JP2018015066A - ベッド柵に備えられた安全機構 - Google Patents

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Tetsuya Ishikawa
哲也 石川
北吉 鈴木
Kitayoshi Suzuki
北吉 鈴木
佳宜 石橋
Yoshinobu Ishibashi
佳宜 石橋
佐藤 学
Manabu Sato
学 佐藤
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Shinsaku Shimizu
新策 清水
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Abstract

【課題】使用者と作業者に対する不測の事態を回避するとともに、作業の安全性を十分に確保することができるベッド柵に備えられた安全機構を提供する。【解決手段】本発明は、ベッド5の左右方向の側部に備えられたサイドフレーム6に対して着脱自在に取り付けられ、左右方向に板面を向けて起立し且つ前後方向の長さに比して左右方向に薄い板状の昇降体2と、昇降体2を上下方向に出入り自在に収容する収容体3と、収容体3に対して昇降体2を昇降させる昇降機構4と、を備えたベッド柵1に備えられた安全機構であって、安全機構は、外部から所定より超える負荷がベッド柵1にかかった状況が発生した際、そのような状況を回避する動作を付与するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、ベッドに取り付けて使用されるベッド柵の安全機構であって、特に上下方向に高さを変更することが可能なベッド柵に備えられた安全機構に関するものである。
従来より、介護や医療の現場で用いられるベッドには、被介護者や患者等がベッドから落下することを防ぐベッド柵が備え付けられている。このようなベッド柵としては、例えばパイプ材を曲げるなどして枠状に形成された簡単な構造のものが用いられている。このような既存のベッド柵は、一般に上下方向に高さを変えることができないようになっている。
しかし、使用態様や用途によっては、ベッド柵の高さを上下方向に調整できる方が好ましい場合もある。
このような高さ調整機能を有するベッド柵には、特許文献1に示すようなものがある。
特許文献1のベッド柵は、ベッド本体の幅方向の側部に取り付けられたものであり、ベッド本体の長手方向に沿って起伏(引き起こしたり引き倒したり)することで、上下方向に高さを変更可能とされている。具体的には、この特許文献1のベッド柵は、側部の長手方向に対して、所定間隔で下端が回動可能に支持されて設けられた複数の支柱部材と、複数の支柱部材の上端が回動可能に連結された上部横部材と、上記支柱部材を起立させたときに上記上部横部材に対して上記支柱部材を回動不能に保持するとともに、上記支柱部材の保持状態を解除して上記ベッド本体の長手方向に倒伏させることができるストップ機構と、を具備したものとなっている。
特開2012−120568号公報
ところで、特許文献1のベッド柵は、手動で高さを変えるものであるが、被介護者や患者等の使用者が、ベッド上に仰臥している(横たわった)状態から降りて移動しようとした場合、仰臥している状態で柵の高さを手動で変えることは煩わしく、且つ困難な場合が多い。
また、被介護者や患者等を介助する介助者等の作業者も、作業(介助)中においては、被介護者等を支えたり、抱えたりするため、手が塞がった状態や、急を要する場合においては、ベッド柵の高さを手動で変えることは煩わしく、また困難でもある。
そのため、使用者及び作業者にかかる負担を軽減する目的で、上下方向における柵の高さを自動で変更することが可能な機構(例えば、昇降モータなどを有する昇降機構)を取り付けたベッド柵が開発されている。
しかし、柵の高さを自動で変更する機構をベッド柵に取り付ける際には、そのベッド柵により、使用者又は作業者に対して不都合となる状態になることを回避すること、すなわちベッド柵に対する安全性を考慮しなければならない。
それ故、安全機構をベッド柵に備えておく必要がある。
そこで本発明は、上述の問題を鑑みてなされたものであり、使用者と作業者に対する不測の事態を回避するとともに、作業の安全性を十分に確保することができるベッド柵に備えられた安全機構を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明におけるベッド柵に備えられた安全機構は、ベッドの左右方向の側部に備えられたサイドフレームに対して着脱自在に取り付けられ、左右方向に板面を向けて起立し且つ前後方向の長さに比して左右方向に薄い板状の昇降体と、前記昇降体を上下方向に出入り自在に収容する収容体と、前記収容体に対して昇降体を昇降させる昇降機構と、を備えたベッド柵に備えられた安全機構であって、前記安全機構は、外部から所定より超える負荷が前記ベッド柵にかかった状況が発生した際、前記のような状況を回避する動作を付与するものであることを特徴とする。
好ましくは、前記ベッド柵には、前記サイドフレームに設けられた取り付け孔に挿入して、当該ベッドに対して取り付ける棒状の取り付け部が設けられていて、前記取り付け部には、所定より超える負荷が前記ベッド柵にかかった際に、前記取り付け部が前記取り付け孔から抜けて、前記ベッド柵が前記ベッドから脱落することを回避する抜け止め機構が備えられていて、前記抜け止め機構は、前記取り付け孔に挿入された際に、当該取り付け孔の孔外方向に開く構成とされているとよい。
好ましくは、前記抜け止め機構は、互いに対向する一対の楔形状のロック部材とされ、前記一対のロック部材が当該取り付け孔の孔外方向に開く構成とされているとよい。
好ましくは、前記収容体には、前記ベッドを降下させた際に、前記ベッド柵が前記ベッドの側方にいる作業者の足の挟み込みを回避する足挟み回避機構が備えられていて、前記足挟み回避機構は、前記収容体が前記作業者の足に接触して、所定より超える負荷が前記ベッド柵にかかると、前記ベッドの側方において、前記ベッド柵が当該ベッドに対して上方に移動する移動手段を有しているとよい。
好ましくは、前記昇降機構は、前記昇降体を上下方向に昇降させる駆動力を発生する昇降手段と、前記駆動力を前記昇降体に伝達して、上下方向に昇降させる昇降ギアとを有していて、前記収容体には、前記昇降体に所定より超える負荷がかかると、前記昇降手段と前記昇降ギアとの常時繋がりを一時的に途切れさせる駆動力切離機構を有しているとよい。
好ましくは、前記駆動力切離機構は、前記昇降手段側に備えられ、当該昇降手段の回転駆動力が発生すると締め付ける方向に働く巻きばねと、前記昇降ギア側に備えられ、外周面に前記巻きばねが巻き付けられる巻付体と、を有していて、前記昇降手段は、前記巻きばねを前記巻付体に巻き付けることで、前記昇降ギアに回転駆動力を伝達するようになっており、前記駆動力切離機構は、前記昇降体に所定より超える負荷がかかって、前記巻付体への巻きばねの締付力が所定値以上となると、前記巻きばねが当該巻付体の外周面上をスリップする状態となることで、前記昇降手段と前記昇降ギアとの繋がりを一時的に切り離す構成とされているとよい。
好ましくは、前記収容体には、前記昇降体に所定より超える負荷がかかった際に、当該昇降体の下降を回避する下降回避機構が備えられていて、前記下降回避機構は、上昇した状態の前記昇降体と、前記収容体とを係合するような構成とされているとよい。
本発明によれば、使用者と作業者に対する不測の事態を回避するとともに、作業の安全性を十分に確保することができる。
本実施形態のベッド柵が取り付けられたベッドの昇降動作を示す図である。 昇降体が上昇した状態のベッド柵の外観を示す図である。 昇降体が下降した状態のベッド柵の外観を示す図である。 本実施形態のベッド柵の取り付け構造を示す図である。 下降した状態における昇降体と収容体との位置関係を示した図である。 昇降体が上昇した状態における昇降機構を示す図である。 昇降体が下降した状態における昇降機構を示す図である。 昇降体が上昇した状態における昇降機構の拡大図である(下方斜視図)。 昇降体が下降した状態における昇降機構の拡大図である(下方斜視図)。 取り付け部に備えられた抜け止め機構の構成を示す図である。 通常状態における足挟み回避機構の構成を示す図である。 作業者の足の挟み込みを回避した状態における足挟み回避機構の構成を示す図である。 ベッド下降時における足挟み回避機構の回避動作を示す図である。 昇降モータをスリップ(空転)させて回避動作を行う昇降回避機構の構成を示す図である。 昇降モータをスリップさせて、昇降モータの駆動力を切り離す駆動力切離機構の構成を示す図である。 昇降体が突如下降することを回避する下降回避機構の構成を示す図である。
以下、本発明のベッド柵1の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示内容だけに限定されるものではない。また、図面に関して、本実施形態の安全機構を解りやすく説明するため、ベッド5及びベッド柵1を構成する部材の一部を削除して描いている。
本実施形態のベッド柵1は、ベッド5の左右方向の端部に起立状態で取り付けられる柵であり、使用者Uの落下を防止するために用いられる。特に、本実施形態のベッド柵1は、介護用ベッドや医療用ベッドに好適に使用されるものとなっている
具体的には、図1に示すように、本実施形態のベッド柵1は、左右方向にその板面を向けて起立し且つ前後方向の長さに比して薄い板状の昇降体2と、昇降体2を上下方向に出入り自在に収容する収容体3と、を備えたものとなっている。また、図1には示されていないが、本実施形態のベッド柵1は、昇降体2と収容体3との間に、収容体3に対して昇降体2を昇降させる昇降機構4を備えている。
なお、以降においては、図1に示すベッド5の長手方向を、ベッド柵1の説明をする際の前後方向とする。また、ベッド5の天板(マットレスMが載置される面)に対して鉛直となる方向を、ベッド柵1の説明をする際の上下方向とする。さらに、図1に示すベッド5の幅方向を、ベッド柵1の説明をする際の左右方向とする。
なお、上述した左右方向は、図1中のようにベッド5に載置されたマットレスM上に仰臥している使用者Uから見た方向と一致する。また、上述した方向については、適宜図面に矢印を用いて図示している。
まず、本実施形態のベッド柵1を説明する前に、そのベッド柵1が取り付けられるベッド5について説明を行う。
図1、図2A、図2Bに示すように、ベッド5は、患者や被介護者等の使用者Uが身体を横にすることができるように、左右方向に比して前後方向が長尺となるような長方形状に形成されたものである。このベッド5は、前後方向に沿って配備された互いに平行な1組のサイドフレーム6と、左右方向に沿って配備された互いに平行な1組のフレーム材とを組み合わせて長方形状に形成された枠部材を有している。この長方形状の枠部材の内部には平坦な天板が設けられており、天板の上にはマットレスMや寝具が載置可能とされている。このベッド5には、患者や被介護者の上半身を起き上がらせる背上げ機構や、患者や被介護者の足や膝を持ち上げる膝上げ機構などが備えられている。
サイドフレーム6には、上下方向に沿って貫通した取り付け孔7が、前後方向に所定の距離をあけて複数形成されている。この取り付け孔7は、本実施形態のベッド柵1を取り付ける際に利用される。つまり、本実施形態のベッド柵1は、取り付け孔7を利用して、サイドフレーム6に取り付け可能とされている。
次に、本発明のベッド柵1を構成する昇降体2、収容体3、及び昇降機構4について説明する。
図1〜図3に示すように、昇降体2は、ベッド5の内外を仕切る薄い板状の部材であり、板面を左右方向に向けるようにして上下方向に起立するように配備されている。具体的には、昇降体2は、板面の中央側に設けられた窓部8と、この窓部8の周囲に配設されたフレーム部9と、このフレーム部9の上部に設けられた手すり部10と、を備えている。
窓部8は、ガラスやアクリル樹脂などを用いて透明または半透明に形成されていて、窓部8を介してベッド5の内側や外側を視認したり採光したりできるようになっている。
昇降体2は、フレーム部9の上側に、水平方向に沿って平坦な板状の手すり部10を備えている。この手すり部10の左右方向に沿った幅は、上述した窓部8やフレーム部9よりも広く形成されており、その上面に使用者U等の上肢などを置くことができるようになっている。また、このような平坦な手すり部10を設ければ、昇降体2を下げたとき、昇降体2の上端とベッド5の上面がほぼ面一となるので、使用者U等がベッド5に出入りする際に、移動の邪魔になることが無くなり、移動が簡単に行えるようになる。
図1〜図3に示すように、収容体3は、昇降体2および昇降機構4を収容する筺状の部材(戸袋状の部材)である。この収容体3の内部は空洞とされており、空洞とされた内部は上述した昇降体2を収容する収容部とされている。また、収容体3の上部には、収容体3の内外を連通する開口部11が上方に向かって開口形成されており、開口部11を通って昇降体2を開口部11の上方に引き出したり、昇降体2を開口部11の下方に押し入れることが可能となっている。
具体的には、図2A、図2B、図5A、図5Bに示すように、収容体3には、昇降体2を上下方向に案内するガイドポスト12(言い換えれば、ガイドレール)が、昇降体2の左端縁と右端縁とにそれぞれ設けられている。これら左右一組のガイドポスト12は、上下方向に沿って伸びる長尺状の部材であり、水平方向に沿って切断した場合の断面が略コ字状とされている。
また、左右一組のガイドポスト12は、コ字状に凹んだ部分を互いに対面させるようにして配備されており、昇降体2の左右両端縁が嵌め込まれることで、昇降体2の前後方向に沿った移動を規制しつつ、上下方向に沿った移動を可能としている。
また、上述した左右ガイドポスト12は、前後方向に沿って伸びる連結部材13により互いに連結されている。この連結部材13には、左右ガイドポスト12の上部同士を連結する上連結部材14と、下端同士を連結する下連結部材15と、がある。これら上下の連結部材13は、ガイドポスト12の幅方向外側に取り付けられており、ガイドポスト12に沿った昇降体2の移動を妨げない位置に配備されている。
また、図3及び図4に示すように、収容体3の上部は、下部よりも左右方向に広幅に形成されており、幅が広い分だけ幅方向内側(ベット5内側)に向かって突出している。この側方に向かって突出した部分が、収容体3の突出部16である。
図3及び図4に示すように、突出部16は、昇降機構4などを覆うカバー体とされていて、その上部には、昇降体2に対して上昇・下降動作の指令、電源のON/OFFの指令などを昇降機構4に送る操作部17(操作スイッチ18)が設けられている。また、突出部16の上部には、下降回避機構(詳細は後述)を操作する固定ハンドル86が配備されている。
また、突出部16の下部には、収容体3をサイドフレーム6に取り付ける取り付け部25が、前後方向に一対設けられている。
詳しくは、この取り付け部25は、リンク部材(詳細は後述する)に回動自在に取り付けられている。この前後一対の取り付け部25は、収容体3内において、一定の間隔を空けて一対取り付けられていて、軸心が前後方向を向く長尺で棒状の連結部材により連結されている。
本実施形態の取り付け部25は、下方に向かって伸びる棒状部材であり、上述したサイドフレーム6の取り付け孔7に挿入することで、収容体3をサイドフレーム6(ベッド5)に固定する構成とされている。
また、取り付け部25の先端側(下端側)には、挿し込まれた取り付け部25が取り付け孔7から抜けることを防止する抜け止め機構26(詳細は後述)が設けられている。
図5A〜図6Bに示すように、昇降機構4は、収容体3に対して昇降体2を昇降させることで、ベッド柵1の高さを変更する機構である。
昇降機構4は、昇降体2の下端側と収容部の底面とを連結する第1アーム部材29及び第2アーム部材30と、第1アーム部材29及び第2アーム部材30の長手方向の中途側同士を交差状に連結する連結ピン31と、第1アーム部材29及び/又は第2アーム部材30のいずれかを揺動させる駆動部32と、を備えている。
本実施形態の場合、第1アーム部材29の下端は、下連結部材15の後端側に、左右方向を向く軸回りに揺動自在に連結されている。また、第1アーム部材29の上端は、上連結部材14の前端側に設けられた第1スライド部材33に、左右方向を向く軸回りに揺動自在に連結されている。この第1スライド部材33は、昇降体2のフレーム部9の下側に前後方向に沿って形成されたスライド溝に、前後方向に沿ってスライド自在に取り付けられており、下端側を中心に揺動する第1アーム部材29の前後方向に沿った位置の変動を吸収可能とされている。
また、第2アーム部材30の上端は、上連結部材14の後端側に、左右方向を向く軸回りに揺動自在に連結されている。また、第2アーム部材30の下端は、下連結部材15の前端側に設けられた第2スライド部材34に、左右方向を向く軸回りに揺動自在に連結されている。この第2スライド部材34は、下連結部材15の前端側に前後方向に沿って形成されたスライド溝に、前後方向に沿ってスライド自在に取り付けられており、上端側を中心に揺動する第2アーム部材30の前後方向に沿った位置の変動を吸収可能とされている。
連結ピン31は、第1アーム部材29の長手方向の中途側と、第2アーム部材30の長手方向の中途側とを回動自在に連結する部材である。この連結ピン31で第1アーム部材29及び第2アーム部材30の中途側同士を交差状に連結することで、第1アーム部材29と第2アーム部材30とが一体に揺動することを可能としている。
駆動部32は、ギヤ機構41を駆動するものであって、ギヤ機構41は、上述したスイッチ18を操作することで正逆回転自在に駆動する駆動モータ23と、駆動モータ23の回転駆動力を用いて回転する平歯車35と、平歯車35と噛み合う歯部を備えると共に第1アーム部材29の長手方向の中途側に連結されたラックギヤ部材36と、を備えている。
具体的には、上述した駆動モータ23は、駆動軸37が前後方向を向くように配置されていて、駆動軸37の回転駆動力をウォームギヤ39及びウォームホイールを介して平歯車35に伝達可能とされている。
また、本実施形態のラックギヤ部材36は、前方下側から後方上側に向かって上向きに弧を描くように湾曲する部材であり、弧状に湾曲した上縁側に平歯車35と噛み合う歯部を所定の長さに亘って備えている。さらに、ラックギヤ部材36の下端は、第1アーム部材29における連結ピン31よりのやや上側に左右方向を向く軸回りに揺動自在に連結されている。それゆえ、駆動モータ23を駆動させて平歯車35を回転させると、平歯車35に噛み合ったラックギヤ部材36が上方に向かって引き上げられ、ラックギヤ部材36の引き上げ動作に伴って第1アーム部材29の前端側(上端側)が後端側(下端側)の中心に起き上がり方向に揺動する。
一方、この第1アーム部材29の中途側に連結ピン31を介して連結された第2アーム部材30については、第1アーム部材29と逆の方向に揺動が行われる。すなわち、第2アーム部材30の後端側(上端側)が前端側(下端側)の中心に起き上がり方向に揺動する。その結果、第1アーム部材29及び第2アーム部材30により、昇降体2が収容体3に対して上方に移動し、収容体3に対して昇降体2が上昇する。
一方、駆動モータ23を上昇時とは逆方向に駆動させると、平歯車35に噛み合ったラックギヤ部材36が下方に向かって引き下げられ、ラックギヤ部材36の引き下げ動作に伴って第1アーム部材29の前端側(上端側)が後端側(下端側)の中心に倒れ下がる方向に揺動する。また、連結ピン31で第1アーム部材29に連結された第2アーム部材30の後端側(上端側)は前端側(下端側)の中心に倒れ下がる方向に揺動する。その結果、第1アーム部材29及び第2アーム部材30により、昇降体2が収容体3に対して下方に移動し、収容体3に対して昇降体2が下降する。
なお、上述した収容体3は、この収容体3の周囲に設けられたケース体40の内部に配備されており、収容体3の側部にはフットライト24が備えられている。このフットライト24は操作部17から点灯でき、床面Yを照らすことで足元の安全確認が可能である。
ところで、上で詳細に述べたベッド柵1には、「発明が解決しようとする課題」でも記載したように、ベッド柵1による使用者U及び作業者に対する不都合を回避するため、当該ベッド柵1に、使用者U及び作業者(介助者)を保護する安全機構が備えられている。
上述の不都合としては、例えば、ベッド5上に仰臥している(横たわる)使用者Uの上肢又は下肢(身体)が、下降する昇降体2とベッド5との間で、例えば挟まれてしまうといった予期せぬ事態や、作業者の足Fがベッド5とともに下降するベッド柵1と床面Yとの間で、例えば挟まれてしまうといった不測の事態や、昇降体2の位置が所定の位置からずれてしまったり、ベッド柵1が外れてしまうといった想定外の事態などが挙げられる。
なお、以下に説明する安全機構の実施形態は、本発明の技術的範囲を具体化した一例であり、その例示の内容だけに限定されるものではない。
本実施形態の安全機構は、ベッド5の左右方向の側部に備えられたサイドフレーム6に対して着脱自在に取り付けられ、左右方向に板面を向けて起立し且つ前後方向の長さに比して左右方向に薄い板状の昇降体2と、昇降体2を上下方向に出入り自在に収容する収容体3と、収容体3に対して昇降体2を昇降させる昇降機構4と、を備えたベッド柵1に備えられているものであって、外部から所定より超える負荷がベッド柵1にかかった状況、つまり使用者U及び作業者への不都合が発生した際、その不都合な状況を回避する動作を付与するものである。
本実施形態のベッド柵1においては、ベッド5の左右方向の側部に備えられたサイドフレーム6に対して着脱自在に取り付けられたベッド柵1に、外部から何らかの負荷が付加されたとき、その負荷により、例えばベッド柵1がベッド5から外れてしまうといった想定外の事態を回避(防止)する安全機構、すなわち抜け止め機構26が備えられている。
以下、本実施形態の抜け止め機構26について、図7を参照しながら説明する。
図7に示すように、抜け止め機構26は、収容体3の取り付け部25に備えられ、所定より超える負荷がベッド柵1にかかった際に、取り付け部25が取り付け孔7から抜けて、ベッド柵1がサイドフレーム6から外れてしまうことを回避するものである。
ここで、抜け止め機構における「所定より超える負荷」とは、ベッド柵1に対して、例えば、患者等の使用者Uがよろけてしまったときにかかる負荷や、介助者(作業者)が使用者Uを介助中に、上昇した状態の昇降体2などに当たったときにかかる負荷などが挙げられる。
本実施形態の抜け止め機構26は、取り付け部25の上下方向中途部から先端にかけて設けられていて、取り付け部25が取り付け孔7に挿入された際に、当該取り付け孔7の孔外方向(径方向外側)に開く構成とされている。すなわち、抜け止め機構26は、取り付け部25が取り付け孔7に挿入された際に、取り付け孔7の孔外方向にずれて、取り付け孔7の内周面に面接触して所定の押圧力を付与する構成とされている。
具体的には、抜け止め機構26は、外周径が取り付け孔7の内周径とほぼ同じ径、乃至は、若干小さい径とされていて、取り付け孔7の内部の奥深くに挿入されるものである。つまり、抜け止め機構26の上下方向の長さは、取り付け孔7の上下方向の長さより、短いものである。
抜け止め機構26は、棒状の取り付け部25の軸心を通るテーパネジ式の締結ボルト27、テーパネジ式の締結ボルト27の締め付けによって径外方向に突出する、互いに対向する一対の楔形状のロック部材28と、を備えている。
一対のロック部材28は、それぞれに、取り付け部25の軸心に対して傾斜した面42が形成されている。一対のロック部材28のうち、上側のロック部材28aは、取り付け部25の上下方向中途部側に下に凸となる、すなわち傾斜面42が下方を向くように配備されている。また、下側のロック部材28bは、取り付け部25の下部側に上に凸となる、すなわち傾斜面42が上方を向くように配備されている。
すなわち、それら一対のロック部材28は、傾斜面42同士が互いに対面するように配備されている。一対のロック部材28が互いに接触する接触面(傾斜面42)は、斜め下方から斜め上方に向いたものとなっている。
図7に示すように、取り付け部25の下部側(先端側)に配備されたロック部材28bが、締結ボルト27の回転、つまり締め付けられることによって、取り付け孔7の孔方向外側に開くように、傾斜面42上を斜め下方から斜め上方にスライドして、取り付け孔7の内周面に押し付けられる構成とされている。
なお、取り付け部25の上部側(上下方向中途部)に配備されたロック部材28aも、下部側のロック部材28bが取り付け孔7の内周面に付与している押圧力の反力によって、取り付け孔7の反対側の内周面に押し付けられている。
以上、本実施形態の抜け止め機構26によれば、締結ボルト27の締め付けによって、下部側のロック部材28bが傾斜面42上をスライドして径方向外側に突出し、且つ上部側に配備されたロック部材28aが下部側のロック部材28bのスライドに応じて、径方向外側に突出するようになり、一対のロック部材28が取り付け孔7の内部に噛み込むように、面接触して押し付けられるようになるので、例えば取り付け部25が取り付け孔7から抜けてしまうといった、想定外の事態を回避することができる。
すなわち、本実施形態の抜け止め機構26が、一対のロック部材28が取り付け孔7の内周面に対して、強力に押し付けられて、取り付け部25が取り付け孔7の内部において確実に固定されるので、ベッド柵1はサイドフレーム6に対して確実に固定されることとなる。
一方で、抜け止め機構26の締結ボルト27を緩めると、下部側のロック部材28bが傾斜面42上を斜め上方から斜め下方にスライドして、径方向内側に移動することなるので、取り付け部25と取り付け孔7が挿通状態となり、ベッド柵1をサイドフレーム6から容易に取り外すことができる。
なお、ロック部材28に関し、取り付け部25の外周面側から、取り付け孔7の径方向外側に向かって突出するように形成された、径方向に出退自在の突起部材とされていてもよい。すなわち、ロック部材28は、取り付け孔7の内周面に対して、所定の押圧力を付与することができる構成であれば、如何なるものであってもよい。
ところで、例えば本実施形態のベッド柵1を、上昇及び降下自在のベッド5のサイドフレーム6に備えた場合、そのベッド柵1は、ベッド5が上昇すると共に上昇し、降下すると共に下降することとなる。
このようなベッド5に被介護者等の使用者Uが仰臥している場合、作業者は使用者Uを介助するために、そのベッド5の側方に隣接するように立つこととなる。このとき、作業者の足Fは、そのベッド5のサイドフレーム6の下方、すなわちベッド柵1の直下に位置する状況となる。
図9の左側から中央の図に示すように、上で述べたような状況下で、使用者Uを介助するために、昇降体2を収容体3内に収容してベッド5を降下させると、その降下してくるベッド柵1(収容体3)と床面Yとの間が狭い空間となり、その狭い空間に存在することとなる作業者の足Fに対して、例えばベッド柵1に挟み込まれるといった不測の事態が発生する可能性がある。
なお、使用者Uがベッド5の側方に隣接するように立って、そのベッド5を降下させた場合も、上で述べたように、降下してくるベッド柵1と床面Yとの間の狭い空間に存在することとなる使用者Uの足Fに対して、不測の事態が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態のベッド柵1においては、ベッド5を降下させた際に、作業者又は使用者Uの足Fに対する不測の事態を回避する安全機構、すなわち足挟み回避機構43が収容体3に備えられている。
以下、本実施形態の足挟み回避機構43について、図8A、図8B、図9を参照しながら説明する。
足挟み回避機構43は、収容体3が作業者又は使用者Uの足Fに接触して、所定より超える負荷がベッド柵1(収容体3)に付加されると、ベッド5の側方において、ベッド柵1が当該ベッド5に対して上方に移動する移動手段44を有している。
ここで、足挟み回避機構43における「所定より超える負荷」とは、足Fにベッド柵1が接触することで生じる、ベッド柵1にかかる負荷である。
本実施形態においては、作業者又は使用者Uの足Fに対する不測の事態を回避するため、ベッド柵1を上方に移動させる移動手段44として、平行リンク機構を採用している。
図8A、図8Bに示すように、移動手段44は、サイドフレーム6に固定されている一対の取り付け部25のそれぞれに回動自在に取り付けられ、ベッド5に対して収容体3を上方に移動(揺動)させる一対のリンク部材45と、一対のリンク部材45の一方側を連結する第1連結部材と、一対のリンク部材45の他方側を連結する第2連結部材49と、を有している平行リンク機構である。
なお、本実施形態においては、移動手段44を構成する第1連結部材は、一対のリンク部材45の一方側が回動自在に枢支している上連結部材14とされている。
リンク部材45は、L字状に形成された板片であって、上連結部材14(第1連結部材)に回動自在に取り付けられている。
具体的には、リンク部材45は、所定の長さを有する一方の辺46と、その一方の辺46の長さとほぼ同じ長さの他方の辺48と、それらの基端が重なり合うように交差する交差部(屈曲部47)とからなる、略直角状に屈曲された薄い板状の片である。
一方の辺46は、ベッド柵1の通常状態(図8A参照)において、上連結部材14とほぼ平行で且つ、後方向を向いて配備され、支持軸52の軸心回りに回動する。
一方の辺46の先端には、上連結部材14に対して、リンク部材45を回動自在に枢支する枢支軸50が挿入される円筒部材51が設けられている。
リンク部材45は、円筒部材51に挿入された枢支軸50を介して、上連結部材14に回動自在に取り付けられている。
なお、枢支軸50は、軸心が左右方向を向いた短尺の軸であり、サイドフレーム6側を向いて、上連結部材14に突設されている。例えば、左側に取り付けられたベッド柵1の場合、その枢支軸50は、右方向を向いて上連結部材14に突設されている。
また、屈曲部47(一方の辺46の基端)には、取り付け部25を回動自在に支持する支持軸52が設けられている。
この支持軸52は、軸心が左右方向を向いた短尺の軸であり、サイドフレーム6側を向いて、屈曲部47に突設されている。例えば、左側に取り付けられたベッド柵1の場合、その支持軸52は、右方向を向いて屈曲部47に突設されている。一方、取り付け部25には、その支持軸52が挿入される筒部材53が設けられている。
つまり、リンク部材45は、屈曲部47に突設された支持軸52と、その支持軸52を挿入する筒部材53を介して、取り付け部25を回動自在に支持している。
ところで、枢支軸50を内挿する円筒部材51の外周面と、支持軸52を内挿する筒部材53の外周面のそれぞれには、巻きばね(スプリング)が取り付けられている。この各巻きばねは、所定の線径を有する針金など線材を、円筒部材51又は筒部材53の外周方向に沿って、螺旋状(渦巻状)に複数巻回した部材である。また、これら各巻きばねは、一本の線材によって連結されている。
すなわち、各軸に取り付けられた巻きばねは、枢支軸50と支持軸52とを連結する一体的に形成されたものであり、揺動ばね55とされている。
この揺動ばね55は、リンク部材45に対して、支持軸52回りに後方向に回動させる力を付与するものである。つまり、リンク部材45には、揺動ばね55による、ベッド柵1を通常状態(図8A参照)に戻そうとする力が、少しだけ働いている。
一方で、他方の辺48は、ベッド柵1の通常状態において、上連結部材14から垂下するように配備され、支持軸52の軸心回りに回動するようになっている。
この他方の辺48の先端には、貫通した孔が設けられていて、その孔にはリンク軸54が挿入されるようになっている。リンク軸54は、リンク部材45と、軸心が前後方向を向く長尺で棒状の第2連結部材49を回動自在に連結するものである。このリンク軸54は、軸心が左右方向を向いた短尺の軸であり、サイドフレーム6側を向いて配備される。
また、第2連結部材49の両端には、リンク軸54が挿入される貫通した孔が設けられている。
すなわち、他方の辺48は、先端に設けられた孔、及び、第2連結部材49の端部に設けられた孔に挿入されたリンク軸54を介して、当該第2連結部材49を回動自在に連結する。言い換えれば、一対の他方の辺48は、第2連結部材49により、共に連動するようになっている。
以上、本実施形態の移動機構は、リンク部材45が支持軸52の軸心回りに回転することで、その一方の辺46が上方へ移動し、他方の辺48が後方向に移動し、一対の一方の辺46を連結する上連結部材14(第1連結部材)と、一対の他方の辺48を連結する第2連結部材49が、共に水平に平行移動するようになっている。
すなわち、本実施形態のベッド柵1は、平行リンク機構を採用した移動手段44の揺動により、支持軸52の軸心回りに、上方へ移動するようになっている。
さて、移動手段44、すなわち足挟み回避機構43には、平行リンク機構の動き(ベッド柵1の通常位置に戻る動作、足挟み回避動作)を所定の範囲内とする規制部材56が設けられている。
図8Aに示すように、規制部材56は、ベッド柵1の通常状態において、揺動ばね55の戻り力により下方に移動しないようにするものである。
また、図8Bに示すように、規制部材56は、ベッド柵1の回避状態において、ベッド柵1が所定の高さ以上とならないようにするものでもある。
規制部材56は、一方の辺46の先端に設けられ、リンク部材45が支持軸52の軸心回りに一回転しない(回転しすぎない)ように規制する規制片57と、上連結部材14に設けられ、規制片57に当接しリンク部材45の動きを規制する規制ピン61とからなるものである。
規制片57は、一方の辺46の先端から長手方向に沿って、一の縁側に突設された突起58と、その突起58と反対側となるように、他の縁側に設けられた凹み59と、その突起58と凹み59との連結部に形成されている凸面カーブ60とからなるものである。
すなわち、平行リンク機構の動きの範囲は、突起58〜凸面カーブ60〜凹み59、からなる規制片57の区間とされている。
規制ピン61は、軸心が左右方向を向いた短尺の軸であり、サイドフレーム6側を向いて、上連結部材14に突設されている。また、この規制ピン61は、枢支軸50より後方で且つ、隣接するように上連結部材14に設けられていて、規制片57と当接している。例えば、左側に取り付けられたベッド柵1の場合、その規制ピン61は、右方向を向いて上連結部材14に突設されている。
この規制ピン61は、リンク部材45の揺動により、規制片57との当接位置が変わるようになっている。それ故、規制ピン61は、突起58〜連結部の凸面カーブ60〜凹み59の規制片57の区間内を移動するように見える。
図8Aに示すように、揺動ばね55の戻り力により各リンク部材45が後方へ揺動すると、規制ピン61は突起58に押圧されて、規制片57に係合される。このように、規制ピン61と突起58の係合により、各リンク部材45の一方の辺46が略水平で且つ前後方向を向き、他方の辺48が垂下した状態を維持することができる。
つまり、規制ピン61と規制片57は、ベッド柵1が揺動ばね55の戻り力により、下方に移動することを抑制している。なおこの状態が、ベッド柵1の通常状態である。
図8B、図9に示すように、ベッド5を下降させているときに、ベッド柵1が作業者又は使用者Uの足Fに当接すると、一対のリンク部材45が上方へ揺動することとなる。リンク部材45がそのまま上方へ揺動してゆくと、規制ピン61は凹み59に押圧されることとなって、規制片57に係合される。
このように、規制ピン61と凹み59の係合により、各リンク部材45の一方の辺46が後斜め上方向を向き、他方の辺48が後斜め下方を向いた状態を維持することができる。すなわち、リンク部材45の屈曲部47が、前方に出っ張ったように見える状態(「く」の字状態)を維持することができる。
規制ピン61と規制片57が、上述の状態となることにより、各リンク部材45が支持軸52の軸心回りに前方回転することを規制して、ベッド柵1の降下を抑制することができる。
規制部材56は、足Fの挟み込みを回避するためにベッド柵1が上方に移動したはずが、各リンク部材45が支持軸52の軸心回りに前方回転により、再降下してしまうことを抑制することができる。
本実施形態のベッド柵1は、足Fに対して、通常とは異なる状況となることを回避するベッド柵1の移動手段44を設けた安全機構を備えているので、ベッド柵1がベッド5とともに降下して足F(足の甲)に接触したとき、そのベッド柵1に対する負荷が、ベッド柵1を通常状態に戻そうとする揺動ばね55の力より大きいと、各リンク部材45が上方へ揺動するようになるので、足Fにかかるベッド柵1からの負荷を和らげることができる。
以上、本実施形態の足挟み回避機構43によれば、例えば、足Fが降下中のベッド柵1に挟み込まれるといった不測の事態を回避して、ベッド柵1と床面Yとの間から素早く退避させることが可能である。そして、足Fなどが取り除かれてベッド柵1に対する負荷が無くなると、ベッド柵1は通常状態に戻る。
なお、移動手段44(足挟み回避機構43)の構成としては、例えば、足Fなど障害物を検知すると回避信号を送信するセンサと、センサから送信された回避信号により、ベッド柵1を上方へ移動させる手段(油圧シリンダ、アクチュエータなど)の構成であってもよい。
ところで、ベッド5に被介護者等の使用者Uが仰臥しているときに、昇降機構4を駆動させて、昇降体2を収容体3内に収容する場合、降下してくる昇降体2に使用者Uの上肢又は下肢に対して、例えば挟み込まれるといった、予期せぬ事態が発生してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態のベッド柵1においては、昇降体2を降下させた際に、昇降体2による使用者Uの上肢又は下肢に対する予期せぬ事態を回避する安全機構、すなわち駆動力切離機構62が収容体3に備えられている。
以下に、本実施形態の駆動力切離機構62について、図10、図11を参照しながら説明する。
図10に示すように、駆動力切離機構62は、収容体3の内部に配備されていて、昇降体2を上下方向に昇降させる回転駆動力を発生する昇降手段(駆動モータ23)と、昇降体2に回転駆動力を伝達して、上下方向に昇降させる昇降ギア(平歯車35)との間に設けられているものである。
この駆動力切離機構62は、昇降体2に所定より超える負荷がかかると、昇降手段23と昇降ギア35との常時繋がりを一時的に途切れさせる(切り離す)構成となっている。
なお、上述の「常時繋がりを一時的に途切れさせる」とは、完全に切り離されている状態に加え、わずかに繋がっている(回転駆動力が少しだけ伝達されている)状態も含むこととしている。前述のわずかに繋がっている状態としては、昇降手段23からの回転駆動力のうち、例えば、約10%だけ回転駆動力として、昇降ギア35に伝達する状態などが挙げられる。
つまり、駆動力切離機構62は、昇降体2に所定より超える負荷がかかると、昇降手段23からの回転駆動力を逃がして、動力伝達をカットする構成とされている。
またここで、駆動力切離機構62における「所定より超える負荷」とは、使用者Uの上肢又は下肢に対する予期せぬ状況において生じる、ベッド柵1にかかる負荷である。
すなわち、駆動力切離機構62は、降下中の昇降体2による、ベッド5上の使用者Uの身体(上肢や下肢)に対する予期せぬ状況を回避するために、昇降体2に所定より超える負荷がかかると、昇降体2に伝達されている回転駆動力を所定値以下となるように調整するものである。
図11に示すように、本実施形態の駆動力切離機構62は、昇降手段23側に備えられ、当該昇降手段23の回転駆動力が発生すると締め付ける方向に働く巻きばね63と、昇降ギア35側に備えられ、外周面に巻きばね63が巻き付けられる巻付体65と、を有している。
この駆動力切離機構62は、通常伝達時においては、昇降手段23からの回転駆動力により、巻きばね63が巻付体65を締め付けて、巻付体65と巻きばね63をともに回転させ、その回転駆動力を昇降ギア35に伝達する。
駆動力切離機構62は、使用者Uの挟み込み発生時、すなわち昇降体2に所定より超える負荷がかかって、巻付体65への巻きばね63の締付力が所定値以上となった場合においては、巻きばね63を当該巻付体65の外周面上をスリップさせる状態(巻付体65が無負荷となった状態)にすることで、昇降手段23と昇降ギア35との繋がりを一時的に切り離す構成(クラッチ機構)とされている。
巻付体65は、外周面に巻きばね63が巻き付けられる内側クラッチボス69と、内側クラッチボス69の外周側を囲うように配備される外側クラッチギア66と、を有している。これら内側クラッチボス69と外側クラッチギア66は、巻きばね63により連結されている。
詳しくは、外側クラッチギア66は、外周面に歯(図示省略)が複数形成された円盤状のギアであって、その一方側は開口された有底筒状の部材である。言い換えると、外側クラッチギア66は、外周面に歯が複数形成されたリング状のギアの一方側の面に板材を取り付けたものである。
外側クラッチギア66の底部67(板材側)の中央には、貫通孔が設けられていて、その軸心は外側クラッチギア66の軸心と一致する。この貫通孔により、外側クラッチギア66は、底部67側と開口側とが挿通可能な状態とされている。貫通孔には、昇降ギア35が嵌め込まれた回転軸71が挿入されるようになっている。
回転軸71に配備された昇降ギア35は、外側クラッチギア66の底部67の外側に隣接するように配備される。
外側クラッチギア66は、貫通孔に挿入された回転軸71の軸心が左右方向を向き、且つ駆動軸37の下方に配備され、その先端に配備されたウォームギヤ39に歯合する。また、外側クラッチギア66の底部67外側に隣接配備された昇降ギア35は、ラックギヤ部材36に歯合する。
ところで、外側クラッチギア66には、その底部67を貫通する孔がもう一つ設けられている。
その貫通孔は、リング状のギアの内周面に隣接する底部67に一つ設けられている。本実施形態の貫通孔68は長孔とされていて、その長径は外側クラッチギア66の円周方向に沿ったものとされている。つまり、本実施形態の貫通孔68は、外側クラッチギア66の円周方向に湾曲した長孔とされている。この長孔とされた貫通孔68には、巻きばね63の係合ピン部64(詳細は後述)が挿入される。
さて、外側クラッチギア66の内部には、内側クラッチボス69が内挿される。
内側クラッチボス69は、円筒部材の一方側の端面に、その円筒部材の外周径より大径の円盤が形成されたフランジ状の部材である。内側クラッチボス69の外周面には、コイル状のばね(巻きばね63)が取り付けられていて、所定の締付力が付与された状態である。
内側クラッチボス69は、フランジ側の面が外側クラッチギア66から離れた位置となるように、外側クラッチギア66に挿入される。すなわち、内側クラッチボス69は、フランジ側と反対側の面が、外側クラッチギア66の底部67と当接するように配備される。
内側クラッチボス69は、外周径が外側クラッチギア66の内周径よりも小さい径とされている。
一方、内側クラッチボス69の内周径は、回転軸71の外周径とほぼ同じ径乃至はやや大きい径とされている。つまり、内側クラッチボス69の内部は、回転軸71が挿入される貫通状の孔70とされている。
また、内側クラッチボス69の内部には、切り欠き部72が一対設けられていて、その軸心は径方向外側を向いている。
切り欠き部72は、短尺の棒材である固定ピン73が嵌め込まれるものである。固定ピン73が切り欠き部72に嵌め込まれることにより、回転軸71が内側クラッチボス69に固定される。なお、回転軸71には、径方向外側に向かって直線状に貫通した孔が1つ設けられていて、その孔に固定ピン73が挿入される。
つまり、固定ピン73は、回転軸71の軸心に対して径方向外側に略直交した貫通状態で、内側クラッチボス69の切り欠き部72に嵌め込まれる。
切り欠き部72に固定ピン73が嵌め込まれることにより、回転軸71と内側クラッチボス69が供回りをすることとなる。
上述の内側クラッチボス69に取り付けられる巻きばね63は、所定の線径を有する針金など線材を、内側クラッチボス69の外周方向に沿って、螺旋状(渦巻状)に複数巻回した部材である。
巻きばね63の内周径は、外側から所定の締付力を内側クラッチボス69に付与するため、内側クラッチボス69の外周径より小さい径である。また、巻きばね63の外周径は、外側クラッチギア66の内周径より小さい径とされている。
ところで、巻きばね63の一方側の端部は、内側クラッチボス69の外周方向に沿った方向から、その軸心方向に略直角に屈曲されている。この巻きばね63の屈曲部位が、外側クラッチギア66に係合する係合ピン部64とされている。
係合ピン部64は、巻きばね63を外側クラッチギア66に引っ掛けるように、当該外側クラッチギア66に設けられた貫通状の長孔68に挿入される。
その長孔68に挿入された係合ピン部64は、昇降手段23から出力された回転駆動力により、外側クラッチギア66が回転すると、長孔68の内周面に当接するようになる。
係合ピン部64が長孔68と当接すると、巻きばね63は内側クラッチボス69を締め付けて、回転駆動力を内側クラッチボス69に伝達する。内側クラッチボス69に伝達された回転駆動力により、回転軸71が回転する。
すなわち、内側クラッチボス69と外側クラッチギア66は、巻きばね63の締め付けにより、共に回転するようになり、内側クラッチボス69に挿入された回転軸71が回転する。
上述の巻きばね63を、例えば金属製で形成されたものとした場合、巻付体65は巻きばね63に対して軟質な材料で形成されているものであると好ましい。軟質な材料としては、例えば、ポリアセタール樹脂(POM)などの熱可塑性プラスチック等が挙げられる。
この構成とすることにより、昇降体2に所定より超える負荷がかかったとき、巻きばね63が巻付体65の外周面上でスリップ(空転)することとなり、昇降体2が昇降機構4から切り離されて自由な状態となる。これにより、使用者Uの身体の挟み込みを回避することができる。
次に、昇降手段23から出力された回転駆動力の伝達経路について、図11に基づいて、詳しく述べることとする。
まず、通常伝達時においては、図11中の実線の矢印に示すように、昇降手段23から出力された回転駆動力は、駆動軸37に取り付けられたウォームギヤ39を介して、外側クラッチギア66に伝達される。回転駆動力が伝達されて外側クラッチギア66が回転すると、底部67に設けられた長孔68が回転方向に移動して、長孔68に挿入された巻きばね63の係合ピン部64に接触するようになる。
長孔68と係合ピン部64が接触すると、外側クラッチギア66に伝達された回転駆動力が、締め付けるように取り付けられた巻きばね63を介して、内側クラッチボス69に伝達される。
すなわち、巻きばね63は、伝達された回転駆動力により、外周面側から内側クラッチボス69を締め付けて、回転駆動力を内側クラッチボス69に伝達する。
内側クラッチボス69に回転駆動力が伝達されると、回転軸71が切り欠き部72に嵌入された固定ピン73を介して、内側クラッチボス69とともに回転するようになる。回転軸71が回転すると、その一方側に取り付けられている昇降ギア35が、ラックギヤ部材36上を移動(走行)するようになる。
これにより、通常伝達時においては、昇降体2は、収容体3から上下方向に出退可能(昇降可能)となる。
次いで、降下中の昇降体2に所定より超える負荷がかかったとき、例えば昇降体2により使用者Uの身体(上肢・下肢)が挟まれるといった、通常とは異なる状況となった時においては、外側クラッチギア66と内側クラッチボス69の間でのスリップにより、回転駆動力の伝達経路が切り離されて、昇降体2が自由な状態となる。言い換えると、側クラッチギアと内側クラッチボス69の間でのスリップにより、昇降体2の降下動作が一時的に停止する。
詳しくは、外側クラッチギア66は、昇降手段23から出力された回転駆動力により回転している。そして、外側クラッチギア66に係合された巻きばね63は、内側クラッチボス69を回転させて、回転軸71に回転駆動力を伝達しようとする。
しかし、ラックギヤ部材36には、図11中の白抜きの矢印で示す方向に、所定より超える負荷がかかっているので、そのラックギヤ部材36に歯合する昇降ギア35が取り付けられた回転軸71には、回転方向に対して抵抗する負荷がかかっている。
このような状況下においても、巻きばね63は、内側クラッチボス69を外側より締め付けて回転させようとするが、内側クラッチボス69は、回転方向に対して抵抗する負荷がかかっているので、回転し難くなっている。
ところが、内側クラッチボス69が、巻きばね63に対して軟質な材料で形成されているので、昇降体2に所定より超える負荷がかかって、内側クラッチボス69への巻きばね63の締付力が所定値以上となると、内側クラッチボス69(昇降体2側)と巻きばね63(昇降手段23側)の間の摩擦力が無くなり、巻きばね63が内側クラッチボス69の外周面上をスリップするようになる。
駆動力切離機構62は、内側クラッチボス69の外周面上において巻きばね63をスリップさせ、外側クラッチギア66を空転させて、回転駆動力を伝達経路から外部へ逃がすことで、昇降手段23と昇降ギア35との繋がりを一時的に切り離して、昇降体2を無負荷な状態とすることができる。
以上、本実施形態の駆動力切離機構62によれば、ベッド5上に仰臥している使用者Uの身体(上肢・下肢)が、降下中の昇降体2による、予期せぬ事態を回避することができる。
さらに、本実施形態の駆動力切離機構62は、以下に示す優れた作用効果がある。
急を要する状況(例えば、患者等の使用者Uの体調が急に変化したときなど)となった場合でも、本実施形態の駆動力切離機構62は、昇降手段23と昇降ギア35(昇降体2側)の常時繋がりを一時的に途切れさせることができる。
具体的には、介助者等の作業者が昇降体2に対して上方から押し込むといった、一定の負荷を昇降体2に付与すると、本実施形態の駆動力切離機構62において、内側クラッチボス69と巻きばね63の間でスリップさせることができるので、昇降手段23と昇降ギア35との繋がりを一時的に切り離して、昇降体2を無負荷な状態とすることが可能である。
すなわち、本実施形態の駆動力切離機構62は、昇降体2を下方へ押し込み自在な状態にさせることができるので、急を要する状況下においては、手動で収容体3に収容することが可能となる。
なお、本実施形態の駆動力切離機構62としては、例えば、使用者Uの上肢又は下肢など障害物の挟み込みを検知すると回避信号を送信するセンサと、センサから送信された回避信号により、回転駆動力の伝達を一時的に抑制する手段(電磁クラッチなど)の構成であってもよい。
さて、本実施形態のベッド柵1には、昇降体2を最上位置に上昇させた際に、その昇降体2の位置が、所定の位置からずれてしまうといった想定外の事態が発生することを回避する安全機構、すなわち下降回避機構74が備えられている。
以下に、本実施形態の下降回避機構74について、図12を参照しながら説明する。
本実施形態の下降回避機構74は、昇降体2に所定より超える負荷がかかった際に、例えば昇降体2が不意に降下するといった、想定外の事態を回避するものであり、収容体3に備えられている。
図12に示すように、下降回避機構74は、最上位置に上昇させた状態の昇降体2を、収容体3に係合するような構成とされている。
具体的には、下降回避機構74は、昇降体2の下部に設けられた空洞部87に、収容体3の上部に備えられた係合部材75を挿入して、昇降体2を収容体3に係合して、最上位置に上昇させた状態を維持するものである。
係合部材75は、前後一対のガイドポスト12の上部にそれぞれに備えられていて、空洞部87に挿入される係合片76と、その係合片76を左右方向に案内する案内片82とを有している。係合部材75は、上下方向を向くガイドポスト12に対して、左右外側に向かって直交するように配備されている。
なお、空洞部87は、フレーム部9の下部に前後一対設けられていて、係合片76よりやや大きい空間とされている。
係合片76は、薄板状の部材であって、左右方向を向く一方の辺46(本実施形態では、上部辺)には段差部77が1つ設けられている。つまり、係合片76は、L字状に形成された板材である。係合片76の左右方向外側には、昇降体2が上昇したときに、係合部材75の配備位置に上昇してくる空洞部87に挿入される係合部78が備えられている。
また、係合片76には、上下方向に長い貫通状の孔79が1つ設けられている。この長孔79には、偏心ボス部80が嵌入される。
偏心ボス部80は、厚みが係合片76とほぼ同じとされた円盤状の板材である。偏心ボス部80の外周径は、係合片76に設けられた長孔79の内周径とほぼ同じ径、或いは、若干大きい径とされている。偏心ボス部80の外周径を前述とすることにより、摺動自在に長孔79に嵌入される。
この偏心ボス部80には、当該偏心ボス部80の円の中心とは異なる位置に、貫通状の丸孔81が1つ形成されている。この貫通孔81には、長尺の棒材85が挿入される。長尺の棒材85は、前後一対の偏心ボス部80を連結するものであり、且つ偏心ボス部80を共に回転させるものである。長尺の棒材85の長手方向中途部には、当該長尺の棒材85を回転させる固定ハンドル86(グリップ)が取り付けられている(図3参照)。
一方、案内片82は、厚みが係合片76とほぼ同じとされた薄板状の部材であって、内部には係合片76を案内する案内溝83が1つ形成されている。この案内溝83は、左右方向外側を向き、且つその左右方向を向く一方の壁(本実施形態では、上部壁)には、その溝内へ張り出した張出部84が1つ設けられている。張出部84は、係合片76が左右方向外側に移動したときに、その係合片76に設けられた段差部77が接触するようになっている。
また、案内溝83には、貫通状の丸孔が1つ設けられている。この貫通孔には、一対の偏心ボス部80を連結する長尺の棒材85が挿入される。
つまり、長尺の棒材85は、案内溝83の貫通孔、偏心ボス部80の長孔79を介して、一対の係合部材75によって、回転自在に配備されている。
昇降体2を収容体3に係合する際には、まず固定ハンドル86を握って、長尺の棒材85を回転させて、前後一対の偏心ボス部80を回転させる。このとき、偏心ボス部80の貫通孔は、当該偏心ボス部80の円の中心回りに、下方から左右方向内側に移動する。すると、前後一対の係合片76は、案内片82の溝に沿って左右方向外側に同時に移動し、係合部78が空洞部87に挿入されて、段差部77が張出部84に接触する。これにより、昇降体2が上昇位置において、収容体3に対してロックされた状態となる。
本実施形態の下降回避機構74は、昇降体2を最上位置に上昇させた際に、例えば、昇降体2が不意に降下するなど、昇降体2の位置が所定の位置からずれてしまうといった想定外の事態を回避することができる。
以上述べたように、本実施形態の安全機構をベッド柵1に備えることで、ベッド柵1による不測の事態を回避することができ、使用者U及び作業者が十分安全に作業を行うことが可能となる。
なお、ベッド柵1の構成及び、本発明の安全機構の構成は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、昇降体2の窓部8に、液晶パネル等の表示モニタを配備し、その表示モニタに、患者の氏名や、脈拍・心拍数・呼吸(数)・血圧・体温・コレステロール値・血糖値など、患者(使用者U)に関する数値情報(バイタル)を表示するようにしてもよい。また、患者側においては、テレビ放映や病院内の情報を表示するようにしてもよい。
また、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 ベッド柵
2 昇降体
3 収容体
4 昇降機構
5 ベッド
6 サイドフレーム
7 取り付け孔
8 窓部
9 フレーム部
10 手すり部
11 開口部
12 ガイドポスト
13 連結部材
14 上連結部材(第1連結部材)
15 下連結部材
16 突出部
17 操作部
18 スイッチ
23 駆動モータ(昇降手段)
24 フットライト
25 取り付け部
26 抜け止め機構
27 締結ボルト
28 ロック部材
28a 上側のロック部材
28b 下側のロック部材
29 第1アーム部材
30 第2アーム部材
31 連結ピン
32 駆動部
33 第1スライド部材
34 第2スライド部材
35 平歯車(昇降ギア)
36 ラックギヤ部材
37 駆動軸
39 ウォームギヤ
40 ケース体
41 ギヤ機構
42 傾斜面
43 足挟み回避機構
44 移動手段
45 リンク部材
46 一方の辺
47 屈曲部
48 他方の辺
49 第2連結部材
50 枢支軸
51 円筒部材
52 支持軸
53 筒部材
54 リンク軸
55 揺動ばね
56 規制部材
57 規制片
58 突起
59 凹み
60 凸面カーブ
61 規制ピン
62 駆動力切離機構
63 巻きばね
64 係合ピン部
65 巻付体
66 外側クラッチギア
67 底部
68 長孔
69 内側クラッチボス
70 貫通孔
71 回転軸
72 切り欠き部
73 固定ピン
74 下降回避機構
75 係合部材
76 係合片
77 段差部
78 係合部
79 長孔
80 偏心ボス部
81 貫通孔
82 案内片
83 案内溝
84 張出部
85 棒材
86 固定ハンドル
87 空洞部
U 使用者
M マットレス
F 足
Y 床面

Claims (7)

  1. ベッドの左右方向の側部に備えられたサイドフレームに対して着脱自在に取り付けられ、左右方向に板面を向けて起立し且つ前後方向の長さに比して左右方向に薄い板状の昇降体と、前記昇降体を上下方向に出入り自在に収容する収容体と、前記収容体に対して昇降体を昇降させる昇降機構と、を備えたベッド柵に備えられた安全機構であって、
    前記安全機構は、外部から所定より超える負荷が前記ベッド柵にかかった状況が発生した際、前記のような状況を回避する動作を付与するものである
    ことを特徴とするベッド柵に備えられた安全機構。
  2. 前記ベッド柵には、前記サイドフレームに設けられた取り付け孔に挿入して、当該ベッドに対して取り付ける棒状の取り付け部が設けられていて、
    前記取り付け部には、所定より超える負荷が前記ベッド柵にかかった際に、前記取り付け部が前記取り付け孔から抜けて、前記ベッド柵が前記ベッドから脱落することを回避する抜け止め機構が備えられていて、
    前記抜け止め機構は、前記取り付け孔に挿入された際に、当該取り付け孔の孔外方向に開く構成とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載のベッド柵に備えられた安全機構。
  3. 前記抜け止め機構は、互いに対向する一対の楔形状のロック部材とされ、前記一対のロック部材が当該取り付け孔の孔外方向に開く構成とされている
    ことを特徴とする請求項2に記載のベッド柵に備えられた安全機構。
  4. 前記収容体には、前記ベッドを降下させた際に、前記ベッド柵が前記ベッドの側方にいる作業者の足の挟み込みを回避する足挟み回避機構が備えられていて、
    前記足挟み回避機構は、前記収容体が前記作業者の足に接触して、所定より超える負荷が前記ベッド柵にかかると、前記ベッドの側方において、前記ベッド柵が当該ベッドに対して上方に移動する移動手段を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載のベッド柵に備えられた安全機構。
  5. 前記昇降機構は、前記昇降体を上下方向に昇降させる駆動力を発生する昇降手段と、前記駆動力を前記昇降体に伝達して、上下方向に昇降させる昇降ギアとを有していて、
    前記収容体には、前記昇降体に所定より超える負荷がかかると、前記昇降手段と前記昇降ギアとの常時繋がりを一時的に途切れさせる駆動力切離機構を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載のベッド柵に備えられた安全機構。
  6. 前記駆動力切離機構は、前記昇降手段側に備えられ、当該昇降手段の回転駆動力が発生すると締め付ける方向に働く巻きばねと、前記昇降ギア側に備えられ、外周面に前記巻きばねが巻き付けられる巻付体と、を有していて、
    前記昇降手段は、前記巻きばねを前記巻付体に巻き付けることで、前記昇降ギアに回転駆動力を伝達するようになっており、
    前記駆動力切離機構は、前記昇降体に所定より超える負荷がかかって、前記巻付体への巻きばねの締付力が所定値以上となると、前記巻きばねが当該巻付体の外周面上をスリップする状態となることで、前記昇降手段と前記昇降ギアとの繋がりを一時的に切り離す構成とされている
    ことを特徴とする請求項5に記載のベッド柵に備えられた安全機構。
  7. 前記収容体には、前記昇降体に所定より超える負荷がかかった際に、当該昇降体の下降を回避する下降回避機構が備えられていて、
    前記下降回避機構は、上昇した状態の前記昇降体と、前記収容体とを係合するような構成とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載のベッド柵に備えられた安全機構。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108703576A (zh) * 2018-04-09 2018-10-26 东莞市皓奇企业管理服务有限公司 智能安全家居床的使用方法
KR102087545B1 (ko) * 2019-07-16 2020-03-10 조한표 의료용 침대의 사이드 승강구조
CN111529329A (zh) * 2020-04-16 2020-08-14 深圳瀚维智能医疗科技有限公司 按摩机器人
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CN112369863A (zh) * 2020-11-18 2021-02-19 江西姚氏教育装备集团有限公司 一种可自动升降的幼儿园床

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