入することができる。
第1の半割ブロック3の、緊張材9が引っ張られる方向Dにおける上流側の端部付近には、排出口12が設けられており、注入口11から充填材10を注入するときに、中空孔6内の空気を排出して充填材10が円滑に注入されるものとなっている。
第1の半割ブロック3の、緊張材9が引っ張られる方向Dにおける上流側の端部付近には、排出口12が設けられており、注入口11から充填材10を注入するときに、中空孔6内の空気を排出して充填材10が円滑に注入されるものとなっている。
このような緊張材の中間定着構造では、中間定着具1の定着ブロック2が二つの半割ブロック3,4からなり、これらが結合手段であるボルト5によって結合されるものとなっているので、緊張力が導入されている状態の緊張材9の中間部分に容易に装着することができる。つまり、緊張材9の両側から二つの半割ブロック3,4を互いに当接し、結合することによって形成される中空孔6に緊張材9が挿通された状態となる。この中空孔6内に充填材10を充填して緊張材9と一体に結合することができる。緊張材9に結合された定着ブロック2は構造物に固定することによって緊張材9の緊張力を、定着ブロック2を介して構造物に伝達することが可能となる。
そして、定着ブロック2が結合された位置より後方側、つまり緊張材9が中間定着具1に対して引っ張られる方向Dの上流側で緊張材9の緊張力を解放すると、下流側に導入されている緊張力が中間定着具1を介して構造物に伝達される。
このとき、中空孔6内の硬化した充填材10は緊張材9に付着するとともに、緊張材9の表面に設けられている複数の凸部15,17とかみ合って緊張材9との間でずれることはなく、緊張材9が強固に保持される、また、中空孔6の内周面には複数の凹部が形成され、この凹部に入り込んで硬化している充填材10とかみ合って、硬化した充填材10は二つの半割ブロック3,4からなる定着ブロック2に強固に保持される。したがって、緊張材9の緊張力は硬化した充填材10及び中間定着具1を介して構造物に定着される。
このとき、中空孔6内の硬化した充填材10は緊張材9に付着するとともに、緊張材9の表面に設けられている複数の凸部15,17とかみ合って緊張材9との間でずれることはなく、緊張材9が強固に保持される、また、中空孔6の内周面には複数の凹部が形成され、この凹部に入り込んで硬化している充填材10とかみ合って、硬化した充填材10は二つの半割ブロック3,4からなる定着ブロック2に強固に保持される。したがって、緊張材9の緊張力は硬化した充填材10及び中間定着具1を介して構造物に定着される。
なお、上述した実施の形態では、定着ブロック2に形成される中空孔6の内周面には複数の凹部が形成されたものであったが、半割ブロックに溝を形成するときに周方向の溝を切削しておくものであってもよい。
また、中空孔の内周面には凹部に代えて又は凹部とともに凸部を設けるものであってもよい。凸部は、図4(a)に示すように緊張材9の軸線方向の溝を形成するときに周方向に連続する凸部18を形成するものであってもよいし、点溶接によって小さな突起を多数設けるものであってもよい。周方向に延びる凸部18を設けるときには、図4(b)に示すように充填材を充填するときに中空孔6の内周面の最上位となる位置に緊張材9の軸線方向の溝19を形成しておくのが望ましい。この溝19は周方向の凸部が設けられた位置を越えて底面が緊張材の軸線方向に連続するものであり、中空孔6の内周面が急変する部分でも充填材10が充填されない部分が生じるのを回避することができる。
また、中空孔の内周面には凹部に代えて又は凹部とともに凸部を設けるものであってもよい。凸部は、図4(a)に示すように緊張材9の軸線方向の溝を形成するときに周方向に連続する凸部18を形成するものであってもよいし、点溶接によって小さな突起を多数設けるものであってもよい。周方向に延びる凸部18を設けるときには、図4(b)に示すように充填材を充填するときに中空孔6の内周面の最上位となる位置に緊張材9の軸線方向の溝19を形成しておくのが望ましい。この溝19は周方向の凸部が設けられた位置を越えて底面が緊張材の軸線方向に連続するものであり、中空孔6の内周面が急変する部分でも充填材10が充填されない部分が生じるのを回避することができる。
次に上記緊張材の中間定着構造を用いて、緊張力が導入されている緊張材の一部の緊張力を解放する例について説明する。
図5は、本発明に係る緊張材の中間定着構造を用いてプレストレストコンクリートからなる橋桁の一部を撤去する例を示す概略断面図である。
この橋桁20は複数の主桁21を有するものであり、これらの主桁21に支持される床版22には幅方向に横締め緊張材23が配置されている。この橋桁20を老朽化等の理由によって架け代えるものであり、幅方向の約半分を残存させて車両等の交通を維持するとともに、約半分を撤去して新たな橋桁に架け代える。そして、新たな橋桁が完成すると、交通を新たな橋桁上に切り代え、最初に残存させた部分を撤去してこの部分も新たな橋桁に架け代えるものである。橋桁20の幅方向の約半分を撤去するためには残存させる部分20aで横締め緊張材23の緊張力を維持し、撤去する部分20bではコンクリートを破砕するとともに横締め緊張材23の緊張力を解放して切断することになる。
図5は、本発明に係る緊張材の中間定着構造を用いてプレストレストコンクリートからなる橋桁の一部を撤去する例を示す概略断面図である。
この橋桁20は複数の主桁21を有するものであり、これらの主桁21に支持される床版22には幅方向に横締め緊張材23が配置されている。この橋桁20を老朽化等の理由によって架け代えるものであり、幅方向の約半分を残存させて車両等の交通を維持するとともに、約半分を撤去して新たな橋桁に架け代える。そして、新たな橋桁が完成すると、交通を新たな橋桁上に切り代え、最初に残存させた部分を撤去してこの部分も新たな橋桁に架け代えるものである。橋桁20の幅方向の約半分を撤去するためには残存させる部分20aで横締め緊張材23の緊張力を維持し、撤去する部分20bではコンクリートを破砕するとともに横締め緊張材23の緊張力を解放して切断することになる。
橋桁の一部撤去は次のような工程で行うことができる。
最初に、橋桁20の幅方向におけるほぼ中央部でコンクリートを斫り、緊張材23を露出させる。そして、図6(a)に示すように露出した緊張材23に対し、溶射装置16から金属の溶滴を射出し、マスク14を介して吹き付ける。これにより、マスクのスリット又は小孔を通過した溶滴が緊張材23に付着して凸部(図示しない)を形成する。このように凸部が形成された部分で、図5(a)及び図6(b)に示すように、中間定着具1を装着する。二つの半割ブロック3,4は緊張力が導入されている緊張材23の両側から中空孔となる位置に緊張材23が挿通されるように配置し、互いに結合して支持する。
二つの半割ブロック3,4を結合して形成された中空孔6は、図7(a)に示すように両端に板材24等を接着し、緊張材23が挿通された状態で閉鎖する。そして、中空孔6内に注入口11から充填材を注入する。
最初に、橋桁20の幅方向におけるほぼ中央部でコンクリートを斫り、緊張材23を露出させる。そして、図6(a)に示すように露出した緊張材23に対し、溶射装置16から金属の溶滴を射出し、マスク14を介して吹き付ける。これにより、マスクのスリット又は小孔を通過した溶滴が緊張材23に付着して凸部(図示しない)を形成する。このように凸部が形成された部分で、図5(a)及び図6(b)に示すように、中間定着具1を装着する。二つの半割ブロック3,4は緊張力が導入されている緊張材23の両側から中空孔となる位置に緊張材23が挿通されるように配置し、互いに結合して支持する。
二つの半割ブロック3,4を結合して形成された中空孔6は、図7(a)に示すように両端に板材24等を接着し、緊張材23が挿通された状態で閉鎖する。そして、中空孔6内に注入口11から充填材を注入する。
充填材が硬化した後、図7(b)に示すように中間定着具1を埋め込むようにコンクリート25を打ち戻して残存させる部分20aのコンクリートと一体とする。打設したコンクリート25が硬化した後、図5(b)及び図8に示すように、中間定着具1がコンクリート25に埋め込まれた状態を維持したまま、撤去する部分20bの橋桁を破砕し、緊張材23は切断する。これにより緊張材23に導入されている緊張力は中間定着具1を介して残存させる部分20aのコンクリートに定着され、残存させる部分では幅方向のプレストレスが導入された状態が維持される。
なお、装着された中間定着具1を埋め込むように打設するコンクリート25に代えて、図9に示すように残存させる部分20aと一体となり、定着ブロック2の端面から力が伝達されるようにコンクリート26を打設してもよい。また、このように打設するコンクリート26と定着ブロック2との間には鋼プレート27等を介挿することもできる。
なお、装着された中間定着具1を埋め込むように打設するコンクリート25に代えて、図9に示すように残存させる部分20aと一体となり、定着ブロック2の端面から力が伝達されるようにコンクリート26を打設してもよい。また、このように打設するコンクリート26と定着ブロック2との間には鋼プレート27等を介挿することもできる。
図10は、本発明の他の実施形態である緊張材の中間定着構造を示す平面図及び断面図である。
この緊張材の中間定着構造は、中間定着具31の形態が異なるものであるが、図1及び図2に示す中間定着構造と同様に、中間定着具1が二つの半割ブロック33,34からなる定着ブロック32と、二つの半割ブロック33,34を互いに結合して一体とする複数のボルト35とを備える点は共通している。また、緊張材36の中間定着具1が装着される部分に金属溶射による凸部(図示しない)が形成されている点でも共通している。そして、この中間定着構造では、図1及び図2に示される中間定着構造と異なり、中間定着具31が備えている二つの半割ブロック33,34が、それぞれ複数に分割されている。つまり、分割された複数の小ブロックが緊張材36の軸線方向に配列され、これらが結合されてそれぞれの半割ブロック33,34を形成している。それぞれの小ブロックは、第1の半割ブロック33と第2の半割ブロック34とで分割位置が同一となっており、同数の小ブロックがそれぞれ対となっている。
この緊張材の中間定着構造は、中間定着具31の形態が異なるものであるが、図1及び図2に示す中間定着構造と同様に、中間定着具1が二つの半割ブロック33,34からなる定着ブロック32と、二つの半割ブロック33,34を互いに結合して一体とする複数のボルト35とを備える点は共通している。また、緊張材36の中間定着具1が装着される部分に金属溶射による凸部(図示しない)が形成されている点でも共通している。そして、この中間定着構造では、図1及び図2に示される中間定着構造と異なり、中間定着具31が備えている二つの半割ブロック33,34が、それぞれ複数に分割されている。つまり、分割された複数の小ブロックが緊張材36の軸線方向に配列され、これらが結合されてそれぞれの半割ブロック33,34を形成している。それぞれの小ブロックは、第1の半割ブロック33と第2の半割ブロック34とで分割位置が同一となっており、同数の小ブロックがそれぞれ対となっている。
二つの半割ブロックを結合するボルト35は、双方の半割ブロック33,34を構成する小ブロックであって対となるもののそれぞれについて、緊張材36が挿通される位置の両側に少なくとも一本ずつが配置され、対となる小ブロック(33a,34a),(33b,34b),(33c,34c),(33d,34d)を互いに結合するものとなっている。
第1の半割ブロック33に設けられてボルト35が挿通されるボルト孔37及び第2の半割ブロック34に設けられてボルト35の先端部がねじ込まれるボルト孔38は、図1に示す中間定着具1と同様に設けられている。
第1の半割ブロック33に設けられてボルト35が挿通されるボルト孔37及び第2の半割ブロック34に設けられてボルト35の先端部がねじ込まれるボルト孔38は、図1に示す中間定着具1と同様に設けられている。
対となる小ブロック(33a,34a),(33b,34b),(33c,34c),(33d,34d)を結合するときの対向面には、それぞれ溝が形成されており、これらを互いに結合したときに、これらの対となる小ブロック(33a,34a),(33b,34b),(33c,34c),(33d,34d)の間に断面形状がほぼ円形となる中空孔39が形成されるものとなっている。そして、これらの小ブロック対を緊張力が導入されている緊張材36の両側から対向させ、結合するとともに複数の小ブロック対を緊張材36の軸線方向に連結することによって各小ブロック対に形成された中空孔39が連続し、2つの半割ブロック33,34間に形成された中空孔内に緊張材36が挿通された状態となるものである。
上記小ブロック対を連結して形成された連続する中空孔39内には充填材の注入孔(図示しない)から充填材40が充填される。そして、充填材40が硬化することによって二つの半割ブロック33,34からなる定着ブロック32と表面に凸部が形成された緊張材36とが一体に結合されるものである。
小ブロック対の間に形成される中空孔39は内径がほぼ一定となっているが、緊張材36が引っ張られる方向Dにおける各小ブロック対の下流側端部に中空孔の断面の狭窄部46が形成されている。これにより、中空孔39の内周面と緊張材36との間に充填され、硬化した充填材40が緊張材36から伝達される緊張力によって定着ブロック32から抜け出るのを抑止するものとなっている。
また、図10に示すように定着ブロック32を貫通するように連続した中空孔39内に複数の断面の狭窄部46が形成されているときには、図11(a)に示すように緊張材36の軸線方向に連続する溝47を形成しておくのが望ましい。この溝47によって中空孔39の断面が急変する部分でも充填材40が流動しやすく、空間を残すことなく充填することが容易となる。
また、図10に示すように定着ブロック32を貫通するように連続した中空孔39内に複数の断面の狭窄部46が形成されているときには、図11(a)に示すように緊張材36の軸線方向に連続する溝47を形成しておくのが望ましい。この溝47によって中空孔39の断面が急変する部分でも充填材40が流動しやすく、空間を残すことなく充填することが容易となる。
なお、分割された小ブロック33a−d,34a−dのそれぞれには、図11に示すように緊張材の軸線方向に小孔41a,41bを設けておき、この小孔41a,41bに長ボルト42を挿通してナット43で締め付けることにより小ブロック33a−d,34a−dを連結してそれぞれの半割ブロック33,34とすることができる。また、小孔41a,41bとは別に、半割ブロックを構成するように接合される小ブロックの双方の接合面にピン穴44a,44b設けておき、位置決めピン45を挿入して双方の接合位置を正確に設定できるものとするのが望ましい。
このように半割ブロック33,34のそれぞれが複数の小ブロックに分割されている中間定着具31では、小ブロック対ごとに緊張材36の両側から対向させて結合することができ、小ブロックは分割によって重量が小さくなっているので緊張材36が中空孔39に挿通されるように結合する作業を効率よく行うことが可能となる。
半割ブロックを複数の小ブロックに分割するときに、図12に示すように二つの半割ブロック間で分割位置を異なる位置とすることもできる。この中間定着具51では、第1の半割ブロック53を3分割とし、第2の半割ブロック54を2分割としている。第1の半割ブロック53は、4対のボルト対のうちの第1のボルト対55aと第2のボルト対55bとの間及び第3のボルト対55cと第4のボルト対55dとの間で分割し、第2の半割ブロック54は、第2のボルト対55bと第3のボルト対55cとの間で分割している。したがって、この中間定着具51を緊張材52の周囲に設置するときには、まず第1の半割ブロック53の第1の小ブロック53aと第2の半割ブロック54の第1の小ブロック54aとを第1のボルト対55aによって結合し、次に第2の半割ブロック54の第1の小ブロック54aと第1の半割ブロック53の第2の小ブロック53bとを第2のボルト対55bによって結合することができる。さらに、第1の半割ブロック53の第2の小ブロック53bと第2の半割ブロック54の第2の小ブロック54bとを第3のボルト対55cによって結合し、第2の半割ブロック54の第2の小ブロック54bと第1の半割ブロック53の第3の小ブロック53cとを第4のボルト対55dによって結合することによって、複数の小ブロックを結合するとともに2つの半割ブロック53,54を結合して緊張材52の周囲に設置することが可能となる。
なお、図12に示す例では第1の半割ブロック53と第2の半割ブロック54との双方を複数の小ブロックに分割しているが、第1の半割ブロック又は第2の半割ブロックのいずれか一方を複数に分割し、他方を分割することなく使用するものであってもよい。このときには分割された半割ブロックの各々の小ブロックを分割されていない他方の半割ブロックに順次に結合することができる。
以上に説明した緊張材の中間定着構造は、本発明の一実施形態であって、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の範囲内で形状、寸法、ボルトの数、材料等を変更し、他の形態で実施することができる。また、本発明の中間定着構造の適用は、図5に示すような橋桁の横締め緊張材に限定されるものではなく、図13及び図14に示すように橋桁の軸線方向に配置された緊張材について使用することもできる。
図13及び図14に示す適用例は、プレストレストコンクリートからなる橋桁61の端部が経年劣化して補修が必要になったときに、桁端部に限定して緊張材62の緊張力を解放し、桁端部を破砕して新たなコンクリートを打設するのに中間定着具71が用いられたものである。
このような適用例では、図13に示すように橋桁61の残存させる部分61aで緊張材の周囲のコンクリート63を斫り、緊張材62を露出させる。露出した緊張材62には金属溶射によって凸部を形成し、この部分が中間定着具71の中空孔内となるように中間定着具71を装着する。そして、この中間定着具71を埋め込むようにコンクリートを打設して橋桁の残存させる部分61aと一体とする。
打設したコンクリートが硬化した後、図14(a)に示すように仮支柱64によって橋桁61を仮支持し、橋桁の端部61bのコンクリートを破砕して除去するとともに中間定着具71より端部側で緊張材62の緊張力が解放された部分を切断する。切断した緊張材62には、図14(b)に示すように新たな緊張材65を接続して、桁端部の新たなコンクリート66を打設する。そして、硬化後に接続した緊張材64に緊張力を導入して橋桁端部の補修を完了する。
このような適用例では、図13に示すように橋桁61の残存させる部分61aで緊張材の周囲のコンクリート63を斫り、緊張材62を露出させる。露出した緊張材62には金属溶射によって凸部を形成し、この部分が中間定着具71の中空孔内となるように中間定着具71を装着する。そして、この中間定着具71を埋め込むようにコンクリートを打設して橋桁の残存させる部分61aと一体とする。
打設したコンクリートが硬化した後、図14(a)に示すように仮支柱64によって橋桁61を仮支持し、橋桁の端部61bのコンクリートを破砕して除去するとともに中間定着具71より端部側で緊張材62の緊張力が解放された部分を切断する。切断した緊張材62には、図14(b)に示すように新たな緊張材65を接続して、桁端部の新たなコンクリート66を打設する。そして、硬化後に接続した緊張材64に緊張力を導入して橋桁端部の補修を完了する。
1:中間定着具, 2:定着ブロック, 3:第1の半割ブロック, 4:第2の半割ブロック, 5:ボルト, 6:中空孔, 7:第1の半割ブロックに設けられたボルト孔, 8:第2の半割ブロックに設けられたボルト孔, 9:緊張材, 10:充填材, 11:注入口, 12:排出口, 13:中空孔の断面狭窄部、 14:マスク, 15:金属の溶滴が付着した凸部, 16:溶射装置, 17:金属の溶滴が付着した凸部, 18:凸部, 19:溝,
20:橋桁, 20a:橋桁の残存させる部分, 20b:橋桁の撤去する部分, 21:主桁, 22:床版, 23:横締め緊張材, 24:中空孔を閉鎖する板材, 25:中間定着具を埋め込むコンクリート, 26:定着ブロックから力が伝達されるコンクリート, 27:鋼プレート,
31:中間定着具, 32:定着ブロック, 33:第1の半割ブロック, 34:第2の半割ブロック, 35:ボルト, 36:緊張材, 37:第1の半割ブロックに設けられたボルト孔, 38:第2の半割ブロックに設けられたボルト孔, 39:中空孔, 40:充填材, 41:小孔, 42:長ボルト, 43:ナット, 44:ピン孔, 45:位置決めピン, 46:中空孔の断面の狭窄部, 47:溝,
51:中間定着具, 52:緊張材, 53:第1の半割ブロック, 54:第2の半割ブロック, 55:ボルト対,
61:橋桁, 62:緊張材, 63:緊張材を露出させるために斫るコンクリート, 64:仮支柱, 65:新たに接続した緊張材, 66:桁端部に打設したコンクリート, 71:中間定着具
20:橋桁, 20a:橋桁の残存させる部分, 20b:橋桁の撤去する部分, 21:主桁, 22:床版, 23:横締め緊張材, 24:中空孔を閉鎖する板材, 25:中間定着具を埋め込むコンクリート, 26:定着ブロックから力が伝達されるコンクリート, 27:鋼プレート,
31:中間定着具, 32:定着ブロック, 33:第1の半割ブロック, 34:第2の半割ブロック, 35:ボルト, 36:緊張材, 37:第1の半割ブロックに設けられたボルト孔, 38:第2の半割ブロックに設けられたボルト孔, 39:中空孔, 40:充填材, 41:小孔, 42:長ボルト, 43:ナット, 44:ピン孔, 45:位置決めピン, 46:中空孔の断面の狭窄部, 47:溝,
51:中間定着具, 52:緊張材, 53:第1の半割ブロック, 54:第2の半割ブロック, 55:ボルト対,
61:橋桁, 62:緊張材, 63:緊張材を露出させるために斫るコンクリート, 64:仮支柱, 65:新たに接続した緊張材, 66:桁端部に打設したコンクリート, 71:中間定着具
Claims (5)
- 互いに分離可能で対となる半割ブロックを結合して定着ブロックが形成され、
対となる前記半割ブロック間に形成された中空孔に緊張材が挿通されており、
前記緊張材と前記中空孔の内周面との間に充填されて硬化した充填材によって前記定着ブロックと前記緊張材とが結合され、
前記定着ブロックが前記緊張材の緊張力を伝達するように構造物に定着されており、
前記緊張材の前記中空孔内に挿入された部分の外周面に、金属溶射によって付着した金属で複数の凸部が形成されていることを特徴とする緊張材の中間定着構造。 - 前記中空孔の内周面には複数の凸部又は凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の緊張材の中間定着構造。
- 前記中空孔は断面の狭窄部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の緊張材の中間定着構造。
- 対となる前記半割ブロックは、前記緊張材の軸線方向に配列された複数列のボルトによって互いに結合されており、
前記半割ブロックの少なくとも一方は、前記緊張材の軸線方向に配列された複数の小ブロックに分割され、
前記緊張材の両側に配置された少なくとも一対の前記ボルトによってそれぞれの前記小ブロックが対向する他方の半割ブロックと結合されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の緊張材の中間定着構造。 - 前記半割ブロックの一方が複数に分割され、これらの小ブロックのうちの少なくとも二つが、他方の半割ブロックの複数に分割された小ブロックの一つ、又は分割されていない単一の半割ブロックと結合されていることを特徴とする請求項4に記載の緊張材の中間定着構造。
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WO2019202793A1 (ja) * | 2018-04-19 | 2019-10-24 | 株式会社I・B・H柴田 | コンクリート用粗骨材 |
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JP2022183128A (ja) * | 2021-05-28 | 2022-12-08 | エンド ロボティクス カンパニー リミテッド | テンドン-シース駆動装置 |
-
2016
- 2016-07-28 JP JP2016148311A patent/JP2018017029A/ja active Pending
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