JP2018016584A - 水中油型化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】肌に塗布したときにとろけるような感触が得られ、かつ、皮膚刺激性を生じ得る界面活性剤の含有量を低減しながらも、経時安定性に優れる水中油型化粧料の提供。【解決手段】水中油型化粧料の全質量に対して0.5質量%以下の含有量の下記一般式(1)で表される化合物と、アクリル酸及びアクリル酸誘導体から選ばれる少なくとも1種を構成モノマー単位として含む水溶性高分子と、水中油型化粧料の全質量に対して0.001〜0.5質量%の含有量の重量平均分子量が2000以下の界面活性剤と、油性成分と、水とを含有する水中油型化粧料[一般式(1)中、R1:R11−(O−R12)x−で表される基、R11:炭化水素基、R12:炭素数2〜4のアルキレン基、x:1〜500の整数、R2:炭化水素基、R3:炭素数2〜4のアルキレン基、n:1〜500の整数、m:1以上の整数]。【選択図】なし

Description

本開示は、水中油型化粧料に関する。
化粧料用の乳化組成物は、油性成分と水性成分とから構成されている。これらの成分を乳化させるためには、界面活性剤が用いられる。乳化組成物に界面活性剤を高配合すると、経時での乳化安定性は向上する。しかし一方で、界面活性剤、特に低分子量(例えば、重量平均分子量が2000以下)の界面活性剤の配合による皮膚刺激性が問題となる場合があり、乳化組成物における界面活性剤の含有量の低減が求められている。
例えば、特許文献1では、アルキル変性カルボキシポリマーおよび糖類を含有することを特徴とする乳化組成物が開示されている。
また、特許文献2では、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと疎水性メタクリル酸エステルとの共重合体を乳化剤として用い、多価アルコールと、高級アルコールおよび/または高級脂肪酸を含有するW/O型(即ち、油中水型)乳化組成物が開示されている。
ところで、近年では、面白い見た目(剤型)と、使用時の剤型変化によってもたらされる体感効果とを結びつけた独特の化粧料が開発されている。
例えば、特許文献3には、疎水変性ポリエーテルウレタン会合性増粘剤と、ゲル化能を有する親水性化合物からなるミクロゲル増粘剤と、を組み合わせた増粘系に粉末を配合し、さらに疎水変性ポリエーテルウレタン会合性増粘剤と粉末の配合量を特定の範囲とする乳化化粧料が開示されている。特許文献3に記載された乳化化粧料は、皮膚に塗布する際に「浸透感を想起する崩壊感」と言うべき独特の使用感触を有する。
特開平8−217624号公報 特許第4808445号公報 特開2014−40385号公報
特許文献1及び特許文献2に記載された乳化組成物では、それぞれ上述したような構成とすることで、皮膚刺激性等の問題を解決している。しかし、本発明者らの検討によれば、界面活性剤の代替品として、アルキル変性カルボキシポリマー、又は、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと疎水性メタクリル酸エステルとの共重合体を用いただけでは、十分な経時安定性が得られないことが明らかとなった。
本開示は、肌に塗布したときにとろけるような感触が得られ、かつ、皮膚刺激性を生じ得る界面活性剤の含有量を低減しながらも、経時安定性に優れる水中油型化粧料を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
[1] 水中油型化粧料の全質量に対して0.5質量%以下の含有量である下記一般式(1)で表される化合物と、アクリル酸及びアクリル酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を構成モノマー単位として含む水溶性高分子と、水中油型化粧料の全質量に対して0.001質量%以上0.5質量%以下の含有量である重量平均分子量が2000以下の界面活性剤と、油性成分と、水と、を含有する水中油型化粧料。
一般式(1)中、Rは、それぞれ独立に、R11−(O−R12)x−で表される基である。R11は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R12は、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。xは、1〜500の整数である。Rは、それぞれ独立に、ウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表す。Rは、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rが複数ある場合、複数のRは、同一であっても又は異なっていてもよい。nは、1〜500の整数であり、mは、1以上の整数である。
[2] アクリル酸及びアクリル酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を構成モノマー単位として含む水溶性高分子が、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを含む[1]に記載の水中油型化粧料。
[3] 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体、及び、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸エステルとの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体を更に含有する[1]又は[2]に記載の水中油型化粧料。
[4] 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体、及び、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸エステルとの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体が、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン単独重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル共重合体、及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ステアリル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体である[3]に記載の水中油型化粧料。
[5] 油性成分の含有量が、水中油型化粧料の全質量に対して10質量%以上である[1]〜[4]のいずれか1つに記載の水中油型化粧料。
[6] 重量平均分子量が2000以下の界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含む[1]〜[5]のいずれか1つに記載の水中油型化粧料。
本開示によれば、肌に塗布したときにとろけるような感触が得られ、かつ、皮膚刺激性を生じ得る界面活性剤の含有量を低減しながらも、経時安定性に優れる水中油型化粧料が提供される。
以下、本発明を適用した水中油型化粧料の実施形態の一例について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、水中油型化粧料中の各成分の量は、各成分に該当する物質が水中油型化粧料中に複数存在する場合には、特に断らない限り、水中油型化粧料中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「水相」との語は、溶媒の種類にかかわらず、「油相」に対する語として使用する。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、「とろけるような感触」とは、水中油型化粧料を肌に塗布しているときの感触であって、水中油型化粧料が固形状から液状へと変化し、肌の上で伸び広がることにより、みずみずしさが想起されるような感触を意味する。また、「みずみずしさ」とは、水中油型化粧料を肌に塗布しているときの感触であって、潤い感を伴うべたつきのない感触を意味する。
[水中油型化粧料]
本開示の水中油型化粧料は、水中油型化粧料の全質量に対して0.5質量%以下の含有量である一般式(1)で表される化合物(以下、適宜「特定化合物(1)」と称する。)と、アクリル酸及びアクリル酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を構成モノマー単位として含む水溶性高分子(以下、適宜「特定水溶性高分子」と称する。)と、水中油型化粧料の全質量に対して0.001質量%以上0.5質量%以下の含有量である重量平均分子量が2000以下の界面活性剤(以下、適宜「特定界面活性剤」と称する。)と、油性成分と、水と、を含有する水中油型化粧料である。
水中油型化粧料では、油性成分と水性成分とを乳化させるために、界面活性剤を配合する。しかし、低分子量(例えば、重量平均分子量が2000以下)の界面活性剤は、皮膚刺激性の要因となり得るため、水中油型化粧料における界面活性剤の含有量は、できるだけ少ないことが望ましい。
従来の水中油型化粧料等の乳化化粧料では、アルキル変性カルボキシポリマー、又は、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと疎水性メタクリル酸エステルとの共重合体といった化合物を用いることにより、皮膚刺激性等の問題を解決していた。しかし、界面活性剤の代替品として、これらの化合物を用いただけでは、十分な経時安定性を得ることができないことが、本発明者らの検討により明らかとなった。
本開示の水中油型化粧料は、水中油型化粧料の全質量に対して0.5質量%以下の含有量である特定化合物(1)と、特定水溶性高分子と、油性成分と、水と、を含有することにより、皮膚刺激性の要因となり得る界面活性剤の含有量が、水中油型化粧料の全質量に対して0.001質量%以上0.5質量%以下であっても、経時安定性に優れる。
また、本開示の水中油型化粧料は、水中油型化粧料の全質量に対して0.5質量%以下の含有量である特定化合物(1)と、特定水溶性高分子と、水中油型化粧料の全質量に対して0.001質量%以上0.5質量%以下の含有量である特定界面活性剤と、油性成分と、水と、を組み合わせて含有することにより、肌に塗布したときに剤型が崩れ、とろけるような感触が得られる。
さらに、本開示の水中油型化粧料では、肌に塗布したときの剤型変化により、油性成分が肌の上で伸び広がるため、保湿感も得られる。
なお、増粘効果を有する特定水溶性高分子の代わりに、水溶性増粘剤として知られるキサンタンガム、寒天等を含有する水中油型化粧料では、肌に塗布したときにとろけるような感触を得ることができない。
また、特定水溶性高分子に、キサンタンガム、寒天等の水溶性増粘剤を組み合わせると、これらの水溶性増粘剤を含有しない場合と比較して、硬度が高まり、経時安定性は向上する傾向にあるが、肌に塗布したときのとろけるような感触は、低減する傾向にある。
以下、本開示の水中油型化粧料の各成分について、詳細に説明する。
〔特定化合物(1)〕
本開示の水中油型化粧料は、水中油型化粧料の全質量に対して0.5質量%以下の含有量である下記一般式(1)で表される化合物(特定化合物(1))を含有する。
一般式(1)中、Rは、それぞれ独立に、R11−(O−R12)x−で表される基である。R11は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R12は、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。xは、1〜500の整数である。Rは、それぞれ独立に、ウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表す。Rは、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rが複数ある場合、複数のRは、同一であっても又は異なっていてもよい。nは、1〜500の整数であり、mは、1以上の整数である。
特定化合物(1)は、一般式(1)から明らかなように、主鎖にウレタン結合及び親水性のアルキレンオキシ基を有し、末端に疎水性の炭化水素基を有する、疎水性に変性されたウレタン系コポリマーである。
一般式(1)において、Rは、R11−(O−R12)x−で表される基である。2つあるRは、互いに同じであっても異なっていてもよい。
11は、炭化水素基を表す。
11で表される炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの組み合わせからなる基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐を有していてもよく、環状であってもよく、好ましくは分岐を有する脂肪族炭化水素基である。
11で表される炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等の脂肪族炭化水素基が好ましい。
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル、デシルテトラデセス等の基が挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等の基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の基が挙げられる。
シクロアルケニル基としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル等の基が挙げられる。
11で表される炭化水素基の炭素数は、好ましくは8〜36であり、より好ましくは12〜30である。
12は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、炭素数2のアルキレン基(即ち、エチレン基)が好ましい。
xは、1〜500の整数であり、好ましくは1〜300の整数であり、より好ましくは1〜100の整数であり、更に好ましくは5〜50の整数であり、特に好ましくは10〜40の整数である。
一般式(1)において、Rは、それぞれ独立に、ウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表す。
で表される炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの組み合わせからなる基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐を有していてもよく、環状であってもよく、好ましくは直鎖状である。
で表される炭化水素基としては、例えば、既述のR11で表される炭化水素基として記載した、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等の脂肪族炭化水素基から水素原子を1つ除いて得られる2価の基が挙げられる。
で表される炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは2〜8であり、更に好ましくは4〜8であり、特に好ましくは6である。
一般式(1)において、Rは、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、炭素数2のアルキレン基(即ち、エチレン基)が好ましい。
一般式(1)において、Rが複数ある場合、複数のRは、同一であっても又は異なっていてもよい。
一般式(1)において、nは、1〜500の整数であり、好ましくは1〜400の整数であり、より好ましくは10〜400の整数であり、更に好ましくは100〜300の整数である。
一般式(1)において、mは、1以上の整数であり、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。
特定化合物(1)は、例えば、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物と、を80℃〜90℃で1時間〜3時間加熱し、反応させることにより得ることができる。
上記反応に用いられる原料である、一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物、及び一般式(4)で表される化合物は、それぞれ、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
一般式(2)におけるRは、一般式(1)におけるRに対応する。
一般式(3)におけるRは、一般式(1)におけるRに対応する。
一般式(4)におけるR及びnは、一般式(1)におけるR及びnに対応する。
一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物、及び一般式(4)で表される化合物の仕込み比は、特に限定されず、例えば、目的とする特定化合物(1)に応じて、適宜設定することができる。
<一般式(1−1)で表される化合物>
本開示における一般式(1)で表される化合物としては、下記一般式(1−1)で表される化合物(以下、適宜「特定化合物(1−1)」と称する。)が好ましい。
一般式(1−1)中、n1は、1〜500の整数であり、m1は、1以上の整数であり、x1は、1〜500の整数である。
一般式(1−1)において、n1は、1〜500の整数であり、好ましくは1〜400の整数であり、より好ましくは10〜400の整数であり、更に好ましくは100〜300の整数であり、特に好ましくは240である。
一般式(1−1)において、m1は、1以上の整数であり、好ましくは1〜20の整数であり、より好ましくは1〜10の整数であり、更に好ましくは1〜5の整数であり、特に好ましくは1〜3の整数である。
一般式(1−1)において、x1は、1〜500の整数であり、好ましくは1〜300の整数であり、より好ましくは1〜100の整数であり、更に好ましくは5〜50の整数であり、特に好ましくは10〜40の整数であり、最も好ましくは20である。
本開示に用いられる特定化合物(1−1)としては、特開平9−71766号公報、国際公開第2014/084174号等に挙げられた化合物が好適である。
本開示に用いられる特定化合物(1−1)としては、特に、ポリエチレングリコール(PEG)−240/デシルテトラデセス−20/ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)コポリマーが好適である。
このようなコポリマーは、商品名「アデカノールGT−700」、「アデカノールGT−730」、「アデカノールGT−930」等として(株)ADEKAから市販されている。
本開示の水中油型化粧料は、特定化合物(1)を、1種又は2種以上含有してもよい。
本開示の水中油型化粧料中における特定化合物(1)の含有量は、水中油型化粧料の全質量に対して、0.5質量%以下である。
また、本開示の水中油型化粧料中における特定化合物(1)の含有量は、水中油型化粧料の全質量に対して、0質量%を超え、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。
本開示の水中油型化粧料は、水中油型化粧料の全質量に対して0.5質量%以下の含有量である特定化合物(1)を含むことにより、皮膚刺激性を生じ得る界面活性剤の含有量を低減しながらも、優れた経時安定性を実現することができる。また、肌に塗布したときに得られる、とろけるような感触が損なわれない。
〔特定水溶性高分子〕
本開示の水中油型化粧料は、アクリル酸及びアクリル酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を構成モノマー単位として含む水溶性高分子(特定水溶性高分子)を含有する。
本開示の水中油型化粧料は、特定水溶性高分子を含有することにより、肌に塗布したときにとろけるような感触が得られる。
特定水溶性高分子としては、アクリル酸又はアクリル酸誘導体の単独重合体(ホモポリマー)であってもよく、アクリル酸及びアクリル酸誘導体からなる群より選ばれる2種以上からなる共重合体(コポリマー)であってもよく、アクリル酸及びアクリル酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種と他のモノマーとの共重合体(コポリマー)であってもよい。
他のモノマーとしては、特に限定されず、例えば、ビニルピロリドン、メタクリル酸、及びメタクリル酸誘導体が挙げられる。
ここで、アクリル酸誘導体とは、アクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリロイルジメチルタウリン等を意味する。また、メタクリル酸誘導体とは、メタクリル酸エステル、メタクリル酸アミド等を意味する。
例えば、肌に塗布したときにとろけるような感触がより強く感じられるという観点から、アクリル酸を構成モノマー単位として含む水溶性高分子であることが好ましい。
特定水溶性高分子としては、アクリル酸の単独重合体(即ち、ポリアクリル酸)及びその塩、カルボキシビニルポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー、アクリルアミド/アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン塩共重合体、アクリル酸塩/アクリロイルジメチルタウリン共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸−2−メチルプロパンスルホン酸塩共重合体、アクリロイルジメチルタウリン塩/ビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、特定水溶性高分子は、肌に塗布したときにとろけるような感触がより強く感じられ、かつ、水中油型化粧料の経時安定性がより向上する傾向にあるという観点から、カルボキシビニルポリマーを含むことが好ましい。
なお、特定水溶性高分子がカルボキシビニルポリマーを含む場合、特定水溶性高分子は、カルボキシビニルポリマー1種のみを含んでいてもよく、カルボキシビニルポリマーのみを2種類以上含んでいてもよく、カルボキシビニルポリマーをカルボキシビニルポリマー以外の特定水溶性高分子と組み合わせて含んでいてもよい。
ここで、「カルボキシビニルポリマー」とは、重合性ビニル基とカルボキシ基又はアルキル変性カルボキシ基とを少なくとも有する重合性モノマー(アクリル酸、アクリル酸アルキルエステル等)を構成モノマー単位として含むポリマーを意味する。なお、カルボキシビニルポリマーは、化粧品成分表示名称で「カルボマー」と称される成分を包含する。また、「アルキル変性カルボキシ基」とは、カルボキシ基がアルキルエステル化していることを意味する。なお、少なくとも1種のアクリル酸エステルを構成モノマー単位として含むカルボキシビニルポリマーは、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとも称される。カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、架橋構造を有していてもよい。
例えば、水中油型化粧料の経時安定性がより向上する傾向にあるという観点からは、特定水溶性高分子が、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを含むことが好ましく、アルキル変性カルボキシビニルポリマーと、アルキル変性カルボキシビニルポリマー以外の特定水溶性高分子との組合せを含むことがより好ましい。
カルボキシビニルポリマーとしては、化粧料に使用可能なものであれば、特に限定されない。
カルボキシビニルポリマーとしては、市販品を用いることができる。
アルキル変性されていないカルボキシビニルポリマーの市販品の例としては、「Carbopol(登録商標) 940」、「Carbopol(登録商標) 941」、「Carbopol(登録商標) 980」、「Carbopol(登録商標) 981」、「Carbopol(登録商標) ETD2050」(以上、Lubrizol Advanced Materials製)、「ハイビスワコー(登録商標)103」、「ハイビスワコー(登録商標)104」、「ハイビスワコー(登録商標)105」(以上、和光純薬工業(株)製)、「SYNTHALEN(登録商標) K」、「SYNTHALEN(登録商標) L」(以上、3V SIGMA製)等が挙げられる。
アルキル変性カルボキシビニルポリマーの市販品の例としては、「Carbopol(登録商標) 1382」、「PEMULEN(登録商標) TR−1」、「PEMULEN(登録商標) TR−2」、「Carbopol(登録商標) Ultrez−20」、「Carbopol(登録商標) Ultrez−21」、「Carbopol(登録商標) ETD2020」、「Carbopol(登録商標) 1342」(以上、Lubrizol Advanced Materials製)等が挙げられる。
特定水溶性高分子の重量平均分子量は、特に限定されず、例えば、1万以上200万以下であることが好ましく、10万以上150万以下であることがより好ましい。
特定水溶性高分子の重量平均分子量は、下記のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法によって測定した値である。具体的な測定条件を以下に示す。
〜測定条件〜
測定装置:GPC(型式:HLC-8220GPC、東ソー(株))
カラム:TSKgel(登録商標) GMPW(東ソー(株))
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
カラム温度:25℃
流量:1mL/min
試料濃度:0.1質量%
本開示の水中油型化粧料は、特定水溶性高分子を、1種又は2種以上含有してもよい。
本開示の水中油型化粧料中における特定水溶性高分子の含有量の下限は、肌に塗布したときにとろけるような感触を十分に感じることができ、かつ、水中油型化粧料の経時安定性がより向上する傾向にあるという観点から、水中油型化粧料の全質量に対して、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。
また、本開示の水中油型化粧料中における特定水溶性高分子の含有量の上限は、肌に塗布したときにとろけるような感触を十分に感じることができるという観点から、水中油型化粧料の全質量に対して、好ましくは3.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以下である。
〔特定界面活性剤〕
本開示の水中油型化粧料は、水中油型化粧料の全質量に対して0.001質量%以上0.5質量%以下の含有量である重量平均分子量が2000以下の界面活性剤(特定界面活性剤)を含有する。
界面活性剤の重量平均分子量は、2000以下であれば、特に限定されない。例えば、皮膚刺激性をより低減する観点から、界面活性剤の重量平均分子量の上限は、好ましくは1800以下であり、より好ましくは1600以下であり、更に好ましくは1500以下である。
界面活性剤の重量平均分子量の下限は、特に限定されず、例えば、100以上である。
界面活性剤の重量平均分子量は、下記のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法によって測定した値である。具体的な測定条件を以下に示す。
〜測定条件〜
測定装置:GPC(型式:HLC-8220GPC、東ソー(株))
カラム:TSKgel(登録商標) GMPW(東ソー(株))
溶離液:水
カラム温度:25℃
流量:1mL/min
試料濃度:0.1質量%
なお、既述の特定化合物(1)の中には、例えば、特定化合物(1−1)であるPEG−240/デシルテトラデセス−20/ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)コポリマーのように界面活性能を有するものがあるが、このような高分子化合物は、本開示における特定界面活性剤には包含されない。また、既述の特定水溶性高分子の中にも界面活性能を有するものがあり、後述の特定重合体も界面活性能を有し得るが、重量平均分子量が2000を超える高分子化合物は、本開示における特定界面活性剤には包含されない。
特定界面活性剤の種類は、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
これらの中でも、特定界面活性剤の種類としては、肌への刺激性が低いこと、環境への影響が少ないこと等の観点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、重量平均分子量が2000以下であれば、特に限定されず、公知のものを用いることができる。
ノニオン性界面活性剤の例としては、単糖又は多糖の脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。なお、これらのノニオン性界面活性剤は、蒸留等で高度に精製されたものである必要はなく、反応混合物であってもよい。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤としては、皮膚刺激性がより低い傾向にあるという観点から、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、平均重合度が2以上のポリグリセリンと、脂肪酸骨格の炭素数が6〜22の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪酸、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等とのエステルであることが好ましい。
これらの中でも、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、皮膚刺激性がより低いという観点から、ラウリン酸ポリグリセリル−6、ミリスチン酸ポリグリセリル−6、ステアリン酸ポリグリセリル−6、オレイン酸ポリグリセリル−6、ラウリン酸ポリグリセリル−10、ミリスチン酸ポリグリセリル−10、ステアリン酸ポリグリセリル−10、モノオレイン酸デカグリセリル、及びオレイン酸ポリグリセリル−10からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、モノオレイン酸デカグリセリル及びオレイン酸ポリグリセリル−10から選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、オレイン酸ポリグリセリル−10が特に好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。ポリグリセリンの平均重合度は、2以上10以下であることがより好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、例えば、平均重合度が2以上のポリグリセリンと、脂肪酸骨格の炭素数が6〜22の脂肪酸とをエステル化することにより得られる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、いずれの合成方法から得られるものでもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法としては、例えば、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、ポリグリセリンと脂肪酸エステル類とのエステル交換反応、ポリグリセリンと油脂類とのエステル交換反応等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、1分子のポリグリセリンに1種類の脂肪酸がエステル結合したものであってもよく、1分子のポリグリセリンに2種類以上の脂肪酸がエステル結合したものであってもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、市販品を使用することもできる。
本開示の水中油型化粧料は、特定界面活性剤を、1種又は2種以上含有してもよい。
本開示の水中油型化粧料中における特定界面活性剤の含有量は、水中油型化粧料の全質量に対して、0.001質量%以上0.5質量%以下であり、好ましくは0.01質量%以上0.5質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上0.5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以上0.3質量%以下である。
特定界面活性剤の含有量が、上記範囲内であると、水中油型化粧料の特定界面活性剤を要因とする皮膚刺激性を低減し得る。また、特定界面活性剤の含有量が、上記範囲内であると、とろけるような感触の水中油型化粧料を得ることができる。
〔油性成分〕
本開示の水中油型化粧料は、油性成分を含有する。
本開示における油性成分は、25℃で液体であることが好ましい。本開示における油性成分は、25℃で固体であって、かつ、25℃で他の油性成分に溶解するものであってもよい。
ここで、「油性成分」とは、25℃における水への溶解度が0.1質量%未満(1g/L未満)であり、化粧料の分野で一般に油性成分として使用される成分を意味する。また、「25℃で液体」とは、融点又は軟化点が25℃未満であることを意味する。
本開示における油性成分は、例えば、25℃で固体であっても、25℃で他の油性成分に溶解すればよい。
油性成分としては、特に限定されず、例えば、油脂、炭化水素油、ロウ、脂肪酸、及びエステル油が挙げられる。化粧料の処方を組む上では、これらの中でも、油性成分としては、エステル油及び炭化水素油からなる群より選ばれる少なくとも1種の油性成分が好適である。
油脂としては、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、牛油、ゴマ油、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、椿油、パーシック油、ヒマシ油、ブドウ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、卵黄油、ヤシ油、モクロウ、ローズヒップ油、ダイズ油、硬化油(硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、硬化カカオ油、硬化タートル油、硬化ミンク油等)、中鎖脂肪酸トリグリセライド(トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル等)などが挙げられる。
炭化水素油としては、流動パラフィン、イソパラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等が挙げられる。
ロウとしては、オレンジラフィー油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、モンタンロウ、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、水素添加ラノリン、水素添加ホホバ油、水素添加カルナバロウ等が挙げられる。
脂肪酸としては、例えば、カプリル酸(C8:0)、カプリン酸(C10:0)、ラウリン酸(C12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(C16:0)、ステアリン酸(C18:0)、イソステアリン酸(C18:0)、オレイン酸(C18:1)、リノール酸(C18:2)、α−リノレン酸(C18:3)、γ−リノレン酸(C18:3)、アラキジン酸(C20:0)、ベヘニン酸(C22:0)等が挙げられる。なお、括弧内は、脂肪酸骨格の炭素数及び二重結合の数を表し、例えば、「C18:1」は、脂肪酸骨格の炭素数が18であり、かつ、二重結合の数が1つであることを示す。
エステル油としては、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、オクタン酸セチル、オレイン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル(トリエチルヘキサノイン)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジオレイン酸プロピレングリコール、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、等が挙げられる。
その他、本開示の水中油型化粧料は、油性成分として、βカロテン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、リコピン、ルテイン等のカロテノイド、トコフェロール、トコトリエノール等のビタミンEなどを含有してもよい。
本開示の水中油型化粧料は、油性成分を、1種又は2種以上含有してもよい。
本開示の水中油型化粧料中における油性成分の含有量は、特に限定されない。
例えば、水中油型化粧料の保湿感を向上させる観点から、本開示の水中油型化粧料中における油性成分の含有量の下限は、水中油型化粧料の全質量に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上である。
また、本開示の水中油型化粧料中における油性成分の含有量は、経時安定性の観点から、水中油型化粧料の全質量に対して、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。
〔水〕
本開示の水中油型化粧料は、水を含有する。
水としては、特に制限はなく、天然水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水(Milli−Q水等)などを使用することができる。なお、Milli−Q水とは、メルク(株)メルクミリポアのMilli−Q水製造装置により得られる超純水である。
水中油型化粧料に含有される水としては、不純物が少ないという観点から、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、又は超純水が好ましい。
本開示の水中油型化粧料中における水の含有量は、水中油型の形態を得る観点から、水中油型化粧料の全質量に対して、好ましくは5質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは60質量%以上90質量%以下である。
〔2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体、及び、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸エステルとの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体〕
本開示の水中油型化粧料は、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体、及び、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸エステルとの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体(以下、適宜「特定重合体」と称する。)を更に含有してもよい。
本開示の水中油型化粧料において、特定重合体は、水中油型化粧料の経時安定性の向上に寄与する。
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸エステルとの共重合体としては、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ステアリル共重合体等が挙げられる。
水中油型化粧料の経時安定性がより向上するという観点から、特定重合体としては、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン単独重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル共重合体、及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ステアリル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体であることが好ましい。
特定重合体としては、市販品を使用することもできる。
市販品の例としては、日油(株)のLipidure(登録商標)−HM、−PMB、−NR、−S等が挙げられる。
特定重合体の重量平均分子量は、特に限定されず、例えば、5000以上500万以下であることが好ましく、1万以上100万以下であることがより好ましい。
特定重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した値である。
なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定方法は、既述の特定水溶性高分子の重量平均分子量の測定方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本開示の水中油型化粧料は、特定重合体を、1種又は2種以上含有してもよい。
本開示の水中油型化粧料中における特定重合体の含有量の下限は、水中油型化粧料の経時安定性がより向上する観点から、水中油型化粧料の全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。
また、本開示の水中油型化粧料中における特定重合体の含有量の上限は、水中油型化粧料の使用感の観点から、水中油型化粧料の全質量に対して、好ましくは3.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以下である。
〔他の成分〕
本開示の水中油型化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲において、化粧料に用いられる他の成分を更に含んでいてもよい。
他の成分としては、例えば、化粧料に使用した際に有用な美容効果(保湿効果、美白効果、整肌効果等)を示す機能性成分が挙げられる。このような機能性成分としては、コエンザイムQ10等のユビキノン;ヒアルロン酸等の多糖類;グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミド等のスフィンゴ糖脂質;加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン等のコラーゲン;アセチルヒドロキシプロリン等のアミノ酸、加水分解シロバナルービンタンパク、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naなどが挙げられる。
また、他の成分としては、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、フェノキシエタノール、ブチルカルバミン酸ヨウカプロピニル等)、pH調整剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸等)、水溶性有機溶剤(エタノール等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、キレート剤、香料などが挙げられる。
〔水中油型化粧料の用途〕
本開示の水中油型化粧料の用途としては、化粧水(ローション)、美容液、乳液等のスキンケア化粧料、化粧下地、リキッドファンデーション等のメイクアップ化粧料などが挙げられる。但し、本開示の水中油型化粧料の用途は、これらに制限されない。
〔水中油型化粧料の製造方法〕
本開示の水中油型化粧料の製造方法は、特に限定されない。本開示の水中油型化粧料は、特定化合物(1)、特定水溶性高分子、特定界面活性剤、油性成分、及び水に、必要に応じて、特定重合体及び他の成分を用いて、公知の水中油型化粧料の製造方法に従って、得ることができる。
本開示の水中油型化粧料の好ましい製造方法の1つとしては、特定界面活性剤及び油性成分を含む油相組成物と、特定化合物、特定水溶性高分子、及び水を含む水相組成物と、を混合し、常法により乳化する方法である。
本開示の水中油型化粧料の好ましい製造方法の一例について、詳細に説明する。
(a)油性成分と、特定界面活性剤とを加熱混合することにより、油相組成物を得る。
(b)水と、特定水溶性高分子と、必要に応じて他の成分(例えば、防腐剤)とを加熱混合した後、得られた混合物と、特定化合物(1)とを混合することにより、水相組成物を得る。
(c)撹拌下で油相組成物と水相組成物とを混合して、乳化分散を行う。
以上の方法により、水中油型化粧料を製造することができる。
油相組成物中において、油性成分と、特定界面活性剤とは、単に混合されていればよく、均一に混合されていることが好ましい。
油性成分と、特定界面活性剤とは、一度に混合してもよく、或いは、一方に他方を少しずつ添加しながら混合してもよい。
油性成分と、特定界面活性剤とを混合する方法は、特に限定されず、例えば、撹拌により混合する方法が挙げられる。
撹拌手段としては、特に限定されず、一般的な撹拌器具又は装置を用いることができる。撹拌器具又は撹拌装置としては、スターラー、家庭用ミキサー、パドルミキサー、インペラーミキサー、ホモミキサー、ディスパーミキサー、ウルトラミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。
撹拌時間は、特に限定されず、撹拌器具又は撹拌装置の種類、油相組成物の組成等に応じて、適宜設定することができる。
油性成分と、特定界面活性剤とを混合する際の温度は、溶解性の観点から、70℃以上に設定することが好ましい。
温度を調整する手段としては、特に限定されず、一般的な加熱装置を用いることができる。
水相組成物は、水相組成物の混合の均一性を高める観点から、予め、水と、特定水溶性高分子と、必要に応じて他の水性成分とを混合し、得られた混合物と、特定化合物(1)とを混合することにより調製することが好ましい。
混合物中において、水と、特定水溶性高分子と、他の水性成分とは、単に混合されていればよく、均一に混合されていることが好ましい。
水と、特定水溶性高分子と、他の水性成分とは、一度に混合してもよく、或いは、水に特定水溶性高分子及び他の水性成分を少しずつ添加しながら混合する等、1つの成分に他の成分を分割して添加しながら混合してもよい。
水と、特定水溶性高分子と、他の水性成分とを混合する方法は、特に限定されず、例えば、撹拌により混合する方法が挙げられる。撹拌手段としては、特に限定されず、既述の油相組成物の調製における撹拌器具又は撹拌装置と同様のものが挙げられる。
撹拌時間は、特に限定されず、撹拌器具又は撹拌装置の種類、混合物の組成等に応じて、適宜設定することができる。
水と、特定水溶性高分子と、他の水性成分とを混合する際の温度は、突沸を防ぐ観点から、100℃以下に設定することが好ましく、70℃以上100℃以下に設定することがより好ましく、70℃以上90℃以下に設定することが更に好ましい。
温度を調整する手段としては、特に限定されず、一般的な加熱装置を用いることができる。
混合物と、特定化合物(1)とは、一度に混合してもよく、或いは、一方に他方を少しずつ添加しながら混合してもよい。
混合物と、特定化合物(1)とを混合する方法は、特に限定されず、例えば、撹拌により混合する方法が挙げられる。撹拌手段としては、特に限定されず、撹拌器具又は撹拌装置としては、既述の油相組成物の調製における撹拌器具又は撹拌装置と同様のものが挙げられる。
撹拌時間は、特に限定されず、撹拌器具又は撹拌装置の種類、水相組成物の組成等に応じて、適宜設定することができる。
混合物と、特定化合物(1)とを混合する際の温度は、突沸を防ぐ観点から、100℃以下に設定することが好ましく、70℃〜90℃に設定することがより好ましい。
温度を調整する手段としては、特に限定されず、一般的な加熱装置を用いることができる。
本開示の水中油型化粧料は、油相組成物と、水相組成物とを混合し、乳化分散することにより、調製することができる。
油相組成物と、水相組成物とは、一度に混合してもよく、或いは、一方に他方を少しずつ添加しながら混合してもよい。
油相組成物と、水相組成物とを混合する方法は、特に限定されず、例えば、撹拌により混合する方法が挙げられる。撹拌手段としては、特に限定されず、撹拌器具又は撹拌装置としては、既述の油相組成物の調製における撹拌器具又は撹拌装置と同様のものが挙げられる。
撹拌時間は、特に限定されず、撹拌器具又は撹拌装置の種類、油相組成物及び水相組成物の組成等に応じて、適宜設定することができる。
水相組成物と混合する際の油相組成物の温度は、突沸を防ぐ観点から、100℃以下に設定することが好ましく、70℃〜90℃に設定することがより好ましい。
水相組成物の温度は、特に限定されず、例えば、70℃〜90℃に設定することが好ましい。
乳化分散の方法は、特に制限されず、スターラー、パドルミキサー、インペラーミキサー、ホモミキサー、ディスパーミキサー、ウルトラミキサー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等の撹拌器具又は撹拌装置を用いる方法が挙げられる。
乳化分散の時間及び温度は、特に限定されず、撹拌器具又は撹拌装置の種類、油相組成物及び水相組成物の組成等に応じて、適宜設定することができる。
乳化分散にホモジナイザーを用いる場合、例えば、回転速度を1500rpm(round per minute)〜2500rpm、撹拌時間を10分間〜20分間に設定することができる。乳化分散は、撹拌条件を変えて2回以上に分けて行ってもよい。また、乳化分散の途中で、pH調整剤を添加して所望のpHに調整してもよい。
油相組成物と水相組成物との質量比(油相組成物:水相組成物)は、特に制限されず、例えば、1:99〜45:55であることが好ましく、1:99〜35:65であることがより好ましい。
本開示の水中油型化粧料のpHは、肌に塗布したときにとろけるような感触が得られ、かつ、経時安定性に優れるという観点から、4.5〜11.0が好ましく、4.8〜7.0がより好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[水中油型化粧料の調製]
〔実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例7〕
下記表1〜表4に記載の油相組成物を構成する成分を80℃にて混合し、スターラーで撹拌して均一化することにより、油相組成物を得た。
次に、下記表1〜表5に記載の水相組成物を構成する成分のうち、特定化合物(1)以外の成分を80℃にて混合し、ホモジナイザー(型式:HM−310、アズワン社)を用いて、3000rpmで3分間撹拌することにより、混合物を得た。得られた混合物と、特定化合物(1)とを80℃にて混合し、ホモジナイザー(型式:HM−310、アズワン社)を用いて、2000rpmで15分間撹拌することにより、水相組成物を得た。
得られた油相組成物と水性組成物とを混合し、ホモジナイザー(型式:HM−310、アズワン社)を用いて、2000rpmで15分間撹拌し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物を25℃まで冷却し、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて、pHを4.8〜5.2に調整した。
以上のようにして、水中油型化粧料を得た。
[評価]
実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例7の水中油型化粧料について、以下の各評価を行った。結果を表1〜表5に示す。
1.経時安定性
調製直後の実施例1〜実施例6、比較例1、及び比較例3〜比較例7の水中油型化粧料の硬度(初期硬度)を、レオメーター(機種名:FUDOH REHOMETER、(株)レオテック)を用いて測定した。
水中油型化粧料の硬度測定では、一定荷重をかけた際の試料からの応力を荷重として検出し、この荷重を硬度(単位:g)として適用した。
具体的には、実施例1〜6、比較例1、及び比較例3〜7の水中油型化粧料に対して、測定温度25℃の条件下、60mm/分の速度で、直径20mmのアダプターの先端を2Nの荷重で20mm挿入したときに測定される応力のピーク値を、硬度の測定値(単位:g)とした。
次いで、実施例1〜実施例6、比較例1、及び比較例3〜比較例7の水中油型化粧料を、50℃の恒温槽に入れた。14日後に恒温槽から取り出した水中油型化粧料の硬度(経時硬度)を、上記のレオメーターを用いて、上記と同様の条件にて測定した。
そして、初期硬度から硬度の増減がどの程度抑えられたか、経時安定性を評価する指標として、初期硬度を100%としたときの硬度変化率を下記式で定義した。
硬度変化率(%)=(経時硬度/初期硬度)×100
得られた硬度変化率の値から、以下の評価基準に基づき、水中油型化粧料の経時安定性を評価した。なお、商品性に鑑みて、評価結果が「A」であれば、許容内と判断した。
−評価基準−
A:硬度変化率が75%以上である。
B:硬度変化率が75%未満である。
2.使用感(1)
化粧料評価の専門パネラー10名に、実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例7の各水中油型化粧料を指で顔に塗布してもらい、とろけるような感触が感じられるか否か、感じられた場合にはその程度を、以下の5段階の評価基準に基づき、評価してもらった。そして、10名の専門パネラーによる評価値を平均し、小数点第2位を四捨五入した値を評価結果とした。評価結果の数値が大きい程、とろけるような感触がより強く感じられる水中油型化粧料であることを示す。なお、商品性に鑑みて、評価結果が3.0以上であれば、許容内と判断した。
−評価基準−
5:とろけるような感触を強く感じる。
4:とろけるような感触を感じる。
3:とろけるような感触を少し感じる
2:とろけるような感触をほとんど感じない。
1:とろけるような感触を全く感じない。
2.使用感(2)
化粧料評価の専門パネラー10名に、実施例1及び実施例5の各水中油型化粧料を指で顔に塗布してもらい、塗布してから5分後に、保湿感の程度を以下の5段階の評価基準に基づき、評価してもらった。そして、10名の専門パネラーによる評価値を平均し、小数点第2位を四捨五入した値を評価結果とした。評価結果の数値が大きい程、保湿感に優れる水中油型化粧料であることを示す。なお、商品性に鑑みて、評価結果が3.0以上であれば、許容内と判断した。
−評価基準−
5:保湿感を強く感じる。
4:保湿感を感じる。
3:保湿感を少し感じる。
2:保湿感をほとんど感じない。
1:保湿感を全く感じない。
表1〜表5中の成分の欄において、「%」は「質量%」を示し、「−」はその成分を含有しないことを意味する。
表2〜表5に記載の実施例1は、他の実施例及び比較例との対比のために記載したものであり、表1に記載の実施例1と同じものである。
表1〜表5に記載の各成分の詳細は、以下の通りである。
<特定界面活性剤>
・オレイン酸ポリグリセリル−10〔商品名:NIKKOL(登録商標) DECAGLYN 1−OV、日光ケミカルズ(株)〕
<油性成分>
・トリエチルヘキサノイン〔日本精化(株)〕
<特定化合物(1)>
・ポリエチレングリコール−240/デシルテトラデセス−20/ヘキサメチレンジイソシアネート〔商品名:アデカノールGT−700、(株)ADEKA〕
<特定水溶性高分子>
・カルボキシビニルポリマー〔化粧品成分表示名称:カルボマー、商品名:Carbopol(登録商標) 980、Lubrizol Advanced Materials製〕
・アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー〔商品名:Carbopol(登録商標) Ultrez−20、Lubrizol Advanced Materials製、アルキル変性カルボキシビニルポリマー〕
・(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー〔商品名:Aristoflex(登録商標) AVC、CLARIANT社〕
<特定重合体>
・ポリクオタニウム−51(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ブチルとの重合体)〔商品名:Lipidure(登録商標)−PMB、5質量%水溶液、日油(株)〕
表1〜表5に示すように、水中油型化粧料の全質量に対して0.5質量%以下の特定化合物(1)、特定水溶性高分子、水中油型化粧料の全質量に対して0.001質量%以上0.5質量%以下の特定界面活性剤、油性成分、及び水を含有する実施例1〜実施例6の水中油型化粧料は、いずれも経時安定性に優れていた。また、実施例1〜実施例6の水中油型化粧料では、いずれも肌に塗布したときにとろけるような感触が感じられた。
一方、特定化合物(1)を含有しない比較例1の水中油型化粧料は、経時安定性が劣っていた(表1参照)。
また、特定水溶性高分子を含有しない比較例2の水中油型化粧料は、硬度が非常に低く、経時安定性の評価を行うことができなかった。また、比較例2の水中油型化粧料では、肌に塗布したときにとろけるような感触が全く感じられなかった(表1参照)。
また、特定界面活性剤の含有量が0.5質量%を超える比較例3の水中油型化粧料は、経時安定性に優れるものの、肌に塗布したときにとろけるような感触がほとんど感じられなかった(表1参照)。
また、特定水溶性高分子の代わりに、増粘剤であるキサンタンガムを含有する比較例5の水中油型化粧料、及び、同じく増粘剤である寒天を含有する比較例6の水中油型化粧料では、肌に塗布したときにとろけるような感触がほとんど感じられなかった(表2参照)。
また、特定界面活性剤を含有しない比較例7の水中油型化粧料は、経時安定性が劣っていた(表5参照)。
実施例1と実施例4とを対比すると、特定重合体を更に含有することで、水中油型化粧料の経時安定性が向上することがわかる(表3参照)。
実施例1と実施例5とを対比すると、油性成分の含有量が多いと、水中油型化粧料の保湿感が向上することがわかる(表4参照)。

Claims (6)

  1. 水中油型化粧料の全質量に対して0.5質量%以下の含有量である下記一般式(1)で表される化合物と、
    アクリル酸及びアクリル酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を構成モノマー単位として含む水溶性高分子と、
    水中油型化粧料の全質量に対して0.001質量%以上0.5質量%以下の含有量である重量平均分子量が2000以下の界面活性剤と、
    油性成分と、
    水と、
    を含有する水中油型化粧料。

    一般式(1)中、Rは、それぞれ独立に、R11−(O−R12)x−で表される基である。R11は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R12は、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。xは、1〜500の整数である。Rは、それぞれ独立に、ウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表す。Rは、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rが複数ある場合、複数のRは、同一であっても又は異なっていてもよい。nは、1〜500の整数であり、mは、1以上の整数である。
  2. アクリル酸及びアクリル酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を構成モノマー単位として含む水溶性高分子が、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを含む請求項1に記載の水中油型化粧料。
  3. 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体、及び、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸エステルとの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体を更に含有する請求項1又は請求項2に記載の水中油型化粧料。
  4. 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体、及び、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸エステルとの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体が、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン単独重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル共重合体、及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ステアリル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体である請求項3に記載の水中油型化粧料。
  5. 油性成分の含有量が、水中油型化粧料の全質量に対して10質量%以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の水中油型化粧料。
  6. 重量平均分子量が2000以下の界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の水中油型化粧料。
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