JP2018016915A - 男性用ズボン - Google Patents

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大澤香奈子
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田中健一
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Abstract

【課題】腹部突出が顕著な身体的特徴を有する者であっても、お腹の収まりをよくした上で、お尻のダブつきにも手当てした、新たなパターン設計に基づく男性用作業ズボンを実現する。
【解決手段】ズボンを展開したパターン上において、前ズボン1の股ぐり線11と後ズボン2の尻ぐり線21の交点をクロッチポイントCP、このクロッチポイントCPを通り前ズボン1及び後ろズボン2を横断する線を太腿わたり線3、この太腿わたり線3に平行であり且つヒップの最凸部を収容するラインをヒップライン4、ヒップライン4が股ぐり線11および尻ぐり線21と交叉する2点間を結ぶ線を胴わたり線5とした場合に、クロッチポイントCPから胴わたり線5におろした垂線Vが胴わたり線5を前後に内分したときの前側胴わたり寸法m1の胴わたり寸法M全体に占める比率である前側クロッチ比率R1が(42±11)%の範囲に収まるように、クロッチポイントCPの位置を設定した。
【選択図】図1

Description

本発明は、腹部突出が顕著な体型のユーザーに好適となる男性用ズボンに関するものである。
腹部突出の大半がメタボ等に起因するのは男性である。腹部突出はズボンの履き心地を損ねるだけでなく動きに大きな制約となる。以下、動き易さが求められる男性用作業ズボンを例に挙げて説明する。作業ズボンに求められる機能として作業の安全性と作業の容易性の確保は重要である。後者は作業の容易性に関連するズボンの履きやすさや履き心地といった感覚的なものであり、パターン設計は製作者の経験に頼って行なわれている。
特に作業ズボンの場合、動き易さ、座位での窮屈感の有無、足の曲げ易さ、お尻のゆとり感、股ぐりの食い込み感、ウエスト、お腹周りの窮屈感等といった観点が重要であり、それらを踏まえたうえで市販されている作業ズボンは、身丈毎に、ゆとりの大きいルーズタイプから身体にフィットする細身タイプまでさまざまあり、タックの有無、ポケットの種類と配置を含めるとそのバリエーションは豊富であって、ユーザーに幅広い選択肢が用意されている。
ユーザーにアンケートをとってみても、価格が手頃、動きやすい、丈夫であることが良い点として上がり、作業ズボンユーザーは作業ズボンにデザイン性や楽に履けることへの要望が強いことが判明した。
特に関連する文献ではないが、ズボンのパターンを理解するものとして特許文献1を挙げることができる。
特開2012−31563号公報
ところで、メタボリックシンドロームによる体型変化も近年問題となっている。腹部突出が起こると、ウエストが入らなくなる。ルーズタイプを選択するユーザーであればラージサイズにサイズアップすれば解消するが、外観のスマートさを求めるために細身タイプや中間タイプを志向するユーザーの場合、腹部が収まるようなラージサイズにサイズアップしても、やはりお腹周りがきつく感じ、逆に臀部側にダブつき感が生じて外観のスマートさが損なわれる事態が生じる。その結果、この種のユーザーは細身タイプや中間タイプを選択しづらく、ルーズタイプの選択を余儀なくされていることも判明した。従来、このようなメタボ体型に対応したズボンに関する検討、開発は、作業ズボンでも一般のズボンでも行なわれてきていない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、特に腹囲の変化の主因がメタボ等に多い男性に絞り、既存のパターンをベースにして、腹部突出が顕著な身体的特徴を有する者であっても、お腹の収まりをよくした上で、お尻のダブつきにも手当てした、新たなパターン設計に基づく男性用ズボンを実現することを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、股ぐり形状とウエスト前後差に着目した。股ぐりと尻ぐりはそれぞれ身体のお腹側の厚みとお尻側の厚みを収容する箇所であり、前ウエストと後ろウエストはそれぞれ身体のお腹側とお尻側に回り込むウエストラインであることを考えるうちに、腹部突出形状に合わせるためには何処の基点を動かせばよいかが次第に明らかとなってきた。その結果、以下のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の男性用ズボンは、ズボンを展開したパターン上において、前ズボンの股ぐり線と後ズボンの尻ぐり線の交点をクロッチポイント、このクロッチポイントを通り前ズボン及び後ろズボンを横断する線を太腿わたり線、この太腿わたり線に平行であり且つヒップの最凸部を収容するラインをヒップライン、ヒップラインが股ぐり線および尻ぐり線と交叉する2点間を結ぶ線を胴わたり線とした場合に、前記クロッチポイントから前記胴わたり線におろした垂線が胴わたり線を前後に内分したときの前側胴わたり寸法の胴わたり寸法全体に占める比率である前側クロッチ比率が(42±11)%の範囲に収まるように、前記クロッチポイントの位置を設定したことを特徴とする。
胴わたり線は胴の厚みであり、クロッチポイントは股の付け根の中心である。腹部突出が著しいと股の付け根の位置が胴体の厚み方向に沿って相対的に後ろに移動する。しかしながら、既製品をサンプリングしたところ、ルーズタイプや細身タイプなどのタイプによらず、また身丈のサイズによらず、クロッチポイントはわたりに対して一律に前方に位置し、採寸したところ前側クロッチ比率が25〜28%の範囲から出るものはなかった。すなわち、腹部突出に起因した身体のクロッチ形状の変化に対して、ズボンのクロッチ形状が対応していない(齟齬が生じている)ことが判明した。
そこで本発明は、クロッチポイントの位置を胴わたりに対して、上記の範囲で後ろにずらすことにより、クロッチ周辺においてお腹側の収まりが良く、お尻側のダブつきも解消したものである。
この場合、前側クロッチ比率が(42〜53)%の範囲に収まるように、前記クロッチポイントの位置を設定することが特に効果的である。
また、ウエストに関しては、前ズボンの上縁の前ウエスト寸法W1と、後ろズボンの上縁の後ろウエスト寸法W2の関係が、W1>W2となるように設定することが望ましい。
腹部突出が著しくなると、お腹側のウエストが太くなり、お尻側のウエストの太さはさして変わらないかむしろウエスト全体がお腹側に突き出ることにより小さくなる。しかしながら、既製品をサンプリングしたところ、全てW1<W2もしくは極く稀にW1≒W2の関係にあるものばかりであった。すなわち、腹部突出に起因したウエスト形状の変化に対して、ズボンのウエスト形状が対応していない(齟齬が生じている)ことも判明した。
クロッチポイントを移動させたことで、ウエストラインの比率もこれに合わせて変更することが容易且つ自然であり、このようなウエスト比率の変更を行うことにより、ウエストライン周辺においてもお腹側の収まりがよく、お尻側のダブつきも解消することができる。
この場合、前ズボンの上縁の前ウエスト寸法W1と、後ろズボンの上縁の後ろウエスト寸法W2との寸法差W1−W2を全ウエスト寸法W1+W2で除した比率であるウェスト差比率が約(5±2)%の範囲、とりわけ(5〜7)%の範囲に収まるように設定することが特に効果的である。
以上説明した本発明によれば、腹部突出が顕著な身体的特徴を有する者であっても、お腹の収まりをよくした上で、お尻のダブつきにも手当てし、特に身体にフィットする細身タイプや中間タイプなども適切に選択できるようにした、新規有用な男性用ズボンを提供することができる。
本発明の実施形態に関し、説明の前提となる一般的なズボンのパターン図。 本実施形態に係る新型ズボンを従来型ズボンと対比して示すパターン図。 同新型ズボンと従来ズボンを重ね合わせたパターン比較図。 同実施形態のために調査した従来型ズボンのパターン比較図。 同実施形態における試作実験1に関するパターンの組み合わせを示す図。 同試作実験1における被験者毎の評価結果を示す図。 同試作実験1における組合せパターン毎の評価結果を示す図。 同試作実験1の組合せパターンに対する総評を示す図。 同実施形態における試作実験2で用いた試料を対比した写真。 同試作実験2における被験者のデータを示す図。 同試作実験2の評価結果を示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の説明の前提として、一般的なズボンの構成を説明するためにこれを展開したパターン図であって、前ズボン1と後ろズボン2からなる。
前ズボン1は、股ぐり線11、内股線12、裾線13、脇線14、ウエスト線15に沿って裁断された生地片によって構成され、後ろズボン2は、尻ぐり線21、内股線22、裾線23、脇線24、ウエスト線25に沿って裁断された生地片によって構成されており、内股線12、22同士、脇線14、24同士が縫い合わされて片足分の筒形状に仕立てられる。また、図示のズボンが例えば右側のズボンであるとすると、左側のズボンは鏡面対称であって、左右のズボンの間で、股ぐり線11のうちファスナー明き止まり位置f0から後述するクロッチポイントCPまでの領域h、h同士が縫い合わされ、尻ぐり線21、21同士が縫い合わされて、左右のズボンが接合される。
この実施形態では、クロッチポイントCPとは前ズボン1の股ぐり線11と後ズボン12の尻ぐり線21の交点をいい、このクロッチポイントCPを通り前ズボン1及び後ろズボン2を横断する線を太腿わたり線3、この太腿わたり線3に平行であり且つヒップの最凸部を収容するラインをヒップライン4、ヒップライン4が股ぐり線11および尻ぐり線21と交叉する2点間を結ぶ線を胴わたり線5とする。太腿わたり線3から胴たり線5までの距離は通常約10cmである。
前ズボン1にはタック15aが設けられ、縫い合わされたときに前ウエスト線15の寸法L1からタック幅Tを減じた寸法を前ウエスト寸法W1とする(W1=L1−T)。また、後ろズボン2にはダーツ25aが設けてあり、個々のダーツ25aが縫い合わされたときに後ろウエスト線25の寸法L2からダーツ幅D1、D2を減じた寸法W2を後ろウエスト寸法W2とする{W2=L2−(D1+D2)}。
クロッチポイントCPの位置は、当該クロッチポイントCPから胴わたり線5におろした垂線Vが胴わたり線5を前側胴わたり内分線51と後ろ側胴わたり内分線52に内分する点をQとしたときに、前側胴わたり内分線51の寸法(前側胴わたり寸法)m1の胴わたり線5全体の寸法(胴わたり寸法)Mに占める比率R1(=m1/M)を前側クロッチ比率R1と称する。
さらに、前ウエス寸法W1と後ろウエスト寸法W2との前後ウエスト寸法差(W1−W2)の全ウエスト寸法(W1+W2)に対する比率を、前後ウエスト差比率R2と称する。
図2のパターンは、細身タイプ、中間タイプ、ルーズタイプの何れか1つのタイプを採り上げて、通常サイズの従来ズボンXおよびラージサイズの従来ズボンYに対して、ラージサイズの新型ズボンZを作製したものを併記している。前述したように、通常サイズを着用していたユーザーに腹部突出が起こり、腹囲が入るように通常サイズの従来ズボンXからラージサイズの従来ズボンYに変更すると、お腹側の窮屈感が残り、お尻側のダブつきが生じる。
一方、ラージサイズの従来ズボンYとラージサイズの新型ズボンZを重ね合わせたのが図3である。前者のクロッチポイントCP(Y)に対して後者のクロッチポイントCP(Z)が後ろに移動させてあり、これに伴って股ぐり線11(Y)は後ろにずれた股ぐり線11(Z)に、尻ぐり線21(Y)も後ろにずれた尻ぐり線21(Z)になっている。また、ラージサイズの通常ズボンYの前ウエスト寸法W1(Y)と後ろウエスト寸法W2(Y)の寸法関係がW1(Y)<W2(Y)であるのに対し、ラージサイズの新型ズボンZの前ウエスト寸法W1(Z)と後ろウエスト寸法W2(Z)の寸法関係をW1(Z)>W2(Z)と逆転させてある。
前側クロッチ比率R1は、図2に示す通常サイズの従来ズボンXおよびラージサイズの従来ズボンYともに、クロッチポイントCPが股ぐり線11よりに位置していることからも明らかなように、26〜28%とあまり変わらないのに対し、ラージサイズの新型ズボンZでは、図2及び図3に示すようにクロッチポイントCPが後ろへ移動して股ぐり線11と尻ぐり線21の中間近くに位置している。
また、前後ウエスト寸法差は、W1>W2となるように設定する。より好ましくは、前後ウエスト差比率寸法R2を数パーセントに設定する。
このようなパターン設計を導出するに至った試作実験と結果を、以下に説明する。
<試作実験1>
先ず、図4に示すように、市販されている3種の男性用作業ズボンのパターンA、B、Cをサンプリングした。Aはルーズシルエットタイプ、Cは細身タイプ、BはAとCの間でややルーズなタイプである。3種を比較すると股ぐり線11や尻ぐり線21の形状に違いがある。Bは屈んだ際のお尻のつっぱり感の軽減を図って設計されたもので、股ぐり線11や尻ぐり線21の丸みが特徴である。細身タイプのCは股ぐり線11と尻ぐり線21の間の胴わたり線5の寸法M(暫定で太腿わたり線3の上方10cmを胴わたり線5としている)がA、Bに比べ小さい。胴わたり寸法Mは人体の厚みに相当するものであり、履き心地やシルエットを大きく左右し、身体の厚みが増す場合には、その厚みがカバーできるわたり寸法を確保することが必要となる。
股ぐり線11と尻ぐり線21の接合点であるクロッチポイントCPの位置は3種いずれも胴わたり線5の前よりに位置し、前わたり比率R1は25〜28%で、大きな違いはなかった。これら3種の作業ズボンはみな超ラージサイズまで展開されているが、Cにはやはり先に挙げた課題があった。前ウエストラインの寸法と後ろウエストラインの寸法は、A、BではW1<W2、CではW1≒W2であった。この場合もタック幅やダーツ幅は減じて計測してある。
(試作実験1の方法)
そこで、現状調査をもとにメタボタイプの身体特徴である腹部の突出をカバーするよう検討した新たなズボンパターンを試作した(図示省略)。このパターンでは股ぐり線11、尻ぐり線21を深くしてクロッチポイントCPを標準より後ろ側に置き、前ウエスト線15の寸法W1と後ろウエスト線25の寸法W2の前後差を実際の身体形状に合わせるよう設計した。
具体的には、図5に示すように、クロッチポイントCPについては、前クロッチ比率R1に関して、通常程度の28%のもの、通常程度に対し14%増(比率R=42%)のもの、通常程度に対し25%増(比率R=53%)のものの計3パターンを設定した。また、ウエスト関係については前ウエスト寸法W1>後ろウエスト寸法W2、具体的には前後ウエスト差比率R2が3%、5%、7%である3パターンを設定した。
そして、これらのパターンの特徴が実際に履き心地に影響するかどうか検証するため、クロッチポイントCPの位置と前後ウエスト線15、25の寸法関係をそれぞれ3段階に展開して、図5の組み合わせパターンに示すように試料1〜試料9まで9本の試料ズボンを用意した。試料ズボンのウエスト寸法は実寸95cmとした。この試料ズボンを被験者に順に着用してもらい、歩く、しゃがむ、足を上げる動作を1分間行った後、評価項目10項目について着用感を回答してもらった。これとは別に立位時と屈み姿勢時についてそれぞれ9本の試料ズボンの中で最も窮屈感なく楽に着用できる1位の試料を選択してもらった。評価の際9本の試料ズボンの着用順はランダムに変えた。被験者には予め身体計測を行っている。
(試作実験1の結果)
図6は被験者毎の評価結果を示し、図7は組合せパターン毎の評価結果を示す図、図8は組合せパターンに対する総評を示す。図7上図、下図の横軸は該当者数(回答者数)である。被験者の内3名は腹囲が試料ズボンウエストより大きかった。2名は腹囲が約5センチ大きく、1名が試料8以外のすべての試料で、もう1名は試料6と試料9以外の試料で「ウエスト、お腹周りがきつい」と答えた。腹囲が約2.5センチ大きかった被験者1名はすべての試料で「ウエスト、おなか周りがきつい」と答えている。反対に最も腹囲が小さい被験者ではウエストのゆとりが約7センチとなり、試料3でのみ「ウエスト、おなか周りがきつい」と答えた。試料2は「動きにくい」と回答した被験者が多かった。クロッチポイントの位置、ウエスト前後差の違いによって着用時の主観評価は変化しており、これらが履き心地に係わるポイントであることがうかがえた。図7上図は前後ウエスト差比率R2が7%の場合(図5の試料7〜9の場合)においてクロッチポイントCPの位置を従来程度、約14%後側、約25パーセント後側)と振ったときの結果を示している。また、図7下図は前側クロッチ比率R1が25%後側の場合(図5の試料3、6、9の場合)において前後ウエスト差比率R2を7%、5%、3%と振ったときの結果を示している。他にもこれに準じた評価を行った。これにより、比較的履きやすいズボンとして挙げられたのは、試料4、試料6、試料8、試料9のズボンとなった。図6は各被験者が立位と屈み姿勢で9本の試料ズボンの中からどれが一番履き易いかを試料ナンバーで回答したものである。この9本の試料ズボンの中から1位を選択する評価では、立位姿勢で被験者の複数が1位に選択したズボンの順位は試料5、試料9、試料8となった。屈み姿勢で複数が選択したズボンは資料5、試料6、試料9であった。図8下図にはこれらの結果がまとめてあり、ウエストの前後差が約5%ないし7%で、前側クロッチ比率R1が大きい(R1=42〜53%)という特徴を備えるズボンが高く評価される傾向が見られた。
<試作実施2>
(試作実験2の方法)
発明したパターンの特徴の有効性をさらに検証するため、前クロッチ比率R1と前後ウエスト差比率R2について特徴を付けた図9に示すパターンの試料Aと、同図に示す従来型のパターンの試料Bの、2本の試料ズボンを新たに作成し、着用感評価を行った。試料ズボンのウエスト寸法は試作実験1と同じ実寸95センチで作成した。この実験はストレートタイプで行なった。試料Aに設けた特徴、すなわち前側クロッチ比率R1や前後ウエスト差比率R2は実験1の試料5、6、8、9の範囲内で設定した。一方、試料Bはクロッチポイントの位置は従来程度(R1=26〜28)、ウエスト前後差W1−W2は0とした。
被験者はベルト位置ウエスト90cm以上の20代から65歳までの男性37名。実験中は評価着を着用して行った。評価着はハーフパンツ、Tシャツ、靴下。サンプルズボン着用時はベルトを着用。実験時に被験者の身体計測を併せて行った。身体計測項目は図10に示す18項目。ズボン設計と特に新しい特徴の設計に係わる箇所、周径4項目、幅径4項目、厚径4項目、高径4項目、ベルト位置股上前後の長さの計18項目をマルチン計測器により計測した。体重、BMI、体脂肪率の3項目はオムロン体重体組成計により計測した。ウエスト(ベルト位置)は自己申告の位置とし、ウエストマーク(ゴム)を付けて計測した。計測は常に2名で行った。1名が計測を行い、もう1名は記録およびアントロポメータ使用時の垂直の保持、メジャー使用時の水平保持などを担当した。
(試作実験2の結果)
図11(a)、(b)はその結果を示している。縦軸は窮屈感の程度を示し、横軸の各項目毎に新型パターンの試料Aと従来型パターンの試料Bで窮屈感を訴えた人数が記入してある。着用時の評価項目8項目において窮屈感を訴えた被験者があった。総体的に窮屈感は新型パターンの試料Aよりも従来型パターンの試料Bに多く、その程度も大きく表れた。試料Aが良いと答えた被験者が全体の約59.5%、従来型の試料Bが良いと答えた被験者が約24.3%となり、およそ7:3で新型パターンAが良いという回答が得られた。なお、差がない、分からないと答えた被験者もあった。
以上の試作実験を踏まえ、実験では前側クロッチ比率が(42〜53)%で良好な結果が出ているが、最適値が42付近にあり、そこから±方向に同等の差で良好な範囲があると推定すると、R1は42±11%(31〜53)の範囲にあることがメタボ体型に適していると推定される結果となった。
また、前後ウエスト寸法の関係は少なくともW1>W2、実験では前後ウェスト差比率R2が(5〜7)%で良好な結果が出ているが、最適値が5%付近にあり、そこから±方向に同等の差で良好な範囲があると推定すると、R2が(5±2)%の範囲にあることがメタボ体型に適していると推定される結果となった。
したがって、パターン設計にあたり、このような設計思想に基づいてクロッチポイントの移動、前後ウエスト寸法の設定を行なえば、メタボ体型のユーザにもお腹周りに窮屈感が少なく、お尻側にダブつきの少ない作業ズボンが効率よく再現できる見込みが高いものとなった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、例えば作業ズボン以外の一般の男性用ズホンにも同様に適用するなど、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
Z…ズボン(新型)
1…前ズボン
2…後ズボン
3…太腿わたり線
4…ヒップライン
5…胴わたり線
11…股ぐり線
21…尻ぐり線
51…前側胴わたり内分線
A…前ウエスト寸法
B…後ろウエスト寸法
CP…クロッチポイント
M…胴わたり寸法
m1…前側胴わたり寸法
R1…前側クロッチ比率
R2…前後ウエスト差比率
V…垂線
W1…前ウエスト寸法
W2…後ウエスト寸法

Claims (5)

  1. ズボンを展開したパターン上において、前ズボンの股ぐり線と後ズボンの尻ぐり線の交点をクロッチポイント、このクロッチポイントを通り前ズボン及び後ろズボンを横断する線を太腿わたり線、この太腿わたり線に平行であり且つヒップの最凸部を収容するラインをヒップライン、ヒップラインが股ぐり線および尻ぐり線と交叉する2点間を結ぶ線を胴わたり線とした場合に、
    前記クロッチポイントから前記胴わたり線におろした垂線が胴わたり線を前後に内分したときの前側胴わたり寸法の胴わたり寸法全体に占める比率である前側クロッチ比率が(42±11)%の範囲に収まるように、前記クロッチポイントの位置を設定したことを特徴とする男性用ズボン。
  2. 前側クロッチ比率が(42〜53)%の範囲に収まるように、前記クロッチポイントの位置を設定している請求項1に記載の男性用ズボン。
  3. 前ズボンの上縁の前ウエスト寸法W1と、後ろズボンの上縁の後ろウエスト寸法W2の関係が、W1>W2となるように設定している請求項1又は2に記載の男性用ズボン。
  4. 前ズボンの上縁の前ウエスト寸法W1と、後ろズボンの上縁の後ろウエスト寸法W2との寸法差W1−W2を全ウエスト寸法W1+W2で除した比率である前後ウェスト差比率が約(5±2)%の範囲に収まるように設定している請求項3に記載の男性用ズボン。
  5. 前後ウェスト差比率が約(5〜7)%の範囲に収まるように設定している請求項3に記載の男性用ズボン。
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