JP2018013204A - ボール減速機 - Google Patents

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靖 梶原
Yasushi Kajiwara
靖 梶原
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Abstract

【課題】一次側ボール溝と二次側ボール溝の径方向誤差を吸収できるようにして、騒音、振動、及び伝達トルクのばらつきを抑えることができるボール減速機を提供する。
【解決手段】一次回転体3と二次回転体4との間には、回転不能な固定保持板2が介装されている。固定保持板2は、径方向溝17が中心13の周囲に等間隔で複数形成され、各径方向溝17にボール18が径方向移動可能に収容されている。ボール18は、一次回転体3の偏心円形状の一次側ボール溝20に係合されると共に、二次回転体4の波形形状の二次側ボール溝21に係合されている。径方向溝17は、ボール18が溝幅方向にずれ動くのを許容できるように、ボール18の直径よりも大きな溝幅に形成されている。二次側ボール溝21の山及び谷に対応する部分は、溝幅が広げられ、溝底に同一溝深さとなる平面が形成されて、山又は谷に位置するボール18の径方向へのずれ動きを可能にする。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転を減速して伝達するために使用されるボール減速機に関するものである。
従来から、ボール減速機は、歯車減速装置と比較して、小型で且つ大きな減速比を得られることから、各種機械(例えば、産業用ロボット、舵角可変式ステアリング装置等)の動力伝達部に使用されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
図12(a)は、このようなボール減速機100の一例を簡略化して示す図である。この図12(a)に示すボール減速機100は、入力側である一次回転体101と、この一次回転体101と対向するように位置する固定保持板102と、この固定保持板102のうちの一次回転体101と対向する面とは反対側の面に対向するように位置し、且つ一次回転体101と同軸上に位置する二次回転体103と、を有している。そして、図12(b)に示すように、一次回転体101は、一次側ボール溝104が固定保持板102と対向する面に形成され、後述するボール105が一次側ボール溝104内に転動可能に係合されるようになっている。また、図12(c)に示すように、固定保持板102は、中心102aの周囲に複数(9箇所)の径方向溝106が形成され、ボール105が各径方向溝106内に径方向へ移動可能に収容される。また、図12(d)に示すように、二次回転体103は、二次側ボール溝107が固定保持板102に対向する面に形成され、固定保持板102の径方向溝106内に収容されたボール105が二次側ボール溝107に転動可能に係合されるようになっている。
また、図12に示すボール減速機100において、一次側ボール溝104は、3箇所の山と谷からなる3波の波形形状の環状溝で且つ軸心101aを中心とする環状溝であり、溝断面の形状がボール105の母線の一部と同様の円弧形状になっている。また、二次側ボール溝107は、6箇所の山と谷からなる6波の波形形状の環状溝で且つ軸心103aを中心とする環状溝であり、溝断面の形状がボール105の母線の一部と同様の円弧形状になっている。
このようなボール減速機100は、一次回転体101が1回転すると、ボール105が径方向溝106内を径方向に3往復し、二次回転体103が二次側ボール溝107の3波分(一次回転体の1/2回転分)だけ回転するようになっている。
特開昭59−133863号公報 特開2009−275739号公報
図12に示すボール減速機100は、固定保持板102の径方向溝106の溝幅がボール105の直径よりも僅かに大きく形成されており、径方向溝106の溝壁とボール105との隙間分だけボール105が円周方向に移動できるようになっている。したがって、図12に示すボール減速機100において、一次側ボール溝104の中心線と二次側ボール溝107の中心線とが交差する部分では、ボール105が径方向溝106の溝壁との隙間分だけ円周方向に移動できるため、一次側ボール溝104と二次側ボール溝107の径方向の誤差を吸収することが可能になる。
しかしながら、二次側ボール溝107の山にボール105が位置する場合には、二次側ボール溝107の山の接線と一次側ボール溝104の山の接線とが平行になるため、ボール105が径方向にほとんど移動できず、一次側ボール溝104と二次側ボール溝107との径方向の誤差Δを吸収できない(図13参照)。また、二次側ボール溝107の谷にボール105が位置する場合には、二次側ボール溝107の谷の接線と一次側ボール溝104の谷の接線とが平行になるため、ボール105が径方向にほとんど移動できず、一次側ボール溝104と二次側ボール溝107との径方向の誤差Δを吸収できない(図13参照)。その結果、図12に示すボール減速機100は、一次回転体101側と二次回転体103側との組立誤差(例えば、一次回転体101を支持するベアリング、及び二次回転体103を支持するベアリングの組立誤差)、及び一次回転体101側と二次回転体103側との温度差に起因する熱膨張差等に起因し、一次側ボール溝104と二次側ボール溝107とに径方向の誤差Δが生じると、二次側ボール溝107の山又は谷に位置するボール105によって、一次回転体101と二次回転体103との間隔が図13(a)に示す状態(正常状態)から図13(b)に示す状態(異常状態)に周期的に押し広げられ、二次側ボール溝107の山又は谷に位置するボール105以外の他のボール105が二次回転体103(二次側ボール溝107の溝壁)に接触できない状態が周期的に出現し、少なくとも騒音、振動、及び伝達トルクのばらつきのいずれかを生じる。
そこで、本発明は、一次側ボール溝と二次側ボール溝との径方向誤差を吸収できるようにして、騒音、振動、及び伝達トルクのばらつきを抑えることができるボール減速機の提供を目的とする。
本発明に係るボール減速機1において、
(1).回転不能な固定保持板2の一方の側面側には、回転可能に支持された一次回転体3,33が対向するように配置されている。
(2).前記固定保持板2の他方の側面側には、回転可能に支持された二次回転体4,34が対向するように配置されている。
(3).前記一次回転体3,33と前記二次回転体4,34は、回転中心11,14,40,41が同軸上に位置するように配置されている。
(4).前記固定保持板2は、前記回転中心11,14,40,41と同心の中心13から放射方向へ延びる仮想線を径方向線16とすると、前記径方向線16に沿って延びる径方向溝17が前記中心13の周囲に複数形成されている。
(5).前記径方向溝17には、ボール18が径方向に移動可能に収容されている。
(6).前記ボール18は、前記一次回転体3,33に形成された一次側ボール溝20に転動可能に係合されると共に、前記二次回転体4,34に形成された二次側ボール溝21に転動可能に係合されている。
(7).前記一次側ボール溝20は、前記一次回転体3,33の前記回転中心11,41の周囲に形成された環状溝であり、前記一次回転体3,33の1回転で、前記径方向溝17内の前記ボール18を径方向にN往復させることができるように、前記回転中心11,41から最も離れた部分26,30と前記回転中心11,41から最も近い部分27,31とがN箇所形成されると共に、溝断面の形状が前記ボール18の母線の一部と同様の円弧形状に形成され、
(8).前記二次側ボール溝21は、複数の山23と谷24からなる複数波の波形形状の環状溝であり、且つ前記回転中心14,41と同心の環状溝であって、溝断面の形状が前記ボール18の母線の一部と同様の円弧形状に形成されている。
(9).前記二次回転体4,34は、前記一次回転体3,33が1回転し、前記ボール18が前記一次回転体3,33の前記一次側ボール溝20によって前記径方向溝17内を径方向にN往復させられると、前記ボール18によって前記二次側ボール溝21のN波分だけ回転させられ、二次側ボール溝21がM(N<M)波の波形形状の環状溝である場合に、N/M回転させられるようになっている。
(10).前記径方向溝17は、前記ボール18が溝幅方向にずれ動くことを許容できるように、前記ボール18の直径よりも大きな溝幅に形成されている。
(11).前記一次側ボール溝20の前記回転中心11,41から最も離れた部分26,30とその近傍、及び前記一次側ボール溝20の前記回転中心11,41から最も近い部分27,31とその近傍と、前記二次側ボール溝21の前記山23及び谷24に対応する部分との少なくとも一方は、溝幅が広げられ、溝底20a,21aに同一溝深さとなる平面25,28,32が形成されている。
本発明に係るボール減速機は、二次側ボール溝の山又は谷に位置するボールが一次回転体と二次回転体との間隔を押し広げることなく径方向へずれ動くことができ、一次側ボール溝と二次側ボール溝との径方向誤差を吸収できるため、騒音、振動、及び伝達トルクのばらつきを抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係るボール減速機の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るボール減速機の分解斜視図である。 固定保持板の側面図である。 一次回転体に形成された一次側ボール溝を示す図である。 図5(a)は二次回転体に形成された二次側ボール溝を示す図であり、図5(b)は二次側ボール溝の一部(図5(a)のA部)を拡大して示す図である。 二次回転体の二次側ボール溝とボールとの関係を示す平面図である。 一次側ボール溝とボールとの係合状態、及び溝底に平面を形成した二次側ボール溝とボールとの係合状態を示す断面図であり、図7(a)が一次側ボール溝と二次側ボール溝とに径方向誤差がない状態を示す断面図、図7(b)が一次側ボール溝と二次側ボール溝とに径方向誤差がある状態を示す断面図である。 一次回転体の一次側ボール溝の変形例1を示す図である。 一次回転体の一次側ボール溝の変形例2を示す図である。 一次回転体の一次側ボール溝の変形例3を示す図であり、変形例2に係る一次側ボール溝の変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るボール減速機の縦断面図である。 従来のボール減速機を簡略化して示す図であり、図12(a)がボール減速機の縦断面図、図12(b)が一次回転体の一次側ボール溝を示す図、図12(c)が固定保持板の側面図、図12(d)が二次回転体の二次側ボール溝を示す図である。 図13(a)は従来のボール減速機における一次回転体と二次回転体との間隔が正常な状態を示す図であり、図13(b)は従来のボール減速機における一次回転体と二次回転体との間隔が異常な状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
[第1実施形態]
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係るボール減速機1を示す図である。なお、図1は、ボール減速機1の縦断面図である。また、図2は、ボール減速機1の分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るボール減速機1は、回転不能な固定保持板2の一方の側面側に一次回転体3が対向するように配置され、回転不能な固定保持板2の他方の側面側に二次回転体4が対向するように配置されている。そして、固定保持板2は、径方向外方端側(図1の上方端側及び下方端側)が第1ハウジング5と第2ハウジング6の突き合わせ部にボルト7で固定されている。また、一次回転体3は、一次側軸部3aと一次側円板部3bとが一体に形成され、第1ハウジング5の内周側にベアリング8で回転可能に支持されている。また、二次回転体4は、二次側軸部4aと二次側円板部4bとが一体に形成され、第2ハウジング6の内周側にベアリング10で回転可能に支持されている。そして、このボール減速機1は、一次回転体3の回転中心11(一次側軸部3aの軸心12)、固定保持板2の中心13、及び二次回転体4の回転中心14(二次側軸部4aの軸心15)が同軸上に位置するように組み立てられている。なお、本実施形態に係るボール減速機1は、一次回転体3の一次側軸部3aは入力軸となり、二次回転体4の二次側軸部4aは出力軸となるように使用される。
図1、図2、及び図3に示すように、固定保持板2は、中心13から放射方向へ延びる仮想線を径方向線16とすると、その径方向線16に沿って延びる径方向溝17が中心13の周囲に等間隔で複数(21箇所)形成されている。この固定保持板2の複数の径方向溝17は、中心13からの距離が等距離に形成されており、ボール18が径方向移動可能に収容されている。また、この径方向溝17は、ボール18が後述する一次回転体3の一次側ボール溝20に沿って径方向へ移動することを可能にする長穴であり、且つボール18が円周方向にずれ動くことが可能にとなる溝幅(ボール18の直径よりも大きな溝幅)で形成されている。そして、この固定保持板2は、その両側にボール18の一部が露出し、そのボール18が一次回転体3の一次側ボール溝20と二次回転体4の二次側ボール溝21に転動可能に係合するようになっている。
図1、図2、及び図4に示すように、一次回転体3は、一次側円板部3bの固定保持板2に対向する面に一次側ボール溝20が形成されている。この一次側ボール溝20は、真円の中心22を一次回転体3の回転中心11(軸心12)に対して所定寸法(e)だけ偏心させて形成された偏心円形状の溝であり、溝断面の形状がボール18の母線の一部と同様の円弧形状に形成されている。
図1、図2、及び図5に示すように、二次回転体4は、二次側円板部4bの固定保持板2に対向する面に二次側ボール溝21が形成されている。この二次側ボール溝21は、複数(20箇所)の山23と谷24からなる波形形状の環状溝であり(山23の頂部から隣の山23の頂部まで、又は谷24の底部から隣の谷24の底部までを一波とすると、20波の波形形状の環状溝であり)、且つ軸心15と同心の環状溝であって、溝断面の形状がボール18の母線の一部と同様の円弧形状に形成されている。そして、図5及び図7に示すように、二次側ボール溝21の山23及び谷24に対応する部分(山23の頂部とその近傍、及び谷24の底部とその近傍)は、一次側ボール溝20との径方向の誤差Δを考慮した寸法(山23の頂部又は谷24の底部における寸法w(w>Δ))分だけ溝幅が広げられ、溝底21aに同一溝深さとなる平面25が略三日月状に形成されている。このように形成された二次側ボール溝21は、一次側ボール溝20との間に径方向の誤差Δが生じた場合、山23又は谷24に位置するボール18が一次回転体3と二次回転体4との間隔を押し広げることなく径方向へずれ動くことが可能になるため、一次側ボール溝20との径方向の誤差Δを吸収することが可能になる。なお、山23の頂部とその近傍の「その近傍」とは、二次側ボール溝21の山23の頂部の溝幅をボールエンドミル等の切削工具で広げる場合に、その切削工具で溝幅が漸増するように切り込まれる部分、及びその切削工具で幅が漸減するように切り込まれる部分をいう。また、谷24の底部とその近傍の「その近傍」とは、二次側ボール溝21の谷24の底部の溝幅をボールエンドミル等の切削工具で広げる場合に、その切削工具で溝幅が漸増するように切り込まれる部分、及びその切削工具で幅が漸減するように切り込まれる部分をいう。
図6は、二次回転体4の二次側ボール溝21とボール18の係合状態を示す図である。この図6に示すように、二次回転体4の二次側ボール溝21には、固定保持板2の21箇所の径方向溝17内に収容された21個のボール18が転動可能に係合している(図3参照)。
以上のようなボール減速機1は、一次回転体3が1回転し、ボール18が一次回転体3の一次側ボール溝20によって固定保持板2の径方向溝17内を径方向に1往復させられると、二次回転体4がボール18によって二次側ボール溝21の一波分だけ回転させられるようになっている。すなわち、本実施形態に係るボール減速機1は、一次回転体3の回転が1/20に減速されて二次回転体4に伝達されるようになっている。
このような本実施形態に係るボール減速機1は、二次側ボール溝21の山23及び谷24に対応する部分の溝幅が広げられ、二次側ボール溝21の山23及び谷24に対応する部分の溝底21aが同一溝深さの平面25になっているため、一次回転体3側と二次回転体4側の組立誤差、一次回転体3側と二次回転体4側との温度差に起因する熱膨張差等によって、一次側ボール溝20と二次側ボール溝21とに径方向誤差が生じた場合、溝幅が広げられた分(溝底21aに平面25が設けられた分)だけ二次側ボール溝21の山23又は谷24に位置するボール18が一次回転体3と二次回転体4の間隔を押し広げることなく径方向へずれ動き、一次側ボール溝20と二次側ボール溝21の径方向の誤差Δを吸収することができる(図7参照)。
また、本実施形態に係るボール減速機1は、固定保持板2の径方向溝17の溝幅がボール18の直径よりも大きく形成されており、径方向溝17の溝壁とボール18との隙間分だけボール18が円周方向に移動できるようになっているため、一次側ボール溝20の中心線と二次側ボール溝21の中心線とが交差する部分において、ボール18が径方向溝17の溝壁との隙間分だけ円周方向に移動し、一次側ボール溝20と二次側ボール溝21との径方向の誤差Δを吸収することが可能になる(図3参照)。
以上のように、本実施形態に係るボール減速機1は、一次側ボール溝20と二次側ボール溝21とに径方向の誤差Δが生じたとしても、その一次側ボール溝20と二次側ボール溝21の径方向の誤差Δを吸収できるため、ボール18によって一次回転体3と二次回転体4との間隔が周期的に押し広げられることがなく、ボール18が二次回転体4(二次側ボール溝21の溝壁)に接触できない状態が周期的に出現するようなことがなくなり、騒音及び振動を抑えることができ、伝達トルクのばらつきを抑えることができる。
特に、本実施形態に係るボール減速機1は、熱膨張率が大きい材料(例えば、樹脂材料)で一次回転体3及び二次回転体4を形成した場合、熱膨張率が小さい材料(例えば、金属)で一次回転体3及び二次回転体4を形成した場合と比較し、熱膨張差及び膨潤に起因する一次側ボール溝20と二次側ボール溝21との径方向の誤差Δが大きくなりやすいため、より一層大きな効果を得ることができる。
(変形例1)
図8は、一次回転体3の一次側ボール溝20の変形例1を示す図である。この図8に示す一次回転体3の一次側ボール溝20は、軸心12から最も離れた部分26とその近傍、及び最も近い部分27とその近傍の溝幅が広げられ、その溝幅が広げられた部分の溝底20aに同一溝深さとなる平面28(略三日月状の平面)が形成されている。このような本変形例に係る一次回転体3は、二次側ボール溝21の山23及び谷24に対応する部分の溝幅を広げ、二次側ボール溝21の山23及び谷24に対応する部分の溝底21aを同一溝深さの平面25にした場合と同様に、二次側ボール溝21の山23又は谷24に位置するボール18が一次回転体3と二次回転体4との間隔を押し広げることなく径方向へずれ動くことが可能になるため、一次側ボール溝20と二次側ボール溝21の径方向の誤差Δを吸収することができる。その結果、本変形例に係る一次回転体3を図4に示した一次回転体3に代えて使用する場合には、二次回転体4の二次側ボール溝21の山23及び谷24に対応する部分の溝幅を広げる必要がなくなる。そして、本変形例に係る一次回転体3を使用したボール減速機1は、上記第1実施形態に係るボール減速機1と同様の効果を得ることができる。なお、軸心12から最も離れた部分26とその近傍の「その近傍」とは、一次側ボール溝20の軸心12から最も離れた部分26の溝幅をボールエンドミル等の切削工具で広げる場合に、その切削工具で溝幅が漸増するように切り込まれる部分、及びその切削工具で溝幅が漸減するように切り込まれる部分をいう。また、軸心12から最も近い部分27とその近傍の「その近傍」とは、一次側ボール溝20の軸心12から最も近い部分27の溝幅をボールエンドミル等の切削工具で広げる場合に、その切削工具で溝幅が漸増するように切り込まれる部分、及びその切削工具で溝幅が漸減するように切り込まれる部分をいう。
(変形例2)
図9は、一次回転体3の一次側ボール溝20の変形例2を示す図である。この図9に示す一次回転体3の一次側ボール溝20は、軸心12を中心とする楕円形状の溝であり、溝断面の形状がボール18の母線の一部と同様の円弧形状に形成されている。このような本変形例に係る一次回転体3を図4に示した一次回転体3に代えて使用するボール減速機1は、一次回転体3の1回転で固定保持板2の径方向溝17内のボール18が径方向に2往復し、その2往復するボール18によって二次回転体4が二次側ボール溝21の2波分だけ回転させられる。すなわち、本変形例に係る一次回転体3を使用したボール減速機1は、一次回転体3の回転が1/10に減速されて二次回転体4に伝達されるようになっている。そして、このような本変形例に係る一次回転体3を使用したボール減速機1は、上記実施形態に係るボール減速機1と同様の効果を得ることができる。
(変形例3)
図10は、一次回転体3の一次側ボール溝20の変形例3を示す図であり、変形例2に係る一次側ボール溝20の変形例を示す図である。この図10に示す一次回転体3の一次側ボール溝20は、軸心12を中心とする楕円形状の溝であり、軸心12から最も離れた部分30(長軸上の部分)とその近傍、及び軸心12から最も近い部分31(短軸上の部分)とその近傍の溝幅が広げられ、その溝幅が広げられた部分の溝底20aに同一溝深さとなる平面32(略三日月状の平面)が形成されている。このような本変形例に係る一次回転体3は、二次側ボール溝21の山23及び谷24に対応する部分の溝幅を広げ、二次側ボール溝21の山23及び谷24に対応する部分の溝底21aを同一溝深さの平面25にした場合と同様に、二次側ボール溝21の山23又は谷24に位置するボール18が一次回転体3と二次回転体4との間隔を押し広げることなく径方向へずれ動くことが可能になるため、一次側ボール溝20と二次側ボール溝21の径方向の誤差Δを吸収することができる。その結果、本変形例に係る一次回転体3を図4に示した一次回転体3に代えて使用する場合には、二次回転体4の二次側ボール溝21の山23及び谷24に対応する部分の溝幅を広げる必要がなくなる。そして、本変形例に係る一次回転体3を使用したボール減速機1は、上記第1実施形態に係るボール減速機1と同様の効果を得ることができる。なお、軸心12から最も離れた部分30とその近傍の「その近傍」とは、一次側ボール溝20の軸心12から最も離れた部分30の溝幅をボールエンドミル等の切削工具で広げる場合に、その切削工具で溝幅が漸増するように切り込まれる部分、及びその切削工具で溝幅が漸減するように切り込まれる部分をいう。また、軸心12から最も近い部分31とその近傍の「その近傍」とは、一次側ボール溝20の軸心12から最も近い部分31の溝幅をボールエンドミル等の切削工具で広げる場合に、その切削工具で溝幅が漸増するように切り込まれる部分、及びその切削工具で溝幅が漸減するように切り込まれる部分をいう。
(変形例4)
本実施形態に係るボール減速機1は、固定保持板2の径方向溝17を周方向に沿って等間隔で21箇所形成し、その各径方向溝17内にそれぞれボール18を収容し、合計21個のボール18を20波の波形形状の二次側ボール溝21に転動可能に係合しているが、これに限定されず、固定保持板2の径方向溝17を19箇所とし、その各係合溝17内にそれぞれボール18を収容し、合計19個のボール18を20波の波形形状の二次側ボール溝21に転動可能に係合してもよい。この変形例に係るボール減速機1は、上記した本実施形態に係るボール減速機1と同一の減速比で、上記した本実施形態に係るボール減速機1と逆方向に回転伝達することが可能になる。
(変形例5)
本実施形態に係るボール減速機1は、固定保持板2の21箇所の径方向溝17の全てにボール18を収容する構成を例示したが、これに限られず、一部の径方向溝17からボール18を抜いた場合でも、同一の減速比で回転伝達することができる。
(変形例6)
本実施形態に係るボール減速機1は、一次側ボール溝20が偏心円形状の溝であり、二次側ボール溝21が20波の波形形状の環状溝であるが、これに限られず、求められる減速比に応じた最適の形状に決定される。例えば、ボール減速機1は、一次回転体3が1回転する間に固定保持板2の径方向溝17内のボール18が3(N)往復し、二次回転体4が1/6回転するように、一次側ボール溝20を3波の波形環状溝とし、二次側ボール溝21を18波(M波)の波形環状溝とし、固定保持板2の径方向溝17を19箇所にしてもよい。
(変形例7)
本発明に係るボール減速機1は、上記第1実施形態、変形例1、及び変形例3に限定されず、一次側ボール溝20の回転中心11(41)から最も離れた部分26(30)とその近傍、及び一次側ボール溝20の回転中心11(41)から最も近い部分27(31)とその近傍において、溝幅が広げられ、溝底20aに同一溝深さとなる平面28(32)が形成されると共に、二次側ボール溝21の山23及び谷24に対応する部分において、溝幅が広げられ、溝底21aに同一溝深さとなる平面25が形成されたものでもよい。
[第2実施形態]
図11は、本発明の第2実施形態に係るボール減速機1の縦断面図である。なお、本実施形態に係るボール減速機1の説明は、第1実施形態に係るボール減速機1に対応する構成部分に同一符号を付し、第1実施形態に係るボール減速機1の説明と重複する説明を省略する。
この図11に示す本実施形態に係るボール減速機1は、一次回転体33と二次回転体34との間に第1の固定保持板2が介装され、二次回転体34と三次回転体35との間に第2の固定保持板2が介装されている。第1の固定保持板2は、径方向外方端側が第1ハウジング5と中間ハウジング36との間に挟まれて固定されている。また、第2の固定保持板2は、径方向外方端側が中間ハウジング36と第2ハウジング6との間に挟まれて固定されている。そして、これら第1ハウジング5、第1の固定保持板2、中間ハウジング36、第2の固定保持板2、及び第2ハウジング6は、複数のボルト7によって固定されている。なお、一次回転体33の回転中心40、二次回転体34の回転中心41、及び三次回転体35の回転中心42は、同軸上に位置している。
一次回転体33は、第1ハウジング5の内周側にベアリング8で回転可能に支持されており、一次側軸部33aと一次側円板部33bが一体に形成され、一次側円板部33bの第1の固定保持板2に対向する面側に一次側ボール溝20が形成されている。第1の固定保持板2は、第1実施形態に係る固定保持板2と同様に、複数の径方向溝17が形成され、各径方向溝17内にボール18が径方向移動可能に収容されている。二次回転体34は、第1の固定保持板2に対向する面側に二次側ボール溝21が回転中心41と同心になるように形成されている。そして、第1の固定保持板2の径方向溝17内に収容されたボール18は、一次回転体33の一次側ボール溝20と二次回転体34の二次側ボール溝21に転動可能に係合されている。また、二次回転体34は、第2の固定保持板2に対向する面側に一次側ボール溝20と同様の2段目ボール溝37が形成されている。第2の固定保持板2は、第1の固定保持板2と同様に構成されている。三次回転体35は、第2ハウジング6の内周側にベアリング10で回転可能に支持されており、三次側軸部35aと三次側円板部35bが一体に形成され、三次側円板部35bの第2の固定保持板2に対向する面側に二次側ボール溝21と同様の三次側ボール溝38が形成されている。そして、第2の固定保持板2の径方向溝17内に収容されたボール18は、二次回転体34の2段目ボール溝37と三次回転体35の三次側ボール溝38に転動可能に係合されている。なお、二次回転体34は、中間ハウジング36の内周側に収容され、第1の固定保持板2の径方向溝17内に収容された複数のボール18、及び第2の固定保持板2の径方向溝17内に収容された複数のボール18によって回転可能に支持されている。
このような構成のボール減速機1は、一次回転体33の回転が二次回転体34に1/20に減速されて伝達され、二次回転体34の回転が三次回転体35に1/20に減速されて伝達される。すなわち、本実施形態に係るボール減速機1は、一次回転体33の回転が三次回転体35に1/400に減速されて伝達される。なお、本実施形態に係るボール減速機1は、一次側ボール溝20及び2段目ボール溝37の形状を偏心円形状のもの(図4参照)から楕円形状のもの(図9参照)に代えた場合、一次回転体33の回転が三次回転体35に1/100に減速されて伝達される。
以上のような本実施形態に係るボール減速機1は、二次回転体34の二次側ボール溝21及び三次回転体35の三次側ボール溝38が第1実施形態に係る二次側ボール溝21と同様に形成されるため、第1実施形態に係るボール減速機1と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明に係るボール減速機1は、本実施形態に限定されず、二次回転体34と第2の固定保持板2の構成を一次回転体33と三次回転35との間に複数セット配置し、減速比をより一層大きくしてもよい。
1……ボール減速機、2……固定保持板、3,33……一次回転体、4,34……二次回転体、11,14,40,41……回転中心、13……中心、16……径方向線、17……径方向溝、18……ボール、20……一次側ボール溝、21……二次側ボール溝、20a,21a……溝底、23……山、24……谷、25,28,32……平面、26,30……最も離れた部分、27,31……最も近い部分

Claims (4)

  1. 回転不能な固定保持板の一方の側面側には、回転可能に支持された一次回転体が対向するように配置され、
    前記固定保持板の他方の側面側には、回転可能に支持された二次回転体が対向するように配置され、
    前記一次回転体と前記二次回転体は、回転中心が同軸上に位置するように配置され、
    前記固定保持板は、前記回転中心と同心の中心から放射方向へ延びる仮想線を径方向線とすると、前記径方向線に沿って延びる径方向溝が前記中心の周囲に複数形成され、
    前記径方向溝には、ボールが径方向に移動可能に収容され、
    前記ボールは、前記一次回転体に形成された一次側ボール溝に転動可能に係合されると共に、前記二次回転体に形成された二次側ボール溝に転動可能に係合され、
    前記一次側ボール溝は、前記一次回転体の前記回転中心の周囲に形成された環状溝であり、前記一次回転体の1回転で、前記径方向溝内の前記ボールを径方向にN往復させることができるように、前記回転中心から最も離れた部分と前記回転中心から最も近い部分とがN箇所形成されると共に、溝断面の形状が前記ボールの母線の一部と同様の円弧形状に形成され、
    前記二次側ボール溝は、複数の山と谷からなる複数波の波形形状の環状溝であり、且つ前記回転中心と同心の環状溝であって、溝断面の形状が前記ボールの母線の一部と同様の円弧形状に形成され、
    前記径方向溝は、前記ボールが溝幅方向にずれ動くことを許容できるように、前記ボールの直径よりも大きな溝幅に形成され、
    前記一次側ボール溝の前記回転中心から最も離れた部分とその近傍、及び前記一次側ボール溝の前記回転中心から最も近い部分とその近傍と、前記二次側ボール溝の前記山及び谷に対応する部分との少なくとも一方は、溝幅が広げられ、溝底に同一溝深さとなる平面が形成された、
    ことを特徴とするボール減速機。
  2. 前記二次回転体は、前記一次回転体が1回転し、前記ボールが前記一次回転体の前記一次側ボール溝によって前記径方向溝内を径方向にN往復させられると、前記ボールによって前記二次側ボール溝のN波分だけ回転させられ、二次側ボール溝がM(N<M)波の波形形状の環状溝である場合に、N/M回転させられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のボール減速機。
  3. 前記一次側ボール溝は、真円の中心を前記回転中心から偏心させた偏心溝であり、溝断面の形状が前記ボールの母線の一部と同様の円弧形状に形成され、
    前記二次回転体は、前記一次回転体が1回転し、前記ボールが前記一次回転体の前記一次側ボール溝によって前記径方向溝内を径方向に1往復させられると、前記ボールによって前記二次側ボール溝の1波分だけ回転させられ、二次側ボール溝がM波の波形形状の環状溝である場合に、1/M回転させられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のボール減速機。
  4. 前記一次側ボール溝は、前記回転中心を中心とする楕円形状の溝であり、溝断面の形状が前記ボールの母線の一部と同様の円弧形状に形成され、
    前記二次回転体は、前記一次回転体が1回転し、前記ボールが前記一次回転体の前記一次側ボール溝によって前記径方向溝内を径方向に2往復させられると、前記ボールによって前記二次側ボール溝の2波分だけ回転させられ、二次側ボール溝がM波の波形形状の環状溝である場合に、2/M回転させられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のボール減速機。
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