JP2018015391A - 眼科装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中心ゴースト防止用の黒点の位置ズレの影響を抑える技術を得る。
【解決手段】対物レンズ110、対物レンズ110を介して被検眼111の眼底112に照明光を照射する照明光学系10、照明光の眼底112からの反射光をイメージセンサ203に導く撮像光学系20、照明光学系10における対物レンズ110からの反射光の孔鏡と共役な位置に配置され、遮光する領域を光軸に垂直な面内で移動可能な構造を有する可変遮光マスク107を備える眼科装置100。
【選択図】図1

Description

本発明は、眼科装置に関する。
眼科装置として眼底カメラが知られている(例えば、特許文献1を参照)。眼底カメラは、対物レンズを介して照明光源の照明光を被検眼の眼底に照射し、その反射光を対物レンズおよび撮像光学系を介して撮像素子で検出する。この構成では、対物レンズの表面または裏面で生じる反射光が撮像光学系を介して検出される。この対物レンズでの反射光は、眼底画像の中央付近に明るい点として現れる。この対物レンズでの反射光に起因する明るい点を一般に中心ゴーストと呼ぶ(例えば、特許文献2を参照)。中心ゴーストは、眼底画像を阻害する像であり、眼底における疾患の誤認の要因や眼底観察の障害となる。
特開2015−150283号公報 特開2009−172155号公報
上記の中心ゴーストの問題を解決する技術として、照明光学系の光路中における中心ゴースト像の共役位置に黒点(黒い点状のマスク)を配置し、対物レンズでの反射の影響を抑える技術がある。この黒点は、眼底への照射光を一部であるが遮るので、必要最小な大きさとする必要がある。上記の黒点が過度に大きいと、眼底画像の中央に薄い影が生じ、眼底画像の質が低下する。この傾向は、近視眼の場合に顕著になる。
ところで、上記の黒点の大きさを必要最小限なものとすると、黒点の設置位置の僅かなズレ(特に光軸に垂直な方向におけるズレ)が生じた場合に上述した対物レンズでの照射光の反射が顕在化し、中心ゴースト像が現れる。
眼科装置の光学系の設定は精密に行われているが、眼科装置の輸送時や設置時の振動、部材の経時変化に伴う変形、温度変化に起因する変形、地震の影響等により、上記黒点やその他途中の光学素子の位置ズレが生じる場合がある。この問題は、黒点の大きさを必要最小限とした場合に特に顕著になる。
このような背景において、本発明は、中心ゴースト防止用の黒点及びその他の光学素子の位置ズレの影響を抑える技術を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、対物レンズと、前記対物レンズを介して被検眼の眼底に照明光を照射する照明光学系と、前記照明光の前記眼底からの反射光を撮像部に導く撮像光学系と、前記照明光学系における前記対物レンズからの反射光と略共役な位置に配置され、遮光する領域を光軸に垂直な面内で移動可能な構造を有する第1の遮光マスクとを備えることを特徴とする眼科装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記対物レンズに外部からの光の入射がない状態において、前記照明光学系からの前記照明光の照射を行った状態で生じる前記対物レンズからの反射光に基づき、前記第1の遮光マスクにおける前記遮光する領域の位置を制御する制御部を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記制御部は、前記反射光の強度が最小または規定の値以下となるように前記第1の遮光マスクにおける前記遮光する領域の位置の制御を行うことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記制御部は、前記反射光の強度が最小または規定の値以下となるように前記第1の遮光マスクにおける前記遮光する領域の大きさの制御を行うことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記制御部は、前記反射光の強度が最小または規定の値以下となるように前記第1の遮光マスクにおける前記遮光する領域の形状の制御を行うことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記第1の遮光マスクは、エレクトロウェッティング現象を利用して遮光材料を含む液滴の位置を制御する光学素子であることを特徴とする。
本発明によれば、中心ゴースト防止用の黒点の位置ズレの影響が抑えられる。
実施形態における眼底カメラの概念図である。 実施形態における可変遮光マスクの断面図である。 アクティブマトリクス電極層の斜視図である。 可変遮光マスクにおける遮光領域のパターン例を示すイメージ図である。 可変遮光マスクにおける遮光領域のパターン例を示すイメージ図である。 実施形態における眼底カメラの制御部のブロック図である。 実施形態における処理の手順の一例を示すフローチャートである。
(全体の概要)
図1には、眼底カメラ100が示されている。眼底カメラ100は、眼底112への照明光の照明を行うための照明光学系10と、眼底112からの反射光を撮像部であるイメージセンサ203に導く撮像光学系20を有している。なお図1には、レンズ系が簡略化されて記載されている。また、被検眼111の位置の調整に利用されるアライメント光学系、そしてフォーカスの調整に利用されるフォーカス光学系は記載が省略されている。
(照明光学系)
まず、照明光学系10について説明する。照明光学系10は、光源101を備えている。光源は、ハロゲンランプやLED等であり、眼底の動画観察に利用する波長域を含む光を発する。光源101で発せられた光は、凹面ミラー102で集光され、集光レンズ103を介して、光学フィルタ104に入射する。光学フィルタ104は、眼底の観察に行う波長域の光を選択する。通常、眼底の観察には、可視光から近赤外の領域の光が利用される。光学フィルタ104を通った照明光は、ミラー105で反射され、リレーレンズ106、可変遮光マスク107、リレーレンズ108を通って中央に孔109aが形成された孔付きミラーである孔鏡109に至る。なお、静止画撮影を行う場合は、図示しない可視のキセノン管などのフラッシュランプやLEDをパルス点灯しておこなう。
可変遮光マスク107は、対物レンズ110で照明光が遮光され、眼底112の観察画像に中心ゴースト光が現れる現象を抑えるための黒点を光軸上に配置するためのデバイスである。可変遮光マスク107は、エレクトロウェッティング現象を利用して遮光材料を含む液滴の位置を制御する光学素子の一例である。
可変遮光マスク107は、孔鏡109の孔109aと共役な位置にある。ゴーストの像はリレーレンズ108で屈折し、ミラー109で反射し、対物レンズ110の面で反射し、孔109a部に結像する。この位置と共役な位置に黒点が配置され、更に黒点の大きさはこの像の大きさが孔109aと一致するように決められる(原理的には)。すなわち、対物レンズの表面を凸または凹面鏡と考えると黒点を発した「光」はリレーレンズ108で屈折し、孔鏡109で反射、対物レンズ面110で反射して孔鏡109の孔109aの部分に結像する。したがって、黒点の位置(光軸方向)と大きさを合わせておけば、孔109aには孔109aと同サイズの黒点の像ができることになり、実質孔109aに入射する「光」はない。
実際には、可変遮光マスク107の遮光部分(黒点部分)に光軸方向の厚みがあり、また中心ゴースト光の原因となる対物レンズ110からの反射光は、被検眼側の第1面、孔鏡109側の第2面および複合レンズの場合は、内部の接合面からのものがあるので、光軸上における可変遮光マスク107の最適な位置は、対物レンズ110の第1面で反射した場合の孔109aと共役な位置と第2面で反射した場合の孔109aと共役な位置の付近で実験的に探索することが望ましい。略共役な位置の範囲としては、対物レンズ110の第1面で反射した場合の共役な位置から第2面で反射した場合の共役な位置程度の範囲が挙げられる。
この例では、可変遮光マスク107は1枚が配置されているのみであるが、対物レンズの第1面、第2面さらには貼り合わせ面(複合レンズの場合)からの反射が問題となる場合は、各共役位置のそれぞれに可変遮光マスク107を配置することも可能である。可変遮光マスク107があることで、照明光のうちの対物レンズで反射され、孔109aを通過して撮像光学系20に漏れる成分(これが中心ゴーストの要因となる)が、予め照明光学系10内で遮光されるので、中心ゴーストの発生が抑えられる。可変遮光マスク107の詳細については後述する。
可変遮光マスク107を通過した照明光は、リレーレンズ108を通過して孔鏡109に入射し、対物レンズ110の方向に反射され、対物レンズ110を介して被検眼111に照射される。照明光は、被検眼111の眼底112を照明する。この反射光が眼底反射光となって対物レンズ110の方向に戻り、対物レンズ110を通過して孔鏡109に入射する。
孔鏡109には、光軸上に孔109aが形成されており、この孔109aが被検眼の瞳孔と略共役な位置となるように孔鏡109の光軸上における位置が調整されている。眼底反射光は孔109aを通過し、撮像光学系20に入射する。
(撮像光学系)
撮像光学系20は、フォーカスレンズ201を備えている。フォーカスレンズ201は、光軸上を移動可能な構造とされている。撮像した眼底画像が鮮明になるようにフォーカスレンズ201の光軸上における位置が調整される。フォーカスレンズ201を通った眼底反射光は、結像レンズ202で撮像部であるイメージセンサ203に結像する。イメージセンサ203は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが用いられる。イメージセンサは観察と撮影を共通のデバイスを使用してもよいし、個別のデバイスであっても良い。共通とする場合は観察光と撮影光双方の波長に感度を有するものを用いる。個別の場合は光路を分割するため、クイックリターンミラーや波長で分離するダイクロイックミラーを用いる。イメージセンサ203により眼底画像の画像データが得られる。また、イメージセンサ203は、後述する可変遮光マスクの黒点の位置を調整するモード「黒点位置補正モード」における撮像部としても機能する。
(対物レンズ用遮光マスク)
対物レンズ110の前(被検眼側)には、対物レンズ用遮光マスク113が配置されている。対物レンズ用遮光マスク113は、外部(被検眼側)からの光を遮光し、且つ、対物レンズ110の側から入射する光(この光は、光源101に起因する)を吸収する。例えば、対物レンズ遮光マスク113は、カーボンブラックを混合した塗料で塗装した部材やカーボンを含有した反射の生じない黒い部材で構成される。また、未使用時に対物レンズ110の表面を保護するキャップの内面が遮光マスク113を兼ねても良い。
対物レンズ用遮光マスク113は、光軸(照明光とその反射光の光軸)上への挿入および当該光軸からの退避が可能な構造とされている。対物レンズ用遮光マスク113や保護キャップの挿脱は手動により行うが、モータや各種のアクチュエータを利用しても良い。
(可変遮光マスク)
以下、可変遮光マスク107について説明する。可変遮光マスク107は、眼底の観察に用いる可視光や近赤外光を遮蔽する遮光領域の形状、位置、大きさの制御が可能である。図2には、可変遮光マスク107の断面構造が示されている。光軸の方向から見た可変遮光マスク107の形状は、円形の外観を有している。可変遮光マスク107は、一対のガラス基板121と122を用いて構成されている。下側のガラス基板121上には、アクティブマトリクス電極層123が形成されている。
図3は、ガラス基板121上に形成されたアクティブマトリクス電極層123を矩形に切り取った状態の斜視イメージ図である。アクティブマトリクス電極層123は、マトリクス状に配置されたITO膜で構成された複数の画素電極、各画素に配置された薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜トランジスタを駆動する周辺駆動回路を備えている。これらの技術は、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイの技術を応用している。
アクティブマトリクス電極層123の上には、高誘電フィルム124が配置されている。高誘電フィルム124としては、例えばPVdF(ポリフッ化ビニリデン)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が用いられる。高誘電フィルム124に接して撥水膜125が配置されている。撥水膜125は、撥水性を有する膜で、例えばテフロンAF(登録商標)やサイトップ(登録商標)が用いられる。
撥水膜125に接してリング部材126が配置されている。リング部材126は、リング状の部材で、撥水膜125と高誘電膜127に接し、その内側に内部空間128が形成されている。上側の高誘電膜127は、上側の透明導電膜(ITO膜)129に接し、透明導電膜129は上側のガラス基板122に接している。透明導電膜129は、光学部材として有効に働く領域の全面に一様に設けられている。リング部材126の周囲は、封止材130により封止され、内部空間128を密閉空間としている。ガラス基板の表面には表面反射を防止するARコートが施されていることが望ましい
高誘電膜127の内部空間128の側には、親水膜131が配置されている。親水膜131は、親水機能を有する膜で、例えばトリシラノールやシリカなどの無機分散体により構成されている。内部空間128は、水系の透明な有極性液132と、黒色の色素材料を含んだ黒色を構成する無極性のオイル133で満たされている。有極性液132の具体的な例としては、水やメタノール等が挙げられる。オイル133としては、カーボンブラックを混合した炭化水素系合成油、シリコーンオイル等が挙げられる。
各部の寸法としては、一例であるが、各画素の大きさが30μm〜1000μm四方程度、ガラス基板121,122の厚みが0.1〜0.5mm、アクティブマトリクス電極層123各部の寸法は通常の液晶パネルと同様な寸法、高誘電フィルム124の厚みは0.3〜5μm、撥水膜125の厚みは数〜500nm、内部空間の高さ(撥水膜125と親水膜131との間の距離)が0.1〜5mm、高誘電膜127の厚みが0.3〜5μm、親水膜131の厚みが数〜500μm、透明導電膜(ITO膜)129の厚みが10〜200nmが採用される。
アクティブマトリクス電極層123と透明電極129との間に電圧を加えない状態では、撥水膜125で水系の有極性液132が弾かれ、他方でオイル133は有極性液132から分離し、更に親水膜131でオイル133が弾かれるので、図3(A)に示すように、オイル133がガラス基板121の側に薄く全体に分布する。この場合、オイル133の厚みが薄いので、全面を光が透過する。
図4(B)には、アクティブマトリクス電極層123の全面と透明電極129との間に電圧を加えた状態が示されている。この場合、透明な有極性液が電極間の方向(図の上下方向)に分布しようとするので、行き場のない黒色のオイルが中央に集まり、また厚みが厚くなって水滴状になり、黒色の光吸収層として機能する円形の黒点135が形成される。黒点135の最適な径は、光源の種類、波長、光学系の構成、レンズの種類等によって異なるので、装置の種類ごとに実験的に求める必要があるが、例えば直径で100μm〜500μm程度である。
図4(B)の状態において、アクティブマトリクス電極層123の全面と透明電極129との間に加える電圧を変化させると、黒点135の径(光軸方向から見た直径)が変化する。例えば、電圧を上げれば黒点135の径が小さくなり、電圧を下げれば黒点135の径が大きくなる。この現象がエレクトロウェッティング現象である。
図4(C)には、マトリクス配置された各画素に加わる電圧を個別に制御できるアクティブマトリクス電極層123の機能を利用し、アクティブマトリクス電極層123の周辺部以外の部分に電圧を加えた場合が示されている。この場合、電圧が加わっている領域(周辺部以外の領域)に有極性液が集まり、電圧が加わっていない領域(周辺部の領域)にオイルが押し出されて集まるので、図4(C)に示すように、中央を光が透過し、周辺で光が遮蔽される光学マスクが得られる。
図4(D)には、電圧を加える領域を非対称な領域とすることで、黒点135の位置を偏心(中央からずれた位置)とした例が示されている。例えば、図4(B)に示す状態において、図における黒点135の右側の電圧を相対的に高くし、左側の電圧を相対的に低くすると、電圧が高い方(高電界の領域)に有極性液が集中しようとするので、相対的にオイルが図の左方向に押しやられ、黒点135が図4(D)に示すように左に偏心した位置に移動する。この原理により、アクティブマトリクス電極層123における電圧印加の分布を調整することで、黒点135の位置を変更することができる。
また、アクティブマトリクス電極層123における電圧印加の分布を調整することで、黒点135の形状を変更することもできる。この例を図5(A)および(B)に示す。また、図2のオイル133を一ヵ所でなく、複数位置に分離させ、図5(C)や(D)に示すようなオイルで構成される遮光領域を形成することもできる。
(制御系の構成)
図6は、図1に示す眼底カメラ100における可変遮光マスク107の駆動制御に係る制御部600のブロック図である。眼底カメラ100は、その基本動作に係る制御部を備えるが、その機能は通常の眼底カメラと同じであるので説明は省略する。なお、制御部600を構成するハードウェアの一部または全部を図示および説明を省略する眼底カメラ100の基本動作に係る制御部のハードウェアと共用することができる。
制御部600は、コンピュータとしての機能を有し、CPU、メモリ、ハードディスク装置、インターフェース装置を備えている。制御部600は、汎用または専用のハードウェアで構成されている。例えば、制御部600を汎用コンピュータで構成することも可能である。制御部600が有する各機能部は、ソフトウェア的に構成されていてもよいし、専用の演算回路によって構成されていてもよい。また、ソフトウェア的に構成された機能部と、専用の演算回路によって構成された機能部が混在していてもよい。例えば、図示する各機能部は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのPLD(Programmable Logic Device)などの電子回路により構成される。
各機能部を専用のハードウェアで構成するのか、CPUにおけるプログラムの実行によりソフトウェア的に構成するのかは、要求される演算速度、コスト、消費電力等を勘案して決定される。例えば、特定の機能部をFPGAで構成すれば、処理速度の上では優位であるが高コストとなる。他方で、CPUでプログラムを実行することで特定の機能部を実現する構成は、ハードウェア資源を節約できるので、コスト的に優位となる。しかしながら、CPUで機能部を実現する場合、処理速度は、専用のハードウェアに比較して見劣りする。また、CPUで機能部を実現する場合、複雑な演算に対応できない場合もあり得る。なお、機能部を専用のハードウェアで構成することとソフトウェア的に構成することは、上述した違いはあるが、特定の機能を実現するという観点からは、等価である。
制御部600は、対物レンズ用遮光マスク駆動部601、可変遮光マスク駆動部602、発光制御部603、中心ゴースト像信号レベル取得部604および中心ゴースト像判定部605を備えている。
対物レンズ用遮光マスク駆動部601は、対物レンズ用遮光マスク113(図1参照)の光軸上への挿入およびそこからの退避を行う駆動機構(例えば、モータを用いた駆動機構)の動作を制御する制御信号を生成する。
可変遮光マスク駆動部602は、可変遮光マスク107のアクティブマトリクス電極層123への駆動信号を生成する。可変遮光マスク駆動部602により、図4や図5に示す遮光領域(例えば黒点135)の位置、大きさ、形状の一または複数の制御が行なわれる。
発光制御部603は、光源101の発光タイミングの制御を行う。中心ゴースト像信号レベル取得部604は、イメージセンサ203の出力レベルから中心ゴースト像のレベル(強さ)に係る信号を取得する。中心ゴースト像判定部605は、中心ゴースト像信号レベル取得部604が取得した中心ゴースト像の検出レベルを判定する。例えば、閾値を設け、イメージセンサ203の出力信号のレベルがこの閾位置以下であれば、中心ゴーストが規定レベル以下と判定し、イメージセンサ203の出力信号のレベルがこの閾位置を超える値であれば、中心ゴーストが問題となるレベルと判定する。
(動作の一例)
以下、中心ゴースト防止用の黒点の位置ズレの補正を行う処理の一例を説明する。この処理は、ユーザの指示や予め定めたタイミングで黒点位置補正モードとして実行される。図7は、処理の手順の一例を示すフローチャートである。図7の処理を実行するプログラムは、制御部600の記憶領域に記憶され、制御部600のCPUにより制御されて実行される。このプログラムは、適当な記憶媒体に記憶させ、そこから提供される形態であってもよい。
図7の処理が実行されると、まず対物レンズ用遮光マスク113が対物レンズ110の光軸上に挿入される(ステップS101)。この処理は、図6の対物レンズ用遮光マスク駆動部601からの駆動信号に基づいて行われる。対物レンズ用遮光マスク113を対物レンズ110の光軸上に挿入することで、対物レンズ110に装置外部から光が入射しないと同時に対物レンズ110を透過した光源101からの光束を反射しない状態が得られる。この状態は、対物レンズ110の前に暗幕を配置する、図7の処理を暗室で行うといった方法でも実現可能である。次に、光源101からの発光を行う(ステップS102)。この処理は、図6の発光制御部603に制御されて行われる。
次に、イメージセンサ203の出力から中心ゴーストの信号レベルが取得される(ステップS103)。この処理は、図6の中心ゴースト像信号レベル取得部604で行われる。対物レンズ用遮光マスク113を対物レンズ110の光軸上に挿入した状態では、装置外部から侵入する光はなく、この段階で観察される可能性のある光は光源101から発せられ、対物レンズ110から孔鏡109の方向に反射された光だけである。よって、ステップS103の段階では、イメージセンサで検出される光のレベルを取得することで、上記の対物レンズの反射に起因する光のレベル、すなわち中心ゴーストの光のレベルを取得することができる。
ステップS103の後、ステップS103で取得した信号のレベルが予め定めた閾値以下であるか否か、すなわち中心ゴーストのレベルが予め定めたレベル(強度)以下であるか否か、の判定が行われる(ステップ104)。中心ゴーストのレベルが予め定めたレベル以下である場合、対物レンズ用遮光マスクを光軸上から退避させ(ステップS106)、処理を終了する。この場合、可変遮光マスク107に形成される黒点が正常(設計通り)に機能していると判定される。
ステップS104の判定において、中心ゴーストのレベルが予め定めたレベル以下でない場合(中心ゴーストのレベルが予め定めたレベルを超える場合)、ステップS105に進む。ステップS105では、可変遮光マスク107(図1参照)における黒点の位置の変更を行う。この処理における黒点の位置の変更は、図6の可変遮光マスク駆動部602から出力される駆動信号に基いで行われる。ステップ105で行われる黒点の移動は、図4(D)に関連して説明した原理によって行われる。
ステップS105の後、ステップS102以下の処理を再度実行する。以上の処理を中心ゴーストのレベルが閾値以下となるまで繰り返す。
以下、ステップS104→S105の一連の処理の具体的な例を説明する。例えば、光軸に垂直な面を考える。そしてこの面に直交するX−Y軸を設定する。そして、最初の段階の黒点の位置を原点(中心点)として、その周囲に複数の探索点を設定する。原点から各探索点までの距離は、例えば100μmとする。
そして、設定された探索点の一つへの黒点の移動(S105)→ステップS102以下の処理を行う。中心ゴーストのレベルが閾値以下にならない場合、探索点を変更し、ステップS102以下の処理を繰り返す。ここで、中心ゴーストの信号レベルが低下した探索点が見つかった場合、その点を原点として、新たに複数の探索点を設定し、同様な処理を繰り返す。こうして、中心ゴーストのレベルが閾値以下となる探索点を見つけ出す。
ステップS105において、黒点位置の変更に加えて、またはそれに代えて図5の原理に従って黒点の形状の変更を行ってもよい。勿論、図5(C)や(D)の形状を採用することも可能である。また、ステップS105において、遮光領域(黒点)の大きさを変化させることも可能である。
(優位性)
何らかの理由により黒点の位置にズレが生じても、中心ゴーストが生じない位置に黒点の位置を移動させることで、黒点の位置ズレが解消され、中心ゴーストの発生が抑えられる。特に上記の処理は自動化されているので、保守要員やメーカーに戻しての再調整が不要であり、所定の性能を維持しつつ眼底カメラの維持に要するコストを抑えることができる。
また、エレクトロウェッティング現象を利用して遮光材料を含む液滴の位置を制御する方式を利用した可変遮光マスク107は、液晶シャッターのように偏光を用いないので、眼底画像を阻害することがない優位性がある。
(他の例1)
上述した黒点の位置の変更だけでは、中心ゴーストのレベルが閾値以下にならない場合、次の段階として、ステップS105において、黒点の径を大きくし、再度黒点の位置の探索処理を行う。それでも黒点の最適位置が見つからない場合、更に黒点の径を大きくし、再度黒点の位置の探索処理を行う。こうすることで、黒点径の増大を最小限に抑えながら、中心ゴーストの発生を抑えることができる。
(他の例2)
上述した黒点の位置の変更だけでは、中心ゴーストのレベルが閾値以下にならない場合、次の段階として、ステップS105において、黒点の形状の変更(遮光する領域の形状の変更)を行い、再度ステップS102以下の処理を繰り返す。それでも黒点の最適位置が見つからない場合、更に遮光領域を別の形状に変更し、再度ステップS102以下の処理を繰り返す。こうすることで、黒点の面積(遮光領域の面積)の増大を抑えながら、中心ゴーストの発生を抑えることができる。
(他の例3)
複数の探索点の設定、当該複数の探索点における中心ゴーストのレベルの取得、その中で最小な中心ゴーストのレベルが得られた探索点への黒点(遮光領域)の移動を行ってもよい。
(他の例4)
複数の探索用黒点径の設定、当該複数の探索用黒点径における中心ゴーストのレベルの取得、その中で最小な中心ゴーストのレベルが得られた探索用黒点径への黒点の設定を行ってもよい。
(他の例5)
複数の探索用遮光領域形状の設定、当該複数の探索用遮光領域形状における中心ゴーストのレベルの取得、その中で最小な中心ゴーストのレベルが得られた探索用遮光領域形状の採用を行う処理も可能である。また、以上述べた複数の態様の2以上を組み合わせた処理も可能である。
100…眼底カメラ、10…照明光学系、101…光源、102…凹面ミラー、103…集光レンズ、104…光学フィルタ、105…ミラー、106…リレーレンズ、107…可変遮光マスク、108…リレーレンズ、109…孔鏡、110…対物レンズ、111…被検眼、112…眼底、113…対物レンズ用遮光マスク、121,122…ガラス基板、123…アクティブマトリクス電極層、124…高誘電フィルム、125…撥水膜、126…リング部材、127…高誘電膜、128…内部空間、129…透明導電膜(ITO膜)、130…封止材、131…親水膜、132…有極性液、133…黒色を構成する無極性のオイル、135…黒点、20…撮像光学系、201…フォーカスレンズ、202…結像レンズ、203…イメージセンサ。

Claims (6)

  1. 対物レンズと、
    前記対物レンズを介して被検眼の眼底に照明光を照射する照明光学系と、
    前記照明光の前記眼底からの反射光を撮像部に導く撮像光学系と、
    前記照明光学系における前記対物レンズからの反射光に於いて孔鏡と略共役な位置に配置され、遮光する領域を光軸に垂直な面内で移動可能な構造を有する第1の遮光マスクと
    を備えることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記対物レンズに外部からの光の入射がない状態において、前記照明光学系からの前記照明光の照射を行った状態で生じる前記対物レンズからの反射光に基づき、前記第1の遮光マスクにおける前記遮光する領域の位置を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記制御部は、前記反射光の強度が最小または規定の値以下となるように前記第1の遮光マスクにおける前記遮光する領域の位置の制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の眼科装置。
  4. 前記制御部は、前記反射光の強度が最小または規定の値以下となるように前記第1の遮光マスクにおける前記遮光する領域の大きさの制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼科装置。
  5. 前記制御部は、前記反射光の強度が最小または規定の値以下となるように前記第1の遮光マスクにおける前記遮光する領域の形状の制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の眼科装置。
  6. 前記第1の遮光マスクは、エレクトロウェッティング現象を利用して遮光材料を含む液滴の位置を制御する光学素子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の眼科装置。
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