JP2018015978A - 液滴吐出装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出口からの液体の漏洩を抑制できる技術を提供する。【解決手段】液滴吐出装置は、液体を収容する収容室の吐出口から液滴を吐出する。前記液滴吐出装置は、前記液体が流通する供給流路を介して、前記収容室に前記液体を圧送する供給部と、前記収容室内において往復移動することによって前記吐出口を開閉する弁体と、前記供給部による前記液体の供給と、前記吐出口から前記液滴が吐出されるタイミングを制御する制御部と、を備える。前記制御部は、(i)処理対象物に向かって前記吐出口から前記液滴を吐出させる吐出処理が実行されない予め決められた時間以上の連続した吐出休止期間を検出し、(ii)前記吐出休止期間の間に、前記液体の圧送により生じる前記収容室内の圧力を低下させ、次の前記吐出処理を開始する前に、前記収容室内の圧力を増大させる圧力低下処理を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、液滴吐出装置およびその制御方法に関する。
従来から、吐出口から液滴を吐出する種々の液滴吐出装置が提案されている。例えば、下記の特許文献1には、液体の収容室である吐出部室において、弁体であるプランジャーロッドを往復移動させることによって、吐出部室内の液体に慣性力を付与して、吐出口であるノズルから液滴を吐出させる液滴吐出装置が開示されている。特許文献1のような液体の吐出機構は、インクを吐出して印刷物を作製するインクジェットプリンターや、液体材料を吐出して立体物を造形する3Dプリンターに適用される場合もある。
特開2002−282740号公報
上記の特許文献1のような、弁体の往復移動によって収容室の吐出口から液体を押し出して液滴を吐出する液滴吐出装置においては、液滴を繰り返し吐出する周期を短縮するために、収容室に液体を圧送することによって、収容室内の圧力を高く維持している。しかしながら、弁体が吐出口を閉塞した状態において収容室が高い圧力状態にあると、その圧力に起因して、弁体と吐出口との間から液体が漏洩してしまう可能性が高くなる。そのため、例えば、次の液体の吐出指令が発行されるまでの待機時間が生じるなどして、吐出動作の実行間隔が長くなるような場合には、その合間の期間に、吐出口から液体が漏洩する可能性が高くなる。漏洩した液体が吐出口の周縁部に付着していると、その液体が、次の液体の吐出に悪影響をもたらし、吐出不良の発生原因となる場合もある。
このように、液滴吐出装置の技術分野においては、そうした吐出口からの液体の漏洩を抑制する技術について、依然として改良の余地がある。こうした課題は、液滴吐出装置の一態様であるインクジェットプリンターや3Dプリンターにも共通する課題である。特に、3Dプリンターにおいては、一般に、粉末材料を含む粘度が高い液体材料が用いられることもあり、収容室により大きな圧力を発生させることや、吐出口からの液体の漏洩を抑制することについての要望も大きい。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[1]本発明の一形態によれば、液滴吐出装置が提供される。この液滴吐出装置は、液体を収容する収容室の吐出口から液滴を吐出する。前記液滴吐出装置は、供給部と、弁体と、制御部と、を備える。前記供給部は、前記液体が流通する供給流路を介して、前記収容室に前記液体を圧送する。前記弁体は、前記収容室内において往復移動することによって前記吐出口を開閉する。前記制御部は、前記供給部による前記液体の供給と、前記吐出口から前記液体の液滴が吐出されるタイミングと、を制御する。前記制御部は、(i)処理対象物に向かって前記吐出口から前記液滴を吐出させる吐出処理が実行されない予め決められた時間以上の連続した吐出休止期間の発生を検出し、(ii)前記吐出休止期間の間に、前記液体の圧送により生じた前記収容室内の圧力を低下させ、次の前記吐出処理を開始する前に、前記収容室内の圧力を増大させる圧力低下処理を実行する。この形態の液滴吐出装置によれば、吐出処理の開始までに、ある長さ以上の吐出休止期間が生じているときには、その吐出休止期間の間、収容室内の圧力が低減される。そのため、その吐出休止期間の間に吐出口と弁体の間から液体が漏洩してしまうことが抑制される。
[2]上記形態の液滴吐出装置は、さらに、前記吐出口から吐出された前記液体を受ける液体受部を備え、前記供給部は、前記供給流路における前記液体の流通を遮断する遮断弁を有し、前記制御部は、前記圧力低下処理において、前記遮断弁を閉じて前記供給流路における前記液体の流通を遮断した後、少なくとも1回、前記吐出口から前記液体受部に向かって前記液体を吐出させる残圧開放処理を実行することによって前記収容室内の圧力を低下させ、次の前記吐出処理を開始する前に、前記遮断弁を開いて前記収容室内の圧力を増大させる。この形態の液滴吐出装置によれば、吐出休止期間の間に、遮断弁によって供給流路における液体の流通が遮断されるとともに、液滴の吐出によって、収容室内に残った圧力が開放されるため、その吐出休止期間における液体の漏洩が抑制される。
[3]上記形態の液滴吐出装置では、前記残圧開放処理において、前記弁体が前記吐出口を1回、開放する期間は、1回の前記吐出処理において前記弁体が前記吐出口を開放する期間よりも長くてよい。この形態の液滴吐出装置によれば、残圧開放処理において、液体の吐出不良が発生することが抑制されるため、その吐出不良に起因して、次の吐出処理における液滴の吐出状態が悪化してしまうことが抑制される。
[4]上記形態の液滴吐出装置において、前記制御部は、前記圧力低下処理を完了した後、次の前記吐出処理を開始する前に、少なくとも1回、前記吐出口から前記液体受部に向かって前記液体を吐出させて、前記収容室内への前記液体の補充を促進させる液体補充処理を実行してよい。この形態の液滴吐出装置によれば、次の吐出処理が開始される前に、収容室内における液体の圧力状態を良好にすることができる。よって、吐出休止期間の後の吐出処理における吐出不良の発生が抑制される。
[5]上記形態の液滴吐出装置では、前記液体補充処理において、前記弁体が前記吐出口を1回、開放する期間は、1回の前記吐出処理において前記弁体が前記吐出口を開放する期間よりも長くてよい。この形態の液滴吐出装置の液体補充処理によれば、吐出休止期間の後の吐出処理における吐出不良の発生が、さらに抑制される。
[6]上記形態の液滴吐出装置において、前記制御部は、前記吐出処理の実行後、次の前記吐出処理が実行されることなく、予め決められた時間が経過したときに、前記吐出休止期間の発生を検出してよい。この形態の液滴吐出装置によれば、吐出処理の実行後に、予定していなかった吐出休止期間が生じたような場合でも、その吐出休止期間の間における吐出口からの液体の漏洩を抑制することができる。
[7]本発明の他の形態によれば、液体を収容する収容室内において、弁体を往復移動させて吐出口を開閉することによって、前記吐出口から液滴を吐出する液滴吐出装置の制御方法が提供される。この制御方法は、前記弁体によって前記吐出口が閉塞されている状態において、前記収容室に前記液体を圧送する工程と;処理対象物に向かって前記吐出口から前記液滴を吐出させる吐出処理が実行されない予め決められた時間以上の連続した吐出休止期間の発生を検出する工程と;前記吐出休止期間の間に、前記液体の圧送により生じる前記収容室内の圧力を低下させ、次の前記吐出処理を開始する前に、前記収容室内の圧力を増大させる圧力低下処理を実行する工程と、を備える。この制御方法によれば、吐出処理が実行されない吐出休止期間の間に吐出口から液体が漏洩してしまうことを抑制することができる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、液滴吐出装置やその制御方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、液滴を吐出する方法や、立体物造形装置、立体物造形方法、画像形成装置、画像形成方法、印刷装置、印刷方法、前述の各装置の制御方法、前述の各方法および制御方法を実現するコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
第1実施形態における液滴吐出装置の構成を示す概略図。 第1実施形態における液滴吐出装置の制御工程のフロー図。 第1実施形態における圧力低下処理の実行前後における吐出口の開閉状態およびバルブの開閉動作のタイミングチャートの一例を示す説明図。 第2実施形態における液滴吐出装置の制御工程のフロー図。 第2実施形態における圧力低下処理の実行前後における吐出口の開閉状態およびバルブの開閉動作のタイミングチャートの一例を示す説明図。 第3実施形態における液滴吐出装置の構成を示す概略図。 第3実施形態における液滴吐出装置の制御工程のフロー図。
A.第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態における液滴吐出装置100Aの構成を示す概略図である。図1には、液滴吐出装置100Aが通常の使用状態で配置されているときの重力方向(鉛直方向)を示す矢印Gが図示されている。本明細書において、「上」または「下」は、鉛直方向を基準とする方向を意味している。矢印Gは、後に参照される各図においても、適宜、図示されている。
本実施形態の液滴吐出装置100Aは、いわゆる3Dプリンターであり、原材料である液体LMの液滴を、吐出部110から、造形ステージ150上に向かって吐出する。液体LMの具体例については後述する。液滴吐出装置100Aは、当該造形ステージ150上において、その液体LMを固化させた層を積み重ねることによって立体物を作製する。本実施形態では、立体物の作製のための液滴の着弾対象である造形ステージ150が、立体物の作製のために液滴を付着させる処理対象物である。液滴吐出装置100Aは、前述の吐出部110および造形ステージ150に加えて、制御部101と、供給部130と、移動機構155と、エネルギー付与部160と、液体受部170と、を備えている。
制御部101は、液滴吐出装置100Aの全体の動作を制御する。制御部101は、少なくとも、CPU102と、メモリー103と、を備えるマイクロコンピューターによって構成される。CPU102は、メモリー103にプログラムを読み出して実行することにより、種々の機能を発揮する。このプログラムは、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリー、DVD−ROMなどの各種の記録媒体に記録されていてもよい。
制御部101には、コンピューター200が接続されている。制御部101は、コンピューター200から、立体物を造形するためのデータMDを受信する。当該データMDには、立体物の高さ方向に積み重ねられる各層における液体LMの吐出位置を表すデータが含まれている。制御部101は、当該データMDに基づいて、吐出部110に液体LMの液滴を吐出させるタイミングや、造形ステージ150に対する液滴の着弾位置などの処理条件を決定する。制御部101は、コンピューター200からではなく、ネットワークや記録媒体を介して直接的にデータMDを取得してもよい。制御部101による液滴吐出装置100Aの制御工程については後述する。
吐出部110は、いわゆるヘッド部であり、制御部101の制御下において液体LMを吐出する。吐出部110は、中空容器である本体部111と、液体LMを吐出するための吐出機構112と、を備える。本体部111は、例えば、ステンレス鋼によって構成される。吐出機構112は、本体部111の内部に収容されている。吐出機構112は、弁体113と、駆動部114と、を備える。駆動部114は、圧電素子であるピエゾ素子115と、付勢部材116と、を備える。
本体部111の内部空間は、隔壁111sによって、収容室121と、駆動室125と、に分けられている。収容室121は、本体部111の下端に位置し、駆動室125は、その上に位置する。収容室121は、液体LMを収容する。収容室121の側壁部には、供給部130が供給する液体LMが接触を流入させるための流入口122が水平方向に開口する貫通孔として設けられている。
収容室121の底面121bは、その中央に向かって窪んだテーパー状の傾斜壁面を構成しており、その中央における最も低い部位には、液体LMを外部に吐出するためのノズルである吐出口123が設けられている。本実施形態では、吐出口123は、本体部111の底壁部を重力方向に貫通する貫通孔として形成されている。吐出口123は、本体部111の底面111bにおいて、鉛直下方の領域に向かって開口している貫通孔として形成されている。本実施形態では、吐出口123から液体LMが吐出される方向である吐出方向は、吐出口123の開口方向に一致するとともに、鉛直方向に一致する。吐出口123の開口径は、例えば、5〜300μm程度であってよい。
吐出機構112の弁体113は、吐出口123を開閉する。本実施形態では、弁体113は、金属製の柱状の部材によって構成されている。弁体113の下端の先端部113tは、半球状の形状を有している。弁体113は、隔壁111sに設けられた貫通孔111hを介して収容室121と駆動室125とに跨がって配置されている。弁体113は、吐出口123の中心軸NX上において、鉛直方向に沿って、その長手方向に往復移動可能なように配置されている。貫通孔111hには、駆動室125への液体LMの漏洩を抑制するための円環状のシール部材SLが弁体113の周囲を囲むように配置されている。
駆動室125には、吐出機構112の駆動部114を構成するピエゾ素子115と付勢部材116とが収容されている。駆動部114は、収容室121において弁体113を往復移動させるための駆動力を発生させる。ピエゾ素子115は、複数の圧電材料が積層された構成を有しており、各圧電材料への電圧の印加によって、その積層方向に長さが変化する。ピエゾ素子115の上端部は駆動室125の上壁面に固定されており、下端部は弁体113の上端部に接触している。ピエゾ素子115が伸長することによって、弁体113は下方に移動する。付勢部材116は、例えば、弦巻ばねによって構成され、弁体113を上方に向かって付勢する。ピエゾ素子115が収縮すると、弁体113は、付勢部材116の付勢力によって、ピエゾ素子115の下端部に追従して上方に移動する。
ピエゾ素子115が伸長して最も長くなった状態では、弁体113の先端部113tが、吐出口123の周縁部の傾斜壁面に気密に線接触して、吐出口123を閉塞する。ピエゾ素子115が収縮すると、弁体113は、付勢部材116の付勢力によって、ピエゾ素子115の下端部に追従して上方に移動し、その先端部113tが吐出口123から離間する。このように、弁体113が、吐出口123を塞ぐ位置と、吐出口123から離間した位置との間を往復移動することによって吐出口123が開閉される。
供給部130は、吐出部110の収容室121に液体LMを圧送する。供給部130は、流路部材131と、配管132と、バルブ133と、液体貯留部134と、圧力発生部135と、を備える。流路部材131は、本体部111の側面に連結される部材である。流路部材131は、内部に、液体LMが流通する供給流路131pを有している。本実施形態では、供給流路131pは、収容室121の上方から斜め下方に向かって伸びる部位を有する管状の連通路として構成されている。供給流路131pは、一方の開口端部が、収容室121の流入口122に接続されており、他方の開口端部が配管132に接続されている。
バルブ133は、配管132に設けられており、供給流路131pへの液体LMの流通を制御する。本実施形態では、バルブ133は、遮断弁によって構成されている。バルブ133が開かれているときには、供給流路131pへの液体LMの流通が許容され、バルブ133が閉じているときには、供給流路131pへの液体LMの流通が遮断される。バルブ133の開閉動作は、制御部101によって制御される。バルブ133は、液滴吐出装置100Aの運転中においては、後述する圧力低下処理が実行されるとき以外は通常、開いたままである。
配管132には、液体貯留部134が接続されている。液体貯留部134は、液体LMを貯留するタンクによって構成されており、液滴吐出装置100Aにおける液体LMの供給源として機能する。当該タンクの内部には、液体LM攪拌するための攪拌機構が設けられてよい。液体貯留部134では、液体LMが所定の粘度に保持されるように、液体LMに溶媒が混合されて調整される(詳細な説明は省略)。本実施形態では、制御部101の制御下において、液体LMの粘度は、50mPa・s以上になるように調整される。
圧力発生部135は、例えば加圧ポンプによって構成される。圧力発生部135は、液体貯留部134の液体LMに、配管132および供給流路131pを介して収容室121へと流入するため圧力を付与する。圧力発生部135は、例えば、10〜100気圧程度の圧力を液体LMに付与する。なお、図1では、圧力発生部135は、液体貯留部134の上流側に設けられているが、圧力発生部135は、液体貯留部134とバルブ133との間に設けられていてもよい。
制御部101は、圧力発生部135が液体LMに付与する圧力を制御することによって、収容室121内の液体LMの圧力を制御する。より具体的には、制御部101は、圧力計(図示は省略)によって、吐出部110における液体LMの圧力を監視し、圧力発生部135が液体LMに加える圧力をフィードバック制御する。
液滴吐出装置100Aでは、以下のように、吐出部110からの液体LMの吐出が実行される。液体LMの吐出前は、ピエゾ素子115が伸長して、弁体113が吐出口123を閉塞している状態である。また、収容室121内には、供給部130による液体LMの圧送によって、所定の圧力が生じている。
液体LMの吐出を開始するときには、まず、ピエゾ素子115を収縮させて、弁体113を上方に移動させて、吐出口123から離間させる。すると、液体LMに付与されている圧力を駆動力として、収容室121における弁体113と吐出口123との間の領域に液体LMが流れ込む。
所定の期間、ピエゾ素子115の収縮状態が維持された後、ピエゾ素子115を伸長変形させて、弁体113を吐出口123に向かって移動させる。これによって、弁体113と吐出口123の間の領域に流れ込んでいた液体LMが吐出口123を介して外部に押し出され、液体LMは、吐出口123から下方に垂下する。弁体113によって吐出口123が完全に閉塞されると、吐出口123からの液体LMの流出が遮断され、吐出口123から垂下していた液体LMが液滴として下方に落下する。
なお、吐出口123から流出する液体LMの流速は、圧力発生部135によって収容室121に付与されている圧力によって調整される。液体LMの流速は、液体LMの粘度を考慮して決められることが望ましい。吐出口123から吐出される液体LMの流速は、例えば、10m/秒〜20m/秒程度に調整されるものとしてもよい。
吐出口123の開口方向の先には、上述した造形ステージ150が設けられている。造形ステージ150は、水平に延びる平板な板状部材によって構成される。造形ステージ150は、例えば、吐出口123から鉛直下方に1.5〜3mm程度離れた位置に配置される。本実施形態の液滴吐出装置100Aでは、造形ステージ150は、移動機構155によって吐出部110の吐出口123に対する位置が変位する。
移動機構155は、造形ステージ150を移動させるためのモーターやローラー、シャフト、各種アクチュエーターなどを備える。移動機構155は、両矢印X,Yによって示されているように、造形ステージ150を吐出部110に対して相対的に水平方向および鉛直方向に変位させる。これによって、造形ステージ150上における液体LMの着弾位置が調整される。制御部101は、上述した立体物を造形するためのデータMDに基づいて、移動機構155による造形ステージ150の移動を制御する。なお、液滴吐出装置100Aにおいては、造形ステージ150が固定され、吐出部110が造形ステージ150に対して変位するように構成されていてもよい。
エネルギー付与部160は、造形ステージ150に着弾した液体LMの液滴にエネルギーを付与して硬化させる。本実施形態では、エネルギー付与部160は、レーザー装置によって構成され、レーザーの照射によって、光エネルギーを液滴に付与する。エネルギー付与部160は、少なくとも、レーザー光源と、レーザー光源から射出されたレーザーを造形ステージ150に着弾した液滴に集光させるための集光レンズと、レーザーを走査するためのガルバノミラーと、を含む(図示は省略)。エネルギー付与部160は、造形ステージ150における液滴の着弾位置をレーザーによって走査し、レーザーの光エネルギーによって、液滴中の材料粉末を焼結させる。あるいは、液滴中の材料粉末をいったん溶融させた後に固化させる。これによって、作製対象である立体物や当該立体物を支持するためのサポート部を構成する粒子が造形ステージ150上に固定される。
液体受部170は、処理対象物への付着を目的とせずに吐出口123から吐出された液体LMを受けとめる。以下では、液体受部170に受けとめさせる液滴の吐出など、処理対象物への付着を目的としない吐出部110からの液滴の吐出を「空吐出」とも呼ぶ。空吐出には、いわゆるフラッシングなど、吐出部110のメンテナンスのための吐出や、吐出部110からの液滴の吐出状態を試験するための試験的な液滴の吐出も含まれる。
液体受部170は、吐出部110と造形ステージ150との間に設けられている。液体受部170は、キャップ部171と、その駆動機構172と、を有する。キャップ部171は、吐出部110から吐出された液体LMを捕捉可能な受け皿状の部材によって構成される。駆動機構172は、ソレノイドやピエゾ素子などの駆動素子を備え、制御部101の制御下において、伸縮アーム173の先端に取り付けられたキャップ部171を水平方向に往復移動させる。制御部101は、通常は、キャップ部171を、液滴の吐出を阻害しないように、吐出口123の下方から外れた位置に位置させる。そして、吐出部110に空吐出を実行させるときには、キャップ部171を吐出口123の下方の位置へと変位させる。
以上の構成により、本実施形態の液滴吐出装置100Aは、吐出部110から、造形ステージ150に向かって液体LMの液滴を吐出することによって立体物を作製する。本実施形態において用いられる液体LMは、粉末と溶媒とを含む流動性組成物である。液体材料は、例えば、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の単体粉末、もしくはこれらの金属を1つ以上含む合金(マルエージング鋼、ステンレス、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、コバルト合金、コバルトクロム合金)などの混合粉末を、溶剤と、バインダーとを含むスラリー状あるいはペースト状にした混合材料であってもよい。また、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチックなどの樹脂を溶融させたものであってもよい。その他、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどのエンジニアリングプラスチックなどの樹脂であってもよい。このように、液体材料は特に限定されることはなく、上記金属以外の金属やセラミックス、樹脂等を使用可能である。液体材料の溶媒は、例えば、水;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラアルキルアンモニウムアセテート類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等)等のイオン液体等や、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせたものであってもよい。また、バインダーは、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂或いはその他の合成樹脂又はPLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)或いはその他の熱可塑性樹脂であってもよい。
図2は、制御部101による液滴吐出装置100Aの制御工程のフローを示す説明図である。この制御工程は、液滴吐出装置100Aが立体物を作製する際に実行される。制御部101は、吐出部110に液滴を吐出させるステップS10の吐出処理を、立体物を造形するためのデータMDに基づいて予め決められた時系列で繰り返し実行する。ステップS10の吐出処理は、吐出部110に、処理対象物である造形ステージ150に向かって液滴の吐出を1回実行させる処理である。この吐出処理では、上述したように、弁体113を、吐出口123を閉塞している位置から一往復させることによって、吐出口123から液体LMの液滴を吐出させて、処理対象物である造形ステージ150に付着させる。立体物の作製の際には、通常、この吐出処理が、数百Hz〜数kHzの周波数で繰り返される。
ステップS20では、制御部101は、次の吐出処理が開始されるまでの間に、吐出休止期間の発生を検出する。ここで、吐出休止期間とは、液滴吐出装置100Aの運転が継続されている間における吐出処理が実行されない予め決められた時間以上の連続した期間を意味する。吐出休止期間は、例えば、データMDに基づく一連の吐出処理の実行が完了した後に、制御部101がコンピューター200から次のデータを受け取り、そのデータMDに基づいて吐出処理の実行命令を発行するまでの待機時間として生じる場合がある。また、吐出休止期間は、造形ステージ150上に着弾させた液体LMの乾燥を待つための待機時間として生じる場合もある。その他に、吐出休止期間は、制御部101に、エラーの発生などによって、何らかの割り込み処理が発生し、吐出処理の実行が中断される場合などに生じる場合もある。割り込み処理としては、エラーの発生の他に、例えば、吐出部110をはじめとする液滴吐出装置100Aの各構成部のメンテナンス処理の実行が自動的に開始される処理や、ユーザの操作などによって、一時的に吐出処理の休止が指令されたときの一時的な停止処理などがある。
本実施形態では、制御部101は、1回の吐出処理を実行した後に、時間の計測を開始し、次の吐出処理が開始されないままの経過時間が予め決められた所定の時間を超えた場合に、吐出休止期間の発生を検出する。この所定の時間は、例えば、数十秒〜数分程度の時間であるとしてもよい。また、制御部101は、上述した割り込み処理の発生を検出したときに、前記の所定の時間の経過を待つことなく、ステップS20において、吐出休止期間を検出する。さらに、制御部101は、データMDに基づいて、吐出処理の合間に、吐出処理が実行されない吐出休止期間に相当する長さの期間が生じるタイミングが予め設定されている場合にも、その期間の発生タイミングが到来したときに、吐出休止期間を検出する。
制御部101は、吐出処理の実行前に、吐出休止期間が検出されない場合には、そのまま吐出処理を繰り返す(ステップS10)。一方、吐出休止期間が検出された場合には、その吐出休止期間の間に、圧力低下処理の実行を開始する(ステップS30)。圧力低下処理では、制御部101は、供給部130を制御して、供給流路131pを介した液体LMの圧送により生じる収容室121内の圧力を一時的に低下させる。
本実施形態では、制御部101は、まず、バルブ133を閉じて、供給流路131pにおける液体LMの流通を遮断する(ステップS31)。そして、収容室121に残っている圧力を開放して、収容室121の圧力を低下させる残圧開放処理を実行する(ステップS33)。残圧開放処理では、制御部101は、収容室121の残圧を開放させるために、吐出部110に、少なくとも1回、空吐出を実行させる。このとき、吐出口123から吐出される液滴は、液体受部170によって捕捉される。
残圧開放処理によって、吐出休止期間の間の収容室121の圧力を低下させることができるため、弁体113と吐出口123との間に微小な隙間が生じてしまっていたとしても、吐出休止期間の間に、その隙間から液体LMが漏洩してしまうことが抑制される。弁体113と吐出口123との間の微小な隙間は、例えば、弁体113あるいは吐出口123に経年劣化による変形が生じている場合や、弁体113と吐出口123との間に、液体LMに含まれる材料粉末、あるいは、材料粉末以外の異物が固着してしまっている場合に生じることが考えられる。
制御部101は、次の吐出処理を開始する前、つまり、次の吐出処理の実行指令を表す信号を吐出部110に出力する前に、バルブ133を開き、供給流路131pを介した収容室121への液体LMの圧送を再開する(ステップS35)。これによって、収容室121の圧力が増大される。制御部101は、次の吐出処理の実行を休止していた理由が解消されたことを検出したときに、収容室121の圧力を増大させるものとしてもよい。制御部101は、メンテナンス処理や待機処理の終了タイミングの到来や、ユーザの吐出処理を再開させる操作を受け付けたときに、収容室121の圧力を増大させるものとしてもよい。あるいは、制御部101は、収容室121の圧力を一時的に低下させた後、吐出休止期間の終了が十分に見込まれるような予め決められた所定の期間(例えば、数十秒〜数分程度)が経過したときに、収容室121の圧力を増大させるものとしてもよい。制御部101は、収容室121内が吐出処理の実行に適した圧力まで回復していることを確認した後、次の吐出処理を実行する(ステップS10)。
図3は、第1実施形態の流量制御処理の実行前後における吐出口123の開閉状態およびバルブ133の開閉動作のタイミングチャートの一例を示す説明図である。この例では、n回目の吐出処理の実行が完了した時刻tの後に、n+1回目の吐出処理が実行されない期間が所定の時間ΔTを超えたために、時刻tにおいて、圧力低下処理が開始され、バルブ133が閉じられている。「n」は、任意の自然数である。そして、バルブ133が閉じられた後の時刻tにおいて、残圧開放処理における空吐出のために吐出口123が1回、開放されている。その後、次の吐出処理の実行を開始する前の時刻tにおいて、バルブ133が開かれて、圧力低下処理が完了され、時刻tにおいて、n+1回目の吐出処理が実行されている。
ここで、残圧開放処理における空吐出のために吐出口123が1回、開放される時間Tbは、少なくとも、通常の吐出処理において吐出口123が開放される時間Taよりも長いことが望ましい。残圧開放処理が実行されるときには、バルブ133が閉じられており、弁体113を上方に移動させて吐出口123を開放したときの収容室121の圧力が、バルブ133を開いているときよりも低い状態となる。そのため、通常の吐出処理と同じ条件で液体を吐出すると、吐出口123から十分な量の液体LMを流出させることができず、液体LMを液滴化させることができないまま、吐出口123の周縁部に残留させてしまう可能性がある。吐出口123の周縁部に余分な液体LMが付着していると、次の吐出処理における液滴の吐出が阻害される原因となり得る。残圧開放処理における吐出口123の開放時間Tbを、少なくとも、通常の吐出処理における吐出口123の開放時間Taよりも長くすることによって、吐出口123から流出する液体LMの量を、その分だけ増加させることができる。よって、残圧開放処理における空吐出において吐出不良が発生することを抑制できる。
バルブ133が開かれ、圧力低下処理が完了した後、n+1回目の吐出処理が開始されるまでの時刻t〜tの間には、収容室121内の圧力が、圧力低下処理の実行前の圧力まで回復できるだけの待機時間が設けられていることが望ましい。これによって、n+1回目の吐出処理における吐出不良が抑制される。
以上のように、本実施形態の液滴吐出装置100Aによれば、吐出処理の実行が休止される吐出休止期間が検出されたときに、圧力低下処理が実行されて、収容室121内の圧力が一時的に低減される。そのため、弁体113と吐出口123との間に微小な隙間が生じてしまっていたとしても、吐出休止期間の間に、その隙間から液体LMが漏洩してしまうことが抑制される。従って、吐出口123の周縁に漏洩した液体LMが付着し、その液体LMによって、次の吐出処理が阻害されてしまうことが抑制され、吐出処理の実行が円滑化される。本実施形態の液滴吐出装置100Aによれば、圧力低下処理によって、吐出休止期間中における液体LMの漏洩が抑制されるため、吐出休止期間後に、液滴を空吐出するフラッシングや吐出口123のクリーニングなどのメンテナンス処理を実行する手間を省略することもでき、効率的である。また、本実施形態の液滴吐出装置100Aによれば、圧力低下処理における収容室121の圧力の低下が、バルブ133の開閉動作と、残圧開放のための空吐出と、によって簡易、かつ、迅速に実現されている。その他に、本実施形態の液滴吐出装置100Aによれば、吐出処理の実行後に、予め決められた所定の経過時間が経過したときに、吐出休止期間が発生しているものとして圧力低下処理が実行される。そのため、吐出処理の実行後に、吐出処理の実行ができなくなる予期せぬ事態が生じた場合にも、圧力低下処理が実行されて、吐出口123からの液体LMの漏洩が抑制される。こうした種々の効果は、本実施形態の液滴吐出装置100Aのように、高粘度で微細な粉末を含む液体LMを吐出する構成や、高速で弁体113を駆動させる構成など、弁体113と吐出口123にかかる負荷が大きい構成を有する場合に特に顕著に得ることができる。
B.第2実施形態:
図4は、本発明の第2実施形態における液滴吐出装置の制御工程のフローを示す説明図である。第2実施形態の液滴吐出装置の構成は、第1実施形態の液滴吐出装置100A(図1)とほぼ同じである。第2実施形態の液滴吐出装置における制御工程は、ステップS30の圧力低下処理の実行後に、液体補充処理を実行する工程がステップS40として追加されている点以外は、第1実施形態で説明した制御工程とほぼ同じである。
液体補充処理は、圧力低下処理の実行が開始された後、次の吐出処理が実行される前に、収容室121への液体LMの補充を促進して、収容室121内の圧力を回復するために実行される。液体補充処理では、吐出部110に、少なくとも1回、空吐出を実行させる。このとき、吐出口123から吐出される液滴は、液体受部170によって捕捉される。空吐出のために弁体113を吐出口123から離間した位置に移動させると、供給流路131pから収容室121への液体LMの流入が促進される。そのため、空吐出の実行によって、圧力低下処理において低下した収容室121の圧力を、圧力低下処理の実行前の圧力まで回復させる時間を短縮することができる。従って、液体補充処理を実行することによって、次の吐出処理が開始される前に、収容室121内における液体LMの圧力状態を良好にすることができ、吐出休止期間の後の吐出処理における吐出不良の発生が抑制される。
図5は、第2実施形態における流量制御処理の実行前後における吐出口123の開閉状態およびバルブ133の開閉動作のタイミングチャートの一例を示す説明図である。この例では、圧力低下処理の実行が完了された時刻tの後に、液体補充処理における空吐出のために吐出口123が1回、開放されている。この空吐出のために吐出口123が開放される時間Tcは、少なくとも、通常の吐出処理において吐出口123が開放される時間Taよりも長いことが望ましい。
圧力低下処理において残圧開放処理が実行された後には、収容室121は、圧力が低下した状態になっている。そのため、液体補充処理において、通常の吐出処理と同じ条件で空吐出をおこなうと、収容室121の圧力が十分ではないため、吐出口123から吐出された液体LMが液滴化せずに、吐出口123の周縁部に残留してしまう可能性がある。吐出口123の周縁部に余分な液体LMが付着していると、次の吐出処理における液滴の吐出が阻害される原因となり得る。液体補充処理における吐出口123の開放時間Tcを、少なくとも、通常の吐出処理における吐出口123の開放時間Taよりも長くすることによって、その圧力の不足を補うことができ、空吐出の際の吐出不良の発生を抑制できる。よって、次の吐出処理における液滴の吐出を良好に実行することができる。
以上のように、第2実施形態の液滴吐出装置によれば、圧力低下処理の後に、液体補充処理が実行されることによって、次の吐出処理における液滴の吐出状態を良好にすることができる。その他に、第2実施形態の液滴吐出装置によれば、第1実施形態で説明した種々の効果を奏することができる。
C.第3実施形態:
図6は、本発明の第3実施形態としての液滴吐出装置100Cの構成を示す概略図である。第3実施形態の液滴吐出装置100Cは、供給部130が、バルブ133に代えて、流路切替バルブ136と、流路切替バルブ136に接続された配管137と、を備えている点以外は、第1実施形態の液滴吐出装置100Aとほぼ同じ構成を有している。なお、図6では、液体受部170の図示は省略されているが、液滴吐出装置100Cは液体受部170を備えていてもよい。以下の説明では、配管132,137を区別するため、液体貯留部134と供給流路131pとを接続している配管132を「第1配管132」と呼び、流路切替バルブ136に接続された配管137を「第2配管137」と呼ぶ。
流路切替バルブ136は、三方弁であり、第1のポートが第1配管132を介して液体貯留部134に接続され、第2のポートが第1配管132を介して供給流路131pと接続されている。残りの第3のポートは、第2配管137を介して、液体貯留部134に接続されている。
制御部101は、流路切替バルブ136を制御して、供給部130における液体LMの流路を切り替える。流路切替バルブ136は、通常は、第2配管137に接続されている第3のポートを閉じて、第1配管132を介して液体貯留部134から供給流路131pへと液体LMが圧送されるように液体LMの流路を形成する(破線矢印R)。そして、以下に説明する第3実施形態の圧力低下処理が実行されるときには、液体貯留部134に接続されている第1のポートを閉じ、第2配管137を介して、収容室121の圧力を逃がすための液体LMの流路を形成する(破線矢印R)。
図7は、第3実施形態における液滴吐出装置100Cの制御工程のフローを示す説明図である。第3実施形態の制御工程は、ステップS30の圧力低下処理において、収容室121の圧力を制御する工程の内容が異なっている点以外は、第1実施形態で説明した制御工程(図2)とほぼ同じである。
第3実施形態の圧力低下処理では、制御部101は、まず、流路切替バルブ136を制御して、液体LMの流路を切り替える(ステップS32)。制御部101は、液体LMの流路を、液体貯留部134から供給流路131pへと流れる経路(図6の破線矢印Rの経路)から、供給流路131pから液体貯留部134へと流れる経路(図6の破線矢印Rの経路)に切り替える。これによって、圧力発生部135から供給流路131pおよび収容室121への圧力の伝達が遮断されるとともに、供給流路131pおよび収容室121の圧力を第2配管137を介して逃がすことができる。よって、圧送によって生じている収容室121の圧力を低下させることができる。なお、このとき、液体貯留部134に戻った供給流路131pおよび収容室121の液体LMの一部は、次回以降の吐出処理において消費される。
制御部101は、圧力低下処理を終了するために、収容室121の圧力を増大させるときには、再び、流路切替バルブ136を制御して、液体LMの流路を元の経路に復帰させる(ステップS34)。これによって、供給流路131pを介した、液体貯留部134から収容室121への液体LMの圧送が再開され、収容室121の圧力が増大される。なお、圧力低下処理の実行が完了した後には、第2実施形態で説明した液体補充処理(図4のステップS40)が実行されてもよい。
以上のように、第3実施形態の液滴吐出装置100Cによれば、吐出休止期間中に、液体LMの流路の切り替えによって、簡易、かつ、迅速に、収容室121の圧力を低下させることができる。また、収容室121の残圧の開放のための空吐出をおこなわないため、液体LMの消費量を低減することができ、効率的である。その他に、第3実施形態の液滴吐出装置100Cによれば、第1実施形態で説明した種々の効果を奏することができる。
D.変形例:
上記の各実施形態の構成は、例えば、以下のように変形することも可能である。なお、以下の説明では、特に断らない限り、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の液滴吐出装置100A,100Cを、「液滴吐出装置」と総称する。また、上記各実施形態で説明した各構成部と同じ機能や構成を有する構成部には、同じ符号を付して説明する。
D1.変形例1:
上記の各実施形態において説明した吐出休止期間が検出される条件は、第1実施形態において例示したものに限定されることはない。吐出休止期間は、予め決められた時間以上の連続した吐出処理が実行されない期間として検出されればよく、液滴吐出装置の構成に応じた種々のタイミングで検出されるものとしてもよい。例えば、液滴吐出装置が、吐出部110を所定の待機場所に移動させて待機状態にする機能を有している場合には、吐出部110が当該待機場所に位置している期間を、吐出休止期間として検出してもよい。また、液滴吐出装置が複数の吐出部110を備えており、それぞれから順番に液滴を吐出させる構成を有している場合には、第1の吐出部110が液滴を吐出しているときには、第2の吐出部110が吐出休止期間にあると検出されてもよい。
D2.変形例2:
上記の各実施形態では、供給部130は、圧力低下処理を実行するために、バルブ133または流路切替バルブ136を備えている。これに対して、供給部130は、それらのバルブ133,136を備えていなくてもよい。この場合には、圧力低下処理では、圧力発生部135によって液体LMに付与される圧力を低下させることによって、収容室121の圧力が低減されるものとしてもよい。上記の第1実施形態および第2実施形態の圧力低下処理では、遮断弁であるバルブ133によって、供給流路131pへの液体LMの流通を遮断している。これに対して、第1実施形態および第2実施形態の圧力低下処理では、供給流路131pへの液体LMの流通がバルブ133によって完全に遮断されなくてもよい。例えば、バルブ133を、その開度を調整できる流量調整弁によって構成して、供給流路131pを介して収容室121に伝達される圧力を低減させるだけでもよい。上記の第3実施形態では、第2配管137は、液体貯留部134に接続されている。これに対して、第2配管137は、液体貯留部134に接続されていなくてもよい。第2配管137は、収容室121の圧力を外部に逃がす経路を構成していればよい。
D3.変形例3:
上記の各実施形態の液滴吐出装置では、制御部101は、n回目の吐出処理の後、n+1回目の吐出処理が実行される間の期間において、吐出休止期間を検出している。これに対して、制御部101は、液滴吐出装置の運転が開始された後、1回の吐出処理も実行していない状態において、吐出休止期間を検出してもよい。制御部101は、液滴吐出装置の電源が入れられ、吐出処理の実行開始が可能な状態になった後、吐出処理が実行されることなく所定の時間が経過したときに、吐出休止期間が生じていると判定して、圧力低下処理の実行を開始してもよい。
D4.変形例4:
上記の各実施形態の液滴吐出装置は、液体LMを吐出して立体物を形成する3Dプリンターとして構成されている。これに対して、液滴吐出装置は、例えば、インクを吐出して画像を形成するインクジェットプリンターとして構成されてもよい。この場合には、吐出処理では、造形ステージ150に代えて、印刷媒体や記録媒体を処理対象物としてインク滴が吐出される。その他に、液滴吐出装置は、液体接着材を吐出して塗布する接着材塗布装置として構成されてもよい。
D5.変形例5:
上記の各実施形態の液滴吐出装置では、造形ステージ150を、液体材料が着弾する対象物としている。これに対して、液体材料が着弾する対象物は、造形ステージ150に限定されることはない。液滴吐出装置は、造形ステージ150に代えて、造形ステージ150上に取り外し可能に設置されている金属プレートや、材料粉末が焼結した立体物、材料粉末が溶融後に固化した立体物などを対象物として液体材料を吐出してもよい。上記の各実施形態の液滴吐出装置では、エネルギー付与部160によって、造形ステージ150上に着弾させた液体LMを固化させている。これに対して、液体LMが、常温で固化可能な材料であるなど、特段のエネルギーを付与しなくても固化する性質を有しているのであれば、エネルギー付与部160は省略されてもよい。
D6.変形例6:
上記実施形態において、ソフトウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ハードウェアによって実現されてもよい。また、ハードウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ソフトウェアによって実現されてもよい。ハードウェアとしては、例えば、集積回路、ディスクリート回路、または、それらの回路を組み合わせた回路モジュールなど、各種回路を用いることができる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
100A,100C…液滴吐出装置
101…制御部
102…CPU
103…メモリー
110…吐出部
111…本体部
111b…底面
111h…貫通孔
111s…隔壁
112…吐出機構
113…弁体
113t…先端部
114…駆動部
115…ピエゾ素子
116…付勢部材
121…収容室
121b…底面
122…流入口
123…吐出口
125…駆動室
130…供給部
131…流路部材
131p…供給流路
132…配管
133…バルブ
134…液体貯留部
135…圧力発生部
136…流路切替バルブ
137…配管
150…造形ステージ
155…移動機構
160…エネルギー付与部
170…液体受部
171…キャップ部
172…駆動機構
173…伸縮アーム
200…コンピューター
LM…液体
MD…データ
NX…中心軸
SL…シール部材

Claims (7)

  1. 液体を収容する収容室の吐出口から液滴を吐出する液滴吐出装置であって、
    前記液体が流通する供給流路を介して、前記収容室に前記液体を圧送する供給部と、
    前記収容室内において往復移動することによって前記吐出口を開閉する弁体と、
    前記供給部による前記液体の供給と、前記吐出口から前記液体の液滴が吐出されるタイミングと、を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、(i)処理対象物に向かって前記吐出口から前記液滴を吐出させる吐出処理が実行されない予め決められた時間以上の連続した吐出休止期間の発生を検出し、(ii)前記吐出休止期間の間に、前記液体の圧送により生じた前記収容室内の圧力を低下させ、次の前記吐出処理を開始する前に、前記収容室内の圧力を増大させる圧力低下処理を実行する、液滴吐出装置。
  2. 請求項1記載の液滴吐出装置であって、さらに、
    前記吐出口から吐出された前記液体を受ける液体受部を備え、
    前記供給部は、前記供給流路における前記液体の流通を遮断する遮断弁を有し、
    前記制御部は、前記圧力低下処理において、前記遮断弁を閉じて前記供給流路における前記液体の流通を遮断した後、少なくとも1回、前記吐出口から前記液体受部に向かって前記液体を吐出させる残圧開放処理を実行することによって前記収容室内の圧力を低下させ、次の前記吐出処理を開始する前に、前記遮断弁を開いて前記収容室内の圧力を増大させる、液滴吐出装置。
  3. 請求項2記載の液滴吐出装置であって、
    前記残圧開放処理において、前記弁体が前記吐出口を1回、開放する期間は、1回の前記吐出処理において前記弁体が前記吐出口を開放する期間よりも長い、液滴吐出装置。
  4. 請求項2または請求項3記載のいずれか一項に記載の液滴吐出装置であって、
    前記制御部は、前記圧力低下処理を完了した後、次の前記吐出処理を開始する前に、少なくとも1回、前記吐出口から前記液体受部に向かって前記液体を吐出させて、前記収容室内への前記液体の補充を促進させる液体補充処理を実行する、液滴吐出装置。
  5. 請求項4記載の液滴吐出装置であって、
    前記液体補充処理において、前記弁体が前記吐出口を1回、開放する期間は、1回の前記吐出処理において前記弁体が前記吐出口を開放する期間よりも長い、液滴吐出装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液滴吐出装置であって、
    前記制御部は、前記吐出処理の実行後に、次の前記吐出処理が実行されることなく、予め決められた時間が経過したときに、前記吐出休止期間の発生を検出する、液滴吐出装置。
  7. 液体を収容する収容室内において、弁体を往復移動させて吐出口を開閉することによって、前記吐出口から液滴を吐出する液滴吐出装置の制御方法であって、
    前記弁体によって前記吐出口が閉塞されている状態において、前記収容室に前記液体を圧送する工程と、
    処理対象物に向かって前記吐出口から前記液滴を吐出させる吐出処理が実行されない予め決められた時間以上の連続した吐出休止期間の発生を検出する工程と、
    前記吐出休止期間の間に、前記液体の圧送により生じる前記収容室内の圧力を低下させ、次の前記吐出処理を開始する前に、前記収容室内の圧力を増大させる圧力低下処理を実行する工程と、
    を備える、制御方法。
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