JP2018016526A - 耐火物用骨材、その製造方法、及びそれを用いた耐火物 - Google Patents

耐火物用骨材、その製造方法、及びそれを用いた耐火物 Download PDF

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Abstract

【課題】高温での使用でも焼結収縮が少なく、剥離や崩壊を抑制するCaO・6Al2O3(CA6)を結晶相とする多孔質で断熱性を有する耐火物用骨材の提供。【解決手段】粒径3〜6mm未満に篩分けしたときの嵩密度が0.6g/cm3以下であり、粒径1mm未満に篩分けしたときの、レーザー散乱式粒子径分布測定装置による粒度測定において粒径20μm以下の体積累計が30%以下である耐火物用CA6粒子。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄鋼関連の炉材等の耐火物分野等への利用が可能な、耐火物用骨材、その製造方法、及びそれを用いた耐火物に関するものであり、特に断熱性、施工性、長期安定性を有する耐火物用骨材とその製造方法に関する。
耐火物用骨材の大きな利用分野の一つである鉄鋼関連の耐火物分野において、従来の定形耐火物による築炉工法は、近年の機械化による施工の省力化のため、また、補修の省資源化のため、不定形耐火物を使用した築炉方法へと変換している。不定形耐火物を使用した築炉方法において、圧送ポンプを利用した大量施工の必要性が生じてきている。
一方、近年、環境問題よりCO排出削減に取り組まなければならない状況になってきており、鉄鋼関連での加熱炉等に使用される耐火物の断熱性を高めることにより、CO排出量を削減することが検討されている。
従来の鉄鋼関連で使用される断熱材としては、断熱性を高めるために耐火物と支持体の間にセラミックファイバーを挿入する方法が主流であったが、平成27年11月より労働安全関連法においてリフラクトリーセラミックファイバー(RCF)が「特定化学物質(第2類物質)」の「管理第2類物質」に追加される改定が施工されたこともあり、セラミックファイバーを用いなくても断熱性の高い耐火物の開発が進められている。
特許文献1では、耐火物用骨材にCaO・6Al(カルシウムヘキサアルミネート、以後CA6と記載)を結晶相とする多孔質な粒子を用いることで断熱性に優れた耐火物を提供することが提案されている。CA6を結晶相とする粒子が麟片状になりやすい性質を生かして製造されるものであり、提案されている耐火物用骨材は鱗片状のCA6の一次結晶が凝集した多孔体構造の粒子である。多孔体であることから、断熱性が高く、耐熱性や機械的強度に優れており、セラミックファイバーを用いなくても断熱性の高い耐火物用の骨材として有望である。骨材の単位重さ当たりの気孔の体積(以下、気孔率という)が大きい程断熱性が高くなる。気孔率はJIS R 2205:1992「耐火れんがの見掛気孔率・吸水率・比重の測定方法」に定められる煮沸法による吸水率の測定方法で評価することができる。
特許文献2では、CA6を結晶相とした多孔質な断熱性骨材が粗粒域に配合され微粒域にはアルミナ質原料及びアルミナセメントが配合された耐火性粉体組成物と、施工水とを含む断熱耐火物が提案されており、鋼片加熱炉や均熱炉のスキッドパイプ又はそれを支えるサポートパイプ等を被覆する断熱材に利用可能であるとしている。
WO00/30999号公報 特開2009−203090号公報
不定形耐火物の施工方法の一つとして、耐火物用骨材及びアルミナセメントを含むキャスタブルと水を混合した不定形耐火物用の材料を、型枠へ流し込む施工方法が行なわれている。施工後の不定形耐火物が高温使用時において収縮するような変形が生じると、常温に戻した時に冷却収縮が加わり、耐火物に剥離や崩壊が生じてしまい、断熱性が不充分となって、CO排出量の増大のほか、耐火物の補修によるコストアップが生じてしまう。
CA6粒子を骨材とした耐火物は、多孔体であるCA6粒子が周りのアルミナ質原料とアルミナセメントからなるマトリックス部に分散した構造となる。特にCA6粒子の周りのマトリックス部の熱的安定性が不充分な場合に、耐火物の剥離や崩壊が起こると考えられる。
本発明者は、上記課題を解消すべく、鋭意検討した結果、微粉の割合の低いCA6粒子を用いて耐火物を製造した場合に、耐火物の高温使用時の収縮が抑えられ、耐火物の耐久性が改善される知見を得て、本発明を完成するに至った。
また、本発明者は、CA6粒子の製造において、原料にホウ砂を適量添加することにより、気孔率を高く維持しつつ微粉の割合の少ないCA6粒子が得られやすくなり、このCA6粒子を用いて耐火物を製造した場合に、耐火物の熱的安定性が改善される知見を得て、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、結晶相がCA6であって、粒径3mm以上6mm未満に篩分けしたときの嵩密度が0.6g/cm未満であり、粒径1mm未満に篩分けしたときの、レーザー散乱式粒度分布測定装置による粒度測定において、粒径20μm以下の体積累計が30%以下であることを特徴とする耐火物用骨材であり、好ましくは0.02質量%以上0.4質量%以下のホウ素が含有されてなる不定形耐火物用骨材である。
また、本発明は、前記耐火物用骨材を用いて、アルミナセメントを結合材とした耐火物である。
更に、本発明は、カルシア原料、アルミナ原料、及び造孔剤を含む骨材原料を水と混合、成形後、1000℃〜1700℃で焼成して得られる前記耐火物用骨材の製造方法であって、前記骨材原料にホウ砂を添加すること特徴とする耐火物用骨材の製造方法であり、好ましくは、前記骨材原料に加えるホウ砂の添加量が0.1質量%以上4.0質量%以下である耐火物用骨材の製造方法である。
本発明により、結晶相がCA6である耐火物用骨材において、微粉の割合の低いCA6粒子を用いて耐火物を製造した場合に、高温使用時の収縮が充分に抑えられ、耐火物の耐久性改善が可能となる。
図1は本発明の実施例であるCA6粒子の、粒径1mm未満に篩分けしたときの粒度分布を比較例と対比して示したものである。 図2は本発明の実施例であるCA6粒子のX線回折分析結果を比較例と対比して示したものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
CA6粒子の製造においては、カルシア原料とアルミナ原料等の骨材原料を混合、若しくは混合粉砕して、最終的に合成されるカルシウムアルミネートのCaOとAlのモル比がおおよそ1:6の成分割合になるように配合し、水と混練して成形後、1000℃〜1700℃の温度で焼成して得られたものを、粉砕機によって粉砕して製造されるものである。
カルシア原料としては、粉末状の石灰石や生石灰、或いはCaO・Al(CA)、CaO・2Al(CA2)、12CaO・7Al(C12A7)、3CaO・Al(C3A)等を用いることが可能であり、これらの原料を複数種組み合わせて用いても構わない。
アルミナ原料としては、アルミナ(Al)、ギブサイト(Al(OH))、ベーマイト(AlO(OH))等を用いることが可能であり、これらの原料を複数種組み合わせて用いても構わない。ただし、多孔体のCA6粒子を合成するにはアルミニウムの水和物であるギブサイトを用いることが優位であることが知られている。ギブサイトを含むアルミナ原料を用いることで、鱗片状のCA6の一次結晶が凝集した多孔体構造のものが得られやすく好ましい。
また、より高い断熱性を発現させるためには、より気孔率の高いCA6の多孔体を合成することが有効である。その為、本発明の耐火物用骨材の製造方法では原料に造孔剤を添加する。例えば、可燃性物質を造孔剤として原料に添加することで、焼成時に造孔剤が燃焼・気化し、合成されたCA6粒子に空隙が形成され、気孔率の高いCA6粒子が形成される。造孔剤としては、澱粉(コーンスターチ)、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アクリル樹脂、ラテックス等を用いることが可能である。中でも澱粉(コーンスターチ)を用いると、比較的安価で数十μmの大きさの空隙を形成することが可能であり好ましい。
造孔剤にコーンスターチを用いる場合、その添加量は総原料中の5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。添加量が5質量%より少ないと造孔剤としての充分な効果が得られず、50質量%より多い場合は気孔率が大きくなりすぎ、耐火物用骨材としての充分な機械的強度が得られない他、コストアップの要因にもなる為である。
本発明の耐火物用骨材の製造方法において、好ましくは骨材原料にホウ砂(Na(OH)・8HO)を添加する。ホウ砂を添加することで、焼成時にフラックスとして作用し、形成された液相を通して各種原料の物質拡散を促し、未反応原料の残留が抑制され、また、鱗片状のCA6の一次結晶間の結合が強くなり、CA6粒子としての強度が高くなり、焼成したCA6焼成物の粉砕工程において微粉の発生が少なくなるという効果が得られる。
骨材原料に加えるホウ砂の添加量は、0.1質量%以上4.0質量%以下であることが好ましい。添加量が0.1質量%より少ないと、焼成したCA6焼成物の粉砕工程における微粉低減の効果が充分得られず、また、4.0質量%より多いと焼結の進行による焼き締まりが起こり、嵩密度が0.6g/cmを超えると骨材の気孔率が低減して充分な断熱性が得られなくなるからである。
カルシア原料、アルミナ原料、造孔剤、ホウ砂等の原料を混合する方法としては、特に限定されるものでは無く、各材料を所定の割合になるように配合し、V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウターミキサー、パン型ミキサー及びオムニミキサー等の混合機を用いて、均一に混合することが可能である。混合時間は、特に限定されるものでは無く、混合機により最適値はあるが、5分以上が好ましく、15分以上がより好ましい。混合時間の上限の指定は無い。
本発明の耐火物用骨材の製造方法では、カルシア原料、アルミナ原料、造孔剤、及びホウ砂等の原料を含む混合原料を水と混合、成形後、焼成炉に投入し、1000℃〜1700℃で焼成する。焼成温度が1000℃より低いと焼成が不充分となり、未反応原料が残留し、またホウ砂を添加したときの、強度改善の効果が充分に得られず、粉砕時の微粉発生を抑制効果が不十分となり、高温使用での安定性不良の原因となる。また、焼成温度を1700℃より高くしようとすると設備的に大掛かりとなってしまう一方で、CA6粒子の物性は1700℃で焼成したものとほとんど変わらない。焼成方法としては、電気炉、シャトルキルン、ロータリーキルン等の設備を用いることが可能である。
本発明の耐火物用骨材の製造方法では、焼成したCA6焼成物が粉砕機により適切な粒度に粉砕される。使用する粉砕機としては、限定されるものでは無いが、ボールミル、ハンマーミル、振動ミル、タワーミル、ローラーミル、ジェットミル等の粉砕機により得られる。
本発明者は、微粉割合が少なく、粒径1mm未満に篩分けしたときの、レーザー散乱式粒度分布測定装置による粒度測定において、粒径20μm以下の体積累計が30%以下であるCA6粒子を用いて耐火物を製造した場合に、耐火物の高温使用時の収縮が抑えられ、耐火物の耐久性が改善されることを見出している。従来のCA6粒子を用いた耐火物では、高温使用時に収縮するような変形が生じ、常温に戻した時に剥離や崩壊が起こってしまうが、この高温使用時の収縮が、耐火物中のセメント成分とCA6粒子との反応による焼結収縮によるものであると考えた。そして、CA6粒子の微粉の割合を低減させたところ、セメント成分とCA6粒子との接触面積が大幅に減少し、高温使用時の焼結収縮が抑えられ、耐久性が改善されることを見出した。
本発明の粒度測定では、レーザー散乱式粒度分布測定装置を用いる。粒子にレーザー光を照射したときの、レーザーの回折及び散乱光の強度パターンが粒子の大きさに依存することを利用し、回析及び散乱光の角度により異なる強度分布を観測・解析することで、粒子径分布を求めることができる。レーザー散乱式粒度分布測定装置は粉体試料の粒度分布を簡易的に測定できることから広く普及している。本発明のCA6粒子は、粒径1mm未満に篩分けしたときの、レーザー散乱式粒度分布測定装置による粒度測定において、粒径20μm以下の体積累計が30%以下としている。これは、測定された粒径20μm以下の粒子の累積体積の、(粒径1mm未満に篩分けされた)CA6粒子全体の体積に対する割合が30%以下であることを言う。
本発明の、粒径1mm未満に篩分けしたときの、レーザー散乱式粒度分布測定装置による粒度測定において、粒径20μm以下の体積累計が30%以下であるCA6粒子を得るためには、CA6焼成物を粉砕後、篩等を用いて粉砕工程で発生した微粉を取り除くことでも構わないが、本発明者は、前述のように、予め原料にホウ砂を添加し、0.02質量%以上0.4質量%以下のホウ素を含有するCA6焼成物を得ることで、CA6の一次結晶間の結合が強くなり、粉砕後の微粉の発生が少なく、微粉を取り除かなくても発明の効果が得られることを見出している。ホウ素含有量が0.02質量%より少ないと粉砕時の微粉低減の効果が充分得られにくく、また、0.4質量%より多いと焼結の進行による焼き締まりが起こり、嵩密度が0.6g/cmを超えると骨材の気孔率が低減して充分な断熱性が得られにくくなる。
本発明の不定形断熱耐火物は、結晶相がCA6であって、粒径1mm未満に篩分けしたときの、レーザー散乱式粒子径分布測定装置による粒度測定において、粒径20μm以下の体積累計が30%以下である耐火物用骨材と、アルミナセメントとを含むキャスタブルに所定量の水を添加し、混錬したものを型枠に流し込みことによって成型される。
例えば、本発明のCA6粒子を40〜70質量%、アルミナセメントを40〜60質量%、粒径45μm未満のアルミナ微粉を0〜10質量%を含むキャスタブルを使用する。CA6粒子の配合量が70質量%より多いと耐火物としての強度が不足し、40質量%より少ないと充分な断熱性が得られない。また、アルミナセメントの配合量が60質量%より多いと充分な断熱性が得られず、40質量%より少ないと耐火物としての強度が不足する。粒径45μm未満のアルミナ微粉はアルミナセメントとの反応により断熱耐火物のマトリックス成分となり、アルミナ微粉を配合しない場合と比較して強度が改善されるが、アルミナ微粉を10質量%より多くしてもそれ以上強度は改善しない。
本発明の不定形断熱耐火物の製造方法における各材量の混合方法は、特に限定されるものでは無いが、通常の不定形耐火物の製造方法に準じ、各構成原料を所定の割合になるように配合し、ボールミル、V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウターミキサー、パン型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を用いて均一混合する方法が可能である
本発明の不定形断熱耐火物の施工において、前記キャスタブルに所定量の水を添加し、配合、混錬する。添加する水の配合量は、キャスタブルの合計量に対して外掛けで40〜60質量%であることが好ましい。40質量%より少ないと充分な流動性が確保できず施工不良となりやすく、また60質量%より多いと耐火物の密度が低下による強度低下を引き起こす為である。
以下、実施例に基づき本発明をさらに説明する。
[実施例1〜4、比較例1〜3]
カルシア原料として炭酸カルシウムまたは水酸化カルシウムを、アルミナ原料として水酸化アルミニウムを、造孔剤としてコーンスターチを、添加剤としてホウ砂を、表1に示す配合に計量後、ナウターミキサーを用いて混合した。なお、表1に示すカルシア原料とアルミナ原料の比率は、CaO・6Alになるように設定されている。
<使用材料>
炭酸カルシウム:船尾鉱山製 船尾石灰石、体積平均径:24μm
水酸化カルシウム:位登産業製、体積平均径:6.7μm
水酸化アルミニウム:住友化学製 C301N、体積平均径:1.8μm
コーンスターチ:日本コーンスターチ製 Y−3P
ホウ砂:和光純薬工業製 Dehybor
混合された原料をパン型造粒機で約φ20mm以下に成形し、アルミナ製の容器に入れ、電気炉中(大気雰囲気)で表1に示す温度で焼成を行った。その後、放冷して得られたCA6焼成物をローラーミルで粉砕して、実施例2〜4、比較例1、2のCA6を結晶相とする不定形耐火物用骨材を製造した。実施例1においては、比較例1と同じ方法で得られたCA6粒子の骨材を、目開き20μmの篩で微粉を除去して得た。得られたCA6粒子の骨材について、ホウ素含有量をICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法により測定した。また、得られたCA6粒子の骨材を、目開き1mmの篩により粒径1mm未満に篩分けしたときのCA6粒子の粒度をレーザー散乱式粒子径分布測定装置で測定した。一方、ロールミル粉砕後に得られたCA6粒子を粒径3mm以上6mm未満に篩分けし、嵩密度、気孔率(JIS R 2205:1992に基いて測定される吸水率)を測定した。結果を表1に示す。
<嵩密度測定方法>
内容積15.8cmのガラス瓶に得られたCA6粒子の骨材をガラス瓶の口から溢れるまで盛った後、数回タッピング(高さ1cmより落下)後、ガラス瓶の口から溢れている骨材をすり切り、ガラス瓶の重さ増分を内容積で割った値を嵩密度とした。ここで、嵩密度の合否判定基準として、0.6g/cm以下を○(合格)、0.6g/cmを超えると×(不合格)とした。
<レーザー散乱式粒子径分布測定>
日機装株式会社製粒度分布測定機マイクロトラック「MT3300EX」を用いて測定。
分散液:エタノール、粒子屈折率入力値:1.76、溶媒屈折率入力値:1.36
<吸水率測定方法>
JIS R 2205:1992「耐火れんがの見掛気孔率・吸水率・比重の測定方法」に定められる煮沸法による吸水率の測定方法にて測定。
<X線回折分析方法>
株式会社リガク社製X線回折装置「MiniFlex」を用いて測定(Cu−Kα線によるX線回折)。操作角度:20°〜70°
実施例2、比較例1のCA6粒子の骨材の粒径1mm未満に篩分けしたときの粒度分布の累積カーブを図1に示す。比較例1に対して、ホウ素を含有する実施例2には、微粉の割合が少なく、ホウ素を添加することによる微粉発生低減の効果が得られることが分かる。
表1より、実施例1〜4の粒径1mm未満に篩分けしたときの粒度測定において、粒径20μm以下の体積累計が30%以下であることが確認できた。比較例1、実施例2〜4の粒度測定結果と、ホウ素含有量の結果から、0.02質量%以上のホウ素が含有されている場合に、粒径20μm以下の体積累計が30%以下になることが分かる。比較例2では、粒径20μm以下の体積累計が30%以下であるものの、ホウ素含有量が0.4質量%を超えると、吸水率(気孔率)が低くなり、嵩密度が0.6g/cm以上の高い値を示し、断熱特性として不利となる。
一方、ホウ砂を添加せずにCA6粒子を製造した比較例1の場合、粒径1mm未満に篩分けしたときの粒度測定において、粒径20μm以下の体積累計が30%を超える値となった。ホウ素を添加することによるCA6粒子としての強度改善の効果が得られず、ロールミルによる粉砕時に微粉が多く発生したと考えられる。
実施例1〜4及び比較例1〜3のCA6粒子の骨材のX線回折分析評価結果を表1に、実施例2、比較例3のCA6粒子の骨材のX線回折スペクトルを図2に示す。実施例1〜実施例4及び比較例1、2のように、焼成温度が1450℃の場合、ほぼ単相のCA6が形成されていることが分かる。一方、比較例3のCA6粒子の骨材は0.02質量%以上のホウ素を含有しているにも関わらず、粒径1mm未満に篩分けしたときの粒度測定において、粒径20μm以下の体積累計が30%を超える値となった。焼成温度が1000℃より低い場合、ホウ素添加の効果が不充分となり、CA6焼成物の粉砕時に微粉発生低減の効果が得られにくくなったためと考えられる。また、未反応原料であるAlやCaO、及び反応中間体のCaO・2Al(CA2)が多く残留しており、焼成温度が低すぎることが分かる。
Figure 2018016526

[実施例5〜8、比較例4、5]
実施例1〜4及び比較例1、3で得られたCA6粒子の骨材を、粒径3mm以上6mm未満(粗粒)、1mm以上3mm未満(中粒)、粒径1mm未満(微粒)に篩分けしたもの、平均粒径2μmのアルミナ微粉、アルミナセメントを、表2に示す配合に計量後、所定量の水を添加し、万能ミキサーを用いて混合した後、40mm×40mm×160mmの型枠に流し込み、温度20℃で硬化、脱枠後、110℃で24時間乾燥させ、CA6粒子を骨材とする耐火物を得た。
<使用材料>
アルミナ微粉:昭和電工製 AL−170
アルミナセメント:デンカ製 ハイアルミナセメントスーパー
耐火物の実炉使用条件を想定し、得られた耐火物を、電気炉を用いて1400℃の加熱処理を3時間行った後の線変化率を測定した。結果を表2に示す。
<線変化率の測定方法>
JIS R2554(2005)に準拠して測定。測定は上記サンプル作成のときに行う。まず、加熱処理前にサンプルの高さを測定する。このときの測定はノギスが面の中心に当たるように回転させて、90度廻す毎に数値を読み取り、4つの数値の平均を焼成前高さとする。焼成後も同様に測定し、これを焼成後の高さとする。
ΔL=(L−L’)/L
ΔL:線変化率(%)、L:加熱処理前高さ(mm)、L’:加熱処理後高さ(mm)。ここで、線変化率の合否判定基準として、±1.5%以内上を○(合格)、それ以外を×(不合格)とした。
表2の実施例6〜8より、実施例1〜4のCA6粒子の骨材を用いて製造した耐火物では、線変化率が±1.5%以内に収まっていることが分かる。一方、微粉を多く含む比較例1及び3のCA6粒子の骨材を用いた比較例4、5の耐火物の場合、線変化率が±1.5%の範囲外となった。比較例4の耐火物の場合、CA6粒子の骨材を目開き20μmの篩で微粉を除去したこと以外は、実施例1と同じ方法で得られたCA6粒子骨材をしているにも関わらず、線変化率が±1.5%の範囲外となった。このことからも、CA6粒子の骨材に含まれる微粉を低減することで、耐火物とした場合に高温使用時の変形が抑えられ、耐久性が向上することを明確に示している。
Figure 2018016526

不定形耐火物骨材としてのCA6粒子の製造において、微粉を低減すること、即ち粒径1mm未満に篩分けしたときの、レーザー散乱式粒子径分布測定装置による粒度測定において粒径20μm以下の体積累計が30%以下とすることで、耐火物を製造した場合に、耐火物内の微粉のCA6粒子に起因する高温加熱時の収縮が充分に抑えられ、耐火物の耐久性が改善される。また、原料にホウ砂を適量添加することにより、CA6粒子の強度が改善され、粉砕時の微粉発生が抑えられたCA6粒子が製造可能である。

Claims (5)

  1. 結晶相がCaO・6Alであって、粒径3mm以上6mm未満に篩分けしたときの嵩密度が0.6g/cm以下であり、粒径1mm未満に篩分けしたときの、レーザー散乱式粒子径分布測定装置による粒度測定において、粒径20μm以下の体積累計が30%以下であることを特徴とする耐火物用骨材。
  2. 0.02質量%以上0.4質量%以下のホウ素が含有されてなる請求項1記載の耐火物用骨材。
  3. 請求項1または2記載の耐火物用骨材を骨材とし、アルミナセメントを結合材とした耐火物。
  4. カルシア原料、アルミナ原料、及び造孔剤を含む骨材原料を水と混合、成形後、1000℃〜1700℃で焼成して得られる請求項2記載の耐火物用骨材の製造方法であって、前記骨材原料にホウ砂を添加すること特徴とする請求項2記載の耐火物用骨材の製造方法。
  5. 前記骨材原料に加えるホウ砂の添加量が0.1質量%以上4.0質量%以下である請求項4記載の耐火物用骨材の製造方法。
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