JP2018015811A - 金属材の表層除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱間加工ラインで、高品質の製品を製造することのできる金属材の表層除去方法を提供する。【解決手段】本発明の金属材の表層除去方法は、加熱炉2において金属材Wを所定温度に加熱後、加熱炉2の下流側に配備された1又は複数の加工機により金属材Wを加工して、所定の形状にする熱間加工ラインにおいて、加熱炉2の出側から最終段に配備された加工機の間のいずれかの位置に、表層除去装置4を設置し、表層除去装置4により、熱間状態にある金属材Wの表層に存在する酸化スケールを除去すると共に、酸化スケールの下に存在する金属材Wの地金を0.01mm以上除去する。【選択図】図3
Description
本発明は、金属材の表層を除去する方法に関する。
例えば、ビレットなどの鋳片(金属材、金属素材)より、条鋼線材(製品)を製造する熱間圧延ラインは、上流側から、加熱炉、粗圧延機、仕上げ圧延機、巻き取り機が順番に配設されている。鋳片は、加熱炉で加熱され、連続的に圧延を施された後、条鋼線材となり、巻き取り機でコイル状に巻線される。
ところで、製造された条鋼線材の表面には、表面疵などの好ましくない欠陥が存在する場合がある。このような表面疵があると製品として出荷できない可能性があるため、表面疵を除去した後に出荷したり、熱間圧延ラインに対して、表面疵を発生させない技術を採用したりしている(特許文献1〜3)。
ところで、製造された条鋼線材の表面には、表面疵などの好ましくない欠陥が存在する場合がある。このような表面疵があると製品として出荷できない可能性があるため、表面疵を除去した後に出荷したり、熱間圧延ラインに対して、表面疵を発生させない技術を採用したりしている(特許文献1〜3)。
例えば、特許文献1には、アルミニウム合金の面削方法が開示されている。具体的には、特許文献1は、純度が質量比で99.9995%以上であるアルミニウム材をフライス盤で面削加工する方法であって、1)アルミニウム合金より成る支持部と、該支持部に固定された切削チップと、を含むフライスカッターを準備する工程と、2)前記切削チップを前記アルミニウム材に接触させ、かつ該切削チップと該アルミニウム材が接触する部分に鉱物油または植物油を主成分とする切削油を供給しながら前記フライスカッターを回転させて面削加工を行う工程と、を含む技術を開示する。
特許文献2は、ステンレス形鋼の表面に円板状回転砥石の外周面を押付けて前記表面に発生した疵を除去する方法であって、外周面を側面に対して傾斜形成した回転砥石を、搬送するステンレス形鋼の表面に押し付けつつ回転させてステンレス形鋼の表面に発生した疵を除去する技術を開示する。すなわち、特許文献2が開示する技術は、製品であるH形鋼の複雑形状に対し、安価に表面疵を除去するものである。
特許文献3は、溶削酸素の供給系に設けられ、前記マニホールドに供給される溶削酸素の圧力を調節可能なレギュレータと、前記溶削酸素の供給系に設けられ、前記マニホールドに供給される溶削酸素の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサでの検出圧力と予め設定した設定圧力とを比較し、その偏差がなくなるように前記レギュレータを自動調節するシーケンサとから構成された鋼材の溶削装置を開示する。すなわち、特許文献3には、HS(ホットスカーフ・ガス溶削)装置が開示されており、ホットスカーフを適用し、表層の脱炭層や表面疵を除去する方法が開示されている。
まず、特許文献1に開示されているアルミニウム合金の面削方法に関しては、熱間圧延ライン上で金属材の表層を面削するものでなく、圧延後に表層を面削するものとなっている。それ故、生産性が悪く、ひいてはコスト高につながる虞がある。
また、特許文献2に開示された表面疵除去方法は、安価に表面疵を除去する方法と考えられる。しかしながら、表面疵の除去作業の前に表面疵の検査が必須とされ、疵検査工程と疵除去工程の2つの工程が必要不可欠となるため、処理に時間を要することとなる。そもそも、特許文献2に開示された技術は、最終製品(複雑形状を有するH形鋼)に対する疵除去方法であり、表面疵除去を行うと製品に凹みができてしまうといった不都合が生じる。
また、特許文献2に開示された表面疵除去方法は、安価に表面疵を除去する方法と考えられる。しかしながら、表面疵の除去作業の前に表面疵の検査が必須とされ、疵検査工程と疵除去工程の2つの工程が必要不可欠となるため、処理に時間を要することとなる。そもそも、特許文献2に開示された技術は、最終製品(複雑形状を有するH形鋼)に対する疵除去方法であり、表面疵除去を行うと製品に凹みができてしまうといった不都合が生じる。
特許文献3の技術では、HS(ホットスカーフ・ガス溶削)装置を適用し、表層の脱炭層や表面疵を除去するものとされているが、このHS装置においては、ガス溶削のためのガス圧の不均一分布により溶削量が異なることがあり、その結果、表面凹凸の発生やノロが発生することがある。このノロは地鉄と繋がったままの場合があり、その除去が困難な場合がある。また、溶削後の金属材にノロが残存した場合、当該金属材をそのまま圧延すると、ノロが押し込み疵となることがあった。
特許文献3で予見される欠点を鑑み、圧延終了後に表面疵を除去することも考えられるが、圧延により表面疵が内部側に折れ込んでしまい、疵の存在深さがどれくらいになっているか不明な状況となる。かかる状況下での溶削では、その削除量(溶削量)が過大なる可能性がある。
そもそも、圧延後において表面疵を見つけるのは難しく、見逃してしまう可能性が大きい。表面疵の見逃しは、鍛造などの後工程における割れが発生などの原因となり、ひいては、製品不良の原因となりかねない。また生産性の観点では、熱間圧延後に冷却し、検査した後に疵除去作業し、ようやく出荷となるため、作業工程が非常に多く製品の製造に多くの日数を費やすこととなる。
そもそも、圧延後において表面疵を見つけるのは難しく、見逃してしまう可能性が大きい。表面疵の見逃しは、鍛造などの後工程における割れが発生などの原因となり、ひいては、製品不良の原因となりかねない。また生産性の観点では、熱間圧延後に冷却し、検査した後に疵除去作業し、ようやく出荷となるため、作業工程が非常に多く製品の製造に多くの日数を費やすこととなる。
本発明は、上述の問題に鑑み、熱間加工ラインで、金属材の表層に存在する酸化スケールを除去すると共に、酸化スケールの下に存在する地金を除去することにより、金属材の加熱までに発生した表面疵や加熱時に発生する脱炭層を除去でき、高品質の製品を製造することが可能な金属材の表層除去方法を提供することを目的とする。
この金属材の表層除去方法によれば、熱間加工ラインにおいて、後工程を考慮して除去量を調整するなどの煩雑な作業を必要としなくなり、発生する表面疵の深さを気にすることも不要となる。また、わざわざ表面疵検査を行う必要もない。加えて表面疵の見逃しなどによる鍛造などの後工程での不良発生もなくなることになる。このため、検査工程を含む多くの作業工程が不要となり、製品の製造が短期間に行えるようになる。
この金属材の表層除去方法によれば、熱間加工ラインにおいて、後工程を考慮して除去量を調整するなどの煩雑な作業を必要としなくなり、発生する表面疵の深さを気にすることも不要となる。また、わざわざ表面疵検査を行う必要もない。加えて表面疵の見逃しなどによる鍛造などの後工程での不良発生もなくなることになる。このため、検査工程を含む多くの作業工程が不要となり、製品の製造が短期間に行えるようになる。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる金属材の表層除去方法は、加熱炉において金属材を所定温度に加熱後、前記加熱炉の下流側に配備された1又は複数の加工機により前記金属材を加工して、所定の形状にする熱間加工ラインにおいて、前記加熱炉の出側から最終段に配備された加工機の間のいずれかの位置に、表層除去装置を設置し、前記表層除去装置により、熱間状態にある前記金属材の表層に存在する酸化スケールを除去すると共に、前記酸化スケールの下に存在する前記金属材の地金を0.01mm以上除去することを特徴とする。
本発明にかかる金属材の表層除去方法は、加熱炉において金属材を所定温度に加熱後、前記加熱炉の下流側に配備された1又は複数の加工機により前記金属材を加工して、所定の形状にする熱間加工ラインにおいて、前記加熱炉の出側から最終段に配備された加工機の間のいずれかの位置に、表層除去装置を設置し、前記表層除去装置により、熱間状態にある前記金属材の表層に存在する酸化スケールを除去すると共に、前記酸化スケールの下に存在する前記金属材の地金を0.01mm以上除去することを特徴とする。
好ましくは、前記熱間加工ラインが熱間圧延ラインであり、前記加工機が圧延機であるとよい。
好ましくは、前記表層除去装置を、前記加熱炉の出側と第1圧延機の入側との間に配備するとよい。
好ましくは、前記表層除去装置として、研削機、研磨機、グラインダーのいずれかを採用するとよい。
好ましくは、前記表層除去装置を、前記加熱炉の出側と第1圧延機の入側との間に配備するとよい。
好ましくは、前記表層除去装置として、研削機、研磨機、グラインダーのいずれかを採用するとよい。
好ましくは、前記表層除去装置として、ウォータジェットを採用するとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットにおける吐出圧力を180MPa以上し、前記金属材の移動速度を0.5m/sec未満とするとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットから噴射される研磨液剤の前記金属材の表層に対する衝突角度を、前記金属材の表層の法線方向に対して0°から45°とするとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットにおける吐出圧力を180MPa以上し、前記金属材の移動速度を0.5m/sec未満とするとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットから噴射される研磨液剤の前記金属材の表層に対する衝突角度を、前記金属材の表層の法線方向に対して0°から45°とするとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットから噴射される研磨液剤に砥粒を混合した上で、前記研磨液剤を熱間状態にある前記金属材の表層に吹き付けるとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットから噴射される研磨液剤中の砥粒の供給量を425g/min以上とし、前記ウォータジェットにおける吐出圧力を345MPa以上とし、ウォータジェットの噴射ノズルと前記金属材の表層との間の距離をノズル間距離70mm以下とし、前記金属材の移動速度を0.5m/sec未満とするとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットから噴射される研磨液剤中の砥粒の供給量を425g/min以上とし、前記ウォータジェットにおける吐出圧力を345MPa以上とし、ウォータジェットの噴射ノズルと前記金属材の表層との間の距離をノズル間距離70mm以下とし、前記金属材の移動速度を0.5m/sec未満とするとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットから噴射される研磨液剤の前記金属材の表層に対する衝突角度を、前記金属材の表層の法線方向に対して0°から45°とするとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットのノズルを振動させるとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットのノズルを、前記金属材の移動方向に対して垂直な方向に振動させるとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットのノズルを振動させるとよい。
好ましくは、前記ウォータジェットのノズルを、前記金属材の移動方向に対して垂直な方向に振動させるとよい。
好ましくは、前記表層除去装置を、前記熱間加工ラインに1つ以上配備するとよい。
本発明によれば、熱間加工ラインで、金属材の表層に存在する酸化スケールを除去すると共に、酸化スケールの下層に存在する地金を除去することにより、金属材の加熱までに発生した表面疵や加熱時に発生する脱炭層を除去でき、高品質の製品を製造することが可能となる。
以下、図を参照しながら、本発明にかかる金属材の表層除去方法について、説明する。
図1は、本発明の表層除去方法が適用される熱間圧延ライン1(熱間加工ライン)を模式的に示したものである。また、この熱間圧延ライン1では、金属材である鋼片W(ビレット)を加熱し圧延することで、条鋼線材が製造される。
まず、鋼片Wは加熱炉2で所定の温度に加熱され、その後、粗圧延機、仕上げ圧延機を経ることで、条鋼線材となる。圧延機は、第1圧延機3から第N圧延機3まで配備されていて、例えば、第1圧延機3や第2圧延機3は粗圧延機であり、第N−1圧延機3や第N圧延機3は仕上げ圧延機である。N台の圧延機3で連続的に圧延され製造された条鋼線材は、巻き取り機でコイル状に巻回される。
図1は、本発明の表層除去方法が適用される熱間圧延ライン1(熱間加工ライン)を模式的に示したものである。また、この熱間圧延ライン1では、金属材である鋼片W(ビレット)を加熱し圧延することで、条鋼線材が製造される。
まず、鋼片Wは加熱炉2で所定の温度に加熱され、その後、粗圧延機、仕上げ圧延機を経ることで、条鋼線材となる。圧延機は、第1圧延機3から第N圧延機3まで配備されていて、例えば、第1圧延機3や第2圧延機3は粗圧延機であり、第N−1圧延機3や第N圧延機3は仕上げ圧延機である。N台の圧延機3で連続的に圧延され製造された条鋼線材は、巻き取り機でコイル状に巻回される。
本発明においては、加熱炉2と第1圧延機3との間(言い換えれば、加熱炉2の出側、乃至は第1圧延機3の入側)に、表層除去装置4を備えるものとなっている。
この表層除去装置4の構成としては、高圧とされた水を吹き付けることで対象物を吹き飛ばす「ウォータジェット機構」を採用することが好ましい。それ以外であれば、表層除去装置4を研磨機や研削機で構成してもよく、通常用いられるグラインダーで構成してもよい。とはいえ、研磨機やグラインダーを採用した場合、熱間で使用すると工具自体の摩耗が激しく、ランニングコストが合わないといった難点も存在することは否めない。
この表層除去装置4の構成としては、高圧とされた水を吹き付けることで対象物を吹き飛ばす「ウォータジェット機構」を採用することが好ましい。それ以外であれば、表層除去装置4を研磨機や研削機で構成してもよく、通常用いられるグラインダーで構成してもよい。とはいえ、研磨機やグラインダーを採用した場合、熱間で使用すると工具自体の摩耗が激しく、ランニングコストが合わないといった難点も存在することは否めない。
上記した表層除去装置4が果たす役目は、以下の通りである。
すなわち、本発明の表層除去装置4は、熱間圧延ライン1(熱間加工ライン)の途中において、熱間状態にある鋼片Wの表面に存在する酸化スケールを吹き飛ばすと共に、酸化スケールの下層に存在する地鉄(地金)の表面をも一律に所定量だけ除去するものである。このように地鉄の表面を所定量だけ除去することで、熱間圧延ライン1で製造される製品において、表面疵となり得るような表層欠陥(鋼片Wの表面疵や脱炭層)が確実に除去されることとなる。その結果、製品における表面疵の発生が防止されるので、新たに疵検査工程などを設けたり、最終製品に対する疵除去工程を設ける必要がなくなるというものである。
すなわち、本発明の表層除去装置4は、熱間圧延ライン1(熱間加工ライン)の途中において、熱間状態にある鋼片Wの表面に存在する酸化スケールを吹き飛ばすと共に、酸化スケールの下層に存在する地鉄(地金)の表面をも一律に所定量だけ除去するものである。このように地鉄の表面を所定量だけ除去することで、熱間圧延ライン1で製造される製品において、表面疵となり得るような表層欠陥(鋼片Wの表面疵や脱炭層)が確実に除去されることとなる。その結果、製品における表面疵の発生が防止されるので、新たに疵検査工程などを設けたり、最終製品に対する疵除去工程を設ける必要がなくなるというものである。
表層除去装置4により、酸化スケール及び地鉄の一部が除去された素材は、第1圧延機3〜第N圧延機3へと導入され、所定のパススケジュールにより圧延されることで、所定断面、寸法を有する条鋼線材へと圧延・成形されてゆく。
以上述べた表層除去装置4による金属材の表層除去の一例を、図1を基に以下に述べる。
以上述べた表層除去装置4による金属材の表層除去の一例を、図1を基に以下に述べる。
表層除去装置4としては、ウォータジェット機構を採用し表層除去を行うこととする。
加熱炉2から出鋼された鋼片Wは、熱間状態に加熱されている。この加熱された鋼片Wは、加熱炉2の出側に位置する表層除去装置4へと導入される。表層除去装置4では高圧水が吹き付けられ、鋼片Wの表面に存在する酸化スケールのみならず、酸化スケールの下方(鋼片Wの深部に近い側)に存在する地鉄の表面をも一律に所定量だけ除去される。
加熱炉2から出鋼された鋼片Wは、熱間状態に加熱されている。この加熱された鋼片Wは、加熱炉2の出側に位置する表層除去装置4へと導入される。表層除去装置4では高圧水が吹き付けられ、鋼片Wの表面に存在する酸化スケールのみならず、酸化スケールの下方(鋼片Wの深部に近い側)に存在する地鉄の表面をも一律に所定量だけ除去される。
表1には、表層除去の実験例が示されている。
実験例においては、鋼片Wを加熱温度500℃〜700℃以上に加熱し、1000kg/cm2以上の高圧水により表層除去を行った(表1の実験例3,5,6)。このウォータジェット(高圧水の吹きつけ)により、表層から0.05mmを除去し、素材の表面に存在する酸化スケールのみならず、酸化スケールより深層側にある地鉄も除去した。このように、酸化スケール及び地鉄を除去するため、従来技術であるホットスカーフのようにノロが地鉄に付着した状態になることはなく、その後の圧延で押し込み疵が発生することはない。
また、ウォータジェットによる表層除去装置4は、前述した研磨機のように治具(刃物)を使わず、水のみを使用するため、装置自体が摩耗することもなくランニングコストを抑制することが可能となる。一方で、実験例4は、表層除去装置4としてグラインダーを使用し表層から0.05mmを除去しているものの、そのときの素材温度は1000℃の熱間であって、工具自体の摩耗が激しくランニングコストが合わない可能性がある。
実験例1,2は、加熱炉2の出側やNo.1圧延機3の入側に研削機を設置して、表面の研削を行った例である。除去量は0.02mmとやや小さいものとなっている。
以上、実験を通じて、本願出願人は以下の知見を明らかにしている。
(1) 鋼片W(ビレット)を圧延して製品にした場合、断面積が減面し表層の疵深さも浅くなる。このため、鋼片Wの段階における0.01mm未満の表層除去量では、製品した場合に、除去しない場合とほとんど変わらない(0.01mm未満の除去では表面疵を許容範囲内に抑えることが到底不可能である)。
以上、実験を通じて、本願出願人は以下の知見を明らかにしている。
(1) 鋼片W(ビレット)を圧延して製品にした場合、断面積が減面し表層の疵深さも浅くなる。このため、鋼片Wの段階における0.01mm未満の表層除去量では、製品した場合に、除去しない場合とほとんど変わらない(0.01mm未満の除去では表面疵を許容範囲内に抑えることが到底不可能である)。
(2) 最終製品における表面疵の閾値は0.03mmとなっており、現状、0.04mm以上あれば「表面疵有りの製品」として扱わざるを得ない。過去の実績を整理してみると、製品における0.05mm以上の表面疵は、圧倒的に少なく、表面疵の多くは0.04mm以下である。したがって、表層を0.01mmだけ除去することにより、最終製品における表面疵を0.03mm以下とすることができ、表面疵発生率を大きく減らすことが可能となる。
(3) 酸化スケールを除去する場合(デスケーリングする場合)、急冷させることで、酸化スケールの熱収縮を起こさせ酸化スケール自体に割れを誘発し、水圧で吹き飛ばすので、水圧が1桁小さく鋼片Wの地鉄が削られることは無いと考えられる(例えば、デスケーリング時の水圧が200kg/cm2に対し、ウォータージェット時の水圧は1000kg/cm2以上)。加えて、地鉄の変形抵抗は1000℃で200MPa程度に対し、デスケーリング時の水圧200kg/cm2=20MPaのため、デスケールでは地鉄は変形しない。言い換えれば、鋼片Wの地金を除去するためには、デスケール時の水圧より1桁大きな水圧での水の吹きつけが必要である。
(4) 表層除去温度は、除去する場所により異なるが、400℃以上にて表層除去を行うことが好ましい。素材として採用可能なものとしては、チタン系、鉄系・ステンレス系などの金属が想定される。
(5) 上記の例では、表層除去装置4を、第1圧延機3の入側(言い換えれば、加熱炉2の出側)に設置していたが、第N圧延機3(最終圧延機)の出側に導入してもよい。このように、表層除去装置4を第N圧延機3の出側に配備することで、最終製品で表面疵を取り去ることができ、太径棒鋼などで特に有効な手段となる。なお、表層除去装置4を、熱間圧延ライン1に1つ以上配備することは、非常に好ましい。
(5) 上記の例では、表層除去装置4を、第1圧延機3の入側(言い換えれば、加熱炉2の出側)に設置していたが、第N圧延機3(最終圧延機)の出側に導入してもよい。このように、表層除去装置4を第N圧延機3の出側に配備することで、最終製品で表面疵を取り去ることができ、太径棒鋼などで特に有効な手段となる。なお、表層除去装置4を、熱間圧延ライン1に1つ以上配備することは、非常に好ましい。
以上述べたように、本発明にかかる金属材の表層除去方法を採用することで、熱間加工ラインにおいて、酸化スケールと共に地金の一部を除去することで、製品における表面疵の発生を可及的に少なくして、高品質の製品を製造することが可能となる。
さて、上記した金属材(鋼片W)の表層除去方法により、熱間加工ライン1において、酸化スケールと共に地金の一部を除去し、製品における表面疵の発生を少なくできることは、既に述べた通りである。
さて、上記した金属材(鋼片W)の表層除去方法により、熱間加工ライン1において、酸化スケールと共に地金の一部を除去し、製品における表面疵の発生を少なくできることは、既に述べた通りである。
しかしながら、出願人は鋭意研究の末、より効率的に酸化スケールを除去し、製品における表面疵の発生を少なくできる技術を知見するに至った。以下、この技術について精説する。
まず、より好ましい鋼片Wの表層除去方法としては、表層除去装置4としてウォータジェット(WJ)を採用することとした。
まず、より好ましい鋼片Wの表層除去方法としては、表層除去装置4としてウォータジェット(WJ)を採用することとした。
ウォータジェットとは、水(研磨液剤)を高圧に加圧し、例えば、φ0.1mm程度の小径孔のノズル10から噴射し、その噴射流(超高圧水)の高速かつ高密度のエネルギを利用して、鋼片Wの表面を削り取る研磨、研削方法である。ウォータジェットによる研削を実現するウォータジェットのノズル10の一例を図2に示す。
図2の如く、ウォータジェットのノズル10は、ノズル本体11を備えており、このノズル本体11の中央には、研磨液剤が流通する流通孔12が貫通状に設けられている。この流通孔12の先端部には、細穴とされた細孔ノズル13が取り付けられており、この細孔ノズル13の先端から高圧に加圧された研磨液剤が噴射されることとなる。
図2の如く、ウォータジェットのノズル10は、ノズル本体11を備えており、このノズル本体11の中央には、研磨液剤が流通する流通孔12が貫通状に設けられている。この流通孔12の先端部には、細穴とされた細孔ノズル13が取り付けられており、この細孔ノズル13の先端から高圧に加圧された研磨液剤が噴射されることとなる。
ノズル本体11の中途部には、ミキシングチューブ14が取り付けられており、このミキシングチューブ14の内孔は、ノズル本体11内において流通孔12と合流することとなる。そのため、流通孔12の基端側から水を供給し、ミキシングチューブ14の基端側から砥石を供給することで、ノズル本体11内で、「水+砥粒」の研磨液剤が作成され、細孔ノズル13の先端から高圧状態で噴出するようになる。
ウォータジェットにおいて、研磨液剤(水)に砥粒を混合させ表層除去を行う場合、砥粒の種類としては、様々なものが採用可能であるが、例えば、ガーネット(ざくろ石)、酸化スケール、スチールグリット、スチールショット、ステンレスグリットを使用するとよい。また、砥粒の比重は1.26g/cm3以上が好ましい。なお、砥石の比重を1.26g/cm3以上とした理由は、比重である1.26を3乗した場合、その値は2.0となり、ウォータジェットから噴射される研磨液剤として水のみを採用した場合に比して、衝突エネルギー(除去するためのエネルギー)が2倍となるからである。すなわち、ウォータジェットから噴射される研磨液剤の比重が大きいほど、鋼片Wの表層に存在する酸化スケールなどの除去能力が高くなるため、比重の大きい砥粒を使用することが好ましい。
ウォータジェットを用いて、鋼片Wの表層に存在する酸化スケールなどの除去する際の条件は、以下の通りである。
ウォータジェットにおける吐出圧力を180MPa以上し、鋼片Wの移動速度を0.5m/sec未満とするとよい。より好ましくは、ウォータジェットから噴射される研磨液剤中の砥粒の供給量を425g/min以上とし、ウォータジェットにおける吐出圧力を345MPa以上とし、ウォータジェットのノズル10(細孔ノズル13)と鋼片Wの表層との間の距離、言い換えれば、ノズル間距離70mm以下とし、鋼片Wの移動速度が0.5m/sec未満とするとよい。
ウォータジェットにおける吐出圧力を180MPa以上し、鋼片Wの移動速度を0.5m/sec未満とするとよい。より好ましくは、ウォータジェットから噴射される研磨液剤中の砥粒の供給量を425g/min以上とし、ウォータジェットにおける吐出圧力を345MPa以上とし、ウォータジェットのノズル10(細孔ノズル13)と鋼片Wの表層との間の距離、言い換えれば、ノズル間距離70mm以下とし、鋼片Wの移動速度が0.5m/sec未満とするとよい。
また、図3に示すウォータジェットのノズル10の設置例の如く、ウォータジェットから噴射される研磨液剤の鋼片Wの表層に対する衝突角度を、鋼片Wの表層の法線方向に対して0°から45°とするとよい。
酸化スケールなどの除去をより効果的に行うためには、鋼片Wが熱間状態にある際に、当該鋼片Wの表層に磨液液剤を吹き付けるとよい。
酸化スケールなどの除去をより効果的に行うためには、鋼片Wが熱間状態にある際に、当該鋼片Wの表層に磨液液剤を吹き付けるとよい。
さて、ウォータジェットのノズル10から研磨液剤を吹き付けることで、鋼片Wの表層除去を行うに際しては、鋼片Wの表層に対して一度だけ吹き付けを行う(1パス)ことで、想定する効果を奏することを出願人は確認しているが、より好ましくは、複数パス(少なくとも1パス以上)、鋼片Wを移動させつつ、ウォータジェットによる研磨を行うとよい。
複数パスの研磨の実施としては、鋼片Wを複数回移動させることも考えられるが、ウォータジェットのノズル10を2台以上組み合わせて設置する装置構成としてもよい。2台以上のウォータジェットノズル10を採用する際には、少なくとも1台以上のウォータジェットのノズル10からの研磨液剤を「水+砥粒」とし、他のウォータジェットのノズル10からの研磨液剤を「水」のみとしてもよい。
この場合、「水+砥粒」からなる研磨液剤を吹き付けることと、「水」からなる研磨液剤を吹き付けることの順番は、どちらが先であってもよい。例えば、「水+砥粒」からなる研磨液剤を鋼片Wの表層に噴射した後に、「水」からなる研磨液剤を鋼片Wの表層に噴射することにより、最初に行われた研磨液剤の噴射によって、鋼片Wの表層に埋没した砥粒を、次回以降の「水」からなる研磨液剤の噴射により、確実に除去することが可能となり、砥石を有り無しの研磨液剤の吹き付けの組み合わせが有効に作用することとなる。
以上述べた知見は、表2に示す実験結果から得られたものである。この実験においては、砥石としてガーネット(ざくろ石、比重4.2 g/cm3)を用い、鋼片WはS45Cとしている。
表2から明らかなように、比較例として示されている実験例は、研磨液剤に砥石を含有していなかったり(比較例1)、鋼片Wの移送速度が速すぎたり(0.5m/sec、比較例1)、研磨液剤の噴出圧力が小さかったり(比較例2〜4)、ノズル10間距離が遠いものであり(比較例2)、そのいずれにおいても、鋼片Wの表面除去深さは0〜数ミクロンと少ないものとなっている。
一方で、本願発明の請求項に記したような条件を満足する発明例では、鋼片Wの表面除去深さは数十〜数百ミクロンと大きなものとなっている。すなわち、熱間加工ライン1で、ウォータジェットを用いて、鋼片Wの表層に存在する酸化スケールを除去すると共に、酸化スケールの下層に存在する地金を除去することにより、鋼片Wの加熱までに発生した表面疵や加熱時に発生する脱炭層を除去でき、高品質の製品を製造することが可能となることが明らかとなった。
ところで、ウォータジェットのノズル10から研磨液剤を噴射させる際に、ウォータジェットのノズル10を振動的に動作させることにより、表層除去域の幅を拡大することが可能となる。
ノズル10を振動させる手法としては、例えば、ノズル110に振動子を取り付けて強制的に振動させるなどの、振動付与機構を設けることが考えられる。
ノズル10を振動させる手法としては、例えば、ノズル110に振動子を取り付けて強制的に振動させるなどの、振動付与機構を設けることが考えられる。
このように、ウォータジェットのノズル10を振動的に動作させるメリットとしては、ノズル10から噴射された研磨液剤が当たっている範囲の中で、中央部は周辺部に比べて水の圧力が高い傾向にある。一方、表層除去量は圧力に応じて変わるため、ノズルが静止していると鋼片Wの幅方向(鋼片Wの移動方向に対して垂直な方向)で除去量が不均一となる。ノズル10を鋼片Wの幅方向に振動的に動作させることにより,除去深さの不均一性を緩和する効果を期待できる。更に、1本のノズルに関して研磨液剤の噴射が当たる幅が広がるため,必要なノズル本数を少なくできる利点がある。
ノズル10を具体的に振動させる例としては、以下の形態が考えられる。
すなわち、ノズル10を鋼片Wから所定の距離だけ離して設置した時、そのノズル10から噴射された研磨液剤の当たる領域の、幅方向(鋼片Wの移動方向に対して垂直な方向)長さをWw(mm)、長手方向(鋼片Wの移動方向)長さをWl(mm)とし、鋼片Wの移動速度をV(mm/sec)としたとき、ノズル10の幅方向位置が、式(1)で求められる長さだけ基準位置から移動するように、ノズル10を幅方向に振動させるとよい。
すなわち、ノズル10を鋼片Wから所定の距離だけ離して設置した時、そのノズル10から噴射された研磨液剤の当たる領域の、幅方向(鋼片Wの移動方向に対して垂直な方向)長さをWw(mm)、長手方向(鋼片Wの移動方向)長さをWl(mm)とし、鋼片Wの移動速度をV(mm/sec)としたとき、ノズル10の幅方向位置が、式(1)で求められる長さだけ基準位置から移動するように、ノズル10を幅方向に振動させるとよい。
ノズルの幅方向移動量=Ww×sin(V/Wl×π×t)、ここでtは時間(sec) ・・・(1)
また、鋼片Wの幅方向に複数のノズルが並ぶように配置され、各ノズル間距離がNl(mm)である場合、ノズルの幅方向移動量を下記の下限値と上限値の間の値をとるように設定するのが好ましい。
ノズルの幅方向移動量の下限値=(Nl-2×Ww)×sin(V/Wl×π×t)、ここでtは時間(sec) ・・・(2)
ノズルの幅方向移動量の上限値=Nl×sin(V/Wl×π×t)、ここでtは時間(sec) ・・・(3)
また、ノズル10を鋼片Wの幅方向に振動的に動作させる他に、ノズル10の先端が楕円を描くように動作させてもよい。その楕円の長径が、鋼片Wの幅方向となるようにするとよい。
また、鋼片Wの幅方向に複数のノズルが並ぶように配置され、各ノズル間距離がNl(mm)である場合、ノズルの幅方向移動量を下記の下限値と上限値の間の値をとるように設定するのが好ましい。
ノズルの幅方向移動量の下限値=(Nl-2×Ww)×sin(V/Wl×π×t)、ここでtは時間(sec) ・・・(2)
ノズルの幅方向移動量の上限値=Nl×sin(V/Wl×π×t)、ここでtは時間(sec) ・・・(3)
また、ノズル10を鋼片Wの幅方向に振動的に動作させる他に、ノズル10の先端が楕円を描くように動作させてもよい。その楕円の長径が、鋼片Wの幅方向となるようにするとよい。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 熱間圧延ライン(熱間加工ライン)
2 加熱炉
3 圧延機(第1〜第N)
4 表層除去装置
10 ノズル
11 ノズル本体
12 流通孔
13 細孔ノズル
14 ミキシングチューブ
W 鋼片(ビレット)
2 加熱炉
3 圧延機(第1〜第N)
4 表層除去装置
10 ノズル
11 ノズル本体
12 流通孔
13 細孔ノズル
14 ミキシングチューブ
W 鋼片(ビレット)
Claims (13)
- 加熱炉において金属材を所定温度に加熱後、前記加熱炉の下流側に配備された1又は複数の加工機により前記金属材を加工して、所定の形状にする熱間加工ラインにおいて、
前記加熱炉の出側から最終段に配備された加工機の間のいずれかの位置に、表層除去装置を設置し、
前記表層除去装置により、熱間状態にある前記金属材の表層に存在する酸化スケールを除去すると共に、前記酸化スケールの下に存在する前記金属材の地金を0.01mm以上除去することを特徴とする金属材の表層除去方法。 - 前記熱間加工ラインが熱間圧延ラインであり、
前記加工機が圧延機である
ことを特徴とする請求項1に記載の金属材の表層除去方法。 - 前記表層除去装置を、前記加熱炉の出側と第1圧延機の入側との間に配備することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属材の表層除去方法。
- 前記表層除去装置として、研削機、研磨機、グラインダーのいずれかを採用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属材の表層除去方法。
- 前記表層除去装置として、ウォータジェットを採用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属材の表層除去方法。
- 前記ウォータジェットにおける吐出圧力を180MPa以上し、前記金属材の移動速度を0.5m/sec未満としている
ことを特徴とする請求項5に記載の金属材の表層除去方法。 - 前記ウォータジェットから噴射される研磨液剤の前記金属材の表層に対する衝突角度を、前記金属材の表層の法線方向に対して0°から45°としている
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の金属材の表層除去方法。 - 前記ウォータジェットから噴射される研磨液剤に砥粒を混合した上で、前記研磨液剤を熱間状態にある前記金属材の表層に吹き付ける
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の金属材の表層除去方法。 - 前記ウォータジェットから噴射される研磨液剤中の砥粒の供給量を425g/min以上とし、
前記ウォータジェットにおける吐出圧力を345MPa以上とし、ウォータジェットの噴射ノズルと前記金属材の表層との間の距離をノズル間距離70mm以下とし、前記金属材の移動速度を0.5m/sec未満としている
ことを特徴とする請求項8に記載の金属材の表層除去方法。 - 前記ウォータジェットから噴射される研磨液剤の前記金属材の表層に対する衝突角度を、前記金属材の表層の法線方向に対して0°から45°としている
ことを特徴とする請求項9に記載の金属材の表層除去方法。 - 前記ウォータジェットのノズルを振動させることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の金属材の表層除去方法。
- 前記ウォータジェットのノズルを、前記金属材の移動方向に対して垂直な方向に振動させることを特徴とする請求項11に記載の金属材の表層除去方法。
- 前記表層除去装置を、前記熱間加工ラインに1つ以上配備することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の金属材の表層除去方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016138537 | 2016-07-13 | ||
JP2016138537 | 2016-07-13 |
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JP2017132876A Pending JP2018015811A (ja) | 2016-07-13 | 2017-07-06 | 金属材の表層除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018015811A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110508630A (zh) * | 2019-07-23 | 2019-11-29 | 常熟市长江不锈钢材料有限公司 | 一种不锈钢钢带表面氧化层清除方法 |
CN114761748A (zh) * | 2019-10-28 | 2022-07-15 | 法孚斯坦因公司 | 控制再加热炉的装置和方法 |
-
2017
- 2017-07-06 JP JP2017132876A patent/JP2018015811A/ja active Pending
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