JP2018010979A - 蓄電素子 - Google Patents

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【課題】リチウムイオンが負極により均一にドープされる蓄電素子を提供することにある。【解決手段】蓄電素子は、捲回構造体と、負極端子と、正極端子と、第1保護テープと、リチウム極と、を有する。捲回構造体は、負極と、正極と、セパレータと、を有する。負極は、負極集電体と負極活物質層とを有する。正極は、正極集電体と正極活物質層とを有する。第1保護テープは、負極端子及び負極活物質層を被覆する。リチウム極は、負極端子及び正極端子の外側に配置され、負極集電体に電気的に接続された金属箔と、金属箔に選択的に設けられたリチウム層と、を有する。金属箔は、リチウム層が設けられた第1領域と、リチウム層が設けられていない第2領域と、を有する。第2領域と捲回中心軸との間に第1保護テープが位置している。【選択図】図3

Description

本発明は、集電体及び活物質層を含む蓄電素子に関する。
電気化学デバイスの代表例としてリチウムイオンキャパシタがある。リチウムイオンキャパシタの中には、正極、負極、正極と負極とを絶縁するセパレータ、正極に接続された電極端子及び負極に接続された電極端子が捲回された蓄電素子が筒状の収容ケースに収容させたものがある。負極端子は、例えば、ポリイミド等から成る保護テープで覆われている(例えば、特許文献1参照)。
リチウムイオンキャパシタでは、使用前に、予め負極にリチウムイオンがプレドープされる(例えば、特許文献2参照)。プレドープは、例えば、蓄電素子の負極にリチウムイオン供給源が付着され、この蓄電素子が収容ケース内において電解質に浸漬され、電解質に溶けたリチウムイオンが負極にドープされることでなされる。
特開2012−114161号公報 特開2010−157541号公報
しかし、蓄電素子が収容ケースに収容されたリチウムイオンキャパシタでは、リチウムイオン供給源と保護テープとの配置関係に応じて、プレドープ後にリチウムイオンが負極に均一にドープされない可能性がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、プレドープ後にリチウムイオンが負極により均一にドープされる蓄電素子を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る蓄電素子は、捲回構造体と、負極端子と、正極端子と、第1保護テープと、リチウム極とを具備する。
捲回構造体は、負極と、正極と、セパレータと、を有する。負極は、負極集電体と前記負極集電体の主面に設けられた負極活物質層とを有する。正極は、正極集電体と前記正極集電体の主面に設けられた正極活物質層とを有する。セパレータは、前記負極と前記正極を絶縁する。
前記負極、前記正極及び前記セパレータは積層されて捲回される。前記負極と前記正極とが前記セパレータにより隔てられる。
前記負極端子は、前記負極集電体に電気的に接続され、前記捲回構造体の捲回中心軸に沿って前記捲回構造体内を延伸し、前記捲回構造体から突出する。
前記正極端子は、前記正極集電体に電気的に接続され、前記捲回中心軸に沿って前記捲回構造体内を延伸し、前記捲回構造体から突出する。
前記第1保護テープは、前記負極端子及び前記負極活物質層を被覆する。
前記リチウム極は、前記負極端子及び前記正極端子の外側に配置され、前記負極集電体に電気的に接続された金属箔と、前記金属箔に選択的に設けられたリチウム層と、を有する。
前記金属箔は、前記リチウム層が設けられた第1領域と、前記リチウム層が設けられていない第2領域と、を有する。前記第2領域と前記捲回中心軸との間に前記第1保護テープが位置している。
このような蓄電素子によれば、第2領域にはリチウム層が設けられてなく、リチウムイオンのプレドープの際に第1保護テープによって遮蔽されるリチウムイオンの量が減少する。これにより、蓄電素子においては、プレドープ後にリチウムイオンが負極により均一にドープされる。
また、上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る蓄電素子は、捲回構造体と、負極端子と、正極端子と、第1保護テープと、リチウム極とを具備する。
捲回構造体は、負極と、正極と、セパレータと、を有する。負極は、負極集電体と前記負極集電体の主面に設けられた負極活物質層とを有する。正極は、正極集電体と前記正極集電体の主面に設けられた正極活物質層とを有する。セパレータは、前記負極と前記正極を絶縁する。
前記負極、前記正極及び前記セパレータは積層されて捲回される。前記負極と前記正極とが前記セパレータにより隔てられる。
前記負極端子は、前記負極集電体に電気的に接続され、前記捲回構造体の捲回中心軸に沿って前記捲回構造体内を延伸し、前記捲回構造体から突出する。
前記正極端子は、前記正極集電体に電気的に接続され、前記捲回中心軸に沿って前記捲回構造体内を延伸し、前記捲回構造体から突出する。
前記第1保護テープは、前記負極端子及び前記負極活物質層を被覆する。
前記リチウム極は、前記負極端子及び前記正極端子の外側に配置され、前記負極集電体に電気的に接続された金属箔と、前記金属箔に選択的に設けられたリチウム層と、を有する。
前記金属箔は、前記リチウム層が設けられた第1領域及び第2領域を有し、前記第2領域に設けられた前記リチウム層の厚さは、前記第1領域に設けられた前記リチウム層の厚さよりも薄い。前記第2領域と前記捲回中心軸との間に前記第1保護テープが位置している。
このような蓄電素子によれば、第2領域に設けられたリチウム層の厚さは、第1領域に設けられたリチウム層の厚さより薄く、リチウムイオンのプレドープの際に第1保護テープによって遮蔽されるリチウムイオンの量が減少する。これにより、蓄電素子においては、プレドープ後にリチウムイオンが負極により均一にドープされる。
上記の蓄電素子においては、前記捲回構造体の捲回方向において、前記第2領域の幅は、前記第1保護テープの幅の半分以上でもよい。
これにより、蓄電素子においては、プレドープの際、第1保護テープによるリチウムイオンの遮蔽が抑制されて、リチウムイオンの偏在が抑制される。
上記の蓄電素子においては、前記負極端子と前記負極集電体とを介して前記第1保護テープに対向する第2保護テープをさらに具備してもよい。
前記第1保護テープは、前記第2保護テープと前記捲回中心軸との間に位置してもよい。
これにより、蓄電素子においては、第2保護テープによっても負極端子が保護される。
上記の蓄電素子においては、前記捲回方向において、前記第2領域の幅は、前記第2保護テープの幅の半分以上であってもよい。
これにより、蓄電素子においては、プレドープの際、第2保護テープによるリチウムイオンの遮蔽が抑制されて、リチウムイオンの偏在が抑制される。
以上述べたように、本発明によれば、リチウムイオンが負極により均一にドープされる蓄電素子が提供される。
本実施形態に係る電気化学デバイス100の外観を示す模式的斜視図である。 本実施形態に係る蓄電素子110Aを示す模式的斜視図である。 本実施形態に係る蓄電素子110AのX−Y平面における模式的断面図である。 図(a)は、図3におけるA1−A2線における模式的断面図である。図(b)は、図3に例示された負極端子131付近を拡大した模式的断面図である。 本実施形態に係る保護テープ161、162の幅と第2領域AR2の幅との関係を説明する模式的断面図である。 図(a)及び図(b)は、第1の比較例に係る蓄電素子210の作用を示す模式的断面図である。 図(a)及び図(b)は、第2の比較例に係る蓄電素子310の作用を示す模式的断面図である。 図(a)及び図(b)は、本実施形態に係る蓄電素子110Aの作用を示す模式的断面図である。 本実施形態に係る蓄電素子110Bの模式的断面図である。 図(a)〜図(c)は、ドープ量の分布を評価する試料の形成手順を説明する模式図である。 図(a)は、蓄電素子のリチウムイオンのドープ率(%)を表すグラフ図である。図(b)は、高温負荷が印加された後の蓄電素子の直流抵抗(Ω)及び静電容量(F)を表すグラフ図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。各図面には、XYZ軸座標が導入される場合がある。
[電気化学デバイスの概要]
本実施形態に係る電気化学デバイス100の概要を以下に説明する。本実施形態で例示される電気化学デバイスは、リチウムイオンキャパシタである。電気化学デバイス100に含まれる蓄電素子110Aの詳細については、後述する。
図1は、本実施形態に係る電気化学デバイス100の外観を示す模式的斜視図である。
図1に示す電気化学デバイス100においては、蓄電素子110Aが収容ケース120に収容されている。収容ケース120内には、蓄電素子110Aと共に電解液(不図示)が充填されている。電気化学デバイス100においては、蓄電素子110Aが電解液に浸漬されている。蓄電素子110Aの上には、蓋(不図示)が設けられ、電解液は、収容ケース120及び蓋により封止されている。
蓄電素子110Aが電解液に浸漬された電気化学デバイス100ではプレドープが終了している。例えば、電解液に浸漬される前の蓄電素子110Aは、リチウムイオン供給源を具備する(後述)。そして、蓄電素子110Aが電解質に浸漬されると、リチウムイオン供給源から電解質にリチウムイオンが溶け、リチウムイオンが蓄電素子110Aの負極にドープされる。
[蓄電素子の構成]
図2は、本実施形態に係る蓄電素子110Aを示す模式的斜視図である。
図2に示すように、蓄電素子110Aは、負極130、正極140、負極端子131、正極端子141、捲回芯112、セパレータ150及びリチウム極180を具備する。図2に例示された蓄電素子110Aは、プレドープ前の蓄電素子である。負極130は、リチウムイオンが吸蔵可能な電極である。正極140は、分極性電極である。このような蓄電素子では、プレドープ後、リチウムイオンがより均一に負極にドープされることが理想とされる。
本実施形態では、捲回芯112が延伸する方向をZ軸方向とする。X軸方向は、Z軸方向に垂直な方向である。Y軸方向は、X軸方向及びZ軸方向に垂直な方向である。捲回芯112が延伸する方向(捲回中心軸に平行な方向)は、負極端子131及び正極端子141が延伸する方向でもある。また、蓄電素子110Aにおいては、捲回中心軸C1から蓄電素子110Aの外周に向かう方向を外側方向、その逆方向を内側方向とする。本実施形態において、蓄電素子110Aが捲回芯112を設けない構造も含まれる。
負極130、正極140及びセパレータ150は、捲回芯112から外側に向かって積層されている。セパレータ150は、正極140と負極130とを隔てる。セパレータ150は、負極130と正極140とを絶縁する。負極130及び正極140は、ともに捲回芯112の回りに捲回されている。セパレータ150は、負極130と正極140との間に配置されている。つまり、セパレータ150も、捲回芯112の回りに捲回されている。本実施形態では、負極130、正極140及びセパレータ150を含む構造体を捲回構造体111とする。
負極端子131は、負極130に電気的に接続されている。負極端子131は、捲回構造体111の捲回中心軸C1に沿って捲回構造体111内を延伸する。負極端子131は、捲回構造体111から突出している。正極端子141は、正極140に電気的に接続される。正極端子141は、正極140に電気的に接続されている。正極端子141は、捲回中心軸C1に沿って捲回構造体111内を延伸する。正極端子141は、捲回構造体111から突出する。正極端子141は、負極端子131と同じ向きに捲回構造体111から突出している。負極端子131及び正極端子141は、例えば、銅、アルミニウム、鉄等の少なくとも1つを含む。負極端子131は、例えば、銅端子である。正極端子141は、例えば、アルミニウム端子である。
保護テープ161(第1保護テープ)は、負極端子131を被覆する。保護テープ161は、捲回方向Drにおいて幅161wを有する。捲回方向Drは、捲回中心軸C1の周りに、負極130、正極140及びセパレータ150が捲回されている方向である。また、蓄電素子110Aは、保護テープ161に対向する保護テープ162(第2保護テープ)をさらに具備する。保護テープ161は、保護テープ162と捲回中心軸C2との間に位置している。保護テープ162は、捲回方向Drにおいて幅162wを有する。
リチウム極180は、負極130に電気的に接続されている。リチウム極180は、負極端子131及び正極端子141の外側に配置されている。図2の例では、リチウム極180によって捲回構造体111が囲まれている。リチウム極180は、例えば、金属箔と、リチウム層とを有する。リチウム層は、金属箔に選択的に設けられている(後述)。図2の例では、リチウム極180がセパレータ150から露出されているが、リチウム極180がセパレータ150によって囲まれてもよい。
蓄電素子110Aの構造をさらに詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係る蓄電素子110AのX−Y平面における模式的断面図である。
図4(a)は、図3におけるA1−A2線における模式的断面図である。図4(b)は、図3に例示された負極端子131付近を拡大した模式的断面図である。
負極130は、負極集電体132と、負極活物質層133とを有する。負極活物質層133は、負極集電体132の主面132a及び主面132bに設けられている。負極集電体132には、負極端子131が電気的に接続されている。例えば、負極活物質層133の一部は、負極集電体132の主面132aから剥離され、負極端子131は、この剥離した部分の負極集電体132に接続されている。
負極端子131及び負極端子131付近の負極活物質層133は、保護テープ161により被覆されている。これにより、上記の表出した負極集電体132は、保護テープ161により封止される。
保護テープ161は、負極130、正極140及びセパレータ150を介して捲回芯112に対向する。プレドープの際には、負極端子131が電解液に直接晒される。このとき、負極端子131が保護テープ161で被覆されていないと、リチウムが負極端子131に優先的に析出する場合がある。このため、負極端子131は、電解液から遮断されるように保護テープ161により被覆されていることが好ましい。
また、負極端子131は、捲回芯112とは反対側から別の保護テープ162で覆われてもよい。保護テープ162は、負極端子131と負極集電体132とを介して保護テープ161に対向している。例えば、負極端子131が負極集電体132に針かしめによって接合された場合、針部材が負極集電体132の裏側及びこの裏側に設けられた負極活物質層133を突き抜ける。この場合、この突き抜けた部分の針部材を保護テープ162によって被覆することにより、針部材へのリチウム析出が抑えられる。また、保護テープ161、162は、負極端子131及び針部材が隣り合う負極活物質層133に直接当接することを避けるための保護膜としても機能する。
正極140は、正極集電体142と、正極活物質層143とを有する。正極活物質層143は、正極集電体142の主面142aと主面142bとに設けられている。正極集電体142には、正極端子141が電気的に接続されている。例えば、正極集電体142の主面142a上の正極活物質層143の一部が剥離されている。正極端子141は、この剥離した部分の正極集電体142に接続されている。正極端子141及び正極端子141付近の正極活物質層143及び正極端子141を正極集電体142に接合させた針部材は、保護テープにより被覆してもよい。
セパレータ150は、セパレータ150a及びセパレータ150bを有する。セパレータ150a及びセパレータ150bは、負極130と正極140とを絶縁する。セパレータ150aとセパレータ150bは、負極130と正極140を隔て、電解液中に含まれるイオンを透過する。本実施形態では、セパレータ150a及びセパレータ150bを総括的にセパレータ150とする。また、セパレータ150a及びセパレータ150bは、連続した一体のセパレータであってもよい。
負極130、正極140及びセパレータ150が捲回された蓄電素子110Aにおいては、負極集電体132の主面132aと、正極集電体142の主面142aとが捲回内側の面になっている。また、負極集電体132の主面132bと正極集電体142の主面142bとが捲回外側の面になっている。
リチウム極180は、負極端子131及び正極端子141の外側に配置されている。捲回構造体111においては、最も捲回外側(最外周)の電極が負極130となり、この最も捲回外側の負極集電体132にリチウム極180が接続されている。リチウム極180は、例えば、捲回構造体111を囲むように配置されている。リチウム極180は、金属箔181と、リチウム層183とを有する。金属箔181は、例えば、銅(Cu)を含む。金属箔181は、例えば、銅箔である。リチウム層183は、金属箔181に選択的に設けられている。リチウム層183は、例えば、リチウム箔等である。リチウム層183の量は、リチウムイオンのプレドープにおいて負極活物質層133にドープ可能な程度に調整される。
金属箔181は、負極集電体132に電気的に接続されている。例えば、金属箔181は、負極集電体132に針かしめ、溶接等により接合されている。金属箔181は、捲回構造体111の外側において、捲回構造体111を一周りするように配置されている。金属箔181においては、その主面181aが捲回内側の面になり、主面181bが捲回外側の面になっている。金属箔181のZ軸方向における幅は、例えば、負極集電体132のZ軸方向における幅と同じである。
金属箔181は、リチウム層183が設けられた第1領域AR1と、リチウム層183が設けられていない第2領域AR2と、を有する。例えば、リチウム層183は、金属箔181の主面181aにおいて、第1領域AR1に設けられ、第2領域AR2には設けられていない。リチウム層183のZ軸方向における幅は、例えば、金属箔181のZ軸方向における幅と同じか、金属箔181のZ軸方向における幅よりも狭い。
リチウム層183が設けられていない第2領域AR2は、負極端子131の外側(背後)に位置している。保護テープ161は、第2領域AR2と捲回中心軸C1との間に位置している。すなわち、蓄電素子110Aにおいては、捲回中心軸C1から、捲回芯112、保護テープ161、負極端子131、保護テープ161及び第2領域AR2の順に並ぶ。
リチウム層183は、負極活物質層133にリチウムイオンをプレドープする際のリチウムイオン供給源として機能する。このため、リチウム層183は、捲回外側の主面181bに設けられるよりも、捲回内側の主面181aに設けられた方が好ましい。これにより、プレドープの際、リチウムイオンが金属箔181によって遮られることなく、金属箔181の主面181aから電解液を通じて捲回構造体111内に拡散する。なお、リチウム層183を主面181bに設ける場合は、リチウムイオンが金属箔181を貫通すように金属箔181に複数の貫通孔を形成してもよい。
リチウム極180と正極140との間には、セパレータ150aが配置されている。これにより、リチウム極180は、正極140から絶縁されている。また、本実施形態においては、リチウム極180が必ずしも捲回構造体111を囲むように配置されている必要はない。例えば、リチウム極180は、負極端子131及び正極端子141の外側であれば、捲回構造体111中に配置されてもよい。但し、リチウム極180は、負極130に電気的に接続されている。
図5は、本実施形態に係る保護テープ161、162の幅と第2領域AR2の幅との関係を説明する模式的断面図である。図5では、蓄電素子110Aが簡略化して示され、その一部が省略されている。
上述したように、金属箔181は、リチウム層183が設けられた第1領域AR1と、リチウム層183が設けられていない第2領域AR2と、を有する。捲回方向Drにおける第2領域AR2の幅は、特に限定されないが、捲回方向Drにおける保護テープ161の幅161wの半分以上である。また、捲回方向Drにおける第2領域AR2の幅は、捲回方向Drにおける保護テープ162の幅162wの半分以上である。また、捲回方向Drにおいて、保護テープ162の幅162wは、例えば、保護テープ161の幅161wと同じである。
例えば、捲回中心軸C1から第2領域AR2の両端に引いた線がなす角θ2は、捲回中心軸C1から保護テープ161の両端に引いた線がなす角θ1の半分以上である。図5の例では、第2領域AR2の中心AR2c、負極端子131及び捲回中心軸C1は、一列状に並んでいる。本実施形態においては、捲回中心軸C1から負極端子131に向かう方向において、第2領域AR2の少なくとも一部が重なってもよい。
蓄電素子110Aの材料の具体例について説明する。
負極集電体132は、例えば、金属箔でよい。金属箔には、複数の貫通孔が設けられてもよい。負極集電体132は、例えば、銅箔等でもよい。負極活物質層133に含まれる負極活物質は、電解液中のリチウムイオンを吸蔵可能な材料であり、例えば難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、グラファイトやソフトカーボン等の炭素系材料でもよい。負極活物質層133は、負極活物質がバインダ樹脂と混合されたものでもよく、さらに導電助剤を含んでもよい。例えば、負極活物質層133は、上記の活物質、導電助剤及び合成樹脂のスラリー状の混合物を塗布してシート状に形成し、それを裁断したものである。
バインダ樹脂は、負極活物質を接合する合成樹脂でよい。バインダ樹脂は、例えばカルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、フッ素系ゴム、ポリビニリデンフルオライド、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びエチレンプロピレン系ゴム等を用いてもよい。
導電助剤は、導電性材料からなる粒子であり、負極活物質の間での導電性を向上させるものでよい。導電助剤は、例えば、アセチレンブラックや黒鉛、カーボンブラック等の炭素材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。なお、導電助剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料あるいは導電性高分子などであってもよい。
正極集電体142の材料は、負極集電体132の材料と同じであってもよく、異なってもよい。正極活物質層143に含まれる正極活物質は、例えば、活性炭、PAS(Polyacenic Semiconductor:ポリアセン系有機半導体)等の活物質の少なくともいずれかを含む。正極活物質層143は、上記の活物質、導電助剤(例えば、高導電性カーボンブラック)及び合成樹脂(例えば、PTFE等)のスラリー状の混合物を塗布してシート状に形成し、それを裁断したものである。また、正極活物質層143の材料は、負極活物質層133の材料と同じであってもよく、異なってもよい。
セパレータ150は、電解質イオンを透過させ、負極130と正極140とを絶縁するシート材でもよい。セパレータ150は、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等でもよい。セパレータ150は、ガラス繊維、セルロース繊維、プラスチック繊維等からなる多孔質シートでもよい。
電解液は、任意に選択することが可能である。例えば、電解液において、カチオンとしては、リチウムイオンを少なくとも含み、テトラエチルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオン、5−アゾニアスピロ[4.4]ノナンイオン、エチルメチルイミダゾリウムイオン等を混合させて使用してもよい。アニオンとしてはBF (四フッ化ホウ酸イオン)、PF (六フッ化リン酸イオン)、(CFSO(TFSAイオン)等のアニオンを含み、溶媒としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、スルホラン、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン等を含むものとすることができる。具体的には、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)または、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)のプロピレンカーボネート溶液等でもよい。
保護テープ161、162の材料は、耐熱性かつ電解液に対して耐性を有するものが適用される。例えば、保護テープ161、162は、ポリイミド、ポリプロピレン及びポリフェニレンサルファイド等のいずれかを含んでもよい。
[蓄電素子の作用]
本実施形態に係る蓄電素子110Aの作用を説明する前に、比較例に係る蓄電素子210の作用を説明する。
図6(a)及び図6(b)は、第1の比較例に係る蓄電素子210の作用を示す模式的断面図である。
図6(a)に示す比較例に係る蓄電素子210においては、第2領域AR2においても、金属箔181にリチウム層183が設けられている。すなわち、蓄電素子210においては、金属箔181の全域にリチウム層183が配置されている。
この蓄電素子210にプレドープに、図6(b)に示すように、プレドープを施す。例えば、蓄電素子210は、電解液125が充填された収容ケース120に収容される。そして、リチウム層183が電解液125と接触すると、リチウムが酸化溶解し、リチウム層183からリチウムイオン(Li)と電子(e)とが生じる。
ここで、リチウムイオンは、電解液125中に拡散し、負極活物質層133に含まれる負極活物質にドーピングされる。電子は、負極130に流れる。この状態でエージングされることにより、負極130(負極活物質層133)にリチウムイオンのプレドープがなされる。例えば、図6(b)では、リチウムイオンが捲回構造体111内で負極活物質層133にドープされた後の状態が模式的にドットで示されている。
しかし、蓄電素子210においては、第2領域AR2にリチウム層183が設けられている。このため、第2領域AR2で生じたリチウムイオンが捲回構造体111内に進行すると、このリチウムイオンが保護テープ161、162によって遮られてしまう。これにより、リチウムイオンが負極130(負極活物質層133)に均一にドープされない可能性がある。例えば、蓄電素子210では、負極端子131と第2領域AR2との間に、リチウムイオンの高濃度領域183hが形成される可能性がある。
図7(a)及び図7(b)は、第2の比較例に係る蓄電素子310の作用を示す模式的断面図である。
図7(a)に示す比較例に係る蓄電素子310においては、正極端子141の外側にリチウム層183が配置されていない。但し、蓄電素子310においても第2領域AR2においてリチウム層183が設けられている。
このため、第2領域AR2で生じたリチウムイオンが捲回構造体111内に進行すると、このリチウムイオンが保護テープ161、162によって遮られてしまう。これにより、蓄電素子310では、負極端子131と第2領域AR2との間に、リチウムイオンの高濃度領域183hが形成される可能性がある。
図8(a)及び図8(b)は、本実施形態に係る蓄電素子110Aの作用を示す模式的断面図である。
これに対し、本実施形態に係る蓄電素子110A(図8(a))においては、第2領域AR2において、金属箔181にリチウム層183が設けられていない。この状態で、負極130(負極活物質層133)にリチウムイオンのプレドープが施されると、保護テープ161または、保護テープ162によって遮蔽されるリチウムイオンの量が減少する。
これにより、蓄電素子110Aにおいては、リチウムイオンが負極130(負極活物質層133)により均一にドープされる。例えば、図8(b)には、リチウムイオンが捲回構造体111内で負極活物質層133に均一にドープされた後の状態が模式的にドットで示されている。
このように、本実施形態に係る蓄電素子110Aを用いれば、電気化学デバイス100において、負極130(負極活物質層133)にリチウムイオンがより均一にドープされ、電気化学デバイスの信頼性が向上する。
また、捲回方向Drにおける第2領域AR2の幅が捲回方向Drにおける保護テープ161の幅161wの半分より小さい場合には、以下の現象が起き易くなる。例えば、この場合、負極端子131の外側に位置するリチウムの量が増加し、プレドープの際、保護テープ161によって遮られるリチウムイオンの量が増加する。これにより、負極端子131の外側にリチウムイオンの高濃度領域183hが形成され易くなる。つまり、捲回方向Drにおける第2領域AR2の幅は、捲回方向Drにおける保護テープ161の幅161wの半分以上であることが好ましい。
同様な現象は、保護テープ162の場合でも起こり得る。つまり、捲回方向Drにおける第2領域AR2の幅は、捲回方向Drにおける保護テープ162の幅162wの半分以上であることが好ましい。
[蓄電素子の変形例]
図9は、本実施形態に係る蓄電素子110Bの模式的断面図である。
図9では、蓄電素子110Bが簡略化して示され、その一部が省略されている。
蓄電素子110Bにおいては、リチウム層183が金属箔181の第1領域AR1及び第2領域AR2に設けられている。但し、第2領域AR2に設けられたリチウム層183の厚さは、第1領域AR1に設けられたリチウム層183の厚さよりも薄い。蓄電素子110Bにおいても、保護テープ161、162は、第2領域AR2と捲回中心軸C1との間に位置している。
このような構造であっても、第2領域AR2においては、リチウムの量が少なくなっている。これにより、負極130(負極活物質層133)にリチウムイオンのプレドープが施されると、保護テープ161、162によって遮られるリチウムイオンの量が低減する。これにより、蓄電素子110Bにおいても、リチウムイオンが負極130(負極活物質層133)により均一にドープされる。
[蓄電素子の形成]
正極は、一例として、以下の手順で形成される。
例えば、活性炭、導電助剤及びバインダ樹脂が増粘剤を含む水の中で混練され、この混練されたものが正極ペーストとして用いられる。エッチングによって気体透過性を持たせたアルミニウム箔(厚さ30μm)の両面に、正極ペーストが塗布される。アルミニウム箔は、正極集電体である。この後、正極ペーストが乾燥され、アルミニウム箔の両面に正極活物質層(厚さ80μm)が形成される。正極の厚さは、190μmである。
負極は、一例として、以下の手順で形成される。
例えば、難黒鉛化性炭素、導電助剤及びバインダ樹脂が増粘剤を含む水の中で混練され、この混練されたものが負極ペーストとして用いられる。エッチングによって複数の貫通孔(径100μm)が形成された銅箔(厚さ15μm)の両面に、負極ペーストが塗布される。銅箔は、負極集電体である。この後、負極ペーストが乾燥され、銅箔の両面に負極活物質層(厚さ40μm)が形成される。複数の貫通孔による銅箔の開口面積は、30%である。負極の厚さは、95μmである。
正極は、幅が24mmになるように帯状に加工される。正極端子は、正極端子が接続される部分の正極活物質層が剥離されて、針かしめによってアルミニウム箔に接合される。負極は、幅が27mmになるように帯状に加工された。負極端子は、負極端子が接続される部分の負極活物質層が剥離されて、針かしめによって銅箔に接合される。負極の表裏において、負極端子及び負極端子付近の負極活物質層は、ポリイミド製の保護テープで被覆される。
正極及び負極は、セルロース製のセパレータ(密度0.45g/cm、厚さ35μm、幅30mm)とともに捲回される。これにより、負極端子及び正極端子が付設された捲回構造体が形成される。捲回構造体は、160℃で減圧雰囲気で12時間、乾燥される。
乾燥後、捲回構造体は、捲回が解される。さらに、リチウム層が貼り付けられたリチウム極(長さ33mm)別の銅箔が負極の銅箔に接合される。そして、正極、負極、セパレータ、正極端子、負極端子及びリチウム極が再度捲回される。
このような手順で蓄電素子が形成される。蓄電素子としては、リチウム層が負極端子の外側に配置されない蓄電素子Aと、負極端子の外側においてリチウム層の厚さが薄くなっている蓄電素子Bが準備される。蓄電素子Aは、上記の蓄電素子110Aに対応している。蓄電素子Bは、上記の蓄電素子110Bに対応している。リチウム層の量は、負極に5mVが印加され50時間保持された後、0.2mA/cmの電流密度で1.5Vになるまで放電されたときの容量を100%としたとき、設計上で85%となる量とされる。
蓄電素子A、Bは、電解液(LiPF(1.0mol/L)/炭酸プロピレン溶媒)に浸漬され、5分間減圧維持される。蓄電素子A、Bは、アルミニウムケース(φ12.5mm、長さ35mm)に挿入されて、封口蓋で封止される。蓄電素子A、Bは、40℃で20日間、保管される。蓄電素子A、Bの静電容量は、充放電試験機を用い、500mAで、充電電圧が3.8Vになるまで充電し、充電電圧が3.8Vで30分間保持され、50mAで2.2Vとなるまで放電させたときの放電曲線から測定される。例えば、静電容量は、放電曲線の3.8Vから2.2Vまでの傾きから算出される。蓄電素子A,Bは、静電容量が40F以上のリチウムイオンキャパシタである。
[蓄電素子のリチウムイオンのドープ量の分布評価]
蓄電素子A、Bにおけるリチウムイオンのドープ率は、以下のように求められる。
図10(a)〜図10(c)は、ドープ量の分布を評価する試料の形成手順を説明する模式図である。
図10(a)に示すように、ニッケル板410A(厚さ0.2mm)に、ニッケル帯411A(厚さ0.1mm、幅3mm)が接合されて、集電体440が形成される。この集電体440と同じ形状の集電体430がさらに形成される。集電体430は、ニッケル板410Bとニッケル帯411Bとを有する。
集電体440のニッケル板410Aには、ほぼその全域にリチウム箔412が形成される。一方、集電体430のニッケル板410Bには、蓄電素子A、Bいずれかの負極を切り出した負極の一部130pが設けられる。負極の一部130pは、例えば、1cm角の負極片である。
次に、セパレータ413を介してニッケル板410Bがニッケル板410Aに対向される。この状態が図10(b)に示されている。ここで、セパレータ413は、ニッケル板410A、410Bより大きくなるように加工されている。セパレータ413は、蓄電素子と同じ乾燥条件(160℃、12時間)で乾燥されている。
次に、ニッケル板410A、410Bがラミネートフィルム414で封止される。この状態が図10(c)に示されている。ニッケル帯411A、411Bは、ラミネートフィルム414から突出している。ニッケル帯411A、411Bは、評価用の電極端子として利用される。ラミネートフィルム414内には、電解液が注入されている。
リチウムイオンのドープ率が測定される試料としては、試料A、試料A'、試料B及び試料Bが準備される。例えば、
試料A:蓄電素子A(蓄電素子110A)の負極端子の外側に位置する負極から、その一部を採取して、この一部をニッケル板410Bに貼り付けた試料、
試料A':蓄電素子A(蓄電素子110A)の負極端子の内側に位置する負極から、その一部を採取して、この一部をニッケル板410Bに貼り付けた試料、
試料B:蓄電素子B(蓄電素子110B)の負極端子の外側に位置する負極から、その一部を採取して、この一部をニッケル板410Bに貼り付けた試料、
試料B':蓄電素子B(蓄電素子110B)の負極端子の内側に位置する負極から、その一部を採取して、この一部をニッケル板410Bに貼り付けた試料
である。
さらに、比較例の試料としては、試料C、試料C'、試料D及び試料D'が準備される。例えば、
試料C:蓄電素子210の負極端子の外側に位置する負極から、その一部を採取して、この一部をニッケル板410Bに貼り付けた試料、
試料C':蓄電素子210の負極端子の内側に位置する負極から、その一部を採取して、この一部をニッケル板410Bに貼り付けた試料、
試料D:蓄電素子310の負極端子の外側に位置する負極から、その一部を採取して、この一部をニッケル板410Bに貼り付けた試料、
試料D':蓄電素子310の負極端子の内側に位置する負極から、その一部を採取して、この一部をニッケル板410Bに貼り付けた試料
である。
上記の各試料での負極端子の外側の位置とは、例えば、図5で示される負極端子と第2領域AR2との間の位置である。また、上記の各試料での負極端子の内側の位置とは、例えば、図5で示される負極端子と捲回中心軸C1との間の位置である。
各試料については、負極の面積、負極のドープ量がそれぞれ異なる。このため、各試料については、その負極の一部を配置したニッケル板410Bを正に、リチウム箔412を配置したニッケル板410Aを負にして、(A)0.2mAの電流で1.5Vになるまで放電が行われる。(B)次に、各試料については、5mVになるまで0.2mAで充電が行われる。(C)次に、各試料については、5mVで50時間保持される。(D)そして、0.2mAで1.5Vになるまで再び放電が行われ、(D)で求めた容量に対する(A)で求めた容量の割合から、ドープ率が測定される。
図11(a)は、蓄電素子のリチウムイオンのドープ率(%)を表すグラフ図である。
図11(b)は、高温負荷が印加された後の蓄電素子の直流抵抗(Ω)及び静電容量(F)を表すグラフ図である。
図11(a)に示すように、比較例の蓄電素子210においては、負極端子の外側と内側におけるリチウムイオンのドープ率の差が10%を超えている(例えば、16(%))。また、比較例の蓄電素子310においても、負極端子の外側と内側におけるリチウムイオンのドープ率の差が10%を超えている(例えば、13(%))。上述したように、蓄電素子310においては、正極端子の外側にリチウム層が形成されていない。しかし、このような構成でも、リチウムイオンのドープ率の差は、10%を超えることが分かった。
これに対し、本実施形態に係る蓄電素子110Aにおいては、負極端子の外側と内側におけるリチウムイオンのドープ率の差が10(%)以下(例えば、7(%))になっている。さらに、蓄電素子110Bにおいても、負極端子の外側と内側におけるリチウムイオンのドープ率の差が10(%)以下(例えば、5(%))になっている。このように、リチウムイオンのプレドープの際には、負極端子の外側にリチウム源を配置しないか、リチウム源の厚さを薄くすることで、負極端子の外側と内側におけるリチウムイオンのドープ率がより均一になることが分かった。
また、図11(b)に示すように、静電容量については、比較例及び本実施形態で明確な差異はなかったものの、負極端子の外側と内側とでドープ率の差が大きい比較例では、直流抵抗が増加することが分かった。これに対し、負極端子の外側と内側とでドープ率の差が小さい本実施形態では、直流抵抗が低くなることが分かった。
このように、蓄電素子におけるリチウムイオンのドープ率をより均一にすることで、信頼性が高い蓄電素子が得られる。また、実施例では、負極端子が保護テープで被覆され、負極端子の内側と外側におけるドープ率を均一にする構成が例示されたが、この場所以外においても、ドープ率を均一にすることにより高品質な蓄電素子が得られることが明らかである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
100…電気化学デバイス
110A、110B、210、310…蓄電素子
111…捲回構造体
112…捲回芯
120…収容ケース
130…負極
130p…一部
131…負極端子
132a、132b…主面
132…負極集電体
133…負極活物質層
140…正極
141…正極端子
142…正極集電体
142a、142b…主面
143…正極活物質層
150、150a、150b…セパレータ
161…保護テープ
161w…幅
162…保護テープ
162w…幅
180…リチウム極
181…金属箔
181a、181b…主面
183…リチウム層
410A、410B…ニッケル板
411A、411B…ニッケル帯
412…リチウム箔
413…セパレータ
414…ラミネートフィルム
430、440…集電体
C1…捲回中心軸
AR1…第1領域
AR2…第2領域
AR2c…中心

Claims (5)

  1. 負極集電体と前記負極集電体の主面に設けられた負極活物質層とを有する負極と、正極集電体と前記正極集電体の主面に設けられた正極活物質層とを有する正極と、前記負極と前記正極を絶縁するセパレータと、を有し、前記負極、前記正極及び前記セパレータは積層されて捲回され、前記負極と前記正極とが前記セパレータにより隔てられた捲回構造体と、
    前記負極集電体に電気的に接続され、前記捲回構造体の捲回中心軸に沿って前記捲回構造体内を延伸し、前記捲回構造体から突出する負極端子と、
    前記正極集電体に電気的に接続され、前記捲回中心軸に沿って前記捲回構造体内を延伸し、前記捲回構造体から突出する正極端子と、
    前記負極端子及び前記負極活物質層を被覆する第1保護テープと、
    前記負極端子及び前記正極端子の外側に配置され、前記負極集電体に電気的に接続された金属箔と、前記金属箔に選択的に設けられたリチウム層と、を有するリチウム極と
    を具備し、
    前記金属箔は、前記リチウム層が設けられた第1領域と、前記リチウム層が設けられていない第2領域とを有し、
    前記第2領域と前記捲回中心軸との間に前記第1保護テープが位置している
    蓄電素子。
  2. 負極集電体と前記負極集電体の主面に設けられた負極活物質層とを有する負極と、正極集電体と前記正極集電体の主面に設けられた正極活物質層とを有する正極と、前記負極と前記正極を絶縁するセパレータと、を有し、前記負極、前記正極及び前記セパレータは積層されて捲回され、前記負極と前記正極とが前記セパレータにより隔てられた捲回構造体と、
    前記負極集電体に電気的に接続され、前記捲回構造体の捲回中心軸に沿って前記捲回構造体内を延伸し、前記捲回構造体から突出する負極端子と、
    前記正極集電体に電気的に接続され、前記捲回中心軸に沿って前記捲回構造体内を延伸し、前記捲回構造体から突出する正極端子と、
    前記負極端子及び前記負極活物質層を被覆する第1保護テープと、
    前記負極端子及び前記正極端子の外側に配置され、前記負極集電体に電気的に接続された金属箔と、前記金属箔に設けられたリチウム層と、を有するリチウム極と
    を具備し、
    前記金属箔は、前記リチウム層が設けられた第1領域及び第2領域を有し、前記第2領域に設けられた前記リチウム層の厚さは、前記第1領域に設けられた前記リチウム層の厚さよりも薄く、
    前記第2領域と前記捲回中心軸との間に前記第1保護テープが位置している
    蓄電素子。
  3. 請求項1または2に記載された蓄電素子であって、
    前記捲回構造体の捲回方向において、前記第2領域の幅は、前記第1保護テープの幅の半分以上である
    蓄電素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載された蓄電素子であって、
    前記負極端子と前記負極集電体とを介して前記第1保護テープに対向する第2保護テープをさらに具備し、
    前記第1保護テープは、前記第2保護テープと前記捲回中心軸との間に位置している
    蓄電素子。
  5. 請求項4に記載された蓄電素子であって、
    前記捲回方向において、前記第2領域の幅は、前記第2保護テープの幅の半分以上である
    蓄電素子。
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