JP2018016515A - マグカーボンれんが及びこれを使用した溶鋼鍋 - Google Patents

マグカーボンれんが及びこれを使用した溶鋼鍋 Download PDF

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【課題】マグカーボンれんが、特に溶鋼鍋のスラグライン部に使用されるマグカーボンれんがの耐酸化性を向上する。【解決手段】CaOを0.3〜3質量%及びSiO2を0.4〜3質量%を含有する電融マグネシアを65〜97質量%、黒鉛を1〜30質量%、並びに炭化珪素を1〜6質量%含む耐火原料配合物を、有機バインダーとともに混練、成形した後、乾燥して得られるマグカーボンれんが3を溶鋼鍋1のスラグライン部2に設置する。【選択図】図1

Description

本発明は、溶融金属容器等に使用されるマグネシアカーボンれんが、すなわちマグカーボンれんがと、これを使用した溶鋼鍋に関する。
溶融金属容器の内張り材としてマグカーボンれんがが多用されている。マグカーボンれんがは炭素を含有しスラグに濡れ難く、しかも耐熱衝撃性に優れていることから剥離損傷が少なく、安定した耐用性が得られる。しかし、黒鉛などの炭素材料を含有しているため酸化しやすい欠点があり、これを補うためにアルミニウム,アルミニウムマグネシウム合金あるいは炭化珪素などの酸化防止材を添加することが知られているが、気相酸化が生じやすい用途、例えば溶鋼鍋のスラグライン部、特にスラグライン部のれんがの最上段では効果が十分ではなかった。
例えば特許文献1には、酸化防止材として炭化珪素を1〜6%含有するマグカーボンれんがが開示されている。同文献には、炭化珪素(SiC)は酸化されてSiOとCOになり、COはガスとして放出されるが、SiOは溶融してフィルム状になり稼動面を覆うため酸素のれんがへの侵入を遮断すると記載されている。また、耐酸化性はSiCの添加量の増加とともに向上するが、SiCの添加量が6%を超えると耐酸化性向上効果は飽和し、耐用性(耐溶損性)が低下するとも記載されている。しかし、SiO自体の融点は1600℃以上であり、単にSiCのみを添加しても十分な耐酸化性は得られ難い。
特許文献2には、CaO含有量が1.3〜2.7重量%、SiO含有量が0.1〜0.3重量%、CaO/SiO比(C/S)が6〜20のMgO−CaO質耐火原料を使用したマグカーボンれんがが開示されている。そして、その表2Aに、CaOを2.0重量%、SiOを0.2重量%含有するマグネシアクリンカーと、SiC超微粉(<10μ)を1〜3重量%とを含有するマグカーボンれんがが開示されており、SiC超微粉の添加は熱間強度、耐磨耗性向上には極めて有効であるとされている。しかし、この特許文献2のように、使用するマグネシアクリンカー中のSiO含有量が少ない場合には、熱間強度や耐磨耗性は向上するが耐酸化性は未だ不十分である。
特許文献3には、取鍋のスラグライン部に内張りされる内張り用MgO−C質レンガであって、従来、MgO−C質レンガの酸化防止材及び強度発現材として添加されていた金属Alを添加することなく、Alの代替として、Si、SiC及びBCから選ばれる一種あるいは二種以上を添加することが記載されている。この特許文献3では、SiCの添加により酸化防止効果がある程度得られるものの、特に取鍋のスラグライン部においては、酸化によるれんがの損耗が取鍋の寿命のネックとなっており、さらなる改善が望まれている。
特開平3−208862号公報 特開平9−241067号公報 特開2011−184217号公報
本発明が解決しようとする課題は、マグカーボンれんが、特に溶鋼鍋のスラグライン部に使用されるマグカーボンれんがの耐酸化性を向上することにある。
本発明者らは、CaO及びSiOをそれぞれ特定量含有する電融マグネシアは、特定量の炭化珪素(SiC)と併用すると、れんが使用時の高温下においてSiC+2CO→SiO+3Cの分解反応により生成したSiOとの反応が促進されて、MgO−CaO−SiO系の低融点物質を生成するため、気相酸化を抑制する効果が格段に向上することを知見した。
すなわち、本発明によれば次の(1)から(5)のマグカーボンれんがと、これを使用した(6)の溶鋼鍋が提供される。
(1)CaOを0.3〜3質量%及びSiOを0.4〜3質量%を含有する電融マグネシアを65〜97質量%、黒鉛を1〜30質量%、並びに炭化珪素を1〜6質量%含む耐火原料配合物を、有機バインダーとともに混練、成形した後、乾燥して得られるマグカーボンれんが。
(2)前記耐火原料配合物中の炭化珪素は粒度0.074mm以下が80質量%以上である(1)に記載のマグカーボンれんが。
(3)前記耐火原料配合物中の電融マグネシアは、CaO含有量が1.1〜2.0質量%、かつSiO含有量が0.6〜2.1質量%である(1)又は(2)に記載のマグカーボンれんが。
(4)前記耐火原料配合物中の炭化珪素の含有量が1〜3質量%である(1)から(3)のいずれかに記載のマグカーボンれんが。
(5)前記耐火原料配合物はアルミニウム及び/又はアルミニウム合金を0.5 〜5質量%含む(1)から(4)のいずれかに記載のマグカーボンれんが。
(6)(1)から(5)のいずれかに記載のマグカーボンれんがをスラグライン部に設置した溶鋼鍋。
以下、本発明を詳細に説明する。
前述の、SiC+2CO→SiO+3Cの分解反応により生成したSiOによるMgO−CaO−SiO系の低融点物質の生成を促進するためには、電融マグネシア中のCaOとSiOとが重要であり、CaO含有量が0.3質量%以下あるいはSiO含有量が0.4質量%以下では低融点物質の生成量が不十分となるため酸化防止効果が不十分となる。一方、電融マグネシア中のSiOが多すぎるとスラグと反応しやすくなって耐食性が低下するため、耐酸化性と耐食性のバランスの面からSiO含有量は3質量%を上限とする。また、電融マグネシア中のCaOが多すぎるとれんがが消化しやすくなるので、実用面からCaO含有量は3質量%を上限とする。また、より耐酸化性と耐食性の高いマグカーボンれんがとする場合には、電融マグネシア中のCaO含有量は1.1〜2.0質量%、SiO含有量は0.6〜2.1質量%とすることができる。
なお、本発明においてマグネシアとして電融マグネシアを使用する理由は、電融マグネシアは粒子組織が緻密でありマグカーボンれんがに使用すると他のマグネシアに比べより高耐酸化性、高耐食性を発揮するためである。
本発明において炭化珪素は酸化防止材として使用する。炭化珪素は前述のとおり、れんが使用時の高温下においてSiC+2CO→SiO+3Cの分解反応によりSiOを生成し、電融マグネシア中のMgO、CaO、SiOと反応することで、MgO−CaO−SiO系の低融点物質を生成する。この低融点物質によりマグネシア粒子間の隙間が充填されるため、れんが中への空気の侵入が抑制され黒鉛(炭素)などの気相酸化が抑制される。その結果、れんが組織の強度低下が抑制され、耐磨耗性、耐食性が向上する。しかも、前述の分解反応で同時に炭素が生成することでれんが組織の緻密化が図られるため、耐酸化性がより一層向上する。
炭化珪素の耐火原料配合物中の使用量(配合量)は1質量%未満では十分な酸化防止効果が得られず、6質量%を超えると前述の分解反応により生成するSiOが多くなり、これに伴い低融点物質の生成量が過剰となって耐食性が低下する。炭化珪素の耐火原料配合物中の使用量は1〜3質量%とすることが好ましい。
また炭化珪素は、微粉として使用することで前述の分解反応が促進され、しかも前述の分解反応により生成するSiOと電融マグネシア中のCaOやSiOとの反応性も高くなるため耐酸化性をより高めることができる。したがって、炭化珪素の粒度構成は0.074mm以下が80質量%以上であることが好ましい。ただし、粒度が小さすぎると活性が高くなりすぎて耐食性が低下するおそれがあるため、10μm以下の含有量は70質量%以下とすることがより好ましい。
なお、炭化珪素以外でもマグカーボンれんがの酸化防止材としては、アルミニウム、アルミニウム合金、シリコン、及びBCが良く知られている。アルミニウムやアルミニウム合金は酸化されてAlを生成するが、AlはMgOと反応してスピネルとなるため、使用量が多いと容積安定性の問題や弾性率が高くなり耐熱衝撃性が低下する問題がある。シリコンは炭化珪素と同様にSiOを生成するが、炭化珪素のように炭素による組織を緻密化する効果は少ない。BCも酸化すると低融点物質を生成するが融点が低く、耐食性が低下する。
ただし、アルミニウム及びアルミニウム合金は、マグカーボンれんがの強度、耐酸化性向上のために炭化珪素と併用することが可能であり、耐火原料配合物中に0.5〜5質量%より好ましくは1〜3質量%使用することができる。また、シリコンは、酸化防止のために炭化珪素と併用することが可能であり、耐火原料配合物中に0.5〜3質量%使用することができる。アルミニウム、アルミニウム合金、シリコンは併用することが可能であり、その場合、耐火原料配合物中に合量で0.5〜5質量%使用することができる。BCは、酸化防止効果を高めるために少量使用することができ、例えば耐火原料配合物中に0.1〜1質量%使用することができる。
耐火原料配合物中の黒鉛の使用量は1質量%未満では耐熱衝撃性が得られず、30質量%を超えると強度が低下する。また、れんがの耐食性をより高くしたい場合には黒鉛の使用量は10〜20質量%とすることもできる。
なお、本発明でいう粒度とは、JIS標準篩におけるフルイ目開き(mm)で示している。例えば、粒度1mm以下の原料粒子とは、フルイ目開きが1mmの篩で篩ったときに、篩い目を通過した原料粒子のことである。
本発明によれば、れんが使用時の高温下において、特定量のCaO及びSiOを含む電融マグネシアと炭化珪素の分解反応により生じたSiOとの反応により生成するCaO−MgO−SiO系の低融点物質と、前述の分解反応により同時に生成した炭素により、れんが組織が緻密化して気相酸化が抑制され耐酸化性が向上する。併せてれんが組織の強度低下が抑制され、耐磨耗性、耐食性も向上する。特に本発明のマグカーボンれんがは、気相酸化の生じやすい溶鋼鍋のスラグライン部、特にそのれんがの最上段に設置することで、溶鋼鍋の耐用性を顕著に向上することができる。
本発明のマグカーボンれんがを使用する溶鋼鍋の概念的な縦断面図である。
本発明のマグカーボンれんがの耐火原料配合物に使用する電融マグネシアは、一般に市販されている電融マグネシアのうちSiO及びCaOの含有量が本発明の範囲のもの、あるいはSiO及びCaOの含有量が本発明の範囲になるように電融法で製造された電融マグネシアを使用することができる。
炭化珪素は、耐火物用として一般に使用されているものであれば問題なく使用することができ、具体的にはSiC含有量(純度)が80%以上のものである。
黒鉛も通常マグカーボンれんがに使用されているものであれば使用することができ、具体的には鱗状黒鉛、黒鉛化カーボンブラック、人造黒鉛などである。
アルミニウム、アルミニウム合金及びシリコンは、れんか組織を緻密化するためと酸化防止の補助として使用するもので、マグカーボンれんがなどで一般的に使用されているものであれば問題なく使用可能である。
これらの耐火原料のほか、本発明ではピッチ、カーボンブラックを耐熱衝撃性向上のために使用可能である。ピッチ、カーボンブラックはマグカーボンれんがなどで一般的に使用されているものであれば問題なく使用可能である。その使用量は耐火原料配合物中で0.5〜2質量%とすることができる。
本発明のマグカーボンれんがは、一般的なマグカーボンれんがの製造方法によって製造することができる。すなわち、本発明のマグカーボンれんがは、耐火原料配合物を有機バインダーとともに混練、成形した後、乾燥(熱処理)することで得ることができる。乾燥温度(乾燥のための熱処理温度)は200〜500℃とすることができる。
有機バインダーとしては、通常のマグカーボンれんがで使用されている有機バインダーを使用することができ、例えばフラン樹脂やフェノール樹脂等が使用可能である。また、有機バインダーは、粉末又は適当な溶剤に溶かした液状、さらに液状と粉末の併用のいずれの形態でも使用可能である。混練、成形及び乾燥(熱処理)の方法及び条件も、一般的なマグカーボンれんがの製造方法に準じる。
このようにして得られる本発明のマグカーボンれんがは、転炉、電気炉、溶銑鍋、溶鋼鍋、真空脱ガス炉などの溶融金属処理炉の内張り材として使用することができるが、特に気相酸化が問題となる溶鋼鍋のスラグライン部、特にスラグライン部に配置されたれんがのうちの最上段の内張り材として使用することで、溶鋼鍋の寿命を顕著に延ばすことが可能である。
なお、本発明のマグカーボンれんがは前述のとおり、耐火原料配合物を有機バインダーとともに混練、成形した後、乾燥(熱処理)することで得られるもので、いわゆる不焼成れんがである。不焼成れんがでは、れんが中の有機バインダーの含有量を直接特定することは不可能である。さらに本発明のマグカーボンれんがは、特定量のCaO及びSiOを含有する電融マグネシアを使用することを特徴の一つとするが、マグカーボンれんがという物の状態では、電融マグネシアに由来するCaO及びSiOと他の耐火原料に由来するCaO及びSiOとを区別して特定することも極めて困難であり、この点からも、当該物をその構造又は特性により直接特定することは不可能であるか、又はおよそ実際的でない。このように本発明には、いわゆる「不可能・非実際的事情」が存在する。
表1及び表2に示した耐火原料配合物を使用してマグカーボンれんがを製造した。すなわち、表1及び表2に示した各例の耐火原料配合物にそれぞれ有機バインダーとしてフェノール樹脂を適量添加して混練し成形後、250℃で熱処理(乾燥)することで、マグカーボンれんがを得た。そして、得られたマグカーボンれんがについて、耐酸化性、耐食性及び圧縮強さを評価した。なお、表1及び表2に示した電融マグネシアA〜Iの化学成分は表3に示したとおりである。また、原料として使用した炭化珪素はSiCの含有量が95質量%のもので、しかも粒度は0.074mm以下かつ10μm以下の含有量が50質量%のものを使用した。
耐酸化性の評価では、50mm×50mm×50mmに切り出した試験片を、電気炉にて1400℃×5時間酸化雰囲気で加熱後、酸化深度の寸法を測定した。評価結果は比較例1の酸化深度の寸法を100として指数化した。この耐酸化性指数の数値が大きいほど耐酸化性に優れる。
耐食性の評価では、質量比で鋼片:転炉スラグを1:1で組み合わせたものを誘導炉にて1650℃に溶解し、この溶解物に試験片を3時間浸漬し、試験片の残存寸法を測定した。評価結果は比較例2の残存寸法を100として指数化した。この耐食性指数の数値が大きいほど耐食性に優れる。
圧縮強さは、各れんがをコークスブリーズ中にて1400℃で3時間焼成した後、JIS−R2206に従い測定した。
表1に示した実施例1〜6は、CaO及びSiOの含有量が本発明の範囲内にある電融マグネシアを使用したもので、後述する比較例1〜3に比べ、いずれも耐酸化性と耐食性のバランスが優れており、マグカーボンれんがの耐酸化性が実用上有効に向上していることがわかる。
表1に示した各実施例について具体的にみると、実施例1〜3では、電融マグネシア中のSiO含有量が増えるにつれて耐酸化性が向上するが、反面、耐食性は低下することがわかる。実施例4は、電融マグネシア中のSiO含有量が上限の場合であり、耐酸化性に優れているが耐食性は実施例中では最も低い。実施例5は、電融マグネシア中のCaO含有量が0.3質量%と下限の場合であるが十分な耐酸化性が得られている。実施例6は、耐酸化性と耐食性のバランスが最も優れている。
一方、比較例1はSiO含有量が0.1質量%と本発明の下限を下回る電融マグネシアを使用した例であるが、実施例1のSiO含有量が0.4質量%の電融マグネシアを使用し場合と比べて耐酸化性指数が100と大幅に低く実用的ではない。比較例2はSiO含有量が3.5質量%と本発明の上限を上回る電融マグネシアを使用した例であるが、実施例4のSiO含有量が3質量%の電融マグネシアを使用し場合と比べると耐酸化性は同等であるが耐食性指数が100と低すぎて実用レベルではない。比較例3はCaO含有量が0.1質量%と本発明の下限を下回る電融マグネシアを使用した例であるが、実施例5のCaO含有量が0.3質量%の電融マグネシアを使用し場合と比べて耐酸化性指数が90と低い。
表2に示した実施例7〜11は、CaO及びSiOの含有量が本発明の範囲内にある電融マグネシアとともに金属Al(アルミニウム)、金属Si(シリコン)を使用し、さらに炭化珪素の使用量を変化させたもので、いずれも比較例4、5に対し、耐酸化性と耐食性のバランスが優れている。また、金属Alを添加した実施例8〜10は焼成後の圧縮強さが大きく、強度特性に優れている。
比較例4は、炭化珪素の使用量が0.5質量%と本発明の下限を下回っており、実施例7の炭化珪素の使用量が1質量%の場合と比較すると耐酸化性に劣っている。比較例5は、炭化珪素の使用量が7質量%と本発明の上限を上回っており、実施例11の炭化珪素の使用量が6質量%の場合と比較して耐食性指数が104と小さく、耐食性に劣っている。
図1に実施例及び比較例のマグカーボンれんがを使用した溶鋼鍋1の縦断面図を示す。上部5段にマグカーボンれんが3が設置され、この部分以外にはアルミナマグネシア系のキャスタブル4が施工されている。また、スラグライン部とは操業中にスラグに長時間接触する部分であり、図1においては最上段のれんがを除く4段分がスラグライン部2である。さらに溶鋼鍋のスラグライン部のれんがの最上段とは図1において、スラグライン部に4段配置されたれんがのうちの最上段である31である。この溶鋼鍋1において実施例6のマグカーボンれんがを使用した溶鋼鍋と、比較例1のマグカーボンれんがを使用した溶鋼鍋とを比較した。比較例1のマグカーボンれんがを配置した溶鋼鍋ではスラグライン部のれんがの最上段31の損耗が最も大きく、70回の使用後にスラグライン部を新品に交換しなければならなかった。一方、実施例6のマグカーボンれんがを配置した溶鋼鍋ではスラグライン部は同様に最上段31の損傷が最も大きかったが100回まで使用することができた。これより、本発明のマグカーボンれんがは、少なくとも溶鋼鍋のスラグライン部のれんがの最上段に設置することで、溶鋼鍋の耐用性を顕著に向上できることがわかる。
Figure 2018016515
Figure 2018016515
Figure 2018016515
1 溶鋼鍋
2 スラグライン部
3 マグカーボンれんが
4 キャスタブル
31 スラグライン部のれんがの最上段
すなわち、本発明によれば次の(1)から(5)のマグカーボンれんがと、これを使用した(6)の溶鋼鍋が提供される。
(1)CaOを0.3〜3質量%及びSiOを0.4〜3質量%を含有する電融マグネシアを65〜97質量%、黒鉛を1〜30質量%、並びに炭化珪素を1〜6質量%含む耐火原料配合物を、有機バインダーとともに混練、成形した後、乾燥して得られる、溶鋼鍋のスラグライン部用のマグカーボンれんが。
(2)前記耐火原料配合物中の炭化珪素は粒度0.074mm以下が80質量%以上である(1)に記載のマグカーボンれんが。
(3)前記耐火原料配合物中の電融マグネシアは、CaO含有量が1.1〜2.0質量%、かつSiO含有量が0.6〜2.1質量%である(1)又は(2)に記載のマグカーボンれんが。
(4)前記耐火原料配合物中の炭化珪素の含有量が1〜3質量%である(1)から(3)のいずれかに記載のマグカーボンれんが。
(5)前記耐火原料配合物はアルミニウム及び/又はアルミニウム合金を0.5 〜5質量%含む(1)から(4)のいずれかに記載のマグカーボンれんが。
(6)(1)から(5)のいずれかに記載のマグカーボンれんがをスラグライン部に設置した溶鋼鍋。

Claims (6)

  1. CaOを0.3〜3質量%及びSiOを0.4〜3質量%を含有する電融マグネシアを65〜97質量%、黒鉛を1〜30質量%、並びに炭化珪素を1〜6質量%含む耐火原料配合物を、有機バインダーとともに混練、成形した後、乾燥して得られるマグカーボンれんが。
  2. 前記耐火原料配合物中の炭化珪素は粒度0.074mm以下が80質量%以上である請求項1に記載のマグカーボンれんが。
  3. 前記耐火原料配合物中の電融マグネシアは、CaO含有量が1.1〜2.0質量%、かつSiO含有量が0.6〜2.1質量%である請求項1又は請求項2に記載のマグカーボンれんが。
  4. 前記耐火原料配合物中の炭化珪素の含有量が1〜3質量%である請求項1から請求項3のいずれかに記載のマグカーボンれんが。
  5. 前記耐火原料配合物はアルミニウム及び/又はアルミニウム合金を0.5〜5質量%含む請求項1から請求項4のいずれかに記載のマグカーボンれんが。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のマグカーボンれんがをスラグライン部に設置した溶鋼鍋。
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