JP2018014855A - Dc/dcコンバータ及びその制御回路、システム電源 - Google Patents

Dc/dcコンバータ及びその制御回路、システム電源 Download PDF

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Abstract

【課題】有効チャンネル数の切替制御時における出力安定性や負荷応答性を高める。【解決手段】制御回路200bは、複数のスイッチング出力段CH1〜CHMを備えたマルチフェーズのDC/DCコンバータ100bを制御するものであり、出力電圧VOUTに応じたフィードバック信号VFBがその目標値VREFと一致するように各スイッチング出力段の帰還制御を行う出力帰還制御部(エラーアンプ202、パルス幅変調部204_1〜M、ドライバ212_1〜M、及び、位相補償部270を含む)と、負荷に応じてDC/DCコンバータ100bの有効チャンネル数を切り替えるマルチフェーズコントローラ250と、を有する。特に、マルチフェーズコントローラ250は、有効チャンネル数に応じて出力帰還制御部の位相補償係数を切り替える機能を備えている。位相補償係数は、有効チャンネル数を切り替えてから所定の遅延時間が経過した後に切り替えるとよい。【選択図】図17

Description

本明細書中に開示されている発明は、DC/DCコンバータに関する。
さまざまな電子機器において、ある電圧値の直流電圧を別の電圧値の直流電圧に変換するDC/DCコンバータが使用される。DC/DCコンバータの入力電流のリップルを抑制するために、マルチフェーズ(マルチチャンネル)のDC/DCコンバータが用いられる。図1は、マルチフェーズの昇圧(Boost)DC/DCコンバータ(単にDC/DCコンバータと称する)900の回路図である。DC/DCコンバータ900は、入力ライン902に直流入力電圧VINを受け、出力ライン904に昇圧された出力電圧VOUTを発生する。DC/DCコンバータ900は、Mチャンネル(Mは2以上の整数)で構成される。DC/DCコンバータ900はチャンネルごとに、スイッチングトランジスタM1、インダクタL1および整流棄子D1を有し、Mチャンネルに共通の出力キャパシタC1を有する。なお、本明細書において必要に応じてチャンネル番号を添え字で示す。
コントローラ910は、Mチャンネルで共通のエラーアンプ912と、チャンネルごとに設けられたピーク電流モードのパルス変調器914_1〜914_Mと、チャンネルごとに設けられたドライバ922_1〜922_Mと、を備える。抵抗R11、R12は、出力電圧VOUTを分圧し、出力電圧VOUTに応じたフィードバック信号VFBを生成する。エラーアンプ912は、フィードバック信号VFBとその目標値である基準電圧VREFの誤差を増幅し、誤差に応じた誤差信号VERRを生成する。誤差信号VERRは、複数チャンネルのパルス変調器914_1〜914_Mに供給される。
パルス変調器914は、PWM(パルス幅変調[pulse width modulation])コンパレータ916、ロジック回路918、スロープ補償器920を備える。電流センス抵抗R1は、スイッチングトランジスタM1のオン期間においてスイッチングトランジスタM1に流れる電流を検出するために設けられており、電流に応じた電流検出信号VISを生成する。スロープ補償器920は、電流検出信号VISにスロープ信号VSLOPEを重畳する。PWMコンパレータ916は、電流検出信号VISと誤差信号VERRを比較し、電流検出信号VISが誤差信号VERRに達すると、リセット信号(オフ信号ともいう)ICMPをアサート(たとえばハイレベル)する。ロジック回路918は、リセット信号ICMPに応答して、PWM信号SPWMをスイッチングトランジスタM1のオフを指示するオフレベル(たとえばローレベル)に遷移させる。また、ロジック回路918は所定の周期毎にアサートされるPWMクロック(セット信号、オン信号ともいう)に応答してPWM信号SPWMをスイッチングトランジスタM1のオンを指示するオンレベル(例えばハイレベル)に遷移させる。ドライバ922は、PWM信号SPWMに応じてスイッチングトランジスタM1を駆動する。
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
特開2015−146711号公報
マルチフェーズのDC/DCコンバータは、負荷電流(出力電流)ILOADに応じて、有効チャンネル数(=動作させるチャンネル数)を増減させるものが存在する(シェディング:Shedding)。図2は、図1のDC/DCコンバータ900のシェディングを説明する図である。ここでは理解の容易化のため、M=4チャンネルのDC/DCコンバータ900について説明する。DC/DCコンバータ900には、2つのしきい値ITH1、ITH2が規定されており、ILOAD<ITH1の状態において、第1チャンネルCH1のみ有効(アクティブ、動作状態)となり、ITH1<ILOAD<ITH2の状態において、第1チャンネルCH1および第2チャンネルCH2が有効となり、ITH2<ILOADの状態において、全チャンネルCH1〜CH4が有効となる。以下、有効なチャンネルを有効チャンネル、無効なチャンネルを無効チャンネルと称する。図2のCH1〜CH4には、各チャンネルの理想的な平均コイル電流量、言い換えれば理想的なスイッチングのデューティ比が一点鎖線で示される。図2のように、有効チャンネル、無効チャンネルを論理的に切りかえる制御をハードシェディングと称する。ハードシェディングは、負荷応答性に優れるという利点を有するが、本願の発明者が検討したところ、以下で説明するように出力電圧VOUTの安定性に欠けることを認識するに至った。
図2のCH1〜CH4には、実際の平均コイル電流量(スイッチングのデューティ比)が実線で示される。時刻t0において、1チャンネル動作から2チャンネル動作に切りかわる。エラーアンプ912の応答遅れによって、誤差信号VERRは実線のように緩やかに変化する。これにより第1チャンネルCH1の電流量は、実線で示す波形となり、ハッチングを付した過剰な電流が出力キャパシタC1に供給される。
また、各チャンネルのデューティ比は、共通の誤差信号VERRによって規定される。したがって時刻t0における第2チャンネルCH2の電流量は、第1チャンネルCH1と同じ電流量であり、理想的な電流量よりも多くなる。つまり第2チャンネルCH2に関しても、ハッチングを付した過剰な電流が出力キャパシタC1に供給される。
つまり、負荷電流ILOADが増加する際には、各チャンネルにおいてデューティ比が過剰となり、余剰なコイル電流が生成され、出力電圧VOUTがオーバーシュートする。
反対に負荷電流ILOADが減少する際には、各チャンネルにおいてデューティ比が過小となり、コイル電流が不足し、出力電圧VOUTがアンダーシュートする。このような問題は昇圧DC/DCコンバータのみでなく、降圧DC/DC(Buck)コンバータ、あるいは昇降圧コンバータにおいても生じうる。
また、シェディング機能を備えた従来のDC/DCコンバータでは、有効チャンネル数に関わらず、位相補償係数が固定値とされていた。そのため、有効チャンネル数を切り替えると、位相余裕が乏しくなったり、負荷応答性が低下したりするおそれがあった。
本明細書中に開示されている発明は、本願の発明者が見出した上記の課題に鑑み、有効チャンネル数の切替制御時における出力安定性や負荷応答性を高めることのできるDC/DCコンバータ、及び、その制御回路を提供することも目的とする。
本明細書中に開示されている制御回路は、複数チャンネルのスイッチング出力段を備えたマルチフェーズのDC/DCコンバータを制御するものであって、前記DC/DCコンバータの出力電圧がその目標値と一致するように各スイッチング出力段の帰還制御を行う出力帰還制御部と、負荷に応じて前記DC/DCコンバータの有効チャンネル数を切り替えるマルチフェーズコントローラと、を有し、前記マルチフェーズコントローラは、前記有効チャンネル数に応じて前記出力帰還制御部の位相補償係数を切り替える構成(第1の構成)とされている。
なお、上記第1の構成から成る制御回路にて、前記マルチフェーズコントローラは、前記有効チャンネル数を切り替えてから所定の遅延時間が経過したときに前記位相補償係数を切り替える構成(第2の構成)にするとよい。
また、上記第1または第2の構成から成る制御回路において、前記出力帰還制御部は、前記出力電圧に応じたフィードバック信号と所定の基準電圧との差分を増幅して誤差信号を生成するエラーアンプと、前記誤差信号に応じて各チャンネルのPWM信号をそれぞれ生成する複数のパルス幅変調器と、各チャンネルのPWM信号に応じて各チャンネルのスイッチング出力段をそれぞれ駆動する複数のドライバと、位相補償抵抗と位相補償容量により前記エラーアンプの位相補償を行う位相補償部と、を含む構成(第3の構成)にするとよい。
また、上記第3の構成から成る制御回路において、前記複数のパルス幅変調器は、それぞれ、対応するチャンネルのスイッチング出力段に流れる電流に応じた電流検出信号と前記誤差信号とを比較してオフ信号を生成するコンパレータと、前記電流検出信号と前記誤差信号の一方にスロープ信号を重畳するスロープ補償部と、所定周波数のオン信号に応じて前記PWM信号をオンレベルとし前記オフ信号に応じて前記PWM信号をオフレベルとするロジック回路と、を含む構成(第4の構成)にするとよい。
また、上記第4の構成から成る制御回路にて、前記マルチフェーズコントローラは、前記位相補償抵抗の抵抗値、前記位相補償容量の容量値、前記誤差信号のゲイン、前記スロープ信号の傾き、及び、前記電流検出信号のゲインのうち少なくとも一つを調整して前記出力帰還制御部の位相補償係数を切り替える構成(第5の構成)にするとよい。
また、上記第4または第5の構成から成る制御回路は、複数のチャンネルそれぞれについて、対応する前記電流検出信号と前記複数のチャンネルの前記電流検出信号の平均値との差分に応じた補償信号を、対応する前記コンパレータの2つの入力のうち少なくとも一方に重畳する電流バランス回路をさらに有する構成(第6の構成)にするとよい。
また、上記第4〜第6いずれかの構成から成る制御回路は、前記マルチフェーズコントローラにより前記有効チャンネル数が切り替えられる際に少なくとも一つのチャンネルを補正対象として補正信号を生成し、対応する前記コンパレータの2つの入力のうち少なくとも一方に前記補正信号を重畳するソフトシェディング回路をさらに有する構成(第7の構成)にするとよい。
また、上記第1〜第7いずれかの構成から成る制御回路は、単一の半導体基板に一体集積化される構成(第8の構成)にするとよい。
また、本明細書中に開示されているDC/DCコンバータは、複数チャンネルのスイッチング出力段と、上記第1〜第8いずれかの構成から成る制御回路と、を有する構成(第9の構成)とされている。
また、本明細書中に開示されているシステム電源は、上記第9の構成から成るDC/DCコンバータを有する構成(第10の構成)とされている。
本明細書中に開示されている発明によれば、有効チャンネル数の切替制御時における出力安定性や負荷応答性を高めることのできるDC/DCコンバータ、及び、その制御回路を提供することが可能となる。
マルチフェーズの昇圧DC/DCコンバータの回路図 図1のDC/DCコンバータのシェディングを説明する図 DC/DCコンバータの第1実施形態を示す回路図 第1実施形態におけるソフトシェディングを説明する図 第1実施形態において有効チャンネル数を減少させたときの動作波形図 第1実施形態において有効チャンネル数を増加させたときの動作波形図 第1実施形態における制御回路の構成例を示す回路図 図3のDC/DCコンバータの動作波形図 電流バランス回路によるソフトシェディングを示す波形図 電流バランス回路の構成例を示す回路図 重畳回路の構成例を示す回路図 サンプルホールド回路の構成例を示す回路図 図12のサンプルホールド回路の動作波形図 個別電流生成回路、電流平均化回路、差分電流生成回路それぞれの構成例を示す回路図 DC/DCコンバータを利用したシステム電源のブロック図 第4変形例に係る電流バランス回路の回路図 DC/DCコンバータの第2実施形態を示す回路図 第2実施形態における制御回路の要部構成を示す回路図 有効チャンネル数を切り替えると同時に位相補償係数を切り替えた場合における出力電圧の過渡応答波形図 領域αにおける出力電圧及びコイル電流の過渡応答波形図 誤差信号の動作点変動が生じる様子を示す波形図 位相補償係数の切替遅延により動作点変動が抑制される様子を示す波形図 出力電圧及びコイル電流の過渡応答波形図(切替遅延あり) 出力電圧の過渡応答波形図(切替遅延あり/なし)
<前書き>
以下、本明細書中に開示されている種々の発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
また「信号A(電圧、電流)が信号B(電圧、電流)に応じている」とは、信号Aが信号Bと相関を有することを意味し、具体的には、(i)信号Aが信号Bである場合、(ii)信号Aが信号Bに比例する場合、(iii)信号Aが信号Bをレベルシフトして得られる場合、(iv)信号Aが信号Bを増幅して得られる場合、(v)信号Aが信号Bを反転して得られる場合、(vi)あるいはそれらの任意の組み合わせ、等を意味する。「応じて」の範囲は、信号A、Bの種類、用途に応じて定まることが当業者には理解される。
<DC/DCコンバータ(第1実施形態)>
図3は、DC/DCコンバータの第1実施形態を示す回路図である。本実施形態のDC/DCコンバータ100は、図1と同様、マルチフェーズの昇圧(Boost)コンバータであり、入力ライン102に直流入力電圧VINを受けて出力ライン104に昇圧された出力電圧VOUTを発生する。DC/DCコンバータ100は、Mチャンネル(Mは2以上の整数)で構成される。チャンネル数Mは任意であり、2チャンネル、3チャンネル、4チャンネル、6チャンネル、8チャンネル、12チャンネル、16チャンネルなど、DC/DCコンバータ100の用途に応じて決めればよい。
DC/DCコンバータ100は、出力回路110および制御回路200を備える。出力回路110は、チャンネルごとに、スイッチングトランジスタM1、インダクタL1、整流素子D1、電流センス抵抗R1を有し、Mチャンネルに共通の出力キャパシタC1および抵抗R11,R12を有する。チャンネルごとの電流センス抵抗R1は、対応するスイッチングトランジスタM1と接地の間に設けられ、その両端間に、スイッチングトランジスタM1のオン期間においてスイッチングトランジスタM1に流れる電流(すなわちコイル電流)に比例した電圧降下が発生する。電流センス抵抗R1の電圧降下は、電流検出信号VISとして、対応するCS端子に入力される。
制御回路200は、単一の半導体基板に集積化された機能IC[Integrated Circuit]である。制御回路200は、チャンネルごとに、出力(OUT)端子、電流検出(CS)端子を有する。また制御回路200は、全チャンネルで共通の電圧検出(VS)端子を有する。VS端子には出力電圧VOUTに応じたフィードバック信号VFBがフィードバックされる。制御回路200は、フィードバック信号VFBがその目標値VREFに近づくように、複数チャンネルCH1〜CHMのスイッチングトランジスタM1〜M1を制御する。なお、スイッチングトランジスタM1は制御回路200に集積化されてもよい。また電流センス抵抗R1は制御回路200に集積化されてもよい。
制御回路200は、エラーアンプ202、パルス幅変調器204_1〜204_M、ドライバ212_1〜212_M、マルチフェーズコントローラ250、ソフトシェディング回路260を備える。エラーアンプ202は、DC/DCコンバータ100の出力電圧VOUTに応じたフィードバック信号VFBとその目標値VREFの誤差を増幅し、誤差信号VERRを生成する。
複数のパルス幅変調器204_1〜204_Mは、複数のチャンネルに対応しており、ピーク電流モードの構成を有する。各パルス幅変調器204は、PWMコンパレータ206、ロジック回路208、スロープ補償器210を含む。i番目(1≦i≦M)のチャンネルのPWMコンパレータ206は、対応するスイッチングトランジスタM1に流れる電流IM1を示す電流検出信号VISを誤差信号VERRと比較する。ロジック回路208は、PWMコンパレータ206の出力(リセット信号)ICMPに応じてPWM信号をオフレベル(たとえばローレベル)に遷移させる。またロジック回路208は、PWM周期間隔にアサートされるPWMクロック(セット信号)と同期して、PWM信号をオンレベルに遷移させる。スロープ補償器210は、電流検出信号VISまたは誤差信号VERRの一方に、スロープ電圧VSLOPEを重畳する。
複数のドライバ212_1〜212_Mは、複数のチャンネルCH1〜CHMに対応する。i番目のドライバ212_iは、対応するパルス幅変調器204_iからのPWM信号SPWMに応じて、対応するスイッチングトランジスタM1_1を駆動する。
マルチフェーズコントローラ250は、複数チャンネルCH1〜CHMのうち、有効なチャンネルを、DC/DCコンバータ100や負荷の状態に応じて切りかえる。たとえばマルチフェーズコントローラ250は、DC/DCコンバータ100の負荷電流ILOADにもとづいて有効チャンネル数および動作フェーズを制御する。具体的にはマルチフェーズコントローラ250は、負荷電流ILOADが大きいほど、有効チャンネル数を増加させる。マルチフェーズコントローラ250は、負荷電流ILOADを監視してもよいし、外部のマイコンからの制御指令、あるいは出力ライン104に接続される負荷からの制御信号にもとづいて、有効チャンネル数を変化させてもよい。
ソフトシェディング回路260は、マルチフェーズコントローラ250が有効なチャンネル数を切りかえる際に、少なくともひとつのチャンネルを補正チャンネルとし、補正チャンネルに対応するPWMコンパレータ206の2つの入力(非反転入力端子、反転入力端子)のうち少なくとも一方に、補正信号CORRを重畳する。
好ましくは、ソフトシェディング回路260は、複数のチャンネルCH1〜CHMのうち、補正チャンネルについて、補償信号VCORRを誤差信号VERR側の入力(図3においてPWMコンパレータ206の反転入力端子側)に重畳する。つまりPWMコンパレータ206_iは、補正信号VCORRiが重畳された誤差信号VERRiを電流検出信号VISiと比較し、VISi>VERRiとなるとICMP信号をアサートする。
以上が制御回路200およびそれを備えるDC/DCコンバータ100の構成である。続いてその動作を説明する。本明細書における波形図やタイムチャートの縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化され、あるいは誇張もしくは強調されている。図4は、図3のDC/DCコンバータ100のソフトシェディングを説明する図である。ソフトシェディング回路260は、有効チャンネル数を減少させる際に、切りかえ後において無効となるチャンネルについて、デューティ比が時間とともに減少するように、補正信号VCORRを重畳する。またソフトシェディング回路260は、有効チャンネル数を増加させる際に、新たに有効となるチャンネルについて、デューティ比がゼロから増大するように補正信号VCORRを重畳する。
図5(a)、(b)は、図3のDC/DCコンバータ100において有効チャンネル数を減少させたときの動作波形図である。図5(a)と図5(b)とでは、横軸の時間スケールが異なっている。ここでは理解の容易化、説明の簡潔化のため、2チャンネルから1チャンネルの切りかえを説明する。時刻t0より前に、第1チャンネルCH1、第2チャンネルCH2が有効であり、時刻t0において負荷電流ILOADがしきい値ITH1より小さくなると、第2チャンネルCH2が無効に切りかえられる。図中、CH1,CH2は、各チャンネルの電流供給能力を示す。
ソフトシェディング回路260によって、第2チャンネルCH2の誤差信号VERRに補正信号VCORR2を重畳することにより、第2チャンネルCH2の実効的な誤差信号VERR2がシフトし、スイッチングのデューティ比が補正される。具体的には、切りかえ後において無効となるチャンネルCH2について、デューティ比が時間とともに減少するように補正信号VCORR2を重畳する。これにより、時刻t0においてチャンネルCH2をオフするハードシェディングを行った場合に比べて、出力電圧VOUTのアンダーシュートを抑制できる。
なお第1チャンネルCH1についても、誤差信号VERRに補正信号VCORR1を重畳して実効的な誤差信号VERRをシフトさせ、スイッチングのデューティ比を補正してもよい。
なお補正信号VCORR1,VCORR2の重畳後の誤差信号VERR1、VERR2が高速すぎると系が不安定となる。そこで、補正信号VCORR1,VCORR2は、ある時定数で誤差信号VERRに重畳されることが望ましい。
図6(a)、(b)は、図3のDC/DCコンバータ100において有効チャンネル数を増加させたときの動作波形図である。図6(a)と図6(b)とでは、横軸の時間スケールが異なっている。時刻t0より前に、第1チャンネルCH1が有効であり、時刻t0において負荷電流ILOADがしきい値ITH1を超えると、第2チャンネルCH2が有効となる。有効チャンネル数を増加させる場合においては、第2チャンネルCH2の実効的な誤差信号VERR2をシフトさせることで、スイッチングのデューティ比が補正される。
具体的には、新たに有効となるチャンネルCH2について、デューティ比がゼロから増大するように補正信号VCORR2が重畳される。これにより、時刻t0においてチャンネルCH2を、誤差信号VERRに応じたデューティ比でオンするハードシェディングを行った場合に比べて、出力電圧VOUTのオーバーシュートを抑制できる。
なお第1チャンネルCH1についても、誤差信号VERRに補正信号VCORR1を重畳して実効的な誤差信号VERRをシフトさせ、スイッチングのデューティ比を補正してもよい。
以上がDC/DCコンバータ100およびその制御回路200の動作である。この制御回路200によれば、エラーアンプによるフィードバック制御とは別に、それより高速に動作するソフトシェディング回路260を設け、PWMコンパレータ206の入力に補正信号VCORRを重畳することにより、各チャンネルのデューティ比ひいては電流供給能力を補正し、オーバーシュートやアンダーシュートを抑制することができる。
なお、補正対象とするチャンネルは限定されず、オーバーシュートやアンダーシュートを抑制できるように定めればよい。同様に、補正チャンネルごとの補正信号VCORRの量については、オーバーシュートやアンダーシュートが減少するように、あらかじめ決められた値を用いてもよい。あるいは後述する図7の制御回路200aのように、自動的に変化させてもよい。
なおPWMコンパレータ206の反転入力端子(−)側の誤差信号VERRに補正信号VCORRを重畳することと、PWMコンパレータ206の非反転入力端子(+)側の電流検出信号VISに逆極性で補正信号VCOMPを重畳することは等価であり、いずれの方式を採用してもよい。ところでソフトシェディング回路260を設けることは、新たな制御系を導入することに他ならないため、DC/DCコンバータ100の安定性に少なからず影響を及ぼす。本願の発明者が検討したところ、いくつかの回路においては、前者の方(誤差信号VERRに重畳)が系の安定性が高まることが確認されている。したがって、補正信号VCORRを誤差信号VERR側に重畳することにより、系の安定性を損なわずに、オーバーシュートやアンダーシュートを抑制できる。なお、補正信号VCORRを電流検出信号VIS側に重畳したからといって必ずしも系の安定性が低下するとは限らず、安定性の低下が問題とならない場合には、補正信号VCORRを電流検出信号VIS側に重畳してもよい。
第1実施形態に係る発明は、図3のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれる様々な装置、回路に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、第1実施形態に係る発明の技術的範囲を狭めるためではなく、当該発明の本質や回路動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例を説明する。
<制御回路>
図7は、第1実施形態における制御回路200の一構成例を示す回路図である。本構成例の制御回路200aは、ソフトシェディング回路260としても機能する電流バランス回路220を備える。電流バランス回路220は、複数のチャンネルCH1〜CHMそれぞれについて、対応する電流検出信号VISiと、複数のチャンネルCH1〜CHMの電流検出信号VIS1〜VISMの平均値VAVEとの差分に応じた補償信号VCMPiを、対応するPWMコンパレータ206_iの2つの入力のうち少なくとも一方に重畳する。
好ましくは電流バランス回路220は、複数のチャンネルCH1〜CHMそれぞれについて、補償信号VCMP1〜VCMPMを誤差信号VERR側の入力(図3においてPWMコンパレータ206の反転入力端子側)に重畳する。つまりPWMコンパレータ206_iは、補償信号VCMPiが重畳された誤差信号VERRiを電流検出信号VISiと比較し、VISi>VERRiとなるとICMP信号をアサートする。
例えば電流バランス回路220は、複数のチャンネルCH1〜CHMの電流検出信号VIS1〜VISMのピークをサンプリングし、サンプリングされた電流検出信号VIS1’〜VISM’にもとづいて補償信号VCMP1〜VCMPMを生成することができる。i番目のチャンネルにおいて電流検出信号VIS1がピークとなるのは、スイッチングトランジスタM1がターンオフするタイミング、すなわちICMP信号がアサートされるタイミングである。したがってピークをホールドするようにすることで、タイミング信号としてICMP信号あるいはPWM信号を用いることができるため、制御を簡易化できる。
電流バランス回路220の基本動作を説明する。図8(a)、(b)は、図3のDC/DCコンバータ100の動作波形図である。図8(a)には、電流バランス回路220を動作させないときの波形が示される。第1チャンネルCH1に着目したとき、図8(a)に示すように、コイル電流IL1のピーク値は、全チャンネルのコイル電流のピーク値の平均IPEAKAVEよりも、偏差δI、小さくなっているとする。
図8(b)を参照し、電流バランス回路220の動作を説明する。電流バランス回路220は、偏差δIに応じた補償信号VCMP1を生成し、誤差信号VERRに重畳する。PWMコンパレータ206は、補正された誤差信号VERR1を電流検出信号VIS1と比較し、VIS1>VERR1となるとICMP信号をアサートし、スイッチングトランジスタM1がターンオフする。電流バランス回路220は、その他のチャンネルCH2〜CHMについても同様の補正を行う。以上が制御回路200の動作である。
この制御回路200aによれば、電流バランス回路220によって各チャンネルCHiのコイル電流ILiのピークが全チャンネルCH1〜CHMのコイル電流IL1〜ILMのピークの平均値IPEAKAVEに近づくように補正され、ひいては全チャンネルのコイル電流のピークが一致することとなり、チャンネル間の電流バランスを改善することができる。
なおPWMコンパレータ206の反転入力端子(−)側の誤差信号VERRに補償信号VCMPを重畳することと、PWMコンパレータ206の非反転入力端子(+)側の電流検出信号VISに逆極性で補償信号VCMPを重畳することは等価であり、いずれの方式を採用してもよい。ところで、電流バランス回路220を設けることは、新たな制御系を導入することに他ならないため、DC/DCコンバータ100の安定性に少なからず影響を及ぼす。本願の発明者が検討したところ、いくつかの回路においては、前者の方(誤差信号VERRに重畳)が系の安定性が高まることが確認されている。したがって、補償信号VCMPを誤差信号VERR側に重畳することにより、系の安定性を損なわずに、電流バランスを改善できる。なお、補償信号VCMPを電流検出信号VIS側に重畳したからといって必ずしも系の安定性が低下するとは限らず、安定性の低下が問題とならない場合には、補償信号VCMPを電流検出信号VIS側に重畳してもよい。
図7の制御回路200aでは、電流バランス回路220がソフトシェディング回路260として動作し、補償信号VCMPが補正信号VCORRを兼ねることとなる。以下、電流バランス回路220のソフトシェディング回路260としての機能、動作を説明する。
電流バランス回路220は、無効チャンネルについて、電流が流れているもの擬制して動作する。はじめにM=2の場合を説明する。つまり、シングルチャンネル動作における実際の電流は、
M1=ILOAD
M2=0
である。これを、たとえば、
M1=ILOAD
M2=K×ILOAD
とみなして、電流バランス回路220を動作させる。ただしK>1を満たす。このときの平均電流は、
AVE=(1+K)/2×ILOAD
となる。K>1であるとき、この場合、第1チャンネルCH1については、個別電流IM1(=ILOAD)が、平均電流IAVEより小さいとみなされるため、平均電流に近づくように、つまりデューティ比が増加するように補正信号VCMP1が生成される。反対に、第2チャンネルCH2については、個別電流IM1(=K×ILOAD)が、平均電流IAVEより大きいとみなされるため、平均電流に近づくように、つまりデューティ比が減少するように補正信号VCMP2が生成される。
M=4の場合は、以下のように動作させればよい。シングルチャンネル動作における実際の電流は、
M1=ILOAD
M2=0
M3=0
M4=0
である。これを、たとえば、
M1=ILOAD
M2=K×ILOAD
M3=K×ILOAD
M4=K×ILOAD
とみなして、電流バランス回路220を動作させる。ただしK>1を満たす。このときの平均電流は、
AVE=(1+3K)/4×ILOAD
となる。第1チャンネルCH1については、個別電流IM1(=ILOAD)が、平均電流IAVEより小さいとみなされるため、平均電流に近づくように、つまりデューティ比が増加するように補正信号VCMP1が生成される。反対に、第2チャンネルCH2〜第4チャンネルCH4については、個別電流(=K×ILOAD)が、平均電流IAVEより大きいとみなされるため、平均電流に近づくように、つまりデューティ比が減少するように補正信号VCMPが生成される。
2チャンネル動作における実際の電流は、
M1=ILOAD/2
M2=ILOAD/2
M3=0
M4=0
である。これを、たとえば、
M1=ILOAD/2
M2=ILOAD/2
M3=K×ILOAD/2
M4=K×ILOAD/2
とみなして、電流バランス回路220を動作させる。ただしK>1を満たす。このときの平均電流は、
AVE=(1+K)/4×ILOAD
となる。第1チャンネルCH1、第2チャンネルCH2については、個別電流I(=ILOAD/2)が、平均電流IAVEより小さいとみなされるため、平均電流に近づくように、つまりデューティ比が増加するように補正信号VCMPが生成される。反対に、第3チャンネルCH3、第4チャンネルCH4については、個別電流(=K×ILOAD/2)が、平均電流IAVEより大きいとみなされるため、平均電流に近づくように、つまりデューティ比が減少するように補正信号VCMPが生成される。
図9は、電流バランス回路220によるソフトシェディングを示す波形図である。図9の前半は、M=2のDC/DCコンバータにおいて、有効チャンネル数を2から1に減少させるときの動作を、後半は、有効チャンネル数を1から2に増加させるときの動作を示す。時刻t0より前は、全チャンネルが有効であり、したがって各チャンネルの電流が、平均電流IAVEに近づくように電流バランス回路220が動作する。
平均電流IAVEは、簡略化して示している。時刻t0に、負荷電流ILOADが減少すると、電流バランス回路220がソフトシェディング回路260としての動作を開始する。第2チャンネルCH2に関して、実際の電流IM2よりも大きい仮想的な電流IM2’が流れるものとして、電流バランス回路220の内部あるいは入力の状態が設定される。これにより、実際の平均電流IAVEよりも大きい仮想的な平均電流IAVE’にもとづいて電流バランスが行われる。その結果、第2チャンネルCH2に関して、大きな電流IM2’が平均電流IAVE’に近づくように動作するため、誤差信号VERR2が緩やかに低下していき、その電流IM2も緩やかに減少していく。第1チャンネルCH1については、電流バランス回路220による電流バランス制御にもとづいて、誤差信号VERR1が変化し、電流量IM1が変化する。
時刻t1に、負荷電流ILOADが増加すると、電流バランス回路220が、再びソフトシェディング回路260としての動作を開始する。具体的には第2チャンネルCH2に関して、仮想的な電流IM2’の値が、実際の電流IM2に緩やかに戻され、実際の平均電流IAVEにもとづく電流バランスに戻る。
続いて、電流バランス回路220を、ソフトシェディング回路260として動作させるための構成例を説明する。図10は、電流バランス回路220の構成例(220a)を示す回路図である。電流バランス回路220aは、複数チャンネルに対応する複数のサンプルホールド回路222_1〜222_Mを備える。i番目のサンプルホールド回路222_iは、対応する電流検出信号VISiを、各PWM周期内の所定のタイミングでサンプリングする。たとえば上述のように、コイル電流Iのピークを一致させる場合、サンプルホールド回路222_iは、電流検出信号VISiのピークにて、サンプリングを行えばよい。サンプリングのタイミングは、対応するチャンネルのICMP信号あるいはPWM信号SPWMのネガティブエッジを利用して生成することができる。なお、サンプルホールド回路に代えて、トラックホールド回路などを用いてもよい。
なお、全チャンネルのコイル電流IL1〜ILMのピークを揃えるかわりに、それらのボトムを揃えてもよい。この場合、サンプルホールド回路222_iは、電流検出信号VISiのボトムにて、言い換えれば、スイッチングトランジスタM1がターンオンした直後のタイミングでサンプリングを行えばよい。たとえばサンプリングのタイミングは、PWM信号SPWMのポジティブエッジを利用して生成することができる。
電流バランス回路220aは、さらに、複数の個別電流生成回路224_1〜224_M、電流平均化回路226、複数の差分電流生成回路228_1〜228_M、複数の重畳回路230_1〜230_Mを備える。
複数の個別電流生成回路224_1〜224_Mは、複数のチャンネルCH1〜CHMに対応する。i番目の個別電流生成回路224_iは、対応する電流検出信号VISに応じた個別電流Iを生成する。電流平均化回路226は、複数のチャンネルCH1〜CHMの個別電流I〜Iの平均に相当する平均電流IAVEを生成する。
AVE=(I+I+・・・+I)/M
複数の差分電流生成回路228_1〜228_Mは、複数のチャンネルCH1〜CHMに対応する。i番目の差分電流生成回路228_iは、対応する個別電流Iと平均電流IAVEとの差分電流ΔIを生成する。差分電流ΔIは、図5の波形図の電流偏差δIに相当する。
複数の重畳回路230_1〜230_Mは、複数のチャンネルCH1〜CHMに対応する。i番目の重畳回路230_iは、補償信号VCMPiとして、対応する差分電流ΔIに応じたオフセット電圧VOFSiを、対応するPWMコンパレータ206の非反転入力端子(+)、反転入力端子(−)のうち少なくとも一方に重畳する。
電流バランス回路220aをソフトシェディング回路260として動作させる場合、以下の制御を行うことができる。
無効チャンネルの個別電流生成回路224_1〜224_Mへの入力VIS’を、実際の電流を示すフィードバック信号VISとは異なる値にセットされ、あるいは置換されてもよい。たとえばM=2のコンバータにおいてシングルチャンネル動作させる場合、個別電流生成回路224_2の入力に、K×ILOAD×Rに相当する電圧(ダミー電圧Vという)を与えればよい。
図11は、重畳回路230の構成例を示す回路図である。重畳回路230_iは、オフセット用抵抗R21_i、第3キャパシタC21_iを含む。オフセット用抵抗R21は第1端E1がエラーアンプ202の出力と接続され、第2端E2が、対応するPWMコンパレータ206_iの反転入力端子(−)と接続される。第3キャパシタC21_iは、オフセット用抵抗R21_iと並列に接続される。重畳回路230_iは、対応する差分電流ΔIをオフセット用抵抗R21_iの第2端にソースおよび/またはシンクする。
この重畳回路230においては、PWMコンパレータ206の反転入力端子(−)の電圧は、式(1)で与えられる。
ERRi=VERR+ΔVOFSi=VERR+R21×ΔI …(1)
つまり共通のフィードバック電圧VERRに対して、チャンネルごとに独立して、差分電流ΔIに比例したオフセット電圧VOFSiを重畳することができる。すなわち、各チャンネルの差分電流ΔIは、もとの誤差信号VERRに影響を及ぼさない。
またオフセット用抵抗R21の抵抗値に応じて、電流バランスのゲインを調節できる。また第3キャパシタC21の容量に応じて、電流バランスの応答速度を調節できる。また電流バランス回路220をソフトシェディング回路260として動作させる際には、ソフトシェディングの時定数を、キャパシタC21に応じて設定することが可能となる。
図12(a)、(b)は、サンプルホールド回路222の構成例を示す回路図である。サンプルホールド回路222の入力端子Piは、CSi端子と接続され、電流検出信号VISを受ける。第1スイッチSW31および第2スイッチSW32は、入力端子Piと出力端子Poの間に直列に設けられる。第1キャパシタC31は、第1スイッチSW31および第2スイッチSW32の接続ノードと接続される。第2キャパシタC32は、出力端子Poと接続される。
図12(a)において、ソフトシェディング回路260としての動作と関連して、制御回路200は、第2キャパシタC32を、ダミー電圧Vに充電する電圧源(あるいは電流源、充電回路)262を備えてもよい。
あるいは図12(b)に示すように、サンプルホールド回路222の後段に、ダミー電圧VDiとサンプルホールド回路222の出力電圧VISi’を選択するセレクタ264を設けてもよい。
図13は、図12のサンプルホールド回路222の動作波形図である。VLXは、図3のインダクタL1とスイッチングトランジスタM1の接続ノードの電圧、Vxは第1キャパシタC31の電圧を、Vyは第2キャパシタC32の電圧を示す。第1キャパシタC31および第2キャパシタC32それぞれの容量の比に応じて、サンプルホールド回路222のゲインおよび時定数を設定することができる。つまり第2キャパシタC32の容量が小さいほど、サンプルホールド回路222のゲインは高く、また応答性が速くなるが、高すぎるゲインは、系を不安定にする場合がある。そこで第2キャパシタC32の容量を第1キャパシタC31の容量より大きくすることで、適切なゲイン、時定数を実現できる。
図14は、個別電流生成回路224、電流平均化回路226、差分電流生成回路228の構成例を示す回路図である。複数の個別電流生成回路224は同様に構成されるため、第1チャンネルの構成を説明する。個別電流生成回路224_1は、V/I変換回路232および電流分配回路234を含む。V/I変換回路232は、対応する電流検出信号VIS1を電流信号I1Cに変換する。V/I変換回路232の構成は特に限定されず、さまざまな公知技術を用いることができる。電流分配回路234は、電流信号I1Cを2系統にコピーし、1系統の電流I1Aを電流平均化回路226に、1系統の電流I1Bを対応する差分電流生成回路228_1に供給する。
たとえば電流分配回路234は、V/I変換回路232のトランジスタM41のレプリカM42,M43、V/I変換回路232の抵抗R41のレプリカR42,R43を含んでもよい。トランジスタM41,M42,M43のゲートは共通に接続される。電流分配回路234の構成は特に限定されず、カレントミラー回路を用いることもできる。
電流平均化回路226は、カレントミラー回路を含む。カレントミラー回路は、入力トランジスタM50と、複数の出力トランジスタM51〜M5Mを含む。入力トランジスタM50には、複数のチャンネルCH1〜CHMの個別電流I1A〜IMAが入力される。入力トランジスタM50と、複数の出力トランジスタM51〜M5Mのサイズは、M:1であり、複数の出力トランジスタM51〜M5Mそれぞれに流れる電流が、平均電流IAVEとなる。
差分電流生成回路228_iは、平均電流IAVEが流れる配線236と、個別電流IiBが流れる配線238と、重畳回路230に至る配線240の結線である。配線240には、差分電流ΔI=IAVE−IiBが流れる。
なおサンプルホールド回路222、個別電流生成回路224、電流平均化回路226、差分電流生成回路228、重畳回路230それぞれの構成は特に限定されず、公知の回路を用いることができる。
<システム電源>
次に、DC/DCコンバータの例示的な用途を説明する。図15は、DC/DCコンバータを利用したシステム電源のブロック図である。システム電源300は、多系統(本図の例では3系統)構成を有しており、系統SYS1〜SYS3ごとに異なる電源電圧VOUTを発生し、さまざまな負荷に供給可能となっている。
システム電源300は、降圧コンバータ、昇圧コンバータ、リニアレギュレータの任意の組み合わせを含みうる。なお、図15では、第1系統SYS1が降圧コンバータ410であり、第2系統SYS2が昇圧コンバータ420であり、第3系統SYS3はリニアレギュレータ(LDO:Low Drop Output)430である。リニアレギュレータは複数チャンネル分、設けられてもよい。降圧コンバータ410あるいは昇圧コンバータ420は、先に説明したDC/DCコンバータ100に対応する。図15では、DC/DCコンバータをシングルフェーズとして示すが、マルチフェーズであってもよい。
システム電源300は、パワーマネージメントIC302と、その他の周辺回路部品を含む。パワーマネージメントIC400は、降圧コンバータ410の制御回路200、昇圧コンバータ420の制御回路200、リニアレギュレータ402、インタフェース回路404、シーケンサ406等を含む。そのほかパワーマネージメントIC400には、各種保護回路などが内蔵される。
インタフェース回路404は、外部のホストプロセッサとの間で制御信号やデータを送受信するために設けられる。たとえばインタフェース回路404は、IC[Inter IC]バスに準拠してもよい。シーケンサ406は、多系統の電源回路の起動の順序やタイミングを制御する。
以上、本明細書中に開示されている種々の発明について実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせに色々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も、各実施形態に係る発明の技術的範囲に属することは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
<第1変形例>
図10の電流バランス回路220aに関して、サンプルホールド回路222に代えて、電流検出信号VISの平均値を生成する平均化回路を設けてもよい。平均化回路としてはローパスフィルタを用いてもよい。
<第2変形例>
上記の実施形態ではダイオード整流型のDC/DCコンバータを説明したが、同期整流型であってもよい。また昇圧DC/DCコンバータではなく、降圧DC/DCコンバータや、昇降圧DC/DCコンバータにも上記発明は適用可能である。この場合、図3の出力回路110のトポロジーを変更すればよい。
<第3変形例>
図3においてコイル電流Iの検出方法は特に限定されない。たとえば電流センス抵抗R1に代えて、スイッチングトランジスタM1のオン抵抗を利用してもよい。あるいはスイッチングトランジスタM1に比例した電流が流れるように接続されるスイッチングトランジスタM1のレプリカを設け、レプリカに流れる電流を検出してもよい。
<第4変形例>
図16は、第4変形例に係る電流バランス回路220の一部の回路図である。電流バランス回路220は、各チャンネルのダミー電圧Vを生成するダミー電圧生成部221をさらに備える。たとえばダミー電圧生成部221は、あるチャンネルCHiが無効となると、緩やかに増加し、無効である期間、一定値を維持し、そのチャンネルCHiが再び有効となると、ゼロに向かって低下するダミー電圧VDiを生成する。たとえばダミー電圧生成部221は、A/Dコンバータを含んでもよく、ダミー電圧VDiはデジタル制御されてもよい。
個別電流生成回路224の基本構成は、図14のそれと同様である。この変形例において各チャンネルのV/I変換回路232の演算増幅器233は、2つの非反転入力端子を有し、一方には、対応する電流検出信号VISiが入力され、他方には、ダミー電圧VDiが入力される。3入力の演算増幅器233は、2つの非反転入力端子の電圧のうち高い一方と、反転入力端子の誤差を増幅する。
Si>VDiである期間、個別電流生成回路224_iは、電流検出信号VSiにもとづいて動作する。したがって電流バランス回路220は、本来の電流バランス回路として動作する。VSi<VDiである期間、個別電流生成回路224_iは、ダミー電圧VDiにもとづいて動作する。したがって電流バランス回路220は、ソフトシェディング回路として動作する。この変形例によれば、通常の電流バランス状態とソフトシェディング状態をシームレスに切りかえることが可能である。またホールド回路222やセレクタ264が不要となり、ソフトシェディングをデジタル制御できる。
さらなる変形例として、図16のダミー電圧生成部221は、A/Dコンバータに代えて、キャパシタと、キャパシタを充電してダミー電圧Vの上りスロープを生成する電流源と、キャパシタを放電してダミー電圧Vの下りスロープを生成する電流源と、を含んでもよい。
<DC/DCコンバータ(第2実施形態)>
図17は、DC/DCコンバータの第2実施形態を示す回路図である。本実施形態のDC/DCコンバータ100bは、先に説明した第1実施形態(図3または図7)と同様、Mチャンネル(ただしM≧2)のスイッチング出力段CH1〜CHMと、それらを所定の位相差(=360°/M)で駆動する制御回路200bと、を備えている。
制御回路200bは、DC/DCコンバータ100bの出力電圧VOUTに応じたフィードバック信号VFBがその目標値(基準電圧VREF)と一致するようにスイッチング出力段CH1〜CHMの帰還制御を行う出力帰還制御部(本図の例ではエラーアンプ202、パルス幅変調部204_1〜M、ドライバ212_1〜M、及び、位相補償部270を含む)と、負荷に応じてDC/DCコンバータ100bの有効チャンネル数を動的に切り替える機能(いわゆるシェディング機能)を備えたマルチフェーズコントローラ250と、を有する。これらの構成要素については、先の第1実施形態(図3または図7)と特に変わるところはないので、重複した説明は割愛する。
一方、本実施形態の制御回路200bでは、有効チャンネル数の切替制御時における出力安定性や負荷応答性を高めるべく、マルチフェーズコントローラ250に新規な機能が追加されている。
より具体的に述べると、マルチフェーズコントローラ250は、上記のシェディング機能だけでなく、有効チャンネル数に応じて出力帰還制御部の位相補償係数(例えば位相補償部270の回路定数)を動的に切り替える機能を備えている。そこで、以下では、この新規な機能について重点的な説明を行う。
図18は、第2実施形態における制御回路200bの要部構成を示す回路図である。なお、本図では、図示の便宜上、チャンネル数Mを2とし、位相補償係数の切替機能に関連のある構成要素を中心に描写がされている。
エラーアンプ202は、反転入力端(+)に入力されるフィードバック信号VFBと非反転入力端(−)に入力される基準電圧VREFとの差分を増幅して誤差信号VERRを生成する。これについては、先に説明した通りである。
パルス幅変調部204_1及び204_2は、それぞれ、誤差信号VERR(本図の例では、電流バランス回路220を介して入力される誤差信号VERR1及びVERR2)に応じて各チャンネルのPWM信号SPWM1及びSPWM2(図17を参照)をそれぞれ生成する。なお、本図では、パルス幅変調器204_1及び204_2の構成要素として、コンパレータ206_1及び206_2のみを描写しているが、実際には、先述のロジック回路208やスロープ補償部210(図17を参照)も含まれている。
電流バランス回路220は、各チャンネルのスイッチング出力段CH1及びCH2に流れるコイル電流が平衡するように、誤差信号VERRにオフセット電圧VOFS1及びVOFS2を与えて、誤差信号VERR1及びVERR2を生成する。本図では、図示の便宜上、電流バランス回路220のうち、図11の重畳回路230_1及び230_2に相当する部分のみ(抵抗R21_1及びR21_2、上側電流源CS1_1及びCS1_2、並びに、下側電流源CS2_1及びCS_2)が描写されている。なお、電流バランス回路220は、マルチフェーズのDC/DCコンバータ100bにとって重要な役割を果たすが、位相補償係数の切替機能とは直接関連していないので、これを省略しても位相補償係数の切替機能には特段支障を生じない。
位相補償部270は、誤差信号VERRの印加端と接地端との間に直列接続された位相補償抵抗Rcomp1及びRcomp2と位相補償容量Ccompを含み、エラーアンプ202の位相補償を行うRC時定数回路である。なお、位相補償抵抗Rcomp2の両端間には、マルチフェーズコントローラ250からの指示に応じてオン/オフされるスイッチSWが接続されている。すなわち、位相補償部270の位相補償係数は、スイッチSWのオン/オフに応じて動的に切り替えられる。以下、位相補償抵抗Rcomp1と位相補償抵抗Rcomp2との接続点に現れるノード電圧をCOMP_Rと呼び、位相補償抵抗Rcomp2と位相補償容量Ccompとの接続点に現れるノード電圧をCOMPと呼ぶ。
マルチフェーズコントローラ250は、負荷(例えば負荷電流ILOADの大きさ)に応じてDC/DCコンバータ100bの有効チャンネル数を切り替える際に、系全体の位相特性が変化することに鑑み、出力帰還制御部の位相補償係数(ここでは位相補償部270を形成する位相補償抵抗の抵抗値)を切り替える。
より具体的に述べると、マルチフェーズコントローラ250は、有効チャンネル数が1であるときにはスイッチSWをオフして位相補償抵抗Rcomp1及びRcomp2の双方を位相補償部270に組み込む一方、有効チャンネル数が2であるときにはスイッチSWをオンして位相補償抵抗Rcomp1のみを位相補償部270に組み込む。
すなわち、有効チャンネル数を増やしたときには、インダクタの並列数が増えて系全体のゲインが増大することに鑑み、位相補償抵抗(=零点抵抗)が引き下げられて系の出力安定性が高められる。逆に、有効チャンネル数を減らしたときには、位相補償抵抗が引き上げられて負荷応答性が高められる。
このような構成を採用することにより、負荷に応じて動的に切り替えられる有効チャンネル数に合わせて位相補償係数を最適化することができるので、位相補償係数が固定値とされていた場合と比べて、有効チャンネル数の切替制御時における出力安定性や負荷応答性を高めることが可能となる。
なお、位相補償係数を調整する手法としては、上記の例に限らず、位相補償抵抗Rcompの抵抗値、位相補償容量Ccompの容量値、誤差信号VERRのゲイン、スロープ信号VSLOPEの傾き、及び、電流検出信号VIS1〜VISMのゲインのうち、少なくとも一つを調整すればよい。
ただし、例えば、複数の容量素子を選択的に切り替えて位相補償容量Ccompの容量値を切り替える場合には、非選択の容量素子をプリチャージしておく必要がある。また、スロープ信号VSLOPEの傾き、または、電流検出信号VIS1〜VISMのゲインを調整する場合には、サブハーモニック発振を生じないように気を配るべきである。
また、図17及び図18において、ソフトシェディング回路260が描写されていないことからも分かるように、位相補償係数の切替機能を実装するに際して、ソフトシェディング回路260は必ずしも必須でない。すなわち、第1実施形態(図3または図7)と第2実施形態(図17)については、それぞれを単独で実装することもできるし、両者を組み合わせて実装することも可能である。
<切替遅延なし>
図19は、負荷に応じて有効チャンネル数を切り替えると同時に位相補償係数を切り替えた場合(=切替遅延なしの場合)における出力電圧VOUTの過渡応答波形図である。また、図20は、図19の領域α(=時刻t10付近)における出力電圧VOUTとコイル電流IL1(実線)及びコイルIL2(破線)の過渡応答波形図である。
時刻t10以前には、負荷が軽く、有効チャンネル数が「1」(=CH1のみ)とされている。従って、コイル電流IL1のみが流れており、コイル電流IL2は流れていない。
負荷が重くなり、コイル電流IL1が増大すると、時刻t10において、有効チャンネル数が「1」から「2」(=CH1+CH2)に切り替えられるので、コイル電流IL1だけでなく、コイル電流IL2も流れ始める。なお、コイル電流IL1は、有効チャンネル数の増大に伴って一旦減少に転じた後、コイル電流IL2と共に平衡状態に至る。
また、時刻t10では、有効チャンネル数が「1」から「2」に切り替えられると同時に、位相補償係数が有効チャンネル数「1」に対応する値から有効チャンネル数「2」に対応する値に切り替えられる。すなわち、有効チャンネル数に合わせて位相補償係数が最適化される。
ただし、時刻t10において、有効チャンネル数の切替動作と位相補償係数の切替動作を同時に行った場合には、両図で示したように、出力電圧VOUTの波形が2段階のアンダーシュート波形となり、その下側ピーク値が不必要に大きくなってしまう。このような2段階のアンダーシュート波形は、負荷変動に伴う過渡応答波形(=第1のアンダーシュート波形)と、位相補償係数の切替に伴う過渡応答波形(=第2のアンダーシュート波形)が足し合わされることにより形成される。
上記第2のアンダーシュート波形は、位相補償係数の切替時に誤差信号VERRの動作点が変動することにより生じる。図21は、先述の領域α(=時刻t10付近)において、誤差信号VERRの動作点変動が生じる様子を示す波形図(VERR:実線、VERR1:一点鎖線、VERR2:二点鎖線、COMP:破線)を示している。
時刻t10では、その直前に生じた負荷の増大に伴い、誤差信号VERR(並びに誤差信号VERR1及びVERR2)が急峻に上昇中である。当該過渡応答中には、エラーアンプ202から位相補償部270(位相補償容量Ccomp)に向けて大きな充電電流が流れているので、誤差信号VERRとノード電圧COMPとの電位差も大きくなっている。このような状況下で位相補償係数を切り替えるためにスイッチSWをオンすると、誤差信号VERRの動作点が大きく変動するので、上記第2のアンダーシュート波形が大きくなり、延いては、出力電圧VOUTの下側ピーク値が不必要に大きくなってしまう。そこで、以下では、このような動作点変動を抑制する手法について提案する。
<切替遅延あり>
図22は、位相補償係数の切替遅延により誤差信号VERRの動作点変動が抑制される様子を示す波形図(VERR:実線、VERR1:一点鎖線、VERR2:二点鎖線、COMP:破線)である。また、図23は、図22の領域β(=時刻t10付近)と領域γ(=時刻t11付近)における出力電圧VOUTとコイル電流IL1(実線)及びコイルIL2(破線)の過渡応答波形図である。
両図で示すように、マルチフェーズコントローラ250は、時刻t10にて有効チャンネル数を切り替えてから、所定の遅延時間Tdが経過した時刻t11において、位相補償係数を切り替える構成にするとよい。
なお、遅延時間Tdについては、固定値としてもよいし、或いは、任意に調整可能な可変値としてもよい。例えば、第1実施形態(図3または図7)と第2実施形態(図17)を組み合わせて採用する場合には、ソフトシェディングの完了タイミングに合わせて位相補償係数を切り替えるようにすればよい。
上記したように、切替遅延ありの構成(図22及び図23を参照)であれば、誤差信号VERRとノード電圧COMPとの電位差が十分に小さくなってから、スイッチSWをオンして位相補償係数を切り替えることができる。従って、切替遅延なしの構成(図19及び図20を参照)と比べて、誤差信号VERRの動作点変動を抑制することが可能となり、延いては、位相補償係数の切替に伴うアンダーシュートを小さく抑えることが可能となる。
もちろん、切替遅延ありの構成(図22及び図23を参照)であっても、位相補償係数の切替時には、誤差信号VERR(延いては、誤差信号VERR1及びVERR2)に多少の切替段差が残る。ただし、この切替段差は、誤差信号VERRの収束点近傍で生じる。従って、出力電圧VOUTの過渡応答波形において、負荷変動に伴う過渡応答波形(=第1のアンダーシュート波形)と、位相補償係数の切替に伴う過渡応答波形(=第2のアンダーシュート波形)が足し合わされることはない。
図24は、出力電圧VOUTの過渡応答波形図(実線:切替遅延あり、破線:切替遅延なし)である。本図で示したように、有効チャンネル数の切替動作と位相補償係数の切替動作を異なるタイミングで行うことにより、出力電圧VOUTの波形が2段階のアンダーシュート波形とならない。従って、出力電圧VOUTの下側ピーク値を小さく抑えて、負荷応答特性を高めることが可能となる。
なお、上記実施形態では、有効チャンネル数を増やす場合を例に挙げて、切替遅延の導入意義を述べたが、有効チャンネル数を減らす場合にも、上記と同様、有効チャンネル数を切り替えてから遅延時間Tdが経過した時点で位相補償係数を切り替えるとよい。
また、切替遅延ありの構成(図22及び図23を参照)が採用されている場合、負荷の増大に応じて有効チャンネル数を増やしてから、遅延時間Tdが経過するまでの間、位相補償係数が本来の最適値よりも高い値に維持される。従って、系の安定性が多少犠牲になるものの、負荷応答性が本来よりも高められることになる。一般に、負荷の増大時には、系の安定性向上よりも負荷応答性の向上を優先すべきことが多いので、上記の動作は非常に好都合であると言える。
逆に、負荷の減少に応じて有効チャンネル数を減らしたときには、遅延時間Tdが経過するまでの間、位相補償係数が本来の最適値よりも低い値に維持される。従って、負荷応答性が多少犠牲になるものの、系の安定性が本来よりも高められることになる。一般に、負荷の減少時(例えば省電力モードへの移行時)において、高い負荷応答性が要求されることは少ないことから、特段の支障はないと言える。
<その他の変形例>
以上、実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本明細書中に開示されている種々の発明について説明したが、実施の形態は、本明細書中に開示されている種々の発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
本明細書中に開示されているDC/DCコンバータは、様々なアプリケーションの電源手段として利用することが可能である。
100…DC/DCコンバータ、102…入力ライン、104…出力ライン、110…出力回路、M1…スイッチングトランジスタ、L1…インダクタ、C1…出力キャパシタ、D1…整流素子、200…制御回路、202…エラーアンプ、204…パルス幅変調器、206…PWMコンパレータ、208…ロジック回路、210…スロープ補償器、212…ドライバ、220…電流バランス回路、222…サンプルホールド回路、224…個別電流生成回路、226…電流平均化回路、228…差分電流生成回路、230…重畳回路、R21…オフセット用抵抗、C21…第3キャパシタ、232…V/I変換回路、234…電流分配回路、250…マルチフェーズコントローラ、260…ソフトシェディング回路、270…位相補償部、SW31…第1スイッチ、SW32…第2スイッチ、C31…第1キャパシタ、C32…第2キャパシタ、300…システム電源、400…パワーマネージメントIC、402…リニアレギュレータ、404…インタフェース回路、406…シーケンサ。

Claims (10)

  1. 複数チャンネルのスイッチング出力段を備えたマルチフェーズのDC/DCコンバータを制御する制御回路であって、
    前記DC/DCコンバータの出力電圧がその目標値と一致するように各スイッチング出力段の帰還制御を行う出力帰還制御部と、
    負荷に応じて前記DC/DCコンバータの有効チャンネル数を切り替えるマルチフェーズコントローラと、
    を有し、
    前記マルチフェーズコントローラは、前記有効チャンネル数に応じて前記出力帰還制御部の位相補償係数を切り替えることを特徴とする制御回路。
  2. 前記マルチフェーズコントローラは、前記有効チャンネル数を切り替えてから所定の遅延時間が経過したときに前記位相補償係数を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
  3. 前記出力帰還制御部は、
    前記出力電圧に応じたフィードバック信号と所定の基準電圧との差分を増幅して誤差信号を生成するエラーアンプと、
    前記誤差信号に応じて各チャンネルのPWM[pulse width modulation]信号をそれぞれ生成する複数のパルス幅変調器と、
    各チャンネルのPWM信号に応じて各チャンネルのスイッチング出力段をそれぞれ駆動する複数のドライバと、
    位相補償抵抗と位相補償容量により前記エラーアンプの位相補償を行う位相補償部と、
    を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制御回路。
  4. 前記複数のパルス幅変調器は、それぞれ、
    対応するチャンネルのスイッチング出力段に流れる電流に応じた電流検出信号と前記誤差信号とを比較してオフ信号を生成するコンパレータと、
    前記電流検出信号と前記誤差信号の一方にスロープ信号を重畳するスロープ補償部と、
    所定周波数のオン信号に応じて前記PWM信号をオンレベルとし前記オフ信号に応じて前記PWM信号をオフレベルとするロジック回路と、
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の制御回路。
  5. 前記マルチフェーズコントローラは、前記位相補償抵抗の抵抗値、前記位相補償容量の容量値、前記誤差信号のゲイン、前記スロープ信号の傾き、及び、前記電流検出信号のゲインのうち少なくとも一つを調整して前記出力帰還制御部の位相補償係数を切り替えることを特徴とする請求項4に記載の制御回路。
  6. 複数のチャンネルそれぞれについて、対応する前記電流検出信号と前記複数のチャンネルの前記電流検出信号の平均値との差分に応じた補償信号を、対応する前記コンパレータの2つの入力のうち少なくとも一方に重畳する電流バランス回路をさらに有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の制御回路。
  7. 前記マルチフェーズコントローラにより前記有効チャンネル数が切り替えられる際に少なくとも一つのチャンネルを補正対象として補正信号を生成し、対応する前記コンパレータの2つの入力のうち少なくとも一方に前記補正信号を重畳するソフトシェディング回路をさらに有することを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の制御回路。
  8. 単一の半導体基板に一体集積化されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の制御回路。
  9. 複数チャンネルのスイッチング出力段と、
    請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の制御回路と、
    を有することを特徴とするDC/DCコンバータ。
  10. 請求項9に記載のDC/DCコンバータを有することを特徴とするシステム電源。
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