JP2018012261A - 液体吐出装置および液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置および液体吐出方法 Download PDF

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Masanori Mikoshiba
匡矩 御子柴
矢崎 士郎
Shiro Yazaki
士郎 矢崎
仁司 鷹合
Hitoshi Takaai
仁司 鷹合
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Abstract

【課題】ノズルごとの駆動素子の経時劣化のばらつきを低減する。【解決手段】液体が充填される内部空間の圧力変動によって複数のノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、複数のノズルの各々に対応して設けられ、内部空間の圧力を変動させる駆動素子と、駆動素子を駆動して液体を吐出させるための吐出波形を含む駆動信号を生成する駆動信号生成部と、駆動素子へ印加される吐出波形の印加回数をノズルごとに測定する測定部と、液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、複数のノズルに含まれる第1ノズルと第2ノズルについて、測定部により測定されるフラッシング動作前の吐出波形の印加回数とフラッシング動作後の吐出波形の印加回数との差が小さくなるように吐出波形を印加する制御部と、を備える液体吐出装置。【選択図】図2

Description

本発明は、インク等の液体を流通させる技術に関する。
インクを吐出するための吐出波形を印加して駆動素子を駆動させることにより液体吐出ヘッドの内部圧力を変動させて、複数のノズルからインクを吐出する液体吐出装置が知られている。このような液体吐出装置では、駆動素子の経時劣化などによるインク(液滴)の吐出重量の低下に対して、インクの吐出重量を良好に保つための技術が従来から提案されている。特許文献1には、ノズル列ごと又は複数のノズル列群ごとに、インクの吐出回数に応じて吐出波形の形状を変えて印加電圧を補正することによって、インクの吐出重量を補正する技術が開示されている。
特開2009−66948号公報
しかしながら、駆動素子はノズル列を構成する複数のノズルの各々に対応して設けられており、印刷データによってインクを吐出するノズルが決まるので、駆動素子への吐出波形の印加回数は、ノズルごとに異なる。したがって、ノズルごとの駆動素子の経時劣化に差が生じ、ノズル列内でのインクの吐出重量がばらついてしまう。ところが、特許文献1ではノズル列ごと又は複数のノズル列群ごとに一括してインクの吐出重量を補正するので、ノズルごとの駆動素子の経時劣化によるインクの吐出重量を補正することはできない。しかも、特許文献1では吐出波形の波形を変えることによって駆動素子への印加電圧を補正するものであるから、ノズルごとの駆動素子の経時劣化のばらつき自体を低減することはできない。以上の事情を考慮して、本発明は、ノズルごとの駆動素子の経時劣化のばらつきを低減することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の液体吐出装置は、液体が充填される内部空間の圧力変動によって複数のノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、複数のノズルの各々に対応して設けられ、内部空間の圧力を変動させる駆動素子と、駆動素子を駆動して液体を吐出させるための吐出波形を含む駆動信号を生成する駆動信号生成部と、駆動素子へ印加される吐出波形の印加回数をノズルごとに測定する測定部と、液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、複数のノズルに含まれる第1ノズルと第2ノズルについて、測定部により測定されるフラッシング動作前の吐出波形の印加回数とフラッシング動作後の吐出波形の印加回数との差が小さくなるように吐出波形を印加する制御部と、を備える。以上の構成によれば、フラッシング動作によって、ノズルごとの駆動素子への吐出波形の印加回数の差が小さくなるように調整できるので、ノズルごとの駆動素子の劣化度合いを調整できる。これにより、ノズルごとの駆動素子の経時劣化のばらつき自体を低減できるので、各ノズルの液体の吐出重量のばらつきを低減でき、単に駆動素子への印加電圧を補正する場合に比較して、ノズルごとの駆動素子の経時劣化による印刷品質の劣化を効果的に低減できる。
本発明の好適な態様において、制御部は、液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、第1ノズルと第2ノズルを含む複数のノズルについて、測定部により測定されるフラッシング動作前の吐出波形の印加回数とフラッシング動作後の吐出波形の印加回数とが等しくなるように吐出波形を印加する。以上の態様によれば、フラッシング動作によって、複数のノズルについて、ノズルごとの駆動素子の劣化度合いが等しくなるように調整できる。これにより、各ノズルからの液体の吐出重量のばらつきを低減できる。
本発明の好適な態様において、制御部は、第1ノズルと第2ノズルを含む複数のノズルについて、測定部による吐出波形の印加回数の測定結果に基づくフラッシング動作前の吐出波形の印加回数の平均値を有し、液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、複数のノズルのうち吐出波形の印加回数が平均値に満たないノズルについて、フラッシング動作後の吐出波形の印加回数が平均値となるように、または平均値に近づくように吐出波形を印加する。以上の態様によれば、複数のノズルのうち吐出波形の印加回数が平均値に満たないノズルについて、フラッシング動作後の吐出波形の印加回数が平均値となるように、または平均値に近づくように吐出波形を印加するから、フラッシング動作による液体の吐出回数を抑えつつ、各ノズルからの液体の吐出重量のばらつきを低減できる。
本発明の好適な態様において、制御部は、第1ノズルと第2ノズルを含む複数のノズルごとに区分したノズル群の各々について、測定部による吐出波形の印加回数の測定結果に基づくフラッシング動作前の吐出波形の印加回数の平均値を有し、液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、ノズル群内の各ノズルのうち吐出波形の印加回数が平均値に満たないノズルについて、フラッシング動作後の吐出波形の印加回数が平均値となるように、または平均値に近づくように吐出波形を印加する。以上の態様によれば、複数のノズル群の各々について、吐出波形の印加回数が平均値に満たないノズルについて、フラッシング動作後の吐出波形の印加回数が平均値となるように、または平均値に近づくように吐出波形を印加するから、フラッシング動作による液体の吐出回数を抑えつつ、各ノズルからの液体の吐出重量のばらつきを低減できる。
本発明の好適な態様において、第1ノズルと第2ノズルを含む複数のノズルに対して吐出不良を検出する検出部を備え、制御部は、検出部による検出結果から、吐出不良のノズルが検出された場合に、フラッシング動作を行う。以上の態様によれば、吐出不良のノズルが検出された場合にフラッシング動作時において吐出波形の印加回数を調整できるので、フラッシング動作による吐出回数を抑えることができる。
以上の課題を解決するために、本発明の液体吐出装置は、液体が充填される内部空間の圧力変動によって複数のノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、複数のノズルの各々に対応して設けられ、内部空間の圧力を変動させる駆動素子と、駆動素子を駆動して液体を吐出させるための吐出波形を含む駆動信号を生成する駆動信号生成部と、駆動素子に吐出波形が印加されることによって駆動素子にかかる電界の累積時間と強度をノズルごとに測定する測定部と、液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、複数のノズルに含まれる第1ノズルと第2ノズルについて、測定部による電界の累積時間と強度の測定結果からフラッシング動作前に駆動素子に印加された電界の時間積分値を取得し、フラッシング動作後の電界の時間積分値の差が小さくなるように吐出波形を印加する制御部と、を備える。以上の態様によれば、フラッシング動作によって、ノズルごとの駆動素子にかかる電界の時間積分値の差が小さくなるように調整できるので、ノズルごとの駆動素子の劣化度合いを調整できる。これにより、ノズルごとの駆動素子の経時劣化のばらつき自体を低減できるので、各ノズルからの液体の吐出重量のばらつきを低減でき、単に駆動信号の波形による印加電圧を補正する場合に比較して、ノズルごとの駆動素子の経時劣化による印刷品質の劣化を効果的に低減できる。
以上の課題を解決するために、本発明の液体吐出方法は、液体が充填される内部空間の圧力変動によって複数のノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、複数のノズルの各々に対応して設けられ、内部空間の圧力を変動させる駆動素子と、駆動素子を駆動して液体を吐出させるための吐出波形を含む駆動信号を生成する駆動信号生成部と、駆動素子へ印加される吐出波形の印加回数をノズルごとに測定する測定部と、を備えた液体吐出装置を用い、液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、複数のノズルに含まれる第1ノズルと第2ノズルについて、測定部により測定されるフラッシング動作前の吐出波形の印加回数とフラッシング動作後の吐出波形の印加回数との差が小さくなるように吐出波形を印加する。以上の構成によれば、ノズルごとの駆動素子の経時劣化のばらつき自体を低減できるので、各ノズルからの液体の吐出重量のばらつきを低減できる。
以上の課題を解決するために、本発明の液体吐出方法は、液体が充填される内部空間の圧力変動によって複数のノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、複数のノズルの各々に対応して設けられ、内部空間の圧力を変動させる駆動素子と、駆動素子を駆動して液体を吐出させるための吐出波形を含む駆動信号を生成する駆動信号生成部と、駆動素子に吐出波形が印加されることによって駆動素子にかかる電界の累積時間と強度をノズルごとに測定する測定部と、を備えた液体吐出装置を用い、液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、複数のノズルに含まれる第1ノズルと第2ノズルについて、測定部による電界の累積時間と強度の測定結果からフラッシング動作前に駆動素子に印加された電界の時間積分値を取得し、フラッシング動作後の電界の時間積分値の差が小さくなるように吐出波形を印加する。以上の態様によれば、ノズルごとの駆動素子の経時劣化のばらつき自体を低減できるので、各ノズルからの液体の吐出重量のばらつきを低減できる。
第1実施形態に係る液体吐出装置の構成図である。 液体吐出装置の機能的な構成図である。 駆動信号の吐出波形の具体例を示す図である。 液体吐出部の断面図である。 第1実施形態のメンテナンス処理のフローチャートである。 フラッシングするノズルと吐出波形の印加回数を決定する第1の方法を説明するための図であって、測定部によって測定されたフラッシング動作前の吐出波形の印加回数の具体例を示す。 図6Aの測定結果から決定されたノズルと吐出波形の印加回数の具体例を示す図である。 図6Bによるフラッシング動作後の各ノズルの吐出波形の印加回数の具体例を示す図である。 フラッシングするノズルと吐出波形の印加回数を決定する第2の方法を説明するための図であって、測定部によって測定されたフラッシング動作前の吐出波形の印加回数の具体例を示す。 図7Aの測定結果から決定されたノズルと吐出波形の印加回数の具体例を示す図である。 図7Bによるフラッシング動作後の各ノズルの吐出波形の印加回数の具体例を示す図である。 フラッシングするノズルと吐出波形の印加回数を決定する第3の方法を説明するための図であって、測定部によって測定されたフラッシング動作前の吐出波形の印加回数の具体例を示す。 図8Aの測定結果から決定されたノズルと吐出波形の印加回数の具体例を示す図である。 図8Bによるフラッシング動作後の各ノズルの吐出波形の印加回数の具体例を示す図である。 第2実施形態に係る液体吐出装置の機能的な構成図である。 第2実施形態のメンテナンス処理のフローチャートである。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置10の部分的な構成図である。第1実施形態の液体吐出装置10は、液体の例示であるインクを印刷用紙等の媒体12に吐出するインクジェット方式の印刷装置である。図1に示す液体吐出装置10は、制御ユニット20と搬送機構22と液体吐出ヘッド26と液体容器30とを具備する。
第1実施形態の液体容器30は、液体吐出装置10の本体に着脱可能な箱状の容器からなるインクタンクタイプのカートリッジである。なお、液体容器30は、箱状の容器に限られず、袋状の容器からなるインクパックタイプのカートリッジであってもよい。液体容器30には、インクが貯留される。インクは、黒色インクであってもよく、カラーインクであってもよい。液体容器30に貯留されるインクは、ポンプ32によって液体吐出ヘッド26に圧送される。
制御ユニット20は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の制御装置202と半導体メモリ等の記憶装置204とを含んで構成され、記憶装置204に記憶された制御プログラムを制御装置202が実行することで液体吐出装置10の各要素を統括的に制御する。図1に示すように、媒体12に形成すべき画像を表す印刷データGがホストコンピュータ等の外部装置(図示略)から制御ユニット20に供給される。制御ユニット20は、印刷データGで指定された画像が媒体12に形成されるように液体吐出装置10の各要素を制御する。
搬送機構22は、制御ユニット20による制御のもとで媒体12をY方向に搬送する。なお、搬送機構22の構成は以上の例示に限定されない。液体吐出ヘッド26は、X方向に長尺なラインヘッドであり、液体容器30から供給されるインクを制御ユニット20による制御のもとで媒体12に吐出する。
図1に示す液体吐出ヘッド26の吐出面(媒体12との対向面)には、1つのノズル列Lが配置される。ノズル列Lは、X方向に沿って直線状に配列された複数のノズルNの集合である。各ノズルNからは、液体容器30から供給されるインクが吐出される。なお、液体吐出ヘッド26の吐出面にはノズル列Lを複数設けてもよい。ノズル列Lを複数設ける場合には、ノズル列Lの各々をY方向に等間隔に配列してもよく、千鳥配列またはスタガ配列にしてもよい。また、カラーの色ごとにノズル列Lを設けてもよい。
図2は、液体吐出装置10の機能的な構成図である。図2では、搬送機構22等の図示を便宜的に省略している。図2に示す制御装置202が制御プログラムを実行することで、制御装置202が駆動信号生成部40とメンテナンス処理部50として機能する。駆動信号生成部40は、駆動信号COMを生成する。駆動信号COMは、図3に示すように、所定の周期ごとにインク(液滴)を吐出するための吐出波形(駆動パルス)Wを含む電圧信号である。吐出波形の形状を変えることでノズルNから吐出されるインクの吐出重量を変えることができる。なお、吐出波形Wの具体的な波形形状は任意である。また、駆動信号COMの1周期に複数の吐出波形Wを含む構成や、波形が相違する複数の駆動信号COMを利用する構成も採用され得る。
液体吐出ヘッド26は、駆動部262と液体吐出部264を具備する。駆動部262は、制御ユニット20による制御のもとで液体吐出部264を駆動する。液体吐出部264は、液体容器30から供給されるインクを複数のノズルNから媒体12に吐出する。液体吐出部264は、相異なるノズルNに対応する複数の吐出部266を包含する。各吐出部266は、駆動部262から供給される駆動信号Vに応じてインクを吐出する。
駆動信号生成部40が生成した駆動信号COMと印刷データGに応じてインクの吐出の有無を指示する印刷信号SIとが制御ユニット20から駆動部262に供給される。駆動部262は、駆動信号COMと印刷信号SIとに応じた駆動信号Vを吐出部266ごとに生成して複数の吐出部266に並列に出力する。具体的には、駆動部262は、複数の吐出部266のうち印刷信号SIがインクの吐出を指示する吐出部266には駆動信号COMの吐出波形Wを駆動信号Vとして供給し、印刷信号SIがインクの非吐出を指示する吐出部266には所定の基準電圧の駆動信号Vを供給する。
図4は、任意の1個の吐出部266に着目した液体吐出部264の断面図である。図4に示す液体吐出部264は、流路基板71の一方側に圧力室基板72と振動板73と圧電素子74と支持体75とが配置されるとともに他方側にノズル板76が配置された構造体である。流路基板71と圧力室基板72とノズル板76とは例えばシリコンの平板材で形成され、支持体75は例えば樹脂材料の射出成形で形成される。複数のノズルNはノズル板76に形成される。図4の構成では、ノズル板76のうち媒体12に対向する面が、液体吐出ヘッドの吐出面260を構成する。
流路基板71には、開口部712と分岐流路(絞り流路)714と連通流路716とが形成される。分岐流路714および連通流路716はノズルN毎に形成された貫通孔であり、開口部712は複数のノズルNにわたり連続する開口である。支持体75に形成された収容部(凹部)752と流路基板71の開口部712とを相互に連通させた空間は、支持体75の導入流路754を介して液体容器30から供給されるインクを貯留する共通液室(リザーバー)SRとして機能する。
圧力室基板72には開口部722がノズルN毎に形成される。振動板73は、圧力室基板72のうち流路基板71とは反対側の表面に設置された弾性変形可能な平板材である。圧力室基板72の各開口部722の内側で振動板73と流路基板71とに挟まれた空間は、共通液室SRから分岐流路714を介して供給されるインクが充填される圧力室(キャビティ)SCとして機能する。各圧力室SCは、流路基板71の連通流路716を介してノズルNに連通する。圧力室SCと共通液室SRと、これらを連通する開口部712および分岐流路714と、連通流路716とで構成される空間が、液体吐出ヘッド26の内部空間SDを構成する。
振動板73のうち圧力室基板72とは反対側の表面にはノズルN毎に圧電素子74が形成される。各圧電素子74は、第1電極742と第2電極746との間に圧電体744を介在させた駆動素子である。第1電極742および第2電極746の一方に駆動信号Vが供給され、所定の基準電圧が他方に供給される。駆動信号V(吐出波形W)の供給により圧電素子74が変形することで振動板73が振動すると、圧力室SC内の圧力が変動して圧力室SC内のインクがノズルNから吐出される。具体的には、駆動信号Vの振幅に応じた吐出重量のインクがノズルNから吐出される。図4に例示した1個の吐出部266は、圧電素子74と振動板73と圧力室SCとノズルNとを包含する部分である。なお、第1電極742および第2電極746のうち基準電圧が供給される電極を、複数の圧電素子74にわたる共通電極とすることも可能である。このように、図4の構成では、駆動信号V(吐出波形W)の供給により圧電素子74が変形して圧力室SCの圧力を変動させることで、液体吐出ヘッド26の内部空間SDの圧力が変動し、ノズルNからインクを吐出させることができる。
液体吐出装置10は、ノズルNのメンテナンスを行うメンテナンス機構28を備える。メンテナンス機構28は、ノズルNが開口する吐出面260を封止(キャッピング)するキャップと、キャップに向けて吐出されたインクを吸収する吸収材などを備える。本実施形態のメンテナンス機構28は、X方向に長尺であり、Y方向に移動可能である。クリーニング時には、液体吐出ヘッド26までY方向に移動して吐出面260を封止する。なお、メンテナンス機構28の構成は上記の例示に限られず、液体吐出ヘッド26の方をメンテナンス機構28の配置位置までY方向に移動させるようにしてもよい。
ところで、圧電素子74は、繰り返し駆動(電界が印加)されることによって経時的に劣化する。この圧電素子74は、ノズル列Lを構成する複数のノズルNの各々に対応して設けられており、印刷データGによって各ノズルNの圧電素子74への吐出波形Wの印加回数が異なる。したがって、ノズルNごとの圧電素子74の経時劣化に差が生じ、ノズル列L内でのインクの吐出重量がばらついてしまう。このノズルNごとのインクの吐出重量のばらつきにより印刷品質が劣化してしまうという問題がある。
具体的には、圧電素子74は電界を加える(電圧を加える)と分極し、またその電界の印加時間を増やすと、分極状態が固定され、電界を解いても分極した状態が残ってしまう。このため、圧電素子74は電界をかける前の状態に比べて、電界をかけ続けた後の状態の方が、同じ電界をかけた時の分極変化が小さくなる。圧電素子74の分極変化が小さくなることは、圧電素子74によって圧力室SCを収縮させる力が小さくなるので、ノズルNからの液体吐出力の低下に繋がる。
したがって、圧電素子74の経時劣化は、圧電素子74にかかる電界の累積時間と強度に起因する。例えば圧電素子74への吐出波形の印加回数が多くなるほど、圧電素子74にかかる電界の累積時間も大きくなるので、圧電素子74が経時的に劣化する。そこで、本実施形態ではノズルNのメンテナンス処理として、液体吐出ヘッド26のフラッシング動作を行い、このフラッシング動作において、圧電素子74への吐出波形Wの印加回数を調整する。本実施形態におけるフラッシング動作は、メンテナンス処理において圧電素子74に吐出波形Wの印加することによって、ノズルNからインクを吐出させる動作である。
例えば、本実施形態におけるフラッシング動作とは、印刷前(印字前)や印刷中(印字中)に媒体外で圧電素子74に吐出波形Wを印加することによって、ノズルNからインクを吐出させる動作をいう。媒体外において圧電素子74に吐出波形Wを印加することなく、メンテナンス機構28と連通するポンプ等によりノズルNからインクを強制的に排出させる、いわゆるクリーニング動作は含まれない。なお、フラッシング動作時に圧電素子74に印加する吐出波形Wの形状は、印刷時と同様であってもよく、また異なっていてもよい。
以下、このような本実施形態のフラッシング動作によるメンテナンス処理を行うための具体的な構成について説明する。図2のメンテナンス処理部50は、ノズルNごとに圧電素子74へ印加される吐出波形Wの印加回数を測定し、その測定結果に応じたフラッシング動作を行うことによって各圧電素子74へ供給される吐出波形Wの印加回数を調整する。
図2に示すように、メンテナンス処理部50は、制御部51と測定部52を包含する。なお、メンテナンス処理部50の各要素を複数の装置に分担させた構成や、メンテナンス処理部50の一部の要素を専用の電子回路で実現した構成も採用され得る。
制御部51は、メンテナンス機構28を制御する。具体的には制御部51は、メンテナンス機構28を制御して、液体吐出ヘッド26の吐出面260をキャッピングしてフラッシング動作を実行させる。測定部52は、圧電素子74へ供給される吐出波形Wの印加回数をノズルNごとに測定する。具体的には測定部52は、駆動信号生成部40で発生して圧電素子74に供給された駆動信号Vの吐出波形(駆動パルス)Wの数を、ノズルNごとにカウントした合計を吐出波形Wの印加回数として測定する。制御部51は、測定部52からの測定結果に基づき、駆動信号生成部40と駆動部262によって各吐出部266の圧電素子74に選択的に吐出波形Wを印加することでフラッシング動作を実行する。
図1に示すノズル列Lに含まれる複数のノズルNの中から任意に選択した第1ノズルN1と第2ノズルN2に着目する。X方向の負側から正側にかけてノズル番号を1番〜n番とすると、本実施形態ではノズル番号が1番のノズルを第1ノズルN1とし、ノズル番号が2番のノズルを第2ノズルN2とした場合を例示する。第1ノズルN1と第2ノズルN2とは、隣り合う2つのノズルである。
制御部51は、液体吐出ヘッド26のフラッシング動作時において、第1ノズルN1と第2ノズルN2について、測定部52により測定されるフラッシング動作前の吐出波形Wの印加回数とフラッシング動作後の吐出波形Wの印加回数との差が小さくなるように圧電素子74に吐出波形Wを印加する。これにより、圧電素子74ごとの劣化度合いを調整できるので、圧電素子74ごとの経時劣化のばらつき自体を低減できる。したがって、各ノズルN1、N2のインクの吐出重量のばらつきを低減できる。このため、単に圧電素子74への印加電圧を補正する場合に比較して、ノズルNごとの圧電素子74の経時劣化による印刷品質の劣化を効果的に低減できる。ここまでは、ノズルNに含まれる任意のノズルN1、N2に着目して説明したが、以下、第1ノズルN1と第2ノズルN2を含むすべてのノズルNを対象として実行するメンテナンス方法の具体例について説明する。ただし、以下に示すメンテナンス方法は、第1ノズルN1と第2ノズルN2を含む一部のノズルNを対象としたものであってもよい。
(第1実施形態のメンテナンス方法)
以下、具体的にフラッシングするノズルNとその吐出波形Wの印加回数を決定する方法について説明する。図6A乃至図6Cは、フラッシングするノズルNと吐出波形Wの印加回数を決定する第1の方法を説明するための図であり、ノズルNごとの吐出波形Wの印加回数を棒グラフで表したものである。吐出波形Wの印加回数が多いほど、棒グラフが長くなる。図6Aは、測定部52によって測定されたフラッシング動作前の吐出波形Wの印加回数の具体例を示す。図6Bは、図6Aの測定結果から決定されたノズルNと吐出波形Wの印加回数の具体例を示す。図6Cは、図6Bによるフラッシング動作後の各ノズルNの吐出波形の印加回数の具体例を示す。図6A乃至図6Cにおいて、縦軸に吐出波形の印加回数をとり、横軸にノズルNのノズル番号を示す。ノズル番号は、上述したように図1のX方向の負側から正側にかけて1番からn番まで番号付けしたものである。ノズル番号が1番のノズルNは、上述した第1ノズルN1とし、ノズル番号が2番のノズルNは、上述した第2ノズルN2とする。
図6Aに示すように、測定部52によって測定されたフラッシング動作前の吐出波形Wの印加回数には、ノズルNごとにばらつきがある。そこで、第1の方法では、すべてのノズルNについてこのばらつきが無くなるように、フラッシングにより吐出波形Wを印加する。具体的には、フラッシング動作前において最も大きい吐出波形Wの印加回数を最大印加回数Pmaxとすると、第1の方法では、すべてのノズルNの圧電素子74に印加される吐出波形Wの印加回数が最大印加回数Pmaxになるように、フラッシング動作によって吐出波形Wの印加回数を調整する。そこで、図6Bに示すように、第1の方法ではステップS102において、すべてのノズルNのうち吐出波形Wの印加回数が吐出波形Wの最大印加回数Pmaxに満たないノズルNを、フラッシングするノズルNとして決定し、フラッシング動作前の吐出波形Wの印加回数を最大印加回数Pmaxから引き算した印加回数をフラッシングする印加回数として決定する。
すると、図6Cに示すように、フラッシング動作後には、フラッシング動作前の吐出波形Wの印加回数にフラッシング動作による印加回数が加算されて、すべてのノズルNの圧電素子74に最大印加回数Pmaxの吐出波形Wが印加されたことになる。これにより、第1ノズルNと第2ノズルNを含むすべてのノズルNについて吐出波形Wの印加回数の差を無くすことができ、ノズルNごとの圧電素子74の劣化度合いを均一化できる。したがって、ノズルNごとの圧電素子74の経時劣化のばらつき自体を低減できるので、各ノズルNのインクの吐出重量のばらつきを低減できる。このような第1の方法によれば、単に圧電素子74への印加電圧を補正する場合に比較して、ノズルNごとの圧電素子74の経時劣化による印刷品質の劣化を効果的に低減できる。
次に、フラッシングするノズルNとその吐出波形Wの印加回数を決定する第2の方法について説明する。図7A乃至図7Cは、フラッシングするノズルNと吐出波形Wの印加回数を決定する第2の方法を説明するための図であり、ノズルNごとの吐出波形Wの印加回数を棒グラフで表したものである。図7Aは、測定部52によって測定されたフラッシング動作前の吐出波形Wの印加回数の具体例であり、ここでは図6Aと同様の測定結果を示す。図7Bは、図7Aの測定結果から決定されたノズルNと吐出波形Wの印加回数の具体例を示す。図7Cは、図7Bによるフラッシング動作後の各ノズルNの吐出波形の印加回数の具体例を示す。
図7Aに示すフラッシング動作前の吐出波形Wの印加回数のばらつきに対して、第2の方法では、すべてのノズルNについてこのばらつきが少なくなるように、フラッシングにより吐出波形Wを印加する。具体的には、フラッシング動作前においてすべてのノズルNについての吐出波形Wの印加回数の平均値を平均印加回数Paveとすると、第2の方法では、制御部51は、平均印加回数Paveを有し、平均印加回数Paveに満たないノズルNの圧電素子74だけ、吐出波形Wの印加回数が平均印加回数Paveになるように,フラッシング動作によって吐出波形Wの印加回数を調整する。そこで、図7Bに示すように、第2の方法ではステップS102において、すべてのノズルNのうち吐出波形Wの平均印加回数Paveに満たないノズルNを、フラッシングするノズルNとして決定し、フラッシング動作前の吐出波形Wの印加回数を平均印加回数Paveから引き算した印加回数をフラッシングする印加回数として決定する。
なお、上述した「制御部51は、平均印加回数Paveを有し」とは、例えば制御部51が備えるメモリなどに、平均印加回数Paveを記憶していることを意味する。制御部51は、メモリなどに記憶した平均印加回数Paveを用いて第2の方法を実行する。平均印加回数Paveは、測定部52の測定結果に基づいて制御部51によって算出され、メモリなどに記憶される。ただし、平均印加回数Paveの算出は、測定部52によって行われるようにしてもよく、液体吐出装置10の構成要素のうち制御部51や測定部52以外の構成要素によって行われるようにしてもよい。平均印加回数Paveを制御部51以外によって算出する場合には、制御部51は、算出された平均印加回数Paveをメモリなどに記憶し、記憶した平均印加回数Paveを用いて第2の方法を実行する。上述した平均印加回数Paveの算出および取得のタイミングについては、第2の方法によるメンテナンス動作時でもよく、それ以外のタイミングであってもよい。
次に、フラッシングするノズルNとその吐出波形Wの印加回数を決定する第3の方法について説明する。図8A乃至図8Cは、フラッシングするノズルNと吐出波形Wの印加回数を決定する第3の方法を説明するための図であり、ノズルNごとの吐出波形Wの印加回数を棒グラフで表したものである。図8Aは、測定部52によって測定されたフラッシング動作前の吐出波形Wの印加回数の具体例であり、ここでは図6Aと同様の測定結果を示す。図8Bは、図8Aの測定結果から決定されたノズルNと吐出波形Wの印加回数の具体例を示す。図8Cは、図8Bによるフラッシング動作後の各ノズルNの吐出波形の印加回数の具体例を示す。
第3の方法では、隣り合った複数のノズルNをノズル群とし、複数のノズル群1〜mごとに算出した吐出波形Wの印加回数の平均値を平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)とする。図8A乃至図8Cでは、隣り合った3個のノズルNを1つのノズル群としたものである。制御部51は、測定部52によって測定された図8Aに示すフラッシング動作前の吐出波形Wの印加回数について、ノズル群1〜mごとに吐出波形Wの平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)を算出し、メモリなどに記憶する。例えばノズル番号が1番〜3番の3個のノズルNが第1ノズル群、次のノズル番号が4番〜6番の3個のノズルNが第2ノズル群となる。第3の方法では、制御部51は、平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)を有し、ノズル群1〜mごとに、平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)に満たないノズルNの圧電素子74だけ、吐出波形Wの印加回数が平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)になるように吐出波形Wの印加回数を調整する。そこで、図8Bに示すように、第3の方法ではステップS102において、制御部51は、ノズル群1〜mごとに、平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)に満たないノズルNをフラッシングするノズルNとして決定し、フラッシング動作前の吐出波形Wの印加回数を平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)から引き算した印加回数をフラッシングする印加回数として決定する。
すると、図8Cに示すように、フラッシング動作後には、ノズル群1〜mごとに、フラッシング動作前の吐出波形の印加回数にフラッシング動作による印加回数が加算される。例えば第1ノズル群に含まれる1番〜3番のノズルNに着目すると、フラッシング動作前には吐出波形Wの印加回数が平均印加回数Pave(1)に満たなかった1番のノズルN(第1ノズルN1)と2番のノズルN(第2ノズルN2)が、フラッシング動作後には吐出波形Wの印加回数が加算されて平均印加回数Pave(1)になっている。
これにより、第1ノズルNと第2ノズルNを含むすべてのノズルNについて吐出波形Wの印加回数の差を少なくすることができ、ノズルNごとの圧電素子74の経時劣化のばらつき自体を低減できるので、各ノズルNのインクの吐出重量のばらつきを低減できる。隣り合ったノズルNは、インクの吐出回数が同じくらいの場合も多いので、第3の方法のように、ノズル群ごとに吐出波形の印加回数を調整することで、第2の方法のようにすべてのノズルNの平均印加回数Paveを用いて調整する場合に比較して、フラッシング動作によるインクの吐出回数をさらに抑えることができる。
ここで、1つのノズル群に含まれるノズルNの数は3個に限られず、4個以上(例えば10個)であってもよい。また、各ノズル群に含まれるノズルNの数は同数でなくてもよい。例えばあまり使われない両端部に近くなるほど、ノズル群に含まれるノズルNの数を増やすようにしてもよい。なお、第3の方法では、各ノズル群1〜mの圧電素子74に印加される吐出波形Wの印加回数が、平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)に等しくなるように吐出波形Wを印加する場合を例示したが、これに限られず、各ノズル群1〜mの圧電素子74に印加される吐出波形Wの印加回数が、平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)に近づくように吐出波形Wを印加してもよい。
なお、上述した「制御部51は、平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)を有し」とは、例えば制御部51が備えるメモリなどに、平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)を記憶していることを意味する。制御部51は、メモリなどに記憶した平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)を用いて第3の方法を実行する。また、平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)の算出は、測定部52によって行われるようにしてもよく、液体吐出装置10の構成要素のうち制御部51や測定部52以外の構成要素によって行われるようにしてもよい。平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)を制御部51以外によって算出する場合には、制御部51は、その算出された平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)をメモリなどに記憶し、記憶した平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)を用いて第3の方法を実行する。上述した平均印加回数Pave(1)〜Pave(m)の算出および取得のタイミングについては、第3の方法によるメンテナンス動作時でもよく、それ以外のタイミングであってもよい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。図9は、第2実施形態に係る液体吐出装置の機能的な構成図であり、図2に対応する。図10は、第2実施形態のメンテナンス処理を示すフローチャートであり、図5に対応する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第2実施形態では、吐出不良のノズルを検出し、その検出結果に応じて、吐出波形の印加回数を調整するフラッシング動作を実施する場合を例示する。第2実施形態では、吐出波形(駆動パルス)Wの供給による圧電素子74の駆動後に吐出部266に発生する残留振動を利用して、吐出不良のノズルNを検出する。残留振動は、印刷時に圧電素子74に供給した吐出波形Wによって検出してもよく、メンテナンス時に圧電素子74に吐出波形Wを供給して検出してもよい。なお、吐出不良のノズルNの検出方法は、残留振動を利用した場合に限られない。例えばノズルNにレーザー光を照射し、その反射光を利用して吐出不良のノズルNを検出してもよい。また、媒体12にインクを吐出させて、インクが着弾したか否かによって、吐出不良のノズルNを検出してもよい。
具体的には図9のメンテナンス処理部50は、吐出不良のノズルNを検出する検出部54を備える。図9の検出部54は、駆動信号生成部40で生成された吐出波形Wの供給による圧電素子74の駆動後に吐出部266に発生する残留振動によって、各ノズルNの吐出不良を検出する。圧電素子74にインク吐出用の吐出波形Wが供給されると、内部空間SDに圧力変化が発生し、検出部54は、その圧力変化に基づく圧電素子74の起電力の変化を残留振動として検出し、その残留振動の特性値(例えば振幅や周期など)が閾値を超えた場合に、そのノズルNを吐出不良とする。
図10のメンテナンス処理も、図5のメンテナンス処理と同様のタイミングで実行される。図10のメンテナンス処理では、先ずステップS100にて制御部51は、吐出不良のノズルNがあるか否かを判断する。制御部51は、ステップS100にて吐出不良のノズルNがないと判断した場合は、メンテナンス処理を終了する。他方、制御部51は、ステップS100にて吐出不良のノズルNがあると判断した場合は、ステップS101〜S103の処理を実行して、吐出波形Wの印加回数を調整する。これによれば、吐出不良のノズルNが検出された場合にフラッシング動作時において吐出波形Wの印加回数を調整するから、フラッシング動作による吐出回数を抑えることができる。
<変形例>
以上に例示した各実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)上述したように、圧電素子74の経時劣化は、圧電素子74にかかる電界の累積時間と強度に起因する。したがって、上述した各実施形態において、圧電素子74に印加された吐出波形Wの印加回数の代わりに、圧電素子74に印加された電界の時間積分値に基づいてフラッシング動作を実行することで、ノズルNごとの圧電素子74の劣化度合いを調整してもよい。例えば液体吐出ヘッド26のフラッシング動作時において、複数のノズルNに含まれる任意の第1ノズルN1と第2ノズルN2について、測定部52による測定結果からフラッシング動作前に圧電素子74に印加された電界の時間積分値を取得し、フラッシング動作後の電界の時間積分値の差が小さくなるように吐出波形を印加するようにしてもよい。これによっても、ノズルNごとの圧電素子74の経時劣化のばらつき自体を低減できるので、各ノズルからのインクの吐出重量のばらつきを低減できる。
(2)上述した各実施形態では、圧力室に機械的な振動を付与する圧電素子を利用した圧電方式の液体吐出ヘッド26を例示したが、加熱により圧力室の内部に気泡を発生させる発熱素子を利用した熱方式の液体吐出ヘッドを採用することも可能である。また、液体吐出ヘッド26における複数のノズルNの構成は、上述した各実施形態の例示に限定されない。
(3)上述した各実施形態で例示した印刷装置は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体吐出装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。
10…液体吐出装置、12…媒体、20…制御ユニット、202…制御装置、204…記憶装置、22…搬送機構、26…液体吐出ヘッド、260…吐出面、262…駆動部、264…液体吐出部、266…吐出部、28…メンテナンス機構、30…液体容器、32…ポンプ、40…駆動信号生成部、50…メンテナンス処理部、51…制御部、52…測定部、54…検出部、71…流路基板、712…開口部、714…分岐流路、716…連通流路、72…圧力室基板、722…開口部、73…振動板、74…圧電素子、742…第1電極、744…圧電体、746…第2電極、75…支持体、754…導入流路、76…ノズル板、COM…駆動信号、G…印刷データ、L…ノズル列、N…ノズル、N1…第1ノズル、N2…第2ノズル、Pmax…最大印加回数、Pave…平均印加回数、SC…圧力室、SD…内部空間、SI…印刷信号、SR…共通液室、V…駆動信号、W…吐出波形。

Claims (8)

  1. 液体が充填される内部空間の圧力変動によって複数のノズルから前記液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルの各々に対応して設けられ、前記内部空間の圧力を変動させる駆動素子と、
    前記駆動素子を駆動して前記液体を吐出させるための吐出波形を含む駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記駆動素子へ印加される前記吐出波形の印加回数を前記ノズルごとに測定する測定部と、
    前記液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、前記複数のノズルに含まれる第1ノズルと第2ノズルについて、前記測定部により測定される前記フラッシング動作前の前記吐出波形の印加回数と前記フラッシング動作後の前記吐出波形の印加回数との差が小さくなるように前記吐出波形を印加する制御部と、を備える
    液体吐出装置。
  2. 前記制御部は、前記液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、前記第1ノズルと前記第2ノズルを含む複数のノズルについて、前記測定部により測定される前記フラッシング動作前の前記吐出波形の印加回数と前記フラッシング動作後の前記吐出波形の印加回数とが等しくなるように前記吐出波形を印加する
    請求項1の液体吐出装置。
  3. 前記制御部は、前記第1ノズルと前記第2ノズルを含む複数のノズルについて、前記測定部による前記吐出波形の印加回数の測定結果に基づく前記フラッシング動作前の前記吐出波形の印加回数の平均値を有し、前記液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、前記複数のノズルのうち前記吐出波形の印加回数が前記平均値に満たないノズルについて、前記フラッシング動作後の前記吐出波形の印加回数が前記平均値となるように、または前記平均値に近づくように前記吐出波形を印加する
    請求項1の液体吐出装置。
  4. 前記制御部は、前記第1ノズルと前記第2ノズルを含む複数のノズルごとに区分したノズル群の各々について、前記測定部による前記吐出波形の印加回数の測定結果に基づく前記フラッシング動作前の前記吐出波形の印加回数の平均値を有し、前記液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、前記ノズル群内の各ノズルのうち前記吐出波形の印加回数が前記平均値に満たないノズルについて、前記フラッシング動作後の前記吐出波形の印加回数が前記平均値となるように、または前記平均値に近づくように前記吐出波形を印加する
    請求項1の液体吐出装置。
  5. 前記第1ノズルと前記第2ノズルを含む複数のノズルに対して吐出不良を検出する検出部を備え、
    前記制御部は、前記検出部による検出結果から、吐出不良の前記ノズルが検出された場合に、前記フラッシング動作を行う
    請求項1から請求項4の何れかの液体吐出装置。
  6. 液体が充填される内部空間の圧力変動によって複数のノズルから前記液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルの各々に対応して設けられ、前記内部空間の圧力を変動させる駆動素子と、
    前記駆動素子を駆動して前記液体を吐出させるための吐出波形を含む駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記駆動素子に前記吐出波形が印加されることによって前記駆動素子にかかる電界の累積時間と強度を前記ノズルごとに測定する測定部と、
    前記液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、前記複数のノズルに含まれる第1ノズルと第2ノズルについて、前記測定部による前記電界の累積時間と強度の測定結果から前記フラッシング動作前に前記駆動素子に印加された前記電界の時間積分値を取得し、前記フラッシング動作後の前記電界の時間積分値の差が小さくなるように前記吐出波形を印加する制御部と、を備える
    液体吐出装置。
  7. 液体が充填される内部空間の圧力変動によって複数のノズルから前記液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルの各々に対応して設けられ、前記内部空間の圧力を変動させる駆動素子と、
    前記駆動素子を駆動して前記液体を吐出させるための吐出波形を含む駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記駆動素子へ印加される前記吐出波形の印加回数を前記ノズルごとに測定する測定部と、を備えた液体吐出装置を用い、
    前記液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、前記複数のノズルに含まれる第1ノズルと第2ノズルについて、前記測定部により測定される前記フラッシング動作前の前記吐出波形の印加回数と前記フラッシング動作後の前記吐出波形の印加回数との差が小さくなるように前記吐出波形を印加する
    液体吐出方法。
  8. 液体が充填される内部空間の圧力変動によって複数のノズルから前記液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルの各々に対応して設けられ、前記内部空間の圧力を変動させる駆動素子と、
    前記駆動素子を駆動して前記液体を吐出させるための吐出波形を含む駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記駆動素子に前記吐出波形が印加されることによって前記駆動素子にかかる電界の累積時間と強度を前記ノズルごとに測定する測定部と、を備えた液体吐出装置を用い、
    前記液体吐出ヘッドのフラッシング動作時において、前記複数のノズルに含まれる第1ノズルと第2ノズルについて、前記測定部による前記電界の累積時間と強度の測定結果から前記フラッシング動作前に前記駆動素子に印加された前記電界の時間積分値を取得し、前記フラッシング動作後の前記電界の時間積分値の差が小さくなるように前記吐出波形を印加する
    液体吐出方法。
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