JP2005031380A - 画像形成装置 - Google Patents
画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005031380A JP2005031380A JP2003196063A JP2003196063A JP2005031380A JP 2005031380 A JP2005031380 A JP 2005031380A JP 2003196063 A JP2003196063 A JP 2003196063A JP 2003196063 A JP2003196063 A JP 2003196063A JP 2005031380 A JP2005031380 A JP 2005031380A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power
- auxiliary heater
- image forming
- forming apparatus
- voltage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Fixing For Electrophotography (AREA)
- Control Or Security For Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】機内を温度制御することで画像品質などを安定化すると共に、補助ヒータへの電力供給における電力の低減を図ること。
【解決手段】電子写真プロセスにしたがって感光体に画像を形成する画像形成装置において、機内の所定位置に配置される補助ヒータ207と、補助ヒータ207に対して電力を供給する蓄電可能な蓄電可能電源206と、AC電源201からのAC電圧をDC電圧に変換し、蓄電可能電源206にDC電圧を供給するAC/DCコンバータ203と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】電子写真プロセスにしたがって感光体に画像を形成する画像形成装置において、機内の所定位置に配置される補助ヒータ207と、補助ヒータ207に対して電力を供給する蓄電可能な蓄電可能電源206と、AC電源201からのAC電圧をDC電圧に変換し、蓄電可能電源206にDC電圧を供給するAC/DCコンバータ203と、を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主電源と蓄電可能な電源とを有する複写機やレーザプリンタなどの画像形成装置に関し、より詳細には、機内の所定部分を加温する補助ヒータへの電力供給を蓄電可能な電源から行なうなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やレーザプリンタなどの画像形成装置において、画像品質の維持や電気部品などの信頼性確保といった目的から機内に補助ヒータを配置し、これに常時通電を行なう装置が多い。すなわち、補助ヒータを用いて各ユニットの温度を一定にしたり、機内の除湿を行なっている。この温度制御を行なうことにより、画像のぼけやにじみの低減、転写不良などの画像品質の低下、記録紙の重送や紙詰まりの低減を図っている。
【0003】
他方、地球環境保全の強まりにより画像形成装置においても消費電力を低減するために省エネルギー施策が行なわれている。特に、画像形成動作を行なわない待機時に定着温度を下げて余熱状態にする省エネルギーモードが設けられている。また、電力消費量の多い定着装置への電力消費を抑制する狙いにより、メインのAC/DCコンバータ以外に、蓄電可能な電源を備えた画像形成装置が知られている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−315567号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に示されるように従来の画像形成装置にあっては、画像品質や搬送品質を安定化させるために補助ヒータを配置すると、補助ヒータはその機能上において常に通電しなければならず電源OFF時にも電力を供給する必要があった。このため上記品質を確保できるものの、消費電力を低減することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機内を温度制御することで画像品質などを安定化すると共に、補助ヒータへの電力供給における電力の低減を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる画像形成装置にあっては、電子写真プロセスにしたがって感光体に画像を形成する画像形成装置において、機内の所定位置に配置される補助ヒータと、前記補助ヒータに対して電力を供給する蓄電可能な蓄電手段と、主電源からのAC電圧をDC電圧に変換し、前記蓄電手段にDC電圧を供給するAC/DCコンバータと、を備えたものである。
【0008】
この発明によれば、機内の所定位置に配置される補助ヒータに対し、AC/DCコンバータから供給されるDC電圧によって蓄電する蓄電手段から電力を供給することにより、温度依存性の高い画像形成にかかわる品質を温度制御によって維持すると共に、従来のAC電源によらずに蓄電手段による補助ヒータへの電力供給とすることで省電力化が可能になる。
【0009】
また、請求項2にかかる画像形成装置にあっては、前記補助ヒータは、前記電子写真プロセスによる作像部の近傍に配置されるものである。
【0010】
この発明によれば、請求項1において、補助ヒータを電子写真プロセスに基づいた作像部に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給することにより、必要な画像品質を維持あるい向上させながら、消費電力の低減が可能になる。
【0011】
また、請求項3にかかる画像形成装置にあっては、前記補助ヒータは、前記感光体を加温する位置に配置されるものである。
【0012】
この発明によれば、請求項1において、補助ヒータを、温度依存性の高い電子写真プロセスにおける重要な特性を有する感光体に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給することにより、感光体特性の変化に起因するぼけやにじみなど画像品質の劣化を防止しながら、機械の消費電力を低減することが可能になる。
【0013】
また、請求項4にかかる画像形成装置にあっては、前記補助ヒータは、前記感光体に形成された画像を記録紙に転写する転写部の近傍に配置されるものである。
【0014】
この発明によれば、請求項1において、補助ヒータを、感光体に形成されたトナー像を転写する転写部に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給することにより、転写特性の変化に起因する転写不良など画像品質の劣化を防止しながら、機械の消費電力を低減することが可能になる。
【0015】
また、請求項5にかかる画像形成装置にあっては、さらに、画像を光学的に読み取る画像読取手段を備え、前記補助ヒータは、前記画像読取手段の内部に配置されるものである。
【0016】
この発明によれば、請求項1において、補助ヒータを、光学部品によって画像を読み取る画像読取手段(スキャナ)に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給することにより、スキャナ内の結露による光学部品の曇りなどを防せいで画像読取品質を安定化させると共に、機械の消費電力を低減することが可能になる。
【0017】
また、請求項6にかかる画像形成装置にあっては、前記補助ヒータは、記録紙を給紙する給紙部に配置されるものである。
【0018】
この発明によれば、請求項1において、補助ヒータを、記録紙を給紙する給紙部に配置することにより、記録紙の過剰な吸湿を防止して給紙品質を安定化させると共に、機械の消費電力を低減することが可能になる。
【0019】
また、請求項7にかかる画像形成装置にあっては、さらに、前記蓄電手段の電圧を監視する電圧監視手段と、前記電圧監視手段の電圧にしたがって前記補助ヒータのON/OFFを制御する制御手段と、を備えたものである。
【0020】
この発明によれば、請求項1〜6のいずれか一つにおいて、蓄電手段の出力電圧を監視し、その監視結果にしたがって補助ヒータをON/OFFすることにより、蓄電手段を効率よく使用することが可能になり、かつ機械の消費電力を抑制することが可能になる。
【0021】
また、請求項8にかかる画像形成装置にあっては、さらに、前記AC/DCコンバータからの電力供給と、前記蓄電手段からの電力供給と、を前記制御手段の切り替え信号にしたがって切り替える電圧供給切替手段を備えたものである。
【0022】
この発明によれば、請求項7において、補助ヒータへの供給電力を蓄電可能電源またはAC/DCコンバータからのいずれかに切り替えることにより、蓄電手段を効率よく使用することで、放電時間を短くしその寿命を延ばすことが可能になる。
【0023】
また、請求項9にかかる画像形成装置にあっては、前記制御手段は、主電源がOFFの場合、前記蓄電手段から前記補助ヒータへの電力供給を行なうように前記電圧供給切替手段を制御するものである。
【0024】
この発明によれば、請求項8において、主電源がOFFのときには蓄電手段から補助ヒータへ電力を供給することにより、主電源がOFF時にも補助ヒータへの通電が可能になると共に、機械の省電力化が実現する。
【0025】
また、請求項10にかかる画像形成装置にあっては、さらに、待機時に定着温度を通常より下げる省エネルギーモードを有し、前記制御手段は、前記省エネルギーモードである場合、前記蓄電手段から前記補助ヒータへの電力供給を行なうように前記電圧供給切替手段を制御するものである。
【0026】
この発明によれば、請求項8において、省エネルギーモードを有する画像形成装置において、省エネルギーモードのときには蓄電手段から補助ヒータに電力供給を行なうことにより、省エネルギーモード時にも補助ヒータへの給電が可能になると共に、機械の省電力化が実現する。
【0027】
また、請求項11にかかる画像形成装置にあっては、前記蓄電手段は、電気二重層コンデンサとするものである。
【0028】
この発明によれば、請求項1〜10のいずれか一つにおいて、電気二重層コンデンサを蓄電手段として用いることで、電気二重層コンデンサの優れた特性によって補助ヒータへの供給電圧の長時間化や、供給電力量の増大化が可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる画像形成装置の好適な実施の形態について添付図面を参照し、詳細に説明する。なお、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0030】
(実施の形態1)
まず、本発明が適用される画像形成装置の構成例について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示す説明図である。この画像形成装置は、いわゆる、マルチファンクションタイプであり、複写機能と、これ以外の機能、たとえばプリンタ機能、ファクシミリ機能とを有し、操作部のアプリケーション切り替えキーにより複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能である。すなわち、複写機能の選択時には複写モードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリントモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0031】
複写モードでは、つぎのように動作する。自動原稿送り装置(以下、ADFという)101においては、原稿台102に原稿がその画像面を上にしてセットされる原稿束は、操作部上のスタートキーが押下されると、一番下の原稿が給送ローラ103、給送ベルト104によってコンタクトガラス105上の所定の位置に給送される。ADF101は一枚の原稿の給送完了毎に原稿枚数をカウントアップするカウント機能を有する。コンタクトガラス105上の原稿は、画像読取装置106によって画像情報が読み取られた後に、給送ベルト104、排送ローラ107によって排紙台108上に排出される。
【0032】
原稿セット検出器109にて原稿台102上につぎの原稿が有ることが検出された場合には、同様に原稿台102上の一番下の原稿が給紙ローラ103、給送ベルト104によってコンタクトガラス105上の所定の位置に給送される。このコンタクトガラス105上の原稿は、画像読み取り装置106によって画像情報が読み取られた後に、給送ベルト104、排送ローラ107によって排紙台108上に排出される。ここで、給送ローラ3、給送ベルト4および排送ローラ7は搬送モータ(不図示)によって駆動される。
【0033】
第1給紙装置110、第2給紙装置111、第3給紙装置112は、操作部(不図示)から選択されたときあるいは自動選択により、それぞれ第1トレイ113、第2トレイ114、第3トレイ115に積載された転写材としての記録紙を給紙し、この記録紙は縦搬送ユニット116によって像担持体としての感光体ドラム117に当接する位置まで搬送される。なお、感光体ドラム117は、メインモータ(不図示)により回転駆動される。
【0034】
画像読取装置106にて原稿から読み込まれた画像データは、図示しない画像処理手段を介して書き込みユニット118によって光情報に変換され、感光体ドラム117は図示しない帯電器により一様に帯電された後に書き込みユニット118からの光情報で露光されて静電潜像が形成される。この感光体ドラム117上の静電潜像は現像装置119により現像されてトナー像となる。
【0035】
搬送ベルト120は、用紙搬送手段および転写手段を兼ねており、電源から転写バイアスが印加され、縦搬送ユニット116から搬送される記録紙を感光体ドラム117と等速で搬送しながら感光体ドラム117上のトナー像を記録紙に転写させる。この記録紙は、定着装置121によりトナー像が定着され、排紙ユニット122により排紙トレイ123に排出される。感光体ドラム117はトナー像が転写された後に図示しないクリーニング装置によりクリーニングされる。なお、感光体ドラム117、帯電器、書き込みユニット118、現像装置119、転写手段は画像データにより画像を記録紙上に形成する画像形成手段を構成している。
【0036】
以上の動作は通常のモードで用紙の片面に画像を複写するときの動作であるが、両面モードで記録紙の両面に画像を複写する場合には、それぞれの給紙トレイ113〜115のいずれかより給紙されて表面に上述のように画像が形成された記録紙は、排紙ユニット122により排紙トレイ123側ではなく両面入紙搬送路124側に切り替えられ、反転ユニット125によりスイッチバックされて表裏が反転され、両面搬送ユニット126へ搬送される。
【0037】
この両面搬送ユニット126へ搬送された記録紙は、両面搬送ユニット126により縦搬送ユニット116へ搬送され、縦搬送ユニット116により感光体ドラム117に当接する位置まで搬送され、感光体ドラム117上に上述と同様に形成されたトナー像が裏面に転写されて定着装置121でトナー像が定着されることにより両面コピーとなる。この両面コピーは排紙ユニット122により排紙トレイ123に排出される。
【0038】
また、記録紙を反転して排出する場合には、反転ユニット125によりスイッチバックされて表裏が反転された記録紙は、両面搬送ユニット126に搬送されずに反転排紙搬送路127を経て排紙ユニット122により排紙トレイ123に排出される。
【0039】
プリントモードでは、上記読み取って処理された画像データの代りに外部からの画像データが書き込みユニット118に入力されて上述の画像形成手段により記録紙上に画像が形成される。さらに、ファクシミリモードでは、画像読取装置106からの画像データが図示しないファクシミリ送受信部により相手に送信され、相手からの画像データがファクシミリ送受信部で受信されて書き込みユニット118に入力されることにより、上述の画像形成手段により記録紙上に画像が形成される。
【0040】
図2は、本発明の実施の形態1にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。図において、符号201はたとえば100Vの商用電源として提供されるAC電源、符号202はON/OFF操作により機械への電源投入/遮断が行なわれる電源スイッチ、符号203はAC電力から機内で必要なDC電源に変換し、各負荷へ電力を供給するAC/DCコンバータ、符号204はDC電源で駆動される各種の負荷、符号205はマイクロコンピュータシステムにより構成され本装置を統括的に制御する本体制御部、符号206はAC/DCコンバータ203からの充電用DCにより蓄電する蓄電可能電源、符号207は蓄電可能電源206から電力が供給され、機内の所定位置に配置され機内を加温する補助ヒータである。
【0041】
AC電源は、主に定着部121とAC/DCコンバータ203に分配される。AC/DCコンバータ203へのAC電力の供給は、電源スイッチ202を介して行なわれ、この電源スイッチ202のOFF操作により機械への電源が遮断される。AC/DCコンバータ203は、供給されたAC電力から機内で必要なDC電源に変換し、本体制御部205や負荷204へDC電力を供給する。
【0042】
蓄電可能電源206は、補助ヒータ207の駆動用電源として用いられる。この蓄電可能電源206は充電池などの充電可能なものであればよい。
【0043】
一般に、補助ヒータ207の駆動は、その機能上、画像形成動作時だけでなく待機時も駆動することが多い。このため、従来は、AC電源のスイッチをONしてからOFFするまでの間、消費電力が増大させていた。これに対してこの実施の形態1では、図2に示すように、充電可能電源206から補助ヒータ207へ電力を供給する構成とすることにより、補助ヒータ207の機能を確保しながら機械の消費電力を低減させることが可能になる。
【0044】
(実施の形態2)
この実施の形態2では、前述した実施の形態1の補助ヒータ208をプロセス安定化のために用いる例について説明する。一般的に、高速機などの画像形成装置では、作像プロセスを安定化させるために補助ヒータで加温することが行なわれている。これは、画像形成装置の作像プロセスは、温湿度に作像条件が左右され、画像品質に影響を及ぼすためである。従来は、このような補助ヒータを常にAC電源から駆動している構成としているので消費電力が大きくなっていた。そこで、この実施の形態では、蓄電可能な電源によって補助ヒータを駆動させる構成とする。
【0045】
図3は、本発明の実施の形態2にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2の補助ヒータ207を作像部208に配置したものであり、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0046】
作像部208は、たとえば図1に示す感光体ドラム117、帯電、現像装置119、転写部、分離部など電子写真プロセスの部分である。また、これらのプロセス機能部分をケース内に一体的に配置したプロセスカートリッジ(不図示)に配置してもよい。
【0047】
このように、作像プロセスの温度制御用として用いる補助ヒータ207の供給電源を、蓄電可能電源206から供給する構成とすることにより、温度制御を常に行なうという機能を確保しながら機械の消費電力を低減することができる。すなわち、環境条件に左右されるプロセスを安定化して画像品質を維持したうえで消費電力の低減が可能になる。
【0048】
(実施の形態3)
電子写真プロセスによる複写機などの画像形成装置では、そのプロセスが温度依存することは一般的に知られており、特に、感光体は温湿度によって感度特性が変化する。すなわち、環境条件によって潜像電位が変化し、画像ぼけやにじみなどの画質劣化を招来させることになる。このため、従来より感光体を温度制御することが行なわれている。ところが、常に通電状態であるために消費電力が増大していた。そこで、この実施の形態3では、補助ヒータ207を感光体ドラム117に配置し、蓄電可能電源206からこの補助ヒータ207に電力を供給する構成とする。
【0049】
図4は、本発明の実施の形態3にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2の補助ヒータ207を感光体ドラム117内に配置したものである。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0050】
補助ヒータ207は、図5(a)に示すように円筒型の面状ヒータ、あるいは(b)に示すような管状ヒータなどであってもよい。また、感光体の形態がベルトであれば平板のヒータが好ましい。
【0051】
したがって、以上の構成により、温度依存性を有する感光体部分に補助ヒータ207を設けて温度制御することにより、感光体特性の安定性を維持し、かつ機械の消費電力を低減することが可能になる。
【0052】
(実施の形態4)
先に述べたように電子写真プロセスは温度依存性することが知られている。その一要因として転写部においては環境(温湿度)の依存性も高いことが知られている。これは、転写時に湿度が高い場合と低い場合では、転写特性が異なることに起因しており、転写不良などの画質低下を招来させることになる。そこで、従来から転写部分に補助ヒータを設け、常に通電状態としている。ところが、常時通電であるために消費電力がかかってしまう。そこで、この実施の形態は、転写部分に補助ヒータ207を配置し、転写部分の温湿度差を小さくするように加温して適正な転写条件に維持することにより、転写不良(転写率低下による画像濃度の劣化、転写剥離)などの発生を回避すると共に、消費電力を低減させるものである。
【0053】
図6は、本発明の実施の形態4にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2に示した補助ヒータ207を転写部210に配置したものである。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0054】
図7は、転写部210および補助ヒータ207の配置関係を示すものである。図示するように、転写部210の下部近傍に面状の補助ヒータ207を配置する。符号211はレジストローラである。なお、面状に限らず管状の補助ヒータ207であってももちろんよい。なお、転写部の構成を転写チャージャの例で図示したが、この他に転写ローラ型の転写部であってもよい。
【0055】
したがって、上記のように転写部を補助ヒータ207で加温することで、除湿効果によって転写性特性が安定し、その結果、良好な転写品質が得られると共に、蓄電可能電電206で補助ヒータ207を駆動することにより省電力化が実現する。
【0056】
(実施の形態5)
ところで、画像形成装置における画像読取装置(スキャナ部)106は、内部にミラー、レンズ、CCDなどの光学部品が配置されている。これらの光学部品は、結露による曇りなどが発生するとその性能は著しく低下することになる。このため、スキャナ部内部にヒータを設けている装置が多い。ところが、このヒータは、その機能上から常に通電状態であることが望ましいが、消費電力が多くなってしまうことになる。そこで、この実施の形態では、スキャナ部に補助ヒータを配置し、この補助ヒータに対して蓄電可能な電源から電力の供給を行なうことにする。
【0057】
図8は、本発明の実施の形態5にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2の補助ヒータ207を画像読取装置106に配置したものである。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0058】
画像読取装置106の概略構成は図1に示した通りである。画像読取装置106の光学部品であるミラー129〜131、レンズ132、CCDイメージセンサ133などの部分に結露が発生しないように筐体内部に補助ヒータ207を設け、この補助ヒータ207への電力供給を蓄電可能電源206から行なう。補助ヒータ207の位置は光路を遮断しない位置でかつ効率的な位置、たとえばレンズ132の下方に配置する。また、補助ヒータ207としては面状ヒータが好ましい。
【0059】
したがって、画像読取装置106の内部に蓄電可能電源206から電力供給が行なわれる補助ヒータ207を設けることで、画像読取装置106の除湿機能を確保しつつ、機械の消費電力を低減することができる。なお、この実施の形態5では画像読取装置106内に補助ヒータ207を配置する例について説明したが、この他に、ポリゴンミラー、fθレンズ、アパーチャレンズ、コリメートレンズ、シリンドリカルレンズなどの光学部品、レーザダイオードなどを有する書き込みユニット118内に同様に配置してもよい。
【0060】
(実施の形態6)
記録紙を積載し給紙搬送する給紙部において、湿度値が記録紙へ大きな影響を及ぼす。湿度が高い状態で吸湿された記録紙を給紙すると、重送(多数枚送り)や不送り、紙詰まりなどの給紙搬送不良が発生しやすくなる。また、吸湿したままの状態の記録紙に転写すると、転写抜けなどの画質低下を招来させることになる。そこで、従来においては給紙部に除湿用のヒータを設けている装置がある。
しかし、このヒータを常時駆動しておくため消費電力が多くなりという不具合があった。そこで、この実施の形態では、給紙部分に、蓄電可能電源から電力供給される補助ヒータを設けて対処する。
【0061】
図9は、本発明の実施の形態6にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2の補助ヒータ207を給紙装置(110,111,112)に配置したものである。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0062】
このように、給紙装置(110,111,112)の各部に補助ヒータ207を配置し、これに蓄電可能電源206から電力を供給する。したがって、この補助ヒータ207が給紙部分を除湿することになるので、吸湿による給紙不良および転写不良の発生を低下させることができる。
【0063】
(実施の形態7)
さて、上述してきた蓄電可能電源206は、通常、電力供給が可能なようにAC/DCコンバータ203を介して充電しておき、その状態で負荷204へ電力供給を行なう。反対に、負荷204に供給できる電力を消費してしまうと、その後は新たに電力を充電しなければならない。つまり、充電可能な電源の負荷として補助ヒータ207を設けた場合、その機能上、極力、その通電を停止したくない。しかし、駆動中に電力が不足することが考えられる。そこで、この実施の形態7では以下のように構成し、動作させる。
【0064】
図10は、本発明の実施の形態7にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2の蓄電可能電源206の出力側に、蓄電可能電源206の電圧レベルを監視するための電圧監視部215を接続し、その監視電圧を本体制御部205にフィードバックする構成としたものである。また、補助ヒータ207は本体制御部205から出力される補助ヒータON/OFF信号にしたがって駆動される。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0065】
電圧監視の方法としては、電圧をコンパレータやAD入力素子に入力するなど蓄電可能電源206の電圧が監視できる構成であればよい。
【0066】
上記図10のように構成された画像形成装置の動作について図11のフローチャートに示す。この動作は本体制御部205によって実行される。図11において、まず、補助ヒータ207をONし(ステップS11)、電圧監視部215により電圧を入力し、その電圧があらかじめ定めた必要電圧以上(電圧OK)であるか否かを判断する(ステップS12)。ここで、当該電圧が必要電圧以上であれば、さらに補助ヒータ207がOFFであるか否かを判断する(ステップS13)。
【0067】
ステップS13において、補助ヒータ207がOFFであればそのまま補助ヒータ207をOFFし(ステップS14)、補助ヒータ207がOFFでなければステップS12に戻り、蓄電可能電池206の出力電圧を監視する。また、ステップS12において、当該電圧が必要電圧に達してなければ、補助ヒータ207をOFFし(ステップS15)、蓄電可能電池206への充電を行ない(ステップS16)、電圧チェックを実行し(ステップS17)、電圧OKであればステップS11に戻る。
【0068】
すなわち、充電可能電源206からの出力電圧を電圧監視部215で監視しておき、もし、その電圧が必要電圧以上であれば補助ヒータ207をOFFするタイミングまでそのまま補助ヒータ207を駆動し、もし、電圧が必要電圧を下まわった場合は、一旦、補助ヒータ207を停止させ、再び補助ヒータ207を駆動することの可能な電圧に復帰するま充電可能電源206への充電を行なう。充電が完了し、出力電圧が補助ヒータ207を駆動することが可能になると、その時点で補助ヒータ207を再駆動する。
【0069】
したがって、上述したように充電可能電源206の出力レベルを監視し、制御することにより、蓄電されている電力を効率よく補助ヒータ207に供給することができる。
【0070】
(実施の形態8)
前述した実施の形態7では、補助ヒータ207に対し、蓄電可能電源206の電力が不足した場合、充電を行なうことにより、蓄電電力を効率よく使用することが可能になる。しかし、補助ヒータ207の駆動中に供給電圧が不足し、補助ヒータ207をOFFさせると、温度制御ができなくなるので、使用する環境状態によっては結露発生が懸念される。そこで、この実施の形態8では、以下のような構成および動作とする。
【0071】
図12は、本発明の実施の形態8にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図10に示す構成に対し、蓄電可能電源206の出力側に、蓄電可能電源206の電圧レベルを監視するための電圧監視部215を接続し、その監視電圧を本体制御部205にフィードバックする構成と、さらに補助ヒータ207への電力供給を、蓄電可能電源206とAC/DCコンバータ203からの何れかから行なうように切り替える供給経路切替スイッチ216を接続したものである。また、補助ヒータ207は本体制御部205から出力される補助ヒータON/OFF信号にしたがって駆動され、また、供給経路切替スイッチ216は本体制御部205からのスイッチON/OFF信号にしたがって動作する。
【0072】
すなわち、補助ヒータ207への電力供給の経路を、蓄電可能電源206からの経路Aと、AC/DCコンバータ203からの経路Bの何れかとなるように、電圧監視部215の監視電圧にしたがって制御する構成とする。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0073】
上記図12のように構成された画像形成装置の動作を図13のフローチャートに示す。この動作は本体制御部205によって実行される。図13において、まず、当初は実施の形態7と同様に、補助ヒータ207をONし(ステップS21)、電圧監視部215により電圧を入力し、その電圧があらかじめ定めた必要電圧以上(電圧OK)であるか否かを判断する(ステップS22)。ここで、当該電圧が必要電圧以上であれば、さらに補助ヒータ207がOFFであるか否かを判断する(ステップS23)。
【0074】
ステップS23において、補助ヒータ207がOFFであればそのまま補助ヒータ207をOFFし(ステップS24)、補助ヒータ207がOFFでなければステップS22に戻り、蓄電可能電池206の出力電圧を監視する。
【0075】
ステップS22において電圧OKでなければ、供給経路切替スイッチ216を経路AからBに切り替え(ステップS25)、蓄電可能電池206に電力を充電する(ステップS26)。続いて、補助ヒータ207がOFFであるか否かを判断し(ステップS27)、OFFであればステップS24に移行し、OFFでなければ蓄電可能電池206の出力電圧を監視する(ステップS28)。ここで、電圧OKであると判断した場合、供給経路切替スイッチ216を経路BからAに切り替え(ステップS29)、ステップS22に戻る。
【0076】
すなわち、本体制御部205は、補助ヒータ207をONし、電圧監視部215によって蓄電可能電源207からの出力電圧を監視し、もし、その電圧が補助ヒータ207を駆動するのに十分であれば、そのまま補助ヒータ207を停止するタイミングまで駆動させる。
【0077】
一方、上記の出力電圧が補助ヒータ207を駆動するには不足レベルと判断した場合、供給経路切替スイッチ216を蓄電電力経路のAからAC/DCコンバータ203からの経路Bに切り替える。
【0078】
上記動作によって、蓄電可能電源207は、補助ヒータ207への供給がなくなるため、充電可能になって不足分の充電を行なう。なお、この間は補助ヒータ207は経路Bからの電力によって駆動が継続される。並行して蓄電可能電源207の電圧レベルは監視され、補助ヒータ207への電力供給が可能なレベルになるまで充電を行ない、供給可能に達したとき、供給経路切替スイッチ216を経路Aに切り替える。
【0079】
なお、この間に補助ヒータ207のOFFの必要が生じた場合は、そのまま補助ヒータ207をOFFすればよい。供給経路切替スイッチ216を切り替えた後、補助ヒータ207がOFFのタイミングまで上述と同様のの制御を繰り返し実行し、補助ヒータ207がOFFのタイミングで補助ヒータ207をOFFする。
【0080】
したがって、補助ヒータ207への電力供給を、蓄電可能電源206からと、AC/DCコンバータ203からとの何れかに切り替えることにより、蓄電可能電源206を効率よく使用することができる。
【0081】
(実施の形態9)
ところで、地球温暖化などの環境問題などの理由により、画像形成装置においても消費電力の低減要求されている。特に、電源スイッチOFF後ノ消費電力を抑制する必要がある。ところが、現状では画像形成動作が終了して電源をOFFする場合でも、電源OFF中に機内の温度が下がり結露が発生する可能性があるため、補助ヒータへの電力はOFFせずにそのまま通電しておくことが多い。このため電源OFF時にも電力の消費があった。そこで、この実施の形態では、以下のような制御を行なうことによって電源OFF時における電力消費を低減させるものである。
【0082】
図14は、本発明の実施の形態9にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。画像形成装置は前述の図12に示すように構成され、本体制御部205によってこの制御が実行される。図14において、まず、補助ヒータ207をONし(ステップS31)、電源スイッチ202がOFFであるか否かを判断する(ステップS32)。ここで、電源スイッチ202がOFFであれば、さらに供給経路切替スイッチ216の経路がA側であるか否かを判断する(ステップS33)。ここで、供給経路切替スイッチ216の経路がA側であれば補助ヒータをONする(ステップS34)。また、供給経路切替スイッチ216の経路がA側ではない場合、供給経路切替スイッチ216の経路をBからAに切り替え(ステップS35)、補助ヒータをONする(ステップS34)。
【0083】
したがって、電源スイッチ202がOFFのときには蓄電可能電源206から補助ヒータ207へ電力を供給するため、入力側のAC電力は不要になり、電源スイッチ202がOFFの場合であっても補助ヒータ207の機能を維持させた状態で、かつ電源OFF時の電力消費を低減させることができる。
【0084】
(実施の形態10)
前述した通り装置の消費電力の低減が要求されているため、待機時に定着温度を低めに制御する省エネルギーモードを設けている装置が多くなってきている。
このモードに移行する場合も。移行時に、機内の温度が低下して結露が発生する可能性があるため、常時AC側から補助ヒータに電力供給を行なう必要が生じ、その分の消費電力がかかっていた。そこで、この実施の形態10では、画像形成装置が省エネルギーモードを有し、当該モードになっていた場合、蓄電が可能な電源から補助ヒータへ電力を供給する例について述べる。
【0085】
図15は、本発明の実施の形態10にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。画像形成装置は前述の図12に示すように構成され、省エネルギーモード(待機モード、余熱モード、スリープモード)を有している。この制御は本体制御部205によって実行される。図15において、まず、補助ヒータ207をONし(ステップS41)、その後、省エネルギーモード(図中では省エネモードと記述)であるか否かを判断する(ステップS42)。ここで、省エネルギーモードであれば、さらに供給経路切替スイッチ216の経路がA側であるか否かを判断する(ステップS43)。ここで、供給経路切替スイッチ216の経路がA側であれば補助ヒータをONする(ステップS44)。また、供給経路切替スイッチ216の経路がA側ではない場合、供給経路切替スイッチ216の経路をBからAに切り替え(ステップS45)、補助ヒータをONする(ステップS44)。
【0086】
したがって、省エネルギーモードに移行するときには蓄電可能電源206から補助ヒータ207へ電力を供給することにより、省エネルギーモードに移行しても補助ヒータ207の機能を維持させた状態で、かつ電力消費を低減させることができる。
【0087】
(実施の形態11)
この実施の形態11では、上述してきた蓄電可能な電源として電気二重層コンデンサを利用する例について述べる。一般的に、充電可能な電源の一つとして、電気二重層(Electric Double Layer)コンデンサがある。この実施の形態では、画像形成装置にこの電気二重層コンデンサ220として用いる。この構成例を図16に示す。電気二重層コンデンサ220を具備したこの画像形成装置は、前述した実施の形態1〜10と同様に用いられる。
【0088】
電気二重層コンデンサは、小型であって、短時間で充電することができ、かつ大電流で放電できるという優れた特性を有し、さらに電極材料を活性炭で構成し自然発生する電気二重層を誘電体として利用しているので、クリーンエネルギーといった特長をもっている。画像形成装置の補助ヒータ207は、比較的大電力のものに使用されることが多い。すなわち、温度制御が必要なユニット(感光体ユニット、転写ユニット、給紙ユニットなど)が比較的大きいためである。また、補助ヒータ207は、その機能上において極力OFFしている時間が短い方が、温度制御が容易になる。
【0089】
したがって、電気二重層コンデンサ220を備えることにより、大電力を補助ヒータ207に供給することが可能となる。さらに短時間で充電が可能であるため、補助ヒータ207に対するあらゆる場面においてOFF時間が短いので画像形成への影響を小さくすることができる。また、AC/DCコンバータ203からの補助ヒータ207への電力供給を抑制することによって省電力化が実現する。すなわち、補助ヒータ207への供給電力の長時間化や、供給電力量の増大を図ることができる。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる画像形成装置(請求項1)によれば、機内の所定位置に配置される補助ヒータに対し、AC/DCコンバータから供給されるDC電圧によって蓄電する蓄電手段から電力を供給するため、機内を温度制御することで画像品質などを安定化することができると共に、従来のAC電源によらずに蓄電手段による補助ヒータへの電力供給とすることで省電力化を図ることができる。
【0091】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項2)によれば、請求項1において、補助ヒータを電子写真プロセスに基づいた作像部に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給するように構成したので、必要な画像品質を維持あるい向上させながら、消費電力の低減を行なうことができる。
【0092】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項3)によれば、請求項1において、補助ヒータを、温度依存性の高い電子写真プロセスにおける感光体、すなわち温度のよって左右される感度特性が変化するプロセス上において重要な感光体に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給する構成としたので、感光体特性の変化に起因するぼけやにじみなど画像品質の劣化を防止することができ、しかも蓄電手段からの給電であるため、機械の消費電力を低減することができる。
【0093】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項4)によれば、請求項1において、補助ヒータを、感光体に形成されたトナー像を転写する転写部に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給する構成としたので、転写特性の変化に起因する転写不良など画質劣化を防止することができ、かつ蓄電手段からの給電であるため、機械の消費電力を低減することができる。
【0094】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項5)によれば、請求項1において、補助ヒータを、光学部品によって画像を読み取る画像読取手段(スキャナ)に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給するように構成したので、スキャナ内の結露による光学部品の曇りなどを防止して画像読取品質が安定化すると共に、蓄電手段からの給電であるため、機械の消費電力を低減することができる。
【0095】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項6)によれば、請求項1において、補助ヒータを、記録紙を給紙する給紙部に配置する構成としたので、記録紙の過剰な吸湿を防止して重送、不送りなどの発生率を低減させることができると共に、蓄電手段からの給電する構成であるため、機械の消費電力を低減することができる。
【0096】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項7)によれば、請求項1〜6のいずれか一つにおいて、蓄電手段の出力電圧を監視し、その監視結果にしたがって補助ヒータをON/OFFする構成としたので、蓄電手段を効率よく使用することができ、かつ蓄電手段からの給電であるため、機械の消費電力を抑制することができる。
【0097】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項8)によれば、請求項7において、補助ヒータへの供給電力を蓄電可能電源またはAC/DCコンバータからのいずれかに切り替える構成としたので、蓄電手段を効率よく使用することができ、また放電時間を短くしその寿命を延ばすことができる。
【0098】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項9)によれば、請求項8において、主電源がOFFのときには蓄電手段から補助ヒータへ電力を供給する構成としたので、主電源がOFF時にも補助ヒータへの通電が行なえると共に、蓄電手段からの給電であるため、機械の省電力化が実現する。
【0099】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項10)によれば、請求項8において、省エネルギーモードを有する画像形成装置において、省エネルギーモードのときには蓄電手段から補助ヒータに電力供給を行なう構成としたので、省エネルギーモード時にも補助ヒータへの給電ができると共に、蓄電手段からの給電であるため、機械の省電力化が実現する。
【0100】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項11)によれば、請求項1〜10のいずれか一つにおいて、電気二重層コンデンサを蓄電手段として用いる構成とすることにより、電気二重層コンデンサが有する優れた充放電特性が活用されるので、補助ヒータへの供給電圧の長時間化や、供給電力量の増大化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態3にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図5】補助ヒータの感光体ドラムへの組み込み例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態4にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図7】転写部および補助ヒータの配置関係を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態5にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態6にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態7にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態7にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態8にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態8にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態9にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態10にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態11にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
106 画像読取装置
110 第1給紙装置
111 第2給紙装置
112 第3給紙装置
117 感光体ドラム
201 AC電源
202 電源スイッチ
203 AC/DCコンバータ
205 本体制御部
206 蓄電可能電源
207 補助ヒータ
208 作像部
210 転写部
215 電圧監視部
216 供給経路切替部
220 電気二重層コンデンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、主電源と蓄電可能な電源とを有する複写機やレーザプリンタなどの画像形成装置に関し、より詳細には、機内の所定部分を加温する補助ヒータへの電力供給を蓄電可能な電源から行なうなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やレーザプリンタなどの画像形成装置において、画像品質の維持や電気部品などの信頼性確保といった目的から機内に補助ヒータを配置し、これに常時通電を行なう装置が多い。すなわち、補助ヒータを用いて各ユニットの温度を一定にしたり、機内の除湿を行なっている。この温度制御を行なうことにより、画像のぼけやにじみの低減、転写不良などの画像品質の低下、記録紙の重送や紙詰まりの低減を図っている。
【0003】
他方、地球環境保全の強まりにより画像形成装置においても消費電力を低減するために省エネルギー施策が行なわれている。特に、画像形成動作を行なわない待機時に定着温度を下げて余熱状態にする省エネルギーモードが設けられている。また、電力消費量の多い定着装置への電力消費を抑制する狙いにより、メインのAC/DCコンバータ以外に、蓄電可能な電源を備えた画像形成装置が知られている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−315567号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に示されるように従来の画像形成装置にあっては、画像品質や搬送品質を安定化させるために補助ヒータを配置すると、補助ヒータはその機能上において常に通電しなければならず電源OFF時にも電力を供給する必要があった。このため上記品質を確保できるものの、消費電力を低減することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機内を温度制御することで画像品質などを安定化すると共に、補助ヒータへの電力供給における電力の低減を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる画像形成装置にあっては、電子写真プロセスにしたがって感光体に画像を形成する画像形成装置において、機内の所定位置に配置される補助ヒータと、前記補助ヒータに対して電力を供給する蓄電可能な蓄電手段と、主電源からのAC電圧をDC電圧に変換し、前記蓄電手段にDC電圧を供給するAC/DCコンバータと、を備えたものである。
【0008】
この発明によれば、機内の所定位置に配置される補助ヒータに対し、AC/DCコンバータから供給されるDC電圧によって蓄電する蓄電手段から電力を供給することにより、温度依存性の高い画像形成にかかわる品質を温度制御によって維持すると共に、従来のAC電源によらずに蓄電手段による補助ヒータへの電力供給とすることで省電力化が可能になる。
【0009】
また、請求項2にかかる画像形成装置にあっては、前記補助ヒータは、前記電子写真プロセスによる作像部の近傍に配置されるものである。
【0010】
この発明によれば、請求項1において、補助ヒータを電子写真プロセスに基づいた作像部に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給することにより、必要な画像品質を維持あるい向上させながら、消費電力の低減が可能になる。
【0011】
また、請求項3にかかる画像形成装置にあっては、前記補助ヒータは、前記感光体を加温する位置に配置されるものである。
【0012】
この発明によれば、請求項1において、補助ヒータを、温度依存性の高い電子写真プロセスにおける重要な特性を有する感光体に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給することにより、感光体特性の変化に起因するぼけやにじみなど画像品質の劣化を防止しながら、機械の消費電力を低減することが可能になる。
【0013】
また、請求項4にかかる画像形成装置にあっては、前記補助ヒータは、前記感光体に形成された画像を記録紙に転写する転写部の近傍に配置されるものである。
【0014】
この発明によれば、請求項1において、補助ヒータを、感光体に形成されたトナー像を転写する転写部に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給することにより、転写特性の変化に起因する転写不良など画像品質の劣化を防止しながら、機械の消費電力を低減することが可能になる。
【0015】
また、請求項5にかかる画像形成装置にあっては、さらに、画像を光学的に読み取る画像読取手段を備え、前記補助ヒータは、前記画像読取手段の内部に配置されるものである。
【0016】
この発明によれば、請求項1において、補助ヒータを、光学部品によって画像を読み取る画像読取手段(スキャナ)に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給することにより、スキャナ内の結露による光学部品の曇りなどを防せいで画像読取品質を安定化させると共に、機械の消費電力を低減することが可能になる。
【0017】
また、請求項6にかかる画像形成装置にあっては、前記補助ヒータは、記録紙を給紙する給紙部に配置されるものである。
【0018】
この発明によれば、請求項1において、補助ヒータを、記録紙を給紙する給紙部に配置することにより、記録紙の過剰な吸湿を防止して給紙品質を安定化させると共に、機械の消費電力を低減することが可能になる。
【0019】
また、請求項7にかかる画像形成装置にあっては、さらに、前記蓄電手段の電圧を監視する電圧監視手段と、前記電圧監視手段の電圧にしたがって前記補助ヒータのON/OFFを制御する制御手段と、を備えたものである。
【0020】
この発明によれば、請求項1〜6のいずれか一つにおいて、蓄電手段の出力電圧を監視し、その監視結果にしたがって補助ヒータをON/OFFすることにより、蓄電手段を効率よく使用することが可能になり、かつ機械の消費電力を抑制することが可能になる。
【0021】
また、請求項8にかかる画像形成装置にあっては、さらに、前記AC/DCコンバータからの電力供給と、前記蓄電手段からの電力供給と、を前記制御手段の切り替え信号にしたがって切り替える電圧供給切替手段を備えたものである。
【0022】
この発明によれば、請求項7において、補助ヒータへの供給電力を蓄電可能電源またはAC/DCコンバータからのいずれかに切り替えることにより、蓄電手段を効率よく使用することで、放電時間を短くしその寿命を延ばすことが可能になる。
【0023】
また、請求項9にかかる画像形成装置にあっては、前記制御手段は、主電源がOFFの場合、前記蓄電手段から前記補助ヒータへの電力供給を行なうように前記電圧供給切替手段を制御するものである。
【0024】
この発明によれば、請求項8において、主電源がOFFのときには蓄電手段から補助ヒータへ電力を供給することにより、主電源がOFF時にも補助ヒータへの通電が可能になると共に、機械の省電力化が実現する。
【0025】
また、請求項10にかかる画像形成装置にあっては、さらに、待機時に定着温度を通常より下げる省エネルギーモードを有し、前記制御手段は、前記省エネルギーモードである場合、前記蓄電手段から前記補助ヒータへの電力供給を行なうように前記電圧供給切替手段を制御するものである。
【0026】
この発明によれば、請求項8において、省エネルギーモードを有する画像形成装置において、省エネルギーモードのときには蓄電手段から補助ヒータに電力供給を行なうことにより、省エネルギーモード時にも補助ヒータへの給電が可能になると共に、機械の省電力化が実現する。
【0027】
また、請求項11にかかる画像形成装置にあっては、前記蓄電手段は、電気二重層コンデンサとするものである。
【0028】
この発明によれば、請求項1〜10のいずれか一つにおいて、電気二重層コンデンサを蓄電手段として用いることで、電気二重層コンデンサの優れた特性によって補助ヒータへの供給電圧の長時間化や、供給電力量の増大化が可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる画像形成装置の好適な実施の形態について添付図面を参照し、詳細に説明する。なお、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0030】
(実施の形態1)
まず、本発明が適用される画像形成装置の構成例について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示す説明図である。この画像形成装置は、いわゆる、マルチファンクションタイプであり、複写機能と、これ以外の機能、たとえばプリンタ機能、ファクシミリ機能とを有し、操作部のアプリケーション切り替えキーにより複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能である。すなわち、複写機能の選択時には複写モードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリントモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0031】
複写モードでは、つぎのように動作する。自動原稿送り装置(以下、ADFという)101においては、原稿台102に原稿がその画像面を上にしてセットされる原稿束は、操作部上のスタートキーが押下されると、一番下の原稿が給送ローラ103、給送ベルト104によってコンタクトガラス105上の所定の位置に給送される。ADF101は一枚の原稿の給送完了毎に原稿枚数をカウントアップするカウント機能を有する。コンタクトガラス105上の原稿は、画像読取装置106によって画像情報が読み取られた後に、給送ベルト104、排送ローラ107によって排紙台108上に排出される。
【0032】
原稿セット検出器109にて原稿台102上につぎの原稿が有ることが検出された場合には、同様に原稿台102上の一番下の原稿が給紙ローラ103、給送ベルト104によってコンタクトガラス105上の所定の位置に給送される。このコンタクトガラス105上の原稿は、画像読み取り装置106によって画像情報が読み取られた後に、給送ベルト104、排送ローラ107によって排紙台108上に排出される。ここで、給送ローラ3、給送ベルト4および排送ローラ7は搬送モータ(不図示)によって駆動される。
【0033】
第1給紙装置110、第2給紙装置111、第3給紙装置112は、操作部(不図示)から選択されたときあるいは自動選択により、それぞれ第1トレイ113、第2トレイ114、第3トレイ115に積載された転写材としての記録紙を給紙し、この記録紙は縦搬送ユニット116によって像担持体としての感光体ドラム117に当接する位置まで搬送される。なお、感光体ドラム117は、メインモータ(不図示)により回転駆動される。
【0034】
画像読取装置106にて原稿から読み込まれた画像データは、図示しない画像処理手段を介して書き込みユニット118によって光情報に変換され、感光体ドラム117は図示しない帯電器により一様に帯電された後に書き込みユニット118からの光情報で露光されて静電潜像が形成される。この感光体ドラム117上の静電潜像は現像装置119により現像されてトナー像となる。
【0035】
搬送ベルト120は、用紙搬送手段および転写手段を兼ねており、電源から転写バイアスが印加され、縦搬送ユニット116から搬送される記録紙を感光体ドラム117と等速で搬送しながら感光体ドラム117上のトナー像を記録紙に転写させる。この記録紙は、定着装置121によりトナー像が定着され、排紙ユニット122により排紙トレイ123に排出される。感光体ドラム117はトナー像が転写された後に図示しないクリーニング装置によりクリーニングされる。なお、感光体ドラム117、帯電器、書き込みユニット118、現像装置119、転写手段は画像データにより画像を記録紙上に形成する画像形成手段を構成している。
【0036】
以上の動作は通常のモードで用紙の片面に画像を複写するときの動作であるが、両面モードで記録紙の両面に画像を複写する場合には、それぞれの給紙トレイ113〜115のいずれかより給紙されて表面に上述のように画像が形成された記録紙は、排紙ユニット122により排紙トレイ123側ではなく両面入紙搬送路124側に切り替えられ、反転ユニット125によりスイッチバックされて表裏が反転され、両面搬送ユニット126へ搬送される。
【0037】
この両面搬送ユニット126へ搬送された記録紙は、両面搬送ユニット126により縦搬送ユニット116へ搬送され、縦搬送ユニット116により感光体ドラム117に当接する位置まで搬送され、感光体ドラム117上に上述と同様に形成されたトナー像が裏面に転写されて定着装置121でトナー像が定着されることにより両面コピーとなる。この両面コピーは排紙ユニット122により排紙トレイ123に排出される。
【0038】
また、記録紙を反転して排出する場合には、反転ユニット125によりスイッチバックされて表裏が反転された記録紙は、両面搬送ユニット126に搬送されずに反転排紙搬送路127を経て排紙ユニット122により排紙トレイ123に排出される。
【0039】
プリントモードでは、上記読み取って処理された画像データの代りに外部からの画像データが書き込みユニット118に入力されて上述の画像形成手段により記録紙上に画像が形成される。さらに、ファクシミリモードでは、画像読取装置106からの画像データが図示しないファクシミリ送受信部により相手に送信され、相手からの画像データがファクシミリ送受信部で受信されて書き込みユニット118に入力されることにより、上述の画像形成手段により記録紙上に画像が形成される。
【0040】
図2は、本発明の実施の形態1にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。図において、符号201はたとえば100Vの商用電源として提供されるAC電源、符号202はON/OFF操作により機械への電源投入/遮断が行なわれる電源スイッチ、符号203はAC電力から機内で必要なDC電源に変換し、各負荷へ電力を供給するAC/DCコンバータ、符号204はDC電源で駆動される各種の負荷、符号205はマイクロコンピュータシステムにより構成され本装置を統括的に制御する本体制御部、符号206はAC/DCコンバータ203からの充電用DCにより蓄電する蓄電可能電源、符号207は蓄電可能電源206から電力が供給され、機内の所定位置に配置され機内を加温する補助ヒータである。
【0041】
AC電源は、主に定着部121とAC/DCコンバータ203に分配される。AC/DCコンバータ203へのAC電力の供給は、電源スイッチ202を介して行なわれ、この電源スイッチ202のOFF操作により機械への電源が遮断される。AC/DCコンバータ203は、供給されたAC電力から機内で必要なDC電源に変換し、本体制御部205や負荷204へDC電力を供給する。
【0042】
蓄電可能電源206は、補助ヒータ207の駆動用電源として用いられる。この蓄電可能電源206は充電池などの充電可能なものであればよい。
【0043】
一般に、補助ヒータ207の駆動は、その機能上、画像形成動作時だけでなく待機時も駆動することが多い。このため、従来は、AC電源のスイッチをONしてからOFFするまでの間、消費電力が増大させていた。これに対してこの実施の形態1では、図2に示すように、充電可能電源206から補助ヒータ207へ電力を供給する構成とすることにより、補助ヒータ207の機能を確保しながら機械の消費電力を低減させることが可能になる。
【0044】
(実施の形態2)
この実施の形態2では、前述した実施の形態1の補助ヒータ208をプロセス安定化のために用いる例について説明する。一般的に、高速機などの画像形成装置では、作像プロセスを安定化させるために補助ヒータで加温することが行なわれている。これは、画像形成装置の作像プロセスは、温湿度に作像条件が左右され、画像品質に影響を及ぼすためである。従来は、このような補助ヒータを常にAC電源から駆動している構成としているので消費電力が大きくなっていた。そこで、この実施の形態では、蓄電可能な電源によって補助ヒータを駆動させる構成とする。
【0045】
図3は、本発明の実施の形態2にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2の補助ヒータ207を作像部208に配置したものであり、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0046】
作像部208は、たとえば図1に示す感光体ドラム117、帯電、現像装置119、転写部、分離部など電子写真プロセスの部分である。また、これらのプロセス機能部分をケース内に一体的に配置したプロセスカートリッジ(不図示)に配置してもよい。
【0047】
このように、作像プロセスの温度制御用として用いる補助ヒータ207の供給電源を、蓄電可能電源206から供給する構成とすることにより、温度制御を常に行なうという機能を確保しながら機械の消費電力を低減することができる。すなわち、環境条件に左右されるプロセスを安定化して画像品質を維持したうえで消費電力の低減が可能になる。
【0048】
(実施の形態3)
電子写真プロセスによる複写機などの画像形成装置では、そのプロセスが温度依存することは一般的に知られており、特に、感光体は温湿度によって感度特性が変化する。すなわち、環境条件によって潜像電位が変化し、画像ぼけやにじみなどの画質劣化を招来させることになる。このため、従来より感光体を温度制御することが行なわれている。ところが、常に通電状態であるために消費電力が増大していた。そこで、この実施の形態3では、補助ヒータ207を感光体ドラム117に配置し、蓄電可能電源206からこの補助ヒータ207に電力を供給する構成とする。
【0049】
図4は、本発明の実施の形態3にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2の補助ヒータ207を感光体ドラム117内に配置したものである。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0050】
補助ヒータ207は、図5(a)に示すように円筒型の面状ヒータ、あるいは(b)に示すような管状ヒータなどであってもよい。また、感光体の形態がベルトであれば平板のヒータが好ましい。
【0051】
したがって、以上の構成により、温度依存性を有する感光体部分に補助ヒータ207を設けて温度制御することにより、感光体特性の安定性を維持し、かつ機械の消費電力を低減することが可能になる。
【0052】
(実施の形態4)
先に述べたように電子写真プロセスは温度依存性することが知られている。その一要因として転写部においては環境(温湿度)の依存性も高いことが知られている。これは、転写時に湿度が高い場合と低い場合では、転写特性が異なることに起因しており、転写不良などの画質低下を招来させることになる。そこで、従来から転写部分に補助ヒータを設け、常に通電状態としている。ところが、常時通電であるために消費電力がかかってしまう。そこで、この実施の形態は、転写部分に補助ヒータ207を配置し、転写部分の温湿度差を小さくするように加温して適正な転写条件に維持することにより、転写不良(転写率低下による画像濃度の劣化、転写剥離)などの発生を回避すると共に、消費電力を低減させるものである。
【0053】
図6は、本発明の実施の形態4にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2に示した補助ヒータ207を転写部210に配置したものである。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0054】
図7は、転写部210および補助ヒータ207の配置関係を示すものである。図示するように、転写部210の下部近傍に面状の補助ヒータ207を配置する。符号211はレジストローラである。なお、面状に限らず管状の補助ヒータ207であってももちろんよい。なお、転写部の構成を転写チャージャの例で図示したが、この他に転写ローラ型の転写部であってもよい。
【0055】
したがって、上記のように転写部を補助ヒータ207で加温することで、除湿効果によって転写性特性が安定し、その結果、良好な転写品質が得られると共に、蓄電可能電電206で補助ヒータ207を駆動することにより省電力化が実現する。
【0056】
(実施の形態5)
ところで、画像形成装置における画像読取装置(スキャナ部)106は、内部にミラー、レンズ、CCDなどの光学部品が配置されている。これらの光学部品は、結露による曇りなどが発生するとその性能は著しく低下することになる。このため、スキャナ部内部にヒータを設けている装置が多い。ところが、このヒータは、その機能上から常に通電状態であることが望ましいが、消費電力が多くなってしまうことになる。そこで、この実施の形態では、スキャナ部に補助ヒータを配置し、この補助ヒータに対して蓄電可能な電源から電力の供給を行なうことにする。
【0057】
図8は、本発明の実施の形態5にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2の補助ヒータ207を画像読取装置106に配置したものである。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0058】
画像読取装置106の概略構成は図1に示した通りである。画像読取装置106の光学部品であるミラー129〜131、レンズ132、CCDイメージセンサ133などの部分に結露が発生しないように筐体内部に補助ヒータ207を設け、この補助ヒータ207への電力供給を蓄電可能電源206から行なう。補助ヒータ207の位置は光路を遮断しない位置でかつ効率的な位置、たとえばレンズ132の下方に配置する。また、補助ヒータ207としては面状ヒータが好ましい。
【0059】
したがって、画像読取装置106の内部に蓄電可能電源206から電力供給が行なわれる補助ヒータ207を設けることで、画像読取装置106の除湿機能を確保しつつ、機械の消費電力を低減することができる。なお、この実施の形態5では画像読取装置106内に補助ヒータ207を配置する例について説明したが、この他に、ポリゴンミラー、fθレンズ、アパーチャレンズ、コリメートレンズ、シリンドリカルレンズなどの光学部品、レーザダイオードなどを有する書き込みユニット118内に同様に配置してもよい。
【0060】
(実施の形態6)
記録紙を積載し給紙搬送する給紙部において、湿度値が記録紙へ大きな影響を及ぼす。湿度が高い状態で吸湿された記録紙を給紙すると、重送(多数枚送り)や不送り、紙詰まりなどの給紙搬送不良が発生しやすくなる。また、吸湿したままの状態の記録紙に転写すると、転写抜けなどの画質低下を招来させることになる。そこで、従来においては給紙部に除湿用のヒータを設けている装置がある。
しかし、このヒータを常時駆動しておくため消費電力が多くなりという不具合があった。そこで、この実施の形態では、給紙部分に、蓄電可能電源から電力供給される補助ヒータを設けて対処する。
【0061】
図9は、本発明の実施の形態6にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2の補助ヒータ207を給紙装置(110,111,112)に配置したものである。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0062】
このように、給紙装置(110,111,112)の各部に補助ヒータ207を配置し、これに蓄電可能電源206から電力を供給する。したがって、この補助ヒータ207が給紙部分を除湿することになるので、吸湿による給紙不良および転写不良の発生を低下させることができる。
【0063】
(実施の形態7)
さて、上述してきた蓄電可能電源206は、通常、電力供給が可能なようにAC/DCコンバータ203を介して充電しておき、その状態で負荷204へ電力供給を行なう。反対に、負荷204に供給できる電力を消費してしまうと、その後は新たに電力を充電しなければならない。つまり、充電可能な電源の負荷として補助ヒータ207を設けた場合、その機能上、極力、その通電を停止したくない。しかし、駆動中に電力が不足することが考えられる。そこで、この実施の形態7では以下のように構成し、動作させる。
【0064】
図10は、本発明の実施の形態7にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図2の蓄電可能電源206の出力側に、蓄電可能電源206の電圧レベルを監視するための電圧監視部215を接続し、その監視電圧を本体制御部205にフィードバックする構成としたものである。また、補助ヒータ207は本体制御部205から出力される補助ヒータON/OFF信号にしたがって駆動される。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0065】
電圧監視の方法としては、電圧をコンパレータやAD入力素子に入力するなど蓄電可能電源206の電圧が監視できる構成であればよい。
【0066】
上記図10のように構成された画像形成装置の動作について図11のフローチャートに示す。この動作は本体制御部205によって実行される。図11において、まず、補助ヒータ207をONし(ステップS11)、電圧監視部215により電圧を入力し、その電圧があらかじめ定めた必要電圧以上(電圧OK)であるか否かを判断する(ステップS12)。ここで、当該電圧が必要電圧以上であれば、さらに補助ヒータ207がOFFであるか否かを判断する(ステップS13)。
【0067】
ステップS13において、補助ヒータ207がOFFであればそのまま補助ヒータ207をOFFし(ステップS14)、補助ヒータ207がOFFでなければステップS12に戻り、蓄電可能電池206の出力電圧を監視する。また、ステップS12において、当該電圧が必要電圧に達してなければ、補助ヒータ207をOFFし(ステップS15)、蓄電可能電池206への充電を行ない(ステップS16)、電圧チェックを実行し(ステップS17)、電圧OKであればステップS11に戻る。
【0068】
すなわち、充電可能電源206からの出力電圧を電圧監視部215で監視しておき、もし、その電圧が必要電圧以上であれば補助ヒータ207をOFFするタイミングまでそのまま補助ヒータ207を駆動し、もし、電圧が必要電圧を下まわった場合は、一旦、補助ヒータ207を停止させ、再び補助ヒータ207を駆動することの可能な電圧に復帰するま充電可能電源206への充電を行なう。充電が完了し、出力電圧が補助ヒータ207を駆動することが可能になると、その時点で補助ヒータ207を再駆動する。
【0069】
したがって、上述したように充電可能電源206の出力レベルを監視し、制御することにより、蓄電されている電力を効率よく補助ヒータ207に供給することができる。
【0070】
(実施の形態8)
前述した実施の形態7では、補助ヒータ207に対し、蓄電可能電源206の電力が不足した場合、充電を行なうことにより、蓄電電力を効率よく使用することが可能になる。しかし、補助ヒータ207の駆動中に供給電圧が不足し、補助ヒータ207をOFFさせると、温度制御ができなくなるので、使用する環境状態によっては結露発生が懸念される。そこで、この実施の形態8では、以下のような構成および動作とする。
【0071】
図12は、本発明の実施の形態8にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。本構成は、図10に示す構成に対し、蓄電可能電源206の出力側に、蓄電可能電源206の電圧レベルを監視するための電圧監視部215を接続し、その監視電圧を本体制御部205にフィードバックする構成と、さらに補助ヒータ207への電力供給を、蓄電可能電源206とAC/DCコンバータ203からの何れかから行なうように切り替える供給経路切替スイッチ216を接続したものである。また、補助ヒータ207は本体制御部205から出力される補助ヒータON/OFF信号にしたがって駆動され、また、供給経路切替スイッチ216は本体制御部205からのスイッチON/OFF信号にしたがって動作する。
【0072】
すなわち、補助ヒータ207への電力供給の経路を、蓄電可能電源206からの経路Aと、AC/DCコンバータ203からの経路Bの何れかとなるように、電圧監視部215の監視電圧にしたがって制御する構成とする。なお、他の構成およびその機能は図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。また、画像形成装置は図1と同一構成とする。
【0073】
上記図12のように構成された画像形成装置の動作を図13のフローチャートに示す。この動作は本体制御部205によって実行される。図13において、まず、当初は実施の形態7と同様に、補助ヒータ207をONし(ステップS21)、電圧監視部215により電圧を入力し、その電圧があらかじめ定めた必要電圧以上(電圧OK)であるか否かを判断する(ステップS22)。ここで、当該電圧が必要電圧以上であれば、さらに補助ヒータ207がOFFであるか否かを判断する(ステップS23)。
【0074】
ステップS23において、補助ヒータ207がOFFであればそのまま補助ヒータ207をOFFし(ステップS24)、補助ヒータ207がOFFでなければステップS22に戻り、蓄電可能電池206の出力電圧を監視する。
【0075】
ステップS22において電圧OKでなければ、供給経路切替スイッチ216を経路AからBに切り替え(ステップS25)、蓄電可能電池206に電力を充電する(ステップS26)。続いて、補助ヒータ207がOFFであるか否かを判断し(ステップS27)、OFFであればステップS24に移行し、OFFでなければ蓄電可能電池206の出力電圧を監視する(ステップS28)。ここで、電圧OKであると判断した場合、供給経路切替スイッチ216を経路BからAに切り替え(ステップS29)、ステップS22に戻る。
【0076】
すなわち、本体制御部205は、補助ヒータ207をONし、電圧監視部215によって蓄電可能電源207からの出力電圧を監視し、もし、その電圧が補助ヒータ207を駆動するのに十分であれば、そのまま補助ヒータ207を停止するタイミングまで駆動させる。
【0077】
一方、上記の出力電圧が補助ヒータ207を駆動するには不足レベルと判断した場合、供給経路切替スイッチ216を蓄電電力経路のAからAC/DCコンバータ203からの経路Bに切り替える。
【0078】
上記動作によって、蓄電可能電源207は、補助ヒータ207への供給がなくなるため、充電可能になって不足分の充電を行なう。なお、この間は補助ヒータ207は経路Bからの電力によって駆動が継続される。並行して蓄電可能電源207の電圧レベルは監視され、補助ヒータ207への電力供給が可能なレベルになるまで充電を行ない、供給可能に達したとき、供給経路切替スイッチ216を経路Aに切り替える。
【0079】
なお、この間に補助ヒータ207のOFFの必要が生じた場合は、そのまま補助ヒータ207をOFFすればよい。供給経路切替スイッチ216を切り替えた後、補助ヒータ207がOFFのタイミングまで上述と同様のの制御を繰り返し実行し、補助ヒータ207がOFFのタイミングで補助ヒータ207をOFFする。
【0080】
したがって、補助ヒータ207への電力供給を、蓄電可能電源206からと、AC/DCコンバータ203からとの何れかに切り替えることにより、蓄電可能電源206を効率よく使用することができる。
【0081】
(実施の形態9)
ところで、地球温暖化などの環境問題などの理由により、画像形成装置においても消費電力の低減要求されている。特に、電源スイッチOFF後ノ消費電力を抑制する必要がある。ところが、現状では画像形成動作が終了して電源をOFFする場合でも、電源OFF中に機内の温度が下がり結露が発生する可能性があるため、補助ヒータへの電力はOFFせずにそのまま通電しておくことが多い。このため電源OFF時にも電力の消費があった。そこで、この実施の形態では、以下のような制御を行なうことによって電源OFF時における電力消費を低減させるものである。
【0082】
図14は、本発明の実施の形態9にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。画像形成装置は前述の図12に示すように構成され、本体制御部205によってこの制御が実行される。図14において、まず、補助ヒータ207をONし(ステップS31)、電源スイッチ202がOFFであるか否かを判断する(ステップS32)。ここで、電源スイッチ202がOFFであれば、さらに供給経路切替スイッチ216の経路がA側であるか否かを判断する(ステップS33)。ここで、供給経路切替スイッチ216の経路がA側であれば補助ヒータをONする(ステップS34)。また、供給経路切替スイッチ216の経路がA側ではない場合、供給経路切替スイッチ216の経路をBからAに切り替え(ステップS35)、補助ヒータをONする(ステップS34)。
【0083】
したがって、電源スイッチ202がOFFのときには蓄電可能電源206から補助ヒータ207へ電力を供給するため、入力側のAC電力は不要になり、電源スイッチ202がOFFの場合であっても補助ヒータ207の機能を維持させた状態で、かつ電源OFF時の電力消費を低減させることができる。
【0084】
(実施の形態10)
前述した通り装置の消費電力の低減が要求されているため、待機時に定着温度を低めに制御する省エネルギーモードを設けている装置が多くなってきている。
このモードに移行する場合も。移行時に、機内の温度が低下して結露が発生する可能性があるため、常時AC側から補助ヒータに電力供給を行なう必要が生じ、その分の消費電力がかかっていた。そこで、この実施の形態10では、画像形成装置が省エネルギーモードを有し、当該モードになっていた場合、蓄電が可能な電源から補助ヒータへ電力を供給する例について述べる。
【0085】
図15は、本発明の実施の形態10にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。画像形成装置は前述の図12に示すように構成され、省エネルギーモード(待機モード、余熱モード、スリープモード)を有している。この制御は本体制御部205によって実行される。図15において、まず、補助ヒータ207をONし(ステップS41)、その後、省エネルギーモード(図中では省エネモードと記述)であるか否かを判断する(ステップS42)。ここで、省エネルギーモードであれば、さらに供給経路切替スイッチ216の経路がA側であるか否かを判断する(ステップS43)。ここで、供給経路切替スイッチ216の経路がA側であれば補助ヒータをONする(ステップS44)。また、供給経路切替スイッチ216の経路がA側ではない場合、供給経路切替スイッチ216の経路をBからAに切り替え(ステップS45)、補助ヒータをONする(ステップS44)。
【0086】
したがって、省エネルギーモードに移行するときには蓄電可能電源206から補助ヒータ207へ電力を供給することにより、省エネルギーモードに移行しても補助ヒータ207の機能を維持させた状態で、かつ電力消費を低減させることができる。
【0087】
(実施の形態11)
この実施の形態11では、上述してきた蓄電可能な電源として電気二重層コンデンサを利用する例について述べる。一般的に、充電可能な電源の一つとして、電気二重層(Electric Double Layer)コンデンサがある。この実施の形態では、画像形成装置にこの電気二重層コンデンサ220として用いる。この構成例を図16に示す。電気二重層コンデンサ220を具備したこの画像形成装置は、前述した実施の形態1〜10と同様に用いられる。
【0088】
電気二重層コンデンサは、小型であって、短時間で充電することができ、かつ大電流で放電できるという優れた特性を有し、さらに電極材料を活性炭で構成し自然発生する電気二重層を誘電体として利用しているので、クリーンエネルギーといった特長をもっている。画像形成装置の補助ヒータ207は、比較的大電力のものに使用されることが多い。すなわち、温度制御が必要なユニット(感光体ユニット、転写ユニット、給紙ユニットなど)が比較的大きいためである。また、補助ヒータ207は、その機能上において極力OFFしている時間が短い方が、温度制御が容易になる。
【0089】
したがって、電気二重層コンデンサ220を備えることにより、大電力を補助ヒータ207に供給することが可能となる。さらに短時間で充電が可能であるため、補助ヒータ207に対するあらゆる場面においてOFF時間が短いので画像形成への影響を小さくすることができる。また、AC/DCコンバータ203からの補助ヒータ207への電力供給を抑制することによって省電力化が実現する。すなわち、補助ヒータ207への供給電力の長時間化や、供給電力量の増大を図ることができる。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる画像形成装置(請求項1)によれば、機内の所定位置に配置される補助ヒータに対し、AC/DCコンバータから供給されるDC電圧によって蓄電する蓄電手段から電力を供給するため、機内を温度制御することで画像品質などを安定化することができると共に、従来のAC電源によらずに蓄電手段による補助ヒータへの電力供給とすることで省電力化を図ることができる。
【0091】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項2)によれば、請求項1において、補助ヒータを電子写真プロセスに基づいた作像部に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給するように構成したので、必要な画像品質を維持あるい向上させながら、消費電力の低減を行なうことができる。
【0092】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項3)によれば、請求項1において、補助ヒータを、温度依存性の高い電子写真プロセスにおける感光体、すなわち温度のよって左右される感度特性が変化するプロセス上において重要な感光体に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給する構成としたので、感光体特性の変化に起因するぼけやにじみなど画像品質の劣化を防止することができ、しかも蓄電手段からの給電であるため、機械の消費電力を低減することができる。
【0093】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項4)によれば、請求項1において、補助ヒータを、感光体に形成されたトナー像を転写する転写部に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給する構成としたので、転写特性の変化に起因する転写不良など画質劣化を防止することができ、かつ蓄電手段からの給電であるため、機械の消費電力を低減することができる。
【0094】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項5)によれば、請求項1において、補助ヒータを、光学部品によって画像を読み取る画像読取手段(スキャナ)に配置し、その補助ヒータに対して蓄電手段から電力を供給するように構成したので、スキャナ内の結露による光学部品の曇りなどを防止して画像読取品質が安定化すると共に、蓄電手段からの給電であるため、機械の消費電力を低減することができる。
【0095】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項6)によれば、請求項1において、補助ヒータを、記録紙を給紙する給紙部に配置する構成としたので、記録紙の過剰な吸湿を防止して重送、不送りなどの発生率を低減させることができると共に、蓄電手段からの給電する構成であるため、機械の消費電力を低減することができる。
【0096】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項7)によれば、請求項1〜6のいずれか一つにおいて、蓄電手段の出力電圧を監視し、その監視結果にしたがって補助ヒータをON/OFFする構成としたので、蓄電手段を効率よく使用することができ、かつ蓄電手段からの給電であるため、機械の消費電力を抑制することができる。
【0097】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項8)によれば、請求項7において、補助ヒータへの供給電力を蓄電可能電源またはAC/DCコンバータからのいずれかに切り替える構成としたので、蓄電手段を効率よく使用することができ、また放電時間を短くしその寿命を延ばすことができる。
【0098】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項9)によれば、請求項8において、主電源がOFFのときには蓄電手段から補助ヒータへ電力を供給する構成としたので、主電源がOFF時にも補助ヒータへの通電が行なえると共に、蓄電手段からの給電であるため、機械の省電力化が実現する。
【0099】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項10)によれば、請求項8において、省エネルギーモードを有する画像形成装置において、省エネルギーモードのときには蓄電手段から補助ヒータに電力供給を行なう構成としたので、省エネルギーモード時にも補助ヒータへの給電ができると共に、蓄電手段からの給電であるため、機械の省電力化が実現する。
【0100】
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項11)によれば、請求項1〜10のいずれか一つにおいて、電気二重層コンデンサを蓄電手段として用いる構成とすることにより、電気二重層コンデンサが有する優れた充放電特性が活用されるので、補助ヒータへの供給電圧の長時間化や、供給電力量の増大化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態3にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図5】補助ヒータの感光体ドラムへの組み込み例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態4にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図7】転写部および補助ヒータの配置関係を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態5にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態6にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態7にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態7にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態8にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態8にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態9にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態10にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態11にかかる画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
106 画像読取装置
110 第1給紙装置
111 第2給紙装置
112 第3給紙装置
117 感光体ドラム
201 AC電源
202 電源スイッチ
203 AC/DCコンバータ
205 本体制御部
206 蓄電可能電源
207 補助ヒータ
208 作像部
210 転写部
215 電圧監視部
216 供給経路切替部
220 電気二重層コンデンサ
Claims (11)
- 電子写真プロセスにしたがって感光体に画像を形成する画像形成装置において、
機内の所定位置に配置される補助ヒータと、
前記補助ヒータに対して電力を供給する蓄電可能な蓄電手段と、
主電源からのAC電圧をDC電圧に変換し、前記蓄電手段にDC電圧を供給するAC/DCコンバータと、を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記補助ヒータは、前記電子写真プロセスによる作像部の近傍に配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記補助ヒータは、前記感光体を加温する位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記補助ヒータは、前記感光体に形成された画像を記録紙に転写する転写部の近傍に配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- さらに、画像を光学的に読み取る画像読取手段を備え、
前記補助ヒータは、前記画像読取手段の内部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記補助ヒータは、記録紙を給紙する給紙部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- さらに、
前記蓄電手段の電圧を監視する電圧監視手段と、
前記電圧監視手段の電圧にしたがって前記補助ヒータのON/OFFを制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の画像形成装置。 - さらに、前記AC/DCコンバータからの電力供給と、前記蓄電手段からの電力供給と、を前記制御手段の切り替え信号にしたがって切り替える電圧供給切替手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、主電源がOFFの場合、前記蓄電手段から前記補助ヒータへの電力供給を行なうように前記電圧供給切替手段を制御することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- さらに、待機時に定着温度を通常より下げる省エネルギーモードを有し、
前記制御手段は、前記省エネルギーモードである場合、前記蓄電手段から前記補助ヒータへの電力供給を行なうように前記電圧供給切替手段を制御することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。 - 前記蓄電手段は、電気二重層コンデンサであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003196063A JP2005031380A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003196063A JP2005031380A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005031380A true JP2005031380A (ja) | 2005-02-03 |
Family
ID=34206715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003196063A Pending JP2005031380A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005031380A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006292934A (ja) * | 2005-04-08 | 2006-10-26 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2007010910A (ja) * | 2005-06-29 | 2007-01-18 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置 |
JP2008262295A (ja) * | 2007-04-10 | 2008-10-30 | Sharp Corp | 画像形成システム |
JP2008281607A (ja) * | 2007-05-08 | 2008-11-20 | Canon Inc | 画像形成装置 |
-
2003
- 2003-07-11 JP JP2003196063A patent/JP2005031380A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006292934A (ja) * | 2005-04-08 | 2006-10-26 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2007010910A (ja) * | 2005-06-29 | 2007-01-18 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置 |
JP4685524B2 (ja) * | 2005-06-29 | 2011-05-18 | 京セラミタ株式会社 | 画像形成装置 |
JP2008262295A (ja) * | 2007-04-10 | 2008-10-30 | Sharp Corp | 画像形成システム |
JP2008281607A (ja) * | 2007-05-08 | 2008-11-20 | Canon Inc | 画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7054570B2 (en) | Image-forming apparatus | |
US7212759B2 (en) | Heating device, fixing device and image forming apparatus | |
JP4824396B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4793920B2 (ja) | 電源装置および画像形成装置 | |
JP2004326098A (ja) | 定着装置、画像形成装置及び定着方法 | |
JP5256276B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4673620B2 (ja) | 画像形成装置、電力供給制御方法および電力供給制御プログラム | |
US20110012566A1 (en) | Charging device, image forming apparatus, and computer program product | |
JP2005031380A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2005033914A (ja) | 画像形成装置 | |
JP4326975B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2004286881A (ja) | 画像形成装置 | |
JP4295534B2 (ja) | 画像形成装置および充電器 | |
JP6763224B2 (ja) | 画像形成装置および制御装置 | |
JP4252469B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4919324B2 (ja) | 画像形成装置、電源供給制御方法及びプログラム | |
JP4405166B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4220850B2 (ja) | 加熱装置、定着装置および画像形成装置 | |
JP2004286869A (ja) | 画像形成装置 | |
JP4376955B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP7158948B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5365281B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5102471B2 (ja) | 定着装置及びこれを用いた画像形成装置 | |
JP2008226856A (ja) | 加熱装置、定着装置および画像形成装置 | |
JP4944236B2 (ja) | 画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060123 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080716 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080916 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090127 |