JP2018013905A - 不動産情報提供システム - Google Patents

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Abstract

【課題】将来に渡る不動産価値のより適切な評価を行い、ユーザへ提供することのできる、不動産情報提供システムを提供すること。
【解決手段】不動産情報提供サーバ装置1と、ユーザ端末装置と、がネットワークを介して通信可能に構成される不動産情報提供システムであって、不動産情報提供サーバ装置1が、不動産情報取得手段101と、不動産評価手段103と、不動産の購入及び維持に掛かる費用のシミュレーション結果を算出するシミュレーション手段104と、少なくとも、不動産情報と、不動産評価と、シミュレーション結果と、をユーザ端末装置へと出力する出力手段105と、を備える。シミュレーション手段104が、収益損失率予測手段104aと、家賃変動率予測手段104bと、収益損失率及び/又は家賃変動率に基づいて不動産に係る収支を算出する収支算出手段104cと、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、不動産に関する情報、及び不動産の購入後の収支のシミュレーション結果をユーザへと提供する、不動産情報提供システムに関する。
従来、不動産の取引、特に、資産運用を目的とする収益物件の取引は、物件を購入する投資家が、専門家の助言を受けるなどして行われてきた。これは、効率的な資産運用をするために、不動産の現在の価値を土地の価格や建物の価値などの様々な要因を加味した上で判断する、更には、将来的にその価値がどう変動していくかといった予測をたてる、といった、専門家でなければ困難な作業が必要なことによる。
そのような状況に対し、投資家が自身で不動産取引による資産運用の計画をたてることを補助するような、あるいは、投資家へと助言する専門家の補助をするようなシステムが、多数検討されてきた。
例えば、特許文献1には、複数の不動産会社端末より取得した物件データを一元管理し、それらの物件の価格指数を算出して投資家端末へと提供することにより、投資家へと不動産価格の評価情報を提供する、不動産評価情報提供システムが記載されている。
また、特許文献2には、ユーザの希望物件の特定、資金シミュレーション用のデータの入力を受け、資金シミュレーションの結果をユーザへと提供することを含む、不動産販売方法が記載されている。
特開2013−161293号公報 特開2002−117123号公報
特許文献1に記載の発明によれば、ユーザは不動産の評価情報を得ることができるが、実際に不動産への投資を行うにあたっては、将来に渡る資金繰りなどを別途検討する必要がある。
また、特許文献2に記載の発明によれば、不動産購入時のローンの返済計画についての情報を得ることができるが、これはあくまで現在の不動産価値に基づいたものである。
そこで、本発明では、将来に渡る不動産価値のより適切な評価を行い、ユーザへと提供することのできる、不動産情報提供システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る不動産情報提供システムは、
不動産情報提供サーバ装置と、ユーザ端末装置と、がネットワークを介して通信可能に構成される不動産情報提供システムであって、
前記不動産情報提供サーバ装置が、
不動産情報を取得する不動産情報取得手段と、
前記不動産情報に基づいて不動産の価値を示す不動産評価を算出する、不動産評価手段と、
少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の購入及び維持に掛かる費用のシミュレーション結果を算出するシミュレーション手段と、
少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、前記シミュレーション結果と、を前記ユーザ端末装置へと出力する出力手段と、を備え、
前記シミュレーション手段が、
少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の空室による収益損失率を算出する収益損失率予測手段と、
少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の家賃変動率を算出する家賃変動率予測手段と、
前記収益損失率及び/又は前記家賃変動率に基づいて前記不動産に係る収支を算出する収支算出手段と、を有することを特徴とする。
このように、不動産情報とその評価を用いて将来に渡る不動産の価値変動を予測することにより、不動産の運用による資産の増減などをより正確にシミュレーションすることができる。
本発明の好ましい形態では、前記不動産情報が、前記不動産の修繕履歴及び/又は工事履歴を含むことを特徴とする。
このように、不動産情報として不動産の履歴情報を用いることによって、不動産価値の変動をより正確に予測することができる。
本発明の好ましい形態では、前記不動産情報提供サーバ装置が、地価、地域の人気度、交通機関に関する情報のうちの少なくとも1つを含むエリア情報を取得する、エリア情報取得手段を備え、
前記不動産評価手段及び/又は前記シミュレーション手段が、前記エリア情報を用いることを特徴とする。
このように、地域や交通機関に関する情報を用いることで、不動産価値の評価や将来に渡るシミュレーションを、より正確に行うことができる。
本発明の好ましい形態では、前記不動産評価手段が、複数の評価項目のそれぞれに対して少なくとも2以上の評価観点による評価を行い、前記評価観点ごとの前記不動産評価を算出することを特徴とする。
このように、複数の評価観点による不動産の評価を行うことで、ユーザはより詳細な検討を行うことができる。
本発明の好ましい形態では、前記不動産評価手段が、前記評価項目に対する重みづけと、前記評価観点に対する重みづけと、を行うことを特徴とする。
このように、評価項目と評価観点の2つの重みづけを行うことで、重要な評価項目における重要な評価観点についての評価値を特に重視するような、より詳細な不動産の評価を行うことができる。
本発明の好ましい形態では、前記収支算出手段が、少なくとも、前記不動産による利益が最大となる場合の第1のシミュレーション結果と、前記不動産による利益が最小となる場合の第2のシミュレーション結果と、を算出することを特徴とする。
このように、収益損失率や家賃変動率に基づいて、不動産による利益が最大になる場合と最小になる場合の2通りのシミュレーション結果を算出することで、ユーザは不動産投資のリスクなどをより詳細に検討することができる。
本発明に係る不動産情報の提供方法は、
不動産情報提供サーバ装置と、ユーザ端末装置と、がネットワークを介して通信可能に構成され、
前記不動産情報提供サーバ装置が、不動産情報取得手段と、不動産評価手段と、シミュレーション手段と、出力手段と、を備える不動産情報提供システムによる不動産情報の提供方法であって、
前記不動産情報取得手段が不動産情報を取得するステップと、
前記不動産評価手段が、前記不動産情報に基づいて不動産の価値を示す不動産評価を算出するステップと、
前記シミュレーション手段が、少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の購入及び維持に掛かる費用のシミュレーション結果を算出するステップと、
前記出力手段が、少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、前記シミュレーション結果と、を前記ユーザ端末装置へと出力するステップと、を備え、
前記シミュレーション結果を算出するステップが、
少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の空室による収益損失率を算出するステップと、
少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の家賃変動率を算出するステップと、
前記収益損失率及び/又は前記家賃変動率に基づいて前記不動産に係る収支を算出するステップと、を含むことを特徴とする。
将来に渡る不動産価値の適切な評価を行い、より正確な資産運用のシミュレーション結果を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る不動産情報提供システムの構成図である。 本発明の一実施形態に係る不動産情報提供サーバ装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態における不動産情報の提供処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における不動産による収支のシミュレーション処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における不動産の概要の表示画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態における不動産評価の表示画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態における不動産の周辺地図の表示画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態における不動産情報の表示画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態におけるシミュレーション結果を示すグラフを例示する図である。 本発明の一実施形態におけるシミュレーション結果を示すグラフを例示する図である。
<システム構成>
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る不動産情報提供システムの構成を示す図である。
ここに示すように、本実施形態に係る不動産情報提供システムは、不動産情報の提供を行う不動産情報提供サーバ装置1と、不動産情報の提供を受けるユーザの利用するユーザ端末装置2と、不動産情報の管理者の利用する管理者端末装置3と、不動産に関する基本情報を不動産情報提供サーバ装置1へと提供する不動産基本情報提供サーバ装置4と、がネットワークNWを介して通信可能に構成されている。
不動産情報提供サーバ装置1は、図2に示すように、不動産情報取得手段101と、エリア情報取得手段102と、不動産評価手段103と、シミュレーション手段104と、出力手段105と、の各処理手段を備える。また、不動産情報記憶部106と、エリア情報記憶部107と、不動産評価記憶部108と、シミュレーション結果記憶部109と、の各記憶部を備える。
不動産情報取得手段101は、不動産基本情報提供サーバ装置4より不動産に関する基本情報IN1を取得する不動産基本情報取得手段101aと、管理者端末装置3より現地調査結果IN2や修繕/工事履歴IN3、管理費等変更予定IN4といった、不動産に関する詳細な情報を取得する不動産詳細情報取得手段101bと、を有する。
シミュレーション手段104は、シミュレーション期間における不動産の収益損失率を算出する収益損失率予測手段104aと、家賃の変動率を算出する家賃変動率予測手段104bと、収益損失率及び家賃変動率を加味した収支を算出する収支算出手段104cと、を有する。
不動産情報提供サーバ装置1としては、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Randam Access Memory)などの主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置、ネットワークNWとの接続などに用いる各種の入出力装置を備えた、汎用的なサーバ装置を利用することができる。より詳細には、サーバ装置の備える補助記憶装置に、各手段を実現するためのプログラムと、各記憶部として利用するための領域を配し、プログラムの主記憶装置上への展開や演算装置による処理等を行うことで、汎用的なサーバ装置を不動産情報提供サーバ装置1として動作させることができる。
不動産基本情報提供サーバ装置4についても、同様に、汎用的なサーバ装置などを不動産基本情報記憶部などとして機能させることで実現できる。
ユーザ端末装置2、管理者端末装置3としては、CPUなどの演算装置、RAMなどの主記憶装置、HDDやSSDなどの補助記憶装置、ネットワークNWとの接続や、データや指示の入出力などに用いる各種の入出力装置を備えた、汎用的なコンピュータ装置を利用することができる。例えば、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話などが挙げられる。なお、ユーザ端末装置2、管理者端末装置3として、ウェブブラウザソフトウェアが動作するコンピュータ装置を用いる場合には、後述する各種の入出力は、ウェブブラウザソフトウェアを用いて行えばよい。あるいは、不動産情報提供サーバ装置1への入出力のための専用のプログラムを用いるような構成としてもよい。
<不動産情報の提供>
図3は、ユーザ端末装置2へと不動産情報OUT1や不動産評価OUT2、シミュレーション結果OUT3の提供を行う際の処理を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、不動産基本情報取得手段101aによる、不動産基本情報IN1の取得を行う。ここでは、不動産基本情報提供サーバ装置4より、不動産基本情報記憶部41の保持するデータの取得を行う。不動産基本情報提供サーバ装置4は、本実施形態に係る不動産情報提供システムに限らず、多数の事業者や個人へと不動産に関する基本情報を提供するようなものであってよい。また、不動産基本情報IN1の送受信は、CSVファイルなどの任意の形式のファイルなどによって行えばよい。
なお、ここでの不動産基本情報IN1は、例えば、不動産の住所や最寄り駅、販売価格、家賃、築年数、間取り、専有面積といったような、不動産に関して一般的に公開されるような情報を含むものである。
続くステップS102では、不動産詳細情報取得手段101bによる、現地調査結果IN2や修繕/工事履歴IN3、管理費等変更予定IN4などの取得を行う。ここでは、管理者端末装置3を用いた不動産情報の管理者による種々の情報の入力を受け付けるなどすればよい。
ステップS103では、エリア情報取得手段102により、不動産の所在地についての地区情報IN5や交通機関情報IN6の取得を行う。これらは管理者端末装置3からの入力を受け付けるような構成としてもよいし、外部の図示しないサーバ装置から受信するような構成としてもよい。特に外部のサーバ装置から受信する場合には、複数のサーバ装置から地区情報IN5や交通機関情報IN6の受信を行い、それらのデータを統合することにより、より精度の高いデータとすることができる。
ここでの地区情報IN5とは、例えば、地域ごとの平均的な地価や人気度、それらの順位などが挙げられる。また、交通機関情報IN6としては、鉄道やバスの路線情報、最寄りの駅やバス停留所の情報、鉄道路線や駅の人気度などが挙げられる。
そして、ステップS104において、ステップS101からステップS103で取得した不動産基本情報IN1、現地調査結果IN2、修繕/工事履歴IN3、管理費等変更予定IN4、地区情報IN5、交通機関情報IN6などの情報より、不動産価値の評価を行う。
なお、ここでの不動産価値の評価は、複数の評価項目に対して、複数の評価観点による評価を行なうものである。
評価項目としては、例えば、エリアの選定や最寄り駅の評価などの不動産の立地に関連するものや、価格や家賃、現在の賃貸状況といった今後の収支に直接的に関連するもの、周辺の環境に関するものなど、様々な項目が挙げられる。
評価観点についても様々なものが挙げられるが、特に本実施形態においては、家賃収入額の大小の指標とする収益性、空室状態が続かず、継続して収益を得られるか否かの指標とする安定性、災害や劣化による倒壊や、家賃以外の変動費のリスクなどの指標とするリスク回避性の3つの評価観点と、それらを総合した総合評価とを行う。
また、それぞれの評価項目には重要度が設定されており、これによって各評価項目についての評価値への重み付けを行う。
ステップS105では、ステップS101からステップS103で取得した各情報に加え、ステップS104で行った不動産価値の評価の結果を用いて、不動産を購入した場合の収支などのシミュレーションを行う。図4は、ステップS105におけるシミュレーションの流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS201においては、収益損失率の算出を行う。ここでの収益損失率とは、より具体的には、不動産の空室率などの予測値である。これは、ステップS104で行った不動産価値の評価の結果の内、物件の最寄り駅の人気度や駅までの徒歩時間に関連した評価値、物件の家賃、現在の賃貸状況などに基づいて決定される。
ステップS202では、家賃変動率の算出を行う。ここでの家賃変動率とは、物件の老朽化や、地域の人気の上昇又は低下など、種々の要因により生じると考えられる家賃の上昇や下落の予測値である。
そして、ステップS203で、ステップS201で算出した収益損失率と、ステップS202で算出した家賃変動率とを加味した、収支の算出を行う。
以上のようにして、図4に示したような流れによる収支のシミュレーションを終えた後に、ステップS106において、ユーザ端末装置へ、ここまでの処理の結果を出力する。先に述べたように、ユーザ端末装置2がブラウザソフトウェアを用いて入出力を行なうものであれば、ステップS106における結果の出力は、HTML(HyperText Markup Language)ファイル等を出力手段105よりユーザ端末装置2へと送信し、ユーザ端末装置上で動作するブラウザソフトウェアを用いてそれを表示すればよい。
なお、ここでは説明の簡単のために、ステップS101における不動産基本情報の取得やステップS103におけるエリア情報の取得を、不動産の評価に際して都度行う例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、ステップS101における不動産基本情報IN1の取得を不動産基本情報提供サーバ装置4より行うのであれば、管理者端末装置3の操作に基づいて、あるいは、定期的な自動実行などによって取得した不動産基本情報IN1の、不動産情報記憶部106への蓄積及び更新を行うような構成とすることが好ましい。
ステップS104における地区情報IN5や交通機関情報IN6などのエリア情報の取得についても、管理者端末装置3からの入力の受け付け、あるいは図示しない外部のサーバ装置からの自動での取得などにより、予めエリア情報記憶部107への蓄積及び更新を行うことが好ましい。特に、地区情報IN5や交通機関情報IN6などのエリア情報は、不動産ごとに固有なものではなく、同地域に存在する複数の不動産の評価に際して同一のデータを流用することができるものであるため、エリア情報記憶部107へ蓄積しておくことがより好ましい。
また、ステップS104における不動産の評価結果、ステップS105における収支のシミュレーション結果についても、ユーザからの要求に応じて必ずしも都度算出する必要はなく、不動産評価記憶部108やシミュレーション結果記憶部109へと予め記録しておき、ユーザからの要求に応じて出力手段105が各記憶部から参照した情報を出力するような構成とすることが好ましい。
<ユーザへの出力例>
続いて、図5から図10に示す例を参照して、出力手段105によるユーザへの出力について、より詳細に説明する。
図5は、不動産の概要を示す画面の例である。ここでは、不動産の所在地や最寄り駅、価格や利回り、築年数、外観写真や間取り図といった、不動産情報OUT1の内で、不動産の概要の理解に特に有効である情報をユーザへと示す。
図6は、不動産評価OUT2をユーザへと示す画面の例である。ここでの不動産評価は、先に述べたように、複数の評価項目に対して、複数の観点による評価を行った結果である。
図6の例においては、まず、収益性、安定性、リスク回避性、の3つの観点による評価値と、それらより算出した不動産の総合評価と、を示している。そして、続く表により、各評価項目についての詳細を示している。この表においては、各行が各評価項目に対応し、それらのそれぞれについて、収益性、安定性、リスク回避性の3つの評価観点による評価値と、重要度、合計の評価値を示している。なお、建物の外観の評価についての災害や劣化による倒壊や、家賃以外の変動費のリスクなどの指標とするリスク回避性のように、評価項目と評価観点との関連性が小さい、あるいはないような場合には、表の当該箇所を空欄としている。また、ここでの重要度は、例えば、「低」であれば1倍、「中」であれば1.5倍、「高」であれば2倍、といったように、各評価値に重み付けを行なうものである。
続いて、図6に含まれる各評価項目について説明する。まず、「エリア選定」の評価項目は、市区町村などの任意の単位で定められるエリアの、居住者からの人気を示す指数である。これは、先に説明したように外部のサーバ装置から取得したエリア情報や、エリア情報記憶部107に記録された情報をもとに算出する。
ここで、一例として、「エリア選定」についての評価値の算出方法を説明する。物件の所在地が、基礎ポイントとして4.0ポイントが設定されたエリアであり、そして、「エリア選定」の収益性についての係数が2.0、安定性についての係数が1.5、リスク回避性についての係数が1.5であったとする。また、「エリア選定」の重要度は中であり、1.5倍の重みづけを行うものとする。この場合、「エリア選定」の収益性に対する評価値は、(基礎ポイント)×(収益性の係数)×(重要度)=4.0×2.0×1.5=12.0ポイントと算出される。同様に、安定性については、(基礎ポイント)×(安定性の係数)×(重要度)=4.0×1.5×1.5=9.0ポイント、リスク回避性については、(基礎ポイント)×(リスク回避性の係数)×(重要度)=4.0×2.0×1.5=12.0ポイントと、それぞれ算出される。そして、これらの評価を総合した値として、(収益性の評価値)+(安定性)の評価値+(リスク回避性の評価値)=12.0+9.0+12.0=33.0ポイントが算出される。このように、各評価項目について、基礎ポイントに対して評価項目ごとに決定された各評価観点の係数、各評価項目の重要度に応じた係数をかけ合わせることで、物件の詳細な評価を示すことができる。後述する他の評価項目についても、同様にして、各観点についての評価値と総合値の算出を行う。なお、先に述べたように、評価項目と評価観点との関連性がないような場合には、その評価観点についての計算を省略してもよいし、係数を0としてもよい。
「駅力」の評価項目は、物件の最寄り駅について、居住者からの人気を示す指数である。これについても、外部のサーバ装置から取得したエリア情報や、エリア情報記憶部107に記録された情報をもとに算出する。
「駅徒歩」の評価項目は、最寄り駅から物件まで歩いた場合にかかる時間についての指標である。これは、物件が駅から近いほど高評価となる。例えば、駅から徒歩1分以内の場合には基礎ポイントとして5.0ポイントを、徒歩2分の場合には4ポイントを、といったように、予め定められた徒歩時間の範囲に応じて基礎ポイントを設定するような構成としてもよいし、徒歩時間を用いた計算によって基礎ポイントを算出するような構成としてもよい。また、基礎ポイントの決定に用いる徒歩時間は、不動産基本情報IN1に含まれる値を用いればよい。
「価格の妥当性」は、物件の販売価格を基に算出される評価項目である。これは例えば、販売価格が1000万円未満であれば5.0ポイント、1000万円以上1300万円未満であれば4.0ポイント、1300万円以上1600万円未満であれば3.0ポイント、といったように、予め定められた価格帯ごとの基礎ポイントを適用するような構成とすればよい。
「家賃の妥当性」は、物件を賃貸する際の家賃設定を基に算出される評価項目である。これは例えば、「価格の妥当性」と同様に、9万円以上であれば5.0ポイント、8万円以上9万円未満であれば4.0ポイント、7万円以上8万円未満であれば3.0ポイント、といったように、予め定められた価格帯ごとの基礎ポイントを適用するような構成とすればよい。
「グロス利回り」は表面利回りとも呼ばれる不動産投資における判断基準であり、(年間家賃収入)/(販売価格)=(グロス利回り)として算出される。ここでの評価値は、例えば、グロス利回りが10%以上であれば5.0ポイント、9%以上10%未満、であれば4.0ポイント、8%以上9%未満であれば3.0ポイント、といったように、グロス利回りの値に基づいて評価値を決定すればよい。
「ネット利回り」は実質利回りとも呼ばれる不動産投資における判断基準であり、((年間収入)−(必要経費) )/(販売価格)=(ネット利回り)として算出される。なお、ここでの必要経費には、管理費や修繕積立金、固定資産税などが含まれる。ここでの評価値は、例えば、ネット利回りが8%以上であれば5.0ポイント、7%以上8%未満、であれば4.0ポイント、6%以上7%未満であれば3.0ポイント、といったように、ネット利回りの値に基づいて決定すればよい。
「修繕積立金」は、物件の維持のために居住者が支払う積立金に関する評価項目である。これは例えば、居住者が毎月支払う積立金の金額が、5000円以上6000円未満であれば5.0ポイント、6000円以上7000円未満であれば4.0、7000円以上8000円未満であれば3.0ポイント、といったように、居住者の支払う積立金の額に基づいて評価値を決定すればよい。
「管理費」は、物件管理の委任のための基本手数料として居住者が支払う費用に関する評価項目である。これは例えば、居住者が毎月支払う管理費の金額が、5000円以上6000円未満であれば5.0ポイント、6000円以上7000円未満であれば4.0、7000円以上8000円未満であれば3.0ポイント、といったように、居住者の支払う管理費の金額に基づいて評価値を決定すればよい。
「現在の賃貸状況」は、物件の現在の賃貸情報に関する評価項目である。居住用の賃貸物件の契約の多くは2年契約となっており、すなわち、現在が更新直後であれば2年近くは安定した家賃収入が期待でき、逆に現在入居者がいない状態であれば賃貸契約者が現れるまで家賃収入が発生しないことになる。そのため、ここでは、契約更新済みの入居者がいる状況であれば5.0ポイント、賃貸契約年数が1年以上残っている入居者がいる状況であれば4.0ポイント、といったように、現在の居住者の有無や、残りの契約年数などに応じて評価値を決定すればよい。
「築年数」は、物件の築年数に関する評価項目である。物件の築年数は、建物の老朽化などの指標となり、例えば、新築から築10年以内であれば5.0ポイント、築11年以上築15年以内であれば4.0ポイント、築16年以上築20年以内であれば3.0ポイント、といったように、評価値を決定すればよい。特に、昭和56年や平成12年など、耐震基準の改正の前後では、耐震強度が大きく異なる可能性もあるため、そういった点を考慮して評価値を決定してもよい。
「間取り」は、物件の間取りに関する評価項目である。例えば、1Kタイプの間取りは、幅広い層にニーズのある間取りであるため、空室になった場合にも次の居住者が早期に現れることが期待できるが、1DKなどの間取りは、家賃次第では賃貸契約が決まりにくい、といったように、物件の間取りは空室率、すなわち、家賃収入の有無に大きく影響する。そのため、間取りが1Kであれば5.0ポイント、1Rであれば4.0ポイント、1DKであれば3.0ポイント、といったように、物件の間取りに応じて評価値を決定すればよい。
「広さ」は、物件の専有面積に関する評価項目である。これは、広すぎても狭すぎても入居者の層が限定されてしまう恐れがある。そのため、例えば、専有面積が26平方メートル以上30平方メートル未満であれば5.0ポイント、30平方メートル以上35平方メートル未満であれば4.0ポイント、23平方メートル以上26平方メートル未満であれば3.0ポイント、といったように、程よい専有面積を持つ物件が高評価となるような基準で評価値を決定すればよい。
「階層」は、物件の階層に関する評価項目である。階層が1階であれば水害のリスクがある、高階層であれば防犯や眺望などの面から比較的高い収入が期待できる、といったように、収益性に影響があるため、例えば、階層が4階以上であれば5.0ポイント、3階であれば4.0ポイント、2階であれば3.0ポイント、といったように、階層に応じた評価値を決定すればよい。
「平均家賃との差」は、物件の家賃と、同エリアの物件の家賃相場との差に関する評価項目である。これは、先に説明したように外部のサーバ装置から取得したエリア情報や、エリア情報記憶部107に記録された情報をもとに算出すればよい。例えば、物件の家賃が家賃相場よりも1000円未満の幅で高い、または家賃相場よりも安い場合には5.0ポイント、100円以上2000円未満の幅で高い場合には4.0ポイント、2000円以上3000円未満の幅で高い場合には3.0ポイント、といったように、物件の家賃と家賃相場との差額によって評価値を決定すればよい。
「修繕履歴有無」は、物件の修繕状況に関する評価値である。これは例えば、物件が大規模修繕済みであれば5.0ポイント、4か所以上修繕済みであれば4.0ポイント、3か所以上修繕済みであれば3.0ポイント、といったように、修繕の履歴の有無やその規模に応じて決定すればよい。また、修繕作業の実施からの経過年数や、物件の築年数を考慮した評価値の決定を行うような構成としてもよい。
「修繕積立金額不足有無」は、現在の修繕積立金の状況に関する評価項目のである。稀に多額の未回収金が発生していることもあり、そのような場合には、大規模な修繕作業などを思うように行うことができなくなってしまう。そのため、ここでは例えば、修繕積立金の不足がない場合には5.0ポイント、20万円未満である場合には4.0ポイント、20万円以上30万円未満である場合には3.0ポイント、といったように、修繕積立金の不足額に応じて評価値を決定すればよい。
「駅からの距離感実測」は、現地調査結果IN2に含まれる最寄り駅と物件との間の徒歩時間に関する評価項目である。先に説明した「駅徒歩」の項目の評価に用いる不動産基本情報IN1に含まれる徒歩時間は、一般的には分速80メートルで歩くものとして算出されるものである。しかし、最寄り駅から物件までの道中の交通量や、坂道の有無など、様々な要因により、実際には、より遠く、あるいは近く感じる、といったこともある。そのため、ここでは、現地調査結果IN2に含まれる値に基づいて、より実態に近い評価を期待できる。これは例えば、最寄り駅からの徒歩時間が1分以内であれば5.0ポイント、2分以内であれば4.0ポイント、3分以内であれば4.0ポイント、4分以内であれば3.0ポイント、といったように、最寄り駅から物件までの徒歩時間の実測値に基づいて決定すればよい。
「外観1」、及び「外観2」は、現地調査結果IN2に含まれる外観の評価に基づいて決定される評価項目である。ここでは特に、「外観1」として、建物看板、駐輪場やごみ置き場、接している道路状況などについての現地調査の結果より、評価値を決定する。ごみ置き場や駐輪場といった共有部分の状況は、建物全体の入居者層や、管理状況などの目安とすることができる。また、「外観2」は、建物の外観やエントランス付近、エレベータなどの状況についての現地調査の結果より決定される評価項目である。このような個所がきれいであることは、居住を検討する人に対して好印象を与えることが期待できる。このように、外観についての評価項目として、複数の項目を設けることが好ましい。
「駅周辺」は、現地調査結果IN2に含まれる、物件の最寄り駅の周辺の状況に関する評価に基づいて決定される評価項目である。より具体的には、駅前に多い人の、会社員、学生、主婦、高齢者、若者、といった属性や、スーパーマーケット、飲食店、銀行、理髪店、個人商店といったような店舗が駅前にあるか、などの点についての評価項目である。この評価項目により、物件にどのような人の入居を期待できるか、といった予測などを行うことができる。
「商店街」は、現地調査結果IN2に含まれる、物件の最寄り駅の周辺、あるいは物件周辺に商店街が存在するか否か、存在する場合には、その様子はどうか、といった点に関する評価項目である。これは例えば、商店街に活気があり人も多い、といった状況であれば5.0ポイント、活気があるように見えるのであれば4.0ポイント、人が少なければ3.0ポイント、といったように評価値を決定すればよい。
「学校・企業数」は、現地調査結果IN2に含まれる、物件の最寄り駅とその両隣1つずつの駅の合計3駅の周辺に、どの程度の数の学校や企業などがあるいか、といった情報に基づいて決定される評価項目である。例えば、大学や専門学校などの学校、及び企業が、10以上存在する場合には5.0ポイント、9存在するのであれば4.0ポイント、8存在するのであれば3.0ポイント、といったように評価値を決定すればよい。
「使える路線数」は、現地調査結果IN2に含まれる、物件の最寄り駅で利用可能な鉄道路線の情報に基づいて決定される評価項目である。利用可能な路線の多さは物件の人気につながる要素であるといえる。ここでは例えば、利用可能な路線数が6路線以上であれば5.0ポイント、5路線であれば4.0ポイント、4路線であれば3.0ポイント、といったように評価値を決定すればよい。
「快速・急行の有無」は、現地調査結果IN2に含まれる、最寄り駅での快速電車や急行電車の利用の可否情報に関する評価項目である。これは例えば、最寄り駅に常に快速電車と急行電車の両方が停車する場合には5.0ポイント、平日又は休日のいずれか一方で快速電車と急行電車の両方が停車する場合には4.0ポイント、常に快速電車又は急行電車のいずれか一方が停車する場合には3.0ポイント、といったように評価値を決定すればよい。また、最寄り駅において複数路線が利用可能な場合に、それぞれの路線についての情報を複合して評価値を決定するような構成としてもよい。
以上のように、本実施形態においては、物件に関連した複数の評価項目に対して基礎ポイントを決定する。そして、各評価項目に対して予め定められた評価観点ごとの重みづけと、各評価項目の重要度による重みづけを行い、評価観点ごとの評価値の算出を行う。更に、評価観点ごとの評価値の合計を行い、評価項目ごとの評価値を算出する。このようにして評価値を算出することで、収益性や安定性、リスク回避性といった評価観点ごとの重みづけをより詳細に行うことができる。
図7は、不動産の所在地を示す地図の表示例である。まず、図7aは、不動産の周辺の通常の地図を表示する例である。ここでは、不動産情報提供サーバ装置に予め地図情報を記憶しておく、あるいは各不動産の情報を取得する際に共に地図情報を取得する、といったような方法で、本実施形態に係る不動産情報提供システムの独自の地図を表示してもよいし、外部の地図情報の提供サーバより、不動産周辺の地図を取得するような構成としてもよい。
そして、図7(b)は、不動産周辺における災害時の危険度などを示すハザードマップの表示例である。ここでのハザードマップについても、先に説明した地図と同様、本実施形態に係る不動産情報提供システムの独自のものを表示してもよいし、外部のサーバより取得するような構成としてもよい。このようなハザードマップを提供することにより、ユーザは不動産についての災害時リスクなども含めた検討を行うことができる。
また、図7に示したような表示の他にも、不動産の最寄り駅を含む鉄道路線図の表示など、種々の情報をユーザへと示す地図の表示を行ってもよい。
図8は、不動産情報OUT1をユーザへと示す画面の例である。ここでは、先に図5に例示した概要画面よりも詳細に不動産の情報を表示する。なお、ここでは不動産基本情報IN1、現地調査結果IN2、修繕/工事履歴IN3、管理費等変更予定IN4に含まれるすべての情報を必ずしも表示する必要はなく、それらの内でユーザに対して提示することが特に有用であるような情報を表示すればよい。
上述したような不動産情報OUT1や不動産評価OUT2の出力に加え、それらを加味して行ったシミュレーション結果の出力を行う。ここでは、不動産の購入に掛かる諸費用や、不動産の運用に際して生じる家賃収入や経費の支出などの算出を行い、所定の期間における投資総額やキャッシュフローの計算を行う。
ここで、本実施形態に係る不動産情報提供システムにおいては、特に、空室による収益の損失率や、経年による家賃の下落の割合、または路線価の上昇などに伴う家賃の上昇の割合を示す家賃変動率の算出を行い、所定期間内における収支の算出を行なうものである。なお、ここでの家賃変動率としては、前年と比較した際の変動率を用いることが好ましい。例えば、1年目の年間家賃収入が100万円であり、家賃変動率が−1%である場合を考えると、2年目には100万円×(100%−1%)=99万円の家賃収入が見込まれる。更に3年目には、2年目の家賃収入から−1%の変動が見込まれるため、99万円×(100%−1%)=98.01万円の家賃収入が見込まれることになる。
このようにしてシミュレーションを行った結果は、数値として表形式や、グラフなどの任意の形態によって出力される。特に、不動産情報OUT1や不動産評価OUT2から想定され得る中で、シミュレーション期間中において得られる利益が最も大きい場合と、利益が最も小さい場合(あるいは最も大きな損益がでる場合)の、少なくとも2つのパターンを想定し、2つの累計キャッシュフローと投資総額のシミュレーション結果を提示することが好ましい。例えば、図9に示すグラフは、シミュレーション期間中における投資総額と、利益が最も大きい場合と、最も小さい場合のそれぞれの累計キャッシュフローを示すものである。なお、ここで、先に説明したように、家賃変動率は前年比の家賃収入の増減率を示すものであるため、仮にシミュレーション期間中における収益損失率が一定であるならば、家賃変動率がマイナス値を取り、家賃収入額が下落していく場合の累計キャッシュフローは、図9に破線で示すように、その傾きが徐々に緩くなっていくような形態となる。一方で、家賃変動率がプラス値を取り、家賃収入額が上昇していく場合の累計キャッシュフローは、シミュレーション期間中における収益損失率が一定であるならば、図9に一点鎖線で示すように、その傾きが徐々にきつくなっていくような形態となる。そして、これらの累計キャッシュフローと投資総額のグラフの交点により、損益分岐点をユーザへとわかりやすく提示することができるものである。
図9のようなシミュレーション結果であれば、利益が最大となる場合には、物件購入から14年程経過した後に損益分岐点P1に到達し、利益が最小となる場合には、損益分岐点P2には、物件購入から25年程経過した後に到達することが読み取れる。これはすなわち、想定の範囲で最良の結果となった場合には物件購入から14年程経過した時点で元手を回収することができ、逆に想定の範囲で最悪の結果となった場合にも、物件購入から25年程度経過すれば元手を回収できる、という判断をすることができる。
図10は、他のシミュレーション結果の例を示すグラフである。これは、図9に示した物件よりも、利益の最大値は小さいものの、最小値との差が小さい、といった物件を想定したシミュレーション結果である。
図10中に一点鎖線で示す、利益が最大となる場合のキャッシュフローに着目すると、損益分岐点P1に物件購入から17年程経過した後に到達し、物件を購入から40年経過後には、累計キャッシュフローは2500万円程になることが読み取れる。一方で、先に説明した図9に示した物件の場合には、利益が最大となる際には、物件購入から14年程経過した後に損益分岐点P1に到達し、物件購入から40年後には累計キャッシュフローが3500万円を超えることが読み取れる。そのため、家賃変動や収益損失率の変化が、想定範囲内で最も好ましい態様をとる場合を考えれば、図10に示したシミュレーションの対象とする物件は、図9に示したシミュレーションの対象とする物件に比べ、元手の回収に時間がかかり、さらに、物件購入から40年経過後の累計キャッシュフローも小さいということになる。
しかし、ここで図10に破線で示す利益が最小となる場合の累計キャッシュフローに着目すると、損益分岐点P2に物件購入から18年程で到達し、物件購入から40年経過後の累計キャッシュフローは2000万円程になることが読み取れる。それに対し、図9に示した物件の場合には、利益が最小となる場合には、物件購入から25年程で損益分岐点P2に到達し、物件購入から40年後の累計キャッシュフローは1500万円に満たないことが読み取れる。
以上のように、図9と図10のシミュレーション結果を比較すると、図9のシミュレーション対象とする物件は、利益が予想の範囲の中で最大となる場合には、早期に元手を回収することができ、また累計キャッシュフローも大きいものの、利益が最小となる場合との幅が広い、ハイリスクハイリターン型の物件であるといえる。一方で、図10のシミュレーション対象とする物件は、利益が最大となる場合にも損益分岐点への到達が遅く、かつ累計キャッシュフローも小さいものの、利益が最小となる場合との幅が狭い、安定した収益が期待できる手堅い投資物件であるといえる。
もし、図9にシミュレーション結果を示したような物件と、図10にシミュレーション結果を示したような物件について、それぞれ、利益が最大となる場合と最小となる場合の中間値を比較した場合には、これらのシミュレーション結果は非常に近いものとなる。しかし、図9、図10に示したように、利益が最大となる場合と最小となる場合のシミュレーション結果を比較することにより、これらの物件は投資リスクなどの性質が大きく異なる物件であることが分かる。
このように、シミュレーション期間中において得られる利益が最高の場合と最低の場合の2パターンのシミュレーションを行うことで、投資家は物件に対する投資のリスクなどを検討することができる。
なお、ここでは、物件の購入時から40年経過するまでのシミュレーション結果を例示したが、本発明はこれに限るものではない。ユーザ端末装置2より、ユーザが所望するシミュレーション期間や、上述したような利益の最大/最小を判定する年数の入力を受け付けるような構成としてもよい。
本実施形態に係る不動産情報提供システムにおいては、以上のようにして、不動産に関する情報や、当該不動産の周辺地域に関する情報を取得し、不動産の評価、及びそれを利用した収支のシミュレーション結果を、ユーザへと提示することができるものである。
このように、不動産及びその周辺地域の評価から、不動産の価値変動を予測し、それを加味したシミュレーションを行うことにより、ユーザは不動産の運用に伴う収支のより詳細なシミュレーション結果の提供を受けることができる。
1 不動産情報提供サーバ装置
101 不動産情報取得手段
101a 不動産基本情報取得手段
101b 不動産詳細情報取得手段
102 エリア情報取得手段
103 不動産評価手段
104 シミュレーション手段
104a 収益損失率予測手段
104b 家賃変動率予測手段
104c 収支算出手段
105 出力手段
106 不動産情報記憶部
107 エリア情報記憶部
108 不動産評価記憶部
109 シミュレーション結果記憶部
2 ユーザ端末装置
3 管理者端末装置
4 不動産基本情報提供サーバ装置
41 不動産基本情報記憶部
NW ネットワーク
IN1 不動産基本情報
IN2 現地調査結果
IN3 修繕/工事履歴
IN4 管理費等変更予定
IN5 地区情報
IN6 交通機関情報
OUT1 不動産情報
OUT2 不動産評価
OUT3 シミュレーション結果

Claims (7)

  1. 不動産情報提供サーバ装置と、ユーザ端末装置と、がネットワークを介して通信可能に構成される不動産情報提供システムであって、
    前記不動産情報提供サーバ装置が、
    不動産情報を取得する不動産情報取得手段と、
    前記不動産情報に基づいて不動産の価値を示す不動産評価を算出する、不動産評価手段と、
    少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の購入及び維持に掛かる費用のシミュレーション結果を算出するシミュレーション手段と、
    少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、前記シミュレーション結果と、を前記ユーザ端末装置へと出力する出力手段と、を備え、
    前記シミュレーション手段が、
    少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の空室による収益損失率を算出する収益損失率予測手段と、
    少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の家賃変動率を算出する家賃変動率予測手段と、
    前記収益損失率及び/又は前記家賃変動率に基づいて前記不動産に係る収支を算出する収支算出手段と、を有することを特徴とする、不動産情報提供システム。
  2. 前記不動産情報が、前記不動産の修繕履歴及び/又は工事履歴を含むことを特徴とする、請求項1に記載の不動産情報提供システム。
  3. 前記不動産情報提供サーバ装置が、地価、地域の人気度、交通機関に関する情報のうちの少なくとも1つを含むエリア情報を取得する、エリア情報取得手段を備え、
    前記不動産評価手段及び/又は前記シミュレーション手段が、前記エリア情報を用いることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の不動産情報提供システム。
  4. 前記不動産評価手段が、複数の評価項目のそれぞれに対して少なくとも2以上の評価観点による評価を行い、前記評価観点ごとの前記不動産評価を算出することを特徴とする、請求項1から請求項3の何れかに記載の不動産情報提供システム。
  5. 前記不動産評価手段が、前記評価項目に対する重みづけと、前記評価観点に対する重みづけと、を行うことを特徴とする、請求項4に記載の不動産情報提供システム。
  6. 前記収支算出手段が、少なくとも、前記不動産による利益が最大となる場合の第1のシミュレーション結果と、前記不動産による利益が最小となる場合の第2のシミュレーション結果と、を算出することを特徴とする、請求項1から請求項5の何れかに記載の不動産情報提供システム。
  7. 不動産情報提供サーバ装置と、ユーザ端末装置と、がネットワークを介して通信可能に構成され、
    前記不動産情報提供サーバ装置が、不動産情報取得手段と、不動産評価手段と、シミュレーション手段と、出力手段と、を備える不動産情報提供システムによる不動産情報の提供方法であって、
    前記不動産情報取得手段が不動産情報を取得するステップと、
    前記不動産評価手段が、前記不動産情報に基づいて不動産の価値を示す不動産評価を算出するステップと、
    前記シミュレーション手段が、少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の購入及び維持に掛かる費用のシミュレーション結果を算出するステップと、
    前記出力手段が、少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、前記シミュレーション結果と、を前記ユーザ端末装置へと出力するステップと、を備え、
    前記シミュレーション結果を算出するステップが、
    少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の空室による収益損失率を算出するステップと、
    少なくとも、前記不動産情報と、前記不動産評価と、に基づいて、前記不動産の家賃変動率を算出するステップと、
    前記収益損失率及び/又は前記家賃変動率に基づいて前記不動産に係る収支を算出するステップと、を含むことを特徴とする、不動産情報の提供方法。
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