JP2018016841A - 連続溶融めっき装置およびサポートロールの押し込み量制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】時間が経過しても金属帯にスリップ疵が発生することなく高品質の製品を得ることができる連続溶融めっき装置およびサポートロールの押し込み量制御方法を提供する。
【解決手段】押し込み量制御部7は、温度センサ4により検出される溶融金属浴1の温度の変動からドロスの付着に起因してフロント側サポートロール3Aの回転軸と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗の変化を推定し、推定された摩擦抵抗の変化に基づいてサポートロール移動部5によるフロント側サポートロール3Aの押し込み量を制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、連続溶融めっき装置に係り、特に、溶融金属浴中で非駆動回転する2本のサポートロールに順次接触させながら金属帯を通過させる連続溶融めっき装置に関する。
また、この発明は、このようなサポートロールの押し込み量を制御するサポートロールの押し込み量制御方法にも関している。
従来から、鋼帯等の金属帯を溶融金属浴中に通して連続的に金属帯にめっきを施す連続溶融めっき装置においては、図8に示されるように、金属帯Sを溶融金属浴1に案内するためのシンクロール2、金属帯Sの幅方向の反りを修正するための2本のサポートロール3等の回転部品を有しており、これらの回転部品は、連続溶融めっき装置の稼働時は、常に溶融金属浴1中に浸漬配置されている。
2本のサポートロール3は、金属帯Sの表面に接触するフロント側サポートロール3Aと金属帯Sの裏面に接触するバック側サポートロール3Bからなり、従来、溶融金属浴1の外部に設置された電動機から自在継手およびスピンドルを経てこれらのサポートロール3に回転力を伝達する回転駆動装置を用いて強制的に回転駆動されていたが、継手部分におけるガタツキ、スピンドルが温度差により曲がる等の機構的な要因から、サポートロール3の回転速度は変動しやすいものであった。サポートロール3の回転が不等速になると、溶融金属浴1中に通される金属帯Sに振動が発生し、この振動がめっき付着のバラツキ、縞模様等を引き起こすため、製品品質が著しく低下してしまう。
そこで、このような問題を解決するため、サポートロール3の強制駆動を廃止する方法が採られている。サポートロール3の強制的な回転駆動を廃止することにより、金属帯Sの振動の発生要因を排除することができる。ところが、強制的な回転駆動装置を持たないことから、サポートロール3を回転させるには、溶融金属浴1中を移動する金属帯Sからサポートロール3に所要量の回転トルクを付与する必要があり、この回転トルクが不足すると、金属帯Sとサポートロール3との間にスリップが生じ、金属帯Sにスリップ疵が発生するおそれがある。
金属帯Sからサポートロール3に付与される回転トルクは、金属帯Sの張力および金属帯Sのサポートロール3への巻付け角度により変わるが、設備仕様等から金属帯Sの張力を大きく変化させることは容易ではないので、金属帯Sのサポートロール3への巻付け角度を変化させて回転トルクを調整する方法が一般的である。
例えば、図9に示されるように、フロント側サポートロール3Aに対する金属帯Sの巻付け角度θは、フロント側サポートロール3Aおよびバック側サポートロール3Bの一方を他方に対して金属帯S側に押し込む押し込み量Dにより変化させることができ、押し込み量Dを増加させると巻付け角度θが増加し、押し込み量Dを減少させると巻付け角度θも減少する。
ここで、非駆動式のサポートロール3を安定して回転させるには、金属帯Sからサポートロール3に付与される回転トルクが、サポートロール3の回転抵抗によるトルクよりも大きいことが必要となる。これを実現するために、例えば、特許文献1には、金属帯Sの張力、シンクロール2の位置情報、バック側サポートロール3Bの位置情報等に基づいて、フロント側サポートロール3Aの押込み量の下限値を設定することにより、金属帯Sの十分な巻付け角度θを常に確保するようにした連続溶融めっき装置が開示されている。
特開2005−232589号公報
しかしながら、実際に連続溶融めっき装置を操業した場合、特許文献1に開示されているようにサポートロール3の押込み量の下限値を設定しても、操業開始直後にはサポートロール3が安定して回転するものの、時間が経過した後には、金属帯Sとサポートロール3との間にスリップが発生するという問題がある。
このような問題が起こる原因としては、サポートロール3の軸状態が使用日数の経過と共に変化し、サポートロール3の回転軸における摩擦抵抗が次第に増大するためと考えられる。サポートロール3の軸状態の変化としては、溶融金属浴1中に溶出した金属帯Sの成分が溶融金属浴1の成分と反応して析出した、いわゆるドロスがサポートロール3の回転軸に付着するという現象がある。例えば、溶融金属浴1として溶融亜鉛浴、金属帯Sとして鋼帯を用いた場合に、溶融亜鉛浴中に鋼帯からFeが溶出し、溶融亜鉛浴の成分であるZnおよびAl等と反応してドロスが析出する。
このようなドロスの析出は、溶融金属浴1の浴温が低下した際に発生することが知られている。サポートロール3の回転軸の周辺は、サポートロール3を吊り下げるためのハンガーの上部が溶融金属浴1の上に露出しているために温度が低下しやすく、ドロスの析出が起こりやすい。そして、ドロスがサポートロール3の回転軸と軸受けとの間に付着することで、摩擦抵抗が増大し、金属帯Sとサポートロール3との間にスリップが発生して、金属帯Sにスリップ疵が発生する原因となる。
従って、この問題を解決するためには、ドロスの付着によるサポートロール3の回転軸における摩擦抵抗の増大分を考慮し、時間の経過に伴って必要な回転トルクを与えられるように、サポートロール3の押込み量を制御する必要がある。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、時間が経過しても金属帯にスリップ疵が発生することなく高品質の製品を得ることができる連続溶融めっき装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、時間が経過しても非駆動式のサポートロールを安定して回転させることができるサポートロールの押し込み量制御方法を提供することも目的としている。
この発明に係る連続溶融めっき装置は、溶融金属浴中に互いに位置をずらして配置され且つ非駆動回転する2本のサポートロールに金属帯の一方の面および他方の面を順次接触させながら金属帯を通過させる連続溶融メッキ装置であって、2本のサポートロールのうち一方のサポートロールの配置位置を移動させることにより他方のサポートロールに対して一方のサポートロールを金属帯側に押し込むサポートロール移動部と、溶融金属浴の温度を検出する温度センサと、温度センサにより検出される溶融金属浴の温度の変動からドロスの付着に起因して一方のサポートロールの回転軸と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗の変化を推定し、推定された摩擦抵抗の変化に基づいてサポートロール移動部による一方のサポートロールの押し込み量を制御する押し込み量制御部とを備えたものである。
押し込み量制御部は、金属帯から一方のサポートロールに与えられる回転トルクの値が、一方のサポートロールの回転軸と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗によるトルクと一方のサポートロールの表面と溶融金属との間に作用する摩擦抵抗によるトルクの和以上になるように、一方のサポートロールの押し込み量を制御することが好ましい。
この場合、押し込み量制御部は、温度センサにより検出される溶融金属浴の温度が設定温度を下回った時間と温度の積分の累積値を算出し、算出された積分の累積値を用いて一方のサポートロールの回転軸と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗の変化を推定することが好ましい。
また、2本のサポートロールは、鉛直方向に互いに位置をずらして配置されたフロント側サポートロールとバック側サポートロールからなり、サポートロール移動部は、フロント側サポートロールの配置位置を水平方向に移動させるように構成することができる。
溶融金属浴として、溶融亜鉛浴を用い、金属帯として、鋼帯を用いることができる。
この発明に係るサポートロールの押し込み量制御方法は、溶融金属浴中に互いに位置をずらして配置され且つ非駆動回転する2本のサポートロールに金属帯の一方の面および他方の面を順次接触させながら金属帯を通過させる際に一方のサポートロールを他方のサポートロールに対して金属帯側に押し込む押し込み量を制御する方法であって、溶融金属浴の温度の変動を検出し、検出された溶融金属浴の温度の変動からドロスの付着に起因して一方のサポートロールの回転軸と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗の変化を推定し、推定された摩擦抵抗の変化に基づいて一方のサポートロールの押し込み量を制御する方法である。
この発明によれば、押し込み量制御部が、温度センサにより検出される溶融金属浴の温度の変動から一方のサポートロールの回転軸と軸受けとの間に付着するドロスに起因する摩擦抵抗の変化を推定し、推定された摩擦抵抗の変化に基づいてサポートロール移動部による一方のサポートロールの押し込み量を制御するので、時間が経過してもサポートロールを安定して回転させることができ、金属帯にスリップ疵が発生することなく高品質の製品を得ることが可能となる。
実施の形態に係る連続溶融めっき装置の構成を示す図である。 実施の形態に係る連続溶融めっき装置に用いられるサポートロールの拡大図である。 溶融金属浴の温度変動とドロス析出の関係を示すグラフである。 温度と時間の積分の累積値に対して、ドロス付着によるサポートロールの回転軸と軸受けとの間の摩擦抵抗の変化の度合いを表す係数の関係を示すグラフである。 使用日数に対する溶融金属浴の温度変動の実績を示すグラフである。 図5の温度変動の実績から算出された温度と時間の積分の累積値を示すグラフである。 使用日数に対するサポートロールの押し込み量の関係を示すグラフである。 従来の連続溶融めっき装置の構成を示す図である。 従来の連続溶融めっき装置に用いられるサポートロールの拡大図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に実施の形態に係る連続溶融めっき装置を示す。連続溶融めっき装置は、溶融亜鉛浴等の溶融金属浴1中に浸漬配置されたシンクロール2と、溶融金属浴1中に浸漬配置された2本のサポートロール3を有している。
シンクロール2は、溶融めっきの対象物となる鋼帯等の金属帯Sを溶融金属浴1に案内するための非駆動回転するロールである。
2本のサポートロール3は、金属帯Sの幅方向の反りを修正するためのもので、金属帯Sの表面に接触するフロント側サポートロール3Aと金属帯Sの裏面に接触するバック側サポートロール3Bからなり、これらのフロント側サポートロール3Aおよびバック側サポートロール3Bは互いに同じ大きさに形成され、互いに鉛直方向に位置をずらして配置されている。フロント側サポートロール3Aおよびバック側サポートロール3Bも、シンクロール2と同様に、強制的に回転駆動する駆動装置に接続されることなく非駆動回転するロールである。
溶融金属浴1には、溶融金属浴1の温度を検出するための温度センサ4が配置されている。
また、溶融金属浴1の外部に、サポートロール移動部5が配置され、このサポートロール移動部5から延びる腕部6の先端にフロント側サポートロール3Aが回転可能に保持されている。具体的には、腕部6の先端に軸受けが形成されており、この軸受けにフロント側サポートロール3Aの回転軸が挿入されて保持されている。サポートロール移動部5は、腕部6を介してフロント側サポートロール3Aの配置位置を水平方向に移動させることができる。なお、バック側サポートロール3Bの配置位置は溶融金属浴1中において固定されている。
さらに、溶融金属浴1の外部に、押し込み量制御部7が配置され、この押し込み量制御部7に温度センサ4とサポートロール移動部5が接続されている。押し込み量制御部7は、温度センサ4により検出される溶融金属浴1の温度の変動からフロント側サポートロール3Aの回転軸と軸受けとの間に付着するドロスに起因する摩擦抵抗の変化を推定し、推定された摩擦抵抗の変化に基づいてサポートロール移動部5によるフロント側サポートロール3Aの押し込み量Dを制御するものである。
また、押し込み量制御部7にメモリ8が接続されている。
図2に示されるように、溶融金属浴1内を走行する金属帯Sの表面がフロント側サポートロール3Aに接触することによりフロント側サポートロール3Aに付与される回転トルクをT1(kgf・m)、フロント側サポートロール3Aの回転軸9と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗によるトルクをT2(kgf・m)、フロント側サポートロール3Aの表面と溶融金属浴1中の溶融金属との間に作用する摩擦抵抗によるトルクをT3(kgf・m)とすると、非駆動式のフロント側サポートロール3Aが金属帯Sに対してスリップすることなく回転するためには、
T1 ≧ T2+T3 ・・・(1)
の条件が必要となる。
ここで、金属帯Sからフロント側サポートロール3Aに付与される回転トルクT1は、金属帯Sとフロント側サポートロール3Aの表面との間の摩擦係数をμ、金属帯Sに作用する張力をF(kgf)、フロント側サポートロール3Aの半径をR(m)、フロント側サポートロール3Aに対する金属帯Sの巻付け角度をθ(rad)として、
T1=2μFRsin(θ/2) ・・・(2)
により表すことができる。
また、フロント側サポートロール3Aの回転軸9と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗によるトルクT2は、溶融金属浴1中に析出して回転軸9と軸受けとの間に付着するドロスによって影響を受けるもので、ドロス付着による回転軸9と軸受けとの間の摩擦抵抗の変化の度合いを表す係数をk、フロント側サポートロール3Aの回転軸9と軸受けとの間の摩擦係数をμ、回転軸9の半径をr(m)、回転軸9に作用する水平方向荷重をX(kgf)、回転軸9に作用する鉛直方向荷重をY(kgf)として、
T2=kμr(X+Y1/2 ・・・(3)
により表すことができる。
また、回転軸9に作用する水平方向荷重Xおよび鉛直方向荷重Yは、溶融金属浴1中の溶融金属の比重量をρ(kgf/m)、フロント側サポートロール3Aの素材の比重量をρ(kgf/m)、フロント側サポートロール3Aの体積をV(m)として、
X=2Fsin(θ/2)cos(θ/2) ・・・(4)
Y=(ρ−ρ)V−2Fsin(θ/2) ・・・(5)
により表される。
さらに、フロント側サポートロール3Aの表面と溶融金属浴1中の溶融金属との間に作用する摩擦抵抗によるトルクT3は、レイノルズ数をR、金属帯Sの走行速度をv(m/分)、フロント側サポートロール3Aの軸方向の長さをL(m)として、
T3=0.5(0.074/R 0.2)ρ(v/60)・2πRL/9.8 ・・・(6)
により表すことができる。
なお、レイノルズ数Rは、溶融金属浴1中の溶融金属の粘度をη(Pa・s)として、
=(v/60)2πRρ/η ・・・(7)
と表される。
なお、例えば溶融亜鉛浴中に鋼帯を浸漬した場合に、鋼帯の成分であるFeと溶融亜鉛浴の成分であるZnおよびAl等とが反応してドロスが析出するが、このようなドロスの析出は、溶融亜鉛浴の温度が所定値以下に低下したときに発生し、図3に示されるように、溶融金属浴1中に金属帯Sを通したときにドロスの析出が始まる温度をT0(℃)としたとき、T0を下回った溶融金属浴1の温度とT0を下回った時間の積分の累積値I(℃・h)がドロスの析出量に大きく関わることがわかった。
この累積値Iが大きくなるほど、ドロスの析出量が多くなり、これに伴って、フロント側サポートロール3Aの回転軸9と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗によるトルクT2が大きくなる。フロント側サポートロール3Aの回転軸9と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗によるトルクT2を表す上記の式(3)に記載されている、ドロス付着による摩擦抵抗の変化の度合いを表す係数kは、温度と時間の積分の累積値Iの関数fにより、k=f(I)と表され、累積値Iに対して例えば図4に示されるような関係を有している。係数kは、累積値Iが「0」のときには、値「1」となり、累積値Iが大きくなるほど、大きな値となる。
係数kは、溶融金属浴1の溶融金属の成分、金属帯Sの侵入温度および走行速度等の連続溶融めっき装置の操業条件に応じて異なる関数fに従って変化するため、予め、実際の操業条件におけるスリップ実績等から種々の累積値Iに対する係数kの値をそれぞれ求めることで、操業条件に対応した関数fを求めておくことが望ましい。
例えば、サポートロール移動部5によりフロント側サポートロール3Aの押し込み量Dを調整して、フロント側サポートロール3Aが金属帯Sに対してスリップし始める臨界の状態、すなわち、上記の式(1)が等式
T1=T2+T3 ・・・(8)
となるときのフロント側サポートロール3Aの押し込み量Dからフロント側サポートロール3Aに対する金属帯Sの巻付け角度θを求め、上記の式(2)〜(8)に従って係数kの値を算出する。このようにして、種々の累積値Iに対する係数kの値を算出することで、関数fを求めることができる。
求められた関数fは、種々の累積値Iに対する係数kの値を記したテーブルの形式、あるいは、関係式の形式でメモリ8に格納されているものとする。
押し込み量制御部7は、温度センサ4により検出される溶融金属浴1の温度の変動から、ドロスの析出が始まる温度を下回った温度と時間の積分の累積値Iを算出し、メモリ8に格納されている関数fに従って累積値Iに対応する係数kの値を求める。係数kは、ドロス付着による回転軸9と軸受けとの間の摩擦抵抗の変化の度合いを表すものであり、係数kの値を求めることは、フロント側サポートロール3Aの回転軸9と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗の変化を推定することに他ならない。
そして、押し込み量制御部7により、係数kの値を用いて式(1)の関係が成立するように、サポートロール移動部5によるフロント側サポートロール3Aの押し込み量Dが制御される。
これにより、長期間にわたって操業を行っても、スリップを生じることなくフロント側サポートロール3Aを安定して回転させることができる。
例えば、実際に30日間にわたって温度センサ4により検出された溶融金属浴1の温度変動を図5に示す。30日間における溶融金属浴1の温度の平均値をドロスの析出が始まる温度T0として、図5の温度変動の実績から温度と時間の積分の累積値Iを算出したところ、使用日数に対して図6に示すグラフが得られた。なお、溶融金属浴1の温度の平均値の代わりに、溶融金属浴1の温度の勾配が下降側になったときの温度変化の傾きおよび時間に基づいて、ドロスの析出が始まる温度T0を推定することもできる。
さらに、図4に示した関数fに従って累積値Iに対応する係数kの値を求め、等式(8)が成り立つときのフロント側サポートロール3Aの押し込み量Dを算出することにより、図7に示されるように、使用日数に対して押し込み量Dが変化する曲線Cが得られた。フロント側サポートロール3Aの押し込み量Dを、曲線Cで示される値以上の値にすることで、式(1)の関係が成り立ち、スリップを生じることなくフロント側サポートロール3Aを回転させることができる。一方、フロント側サポートロール3Aの押し込み量Dを、曲線Cで示される値よりも小さな値にすると、金属帯Sとフロント側サポートロール3Aの間にスリップが生じ、フロント側サポートロール3Aを安定して回転させることができなくなる。
実際に、フロント側サポートロール3Aの使用開始3日後に、押し込み量D=6.0mmで金属帯Sを走行させたところ、フロント側サポートロール3Aは安定して回転し、金属帯Sにスリップ疵は確認されなかった。
ただし、押し込み量Dを6.0mmに保持したまま、フロント側サポートロール3Aの使用開始24日後に金属帯Sを走行させた際には、金属帯Sにスリップ疵が確認され、金属帯Sとフロント側サポートロール3Aの間にスリップが生じていることがわかった。そこで、フロント側サポートロール3Aの押し込み量Dを7.1mmまで増加させたところ、スリップ疵を発生させることなく金属帯Sを走行させることができた。
なお、バック側サポートロール3Bは、フロント側サポートロール3Aと同じ大きさを有しており、フロント側サポートロール3Aに対する金属帯Sの巻付け角度θとほぼ同じ巻付け角度で金属帯Sが巻き付いているものと考えられる。このため、式(1)の関係が成り立つようにフロント側サポートロール3Aの押し込み量Dを設定することにより、バック側サポートロール3Bもスリップを生じることなく安定して回転することができる。
また、金属帯Sを溶融金属浴1に案内するためのシンクロール2は、フロント側サポートロール3Aに比べて大きな径を有すると共にフロント側サポートロール3Aにおける金属帯Sの巻付け角度θよりも大きな巻付け角度で金属帯Sが巻き付いている。このため、式(1)の関係が成り立つようにフロント側サポートロール3Aの押し込み量Dを設定すれば、シンクロール2もスリップを生じることなく安定して回転することとなる。
従って、サポートロール移動部5により式(1)の関係が成立するようにフロント側サポートロール3Aの押し込み量Dを制御することで、長期間にわたって操業を行っても、シンクロール2および2本のサポートロール3がすべて安定して回転し、金属帯Sにスリップ疵が発生することなく高品質の製品を得ることが可能となる。
なお、上述したように、累積値Iに対する係数kの関係を示す関数fは、連続溶融めっき装置の操業条件に応じて異なるものとなるので、予め、種々の操業条件に対応した関数fを求めてメモリ8に格納しておけば、操業条件が変わった場合に、押し込み量制御部7が、新たな操業条件に対応する関数fをメモリ8から読み出してフロント側サポートロール3Aの押し込み量Dの制御に用いることができる。
また、新たな操業条件に対応する関数fがメモリ8に格納されていない場合であっても、メモリ8内に種々の操業条件に対応する複数の関数fが格納されていれば、新たな操業条件に比較的近い操業条件に対応する複数の関数fを補間することにより、新たな操業条件に対応する関数fを求めることもできる。
上記の実施の形態では、押し込み量制御部7がフロント側サポートロール3Aの押し込み量Dを制御したが、これに限るものではなく、押し込み量制御部7がバック側サポートロール3Bの押し込み量を制御するように構成することもできる。この場合、サポートロール移動部5が、腕部6を介してバック側サポートロール3Bの配置位置を水平方向に移動させるようにすればよい。
また、溶融金属浴1の金属成分として、亜鉛等、めっき材料として使用可能な各種の金属を用いることができる。
さらに、金属帯Sとしては、鋼材の他、溶融めっきの対象物となる各種の金属材を用いることができる。
1 溶融金属浴、2 シンクロール、3 サポートロール、3A フロント側サポートロール、3B バック側サポートロール、4 温度センサ、5 サポートロール移動部、6 腕部、7 押し込み量制御部、8 メモリ、9 回転軸、S 金属帯、T1 回転トルク、T2,T3 摩擦抵抗によるトルク、D 押し込み量、θ 巻付け角度、R フロント側サポートロールの半径、r 回転軸の半径、C 曲線。

Claims (6)

  1. 溶融金属浴中に互いに位置をずらして配置され且つ非駆動回転する2本のサポートロールに金属帯の一方の面および他方の面を順次接触させながら前記金属帯を通過させる連続溶融めっき装置であって、
    前記2本のサポートロールのうち一方のサポートロールの配置位置を移動させることにより他方のサポートロールに対して前記一方のサポートロールを前記金属帯側に押し込むサポートロール移動部と、
    前記溶融金属浴の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサにより検出される前記溶融金属浴の温度の変動からドロスの付着に起因して前記一方のサポートロールの回転軸と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗の変化を推定し、推定された摩擦抵抗の変化に基づいて前記サポートロール移動部による前記一方のサポートロールの押し込み量を制御する押し込み量制御部と
    を備えたことを特徴とする連続溶融めっき装置。
  2. 前記押し込み量制御部は、前記金属帯から前記一方のサポートロールに与えられる回転トルクの値が、前記一方のサポートロールの回転軸と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗によるトルクと前記一方のサポートロールの表面と溶融金属との間に作用する摩擦抵抗によるトルクの和以上になるように、前記一方のサポートロールの押し込み量を制御する請求項1に記載の連続溶融めっき装置。
  3. 前記押し込み量制御部は、前記温度センサにより検出される前記溶融金属浴の温度が設定温度を下回った時間と温度の積分の累積値を算出し、算出された前記積分の累積値を用いて前記一方のサポートロールの回転軸と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗の変化を推定する請求項2に記載の連続溶融めっき装置。
  4. 前記2本のサポートロールは、鉛直方向に互いに位置をずらして配置されたフロント側サポートロールとバック側サポートロールからなり、
    前記サポートロール移動部は、前記フロント側サポートロールの配置位置を水平方向に移動させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の連続溶融めっき装置。
  5. 前記溶融金属浴は、溶融亜鉛浴であり、
    前記金属帯は、鋼帯からなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の連続溶融めっき装置。
  6. 溶融金属浴中に互いに位置をずらして配置され且つ非駆動回転する2本のサポートロールに金属帯の一方の面および他方の面を順次接触させながら前記金属帯を通過させる際に一方のサポートロールを他方のサポートロールに対して前記金属帯側に押し込む押し込み量を制御する方法であって、
    前記溶融金属浴の温度の変動を検出し、
    検出された前記溶融金属浴の温度の変動からドロスの付着に起因して前記一方のサポートロールの回転軸と軸受けとの間に作用する摩擦抵抗の変化を推定し、
    推定された摩擦抵抗の変化に基づいて前記一方のサポートロールの押し込み量を制御することを特徴とするサポートロールの押し込み量制御方法。
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