以下に添付図面を参照して、画像形成装置および制御装置の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置の構成の一例を示す図である。本実施の形態にかかる画像形成装置は、複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能といった複数の機能を1つの装置で実現させた複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)である。図1に示すように、画像形成装置は、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)101と、画像読取装置102と、プリンタユニット103と、を備える。
また、画像形成装置は、操作部が有するアプリケーション切替キーをユーザが操作することで、複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能等の中から実行する機能を選択する。画像形成装置は、複写機能が選択された場合には、複写モードに遷移し、プリンタ機能が選択された場合には、プリンタモードに遷移し、ファクシミリ機能が選択された場合には、ファクシミリモードに遷移する。例えば、画像形成装置は、パーソナルコンピュータ等の外部装置から送信される印刷ジョブを受信する。そして、プリンタ機能が選択されてプリンタモードに遷移している場合、外部装置から受信した印刷ジョブに従って印刷処理を実行する。
ADF101は、原稿を供給するための原稿給紙トレイ、当該原稿給紙トレイから原稿を取り出すピックアップローラ、原稿給紙トレイから取り出された原稿を1枚ずつ分離して画像読取装置102に供給する分離ローラ、画像読取装置102により読み取られた原稿が排出される排出トレイ等を有する。
画像読取装置102は、ADF101から供給される原稿が移動するコンタクトガラス、当該コンタクトガラスを通して原稿に光を照射する光源、原稿から反射した光を受光して電気信号に変換する光電変換素子等を有する。画像読取装置102は、その他に、複数の反射ミラー、集光レンズ、光電変換素子から出力される電気信号をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ等を有する。本実施の形態では、画像読取装置102は、原稿から反射した光を電気信号に変換する反射型の装置としたが、原稿を透過した光を電気信号に変換する透過型の装置としても良い。
プリンタユニット103は、電子写真方式により用紙に画像を形成する。具体的には、プリンタユニット103は、書込みユニット104、感光体ドラム105、現像ユニット106、搬送ベルト107、および定着ユニット108を有する。書込みユニット104は、エンジン制御部204(図2参照)から入力される画像データに基づいて、感光体ドラム105の表面に対して光を照射して、その表面に静電潜像を形成する。感光体ドラム105は、その表面が、帯電器により一様に帯電されているものとする。現像ユニット106は、感光体ドラム105の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像化して、トナー像を形成する。
感光体ドラム105の表面に形成されたトナー像は、搬送ベルト107により搬送される用紙等の記録媒体に転写される。定着ユニット108は、トナー像が転写された用紙に熱および圧力を加えて、トナー像を用紙に定着させる。トナー像が定着された用紙は、排紙トレイに排出される。
ここで、画像形成装置において複写機能を実行する場合の動作例について説明する。原稿の束がADF101の原稿給紙トレイにセットされ、操作部を用いて複写開始の指示が入力されると、原稿給紙トレイにセットされた原稿の束が、ピックアップローラによって取り出され、分離ローラにより分離されて1枚ずつ順に画像読取装置102のコンタクトガラス上に搬送される。画像読取装置102は、コンタクトガラス上に送られた原稿に光を照射し、原稿で反射した光を、光電変換素子によって電気信号に変換し、当該電気信号をA/Dコンバータによりデジタルデータに変換して、画像データとして出力する。
画像読取装置102から出力される画像データは、エンジン制御部204(図2参照)に送られ、シェーディング補正やガンマ補正等の各種画像処理が施され、書込みユニット104に画像情報として出力される。書込みユニット104は、エンジン制御部204(図2参照)から入力される画像データに基づいて、感光体ドラム105の表面に光を照射して静電潜像を形成する。その後、感光体ドラム105は、現像ユニット106によりトナーが付着されて、その表面にトナー像が形成される。
感光体ドラム105の表面に形成されたトナー像は、搬送ベルト107により搬送される用紙に押し付けられて転写される。感光体ドラム105の表面に残ったトナーは、クリーニングユニットにより除去される。トナー像が転写された用紙は、搬送ベルト107により定着ユニット108に搬送される。定着ユニット108は、用紙に熱を加えてトナーを溶かし、圧力を加えてトナーを用紙に定着させる。トナー像が定着された用紙は、排紙トレイに排出される。
図2は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置が有する電源供給ラインの一例を示す図である。図2に示すように、画像形成装置が有する電源供給ラインは、AC制御部201と、DC電源部202と、コントローラ部203と、エンジン制御部204と、を有する。AC制御部201は、商用電源S(外部電源の一例)から供給される交流電源(以下、AC電源と言う。電力の一例)を、定着ユニット108およびDC電源部202に供給する。定着ユニット108は、AC制御部201から供給されるAC電源を、当該定着ユニット108が有するヒータ(以下、定着ヒータと言う)に供給して、用紙に対する加熱を制御するオンオフ制御を実行する。
DC電源部202(電源部の一例)は、AC制御部201を介して商用電源Sから供給されるAC電源を、直流電源(以下、DC電源と言う)に変換して、画像形成装置の各部(例えば、コントローラ部203、画像読取装置102、プリンタユニット103、給紙搬送部205)に供給する。本実施の形態では、DC電源部202は、第1DC電源部Aおよび第2DC電源部Bを有する。第1DC電源部Aは、画像形成装置の電源のオンオフに関わらず(主電源スイッチ301(図6参照)による起動の指示に関わらず)、商用電源Sから供給されるAC電源を、DC電源に変換して出力する。本実施の形態では、第1DC電源部Aは、AC電源を、コントローラ部203へ供給する電源に変換して出力する系統(以下、5VX系統と言う)である。第2DC電源部Bは、画像形成装置の電源がオンされた場合に(主電源スイッチ301(図6参照)によって起動が指示された場合に)、商用電源Sから供給されるAC電源を、DC電源に変換して出力する。本実施の形態では、第2DC電源部Bは、エンジン制御部204を介して、画像読取装置102、プリンタユニット103、給紙搬送部205に対してDC電源を供給する。給紙搬送部205は、搬送ベルト107を含み、用紙を搬送する機構である。
コントローラ部203は、操作部を含み、第1DC電源部Aから供給されるDC電源により駆動する。エンジン制御部204は、第2DC電源部Bから供給されるDC電源を、画像読取装置102、プリンタユニット103、給紙搬送部205等の負荷部に供給して、当該負荷部を駆動させる。
画像形成装置は、その機能の多様化によって、コントローラ部203が含む操作部の起動に要する時間が長くなっており、それに伴い、画像形成装置全体の起動に要する起動時間への影響が大きくなっている。そのため、DC電源部202は、画像形成装置の電源がオフされている状態においても、コントローラ部203に対して微少電力を供給し続ける。これにより、画像形成装置の電源がオフされた場合でも、コントローラ部203の動作を終了させないことで、画像形成装置の電源がオンされた際の画像形成装置全体の起動時間を短縮している。しかしながら、画像形成装置の電源のオフに伴って、DC電源部202へのAC電源の供給が停止される画像形成装置においては、コントローラ部203の動作が終了してしまうので、画像形成装置全体の起動時間を短縮することが難しい。
そこで、画像形成装置に対して、5VX系統の電源として補助電源を搭載して、画像形成装置の電源がオフされた場合でも、コントローラ部203に対して、電源を供給し続ける技術がある。この技術によれば、商用電源SからのAC電源の供給が停止する停電時においても、補助電源から画像形成装置に対して電源を供給し続けて、停電時においても、ファクシミリ機能によって緊急連絡等を受信可能とする。ここで、ファクシミリ機能は、コントローラ部203が、外部装置から、緊急連絡等に関わるデータを受信して、画像形成装置が備える記憶装置(例えば、HDD:Hard Disk Drive)に保存する。その後、コントローラ部203は、画像形成装置が備えるUPS(Uninterruptible Power Supply)または停電から復旧した際の商用電源Sから供給される電源により、受信したデータを、用紙に印刷する。
次に、図3〜6を用いて、本実施の形態にかかる画像形成装置におけるコントローラ部203に対する電源供給ラインの一例について説明する。図3〜5は、従来の画像形成装置におけるコントローラ部に対する電源供給ラインの一例を示す図である。図6は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置におけるコントローラ部に対する電源供給ラインの一例を示す図である。
まず、従来の画像形成装置におけるコントローラ部203に対する電源供給ラインの一例について説明する。図3に示すMFP等の画像形成装置では、本実施の形態にかかる画像形成装置と同様に、第1DC電源部Aとコントローラ部203とが接続されている。また、図3に示す画像形成装置は、当該画像形成装置の起動を指示可能な主電源スイッチ301を有する。ここで、第1DC電源部Aは、AC制御部201を介して商用電源Sから供給されるAC電源をDC電源に変換して出力するコンバータ303と、当該コンバータ303から出力されるDC電源を所定電圧のDC電源に変換するDC−DCコンバータ302と、を備えるPSU(Power Supply Unit)等により構成される。
そして、図3に示す画像形成装置のコントローラ部203は、主電源スイッチ301が操作されて、画像形成装置の起動を指示する起動信号が入力されると、第1DC電源部Aから出力されるDC電源により駆動する。そのため、図3に示す画像形成装置では、商用電源SからのAC電源の供給が停止すると、コントローラ部203の動作が終了するため、画像形成装置の起動に要する起動時間が長くなる。
図4に示すMFP等の画像形成装置では、第1DC電源部A、コントローラ部203、および主電源スイッチ301に加えて、補助電源部401、およびACオンオフセンサ404を有する。ACオンオフセンサ404は、商用電源SからのAC電源の供給が停止する停電を検出する。補助電源部401は、蓄電池402と、充放電制御部403と、を備える。充放電制御部403は、商用電源SからAC電源が供給されている際に、第1DC電源部Aから供給されるDC電源によって蓄電池402を充電し、かつ蓄電池402を放電させてコントローラ部203に対してDC電源(電力の一例)を供給する。これにより、ACオンオフセンサ404によって停電を検出した場合でも、蓄電池402からコントローラ部203へDC電源を供給して、コントローラ部203の動作を継続できるので、画像形成装置の起動に要する起動時間を短くすることができる。また、ACオンオフセンサ404によって停電を検出した場合でも、外部装置から、ファクシミリ機能によるデータの受信が可能となる。
その際、図4に示す画像形成装置では、コントローラ部203が、蓄電池402の電池残量を検出し、当該検出した電池残量が10%以下となった場合、当該画像形成装置の動作を停止させるシャットダウン処理を実行する。これにより、蓄電池402からのDC電源の供給が不意に停止することによる、画像形成装置が有するHDD等のハードウェアの故障を防止する。また、図4に示す画像形成装置では、当該画像形成装置の起動時における、蓄電池402からのDC電源の供給の停止によるハードウェアの故障を防止するため、コントローラ部203が、蓄電池402の電池残量が5%未満となった場合、自身の動作も停止させる。
しかしながら、図4に示す画像形成装置では、コントローラ部203が、ACオンオフセンサ404および補助電源部401と通信する構成が必要となり、その構成が複雑となる。また、図5に示すように、画像形成装置本体に対して追加可能なオプション部501に補助電源部401を実装して、当該補助電源部401を画像形成装置に対して後付けできる構成とすることも可能であるが、画像形成装置本体の変更が大きくなり、コストアップにつながる。
これに対して、本実施の形態にかかる画像形成装置は、図6に示すように、コントローラ部203(制御部の一例)が、蓄電池402から供給されるDC電源により駆動する。そして、コントローラ部203は、主電源スイッチ301(電源スイッチの一例)が操作されて画像形成装置の起動を指示する起動信号が入力された場合に、画像形成装置を起動させ、かつ当該画像形成装置の動作状態に応じて、蓄電池402の電池残量を予測し、当該予測した電池残量が所定量以下である場合、画像形成装置の動作を終了させるシャットダウン処理を実行する。ここで、所定量は、画像形成装置を正常に動作可能な蓄電池402の電池残量の下限である。これにより、蓄電池402からのDC電源の供給が不意に断たれることがなくなるので、画像形成装置のハードウェアが故障することを防止できる。また、コントローラ部203が、蓄電池402の電池残量を検出する必要が無くなるので、補助電源部401の追加によるコントローラ部203のハードウェアの変更を無くすことができる。すなわち、画像形成装置の構成の複雑化を防止できる。
また、本実施の形態にかかる画像形成装置に追加されるオプション部501が、補助電源部401に加えて、主電源スイッチ機能切替回路601を有する。主電源スイッチ機能切替回路601(検出部の一例)は、第1DC電源部AからのDC電源が出力されているか否かを検出する。そして、主電源スイッチ機能切替回路601(切替部の一例)は、第1DC電源部AからDC電源が出力されていない停電を検出した場合に、主電源スイッチ301の操作による、画像形成装置の起動の指示を無効とする。本実施の形態では、主電源スイッチ機能切替回路601は、第1DC電源部AからDC電源が出力されていないことを検出した場合、コントローラ部203に対する起動信号の入力を禁止する。これにより、シャットダウン処理後の蓄電池402の残量が少ない状態で、画像形成装置が起動されることがなくなるので、画像形成装置の起動時に、当該画像形成装置のハードウェアに対して電源の供給が断たれて、当該ハードウェアが故障することを防止できる。また、コントローラ部203が、ACオンオフセンサ404から、停電の検出結果を取得する必要が無くなるので、画像形成装置の構成の複雑化を防止できる。
本実施の形態では、図6に示すように、画像形成装置に対して追加可能なオプション部501が、補助電源部401および主電源スイッチ機能切替回路601を含む構成としているが、画像形成装置が、補助電源部401および主電源スイッチ機能切替回路601を含む構成としても良い。また、本実施の形態では、コントローラ部203および主電源スイッチ機能切替回路601が制御装置の一例として機能する。
次に、図6および図7を用いて、本実施の形態にかかる画像形成装置が有する主電源スイッチ機能切替回路601の構成について説明する。図7は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置が有する主電源スイッチ機能切替回路の構成の一例を説明するための図である。
図7に示すように、主電源スイッチ機能切替回路601には、第1DC電源部Aから出力されるDC電源の電圧5VX_PSU、および蓄電池402から放電されるDC電源の電圧5VX_CTLが印加される。本実施の形態では、電圧5VX_PSUは、第1DC電源部AからDC電源が出力されている非停電時には、5.0Vとなり(以下、オンと言う)、第1DC電源部AからDC電源が出力されていない停電時には、0.0Vとなる(以下、オフと言う)。電圧5VX_CTLは、蓄電池402からDC電源が供給されている場合には、5.0Vとなり(以下、オンと言う)、蓄電池402の電池残量が無くなってDC電源が供給されていない場合には、0.0Vとなる(以下、オフと言う)。
また、図7に示すように、主電源スイッチ機能切替回路601は、NOT回路701と、NAND回路702と、を有する。NOT回路701は、主電源スイッチ301の操作状態および電圧5VX_CTLに応じて、その出力が変化する。NAND回路702は、NOT回路701からの出力および電圧5VX_PSUに応じて出力が変化する。
例えば、図7に示すように、第1DC電源部AからDC電源が出力されている通常時(非停電時)において、主電源スイッチ301がオフされて起動信号が出力されていない場合、NOT回路701の入力端子aはハイレベル(H)となる。また、NAND回路702の一方の入力端子bは、NOT回路701の入力端子aの論理を反転させたロウレベル(L)となる。さらに、第1DC電源部AがDC電源を出力しているため、NAND回路702の他方の入力端子cは、ハイレベルとなる。この場合、NAND回路702の出力端子dは、ハイレベルとなり、コントローラ部203に対して起動信号が出力されない。したがって、コントローラ部203は、NAND回路702の出力端子dがハイレベルの場合には、画像形成装置を起動させない。
また、例えば、図7に示すように、通常時において、主電源スイッチ301がオンされて起動信号が出力されている場合、NOT回路701の入力端子aはロウレベルとなる。また、NAND回路702の入力端子bは、NOT回路701の入力端子aの論理を判定させたハイレベルとなる。さらに、第1DC電源部AがDC電源を出力しているため、NAND回路702の入力端子cは、ハイレベルとなる。この場合、NAND回路702の出力端子dは、ロウレベルとなり、コントローラ部203に対して起動信号が出力される。そして、コントローラ部203は、NAND回路702の出力端子dがハイレベルからロウレベルになり、起動信号が入力されると、画像形成装置を起動させる。
また、例えば、図7に示すように、停電時において、主電源スイッチ301がオフされて起動信号が出力されていない場合、NOT回路701の入力端子aはハイレベルとなる。また、NAND回路702の一方の入力端子bは、NOT回路701の入力端子aの論理を反転させたロウレベルとなる。また、第1DC電源部AはDC電源を出力していないため、NAND回路702の他方の入力端子cは、ロウレベルとなる。この場合、NAND回路702の出力端子dは、ハイレベルとなり、コントローラ部203に対して起動信号が出力されない。したがって、コントローラ部203は、NAND回路702の出力端子dがハイレベルの場合には、画像形成装置を起動させない。
一方、図7に示すように、停電時において、主電源スイッチ301がオンされて起動信号が出力されている場合、NOT回路701の入力端子aは、ロウレベルとなる。また、NAND回路702の入力端子bは、NOT回路701の入力端子aの論理を反転させたハイレベルとなる。さらに、第1DC電源部AはDC電源を出力していないため、NAND回路702に入力端子cは、ロウレベルとなる。この場合、NAND回路702の出力端子dは、ハイレベルとして、コントローラ部203に対して起動信号が出力されない。そして、コントローラ部203は、NAND回路702の出力端子dがハイレベルの場合、画像形成装置を起動させない。
以上の構成によって、主電源スイッチ機能切替回路601は、通常時において主電源スイッチ301が操作されて画像形成装置の起動が指示された場合、コントローラ部203に対して起動信号を入力して、画像形成装置を起動させる。一方、主電源スイッチ機能切替回路601は、停電時において主電源スイッチ301が操作された画像形成装置の起動が指示された場合、コントローラ部203に対する起動信号の入力を禁止して、画像形成装置の起動の指示を無効とする。これにより、主電源スイッチ機能切替回路601において停電を検出するため、コントローラ部203がACオンオフセンサ404(図4,5参照)と通信する必要無くなるので、画像形成装置の構成の複雑化を防止できる。
本実施の形態によれば、第1DC電源部Aからコントローラ部203へのDC電源の供給経路、および主電源スイッチ301からコントローラ部203へ起動信号を伝送する伝送経路に変更が必要となる。しかし、当該供給経路および当該伝送経路のハーネスに対して、オプション部501を接続可能な中継ハーネスを設けることで、画像形成装置のハードウェアを変更することなく、オプション部501を接続することができる。
なお、図7に示すように、主電源スイッチ機能切替回路601の基板が故障した場合、または停電時において蓄電池402の電池残量が無くなった場合、NOT回路701の出力端子およびNAND回路702の出力端子dからの出力が無くなる。この場合、コントローラ部203は、画像形成装置を起動させない。
このように、第1の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、蓄電池402からのDC電源の供給が不意に断たれることがなくなるので、画像形成装置のハードウェアが故障することを防止できる。また、コントローラ部203が、蓄電池402の電池残量を検出する必要が無くなるので、補助電源部401の追加によるコントローラ部203のハードウェアの変更を無くすことができ、画像形成装置の構成の複雑化を防止できる。
さらに、シャットダウン処理後の蓄電池402の残量が少ない状態で、画像形成装置が起動されることがなくなるので、画像形成装置の起動時に、当該画像形成装置のハードウェアに対して電源の供給が断たれて、当該ハードウェアが故障することを防止できる。また、コントローラ部203が、ACオンオフセンサ404から、停電の検出結果を取得する必要が無くなるので、画像形成装置の構成の複雑化を防止できる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、DC電源部から出力されるDC電源を蓄電池に供給する電源線にブリーダ抵抗を備える例である。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
図8は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置におけるコントローラ部に対する電源供給ラインの一例を示す図である。図8に示すように、本実施の形態では、オプション部501は、ブリーダ抵抗801を有する。ブリーダ抵抗801は、第1DC電源部Aから出力されるDC電源を蓄電池402に供給する電源線802に設けられる。本実施の形態では、第1DC電源部Aは、アルミ電解コンデンサ(コンデンサの一例)を有する。当該アルミ電解コンデンサは、商用電源SからのAC電源の供給が停止した場合に放電して、第1DC電源部AからのDC電源の出力を継続可能とする。しかしながら、商用電源SからのAC電源の供給が停止したにも関わらず、第1DC電源部AからのDC電源の出力が継続されている状態において、主電源スイッチ301が操作されて画像形成装置の起動が指示されると、コントローラ部203によって画像形成装置が起動されてしまう。
そこで、本実施の形態にかかる画像形成装置は、第1DC電源部Aから出力されるDC電源を蓄電池402に供給する電源線802にブリーダ抵抗801を設ける。そして、ブリーダ抵抗801は、第1DC電源部Aが有するアルミ電解コンデンサから供給される電源を消費して、当該アルミ電解コンデンサから蓄電池402に対してDC電源が供給される時間を短縮する。
このように、第2の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、商用電源SからのAC電源の供給が停止したにも関わらず、第1DC電源部AからのDC電源の出力が継続されている場合に、コントローラ部203に対して、画像形成装置に対して起動が指示される可能性を低くすることができるので、商用電源SからのAC電源の供給が停止している場合に、画像形成装置が起動して誤作動を起こす頻度を減らすことができる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、蓄電池から供給されるDC電源の電圧が所定のスレッシュ電圧より低い場合、主電源スイッチの操作による、画像形成装置の起動の指示を無効とする例である。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
図9は、第3の実施の形態にかかる画像形成装置が有する主電源スイッチ機能切替回路の構成の一例を示す図である。本実施の形態では、主電源スイッチ機能切替回路900は、蓄電池402から供給されるDC電源の電圧が所定のスレッシュ電圧(所定の閾値の一例)より低い場合、主電源スイッチ301の操作による、画像形成装置の起動の指示を無効とする。ここで、所定のスレッシュ電圧は、画像形成装置が正常に動作するDC電源の電圧の閾値である。
停電時に、蓄電池402の電池残量が少ない状態でシャットダウン処理が実行された場合、商用電源SからのAC電源の供給が復旧した直後に、主電源スイッチ301が操作されて画像形成装置の起動が指示されると、蓄電池402の電池残量が少ない状態で画像形成装置が起動されるため、当該画像形成装置のハードウェアが故障する可能性がある。しかし、本実施の形態では、蓄電池402から供給されるDC電源の電圧が所定のスレッシュ電圧より低い場合には、画像形成装置が起動されないので、蓄電池402の電池残量が少ない状態で画像形成装置が起動されて、画像形成装置のハードウェアが故障することを防止できる。
具体的には、主電源スイッチ機能切替回路900は、NOT回路701およびNAND回路702に加えて、AND回路901と、コンパレータ902と、を有する。コンパレータ902は、蓄電池402から供給されるDC電源の電圧(電池出力電圧)と、所定のスレッシュ電圧と、が入力される。そして、コンパレータ902は、蓄電池402から供給されるDC電源の電圧が所定のスレッシュ電圧以上である場合、ハイレベルを出力する。AND回路901は、コンパレータ902からハイレベルが出力され、かつ第1DC電源部Aから供給されるDC電源の電圧5VX_PSUがハイレベル(すなわち、5.0V)である場合に、ハイレベルを出力する。
NAND回路702は、AND回路901からハイレベルが出力され、かつ主電源スイッチ301がオンされてNOT回路701からハイレベルが出力された場合に、コントローラ部203に対してロウレベルを出力する。これにより、主電源スイッチ機能切替回路900は、蓄電池402から供給されるDC電源の電圧が所定のスレッシュ電圧以上である場合、主電源スイッチ301の操作による、画像形成装置の起動の指示(起動信号)を有効化する。
一方、NAND回路702は、AND回路901がロウレベルが出力され(すなわち、電池出力電圧が所定のスレッシュ電圧より低く)、かつ主電源スイッチ301がオンされてNOT回路701からハイレベルが出力された場合に、コントローラ部203に対してハイレベルを出力する。これにより、主電源スイッチ機能切替回路900は、蓄電池402から供給されるDC電源の電圧が所定のスレッシュ電圧より低い場合、主電源スイッチ301の操作よる、画像形成装置の起動の指示を無効化する。
このように、第3の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、蓄電池402から供給されるDC電源の電圧が所定のスレッシュ電圧より低い場合には、画像形成装置が起動されないので、蓄電池402の電池残量が少ない状態で画像形成装置が起動されて、画像形成装置のハードウェアが故障することを防止できる。
ところで、蓄電池402(例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛電池)は、当該蓄電池402の温度によって電池残量が変化する特性を有する。例えば、ニッケル水素電池は、電池残量が無い場合の電池電圧が1.0V/セルとする。そして、ニッケル水素電池は、電池電圧が1.1Vである場合、当該ニッケル水素電池の温度が−25.0℃の際の電池残量が35%であり、当該ニッケル水素電池の温度が0.0℃の際の電池残量が15%であり、当該ニッケル水素電池の温度が40.0℃の際の電池残量が5%である。
そこで、上述の実施の形態に係る画像形成装置は、蓄電池402の温度を検出する温度検出部(例えば、蓄電池402に内蔵されるサーミスタ等の温度検出素子)をさらに備えていても良い。そして、コントローラ部203は、当該温度検出部により検出される温度に応じて、予測された電池残量を補正する。これにより、蓄電池402の電池残量をより正確に予測することができるので、蓄電池402からのDC電源の供給が不意に断たれる可能性をより低減できるので、画像形成装置のハードウェアが故障することを防止できる。
なお、本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、上述した各部(コントローラ部203)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(Central Processing Unit)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、コントローラ部203が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。